第22期東北プロリーグ 後期最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 佐藤大介 74.0 ▲ 4.6 20.9 ▲ 28.9 50.2 111.6
2 大里奈美 42.0 41.2 40.0 8.2 ▲ 40.7 90.7
3 泉亮多 59.7 4.0 ▲ 35.0 23.3 3.6 55.6
4 青木武 0.9 45.0 ▲ 6.9 25.9 ▲ 14.7 50.2
5 三井光一 ▲ 4.5 ▲ 16.5 36.6 ▲ 28.5 60.1 47.2
6 工藤宏紀 ▲ 12.0 9.4 ▲ 1.2 0.8 1.6 ▲ 1.4
7 粕谷勇吉 34.1 ▲ 3.5 ▲ 25.9 ▲ 25.9 ▲ 4.6 ▲ 25.8
8 岩熊隆一 0.8 11.0 ▲ 15.6 20.5 ▲ 100.0 ▲ 83.3
9 皆川直毅 ▲ 14.8 ▲ 24.4 ▲ 27.3 ▲ 7.6 ▲ 45.3 ▲ 119.4
10 杜麻沙也 ▲ 43.7 34.8 6.3 ▲ 50.0 ▲ 81.2 ▲ 133.8
11 早坂和人 ▲ 51.6 ▲ 23.9 73.1 14.9 ▲ 150.0 ▲ 137.5
12 神藤極 ▲ 74.5 29.1 ▲ 65.0 ▲ 150.0 24.9 ▲ 235.5
13 高橋清隆 ▲ 12.4 ▲ 121.6 ▲ 100.0 ▲ 2.7 ▲ 13.9 ▲ 250.6

Bリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 東幸一郎 63.5 75.4 64.8 57.3 17.8 278.8
2 安ヶ平浩希 5.2 ▲ 4.8 72.0 ▲ 23.4 28.2 77.2
3 遠藤昭太 ▲ 9.3 42.5 ▲ 6.5 39.4 1.0 67.1
4 新田大輔 ▲ 34.1 ▲ 2.2 75.4 58.6 ▲ 33.6 64.1
5 井上美里 21.4 ▲ 75.8 73.6 25.1 1.1 45.4
6 千田諒 76.5 ▲ 39.0 ▲ 24.6 ▲ 12.6 43.5 43.8
7 佐藤晃大 30.7 55.2 ▲ 6.9 ▲ 22.2 ▲ 13.4 43.4
8 早川林香 ▲ 1.8 60.5 ▲ 39.4 ▲ 85.4 3.3 ▲ 62.8
9 吉田勝弥 ▲ 100.0 ▲ 21.9 14.3 29.6 12.6 ▲ 65.4
10 佐々木啓文 ▲ 86.5 27.4 ▲ 40.7 47.9 ▲ 17.1 ▲ 69.0
11 菅原直哉 19.3 ▲ 91.6 ▲ 66.5 24.2 15.7 ▲ 98.9
12 山下敬介 18.7 0.9 ▲ 23.4 ▲ 68.4 ▲ 30.8 ▲ 103.0
13 國丸仁哉 ▲ 50.0 15.5 ▲ 59.2 ▲ 45.2 ▲ 34.1 ▲ 173.0
14 斎藤智大 ▲ 123.6 ▲ 42.1 ▲ 34.9 ▲ 36.9 24.1 ▲ 213.4

東北プロリーグ 成績表/第22期東北プロリーグ 後期最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 佐藤大介 74.0 ▲ 4.6 20.9 ▲ 28.9 50.2 111.6
2 大里奈美 42.0 41.2 40.0 8.2 ▲ 40.7 90.7
3 泉亮多 59.7 4.0 ▲ 35.0 23.3 3.6 55.6
4 青木武 0.9 45.0 ▲ 6.9 25.9 ▲ 14.7 50.2
5 三井光一 ▲ 4.5 ▲ 16.5 36.6 ▲ 28.5 60.1 47.2
6 工藤宏紀 ▲ 12.0 9.4 ▲ 1.2 0.8 1.6 ▲ 1.4
7 粕谷勇吉 34.1 ▲ 3.5 ▲ 25.9 ▲ 25.9 ▲ 4.6 ▲ 25.8
8 岩熊隆一 0.8 11.0 ▲ 15.6 20.5 ▲ 100.0 ▲ 83.3
9 皆川直毅 ▲ 14.8 ▲ 24.4 ▲ 27.3 ▲ 7.6 ▲ 45.3 ▲ 119.4
10 杜麻沙也 ▲ 43.7 34.8 6.3 ▲ 50.0 ▲ 81.2 ▲ 133.8
11 早坂和人 ▲ 51.6 ▲ 23.9 73.1 14.9 ▲ 150.0 ▲ 137.5
12 神藤極 ▲ 74.5 29.1 ▲ 65.0 ▲ 150.0 24.9 ▲ 235.5
13 高橋清隆 ▲ 12.4 ▲ 121.6 ▲ 100.0 ▲ 2.7 ▲ 13.9 ▲ 250.6

Bリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 東幸一郎 63.5 75.4 64.8 57.3 17.8 278.8
2 安ヶ平浩希 5.2 ▲ 4.8 72.0 ▲ 23.4 28.2 77.2
3 遠藤昭太 ▲ 9.3 42.5 ▲ 6.5 39.4 1.0 67.1
4 新田大輔 ▲ 34.1 ▲ 2.2 75.4 58.6 ▲ 33.6 64.1
5 井上美里 21.4 ▲ 75.8 73.6 25.1 1.1 45.4
6 千田諒 76.5 ▲ 39.0 ▲ 24.6 ▲ 12.6 43.5 43.8
7 佐藤晃大 30.7 55.2 ▲ 6.9 ▲ 22.2 ▲ 13.4 43.4
8 早川林香 ▲ 1.8 60.5 ▲ 39.4 ▲ 85.4 3.3 ▲ 62.8
9 吉田勝弥 ▲ 100.0 ▲ 21.9 14.3 29.6 12.6 ▲ 65.4
10 佐々木啓文 ▲ 86.5 27.4 ▲ 40.7 47.9 ▲ 17.1 ▲ 69.0
11 菅原直哉 19.3 ▲ 91.6 ▲ 66.5 24.2 15.7 ▲ 98.9
12 山下敬介 18.7 0.9 ▲ 23.4 ▲ 68.4 ▲ 30.8 ▲ 103.0
13 國丸仁哉 ▲ 50.0 15.5 ▲ 59.2 ▲ 45.2 ▲ 34.1 ▲ 173.0
14 斎藤智大 ▲ 123.6 ▲ 42.1 ▲ 34.9 ▲ 36.9 24.1 ▲ 213.4

第4回ニューイヤー北海道プロ選手権 成績表

順位 段位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 合計
優勝 三段 浦山 祐輔 24.6 11.0 35.6 20.9 56.5
準優勝 五段 村上 良 32.2 20.4 52.6 ▲ 9.3 43.3
3 三段 中村 龍太 ▲ 1.4 16.3 14.9 4.6 19.5
4 二段 平島 誉久 ▲ 14.9 8.6 ▲ 6.3 21.0 14.7
5 三段 須賀 智博 21.6 ▲ 23.9 ▲ 2.3 10.8 8.5
6 三段 砂原 裕美子 ▲ 11.5 ▲ 7.3 ▲ 18.8 17.4 ▲ 1.4
7 四段 三盃 貴之 ▲ 4.9 9.4 4.5 ▲ 16.2 ▲ 11.7
8 五段 三盃 志 3.9 ▲ 7.5 ▲ 3.6 ▲ 8.9 ▲ 12.5
9 二段 石田 雅人 ▲ 19.3 ▲ 7.6 ▲ 26.9 6.6 ▲ 20.3
10 二段 小川 和香奈 ▲ 1.8 ▲ 19.4 ▲ 21.2 ▲ 4.1 ▲ 25.3
11 二段 加藤 晋平 ▲ 37.5 25.2 ▲ 12.3 ▲ 22.9 ▲ 35.2

北海道プロリーグ 成績表/第4回ニューイヤー北海道プロ選手権 成績表

順位 段位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 合計
優勝 三段 浦山 祐輔 24.6 11.0 35.6 20.9 56.5
準優勝 五段 村上 良 32.2 20.4 52.6 ▲ 9.3 43.3
3 三段 中村 龍太 ▲ 1.4 16.3 14.9 4.6 19.5
4 二段 平島 誉久 ▲ 14.9 8.6 ▲ 6.3 21.0 14.7
5 三段 須賀 智博 21.6 ▲ 23.9 ▲ 2.3 10.8 8.5
6 三段 砂原 裕美子 ▲ 11.5 ▲ 7.3 ▲ 18.8 17.4 ▲ 1.4
7 四段 三盃 貴之 ▲ 4.9 9.4 4.5 ▲ 16.2 ▲ 11.7
8 五段 三盃 志 3.9 ▲ 7.5 ▲ 3.6 ▲ 8.9 ▲ 12.5
9 二段 石田 雅人 ▲ 19.3 ▲ 7.6 ▲ 26.9 6.6 ▲ 20.3
10 二段 小川 和香奈 ▲ 1.8 ▲ 19.4 ▲ 21.2 ▲ 4.1 ▲ 25.3
11 二段 加藤 晋平 ▲ 37.5 25.2 ▲ 12.3 ▲ 22.9 ▲ 35.2

第5期麻雀グランプリ MAXベスト16 A卓レポート 紺野 真太郎

100

前田直哉、杉浦勘介、伊藤優孝、ともたけ雅晴

現鳳凰位前田を筆頭に鳳凰位経験者が3名。この相手に挑む杉浦の胸中は・・

1回戦東1局、起家杉浦にいきなりチャンス手が入る。
10巡目

四万四万五万四索五索五索六索六索九索九索三筒三筒五筒  ツモ五万  ドラ九索

このテンパイ。打五筒とし四索単騎と受ける。
捨て牌はピンフ形も視野に入れ進行させていた為、七対子には見えない。
次巡二筒に待ち変えると、3面張のピンフをテンパイしていたともたけより二筒が打ち出されて9,600。
各上3名を相手にスタートダッシュを決めることに成功する。

スタートを決めた杉浦だったが、簡単には逃げさせてはくれない。
前田は小刻みに、伊藤は勝負手を決めて、オーラスには3人のトップ争いとなる。

南4局、東家・前田34,800、南家・杉浦33,900、西家・伊藤36,500、北家・ともたけ14,800。

杉浦はトップ伊藤と2,600差。その杉浦8巡目にテンパイ。

七万八万四索四索七索八索九索五筒六筒七筒中中中  ドラ八索

条件どおり2,600のテンパイ。直撃かツモで単独トップ。
捨て牌からは六万九万はこぼれる感じだ。ヤミテンを選択する者もいるであろう。
しかし、杉浦はリーチを宣言。

5回戦勝負の1回戦目、前田と伊藤は放銃しなければほぼ浮きを確保できる。
このリーチは相手を引かせるにも条件を満たす。
また明らかな各上相手の杉浦にとって、気で負けていては勝負にならないという思いもあったであろう。

結果は杉浦の2,000・3,900ツモ。見事トップを決めた。

1回戦成績
杉浦+19.8P 伊藤+7.5P 前田+1.9P ともたけ▲29.2P

 

2回戦東3局、杉浦4巡目テンパイ。

三万三万二索二索四索四索八索八索三筒三筒七筒七筒白  ドラ八索

捨て牌は、発九索 上向き西五索 上向きと七対子には見えない。
先程もそうであったが、この辺は杉浦の能力の高さを物語る。

これにともたけが捕まる。
ともたけは普通に手牌を進行させていたが、杉浦の捨て牌が変則には見えない為の放銃。
ともたけ苦しい。

更に杉浦、親番の南1局に三索六索九索のピンフドラ1のテンパイ。
手巡上九索はフリテンとなっているが、お構いなしとばかりにリーチを打つ。
脇はオリて終盤までもつれたが、三索をツモアガリ2,600オール。
次局にも前田より7,700は8,000を打ち取り大きく抜け出す。

南2局1本場、伊藤の親リーチに対しても一歩も引かずアガリ切った。
この2回戦は正に杉浦の完勝。まだ3回を起こすとはいえ、杉浦の勝ち上がりは固いと思われた・・

2回戦成績
杉浦+31.6P ともたけ▲1.6P 伊藤▲5.0P 前田▲24.0P

2回戦終了時
杉浦+51.4P 伊藤+2.5P 前田▲22.1P ともたけ▲31.8P

 

3回戦
起親ともたけ2,600オール。
このベスト16戦、初めてと言っていいほど自然な形でのアガリ。
反撃開始だ。

東1局1本場8巡目、西家/杉浦の手牌。

三万四万七万五索五索七索七索九索二筒四筒七筒八筒東  ツモ五万  ドラ九万

ここから打七万。ほんの少しの違和感。杉浦の配牌は

四万七万五索七索九索一筒二筒四筒七筒八筒東西中  ツモ南

この配牌から、東以外の字牌は自然な形で処理していた。次巡ツモ四筒で打九索
「・・・」もちろん生牌の東を切ったほうが良いという話ではない。
ともたけの2,600オールスタートでマークすべき親なのだが、1、2回戦の杉浦なら8巡目に切っているような気がした。
大事なものを失わなければよいのだが・・

この半荘を制したのはともたけ。
南1局2本場の高め6,000オールを引けなかったのは痛かったが、杉浦をラスにし反撃体制を整えた。

3回戦成績
ともたけ+16.9P 前田+7.4P 伊藤▲6.8P 杉浦▲17.5P

3回戦終了時
杉浦+33.9P 伊藤▲4.3P 前田▲14.7P ともたけ▲14.9P

 

残り2回、差は詰まったとはいえ、2人勝ち上がりを考えるとまだまだ十分なリードを持っている杉浦。
だが、勝負の女神が迷宮へ誘う・・

東1局1本場、9巡目杉浦テンパイ。

二索三索四索北北白白白発発  ポン東東東  ドラ五筒

だがこのテンパイ打牌の五筒がともたけに捕まる。
2,000は2,300だが、杉浦の心境はどうであったろうか。

続く杉浦の親番わずか2巡でテンパイ。

一万二万三万四万五万六万六万一筒二筒三筒四筒四筒七筒  ツモ七筒  ドラ八万

リーチは打たずともテンパイに取る者もいるであろうし、取らない者もいるであろう。
どちらが正解とはいえない手牌。
杉浦の選択は打一筒のテンパイ取らず。その後のツモは三索南六万四筒一筒五万発三筒西発三筒三筒七筒、ここでテンパイとなるが、その形が

一万二万三万四万五万六万一筒二筒三筒四筒四筒七筒七筒

というもの。断っておくが、杉浦は牌理に弱いわけではない。むしろ強い。
だがそんな杉浦をもってしても、このような状態にはまり込んでしまうということである。
この局にはまだ続きがあり、この時伊藤が四筒七筒、前田が八万白でテンパイしており、次巡、掴んだ白を杉浦が河に置くことはなかった。
それもまた能力である。

先行に陰りが見えてきた杉浦を伊藤が捕まえにかかる。

六万七万八万六索七索八索六筒七筒八筒西西白白  ツモ西  ドラ七索

この4,000オール。更に8,000は8,600、2,000・4,000と爆発。杉浦を逆転する。
ここまで我慢の前田も、南3局に3,000・6000で原点を超えてくる。
ともたけは苦しくなったが、3人による争いで最終戦を迎えることとなった。

4回戦成績
伊藤+28.8P 前田+14.1P 杉浦▲12.0P ともたけ▲30.9P

4回戦終了時
伊藤+24.5P 杉浦+21.9P 前田▲0.6P ともたけ▲45.8P

 

最終戦東2局、親の前田が2,600オール。一気にトータルトップに浮上する。
この後伊藤は原点を回復させ、杉浦は20,000点近くまで削られてしまう。

迎えた南1局の杉浦の親、8巡目、伊藤からリーチが入る。次巡杉浦、ツモってきたのはドラの東

七万七万四索四索六索六索七索八索四筒四筒六筒七筒七筒  ツモ東  ドラ東

すでに東を切っている杉浦、最後の親番であること、標的の伊藤が前に出てきたことなど理由はある。
それでも嫌な感じはしていたのだろう。一瞬の逡巡の後にツモ切った。
この局にも分岐は存在し、杉浦が2巡目に東をツモ切っていれば伊藤が合わせていた可能性があり、七対子に決めていればここでテンパイしていた可能性があり、ツモ切りリーチを選択した伊藤がもう1巡リーチを打たなかったら・・・

四万五万六万六万七万八万三索四索五索七筒八筒九筒東  リーチ  ロン東

5,200。伊藤はほぼ確定。南3局2本場、7巡目前田テンパイ。

一万二万三万五万六万七万八万八万七索八索六筒七筒八筒  ドラ八筒

これをリーチ。ヤミでアガった場合は杉浦に満貫ツモ、5,200直撃の条件が残る。
これをツモれば最低跳満が必要となる。
また伊藤が仕掛けており止める効果もあったろう。それをきっちりツモアガリで決めたのも力である。

最終戦終了
前田+18.4P 伊藤+9.6P ともたけ▲7.2P 杉浦▲20.8P

最終戦終了時
伊藤+34.1P 前田+17.8P 杉浦+1.1P ともたけ▲53.0P

終了後、杉浦と少し話をしたが、落ち込んでるようなそぶりは見せなかった。
本心がどうだったかは計りかねるが、しっかり次を見据えているようであった。
近いうちに今度は勝ち上がる姿を見せてくれることであろう。

グランプリ レポート/第5期麻雀グランプリ MAXベスト16 A卓レポート 紺野 真太郎

100

前田直哉、杉浦勘介、伊藤優孝、ともたけ雅晴
現鳳凰位前田を筆頭に鳳凰位経験者が3名。この相手に挑む杉浦の胸中は・・
1回戦東1局、起家杉浦にいきなりチャンス手が入る。
10巡目
四万四万五万四索五索五索六索六索九索九索三筒三筒五筒  ツモ五万  ドラ九索
このテンパイ。打五筒とし四索単騎と受ける。
捨て牌はピンフ形も視野に入れ進行させていた為、七対子には見えない。
次巡二筒に待ち変えると、3面張のピンフをテンパイしていたともたけより二筒が打ち出されて9,600。
各上3名を相手にスタートダッシュを決めることに成功する。
スタートを決めた杉浦だったが、簡単には逃げさせてはくれない。
前田は小刻みに、伊藤は勝負手を決めて、オーラスには3人のトップ争いとなる。
南4局、東家・前田34,800、南家・杉浦33,900、西家・伊藤36,500、北家・ともたけ14,800。
杉浦はトップ伊藤と2,600差。その杉浦8巡目にテンパイ。
七万八万四索四索七索八索九索五筒六筒七筒中中中  ドラ八索
条件どおり2,600のテンパイ。直撃かツモで単独トップ。
捨て牌からは六万九万はこぼれる感じだ。ヤミテンを選択する者もいるであろう。
しかし、杉浦はリーチを宣言。
5回戦勝負の1回戦目、前田と伊藤は放銃しなければほぼ浮きを確保できる。
このリーチは相手を引かせるにも条件を満たす。
また明らかな各上相手の杉浦にとって、気で負けていては勝負にならないという思いもあったであろう。
結果は杉浦の2,000・3,900ツモ。見事トップを決めた。
1回戦成績
杉浦+19.8P 伊藤+7.5P 前田+1.9P ともたけ▲29.2P
 
2回戦東3局、杉浦4巡目テンパイ。
三万三万二索二索四索四索八索八索三筒三筒七筒七筒白  ドラ八索
捨て牌は、発九索 上向き西五索 上向きと七対子には見えない。
先程もそうであったが、この辺は杉浦の能力の高さを物語る。
これにともたけが捕まる。
ともたけは普通に手牌を進行させていたが、杉浦の捨て牌が変則には見えない為の放銃。
ともたけ苦しい。
更に杉浦、親番の南1局に三索六索九索のピンフドラ1のテンパイ。
手巡上九索はフリテンとなっているが、お構いなしとばかりにリーチを打つ。
脇はオリて終盤までもつれたが、三索をツモアガリ2,600オール。
次局にも前田より7,700は8,000を打ち取り大きく抜け出す。
南2局1本場、伊藤の親リーチに対しても一歩も引かずアガリ切った。
この2回戦は正に杉浦の完勝。まだ3回を起こすとはいえ、杉浦の勝ち上がりは固いと思われた・・
2回戦成績
杉浦+31.6P ともたけ▲1.6P 伊藤▲5.0P 前田▲24.0P
2回戦終了時
杉浦+51.4P 伊藤+2.5P 前田▲22.1P ともたけ▲31.8P
 
