「~仕舞い方~」 前原 雄大

初日を終え私はトータルラスだった。しかも、初戦トップを取りながらも終わってみればトータル4着という成績である。
身体は充分作り上げてきたつもりだった。初日の周辺は8日間で6日間、鳳凰戦を含め他の収録が決まっていた。しかも、全てルールが違う。
ここまで過密なスケジュールになるとは考えてなかったが、ある程度の覚悟はしていた。その為に6月から身体を作り上げてきたつもりだった。
このことは、ある意味麻雀プロとして、幸せ以外の何物でもない。

心技体とは良く言ったもので、どれが欠けてもベストパフォーマンスは叶わない。
他人にはどう映っているかは知る由もないが、心は健全だと思っている。技に関しては出来るだけシンプルな方向性を意識した。行くべき時は何処までも行き、受けるべき時は何処までも受ける事を意識した。
鳳凰戦のようなロングの戦いは長い目で1局を捉える必要がある。全16半荘の中の1局と見るということである。
また一方で、半荘単位で細切れに観る必要性もある。矛盾しているようだが私はそう考えている。

「それにしても、前原さんは手が入りませんね」
「前原さんはチャンス手が来ないですね」

解説者が幾度となくそう語っている。
いわゆる、天運というモノでその日のツキがないということなんだろう。
この言葉は打ち手に対する解説者のエクスキューズで、実際は自分自身で悪くしてしまったと考えている。

「何事でも同じことだが、仕舞い方は大事なこと」

そう躾けられてきた。

 
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四万五万六万九万一索二索三索五索六索二筒四筒西西  ツモ七筒  ドラ二筒

この手牌から古川孝次さんに7,700点を献上している。ご覧のように古川さんは手出し三筒三筒と並べている。いや、並べなくてはならない事情があったのだ。
つまりは、ドラのトイツをハッキリ明示しているものである。

この七筒の放銃はプロとしては在り得ないだろう。
勝負カタチになっていない__私にアガリ形が見えない牌姿からの放銃である。
アガリ形がない以上、受けるべき局面である。オーラスとはつまりはある意味仕舞時なのだ。仕舞い方を誤ったのである。

休憩時、私は歯を磨き、顔を洗った。そして、頭から水道の水を浴び続けた。
幾十もの決勝戦を経験してきたが、顔を洗ったことはあったが、流れ落ちる水道に頭を浸し続けたのは初めてだった。
意識して、そうしたわけではなかったのだが、そうしないと自分が許せなかったのだろう。
そうしたことで、何かが変わるわけではないことは誰でもわかることである。

 
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六万七万八万一索二索三索三索四索五索二筒二筒四筒五筒南  ドラ三筒

私はここでも打南のリーチを打っている。このリーチもないだろう。
ドラである、三筒がツモれるくらいならば、こんな持ち点になっていない。
ここに至るまでの過程は様々なことが起きた。ほとんどが私にとって利しない結果だった。最後だけ帳尻があうようには麻雀は出来ていない。
何より、イケないのは本手を打っていない。ここはヤミテンに構える局面だと考える。一索四索の振り替わりを待つのである。
その前にロン牌がでたなら黙ってアガる。それが、本手を打つということだろう。

ことに、長丁場の戦いであるならば3着と4着の順位点などという些末な処では勝負は決まらない。もっと大きな勝負処が必ずやって来るはずである。その時にエネルギーを蓄えておくべきである。
結果は、近藤さんの仕掛けで私のアガリを見たが、やはり、仕舞い方は間違っている。

対局中も思っていたが、こういうリーチを肝心なところで打っているから、十数回決勝に残りながらも2回しか鳳凰位に就いていないんだろう__。
私は休憩時に歯を磨き顔を洗い水道水に頭を突っ込んでいた。

 
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私は着順に拘ることなく1枚目の西から仕掛けた。目的は終戦である。
今日は近藤さんの1日であった。それはそれで良い。今日で終わるわけでは無いからである。
怖いのは近藤さんの連荘である。仕掛けずに黙っていると伸びやかに近藤さんに麻雀を打たれる気がした。
2種類目の南も仕掛けられた。

 
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五索五索六索六索六索二筒三筒  ポン南南南  ポン西西西

仕舞い方としては悪くないように思えた。
そこに古川さんのリーチが入る。全て真っ直ぐに行くつもりだった。
ところが、ツモ五索である。何を打つことが真っ直ぐなのか解らなくなった。
1つには西を仕掛けた時四筒を喰い下げている。それも気にかかっていた。

第一感では打六索だった。それでも理に従い打二筒とはしたもののアガれる気は全くしなかった。
それでも何とか流局で終わった。

 
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そもそも、私が仕舞いに行くべき局だったのか今でも良く解らない。
家路に着き映像を朝まで観て、一睡もできないまま翌日も対局だった。

体力は人並以上に持ち合わせている。ひとつの結果に悩み苦しみ次の日の対局に向かう。
麻雀プロとして、悪くはないな__そう考えながら会場に向った。

第120回『天下無双』 沢崎 誠

みなさんこんにちは。今月から上級講座を担当する事になりました、沢崎誠です。宜しくお願い致します。

 

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十三面といえば僕、僕と言えば国士無双でしょうか?麻雀を覚えたてのころから大変お世話になっている手役です。
連盟新人王戦で、予選最下位状態から7種7牌で5巡目に12種12牌。次巡に雀頭が出来てテンパイ、7巡目に即ツモ・これがきっかけで4連勝の大逆転優勝できたとても相性の良い役満です。
一つ難点は、6巡目に13面待ちに出来るような華が無い!と言う事でしょうか!?

話も文章書くのも超不得意ですが・・麻雀に関する事だけならと、原稿依頼を引き受けてしまいました。お手柔らかにお願い致します。

この国士無双ですが、配牌時に考えさせられますよね。流すべきか?国士無双に向かうべきか?
どちらにするのか、僕の経験上からの基準をお話したいと思います。

9種と一言で言いますが、数牌・風牌・三元牌と個性が違いますね。一括りにするのは如何なものかと思います。
数牌の一番の特徴はシュンツで使える事です。風牌は各自の風と場の風とありますから東場の東・南場の南は必要性の高い牌と言えます。また三元牌は常に役ですから・・2鳴きでポンとされればその時点で国士無双は手仕舞いとなります。ですから・・役牌が多い手牌ほど国士無双に向かうのに適しています。

数牌 字牌
(1) 一万九万一索九索一筒九筒東南西
(2) 一万九万一索九索一筒九筒東白発
(3) 一万九万一索一筒九筒東西北中
(4) 一万九万一索一筒九筒東西白中
(5) 一万九万九索一筒東南西北白
(6) 一万一索九索九筒東南西白中
(7) 一万九万九索一筒東南白発中
(8) 一万九索一筒東南西北白発
(9) 一万九索一筒東南北白発中
(10) 一万一索東南西北白発中

      

9種9牌を数牌・字牌と一応の目安として10段階に分類してみました。

(1)
場風は有りますが三元牌が一牌も無く、ポンとされて待ち牌が無くなるケースが多くみられます。

(2)
(1)に比べ三元牌2種となりましたが、字牌3種は少ないと思います。

(3)(4)
字牌が4種類と増えました。三元牌が1つ多い(4)の方が魅力あるように思います。

(5)(6)(7)
字牌5種類です。三元牌の数で(5)<(6)<(7)こんな感じでしょうか。

(8)(9)
字牌6種類!国士に向かいます。

(10)字牌7種類!! 文句無し、アガリに向けて一直線です

(1)(2)基本流します!途中流局。
(3)(4)国士に向かいますが、捨牌1列目の6巡目までに手牌に面白い変化が無ければ・・捨牌2列目くらいからは対応の麻雀と変わります。
(5)~(10)国士無双目指して手を進めます。テンパイを目指すのでは無く、アガリを目指します。ですから捨牌を考えて打たなくてはなりません。

河を作る事!それによって国士無双をやっている!と断定させるのを遅らせる事が大切です。対応を遅らせる事はアガるチャンスが増えると考えます。

東南西北白発中??????  

こんな7種7牌なら一九牌が無くても結構面白いところまで手牌が進むように思います。試す価値は十分有りますよ。

捨牌を考える(河を作る意識)

(6)
一万一索九索九筒東南西白中

(6)を使っての手牌です。

一万八万一索四索九索二筒五筒九筒東南西白中  ツモ六筒

第一打の選択は何切りでしょう?

A 八万
B 二筒
C 五筒
D 四索
E 六筒

国士無双に向かって見え見えで良い!と考えるなら、危険度の高い456辺りの中張牌を切り出して・・

捨牌 
六筒 上向き五筒 上向き四索 上向き二筒 上向き 

捨牌
四索 上向き五筒 上向き六筒 上向き二筒 上向き 

となるのでしょう。
四索切りや八万切りが悪いとは言いませんが好手とは思いません。
捨牌を四索八万八万四索での連打は悪手に見えます。何故ならこの手牌はピンズのホンイツに向かう手牌とは思えません。遠くにメンホン七対子を見るくらいでしょうか?

四索 上向き八万 上向き五筒 上向き六筒 上向き二筒 上向き

早い巡目にして国士無双か七対子かな?と情報を与えてしまいます。

僕が作る捨牌は・・
まず六筒のツモ切りはやめておきます。
第一打は手出しの五筒、次は二筒、その次にピンズを引けばツモ切り!引かなければ六筒とします。

派手な捨牌となりますが・・しばらくはマンズかソーズのホンイツ、七対子、国士無双と役を限定されません。

五筒 上向き二筒 上向き六筒 上向き・・。

ツモ牌がピンズなら河にピンズを並べます。頭になる九筒はツモ切りくらいが良いでしょう。

五筒 上向き二筒 上向き九筒 上向き六筒 上向き・・
五筒 上向き二筒 上向き六筒 上向き・・

この間に引いたマンズ・ソーズの牌数を比較します。2種類目の打牌は、手牌に中張牌の多い種類を先切りします。八万六万四索の手牌なら・・危険度の高い六万から八万と打牌します。

五筒 上向き二筒 上向き九筒 上向き六筒 上向き六万 上向き八万 上向き
五筒 上向き二筒 上向き六筒 上向き六万 上向き八万 上向き

ここまでの捨牌は対戦者から見ればソーズのホンイツ・七対子・国士無双に見えるでしょう。
3種類目の四索で国士無双の注目をされますが、3種類目の捨牌が短い事によって対戦者の老頭牌の処理や対応が難しくなります。
対戦者が国士無双と気がつくのを遅らせるにはこの方法がベストと思います。

先日のプロリーグ(第34期第3節B卓3回戦)から

 

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東1局、北家ドラ発 

配牌は八種八牌でした。
場風の東三元牌と揃っています。字牌は5牌有りますから国士無双を目指しても少し面白い手牌と考えました。
第一ツモが一筒と重なり、ピンズのメンホン七対子も狙えるかな?と考えました。

 

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次巡は一索をツモ。これで9種10牌。(7)の形となり国士無双一本に決めます。
ここで八索切りは次からピンズが溢れ出ますから、国士無双をしていますと教えているようなものなので禁じ手です。
ここは雀頭でも使える一筒ですが・・対面・上家に合わせて一筒切りで国士無双の匂い消しを考えます。

 

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ツモ牌 一筒一索一万西(引き良すぎます)

 

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ツモ五万九万でこの形です。一筒を持っていれば 

一万九万一索九索一筒一筒九筒東西北白発中

南待ちで国士無双のテンパイです。
捨牌三筒六筒あたりで、同種の字牌引きならツモ切りして迷彩したいところです。
画像のような事は稀にありますが、気にする必要は有りません。この対局はA1です。このくらいの事はしておかないと出アガリには結びつきません。

この九万ツモで考えます。雀頭はそのうち出来るでしょうが、

1、南はどこ?
2、リーチか否か?

 

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手牌はH柴田プロ。対面の瀬戸熊プロが6巡目に南を捨てています。
マンズ・ソーズと外して・・南は暗刻落としにも見えません!瀬戸熊プロは持っていないようです。

次に和久津プロですが、南は風牌、これだけでは南の有無は分かりませんが、ピンズ・マンズの捨牌とドラが発を考えると6巡目の南発がトイツで有れば動くし、1牌や無しでもホンイツに向けて動きもあるのかな?ここも持って無さそうです。

問題はH柴田プロ。この九索ツモで少考しました。
僕の3種類目のソーズ八索切りを見て違和感を持つ。とうぜんホンイツのテンパイや国士無双を考えたように見えます。そこで打牌に間があっての九索切りは南が暗刻ではない!という事になります。柴田プロが2牌持ちで山に1牌か山に3牌あると考える訳です。リーチでH柴田プロから出る事はありませんね。

 

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9巡目ようやく雀頭を重ねてテンパイ。ここは五索切りテンパイですが・・
他家から見て僕は何をしているのか?どう見えるのか?
それを考えればソーズのホンイツに見せていますから・・最終打牌の五索が手牌の一番右から出るのは避けたいところ。五索は手牌の中心部辺りからの打牌がベスト!
リーチはどうか?自分の捨牌を見れば河に老頭牌が一筒だけでは弱いと判断しヤミテンの選択です。

最初の画像、フリテン13面国士無双ですが、youtubeでは100万回超えの再生を頂きました。ありがとうございます。

 

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配牌 
二万四万二索二索三索七索八索九索七筒南西北北

ツモ牌 
東白四万中九筒二筒 
一索一万九万六万四索一筒 
五筒発東

捨牌 
七筒 上向き四万 上向き四万 上向き二万 上向き北二筒 上向き 
七索 上向き二索 上向き二索 上向き六万 上向き四索 上向き八索 上向き 
三索 左向き二万 上向き

この局5巡目の北切りについては色々と話題になっておりました。
何故に北切りなのかと話した事や、コメントした事も有りませんでした。
今回は国士無双がテーマなので、この講座をお借りしてお話したいと思います。

 

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配牌は5種6牌、ソーズは1面子・1ターツのマンズが1ターツ。
北がトイツで一見ソーズのホンイツに見えます。

 

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白中と引き入れての5巡目、九筒をツモ!暗い手牌が明るくなったような気がしました。
この手牌、まだ8種9牌しか有りません。一見二索切りが素直に見えますが、一索四索引いたら九筒切りからホンイツに向かいそうです。ソーズの面子も足りない感じです。字牌を重ねてポン・チーと動かなければこの手牌はアガリ切れないように見えます。全10節システムの第8節4回戦です。決定戦に向けてのポイントは、伊藤優孝プロに3回戦トップを取られ抜かれての2番手に下がりましたが、ポイントは十分有りました。ポン・チーしての3,900を目指すのはどうでしょう?ノーテンもOK!国士無双に向かおうと考えました。

選択は、デキ面子を崩す七索か、トイツの北の2択でした。
七索切りは字牌・字牌の重なりからメンホン七対子を目指すかも知れません。ですから・・自分の迷いを無くすためには北切りがベストで、迷彩とはまるで違います。

 

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ツモ国士!13面待ちでなくても良い感触です。
十数年前にアガリ数が300を超えて数えるのは止めましたが・・まだアガっていないのが、天下無双の国士無双です。何故?国士無双が最強なのか?
それは天和・国士無双だからです。無理?出来ない?
初めて麻雀牌に触れた女性が居ました。その初めての1局目に・・。
「切るものが無い」と、天和・国士無双でした。
僕にもそんなチャンスが来ないかな~。

次回も連盟チャンネルの対局から何かテーマを見つけたいと思います。
ありがとうございました。

上級/第120回『天下無双』 沢崎 誠

みなさんこんにちは。今月から上級講座を担当する事になりました、沢崎誠です。宜しくお願い致します。
 
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十三面といえば僕、僕と言えば国士無双でしょうか?麻雀を覚えたてのころから大変お世話になっている手役です。
連盟新人王戦で、予選最下位状態から7種7牌で5巡目に12種12牌。次巡に雀頭が出来てテンパイ、7巡目に即ツモ・これがきっかけで4連勝の大逆転優勝できたとても相性の良い役満です。
一つ難点は、6巡目に13面待ちに出来るような華が無い!と言う事でしょうか!?
話も文章書くのも超不得意ですが・・麻雀に関する事だけならと、原稿依頼を引き受けてしまいました。お手柔らかにお願い致します。
この国士無双ですが、配牌時に考えさせられますよね。流すべきか?国士無双に向かうべきか?
どちらにするのか、僕の経験上からの基準をお話したいと思います。
9種と一言で言いますが、数牌・風牌・三元牌と個性が違いますね。一括りにするのは如何なものかと思います。
数牌の一番の特徴はシュンツで使える事です。風牌は各自の風と場の風とありますから東場の東・南場の南は必要性の高い牌と言えます。また三元牌は常に役ですから・・2鳴きでポンとされればその時点で国士無双は手仕舞いとなります。ですから・・役牌が多い手牌ほど国士無双に向かうのに適しています。

数牌 字牌
(1) 一万九万一索九索一筒九筒東南西
(2) 一万九万一索九索一筒九筒東白発
(3) 一万九万一索一筒九筒東西北中
(4) 一万九万一索一筒九筒東西白中
(5) 一万九万九索一筒東南西北白
(6) 一万一索九索九筒東南西白中
(7) 一万九万九索一筒東南白発中
(8) 一万九索一筒東南西北白発
(9) 一万九索一筒東南北白発中
(10) 一万一索東南西北白発中

      
9種9牌を数牌・字牌と一応の目安として10段階に分類してみました。
(1)
場風は有りますが三元牌が一牌も無く、ポンとされて待ち牌が無くなるケースが多くみられます。
(2)
(1)に比べ三元牌2種となりましたが、字牌3種は少ないと思います。
(3)(4)
字牌が4種類と増えました。三元牌が1つ多い(4)の方が魅力あるように思います。
(5)(6)(7)
字牌5種類です。三元牌の数で(5)<(6)<(7)こんな感じでしょうか。
(8)(9)
字牌6種類!国士に向かいます。
(10)字牌7種類!! 文句無し、アガリに向けて一直線です
(1)(2)基本流します!途中流局。
(3)(4)国士に向かいますが、捨牌1列目の6巡目までに手牌に面白い変化が無ければ・・捨牌2列目くらいからは対応の麻雀と変わります。
(5)~(10)国士無双目指して手を進めます。テンパイを目指すのでは無く、アガリを目指します。ですから捨牌を考えて打たなくてはなりません。
河を作る事!それによって国士無双をやっている!と断定させるのを遅らせる事が大切です。対応を遅らせる事はアガるチャンスが増えると考えます。
東南西北白発中??????  
こんな7種7牌なら一九牌が無くても結構面白いところまで手牌が進むように思います。試す価値は十分有りますよ。
捨牌を考える(河を作る意識)
(6)
一万一索九索九筒東南西白中
(6)を使っての手牌です。
一万八万一索四索九索二筒五筒九筒東南西白中  ツモ六筒
第一打の選択は何切りでしょう?
A 八万
B 二筒
C 五筒
D 四索
E 六筒
国士無双に向かって見え見えで良い!と考えるなら、危険度の高い456辺りの中張牌を切り出して・・
捨牌 
六筒 上向き五筒 上向き四索 上向き二筒 上向き 
捨牌
四索 上向き五筒 上向き六筒 上向き二筒 上向き 
となるのでしょう。
四索切りや八万切りが悪いとは言いませんが好手とは思いません。
捨牌を四索八万八万四索での連打は悪手に見えます。何故ならこの手牌はピンズのホンイツに向かう手牌とは思えません。遠くにメンホン七対子を見るくらいでしょうか?
四索 上向き八万 上向き五筒 上向き六筒 上向き二筒 上向き
早い巡目にして国士無双か七対子かな?と情報を与えてしまいます。
僕が作る捨牌は・・
まず六筒のツモ切りはやめておきます。
第一打は手出しの五筒、次は二筒、その次にピンズを引けばツモ切り!引かなければ六筒とします。
派手な捨牌となりますが・・しばらくはマンズかソーズのホンイツ、七対子、国士無双と役を限定されません。
五筒 上向き二筒 上向き六筒 上向き・・。
ツモ牌がピンズなら河にピンズを並べます。頭になる九筒はツモ切りくらいが良いでしょう。
五筒 上向き二筒 上向き九筒 上向き六筒 上向き・・
五筒 上向き二筒 上向き六筒 上向き・・
この間に引いたマンズ・ソーズの牌数を比較します。2種類目の打牌は、手牌に中張牌の多い種類を先切りします。八万六万四索の手牌なら・・危険度の高い六万から八万と打牌します。
五筒 上向き二筒 上向き九筒 上向き六筒 上向き六万 上向き八万 上向き
五筒 上向き二筒 上向き六筒 上向き六万 上向き八万 上向き
ここまでの捨牌は対戦者から見ればソーズのホンイツ・七対子・国士無双に見えるでしょう。
3種類目の四索で国士無双の注目をされますが、3種類目の捨牌が短い事によって対戦者の老頭牌の処理や対応が難しくなります。
対戦者が国士無双と気がつくのを遅らせるにはこの方法がベストと思います。
先日のプロリーグ(第34期第3節B卓3回戦)から
 
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東1局、北家ドラ発 
配牌は八種八牌でした。
場風の東三元牌と揃っています。字牌は5牌有りますから国士無双を目指しても少し面白い手牌と考えました。
第一ツモが一筒と重なり、ピンズのメンホン七対子も狙えるかな?と考えました。
 
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次巡は一索をツモ。これで9種10牌。(7)の形となり国士無双一本に決めます。
ここで八索切りは次からピンズが溢れ出ますから、国士無双をしていますと教えているようなものなので禁じ手です。
ここは雀頭でも使える一筒ですが・・対面・上家に合わせて一筒切りで国士無双の匂い消しを考えます。
 
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ツモ牌 一筒一索一万西(引き良すぎます)
 
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ツモ五万九万でこの形です。一筒を持っていれば 
一万九万一索九索一筒一筒九筒東西北白発中
南待ちで国士無双のテンパイです。
捨牌三筒六筒あたりで、同種の字牌引きならツモ切りして迷彩したいところです。
画像のような事は稀にありますが、気にする必要は有りません。この対局はA1です。このくらいの事はしておかないと出アガリには結びつきません。
この九万ツモで考えます。雀頭はそのうち出来るでしょうが、
1、南はどこ?
2、リーチか否か?
 
