Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
 

心を入れ替えたMr.X、きちんと1週間後に寄稿したぜ! 終わりよければすべて良し。2017年度最後の公式戦と言えばやはりグランプリMAXだっ!!

 
 

【準決勝A卓】

 
 

HIRO柴田vs前原雄大vs勝又健志vsともたけ雅晴。

2年前なら普通にA1の対局でもありそうな豪華な組み合わせ。そうなると…

 

100

 

2連続大トップの前原がこの段階で早々当確ランプを灯す! 残る1人は…

 

100

 
 
勝又だ! このアガリで浮きに回りH柴田をトータルで上回る。
終わってみれば直近の鳳凰位2人が勝ち上がり。手の内を分かりあってる同士だからこその、波乱無しの結果に終わる。

 
 

【準決勝B卓】

 
 

灘麻太郎vs森山茂和vs藤崎智vs仁平宣明

灘・森山というレジェンドが2人も残ってる超豪華カード。そりゃAbemaTVも生放送入るぜ!

 

100

 

しかし内容もEXCITING!! 毎試合どころか毎局勝ち上がり者が入れ替わんばかりの大接戦、といえば渋い小場を想像するだろうが…

 

100

 

仁平大勝、灘・藤崎競り、森山後退のムードも…

 

100

 

なんと森山が4,5回戦大トップでダントツ! 逆に仁平が最終戦トータルトップから大きな沈みで敗退! 2位で勝ち上がったのは…

 

100

 

忍法トーナメント勝ち上がりの術(勝率9割)を駆使した藤崎。

決勝メンバー

 

100

 

前原雄大vs勝又健志vs森山茂和vs藤崎智

前原・勝又・藤崎の3者歴代鳳凰位であり歴代グランプリ覇者。そして森山は現会長としてプロ連盟をここまで大きく発展させた「中興の祖」。
今年のグランプリは2017年というよりも、むしろこれまでの集大成的なグランプリと言ってもいいのでは?

 

100

 

「道場で鬼打ち特訓をする森山会長」


放送予定 3/17 14:00~

第8期麻雀グランプリMAX~決勝戦初日~


放送ページはこちら


放送ページはこちら


放送予定 3/18 14:00~

第8期麻雀グランプリMAX~決勝戦最終日~


放送ページはこちら


放送ページはこちら

 
 

【敗退をバネに意地を見せた!?】

 
 

火曜日に悔しい敗退となった仁平。翌日の『第4期麻雀Battle of generation【40代代表決定戦】』で意地を見せての優勝!

 

100

 
「良いパン焼けました!」
 

 
 

【公私に渡り充実?】

 
 

さて、3月10日(土)に『麻雀最強戦201~サイバーエージェント杯~女流プロ代表決戦』が開催された。優勝は…現・女流桜花として出場した仲田加南!

 

100

  

女流桜花連覇、そして1月に入籍。

 

100

 

公私共に絶好調! こりゃ前人未踏の女流桜花三連覇そして最強位もあるぞ!!!

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

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心を入れ替えたMr.X、きちんと1週間後に寄稿したぜ! 終わりよければすべて良し。2017年度最後の公式戦と言えばやはりグランプリMAXだっ!!
 
 
【準決勝A卓】
 
 
HIRO柴田vs前原雄大vs勝又健志vsともたけ雅晴。
2年前なら普通にA1の対局でもありそうな豪華な組み合わせ。そうなると…
 
100
 
2連続大トップの前原がこの段階で早々当確ランプを灯す! 残る1人は…
 
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勝又だ! このアガリで浮きに回りH柴田をトータルで上回る。
終わってみれば直近の鳳凰位2人が勝ち上がり。手の内を分かりあってる同士だからこその、波乱無しの結果に終わる。
 
 
【準決勝B卓】
 
 
灘麻太郎vs森山茂和vs藤崎智vs仁平宣明
灘・森山というレジェンドが2人も残ってる超豪華カード。そりゃAbemaTVも生放送入るぜ!
 
100
 
しかし内容もEXCITING!! 毎試合どころか毎局勝ち上がり者が入れ替わんばかりの大接戦、といえば渋い小場を想像するだろうが…
 
100
 
仁平大勝、灘・藤崎競り、森山後退のムードも…
 
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なんと森山が4,5回戦大トップでダントツ! 逆に仁平が最終戦トータルトップから大きな沈みで敗退! 2位で勝ち上がったのは…
 
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忍法トーナメント勝ち上がりの術(勝率9割)を駆使した藤崎。
決勝メンバー
 
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前原雄大vs勝又健志vs森山茂和vs藤崎智
前原・勝又・藤崎の3者歴代鳳凰位であり歴代グランプリ覇者。そして森山は現会長としてプロ連盟をここまで大きく発展させた「中興の祖」。
今年のグランプリは2017年というよりも、むしろこれまでの集大成的なグランプリと言ってもいいのでは?
 
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「道場で鬼打ち特訓をする森山会長」

放送予定 3/17 14:00~

第8期麻雀グランプリMAX~決勝戦初日~


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放送予定 3/18 14:00~

第8期麻雀グランプリMAX~決勝戦最終日~


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【敗退をバネに意地を見せた!?】
 
 
火曜日に悔しい敗退となった仁平。翌日の『第4期麻雀Battle of generation【40代代表決定戦】』で意地を見せての優勝!
 
100
 
「良いパン焼けました!」
 
 
 
【公私に渡り充実?】
 
 
さて、3月10日(土)に『麻雀最強戦201~サイバーエージェント杯~女流プロ代表決戦』が開催された。優勝は…現・女流桜花として出場した仲田加南!
 
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女流桜花連覇、そして1月に入籍。
 
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公私共に絶好調! こりゃ前人未踏の女流桜花三連覇そして最強位もあるぞ!!!

女流プロ麻雀日本シリーズ2018 第4節レポート 石田 亜沙己

後半戦、各者のポイント状況を踏まえた戦い方が見どころになるだろうか。

16回戦(朝倉、佐月、黒沢、高宮)

小場の展開が続き接戦。オーラスを迎えたとき、トップ目の朝倉が35,000点。2着の佐月とは僅か600点差。
両者ともアガリトップの状態だったが、先手をとったのは親の高宮。1,300オールをアガリ3着に浮上。
1本場7巡目に黒沢がテンパイ。

四万五万五万五万六万九万九万東東東白白白  ドラ八万

この手を朝倉から高めの五万でアガリ黒沢がトップに。
朝倉が4着となった。黒沢にとっては非常に大きいアガリとなった。

 

17回戦(黒沢、山脇、西嶋千春、西嶋ゆかり)

16回戦で好調に入ったかのように東1局黒沢の親が落ちない。
連荘で56,100点になる。
その黒沢の親を落としたのは西嶋千春。山脇から8,000のアガリ。

七万八万九万九万二索三索四索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  ドラ二筒

東2局、西嶋千春が15巡目に国士のテンパイをすると、次巡ツモ。
さらに東3局。親番で黒沢から12,000のアガリでトップを盤石にすると、持ち点を増やし南3局には74,000点持ちから高めをツモリ4000オール。

その後も加点して100,000点オーバーのトップで一気に首位に躍り出る。

一方、好位置につけていた西嶋ゆかりが大きい4着で苦しい位置に。

 

18回戦(西嶋ゆかり、西嶋千春、朝倉、仲田)

微差のトップ目の西嶋ゆかりと朝倉のトップ争いだったが、オーラス親の仲田に西嶋ゆかりが12,000の放銃で4着に。
1本場はトータル首位の西嶋千春がアガリ。トップは朝倉となった。

 

19回戦(山脇、西嶋ゆかり、高宮、佐月)

下位4名の争い。高宮は本局を入れて残り2戦。プレーオフに残るには2連勝は欲しいところ。

南1局。高宮が先行リーチ。

二万四万五万六万七万七万七万四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ドラ二万

この手を追いかけリーチした西嶋ゆかりから高めの二万で出アガリし、40,000点オーバーのトップ目に。
南2局は佐月が西嶋ゆかりからアガリ。

一筒二筒五筒五筒七筒八筒九筒  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ポン北北北  ロン三筒  ドラ一筒

連続放銃で西嶋ゆかりは4着へ。

南3局、親の高宮が2,600オールをアガリ突き放す。

1本場、山脇が10巡目にドラ2枚の三筒六筒九筒待ちのリーチ。
13巡目に佐月もテンパイ。

六万七万八万四索五索六索六索六索三筒三筒四筒四筒六筒  ツモ五筒  ドラ中

トップを目指すには六筒切りリーチといきたいところだったが、
四筒が山脇に安全そうなのと三索が場況的に悪くないので冷静に四筒切りリーチ。

テンパイの入っていた高宮のツモは三索
さらに加点したい高宮から1発で打ち取り。裏ドラも3枚で12,300のアガリとなりトップ目の高宮と100点差に。

南4局。12巡目に高宮が一万四万七万待ちでリーチ。
次巡、山脇もテンパイ。

二万三万四万四万五万七万八万二索二筒三筒三筒三筒四筒  ツモ三万  ドラ九万

リーチ棒の関係でトップ目の佐月とは9,200差。高宮からの直撃なら2着浮上になるので、リーチを選択。
14巡目に西嶋ゆかりもリーチ・メンタン三色のリーチと出る。
高宮が九万を掴み放銃。裏ドラがのって山脇が初トップ。

 

20回戦(仲田、黒沢、高宮、西嶋千春)

仲田がトップ目で迎えた南3局。
3巡目に北家の黒沢が積極的に一索をポンで仕掛けていく。

一索一索三索三索六索九索一筒一筒二筒二筒西北北  ドラ二索

4、5巡目にもポンができ三索北のシャンポンテンパイ。
親の高宮にもテンパイが入りリーチ。

三万四万四万五万五万四索四索五索六索七索七索七索七索  リーチ

黒沢も押し返すが、ドラの二索をツモってまわる。
高宮のツモアガリか流局になるかと思われたが黒沢さらにドラツモ。
高宮が二索を掴み放銃。黒沢がトップ目に立つ。

南4局、親の西嶋ゆかりが黒沢から3,900のアガリで三つ巴に。

1本場、黒沢の七対子ドラドラに仲田が放銃。
黒沢がトップに。仲田はトップ目から3着に。

予選も残すところあと5回戦となった。
西嶋千春、黒沢が好位置に。

西嶋千春は残り1戦なのでプレーオフは堅そうだ。

 

システム

■予選全24回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 西嶋千春(第17期女流最高位) 15.8 ▲ 26.6 32.7 ▲ 7.4 94.5 ▲ 6.4 5.1 107.7
2 黒沢咲(連盟会長推薦) 19.7 ▲ 25.3 27.9 22.1 ▲ 5.7 26.4 65.1
3 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 25.1 10.4 26.6 ▲ 22.4 ▲ 8.6 29.4 60.5
4 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) ▲ 4.8 ▲ 9.0 ▲ 8.0 26.4 34.6 33.6 ▲ 28.3 44.5
5 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) 3.4 12.4 12.4 6.5 ▲ 23.6 21.9 33.0
6 仲田加南(第12期女流桜花) 5.7 10.7 8.2 ▲ 22.6 27.3 4.5 ▲ 6.7 27.1
7 魚谷 侑未(連盟会長推薦) ▲ 22.1 ▲ 34.7 ▲ 41.4 34.8 0.5 12.7 71.1 20.9
8 和久津 晶(連盟会長推薦) 6.7 ▲ 10.0 ▲ 9.0 ▲ 1.7 ▲ 10.6 ▲ 31.1 38.2 ▲ 17.5
9 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 21.6 7.5 10.4 ▲ 29.3 ▲ 24.8 8.1 11.4 ▲ 38.3
10 西嶋ゆかり(第15期プロクイーン) ▲ 10.5 29.6 25.2 ▲ 14.1 ▲ 57.9 ▲ 20.0 ▲ 26.1 ▲ 73.8
11 山脇千文美(連盟会長推薦) ▲ 11.5 ▲ 16.4 ▲ 32.7 ▲ 10.2 ▲ 30.9 22.2 ▲ 79.5
12 高宮 まり(連盟会長推薦) ▲ 36.6 ▲ 28.7 ▲ 9.4 ▲ 36.1 ▲ 6.6 ▲ 7.5 ▲ 24.8 ▲ 149.7

麻雀日本シリーズ/女流プロ麻雀日本シリーズ2018 第4節レポート 石田 亜沙己

後半戦、各者のポイント状況を踏まえた戦い方が見どころになるだろうか。
16回戦(朝倉、佐月、黒沢、高宮)
小場の展開が続き接戦。オーラスを迎えたとき、トップ目の朝倉が35,000点。2着の佐月とは僅か600点差。
両者ともアガリトップの状態だったが、先手をとったのは親の高宮。1,300オールをアガリ3着に浮上。
1本場7巡目に黒沢がテンパイ。
四万五万五万五万六万九万九万東東東白白白  ドラ八万
この手を朝倉から高めの五万でアガリ黒沢がトップに。
朝倉が4着となった。黒沢にとっては非常に大きいアガリとなった。
 
17回戦(黒沢、山脇、西嶋千春、西嶋ゆかり)
16回戦で好調に入ったかのように東1局黒沢の親が落ちない。
連荘で56,100点になる。
その黒沢の親を落としたのは西嶋千春。山脇から8,000のアガリ。
七万八万九万九万二索三索四索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  ドラ二筒
東2局、西嶋千春が15巡目に国士のテンパイをすると、次巡ツモ。
さらに東3局。親番で黒沢から12,000のアガリでトップを盤石にすると、持ち点を増やし南3局には74,000点持ちから高めをツモリ4000オール。
その後も加点して100,000点オーバーのトップで一気に首位に躍り出る。
一方、好位置につけていた西嶋ゆかりが大きい4着で苦しい位置に。
 
18回戦(西嶋ゆかり、西嶋千春、朝倉、仲田)
微差のトップ目の西嶋ゆかりと朝倉のトップ争いだったが、オーラス親の仲田に西嶋ゆかりが12,000の放銃で4着に。
1本場はトータル首位の西嶋千春がアガリ。トップは朝倉となった。
 
19回戦(山脇、西嶋ゆかり、高宮、佐月)
下位4名の争い。高宮は本局を入れて残り2戦。プレーオフに残るには2連勝は欲しいところ。
南1局。高宮が先行リーチ。
二万四万五万六万七万七万七万四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ドラ二万
この手を追いかけリーチした西嶋ゆかりから高めの二万で出アガリし、40,000点オーバーのトップ目に。
南2局は佐月が西嶋ゆかりからアガリ。
一筒二筒五筒五筒七筒八筒九筒  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ポン北北北  ロン三筒  ドラ一筒
連続放銃で西嶋ゆかりは4着へ。
南3局、親の高宮が2,600オールをアガリ突き放す。
1本場、山脇が10巡目にドラ2枚の三筒六筒九筒待ちのリーチ。
13巡目に佐月もテンパイ。
六万七万八万四索五索六索六索六索三筒三筒四筒四筒六筒  ツモ五筒  ドラ中
トップを目指すには六筒切りリーチといきたいところだったが、
四筒が山脇に安全そうなのと三索が場況的に悪くないので冷静に四筒切りリーチ。
テンパイの入っていた高宮のツモは三索
さらに加点したい高宮から1発で打ち取り。裏ドラも3枚で12,300のアガリとなりトップ目の高宮と100点差に。
南4局。12巡目に高宮が一万四万七万待ちでリーチ。
次巡、山脇もテンパイ。
二万三万四万四万五万七万八万二索二筒三筒三筒三筒四筒  ツモ三万  ドラ九万
リーチ棒の関係でトップ目の佐月とは9,200差。高宮からの直撃なら2着浮上になるので、リーチを選択。
14巡目に西嶋ゆかりもリーチ・メンタン三色のリーチと出る。
高宮が九万を掴み放銃。裏ドラがのって山脇が初トップ。
 
20回戦(仲田、黒沢、高宮、西嶋千春)
仲田がトップ目で迎えた南3局。
3巡目に北家の黒沢が積極的に一索をポンで仕掛けていく。
一索一索三索三索六索九索一筒一筒二筒二筒西北北  ドラ二索
4、5巡目にもポンができ三索北のシャンポンテンパイ。
親の高宮にもテンパイが入りリーチ。
三万四万四万五万五万四索四索五索六索七索七索七索七索  リーチ
黒沢も押し返すが、ドラの二索をツモってまわる。
高宮のツモアガリか流局になるかと思われたが黒沢さらにドラツモ。
高宮が二索を掴み放銃。黒沢がトップ目に立つ。
南4局、親の西嶋ゆかりが黒沢から3,900のアガリで三つ巴に。
1本場、黒沢の七対子ドラドラに仲田が放銃。
黒沢がトップに。仲田はトップ目から3着に。
予選も残すところあと5回戦となった。
西嶋千春、黒沢が好位置に。
西嶋千春は残り1戦なのでプレーオフは堅そうだ。
 
システム
■予選全24回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 西嶋千春(第17期女流最高位) 15.8 ▲ 26.6 32.7 ▲ 7.4 94.5 ▲ 6.4 5.1 107.7
2 黒沢咲(連盟会長推薦) 19.7 ▲ 25.3 27.9 22.1 ▲ 5.7 26.4 65.1
3 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 25.1 10.4 26.6 ▲ 22.4 ▲ 8.6 29.4 60.5
4 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) ▲ 4.8 ▲ 9.0 ▲ 8.0 26.4 34.6 33.6 ▲ 28.3 44.5
5 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) 3.4 12.4 12.4 6.5 ▲ 23.6 21.9 33.0
6 仲田加南(第12期女流桜花) 5.7 10.7 8.2 ▲ 22.6 27.3 4.5 ▲ 6.7 27.1
7 魚谷 侑未(連盟会長推薦) ▲ 22.1 ▲ 34.7 ▲ 41.4 34.8 0.5 12.7 71.1 20.9
8 和久津 晶(連盟会長推薦) 6.7 ▲ 10.0 ▲ 9.0 ▲ 1.7 ▲ 10.6 ▲ 31.1 38.2 ▲ 17.5
9 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 21.6 7.5 10.4 ▲ 29.3 ▲ 24.8 8.1 11.4 ▲ 38.3
10 西嶋ゆかり(第15期プロクイーン) ▲ 10.5 29.6 25.2 ▲ 14.1 ▲ 57.9 ▲ 20.0 ▲ 26.1 ▲ 73.8
11 山脇千文美(連盟会長推薦) ▲ 11.5 ▲ 16.4 ▲ 32.7 ▲ 10.2 ▲ 30.9 22.2 ▲ 79.5
12 高宮 まり(連盟会長推薦) ▲ 36.6 ▲ 28.7 ▲ 9.4 ▲ 36.1 ▲ 6.6 ▲ 7.5 ▲ 24.8 ▲ 149.7

第134回:中級講座『九州に戻ってから』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様、こんにちは!
九州本部の浜上です。

前回は第18期皇帝位決定戦での敗戦記を紹介しましたが、今回は九州に戻ってから幾つか自分では気付かないズレがありましたので、それを題材に紹介したいと思います。
第18期皇帝位決定戦1回戦終了時成績は下記の通りです。
坂平 +54.9P
塚本 ▲ 2.3P
浜上 ▲12.6P
柴田 ▲38.0P

4回戦勝負の短期決戦ですので、2回戦はなんとしてでも坂平包囲網を引く必要性があります。
しかし、その中を持ち前の攻撃力で2回戦も先行してむかえた南2局1本場の牌譜です。

2回戦 南2局1本場 親坂平 供託+1.0P
2回戦の得点状況は
坂平 39,600点(+72.5P)
塚本 19,800点(▲20.5P)
浜上 34,000点(▲ 4.6P)
柴田 25,600点(▲46.4P)
カッコ内は順位点込みのトータルポイント。

 


 

南2局 1本場 西家 浜上 34,000点

配牌
一万四万七万二索三索五索七索九索六筒東東北北  ツモ七万  打一万  ドラ一索

坂平の親ということもあり、連荘されてもダメ、出来ることならば高打点を狙いたい局面です。
メンツは無いものの手役を狙うには持ってこいの配牌です。
567の三色やソウズのホンイツが狙いでしょうか?
とりあえず手なりで手を進めようと考えます。

 

 

5巡目までに一索南二索のツモとなり、ホンイツに照準を合わせて七万のトイツ落としとします。

5巡目
七万七万一索二索三索五索七索九索東東南北北  ツモ二索  打七万

ただ東北は私にとっては役牌ではないので、仕掛けても高打点も期待できず、アガリの精度も良くなさそうなのでツモに委ねます。
6、7巡目に立て続けに六索六索とツモり順調にソウズが伸びてきます、9巡目には七索をツモり、メンツ手、トイツ手どちらも対応可能な1シャンテンとなります。

 

 

9巡目
一索二索二索三索五索六索六索七索九索東東北北  ツモ七索  打九索  ドラ一索

おそらくホンイツに照準を合わせる方は同じ牌姿になると思いますが、問題は上家の塚本の動向です。

 

 

南2局 1本場 南家 塚本 19,800点 11巡目

三万四万五万一索一索二索二索四索五索六索二筒二筒四筒  ツモ八索  打八索

多くの方は「八索チーしてテンパイ取らないの?」と質問がありましたが

一索二索三索五索六索七索東東北北  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き 

こうテンパイは取れますが、打点が物足りないので普通にスルーです。
あともう1つの理由としては、九州本部の選手は比較的字牌を絞る選手が多くて、必然的に場が重たくなる傾向にあります。
塚本を筆頭に対応力を知っているがゆえに(この局面で八索をツモ切りしてくる塚本の手牌進行、打点を考慮すると)
仕掛けて3,900点のテンパイでは塚本にカウンターを受けた場合に厳しいと感じての選択です。
東北がションパイなのも気になっていましたので、アガリを考えるのであれば、ホンイツ七対子ドラドラが理想的ですね(テンパイスピードは遅いですが)。
結果は塚本のリーチを受けて粘りはしましたがノーテンとなりました。
この局は自分としては問題はなかったのですが、次局が少し疑問手です。

南3局 2本場 南家 浜上 32,500点 

配牌
一索三索四索五索九索九索九索八筒南南発中中  ドラ一索

ダブ南がトイツですでにソウズで2メンツ完成している好配牌です。

3巡目に南をポンして4巡目に二索をツモで三索六索マチの8,000のテンパイ。

一索三索四索五索九索九索九索発中中  ポン南南南  ツモ二索  打発  ドラ一索

私としては巡目も早くて、打点も高く(更に高くなる可能性もあり)感触は良かったのですが・・・
結果は7巡目に柴田からリーチを受けて
南3局 2本場 西家 柴田 27,100点 7巡目

四万五万六万六索七索五筒六筒六筒七筒八筒八筒西西  ツモ七筒  打五筒 左向き

浜上 8巡目
一索二索三索四索五索九索九索九索中中  ポン南南南  ツモ一索  打二索

オリを選択することはないなと考えながらツモ山に手を伸ばすと、ドラの一索をツモります。
少考の末、二索を選択して一索中のシャンポン待ちに変えます。
これが裏目で・・・

9巡目には五索をツモ切り2,600は3,200と打点以上に痛い放銃となりました。
この局に関して大多数が仕方ないという見解でしたが、九州本部イチの盟友、安東裕允プロからは、

南ポンは浜っちらしくなかったね(一鳴きしないでしょ?)・・・仕掛けた後リーチに一索勝負できなかったのもらしくなかった・・・」
「前局、八索チーしなくて我慢してたのに、この局だけは焦ったね」と・・・

普通は鳴いたほうが良いことはわかっています。
しかし安東が言いたかったのは「浜上らしさってなんだ?」という事なのです。
タイムシフトでの和久津プロは「損得では対局をしていない」「のんきだ(良い意味で)」と解説していたのに・・・

安東曰く、私のバランスが崩れたのはこの局だと教えてくれました。
前局仕掛けないなら、今局も仕掛けないくらいの選択するのが不器用な私らしいと。
これは自分でも気がつくことができなかったので良いアドバイスを貰ったと感じています。

新たな期が開幕するまで少しばかり時間があります。
今回の反省点を踏まえ、原点に戻ろうと考えました。
またいつものように週一の練習会での簡単な牌姿です。

選択肢は2つでしょうか?