3回戦
起親ともたけ2,600オール。
このベスト16戦、初めてと言っていいほど自然な形でのアガリ。
反撃開始だ。
東1局1本場8巡目、西家/杉浦の手牌。
三万四万七万五索五索七索七索九索二筒四筒七筒八筒東  ツモ五万  ドラ九万
ここから打七万。ほんの少しの違和感。杉浦の配牌は
四万七万五索七索九索一筒二筒四筒七筒八筒東西中  ツモ南
この配牌から、東以外の字牌は自然な形で処理していた。次巡ツモ四筒で打九索
「・・・」もちろん生牌の東を切ったほうが良いという話ではない。
ともたけの2,600オールスタートでマークすべき親なのだが、1、2回戦の杉浦なら8巡目に切っているような気がした。
大事なものを失わなければよいのだが・・
この半荘を制したのはともたけ。
南1局2本場の高め6,000オールを引けなかったのは痛かったが、杉浦をラスにし反撃体制を整えた。
3回戦成績
ともたけ+16.9P 前田+7.4P 伊藤▲6.8P 杉浦▲17.5P
3回戦終了時
杉浦+33.9P 伊藤▲4.3P 前田▲14.7P ともたけ▲14.9P
 
残り2回、差は詰まったとはいえ、2人勝ち上がりを考えるとまだまだ十分なリードを持っている杉浦。
だが、勝負の女神が迷宮へ誘う・・
東1局1本場、9巡目杉浦テンパイ。
二索三索四索北北白白白発発  ポン東東東  ドラ五筒
だがこのテンパイ打牌の五筒がともたけに捕まる。
2,000は2,300だが、杉浦の心境はどうであったろうか。
続く杉浦の親番わずか2巡でテンパイ。
一万二万三万四万五万六万六万一筒二筒三筒四筒四筒七筒  ツモ七筒  ドラ八万
リーチは打たずともテンパイに取る者もいるであろうし、取らない者もいるであろう。
どちらが正解とはいえない手牌。
杉浦の選択は打一筒のテンパイ取らず。その後のツモは三索南六万四筒一筒五万発三筒西発三筒三筒七筒、ここでテンパイとなるが、その形が
一万二万三万四万五万六万一筒二筒三筒四筒四筒七筒七筒
というもの。断っておくが、杉浦は牌理に弱いわけではない。むしろ強い。
だがそんな杉浦をもってしても、このような状態にはまり込んでしまうということである。
この局にはまだ続きがあり、この時伊藤が四筒七筒、前田が八万白でテンパイしており、次巡、掴んだ白を杉浦が河に置くことはなかった。
それもまた能力である。
先行に陰りが見えてきた杉浦を伊藤が捕まえにかかる。
六万七万八万六索七索八索六筒七筒八筒西西白白  ツモ西  ドラ七索
この4,000オール。更に8,000は8,600、2,000・4,000と爆発。杉浦を逆転する。
ここまで我慢の前田も、南3局に3,000・6000で原点を超えてくる。
ともたけは苦しくなったが、3人による争いで最終戦を迎えることとなった。
4回戦成績
伊藤+28.8P 前田+14.1P 杉浦▲12.0P ともたけ▲30.9P
4回戦終了時
伊藤+24.5P 杉浦+21.9P 前田▲0.6P ともたけ▲45.8P
 
最終戦東2局、親の前田が2,600オール。一気にトータルトップに浮上する。
この後伊藤は原点を回復させ、杉浦は20,000点近くまで削られてしまう。
迎えた南1局の杉浦の親、8巡目、伊藤からリーチが入る。次巡杉浦、ツモってきたのはドラの東
七万七万四索四索六索六索七索八索四筒四筒六筒七筒七筒  ツモ東  ドラ東
すでに東を切っている杉浦、最後の親番であること、標的の伊藤が前に出てきたことなど理由はある。
それでも嫌な感じはしていたのだろう。一瞬の逡巡の後にツモ切った。
この局にも分岐は存在し、杉浦が2巡目に東をツモ切っていれば伊藤が合わせていた可能性があり、七対子に決めていればここでテンパイしていた可能性があり、ツモ切りリーチを選択した伊藤がもう1巡リーチを打たなかったら・・・
四万五万六万六万七万八万三索四索五索七筒八筒九筒東  リーチ  ロン東
5,200。伊藤はほぼ確定。南3局2本場、7巡目前田テンパイ。
一万二万三万五万六万七万八万八万七索八索六筒七筒八筒  ドラ八筒
これをリーチ。ヤミでアガった場合は杉浦に満貫ツモ、5,200直撃の条件が残る。
これをツモれば最低跳満が必要となる。
また伊藤が仕掛けており止める効果もあったろう。それをきっちりツモアガリで決めたのも力である。
最終戦終了
前田+18.4P 伊藤+9.6P ともたけ▲7.2P 杉浦▲20.8P
最終戦終了時
伊藤+34.1P 前田+17.8P 杉浦+1.1P ともたけ▲53.0P
終了後、杉浦と少し話をしたが、落ち込んでるようなそぶりは見せなかった。
本心がどうだったかは計りかねるが、しっかり次を見据えているようであった。
近いうちに今度は勝ち上がる姿を見せてくれることであろう。

第98回『サバキの神髄⑤流れの認識―NO3』 荒 正義

東4局は沢崎の親番。
跳満を引きに行き、逆にリーチ棒込みで9,000点の打ち込みとなってしまった沢崎。
だがその闘志は少しも衰えない。けれどこの日、迎えた最初の親番は瀬戸熊に落とされた。
瀬戸熊から7巡目にリーチが入る。

一筒 上向き一万 上向き白発北四万 上向き
九万 左向き

この河では読みようがない。そしてテンパイ形がこれだ。

五万五万五万七万七万二索三索六索七索八索八索八索八索

どうということのない手に見えるが、ドラが七万なのである。入り目が4枚目の八索というのも瀬戸熊らしい引き。
2巡後、あっさりと一索ツモって2,000・3,900。

この半荘は満貫クラスの応酬、これが荒れ場である。
打点の高いアガリが1人に偏るのが「嵐」。それが打ち合いやツモリ合いになると「荒れ場」と呼ぶ。
この時点で4人の持ち点がこうだ。

望月 23,600
ともたけ 24,400
瀬戸熊 37,600
沢崎 34,400

いつの間にか瀬戸熊が沢崎を抜き、トップに立ってしまったのである。
(やっぱり今の瀬戸熊の安定感は、ピカイチだ―)
観戦者がこう思っても何ら不思議はない。解説の滝沢も感嘆の声を漏らした。
「強い!」と。

さっきはともたけの3面シャンの先制リーチにカン二索で追いかけ、親で7,700をともたけから打ち取る。
今度は両面でツモだ。一見、今の瀬戸熊は死角なしに見える。
しかし麻雀の「流れ」の判断は、見る角度によって変わる。私の見方はこうだ。

瀬戸熊が超一流の打ち手であることは私も認める。しかし「流れ」は別だ。
彼は第5節までオール浮きで、プラス250P。しかし、その後は70P沈んでいたのだ。
彼の「流れ」が本物なら、浮きは300Pを突破していたはずである。
ならば上昇運が止まり、下降運に入ったと見ることもできる。
これが、瀬戸熊の「流れ」に対する正直な私の見解である。

ようやく南場に突入。ここで沢崎が鋭い仕掛けを見せた。6巡目で沢崎の手はこうだ。

二索二索二索三索三索四索六索七索八索八筒白白発  ドラ五索

ここに親の望月から三索が切られる、と動いた。
通常ならこの手は面前で進め、動かないのが普通の構えだ。
しかしこの時、場には一索が3枚と二索四索が1枚切られていた。だから動いたようにも見える。
それにしても、よくポンの声が出るものだ。私は鳴けないし、動けない。
この鳴きですぐに四索を引きこんで沢崎はテンパイを果たす。これが沢崎の状況判断と手牌のサバキである。

二索二索二索四索四索六索七索八索白白  ポン三索 上向き三索 上向き三索 左向き

ここに瀬戸熊から、食い上ったドラの五索を重ねてリーチが入る。

一万二万三万四万五万六万五索五索二筒四筒五筒六筒七筒  リーチ

東一索 上向き九筒 上向き八筒 上向き九索 上向き一索 上向き
北北南二筒 左向き

またしても読みづらい河だ。
マチは分らなくても沢崎の染め手に勝負と出る以上、打点は相当あると判断できる。
瀬戸熊も前局のアガリとツモから手応えを感じていたはずだ。

もしも沢崎が動かなければ、手はこうなっていたことになる。

二索二索二索三索三索四索五索六索七索八索白白発

もちろん瀬戸熊のリーチも入らず、望月の手も進まなかった。
そして沢崎の手がもっと高くアガていた可能性があったのだ。鳴くべきか、鳴かざるべきか。この判断は難しい。

瀬戸熊のリーチに無筋の四万二万強打する沢崎。これで沢崎もテンパイが明白。
そこに望月が生牌の白を強打した。2人のテンパイをかわして沢崎の3,900、これは大きいアガリだ。
危険を承知で打った望月の手はこうだ。

一筒一筒一筒二筒三筒三筒四筒四筒五筒八筒九筒中中

入り目が三筒で、ヤミテンでも出アガリ9,600。
この白は今の望月の状況と立場、そして手牌が打たせたのである。
これを止めていては勝負にならない。

後の戦いは小場で流れた。そして第1戦の結末はこうだ。
(カッコ内は9節までの総合計)。

沢崎 +22,6P(+2.6P)=25.2P
瀬戸熊 +8,9P(+173.4P)=182.3P
ともたけ ▲11,4P(+92.5P)=81.1P
望月 ▲20,0P(▲81.6P)=▲101.6P

試合は半荘ごとに15分くらいの休憩に入る。
このとき打ち手は、出た結果と流れから、相手3人の心の動きを敏感に察知しておく必要がある。
相手はどう構え、どう来るかである。

相手の仕掛けや河から、相手のロン牌を推理することを「読み」というが、それは読みの部分に過ぎない。
「読み」とは、相手の心の動きを知ることだ。そこに打ち手の雀風を加え、次の行動を予測する。これが真の「読み」である。

私の「読み」はこうだ。
現状1位の瀬戸熊は、この荒れ場を浮きの2着で通過できたことで満足だろう。
3位通過のボーダーラインは通常+70Pである。余裕を持つなら90Pあれば十分。

だとしたなら、まだ90Pの余裕がある。
残り7戦、後は一歩ずつ半荘を刻んで詰めていくはずである。
打牌の強さは、いつも通りと予測できる。

一方、ともたけは不調である。牌の巡りが怪しい。それはともたけも感じているはず。
となれば今日は、守備を重視し失点を最小限に抑えようとするだろう。
したがって、打牌は極めて「静」と予測できる。
しかし、打牌が強い時は注意が肝心。そのときは打点があってマチも好形と見なければならない。

では、望月の場合はどうか。
このラスで柴田と並んだ。A1陥落は2人で、1人は猿川で確定。
だから争いは柴田との一騎打ちである。今日がダメでも次があるから、自分らしく打とうと考える。
となれば攻めと守りの打牌が、より鮮明になるはずだ。

問題は好調の沢崎だ。トップをマクリ返し、気分は上々。今のトップで残留は確定。
だから下は見ず、上だけを見て打ってくる。
打牌も強く伸ばして来るだろう。彼の技は多彩で中にはブラフもあるが、それを見極めるのは困難である。
しかし、調子に乗ると卓上の制空権を一気に支配して来る。そうなると厄介である。
だから、彼の親だけは早めに蹴るに限る。

たった15分の合間でも、この位の「読み」と「対応」は入れておくことが大事。
プロは、卓上だけが勝負の場ではないのだ。

上級/第98回『サバキの神髄⑤流れの認識―NO3』 荒 正義

東4局は沢崎の親番。
跳満を引きに行き、逆にリーチ棒込みで9,000点の打ち込みとなってしまった沢崎。
だがその闘志は少しも衰えない。けれどこの日、迎えた最初の親番は瀬戸熊に落とされた。
瀬戸熊から7巡目にリーチが入る。
一筒 上向き一万 上向き白発北四万 上向き
九万 左向き
この河では読みようがない。そしてテンパイ形がこれだ。
五万五万五万七万七万二索三索六索七索八索八索八索八索
どうということのない手に見えるが、ドラが七万なのである。入り目が4枚目の八索というのも瀬戸熊らしい引き。
2巡後、あっさりと一索ツモって2,000・3,900。
この半荘は満貫クラスの応酬、これが荒れ場である。
打点の高いアガリが1人に偏るのが「嵐」。それが打ち合いやツモリ合いになると「荒れ場」と呼ぶ。
この時点で4人の持ち点がこうだ。

望月 23,600
ともたけ 24,400
瀬戸熊 37,600
沢崎 34,400

いつの間にか瀬戸熊が沢崎を抜き、トップに立ってしまったのである。
(やっぱり今の瀬戸熊の安定感は、ピカイチだ―)
観戦者がこう思っても何ら不思議はない。解説の滝沢も感嘆の声を漏らした。
「強い!」と。
さっきはともたけの3面シャンの先制リーチにカン二索で追いかけ、親で7,700をともたけから打ち取る。
今度は両面でツモだ。一見、今の瀬戸熊は死角なしに見える。
しかし麻雀の「流れ」の判断は、見る角度によって変わる。私の見方はこうだ。
瀬戸熊が超一流の打ち手であることは私も認める。しかし「流れ」は別だ。
彼は第5節までオール浮きで、プラス250P。しかし、その後は70P沈んでいたのだ。
彼の「流れ」が本物なら、浮きは300Pを突破していたはずである。
ならば上昇運が止まり、下降運に入ったと見ることもできる。
これが、瀬戸熊の「流れ」に対する正直な私の見解である。
ようやく南場に突入。ここで沢崎が鋭い仕掛けを見せた。6巡目で沢崎の手はこうだ。
二索二索二索三索三索四索六索七索八索八筒白白発  ドラ五索
ここに親の望月から三索が切られる、と動いた。
通常ならこの手は面前で進め、動かないのが普通の構えだ。
しかしこの時、場には一索が3枚と二索四索が1枚切られていた。だから動いたようにも見える。
それにしても、よくポンの声が出るものだ。私は鳴けないし、動けない。
この鳴きですぐに四索を引きこんで沢崎はテンパイを果たす。これが沢崎の状況判断と手牌のサバキである。
二索二索二索四索四索六索七索八索白白  ポン三索 上向き三索 上向き三索 左向き
ここに瀬戸熊から、食い上ったドラの五索を重ねてリーチが入る。
一万二万三万四万五万六万五索五索二筒四筒五筒六筒七筒  リーチ
東一索 上向き九筒 上向き八筒 上向き九索 上向き一索 上向き
北北南二筒 左向き
またしても読みづらい河だ。
マチは分らなくても沢崎の染め手に勝負と出る以上、打点は相当あると判断できる。
瀬戸熊も前局のアガリとツモから手応えを感じていたはずだ。
もしも沢崎が動かなければ、手はこうなっていたことになる。
二索二索二索三索三索四索五索六索七索八索白白発
もちろん瀬戸熊のリーチも入らず、望月の手も進まなかった。
そして沢崎の手がもっと高くアガていた可能性があったのだ。鳴くべきか、鳴かざるべきか。この判断は難しい。
瀬戸熊のリーチに無筋の四万二万強打する沢崎。これで沢崎もテンパイが明白。
そこに望月が生牌の白を強打した。2人のテンパイをかわして沢崎の3,900、これは大きいアガリだ。
危険を承知で打った望月の手はこうだ。
一筒一筒一筒二筒三筒三筒四筒四筒五筒八筒九筒中中
入り目が三筒で、ヤミテンでも出アガリ9,600。
この白は今の望月の状況と立場、そして手牌が打たせたのである。
これを止めていては勝負にならない。
後の戦いは小場で流れた。そして第1戦の結末はこうだ。
(カッコ内は9節までの総合計)。

沢崎 +22,6P(+2.6P)=25.2P
瀬戸熊 +8,9P(+173.4P)=182.3P
ともたけ ▲11,4P(+92.5P)=81.1P
望月 ▲20,0P(▲81.6P)=▲101.6P

試合は半荘ごとに15分くらいの休憩に入る。
このとき打ち手は、出た結果と流れから、相手3人の心の動きを敏感に察知しておく必要がある。
相手はどう構え、どう来るかである。
相手の仕掛けや河から、相手のロン牌を推理することを「読み」というが、それは読みの部分に過ぎない。
「読み」とは、相手の心の動きを知ることだ。そこに打ち手の雀風を加え、次の行動を予測する。これが真の「読み」である。
私の「読み」はこうだ。
現状1位の瀬戸熊は、この荒れ場を浮きの2着で通過できたことで満足だろう。
3位通過のボーダーラインは通常+70Pである。余裕を持つなら90Pあれば十分。
だとしたなら、まだ90Pの余裕がある。
残り7戦、後は一歩ずつ半荘を刻んで詰めていくはずである。
打牌の強さは、いつも通りと予測できる。
一方、ともたけは不調である。牌の巡りが怪しい。それはともたけも感じているはず。
となれば今日は、守備を重視し失点を最小限に抑えようとするだろう。
したがって、打牌は極めて「静」と予測できる。
しかし、打牌が強い時は注意が肝心。そのときは打点があってマチも好形と見なければならない。
では、望月の場合はどうか。
このラスで柴田と並んだ。A1陥落は2人で、1人は猿川で確定。
だから争いは柴田との一騎打ちである。今日がダメでも次があるから、自分らしく打とうと考える。
となれば攻めと守りの打牌が、より鮮明になるはずだ。
問題は好調の沢崎だ。トップをマクリ返し、気分は上々。今のトップで残留は確定。
だから下は見ず、上だけを見て打ってくる。
打牌も強く伸ばして来るだろう。彼の技は多彩で中にはブラフもあるが、それを見極めるのは困難である。
しかし、調子に乗ると卓上の制空権を一気に支配して来る。そうなると厄介である。
だから、彼の親だけは早めに蹴るに限る。
たった15分の合間でも、この位の「読み」と「対応」は入れておくことが大事。
プロは、卓上だけが勝負の場ではないのだ。

第5期麻雀グランプリ MAX二次予選レポート 吉野 敦志

第5期グランプリMAX2次予選からは小島、灘を筆頭に、今年度さらに活躍した選手がシードとして登場する。

今日勝ち上がり、夏目坂スタジオにて行われる、ベスト16へと駒を進めるのは果たして誰なのでしょうか!?

A卓(小島武夫VSともたけ雅晴VS森山茂和VS客野直)

100
100
100
100

第1期グランプリMAX覇者、ミスター麻雀小島武夫。
今期鳳凰位決定戦に惜しくも残れなかった、ともたけ。
加えて1次予選で勝ち上がりを決めた、森山、客野。

1回戦、南場に入った時点で、ともたけがすでに50,000点オーバー。
逆に不調かと感じたのは森山。

三万四万二索二索二索一筒一筒発発発  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ドラ発

ラス目からこのポンテンも、客野にアガリきられる。

1回戦終了時
ともたけ+27.8P 客野▲1.3P 小島▲5.7P 森山▲15.6P

これで闘将の魂に火がついたか、2回戦から怒涛の4連勝!!!
その煽りをくらわなかった、ともたけと勝ち上がりを決めた。

1位通過 森山茂和
2位通過 ともたけ雅晴   ベスト16進出

 

B卓(灘麻太郎VS勝又健志VS杉浦勘助VS滝沢和典)

100
100
100
100

カミソリ灘こと、今回も切れ味鋭いアガリがみれるか灘名誉会長。
鳳凰位決定戦にも残り、第2期グランプリMAX覇者の勝又。
そして1次予選に国士無双をアガった杉浦に、最終戦で大逆転の3倍満をアガって勝ち上がりを決めた滝沢。
この勢いに乗る両者に、シード選手であり、初戦でもある灘、勝又はどう戦うのであろうか!?