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手牌はH柴田プロ。対面の瀬戸熊プロが6巡目に南を捨てています。
マンズ・ソーズと外して・・南は暗刻落としにも見えません!瀬戸熊プロは持っていないようです。
次に和久津プロですが、南は風牌、これだけでは南の有無は分かりませんが、ピンズ・マンズの捨牌とドラが発を考えると6巡目の南発がトイツで有れば動くし、1牌や無しでもホンイツに向けて動きもあるのかな?ここも持って無さそうです。
問題はH柴田プロ。この九索ツモで少考しました。
僕の3種類目のソーズ八索切りを見て違和感を持つ。とうぜんホンイツのテンパイや国士無双を考えたように見えます。そこで打牌に間があっての九索切りは南が暗刻ではない!という事になります。柴田プロが2牌持ちで山に1牌か山に3牌あると考える訳です。リーチでH柴田プロから出る事はありませんね。
 
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9巡目ようやく雀頭を重ねてテンパイ。ここは五索切りテンパイですが・・
他家から見て僕は何をしているのか?どう見えるのか?
それを考えればソーズのホンイツに見せていますから・・最終打牌の五索が手牌の一番右から出るのは避けたいところ。五索は手牌の中心部辺りからの打牌がベスト!
リーチはどうか?自分の捨牌を見れば河に老頭牌が一筒だけでは弱いと判断しヤミテンの選択です。
最初の画像、フリテン13面国士無双ですが、youtubeでは100万回超えの再生を頂きました。ありがとうございます。
 
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配牌 
二万四万二索二索三索七索八索九索七筒南西北北
ツモ牌 
東白四万中九筒二筒 
一索一万九万六万四索一筒 
五筒発東
捨牌 
七筒 上向き四万 上向き四万 上向き二万 上向き北二筒 上向き 
七索 上向き二索 上向き二索 上向き六万 上向き四索 上向き八索 上向き 
三索 左向き二万 上向き
この局5巡目の北切りについては色々と話題になっておりました。
何故に北切りなのかと話した事や、コメントした事も有りませんでした。
今回は国士無双がテーマなので、この講座をお借りしてお話したいと思います。
 
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配牌は5種6牌、ソーズは1面子・1ターツのマンズが1ターツ。
北がトイツで一見ソーズのホンイツに見えます。
 
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白中と引き入れての5巡目、九筒をツモ!暗い手牌が明るくなったような気がしました。
この手牌、まだ8種9牌しか有りません。一見二索切りが素直に見えますが、一索四索引いたら九筒切りからホンイツに向かいそうです。ソーズの面子も足りない感じです。字牌を重ねてポン・チーと動かなければこの手牌はアガリ切れないように見えます。全10節システムの第8節4回戦です。決定戦に向けてのポイントは、伊藤優孝プロに3回戦トップを取られ抜かれての2番手に下がりましたが、ポイントは十分有りました。ポン・チーしての3,900を目指すのはどうでしょう?ノーテンもOK!国士無双に向かおうと考えました。
選択は、デキ面子を崩す七索か、トイツの北の2択でした。
七索切りは字牌・字牌の重なりからメンホン七対子を目指すかも知れません。ですから・・自分の迷いを無くすためには北切りがベストで、迷彩とはまるで違います。
 
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ツモ国士!13面待ちでなくても良い感触です。
十数年前にアガリ数が300を超えて数えるのは止めましたが・・まだアガっていないのが、天下無双の国士無双です。何故?国士無双が最強なのか?
それは天和・国士無双だからです。無理?出来ない?
初めて麻雀牌に触れた女性が居ました。その初めての1局目に・・。
「切るものが無い」と、天和・国士無双でした。
僕にもそんなチャンスが来ないかな~。
次回も連盟チャンネルの対局から何かテーマを見つけたいと思います。
ありがとうございました。

Mr.Xの連盟Weekly!

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【十段戦】

 
 

四段戦までが終了。
ベスト16が決定するのが6/17。

決勝で待ち構える藤崎十段の麻雀のキレがすごい。
先日のA1リーグでは、絶不調の中こんな一局があった。

 

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ドラ表示牌のペンカン三万待ちでリーチをかけると、仕掛けた親の前田をおろしてアガリ逃しを誘発。
するとその直後、三万をツモアガリとなった。
かと思いきや、オーラスの親番で六筒九筒(高目タンヤオ)のピンフをヤミテン。

前者はヤミテン、後者はリーチとする人がマジョリティーだ。
不調の中じっとチャンスを待ち、それをしっかりと物にする。その後も慢心せず、自身のフォームで厳しく打つ。
現十段位の凄い麻雀を見てしまった…

 
 
 

【対局者同士の私語禁止】

 
 

イエローカード制度(仮名)の導入により、対局者同士の私語禁止をより徹底するようになった。

せっかく真面目な空気作りをしているところ申し訳ないのだが、この2人が無言でいる方が笑けてくるのは私だけではないだろう。

 

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水を得た魚

 

5回戦(感想戦)で、水を得た魚のように軽快なトークを繰り広げる前田直哉と藤崎智であった。

 
 
 

【日本シリーズ開幕!】

 
 

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★出場者
多井隆晴(前年度優勝・RMUリーグ優勝)
近藤千雄(最強位)
近藤誠一(最高位)
忍田幸夫(将王)
前原雄大(鳳凰位)
藤崎智(十段位)
佐々木寿人(麻雀グランプリMAX優勝)
藤田晋(連盟会長推薦著名人-麻雀日本シリーズ2015準優勝、2014最強位)
萩原聖人(連盟会長推薦著名人-麻雀日本シリーズ20163位)
鈴木達也(連盟会長推薦プロ-第2・6・8・10期雀王)
白鳥翔(連盟会長推薦プロ-第24・25期麻雀マスターズ連覇)
勝又健志(連盟会長推薦プロ-第33期鳳凰位など)
前田直哉(連盟会長推薦プロ-第32期鳳凰位、2015最強位など)
沢崎誠(連盟会長推薦プロ-2013最強位など)


放送予定 5/27 13:00~

麻雀日本シリーズ2017第1節


放送ページはこちら

5/27(土)、6/25(日)、7/29(土)、8/27(日)、9/17(日)、10/28(土)

 
 
 

【がらチャレ】

 
 

がらくたチャレンジマッチ準々決勝C卓、勝ち上がったのは庄田祐生!
今回も対局前からメンバーを見て笑っていた庄田は、危なげなく準決勝進出となった。

 

100

 

そして今回の配信で、準決勝シード者が「和久津晶」であると発表された!
そして、なんと和久津が優勝した場合はチームがらくたに入会が決定するとのことだ。

ようやく、番組としてピリッとしてきたがらくたチャレンジマッチに注目だ!

 
 
 

【さすがに太り過ぎだろう】

 
 

3年で30キロ太ってしまったという庄田。

 

100

3年前

100

現在

 

蝶ネクタイ、金髪など、キャラクター作りは結構だがもう少し健康的に太らないと選手生命も短くなっちゃうよ。

 

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100

 
 
 

【女流闘牌伝 aki -アキ- 公開目前】

 
 

前回もお伝えしたように、女流闘牌伝 aki -アキ-の公開日が迫っている。

 

100
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画像のように、何人かの女流プロが友情出演しているそうだ。

人気、実力に、人望まで兼ね備えた二階堂亜樹に死角なし。

 

100

 

後はこの男の活躍を願うばかりだ。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
 
【十段戦】
 
 
四段戦までが終了。
ベスト16が決定するのが6/17。
決勝で待ち構える藤崎十段の麻雀のキレがすごい。
先日のA1リーグでは、絶不調の中こんな一局があった。
 

100

 
ドラ表示牌のペンカン三万待ちでリーチをかけると、仕掛けた親の前田をおろしてアガリ逃しを誘発。
するとその直後、三万をツモアガリとなった。
かと思いきや、オーラスの親番で六筒九筒(高目タンヤオ)のピンフをヤミテン。
前者はヤミテン、後者はリーチとする人がマジョリティーだ。
不調の中じっとチャンスを待ち、それをしっかりと物にする。その後も慢心せず、自身のフォームで厳しく打つ。
現十段位の凄い麻雀を見てしまった…
 
 
 
【対局者同士の私語禁止】
 
 
イエローカード制度(仮名)の導入により、対局者同士の私語禁止をより徹底するようになった。
せっかく真面目な空気作りをしているところ申し訳ないのだが、この2人が無言でいる方が笑けてくるのは私だけではないだろう。
 

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水を得た魚

 
5回戦(感想戦)で、水を得た魚のように軽快なトークを繰り広げる前田直哉と藤崎智であった。
 
 
 
【日本シリーズ開幕!】
 
 

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★出場者
多井隆晴(前年度優勝・RMUリーグ優勝)
近藤千雄(最強位)
近藤誠一(最高位)
忍田幸夫(将王)
前原雄大(鳳凰位)
藤崎智(十段位)
佐々木寿人(麻雀グランプリMAX優勝)
藤田晋(連盟会長推薦著名人-麻雀日本シリーズ2015準優勝、2014最強位)
萩原聖人(連盟会長推薦著名人-麻雀日本シリーズ20163位)
鈴木達也(連盟会長推薦プロ-第2・6・8・10期雀王)
白鳥翔(連盟会長推薦プロ-第24・25期麻雀マスターズ連覇)
勝又健志(連盟会長推薦プロ-第33期鳳凰位など)
前田直哉(連盟会長推薦プロ-第32期鳳凰位、2015最強位など)
沢崎誠(連盟会長推薦プロ-2013最強位など)

放送予定 5/27 13:00~

麻雀日本シリーズ2017第1節


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5/27(土)、6/25(日)、7/29(土)、8/27(日)、9/17(日)、10/28(土)
 
 
 
【がらチャレ】
 
 
がらくたチャレンジマッチ準々決勝C卓、勝ち上がったのは庄田祐生!
今回も対局前からメンバーを見て笑っていた庄田は、危なげなく準決勝進出となった。
 

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そして今回の配信で、準決勝シード者が「和久津晶」であると発表された!
そして、なんと和久津が優勝した場合はチームがらくたに入会が決定するとのことだ。
ようやく、番組としてピリッとしてきたがらくたチャレンジマッチに注目だ!
 
 
 
【さすがに太り過ぎだろう】
 
 
3年で30キロ太ってしまったという庄田。
 

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3年前

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現在

 
蝶ネクタイ、金髪など、キャラクター作りは結構だがもう少し健康的に太らないと選手生命も短くなっちゃうよ。
 

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【女流闘牌伝 aki -アキ- 公開目前】
 
 
前回もお伝えしたように、女流闘牌伝 aki -アキ-の公開日が迫っている。
 

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画像のように、何人かの女流プロが友情出演しているそうだ。
人気、実力に、人望まで兼ね備えた二階堂亜樹に死角なし。
 

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後はこの男の活躍を願うばかりだ。

第26期マスターズ 決勝観戦記 小車 祥

2017年4月30日
第26期麻雀マスターズもついに決勝。
2000人以上が参加し、この舞台を目指した。
この日夏目坂スタジオにいる撮影スタッフ、実況解説、立会人、観戦記者、採譜スタッフなどなど。
その全てがこの舞台を目指し戦い、敗れた。
今期決勝に残った4名に、簡単に意気込みを聞いてみた。

 

100

四柳弘樹(連盟)第22期麻雀マスターズ準優勝
「4年前、めっちゃ悔しかったんですよ。今回こそはと思ってます。優勝だけ目指して頑張ります」

 

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佐月麻理子(日本プロ麻雀協会)第14期女流雀王
「ベスト56トーナメントで最終局に苦しい配牌からピンフのみのアガリで勝ち上がったんですよ。あのアガリが一番嬉しかったアガリなんですけど、今日もあの時のイメージで戦いたいと思います」

 

100

松崎良文(連盟)第26期チャンピオンズリーグ優勝
「第26期チャンピオンズリーグ優勝に第26期十段戦決勝進出。26期に縁があるんですよね。これ勝ったら子供に二六(じろう)って名付けようかな」

 

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武藤武(連盟)日本プロ麻雀連盟東北本部長
「いい麻雀を打てるように頑張ります。東北の皆の期待を背負ってという部分もありますが、自分らしく麻雀を打ちたいです」

 

対局前の選手の雰囲気はピリピリしているというよりは、かなり落ち着いていて、話しかけた私に(観戦記者のみインタビューが許されている)冗談なんかを言えるほどだった。
各選手、対局前にできる準備は全てできていて、後は牌を交えるだけだという印象を覚えた。

日本プロ麻雀連盟WRCルール(一発・裏ドラありの世界選手権ルール)での対局。
決勝は半荘5回戦を行い優勝者を決める。

 

 

100

 

1回戦(起家から、四柳・佐月・松崎・武藤)

東1局 親 四柳
決勝のファーストテンパイは佐月。6巡目にノータイムでリーチを打つ。

四万四万五万六万七万一索一索二索三索四索七索八索九索  リーチ  ドラ四万

手牌変化も見込めるテンパイだったがリーチを打ったことには1つの意志を感じた。
おそらくリーチに対して対局者がどう出るか見たかった等ではない。先手、打点十分、役なし、だからリーチ。そういうことに思えた。
それを見ていた私は思った。佐月は手強いと。佐月はブレない。折れない。

そしてリーチを受けた武藤の手牌が以下。

四万五万六万七万四索六索八索九索九索九索四筒五筒六筒  ツモ三万

まだ河の情報も少ない巡目で開局ということを考えると、まずはまっすぐぶつけていく四索切りや三色を残す八索切りを選択するかと思ったが、武藤は手の中唯一の現物である七万を切る。
開始前にいい麻雀が打ちたいと言っていた武藤、ここは冷静で慎重な入り方を選んだ。
すぐに八万を引いていてテンパイこそ遅れてしまったが、武藤は数巡後に五索をツモって以下のリーチを打つ。

四万五万六万四索五索六索八索九索九索九索四筒五筒六筒  リーチ

佐月の河に七索が切られていて、ヤミテンの選択もあった武藤だが、ここはリーチ。
バランスの取り方が独特だと思った。後手を踏んだ1シャンテンからのリスクは取らない。しかし価値あるテンパイになれば最高打点で仕上げる。
いきなりそれぞれの意志がぶつかる局となったが、アガリを獲得したのは武藤。
数巡後に八索をツモって裏ドラが五万。3,000・6,000のアガリ。

東2局 親 佐月
実は東1局に佐月はアガれる手順があった。ヤミテンに構えて変化を見ていれば三索二索とツモって3,000・6,000のアガリになっていた。
しかし佐月はなんとも思っていない。リーチなものはリーチなのだと。そう言わんばかりに、またノータイムのリーチ。

一万二万三万六索七索七索八索九索七筒八筒九筒南南  リーチ  ツモ八索  ドラ六万  裏二万

今度は気持ちよく一発ツモを決め、裏ドラも乗せた。
4,000オールのアガリ。

東3局1本場 親 松崎
武藤が仕掛けを入れしっかりとアガリきる。

五万五万九万九万九万五索六索四筒五筒六筒  ポン白白白  ツモ四索  ドラ五万

1,300・2,600は1,400・2,700のアガリで再度トップ目に。

南1局4本場 親 四柳
四柳もこの親番でアガリを決める。

四万五万六万三索三索四索四索五索東東  ポン中中中  ロン二索  ドラ三索

テンパイした松崎から5,800は7,000のアガリ。

南1局6本場
四柳が12巡目にリーチを打つ。

一万二万三万三万四万五万二索三索四索二筒四筒六筒六筒  リーチ  ドラ二索

しかし四柳の待ちはもう山には残っていなかった。
そこへ置いていかれるわけにはいかない松崎もリーチ。

五万六万二索二索七索八索九索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ

松崎の待ちは山に3枚。結果は四柳からのロンアガリ。
8,000は9,800と供託のリーチ棒が4本とかなりの収入となった。

南2局2本場 親 佐月
5万点オーバーのトップ目に立つ武藤、12巡目にテンパイしヤミテンに構える。

四万五万六万四索五索六筒七筒八筒白白発発発  ドラ白

同巡、四柳もテンパイしてリーチを打つ。

七万七万三索四索五索六索六索六索七筒八筒九筒白白  リーチ

白は武藤と持ち合っていて高目はなかったが、七万をツモった四柳。
2,000・4,000は2,200・4,200。

南3局 親 松崎
佐月が先制リーチ。

一万二万三万七万八万九万六索八索三筒四筒五筒六筒六筒  リーチ  ドラ九万

松崎も追いついてリーチ。

七万八万九万二索三索四索四索五索八索八索二筒三筒四筒  リーチ

実は七索は山に3枚、三索は山に2枚、六索は山には0枚だった。
ツモアガったのは松崎。裏ドラは六万で2,600オール。
南場に入って前半劣勢だった2名が追い上げてくる。

南3局1本場
仕掛けを入れ、自力でテンパイを入れた四柳。

一万一万四万四万四万五万五万九筒九筒九筒  ポン白白白  ドラ四筒

佐月のリーチ宣言牌である一万を捕らえ5,200は5,500のアガリ。

南4局 親 武藤
武藤以外の3名が2万点台で、3名の2着争いになりそうなオーラス。
こういう局面は勝負手が入れば武藤にとってもチャンスとなりやすい。
僅か5巡目、その武藤がリーチ。

四万四万四万五万六万四索五索六索一筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ六万

親以外の3名の誰も戦える手牌にはならないまま、武藤があっさり六筒をツモ。
大きくリードを広げる6,000オール。

なんと1回戦は2時間を超えるロングゲームとなった。
一度はトップ目に立っていた佐月が気づけばラス。
武藤は最高の形で1回戦を終えた。

1回戦成績
武藤+47.2P 松崎▲2.8P 四柳▲16.9P 佐月▲27.5P

 

2回戦(起家から、佐月・四柳・武藤・松崎)

東1局 親 佐月
松崎が先制リーチ。

七万八万九万七索八索九索一筒三筒七筒七筒中中中  リーチ  ドラ九万

佐月はリーチを受けながらうまく立ち回り、深い巡目に追いついてリーチを打つ。

三万四万五万六万七万八万二索二索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ

しかし追いつくのが遅すぎた。佐月の待ちはかなり少なくなっていた。
松崎が二筒をツモ。2,000・4,000のアガリ。

東3局 親 武藤
佐月は早い巡目から軽快に役牌の西から仕掛けていく。
佐月には仕掛けが多めの選手という印象はあるが、この局面はトータルトップ目の武藤の親ということもあったかもしれない。
もちろんリードしている方がいいに決まっているのだが、逃げる形になった選手にはその者にしかわからないプレッシャーや状況判断の難しさが生じる。
軽めの仕掛けから思い通り手牌が伸び、最終的に以下のテンパイになる。

九万九万四筒四筒四筒六筒六筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ポン西西西  ドラ七筒

松崎はピンフドラ1の1シャンテンで以下の形。

四万五万六万九万一索二索三索八索八索二筒三筒七筒八筒  ツモ九筒

佐月の仕掛けはマンズのホンイツにも見え、佐月から最後に切られたマンズが4枚目の八万
この九万はかなり危険な牌とわかっている松崎、覚悟を決めた表情で九万を横向きに置く。
佐月、松崎から5,200のアガリ。

東4局 親 松崎
14巡目、佐月がリーチ。

二万三万四万二索二索二索四索五索六索八索八索二筒三筒  リーチ  ドラ八索

15巡目、四柳もリーチ。

二万三万四万五万六万三索四索四索四索五索二筒三筒四筒  リーチ

軍配は佐月に上がる。一筒をツモって裏ドラは七筒
2,000・4,000のアガリでトップ目に躍り出る。

南1局 親 佐月
以下、武藤の配牌と最初のツモ。

三万二索三索四索八索八索五筒七筒東東北中中  ツモ東  ドラ八索

ドラドラあるのでホンイツは見ずに北から切る。
3巡目に六筒を引き入れ、八索中のシャンポン待ちでリーチを打つ。
こうなると第一打の北が活きる。ついホンイツを見て三万あたりから切りたくなってしまう手牌だが、自分のトータルポイントなどを考えると自然なアガリが大事だという認識だろう。
情報が少ない早い巡目の内にポロリと中が出る可能性は十分になった。
10巡目、四柳が以下のテンパイ。

六万六万三索四索八索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ六筒

一気通貫が確定したこの手では、ドラの八索を勝負してリーチといくのが自然。
四柳は手痛い8,000の放銃となってしまう。

南4局 親 松崎
40,000点持ちトップ目の佐月が7巡目にテンパイ。

六万六万六万二索三索四索五索五索二筒二筒二筒五筒六筒  ドラ四万

武藤を追う立場ということでリーチもあるかもしれないが、確実にトップを取っておくことに重きを置いてヤミテンに構える佐月。
すぐに四筒をツモってきっちり500・1,000をアガる。