【その1】
南2局 東家 26,800点 7巡目

三万四万五万六万六索七索八索二筒二筒二筒五筒五筒六筒  ツモ四万  ドラ六筒

さて皆様どう選択しますか?

六筒切りリーチ
六筒切りヤミテン
五筒切り

もちろん正解はありません。好みの問題だと思います。

①、②のメリットは7巡目と比較的早い巡目でテンパイを取ること(先制リーチを打つこと)ができて他家にプレッシャーがかけられる。
デメリットは打点がそこまで高くはならない

③のメリットはドラ含みターツに固定することで打点が高くなる。
デメリットはテンパイトラズすることでテンパイまでの巡目がおそくなる。

私の選択はのんびりしてますので五筒を選択します(公式ルール、一般的なルールでも)。
この選択が必ず正しいとは限りません。
私は打点が確保できる選択が好きなだけです。

【その2】
東1局 南家 30,000点 9巡目

三万四万四万五万六万六万八万八万八万七索七索六筒七筒  ドラ発

何をツモると何を切る?です。

二万五万六万七索五筒八筒でテンパイする簡単な牌姿ですが、関連牌としては四万六万七万八万六索八索六筒七筒発ツモの場合に色々選択がありそうです。

私の選択は
①ツモ二万⇒ヤミテン :打点があまりないので
②ツモ五万⇒リーチ  :イーペーコーが完成して高打点が狙える
③ツモ六万⇒ヤミテン :三暗刻の手替わり
④ツモ七索⇒ヤミテン :三暗刻の手替わり
⑤ツモ五筒八筒六万切りヤミテン :カン五万待ちだと打点は確保できるが二万でのアガリ逃しをしたくない 
となります。
あくまで「公式ルール」ではですが・・・

簡単に選択の理由も記しておくと良いと思います(テンパイしないが受けの広くなる場合でも)。
ちなみに一般的なルールだと、一発や裏ドラを期待してほとんどリーチです。

最近では多くの牌姿を使用して難しいことも多かったかもしれませんが、上記の2問のようにごく簡単なものでもいいと思います。
大事なことは緻密に積み重ねていくこと(自分専用のノート作成したり)で勉強して、自分なりにあった(好きな)打ち方をすることが大事だと思います。

実際に記録に残しておくと、自分の考えと周りの意見が違うことに中級講座を書いていて気づかせてもらいました。
今後は周りの意見をよく聞いて(今までも聞いてはいたが)、自分で考えて判断できるように今期に繋げていきたいものです。

記録は大事ですよ!
一緒に頑張りましょう!

中級/第134回:中級講座『九州に戻ってから』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様、こんにちは!
九州本部の浜上です。
前回は第18期皇帝位決定戦での敗戦記を紹介しましたが、今回は九州に戻ってから幾つか自分では気付かないズレがありましたので、それを題材に紹介したいと思います。
第18期皇帝位決定戦1回戦終了時成績は下記の通りです。
坂平 +54.9P
塚本 ▲ 2.3P
浜上 ▲12.6P
柴田 ▲38.0P
4回戦勝負の短期決戦ですので、2回戦はなんとしてでも坂平包囲網を引く必要性があります。
しかし、その中を持ち前の攻撃力で2回戦も先行してむかえた南2局1本場の牌譜です。
2回戦 南2局1本場 親坂平 供託+1.0P
2回戦の得点状況は
坂平 39,600点(+72.5P)
塚本 19,800点(▲20.5P)
浜上 34,000点(▲ 4.6P)
柴田 25,600点(▲46.4P)
カッコ内は順位点込みのトータルポイント。
 


 
南2局 1本場 西家 浜上 34,000点
配牌
一万四万七万二索三索五索七索九索六筒東東北北  ツモ七万  打一万  ドラ一索
坂平の親ということもあり、連荘されてもダメ、出来ることならば高打点を狙いたい局面です。
メンツは無いものの手役を狙うには持ってこいの配牌です。
567の三色やソウズのホンイツが狙いでしょうか?
とりあえず手なりで手を進めようと考えます。
 

 
5巡目までに一索南二索のツモとなり、ホンイツに照準を合わせて七万のトイツ落としとします。
5巡目
七万七万一索二索三索五索七索九索東東南北北  ツモ二索  打七万
ただ東北は私にとっては役牌ではないので、仕掛けても高打点も期待できず、アガリの精度も良くなさそうなのでツモに委ねます。
6、7巡目に立て続けに六索六索とツモり順調にソウズが伸びてきます、9巡目には七索をツモり、メンツ手、トイツ手どちらも対応可能な1シャンテンとなります。
 

 
9巡目
一索二索二索三索五索六索六索七索九索東東北北  ツモ七索  打九索  ドラ一索
おそらくホンイツに照準を合わせる方は同じ牌姿になると思いますが、問題は上家の塚本の動向です。
 

 
南2局 1本場 南家 塚本 19,800点 11巡目
三万四万五万一索一索二索二索四索五索六索二筒二筒四筒  ツモ八索  打八索
多くの方は「八索チーしてテンパイ取らないの?」と質問がありましたが
一索二索三索五索六索七索東東北北  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き 
こうテンパイは取れますが、打点が物足りないので普通にスルーです。
あともう1つの理由としては、九州本部の選手は比較的字牌を絞る選手が多くて、必然的に場が重たくなる傾向にあります。
塚本を筆頭に対応力を知っているがゆえに(この局面で八索をツモ切りしてくる塚本の手牌進行、打点を考慮すると)
仕掛けて3,900点のテンパイでは塚本にカウンターを受けた場合に厳しいと感じての選択です。
東北がションパイなのも気になっていましたので、アガリを考えるのであれば、ホンイツ七対子ドラドラが理想的ですね(テンパイスピードは遅いですが)。
結果は塚本のリーチを受けて粘りはしましたがノーテンとなりました。
この局は自分としては問題はなかったのですが、次局が少し疑問手です。
南3局 2本場 南家 浜上 32,500点 
配牌
一索三索四索五索九索九索九索八筒南南発中中  ドラ一索
ダブ南がトイツですでにソウズで2メンツ完成している好配牌です。
3巡目に南をポンして4巡目に二索をツモで三索六索マチの8,000のテンパイ。
一索三索四索五索九索九索九索発中中  ポン南南南  ツモ二索  打発  ドラ一索
私としては巡目も早くて、打点も高く(更に高くなる可能性もあり)感触は良かったのですが・・・
結果は7巡目に柴田からリーチを受けて
南3局 2本場 西家 柴田 27,100点 7巡目
四万五万六万六索七索五筒六筒六筒七筒八筒八筒西西  ツモ七筒  打五筒 左向き
浜上 8巡目
一索二索三索四索五索九索九索九索中中  ポン南南南  ツモ一索  打二索
オリを選択することはないなと考えながらツモ山に手を伸ばすと、ドラの一索をツモります。
少考の末、二索を選択して一索中のシャンポン待ちに変えます。
これが裏目で・・・
9巡目には五索をツモ切り2,600は3,200と打点以上に痛い放銃となりました。
この局に関して大多数が仕方ないという見解でしたが、九州本部イチの盟友、安東裕允プロからは、
南ポンは浜っちらしくなかったね(一鳴きしないでしょ?)・・・仕掛けた後リーチに一索勝負できなかったのもらしくなかった・・・」
「前局、八索チーしなくて我慢してたのに、この局だけは焦ったね」と・・・
普通は鳴いたほうが良いことはわかっています。
しかし安東が言いたかったのは「浜上らしさってなんだ?」という事なのです。
タイムシフトでの和久津プロは「損得では対局をしていない」「のんきだ(良い意味で)」と解説していたのに・・・
安東曰く、私のバランスが崩れたのはこの局だと教えてくれました。
前局仕掛けないなら、今局も仕掛けないくらいの選択するのが不器用な私らしいと。
これは自分でも気がつくことができなかったので良いアドバイスを貰ったと感じています。
新たな期が開幕するまで少しばかり時間があります。
今回の反省点を踏まえ、原点に戻ろうと考えました。
またいつものように週一の練習会での簡単な牌姿です。
選択肢は2つでしょうか?
【その1】
南2局 東家 26,800点 7巡目
三万四万五万六万六索七索八索二筒二筒二筒五筒五筒六筒  ツモ四万  ドラ六筒
さて皆様どう選択しますか?
六筒切りリーチ
六筒切りヤミテン
五筒切り
もちろん正解はありません。好みの問題だと思います。
①、②のメリットは7巡目と比較的早い巡目でテンパイを取ること(先制リーチを打つこと)ができて他家にプレッシャーがかけられる。
デメリットは打点がそこまで高くはならない
③のメリットはドラ含みターツに固定することで打点が高くなる。
デメリットはテンパイトラズすることでテンパイまでの巡目がおそくなる。
私の選択はのんびりしてますので五筒を選択します(公式ルール、一般的なルールでも)。
この選択が必ず正しいとは限りません。
私は打点が確保できる選択が好きなだけです。
【その2】
東1局 南家 30,000点 9巡目
三万四万四万五万六万六万八万八万八万七索七索六筒七筒  ドラ発
何をツモると何を切る?です。
二万五万六万七索五筒八筒でテンパイする簡単な牌姿ですが、関連牌としては四万六万七万八万六索八索六筒七筒発ツモの場合に色々選択がありそうです。
私の選択は
①ツモ二万⇒ヤミテン :打点があまりないので
②ツモ五万⇒リーチ  :イーペーコーが完成して高打点が狙える
③ツモ六万⇒ヤミテン :三暗刻の手替わり
④ツモ七索⇒ヤミテン :三暗刻の手替わり
⑤ツモ五筒八筒六万切りヤミテン :カン五万待ちだと打点は確保できるが二万でのアガリ逃しをしたくない 
となります。
あくまで「公式ルール」ではですが・・・
簡単に選択の理由も記しておくと良いと思います(テンパイしないが受けの広くなる場合でも)。
ちなみに一般的なルールだと、一発や裏ドラを期待してほとんどリーチです。
最近では多くの牌姿を使用して難しいことも多かったかもしれませんが、上記の2問のようにごく簡単なものでもいいと思います。
大事なことは緻密に積み重ねていくこと(自分専用のノート作成したり)で勉強して、自分なりにあった(好きな)打ち方をすることが大事だと思います。
実際に記録に残しておくと、自分の考えと周りの意見が違うことに中級講座を書いていて気づかせてもらいました。
今後は周りの意見をよく聞いて(今までも聞いてはいたが)、自分で考えて判断できるように今期に繋げていきたいものです。
記録は大事ですよ!
一緒に頑張りましょう!

麻雀プロアマオープン競技会 ベスト8・決勝レポート 齋藤麻衣子

『プロアマオープン競技会2017 初代王者は佐々木寿人!』

 

巣鴨にある、連盟本部道場。皆様も既にご存知の通り、日本プロ麻雀連盟の競技ルールで麻雀が打てる、連盟直営店です。
ここでは、打った麻雀の成績を集計し、更にはその成績に応じ毎月ポイントが付与されていたのはご存知でしたか?

実は、その成績やポイントが上位に入賞すると、プロアマオープン競技会「本戦」に出場でき、更にベスト8まで勝ち進むと夏目坂スタジオにて連盟チャンネル等で生放送対局に出演できるのです!
今回はその第1回大会、ベスト8には以下の皆様が勝ち上がりました。

 

《ベスト8(準決勝)A卓》

[東家から]佐々木寿人プロ、ミヤさん、石橋和也プロ、藤崎智プロ
 
100
 
「北家にトーナメント巧者と言われている人(藤崎プロ)がいますが、どちらが本物のトーナメント巧者か」という事にまず固執していた佐々木寿人プロ。
 
100
 
「麻雀は生涯つきもの。勝っても負けても自分らしい麻雀を打ちたい。」と心に響く熱い想いをもったミヤさん。
 
100
 
「普段から道場に通っているプロとしても、他の皆には負けられない。」と語ったのは石橋和也プロ。
 
100
 
「だるまさん(佐々木プロ)を転ばしてやろう。」と思って来たら、ミヤさんが瀬戸熊プロのファンだと知り、敵は1人ではなかったとコメントしたのは藤崎智プロ。
 
100
 
以上の4名により、白熱した戦いになりました。

東1局2本場から佐々木が早くも6万点を超える展開になった一索単騎のリーチ。
もちろんツモります。
 
100
 
ミヤさんにもチャンス手が入りますが…
 
100
 
中々テンパれず苦しい展開が続きます。
 
100
 
藤崎にも大物手が入るも、流局。
このまま2人には苦しい展開が続き、A卓は佐々木、石橋が決勝への勝ち上がりを決めました。

 

 

《ベスト8B卓》

[東家から]藤原隆弘プロ、野上陽子さん、西角健二さん、カズさん
 
100
 
「今日のネクタイはミント味ですね。」と、ネクタイを噛むパフォーマンスでもお馴染みの、巣鴨本部道場、道場長の藤原隆弘プロ。
 
100
 
「普段打つRMUのルールと似ているので、落ち着いて、いつも通り打ちたい。」RMUアスリート、野上陽子さん。
 
100
 
「プロがいようが何がいようが、まぐれでも勝ちたい!」と語るのは西角健二さん。
 
100
 
「シードではなく、本戦から勝ち上がってきたけど、こういう場で打つのが楽しみ、結果が出せればなおいいかなと。」と、いつも謙虚なカズさん。

B卓は開始から小場で始まり、カズさんが少し出遅れるが、ここで意地を見せてくれました!
 
100
 
藤原から6巡目リーチが入るも、粘り強さを見せ、三万六万でテンパイ。そしてこれを制します。
 
100
 
南入して野上さんも果敢に攻めました。間四筒でリーチ、流局なるも、続いて中五万のリーチ!
 
100
 
野上さんはここで5,200のアガリとなります。

しかし次局。西角さんはダブ南のトイツ落としから、簡単にはやらせまいとリーチ!
 
100
 
流局してしまいますが、次局迎えた親番でまたもやチャンス手が。
 
100
 
発を暗刻にしてのリーチ!7,700は8,600を出アガリます!
しかし次局に野上さんからドラドラのリーチが入り、流局、オーラスを迎える展開に。
 
100
 
オーラス5本場、6巡目。カズさんがリーチ。ここで12,000は13,500の出アガリをし、トップ目に立ちます。
親番続行の次局は西角さんが果敢にリーチを打つも流局、B卓からは藤原隆弘プロ、カズさんが通過を決めました!

 

 

《決勝》

カズさん、藤原隆弘プロ、佐々木寿人プロ、石橋和也プロ
 
100
 
東家から始まったカズさんは粘り強い連荘を見せるも、東3局3本場で佐々木が2,000・4,000をツモりトップ目に。
 
100
 
そして次局迎えた親番には12,000、4,000は4,100オールとツモアガリ、あっと言う間に60.7ポイントのダントツになります。
 
100
 
そして、南1局の1本場にカズさんが5,800は6,100を藤原から出アガリ、佐々木との差を23ポイント差に縮めるも、2本場にはまた佐々木がリードを見せます。
 
100
 
2軒リーチを掻い潜り、リーチ者の石橋から12,000は12,600の出アガリ。
そしてこのまま佐々木は逃げ切り、プロアマオープン競技会初代王者に輝いたのでした。
 
100
 
そんな佐々木は終わった後に、決勝で戦ったカズさんの事をこう語った。

「カズさんは攻める時も、オリる時も、しっかり打っていた。うちの若いもんにも見習ってほしい。」と。

今回ここまで勝ち残った皆様も、惜しくも敗れてしまった選手の皆さんも、麻雀に対する真剣な情熱が伝わってくる。
そんな、プロもアマも、いつでも本気で参加できる『プロアマオープン競技会』。

巣鴨の本部道場では既に2018年前期の予選が開催されております。
月に何度も通えなくても、自身の成績次第では本戦に出場できる仕組みのこの大会。
普段からプロも通う道場で、皆さまも是非、参加してみてはいかがでしょうか?

特集企画/麻雀プロアマオープン競技会 ベスト8・決勝レポート 齋藤麻衣子

『プロアマオープン競技会2017 初代王者は佐々木寿人!』
 
巣鴨にある、連盟本部道場。皆様も既にご存知の通り、日本プロ麻雀連盟の競技ルールで麻雀が打てる、連盟直営店です。
ここでは、打った麻雀の成績を集計し、更にはその成績に応じ毎月ポイントが付与されていたのはご存知でしたか?
実は、その成績やポイントが上位に入賞すると、プロアマオープン競技会「本戦」に出場でき、更にベスト8まで勝ち進むと夏目坂スタジオにて連盟チャンネル等で生放送対局に出演できるのです!
今回はその第1回大会、ベスト8には以下の皆様が勝ち上がりました。
 
《ベスト8(準決勝)A卓》
[東家から]佐々木寿人プロ、ミヤさん、石橋和也プロ、藤崎智プロ
 
100
 
「北家にトーナメント巧者と言われている人(藤崎プロ)がいますが、どちらが本物のトーナメント巧者か」という事にまず固執していた佐々木寿人プロ。
 
100
 
「麻雀は生涯つきもの。勝っても負けても自分らしい麻雀を打ちたい。」と心に響く熱い想いをもったミヤさん。
 
100
 
「普段から道場に通っているプロとしても、他の皆には負けられない。」と語ったのは石橋和也プロ。
 
100
 
「だるまさん(佐々木プロ)を転ばしてやろう。」と思って来たら、ミヤさんが瀬戸熊プロのファンだと知り、敵は1人ではなかったとコメントしたのは藤崎智プロ。
 
100
 
以上の4名により、白熱した戦いになりました。
東1局2本場から佐々木が早くも6万点を超える展開になった一索単騎のリーチ。
もちろんツモります。
 
100
 
ミヤさんにもチャンス手が入りますが…
 
100
 
中々テンパれず苦しい展開が続きます。
 
100
 
藤崎にも大物手が入るも、流局。
このまま2人には苦しい展開が続き、A卓は佐々木、石橋が決勝への勝ち上がりを決めました。
 
 
《ベスト8B卓》
[東家から]藤原隆弘プロ、野上陽子さん、西角健二さん、カズさん
 
100
 
「今日のネクタイはミント味ですね。」と、ネクタイを噛むパフォーマンスでもお馴染みの、巣鴨本部道場、道場長の藤原隆弘プロ。
 
100
 
「普段打つRMUのルールと似ているので、落ち着いて、いつも通り打ちたい。」RMUアスリート、野上陽子さん。
 
100
 
「プロがいようが何がいようが、まぐれでも勝ちたい!」と語るのは西角健二さん。
 
100
 
「シードではなく、本戦から勝ち上がってきたけど、こういう場で打つのが楽しみ、結果が出せればなおいいかなと。」と、いつも謙虚なカズさん。
B卓は開始から小場で始まり、カズさんが少し出遅れるが、ここで意地を見せてくれました!
 