2回戦終了時
杉浦+26.2P 勝又+18.8P 灘▲8.4P 滝沢▲36.6P

杉浦、勝又の安定した戦いぶりに、灘は少しのマイナスで抑えているものの、滝沢は早くも2連続4着で、ベスト16に向けて雲行きが怪しくなったか・・・。
3回戦、国士無双をテンパイするもアガリきれず、今ひとつ波にのれない滝沢。
しかし、その滝沢がオーラスの親で5本場まで積み、50,000点を一気に越えトップ目に。
続く5本場、滝沢の親を続けさせてはいけないぞと、ここは勝又が仕掛けて勝負にでる。
そして杉浦にもチャンス手が。

南4局、南家、杉浦

三万三万四万四万二索二索七筒七筒七筒八筒九筒九筒九筒  ツモ八筒  ドラ八筒

三万四万二索が2枚切れじゃないことから、四暗刻を狙うかと思いきや、杉浦の選択は七対子やリャンペーコを狙った打七筒
ツモ二万と狙い通りに来て、仕掛けを入れた勝又の現物ということもありヤミテンにしたが、ここは勝又がアガリきった。
その後は、勝又、杉浦の隙のない麻雀に、現状下位2名の灘、滝沢は、差を縮めるどころか、逆にひらく一方になり、ここであえなく敗退。

1位通過 杉浦勘助
2位通過 勝又健志  ベスト16進出

 

C卓(吾妻さおりVS柴田弘幸VS伊藤優孝VS沢崎誠)

100
100
100
100

女流桜花を2連覇し、2次予選からの登場の吾妻。
常にポイントランキング上位で、グランプリ常連の柴田弘。
1次予選では、危ない牌を切っても切っても放銃せず、アガれるんだよね(笑)と圧勝で勝ち上がりを決めた死神の優。
対して苦しいながらも、2つ目のイスを勝ち取ったマムシの沢崎。果たして今日はどうか?

1、2回戦は、1次予選の好調を維持してか、伊藤の2連勝。
逆に不調だったのは柴田弘。2連続4着でベスト16に向けて早くも黄色信号か!?

4回戦終了時
伊藤+63.5P 吾妻▲4.5P 柴田弘▲27.8P 沢崎▲31.2P

3回戦は柴田弘が意地のトップ。4回戦は絶好調の伊藤が本日3勝目でほぼ当確。、
最終戦は残り1つのイスをめぐる戦いとなった。

吾妻が有利に迎えた展開のなか、沢崎が許さんぞ!とこのアガリ!!!
南1局。親 吾妻。

六万七万八万七索八索三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ六索

ターゲットとなっている吾妻に親っかぶりさせるこの3,000・6,000。
これで微差ながら沢崎がトータル2着目に。
しかしここは流石の桜花様。沢崎に一度捉えられるも、沢崎を突き放すアガリで運命のオーラスへ。
南4局、親の沢崎にこのチャンス手でリーチ。

一万三万一索一索一索七索八索九索一筒二筒三筒三筒三筒  リーチ  ドラ一索

二万が場に2枚切れではあったが、これをアガればベスト16に向けて一気に近づく。
がしかし、この手は実らず、ここは伊藤がアガりきり、本命である沢崎、柴田弘がここで無念の敗退となった。

1位通過 伊藤優孝
2位通過 吾妻さおり   ベスト16進出

 

D卓(和久津晶VS荒正義VS柴田吉和VS近藤久春)

100
100
100
100

今期プロクイーンのタイトルを栄冠した超攻撃アマゾネス和久津晶。
そしてこのD卓では大本命である、「生きる伝説」荒正義。
1次予選では、並み居る強敵を倒し、勝ち上がった新人王の柴田吉。
苦しいながらもさすがはA1リーガー。しぶとくチャンスを伺って勝ち残った近藤。
超攻撃型の和久津が局面をリードするのか?はたまた、全てにおいて精度が高い荒が点棒を積み重ねていくのか?
近藤、柴田吉も勝ち上がってきた勢いがある分、興味深い組み合わせとなった。

2回戦終了時
近藤+29.2P 荒+13.3P 柴田吉+7.3P 和久津▲49.8P

1、2回戦とリーチ合戦にことごとく負け、絶不調の和久津。
しかし、それでも和久津の攻撃力なら。と感じさせてくれるのも強さなのであろうか?
3回戦、ここまで地力で勝る荒が、着実にプラスを重ねていきトータルトップ目に。、
4回戦はやはり来たか。アマゾネスが大トップで最終戦に望みを繋いだ。

4回戦終了時
近藤+33.7P 荒+20.7P 和久津▲10.3P 柴田吉▲46.1P

最終戦、和久津が東場の親で、

一万一万一万二索三索四索七索九索二筒三筒四筒八筒八筒  リーチ  ツモ八索  ドラ七索

この2,600オールを皮切りに、大逆転があるか!?と思われたが、
ここに立ち塞がったのは、やはり荒正義。精密機械とも言われる荒が、ミスなく局面を回し、
メリハリのきいた攻守で戦った近藤のA1リーガー2人が順当にベスト16へ駒を進めた。

1位通過 荒正義
2位通過 近藤久春     ベスト16進出

 

E卓(瀬戸熊VS前原雄大VS佐々木寿人VS吉田直)

リーグ戦後半は失速し、そのまま鳳凰位決定戦も不完全燃焼となった瀬戸熊。今期最後のタイトル戦はどう締めくくるのか?
対してA2リーグでは昇級し、第3期グランプリMAX覇者の前原。
トーナメント戦では、常に冗談混じりで皆に心配されながらも、1勝目を飾った佐々木寿人。
今日の対戦相手はやばいね!勝ちたいと語った吉田。
2次予選屈指の好カードに注目したい。

100
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1回戦、親番の瀬戸熊がわずか4巡目にリーチ。

七万八万九万七索八索二筒三筒四筒七筒七筒白白白  リーチ  ツモ六索  ドラ七索

この3,900オールを決め、1回戦をトップで締めくくる。

3回戦終了時
瀬戸熊+43.1P 佐々木+20.2P 吉田▲21.9P 前原▲41.4P

瀬戸熊は好調を維持しているのに対し、浮上のきっかけを探してるものの、今ひとつな前原。
4回戦に入り、急に会場がざわめいたと思ったら、佐々木がこのアガり!!!

南南西西中中中  ポン東東東  ポン白白白  ツモ南

佐々木トーナメント戦2勝目にむけて、値千金の8,000・16,000!!!

東東南南西西北白白発中中中

こんな1シャンテンは人生で初めてだったよ!と、あの寿人が満面の笑みで語ってくれた。

1位通過 瀬戸熊直樹
2位通過 佐々木寿人

2次予選勝ち上がりの10名に、以下のシード選手6名を加え

現グランプリ:前田直哉
鳳凰位:藤崎智
十段位:櫻井秀樹
王位:清原継光
マスターズ:西島一彦
世界チャンピオン:山井弘

場所を夏目坂スタジオに移し、いよいよベスト16が行われる。

グランプリ レポート/第5期麻雀グランプリ MAX二次予選レポート 吉野 敦志

第5期グランプリMAX2次予選からは小島、灘を筆頭に、今年度さらに活躍した選手がシードとして登場する。
今日勝ち上がり、夏目坂スタジオにて行われる、ベスト16へと駒を進めるのは果たして誰なのでしょうか!?
A卓(小島武夫VSともたけ雅晴VS森山茂和VS客野直)

100
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第1期グランプリMAX覇者、ミスター麻雀小島武夫。
今期鳳凰位決定戦に惜しくも残れなかった、ともたけ。
加えて1次予選で勝ち上がりを決めた、森山、客野。
1回戦、南場に入った時点で、ともたけがすでに50,000点オーバー。
逆に不調かと感じたのは森山。
三万四万二索二索二索一筒一筒発発発  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ドラ発
ラス目からこのポンテンも、客野にアガリきられる。
1回戦終了時
ともたけ+27.8P 客野▲1.3P 小島▲5.7P 森山▲15.6P
これで闘将の魂に火がついたか、2回戦から怒涛の4連勝!!!
その煽りをくらわなかった、ともたけと勝ち上がりを決めた。
1位通過 森山茂和
2位通過 ともたけ雅晴   ベスト16進出
 
B卓(灘麻太郎VS勝又健志VS杉浦勘助VS滝沢和典)

100
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カミソリ灘こと、今回も切れ味鋭いアガリがみれるか灘名誉会長。
鳳凰位決定戦にも残り、第2期グランプリMAX覇者の勝又。
そして1次予選に国士無双をアガった杉浦に、最終戦で大逆転の3倍満をアガって勝ち上がりを決めた滝沢。
この勢いに乗る両者に、シード選手であり、初戦でもある灘、勝又はどう戦うのであろうか!?
2回戦終了時
杉浦+26.2P 勝又+18.8P 灘▲8.4P 滝沢▲36.6P
杉浦、勝又の安定した戦いぶりに、灘は少しのマイナスで抑えているものの、滝沢は早くも2連続4着で、ベスト16に向けて雲行きが怪しくなったか・・・。
3回戦、国士無双をテンパイするもアガリきれず、今ひとつ波にのれない滝沢。
しかし、その滝沢がオーラスの親で5本場まで積み、50,000点を一気に越えトップ目に。
続く5本場、滝沢の親を続けさせてはいけないぞと、ここは勝又が仕掛けて勝負にでる。
そして杉浦にもチャンス手が。
南4局、南家、杉浦
三万三万四万四万二索二索七筒七筒七筒八筒九筒九筒九筒  ツモ八筒  ドラ八筒
三万四万二索が2枚切れじゃないことから、四暗刻を狙うかと思いきや、杉浦の選択は七対子やリャンペーコを狙った打七筒
ツモ二万と狙い通りに来て、仕掛けを入れた勝又の現物ということもありヤミテンにしたが、ここは勝又がアガリきった。
その後は、勝又、杉浦の隙のない麻雀に、現状下位2名の灘、滝沢は、差を縮めるどころか、逆にひらく一方になり、ここであえなく敗退。
1位通過 杉浦勘助
2位通過 勝又健志  ベスト16進出
 
C卓(吾妻さおりVS柴田弘幸VS伊藤優孝VS沢崎誠)

100
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100
100

女流桜花を2連覇し、2次予選からの登場の吾妻。
常にポイントランキング上位で、グランプリ常連の柴田弘。
1次予選では、危ない牌を切っても切っても放銃せず、アガれるんだよね(笑)と圧勝で勝ち上がりを決めた死神の優。
対して苦しいながらも、2つ目のイスを勝ち取ったマムシの沢崎。果たして今日はどうか?
1、2回戦は、1次予選の好調を維持してか、伊藤の2連勝。
逆に不調だったのは柴田弘。2連続4着でベスト16に向けて早くも黄色信号か!?
4回戦終了時
伊藤+63.5P 吾妻▲4.5P 柴田弘▲27.8P 沢崎▲31.2P
3回戦は柴田弘が意地のトップ。4回戦は絶好調の伊藤が本日3勝目でほぼ当確。、
最終戦は残り1つのイスをめぐる戦いとなった。
吾妻が有利に迎えた展開のなか、沢崎が許さんぞ!とこのアガリ!!!
南1局。親 吾妻。
六万七万八万七索八索三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ六索
ターゲットとなっている吾妻に親っかぶりさせるこの3,000・6,000。
これで微差ながら沢崎がトータル2着目に。
しかしここは流石の桜花様。沢崎に一度捉えられるも、沢崎を突き放すアガリで運命のオーラスへ。
南4局、親の沢崎にこのチャンス手でリーチ。
一万三万一索一索一索七索八索九索一筒二筒三筒三筒三筒  リーチ  ドラ一索
二万が場に2枚切れではあったが、これをアガればベスト16に向けて一気に近づく。
がしかし、この手は実らず、ここは伊藤がアガりきり、本命である沢崎、柴田弘がここで無念の敗退となった。
1位通過 伊藤優孝
2位通過 吾妻さおり   ベスト16進出
 
D卓(和久津晶VS荒正義VS柴田吉和VS近藤久春)

100
100
100
100

今期プロクイーンのタイトルを栄冠した超攻撃アマゾネス和久津晶。
そしてこのD卓では大本命である、「生きる伝説」荒正義。
1次予選では、並み居る強敵を倒し、勝ち上がった新人王の柴田吉。
苦しいながらもさすがはA1リーガー。しぶとくチャンスを伺って勝ち残った近藤。
超攻撃型の和久津が局面をリードするのか?はたまた、全てにおいて精度が高い荒が点棒を積み重ねていくのか?
近藤、柴田吉も勝ち上がってきた勢いがある分、興味深い組み合わせとなった。
2回戦終了時
近藤+29.2P 荒+13.3P 柴田吉+7.3P 和久津▲49.8P
1、2回戦とリーチ合戦にことごとく負け、絶不調の和久津。
しかし、それでも和久津の攻撃力なら。と感じさせてくれるのも強さなのであろうか?
3回戦、ここまで地力で勝る荒が、着実にプラスを重ねていきトータルトップ目に。、
4回戦はやはり来たか。アマゾネスが大トップで最終戦に望みを繋いだ。
4回戦終了時
近藤+33.7P 荒+20.7P 和久津▲10.3P 柴田吉▲46.1P
最終戦、和久津が東場の親で、
一万一万一万二索三索四索七索九索二筒三筒四筒八筒八筒  リーチ  ツモ八索  ドラ七索
この2,600オールを皮切りに、大逆転があるか!?と思われたが、
ここに立ち塞がったのは、やはり荒正義。精密機械とも言われる荒が、ミスなく局面を回し、
メリハリのきいた攻守で戦った近藤のA1リーガー2人が順当にベスト16へ駒を進めた。
1位通過 荒正義
2位通過 近藤久春     ベスト16進出
 
E卓(瀬戸熊VS前原雄大VS佐々木寿人VS吉田直)
リーグ戦後半は失速し、そのまま鳳凰位決定戦も不完全燃焼となった瀬戸熊。今期最後のタイトル戦はどう締めくくるのか?
対してA2リーグでは昇級し、第3期グランプリMAX覇者の前原。
トーナメント戦では、常に冗談混じりで皆に心配されながらも、1勝目を飾った佐々木寿人。
今日の対戦相手はやばいね!勝ちたいと語った吉田。
2次予選屈指の好カードに注目したい。

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1回戦、親番の瀬戸熊がわずか4巡目にリーチ。
七万八万九万七索八索二筒三筒四筒七筒七筒白白白  リーチ  ツモ六索  ドラ七索
この3,900オールを決め、1回戦をトップで締めくくる。
3回戦終了時
瀬戸熊+43.1P 佐々木+20.2P 吉田▲21.9P 前原▲41.4P
瀬戸熊は好調を維持しているのに対し、浮上のきっかけを探してるものの、今ひとつな前原。
4回戦に入り、急に会場がざわめいたと思ったら、佐々木がこのアガり!!!
南南西西中中中  ポン東東東  ポン白白白  ツモ南
佐々木トーナメント戦2勝目にむけて、値千金の8,000・16,000!!!
東東南南西西北白白発中中中
こんな1シャンテンは人生で初めてだったよ!と、あの寿人が満面の笑みで語ってくれた。
1位通過 瀬戸熊直樹
2位通過 佐々木寿人
2次予選勝ち上がりの10名に、以下のシード選手6名を加え
現グランプリ:前田直哉
鳳凰位:藤崎智
十段位:櫻井秀樹
王位:清原継光
マスターズ:西島一彦
世界チャンピオン:山井弘

場所を夏目坂スタジオに移し、いよいよベスト16が行われる。

第47期 北海道プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 最終節 合計
優勝 石田 雅人 45.4 ▲ 5.9 13.4 18.4 5.1 98.3 174.7
準優勝 加藤 晋平 ▲ 14.1 63.2 29.8 29.4 51.6 1.3 161.2
3 藤原 洋一 64.0 11.3 ▲ 2.1 92.7 ▲ 55.6 ▲ 1.8 108.5
4 須賀 智博 6.0 23.0 15.0 8.1 45.0 9.1 106.2
5 土橋 篤 13.3 48.6 44.5 3.0 40.9 ▲ 46.2 104.1
6 市川 敦士 31.2 57.1 18.7 21.4 ▲ 29.0 ▲ 17.2 82.2
7 喜多 清貴 2.3 ▲ 17.1 ▲ 43.4 19.7 99.7 9.1 70.3
8 野々川 博之 37.9 ▲ 34.0 8.0 ▲ 18.4 ▲ 10.4 65.4 48.5
9 中村 龍太 108.1 ▲ 8.8 ▲ 13.7 ▲ 52.2 35.3 ▲ 32.3 36.4
10 浦山 祐輔 29.5 ▲ 22.8 ▲ 6.9 24.3 58.6 ▲ 48.4 14.3
11 平島 誉久 8.9 23.9 ▲ 15.2 18.7 ▲ 18.5 ▲ 21.7 ▲ 3.9
12 三盃 貴之 ▲ 82.5 ▲ 42.5 10.4 8.4 46.8 5.1 ▲ 54.3
13 村上 良 18.5 ▲ 36.3 ▲ 31.8 35.7 ▲ 37.0 ▲ 70.9
14 西野 拓也 ▲ 41.6 3.8 84.7 24.6 ▲ 120.6 ▲ 23.9 ▲ 73.0
15 真光 祐尚 ▲ 38.9 ▲ 0.9 21.6 ▲ 33.5 ▲ 17.3 ▲ 89.0
16 中村 瞬 ▲ 17.3 6.5 ▲ 90.8
17 小川 和香奈 ▲ 33.3 11.0 25.8 25.9 ▲ 106.4 ▲ 77.0
18 砂原 裕美子 ▲ 2.8 23.7 ▲ 87.0 ▲ 3.0 ▲ 89.1
19 鑓水 智祐 4.7 ▲ 65.9 ▲ 91.6 10.6 ▲ 162.2
20 三盃 志 ▲ 32.4 ▲ 82.3 10.7 ▲ 57.1 ▲ 4.5 ▲ 165.6
21 野坂 健一 ▲ 41.3 ▲ 69.1 ▲ 170.4
22 佐藤 賢忠 ▲ 66.6 ▲ 29.8 ▲ 48.5 69.3 ▲ 245.6

プロリーグ
最終節は第5節終了時上位より卓組みをし、順位を決するものとする。

第2期スキルアップリーグ

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 第7節 第8節 第9節 第10節 第11節 最終節 合計
優 勝 中村 瞬 13.3 25.6 5.9 48.9 ▲ 1.2 ▲ 30.6 ▲ 16.1 20.9 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 40.5 92.2
準優勝 石田 雅人 16.3 0.8 61.5 ▲ 65.9 ▲ 20.7 77.2 9.3 ▲ 3.5 ▲ 7.0 1.3 ▲ 20.5 0.6 49.4
3 西野 拓也 ▲ 15.6 ▲ 32.2 ▲ 25.1 11.1 2.4 ▲ 5.0 33.9 ▲ 23.9 11.0 7.3 7.1 22.0 ▲ 7.0
4 浦山 祐輔 ▲ 9.3 49.8 ▲ 39.3 2.9 19.5 ▲ 22.2 ▲ 28.1 3.5 28.6 ▲ 44.8 4.3 ▲ 63.1 ▲ 98.2
5 吉木 輝 23.7 ▲ 44.0 ▲ 3.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0   ▲ 83.3
6 瀬口 隆弘 ▲ 29.5 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0   ▲ 79.5