佐月がトップを取り武藤を追う。
しかし武藤もしっかり2着につけており、隙のない戦いを見せる。

2回戦成績
佐月+27.0P 武藤+7.1P 松崎▲5.3P 四柳▲28.8P

2回戦終了時
武藤+54.3P 佐月▲0.5P 松崎▲8.1P 四柳▲45.7P

 

3回戦(起家から、松崎・佐月・武藤・四柳)

東1局1本場 親 松崎
四柳が以下のリーチ。

七万八万九万四索五索六索九索九索七筒八筒九筒白白  リーチ  ドラ西

九索は2枚切れていたが、大きなビハインドを背負っている四柳はそれでもリーチ。
松崎が直後にテンパイ。

二万二万三万三万四索四索五索六索六索四筒四筒六筒六筒

ヤミテンに構えていたが、白をツモったタイミングで白をツモ切りリーチ。
しかしリーチは通らず四柳への放銃。裏ドラは六索で5,200は5,500。

東2局 親 佐月
四柳、ヤミテンからイメージ通りの手変わりをしてリーチを打つ。

三万三万六万七万八万四索四索五索六索七索六筒七筒八筒  ツモ六索  打四索 左向き  ドラ二万

そして最高の八索ツモ。裏ドラは八万で3,000・6,000。

東3局 親 武藤
3回戦に四柳が抜け出すことは、武藤にとって悪くない展開だった。
武藤と四柳のトータルポイントの差はちょうど100P。
四柳が走って佐月と松崎にトップを取らせないでくれるのは武藤にとって悪くない。
その武藤が7巡目に先制リーチを打つ。

六万七万八万六索七索二筒三筒四筒南南  暗カン牌の背北北牌の背  リーチ  ドラ二万三筒

2巡後、あっさり八索をツモ。裏ドラが二筒九万。4,000オールのアガリ。武藤が強い。

東4局2本場 親 四柳
12巡目、チャンス手をもらっていた四柳がようやくテンパイに辿り着く。

六万七万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒東東  リーチ  ドラ東

次に佐月が以下の手牌。

二万二万二万二万四万五万二索三索四索六索七索四筒五筒  ツモ八索

ここから二万を暗カンする。テンパイすればぶつけていくぞという意志表明にも見えた。
しかしリンシャン牌はあろうことかドラの東。この牌を切らずに自分のアガリを見るとなるとかなり厳しい状況となる。佐月は現物の八索を切ってリャンシャンテンに戻すしかなくなってしまった。
暗カンで一発は消えたが四柳がすぐにツモ。

六万七万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒東東  リーチ  ツモ八万  ドラ東三筒  裏二筒三筒

6,000は6,200オールの大きなアガリ。

東4局3本場
武藤、8巡目にチーしてテンパイを入れる。

二万二万二万五万六万七万四索五索三筒三筒  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ドラ六筒

局を進めることの価値が高い武藤、自然な仕掛けに見える。
この仕掛けで佐月がテンパイを入れる。

三万五万六万二索三索三索四索四索五索三筒五筒七筒七筒  ツモ四筒

三色には受けず、打三万でタンピンにしてリーチを打つ佐月。
一発で四万を掴んだ武藤、佐月に対して手の内全て無スジではテンパイを維持せざるを得ない。
七万と入れ替えて佐月に放銃。8,000は8,900。
武藤は2着安泰のような持ち点だっただけに、佐月だけでなく四柳と松崎にとっても嬉しい結果となった。

南1局 親 松崎
佐月が5巡目にテンパイ。

一万二万三万三万五万六万七万八万二索三索四索一筒一筒  ドラ一筒

一気通貫やピンフやイーペーコやドラ引きなどを見てヤミテンに構える。
7巡目、二万をツモってピンフ高目イーペーコに変化。
一万が2枚切れということもあってか、佐月はなおもヤミテン続行。
元々仕掛けを入れていた武藤がここに2フーロ目を入れる。

一索二索三索四索五索五索七索  ポン東東東  ポン白白白

この動きを見て佐月、持ってきた五索二索を入れ替えてリーチを打つ。
武藤、この二索をチーするとペン三索待ちのテンパイが取れたがここはスルー。
自力でテンパイを入れる。

一索一索三索四索五索五索七索  ポン東東東  ポン白白白

数巡後、武藤が四万を掴んでツモ切り。2局続けて佐月への満貫放銃となる。

一万二万二万三万三万五万六万七万三索四索五索一筒一筒  ロン四万

8,000。この放銃で武藤はラスに転落してしまった。

南4局 親 四柳
8巡目、佐月がテンパイ。

八万八万二索三索一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ一索  ドラ五筒

仕掛けを入れている武藤がたった今二筒を切ったところ。マンズのホンイツにも見える。
佐月はドラの五筒を切ってのリーチを選択。武藤からの直撃も狙えると見たか。
この五筒を武藤が仕掛け、武藤もテンパイ。

六万六万七万七万八万北北  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン白白白

深い巡目、佐月が二筒をツモ。裏ドラは六筒で3,000・6,000は3,100・6,100。

先にリードを持って逃げる立場だった武藤。
道中の仕掛けや押し引きに大きな欠点があったとは思えないが、観戦している私から見てもその判断の難しさを思い知らされた半荘となった。
武藤のワンサイドゲームになる可能性もあった決勝も、誰が優勝してもおかしくないトータルポイントになった。

3回戦成績
四柳+42.5P 佐月+14.0P 松崎▲19.8P 武藤▲36.7P

3回戦終了時
武藤+17.6P 佐月+13.5P 四柳▲3.2P 松崎▲27.9P

 

4回戦(起家から、武藤・松崎・佐月・四柳)

東1局 親 武藤
佐月が先制リーチを打つ。

二万三万四万六索七索二筒二筒三筒三筒四筒四筒八筒八筒  リーチ  ドラ七索

松崎も勝負手テンパイ。リーチをかけてぶつけにいく。

四万五万六万七万八万九万七索七索六筒七筒東東東  リーチ

松崎のリーチ一発目のツモが東でこれを暗カン。
リンシャン牌は佐月への放銃となる五索だった。

二万三万四万六索七索二筒二筒三筒三筒四筒四筒八筒八筒  リーチ  ロン五索  ドラ七索七筒  裏九索東

12,000。

東3局 親 佐月
今度は松崎がリーチ。

二万三万二索二索三索四索五索七筒八筒九筒発発発  リーチ  ツモ一万  ドラ五索  裏七筒

2,000・4,000をアガリ、食らいついていく。

南1局1本場 親 武藤
佐月が仕掛けを入れ、15巡目に自力テンパイ。

一索二索二索二索三索四索四索四索六索七索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ドラ六筒

四柳がリーチを打つ。

八万八万二索三索七索八索九索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ

勝ったのは佐月。四柳が八索を掴んで放銃。8,000は8,300。

南2局 親 松崎
四柳にチャンス手が入る。以下、6巡目の四柳の手牌。

一万一万一万四索四索二筒二筒四筒六筒六筒  暗カン牌の背九索 上向き九索 上向き牌の背  ドラ一万六万

8巡目、武藤がリーチ。

二万四万六万七万八万一索二索三索四索五索六索一筒一筒  リーチ

9巡目、松崎が追いかける。

三万四万五万五索六索七索六筒七筒七筒八筒八筒東東  リーチ

四柳は松崎のリーチ宣言牌の二筒をポンすればテンパイだが、2件リーチを受けてもなおスルー。自力で二筒をツモり、ツモれば四暗刻のテンパイ。リーチを打つ。

一万一万一万四索四索二筒二筒二筒六筒六筒  暗カン牌の背九索 上向き九索 上向き牌の背  リーチ

しかしこの時点で四索六筒も山には残っていなかった。二筒をポンしていれば武藤が四索を掴んでいた。
あくまで四暗刻に拘った四柳、僅かにその思いは届かない。
四柳、さらに一万を暗カン。新ドラは五筒
武藤が九筒を掴み、松崎のアガリとなった。

三万四万五万五索六索七索六筒七筒七筒八筒八筒東東  リーチ  ロン九筒  ドラ一万六万五筒  裏二索二索四万

3,900。

南2局2本場
松崎が仕掛けて以下のテンパイ。

一索二索三索五索七索西西西中中  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ドラ中

更に八索をツモって六索九索待ちに変化。
武藤がメンゼンテンパイし、リーチを打つ。

五万五万五万五索六索七索五筒六筒七筒南南中中  リーチ

しかし武藤の待ちは山には1枚も残っていなかった。六索を掴み松崎に放銃。12,000は12,600。

南2局3本場
四柳が9巡目にテンパイ。

二索三索四索四索五索六索七索八索七筒七筒九筒南南  ツモ七筒  ドラ二筒

リーチを打つかとも思ったが、ヤミテンにして打点を追う。
次に佐月がテンパイ。

一索二索三索五索六索七索八索九索一筒二筒三筒西西

佐月はここでヤミテンを選択。
四柳がイメージ通り一索をツモって四索と入れ替えリーチ。
そう、この四索は佐月への高目での放銃となってしまう牌。
8,000は8,900。
四柳は四暗刻の局に続き、打点を追ったことが結果的にまたもや裏目に出てしまう。

南4局1本場 親 四柳
松崎が10巡目テンパイ。

三万四万五万二索三索四索六索六索三筒四筒四筒五筒六筒七筒  ドラ九索

松崎はここから四筒を切ってリーチ。八筒がフリテンになっていたので七筒切りリーチもあったが、あえて三面張にしてツモアガリに賭けた。
3,900出アガリだと直撃でない場合、佐月を捲らない。しかしツモアガリなら無条件で佐月を捲ってトップ。こういう点数状況も影響している。
佐月も14巡目にテンパイ。ヤミテンに構えた。

二万三万四万八万八万四索五索五索六索六索四筒五筒六筒

流局が近づいてきた16巡目、四柳もリーチをかける。

五万六万七万五索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒八筒  リーチ

四柳のリーチに対して一発目、佐月の手牌が以下の通り。

二万三万四万八万八万四索五索五索六索六索四筒五筒六筒  ツモ八万

オリるなら四柳のリーチ宣言牌である三万を切ることもできるが、テンパイ維持をするなら四柳と松崎に対してスジになっている六索を切るという選択もある。
佐月が選んだのは後者。四柳がリーチをした段階で山には残っていなかった六索を、佐月から打ち取ることに成功。
四柳、12,000は12,300のアガリ。

南4局2本場
武藤が5巡目にリーチ。ツモアガリとなって4回戦終了。

二万三万四万九万九万九万六索七索八索五筒六筒東東  リーチ  ツモ四筒  ドラ九索  裏五筒

1,000・2,000は1,200・2,200。

4回戦成績
松崎+25.8P 佐月+11.2P 武藤▲7.8P 四柳▲29.2P

4回戦終了時
佐月+24.7P 武藤+9.8P 松崎▲2.1P 四柳▲32.4P

 

最終戦(起家から、武藤・松崎・四柳・佐月)

100

1回戦は4着でのスタートとなった佐月がトータルトップ目で最終戦を迎えることになるとは、あまり想像がつかなかった展開である。
そして展開を言うならば、武藤と佐月がゲームの中心にいるところを、四柳と松崎が安定感のある内容で劣勢ながらも粘っているという印象だ。
特に決勝5回戦という短期決戦では、自分の立ち位置によってやるべきことがコロコロ変わるという難しさがある。
高いステージでの戦いに慣れている四柳と松崎が、その経験の差で最後まで自分のチャンスを残していた。

東1局 親 武藤
佐月がまずは軽いアガリで局を進める。
武藤の親ということでその価値は高い。

二万二万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ロン八筒  ドラ八索

武藤からのロンアガリ。2,000。

東2局 親 松崎
10巡目、松崎がリーチを打つ。

四万五万六万三索四索五索七索七索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ五万

同巡、武藤も追っかけリーチ。

五万五万五索六索七索七索八索九索一筒三筒四筒六筒八筒  ツモ五筒  打一筒 左向き

七索八筒は山に残っておらず、七筒は山に3枚。武藤、七筒をツモアガリ。
2,000・4,000。

東4局 親 佐月
佐月が3巡目から積極的に仕掛けていく。

二万三万六万七索七索七索八索九索四筒五筒  ポン発発発  ドラ五筒

この仕掛けから以下の手牌まで変化。

二万三万六索七索七索八索八索九索五筒五筒  ポン発発発

ここからさらにドラの五筒を暗刻にして打二万一索をツモって一索単騎に受け変える。
場にはソウズがかなり切れていて、一索は誰も使えなかった。
誰が持ってきてもツモ切る一索を四柳が掴む。

一索六索七索七索八索八索九索五筒五筒五筒  ポン発発発  ロン一索

佐月、積極的な仕掛けから大きな大きな12,000へと繋げていく。

南1局3本場 親 武藤
武藤は落とせない親番。12巡目にテンパイ。ヤミテン。

一万二万三万五万六万二索三索四索三筒四筒五筒七筒八筒九筒  打五万  ドラ北

直後、佐月がリーチ。

七万七万七万七万八万三索三索四索五索六索五筒六筒七筒  リーチ

武藤の仮テンの六万が捕まってしまっている。武藤は三筒をツモって打六万
どうせ仮テンなら佐月の現物である五万単騎にする選択もあっただけに、少し悔やまれる結果となってしまった。

南2局 親 松崎
四柳がリーチを打つ。

四索四索五索五索六索四筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ南

松崎も追いついて以下の手牌。

七万七万八万八万三索五索五索七索八索四筒四筒発発  ツモ七索

八索はリーチの現物だったが、八索にアガリがあると見たか。三索を切ってリーチ宣言。四柳への8,000放銃となる。
この親落ちで松崎の条件はかなり苦しいものとなった。

南3局 親 四柳
四柳もこの親でかなり連荘しなければならない点数状況。
15巡目、武藤がリーチをする。

一万二万三万五万六万七万四索四索三筒三筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ六万

1,000・2,000ツモならオーラス跳満ツモ条件が残る武藤。
リーチ後に八筒をツモって暗カンをする。新ドラは八索で乗らず。
ここで松崎から武藤のアガリ牌である三筒が切られる。
武藤は松崎から3,200をアガっても跳満ツモ条件まで届かない。しかし裏ドラを2枚見ることができるのでアガるかと思ったが、ここはスルーを選択。
1人テンパイで流局となれば跳満ツモ条件が残る。なるほど確かにその方がいいかもしれない。
最後のツモで四柳が執念でテンパイを入れる。
これが一番武藤にとってもありがたかった。

南3局1本場
武藤、9巡目の手牌。

四万五万七万七万七万七索八索九索二筒三筒六筒六筒北  ツモ七筒  ドラ三筒

失うものはなく、追うしかない武藤はここは七筒を抱えて目一杯に構えるべきだ。
しかし武藤は七筒をツモ切りとする。次巡八筒をツモ。これは痛いと言わざるを得ない。
それでも武藤が13巡目にテンパイしてリーチ。

四万五万七万七万七万七索八索九索一筒二筒三筒六筒六筒  リーチ

四柳も15巡目にリーチを打つ。

四万五万六万六万五索六索三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西  打六万

この六万を武藤はまたもやスルーする。
アガって裏1でも乗らなくてもオーラスは跳満ツモ条件。しかし武藤が七筒を残しているとピンフドラ1のリーチになっていて、裏が1枚乗ればオーラス満貫ツモ条件にすることができた。それならば「ロン」と声が出ていたのではないだろうか。
ここで見逃して1,000・2,000をツモると、リーチ棒が出たことによって武藤はオーラス満貫ツモ条件になるという要素もあった。
見逃しの是非はわからないが、この見逃しで武藤に待っていたのは最悪の結果。
七索を一発で掴み、四柳へ12,000は12,300の放銃となってしまう。

南3局2本場
それでも武藤がここで大物手をテンパイする。

三索三索六索六索七索七索八索八索西西北北白  リーチ  ドラ白

タンヤオ仕掛けをしていた四柳に白が浮いていた。四柳から出た白を今度こそロン。
16,000は16,600をアガって、武藤はオーラス跳満ツモ条件を残す。

南4局 親 佐月
泣いても笑っても最終局。
佐月はノーテンと伏せるだけ。
比較的、現実的な逆転優勝条件は武藤の跳満ツモ。
その武藤は5巡目に以下の手牌。

七万八万九万一索三索七索八索九索二筒三筒八筒東東  ドラ一筒

二索をツモってリーチして一筒をツモれば逆転優勝というところまできていた。
しかしここから欲しい牌を持ってくることはなく、4枚目の二索を佐月がツモった時点で佐月の優勝が確定。
流局して全員が手牌を伏せた。

佐月はただ一点を見つめていた。
対局開始から終了後まで、選手としての冷静な立ち振る舞いを一貫していたのが印象的だった。

最終戦成績
佐月+33.5P 武藤+12.3P 四柳▲16.3P 松崎▲29.5P

最終結果
佐月+58.2P 武藤+22.1P 松崎▲31.6P 四柳▲48.7P

決勝の戦いを振り返ると、佐月は常にブレない芯の強さを持っていたように思う。
仕掛ける、リーチを打つ、攻める、オリる。
その一つ一つの選択に強い意志があり、その意志が勝利へと佐月自身を導いたのだ。

対局後、本人に少し話を聞くと、対局中に見せていた真剣なまなざしと打って変わって柔らかな笑顔を見せた。
しきりに「嬉しいです」と話す様子に、肩の荷が下りたのだなと感じる。

第9期以来の女流プロの戴冠となった今期の麻雀マスターズ。
麻雀マスターズの歴史に佐月麻理子という名を刻み幕を閉じた。
これからも続いていく勝者と敗者の戦いに胸を熱くし、次の戦いに備えるのは皆同じだろう。

ただ一言、この4名に私はどうしても伝えておきたいことがある。
その言葉でこの観戦記を締めよう。

「熱い対局をありがとうございました」
100

麻雀マスターズ 決勝観戦記/第26期マスターズ 決勝観戦記 小車 祥

2017年4月30日
第26期麻雀マスターズもついに決勝。
2000人以上が参加し、この舞台を目指した。
この日夏目坂スタジオにいる撮影スタッフ、実況解説、立会人、観戦記者、採譜スタッフなどなど。
その全てがこの舞台を目指し戦い、敗れた。
今期決勝に残った4名に、簡単に意気込みを聞いてみた。
 
100
四柳弘樹(連盟)第22期麻雀マスターズ準優勝
「4年前、めっちゃ悔しかったんですよ。今回こそはと思ってます。優勝だけ目指して頑張ります」
 
100
佐月麻理子(日本プロ麻雀協会)第14期女流雀王
「ベスト56トーナメントで最終局に苦しい配牌からピンフのみのアガリで勝ち上がったんですよ。あのアガリが一番嬉しかったアガリなんですけど、今日もあの時のイメージで戦いたいと思います」
 
100
松崎良文(連盟)第26期チャンピオンズリーグ優勝
「第26期チャンピオンズリーグ優勝に第26期十段戦決勝進出。26期に縁があるんですよね。これ勝ったら子供に二六(じろう)って名付けようかな」
 
100
武藤武(連盟)日本プロ麻雀連盟東北本部長
「いい麻雀を打てるように頑張ります。東北の皆の期待を背負ってという部分もありますが、自分らしく麻雀を打ちたいです」
 
対局前の選手の雰囲気はピリピリしているというよりは、かなり落ち着いていて、話しかけた私に(観戦記者のみインタビューが許されている)冗談なんかを言えるほどだった。
各選手、対局前にできる準備は全てできていて、後は牌を交えるだけだという印象を覚えた。
日本プロ麻雀連盟WRCルール(一発・裏ドラありの世界選手権ルール)での対局。
決勝は半荘5回戦を行い優勝者を決める。
 