100
 
藤原から6巡目リーチが入るも、粘り強さを見せ、三万六万でテンパイ。そしてこれを制します。
 
100
 
南入して野上さんも果敢に攻めました。間四筒でリーチ、流局なるも、続いて中五万のリーチ!
 
100
 
野上さんはここで5,200のアガリとなります。
しかし次局。西角さんはダブ南のトイツ落としから、簡単にはやらせまいとリーチ!
 
100
 
流局してしまいますが、次局迎えた親番でまたもやチャンス手が。
 
100
 
発を暗刻にしてのリーチ!7,700は8,600を出アガリます!
しかし次局に野上さんからドラドラのリーチが入り、流局、オーラスを迎える展開に。
 
100
 
オーラス5本場、6巡目。カズさんがリーチ。ここで12,000は13,500の出アガリをし、トップ目に立ちます。
親番続行の次局は西角さんが果敢にリーチを打つも流局、B卓からは藤原隆弘プロ、カズさんが通過を決めました!
 
 
《決勝》
カズさん、藤原隆弘プロ、佐々木寿人プロ、石橋和也プロ
 
100
 
東家から始まったカズさんは粘り強い連荘を見せるも、東3局3本場で佐々木が2,000・4,000をツモりトップ目に。
 
100
 
そして次局迎えた親番には12,000、4,000は4,100オールとツモアガリ、あっと言う間に60.7ポイントのダントツになります。
 
100
 
そして、南1局の1本場にカズさんが5,800は6,100を藤原から出アガリ、佐々木との差を23ポイント差に縮めるも、2本場にはまた佐々木がリードを見せます。
 
100
 
2軒リーチを掻い潜り、リーチ者の石橋から12,000は12,600の出アガリ。
そしてこのまま佐々木は逃げ切り、プロアマオープン競技会初代王者に輝いたのでした。
 
100
 
そんな佐々木は終わった後に、決勝で戦ったカズさんの事をこう語った。
「カズさんは攻める時も、オリる時も、しっかり打っていた。うちの若いもんにも見習ってほしい。」と。
今回ここまで勝ち残った皆様も、惜しくも敗れてしまった選手の皆さんも、麻雀に対する真剣な情熱が伝わってくる。
そんな、プロもアマも、いつでも本気で参加できる『プロアマオープン競技会』。
巣鴨の本部道場では既に2018年前期の予選が開催されております。
月に何度も通えなくても、自身の成績次第では本戦に出場できる仕組みのこの大会。
普段からプロも通う道場で、皆さまも是非、参加してみてはいかがでしょうか?

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
 

光陰矢の如し。気づけば3カ月ぶりの寄稿、これじゃ「週刊:Weekly(ウィークリー)」じゃなくて「季刊:quarterly(クオータリー)」だぜ!

 
 

【強すぎる男・前原雄大】

 

100

 

天鳳位3名相手の『天鳳位vs.連盟プロ 3rd.season』決勝戦、そして『第34期鳳凰位決定戦』と立て続けに優勝。しかもつい先日の『第8期グランプリMAX』ベスト16B卓では…

 

100

 

白北ポンしてこの形…大三元字一色テンパイ! 残念ながら…安目南でただの役満のアガリ(笑)

 
 
 

【ニュースター誕生!?】

 

ゴジラも木から落ちる? 麻雀というゲームの性質上、すべての試合を勝つということは不可能。前原ですら取りこぼした対局が…。

『第3期JPML WRCリーグ』ベスト16B卓ではまさかの3ラス! ちなみにこのベスト16で前原を、ベスト8で十段位・藤崎智を破り、そして決勝では…

 

100

 

この国士無双が決定打となり優勝したのが小林正和。

 

100

 

ちなみに一番右端の柄シャツの男、1節(4半荘)最高ポイントの記録保持者だが、この決勝戦で最低ポイントの負け記録も作っちまったぜ!

 
 
 

【ベテランがすこぶる強い!?】

 

残る公式対局は『グランプリMAX』のみ。ベスト8のメンバーが出揃った!

A卓:佐々木寿人(前年度優勝シード)vs灘麻太郎vsHIRO柴田vs和久津晶

ベスト8進出:灘麻太郎 HIRO柴田

B卓:前原雄大(鳳凰位シード)vs森山茂和vs近藤久春vs内川幸太郎

ベスト8進出:森山茂和 前原雄大

C卓:藤崎智(十段位シード)vs瀬戸熊直樹(ランキング1位シード)vs勝又健志vs奈良圭純

ベスト8進出:藤崎智 勝又健志

D卓:ともたけ雅晴(世界チャンピオンシード)vs野方祐介(王位シード)vs山田浩之vs仁平宣明

ベスト8進出:ともたけ雅晴 仁平宣明

一次予選・二次予選・ベスト16を勝ち上がった8名。昨年の決勝は佐々木寿人・内川幸太郎・白鳥翔・柴田吉和といったフレッシュな若手超実力派の面々であったが、今年はベテラン勢が顔を並べている。決勝の舞台にあがるのは誰だ?!
ベスト8の放送を要チェック!!


放送予定 3/12 15:00~

第8期麻雀グランプリMAX~ベスト8A卓~


放送ページはこちら


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放送予定 3/13 15:00~

第8期麻雀グランプリMAX~ベスト8B卓~


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【今年度1位の重大ニュース!?】

 

色々あった2017年度。ラスベガスの世界大会、天鳳位(すずめクレイジーさん)のプロ連盟入会など例年にも増して大きな出来事があったが、ミスターX的には

 

望月雅継プロリーグ引退!!

 

100

 

元鳳凰位・望月雅継が今季限りでリーグ戦引退を表明。しかし「麻雀プロ」を引退したわけではなくあくまでリーグ戦の引退のみ。 ところで麻雀は、「自分が強くなる」ことはそれほど難しくはない。「人を強くすること」のほうが圧倒的に難しい。
つまり望月は、静岡支部長として今まで以上に育成に力を入れる決意をしたと言ってもよい。
ちなみに…地方リーグチャンピオンシップ2018優勝の鷲見隼人。

 

100

 

昨年の2017では山本拓哉。

静岡勢が2連覇! ただでさえ最強軍団の静岡支部をこれ以上のものに!?

 

100

 

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
 
光陰矢の如し。気づけば3カ月ぶりの寄稿、これじゃ「週刊:Weekly(ウィークリー)」じゃなくて「季刊:quarterly(クオータリー)」だぜ!
 
 
【強すぎる男・前原雄大】
 
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天鳳位3名相手の『天鳳位vs.連盟プロ 3rd.season』決勝戦、そして『第34期鳳凰位決定戦』と立て続けに優勝。しかもつい先日の『第8期グランプリMAX』ベスト16B卓では…
 
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白北ポンしてこの形…大三元字一色テンパイ! 残念ながら…安目南でただの役満のアガリ(笑)
 
 
 
【ニュースター誕生!?】
 
ゴジラも木から落ちる? 麻雀というゲームの性質上、すべての試合を勝つということは不可能。前原ですら取りこぼした対局が…。
『第3期JPML WRCリーグ』ベスト16B卓ではまさかの3ラス! ちなみにこのベスト16で前原を、ベスト8で十段位・藤崎智を破り、そして決勝では…
 
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この国士無双が決定打となり優勝したのが小林正和。
 
100
 
ちなみに一番右端の柄シャツの男、1節(4半荘)最高ポイントの記録保持者だが、この決勝戦で最低ポイントの負け記録も作っちまったぜ!
 
 
 
【ベテランがすこぶる強い!?】
 
残る公式対局は『グランプリMAX』のみ。ベスト8のメンバーが出揃った!
A卓:佐々木寿人(前年度優勝シード)vs灘麻太郎vsHIRO柴田vs和久津晶
ベスト8進出:灘麻太郎 HIRO柴田
B卓:前原雄大(鳳凰位シード)vs森山茂和vs近藤久春vs内川幸太郎
ベスト8進出:森山茂和 前原雄大
C卓:藤崎智(十段位シード)vs瀬戸熊直樹(ランキング1位シード)vs勝又健志vs奈良圭純
ベスト8進出:藤崎智 勝又健志
D卓:ともたけ雅晴(世界チャンピオンシード)vs野方祐介(王位シード)vs山田浩之vs仁平宣明
ベスト8進出:ともたけ雅晴 仁平宣明
一次予選・二次予選・ベスト16を勝ち上がった8名。昨年の決勝は佐々木寿人・内川幸太郎・白鳥翔・柴田吉和といったフレッシュな若手超実力派の面々であったが、今年はベテラン勢が顔を並べている。決勝の舞台にあがるのは誰だ?!
ベスト8の放送を要チェック!!

放送予定 3/12 15:00~

第8期麻雀グランプリMAX~ベスト8A卓~

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放送予定 3/13 15:00~

第8期麻雀グランプリMAX~ベスト8B卓~

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【今年度1位の重大ニュース!?】
 
色々あった2017年度。ラスベガスの世界大会、天鳳位(すずめクレイジーさん)のプロ連盟入会など例年にも増して大きな出来事があったが、ミスターX的には
 
望月雅継プロリーグ引退!!
 
100
 
元鳳凰位・望月雅継が今季限りでリーグ戦引退を表明。しかし「麻雀プロ」を引退したわけではなくあくまでリーグ戦の引退のみ。 ところで麻雀は、「自分が強くなる」ことはそれほど難しくはない。「人を強くすること」のほうが圧倒的に難しい。
つまり望月は、静岡支部長として今まで以上に育成に力を入れる決意をしたと言ってもよい。
ちなみに…地方リーグチャンピオンシップ2018優勝の鷲見隼人。
 
100
 
昨年の2017では山本拓哉。
静岡勢が2連覇! ただでさえ最強軍団の静岡支部をこれ以上のものに!?
 
100
 

第3期JPML WRCリーグ 決勝観戦記 福島 佑一

平昌オリンピックで日本人のメダルラッシュに沸く中、夏目坂スタジオで熱い戦い繰り広げられた。

まずは選手紹介から
 
 
清原継光
25期 39歳
第40期王位
 

100

 
「緊張していますが緊張に負けないで、いままで培ったものがだせれば」
 
 
 
中川基輝
31期 31歳 
第2回WRC覇者
 

100

 
「全力をつくして、連覇を目指します」
 
 
 
小林正和
31期 31歳
 

100

 
「教えてもらったことをいかして、攻めるとこは攻めて守るとこは守って頑張ります」
 
 
 
ケネス徳田
29期 41歳
 

100

 
「目先にとらわれないで新しいセオリーをつくる」
 
 

100

 

1回戦(小林・ケネス・中川・清原)
東1局
半荘4回の短期決戦、できれば先手とりたいところで5巡目に中川がリーチをうつ。

一万三万三万四万五万一索一索二索三索四索  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  ドラ一万

そこにケネスが2つ鳴いて追いつく。

三筒三筒九筒九筒白白白  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き

勝ったのは中川、ケネスの放銃で2,600、安いがまず先手をとる。

東2局
小林に大物手が入る。

四筒四筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒北北  ドラ九筒

そこにまたケネスが放銃してしまい高めで12,000、親番の1シャンテンで1巡残したドラがつかまってしまった。親番だけに目一杯にうける選択もあっただけに手痛い放銃になってしまった。

東3局
親番の中川がいろいろな選択があるなかで、一番速く一番高い手でアガリきる。

二万三万四万七万七万二索三索四索二筒二筒三筒三筒四筒  ツモ一筒  ドラ五筒

一発で6,000オール。

東3局 1本場

二万三万四万三索四索四索五索五索五索二筒四筒八筒八筒  ドラ七万

10巡目、親の中川がこの形から二索をしかける。これは意外だった。前回の決勝では自分に流れがきたとき中川はメンゼンを貫き仕上げていた。あとで聞くと「本当に流れがきたと思ったらメンゼンでいくが、まだだと思った」と言っていた。流れや体勢の考え方は人それぞれ違い、経験によって培っていくものだと思う。この鳴きの是非は難しいが結果は六索三筒と食い下げアガリのがし、テンパイで連荘するも次局で親番をおとしてしまう。

東4局 5本場
親番の清原にテンパイが入る。

二万三万二索四索五索七索七索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ツモ四万  ドラ五索

なんとここでドラ五索をきってリーチにいく、清原は「このリーチをみせることでこの後の戦いできいてくるかなと」確かに相手には強烈な印象は与えただろうが、この局の結果は六索をツモってきてのアガリのがしで流局。

南3局
親番の中川が3巡目でこの形。

二万二万七万八万八万八索八索九索九索九索四筒五筒六筒  ツモ六筒  ドラ三索

六筒をきるのもあるが打点をみて七万切り、これがうまくいき六筒暗刻にして八索をポンして二万をつもり4,000オール。

南4局
中川に4巡目にテンパイが入りヤミテンにかまえ、変化したところで

三万三万七万七万二索三索三索四索四索五索一筒二筒三筒  ツモ五万  打三万 左向き  ドラ七万

すぐにつもり2,000・4,000、1回戦は中川がトップをとる。

中川+44.2P 清原+14.6P 小林▲9.2P ケネス▲49.6P

 

2回戦(清原・小林・中川・ケネス)

 

1回戦大きなラスになってしまったケネスとしては、なんとしてもプラスで終わらなければ優勝が厳しくなってしまう。清原、小林としては中川より上の着順で終わりたいところだろう。
東1局
まず、清原の先制リーチからスタートする。

四万五万六万七万八万二索二索四索三筒四筒五筒七筒八筒  ツモ六筒  打四索 左向き  ドラ六索

ここにとびこんでしまったのがケネス。安めの九万ながら裏がのって5,800。

東1局 2本場 ドラ四索
なんとか立て直したいケネスがアガる。

三万四万一索二索三索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒  ツモ二万

リーチにいくかと思ったがここは冷静にヤミテン、まだまだあせりはないようだ。

東2局
ここで3者がぶつかる最初はケネス。

二万三万四万三索四索五索五筒五筒七筒八筒八筒九筒九筒  リーチ  ドラ七万

そこに中川。

一万二万三万七万八万九万六索七索四筒五筒六筒白白  リーチ

そして親の小林も追いつく。

四万五万五万六万六万七万一索一索六索七索二筒三筒四筒  リーチ

結果はケネスが五索をつかみ頭ハネで小林に放銃、裏が1つのり12,000。
ケネスは前局のアガリからつなげていきたかったが手痛い放銃になってしまった。

東3局
中川が親で主導権をとりにいく。
一索ポン 南ポンして

五万三索四索四索六索九索西  ポン南南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ドラ八筒

この形。この後ツモがきき、

二索三索四索六索七索九索九索  加カン南南南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  カンドラ三索

こうなり、ケネスもおいつく。

七万九万一筒二筒三筒八筒八筒発発発  ポン中中中

そこに小林も参戦し、1シャンテンで五索をつかみ中川に7,700の放銃。
小林もドラ3の1シャンテンではあったが、ここは我慢する手もあったか。

東4局
4巡目に親番のケネスがダブ東を暗カンする、そして6巡目に小林にテンパイが入る。

三万三万三万五万五万七万七万七万八万五索七索二筒三筒  ツモ一筒  リーチ八万 左向き  ドラ二筒

親番のケネスが現状ラスで暗カンもしているので、まっすぐむかってくるであろう局面で思い切ったリーチをうった。タイトル戦の決勝ではこういった思い切りも必要である。
一発で六索をツモり2,000・4,000。

南1局
ここまで苦しい展開が続いていたケネスがみせる。

六万七万八万九万七索八索九索九索六筒七筒八筒北北  ツモ五万  ドラ二万

ここでテンパイとらずで五万ツモ切り、その後北を引き入れ九万でリーチ、清原から高めの六索でアガリ8,000。
ここから立て直すかと思われたが、次局親の小林に5,800を放銃してしまう。

南3局
親の中川が2,600オールをアガリオーラスをむかえる。

南4局 ドラ七索
点棒状況は小林45,200 中川43,600 清原24,500。
中川が先にしかける、清原のリーチをうけ小林は放銃してしまうと着順が落ちてしまうためオリを選択。
中川も一度まわったが終盤にテンパイを入れる。しかし最後のツモで危険牌をひいてオリてしまう。
本人も後悔していたがここは清原に8,000を放銃しても2着だっただけに勝負したほうが得なように思える。

2回戦
小林+29.2P 中川+17.6P 清原▲8.5P ケネス▲39.3P

トータル
中川+61.8P 小林+20.0P 清原+6.1P ケネス▲88.9P

 

3回戦(小林・中川・清原・ケネス)

 

小林、清原は最低限中川より上の着順でおえ、できればトップをとりたい。
ケネスは大きなトップをとりつつ、並びもつくらなければならないので苦しいか。
中川はできればこの半荘で決めたい。
全員それぞれの思惑がある中勝負の3回戦がはじまる。

東1局
親の小林が3巡目に変化をまたずリーチにいく。

一万一索二索三索七索九索三筒三筒四筒五筒六筒七筒九筒  ツモ八索  打一万 左向き  ドラ一万

中川がおいつく。

二万三万三万三万四万四万五万四索五索六索七索八索八索  ツモ一万  打七索 左向き

打点は中川のほうがあるが、待ち4枚対4枚で5分。ここは小林がツモり1,000オール。
1本場では、ケネスから5,800は6,100をアガリ2本場をむかえる。

東1局 2本場
6巡目に親番の小林にテンパイがはいる。

四万五万六万七万八万九万二索三索四索五索二筒四筒四筒  ツモ五索  ドラ八万

二筒でヤミテン、この1巡前に中川に

二万三万三万三万三万四万六索七索八索三筒三筒四筒四筒

このテンパイが入っていた。すれすれで放銃を回避した小林は、ツモ七索二索切りでリーチにいく。
中川がツモ五筒二筒五筒待ちでおいかけるが、小林がツモり2,000は2,200オール。ここでついにトータルでも中川をかわす。
3本場でも中川から1,500は2,400をアガリ差をひろげる。これ以上はまずいと清原がしかけてアガリ親番をおとす。

東4局
ついに決め手がでる、小林が10巡目にこのテンパイ

一万九万九索一筒九筒九筒南西北白発発中  ツモ一索  打九筒  ドラ一索

次巡、ラス牌の東をツモり8,000・16,000。

南3局
まだまだ諦めていない中川は5巡目にリーチにいく

一万二万三万一筒二筒三筒八筒九筒南北北中中  ツモ中  打南  ドラ二万

これが1回戦ならヤミであろうが、現状小林との差は約60Pあり8,000をアガっても現実的な差にはならないが、もし跳満をツモり、さらに現状22,400点差の清原をオーラスにまくり、2着になれば30Pぐらい差になり逆転も見えてくる。
しかしここは清原にアガられしまい中川の執念は実らず。

南4局
清原が9巡目に国士の1シャンテンにこぎつげるが、小林に8,000を放銃してしまい差をひろげられてしまう。

四万五万六万二索三索三索四索四索七索七索三筒四筒五筒  ロン五索  ドラ七索

3回戦
小林+82.2P 清原+1.0P 中川▲31.2P ケネス▲52.0P

トータル
小林+102.2P 中川30.6P 清原+7.1P ケネス▲140.9P

 

4回戦(中川・清原・ケネス・小林)

 

中川、清原、ケネス、諦めずに小林を追いかけるが小林がすきをつくらず逃げきる。

4回戦
清原+33.5P 小林+15.1P ケネス▲10.7P 中川▲37.9P

トータル
小林+117.3P 清原+40.6P 中川▲7.3P ケネス▲151.6P

第3回WRCリーグ覇者は小林正和に決まった。
冒頭のコメントでいっていたように、攻めるところは攻め守るところは守る、それがしっかりできたからこそ優勝だと思う。
打ち上げの席で小林は

「これからがスタートだと思うので、より一層がんばります」

確かに、知名度が低い若手がタイトルを1つとっただけでは、活躍の場は大きくは広がらない。とはいえタイトルをとった直後になかなかでてこない言葉である。
この言葉を聞いて今後も活躍するだろうと思わせてくれた。

小林さん優勝おめでとう。

 

100

 

JPML WRCリーグ 決勝観戦記/第3期JPML WRCリーグ 決勝観戦記 福島 佑一

平昌オリンピックで日本人のメダルラッシュに沸く中、夏目坂スタジオで熱い戦い繰り広げられた。
まずは選手紹介から
 
 
清原継光
25期 39歳
第40期王位
 
100
 
「緊張していますが緊張に負けないで、いままで培ったものがだせれば」
 
 
 
中川基輝
31期 31歳 
第2回WRC覇者
 
100
 
「全力をつくして、連覇を目指します」
 
 
 
小林正和
31期 31歳
 
100
 
「教えてもらったことをいかして、攻めるとこは攻めて守るとこは守って頑張ります」
 
 
 