北海道プロリーグ 成績表/第47期 北海道プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 最終節 合計
優勝 石田 雅人 45.4 ▲ 5.9 13.4 18.4 5.1 98.3 174.7
準優勝 加藤 晋平 ▲ 14.1 63.2 29.8 29.4 51.6 1.3 161.2
3 藤原 洋一 64.0 11.3 ▲ 2.1 92.7 ▲ 55.6 ▲ 1.8 108.5
4 須賀 智博 6.0 23.0 15.0 8.1 45.0 9.1 106.2
5 土橋 篤 13.3 48.6 44.5 3.0 40.9 ▲ 46.2 104.1
6 市川 敦士 31.2 57.1 18.7 21.4 ▲ 29.0 ▲ 17.2 82.2
7 喜多 清貴 2.3 ▲ 17.1 ▲ 43.4 19.7 99.7 9.1 70.3
8 野々川 博之 37.9 ▲ 34.0 8.0 ▲ 18.4 ▲ 10.4 65.4 48.5
9 中村 龍太 108.1 ▲ 8.8 ▲ 13.7 ▲ 52.2 35.3 ▲ 32.3 36.4
10 浦山 祐輔 29.5 ▲ 22.8 ▲ 6.9 24.3 58.6 ▲ 48.4 14.3
11 平島 誉久 8.9 23.9 ▲ 15.2 18.7 ▲ 18.5 ▲ 21.7 ▲ 3.9
12 三盃 貴之 ▲ 82.5 ▲ 42.5 10.4 8.4 46.8 5.1 ▲ 54.3
13 村上 良 18.5 ▲ 36.3 ▲ 31.8 35.7 ▲ 37.0 ▲ 70.9
14 西野 拓也 ▲ 41.6 3.8 84.7 24.6 ▲ 120.6 ▲ 23.9 ▲ 73.0
15 真光 祐尚 ▲ 38.9 ▲ 0.9 21.6 ▲ 33.5 ▲ 17.3 ▲ 89.0
16 中村 瞬 ▲ 17.3 6.5 ▲ 90.8
17 小川 和香奈 ▲ 33.3 11.0 25.8 25.9 ▲ 106.4 ▲ 77.0
18 砂原 裕美子 ▲ 2.8 23.7 ▲ 87.0 ▲ 3.0 ▲ 89.1
19 鑓水 智祐 4.7 ▲ 65.9 ▲ 91.6 10.6 ▲ 162.2
20 三盃 志 ▲ 32.4 ▲ 82.3 10.7 ▲ 57.1 ▲ 4.5 ▲ 165.6
21 野坂 健一 ▲ 41.3 ▲ 69.1 ▲ 170.4
22 佐藤 賢忠 ▲ 66.6 ▲ 29.8 ▲ 48.5 69.3 ▲ 245.6

プロリーグ
最終節は第5節終了時上位より卓組みをし、順位を決するものとする。
第2期スキルアップリーグ

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 第7節 第8節 第9節 第10節 第11節 最終節 合計
優 勝 中村 瞬 13.3 25.6 5.9 48.9 ▲ 1.2 ▲ 30.6 ▲ 16.1 20.9 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 40.5 92.2
準優勝 石田 雅人 16.3 0.8 61.5 ▲ 65.9 ▲ 20.7 77.2 9.3 ▲ 3.5 ▲ 7.0 1.3 ▲ 20.5 0.6 49.4
3 西野 拓也 ▲ 15.6 ▲ 32.2 ▲ 25.1 11.1 2.4 ▲ 5.0 33.9 ▲ 23.9 11.0 7.3 7.1 22.0 ▲ 7.0
4 浦山 祐輔 ▲ 9.3 49.8 ▲ 39.3 2.9 19.5 ▲ 22.2 ▲ 28.1 3.5 28.6 ▲ 44.8 4.3 ▲ 63.1 ▲ 98.2
5 吉木 輝 23.7 ▲ 44.0 ▲ 3.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0   ▲ 83.3
6 瀬口 隆弘 ▲ 29.5 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0   ▲ 79.5

第121回:第15回モンド杯優勝特別プロ雀士インタビュー 山井 弘 インタビュアー:ケネス 徳田

麻雀は偶然性の高いゲーム。そのため囲碁・将棋に比べると、プロ・アマの垣根は低い。
そうなるとプロの存在価値とは? この疑問に突き当たり、自己解決できる人は正直それほど多くない。
しかも自己流のスタイルを実践して結果を残すとなると…。

夏目坂スタジオの近くの定食屋。遅めの昼食を摂ろうとすると、奥から見たことのある2人が。

山井「だからお前は全然戦ってないから負けるんだよ!」

吉野「でも、安手で押し返せないっしょー」

山井「高けりゃ押し、安けりゃ退くっ、て誰でもできるだろ! 勝ち目指すならギリギリまで行かないと!」

昨年、リーチ麻雀世界選手権で優勝した山井弘プロと、チャンピオンズリーグ決勝に残った吉野敦史プロの2人が楽しく(?)談笑をしている。

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「山井プロに説教されているのがなによりの喜びの吉野プロ」

普段物腰柔らかい山井プロだが、吉野プロに対しては厳しい口調。
それだけ目をかけているのかそれとも…。

山井「戦える時に戦わないから、肝心な時に手が入らなくなるんだよ!」

吉野「じゃあどうすればいいんですかー?」

山井「たとえばこれ見てみろ。第15回モンド杯予選第1戦南1局2本場」

gpmax2012

吉野「東家の滝沢さんか先制リーチ、で寿人さんが追っかけてますね」

山井「だけどタッキーは1巡回してツモ切りリーチ。その後、寿人が4枚危険牌押してるからね」

吉野「難しいですね。現物は五索五万ありますけど…粘って一筒か、こっちにドラないからやっぱりヤメそうですね」

山井「だから自分の手牌の打点だけで判断するなって! ここは点数的にも状態的にも自分と寿人の一騎打ちだから、いかに寿人のアガリを止めるかが第一」

吉野「でも滝さんの親リーチもきてますよ」

山井「そうだけど、1巡回ししてるっていう弱み所はあるから、基本ignoreでもいい」

吉野「じゃあ山井さんは何切ったんですか?」

山井「一索切ったよ。寿人のは五万四万と無スジのリャンメン落とし。間違いなく手役絡みだから一索は通りやすいし真っ直ぐ行けるし」

吉野「でも一索、滝さんに放銃してますよ」

滝沢手牌
二索二索二索三索四筒四筒四筒五筒六筒七筒北北北ロン一索

山井「でも寿人の手見てみな」

佐々木手牌
三索三索七索七索九索九索九索六筒六筒六筒南南南

吉野「あ、四暗刻だ!えっうそー!びっくりー しかもドラドラ」

山井「ドラの七索が山に1枚残っていたし、タッキーのアガリ牌もそこまでなかったから、長引くと多分寿人のアガリ。そう考えると押して2,400放銃なら全然OKだよ」

吉野「でも結局この半荘2着終了だったんですね…」

吉野「そういえば予選第4戦も似たようなのありましたね」

山井「予選第4戦は東1局から18,000、5,800ってアガって出だしは良かったんだよな」

一万二万三万四万四万五万六万六筒七筒八筒暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背リーチロン四万ドラ四索六筒六索発

五万六万七万一索一索三索四索四索五索六索三筒四筒五筒リーチロン二索ドラ一筒五万

吉野「聞きたいのは南3局なんです」

gpmax2012

山井「最初のタッキー君の先制リーチに対しては現物待ちテンパイだからヤミテン。ドラの重なりや567の三色の振り替わりもあるからね」

吉野「で、瀬戸熊さんのリーチがきて一発目ですね」

山井「で、この局は正直失敗したんだよ。序盤にあれだけアガってるのに、段々落ちてきてるから。だからほんとは追っかけリーチしちゃいけなかった」

吉野「追っかけたんですね」

山井「八万まではギリギリ押しだけど、ヤミテンが正解だ」

吉野「結果は六筒を瀬戸熊さんに打っちゃってますからね」

二万三万四万六索七索八索二筒三筒四筒六筒八筒八筒八筒ロン六筒

山井「で、次の局も瀬戸熊さんのヤミテン満貫に打ってラスまで落ち。点棒持ってても状態が落ちてたら行ってはいけないし、その『落ち』を把握できてないといけなかったんだよな、反省だ」

吉野「でもこれって、例えば山井さんが最初からオリて瀬戸熊さんがアガったら山井さんが有利になるからって考えちゃいけないんですか?」

山井「そういう思考だと勝負所で勝てなくなっちゃうからね。決着は自分でつける、そういう麻雀を常に打たないと上にはいけないよ」

吉野「あ、これってどうなんですか? 予選第10戦なんですけど」

山井「ああ、あれね。東1局で、また3件目にリーチいって、今度は一発で打ちとったやつね」

gpmax2012

吉野「いや、これは別にいいです(笑)。それにシャンポンの方が山に3枚いたじゃないですか」

山井「この時はペン七万のほうがあると思ったんだよ。実際、一番早いアガリだろ」

吉野「聞きたいのはこっちです」

gpmax2012

吉野「この2万点リード、相手親番、現物待ち、なのにこのドラの四万切ってリーチって? 普通できませんよ」

山井「これね。まずドラの四万切ってヤミテンは意味が無い。だからと言って、オリて1本場になっても、結局寿人に4,000オールツモられると並びになるし」

吉野「で、四万は通りましたけど、次巡八万掴んで12,000の放銃ですよね」

三万四万五万六万七万五索五索七索八索九索六筒七筒八筒ロン八万ドラ四万七筒

山井「この瞬間、『やっちゃったな』とは思ったけど、でもこれでメンタル壊すとダメ。打ってもまだ満貫圏内だから。むしろ次局の構え方が大事なんだよ」

gpmax2012

吉野「対面の村上(村上淳:最高位戦日本プロ麻雀協会)さんがリーチしてますね」

山井「で、このテンパイ。吉野ならどうする?」

吉野「これはいかないでしょ。四索六索も通ってないし、ドラも役も無いし。これは無理ですね」

山井「絶対そう言うと思った。リーチ者しか見てないだろ? 寿人の捨て牌見て、明らかに押してるだろ? 九索行って二万のトイツ落としは1シャンテン。ここでオリるとまた寿人のアガリで突き放されるだけだから」

吉野「じゃあリーチすか?」

山井「もちろん。一索が狙えそうだから六索切りリーチ。むしろ2件リーチで寿人を止めないと」

吉野「でも対面に打ったらバカバカしいですよね?」

山井「だから、そういう考えしてるから勝てないんだよ! 対面のアタリ牌なんか掴まないし、打っても安いから。むしろ最悪なのが寿人のアガリ。そういう考え持たないと」

吉野「で、結果は寿人さんから一索のアガリと」

山井「これでオーラス再逆転できると思ったんだけど…」

吉野「オーラスアガリきれず2着ですか」

山井「さて、予選最終戦なんだけど」

吉野「どんな条件だったんですか?」

山井「数字言ってもあんまりピンとこないから、ざっくり言うと、同卓の井出君とは着順勝負。上だったら決勝確定、下の場合は4位で、別卓の結果待ち。ただし同卓の新井君(新井啓文:最高位戦日本プロ麻雀協会)にトップ取られた場合は素点差も絡んでくる」

吉野「井出さんと新井さんと勝負ってことですね」

山井「そう。だけど基本井出君との着順勝負。だけどそういった条件戦でやっちゃいけないのが『脇の2人に対してはオリない』『数字に翻弄されてで手を曲げないようにする』。負ける人の大半がこの2つをやるんだよ」

吉野「俺はやんないっす。大丈夫っすよ!」

山井「本当か? じゃあこれはどうだ?」

gpmax2012

山井「南3局、2着目、井出くんとは14,300点離れてての親・新井君からリーチ。で一発でこの一索

吉野「これは行けない行けない行けませーん」

山井「行くんだって! 今まで何聞いてたんだよ!?」

吉野「でも…さすがに五索早切りの一索ですからね。他はそこそこ行ってもこれだけは一発で切っちゃいけないでしょーー」

山井「じゃあ一索じゃなくて六筒だったら行けるのか?」

吉野「六筒も厳しいっすね。裏スジだし4枚見えだし…」

山井「結局通りそうな牌意外全部行かないじゃないかよ!」

吉野「でも、さすがにここでオリても井出さんより上は確定だし。打ったらほぼアウトじゃないですか?」

山井「と思うだろ。でもここでオリて、アガリ逃して親がアガったら?」

吉野「それでもまだ井出さんとは差が…」

山井「それでも跳満ツモられたら一発で変わるからね。放銃よりもアガリ逃しのほうが痛いから」

吉野「なるほど。それにちゃんと次巡に五筒ツモアガってますしね」

山井「普通に打つと、状態いい人のほうが先にアガれるからね。そこでアガリ逃すと、状態悪い人のアガリになっちゃう。変な逆転劇とか、こういうケースが多いから」

と、山井プロの攻め味が光った第15回モンド杯予選。
だが決勝に入ると一転、慎重な立ち上がりと対応を見せ初戦は2着。そして2戦目のオーラス。

gpmax2012

山井「優勝条件は寿人を3着にして自分がトップ。ただしアガリ止めできないから、結局素点で逃げ切るか、寿人から直撃だね」

吉野「で、この七対子ですね」

山井「普通はこういう優勝しか意味のないオーラスでは、字牌タンキは悪い待ちだけど」

吉野「2人が国士無双狙ってますから、三索タンキでリーチかけそうですけどね」

山井「だけど発タンキでリーチした。あくまで狙いは寿人だから、三索だと使いきれるけど、発だと使い切れず出てきてもおかしくないから」

吉野「それに河も強いですし、七対子には見えないですからね」

山井「うん、結果9巡目に寿人から発が出てきて4,800。これで次局流局で逃げ切れたと」

吉野「いやー、やっぱスゴイっすねーー」

山井「本当にわかってるのか?」

吉野「発タンキの選択が絶妙と」

山井「そこは別にいいよ。お前に足りないのは戦う姿勢だよ」

ケネス「ソウダソウダ。少しは戦えコノヤロー」

吉野「うわーー、どっから出てきたのーー!?」

ケネス「いや、最初からいたよ。インタビュワーだから」

山井「Bonjour.」

吉野「えっ? じゃあ俺何のために…」

山井「勝ち方教わりにきたんだろ」

吉野「はぁ」

と納得行かないように吉野プロが退出します。インタビューらしく、麻雀部分意外の心情などを聞いてみました。

山井「モンド杯は第10回から出さしてもらって。その時、会長(森山茂和プロ)にモンドから出演のオファーが来ました!って言ったら、『山井くんじゃモンド出るのはまだ早いな』とバッサリ」
---辛口で切られたんですね(笑)
山井「ただ、出るからには頑張ってなって言ってもらえて励みになったね。まあその時は雀風のシフトチェンジ中(ディフェンス→オフェンス)だったから、ミスも多かったし、会長がそう言うのも当然だね。いつも会長は色々な人に出てもらいたいけど、そこでしっかりと打てないとその人の評価が下がってしまうから、逆に出ることがマイナスになってしまうことがあるんだよって言ってる。だから僕の場合も心配されたのだと思うよ。結果、予選は通過したけど、決勝は見せ場無し。」

---で、11回大会はお休みで12回大会以降から4大会連続出場と。

山井「そうだね。ビックタイトル無いし、12・13回と決勝は行けたけどそこまでだし、14回に至っては予選落ちだし、もうモンドに呼ばれることないかなと思ってたけど…」

---昨年のリーチ麻雀世界選手権優勝枠で15回大会出場と。

山井「優勝が優勝を呼ぶってこのことだね。パリでは『奇跡のメダル』を使って勝ったから、今回のモンド杯でも懐に忍ばせて戦ったたんだよ」

---今後対局の時、常に身につけてたほうがいいんじゃないですか?

山井「あんまり軽々しくは使いたくないからね。ここぞという時かな、あやかるのは」

ここぞという時は果たしていつか?
グランプリMAXはベスト16からの出場だが、やはりあやかるのは決勝からだろうか?
それとも世界チャンピオン、モンド杯に続く(超変則)三冠チャンスだけに最初からか。
山井プロの今年度の最後を飾るグランプリの結果はいかに?

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プロ雀士インタビュー/第121回:第15回モンド杯優勝特別プロ雀士インタビュー 山井 弘 インタビュアー:ケネス 徳田

麻雀は偶然性の高いゲーム。そのため囲碁・将棋に比べると、プロ・アマの垣根は低い。
そうなるとプロの存在価値とは? この疑問に突き当たり、自己解決できる人は正直それほど多くない。
しかも自己流のスタイルを実践して結果を残すとなると…。
夏目坂スタジオの近くの定食屋。遅めの昼食を摂ろうとすると、奥から見たことのある2人が。
山井「だからお前は全然戦ってないから負けるんだよ!」
吉野「でも、安手で押し返せないっしょー」
山井「高けりゃ押し、安けりゃ退くっ、て誰でもできるだろ! 勝ち目指すならギリギリまで行かないと!」
昨年、リーチ麻雀世界選手権で優勝した山井弘プロと、チャンピオンズリーグ決勝に残った吉野敦史プロの2人が楽しく(?)談笑をしている。

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「山井プロに説教されているのがなによりの喜びの吉野プロ」