 
100
 
1回戦(起家から、四柳・佐月・松崎・武藤)
東1局 親 四柳
決勝のファーストテンパイは佐月。6巡目にノータイムでリーチを打つ。
四万四万五万六万七万一索一索二索三索四索七索八索九索  リーチ  ドラ四万
手牌変化も見込めるテンパイだったがリーチを打ったことには1つの意志を感じた。
おそらくリーチに対して対局者がどう出るか見たかった等ではない。先手、打点十分、役なし、だからリーチ。そういうことに思えた。
それを見ていた私は思った。佐月は手強いと。佐月はブレない。折れない。
そしてリーチを受けた武藤の手牌が以下。
四万五万六万七万四索六索八索九索九索九索四筒五筒六筒  ツモ三万
まだ河の情報も少ない巡目で開局ということを考えると、まずはまっすぐぶつけていく四索切りや三色を残す八索切りを選択するかと思ったが、武藤は手の中唯一の現物である七万を切る。
開始前にいい麻雀が打ちたいと言っていた武藤、ここは冷静で慎重な入り方を選んだ。
すぐに八万を引いていてテンパイこそ遅れてしまったが、武藤は数巡後に五索をツモって以下のリーチを打つ。
四万五万六万四索五索六索八索九索九索九索四筒五筒六筒  リーチ
佐月の河に七索が切られていて、ヤミテンの選択もあった武藤だが、ここはリーチ。
バランスの取り方が独特だと思った。後手を踏んだ1シャンテンからのリスクは取らない。しかし価値あるテンパイになれば最高打点で仕上げる。
いきなりそれぞれの意志がぶつかる局となったが、アガリを獲得したのは武藤。
数巡後に八索をツモって裏ドラが五万。3,000・6,000のアガリ。
東2局 親 佐月
実は東1局に佐月はアガれる手順があった。ヤミテンに構えて変化を見ていれば三索二索とツモって3,000・6,000のアガリになっていた。
しかし佐月はなんとも思っていない。リーチなものはリーチなのだと。そう言わんばかりに、またノータイムのリーチ。
一万二万三万六索七索七索八索九索七筒八筒九筒南南  リーチ  ツモ八索  ドラ六万  裏二万
今度は気持ちよく一発ツモを決め、裏ドラも乗せた。
4,000オールのアガリ。
東3局1本場 親 松崎
武藤が仕掛けを入れしっかりとアガリきる。
五万五万九万九万九万五索六索四筒五筒六筒  ポン白白白  ツモ四索  ドラ五万
1,300・2,600は1,400・2,700のアガリで再度トップ目に。
南1局4本場 親 四柳
四柳もこの親番でアガリを決める。
四万五万六万三索三索四索四索五索東東  ポン中中中  ロン二索  ドラ三索
テンパイした松崎から5,800は7,000のアガリ。
南1局6本場
四柳が12巡目にリーチを打つ。
一万二万三万三万四万五万二索三索四索二筒四筒六筒六筒  リーチ  ドラ二索
しかし四柳の待ちはもう山には残っていなかった。
そこへ置いていかれるわけにはいかない松崎もリーチ。
五万六万二索二索七索八索九索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ
松崎の待ちは山に3枚。結果は四柳からのロンアガリ。
8,000は9,800と供託のリーチ棒が4本とかなりの収入となった。
南2局2本場 親 佐月
5万点オーバーのトップ目に立つ武藤、12巡目にテンパイしヤミテンに構える。
四万五万六万四索五索六筒七筒八筒白白発発発  ドラ白
同巡、四柳もテンパイしてリーチを打つ。
七万七万三索四索五索六索六索六索七筒八筒九筒白白  リーチ
白は武藤と持ち合っていて高目はなかったが、七万をツモった四柳。
2,000・4,000は2,200・4,200。
南3局 親 松崎
佐月が先制リーチ。
一万二万三万七万八万九万六索八索三筒四筒五筒六筒六筒  リーチ  ドラ九万
松崎も追いついてリーチ。
七万八万九万二索三索四索四索五索八索八索二筒三筒四筒  リーチ
実は七索は山に3枚、三索は山に2枚、六索は山には0枚だった。
ツモアガったのは松崎。裏ドラは六万で2,600オール。
南場に入って前半劣勢だった2名が追い上げてくる。
南3局1本場
仕掛けを入れ、自力でテンパイを入れた四柳。
一万一万四万四万四万五万五万九筒九筒九筒  ポン白白白  ドラ四筒
佐月のリーチ宣言牌である一万を捕らえ5,200は5,500のアガリ。
南4局 親 武藤
武藤以外の3名が2万点台で、3名の2着争いになりそうなオーラス。
こういう局面は勝負手が入れば武藤にとってもチャンスとなりやすい。
僅か5巡目、その武藤がリーチ。
四万四万四万五万六万四索五索六索一筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ六万
親以外の3名の誰も戦える手牌にはならないまま、武藤があっさり六筒をツモ。
大きくリードを広げる6,000オール。
なんと1回戦は2時間を超えるロングゲームとなった。
一度はトップ目に立っていた佐月が気づけばラス。
武藤は最高の形で1回戦を終えた。
1回戦成績
武藤+47.2P 松崎▲2.8P 四柳▲16.9P 佐月▲27.5P
 
2回戦(起家から、佐月・四柳・武藤・松崎)
東1局 親 佐月
松崎が先制リーチ。
七万八万九万七索八索九索一筒三筒七筒七筒中中中  リーチ  ドラ九万
佐月はリーチを受けながらうまく立ち回り、深い巡目に追いついてリーチを打つ。
三万四万五万六万七万八万二索二索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ
しかし追いつくのが遅すぎた。佐月の待ちはかなり少なくなっていた。
松崎が二筒をツモ。2,000・4,000のアガリ。
東3局 親 武藤
佐月は早い巡目から軽快に役牌の西から仕掛けていく。
佐月には仕掛けが多めの選手という印象はあるが、この局面はトータルトップ目の武藤の親ということもあったかもしれない。
もちろんリードしている方がいいに決まっているのだが、逃げる形になった選手にはその者にしかわからないプレッシャーや状況判断の難しさが生じる。
軽めの仕掛けから思い通り手牌が伸び、最終的に以下のテンパイになる。
九万九万四筒四筒四筒六筒六筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ポン西西西  ドラ七筒
松崎はピンフドラ1の1シャンテンで以下の形。
四万五万六万九万一索二索三索八索八索二筒三筒七筒八筒  ツモ九筒
佐月の仕掛けはマンズのホンイツにも見え、佐月から最後に切られたマンズが4枚目の八万
この九万はかなり危険な牌とわかっている松崎、覚悟を決めた表情で九万を横向きに置く。
佐月、松崎から5,200のアガリ。
東4局 親 松崎
14巡目、佐月がリーチ。
二万三万四万二索二索二索四索五索六索八索八索二筒三筒  リーチ  ドラ八索
15巡目、四柳もリーチ。
二万三万四万五万六万三索四索四索四索五索二筒三筒四筒  リーチ
軍配は佐月に上がる。一筒をツモって裏ドラは七筒
2,000・4,000のアガリでトップ目に躍り出る。
南1局 親 佐月
以下、武藤の配牌と最初のツモ。
三万二索三索四索八索八索五筒七筒東東北中中  ツモ東  ドラ八索
ドラドラあるのでホンイツは見ずに北から切る。
3巡目に六筒を引き入れ、八索中のシャンポン待ちでリーチを打つ。
こうなると第一打の北が活きる。ついホンイツを見て三万あたりから切りたくなってしまう手牌だが、自分のトータルポイントなどを考えると自然なアガリが大事だという認識だろう。
情報が少ない早い巡目の内にポロリと中が出る可能性は十分になった。
10巡目、四柳が以下のテンパイ。
六万六万三索四索八索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ六筒
一気通貫が確定したこの手では、ドラの八索を勝負してリーチといくのが自然。
四柳は手痛い8,000の放銃となってしまう。
南4局 親 松崎
40,000点持ちトップ目の佐月が7巡目にテンパイ。
六万六万六万二索三索四索五索五索二筒二筒二筒五筒六筒  ドラ四万
武藤を追う立場ということでリーチもあるかもしれないが、確実にトップを取っておくことに重きを置いてヤミテンに構える佐月。
すぐに四筒をツモってきっちり500・1,000をアガる。
佐月がトップを取り武藤を追う。
しかし武藤もしっかり2着につけており、隙のない戦いを見せる。
2回戦成績
佐月+27.0P 武藤+7.1P 松崎▲5.3P 四柳▲28.8P
2回戦終了時
武藤+54.3P 佐月▲0.5P 松崎▲8.1P 四柳▲45.7P
 
3回戦(起家から、松崎・佐月・武藤・四柳)
東1局1本場 親 松崎
四柳が以下のリーチ。
七万八万九万四索五索六索九索九索七筒八筒九筒白白  リーチ  ドラ西
九索は2枚切れていたが、大きなビハインドを背負っている四柳はそれでもリーチ。
松崎が直後にテンパイ。
二万二万三万三万四索四索五索六索六索四筒四筒六筒六筒
ヤミテンに構えていたが、白をツモったタイミングで白をツモ切りリーチ。
しかしリーチは通らず四柳への放銃。裏ドラは六索で5,200は5,500。
東2局 親 佐月
四柳、ヤミテンからイメージ通りの手変わりをしてリーチを打つ。
三万三万六万七万八万四索四索五索六索七索六筒七筒八筒  ツモ六索  打四索 左向き  ドラ二万
そして最高の八索ツモ。裏ドラは八万で3,000・6,000。
東3局 親 武藤
3回戦に四柳が抜け出すことは、武藤にとって悪くない展開だった。
武藤と四柳のトータルポイントの差はちょうど100P。
四柳が走って佐月と松崎にトップを取らせないでくれるのは武藤にとって悪くない。
その武藤が7巡目に先制リーチを打つ。
六万七万八万六索七索二筒三筒四筒南南  暗カン牌の背北北牌の背  リーチ  ドラ二万三筒
2巡後、あっさり八索をツモ。裏ドラが二筒九万。4,000オールのアガリ。武藤が強い。
東4局2本場 親 四柳
12巡目、チャンス手をもらっていた四柳がようやくテンパイに辿り着く。
六万七万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒東東  リーチ  ドラ東
次に佐月が以下の手牌。
二万二万二万二万四万五万二索三索四索六索七索四筒五筒  ツモ八索
ここから二万を暗カンする。テンパイすればぶつけていくぞという意志表明にも見えた。
しかしリンシャン牌はあろうことかドラの東。この牌を切らずに自分のアガリを見るとなるとかなり厳しい状況となる。佐月は現物の八索を切ってリャンシャンテンに戻すしかなくなってしまった。
暗カンで一発は消えたが四柳がすぐにツモ。
六万七万五索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒東東  リーチ  ツモ八万  ドラ東三筒  裏二筒三筒
6,000は6,200オールの大きなアガリ。
東4局3本場
武藤、8巡目にチーしてテンパイを入れる。
二万二万二万五万六万七万四索五索三筒三筒  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ドラ六筒
局を進めることの価値が高い武藤、自然な仕掛けに見える。
この仕掛けで佐月がテンパイを入れる。
三万五万六万二索三索三索四索四索五索三筒五筒七筒七筒  ツモ四筒
三色には受けず、打三万でタンピンにしてリーチを打つ佐月。
一発で四万を掴んだ武藤、佐月に対して手の内全て無スジではテンパイを維持せざるを得ない。
七万と入れ替えて佐月に放銃。8,000は8,900。
武藤は2着安泰のような持ち点だっただけに、佐月だけでなく四柳と松崎にとっても嬉しい結果となった。
南1局 親 松崎
佐月が5巡目にテンパイ。
一万二万三万三万五万六万七万八万二索三索四索一筒一筒  ドラ一筒
一気通貫やピンフやイーペーコやドラ引きなどを見てヤミテンに構える。
7巡目、二万をツモってピンフ高目イーペーコに変化。
一万が2枚切れということもあってか、佐月はなおもヤミテン続行。
元々仕掛けを入れていた武藤がここに2フーロ目を入れる。
一索二索三索四索五索五索七索  ポン東東東  ポン白白白
この動きを見て佐月、持ってきた五索二索を入れ替えてリーチを打つ。
武藤、この二索をチーするとペン三索待ちのテンパイが取れたがここはスルー。
自力でテンパイを入れる。
一索一索三索四索五索五索七索  ポン東東東  ポン白白白
数巡後、武藤が四万を掴んでツモ切り。2局続けて佐月への満貫放銃となる。
一万二万二万三万三万五万六万七万三索四索五索一筒一筒  ロン四万
8,000。この放銃で武藤はラスに転落してしまった。
南4局 親 四柳
8巡目、佐月がテンパイ。
八万八万二索三索一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ一索  ドラ五筒
仕掛けを入れている武藤がたった今二筒を切ったところ。マンズのホンイツにも見える。
佐月はドラの五筒を切ってのリーチを選択。武藤からの直撃も狙えると見たか。
この五筒を武藤が仕掛け、武藤もテンパイ。
六万六万七万七万八万北北  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン白白白
深い巡目、佐月が二筒をツモ。裏ドラは六筒で3,000・6,000は3,100・6,100。
先にリードを持って逃げる立場だった武藤。
道中の仕掛けや押し引きに大きな欠点があったとは思えないが、観戦している私から見てもその判断の難しさを思い知らされた半荘となった。
武藤のワンサイドゲームになる可能性もあった決勝も、誰が優勝してもおかしくないトータルポイントになった。
3回戦成績
四柳+42.5P 佐月+14.0P 松崎▲19.8P 武藤▲36.7P
3回戦終了時
武藤+17.6P 佐月+13.5P 四柳▲3.2P 松崎▲27.9P
 
4回戦(起家から、武藤・松崎・佐月・四柳)
東1局 親 武藤
佐月が先制リーチを打つ。
二万三万四万六索七索二筒二筒三筒三筒四筒四筒八筒八筒  リーチ  ドラ七索
松崎も勝負手テンパイ。リーチをかけてぶつけにいく。
四万五万六万七万八万九万七索七索六筒七筒東東東  リーチ
松崎のリーチ一発目のツモが東でこれを暗カン。
リンシャン牌は佐月への放銃となる五索だった。
二万三万四万六索七索二筒二筒三筒三筒四筒四筒八筒八筒  リーチ  ロン五索  ドラ七索七筒  裏九索東
12,000。
東3局 親 佐月
今度は松崎がリーチ。
二万三万二索二索三索四索五索七筒八筒九筒発発発  リーチ  ツモ一万  ドラ五索  裏七筒
2,000・4,000をアガリ、食らいついていく。
南1局1本場 親 武藤
佐月が仕掛けを入れ、15巡目に自力テンパイ。
一索二索二索二索三索四索四索四索六索七索  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ドラ六筒
四柳がリーチを打つ。
八万八万二索三索七索八索九索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ
勝ったのは佐月。四柳が八索を掴んで放銃。8,000は8,300。
南2局 親 松崎
四柳にチャンス手が入る。以下、6巡目の四柳の手牌。
一万一万一万四索四索二筒二筒四筒六筒六筒  暗カン牌の背九索 上向き九索 上向き牌の背  ドラ一万六万
8巡目、武藤がリーチ。
二万四万六万七万八万一索二索三索四索五索六索一筒一筒  リーチ
9巡目、松崎が追いかける。
三万四万五万五索六索七索六筒七筒七筒八筒八筒東東  リーチ
四柳は松崎のリーチ宣言牌の二筒をポンすればテンパイだが、2件リーチを受けてもなおスルー。自力で二筒をツモり、ツモれば四暗刻のテンパイ。リーチを打つ。
一万一万一万四索四索二筒二筒二筒六筒六筒  暗カン牌の背九索 上向き九索 上向き牌の背  リーチ
しかしこの時点で四索六筒も山には残っていなかった。二筒をポンしていれば武藤が四索を掴んでいた。
あくまで四暗刻に拘った四柳、僅かにその思いは届かない。
四柳、さらに一万を暗カン。新ドラは五筒
武藤が九筒を掴み、松崎のアガリとなった。
三万四万五万五索六索七索六筒七筒七筒八筒八筒東東  リーチ  ロン九筒  ドラ一万六万五筒  裏二索二索四万
3,900。
南2局2本場
松崎が仕掛けて以下のテンパイ。
一索二索三索五索七索西西西中中  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ドラ中
更に八索をツモって六索九索待ちに変化。
武藤がメンゼンテンパイし、リーチを打つ。
五万五万五万五索六索七索五筒六筒七筒南南中中  リーチ
しかし武藤の待ちは山には1枚も残っていなかった。六索を掴み松崎に放銃。12,000は12,600。
南2局3本場
四柳が9巡目にテンパイ。
二索三索四索四索五索六索七索八索七筒七筒九筒南南  ツモ七筒  ドラ二筒
リーチを打つかとも思ったが、ヤミテンにして打点を追う。
次に佐月がテンパイ。
一索二索三索五索六索七索八索九索一筒二筒三筒西西
佐月はここでヤミテンを選択。
四柳がイメージ通り一索をツモって四索と入れ替えリーチ。
そう、この四索は佐月への高目での放銃となってしまう牌。
8,000は8,900。
四柳は四暗刻の局に続き、打点を追ったことが結果的にまたもや裏目に出てしまう。
南4局1本場 親 四柳
松崎が10巡目テンパイ。
三万四万五万二索三索四索六索六索三筒四筒四筒五筒六筒七筒  ドラ九索
松崎はここから四筒を切ってリーチ。八筒がフリテンになっていたので七筒切りリーチもあったが、あえて三面張にしてツモアガリに賭けた。
3,900出アガリだと直撃でない場合、佐月を捲らない。しかしツモアガリなら無条件で佐月を捲ってトップ。こういう点数状況も影響している。
佐月も14巡目にテンパイ。ヤミテンに構えた。
二万三万四万八万八万四索五索五索六索六索四筒五筒六筒
流局が近づいてきた16巡目、四柳もリーチをかける。
五万六万七万五索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒八筒  リーチ
四柳のリーチに対して一発目、佐月の手牌が以下の通り。
二万三万四万八万八万四索五索五索六索六索四筒五筒六筒  ツモ八万
オリるなら四柳のリーチ宣言牌である三万を切ることもできるが、テンパイ維持をするなら四柳と松崎に対してスジになっている六索を切るという選択もある。
佐月が選んだのは後者。四柳がリーチをした段階で山には残っていなかった六索を、佐月から打ち取ることに成功。
四柳、12,000は12,300のアガリ。
南4局2本場
武藤が5巡目にリーチ。ツモアガリとなって4回戦終了。
二万三万四万九万九万九万六索七索八索五筒六筒東東  リーチ  ツモ四筒  ドラ九索  裏五筒
1,000・2,000は1,200・2,200。
4回戦成績
松崎+25.8P 佐月+11.2P 武藤▲7.8P 四柳▲29.2P
4回戦終了時
佐月+24.7P 武藤+9.8P 松崎▲2.1P 四柳▲32.4P
 
最終戦(起家から、武藤・松崎・四柳・佐月)
100
1回戦は4着でのスタートとなった佐月がトータルトップ目で最終戦を迎えることになるとは、あまり想像がつかなかった展開である。
そして展開を言うならば、武藤と佐月がゲームの中心にいるところを、四柳と松崎が安定感のある内容で劣勢ながらも粘っているという印象だ。
特に決勝5回戦という短期決戦では、自分の立ち位置によってやるべきことがコロコロ変わるという難しさがある。
高いステージでの戦いに慣れている四柳と松崎が、その経験の差で最後まで自分のチャンスを残していた。
東1局 親 武藤
佐月がまずは軽いアガリで局を進める。
武藤の親ということでその価値は高い。
二万二万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒  チー七万 左向き五万 上向き六万 上向き  ロン八筒  ドラ八索
武藤からのロンアガリ。2,000。
東2局 親 松崎
10巡目、松崎がリーチを打つ。
四万五万六万三索四索五索七索七索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ五万
同巡、武藤も追っかけリーチ。
五万五万五索六索七索七索八索九索一筒三筒四筒六筒八筒  ツモ五筒  打一筒 左向き
七索八筒は山に残っておらず、七筒は山に3枚。武藤、七筒をツモアガリ。
2,000・4,000。
東4局 親 佐月
佐月が3巡目から積極的に仕掛けていく。
二万三万六万七索七索七索八索九索四筒五筒  ポン発発発  ドラ五筒
この仕掛けから以下の手牌まで変化。
二万三万六索七索七索八索八索九索五筒五筒  ポン発発発
ここからさらにドラの五筒を暗刻にして打二万一索をツモって一索単騎に受け変える。
場にはソウズがかなり切れていて、一索は誰も使えなかった。
誰が持ってきてもツモ切る一索を四柳が掴む。
一索六索七索七索八索八索九索五筒五筒五筒  ポン発発発  ロン一索
佐月、積極的な仕掛けから大きな大きな12,000へと繋げていく。
南1局3本場 親 武藤
武藤は落とせない親番。12巡目にテンパイ。ヤミテン。
一万二万三万五万六万二索三索四索三筒四筒五筒七筒八筒九筒  打五万  ドラ北
直後、佐月がリーチ。
七万七万七万七万八万三索三索四索五索六索五筒六筒七筒  リーチ
武藤の仮テンの六万が捕まってしまっている。武藤は三筒をツモって打六万
どうせ仮テンなら佐月の現物である五万単騎にする選択もあっただけに、少し悔やまれる結果となってしまった。
南2局 親 松崎
四柳がリーチを打つ。
四索四索五索五索六索四筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ南
松崎も追いついて以下の手牌。
七万七万八万八万三索五索五索七索八索四筒四筒発発  ツモ七索
八索はリーチの現物だったが、八索にアガリがあると見たか。三索を切ってリーチ宣言。四柳への8,000放銃となる。
この親落ちで松崎の条件はかなり苦しいものとなった。
南3局 親 四柳
四柳もこの親でかなり連荘しなければならない点数状況。
15巡目、武藤がリーチをする。
一万二万三万五万六万七万四索四索三筒三筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ六万
1,000・2,000ツモならオーラス跳満ツモ条件が残る武藤。
リーチ後に八筒をツモって暗カンをする。新ドラは八索で乗らず。
ここで松崎から武藤のアガリ牌である三筒が切られる。
武藤は松崎から3,200をアガっても跳満ツモ条件まで届かない。しかし裏ドラを2枚見ることができるのでアガるかと思ったが、ここはスルーを選択。
1人テンパイで流局となれば跳満ツモ条件が残る。なるほど確かにその方がいいかもしれない。
最後のツモで四柳が執念でテンパイを入れる。
これが一番武藤にとってもありがたかった。
南3局1本場
武藤、9巡目の手牌。
四万五万七万七万七万七索八索九索二筒三筒六筒六筒北  ツモ七筒  ドラ三筒
失うものはなく、追うしかない武藤はここは七筒を抱えて目一杯に構えるべきだ。
しかし武藤は七筒をツモ切りとする。次巡八筒をツモ。これは痛いと言わざるを得ない。
それでも武藤が13巡目にテンパイしてリーチ。
四万五万七万七万七万七索八索九索一筒二筒三筒六筒六筒  リーチ
四柳も15巡目にリーチを打つ。
四万五万六万六万五索六索三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西  打六万
この六万を武藤はまたもやスルーする。
アガって裏1でも乗らなくてもオーラスは跳満ツモ条件。しかし武藤が七筒を残しているとピンフドラ1のリーチになっていて、裏が1枚乗ればオーラス満貫ツモ条件にすることができた。それならば「ロン」と声が出ていたのではないだろうか。
ここで見逃して1,000・2,000をツモると、リーチ棒が出たことによって武藤はオーラス満貫ツモ条件になるという要素もあった。
見逃しの是非はわからないが、この見逃しで武藤に待っていたのは最悪の結果。
七索を一発で掴み、四柳へ12,000は12,300の放銃となってしまう。
南3局2本場
それでも武藤がここで大物手をテンパイする。
三索三索六索六索七索七索八索八索西西北北白  リーチ  ドラ白
タンヤオ仕掛けをしていた四柳に白が浮いていた。四柳から出た白を今度こそロン。
16,000は16,600をアガって、武藤はオーラス跳満ツモ条件を残す。
南4局 親 佐月
泣いても笑っても最終局。
佐月はノーテンと伏せるだけ。
比較的、現実的な逆転優勝条件は武藤の跳満ツモ。
その武藤は5巡目に以下の手牌。
七万八万九万一索三索七索八索九索二筒三筒八筒東東  ドラ一筒
二索をツモってリーチして一筒をツモれば逆転優勝というところまできていた。
しかしここから欲しい牌を持ってくることはなく、4枚目の二索を佐月がツモった時点で佐月の優勝が確定。
流局して全員が手牌を伏せた。
佐月はただ一点を見つめていた。
対局開始から終了後まで、選手としての冷静な立ち振る舞いを一貫していたのが印象的だった。
最終戦成績
佐月+33.5P 武藤+12.3P 四柳▲16.3P 松崎▲29.5P
最終結果
佐月+58.2P 武藤+22.1P 松崎▲31.6P 四柳▲48.7P
決勝の戦いを振り返ると、佐月は常にブレない芯の強さを持っていたように思う。
仕掛ける、リーチを打つ、攻める、オリる。
その一つ一つの選択に強い意志があり、その意志が勝利へと佐月自身を導いたのだ。
対局後、本人に少し話を聞くと、対局中に見せていた真剣なまなざしと打って変わって柔らかな笑顔を見せた。
しきりに「嬉しいです」と話す様子に、肩の荷が下りたのだなと感じる。
第9期以来の女流プロの戴冠となった今期の麻雀マスターズ。
麻雀マスターズの歴史に佐月麻理子という名を刻み幕を閉じた。
これからも続いていく勝者と敗者の戦いに胸を熱くし、次の戦いに備えるのは皆同じだろう。
ただ一言、この4名に私はどうしても伝えておきたいことがある。
その言葉でこの観戦記を締めよう。
「熱い対局をありがとうございました」
100

第124回:中級講座『局面理解について』 仲田 加南

局面理解とは、状況判断とほぼ同じ意味です。
その局面に合った選択をし、展開が有利になる(不利にならない)ゲームメイクを心掛けること、これが手順や効率などの1人麻雀をクリアした人の次のステップだと思っています。
麻雀なんて、攻めるか守るかの二択でしょう?と思っている人には是非考えていただきたい項目です。

WRCルール
(オカ無しの順位点は5-15一発裏あり)
南1局、5巡目、ほぼ原点持ち

六万七万一索二索四索五索五索六索七索東東中中  ドラ八筒

対面から出た1枚目の中をどうしますか?
また、鳴くなら何を切りますか?