ケネス徳田
29期 41歳
 
100
 
「目先にとらわれないで新しいセオリーをつくる」
 
 
100
 
1回戦(小林・ケネス・中川・清原)
東1局
半荘4回の短期決戦、できれば先手とりたいところで5巡目に中川がリーチをうつ。
一万三万三万四万五万一索一索二索三索四索  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  ドラ一万
そこにケネスが2つ鳴いて追いつく。
三筒三筒九筒九筒白白白  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き
勝ったのは中川、ケネスの放銃で2,600、安いがまず先手をとる。
東2局
小林に大物手が入る。
四筒四筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒北北  ドラ九筒
そこにまたケネスが放銃してしまい高めで12,000、親番の1シャンテンで1巡残したドラがつかまってしまった。親番だけに目一杯にうける選択もあっただけに手痛い放銃になってしまった。
東3局
親番の中川がいろいろな選択があるなかで、一番速く一番高い手でアガリきる。
二万三万四万七万七万二索三索四索二筒二筒三筒三筒四筒  ツモ一筒  ドラ五筒
一発で6,000オール。
東3局 1本場
二万三万四万三索四索四索五索五索五索二筒四筒八筒八筒  ドラ七万
10巡目、親の中川がこの形から二索をしかける。これは意外だった。前回の決勝では自分に流れがきたとき中川はメンゼンを貫き仕上げていた。あとで聞くと「本当に流れがきたと思ったらメンゼンでいくが、まだだと思った」と言っていた。流れや体勢の考え方は人それぞれ違い、経験によって培っていくものだと思う。この鳴きの是非は難しいが結果は六索三筒と食い下げアガリのがし、テンパイで連荘するも次局で親番をおとしてしまう。
東4局 5本場
親番の清原にテンパイが入る。
二万三万二索四索五索七索七索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ツモ四万  ドラ五索
なんとここでドラ五索をきってリーチにいく、清原は「このリーチをみせることでこの後の戦いできいてくるかなと」確かに相手には強烈な印象は与えただろうが、この局の結果は六索をツモってきてのアガリのがしで流局。
南3局
親番の中川が3巡目でこの形。
二万二万七万八万八万八索八索九索九索九索四筒五筒六筒  ツモ六筒  ドラ三索
六筒をきるのもあるが打点をみて七万切り、これがうまくいき六筒暗刻にして八索をポンして二万をつもり4,000オール。
南4局
中川に4巡目にテンパイが入りヤミテンにかまえ、変化したところで
三万三万七万七万二索三索三索四索四索五索一筒二筒三筒  ツモ五万  打三万 左向き  ドラ七万
すぐにつもり2,000・4,000、1回戦は中川がトップをとる。
中川+44.2P 清原+14.6P 小林▲9.2P ケネス▲49.6P
 
2回戦(清原・小林・中川・ケネス)
 
1回戦大きなラスになってしまったケネスとしては、なんとしてもプラスで終わらなければ優勝が厳しくなってしまう。清原、小林としては中川より上の着順で終わりたいところだろう。
東1局
まず、清原の先制リーチからスタートする。
四万五万六万七万八万二索二索四索三筒四筒五筒七筒八筒  ツモ六筒  打四索 左向き  ドラ六索
ここにとびこんでしまったのがケネス。安めの九万ながら裏がのって5,800。
東1局 2本場 ドラ四索
なんとか立て直したいケネスがアガる。
三万四万一索二索三索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒  ツモ二万
リーチにいくかと思ったがここは冷静にヤミテン、まだまだあせりはないようだ。
東2局
ここで3者がぶつかる最初はケネス。
二万三万四万三索四索五索五筒五筒七筒八筒八筒九筒九筒  リーチ  ドラ七万
そこに中川。
一万二万三万七万八万九万六索七索四筒五筒六筒白白  リーチ
そして親の小林も追いつく。
四万五万五万六万六万七万一索一索六索七索二筒三筒四筒  リーチ
結果はケネスが五索をつかみ頭ハネで小林に放銃、裏が1つのり12,000。
ケネスは前局のアガリからつなげていきたかったが手痛い放銃になってしまった。
東3局
中川が親で主導権をとりにいく。
一索ポン 南ポンして
五万三索四索四索六索九索西  ポン南南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ドラ八筒
この形。この後ツモがきき、
二索三索四索六索七索九索九索  加カン南南南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  カンドラ三索
こうなり、ケネスもおいつく。
七万九万一筒二筒三筒八筒八筒発発発  ポン中中中
そこに小林も参戦し、1シャンテンで五索をつかみ中川に7,700の放銃。
小林もドラ3の1シャンテンではあったが、ここは我慢する手もあったか。
東4局
4巡目に親番のケネスがダブ東を暗カンする、そして6巡目に小林にテンパイが入る。
三万三万三万五万五万七万七万七万八万五索七索二筒三筒  ツモ一筒  リーチ八万 左向き  ドラ二筒
親番のケネスが現状ラスで暗カンもしているので、まっすぐむかってくるであろう局面で思い切ったリーチをうった。タイトル戦の決勝ではこういった思い切りも必要である。
一発で六索をツモり2,000・4,000。
南1局
ここまで苦しい展開が続いていたケネスがみせる。
六万七万八万九万七索八索九索九索六筒七筒八筒北北  ツモ五万  ドラ二万
ここでテンパイとらずで五万ツモ切り、その後北を引き入れ九万でリーチ、清原から高めの六索でアガリ8,000。
ここから立て直すかと思われたが、次局親の小林に5,800を放銃してしまう。
南3局
親の中川が2,600オールをアガリオーラスをむかえる。
南4局 ドラ七索
点棒状況は小林45,200 中川43,600 清原24,500。
中川が先にしかける、清原のリーチをうけ小林は放銃してしまうと着順が落ちてしまうためオリを選択。
中川も一度まわったが終盤にテンパイを入れる。しかし最後のツモで危険牌をひいてオリてしまう。
本人も後悔していたがここは清原に8,000を放銃しても2着だっただけに勝負したほうが得なように思える。
2回戦
小林+29.2P 中川+17.6P 清原▲8.5P ケネス▲39.3P
トータル
中川+61.8P 小林+20.0P 清原+6.1P ケネス▲88.9P
 
3回戦(小林・中川・清原・ケネス)
 
小林、清原は最低限中川より上の着順でおえ、できればトップをとりたい。
ケネスは大きなトップをとりつつ、並びもつくらなければならないので苦しいか。
中川はできればこの半荘で決めたい。
全員それぞれの思惑がある中勝負の3回戦がはじまる。
東1局
親の小林が3巡目に変化をまたずリーチにいく。
一万一索二索三索七索九索三筒三筒四筒五筒六筒七筒九筒  ツモ八索  打一万 左向き  ドラ一万
中川がおいつく。
二万三万三万三万四万四万五万四索五索六索七索八索八索  ツモ一万  打七索 左向き
打点は中川のほうがあるが、待ち4枚対4枚で5分。ここは小林がツモり1,000オール。
1本場では、ケネスから5,800は6,100をアガリ2本場をむかえる。
東1局 2本場
6巡目に親番の小林にテンパイがはいる。
四万五万六万七万八万九万二索三索四索五索二筒四筒四筒  ツモ五索  ドラ八万
二筒でヤミテン、この1巡前に中川に
二万三万三万三万三万四万六索七索八索三筒三筒四筒四筒
このテンパイが入っていた。すれすれで放銃を回避した小林は、ツモ七索二索切りでリーチにいく。
中川がツモ五筒二筒五筒待ちでおいかけるが、小林がツモり2,000は2,200オール。ここでついにトータルでも中川をかわす。
3本場でも中川から1,500は2,400をアガリ差をひろげる。これ以上はまずいと清原がしかけてアガリ親番をおとす。
東4局
ついに決め手がでる、小林が10巡目にこのテンパイ
一万九万九索一筒九筒九筒南西北白発発中  ツモ一索  打九筒  ドラ一索
次巡、ラス牌の東をツモり8,000・16,000。
南3局
まだまだ諦めていない中川は5巡目にリーチにいく
一万二万三万一筒二筒三筒八筒九筒南北北中中  ツモ中  打南  ドラ二万
これが1回戦ならヤミであろうが、現状小林との差は約60Pあり8,000をアガっても現実的な差にはならないが、もし跳満をツモり、さらに現状22,400点差の清原をオーラスにまくり、2着になれば30Pぐらい差になり逆転も見えてくる。
しかしここは清原にアガられしまい中川の執念は実らず。
南4局
清原が9巡目に国士の1シャンテンにこぎつげるが、小林に8,000を放銃してしまい差をひろげられてしまう。
四万五万六万二索三索三索四索四索七索七索三筒四筒五筒  ロン五索  ドラ七索
3回戦
小林+82.2P 清原+1.0P 中川▲31.2P ケネス▲52.0P
トータル
小林+102.2P 中川30.6P 清原+7.1P ケネス▲140.9P
 
4回戦(中川・清原・ケネス・小林)
 
中川、清原、ケネス、諦めずに小林を追いかけるが小林がすきをつくらず逃げきる。
4回戦
清原+33.5P 小林+15.1P ケネス▲10.7P 中川▲37.9P
トータル
小林+117.3P 清原+40.6P 中川▲7.3P ケネス▲151.6P
第3回WRCリーグ覇者は小林正和に決まった。
冒頭のコメントでいっていたように、攻めるところは攻め守るところは守る、それがしっかりできたからこそ優勝だと思う。
打ち上げの席で小林は
「これからがスタートだと思うので、より一層がんばります」
確かに、知名度が低い若手がタイトルを1つとっただけでは、活躍の場は大きくは広がらない。とはいえタイトルをとった直後になかなかでてこない言葉である。
この言葉を聞いて今後も活躍するだろうと思わせてくれた。
小林さん優勝おめでとう。
 
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第179回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:紺野 真太郎

前原「まずは、A1昇級おめでとう」

紺野「・・ありがとうございます」

 

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本来ならこちらから言うべきセリフを先に言われてしまった。これは前原の鳳凰位戦連覇のインタビューである。だが、そんな気遣いが前原らしい。

前原は見た目に似合わず相手のことを常に気遣う。このインタビューを行う場所を決めるにも

前原「何か食べたいものは?」

紺野「いえ、特に・・」

前原「そんなこと言わずに何かあるでしょう」

紺野「いえ、特に・・」

そんなやりとりが何度もあった。「ああ、昔から変わらないな・・」と思った。「じゃあ、あのパスタ屋さんに行こうか・・」そこは当時連盟新聞の編集会議後にみんなで行っていた店。まだあるだろうか・・
インタビューは夏目坂スタジオにて行うこととした。12時待ち合わせだったが、午前中の仕事が押して、スタジオ到着はギリギリになりそうだった。

{前原さんはもう来ているだろうな・・}

時間前であるが、そう感じていた。スタジオに着くとやはり前原はもう待っていた。

紺野「申し訳ありません」

前原「遅れたわけではないから・・でも紺野が時間までに来ないといよいよ事故かなと思ってしまうよ・・」

前原「昔、灘さんと待ち合わせした時に早めにいってもいつも灘さんが待っていらっしゃって、これはと、30分前に行ったら、それでもいらっしゃるんだよ。それじゃあと40分前に行ったら、ようやく先に着くことが出来た。ああ、灘さんは30分前にいらっしゃるのだと。それからは最低30分前にを心掛けてるよ。」

紺野「そうですね。自分もそういうタイプですけど、やはり何かがあったときに30分あればと思うので。」

前原「そういうことなんだろうね。」

 

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前原「これは、あまり拾われてなかったんだけど・・」

紺野「はい。」

前原「最終戦の南2局、内川の親でリーチを受けて・・瀬戸君が五筒を押して・・」

紺野「この場面ですね」

 

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(瀬戸熊は西単騎の七対子テンパイ)

前原「西を打つのは簡単なんだよ。でもプライドがそうさせなかった。」

紺野「プライドですか・・」

前原「損得だけ考えたら打った方が得なんだろうけどね。プロとして・・というよりも麻雀打ちとしてのプライドがそうさせなかった。」

紺野「残り3局で親の内川からリーチ。それに対して当面の相手ではない瀬戸熊さんが押す。リーチにこない瀬戸熊さんならば、親の現物待ちの可能性が十分。確かに局消化を考えても、西で切り抜けたくなる場面ですね。」

前原「でも、私はそれをやっては勝負で勝ったとは言えない気がするんだ。」

紺野「では、力が足りずに西で放銃してしまうのは?」

前原「それは話が別さ。待ちが読み筋にあるのに打つのは勝負に反することかなと思う。変則手だし、西だけは打つまいと思ってたよ。」

紺野「試合に勝って勝負に負けるみたいな・・。西を打つ方が簡単ですけどね。」

前原「そう。簡単なんだよ。簡単だからこそ、チームガラクタはそれをやらない。確かに方法論としてはアリかも知れないけれど、そこに麻雀の本質は無いように思う。西が読めたとしてそれを打つのは私では無いから。だから、私なんかは麻雀プロではなくて麻雀打ちなんだろうね・・」

麻雀打ちという言葉はすっかり聞かなくなった様な気がするが、連盟の先輩方を見ているとそういう言葉を感じずにはいられない。

13回戦東1局の話題に・・

前原「それにしてもあれはまいったな・・」

紺野「あの五万ですか。」

前原「そう。指で触った瞬間に九万だなって。そう思って切ってしまった。ロンと言われた時は何が何だかよくわからなかった。」

紺野「上に乗せて確認してないんですか?」

前原「あれは視聴者が見やすいようにするのであって、目線は河や相手の表情だから。誤ポンもして、本当に対局者に申し訳ないと思っているけど、そういうのが加齢ということなんだろうね。」

前原「鳳凰位にしてもお借りしているという意識が強くてね。テーブルゲームで60過ぎの人間がトップなんてあり得ないから。」

紺野「新陳代謝の無い世界は滅びる。前原さんがよく仰る言葉ですね。」

鳳凰戦が始まる前、いや、正確に言うと去年鳳凰位に復冠したときから、前原は「連覇は無いよ」と言っていた。勿論、自信が無いとか、手を抜くとかそういう意味ではなく、還暦を過ぎた自分がトップでいいのだろうかという葛藤にも似た思いからである。

前原「2日目が終わった後、黒木君に誘われて伊集院静さんの所に行ったの。2次会にも伊集院さんに誘われて行ったんだけど、伊集院さんに「どうなんだ」と聞かれ、引き際も考えてますよと、勝つ意義も見当たらないように感じてと答えたんだ。そうしたら伊集院さんに「高い壁であれ」と言われ、また会長にも同じような事を言われてね。」

紺野「高い壁ですか・・(高すぎやろ・・)」

前原「それがモチベーションになったかな・・」

紺野「そんな中、鳳凰戦に向けての準備はどうしていたのですか?」

前原「大体2か月くらい前から、公式ルールは勿論だけど、三人麻雀を打ち込んでいったよ。」

紺野「サンマですか・・」

前原「サンマの方が流れがわかりやすいから。我慢すべきとこは徹底して我慢して、攻める時にも徹底して攻めるみたいな。」

紺野「どれくらいの頻度で打ちこんでいたのですか?」

前原「暇さえあれば」

紺野「普段は大体週1、2のペースで公式ルールのセットとかをやっていたじゃないですか。それが通常時だとすると、調整時は・・」

前原「暇さえあれば」

紺野「セットしてサンマしてみたいな・・」

前原「そうだね」

最近の若手は打荘数が減少傾向にあると思う。情報が溢れているので収集しやすく、技が覚えやすいからであろうか。

前原「今回のメンバーがって事じゃないけど、みんなうまいんだよね。技というか・・」

紺野「そうですね。麻雀を勝負ではなく、ゲームとして捉えているというか・・」

前原「でも技は技でしかないから。技で勝負は決まらないって。さっきのプライドの話にも通じるんだけど、例えばね、色々な映像対局を見ているけど、解説がここは前原打ち(放銃)に行きますかね。みたいな事を言ってるの。そうした方が得かも知れないけど、こっちはその局12,000放銃も覚悟で前に出てるんだよね。全然捉え方が違うんだなと。やっぱ解説は難しいんだなと。」

紺野「前原さんの戦い方はある意味異端に思われています。」

前原「そうなんだろうね。ある時期「ゲーム」という言葉をよく使っていたけども、何か違うような気がして・・」

紺野「前原さんにゲームは似合いません。似合うのは勝負です。」

前原「そうなんだろうね(笑)だから、やっぱり麻雀プロではなく麻雀打ちなんだろうと」

パソコンを前にしても殆どいじらずに話込んでしまう。麻雀の話なのだけど、牌姿は全然出てこない。でも、いつも前原と話す時はこんな感じである。録音はしているが、インタビューしている感覚はとうに忘れている。

紺野「せっかくパソコンを用意してもらったのに、1局しか見ていないので、もう少しいいですか。最終戦オーラスなんですが・・」

オーラス、最終手番で前原の長考が入った。見たことがないほどの長考。放銃すれば負け。しなくても次にツモられたら、やっぱり負け。見ていたこっちからは「六索が打たれてしまうのではないか。」とも思わせた場面。

紺野「六索を打たなかったこともそうなんですが、あれは多分、前原さんが、全ての麻雀において一番時間を掛けた一打だったのではないかと思いまして。」

前原「そうみたいだね。」

 

100

 

前原「この八万に間があったんだよね。だからマンズのメンツがあるのかと。」

 

100

 

HIRO柴田の8巡目手出しの八万を指している。前原はこの局ノーテンと手を伏せれば連覇。一方の柴田は満貫直撃か跳満ツモで悲願の鳳凰位となる。

前原「なぜ八万で考えるのかなと。四万六万八万ってあるのかな。マンズの一通のカン五万もあるのかなと。だから、9巡目の五万が打てなかったんだ。」

紺野「ではここから実質的にはオリに向かったと。」

前原「そう。ここからオリに向かったね。」

紺野「そして、11巡目に柴田からリーチが入るのですが、この時は柴田の手をどのように考えていましたか?」

前原「ドラ切りリーチだけど、ドラ頭の一通か三色だと思っていたよ。」

紺野「七対子は考えなかったんですか?」

前原「やっぱり八万で考えたってことはメンツ手なんだよ。」

紺野「七対子は消せたと?」

前原「いや。完全に消せたわけではないけど、メンツ手よりは薄いかと。」

リーチを受けた段階で安全牌は5枚。流局までには2枚足りない。途中二万を引いてあと1枚。しかし、その1枚が引けぬまま最後のツモ・・

前原「これは勘違いしてる人もいたみたいだけど、仮に四索が4枚見えていても六索は打たないんだよ。一通か三色と思っているから。元々五万でやめてるぐらいだから。123の三色は無いから、正直三索北の選択だったよ。」

紺野「そこで八万があったので北の選択になったと・・」

前原「そういうことだね。」

そろそろ時間となり・・

前原「これは言っておきたいことなんだけど・・まだ譲る気はないから」

紺野「奪い取れと」

前原「そう。奪い取ってくれ。みんな本気で取り組んで奪い取って欲しいよ。去年、瀬戸君が観戦記で書いていたけど、前原さんはヒールであって欲しいって。でもヒールって強くないとだめだからね。」

紺野「前原さんにはヒールが似合っていると思いますよ。風体的にも・・(笑)」

前原「風体はオマエには言われたくないわ(笑)」

録音しつつの3時間もあっというまに過ぎた。正直書ける話、書けない話は半々といったところであった。

前原「じゃあパスタ食べに行こうか。」

紺野「ごちそうになります。」

17年ぶりに訪れたパスタ屋は今も当時のまま営業していた。不思議なことにメニューを見ると、何を好んで注文していたのかすぐに記憶が蘇る。しかし、ただ1つ残念なのは伝える為の写真を撮ることを完全に忘れていたことであった・・

 

100

 

プロ雀士インタビュー/第179回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:紺野 真太郎

前原「まずは、A1昇級おめでとう」
紺野「・・ありがとうございます」
 
100
 
本来ならこちらから言うべきセリフを先に言われてしまった。これは前原の鳳凰位戦連覇のインタビューである。だが、そんな気遣いが前原らしい。
前原は見た目に似合わず相手のことを常に気遣う。このインタビューを行う場所を決めるにも
前原「何か食べたいものは?」
紺野「いえ、特に・・」
前原「そんなこと言わずに何かあるでしょう」
紺野「いえ、特に・・」
そんなやりとりが何度もあった。「ああ、昔から変わらないな・・」と思った。「じゃあ、あのパスタ屋さんに行こうか・・」そこは当時連盟新聞の編集会議後にみんなで行っていた店。まだあるだろうか・・
インタビューは夏目坂スタジオにて行うこととした。12時待ち合わせだったが、午前中の仕事が押して、スタジオ到着はギリギリになりそうだった。
{前原さんはもう来ているだろうな・・}
時間前であるが、そう感じていた。スタジオに着くとやはり前原はもう待っていた。
紺野「申し訳ありません」
前原「遅れたわけではないから・・でも紺野が時間までに来ないといよいよ事故かなと思ってしまうよ・・」
前原「昔、灘さんと待ち合わせした時に早めにいってもいつも灘さんが待っていらっしゃって、これはと、30分前に行ったら、それでもいらっしゃるんだよ。それじゃあと40分前に行ったら、ようやく先に着くことが出来た。ああ、灘さんは30分前にいらっしゃるのだと。それからは最低30分前にを心掛けてるよ。」
紺野「そうですね。自分もそういうタイプですけど、やはり何かがあったときに30分あればと思うので。」
前原「そういうことなんだろうね。」
 
100
 
前原「これは、あまり拾われてなかったんだけど・・」
紺野「はい。」
前原「最終戦の南2局、内川の親でリーチを受けて・・瀬戸君が五筒を押して・・」
紺野「この場面ですね」
 