普段物腰柔らかい山井プロだが、吉野プロに対しては厳しい口調。
それだけ目をかけているのかそれとも…。
山井「戦える時に戦わないから、肝心な時に手が入らなくなるんだよ!」
吉野「じゃあどうすればいいんですかー?」
山井「たとえばこれ見てみろ。第15回モンド杯予選第1戦南1局2本場」
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吉野「東家の滝沢さんか先制リーチ、で寿人さんが追っかけてますね」
山井「だけどタッキーは1巡回してツモ切りリーチ。その後、寿人が4枚危険牌押してるからね」
吉野「難しいですね。現物は五索五万ありますけど…粘って一筒か、こっちにドラないからやっぱりヤメそうですね」
山井「だから自分の手牌の打点だけで判断するなって! ここは点数的にも状態的にも自分と寿人の一騎打ちだから、いかに寿人のアガリを止めるかが第一」
吉野「でも滝さんの親リーチもきてますよ」
山井「そうだけど、1巡回ししてるっていう弱み所はあるから、基本ignoreでもいい」
吉野「じゃあ山井さんは何切ったんですか?」
山井「一索切ったよ。寿人のは五万四万と無スジのリャンメン落とし。間違いなく手役絡みだから一索は通りやすいし真っ直ぐ行けるし」
吉野「でも一索、滝さんに放銃してますよ」
滝沢手牌
二索二索二索三索四筒四筒四筒五筒六筒七筒北北北ロン一索
山井「でも寿人の手見てみな」
佐々木手牌
三索三索七索七索九索九索九索六筒六筒六筒南南南
吉野「あ、四暗刻だ!えっうそー!びっくりー しかもドラドラ」
山井「ドラの七索が山に1枚残っていたし、タッキーのアガリ牌もそこまでなかったから、長引くと多分寿人のアガリ。そう考えると押して2,400放銃なら全然OKだよ」
吉野「でも結局この半荘2着終了だったんですね…」
吉野「そういえば予選第4戦も似たようなのありましたね」
山井「予選第4戦は東1局から18,000、5,800ってアガって出だしは良かったんだよな」
一万二万三万四万四万五万六万六筒七筒八筒暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背リーチロン四万ドラ四索六筒六索発
五万六万七万一索一索三索四索四索五索六索三筒四筒五筒リーチロン二索ドラ一筒五万
吉野「聞きたいのは南3局なんです」
gpmax2012
山井「最初のタッキー君の先制リーチに対しては現物待ちテンパイだからヤミテン。ドラの重なりや567の三色の振り替わりもあるからね」
吉野「で、瀬戸熊さんのリーチがきて一発目ですね」
山井「で、この局は正直失敗したんだよ。序盤にあれだけアガってるのに、段々落ちてきてるから。だからほんとは追っかけリーチしちゃいけなかった」
吉野「追っかけたんですね」
山井「八万まではギリギリ押しだけど、ヤミテンが正解だ」
吉野「結果は六筒を瀬戸熊さんに打っちゃってますからね」
二万三万四万六索七索八索二筒三筒四筒六筒八筒八筒八筒ロン六筒
山井「で、次の局も瀬戸熊さんのヤミテン満貫に打ってラスまで落ち。点棒持ってても状態が落ちてたら行ってはいけないし、その『落ち』を把握できてないといけなかったんだよな、反省だ」
吉野「でもこれって、例えば山井さんが最初からオリて瀬戸熊さんがアガったら山井さんが有利になるからって考えちゃいけないんですか?」
山井「そういう思考だと勝負所で勝てなくなっちゃうからね。決着は自分でつける、そういう麻雀を常に打たないと上にはいけないよ」
吉野「あ、これってどうなんですか? 予選第10戦なんですけど」
山井「ああ、あれね。東1局で、また3件目にリーチいって、今度は一発で打ちとったやつね」
gpmax2012
吉野「いや、これは別にいいです(笑)。それにシャンポンの方が山に3枚いたじゃないですか」
山井「この時はペン七万のほうがあると思ったんだよ。実際、一番早いアガリだろ」
吉野「聞きたいのはこっちです」
gpmax2012
吉野「この2万点リード、相手親番、現物待ち、なのにこのドラの四万切ってリーチって? 普通できませんよ」
山井「これね。まずドラの四万切ってヤミテンは意味が無い。だからと言って、オリて1本場になっても、結局寿人に4,000オールツモられると並びになるし」
吉野「で、四万は通りましたけど、次巡八万掴んで12,000の放銃ですよね」
三万四万五万六万七万五索五索七索八索九索六筒七筒八筒ロン八万ドラ四万七筒
山井「この瞬間、『やっちゃったな』とは思ったけど、でもこれでメンタル壊すとダメ。打ってもまだ満貫圏内だから。むしろ次局の構え方が大事なんだよ」
gpmax2012
吉野「対面の村上(村上淳:最高位戦日本プロ麻雀協会)さんがリーチしてますね」
山井「で、このテンパイ。吉野ならどうする?」
吉野「これはいかないでしょ。四索六索も通ってないし、ドラも役も無いし。これは無理ですね」
山井「絶対そう言うと思った。リーチ者しか見てないだろ? 寿人の捨て牌見て、明らかに押してるだろ? 九索行って二万のトイツ落としは1シャンテン。ここでオリるとまた寿人のアガリで突き放されるだけだから」
吉野「じゃあリーチすか?」
山井「もちろん。一索が狙えそうだから六索切りリーチ。むしろ2件リーチで寿人を止めないと」
吉野「でも対面に打ったらバカバカしいですよね?」
山井「だから、そういう考えしてるから勝てないんだよ! 対面のアタリ牌なんか掴まないし、打っても安いから。むしろ最悪なのが寿人のアガリ。そういう考え持たないと」
吉野「で、結果は寿人さんから一索のアガリと」
山井「これでオーラス再逆転できると思ったんだけど…」
吉野「オーラスアガリきれず2着ですか」
山井「さて、予選最終戦なんだけど」
吉野「どんな条件だったんですか?」
山井「数字言ってもあんまりピンとこないから、ざっくり言うと、同卓の井出君とは着順勝負。上だったら決勝確定、下の場合は4位で、別卓の結果待ち。ただし同卓の新井君(新井啓文:最高位戦日本プロ麻雀協会)にトップ取られた場合は素点差も絡んでくる」
吉野「井出さんと新井さんと勝負ってことですね」
山井「そう。だけど基本井出君との着順勝負。だけどそういった条件戦でやっちゃいけないのが『脇の2人に対してはオリない』『数字に翻弄されてで手を曲げないようにする』。負ける人の大半がこの2つをやるんだよ」
吉野「俺はやんないっす。大丈夫っすよ!」
山井「本当か? じゃあこれはどうだ?」
gpmax2012
山井「南3局、2着目、井出くんとは14,300点離れてての親・新井君からリーチ。で一発でこの一索
吉野「これは行けない行けない行けませーん」
山井「行くんだって! 今まで何聞いてたんだよ!?」
吉野「でも…さすがに五索早切りの一索ですからね。他はそこそこ行ってもこれだけは一発で切っちゃいけないでしょーー」
山井「じゃあ一索じゃなくて六筒だったら行けるのか?」
吉野「六筒も厳しいっすね。裏スジだし4枚見えだし…」
山井「結局通りそうな牌意外全部行かないじゃないかよ!」
吉野「でも、さすがにここでオリても井出さんより上は確定だし。打ったらほぼアウトじゃないですか?」
山井「と思うだろ。でもここでオリて、アガリ逃して親がアガったら?」
吉野「それでもまだ井出さんとは差が…」
山井「それでも跳満ツモられたら一発で変わるからね。放銃よりもアガリ逃しのほうが痛いから」
吉野「なるほど。それにちゃんと次巡に五筒ツモアガってますしね」
山井「普通に打つと、状態いい人のほうが先にアガれるからね。そこでアガリ逃すと、状態悪い人のアガリになっちゃう。変な逆転劇とか、こういうケースが多いから」
と、山井プロの攻め味が光った第15回モンド杯予選。
だが決勝に入ると一転、慎重な立ち上がりと対応を見せ初戦は2着。そして2戦目のオーラス。
gpmax2012
山井「優勝条件は寿人を3着にして自分がトップ。ただしアガリ止めできないから、結局素点で逃げ切るか、寿人から直撃だね」
吉野「で、この七対子ですね」
山井「普通はこういう優勝しか意味のないオーラスでは、字牌タンキは悪い待ちだけど」
吉野「2人が国士無双狙ってますから、三索タンキでリーチかけそうですけどね」
山井「だけど発タンキでリーチした。あくまで狙いは寿人だから、三索だと使いきれるけど、発だと使い切れず出てきてもおかしくないから」
吉野「それに河も強いですし、七対子には見えないですからね」
山井「うん、結果9巡目に寿人から発が出てきて4,800。これで次局流局で逃げ切れたと」
吉野「いやー、やっぱスゴイっすねーー」
山井「本当にわかってるのか?」
吉野「発タンキの選択が絶妙と」
山井「そこは別にいいよ。お前に足りないのは戦う姿勢だよ」
ケネス「ソウダソウダ。少しは戦えコノヤロー」
吉野「うわーー、どっから出てきたのーー!?」
ケネス「いや、最初からいたよ。インタビュワーだから」
山井「Bonjour.」
吉野「えっ? じゃあ俺何のために…」
山井「勝ち方教わりにきたんだろ」
吉野「はぁ」
と納得行かないように吉野プロが退出します。インタビューらしく、麻雀部分意外の心情などを聞いてみました。
山井「モンド杯は第10回から出さしてもらって。その時、会長(森山茂和プロ)にモンドから出演のオファーが来ました!って言ったら、『山井くんじゃモンド出るのはまだ早いな』とバッサリ」
---辛口で切られたんですね(笑)
山井「ただ、出るからには頑張ってなって言ってもらえて励みになったね。まあその時は雀風のシフトチェンジ中(ディフェンス→オフェンス)だったから、ミスも多かったし、会長がそう言うのも当然だね。いつも会長は色々な人に出てもらいたいけど、そこでしっかりと打てないとその人の評価が下がってしまうから、逆に出ることがマイナスになってしまうことがあるんだよって言ってる。だから僕の場合も心配されたのだと思うよ。結果、予選は通過したけど、決勝は見せ場無し。」
---で、11回大会はお休みで12回大会以降から4大会連続出場と。
山井「そうだね。ビックタイトル無いし、12・13回と決勝は行けたけどそこまでだし、14回に至っては予選落ちだし、もうモンドに呼ばれることないかなと思ってたけど…」
---昨年のリーチ麻雀世界選手権優勝枠で15回大会出場と。
山井「優勝が優勝を呼ぶってこのことだね。パリでは『奇跡のメダル』を使って勝ったから、今回のモンド杯でも懐に忍ばせて戦ったたんだよ」
---今後対局の時、常に身につけてたほうがいいんじゃないですか?
山井「あんまり軽々しくは使いたくないからね。ここぞという時かな、あやかるのは」
ここぞという時は果たしていつか?
グランプリMAXはベスト16からの出場だが、やはりあやかるのは決勝からだろうか?
それとも世界チャンピオン、モンド杯に続く(超変則)三冠チャンスだけに最初からか。
山井プロの今年度の最後を飾るグランプリの結果はいかに?

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第5期麻雀グランプリ MAX一次予選レポート 吉野 敦志

今回で5期目を迎えた麻雀グランプリMAX。
連盟のタイトルホルダーが一挙に集結し、その年に活躍した選手しか出場できない、まさに今年度を締めくくるのに相応しいタイトル戦である。
レポートを担当させていただくのは、先日行われたチャンピオンズリーグ決勝で、優勝すれば選手として、負ければレポーターとして・・・・
はい、後者の牙が抜けた私敦志が一次予選の熱い模様をお伝えしていきます。

 

A卓(森山茂和VS猿川真寿VS仁平宣明VS滝沢和典)

gpmax2012

 

九段シード、プロ連盟会長「闘将」森山。

gpmax2012

 

第1期グランプリMAXで決勝経験のある猿川。

gpmax2012

 

今期A2で見事昇級し、A1復帰を果たした仁平。

gpmax2012

 

カメラを向けた瞬間、こちらを睨みつけるぐらい気力十分の滝沢。

gpmax2012

A卓は1回戦目から高打点が飛び交う展開に!
東2局、西家・滝沢

二万三万四万六万六万二索三索四索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ四索

滝沢らしい正確な手順からしっかり高目をツモり、3,000・6,000。
しかしこのあとは伸びずに、1回戦は森山がトップスタート。
2、3回戦は猿川の2連勝。4回戦は仁平がトップ。

4回戦終了時
仁平+15.3P 森山+14.1P 猿川+6.0P 滝沢▲35.4P

気合いしかねぇよ!!!と対局前に冗談交じりで語ってくれた滝沢敗退濃厚か!?
しかしそんな滝沢が最終戦で魅せた!!!

東1局、北家・滝沢

二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ツモ六筒  ドラ六筒

いきなりこの6,000・12,000!!!たったこの一発で一気に4人の競りに。
その後も加点し続けた滝沢と、ラス前の親番で

二万二万四万四万六万六万八万八万三筒六筒六筒七筒七筒  ツモ三筒  ドラ三筒

この6,000オールを決めた森山が勝ち上がりを決めた。

1位通過 森山茂和
2位通過 滝沢和典

 

B卓(古川孝次VS沢崎誠VS杉浦勘介VS魚谷侑未)

gpmax2012

 

第3期グランプリMAXにて惜しくも準優勝のサーフィン打法古川。

gpmax2012

 

まむたんの愛称でお馴染みトーナメント巧者沢崎。

gpmax2012

 

十段戦などタイトル戦では安定して好成績を出している杉浦。

gpmax2012

 

皆様ご存知最速マーメイド魚谷。

gpmax2012

B卓は仕掛けを多様する古川、色んな引き出しを合わせ持つ沢崎のベテラン勢に対し、、メンゼン重視の杉浦。
最近仕掛けに頼らずバランス重視となったと噂の魚谷という若手2人が戦う構図となった。

2回戦終了時
杉浦+38.5P 魚谷▲1.3P 古川▲2.0P 沢崎▲35.2P

そして3回戦に事件が起きた!!!

一万九万一索一筒九筒東南西北白白発中  ロン九索

杉浦が古川からこの32,000!
古川もテンパイかどうかわからなかったと、手痛い放銃となってしまった。
ここで古川が一歩退いた隙を見て、その隙を見逃すはずがない沢崎が着実に加点していき、ノートップながらも杉浦と勝ち上がりを決めた。

1位通過 杉浦勘介
2位通過 沢崎誠

 

C卓(伊藤優孝VS近藤久春VS浜上文吾VS望月雅継)

gpmax2012

 

死神の優こと伊藤優孝。

gpmax2012

 

王位戦9位、A1リーガーの近藤。

gpmax2012

 

第15期九州リーグで優勝し、グランプリMAXの出場権を得た皇帝位浜上。

gpmax2012

 

今期のリーグ戦で、おそらく映像対局では初の清老頭をアガった望月。

gpmax2012

1回戦、起家の望月。

三万四万六万六万六万一索二索三索七索八索九索中中  ロン二万  ドラ中この7700、2100オールと順調に和了を重ねていく。がしかし・・・・

「死神・・・現る・・・」

3回戦終了時
伊藤+102.4P 浜上▲7.8P 近藤▲44.9P 望月▲49.7P

皆さん見て下さい。親番では必ず加点し続けた伊藤。3回戦が終わりすでに+100Pオーバー!!!
伊藤と戦った3者はどう思っていただろうか?
僕なら死神に点棒のみならず、魂まで奪われていたに違いありません・・・・・。(うまくないですか?)
冗談はさておき、ほぼ勝ち上がりを決めた伊藤に対して、残るイスは1つ。

最終戦南4局。残る後1つのイスを廻り、伊藤以外の3人全員に可能性がある状況に。
親番で少しずつ連荘を重ねた皇帝位浜上。

七万八万九万一索二索三索五索六索七索八索九索北北のテンパイを入れるも
七万八万九万四索四索七索八索九索四筒五筒六筒八筒九筒  ロン七筒
近藤がテンパイしていた望月からアガりきり、最後まで見逃せない展開となった。

1位通過 伊藤優孝
2位通過 近藤久春

 

D卓(紺野真太郎VS吉田直VS安村浩司VS柴田吉和)

gpmax2012

 

敗れはしたが、今期のマスターズで決勝まで勝ち残った紺野。

gpmax2012

 

プロリーグ(B1)では見事昇級し、来期からA2の吉田。

gpmax2012

 

近年活躍が目覚しく、自身がいるリーグ戦でも圧勝し1位で昇級を決めた安村。

gpmax2012

 

第28期新人王の柴田。

gpmax2012

実力者揃いの3者に対して、新人王の柴田がどこまで喰らいつけるか?

4回戦終了時
柴田吉+53.3P 吉田+10.1P 紺野+4.6P 安村▲68.2P

なんとここまで柴田吉の圧勝。最終戦、吉田、紺野の着順勝負か?はたまた安村の大逆転はあるのか?

南2局、南家の吉田

五万五万七万七万七万三索三索三索四索五索  ポン中中中  ツモ六索

この2,000・4,000で勝ち上がりに大きく近づいた。

オーラス親番の紺野も

三万四万三索四索五索三筒四筒六筒七筒八筒九筒北北  ドラ二索

早い段階からこの1シャンテンもテンパイせず、終盤、柴田吉がアガリきった。

1位通過 柴田吉和
2位通過 吉田直

 

E卓(佐々木寿人VSダンプ大橋VS松崎良文VS客野直)

gpmax2012

 

ヒサト部長=トーナメント戦苦手。と周りのイメージを払拭できるか!?チームガラクタ佐々木寿人。

gpmax2012

 

十段戦ベスト16。横綱麻雀ダンプ。

gpmax2012

 

第26期チャンピオンズリーグ覇者松崎。

gpmax2012

 

そして私は敗れ(チキショー!!!)第27期チャンピオンズリーグで優勝し、グランプリMAX出場権を得
た客野。

gpmax2012

1回戦目トップのヒサトは、2回戦以降メリハリの効いた攻守で戦い、チャンピオンスリーグ覇者の松崎、客野も道中ドラドラ七対子をツモるなど、調子は悪くはないようだ。
一方、ダンプは4回戦目の親番で、

四万四万四万四索五索三筒三筒三筒九筒九筒九筒西西  ツモ六索 ドラ四万
この6000オール。しかしこの一発のみで、道中手が入るものの、放銃が続く苦しい印象だった。

4回戦終了時。
ヒサト+22.2P 松崎+11.4P 客野+6.4P ダンプ▲40.0P

オーラス、ダンプ以外の3者が競っている状態だったが、ここは親の松崎からリーチが入るも、仕掛けてアガリきったヒサトが自力決着。

1位通過 佐々木寿人
2位通過 客野直

明日の2次予選からは、小島武夫、灘麻太郎、前原雄大、瀬戸熊直樹などのシード選手が登場し、ベスト16をかけた熱い闘牌が期待される。

グランプリ レポート/第5期麻雀グランプリ MAX一次予選レポート 吉野 敦志

今回で5期目を迎えた麻雀グランプリMAX。
連盟のタイトルホルダーが一挙に集結し、その年に活躍した選手しか出場できない、まさに今年度を締めくくるのに相応しいタイトル戦である。
レポートを担当させていただくのは、先日行われたチャンピオンズリーグ決勝で、優勝すれば選手として、負ければレポーターとして・・・・
はい、後者の牙が抜けた私敦志が一次予選の熱い模様をお伝えしていきます。
 
A卓(森山茂和VS猿川真寿VS仁平宣明VS滝沢和典)
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九段シード、プロ連盟会長「闘将」森山。
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第1期グランプリMAXで決勝経験のある猿川。
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今期A2で見事昇級し、A1復帰を果たした仁平。
gpmax2012
 
カメラを向けた瞬間、こちらを睨みつけるぐらい気力十分の滝沢。
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A卓は1回戦目から高打点が飛び交う展開に!
東2局、西家・滝沢
二万三万四万六万六万二索三索四索五索六索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ四索
滝沢らしい正確な手順からしっかり高目をツモり、3,000・6,000。
しかしこのあとは伸びずに、1回戦は森山がトップスタート。
2、3回戦は猿川の2連勝。4回戦は仁平がトップ。
4回戦終了時
仁平+15.3P 森山+14.1P 猿川+6.0P 滝沢▲35.4P
気合いしかねぇよ!!!と対局前に冗談交じりで語ってくれた滝沢敗退濃厚か!?
しかしそんな滝沢が最終戦で魅せた!!!
東1局、北家・滝沢
二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ツモ六筒  ドラ六筒
いきなりこの6,000・12,000!!!たったこの一発で一気に4人の競りに。
その後も加点し続けた滝沢と、ラス前の親番で
二万二万四万四万六万六万八万八万三筒六筒六筒七筒七筒  ツモ三筒  ドラ三筒
この6,000オールを決めた森山が勝ち上がりを決めた。
1位通過 森山茂和
2位通過 滝沢和典
 
B卓(古川孝次VS沢崎誠VS杉浦勘介VS魚谷侑未)
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第3期グランプリMAXにて惜しくも準優勝のサーフィン打法古川。
gpmax2012
 
まむたんの愛称でお馴染みトーナメント巧者沢崎。
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十段戦などタイトル戦では安定して好成績を出している杉浦。
gpmax2012
 
皆様ご存知最速マーメイド魚谷。
gpmax2012
B卓は仕掛けを多様する古川、色んな引き出しを合わせ持つ沢崎のベテラン勢に対し、、メンゼン重視の杉浦。
最近仕掛けに頼らずバランス重視となったと噂の魚谷という若手2人が戦う構図となった。
2回戦終了時
杉浦+38.5P 魚谷▲1.3P 古川▲2.0P 沢崎▲35.2P
そして3回戦に事件が起きた!!!
一万九万一索一筒九筒東南西北白白発中  ロン九索
杉浦が古川からこの32,000!
古川もテンパイかどうかわからなかったと、手痛い放銃となってしまった。
ここで古川が一歩退いた隙を見て、その隙を見逃すはずがない沢崎が着実に加点していき、ノートップながらも杉浦と勝ち上がりを決めた。
1位通過 杉浦勘介
2位通過 沢崎誠
 
C卓(伊藤優孝VS近藤久春VS浜上文吾VS望月雅継)
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死神の優こと伊藤優孝。
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王位戦9位、A1リーガーの近藤。
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第15期九州リーグで優勝し、グランプリMAXの出場権を得た皇帝位浜上。
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今期のリーグ戦で、おそらく映像対局では初の清老頭をアガった望月。
gpmax2012
1回戦、起家の望月。
三万四万六万六万六万一索二索三索七索八索九索中中  ロン二万  ドラ中この7700、2100オールと順調に和了を重ねていく。がしかし・・・・
「死神・・・現る・・・」
3回戦終了時
伊藤+102.4P 浜上▲7.8P 近藤▲44.9P 望月▲49.7P
皆さん見て下さい。親番では必ず加点し続けた伊藤。3回戦が終わりすでに+100Pオーバー!!!
伊藤と戦った3者はどう思っていただろうか?
僕なら死神に点棒のみならず、魂まで奪われていたに違いありません・・・・・。(うまくないですか?)
冗談はさておき、ほぼ勝ち上がりを決めた伊藤に対して、残るイスは1つ。
最終戦南4局。残る後1つのイスを廻り、伊藤以外の3人全員に可能性がある状況に。
親番で少しずつ連荘を重ねた皇帝位浜上。
七万八万九万一索二索三索五索六索七索八索九索北北のテンパイを入れるも
七万八万九万四索四索七索八索九索四筒五筒六筒八筒九筒  ロン七筒
近藤がテンパイしていた望月からアガりきり、最後まで見逃せない展開となった。
1位通過 伊藤優孝
2位通過 近藤久春
 