それは誰(何着目)の親番で自分は何家か?ということがとても重要で、これによって答えが変わってきます。

まずは鳴くケース。
・トップ目の親で自分は南家。
トップ目に親での加点を許してしまわぬよう、点差があればあるほど、素早く親を落としましょう。
だから染めずに打一索
(点差があまり無い時は、牽制含みでの染めもあり)

・トップ目の親で自分は北家。
親のツモを増やしてしまうので南家の時よりは鳴き辛いですが、点差があればあるほど本気で捌きにいきます。
だからアガリ最優先で打一索

点差を縮めたいから、少しでも親っかぶりさせたいから、という理由で、トップ目の親番で打点にこだわる人がいますが、それは違うと思います。
そういう思考が隙になり、更なる親の加点に繫がるケースが多いです。
南場でトップ目に4,000オールなど引かれたら、決定打になってしまいます。
その最悪の事態だけは避けられるよう、打点よりもスピード重視で子方は意識を統一するのが理想です。

そして、鳴かないケース。

・自分の親番。
前回も言いましたが、自分の親でとりあえずの連荘を目指すことはしません。
面前でリーチを打つことを目指すか、鳴くならホンイツ狙いで2枚目から。

・ラス目の親番。(自分が何家でも)
点差にもよりますが、まずこのポンシャンテンの一鳴きはしません。
微差の時は2枚目なら鳴くかもしれませんが、断トツラス目の人の親番なら、ゆっくり面前で高い手だけを目指します。
この手なら、目指すは面前ホンイツ。
上手くいかなかったら、テンパイだけでもいいし、他者からの攻撃が来たら字牌を使って降りればいいし、ここはじっくりやりましょう。

ラスにアガられたら自分がラスになるかもしれない。だからラスには厳しく打って、ラスだけは決めておいてしまおう!というやりかたも、ルールによっては間違っていません。
しかし、一般的なルールにおいては、やはり狙えるうちはトップを狙います。
そのために出来る事はアガリに向かうことだけではないと思います。

この程度の手なら、手なりでアガリを取りにいくより、ラス目に親をやらせてみる。私の経験上、これはさほど悪い結果にはなりません。なぜなら、局が長引いて苦しむのはトップ目だから。早くこのまま終わってほしいと焦ってミスをしやすいのはトップ目だから。

「かなちゃんは、自分でなんでもやろうとしすぎ!一人で戦いすぎ!」
これは昔、まだ私がプロになる前に、尊敬していた人から言われた言葉です。
麻雀て、一人で戦うものだよね?誰も助けてくれないよね?結局アガるか、アガられるかだよね?

ただがむしゃらに、毎月400半荘打ち続けていた当時の私には、到底理解できない言葉でしたが、量より質を求めてじっくり振り返りながら麻雀を打つようになって、やっと意味が分かりました。
1人で戦うには限界があるけど、常に誰かを味方にして戦えば、ぐんと勝率はアップするものだって。

例えば自分がトップ目の時。

南2局
東家(自分)46,000点
南家17,000点
西家27,000点
北家30,000点

南家がドラポンの仕掛けをします。ドラを切ったのは西家です。
鳴いた南家はまだテンパイではなさそうです。自分の手牌は頑張っても安くて遅い手です。

さて、どうしますか?

「しっかりオリる」という選択が間違いとは言いません。
しかし私は、あえて絞らず、西家の安全牌を残しながら、鳴かれそうな牌から切ります。この局面で最も嫌なのは西家のアガリ。
南家が手を進めることによって、西家がオリてくれたら嬉しい。そして、ここで南家が2,000・4,000をツモってくれることにより、もっと有利なゲーム展開になると予測できます。

南3局
北家(自分)42,000点
東家25,000点
南家25,000点
西家28,000点

こうなったら、2着争いになりやすく、あと2局がスムーズに進むことが多いですから。

麻雀なので、何が起こるか分からないですし、また人の心理も正確にはわからないものです。
読みが大きく外れて、裏切られたような気持ちになる時もあります。
だけど!
よりたくさんのパターンや展開を予測して、描いて進めてみることを私はこれからも続けていきます。

アガれなかったら負け。手が入らなかったら負け。と、このゲームを簡単には終わらせたくないから。

中級/第124回:中級講座『局面理解について』 仲田 加南

局面理解とは、状況判断とほぼ同じ意味です。
その局面に合った選択をし、展開が有利になる(不利にならない)ゲームメイクを心掛けること、これが手順や効率などの1人麻雀をクリアした人の次のステップだと思っています。
麻雀なんて、攻めるか守るかの二択でしょう?と思っている人には是非考えていただきたい項目です。
WRCルール
(オカ無しの順位点は5-15一発裏あり)
南1局、5巡目、ほぼ原点持ち
六万七万一索二索四索五索五索六索七索東東中中  ドラ八筒
対面から出た1枚目の中をどうしますか?
また、鳴くなら何を切りますか?
それは誰(何着目)の親番で自分は何家か?ということがとても重要で、これによって答えが変わってきます。
まずは鳴くケース。
・トップ目の親で自分は南家。
トップ目に親での加点を許してしまわぬよう、点差があればあるほど、素早く親を落としましょう。
だから染めずに打一索
(点差があまり無い時は、牽制含みでの染めもあり)
・トップ目の親で自分は北家。
親のツモを増やしてしまうので南家の時よりは鳴き辛いですが、点差があればあるほど本気で捌きにいきます。
だからアガリ最優先で打一索
点差を縮めたいから、少しでも親っかぶりさせたいから、という理由で、トップ目の親番で打点にこだわる人がいますが、それは違うと思います。
そういう思考が隙になり、更なる親の加点に繫がるケースが多いです。
南場でトップ目に4,000オールなど引かれたら、決定打になってしまいます。
その最悪の事態だけは避けられるよう、打点よりもスピード重視で子方は意識を統一するのが理想です。
そして、鳴かないケース。
・自分の親番。
前回も言いましたが、自分の親でとりあえずの連荘を目指すことはしません。
面前でリーチを打つことを目指すか、鳴くならホンイツ狙いで2枚目から。
・ラス目の親番。(自分が何家でも)
点差にもよりますが、まずこのポンシャンテンの一鳴きはしません。
微差の時は2枚目なら鳴くかもしれませんが、断トツラス目の人の親番なら、ゆっくり面前で高い手だけを目指します。
この手なら、目指すは面前ホンイツ。
上手くいかなかったら、テンパイだけでもいいし、他者からの攻撃が来たら字牌を使って降りればいいし、ここはじっくりやりましょう。
ラスにアガられたら自分がラスになるかもしれない。だからラスには厳しく打って、ラスだけは決めておいてしまおう!というやりかたも、ルールによっては間違っていません。
しかし、一般的なルールにおいては、やはり狙えるうちはトップを狙います。
そのために出来る事はアガリに向かうことだけではないと思います。
この程度の手なら、手なりでアガリを取りにいくより、ラス目に親をやらせてみる。私の経験上、これはさほど悪い結果にはなりません。なぜなら、局が長引いて苦しむのはトップ目だから。早くこのまま終わってほしいと焦ってミスをしやすいのはトップ目だから。
「かなちゃんは、自分でなんでもやろうとしすぎ!一人で戦いすぎ!」
これは昔、まだ私がプロになる前に、尊敬していた人から言われた言葉です。
麻雀て、一人で戦うものだよね?誰も助けてくれないよね?結局アガるか、アガられるかだよね?
ただがむしゃらに、毎月400半荘打ち続けていた当時の私には、到底理解できない言葉でしたが、量より質を求めてじっくり振り返りながら麻雀を打つようになって、やっと意味が分かりました。
1人で戦うには限界があるけど、常に誰かを味方にして戦えば、ぐんと勝率はアップするものだって。
例えば自分がトップ目の時。
南2局
東家(自分)46,000点
南家17,000点
西家27,000点
北家30,000点
南家がドラポンの仕掛けをします。ドラを切ったのは西家です。
鳴いた南家はまだテンパイではなさそうです。自分の手牌は頑張っても安くて遅い手です。
さて、どうしますか?
「しっかりオリる」という選択が間違いとは言いません。
しかし私は、あえて絞らず、西家の安全牌を残しながら、鳴かれそうな牌から切ります。この局面で最も嫌なのは西家のアガリ。
南家が手を進めることによって、西家がオリてくれたら嬉しい。そして、ここで南家が2,000・4,000をツモってくれることにより、もっと有利なゲーム展開になると予測できます。
南3局
北家(自分)42,000点
東家25,000点
南家25,000点
西家28,000点
こうなったら、2着争いになりやすく、あと2局がスムーズに進むことが多いですから。
麻雀なので、何が起こるか分からないですし、また人の心理も正確にはわからないものです。
読みが大きく外れて、裏切られたような気持ちになる時もあります。
だけど!
よりたくさんのパターンや展開を予測して、描いて進めてみることを私はこれからも続けていきます。
アガれなかったら負け。手が入らなかったら負け。と、このゲームを簡単には終わらせたくないから。

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
 

【前原雄大が2ndseasonを制す】

 
 

100

 

日本プロ麻雀連盟Aルール、改め”日本プロ麻雀連盟公式ルール”で負けるわけにはいかない!
日本プロ麻雀連盟より決勝に進出したのは前原雄大と勝又健志。
2nd seasonを制したのは前原雄大!
勝って当たり前、という重圧の中、見事に勝利を収めた。
さすが総帥だ!

 
 
 

【がらくた部長】

 

先日無事、第二子が産まれた佐々木寿人(チームがらくた部長※総勢2名)は引き続きRTD(AbemaTV)で好調さをアピール。
従来の麻雀プロの常識をぶち壊すような麻雀で、力の違いを見せている。

 

100
100

 

何人かだらしない奴もいるけど、最強団体日本プロ麻雀連盟の名に恥じない戦いを見せてほしいものだよ。

 
 
 

【プロリーグ後期】

 

先週末、第34期プロリーグの後期第2節が開催された。
最も勝ちたい対局は?と聞かれれば、ほとんどの連盟員が「プロリーグ(鳳凰戦)」と答える。

Bリーグ以下は残り3節。
皆さんの応援するプロをチェックしてみてほしい。

B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

 
 
 

【がらくたチャレンジ】

 

佳境を迎えている(?)がらくたチャレンジマッチ。
今週金曜日には準々決勝C卓が開催される。

奈良圭純vs大和vs庄田祐生vs増田隆一
実況:楠原遊
解説:滝沢和典


放送予定 5/19 18:00~
がらくたチャレンジマッチ~準々決勝C卓~【無料放送】


放送ページはこちら


放送ページはこちら

準々決勝?ってことはやはり佳境ではないのか。一体何卓あって勝ったらどうなるのかよくわからない状態だが、特に新人のプロにとっては名前を売って、自身をアピールするチャンス対局だ。
チームがらくたに興味がある人間が多いわけではなさそうだが、今後も熱い戦いを期待したい。

 
 
 

【-aki-】

 

100

 

映画 女流闘牌伝 aki -アキ- とのタイアップ企画。
映画公開記念大会が、インターネット麻雀サイトロン2にて、開催される。

B1リーグでも首位に立ち、絶好調の二階堂亜樹。
来節のリーグ戦後には、そのまま映画の舞台挨拶に向かうそうな。

 

100

 

100

 

100

twitter引用

 

後はこの男が頑張ってくれることを願うばかりだ。

 

100

 
 
 

【プチがらくた】

 

この写真を見てくれ。

 

100

 

沢崎誠、前原雄大の最強クラスの雀士に挟まれているのは”古ポコ”こと古橋崇志だ。
沢崎誠プロはピースサイン、前原雄大は堂々としたがらくたポーズで写真に収まっている。
間に挟まった古橋崇志は、ちょこんとがらくたポーズらしきポーズをとっている。
おそらく、咄嗟に現在鳳凰位の前原雄大側に付いたということだろう。
どちらに付くべきか、これまで社会の荒波に揉まれてきた古橋崇志は瞬時に判断する力を持っている。
望月雅継、猿川真寿に継ぐ静岡のスターとなるべく、今回は前原雄大側についた。
ただ、この表情から察するに、チームがらくたに興味があるわけでは無さそうである。

 

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プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
 
【前原雄大が2ndseasonを制す】
 
 

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日本プロ麻雀連盟Aルール、改め”日本プロ麻雀連盟公式ルール”で負けるわけにはいかない!
日本プロ麻雀連盟より決勝に進出したのは前原雄大と勝又健志。
2nd seasonを制したのは前原雄大!
勝って当たり前、という重圧の中、見事に勝利を収めた。
さすが総帥だ!
 
 
 
【がらくた部長】
 
先日無事、第二子が産まれた佐々木寿人(チームがらくた部長※総勢2名)は引き続きRTD(AbemaTV)で好調さをアピール。
従来の麻雀プロの常識をぶち壊すような麻雀で、力の違いを見せている。
 

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何人かだらしない奴もいるけど、最強団体日本プロ麻雀連盟の名に恥じない戦いを見せてほしいものだよ。
 
 
 
【プロリーグ後期】
 
先週末、第34期プロリーグの後期第2節が開催された。
最も勝ちたい対局は?と聞かれれば、ほとんどの連盟員が「プロリーグ(鳳凰戦)」と答える。
Bリーグ以下は残り3節。
皆さんの応援するプロをチェックしてみてほしい。

B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

 
 
 
【がらくたチャレンジ】
 
佳境を迎えている(?)がらくたチャレンジマッチ。
今週金曜日には準々決勝C卓が開催される。
奈良圭純vs大和vs庄田祐生vs増田隆一
実況:楠原遊
解説:滝沢和典

放送予定 5/19 18:00~
がらくたチャレンジマッチ~準々決勝C卓~【無料放送】


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準々決勝?ってことはやはり佳境ではないのか。一体何卓あって勝ったらどうなるのかよくわからない状態だが、特に新人のプロにとっては名前を売って、自身をアピールするチャンス対局だ。
チームがらくたに興味がある人間が多いわけではなさそうだが、今後も熱い戦いを期待したい。
 
 
 
【-aki-】
 

100

 
映画 女流闘牌伝 aki -アキ- とのタイアップ企画。
映画公開記念大会が、インターネット麻雀サイトロン2にて、開催される。
B1リーグでも首位に立ち、絶好調の二階堂亜樹。
来節のリーグ戦後には、そのまま映画の舞台挨拶に向かうそうな。
 

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twitter引用
 
後はこの男が頑張ってくれることを願うばかりだ。
 

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【プチがらくた】
 
この写真を見てくれ。
 

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沢崎誠、前原雄大の最強クラスの雀士に挟まれているのは”古ポコ”こと古橋崇志だ。
沢崎誠プロはピースサイン、前原雄大は堂々としたがらくたポーズで写真に収まっている。
間に挟まった古橋崇志は、ちょこんとがらくたポーズらしきポーズをとっている。
おそらく、咄嗟に現在鳳凰位の前原雄大側に付いたということだろう。
どちらに付くべきか、これまで社会の荒波に揉まれてきた古橋崇志は瞬時に判断する力を持っている。
望月雅継、猿川真寿に継ぐ静岡のスターとなるべく、今回は前原雄大側についた。
ただ、この表情から察するに、チームがらくたに興味があるわけでは無さそうである。
 

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第16期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第1節レポート

Aリーグ第1節:宮田豊夢

関西最強を決める戦いがここにある。
暖かい春の日差しが降り注ぐ中、関西屈指の雀士達が集結した。
関西プロリーグ Aリーグ、その頂を極めるのは果たして誰になるのであろうか。

A1卓(坂本・仁科・稲岡・米川)
注目は、女流桜花・関西プロリーグともにAリーグ昇級を射止めた稲岡。
しかしここはAリーグの高い壁にはばまれ▲50.9Pと乱調。
仁科が貫録の強さを見せ+41.4PとAリーグ内では一番のスタートを決めました。

A2卓(宮田・貫上・佐々木・横山)
昨年の決勝戦で苦杯をなめた貫上が意地の強さを見せつける。
勝負手をしっかりと引き付けてから放つリーチが実に鋭く、名刀のような切れ味。
+22.6Pと好スタートを決めました。

A3卓(藤川・辻本・森下・勝間)
この卓が最も拮抗していました。
卓内トップが勝間の+5.4P、卓内ラスが藤川の▲3.2P。
順位が目まぐるしく変わる展開で、誰も譲らないという強い決意が4人から見られました。

リーチが決まる者となかなかアガリ切れない者の差が、ポイント獲得に大きく関わってきます。
今さらながらですが強く感じた1日でした。

 

Bリーグ第1節:山神剛

初めまして。24期生、山神剛と申します。
今期Bリーグのレポートを担当させていただきます。
拙い文章ですが、お付き合いよろしくお願いします。

1卓(高谷・上村政・大橋・丸山)
2卓(上村宜・吉田圭・筒井・山神)
3卓(中川・山中・吉本・城)
4卓(松永・原田・山室・辻井)

第1節は全員が横一線でのスタートになります。
これから1年間戦うにあたり、誰もが、まずはプラスでスタートをしたいと思っているでしょう。

1卓
1回戦、2回戦と連続でトップを取った丸山が順調な滑り出し。
4回戦でもトップを取り、+69.5Pとトータルでもトップスタートとなりました。

2卓
1回戦、各々が思うようにアガることが出来ずに、小場が続いたオーラス。
(筒井22,100 吉田30,900 山神28,500 上村38,500)
仕掛けた吉田がキッチリとアガリきって、30.000点をキープ。
2回戦でも小場が続き、2着から4着まで2,000点差もない所から、筒井が傷口を広げない様にと、苦しさを見せながら沈みの2着アガリ。
山神は36,900での1人浮きと、展開に恵まれた形になりました。

競技ルールでは原点の30,000点さえ超えていれば順位点で加点が付く為、まず目指すのは30,000点だと思いますが、たとえ沈んでいても2着ならば順位点は▲1.0Pとなるため、僅差でも4着の順位点▲8.0Pとの差はとても大きいと感じます。

2回戦終了時
山神+13.4P 上村+8.9P 吉田▲4.6P 筒井▲17.7P

3回戦はこれまで苦しいながらも耐えてきた筒井が5,200、7,700、2,000・4,000と順調に加点していき、これまでのマイナスを帳消しにする49,500持ちのトップとなります。