100
 
 
100
 
(瀬戸熊は西単騎の七対子テンパイ)
前原「西を打つのは簡単なんだよ。でもプライドがそうさせなかった。」
紺野「プライドですか・・」
前原「損得だけ考えたら打った方が得なんだろうけどね。プロとして・・というよりも麻雀打ちとしてのプライドがそうさせなかった。」
紺野「残り3局で親の内川からリーチ。それに対して当面の相手ではない瀬戸熊さんが押す。リーチにこない瀬戸熊さんならば、親の現物待ちの可能性が十分。確かに局消化を考えても、西で切り抜けたくなる場面ですね。」
前原「でも、私はそれをやっては勝負で勝ったとは言えない気がするんだ。」
紺野「では、力が足りずに西で放銃してしまうのは?」
前原「それは話が別さ。待ちが読み筋にあるのに打つのは勝負に反することかなと思う。変則手だし、西だけは打つまいと思ってたよ。」
紺野「試合に勝って勝負に負けるみたいな・・。西を打つ方が簡単ですけどね。」
前原「そう。簡単なんだよ。簡単だからこそ、チームガラクタはそれをやらない。確かに方法論としてはアリかも知れないけれど、そこに麻雀の本質は無いように思う。西が読めたとしてそれを打つのは私では無いから。だから、私なんかは麻雀プロではなくて麻雀打ちなんだろうね・・」
麻雀打ちという言葉はすっかり聞かなくなった様な気がするが、連盟の先輩方を見ているとそういう言葉を感じずにはいられない。
13回戦東1局の話題に・・
前原「それにしてもあれはまいったな・・」
紺野「あの五万ですか。」
前原「そう。指で触った瞬間に九万だなって。そう思って切ってしまった。ロンと言われた時は何が何だかよくわからなかった。」
紺野「上に乗せて確認してないんですか?」
前原「あれは視聴者が見やすいようにするのであって、目線は河や相手の表情だから。誤ポンもして、本当に対局者に申し訳ないと思っているけど、そういうのが加齢ということなんだろうね。」
前原「鳳凰位にしてもお借りしているという意識が強くてね。テーブルゲームで60過ぎの人間がトップなんてあり得ないから。」
紺野「新陳代謝の無い世界は滅びる。前原さんがよく仰る言葉ですね。」
鳳凰戦が始まる前、いや、正確に言うと去年鳳凰位に復冠したときから、前原は「連覇は無いよ」と言っていた。勿論、自信が無いとか、手を抜くとかそういう意味ではなく、還暦を過ぎた自分がトップでいいのだろうかという葛藤にも似た思いからである。
前原「2日目が終わった後、黒木君に誘われて伊集院静さんの所に行ったの。2次会にも伊集院さんに誘われて行ったんだけど、伊集院さんに「どうなんだ」と聞かれ、引き際も考えてますよと、勝つ意義も見当たらないように感じてと答えたんだ。そうしたら伊集院さんに「高い壁であれ」と言われ、また会長にも同じような事を言われてね。」
紺野「高い壁ですか・・(高すぎやろ・・)」
前原「それがモチベーションになったかな・・」
紺野「そんな中、鳳凰戦に向けての準備はどうしていたのですか?」
前原「大体2か月くらい前から、公式ルールは勿論だけど、三人麻雀を打ち込んでいったよ。」
紺野「サンマですか・・」
前原「サンマの方が流れがわかりやすいから。我慢すべきとこは徹底して我慢して、攻める時にも徹底して攻めるみたいな。」
紺野「どれくらいの頻度で打ちこんでいたのですか?」
前原「暇さえあれば」
紺野「普段は大体週1、2のペースで公式ルールのセットとかをやっていたじゃないですか。それが通常時だとすると、調整時は・・」
前原「暇さえあれば」
紺野「セットしてサンマしてみたいな・・」
前原「そうだね」
最近の若手は打荘数が減少傾向にあると思う。情報が溢れているので収集しやすく、技が覚えやすいからであろうか。
前原「今回のメンバーがって事じゃないけど、みんなうまいんだよね。技というか・・」
紺野「そうですね。麻雀を勝負ではなく、ゲームとして捉えているというか・・」
前原「でも技は技でしかないから。技で勝負は決まらないって。さっきのプライドの話にも通じるんだけど、例えばね、色々な映像対局を見ているけど、解説がここは前原打ち(放銃)に行きますかね。みたいな事を言ってるの。そうした方が得かも知れないけど、こっちはその局12,000放銃も覚悟で前に出てるんだよね。全然捉え方が違うんだなと。やっぱ解説は難しいんだなと。」
紺野「前原さんの戦い方はある意味異端に思われています。」
前原「そうなんだろうね。ある時期「ゲーム」という言葉をよく使っていたけども、何か違うような気がして・・」
紺野「前原さんにゲームは似合いません。似合うのは勝負です。」
前原「そうなんだろうね(笑)だから、やっぱり麻雀プロではなく麻雀打ちなんだろうと」
パソコンを前にしても殆どいじらずに話込んでしまう。麻雀の話なのだけど、牌姿は全然出てこない。でも、いつも前原と話す時はこんな感じである。録音はしているが、インタビューしている感覚はとうに忘れている。
紺野「せっかくパソコンを用意してもらったのに、1局しか見ていないので、もう少しいいですか。最終戦オーラスなんですが・・」
オーラス、最終手番で前原の長考が入った。見たことがないほどの長考。放銃すれば負け。しなくても次にツモられたら、やっぱり負け。見ていたこっちからは「六索が打たれてしまうのではないか。」とも思わせた場面。
紺野「六索を打たなかったこともそうなんですが、あれは多分、前原さんが、全ての麻雀において一番時間を掛けた一打だったのではないかと思いまして。」
前原「そうみたいだね。」
 
100
 
前原「この八万に間があったんだよね。だからマンズのメンツがあるのかと。」
 
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HIRO柴田の8巡目手出しの八万を指している。前原はこの局ノーテンと手を伏せれば連覇。一方の柴田は満貫直撃か跳満ツモで悲願の鳳凰位となる。
前原「なぜ八万で考えるのかなと。四万六万八万ってあるのかな。マンズの一通のカン五万もあるのかなと。だから、9巡目の五万が打てなかったんだ。」
紺野「ではここから実質的にはオリに向かったと。」
前原「そう。ここからオリに向かったね。」
紺野「そして、11巡目に柴田からリーチが入るのですが、この時は柴田の手をどのように考えていましたか?」
前原「ドラ切りリーチだけど、ドラ頭の一通か三色だと思っていたよ。」
紺野「七対子は考えなかったんですか?」
前原「やっぱり八万で考えたってことはメンツ手なんだよ。」
紺野「七対子は消せたと?」
前原「いや。完全に消せたわけではないけど、メンツ手よりは薄いかと。」
リーチを受けた段階で安全牌は5枚。流局までには2枚足りない。途中二万を引いてあと1枚。しかし、その1枚が引けぬまま最後のツモ・・
前原「これは勘違いしてる人もいたみたいだけど、仮に四索が4枚見えていても六索は打たないんだよ。一通か三色と思っているから。元々五万でやめてるぐらいだから。123の三色は無いから、正直三索北の選択だったよ。」
紺野「そこで八万があったので北の選択になったと・・」
前原「そういうことだね。」
そろそろ時間となり・・
前原「これは言っておきたいことなんだけど・・まだ譲る気はないから」
紺野「奪い取れと」
前原「そう。奪い取ってくれ。みんな本気で取り組んで奪い取って欲しいよ。去年、瀬戸君が観戦記で書いていたけど、前原さんはヒールであって欲しいって。でもヒールって強くないとだめだからね。」
紺野「前原さんにはヒールが似合っていると思いますよ。風体的にも・・(笑)」
前原「風体はオマエには言われたくないわ(笑)」
録音しつつの3時間もあっというまに過ぎた。正直書ける話、書けない話は半々といったところであった。
前原「じゃあパスタ食べに行こうか。」
紺野「ごちそうになります。」
17年ぶりに訪れたパスタ屋は今も当時のまま営業していた。不思議なことにメニューを見ると、何を好んで注文していたのかすぐに記憶が蘇る。しかし、ただ1つ残念なのは伝える為の写真を撮ることを完全に忘れていたことであった・・
 
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第12期女流桜花決定戦 最終日観戦記 吾妻 さおり

「束の間の空位」

 

100

 

女流桜花はディフェンディング制のため、現桜花は1年間リーグ戦がない。連盟チャンネルで熱い闘牌を観ていると戦いの外に居るような寂しさすら感じる事がある。同時に、この中で最も充実した3名が自分に挑んでくると気合いも入る。
だが優勝カップを持って初日の会場に来た瞬間、現女流桜花としての日々は過去になる。今も現桜花といえど気持ちはカップを返却した瞬間からチャレンジャーだ。
果たして、物言わず佇むこの優勝カップ。今年は誰を待っているのか?

 

100

 

 

9回戦(起家から、仲田・魚谷・石田・内田)

東1局 親 仲田 ドラ七筒

「守備型に必要なもの」

親の仲田が先制リーチ
七万引きテンパイ。チャンタ三色までは伸びなかったが、親なら良し。
先に三索六索でピンフテンパイの石田。

三万四万五万一索二索三索四索五索五索六索七索四筒四筒  ツモ発

親リーチに発を切れず四筒で回るが、押せれば仲田が六索を掴んでいた。このアガリ逃しに暗雲低迷の予感がしてしまう。
一方、真っ向勝負を挑んだのは内田。タンヤオドラドラのテンパイから3,900の放銃。

 

100

 

結果は振りだが、これは良いと感じた。親リーチしただけで全員オリてくれるほど楽な事はない。後手でも反撃するぞという姿勢を見せてくれた。

 

100

 

東1局2本場 親仲田 ドラ五筒

仲田親番継続中。2枚目とはいえ中の後付けで一万からポン。

三筒五筒西西  ポン中中中  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ五筒

3フーロでドラ表示牌で2枚見えのカン四筒。苦しい形は十分承知。西五筒引きはトイトイに受け変えられる。西ポンのドラの裸単騎もあるか!?
ここでツモ切った九筒が内田の5,200に掴まる。先程の失点以上は戻って来た。

三索四索五索五筒五筒七筒八筒南南南  ポン北北北  ドラ五筒

「苦難の道」

東3局 親石田 ドラ八万

石田がダブ東ポンで愚形残りの1シャンテン。
ここで上家魚谷のリーチを受ける。

 

100

 

宣言牌の六筒をチーすればテンパイ。打六万でドラの八万単騎が打点的には魅力か。
しかし石田は六筒を鳴かず。数巡後に生牌の南をツモ切り5,200を放銃。打牌選択はツモに委ねたいか、オリる気は無かったようだ。

 

100

 

アガリ逃し、テンパイ取らずで放銃と苦しい石田。次は仲田の二副露にピンズをぶつけて九筒切り。いざポンされると八筒が打ち切れなくなり、八索でオリ打ち。揺れがはっきり見て取れる。
早めに立て直さないと優勝争いに絡めなくなってしまう。この回はラスでも、気持ちを整えて10回戦には平常心で戦う石田を観たい。

「魚谷、内田のトップ争い」

石田からの5,200を機に着実にアガリを重ねる魚谷。

南1局 親仲田 ドラ一索

四万五万六万一索二索二索三索三索四筒五筒六筒発発  リーチ  ツモ四索

安めながらツモって42,100点に。

南3局2本場 親石田 ドラ東

内田は南家。現在32,300持ち。オーラスの親が残っているが、このままでは魚谷はアガリトップ。トータル首位の仲田も32,600と浮きをキープしている。ラス目の石田も今回は終わらせに来るだろう。オーラス親は伸び伸びやらせてもらえそうにない。
ならばこの局はスピードも打点も必要。仕掛けてドラ単騎に受け1,300-2,600をツモアガリ。供託も入ってトップが見えてきた。

三万四万五万六筒七筒八筒東白白白  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ東

南4局 親 内田 ドラ八万

魚谷が仕掛けて終わらせに来ている。この局内田は最速でリーチを打つ手順を踏みたかったのだろう。好形変化を見込める四索四筒四万を全て切り、直線的な手組でカンチャンのドラ待ちリーチ。

五万五万五万七万九万二索二索四索五索六索三筒四筒五筒

流局で1人テンパイ。
持ち点は41,100点、これで魚谷と同点だ。

南4局1本場 親 内田 ドラ南

再びアガリ競争。
内田にとってオリる局ではない。手牌をパンパンに膨らませアガリ一直線、六万で魚谷に放銃となった。

二万二万四万五万三索四索五索七筒八筒九筒  ポン白白白

9回戦のトップはオーラスに競り勝った魚谷。2着に内田。30,100で3着の仲田までが浮き。

 

100

 

 

10回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)

「皆で引き出した七万

東1局1本場 親 石田 ドラ六索

二万三万四万六万七万八万四索四索六索七索八索三筒四筒  ドラ六索

内田がメンタンピンドラで先制リーチ。仲田とは僅か11.2ポイント差。アガれば瞬間逆転の手だ。

追いついたのは魚谷。三色ドラ2。

六万八万五索六索六索七索七索八索六筒七筒八筒東東

上目の三色を決め打って2巡目に四万を切っている。絶好の待ちで場もマンズが安いが、七万は内田の現物。オリ打ちの可能性を下げないためにヤミテン。
しかし親の石田が七筒ポンで攻め返す。魚谷にとっては内田の河を凝視して通る牌を選んでほしい局なのに、無スジをゴリ押されて安牌が増えては不都合。ツモ切りリーチに踏み切った。

さて、困ったのは仲田だ。誰が本手なのか非常にわかりにくい。
内田は先制リーチ。一番素直に河を読んで良さそうだ。マンズは通りそう、ピンズは切りづらい。ソーズならドラ跨ぎの五索八索、宣言牌跨ぎの二索五索か。
石田はポンして南トイツ落とし。テンパイかは微妙。親権維持の安手もあるが、リーチに向かった以上ドラを固めた可能性も考慮しなければ。
魚谷はツモ切りリーチ。役あり?本手?狙い目の待ち?安手?最終手出し三索は関連牌か?河は変則的だが後出しの牌を見ると七対子ではなさそう。となると安手ではなく手役絡みが濃厚か。
仲田の切り番はあと2回。2人にスジで1人に現物の七万は自身が対子でシャンポン待ちはない。もしこれが通れば流局まで凌げる。七万しかないか。

 

100

 

仲田から皆で引き出した七万は魚谷に満貫。仲田はラス目に転落。ここから伝説の大接戦が始まる。

10回戦東1局1本場終了時(※10回戦の順位点込み)

仲田+7.1P 魚谷+5.1P 内田+3.2P 石田▲15.4P

(※注意)上記にはまだ未確定な順位点も計上されている。仲田は10回戦終了時に30,000点以上に復帰出来るかは、今決定戦の大きな見所だ。

「魚谷、首位に立つ!」

東2局 親魚谷 ドラ七筒

石田が北高め三色ドラのリーチ。

五万六万七万五索六索七索五筒六筒西西北北北  リーチ  ツモ四筒  ドラ七筒

安めだが1,000・2,000のツモアガリ。少ないインターバルできっちり気持ちを切り替えて来た!

 

100

 

東3局 親内田 ドラ七万

しかし石田の試練はまだ終わらない。早い魚谷のヤミテンタンヤオドラ3に飛び込む!

二万三万四万四万六万七万七万七万三索三索六筒七筒八筒  ドラ七万

10回戦東3局終了時(順位点込み)
魚谷+15.1P 仲田+6.1P 内田+3.2P 石田▲24.4P

魚谷が遂にトータル首位に立つ!全員ごぼう抜きの首位浮上は想像以上に難しい。しかし、細く狭い針の穴を貫くかの如く、ここ一番でやってみせた。このまま振り切っての優勝も十分ありえる。

「気迫のぶつかり合い」

東4局、親の仲田は1,000オールツモで食らいつく。微差ながら3着浮上。

東4局1本場 親 仲田 ドラ五索

今度は仲田が先制リーチ!
メンタンピンドラ。出アガリ11,600、ツモれば親満。超ド級の勝負手だ。
石田もテンパイを入れている。南中ドラの3,900、ツモれば1,300・2,600。ここは全面対決か。
さらに追いついたのは内田。ここは勝負所。無スジを叩き切って追っかけリーチ!

 

100

 

気迫のぶつかり合い。観ていて心躍る素晴らしい対局だ。

内田の決意に牌が応えた。仲田が五筒を掴んでしまう。
内田、トータル2位に浮上。

東4局1本場終了時(順位点込み)
魚谷+14.1P 内田+8.1P 仲田+5.2P 石田▲27.4P

「歴史的大接戦」

史上類を見ない接戦。石田は少し引き離されてしまっている。何とか加点したい南場の親番。

南1局 親石田 ドラ八筒

二索二索六索七索八索九索七筒八筒九筒白白発中中

配牌1シャンテン。チャンタ・三元役が見える大物手だが、受け入れは狭い。役牌はポンせざるを得ないか。二索がトイツだと安くなる可能性があるので1枚外すか、三元役を見切って5.800アガリ率を上げる発切りも面白いが、石田は素直に六索切り。1枚目の二索が出るが、2,900ポンテンは見送り。石田もこの手格好なら最低3ハンは欲しいと考えたようだ。白を引き入れ中二索のシャンポンでリーチを打った。

 

100

 

魚谷はツモり三暗刻のテンパイ。石田の明らかな変則手を警戒してか、ヤミテンにしていた。そして持ってきたのは自身で切っている二索五索が石田の河にあるがどうみても平凡なリャンメン待ちではない。スジの二索は危険牌だが、止めれば今局はほぼオリ。勝負を選んで9,600を放銃した。

魚谷が石田に放銃し、仲田が首位に再浮上。上下の差はさらに詰まっていく。
南1局終了時(順位点込み)
仲田+5.2P 内田+5.1P 魚谷+0.5P 石田▲10.8P

南1局1本場も、親の石田が1,100オールをツモり連荘。
続く2本場が大きな分岐点となった。

「幻の6,200オール」

加速した石田をさすがに止めたい。そんな思いもあったのか。子の3者が動き出す。

まずは内田がペン七筒をチー。

七索九索一筒三筒三筒五筒六筒西中中  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き

一気通貫、ピンズのホンイツ、中の後付けと役は何とか付きそうだが、内田にしては珍しい遠い仕掛けだ。

続いて、魚谷が発ポン。

二万二万八万八万五索五索南西白中  ポン発発発

1ハン確定。トイトイも見える。魚谷なら当然のポンか。
立て続けに二万八万もポン出来た。

そして仲田。

四筒五筒七筒八筒八筒八筒東南北中  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き

ピンズのホンイツで一気通貫含みだが、字牌は4種バラバラ。仲田ならこのくらい遠くても鳴くか。
内田と仲田は動いたものの、各者の仕掛けを警戒してオリ気味、4センチの魚谷はまだ1シャンテン。
3者が牽制し合えば、必ず親石田の反撃リーチが来る!

四万四万四万五万四索六索七索八索九索四筒五筒六筒六筒  ツモ白

…はずだったが、何と石田は白を打たず四索切り。次巡は最もツモりたくない五索。そして六万

四万四万四万五万四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒  ツモ六万  ドラ五筒

この6,200オールをアガリ逃してしまう。

 

100
100

 

結果、魚谷の1人テンパイで流局。
次局、石田はピンフツモドラをアガリトップ目をキープするが、悪い予感がする。石田にとって悪い事と言えば、
①トップを他家に取られる事
②仲田が浮きに回る事である。

南2局3本場終了時(順位点込み)
仲田+2.1P 内田+2.0P 石田▲0.9P 魚谷▲3.2P

 

100

 

「10回戦の行方」

南4局 親 仲田 ドラ東

オーラス、内田は24,800持ち。5,200をアガれば浮きにまわり、仲田が1人沈み。その条件を満たした手組でリーチを打つ。

一万二万三万一索二索六索七索八索一筒二筒三筒九筒九筒  リーチ

仲田はノーテンでもラス。さらに魚谷もアガリに来ている。
絶体絶命の状況でも丁寧に回る。安全にテンパイ取りは無理だと判断すると終局間際にチーして形式テンパイ、1牌だけ無スジを押して親権を維持した。

発のみ600オールをアガって繋いだ2本場。

一万一万二万二万三万三万四万四万四万九索九索七筒七筒  ロン七筒  ドラ三万

イーペーコードラ2で浮きに。

南4局2本場終了時(順位点込み)
仲田+25.2P 魚谷+4.1P 石田▲11.5P 内田▲17.8P

首位と最下位のポイントが5.3Pまで縮まった10回戦も仲田が30,000を超えただけでこんなに開いた。

3本場は魚谷がテンパイを維持しながらピンフドラの3メンチャンに手変わり。ツモれば仲田を沈める手になったのでリーチ選択もあったが、着実にヤミテンでアガった。2着に石田。浮きの3着に仲田となった。

 

100

 

 

11回戦(起家から、内田・魚谷・仲田・石田)

東1局 親 内田 ドラ八万

「私に行かせてください」

残り2回。ここでトップを取って最終戦に繋げたい。皆そう思っていたはずだ。親の内田はホンイツで仕掛けて加点・連荘を狙う。6巡目に石田からリーチが飛んで来たが、怯む事など出来ない。3フーロして何とか追いつくが、石田は軽々と北をツモりあげる。リーチツモ三暗刻ドラドラの3,000・6,000。

 

100

 

東2局 親 魚谷 ドラ五筒

東2局も石田が先制リーチ。親は絶対手放したくない魚谷も東ポンで追いつくが、ここもツモるのは石田。リーチタンヤオツモドラ。2,000・4,000。

八万八万三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  リーチ  ツモ二筒

「仲田さんを追う役目は私に行かせてください!」と言わんばかりの力強い攻め。たった2局で持ち点は50,000点になり、石田が首位に立った。

11回戦 東2局終了時(順位点込み)
石田+20.5P 仲田+19.2P 魚谷▲5.9P 内田▲33.8P

「攻撃と守備のバランス」

親番を迎えた仲田、まずはリーチのみの2,000をアガリ弾みをつける。

 

100

 