D卓(紺野真太郎VS吉田直VS安村浩司VS柴田吉和)
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敗れはしたが、今期のマスターズで決勝まで勝ち残った紺野。
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プロリーグ(B1)では見事昇級し、来期からA2の吉田。
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近年活躍が目覚しく、自身がいるリーグ戦でも圧勝し1位で昇級を決めた安村。
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第28期新人王の柴田。
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実力者揃いの3者に対して、新人王の柴田がどこまで喰らいつけるか?
4回戦終了時
柴田吉+53.3P 吉田+10.1P 紺野+4.6P 安村▲68.2P
なんとここまで柴田吉の圧勝。最終戦、吉田、紺野の着順勝負か?はたまた安村の大逆転はあるのか?
南2局、南家の吉田
五万五万七万七万七万三索三索三索四索五索  ポン中中中  ツモ六索
この2,000・4,000で勝ち上がりに大きく近づいた。
オーラス親番の紺野も
三万四万三索四索五索三筒四筒六筒七筒八筒九筒北北  ドラ二索
早い段階からこの1シャンテンもテンパイせず、終盤、柴田吉がアガリきった。
1位通過 柴田吉和
2位通過 吉田直
 
E卓(佐々木寿人VSダンプ大橋VS松崎良文VS客野直)
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ヒサト部長=トーナメント戦苦手。と周りのイメージを払拭できるか!?チームガラクタ佐々木寿人。
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十段戦ベスト16。横綱麻雀ダンプ。
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第26期チャンピオンズリーグ覇者松崎。
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そして私は敗れ(チキショー!!!)第27期チャンピオンズリーグで優勝し、グランプリMAX出場権を得
た客野。
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1回戦目トップのヒサトは、2回戦以降メリハリの効いた攻守で戦い、チャンピオンスリーグ覇者の松崎、客野も道中ドラドラ七対子をツモるなど、調子は悪くはないようだ。
一方、ダンプは4回戦目の親番で、
四万四万四万四索五索三筒三筒三筒九筒九筒九筒西西  ツモ六索 ドラ四万
この6000オール。しかしこの一発のみで、道中手が入るものの、放銃が続く苦しい印象だった。
4回戦終了時。
ヒサト+22.2P 松崎+11.4P 客野+6.4P ダンプ▲40.0P
オーラス、ダンプ以外の3者が競っている状態だったが、ここは親の松崎からリーチが入るも、仕掛けてアガリきったヒサトが自力決着。
1位通過 佐々木寿人
2位通過 客野直
明日の2次予選からは、小島武夫、灘麻太郎、前原雄大、瀬戸熊直樹などのシード選手が登場し、ベスト16をかけた熱い闘牌が期待される。

第31期鳳凰位決定戦観戦記最終日 前原 雄大

いよいよ、最終日を迎えた。

前田と藤崎の点差が、72.9Pである。
この点差は、鳳凰戦の決勝を戦った者ならばわかるが、充分に逆転可能な数字である。

前田、勝又の点差は177.3P。前田、瀬戸熊の点差は204.6Pである。
この2人にとって難しいのは点差もさることながら、2人、ないし、3人を抜くことである。
実質、前田と藤崎の優勝争いとなる。

この前田と藤崎の点差72.9Pも、最終日の初戦の結果次第で大きく変わる。
前田がトップ、藤崎が沈みならば、その時点でほぼ前田の優勝が決まり、が逆に藤崎トップ、前田沈みであれば、戦いは混沌となる。

前田は語っている。
「12戦を終えて、まさかのリードで最終日を迎える。ここまでの1週間プレッシャーは感じない。たまたまリードしているだけで、気持ちは常に挑戦者であるからだろうか?体調には常に気を付けてきた。しかし、3日前、首を寝違えた。当日までには治るかと思ったが当日起きたら逆に寝違えた・・・。寝ている間に何が起こったかはわからないが、こればかりは気を付けようがない!これによりいつものアンテナがフルに稼働してくれるかどうかが少し心配ではある。いつも通りに会場入りしたつもりだが、ここにきて初めてと言ってもいい緊張が押し寄せる。まずはとにかく落ち着こう。いつも通りに戦おう。」

 

100

 

13回戦 (起家から、前田、藤崎、瀬戸熊、勝又)

東1局
前田テンパイするもヤミテン。
勝又がリーチをするも、前田は押すがアガリ逃しがあり撤退と同時に藤崎はドラの八万でツモアガる。

六万七万七万八万九万四索五索六索発発??ポン東東東??ツモ八万??ドラ八万

東2局
前田が早くテンパイするもヤミテン。

四万五万七万八万九万五索五索五索四筒五筒六筒発発??ドラ一筒

そのヤミテンが親の藤崎のリーチを誘発し、オリに回る。
結果、藤崎の5,800点の出アガリ。
前田流自然体と見るか、プレッシャーと見るかは判然としないところではある。

それでも東2局1本場。
前田は5巡目に絶好のカン二筒を引き込み、同巡、藤崎より2,000点は2,300点を出アガる。

五万六万二索三索四索五索五索七索八索九索一筒二筒三筒??ロン四万??ドラ八索

東4局
藤崎10巡目にリーチ

二万三万三万四万四万五万六万七万四筒五筒六筒発発??リーチ??ドラ発

そこに、ドラを切ってまでクイタンに走りツモアガる親の勝又。
勝又の捌きが無ければ、藤崎のツモアガリがあったように思う。

最終日であり、もう1つ1つの親番が落とせない勝又。
そのことを良く解っている証のような1局である。

東4局1本場
勝又のリーチに一発で五索を打ち放す前田。
この五索は何故打てるのか!
立会人の藤原隆弘も驚いた表情をしていた。

 

100

 

前田は今局を勝負どころの1つだと捉えたのであろう。
それにしても親番の勝又に向かって、なかなか打てない五索であることには間違いがない。
結果は瀬戸熊から勝又が出アガる。

 

100

 

東4局2本場に関して前田はこう語っている。

 

「下家の藤崎プロが立て続けに切られた東を二鳴きする。ドラはトイツでは無いことは想像出来る。そして5巡目に小考が入る。この時ホンイツを諦めたのだと思った。最終系はドラタンキか?そして6巡目に二索を切ったが、それをカンチャンで鳴かれる。ちょっとこれは想定外だった。そして七八切り・・・またホンイツへ渡られたか?と思った。そして9巡目に親の勝又プロからリーチが入る。宣言牌は四索。ほとんど安牌も無いので四索を合わせることも出来た・・が、テンパイしたら真っ直ぐに行こうと決めていたので合わせることはやめた。藤崎プロがドラを切ってくる・・・とりあえず安全に切ってきたのか?くらいにしか考えてなかった。そして次巡、二万をツモってきてマンズが好形になったため四索を切った。そして藤崎プロに3,900の放銃。見ている人にはどう映っただろうか?きっと甘いんじゃ?と思われたかもしれないが自分としては行くと決めていたので全く後悔は無かった。しかし、自分のアンテナが少しズレているなと感じた局でもあった。」

 

100

 

南2局
前田が三色ドラ1を僅か2巡目にテンパイ。

一万二万三万四万六万四索五索六索四筒五筒六筒東東??ドラ一万

ターニングポイントは7巡目

一万二万三万四万六万四索五索六索四筒五筒六筒東東??ツモ東??ドラ一万

私は、前田は待ち変えをしないだろうと思っていた。
今局も後から勝又、藤崎に追いつかれ、藤崎がヤミテンでアガリ切り、親番を守り抜いた。

四万四万六万七万八万五索六索七索二筒三筒五筒六筒七筒??ロン四筒??ドラ一万

この時点で73ポイントあった差が、38ポイントとなった。

そして南2局1本場。

 

100

 

勝又の今テン5,200は5,500に前田が飛び込む。
これで僅かその差、29ポイントとなった。

私にはやはり東1局、東2局の前田の構え方が疑問に思えた。
やはり素直にリーチを打っていっても良いように思う。
プレッシャーの成せる業のように思う。

南3局も勝又が軽やかなツモで一発で引きアガる。

七万七万二索三索三索四索四索五索六索七索六筒七筒八筒??リーチ??ツモ八索??ドラ二筒

南4局
それでも前田は1人テンパイで3着に浮上する。

13回戦終了後
「これだけアガってもまだこれだけ差があるのか」
藤崎の言葉が印象的だった。

「東1局、東2局の処し方が違うように思える」
審判長である藤原隆弘の言葉であるが、藤原も私と同じように感じていたのである。

13回戦成績
藤崎+21.1P 勝又+12.7P 前田▲14.8P 瀬戸熊▲19.0P

13回戦終了時
前田+96.4P 藤崎+59.4P 勝又▲43.4P 瀬戸熊▲112.4P

 

14回戦 (起家から、前田、勝又、瀬戸熊、藤崎)

藤崎トップ、前田沈みで、記したように鳳凰位の行方は分からなくなった。

東1局
勝又にテンパイが入るも、瀬戸熊の2,000・3,900のツモアガリ。
当然のように、藤崎の手元には瀬戸熊の現物でありながらも、勝又の当たり牌である一万が残り、打ち出されることは無かった。
前田の親被りからの始まりである。

 

100

 

東2局
瀬戸熊に12巡目にまたもリーチが入るも、藤崎はドラを卓上にソッと置き、交戦の構えも勝又の放銃で終わる。

東3局
そして迎えた瀬戸熊の親番。
打して1シャンテンの配牌を得るも、選択が難しくなりそうである。
縦に決めたのは5巡目。
テンパイ一番乗りは勝又。11巡目に瀬戸熊はドラドラ七対子にまとめ上げ、リーチを打つも流局。

東3局1本場
瀬戸熊リャンペーコー含みのタンピンのヤミテンに構えるも流局。

五万五万六万六万七万八万八万四索四索五索五索六索六索??ドラ四筒

東4局3本場
勝負を決めるべく、親番の藤崎が7巡目リーチ。

四万五万四索五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒九筒??ドラ五筒

そこに勝又も瀬戸熊のロン牌を使い切り、追いかけリーチ。
勝又のアガリで収束を見る。

南1局
親番の前田が700オールをツモアガリ、前田今半荘の初アガリである。

一索一索一索二索三索四索五索六索三筒四筒六筒七筒八筒??ツモ二筒

今局に関して前田はこう語っている。

「親番を迎えラス目でかなり苦しい状況。勝負手も入らない。また難しい選択を迫られる。

6巡目
六万八万一索一索二索四索五索六索三筒四筒四筒六筒八筒

ここに三索を持ってくる。普通に打てば一索切りであろうがマンズに全く感触を感じない。よって一応456も見つつで八万を切った。次巡七筒引いて六万切り。これが上手くいき、安いながらも700オールを引きアガる。感覚はだいぶ良くなってきていると感じた局であった。」

南1局1本場

100

 

藤崎より1巡回してのリーチが入る。
前田に感心するのは、前巡、よく打一万としなかったことである。(一万が枯れている)
前田はそれだけ、良く局面が見えているということなのだろう。
ここは勝又がうまく立ち回り、藤崎より出アガる。

今局に関して前田はこう語っている。
「また配牌は苦しい・・まずは七対子を見つつ真っ直ぐ進めていく。そして7巡目には、

一万一万二索三索九索九索三筒四筒四筒東東白白

ここに四筒を持ってきてメンツ手も見えてきた。しかし一万は既に2枚切れ。メンツ手にするなら早く落としたい一万であるが、このトイツ落としが間に合うかどうかずっと考えていた。そして8巡目に上家の藤崎プロが三万を手出し。これでもう間に合わないと確信した。こうなればもう七対子か一万を使いきってのメンツ手のみである。そして10巡目に藤崎プロからツモ切りリーチが打たれる。この時待ちは一万四万の一点だと感じた。なので自分を信じて無筋の牌をぶつけていく!そして13巡目、東を引き入れ四暗刻テンパイ。この時は、まぁ山には無いだろうと思っていたが、、、まぁ結果は実らなかったが、アンテナの感度はかなり良いと感じた局でした。」

南2局
前局はともかく、それほど前田の前に進もうという気持ちが感じられず、瀬戸熊、勝又のメーターが上がっていく。
今局も前田、藤崎ともにテンパイながら、後発の勝又に藤崎が僅か1,000点ながらも飛び込む。
藤崎は追う立場であり、手が入っている分だけ、放銃が続くのは仕方ないことである。

勝又の親を1,300は1,600で前田が落とす。
今半荘2度目のアガリである。

前田としては藤崎より上の着順である限り、残り回数を考えれば、アガリ点は低くとも決して小さなアガリではない。
次局も藤崎の大物手を、500・1,000のアガリで交わす。

藤崎
一万一万一万九万九万一索二索三索東東北北北??ドラ中

前田
五万五万六万七万八万四索六索二筒三筒四筒六筒七筒八筒??ツモ五索

とにかく藤崎は手が入るのだが、それが実らない。
こういう時間帯が追う側の打ち手にとって一番辛い。

南4局
そしてオーラス、親番の藤崎に手が入り、リーチ。

六万六万三索四索五索六索六索七索七索八索八索六筒七筒??リーチ??ドラ四索

この手が実るかどうかで鳳凰の行方も大きく変わるリーチである。
ツモれば前田をかわし3着に浮上し、前田をラスに押し付けることが出来る。

「ツモ、6,000オール」

おそらく藤崎本人にとっても「ようやく来たか」と思ったに違いない。
このアガリでなんと13ポイントに差し迫ったのである。

南4局1本場
藤崎はドラドラのテンパイから前田に覚悟の8,000は8,300点の放銃である。
これは前田にとっては大きなアガリである。13ポイント差を45ポイント差に広げた。
逆に前田は、藤崎に飛び込めば、藤崎がトータルトップになる1局でもあった。
ここは、勝負処であり、致し方なしである。

藤崎手牌
二万二万六万七万八万二索四索七筒八筒九筒??ポン東東東??ツモ切り一筒??ドラ二万

前田手牌
二筒三筒白白??ポン南南南??チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き??チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き??ドラ二万

それにしても勝負の行方を決めるような大きな局であった。

14回戦成績
瀬戸熊+12.5P 勝又+7.4P 前田▲5.5P 藤崎▲14.4P

14回戦終了時
前田+90.9P 藤崎+45.0P 勝又▲36.0P 瀬戸熊▲99.9P

 

15回戦 (起家から、前田、藤崎、瀬戸熊、勝又)

東1局
瀬戸熊より6巡目リーチが入る。
勝又より安目で出アガる。横移動で終わったことは前田にとってそう悪いアガリではない。

一索二索二索三索三索一筒二筒三筒九筒九筒西西西??ロン四索??ドラ四筒

東2局
勝又よりリーチが入り、2,000・3,900のツモアガリである。
このアガリ、藤崎にとっては痛いアガリである。
それだけ現状では前田に分があるということなのだろう。

南1局

100

 

前田の親番で七対子ドラドラのテンパイが入るも、勝又からリーチが入り、手仕舞い。
そして、そこに瀬戸熊が追いかけリーチを打つ。
4人が4人ともそれぞれの立場で戦っているのである。
収束は藤崎の勝又への放銃である。

南2局
藤崎の親で、マンズが押し寄せてくる。
藤崎僅か、6巡目でテンパイ。

一万一万一万三万三万三万四万五万五万五万六万六万八万??ツモ七万??ドラ四筒

「6,000オール」の声が力強かった。。
この瞬間に藤崎、前田の点差が一気に10.4ポイントとなる。

 

100

 

南2局1本場。

100

 

藤崎を除く3人にテンパイが入る。
そして最後に藤崎がテンパイし、アガリ切る。
これで、2.2ポイント差である。
そして次局、藤崎の親を勝又が藤崎より出アガリ、その差8.8ポイントとする。

―――――藤崎の予感
南3局

100

 

13巡目、親の瀬戸熊からリーチが入る。それを前田が14巡目、追いかけリーチを打つ。
そして藤崎がテンパイを 瀬戸熊のロン牌を掴み、ノータイムでオリる。
仕掛けなければ、前田から瀬戸熊への放銃で終局していたが、それにしても藤崎の読みが正確である。
勝又が沈んだことにより、6.1ポイント差となる。

藤崎はこの局に関して、こうコメントしている。
「普段なら間違いなく仕掛ける一索ではあるのだが、今局に関しては一索の仕掛けをためらったのは、良くない結果が待ち受けている気がしたからである。」

前田はこの局に関して、こうコメントしている。
「ラス目でむかえ苦しい状況。なかなかテンパイも入らずそれでも高打点を目指して手作りする。そして親の瀬戸熊プロからリーチが入る。自分の目からドラの一筒が1枚も見えていない。そして次巡四万を引いてテンパイが入る。待ちはカン三筒で既に2枚切れ。ドラが一筒だけに山には0枚かあっても1枚であろう・・・。でも高打点にしてぶつけていくのが自分のスタイル。ここで手牌を曲げたら今までの14戦を全て否定してしまいそうな気がした。この時思ったことは、この半荘のラスは受け入れよう。でも勝ちにいく姿勢を見せようと思った。結果は流局。藤崎プロの鳴きで自分が瀬戸熊プロに打つ四万を食い下げていた。今まで藤崎プロの鳴きで何度アガリを阻止されたことだろう・・・そう考えれば1度くらいはいいですよね?」

それにしても、前田のこのリーチはなかなか打てないリーチである。
それだけ肚を括ったリーチである。

南3局1本場
11巡目に親の瀬戸熊よりリーチが入る。

二万三万四万三索四索五索九索九索五筒六筒八筒八筒八筒??リーチ??ドラ九万

13巡目、勝又がドラの九万を重ね、追いかけリーチを打つ。

四万五万六万九万九万五索六索三筒四筒四筒五筒五筒六筒??リーチ

テンパイが入っていた前田も藤崎も押す。
今局も全員が戦っているのである。

そして前田は五万八万が振り替わり最終形となり、追いかけリーチを打つ。

四万四万六万七万八万五索六索七索八索八索八索六筒七筒??リーチ

高目の五筒で瀬戸熊より8,000点を出アガる。
これでまた35.1ポイントに前田が引き離す。

今局に関して前田はこう語っている。
「11巡目に親の瀬戸熊プロから再びリーチ。そして自分も12巡目にカン七万を引き入れタンヤオのみだがテンパイを入れる。もう先程の局でラスは覚悟しているからここは押そう。しかし勝又プロからもリーチが入る。そしてツモ五万…三色にはなった…しかし切らなければならないのはドラ表の八万。下手すればこれが敗着の一打になるかもしれない…でも戦う姿を見せよう…そう思いながらリーチ!通った。結果はすぐに出た。山に1枚しかなかった五筒が一番先にいてくれた。」

南4局
勝又が藤崎よりピンフを出アガリ、これにより勝又が浮きに回り、その差35.6ポイント。

1本場も藤崎の放銃で2,000は2,300点のアガリである。

南4局2本場
前田12巡目テンパイ

七万八万九万六索六索七索九索五筒六筒七筒八筒九筒中??ツモ八索??ドラ九筒

そして7,700点は8,300点を勝又から出アガリ、前田はこの半荘トップで迎えるとともに、藤崎の点差を55.2ポイントとする。

15回戦成績
前田+20.4P 藤崎+11.1P 勝又▲10.0P 瀬戸熊▲21.5P

15回戦終了時
前田+111.3P 藤崎+56.1P 勝又▲46.0P 瀬戸熊▲121.4P

 