4回戦
7,700、8,000が飛び交う中、南3局で吉田が沈んでいる所から連荘で本場を重ね、流局で迎えたオーラス5本場。
(筒井30,400 吉田31,900 山神26,300 上村30,400)
供託のリーチ棒と5本場というところで、4着目の山神ですら1,300点で浮きに回るという大接戦になりました。
全員が早くアガリたいと思うが揃って手が進まず、場が動いたのは終盤14巡目、筒井が先制のリーチ。そして、同順で吉田も追っかけリーチ。
4着目の山神はリーチ棒2本で、アガリきればトップという状況になりましたが、途中面子手と七対子の間で迷ってしまい、リーチ後は勝負すらさせて貰えませんでした。

結果は3巡後、先制リーチの筒井が

四万四万四万六万七万八万二索二索二索三索五索六索七索  リーチ  ツモ  ドラ四万

見事2,000・4,000のツモアガリで1人浮きのトップを決めました。

3卓
2回戦、中川が60,000点超えの大トップを取り2連勝。
その後も2着、3着と安定した戦い振りを見せ+66.0Pと好スタートを切ります。

4卓
4回戦(3回戦終了時 松永+3.3P 山室+38.7P 辻井+9.6P 原田▲51.6P)
南1局 親・原田
ここで辻井が十種十牌の配牌を貰い、国士無双に一直線。
3巡目にネックだと思われたドラの九筒を引き、1シャンテンになります。
これはアガれるのではないか?と期待して観ていたのですが、8巡目に親の原田がこのままでは終われない、とリーチ、数巡後に1,300は1,400オールのツモアガリ。
1シャンテンのまま手を回していた辻井の余剰牌は原田の当たり牌、七万でした。

結果は、東4局にドラ待ちの七対子を一発でツモアガリした山室が、そのまま得点を守りきりトップになりました。
トータルでも+58.9Pの好スタートとなり、これからが戦いやすくなりました。
次節ではどのように変わるのか?ヒートアップしていきそうです。

 

C1リーグ前期第1節:長尾浩平

暖かくなって良い気候の中、リーグ戦が開幕しました。
今回レポートを担当させて頂きます長尾です。拙い文章になると思いますが半年間よろしくお願いします。

今回の対戦の組み合わせは

1卓(掛樋、獅坂、川上、後藤)
掛樋(0-1-3-0)▲11.4P
獅坂(1-1-1-1)▲5.1P
川上(0-2-0-2)▲22.9P
後藤(3-0-0-1)+39.4P

1期でBリーグに返り咲きを狙う掛樋に、今回こそはと昇級を狙う獅坂、川上、後藤の戦いは4戦3勝の後藤の1人浮きとなりました。

2卓(中安、稲垣、中野、吉田)
中安(1-1-1-1)  ▲12.0P
稲垣(0-1.5-0.5-2)▲24.9P
中野(1-0-2-1)  ▲17.5P
吉田(2-1.5-0.5-0)+54.4P

昇級してきた吉田が勢いをそのままに全戦+でまとめ1人浮きに。
現在トータル1位になり連続昇級できるか注目です。

3卓(赤木、木下、高橋(悟)、高橋(正))
赤木(0-2-1-1)  ▲8.8P
木下(2-1-0-1)  +33.5P
高橋(悟)(1-1-2-0)+18.2P
高橋(正)(1-0-1-2)▲42.9P

安定した成績を残し前回3位で、今回はと期待にかかる赤木は波に乗れずに苦戦。
やっと最小失点に抑えたといった所です。
奮闘したのは木下。今後に期待です。

4卓(長尾、土田、辰巳、長野)
長尾(0-2-0-2)▲42.1P
土田(2-1-0-1)+48.0P
辰巳(1-0-3-0)▲30.7P
長野(1-1-1-1)+24.8P

土田が持ち前の攻撃力を発揮し大幅なプラスを手にしトータル2位になりました。
このまま次節以降も攻めを発揮できるか注目です。
1節を終えて上から下までそこまで差のない緩やかな立ち上がりになったと思います。
今後どんな展開になるのか楽しみです。

 

C2リーグ前期第1節:音羽なお

音羽なおです。初めてレポートを書かせていただきます。よろしくお願いします。
初めてのプロリーグでとても緊張しました。対局した事ない方がほとんどで最初は手が震えたりしていましたが、アガリに向かう事、自分らしく麻雀する事、常に向上心を意識し冷静になり麻雀する事をずっと強く思い挑みました。
マスターズプロアマ予選を勝ち抜いた、同期の宮澤と同卓で更に緊張しました。

3回戦オーラス、トップ目。

牌配
五万一索二索二索四索五索五索六索六索八索九索五筒六筒  ドラ四索

ソウズのホンイツを目指そうか456の三色を目指そうか迷いました。
ソウズに決めようと、まずは五万切り。しかし、流れは違がった。七筒を引き次巡六万引き、六筒も引いた。
対面の宮澤からリーチが入るも、ようやくテンパイ。七索を引き入れ、ドラ四索を切りリーチ。

二索二索五索五索六索六索七索七索五筒六筒六筒七筒七筒  リーチ

五筒をツモリ、リーチ、ツモ、タンヤオ、ピンフ、リャンペーコーの 3,000、6,000を加点。
オーラスで勝負にいくかいかないか。相手との点数や2着目との差を意識し前に進んだのですが、五万を残していたら、六万を引き入れ567の三色になっていて、七万がリーチ者から出たので三色の方がアガリが早かったなぁと。
どちらがよかったのかは打点に関わらず、これからの勉強の課題でもあります。

2卓での同期の行野と山本の対戦から。
4回戦、東場で小刻みにアガリを重ねた山本38,000点持ってトップ。
南場に入って行野が反撃する。
二筒をチーして六索を引き入れてテンパイ。

三万四万八万八万二索三索四索四索五索六索  チー二筒 上向き三筒 上向き四筒 上向き  ドラ八万

対して山本も早く、ここは安くてもアガリにかけたいところでしょう。が、チーしてテンパイのチャンスを取らなかったのです。
両面待ちになっていて悪いとも思えません。その矢先の行野のテンパイでした。行野はこれを二でツモって2,000・3,900。山本を逆転して幸先のいい出足となりました。
次節に向けて、一打一打を大事にし、先輩方に気持ちの面では負けないように、自分の気持ちと戦いながら頑張って昇級に向けて頑張りたいと思います。

関西プロリーグ レポート/第16期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第1節レポート

Aリーグ第1節:宮田豊夢
関西最強を決める戦いがここにある。
暖かい春の日差しが降り注ぐ中、関西屈指の雀士達が集結した。
関西プロリーグ Aリーグ、その頂を極めるのは果たして誰になるのであろうか。
A1卓(坂本・仁科・稲岡・米川)
注目は、女流桜花・関西プロリーグともにAリーグ昇級を射止めた稲岡。
しかしここはAリーグの高い壁にはばまれ▲50.9Pと乱調。
仁科が貫録の強さを見せ+41.4PとAリーグ内では一番のスタートを決めました。
A2卓(宮田・貫上・佐々木・横山)
昨年の決勝戦で苦杯をなめた貫上が意地の強さを見せつける。
勝負手をしっかりと引き付けてから放つリーチが実に鋭く、名刀のような切れ味。
+22.6Pと好スタートを決めました。
A3卓(藤川・辻本・森下・勝間)
この卓が最も拮抗していました。
卓内トップが勝間の+5.4P、卓内ラスが藤川の▲3.2P。
順位が目まぐるしく変わる展開で、誰も譲らないという強い決意が4人から見られました。
リーチが決まる者となかなかアガリ切れない者の差が、ポイント獲得に大きく関わってきます。
今さらながらですが強く感じた1日でした。
 
Bリーグ第1節:山神剛
初めまして。24期生、山神剛と申します。
今期Bリーグのレポートを担当させていただきます。
拙い文章ですが、お付き合いよろしくお願いします。
1卓(高谷・上村政・大橋・丸山)
2卓(上村宜・吉田圭・筒井・山神)
3卓(中川・山中・吉本・城)
4卓(松永・原田・山室・辻井)
第1節は全員が横一線でのスタートになります。
これから1年間戦うにあたり、誰もが、まずはプラスでスタートをしたいと思っているでしょう。
1卓
1回戦、2回戦と連続でトップを取った丸山が順調な滑り出し。
4回戦でもトップを取り、+69.5Pとトータルでもトップスタートとなりました。
2卓
1回戦、各々が思うようにアガることが出来ずに、小場が続いたオーラス。
(筒井22,100 吉田30,900 山神28,500 上村38,500)
仕掛けた吉田がキッチリとアガリきって、30.000点をキープ。
2回戦でも小場が続き、2着から4着まで2,000点差もない所から、筒井が傷口を広げない様にと、苦しさを見せながら沈みの2着アガリ。
山神は36,900での1人浮きと、展開に恵まれた形になりました。
競技ルールでは原点の30,000点さえ超えていれば順位点で加点が付く為、まず目指すのは30,000点だと思いますが、たとえ沈んでいても2着ならば順位点は▲1.0Pとなるため、僅差でも4着の順位点▲8.0Pとの差はとても大きいと感じます。
2回戦終了時
山神+13.4P 上村+8.9P 吉田▲4.6P 筒井▲17.7P
3回戦はこれまで苦しいながらも耐えてきた筒井が5,200、7,700、2,000・4,000と順調に加点していき、これまでのマイナスを帳消しにする49,500持ちのトップとなります。
4回戦
7,700、8,000が飛び交う中、南3局で吉田が沈んでいる所から連荘で本場を重ね、流局で迎えたオーラス5本場。
(筒井30,400 吉田31,900 山神26,300 上村30,400)
供託のリーチ棒と5本場というところで、4着目の山神ですら1,300点で浮きに回るという大接戦になりました。
全員が早くアガリたいと思うが揃って手が進まず、場が動いたのは終盤14巡目、筒井が先制のリーチ。そして、同順で吉田も追っかけリーチ。
4着目の山神はリーチ棒2本で、アガリきればトップという状況になりましたが、途中面子手と七対子の間で迷ってしまい、リーチ後は勝負すらさせて貰えませんでした。
結果は3巡後、先制リーチの筒井が
四万四万四万六万七万八万二索二索二索三索五索六索七索  リーチ  ツモ  ドラ四万
見事2,000・4,000のツモアガリで1人浮きのトップを決めました。
3卓
2回戦、中川が60,000点超えの大トップを取り2連勝。
その後も2着、3着と安定した戦い振りを見せ+66.0Pと好スタートを切ります。
4卓
4回戦(3回戦終了時 松永+3.3P 山室+38.7P 辻井+9.6P 原田▲51.6P)
南1局 親・原田
ここで辻井が十種十牌の配牌を貰い、国士無双に一直線。
3巡目にネックだと思われたドラの九筒を引き、1シャンテンになります。
これはアガれるのではないか?と期待して観ていたのですが、8巡目に親の原田がこのままでは終われない、とリーチ、数巡後に1,300は1,400オールのツモアガリ。
1シャンテンのまま手を回していた辻井の余剰牌は原田の当たり牌、七万でした。
結果は、東4局にドラ待ちの七対子を一発でツモアガリした山室が、そのまま得点を守りきりトップになりました。
トータルでも+58.9Pの好スタートとなり、これからが戦いやすくなりました。
次節ではどのように変わるのか?ヒートアップしていきそうです。
 
C1リーグ前期第1節:長尾浩平
暖かくなって良い気候の中、リーグ戦が開幕しました。
今回レポートを担当させて頂きます長尾です。拙い文章になると思いますが半年間よろしくお願いします。
今回の対戦の組み合わせは
1卓(掛樋、獅坂、川上、後藤)
掛樋(0-1-3-0)▲11.4P
獅坂(1-1-1-1)▲5.1P
川上(0-2-0-2)▲22.9P
後藤(3-0-0-1)+39.4P
1期でBリーグに返り咲きを狙う掛樋に、今回こそはと昇級を狙う獅坂、川上、後藤の戦いは4戦3勝の後藤の1人浮きとなりました。
2卓(中安、稲垣、中野、吉田)
中安(1-1-1-1)  ▲12.0P
稲垣(0-1.5-0.5-2)▲24.9P
中野(1-0-2-1)  ▲17.5P
吉田(2-1.5-0.5-0)+54.4P
昇級してきた吉田が勢いをそのままに全戦+でまとめ1人浮きに。
現在トータル1位になり連続昇級できるか注目です。
3卓(赤木、木下、高橋(悟)、高橋(正))
赤木(0-2-1-1)  ▲8.8P
木下(2-1-0-1)  +33.5P
高橋(悟)(1-1-2-0)+18.2P
高橋(正)(1-0-1-2)▲42.9P
安定した成績を残し前回3位で、今回はと期待にかかる赤木は波に乗れずに苦戦。
やっと最小失点に抑えたといった所です。
奮闘したのは木下。今後に期待です。
4卓(長尾、土田、辰巳、長野)
長尾(0-2-0-2)▲42.1P
土田(2-1-0-1)+48.0P
辰巳(1-0-3-0)▲30.7P
長野(1-1-1-1)+24.8P
土田が持ち前の攻撃力を発揮し大幅なプラスを手にしトータル2位になりました。
このまま次節以降も攻めを発揮できるか注目です。
1節を終えて上から下までそこまで差のない緩やかな立ち上がりになったと思います。
今後どんな展開になるのか楽しみです。
 
C2リーグ前期第1節:音羽なお
音羽なおです。初めてレポートを書かせていただきます。よろしくお願いします。
初めてのプロリーグでとても緊張しました。対局した事ない方がほとんどで最初は手が震えたりしていましたが、アガリに向かう事、自分らしく麻雀する事、常に向上心を意識し冷静になり麻雀する事をずっと強く思い挑みました。
マスターズプロアマ予選を勝ち抜いた、同期の宮澤と同卓で更に緊張しました。
3回戦オーラス、トップ目。
牌配
五万一索二索二索四索五索五索六索六索八索九索五筒六筒  ドラ四索
ソウズのホンイツを目指そうか456の三色を目指そうか迷いました。
ソウズに決めようと、まずは五万切り。しかし、流れは違がった。七筒を引き次巡六万引き、六筒も引いた。
対面の宮澤からリーチが入るも、ようやくテンパイ。七索を引き入れ、ドラ四索を切りリーチ。
二索二索五索五索六索六索七索七索五筒六筒六筒七筒七筒  リーチ
五筒をツモリ、リーチ、ツモ、タンヤオ、ピンフ、リャンペーコーの 3,000、6,000を加点。
オーラスで勝負にいくかいかないか。相手との点数や2着目との差を意識し前に進んだのですが、五万を残していたら、六万を引き入れ567の三色になっていて、七万がリーチ者から出たので三色の方がアガリが早かったなぁと。
どちらがよかったのかは打点に関わらず、これからの勉強の課題でもあります。
2卓での同期の行野と山本の対戦から。
4回戦、東場で小刻みにアガリを重ねた山本38,000点持ってトップ。
南場に入って行野が反撃する。
二筒をチーして六索を引き入れてテンパイ。
三万四万八万八万二索三索四索四索五索六索  チー二筒 上向き三筒 上向き四筒 上向き  ドラ八万
対して山本も早く、ここは安くてもアガリにかけたいところでしょう。が、チーしてテンパイのチャンスを取らなかったのです。
両面待ちになっていて悪いとも思えません。その矢先の行野のテンパイでした。行野はこれを二でツモって2,000・3,900。山本を逆転して幸先のいい出足となりました。
次節に向けて、一打一打を大事にし、先輩方に気持ちの面では負けないように、自分の気持ちと戦いながら頑張って昇級に向けて頑張りたいと思います。

第26期マスターズ ベスト8トーナメントレポート 小車 祥

第26期麻雀マスターズのベスト8トーナメントが夏目坂連盟スタジオにて行われた。
決勝という夢の舞台への階段もあと1つというところまで来た。
対戦カードは以下の通り。

A卓:村上淳(最高位戦)vs西野拓也(連盟)vs武藤武(連盟)vs四柳弘樹(連盟)
B卓:忍田幸夫(麻雀連合)vs矢島亨(協会)vs佐月麻理子(協会)vs松崎良文(連盟)

日本プロ麻雀連盟WRCルール(一発・裏ドラありの世界大会ルール)での対局。
同一メンバーで半荘3回戦を行い、トータルポイント上位2名が決勝へ進出となる。

 

 

100

 

A卓
1回戦(起家から、武藤・四柳・西野・村上)

東1局1本場、11巡目の四柳の手牌。

五万六万六万七万八万六索七索八索五筒五筒五筒七筒八筒  ツモ九万  ドラ八索

場にはすでに九筒が4枚切れていて、あまり嬉しくないテンパイに見える。
普段の四柳のイメージからも、ここはテンパイ取らずとする打八筒九万のツモ切りとなるかと思ったが、数秒考えた四柳は五万を切りリーチを打つ。
この数秒間に何を思ったか定かではないが、このリーチを打つことで対戦相手がどう出てくるのかを早い段階で見ておきたいというのもあったのかもしれない。
ほどなくして六筒をツモ。1,000・2,000は1,100・2,100のアガリ。

東2局1本場、親の四柳がリーチを打ち1人テンパイで流局した次の局。
13巡目という遅い巡目に四柳がテンパイしてリーチ。

四万五万六万四索五索四筒五筒六筒七筒八筒九筒中中  リーチ  ドラ六筒

安目ではあるものの、三索を一発ツモ。裏ドラは五万
4,000は4,100オールの大きなアガリで四柳が抜け出す。

 

100

 

東4局、親は村上
まずは10巡目に武藤がリーチ。

二万四万二索四索七索八索九索二筒三筒四筒五筒五筒発  ツモ三万

リーチの発生の後、ドラの発を切る。そのリーチ宣言牌を村上が仕掛けテンパイ。

一万一万四索五索六索六索七索八索四筒六筒  ポン発発発

さらに西野、仮テンのようなテンパイだったところから以下の勝負手になる。

四万五万六万八万八万八万三索三索三索六索四筒五筒六筒  ツモ五索

武藤の河には五万が切られていて、スジの八万を切るかと思ったが、西野の選択は打三索であった。
ドラを切ってリーチした者よりも、ドラを仕掛けて勝負に出た親の村上の方を強くケアすれば、安全度は八万よりも三索の方が高いように見える河だったのは確かだ。
武藤の待ちが見えているこちらからは一瞬「ん?」と疑問に思ったが、よく見てみるとなるほど確かにそうかもなという繊細な選択を西野はしていた。
しかし想定の範囲内であったとしても、武藤のリーチに手役が絡んでおり、さらには裏ドラが三索で8,000の放銃になってしまったことは、西野にとっては痛手となってしまった。

 

100

 

四柳リードの展開で迎えた南4局、村上の親番。
最初にテンパイを入れたのは西野。西野は現状4着目で3着目の村上とは1,300点差。

四万五万六万三索四索五索五筒七筒東東南南南  ドラ六筒

西野はヤミテンに構える。そしてオーラス連荘して2着、トップと目指していきたい村上がリーチ。

三万三万六万七万一索二索三索四索五索六索七索七索七索  リーチ

このリーチの直後、武藤もテンパイ。

二万三万三万三索四索二筒三筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒  ツモ二索

一万四万が村上の河に置かれていて、出ていく三万もそこまで目立たない牌。
武藤はヤミテンを選択した。
西野が四万をツモ切り、武藤が12,000をアガって1回戦が終了。

1回戦成績
四柳+40.7P 武藤+20.0P 村上▲19.2P 西野▲41.5P

2回戦(起家から、村上・四柳・武藤・西野)

東1局、親は村上。
1回戦で大きなリードを持った四柳が6巡目に先制リーチ。

三万四万五万六万七万八万二索三索四索六索六索三筒四筒  ドラ五万

直後、村上がリーチ。

二万三万六万七万八万一索二索三索七索八索九索発発  リーチ

しかしすぐに村上が二筒を掴む。裏ドラは七索で、四柳8,000のアガリ。

東2局、四柳の親番。
10巡目に四柳がリーチ。

四万四万二索三索五索六索七索七索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ八万

同巡、武藤もテンパイ。

一万一万八万四索四索九筒南南西北北中中  ツモ八万

九筒は場に1枚。西は生牌。四柳の第一打が八筒だったので、どちらの選択も有力に見える。
武藤の選択は打西九筒単騎のヤミテン。次巡九筒をツモアガリ。2,000・4,000。
1回戦ワンツーだった2名がリードを広げる展開で2回戦の序盤は進んでいく。

東3局、村上が1シャンテンから九万を暗カン。

一索三索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒七筒  暗カン牌の背九万 上向き九万 上向き牌の背  ドラ二筒六筒

村上はここから七筒ではなく打五索とする。四索が2枚切れだということが要因だろうか。
10巡目、親の武藤がテンパイ。

四万五万六万六万七万八万六索七索二筒二筒発発発

裏ドラを2枚見られる状況であってもしっかりとヤミテンに構える。
ここで村上が二索を引き入れ五筒八筒待ちでリーチ。
そう、村上は1シャンテンで五索を切っていなければ、ここで五索が武藤への放銃となっていたのである。
2巡後、武藤が八筒を掴む。八筒は見た目にもかなり危なそうな牌。五索がリーチした村上の現物で、自分は7,700のテンパイ。どうするか見ていたが、武藤は少考の後八筒をツモ切った。

一索二索三索五索六索七索二筒二筒六筒七筒  暗カン牌の背九万 上向き九万 上向き牌の背  ロン八筒  裏南九万

裏ドラが4枚乗り、16,000のアガリ。
リードしている立場の武藤はオリる選択もあっただけに、結果としては最悪となってしまった。
ここまでかなり苦しい展開が続いていた村上だったが、ここに来てワンチャンスをものにした。
この瞬間、順位点も入れると2.8P村上が武藤を捲る。