東3局 1本場 親 仲田 ドラ七万

ペン七索をチーした石田の手は2,000の二筒五筒待ち。仲田にもメンゼンで大きな手を被せる姿が見たかったが、鳴くのがマジョリティとも思う。石田も打点よりこの親を蹴る事を優先した。
しかし仲田のリーチが来る。無スジの一万を勝負し、高め123三色を放銃してしまう。

 

100

 

攻撃型なら真っ直ぐに一万切り、守備型なら中の暗刻落としの局面。終始守備寄りに見受けられた石田が、親の仲田に2,000点で勝負を挑んだのは意外だった。

石田は南3局3本場にも満貫をアガリ再び仲田に迫ったが、後一歩届かなかった。
11回戦は仲田がトップ、2着に石田。内田と魚谷はかなり厳しい条件戦となってしまった。

 

100

 

 

12回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)

いよいよ最終戦。
仲田との差は
石田▲44.2P
魚谷▲70.5P
内田▲81.3P

10回戦途中ではあんなに僅差だったのに、今は仲田が遠い。優勝するにはとにかく仲田を沈めなければならない。公式ルールの順位点は最大で20P。仲田が30,000を超えたら2番手の石田でも役満以上の点棒差が必要になる。

「高打点の打ち合い」

東1局 1本場 親 石田 ドラ西

1,500をアガって連荘した石田は、一筒待ち七対子テンパイ。魚谷は123三色確定リーチ。西家内田は自風でドラの西をポンして四万七万。3者激突の結果は内田のアガリ。石田は痛い放銃で1回目の親を落とす。

東2局 1本場 親 魚谷 ドラ四万

内田から5,800をアガった魚谷。今局もピンフドラの三万六万九万で先制リーチ。優勝するには直撃かツモアガリが欲しいところだが…。

二筒二筒三筒三筒七筒七筒八筒八筒南南北中中  ロン北

魚谷が持って来た北は石田のメンホン七対子のアタリ牌。石田同様痛い親落ちとなってしまう。

東3局 親 内田 ドラ四万

ツモれば2,600オールのカン七索で内田が先制。石田は高め234の二索五索で追いつくも二索は内田の現物かつ残り1牌しかない。リーチ宣言は出来ず五索ツモで1,000・2,000。素点をとにかく伸ばす方針なのか、直撃を狙う作戦なのか。石田の中で戦略がまとまってないのかも知れない。

仲田は29,000持ち。3者が手役を作って攻めてもなかなかダメージを与えられない。

「まさかの直撃でチャンス」

東4局 親 仲田 ドラ五索

親の仲田が好配牌だったが、6巡目に先にテンパイを果たしていたのは魚谷。

 

100

 

ドラが雀頭で一手変わり234のピンフ形。ヤミテンにして一索四索が振り変われば跳満、その後六万をツモアガリなら倍満まである。仮に先に六万九万ツモなら一索切りフリテンリーチもある。ただ、仲田の親で手を捏ねるのは隙にもなり得る。自分の親番も1回残っている。タンヤオは不確定。先に欲しい四索はよりによってドラ表示牌。四索より待ち牌の六万九万の方が多い。悩んだ結果、魚谷はピンフドラドラでリーチ宣言。ツモれば4,000を仲田に被せられる。もし脇から出てもアガって南場勝負だ。

仲田はオリ。そう思った観戦者は少なくないと思う。しかし、跳満まで見える好形1シャンテンの仲田は無スジを勝負。次に裏スジの六万まで押して魚谷に7,700を放銃した。

 

100

 

「行くか?オリるか?」

最終戦の仲田はここまで失点こそないが戦いの外だった。親番を迎え、やっとドラ含みタンピン形の綺麗な配牌をもらう。そこに魚谷からの小考リーチ。ポイントを考えれば安手愚形はないだろう。本手リャンメン以上ならあんなに悩まない。そうなると、本手愚形か。ヤミテン手変わりを考えたか。
手には2つ現物がある。しかし、愚形までケアするならスジも打ちたくない。最短3巡後には手詰まる。
ならばまっすぐ、は理に適っているとも言える。

さらに仲田には、この手でオリたらダメだという意図もあったらしい。オリたら手が落ちると思うか思わないは人それぞれだ。ただ、打つべき牌を打てない人間には次も打てない。逃げ回る麻雀は手を崩しアガリから遠ざかる。だいたいその先にあるのは他家のアガリだ。

仲田は逃げを嫌い戦う事を選んだが、結果は最悪。かくして3者のチャンスは広がり、仲田にはピンチが訪れた。この選択が正しいかどうかは、12回戦の結果が出ればわかる。

南1局。石田最後の親番。形式テンパイで連荘し、1本場には1,100オールをツモ。仲田にあと4.3ポイントと肉迫する。

南2局 2本場 親 石田 ドラ南

仲田の放銃で着順の並びが出来て一番恩恵を受けたのは石田。一気に畳み掛けて、仲田が苦しむ条件を押し付けたい所だ。
8巡目。厳しい配牌だったがツモが効いて1シャンテン。

一万二万三万三万五万六万八万八万九万二筒三筒四筒南  ツモ三万

最も広いのは南切りだがドラである。石田は八万切りとした。一気通貫を見ながらテンパイすればドラを放つか。

13巡目に四万をツモってテンパイ。石田の手が止まる。目立つドラ切りテンパイだからリーチか?役あり愚形だから丁寧にヤミテンか?

 

100

 

何と石田は四筒切りのメンツ抜き。ドラを打たず、そして1シャンテンで粘りもしなかった。本人のツイッターに、

「(前略)親が落ちたとしてもこの点差なら大丈夫って思いがあった。ここでもしも役満に打ったら…(後略)」

とあった。おそらくこの局の事だろう。
公式ルールで高打点のアガリにはかなりの確率で字牌が絡む。役満を意識すればなおさらだ。魚谷、内田は共に変則的な河で国士無双、小四喜は石田から見て否定出来ない。常に丁寧な石田だからこそ打てなかった。何度も素晴らしいアガリと我慢強さを見せてくれた。いくつかの勝負所の押し引きがどれか1つ違えば、優勝は十分あったように思う。

結果は仲田の1人テンパイで流局。石田はおよそ満貫ツモアガリの条件を残して親を手放し、残り3局に託した。
1シャンテンで放銃した仲田。テンパイでオリた石田。あまりに対照的な麻雀が凄く印象に残った。

南2局。魚谷最後の親番だ。

 

100

 

前局より強く役満を意識させられる内田の仕掛け。安手はあり得ない。客風の東からのポンも本物の気配がする。仮に小四喜まではなくてもドラの北を持っている可能性は極めて高い。しかし、魚谷は打った。やはりポンされる。死ぬほど怖いに違いない。だが、優勝するには行くしかない。
1,500をアガって次局。魚谷は中をポンして全力。石田は高め満貫のリーチを打つ。

 

100

 

石田、仲田の2人テンパイで流局。仲田は3着目に浮上する。魚谷は親流れ、内田の連荘に期待しつつ役満手を狙う。

四万の行方」

南3局。内田最後の親番。渾身の力を振り絞って美しいテンパイを組み、迷わずリーチを打つ。リーチタンヤオピンフ高め三色。四万ツモなら親の跳満だ。

五万六万六万七万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九万

魚谷は連荘歓迎だが、自ら振っては条件がより厳しくなるのでこの局はオリだろう。来るなら条件を満たした石田だ。そして仲田の手牌はドラ暗刻でこの形。

五万六万七万九万九万九万五索五索六索一筒二筒北北  ツモ八万  ドラ九万

1シャンテンキープなら五万八万だが、とりあえず北をトイツ落とし。

六万七万八万九万九万九万五索五索二筒三筒四筒北北北  ドラ九万

相手は親だから妥当な判断だが、もしまっすぐならこの満貫をアガれていた。それでも再びテンパイ。無スジの六索を勝負して役なしカン四万七万は山にはなくなったので内田と完全に同テン。ツモ山には2枚生きている。

 

100

 

仲田の手に四万が踊る!34,700点まで復帰。残るは1局、自身の親番を残すのみ。2番手の石田でも三倍満もしくは役満のツモか直撃が優勝条件。

オーラスは全員ノーテンで流局。

 

100

 

優勝は仲田加南。
2連覇、3度目の女流桜花に輝いた。

「平たい場を作り、出来たら自身がアガる」

観ていて感じた勝因は2つ。

①なるべく平たい場を作るための判断と実行力。
4人が素直に打つ場況を仲田は懸命に作り続けた。皆に優勝の条件があったからこそ途中での脇移動が多かった。昨年の桜花決勝に似た勝ち方だった。

②常に舞台の真ん中で戦い抜いた事。
時にはそのために自らが振りに回ることすらあった。昨年11回戦オーラスで振った満貫は結果論な側面もあったが、今年はより作為的に感じた。

誰もがなるべく平たい場を心掛けるが、それは他家が先行した時の話であって、第1希望は自身がぶっちぎる事だろう。仲田の麻雀はその優先順位が逆で、平たい場を作り、出来れば自身がアガる。だったように見えた。
首位を走りながら、時には交わされながら。常に冷静に戦う姿はとても格好良く、そして強かった。場況判断の正確さとメンタルの強靭さを見せ付けた。

仲田に話を聞くと「相手を見て麻雀打っているので、毎回打ち方は変わります。最終的には自分と戦う麻雀が強いと思いますが、私はまだそこまで行けてないです。」とのコメント。これが完成形ではなく、「自分の麻雀はこうです」とは言いたくないという。今後どう進化し、どんな麻雀を魅せてくれるのか注目だ。

 

100

 

女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第12期女流桜花決定戦 最終日観戦記 吾妻 さおり

「束の間の空位」
 
100
 
女流桜花はディフェンディング制のため、現桜花は1年間リーグ戦がない。連盟チャンネルで熱い闘牌を観ていると戦いの外に居るような寂しさすら感じる事がある。同時に、この中で最も充実した3名が自分に挑んでくると気合いも入る。
だが優勝カップを持って初日の会場に来た瞬間、現女流桜花としての日々は過去になる。今も現桜花といえど気持ちはカップを返却した瞬間からチャレンジャーだ。
果たして、物言わず佇むこの優勝カップ。今年は誰を待っているのか?
 
100
 
 
9回戦(起家から、仲田・魚谷・石田・内田)
東1局 親 仲田 ドラ七筒
「守備型に必要なもの」
親の仲田が先制リーチ
七万引きテンパイ。チャンタ三色までは伸びなかったが、親なら良し。
先に三索六索でピンフテンパイの石田。
三万四万五万一索二索三索四索五索五索六索七索四筒四筒  ツモ発
親リーチに発を切れず四筒で回るが、押せれば仲田が六索を掴んでいた。このアガリ逃しに暗雲低迷の予感がしてしまう。
一方、真っ向勝負を挑んだのは内田。タンヤオドラドラのテンパイから3,900の放銃。
 
100
 
結果は振りだが、これは良いと感じた。親リーチしただけで全員オリてくれるほど楽な事はない。後手でも反撃するぞという姿勢を見せてくれた。
 
100
 
東1局2本場 親仲田 ドラ五筒
仲田親番継続中。2枚目とはいえ中の後付けで一万からポン。
三筒五筒西西  ポン中中中  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ五筒
3フーロでドラ表示牌で2枚見えのカン四筒。苦しい形は十分承知。西五筒引きはトイトイに受け変えられる。西ポンのドラの裸単騎もあるか!?
ここでツモ切った九筒が内田の5,200に掴まる。先程の失点以上は戻って来た。
三索四索五索五筒五筒七筒八筒南南南  ポン北北北  ドラ五筒
「苦難の道」
東3局 親石田 ドラ八万
石田がダブ東ポンで愚形残りの1シャンテン。
ここで上家魚谷のリーチを受ける。
 
100
 
宣言牌の六筒をチーすればテンパイ。打六万でドラの八万単騎が打点的には魅力か。
しかし石田は六筒を鳴かず。数巡後に生牌の南をツモ切り5,200を放銃。打牌選択はツモに委ねたいか、オリる気は無かったようだ。
 
100
 
アガリ逃し、テンパイ取らずで放銃と苦しい石田。次は仲田の二副露にピンズをぶつけて九筒切り。いざポンされると八筒が打ち切れなくなり、八索でオリ打ち。揺れがはっきり見て取れる。
早めに立て直さないと優勝争いに絡めなくなってしまう。この回はラスでも、気持ちを整えて10回戦には平常心で戦う石田を観たい。
「魚谷、内田のトップ争い」
石田からの5,200を機に着実にアガリを重ねる魚谷。
南1局 親仲田 ドラ一索
四万五万六万一索二索二索三索三索四筒五筒六筒発発  リーチ  ツモ四索
安めながらツモって42,100点に。
南3局2本場 親石田 ドラ東
内田は南家。現在32,300持ち。オーラスの親が残っているが、このままでは魚谷はアガリトップ。トータル首位の仲田も32,600と浮きをキープしている。ラス目の石田も今回は終わらせに来るだろう。オーラス親は伸び伸びやらせてもらえそうにない。
ならばこの局はスピードも打点も必要。仕掛けてドラ単騎に受け1,300-2,600をツモアガリ。供託も入ってトップが見えてきた。
三万四万五万六筒七筒八筒東白白白  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ東
南4局 親 内田 ドラ八万
魚谷が仕掛けて終わらせに来ている。この局内田は最速でリーチを打つ手順を踏みたかったのだろう。好形変化を見込める四索四筒四万を全て切り、直線的な手組でカンチャンのドラ待ちリーチ。
五万五万五万七万九万二索二索四索五索六索三筒四筒五筒
流局で1人テンパイ。
持ち点は41,100点、これで魚谷と同点だ。
南4局1本場 親 内田 ドラ南
再びアガリ競争。
内田にとってオリる局ではない。手牌をパンパンに膨らませアガリ一直線、六万で魚谷に放銃となった。
二万二万四万五万三索四索五索七筒八筒九筒  ポン白白白
9回戦のトップはオーラスに競り勝った魚谷。2着に内田。30,100で3着の仲田までが浮き。
 
100
 
 
10回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)
「皆で引き出した七万
東1局1本場 親 石田 ドラ六索
二万三万四万六万七万八万四索四索六索七索八索三筒四筒  ドラ六索
内田がメンタンピンドラで先制リーチ。仲田とは僅か11.2ポイント差。アガれば瞬間逆転の手だ。
追いついたのは魚谷。三色ドラ2。
六万八万五索六索六索七索七索八索六筒七筒八筒東東
上目の三色を決め打って2巡目に四万を切っている。絶好の待ちで場もマンズが安いが、七万は内田の現物。オリ打ちの可能性を下げないためにヤミテン。
しかし親の石田が七筒ポンで攻め返す。魚谷にとっては内田の河を凝視して通る牌を選んでほしい局なのに、無スジをゴリ押されて安牌が増えては不都合。ツモ切りリーチに踏み切った。
さて、困ったのは仲田だ。誰が本手なのか非常にわかりにくい。
内田は先制リーチ。一番素直に河を読んで良さそうだ。マンズは通りそう、ピンズは切りづらい。ソーズならドラ跨ぎの五索八索、宣言牌跨ぎの二索五索か。
石田はポンして南トイツ落とし。テンパイかは微妙。親権維持の安手もあるが、リーチに向かった以上ドラを固めた可能性も考慮しなければ。
魚谷はツモ切りリーチ。役あり?本手?狙い目の待ち?安手?最終手出し三索は関連牌か?河は変則的だが後出しの牌を見ると七対子ではなさそう。となると安手ではなく手役絡みが濃厚か。
仲田の切り番はあと2回。2人にスジで1人に現物の七万は自身が対子でシャンポン待ちはない。もしこれが通れば流局まで凌げる。七万しかないか。
 
100
 
仲田から皆で引き出した七万は魚谷に満貫。仲田はラス目に転落。ここから伝説の大接戦が始まる。
10回戦東1局1本場終了時(※10回戦の順位点込み)
仲田+7.1P 魚谷+5.1P 内田+3.2P 石田▲15.4P
(※注意)上記にはまだ未確定な順位点も計上されている。仲田は10回戦終了時に30,000点以上に復帰出来るかは、今決定戦の大きな見所だ。
「魚谷、首位に立つ!」
東2局 親魚谷 ドラ七筒
石田が北高め三色ドラのリーチ。
五万六万七万五索六索七索五筒六筒西西北北北  リーチ  ツモ四筒  ドラ七筒
安めだが1,000・2,000のツモアガリ。少ないインターバルできっちり気持ちを切り替えて来た!
 
100
 
東3局 親内田 ドラ七万
しかし石田の試練はまだ終わらない。早い魚谷のヤミテンタンヤオドラ3に飛び込む!
二万三万四万四万六万七万七万七万三索三索六筒七筒八筒  ドラ七万
10回戦東3局終了時(順位点込み)
魚谷+15.1P 仲田+6.1P 内田+3.2P 石田▲24.4P
魚谷が遂にトータル首位に立つ!全員ごぼう抜きの首位浮上は想像以上に難しい。しかし、細く狭い針の穴を貫くかの如く、ここ一番でやってみせた。このまま振り切っての優勝も十分ありえる。
「気迫のぶつかり合い」
東4局、親の仲田は1,000オールツモで食らいつく。微差ながら3着浮上。
東4局1本場 親 仲田 ドラ五索
今度は仲田が先制リーチ!
メンタンピンドラ。出アガリ11,600、ツモれば親満。超ド級の勝負手だ。
石田もテンパイを入れている。南中ドラの3,900、ツモれば1,300・2,600。ここは全面対決か。
さらに追いついたのは内田。ここは勝負所。無スジを叩き切って追っかけリーチ!
 
100
 
気迫のぶつかり合い。観ていて心躍る素晴らしい対局だ。
内田の決意に牌が応えた。仲田が五筒を掴んでしまう。
内田、トータル2位に浮上。
東4局1本場終了時(順位点込み)
魚谷+14.1P 内田+8.1P 仲田+5.2P 石田▲27.4P
「歴史的大接戦」
史上類を見ない接戦。石田は少し引き離されてしまっている。何とか加点したい南場の親番。
南1局 親石田 ドラ八筒
二索二索六索七索八索九索七筒八筒九筒白白発中中
配牌1シャンテン。チャンタ・三元役が見える大物手だが、受け入れは狭い。役牌はポンせざるを得ないか。二索がトイツだと安くなる可能性があるので1枚外すか、三元役を見切って5.800アガリ率を上げる発切りも面白いが、石田は素直に六索切り。1枚目の二索が出るが、2,900ポンテンは見送り。石田もこの手格好なら最低3ハンは欲しいと考えたようだ。白を引き入れ中二索のシャンポンでリーチを打った。
 
100
 
魚谷はツモり三暗刻のテンパイ。石田の明らかな変則手を警戒してか、ヤミテンにしていた。そして持ってきたのは自身で切っている二索五索が石田の河にあるがどうみても平凡なリャンメン待ちではない。スジの二索は危険牌だが、止めれば今局はほぼオリ。勝負を選んで9,600を放銃した。
魚谷が石田に放銃し、仲田が首位に再浮上。上下の差はさらに詰まっていく。
南1局終了時(順位点込み)
仲田+5.2P 内田+5.1P 魚谷+0.5P 石田▲10.8P
南1局1本場も、親の石田が1,100オールをツモり連荘。
続く2本場が大きな分岐点となった。
「幻の6,200オール」
加速した石田をさすがに止めたい。そんな思いもあったのか。子の3者が動き出す。
まずは内田がペン七筒をチー。
七索九索一筒三筒三筒五筒六筒西中中  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き
一気通貫、ピンズのホンイツ、中の後付けと役は何とか付きそうだが、内田にしては珍しい遠い仕掛けだ。
続いて、魚谷が発ポン。
二万二万八万八万五索五索南西白中  ポン発発発
1ハン確定。トイトイも見える。魚谷なら当然のポンか。
立て続けに二万八万もポン出来た。
そして仲田。
四筒五筒七筒八筒八筒八筒東南北中  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き
ピンズのホンイツで一気通貫含みだが、字牌は4種バラバラ。仲田ならこのくらい遠くても鳴くか。
内田と仲田は動いたものの、各者の仕掛けを警戒してオリ気味、4センチの魚谷はまだ1シャンテン。
3者が牽制し合えば、必ず親石田の反撃リーチが来る!
四万四万四万五万四索六索七索八索九索四筒五筒六筒六筒  ツモ白
…はずだったが、何と石田は白を打たず四索切り。次巡は最もツモりたくない五索。そして六万
四万四万四万五万四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒  ツモ六万  ドラ五筒
この6,200オールをアガリ逃してしまう。
 
100
100
 
結果、魚谷の1人テンパイで流局。
次局、石田はピンフツモドラをアガリトップ目をキープするが、悪い予感がする。石田にとって悪い事と言えば、
①トップを他家に取られる事
②仲田が浮きに回る事である。
南2局3本場終了時(順位点込み)
仲田+2.1P 内田+2.0P 石田▲0.9P 魚谷▲3.2P
 