前田
「15回戦の最後のおかげでポイント差はある程度ついた。でもそう思い通りにはいかないのは経験上わかっているつもりである。これだけのリードをして最終局を迎えた経験が無いのが自分としての不安材料である。とにかく無駄な失点だけはしないように心がけよう。そして自分の感覚を信じよう。」

 

最終16回戦 (起家から、藤崎、勝又、瀬戸熊、前田)

南3局2本場

100

 

前田はこう語っている。
「そこまで大きな失点も無く迎えた南3局2本場ドラ八万。6巡目に瀬戸熊プロからリーチが入る。勿論オリを選択する。しかし徐々に手牌がまとまっていき16巡目に4を鳴いてテンパイを入れる。藤崎プロがノーテン気配だったのでオーラスでの条件を厳しくする為の仕掛けである。まぁアガれはしないだろうがアガれたらラッキーくらいの感じだ。しかし鳴いて次巡にドラまたぎの九を持ってくる…この瀬戸熊プロのリーチ、高く無いと感じていた。捨て牌ではない、呼吸というか息遣いからである。持って来た瞬間は通ると思ってはいる…でも万が一これで当たればタダではすまない!自分のアンテナが完璧であるとも言えない。でも自分の感じたまま九を切った。結果流局で済んだが、後から見てこれは実に危ない勝負だったと思っている。リーグ戦なら自分の感じたまま戦えばいい。でも今は鳳凰戦最終局・・テンパイ取るまではいいがオリるのが正解だったように思う。そして長かった4日間もオーラスを迎える。おそらくは最後の一局となるであろう・・」

これにより藤崎の条件は、前田から跳満の直撃、もしくは跳満のツモアガリの条件が残った。

南4局

100

 

遂に最終局を迎えた。
藤崎15巡目にリーチを打つ。

七万八万九万一索二索三索七索九索七筒八筒九筒九筒九筒??リーチ??ドラ四索

残り1枚の八索をツモり上げれば藤崎の優勝、流れれば前田の優勝。
残り1枚の八索は山深く眠っていた。

 

100

 

前田
「藤崎プロの条件は跳満ツモ。そう簡単には作れないことは知っての通りである。しかし3巡目にドラの四索を藤崎プロが打ち出す!正直驚いた…ドラを切っての跳満は純チャンかホンイツ、チンイツくらいであろう。しかし染め手ではない…
となると純チャン?でもまだテンパイまでは時間がかかりそうなのは雰囲気から感じた。しかし14巡目に私が一索を切ったところで藤崎プロが条件を確認しはじめる…一瞬放銃してしまったのかと思ったが、確認後ツモ切りリーチ!残りの藤崎プロのツモは3回。この時思う・・・。この条件をクリア出来る手を最後に作ってくるのはやはり流石だなぁ。そういえば一昨年のA2リーグ最終戦オーラスでも、去年のグランプリベスト16のオーラスでも全く同じ状況だったなぁと。自分も待ちは薄いが二索五索のテンパイを入れていた。出れば勿論アガるが、現物以外持ってきたらオリよう。そして運を天に任せよう。これで藤崎プロがツモるなら劇的だし、流局となれば自分の1年間が報われる。結果はどちらも受け入れよう。そして藤崎プロがハイテイ牌を河に置いた・・・。長かった・・・疲れた・・・。喜びよりもまず先にそう思った。」

 

最終戦成績
藤崎+26.6P 瀬戸熊+5.1P 前田▲11.3P 勝又▲21.4P 供託:1.0

最終トータルポイント
前田+100.0P 藤崎+82.7P 勝又▲67.4P 瀬戸熊▲116.3P

 

前田
「勝因はなんだったんだろう・・後で考えてみたが展開が味方した部分も大きいし勢いもあったと思う。でも自分の麻雀を少しは見せることが出来たとも思う。甘い部分もまだまだたくさんある。ただ心のコントロール・・これだけはかなり自分でも成長を感じている。鳳凰位のトロフィーは重かった。全てが終われば解放感が訪れるのであろうと思っていた。しかし対局から解放された途端にトロフィーよりも重い責務を感じた。これが鳳凰位か…獲って初めてわかった気がした。」

瀬戸熊
「昔から勝負師として生きて行くなら、『敗軍の将、兵を語らず』と思っていますので、全てが言い訳に聞こえて嫌なのですが、まず僕の麻雀でトップを走れるのはもともと3年が限度と思っていました。もちろん攻撃や基本的なことは、これからも一緒です。今期から追い付かれる前に進歩しなければの想いが強く、いま道の途中であります。ここ数年の麻雀は、強い先輩たちに勝つ為のスタイルであったので、どうしてもプラスアルファが必要となる時期に来ています。前田さん初め、藤崎さん、勝又さんには研究されているのが、良くわかりました。負けをしっかり糧に出来るよう努力しなければの気持ちが持てたのを、財産だと思って、来期以降、まだまだ続く勝負師として精進して行きます。」

藤崎はこう述べている。
「今回の決定戦は素直に完敗でした。完全に力負けだったと思います。最後は前田プロを追い詰める事が出来たのも自分の実力ではなく、勝又プロと瀬戸熊プロの不調による結果だったと思います。昨年鳳凰位をとらせて頂きましたが、ずっと.「自分はタイトルをとるためにプロをやっているわけではない」と後輩達に言ってきました。「現鳳凰位」の足枷が外れたこれからこそが忍者の本分なんだと思います。応援して下さる方々のために少しでも麻雀の楽しさを伝えていければと思っています。」

藤崎に関しては負けて、尚、強しの印象を改めて感じさせられた。
勝又に関しては、2日目が勿体無く感じた。

鳳凰位という頂点に立った前田に思うことは、とにかく崩れない印象を受けた。
それは何処から来るのだろうと考えた時、技術力もさることながら、強い精神力にあることは間違いない所だろう。
胆力と言ってもいい。
その強い胆力が在って技術が活かされたように思う。

 

今回ほど優勝者予想が割れたのも珍しい。
それは、新しい世代の台頭を意味することである。

初日、藤崎が語った通り、可愛い分だけ、簡単に勝たせてはならない。
瀬戸熊もコメント通り、先を見ている。勝又にしても同じことだろう。
要は切磋琢磨して行かない世界は滅びるということである。
それにしても、質の高い戦いだったように思える。
戦うべき相手は相手ではなく、自分自身であり、視聴者の方々である。

 

100

 

前田鳳凰位おめでとうございます。さらなる高見を目指して頂きたい。
最後になりましたが、度重なるインタビューに応えてくださった4名の方達には心より御礼申し上げる。

 

100

プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記/第31期鳳凰位決定戦観戦記最終日 前原 雄大

いよいよ、最終日を迎えた。
前田と藤崎の点差が、72.9Pである。
この点差は、鳳凰戦の決勝を戦った者ならばわかるが、充分に逆転可能な数字である。
前田、勝又の点差は177.3P。前田、瀬戸熊の点差は204.6Pである。
この2人にとって難しいのは点差もさることながら、2人、ないし、3人を抜くことである。
実質、前田と藤崎の優勝争いとなる。
この前田と藤崎の点差72.9Pも、最終日の初戦の結果次第で大きく変わる。
前田がトップ、藤崎が沈みならば、その時点でほぼ前田の優勝が決まり、が逆に藤崎トップ、前田沈みであれば、戦いは混沌となる。
前田は語っている。
「12戦を終えて、まさかのリードで最終日を迎える。ここまでの1週間プレッシャーは感じない。たまたまリードしているだけで、気持ちは常に挑戦者であるからだろうか?体調には常に気を付けてきた。しかし、3日前、首を寝違えた。当日までには治るかと思ったが当日起きたら逆に寝違えた・・・。寝ている間に何が起こったかはわからないが、こればかりは気を付けようがない!これによりいつものアンテナがフルに稼働してくれるかどうかが少し心配ではある。いつも通りに会場入りしたつもりだが、ここにきて初めてと言ってもいい緊張が押し寄せる。まずはとにかく落ち着こう。いつも通りに戦おう。」
 

100

 
13回戦 (起家から、前田、藤崎、瀬戸熊、勝又)
東1局
前田テンパイするもヤミテン。
勝又がリーチをするも、前田は押すがアガリ逃しがあり撤退と同時に藤崎はドラの八万でツモアガる。
六万七万七万八万九万四索五索六索発発??ポン東東東??ツモ八万??ドラ八万
東2局
前田が早くテンパイするもヤミテン。
四万五万七万八万九万五索五索五索四筒五筒六筒発発??ドラ一筒
そのヤミテンが親の藤崎のリーチを誘発し、オリに回る。
結果、藤崎の5,800点の出アガリ。
前田流自然体と見るか、プレッシャーと見るかは判然としないところではある。
それでも東2局1本場。
前田は5巡目に絶好のカン二筒を引き込み、同巡、藤崎より2,000点は2,300点を出アガる。
五万六万二索三索四索五索五索七索八索九索一筒二筒三筒??ロン四万??ドラ八索
東4局
藤崎10巡目にリーチ
二万三万三万四万四万五万六万七万四筒五筒六筒発発??リーチ??ドラ発
そこに、ドラを切ってまでクイタンに走りツモアガる親の勝又。
勝又の捌きが無ければ、藤崎のツモアガリがあったように思う。
最終日であり、もう1つ1つの親番が落とせない勝又。
そのことを良く解っている証のような1局である。
東4局1本場
勝又のリーチに一発で五索を打ち放す前田。
この五索は何故打てるのか!
立会人の藤原隆弘も驚いた表情をしていた。
 
100
 
前田は今局を勝負どころの1つだと捉えたのであろう。
それにしても親番の勝又に向かって、なかなか打てない五索であることには間違いがない。
結果は瀬戸熊から勝又が出アガる。
 
100
 
東4局2本場に関して前田はこう語っている。

 
「下家の藤崎プロが立て続けに切られた東を二鳴きする。ドラはトイツでは無いことは想像出来る。そして5巡目に小考が入る。この時ホンイツを諦めたのだと思った。最終系はドラタンキか?そして6巡目に二索を切ったが、それをカンチャンで鳴かれる。ちょっとこれは想定外だった。そして七八切り・・・またホンイツへ渡られたか?と思った。そして9巡目に親の勝又プロからリーチが入る。宣言牌は四索。ほとんど安牌も無いので四索を合わせることも出来た・・が、テンパイしたら真っ直ぐに行こうと決めていたので合わせることはやめた。藤崎プロがドラを切ってくる・・・とりあえず安全に切ってきたのか?くらいにしか考えてなかった。そして次巡、二万をツモってきてマンズが好形になったため四索を切った。そして藤崎プロに3,900の放銃。見ている人にはどう映っただろうか?きっと甘いんじゃ?と思われたかもしれないが自分としては行くと決めていたので全く後悔は無かった。しかし、自分のアンテナが少しズレているなと感じた局でもあった。」
 
100
 
南2局
前田が三色ドラ1を僅か2巡目にテンパイ。
一万二万三万四万六万四索五索六索四筒五筒六筒東東??ドラ一万
ターニングポイントは7巡目
一万二万三万四万六万四索五索六索四筒五筒六筒東東??ツモ東??ドラ一万
私は、前田は待ち変えをしないだろうと思っていた。
今局も後から勝又、藤崎に追いつかれ、藤崎がヤミテンでアガリ切り、親番を守り抜いた。
四万四万六万七万八万五索六索七索二筒三筒五筒六筒七筒??ロン四筒??ドラ一万
この時点で73ポイントあった差が、38ポイントとなった。
そして南2局1本場。
 
100
 
勝又の今テン5,200は5,500に前田が飛び込む。
これで僅かその差、29ポイントとなった。
私にはやはり東1局、東2局の前田の構え方が疑問に思えた。
やはり素直にリーチを打っていっても良いように思う。
プレッシャーの成せる業のように思う。
南3局も勝又が軽やかなツモで一発で引きアガる。
七万七万二索三索三索四索四索五索六索七索六筒七筒八筒??リーチ??ツモ八索??ドラ二筒
南4局
それでも前田は1人テンパイで3着に浮上する。
13回戦終了後
「これだけアガってもまだこれだけ差があるのか」
藤崎の言葉が印象的だった。
「東1局、東2局の処し方が違うように思える」
審判長である藤原隆弘の言葉であるが、藤原も私と同じように感じていたのである。
13回戦成績
藤崎+21.1P 勝又+12.7P 前田▲14.8P 瀬戸熊▲19.0P
13回戦終了時
前田+96.4P 藤崎+59.4P 勝又▲43.4P 瀬戸熊▲112.4P
 
14回戦 (起家から、前田、勝又、瀬戸熊、藤崎)
藤崎トップ、前田沈みで、記したように鳳凰位の行方は分からなくなった。
東1局
勝又にテンパイが入るも、瀬戸熊の2,000・3,900のツモアガリ。
当然のように、藤崎の手元には瀬戸熊の現物でありながらも、勝又の当たり牌である一万が残り、打ち出されることは無かった。
前田の親被りからの始まりである。
 
100
 
東2局
瀬戸熊に12巡目にまたもリーチが入るも、藤崎はドラを卓上にソッと置き、交戦の構えも勝又の放銃で終わる。
東3局
そして迎えた瀬戸熊の親番。
打して1シャンテンの配牌を得るも、選択が難しくなりそうである。
縦に決めたのは5巡目。
テンパイ一番乗りは勝又。11巡目に瀬戸熊はドラドラ七対子にまとめ上げ、リーチを打つも流局。
東3局1本場
瀬戸熊リャンペーコー含みのタンピンのヤミテンに構えるも流局。
五万五万六万六万七万八万八万四索四索五索五索六索六索??ドラ四筒
東4局3本場
勝負を決めるべく、親番の藤崎が7巡目リーチ。
四万五万四索五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒九筒??ドラ五筒
そこに勝又も瀬戸熊のロン牌を使い切り、追いかけリーチ。
勝又のアガリで収束を見る。
南1局
親番の前田が700オールをツモアガリ、前田今半荘の初アガリである。
一索一索一索二索三索四索五索六索三筒四筒六筒七筒八筒??ツモ二筒
今局に関して前田はこう語っている。
「親番を迎えラス目でかなり苦しい状況。勝負手も入らない。また難しい選択を迫られる。
6巡目
六万八万一索一索二索四索五索六索三筒四筒四筒六筒八筒
ここに三索を持ってくる。普通に打てば一索切りであろうがマンズに全く感触を感じない。よって一応456も見つつで八万を切った。次巡七筒引いて六万切り。これが上手くいき、安いながらも700オールを引きアガる。感覚はだいぶ良くなってきていると感じた局であった。」
南1局1本場
100
 
藤崎より1巡回してのリーチが入る。
前田に感心するのは、前巡、よく打一万としなかったことである。(一万が枯れている)
前田はそれだけ、良く局面が見えているということなのだろう。
ここは勝又がうまく立ち回り、藤崎より出アガる。
今局に関して前田はこう語っている。
「また配牌は苦しい・・まずは七対子を見つつ真っ直ぐ進めていく。そして7巡目には、
一万一万二索三索九索九索三筒四筒四筒東東白白
ここに四筒を持ってきてメンツ手も見えてきた。しかし一万は既に2枚切れ。メンツ手にするなら早く落としたい一万であるが、このトイツ落としが間に合うかどうかずっと考えていた。そして8巡目に上家の藤崎プロが三万を手出し。これでもう間に合わないと確信した。こうなればもう七対子か一万を使いきってのメンツ手のみである。そして10巡目に藤崎プロからツモ切りリーチが打たれる。この時待ちは一万四万の一点だと感じた。なので自分を信じて無筋の牌をぶつけていく!そして13巡目、東を引き入れ四暗刻テンパイ。この時は、まぁ山には無いだろうと思っていたが、、、まぁ結果は実らなかったが、アンテナの感度はかなり良いと感じた局でした。」
南2局
前局はともかく、それほど前田の前に進もうという気持ちが感じられず、瀬戸熊、勝又のメーターが上がっていく。
今局も前田、藤崎ともにテンパイながら、後発の勝又に藤崎が僅か1,000点ながらも飛び込む。
藤崎は追う立場であり、手が入っている分だけ、放銃が続くのは仕方ないことである。
勝又の親を1,300は1,600で前田が落とす。
今半荘2度目のアガリである。
前田としては藤崎より上の着順である限り、残り回数を考えれば、アガリ点は低くとも決して小さなアガリではない。
次局も藤崎の大物手を、500・1,000のアガリで交わす。
藤崎
一万一万一万九万九万一索二索三索東東北北北??ドラ中
前田
五万五万六万七万八万四索六索二筒三筒四筒六筒七筒八筒??ツモ五索
とにかく藤崎は手が入るのだが、それが実らない。
こういう時間帯が追う側の打ち手にとって一番辛い。
南4局
そしてオーラス、親番の藤崎に手が入り、リーチ。
六万六万三索四索五索六索六索七索七索八索八索六筒七筒??リーチ??ドラ四索
この手が実るかどうかで鳳凰の行方も大きく変わるリーチである。
ツモれば前田をかわし3着に浮上し、前田をラスに押し付けることが出来る。
「ツモ、6,000オール」
おそらく藤崎本人にとっても「ようやく来たか」と思ったに違いない。
このアガリでなんと13ポイントに差し迫ったのである。
南4局1本場
藤崎はドラドラのテンパイから前田に覚悟の8,000は8,300点の放銃である。
これは前田にとっては大きなアガリである。13ポイント差を45ポイント差に広げた。
逆に前田は、藤崎に飛び込めば、藤崎がトータルトップになる1局でもあった。
ここは、勝負処であり、致し方なしである。
藤崎手牌
二万二万六万七万八万二索四索七筒八筒九筒??ポン東東東??ツモ切り一筒??ドラ二万
前田手牌
二筒三筒白白??ポン南南南??チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き??チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き??ドラ二万
それにしても勝負の行方を決めるような大きな局であった。
14回戦成績
瀬戸熊+12.5P 勝又+7.4P 前田▲5.5P 藤崎▲14.4P
14回戦終了時
前田+90.9P 藤崎+45.0P 勝又▲36.0P 瀬戸熊▲99.9P
 
15回戦 (起家から、前田、藤崎、瀬戸熊、勝又)
東1局
瀬戸熊より6巡目リーチが入る。
勝又より安目で出アガる。横移動で終わったことは前田にとってそう悪いアガリではない。
一索二索二索三索三索一筒二筒三筒九筒九筒西西西??ロン四索??ドラ四筒
東2局
勝又よりリーチが入り、2,000・3,900のツモアガリである。
このアガリ、藤崎にとっては痛いアガリである。
それだけ現状では前田に分があるということなのだろう。
南1局
100
 
前田の親番で七対子ドラドラのテンパイが入るも、勝又からリーチが入り、手仕舞い。
そして、そこに瀬戸熊が追いかけリーチを打つ。
4人が4人ともそれぞれの立場で戦っているのである。
収束は藤崎の勝又への放銃である。
南2局
藤崎の親で、マンズが押し寄せてくる。
藤崎僅か、6巡目でテンパイ。
一万一万一万三万三万三万四万五万五万五万六万六万八万??ツモ七万??ドラ四筒
「6,000オール」の声が力強かった。。
この瞬間に藤崎、前田の点差が一気に10.4ポイントとなる。
 
100
 
南2局1本場。
100
 
藤崎を除く3人にテンパイが入る。
そして最後に藤崎がテンパイし、アガリ切る。
これで、2.2ポイント差である。
そして次局、藤崎の親を勝又が藤崎より出アガリ、その差8.8ポイントとする。
―――――藤崎の予感
南3局
100
 