 

100

 

南3局1本場、親は武藤。
村上はこの2回戦トップを取りたいところだったが、そうはさせなかったのは四柳。

七筒七筒南南  ポン西西西  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き  ポン白白白  ツモ南  ドラ一万

3,000・6,000は3,100・6,100。
この2回戦の道中も、四柳はリードしている立場としての立ち回りをうまく見せていた。
その中でしっかりと大物手をアガリきり、自身のリードを大きく広げる。
そのまま四柳が2連勝。自身の勝ち上がりをほぼ確実のものとした。

2回戦成績
四柳+34.5P 村上+3.9P 武藤▲13.3P 西野▲25.1P

2回戦終了時
四柳+75.2P 武藤+6.7P 村上▲15.3P 西野▲66.6P

最終戦(起家から、西野・武藤・村上・四柳)

決勝行きのチケット2つの内、1つは四柳。
もう1つのチケットをめぐって武藤と村上が戦う。
そこに西野が大逆転を狙うという構図。

東1局、親は西野。
村上が6巡目に先制リーチを打つ。

一索二索三索一筒二筒三筒五筒五筒六筒七筒七筒九筒九筒  リーチ  ドラ南

待ちも打点も良いとは言い難いが、やはり最終戦のギリギリの戦いではこういう手はリーチをしてアガリたいところ。
大量リードの四柳、特にリーチに対して安全牌もなく自然と手を進めて10巡目にテンパイ。

五万六万七万四索四索五索六索七索四筒五筒六筒六筒七筒

村上、この四柳のテンパイ直後に五筒をツモ切り8,000の放銃となってしまう。

東2局、親の武藤がアガリを決めて村上を引き離す。

一万二万三万九万九万四索五索六索九索九索九索四筒六筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ五筒

2,600オール。

 

100

 

東3局3本場、追う立場となってしまった村上の親番。
南場にも親番は残っているとはいえ、ここは連荘して粘らなければならなくなった。
村上は深い巡目にテンパイ。

五万五万六万一索一索一索二筒三筒四筒南南北北北  ドラ三筒

場に四万が1枚、七万が4枚場に切れていた。そうじゃなくともツモって三暗刻になるシャンポン待ちにしたかもしれないが、四万七万待ちにする理由がほぼなくなっていた。
自然とシャンポン待ちにしてリーチを打つ村上。
四万ならツモっていたが、これは致し方ないところか。

東3局4本場、村上のアガリ。

三万四万五万七万七万五索六索七索二筒三筒四筒七筒七筒  ロン七万  ドラ五筒

2,000は3,200。

東3局5本場、村上は5巡目に十分な形の1シャンテン。

二万三万四万七万八万九万六索六索七索三筒三筒五筒六筒  ドラ五筒

しかし16巡目まで一切テンパイできないまま、役なしテンパイを取っていた四柳のツモアガリとなる。

三万四万五万二索三索四索一筒一筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ五筒

500・1,000は1,000・1,500のアガリ。
村上がテンパイさえできてリーチと言っていれば、おそらくこのテンパイは維持できていなかったであろう四柳の手。
村上は開けられた手牌を見てどう思ったか。

南3局1本場、大きな動きはないまま迎えた村上最後の親番。
村上は早い巡目で七対子に決めた手牌進行。ドラ含みの七対子1シャンテンで、良い単騎探しをしていたところだったが、10巡目にツモ切った六万が四柳への放銃となる。

五万六万七万七万八万一索二索三索四索五索六索北北  ロン六万  ドラ四索

2,000は2,300。

オーラスは全員ノーテンで終了し、リードを守り切った2名の勝ち上がりとなった。

最終戦成績
武藤+26.8P 四柳+11.3P 村上▲12.1P 西野▲26.0P

最終結果
四柳+86.5P 武藤+33.5P 村上▲27.4P 西野▲92.6P

A卓決勝勝ち上がり
四柳弘樹 武藤武

西野「地方リーグチャンピオンシップの時に映像対局の緊張がありましたが、今回は自分らしく麻雀が打てたのでよかったです。また出直します」
村上「後悔はないですね。精一杯やりました」

 

 

 

100

 

B卓
1回戦(起家から、松崎・矢島・忍田・佐月)

東1局、親の松崎にテンパイが入る。

一万一万四万五万六万四索五索六索八索九索四筒五筒六筒  ドラ八索

ヤミテンに構えた松崎。次に忍田が以下のテンパイ。

三万四万五万三索三索六索七索八索二筒二筒二筒三筒四筒四筒

選択肢はいくつかある中、忍田は強気な二筒切りリーチを選択。
忍田の河には六筒が切られていて三筒はスジになっていたが、宣言牌が二筒ではその効力は弱いように思う。
忍田自身そんなことは当然わかっている。それでもこの開局に最高打点でリーチすることに、意味を持たせようとしたのかもしれない。
すぐに三筒を掴んだ松崎。現物の六筒と入れ替えることはできたが、それだと三色が崩れてしまう。
さらにはリーチしている忍田の河には七索が切られていた。
二筒切りリーチで三筒が危ないとわかっていながらも、松崎は三筒をツモ切った。
裏ドラは東で8,000のアガリとなった忍田。
それぞれの思惑、思考が1つの結果に繋がっていく様が、1回戦目の1局目から名勝負の予感をよぎらせた。

 

100
100

 

東3局、親の忍田。
その証拠に……。これは東1局の最後の文章に繋がる言葉である。
忍田が12巡目テンパイ。

四万五万六万二索二索四索五索六索三筒四筒四筒五筒六筒  ドラ西

タンピン確定三色をヤミテンに構える。
その巡目の松崎の手牌。

五万五万五万七万七万六索七索八索二筒四筒六筒六筒西  ツモ三筒

もちろん本人にはわからないが、二筒が放銃となってしまいそうな手牌だっただけに助かったツモ。
そのままドラを切りリーチを打つ。松崎は四万を切っていて、場にマンズは安かった。
一発で忍田が七万を掴む。現物の四万とスライドして入れ替えることはできたが、忍田は七万をツモ切る。
裏ドラは三筒で8,000の放銃。
その証拠に……まるで東1局の人を入れ替えただけのような出来事が起こる。
親の確定三色ヤミテン。スライドできたがしなかった牌での放銃。
いきなり展開がドラマチックである。

東4局、親の佐月が先制リーチ。

一万二万三万四万五万六万四索五索六索五筒五筒七筒八筒  ツモ九筒  ドラ七筒  裏七筒

4,000オールで1人抜け出す。

東4局1本場。
松崎は仕掛けを入れてドラ3のテンパイを入れていた。

八万八万二索二索二索六索七索六筒七筒八筒  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ二索

そこへ矢島がリーチ。

三万四万五万五万六万七万五索六索五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ

松崎、一発で四索を掴むがこのテンパイでは止まらない。
矢島、8,000は8,300のアガリ。

 

100

 

南3局2本場、親の忍田がリーチ。

二万三万一索二索三索三索四索五索一筒二筒三筒西西  リーチ  ドラ四万

以下、矢島の手牌。

一万二万三万四万六索七索七索八索三筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七索

矢島は二万六万七万を河に切っている。忍田のリーチへの現物は三万のみ。七索がスジだった。
1枚しかないが現物を切る手もあるし、七索を切って迂回する手もあると思う。
矢島は1シャンテンキープの打一万。矢島の目から二万が3枚見えていてワンチャンス。仮に放銃してもドラではない方で安目になる可能性が高い。確かにその選択もある。
しかしこれが忍田に高目の手痛い放銃となってしまう。裏ドラは七万
12,000は12,600。

1回戦は佐月が逃げ切る形で終了。

1回戦成績
佐月+30.6P 忍田+16.4P 矢島▲15.5P 松崎▲31.5P

2回戦(起家から、矢島・忍田・松崎・佐月)

東1局、親は矢島。
10巡目、最初にテンパイしたのは松崎。

一筒二筒二筒三筒三筒六筒七筒八筒八筒八筒発発発  ドラ南

一筒は場に2枚。四筒は場に1枚。松崎はヤミテンに構える。
次に忍田が仕掛けてテンパイを入れる。

七索八索九索七筒九筒北北中中中  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き

続いて親の矢島も仕掛けてテンパイを取る。

一万二万三万四万五万六万南西西西  チー四万 左向き二万 上向き三万 上向き

更に佐月もポンをしてテンパイ。なんと全員テンパイとなる。

二索二索二筒三筒四筒南南南白白  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き

流局が近づいてきた頃、あとは決着か流局を待つばかりかと思ったが、忍田がさらに北をポンして打七筒とする。

七索八索九索九筒中中中  ポン北北北  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き

忍田の目から七筒は4枚見えていて、場に1枚切られている八筒は絶好の待ちに見える。
三色を見切ってあえて九筒単騎に受けたことには当然理由があるのだろう。
ピンズの一色手をやっていそうな松崎が少考して七筒を切った。松崎が八筒を2枚以上は持っていそうに見える。全員が前に出てきているこの状況で八筒がここまで出てこないのは、おそらく松崎が固めて持っているからではないか。だとすれば場に2枚切れている九筒単騎の方がアガリが見込めそうな上に、危なそうな牌を持ってきても1巡はほぼ安全にテンパイをキープすることができる。
その仕掛けを忍田が入れなければ忍田がツモっていた一筒を松崎がツモ。
結果は偶然だが、繊細な思考が放銃を回避する。

一筒二筒二筒三筒三筒六筒六筒八筒八筒八筒発発発  ツモ一筒

1回戦ラスの松崎は3,000・6,000のアガリから2回戦を気持ちよくスタートする。

南1局、東場は流局が多い展開。
佐月はピンズの一色手で仕掛け、自分のツモでテンパイを入れた。

一筒一筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒七筒九筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ドラ四索

そこに2つ仕掛けを入れていた忍田から八筒が出る。
佐月、8,000のアガリ。

 

100

 

南3局、矢島が8巡目にリーチ。

四万五万六万二索三索四索七索八索九索二筒三筒発発  リーチ  ドラ発

追いついた忍田もリーチ。

二万二万二万三万四万五万六万七万五索五索五索六索七索  リーチ

軍配は矢島に上がる。一筒を忍田からロン。5,200のアガリ。

南4局、親は佐月。
13,200点持ちで苦しい忍田。3着の矢島との差も15,200点と、跳満ツモでも変わらない。

七万八万九万一索二索三索七索八索九索一筒二筒西西  リーチ  ドラ四索

それでも忍田は少しでも素点を稼ぐため、上記手牌でリーチを打つ。
しかしここはアガリまでは辿り着けずに流局。
最終戦は佐月が抜け出し、松崎・忍田・矢島の三つ巴となった。

2回戦成績
松崎+26.6P 佐月+9.8P 矢島▲7.6P 忍田▲29.8P

2回戦終了時
佐月+40.4P 松崎▲4.9P 忍田▲13.4P 矢島▲23.1P

最終戦(起家から、忍田・矢島・佐月・松崎)

東1局、矢島が4巡目に先制リーチ。

一万二万三万四万五万七万八万九万九索九索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ九万

10巡目の佐月の手牌。

二万二万三万四万六万九万九万三索三索三索四索五索六索  ツモ四索

ここまでは比較的安全な牌を切りながら立ち回ってきた佐月だったが、ここで不要牌は全て無スジになる。
ドラドラの1シャンテンとはいえ、リスクは取らずに現物である五索六索を切る手もある。
しかしここで佐月は四索をツモ切り。自分の目からドラが2枚見えていて、矢島のリーチは安い可能性もあるという判断か。佐月、ここは強気に出る。
その気持ちに呼応するかのように次巡の佐月のツモは七万。さらに矢島に無スジの二万を切って追っかけリーチを打った。
矢島からすると「君は大人しくしててくれよ」なんて気持ちになったかもしれない。
しかしそこは勝負の世界。それぞれがリスクやリターンと対話しながら戦っているのだ。

二万三万四万六万七万九万九万三索三索三索四索五索六索  リーチ  ロン八万  裏七索

佐月、矢島から5,200のアガリ。これで佐月はさらに盤石な位置へ。

東4局、完全に追う立場となった矢島が2巡目テンパイ。

三万四万五万七万八万九万二索四索六索七索八索七筒七筒  ドラ四筒

ここはヤミテンとし、ツモ五筒で打二索、ツモ四筒で打四索のリーチを打つ。

三万四万五万七万八万九万六索七索八索四筒五筒七筒七筒  リーチ  ツモ三筒  裏中

1,300・2,600。

南2局、松崎が先制リーチを打ち、ツモアガリ。

二万三万三万四万四万五万一索一索三索四索五索二筒三筒  リーチ  ツモ一筒  ドラ二筒  裏二索

1,300・2,600のアガリで優位に立つ。

南4局1本場、供託のリーチ棒が1本。親は松崎。
点数状況は以下の通り。

佐月31,300
松崎30,600
矢島29,200
忍田27,900

松崎は現状トータル2位だが、最低でも着順が忍田より上でなければならず、矢島とも着順が2つ下だと捲られてしまう。
忍田の条件は、矢島・佐月からは1,600点以上のアガリ。それ以外は何点をアガっても松崎より上になるので勝ち上がり。
矢島の条件は、ツモなら何点でもOK。佐月からだけは1,000点でもアガると松崎の着順が佐月よりも上になってしまうので、跳満以上でないと佐月からはアガれない。しかし松崎・忍田からは1,000点でもアガれば勝ち上がり。
最終戦オーラス、3名にかなり現実的な条件が残るというシビれる展開に。
こうなると親番の松崎が、一度アガって連荘しなければならない分、現状上にいるはずなのに少し不利に見える。

最初に仕掛けたのが矢島。

二万四万四万八万八万二索二索五索二筒七筒  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ南

スピード勝負のオーラスだからこその仕掛け。
忍田も仕掛け返していく。

七万五索六索二筒三筒五筒七筒八筒九筒九筒  ポン白白白

忍田さらに一筒をチーして打七万。重ねた七筒をポンしてテンパイ。

五索六索九筒九筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン白白白

矢島、2フーロ目を入れて1シャンテン。

八万八万二索二索三索五索七索  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き

そしてここで松崎がメンゼンテンパイ。

三万五万六万七万四索四索六索七索八索六筒七筒発発  ツモ五筒

リーチ棒を出すと、忍田はどこからでも1,000点のアガリができるようになる。
ドラも切れていて、忍田は明らかに1,000点の仕掛けを入れているだけにリーチは躊躇われる。
しかし自分の勝ち上がりのためには打点のあるアガリをしなければ、連荘したとしても次の局も他者にそこそこの条件を残してしまうことになる。
数秒考え、決意を秘めたまなざしで松崎はリーチ宣言。
待っていたのは2巡後の発ツモ。裏ドラは二万で乗らず。しかし大きな2,000は2,100オール。

このアガリで勝負あり。
南4局2本場は矢島の1人テンパイで終了。

最終戦成績
松崎+21.9 矢島+5.1 佐月▲6.8 忍田▲20.2

最終結果
佐月+33.6 松崎+17.0 矢島▲18.0 忍田▲33.6

B卓決勝勝ち上がり
佐月麻理子 松崎良文

矢島「負けました。また頑張ります」
忍田「ここまで残れて嬉しいですけど、せっかくなんで決勝残りたかったですね」

観戦記者としてというより、一麻雀打ちとして胸が熱くなる対局を見せつけられた1日だった。
勝者の胸にある期待や不安が詰まった熱い思い。
敗者の胸にある悔しさや来年こそはという野望の詰まった熱い思い。
それぞれに共感しながら、観戦者としての熱い思いを私も秘め、決勝の舞台を楽しみに待つことにした。

麻雀マスターズ レポート/第26期マスターズ ベスト8トーナメントレポート 小車 祥

第26期麻雀マスターズのベスト8トーナメントが夏目坂連盟スタジオにて行われた。
決勝という夢の舞台への階段もあと1つというところまで来た。
対戦カードは以下の通り。
A卓:村上淳(最高位戦)vs西野拓也(連盟)vs武藤武(連盟)vs四柳弘樹(連盟)
B卓:忍田幸夫(麻雀連合)vs矢島亨(協会)vs佐月麻理子(協会)vs松崎良文(連盟)
日本プロ麻雀連盟WRCルール(一発・裏ドラありの世界大会ルール)での対局。
同一メンバーで半荘3回戦を行い、トータルポイント上位2名が決勝へ進出となる。
 
 
100
 
A卓
1回戦(起家から、武藤・四柳・西野・村上)
東1局1本場、11巡目の四柳の手牌。
五万六万六万七万八万六索七索八索五筒五筒五筒七筒八筒  ツモ九万  ドラ八索
場にはすでに九筒が4枚切れていて、あまり嬉しくないテンパイに見える。
普段の四柳のイメージからも、ここはテンパイ取らずとする打八筒九万のツモ切りとなるかと思ったが、数秒考えた四柳は五万を切りリーチを打つ。
この数秒間に何を思ったか定かではないが、このリーチを打つことで対戦相手がどう出てくるのかを早い段階で見ておきたいというのもあったのかもしれない。
ほどなくして六筒をツモ。1,000・2,000は1,100・2,100のアガリ。
東2局1本場、親の四柳がリーチを打ち1人テンパイで流局した次の局。
13巡目という遅い巡目に四柳がテンパイしてリーチ。
四万五万六万四索五索四筒五筒六筒七筒八筒九筒中中  リーチ  ドラ六筒
安目ではあるものの、三索を一発ツモ。裏ドラは五万
4,000は4,100オールの大きなアガリで四柳が抜け出す。
 
100
 
東4局、親は村上
まずは10巡目に武藤がリーチ。
二万四万二索四索七索八索九索二筒三筒四筒五筒五筒発  ツモ三万
リーチの発生の後、ドラの発を切る。そのリーチ宣言牌を村上が仕掛けテンパイ。
一万一万四索五索六索六索七索八索四筒六筒  ポン発発発
さらに西野、仮テンのようなテンパイだったところから以下の勝負手になる。
四万五万六万八万八万八万三索三索三索六索四筒五筒六筒  ツモ五索
武藤の河には五万が切られていて、スジの八万を切るかと思ったが、西野の選択は打三索であった。
ドラを切ってリーチした者よりも、ドラを仕掛けて勝負に出た親の村上の方を強くケアすれば、安全度は八万よりも三索の方が高いように見える河だったのは確かだ。
武藤の待ちが見えているこちらからは一瞬「ん?」と疑問に思ったが、よく見てみるとなるほど確かにそうかもなという繊細な選択を西野はしていた。
しかし想定の範囲内であったとしても、武藤のリーチに手役が絡んでおり、さらには裏ドラが三索で8,000の放銃になってしまったことは、西野にとっては痛手となってしまった。
 
100
 
四柳リードの展開で迎えた南4局、村上の親番。
最初にテンパイを入れたのは西野。西野は現状4着目で3着目の村上とは1,300点差。
四万五万六万三索四索五索五筒七筒東東南南南  ドラ六筒
西野はヤミテンに構える。そしてオーラス連荘して2着、トップと目指していきたい村上がリーチ。
三万三万六万七万一索二索三索四索五索六索七索七索七索  リーチ
このリーチの直後、武藤もテンパイ。
二万三万三万三索四索二筒三筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒  ツモ二索
一万四万が村上の河に置かれていて、出ていく三万もそこまで目立たない牌。
武藤はヤミテンを選択した。
西野が四万をツモ切り、武藤が12,000をアガって1回戦が終了。
1回戦成績
四柳+40.7P 武藤+20.0P 村上▲19.2P 西野▲41.5P
2回戦(起家から、村上・四柳・武藤・西野)
東1局、親は村上。
1回戦で大きなリードを持った四柳が6巡目に先制リーチ。
三万四万五万六万七万八万二索三索四索六索六索三筒四筒  ドラ五万
直後、村上がリーチ。
二万三万六万七万八万一索二索三索七索八索九索発発  リーチ
しかしすぐに村上が二筒を掴む。裏ドラは七索で、四柳8,000のアガリ。
東2局、四柳の親番。
10巡目に四柳がリーチ。
四万四万二索三索五索六索七索七索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ八万
同巡、武藤もテンパイ。
一万一万八万四索四索九筒南南西北北中中  ツモ八万
九筒は場に1枚。西は生牌。四柳の第一打が八筒だったので、どちらの選択も有力に見える。
武藤の選択は打西九筒単騎のヤミテン。次巡九筒をツモアガリ。2,000・4,000。
1回戦ワンツーだった2名がリードを広げる展開で2回戦の序盤は進んでいく。
東3局、村上が1シャンテンから九万を暗カン。
一索三索五索五索六索七索二筒二筒六筒七筒七筒  暗カン牌の背九万 上向き九万 上向き牌の背  ドラ二筒六筒
村上はここから七筒ではなく打五索とする。四索が2枚切れだということが要因だろうか。
10巡目、親の武藤がテンパイ。
四万五万六万六万七万八万六索七索二筒二筒発発発
裏ドラを2枚見られる状況であってもしっかりとヤミテンに構える。
ここで村上が二索を引き入れ五筒八筒待ちでリーチ。
そう、村上は1シャンテンで五索を切っていなければ、ここで五索が武藤への放銃となっていたのである。
2巡後、武藤が八筒を掴む。八筒は見た目にもかなり危なそうな牌。五索がリーチした村上の現物で、自分は7,700のテンパイ。どうするか見ていたが、武藤は少考の後八筒をツモ切った。
一索二索三索五索六索七索二筒二筒六筒七筒  暗カン牌の背九万 上向き九万 上向き牌の背  ロン八筒  裏南九万
裏ドラが4枚乗り、16,000のアガリ。
リードしている立場の武藤はオリる選択もあっただけに、結果としては最悪となってしまった。
ここまでかなり苦しい展開が続いていた村上だったが、ここに来てワンチャンスをものにした。
この瞬間、順位点も入れると2.8P村上が武藤を捲る。
 