100
 
「10回戦の行方」
南4局 親 仲田 ドラ東
オーラス、内田は24,800持ち。5,200をアガれば浮きにまわり、仲田が1人沈み。その条件を満たした手組でリーチを打つ。
一万二万三万一索二索六索七索八索一筒二筒三筒九筒九筒  リーチ
仲田はノーテンでもラス。さらに魚谷もアガリに来ている。
絶体絶命の状況でも丁寧に回る。安全にテンパイ取りは無理だと判断すると終局間際にチーして形式テンパイ、1牌だけ無スジを押して親権を維持した。
発のみ600オールをアガって繋いだ2本場。
一万一万二万二万三万三万四万四万四万九索九索七筒七筒  ロン七筒  ドラ三万
イーペーコードラ2で浮きに。
南4局2本場終了時(順位点込み)
仲田+25.2P 魚谷+4.1P 石田▲11.5P 内田▲17.8P
首位と最下位のポイントが5.3Pまで縮まった10回戦も仲田が30,000を超えただけでこんなに開いた。
3本場は魚谷がテンパイを維持しながらピンフドラの3メンチャンに手変わり。ツモれば仲田を沈める手になったのでリーチ選択もあったが、着実にヤミテンでアガった。2着に石田。浮きの3着に仲田となった。
 
100
 
 
11回戦(起家から、内田・魚谷・仲田・石田)
東1局 親 内田 ドラ八万
「私に行かせてください」
残り2回。ここでトップを取って最終戦に繋げたい。皆そう思っていたはずだ。親の内田はホンイツで仕掛けて加点・連荘を狙う。6巡目に石田からリーチが飛んで来たが、怯む事など出来ない。3フーロして何とか追いつくが、石田は軽々と北をツモりあげる。リーチツモ三暗刻ドラドラの3,000・6,000。
 
100
 
東2局 親 魚谷 ドラ五筒
東2局も石田が先制リーチ。親は絶対手放したくない魚谷も東ポンで追いつくが、ここもツモるのは石田。リーチタンヤオツモドラ。2,000・4,000。
八万八万三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒  暗カン牌の背七索 上向き七索 上向き牌の背  リーチ  ツモ二筒
「仲田さんを追う役目は私に行かせてください!」と言わんばかりの力強い攻め。たった2局で持ち点は50,000点になり、石田が首位に立った。
11回戦 東2局終了時(順位点込み)
石田+20.5P 仲田+19.2P 魚谷▲5.9P 内田▲33.8P
「攻撃と守備のバランス」
親番を迎えた仲田、まずはリーチのみの2,000をアガリ弾みをつける。
 
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東3局 1本場 親 仲田 ドラ七万
ペン七索をチーした石田の手は2,000の二筒五筒待ち。仲田にもメンゼンで大きな手を被せる姿が見たかったが、鳴くのがマジョリティとも思う。石田も打点よりこの親を蹴る事を優先した。
しかし仲田のリーチが来る。無スジの一万を勝負し、高め123三色を放銃してしまう。
 
100
 
攻撃型なら真っ直ぐに一万切り、守備型なら中の暗刻落としの局面。終始守備寄りに見受けられた石田が、親の仲田に2,000点で勝負を挑んだのは意外だった。
石田は南3局3本場にも満貫をアガリ再び仲田に迫ったが、後一歩届かなかった。
11回戦は仲田がトップ、2着に石田。内田と魚谷はかなり厳しい条件戦となってしまった。
 
100
 
 
12回戦(起家から、石田・魚谷・内田・仲田)
いよいよ最終戦。
仲田との差は
石田▲44.2P
魚谷▲70.5P
内田▲81.3P
10回戦途中ではあんなに僅差だったのに、今は仲田が遠い。優勝するにはとにかく仲田を沈めなければならない。公式ルールの順位点は最大で20P。仲田が30,000を超えたら2番手の石田でも役満以上の点棒差が必要になる。
「高打点の打ち合い」
東1局 1本場 親 石田 ドラ西
1,500をアガって連荘した石田は、一筒待ち七対子テンパイ。魚谷は123三色確定リーチ。西家内田は自風でドラの西をポンして四万七万。3者激突の結果は内田のアガリ。石田は痛い放銃で1回目の親を落とす。
東2局 1本場 親 魚谷 ドラ四万
内田から5,800をアガった魚谷。今局もピンフドラの三万六万九万で先制リーチ。優勝するには直撃かツモアガリが欲しいところだが…。
二筒二筒三筒三筒七筒七筒八筒八筒南南北中中  ロン北
魚谷が持って来た北は石田のメンホン七対子のアタリ牌。石田同様痛い親落ちとなってしまう。
東3局 親 内田 ドラ四万
ツモれば2,600オールのカン七索で内田が先制。石田は高め234の二索五索で追いつくも二索は内田の現物かつ残り1牌しかない。リーチ宣言は出来ず五索ツモで1,000・2,000。素点をとにかく伸ばす方針なのか、直撃を狙う作戦なのか。石田の中で戦略がまとまってないのかも知れない。
仲田は29,000持ち。3者が手役を作って攻めてもなかなかダメージを与えられない。
「まさかの直撃でチャンス」
東4局 親 仲田 ドラ五索
親の仲田が好配牌だったが、6巡目に先にテンパイを果たしていたのは魚谷。
 
100
 
ドラが雀頭で一手変わり234のピンフ形。ヤミテンにして一索四索が振り変われば跳満、その後六万をツモアガリなら倍満まである。仮に先に六万九万ツモなら一索切りフリテンリーチもある。ただ、仲田の親で手を捏ねるのは隙にもなり得る。自分の親番も1回残っている。タンヤオは不確定。先に欲しい四索はよりによってドラ表示牌。四索より待ち牌の六万九万の方が多い。悩んだ結果、魚谷はピンフドラドラでリーチ宣言。ツモれば4,000を仲田に被せられる。もし脇から出てもアガって南場勝負だ。
仲田はオリ。そう思った観戦者は少なくないと思う。しかし、跳満まで見える好形1シャンテンの仲田は無スジを勝負。次に裏スジの六万まで押して魚谷に7,700を放銃した。
 
100
 
「行くか?オリるか?」
最終戦の仲田はここまで失点こそないが戦いの外だった。親番を迎え、やっとドラ含みタンピン形の綺麗な配牌をもらう。そこに魚谷からの小考リーチ。ポイントを考えれば安手愚形はないだろう。本手リャンメン以上ならあんなに悩まない。そうなると、本手愚形か。ヤミテン手変わりを考えたか。
手には2つ現物がある。しかし、愚形までケアするならスジも打ちたくない。最短3巡後には手詰まる。
ならばまっすぐ、は理に適っているとも言える。
さらに仲田には、この手でオリたらダメだという意図もあったらしい。オリたら手が落ちると思うか思わないは人それぞれだ。ただ、打つべき牌を打てない人間には次も打てない。逃げ回る麻雀は手を崩しアガリから遠ざかる。だいたいその先にあるのは他家のアガリだ。
仲田は逃げを嫌い戦う事を選んだが、結果は最悪。かくして3者のチャンスは広がり、仲田にはピンチが訪れた。この選択が正しいかどうかは、12回戦の結果が出ればわかる。
南1局。石田最後の親番。形式テンパイで連荘し、1本場には1,100オールをツモ。仲田にあと4.3ポイントと肉迫する。
南2局 2本場 親 石田 ドラ南
仲田の放銃で着順の並びが出来て一番恩恵を受けたのは石田。一気に畳み掛けて、仲田が苦しむ条件を押し付けたい所だ。
8巡目。厳しい配牌だったがツモが効いて1シャンテン。
一万二万三万三万五万六万八万八万九万二筒三筒四筒南  ツモ三万
最も広いのは南切りだがドラである。石田は八万切りとした。一気通貫を見ながらテンパイすればドラを放つか。
13巡目に四万をツモってテンパイ。石田の手が止まる。目立つドラ切りテンパイだからリーチか?役あり愚形だから丁寧にヤミテンか?
 
100
 
何と石田は四筒切りのメンツ抜き。ドラを打たず、そして1シャンテンで粘りもしなかった。本人のツイッターに、
「(前略)親が落ちたとしてもこの点差なら大丈夫って思いがあった。ここでもしも役満に打ったら…(後略)」
とあった。おそらくこの局の事だろう。
公式ルールで高打点のアガリにはかなりの確率で字牌が絡む。役満を意識すればなおさらだ。魚谷、内田は共に変則的な河で国士無双、小四喜は石田から見て否定出来ない。常に丁寧な石田だからこそ打てなかった。何度も素晴らしいアガリと我慢強さを見せてくれた。いくつかの勝負所の押し引きがどれか1つ違えば、優勝は十分あったように思う。
結果は仲田の1人テンパイで流局。石田はおよそ満貫ツモアガリの条件を残して親を手放し、残り3局に託した。
1シャンテンで放銃した仲田。テンパイでオリた石田。あまりに対照的な麻雀が凄く印象に残った。
南2局。魚谷最後の親番だ。
 
100
 
前局より強く役満を意識させられる内田の仕掛け。安手はあり得ない。客風の東からのポンも本物の気配がする。仮に小四喜まではなくてもドラの北を持っている可能性は極めて高い。しかし、魚谷は打った。やはりポンされる。死ぬほど怖いに違いない。だが、優勝するには行くしかない。
1,500をアガって次局。魚谷は中をポンして全力。石田は高め満貫のリーチを打つ。
 
100
 
石田、仲田の2人テンパイで流局。仲田は3着目に浮上する。魚谷は親流れ、内田の連荘に期待しつつ役満手を狙う。
四万の行方」
南3局。内田最後の親番。渾身の力を振り絞って美しいテンパイを組み、迷わずリーチを打つ。リーチタンヤオピンフ高め三色。四万ツモなら親の跳満だ。
五万六万六万七万八万四索五索六索七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ九万
魚谷は連荘歓迎だが、自ら振っては条件がより厳しくなるのでこの局はオリだろう。来るなら条件を満たした石田だ。そして仲田の手牌はドラ暗刻でこの形。
五万六万七万九万九万九万五索五索六索一筒二筒北北  ツモ八万  ドラ九万
1シャンテンキープなら五万八万だが、とりあえず北をトイツ落とし。
六万七万八万九万九万九万五索五索二筒三筒四筒北北北  ドラ九万
相手は親だから妥当な判断だが、もしまっすぐならこの満貫をアガれていた。それでも再びテンパイ。無スジの六索を勝負して役なしカン四万七万は山にはなくなったので内田と完全に同テン。ツモ山には2枚生きている。
 
100
 
仲田の手に四万が踊る!34,700点まで復帰。残るは1局、自身の親番を残すのみ。2番手の石田でも三倍満もしくは役満のツモか直撃が優勝条件。
オーラスは全員ノーテンで流局。
 
100
 
優勝は仲田加南。
2連覇、3度目の女流桜花に輝いた。
「平たい場を作り、出来たら自身がアガる」
観ていて感じた勝因は2つ。
①なるべく平たい場を作るための判断と実行力。
4人が素直に打つ場況を仲田は懸命に作り続けた。皆に優勝の条件があったからこそ途中での脇移動が多かった。昨年の桜花決勝に似た勝ち方だった。
②常に舞台の真ん中で戦い抜いた事。
時にはそのために自らが振りに回ることすらあった。昨年11回戦オーラスで振った満貫は結果論な側面もあったが、今年はより作為的に感じた。
誰もがなるべく平たい場を心掛けるが、それは他家が先行した時の話であって、第1希望は自身がぶっちぎる事だろう。仲田の麻雀はその優先順位が逆で、平たい場を作り、出来れば自身がアガる。だったように見えた。
首位を走りながら、時には交わされながら。常に冷静に戦う姿はとても格好良く、そして強かった。場況判断の正確さとメンタルの強靭さを見せ付けた。
仲田に話を聞くと「相手を見て麻雀打っているので、毎回打ち方は変わります。最終的には自分と戦う麻雀が強いと思いますが、私はまだそこまで行けてないです。」とのコメント。これが完成形ではなく、「自分の麻雀はこうです」とは言いたくないという。今後どう進化し、どんな麻雀を魅せてくれるのか注目だ。
 
100
 

何を切る?fromロン2 2018年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答を、グラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東2局1本場南家

 

プロ

七筒切り・・・22人
八筒切り・・・9人
七索切り・・・2人

 

 

ロン2ユーザー

七筒切り・・・49.7%
八筒切り・・・40.6%
二索切り・・・6.9%
七索切り・・・2.3%
八索切り・・・0.6%

 

 

プロ解答(50音順)

 

七筒切り

蒼山秀佑
「ドラが入ればリーチ。ソーズを持ってくればチンイツへ。」

吾妻さおり
「七対子の1シャンテンでもあるが、2枚切れの七筒切り。六筒九筒先埋まりはテンパイを取るが、ソーズ引きはチンイツも見る。」

鮎川卓
「先に二索九筒を引いたら、そのままリーチします。その他のソーズを引いた場合は、チンイツへ移行します。」

魚谷侑未
「だいたいチンイツに行きます。次巡九筒を引かない限り、七筒連打します。」

小車祥
「チンイツ本線で進めます。二索九筒ツモはリーチします。ツモ六筒はヤミテン。五索はピンズを切っていきます。」

客野直
「ドラ受けを固定しつつ、行けそうだったらチンイツに渡る。」

清原継光
「七対子のみのテンパイはいらない。チンイツを狙いつつ、先に九筒が入った時のみリーチを打ちます。六筒はツモ切ります。」

ケネス徳田
「染め準備。しかし無理はせずに、次の親番にかける。」

刀川昌浩
「ソーズの一色手を狙いながら、九筒引きの時だけ折り合いをつける。」

ダンプ大橋
「点数無いのでチンイツに。ドラツモだけはリーチ。」

ともたけ雅晴
「さすがにこの手牌だと、8,000以上のアガリにしたい。九筒を引いたらテンパイは取るが、リーチはしたくない。もう1枚六筒九筒を持ってきてから、イーペーコーを確定させてリーチ!」

仲田加南
「本来中東も持って七筒七筒と落としていきたい。ソーズにまっしぐら。」

中村慎吾
「チンイツまで見て。二索引きだけはリーチ。」

西岡慎泰
「チンイツを目指すため内側から切っていくが、九筒引きならテンパイを取る。」

浜上文吾
「テンパイには取らずに、ドラツモやイーペーコー、チンイツ狙いで高打点を目指します。」

藤島健二郎
「ソーズにしたいが、ドラ引きは妥協ライン。七筒から外す。」

藤本哲也
二索六筒九筒ツモはリーチ。それ以外のソーズはチンイツへ。」

古橋崇志
「チンイツ本線で。六筒九筒を引いた時は二索五索でリーチ。」

古本和弘
「ソーズのチンイツを目指します。打八筒でリャンペーコーもありますが、物足りない気がします。」

松崎良文
「チンイツを狙いつつ、六筒九筒を引いたら二索五索テンパイ取り。」

森下剛任
「ドラが固まってそうではあるが、打七筒からチンイツに渡る予定。」

吉沢康次
「ソーズへの渡りを考えながら、ドラ受けを残します。」

 

 

八筒切り

井出一寛
「とりあえずテンパイ取り。一気通貫、リャンペーコーへの渡りを打つ。二索を引いた場合は、打九索として八索単騎に取り、ヤミテンでドラを待つ。」

上村慎太郎
「点棒が無いため、高打点狙い。チンイツを念頭に、ドラ引きの際は七対子ドラドラも考えつつ。」

奈良圭純
「とりあえずテンパイに取るが、ソーズをツモってきたら七筒を切ります。」

一井慎也
「メンゼンは一気通貫かリャンペーコー。一索二索六索七索八索は仕掛けてチンイツへ。」

藤崎智
「ドラ受けはなくなりますが、リャンペーコーからソーズのチンイツまで見る。」

前原雄大
「待ちは取ります。ただ、開局役満放銃という現実を考えれば、どこからか攻めの手が上がった時にはオリを前提とする。もちろん、ツモ六索はアガリます。」

安村浩司
「巡目と天秤にかけながら、チンイツ、リャンペーコー、一気通貫への渡りを見る。」

柚木正仁
「ソーズは場に対して高いが、リャンペーコー、一気通貫への変化を見て打八筒を選択。一索八索九索いずれもリーチをかけるが、二索をすぐに持ってくれば七筒落とし。11~12巡目なら七対子ヤミテンとする。」

四柳弘樹
「チンイツを見つつ、巡目が深くなったら一気通貫orリャンペーコーで妥協します。」

 

 

七索切り

蛯原朗
「一気通貫とイーペーコーの両天秤の打七索とします。ツモ四索だけは打点が低くなるが、それ以外は打点がそれなりにありバランスが良い。」

中川基輝
「一気通貫またはイーペーコー、ピンフ、ドラのリーチを目指します。次局の親番に向け、少しでも加点する狙い。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2018年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答を、グラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東2局1本場南家

 
プロ

七筒切り・・・22人
八筒切り・・・9人
七索切り・・・2人
 
 
ロン2ユーザー

七筒切り・・・49.7%
八筒切り・・・40.6%
二索切り・・・6.9%
七索切り・・・2.3%
八索切り・・・0.6%
 
 
プロ解答(50音順)
 
七筒切り
蒼山秀佑
「ドラが入ればリーチ。ソーズを持ってくればチンイツへ。」
吾妻さおり
「七対子の1シャンテンでもあるが、2枚切れの七筒切り。六筒九筒先埋まりはテンパイを取るが、ソーズ引きはチンイツも見る。」
鮎川卓
「先に二索九筒を引いたら、そのままリーチします。その他のソーズを引いた場合は、チンイツへ移行します。」
魚谷侑未
「だいたいチンイツに行きます。次巡九筒を引かない限り、七筒連打します。」
小車祥
「チンイツ本線で進めます。二索九筒ツモはリーチします。ツモ六筒はヤミテン。五索はピンズを切っていきます。」
客野直
「ドラ受けを固定しつつ、行けそうだったらチンイツに渡る。」
清原継光
「七対子のみのテンパイはいらない。チンイツを狙いつつ、先に九筒が入った時のみリーチを打ちます。六筒はツモ切ります。」
ケネス徳田
「染め準備。しかし無理はせずに、次の親番にかける。」
刀川昌浩
「ソーズの一色手を狙いながら、九筒引きの時だけ折り合いをつける。」
ダンプ大橋
「点数無いのでチンイツに。ドラツモだけはリーチ。」
ともたけ雅晴
「さすがにこの手牌だと、8,000以上のアガリにしたい。九筒を引いたらテンパイは取るが、リーチはしたくない。もう1枚六筒九筒を持ってきてから、イーペーコーを確定させてリーチ!」
仲田加南
「本来中東も持って七筒七筒と落としていきたい。ソーズにまっしぐら。」
中村慎吾
「チンイツまで見て。二索引きだけはリーチ。」
西岡慎泰
「チンイツを目指すため内側から切っていくが、九筒引きならテンパイを取る。」
浜上文吾
「テンパイには取らずに、ドラツモやイーペーコー、チンイツ狙いで高打点を目指します。」
藤島健二郎
「ソーズにしたいが、ドラ引きは妥協ライン。七筒から外す。」
藤本哲也
二索六筒九筒ツモはリーチ。それ以外のソーズはチンイツへ。」
古橋崇志
「チンイツ本線で。六筒九筒を引いた時は二索五索でリーチ。」
古本和弘
「ソーズのチンイツを目指します。打八筒でリャンペーコーもありますが、物足りない気がします。」
松崎良文
「チンイツを狙いつつ、六筒九筒を引いたら二索五索テンパイ取り。」
森下剛任
「ドラが固まってそうではあるが、打七筒からチンイツに渡る予定。」
吉沢康次
「ソーズへの渡りを考えながら、ドラ受けを残します。」
 
 
八筒切り
井出一寛
「とりあえずテンパイ取り。一気通貫、リャンペーコーへの渡りを打つ。二索を引いた場合は、打九索として八索単騎に取り、ヤミテンでドラを待つ。」
上村慎太郎
「点棒が無いため、高打点狙い。チンイツを念頭に、ドラ引きの際は七対子ドラドラも考えつつ。」
奈良圭純
「とりあえずテンパイに取るが、ソーズをツモってきたら七筒を切ります。」
一井慎也
「メンゼンは一気通貫かリャンペーコー。一索二索六索七索八索は仕掛けてチンイツへ。」
藤崎智
「ドラ受けはなくなりますが、リャンペーコーからソーズのチンイツまで見る。」
前原雄大
「待ちは取ります。ただ、開局役満放銃という現実を考えれば、どこからか攻めの手が上がった時にはオリを前提とする。もちろん、ツモ六索はアガリます。」
安村浩司
「巡目と天秤にかけながら、チンイツ、リャンペーコー、一気通貫への渡りを見る。」
柚木正仁
「ソーズは場に対して高いが、リャンペーコー、一気通貫への変化を見て打八筒を選択。一索八索九索いずれもリーチをかけるが、二索をすぐに持ってくれば七筒落とし。11~12巡目なら七対子ヤミテンとする。」
四柳弘樹
「チンイツを見つつ、巡目が深くなったら一気通貫orリャンペーコーで妥協します。」
 
 
七索切り
蛯原朗
「一気通貫とイーペーコーの両天秤の打七索とします。ツモ四索だけは打点が低くなるが、それ以外は打点がそれなりにありバランスが良い。」
中川基輝
「一気通貫またはイーペーコー、ピンフ、ドラのリーチを目指します。次局の親番に向け、少しでも加点する狙い。」

第31期中部プロリーグ 第1節レポート

●Aリーグ:小野雅峻

先日、1月24日に第30期中部プロリーグ決勝戦が行われた。第30期より決勝戦が放送対局となり、どなたでも気軽に観戦が可能となった。出場者は全員に優勝経験があるベテラン揃いとなり、非常に見ごたえのある激戦となった。是非一度ご覧になって頂きたい対局であったと思う。その混戦となった決勝戦を制したのは、日本プロ麻雀連盟の最高峰、鳳凰戦A1リーグで活躍している古川孝次。第33・34期鳳凰位決定戦を連覇した前原雄大などと並び、尊敬し、目標とする大先輩である。いずれ同じ舞台に立つ事を目指し、努力をしていかなければならないと感じた。