13巡目、親の瀬戸熊からリーチが入る。それを前田が14巡目、追いかけリーチを打つ。
そして藤崎がテンパイを 瀬戸熊のロン牌を掴み、ノータイムでオリる。
仕掛けなければ、前田から瀬戸熊への放銃で終局していたが、それにしても藤崎の読みが正確である。
勝又が沈んだことにより、6.1ポイント差となる。
藤崎はこの局に関して、こうコメントしている。
「普段なら間違いなく仕掛ける一索ではあるのだが、今局に関しては一索の仕掛けをためらったのは、良くない結果が待ち受けている気がしたからである。」
前田はこの局に関して、こうコメントしている。
「ラス目でむかえ苦しい状況。なかなかテンパイも入らずそれでも高打点を目指して手作りする。そして親の瀬戸熊プロからリーチが入る。自分の目からドラの一筒が1枚も見えていない。そして次巡四万を引いてテンパイが入る。待ちはカン三筒で既に2枚切れ。ドラが一筒だけに山には0枚かあっても1枚であろう・・・。でも高打点にしてぶつけていくのが自分のスタイル。ここで手牌を曲げたら今までの14戦を全て否定してしまいそうな気がした。この時思ったことは、この半荘のラスは受け入れよう。でも勝ちにいく姿勢を見せようと思った。結果は流局。藤崎プロの鳴きで自分が瀬戸熊プロに打つ四万を食い下げていた。今まで藤崎プロの鳴きで何度アガリを阻止されたことだろう・・・そう考えれば1度くらいはいいですよね?」
それにしても、前田のこのリーチはなかなか打てないリーチである。
それだけ肚を括ったリーチである。
南3局1本場
11巡目に親の瀬戸熊よりリーチが入る。
二万三万四万三索四索五索九索九索五筒六筒八筒八筒八筒??リーチ??ドラ九万
13巡目、勝又がドラの九万を重ね、追いかけリーチを打つ。
四万五万六万九万九万五索六索三筒四筒四筒五筒五筒六筒??リーチ
テンパイが入っていた前田も藤崎も押す。
今局も全員が戦っているのである。
そして前田は五万八万が振り替わり最終形となり、追いかけリーチを打つ。
四万四万六万七万八万五索六索七索八索八索八索六筒七筒??リーチ
高目の五筒で瀬戸熊より8,000点を出アガる。
これでまた35.1ポイントに前田が引き離す。
今局に関して前田はこう語っている。
「11巡目に親の瀬戸熊プロから再びリーチ。そして自分も12巡目にカン七万を引き入れタンヤオのみだがテンパイを入れる。もう先程の局でラスは覚悟しているからここは押そう。しかし勝又プロからもリーチが入る。そしてツモ五万…三色にはなった…しかし切らなければならないのはドラ表の八万。下手すればこれが敗着の一打になるかもしれない…でも戦う姿を見せよう…そう思いながらリーチ!通った。結果はすぐに出た。山に1枚しかなかった五筒が一番先にいてくれた。」
南4局
勝又が藤崎よりピンフを出アガリ、これにより勝又が浮きに回り、その差35.6ポイント。
1本場も藤崎の放銃で2,000は2,300点のアガリである。
南4局2本場
前田12巡目テンパイ
七万八万九万六索六索七索九索五筒六筒七筒八筒九筒中??ツモ八索??ドラ九筒
そして7,700点は8,300点を勝又から出アガリ、前田はこの半荘トップで迎えるとともに、藤崎の点差を55.2ポイントとする。
15回戦成績
前田+20.4P 藤崎+11.1P 勝又▲10.0P 瀬戸熊▲21.5P
15回戦終了時
前田+111.3P 藤崎+56.1P 勝又▲46.0P 瀬戸熊▲121.4P
 
前田
「15回戦の最後のおかげでポイント差はある程度ついた。でもそう思い通りにはいかないのは経験上わかっているつもりである。これだけのリードをして最終局を迎えた経験が無いのが自分としての不安材料である。とにかく無駄な失点だけはしないように心がけよう。そして自分の感覚を信じよう。」
 
最終16回戦 (起家から、藤崎、勝又、瀬戸熊、前田)
南3局2本場
100
 
前田はこう語っている。
「そこまで大きな失点も無く迎えた南3局2本場ドラ八万。6巡目に瀬戸熊プロからリーチが入る。勿論オリを選択する。しかし徐々に手牌がまとまっていき16巡目に4を鳴いてテンパイを入れる。藤崎プロがノーテン気配だったのでオーラスでの条件を厳しくする為の仕掛けである。まぁアガれはしないだろうがアガれたらラッキーくらいの感じだ。しかし鳴いて次巡にドラまたぎの九を持ってくる…この瀬戸熊プロのリーチ、高く無いと感じていた。捨て牌ではない、呼吸というか息遣いからである。持って来た瞬間は通ると思ってはいる…でも万が一これで当たればタダではすまない!自分のアンテナが完璧であるとも言えない。でも自分の感じたまま九を切った。結果流局で済んだが、後から見てこれは実に危ない勝負だったと思っている。リーグ戦なら自分の感じたまま戦えばいい。でも今は鳳凰戦最終局・・テンパイ取るまではいいがオリるのが正解だったように思う。そして長かった4日間もオーラスを迎える。おそらくは最後の一局となるであろう・・」
これにより藤崎の条件は、前田から跳満の直撃、もしくは跳満のツモアガリの条件が残った。
南4局
100
 
遂に最終局を迎えた。
藤崎15巡目にリーチを打つ。
七万八万九万一索二索三索七索九索七筒八筒九筒九筒九筒??リーチ??ドラ四索
残り1枚の八索をツモり上げれば藤崎の優勝、流れれば前田の優勝。
残り1枚の八索は山深く眠っていた。
 

100

 
前田
「藤崎プロの条件は跳満ツモ。そう簡単には作れないことは知っての通りである。しかし3巡目にドラの四索を藤崎プロが打ち出す!正直驚いた…ドラを切っての跳満は純チャンかホンイツ、チンイツくらいであろう。しかし染め手ではない…
となると純チャン?でもまだテンパイまでは時間がかかりそうなのは雰囲気から感じた。しかし14巡目に私が一索を切ったところで藤崎プロが条件を確認しはじめる…一瞬放銃してしまったのかと思ったが、確認後ツモ切りリーチ!残りの藤崎プロのツモは3回。この時思う・・・。この条件をクリア出来る手を最後に作ってくるのはやはり流石だなぁ。そういえば一昨年のA2リーグ最終戦オーラスでも、去年のグランプリベスト16のオーラスでも全く同じ状況だったなぁと。自分も待ちは薄いが二索五索のテンパイを入れていた。出れば勿論アガるが、現物以外持ってきたらオリよう。そして運を天に任せよう。これで藤崎プロがツモるなら劇的だし、流局となれば自分の1年間が報われる。結果はどちらも受け入れよう。そして藤崎プロがハイテイ牌を河に置いた・・・。長かった・・・疲れた・・・。喜びよりもまず先にそう思った。」
 
最終戦成績
藤崎+26.6P 瀬戸熊+5.1P 前田▲11.3P 勝又▲21.4P 供託:1.0
最終トータルポイント
前田+100.0P 藤崎+82.7P 勝又▲67.4P 瀬戸熊▲116.3P
 
前田
「勝因はなんだったんだろう・・後で考えてみたが展開が味方した部分も大きいし勢いもあったと思う。でも自分の麻雀を少しは見せることが出来たとも思う。甘い部分もまだまだたくさんある。ただ心のコントロール・・これだけはかなり自分でも成長を感じている。鳳凰位のトロフィーは重かった。全てが終われば解放感が訪れるのであろうと思っていた。しかし対局から解放された途端にトロフィーよりも重い責務を感じた。これが鳳凰位か…獲って初めてわかった気がした。」
瀬戸熊
「昔から勝負師として生きて行くなら、『敗軍の将、兵を語らず』と思っていますので、全てが言い訳に聞こえて嫌なのですが、まず僕の麻雀でトップを走れるのはもともと3年が限度と思っていました。もちろん攻撃や基本的なことは、これからも一緒です。今期から追い付かれる前に進歩しなければの想いが強く、いま道の途中であります。ここ数年の麻雀は、強い先輩たちに勝つ為のスタイルであったので、どうしてもプラスアルファが必要となる時期に来ています。前田さん初め、藤崎さん、勝又さんには研究されているのが、良くわかりました。負けをしっかり糧に出来るよう努力しなければの気持ちが持てたのを、財産だと思って、来期以降、まだまだ続く勝負師として精進して行きます。」
藤崎はこう述べている。
「今回の決定戦は素直に完敗でした。完全に力負けだったと思います。最後は前田プロを追い詰める事が出来たのも自分の実力ではなく、勝又プロと瀬戸熊プロの不調による結果だったと思います。昨年鳳凰位をとらせて頂きましたが、ずっと.「自分はタイトルをとるためにプロをやっているわけではない」と後輩達に言ってきました。「現鳳凰位」の足枷が外れたこれからこそが忍者の本分なんだと思います。応援して下さる方々のために少しでも麻雀の楽しさを伝えていければと思っています。」
藤崎に関しては負けて、尚、強しの印象を改めて感じさせられた。
勝又に関しては、2日目が勿体無く感じた。
鳳凰位という頂点に立った前田に思うことは、とにかく崩れない印象を受けた。
それは何処から来るのだろうと考えた時、技術力もさることながら、強い精神力にあることは間違いない所だろう。
胆力と言ってもいい。
その強い胆力が在って技術が活かされたように思う。
 
今回ほど優勝者予想が割れたのも珍しい。
それは、新しい世代の台頭を意味することである。
初日、藤崎が語った通り、可愛い分だけ、簡単に勝たせてはならない。
瀬戸熊もコメント通り、先を見ている。勝又にしても同じことだろう。
要は切磋琢磨して行かない世界は滅びるということである。
それにしても、質の高い戦いだったように思える。
戦うべき相手は相手ではなく、自分自身であり、視聴者の方々である。
 

100

 
前田鳳凰位おめでとうございます。さらなる高見を目指して頂きたい。
最後になりましたが、度重なるインタビューに応えてくださった4名の方達には心より御礼申し上げる。
 

100

第99回『さよなら勝てる!リーチ麻雀講座⑨仕掛け編その2』 魚谷 侑未

皆さんこんにちは、魚谷侑未です。
長い間連載させて頂きましたこちらの中級講座も今回が最終回となりました。
今回は仕掛け編その2になります。
最後までしっかりと学んでいきましょう。

【2章~アガリトップに強くなろう~】
仕掛けの一番の利点は何か?
それは、テンパイやアガリまでのスピードがアップする事です。
では、仕掛けの技術はどんな時に役に立つのでしょう?

①アガリトップや局回しが有効な時。
②交わし手でアガリたい時。
③自分で引けない可能性の高い急所の牌が場に打たれた時。

この3つがメインとなりますが、この中でも最も重要なのが①です。
オーラスや南場に入ってからのトップ目の早くアガるための技術は、成績にそのまま直結すると言っても過言ではありません。

『アガリトップに強いのは強者の証です』

仕掛けの技術をしっかり学んで強者を目指しましょう。

〔メンゼンでの手組と仕掛け前提での手組の違い〕
メンゼンで手を進める時と、仕掛け前提で手を進める時の手組は違う所が多々あります。
これから出す例題は全てアガリトップ想定となります。

例1〕タンヤオを基本に。

三万三万五万七万一索一索三索六索七索七索二筒二筒四筒八筒
→打一索
愚形が多く、トイツ手も見えますが、タンヤオを見て一索を切りましょう。
ここで、両面待ちを決める七索を切ったり、トイツ手を見て八筒を切るよりも、先の形を見据えて柔軟性のある一索切りをお勧めします。

タンヤオを確定してしまえば、仕掛けていく選択もし易くなります。
一度トイツを嫌ったからといって、七対子の可能性もなくなるわけではありません。
アガリトップの時は普段以上にどんな伸びにも対応出来るように、そして仕掛けられる形を想定しながら柔軟な形に構えましょう。
普段よりもタンヤオを強く意識しましょう。

例2〕視野を広げて鳴く選択を入れましょう。

一万二万三万三万六万七万五索七索二筒二筒四筒八筒八筒

この手で五万八万以外の鳴ける牌が場に打たれた場合、思い切って仕掛けてみましょう。

え?一万二万三万のメンツを崩すの?
と思われるかもしれませんが、この手牌は愚形が多くメンゼンでのテンパイはなかなか苦しいです。
更に、テンパイしたとしても愚形待ちになる可能性が非常に高いです。
それならばいっその事、他の人の協力を得やすいようにするために、鳴ける形に変化させてしまいましょう。

二万三万三万六万七万五索七索二筒二筒四筒八筒八筒西

初めからこの形であったと仮定して、愚形を捌いてアガリに向かうと考えれば分かりやすいですね。
前回、遠くて安い鳴きはNGと書きましたが、自力で決めないといけないアガリトップの場面などではこういった鳴きも必要となってきます。
テンパイやアガリに最も近い形にするために、牌姿を柔軟に捉えていきましょう。

例3〕役牌バックも恐れずに。

一万一万二万八万八万五筒六筒七筒七筒八筒九筒白白

この手で3巡目に一万が打たれました。
→ポンしましょう。
あくまで、アガリトップのこの局面でだけこの鳴きは強く推奨しますが、他の場面では推奨しません。
(こういうのを鳴くと押し引きのバランスが難しいので。押し引きが得意な人は鳴いてもいいです)

オーラスというのは、それぞれ条件があり、その条件に向かって各々が手を進めます。
つまりは、役牌が危ないとわかっていても、周りは切らざるを得ないのです。
役牌を全て止めていては勝負になりませんからね。
これが、八万のポンなら役牌バックと特定されにくく、更にアガリ易くなります。

一万なんて鳴いたら絶対白は出ないから…」

と、決めつけはやめましょう。
相手が前に出ざるを得ない状況では出てくるものです。
状況に応じて役牌バックも使っていきましょう。

仕掛けは、凄く難しいです。
アガリまでのスピードと引き換えに、打点が下がり、守備力が落ちます。
なので、仕掛けをするタイミングを少し間違うと大変な事になってしまいます。
それでも、仕掛けの技術を磨く事により、大切な局面でのスピードを手に入れる事も出来るので、どんどん試していって欲しいです。
この中級講座でお伝え出来る事には限りがありますが、この講座を軸に皆さんの麻雀が進化していって下さる事を願っています。

皆さん、長い間私の中級講座にお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました。

麻雀ライフ、楽しんでいますか?
勝てなくてイライラしたり、嫌な思いをして麻雀が嫌になったりする日もあるかもしれません。
でも、麻雀を心から「楽しむ事」を一番大切にして欲しいです。

精一杯やって勝てなかったら、相手を讃えましょう。
そして、また麻雀の勉強を頑張りましょう。
麻雀が強くなるには日々の少しずつの努力が大切です。

人間同士が対決するゲームですから、対戦相手に嫌な感情を抱く事もあるかもしれません。
その時は、反面教師だと思って、自分は色んな人に優しく出来る人間で在ろうって思いましょう。
優しさはいつかきっと形を変えて返ってきます。
麻雀を愛する人を、麻雀を愛する自分を大切にしてあげて下さいね。

麻雀を好きで居てくれる皆さんが、明日も笑顔で麻雀が出来ますように。
それではまたどこかでお会いしましょう!
ここまで読んで下さった皆様に感謝の気持ちを込めて。

魚谷侑未

中級/第99回『さよなら勝てる!リーチ麻雀講座⑨仕掛け編その2』 魚谷 侑未

皆さんこんにちは、魚谷侑未です。
長い間連載させて頂きましたこちらの中級講座も今回が最終回となりました。
今回は仕掛け編その2になります。
最後までしっかりと学んでいきましょう。
【2章~アガリトップに強くなろう~】
仕掛けの一番の利点は何か?
それは、テンパイやアガリまでのスピードがアップする事です。
では、仕掛けの技術はどんな時に役に立つのでしょう?
①アガリトップや局回しが有効な時。
②交わし手でアガリたい時。
③自分で引けない可能性の高い急所の牌が場に打たれた時。
この3つがメインとなりますが、この中でも最も重要なのが①です。
オーラスや南場に入ってからのトップ目の早くアガるための技術は、成績にそのまま直結すると言っても過言ではありません。
『アガリトップに強いのは強者の証です』
仕掛けの技術をしっかり学んで強者を目指しましょう。
〔メンゼンでの手組と仕掛け前提での手組の違い〕
メンゼンで手を進める時と、仕掛け前提で手を進める時の手組は違う所が多々あります。
これから出す例題は全てアガリトップ想定となります。
例1〕タンヤオを基本に。
三万三万五万七万一索一索三索六索七索七索二筒二筒四筒八筒
→打一索
愚形が多く、トイツ手も見えますが、タンヤオを見て一索を切りましょう。
ここで、両面待ちを決める七索を切ったり、トイツ手を見て八筒を切るよりも、先の形を見据えて柔軟性のある一索切りをお勧めします。
タンヤオを確定してしまえば、仕掛けていく選択もし易くなります。
一度トイツを嫌ったからといって、七対子の可能性もなくなるわけではありません。
アガリトップの時は普段以上にどんな伸びにも対応出来るように、そして仕掛けられる形を想定しながら柔軟な形に構えましょう。
普段よりもタンヤオを強く意識しましょう。
例2〕視野を広げて鳴く選択を入れましょう。
一万二万三万三万六万七万五索七索二筒二筒四筒八筒八筒
この手で五万八万以外の鳴ける牌が場に打たれた場合、思い切って仕掛けてみましょう。
え?一万二万三万のメンツを崩すの?
と思われるかもしれませんが、この手牌は愚形が多くメンゼンでのテンパイはなかなか苦しいです。
更に、テンパイしたとしても愚形待ちになる可能性が非常に高いです。
それならばいっその事、他の人の協力を得やすいようにするために、鳴ける形に変化させてしまいましょう。
二万三万三万六万七万五索七索二筒二筒四筒八筒八筒西
初めからこの形であったと仮定して、愚形を捌いてアガリに向かうと考えれば分かりやすいですね。
前回、遠くて安い鳴きはNGと書きましたが、自力で決めないといけないアガリトップの場面などではこういった鳴きも必要となってきます。
テンパイやアガリに最も近い形にするために、牌姿を柔軟に捉えていきましょう。
例3〕役牌バックも恐れずに。
一万一万二万八万八万五筒六筒七筒七筒八筒九筒白白
この手で3巡目に一万が打たれました。
→ポンしましょう。
あくまで、アガリトップのこの局面でだけこの鳴きは強く推奨しますが、他の場面では推奨しません。
(こういうのを鳴くと押し引きのバランスが難しいので。押し引きが得意な人は鳴いてもいいです)
オーラスというのは、それぞれ条件があり、その条件に向かって各々が手を進めます。
つまりは、役牌が危ないとわかっていても、周りは切らざるを得ないのです。
役牌を全て止めていては勝負になりませんからね。
これが、八万のポンなら役牌バックと特定されにくく、更にアガリ易くなります。
一万なんて鳴いたら絶対白は出ないから…」
と、決めつけはやめましょう。
相手が前に出ざるを得ない状況では出てくるものです。
状況に応じて役牌バックも使っていきましょう。
仕掛けは、凄く難しいです。
アガリまでのスピードと引き換えに、打点が下がり、守備力が落ちます。
なので、仕掛けをするタイミングを少し間違うと大変な事になってしまいます。
それでも、仕掛けの技術を磨く事により、大切な局面でのスピードを手に入れる事も出来るので、どんどん試していって欲しいです。
この中級講座でお伝え出来る事には限りがありますが、この講座を軸に皆さんの麻雀が進化していって下さる事を願っています。
皆さん、長い間私の中級講座にお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました。
麻雀ライフ、楽しんでいますか?
勝てなくてイライラしたり、嫌な思いをして麻雀が嫌になったりする日もあるかもしれません。
でも、麻雀を心から「楽しむ事」を一番大切にして欲しいです。
精一杯やって勝てなかったら、相手を讃えましょう。
そして、また麻雀の勉強を頑張りましょう。
麻雀が強くなるには日々の少しずつの努力が大切です。
人間同士が対決するゲームですから、対戦相手に嫌な感情を抱く事もあるかもしれません。
その時は、反面教師だと思って、自分は色んな人に優しく出来る人間で在ろうって思いましょう。
優しさはいつかきっと形を変えて返ってきます。
麻雀を愛する人を、麻雀を愛する自分を大切にしてあげて下さいね。
麻雀を好きで居てくれる皆さんが、明日も笑顔で麻雀が出来ますように。
それではまたどこかでお会いしましょう!
ここまで読んで下さった皆様に感謝の気持ちを込めて。
魚谷侑未