2月、中部プロリーグの開幕月である。今回、レポートを書かせて頂くことになりました、中部本部29期生小野雅峻です。お付き合いよろしくお願いします。

今期で第31期となる中部プロリーグであるが、今期よりAリーグが全10節の通年制となった。とはいえ第1節に臨む姿勢としては今までとあまり変わる事はないだろう。第1節目から降級や残留を意識して対局に挑むような選手はAリーグにはいない。目指すは1年後の決勝卓、そして優勝である。当然、わたしの目標もそこである。第26期に決勝に残り、優勝という結果を残すことが出来たが、内容に関しては満足といえるものではなく、それ以降は決勝卓に残れていない。

第1節目の組み合わせは前節の結果より以下の通りとなった。
1卓 古川・山本(拓)・小野・伊藤
2卓 寺戸・日下・林・掛水
3卓 三戸・清水・土岐・都築
4卓 杉村・森下・朝岡・加藤

やはり気になるのは昇級組である加藤、都築であろうか。特に都築はCリーグからの連続昇級である。ベテランであればあるほど打ち慣れた相手の場合、打ち手の得意な戦術に対し手順を変化させていくものである。ところが初対局となるとそうはいかない。相手の打ち筋を見ようと慎重になることで後手を引いてしまい、相手のペースに呑まれてしまうという事は麻雀においてはよくあることである。

本日の結果としては、1卓以外は比較的大きく動くことなく終了した。残りの3卓では3回戦終了時で卓内トップだった者が4回戦で大きく沈むという結果になった。これは対局者がマークすべき相手を見極め、意識した上で対局した結果だろう。

今期より10節の長丁場となるAリーグ。これからどのような展開になっていくのか楽しみである。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 小野 雅峻 73.1 73.1
2 寺戸 孝志 35.7 35.7
3 朝岡 祐 22.1 22.1
4 土岐 雄太 17.8 17.8
5 加藤 泰史 16.2 16.2
6 伊藤 鉄也 15.6 15.6
7 林 俊宏 13.3 13.3
8 三戸 亮祐 5.4 5.4
9 古川 孝次 ▲ 2.0 ▲ 2.0
10 森下 剛任 ▲ 7.4 ▲ 7.4
11 掛水 洋徳 ▲ 8.9 ▲ 8.9
12 清水 哲也 ▲ 9.0 ▲ 9.0
13 都築 友和 ▲ 14.2 ▲ 14.2
14 杉村 泰治 ▲ 30.9 ▲ 30.9
15 日下 健司 ▲ 40.1 ▲ 40.1
16 山本 拓哉 ▲ 86.7 ▲ 86.7

 

●Bリーグ:安藤大貴

第31期中部プロリーグ、Bリーグのレポートを担当します28期生安藤大貴です。
半年間お付き合い頂ければ幸いです。

麻雀経験者なら経験した事があるであろう、調子の悪い日。
何故マイナスをしまうのか、勝ち続ける事はできないのであろうか。
麻雀は目に見えない所があるため、運要素がどうしても絡んできてしまう。
マイナスをしてしまう日があるのは、仕方ない事なのだろう。
では、調子の悪い日の立て直し方はどのようにしたらいいのか。
調子によって打ち方を変えるという事は、自分のフォームを崩す事になると、否定派の人も多いであろう。しかし麻雀という競技の永遠のテーマではないだろうか。
レポートと共に、今回このテーマについても各選手、どの様な手法を取っているのか聴いていきたい。

まず結果から見ていこう。
越川+61.4Pと良いスタートを切った、来節以降もまだまだポイントを伸ばす意気込みで対局に臨んでくるであろう、目が離せない選手である。

長谷川+29.9Pと卓内トップ。内容は4着、1着、2着、1着。1回戦4着後の盛り返しが見事であった。2回戦のチャンタ系の仕掛けが起点になった様に感じた。

金平+25.0P、2回戦時点で+60P越えであったがそこは大西、独走を許さなかった。
その大西も+15.3Pとまとめ上げた。

村瀬・斎藤は苦しいスタートとなった。2節目以降の盛り返しに期待したい。

私自身は▲33.7Pと痛恨のスタートとなってしまった。
1回戦から鳴く、鳴かない、の選択に結果間違ってしまって空回りしてしまっていた。
そこを踏まえて、2回戦以降に挑まなければいけなかった様に思える。
ならばどうしたら良かったのか。
この様な時は動かざること山の如し、のスタイルを意識していた。
安全に反撃のチャンスを伺うスタイルである、果たしてこの手法で良いのであろうか。
選手の数だけ考え方がある、来節以降他の選手の考え方を聴いていきたい。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 越川 清一 61.4 61.4
2 長谷川 弘 29.9 29.9
3 金平 裕樹 25.0 25.0
4 佐藤あいり 24.1 24.1
5 木村 東平 20.9 20.9
6 大西 義則 15.3 15.3
7 中谷 彰吾 7.6 7.6
8 青山 大 0.0 0.0
9 富村 つぐみ 0.0 0.0
10 牛尾 信之 0.0 0.0
11 大橋 幸正 0.0 0.0
12 田村 良介 ▲ 16.7 ▲ 16.7
13 高橋 侑希 ▲ 17.1 ▲ 17.1
14 安藤 大貴 ▲ 33.7 ▲ 33.7
15 斎藤 寛生 ▲ 47.9 ▲ 47.9
16 村瀬 寛光 ▲ 68.8 ▲ 68.8

 

●Cリーグ:原田知彦

Cリーグのレポートを担当します28期生の原田知彦です。拙い文章になるとは思いますが、半年間お付き合いいただければ幸いです。

中部プロリーグでは、リーグ参加者の増員のため今期からDリーグが新設された。これまではCリーグが最も下位のリーグであったため、降級を恐れることなく攻めに重点に置き、ポイントを叩けるときに叩くという意識を持って対局に臨んでいた者が多かったと思われる。しかし今期からは、降級が存在するためにそうはいかない。不調時にいかにマイナスを抑えられるかということも問われる。

昇級ボーダーは今まではおおよそプラス100ポイント前後なので、5節終了時にその数字に変化があるのか興味深いところである。

私の第1節の対局者は岡本・太田(峻)・蓮池であった。1回戦から蓮池は状態の良さを感じさせた。アガる手には、手役がある時よりもドラがある時が多かったし、役牌を一鳴きし1,000点でアガる時は他者からリーチが来ても危険牌を掴まずにツモれるというような状態であった。逆に良くなさそうだったのが太田で、攻めたつもりではないのに放銃になってしまうと感じられる局がしばしば見られた。その中間が岡本と私であったと思う。1回戦は太田の1人沈みで終了。

その状況が一変したのが2回戦。東場の太田の親番で、私は北家であった。0本場の流局間際での出来事。全員テンパイが濃厚で、私にハイテイが回ってきた。ツモってきた牌は、太田以外の2人には通りそう。太田に対しては両面待ちなら残りスジが数本のうちの1本という危険牌。ここでこう考えた。1人ノーテンなら▲3,000点だが、ドラは太田が1枚しか持って無いだろうから仮に太田に放銃になっても2,900点だろう。運良く通れば無失点で済むと。

結果、放銃になり予想どおりの2,900点の失点であった。が、1局という点で見れば2,900点だが、それがかなり太い線になってしまった。その後、太田は親番を6本まで積み、点棒は5万点近くまで伸ばした。当然トップで終了。私はというとその局以降、放銃牌が押し寄せ勝負手はアガれず、1人沈みのラスになってしまった。完全に勢いを太田に献上してしまった1局だと感じている。

その後3回戦、4回戦丁寧に打ったつもりではあったが体勢は立て直せず、大きなマイナスとなってしまった。
逆に状態の良さを維持できたのは蓮池で、仕掛けやリーチ判断が局面と合致していため、崩れる感じが無かった。まだ1節ではあるが暫定の1位もうなずける。
私は今日の1打を心に刻み、反省し、2節以降に活かしていきたい。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 蓮池 浩太 61.8 61.8
2 鈴木 基芳 55.1 55.1
3 若松 正和 32.3 32.3
4 杉浦 貴紀 22.4 22.4
5 大高坂 松城 4.4 4.4
6 河合 慎悟 1.7 1.7
7 岡本 丈司 0.2 0.2
8 大滝 聡 ▲ 2.0 ▲ 2.0
9 鈴木 淳 ▲ 2.4 ▲ 2.4
10 太田 峻也 ▲ 6.3 ▲ 6.3
11 堤 文吾 ▲ 11.3 ▲ 11.3
12 岡田 智和 ▲ 13.8 ▲ 13.8
13 大町 篤志 ▲ 18.2 ▲ 18.2
14 太田 充 ▲ 18.5 ▲ 18.5
15 花井 香央理 ▲ 50.7 ▲ 50.7
16 原田 知彦 ▲ 55.7 ▲ 55.7

 

●Dリーグ:浅野文雅

まだまだ寒波の続く中、第31期中部プロリーグが開幕した。
今期は新たに9人の新人が加わり、60人以上の大所帯になりDリーグが新設された。

ただ、中部プロリーグのDリーグでも第13回野口恭一郎賞受賞した池沢麻奈美や中部プロリーグ唯一の連覇を果たした鈴木雄介がいる。
同卓した新人たちはさぞ緊張したであろう。

中部プロリーグでは不調だが対局者は警戒するであろう。

ただ、降級がないため昇級のみを目指して戦える。

その強みを活かし新人には強くあたってもらいたい。

最後に、私自身のことですが、本手がなかなか決まらない苦しい展開でしたが、要所で運良く加点でき初節としては悪くなかったと感じます。
ただ、切ってから気づくミスはあり、反省すべき点である。

今回得た反省を活かし、第2節良い結果を残せる様に頑張りたいと思います。

Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木 雄介 45.3 45.3
2 近藤 美香 14.2 14.2
3 後藤 咲 11.6 11.6
4 吉川 裕太 11.4 11.4
5 池沢 麻奈美 0.0 0.0
6 奥 潤次 0.0 0.0
7 鈴木 涼太 0.0 0.0
8 日高 志穂 0.0 0.0
9 羽川 えりか 0.0 0.0
10 加来 千香子 ▲ 3.3 ▲ 3.3
11 浅野 文雅 ▲ 10.9 ▲ 10.9
12 山本 美文 ▲ 12.1 ▲ 12.1
13 鷲津 槙一 ▲ 24.3 ▲ 24.3
14 家田 みゆき ▲ 31.9 ▲ 31.9

中部プロリーグ レポート/第31期中部プロリーグ 第1節レポート

●Aリーグ:小野雅峻
先日、1月24日に第30期中部プロリーグ決勝戦が行われた。第30期より決勝戦が放送対局となり、どなたでも気軽に観戦が可能となった。出場者は全員に優勝経験があるベテラン揃いとなり、非常に見ごたえのある激戦となった。是非一度ご覧になって頂きたい対局であったと思う。その混戦となった決勝戦を制したのは、日本プロ麻雀連盟の最高峰、鳳凰戦A1リーグで活躍している古川孝次。第33・34期鳳凰位決定戦を連覇した前原雄大などと並び、尊敬し、目標とする大先輩である。いずれ同じ舞台に立つ事を目指し、努力をしていかなければならないと感じた。
2月、中部プロリーグの開幕月である。今回、レポートを書かせて頂くことになりました、中部本部29期生小野雅峻です。お付き合いよろしくお願いします。
今期で第31期となる中部プロリーグであるが、今期よりAリーグが全10節の通年制となった。とはいえ第1節に臨む姿勢としては今までとあまり変わる事はないだろう。第1節目から降級や残留を意識して対局に挑むような選手はAリーグにはいない。目指すは1年後の決勝卓、そして優勝である。当然、わたしの目標もそこである。第26期に決勝に残り、優勝という結果を残すことが出来たが、内容に関しては満足といえるものではなく、それ以降は決勝卓に残れていない。
第1節目の組み合わせは前節の結果より以下の通りとなった。
1卓 古川・山本(拓)・小野・伊藤
2卓 寺戸・日下・林・掛水
3卓 三戸・清水・土岐・都築
4卓 杉村・森下・朝岡・加藤
やはり気になるのは昇級組である加藤、都築であろうか。特に都築はCリーグからの連続昇級である。ベテランであればあるほど打ち慣れた相手の場合、打ち手の得意な戦術に対し手順を変化させていくものである。ところが初対局となるとそうはいかない。相手の打ち筋を見ようと慎重になることで後手を引いてしまい、相手のペースに呑まれてしまうという事は麻雀においてはよくあることである。
本日の結果としては、1卓以外は比較的大きく動くことなく終了した。残りの3卓では3回戦終了時で卓内トップだった者が4回戦で大きく沈むという結果になった。これは対局者がマークすべき相手を見極め、意識した上で対局した結果だろう。
今期より10節の長丁場となるAリーグ。これからどのような展開になっていくのか楽しみである。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 小野 雅峻 73.1 73.1
2 寺戸 孝志 35.7 35.7
3 朝岡 祐 22.1 22.1
4 土岐 雄太 17.8 17.8
5 加藤 泰史 16.2 16.2
6 伊藤 鉄也 15.6 15.6
7 林 俊宏 13.3 13.3
8 三戸 亮祐 5.4 5.4
9 古川 孝次 ▲ 2.0 ▲ 2.0
10 森下 剛任 ▲ 7.4 ▲ 7.4
11 掛水 洋徳 ▲ 8.9 ▲ 8.9
12 清水 哲也 ▲ 9.0 ▲ 9.0
13 都築 友和 ▲ 14.2 ▲ 14.2
14 杉村 泰治 ▲ 30.9 ▲ 30.9
15 日下 健司 ▲ 40.1 ▲ 40.1
16 山本 拓哉 ▲ 86.7 ▲ 86.7

 
●Bリーグ:安藤大貴
第31期中部プロリーグ、Bリーグのレポートを担当します28期生安藤大貴です。
半年間お付き合い頂ければ幸いです。
麻雀経験者なら経験した事があるであろう、調子の悪い日。
何故マイナスをしまうのか、勝ち続ける事はできないのであろうか。
麻雀は目に見えない所があるため、運要素がどうしても絡んできてしまう。
マイナスをしてしまう日があるのは、仕方ない事なのだろう。
では、調子の悪い日の立て直し方はどのようにしたらいいのか。
調子によって打ち方を変えるという事は、自分のフォームを崩す事になると、否定派の人も多いであろう。しかし麻雀という競技の永遠のテーマではないだろうか。
レポートと共に、今回このテーマについても各選手、どの様な手法を取っているのか聴いていきたい。
まず結果から見ていこう。
越川+61.4Pと良いスタートを切った、来節以降もまだまだポイントを伸ばす意気込みで対局に臨んでくるであろう、目が離せない選手である。
長谷川+29.9Pと卓内トップ。内容は4着、1着、2着、1着。1回戦4着後の盛り返しが見事であった。2回戦のチャンタ系の仕掛けが起点になった様に感じた。
金平+25.0P、2回戦時点で+60P越えであったがそこは大西、独走を許さなかった。
その大西も+15.3Pとまとめ上げた。
村瀬・斎藤は苦しいスタートとなった。2節目以降の盛り返しに期待したい。
私自身は▲33.7Pと痛恨のスタートとなってしまった。
1回戦から鳴く、鳴かない、の選択に結果間違ってしまって空回りしてしまっていた。
そこを踏まえて、2回戦以降に挑まなければいけなかった様に思える。
ならばどうしたら良かったのか。
この様な時は動かざること山の如し、のスタイルを意識していた。
安全に反撃のチャンスを伺うスタイルである、果たしてこの手法で良いのであろうか。
選手の数だけ考え方がある、来節以降他の選手の考え方を聴いていきたい。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 越川 清一 61.4 61.4
2 長谷川 弘 29.9 29.9
3 金平 裕樹 25.0 25.0
4 佐藤あいり 24.1 24.1
5 木村 東平 20.9 20.9
6 大西 義則 15.3 15.3
7 中谷 彰吾 7.6 7.6
8 青山 大 0.0 0.0
9 富村 つぐみ 0.0 0.0
10 牛尾 信之 0.0 0.0
11 大橋 幸正 0.0 0.0
12 田村 良介 ▲ 16.7 ▲ 16.7
13 高橋 侑希 ▲ 17.1 ▲ 17.1
14 安藤 大貴 ▲ 33.7 ▲ 33.7
15 斎藤 寛生 ▲ 47.9 ▲ 47.9
16 村瀬 寛光 ▲ 68.8 ▲ 68.8

 
●Cリーグ:原田知彦
Cリーグのレポートを担当します28期生の原田知彦です。拙い文章になるとは思いますが、半年間お付き合いいただければ幸いです。
中部プロリーグでは、リーグ参加者の増員のため今期からDリーグが新設された。これまではCリーグが最も下位のリーグであったため、降級を恐れることなく攻めに重点に置き、ポイントを叩けるときに叩くという意識を持って対局に臨んでいた者が多かったと思われる。しかし今期からは、降級が存在するためにそうはいかない。不調時にいかにマイナスを抑えられるかということも問われる。
昇級ボーダーは今まではおおよそプラス100ポイント前後なので、5節終了時にその数字に変化があるのか興味深いところである。
私の第1節の対局者は岡本・太田(峻)・蓮池であった。1回戦から蓮池は状態の良さを感じさせた。アガる手には、手役がある時よりもドラがある時が多かったし、役牌を一鳴きし1,000点でアガる時は他者からリーチが来ても危険牌を掴まずにツモれるというような状態であった。逆に良くなさそうだったのが太田で、攻めたつもりではないのに放銃になってしまうと感じられる局がしばしば見られた。その中間が岡本と私であったと思う。1回戦は太田の1人沈みで終了。
その状況が一変したのが2回戦。東場の太田の親番で、私は北家であった。0本場の流局間際での出来事。全員テンパイが濃厚で、私にハイテイが回ってきた。ツモってきた牌は、太田以外の2人には通りそう。太田に対しては両面待ちなら残りスジが数本のうちの1本という危険牌。ここでこう考えた。1人ノーテンなら▲3,000点だが、ドラは太田が1枚しか持って無いだろうから仮に太田に放銃になっても2,900点だろう。運良く通れば無失点で済むと。
結果、放銃になり予想どおりの2,900点の失点であった。が、1局という点で見れば2,900点だが、それがかなり太い線になってしまった。その後、太田は親番を6本まで積み、点棒は5万点近くまで伸ばした。当然トップで終了。私はというとその局以降、放銃牌が押し寄せ勝負手はアガれず、1人沈みのラスになってしまった。完全に勢いを太田に献上してしまった1局だと感じている。
その後3回戦、4回戦丁寧に打ったつもりではあったが体勢は立て直せず、大きなマイナスとなってしまった。
逆に状態の良さを維持できたのは蓮池で、仕掛けやリーチ判断が局面と合致していため、崩れる感じが無かった。まだ1節ではあるが暫定の1位もうなずける。
私は今日の1打を心に刻み、反省し、2節以降に活かしていきたい。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 蓮池 浩太 61.8 61.8
2 鈴木 基芳 55.1 55.1
3 若松 正和 32.3 32.3
4 杉浦 貴紀 22.4 22.4
5 大高坂 松城 4.4 4.4
6 河合 慎悟 1.7 1.7
7 岡本 丈司 0.2 0.2
8 大滝 聡 ▲ 2.0 ▲ 2.0
9 鈴木 淳 ▲ 2.4 ▲ 2.4
10 太田 峻也 ▲ 6.3 ▲ 6.3
11 堤 文吾 ▲ 11.3 ▲ 11.3
12 岡田 智和 ▲ 13.8 ▲ 13.8
13 大町 篤志 ▲ 18.2 ▲ 18.2
14 太田 充 ▲ 18.5 ▲ 18.5
15 花井 香央理 ▲ 50.7 ▲ 50.7
16 原田 知彦 ▲ 55.7 ▲ 55.7

 
●Dリーグ:浅野文雅
まだまだ寒波の続く中、第31期中部プロリーグが開幕した。
今期は新たに9人の新人が加わり、60人以上の大所帯になりDリーグが新設された。
ただ、中部プロリーグのDリーグでも第13回野口恭一郎賞受賞した池沢麻奈美や中部プロリーグ唯一の連覇を果たした鈴木雄介がいる。
同卓した新人たちはさぞ緊張したであろう。
中部プロリーグでは不調だが対局者は警戒するであろう。
ただ、降級がないため昇級のみを目指して戦える。
その強みを活かし新人には強くあたってもらいたい。
最後に、私自身のことですが、本手がなかなか決まらない苦しい展開でしたが、要所で運良く加点でき初節としては悪くなかったと感じます。
ただ、切ってから気づくミスはあり、反省すべき点である。
今回得た反省を活かし、第2節良い結果を残せる様に頑張りたいと思います。
Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木 雄介 45.3 45.3
2 近藤 美香 14.2 14.2
3 後藤 咲 11.6 11.6
4 吉川 裕太 11.4 11.4
5 池沢 麻奈美 0.0 0.0
6 奥 潤次 0.0 0.0
7 鈴木 涼太 0.0 0.0
8 日高 志穂 0.0 0.0
9 羽川 えりか 0.0 0.0
10 加来 千香子 ▲ 3.3 ▲ 3.3
11 浅野 文雅 ▲ 10.9 ▲ 10.9
12 山本 美文 ▲ 12.1 ▲ 12.1
13 鷲津 槙一 ▲ 24.3 ▲ 24.3
14 家田 みゆき ▲ 31.9 ▲ 31.9