100
 
南3局1本場、親は武藤。
村上はこの2回戦トップを取りたいところだったが、そうはさせなかったのは四柳。
七筒七筒南南  ポン西西西  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き  ポン白白白  ツモ南  ドラ一万
3,000・6,000は3,100・6,100。
この2回戦の道中も、四柳はリードしている立場としての立ち回りをうまく見せていた。
その中でしっかりと大物手をアガリきり、自身のリードを大きく広げる。
そのまま四柳が2連勝。自身の勝ち上がりをほぼ確実のものとした。
2回戦成績
四柳+34.5P 村上+3.9P 武藤▲13.3P 西野▲25.1P
2回戦終了時
四柳+75.2P 武藤+6.7P 村上▲15.3P 西野▲66.6P
最終戦(起家から、西野・武藤・村上・四柳)
決勝行きのチケット2つの内、1つは四柳。
もう1つのチケットをめぐって武藤と村上が戦う。
そこに西野が大逆転を狙うという構図。
東1局、親は西野。
村上が6巡目に先制リーチを打つ。
一索二索三索一筒二筒三筒五筒五筒六筒七筒七筒九筒九筒  リーチ  ドラ南
待ちも打点も良いとは言い難いが、やはり最終戦のギリギリの戦いではこういう手はリーチをしてアガリたいところ。
大量リードの四柳、特にリーチに対して安全牌もなく自然と手を進めて10巡目にテンパイ。
五万六万七万四索四索五索六索七索四筒五筒六筒六筒七筒
村上、この四柳のテンパイ直後に五筒をツモ切り8,000の放銃となってしまう。
東2局、親の武藤がアガリを決めて村上を引き離す。
一万二万三万九万九万四索五索六索九索九索九索四筒六筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ五筒
2,600オール。
 
100
 
東3局3本場、追う立場となってしまった村上の親番。
南場にも親番は残っているとはいえ、ここは連荘して粘らなければならなくなった。
村上は深い巡目にテンパイ。
五万五万六万一索一索一索二筒三筒四筒南南北北北  ドラ三筒
場に四万が1枚、七万が4枚場に切れていた。そうじゃなくともツモって三暗刻になるシャンポン待ちにしたかもしれないが、四万七万待ちにする理由がほぼなくなっていた。
自然とシャンポン待ちにしてリーチを打つ村上。
四万ならツモっていたが、これは致し方ないところか。
東3局4本場、村上のアガリ。
三万四万五万七万七万五索六索七索二筒三筒四筒七筒七筒  ロン七万  ドラ五筒
2,000は3,200。
東3局5本場、村上は5巡目に十分な形の1シャンテン。
二万三万四万七万八万九万六索六索七索三筒三筒五筒六筒  ドラ五筒
しかし16巡目まで一切テンパイできないまま、役なしテンパイを取っていた四柳のツモアガリとなる。
三万四万五万二索三索四索一筒一筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ五筒
500・1,000は1,000・1,500のアガリ。
村上がテンパイさえできてリーチと言っていれば、おそらくこのテンパイは維持できていなかったであろう四柳の手。
村上は開けられた手牌を見てどう思ったか。
南3局1本場、大きな動きはないまま迎えた村上最後の親番。
村上は早い巡目で七対子に決めた手牌進行。ドラ含みの七対子1シャンテンで、良い単騎探しをしていたところだったが、10巡目にツモ切った六万が四柳への放銃となる。
五万六万七万七万八万一索二索三索四索五索六索北北  ロン六万  ドラ四索
2,000は2,300。
オーラスは全員ノーテンで終了し、リードを守り切った2名の勝ち上がりとなった。
最終戦成績
武藤+26.8P 四柳+11.3P 村上▲12.1P 西野▲26.0P
最終結果
四柳+86.5P 武藤+33.5P 村上▲27.4P 西野▲92.6P
A卓決勝勝ち上がり
四柳弘樹 武藤武
西野「地方リーグチャンピオンシップの時に映像対局の緊張がありましたが、今回は自分らしく麻雀が打てたのでよかったです。また出直します」
村上「後悔はないですね。精一杯やりました」
 
 
 
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B卓
1回戦(起家から、松崎・矢島・忍田・佐月)
東1局、親の松崎にテンパイが入る。
一万一万四万五万六万四索五索六索八索九索四筒五筒六筒  ドラ八索
ヤミテンに構えた松崎。次に忍田が以下のテンパイ。
三万四万五万三索三索六索七索八索二筒二筒二筒三筒四筒四筒
選択肢はいくつかある中、忍田は強気な二筒切りリーチを選択。
忍田の河には六筒が切られていて三筒はスジになっていたが、宣言牌が二筒ではその効力は弱いように思う。
忍田自身そんなことは当然わかっている。それでもこの開局に最高打点でリーチすることに、意味を持たせようとしたのかもしれない。
すぐに三筒を掴んだ松崎。現物の六筒と入れ替えることはできたが、それだと三色が崩れてしまう。
さらにはリーチしている忍田の河には七索が切られていた。
二筒切りリーチで三筒が危ないとわかっていながらも、松崎は三筒をツモ切った。
裏ドラは東で8,000のアガリとなった忍田。
それぞれの思惑、思考が1つの結果に繋がっていく様が、1回戦目の1局目から名勝負の予感をよぎらせた。
 

100
100

 
東3局、親の忍田。
その証拠に……。これは東1局の最後の文章に繋がる言葉である。
忍田が12巡目テンパイ。
四万五万六万二索二索四索五索六索三筒四筒四筒五筒六筒  ドラ西
タンピン確定三色をヤミテンに構える。
その巡目の松崎の手牌。
五万五万五万七万七万六索七索八索二筒四筒六筒六筒西  ツモ三筒
もちろん本人にはわからないが、二筒が放銃となってしまいそうな手牌だっただけに助かったツモ。
そのままドラを切りリーチを打つ。松崎は四万を切っていて、場にマンズは安かった。
一発で忍田が七万を掴む。現物の四万とスライドして入れ替えることはできたが、忍田は七万をツモ切る。
裏ドラは三筒で8,000の放銃。
その証拠に……まるで東1局の人を入れ替えただけのような出来事が起こる。
親の確定三色ヤミテン。スライドできたがしなかった牌での放銃。
いきなり展開がドラマチックである。
東4局、親の佐月が先制リーチ。
一万二万三万四万五万六万四索五索六索五筒五筒七筒八筒  ツモ九筒  ドラ七筒  裏七筒
4,000オールで1人抜け出す。
東4局1本場。
松崎は仕掛けを入れてドラ3のテンパイを入れていた。
八万八万二索二索二索六索七索六筒七筒八筒  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ二索
そこへ矢島がリーチ。
三万四万五万五万六万七万五索六索五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ
松崎、一発で四索を掴むがこのテンパイでは止まらない。
矢島、8,000は8,300のアガリ。
 
100
 
南3局2本場、親の忍田がリーチ。
二万三万一索二索三索三索四索五索一筒二筒三筒西西  リーチ  ドラ四万
以下、矢島の手牌。
一万二万三万四万六索七索七索八索三筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七索
矢島は二万六万七万を河に切っている。忍田のリーチへの現物は三万のみ。七索がスジだった。
1枚しかないが現物を切る手もあるし、七索を切って迂回する手もあると思う。
矢島は1シャンテンキープの打一万。矢島の目から二万が3枚見えていてワンチャンス。仮に放銃してもドラではない方で安目になる可能性が高い。確かにその選択もある。
しかしこれが忍田に高目の手痛い放銃となってしまう。裏ドラは七万
12,000は12,600。
1回戦は佐月が逃げ切る形で終了。
1回戦成績
佐月+30.6P 忍田+16.4P 矢島▲15.5P 松崎▲31.5P
2回戦(起家から、矢島・忍田・松崎・佐月)
東1局、親は矢島。
10巡目、最初にテンパイしたのは松崎。
一筒二筒二筒三筒三筒六筒七筒八筒八筒八筒発発発  ドラ南
一筒は場に2枚。四筒は場に1枚。松崎はヤミテンに構える。
次に忍田が仕掛けてテンパイを入れる。
七索八索九索七筒九筒北北中中中  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き
続いて親の矢島も仕掛けてテンパイを取る。
一万二万三万四万五万六万南西西西  チー四万 左向き二万 上向き三万 上向き
更に佐月もポンをしてテンパイ。なんと全員テンパイとなる。
二索二索二筒三筒四筒南南南白白  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き
流局が近づいてきた頃、あとは決着か流局を待つばかりかと思ったが、忍田がさらに北をポンして打七筒とする。
七索八索九索九筒中中中  ポン北北北  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き
忍田の目から七筒は4枚見えていて、場に1枚切られている八筒は絶好の待ちに見える。
三色を見切ってあえて九筒単騎に受けたことには当然理由があるのだろう。
ピンズの一色手をやっていそうな松崎が少考して七筒を切った。松崎が八筒を2枚以上は持っていそうに見える。全員が前に出てきているこの状況で八筒がここまで出てこないのは、おそらく松崎が固めて持っているからではないか。だとすれば場に2枚切れている九筒単騎の方がアガリが見込めそうな上に、危なそうな牌を持ってきても1巡はほぼ安全にテンパイをキープすることができる。
その仕掛けを忍田が入れなければ忍田がツモっていた一筒を松崎がツモ。
結果は偶然だが、繊細な思考が放銃を回避する。
一筒二筒二筒三筒三筒六筒六筒八筒八筒八筒発発発  ツモ一筒
1回戦ラスの松崎は3,000・6,000のアガリから2回戦を気持ちよくスタートする。
南1局、東場は流局が多い展開。
佐月はピンズの一色手で仕掛け、自分のツモでテンパイを入れた。
一筒一筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒七筒九筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ドラ四索
そこに2つ仕掛けを入れていた忍田から八筒が出る。
佐月、8,000のアガリ。
 
100
 
南3局、矢島が8巡目にリーチ。
四万五万六万二索三索四索七索八索九索二筒三筒発発  リーチ  ドラ発
追いついた忍田もリーチ。
二万二万二万三万四万五万六万七万五索五索五索六索七索  リーチ
軍配は矢島に上がる。一筒を忍田からロン。5,200のアガリ。
南4局、親は佐月。
13,200点持ちで苦しい忍田。3着の矢島との差も15,200点と、跳満ツモでも変わらない。
七万八万九万一索二索三索七索八索九索一筒二筒西西  リーチ  ドラ四索
それでも忍田は少しでも素点を稼ぐため、上記手牌でリーチを打つ。
しかしここはアガリまでは辿り着けずに流局。
最終戦は佐月が抜け出し、松崎・忍田・矢島の三つ巴となった。
2回戦成績
松崎+26.6P 佐月+9.8P 矢島▲7.6P 忍田▲29.8P
2回戦終了時
佐月+40.4P 松崎▲4.9P 忍田▲13.4P 矢島▲23.1P
最終戦(起家から、忍田・矢島・佐月・松崎)
東1局、矢島が4巡目に先制リーチ。
一万二万三万四万五万七万八万九万九索九索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ九万
10巡目の佐月の手牌。
二万二万三万四万六万九万九万三索三索三索四索五索六索  ツモ四索
ここまでは比較的安全な牌を切りながら立ち回ってきた佐月だったが、ここで不要牌は全て無スジになる。
ドラドラの1シャンテンとはいえ、リスクは取らずに現物である五索六索を切る手もある。
しかしここで佐月は四索をツモ切り。自分の目からドラが2枚見えていて、矢島のリーチは安い可能性もあるという判断か。佐月、ここは強気に出る。
その気持ちに呼応するかのように次巡の佐月のツモは七万。さらに矢島に無スジの二万を切って追っかけリーチを打った。
矢島からすると「君は大人しくしててくれよ」なんて気持ちになったかもしれない。
しかしそこは勝負の世界。それぞれがリスクやリターンと対話しながら戦っているのだ。
二万三万四万六万七万九万九万三索三索三索四索五索六索  リーチ  ロン八万  裏七索
佐月、矢島から5,200のアガリ。これで佐月はさらに盤石な位置へ。
東4局、完全に追う立場となった矢島が2巡目テンパイ。
三万四万五万七万八万九万二索四索六索七索八索七筒七筒  ドラ四筒
ここはヤミテンとし、ツモ五筒で打二索、ツモ四筒で打四索のリーチを打つ。
三万四万五万七万八万九万六索七索八索四筒五筒七筒七筒  リーチ  ツモ三筒  裏中
1,300・2,600。
南2局、松崎が先制リーチを打ち、ツモアガリ。
二万三万三万四万四万五万一索一索三索四索五索二筒三筒  リーチ  ツモ一筒  ドラ二筒  裏二索
1,300・2,600のアガリで優位に立つ。
南4局1本場、供託のリーチ棒が1本。親は松崎。
点数状況は以下の通り。
佐月31,300
松崎30,600
矢島29,200
忍田27,900
松崎は現状トータル2位だが、最低でも着順が忍田より上でなければならず、矢島とも着順が2つ下だと捲られてしまう。
忍田の条件は、矢島・佐月からは1,600点以上のアガリ。それ以外は何点をアガっても松崎より上になるので勝ち上がり。
矢島の条件は、ツモなら何点でもOK。佐月からだけは1,000点でもアガると松崎の着順が佐月よりも上になってしまうので、跳満以上でないと佐月からはアガれない。しかし松崎・忍田からは1,000点でもアガれば勝ち上がり。
最終戦オーラス、3名にかなり現実的な条件が残るというシビれる展開に。
こうなると親番の松崎が、一度アガって連荘しなければならない分、現状上にいるはずなのに少し不利に見える。
最初に仕掛けたのが矢島。
二万四万四万八万八万二索二索五索二筒七筒  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ南
スピード勝負のオーラスだからこその仕掛け。
忍田も仕掛け返していく。
七万五索六索二筒三筒五筒七筒八筒九筒九筒  ポン白白白
忍田さらに一筒をチーして打七万。重ねた七筒をポンしてテンパイ。
五索六索九筒九筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン白白白
矢島、2フーロ目を入れて1シャンテン。
八万八万二索二索三索五索七索  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き
そしてここで松崎がメンゼンテンパイ。
三万五万六万七万四索四索六索七索八索六筒七筒発発  ツモ五筒
リーチ棒を出すと、忍田はどこからでも1,000点のアガリができるようになる。
ドラも切れていて、忍田は明らかに1,000点の仕掛けを入れているだけにリーチは躊躇われる。
しかし自分の勝ち上がりのためには打点のあるアガリをしなければ、連荘したとしても次の局も他者にそこそこの条件を残してしまうことになる。
数秒考え、決意を秘めたまなざしで松崎はリーチ宣言。
待っていたのは2巡後の発ツモ。裏ドラは二万で乗らず。しかし大きな2,000は2,100オール。
このアガリで勝負あり。
南4局2本場は矢島の1人テンパイで終了。
最終戦成績
松崎+21.9 矢島+5.1 佐月▲6.8 忍田▲20.2
最終結果
佐月+33.6 松崎+17.0 矢島▲18.0 忍田▲33.6
B卓決勝勝ち上がり
佐月麻理子 松崎良文
矢島「負けました。また頑張ります」
忍田「ここまで残れて嬉しいですけど、せっかくなんで決勝残りたかったですね」
観戦記者としてというより、一麻雀打ちとして胸が熱くなる対局を見せつけられた1日だった。
勝者の胸にある期待や不安が詰まった熱い思い。
敗者の胸にある悔しさや来年こそはという野望の詰まった熱い思い。
それぞれに共感しながら、観戦者としての熱い思いを私も秘め、決勝の舞台を楽しみに待つことにした。

何を切る?fromロン2 2017年5月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東3局南家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)

 

プロ

四索切り・・・15人
四万切り・・・12人
五索切り・・・6人
七筒切り・・・6人
五万切り・・・3人
三万切り・・・2人

 

ロン2ユーザー

四索切り・・・36.5%
七筒切り・・・22.7%
四万切り・・・17.7%
五索切り・・・9.9%
三万切り・・・3.9%
五万切り・・・3.9%
四筒切り・・・2.8%
六筒切り・・・2.8%

 

 

プロ解答(50音順)

 

四索切り

蒼井ゆりか
「七対子に決めます。暗刻になれば渡りも考えます。」

荒正義
「七対子狙いで、シュンツ手も見る。」

伊藤優孝
「七対子は苦手だが仕方がない。とりあえず四索切り?」

小島広宣
「七対子の1シャンテンに構えつつ、五索六索七索を引いた時に対応できる。さらに三万を残すことで、下家が仕掛けた場合にも対応できる。」

近藤久春
「七対子一本で。ヤミテンが入っていたらどれも危険そうなので、とりあえず親の現物。」

仁平宣明
「先に四筒が重なったことで、トイツ手を強く意識する。この後、先に四筒五索七索が刻子になるようなら、四万を切る。」

林俊宏
「七対子の1シャンテンに構えつつ、ドラの暗刻かポンの仕掛けはするつもり。親の現物は欲しいけど、四索はもう逃がさないと手遅れかな。」

東谷達矢
「この手格好であれば、まだ七対子とメンツ手を共に追える。ただ、次のツモで待ち頃の牌を持ってくれば七対子に決め打つ。」

HIRO柴田
「七対子に構えながら、もう一手進み方を見てメンツ手か判断。」

藤崎智
「七対子とメンツ手の天秤にします。」

藤原隆弘
「メンツ手なら(五索切りか?)2シャンテンだし、あまり良い形とは思えないので、七対子の1シャンテンに取る。その後は五索七索が暗刻になったらメンツ手に戻すが、アガれるとしたら七対子だろう!」

麓征生
「七対子。1枚切れの四索にします。」

三戸亮祐
「メンツ手にすると、最終的にメンゼンで仕上がらない可能性があるので、七対子に決め打つ。」

宮内こずえ
「七対子に決めます。」

山田浩之
五索七索が暗刻になった時のメンツ手の保険をかけつつ、本線は七対子。」

 

 

四万切り

魚谷侑未
「この手は七対子にしたらもったいなく感じるので、メンツ手に絞って仕掛けていきます。」

内川幸太郎
「七対子1シャンテンですが、これだけ横につながっているので、タンピンドラ×2を本線に行きます。南家、東3ということで、仕掛けもします。」

小笠原奈央
「七対子は見ずに、この次のツモを見ていきたい。」

紺野真太郎
「七対子1シャンテンだが、三万五万四索七筒の比較が難しい。打四万とし、動くことも考える。」

猿川真寿
「七対子にしたいが、残す牌が自信のない牌ばかりなので、メンツ手にする。マンズの場況が多少は良さそうだが、リャンメン固定しづらいターツばかりなので、とりあえず四万打ちとする。」

清水香織
「巡目が早いので、七対子に限定せず、メンツ手の仕掛けも考える。」

瀬戸熊直樹
「七対子が見えるが、メンツ手にした方がテンパイ時からのアガリの可能性が高いパターンの手牌なので、メンツ手に。」

童瞳
「七対子は見ず、タンヤオのドラドラ使い切り。」

古橋崇志
「どの牌を残しても失敗しそうなので、七対子にはしない。メンツ手にして、ドラと四筒はポンして進めていく。」

山井弘
「横につながりのある手牌なので、トイツ手は見切ってシュンツ手と考えます。その場合、マンズは1メンツでメンツ構成が足りているため四万切りとします。巡目によっては仕掛けも考えます。」

四柳弘樹
「リャンメンターツが2つある状態で七対子にはしたくない。仕掛けも視野に入れて、打四万とします。」

和久津晶
「七対子にしても中張牌が多すぎるので仕掛けます。」

 

 

五索切り

石渡正志
「形的には打四万としたいが、ドラが七索なので打五索として、マンズの好形も残しておきたい。」

岡部光輝
「ドラを使い切りたい。七対子は狙わず、横に伸ばしていく。タンピン、456の三色、イーペーコーを狙っていく。もしドラが出ればポンをする。」

清原継光
「とても悩ましい手だけど、七対子よりも仕掛けて親を蹴ることを優先しました。四万を切らないのは、マンズが伸びた時に四筒を落として、さらに攻めやすくするため。親の速度も速そうなので、トップ目に加点させないことを大事にしたいです。仕掛けてテンパイしたら親とは戦います。」

ダンプ大橋
「七対子は厳しそうなので、ドラを固定の打五索。ポンからなら鳴きも。」

森下剛任
「七対子は見ない。マンズを伸ばしたい。」

吉田直
「この手を縦にするか横にするかということで問題になっていると思いますが、場況的にシュンツ手と見て五索を切ります。ここから345、456の三色になればうれしいですが、内心は3,900のチーテンを取るんだろうなと思っています。」

 

 

七筒切り

内田美乃里
「タンヤオ七対子を見つつ、横に伸びたらタンピン。仕掛けも考慮する。」

勝又健志
「七対子狙い。リャンメン形の多い手牌なので、メンツ手を見たいところだが、メンゼンで決まりそうもないという雰囲気なので。」

白鳥翔
「全体的に速度が速そうなので、(上家は二索四索のターツ落とし、下家はドラ表示牌も打っている)七対子の1シャンテンには取る。場況を見ての三万五万四索七筒の比較だと、若干七筒が悪く見えるのと、メンツ手も保留として打七筒とする。」

ともたけ雅晴
「ドラドラのチャンス手だけど、アガリは厳しそう!何を切ってもロスはあるが、場に高いピンズを処理して七対子を視野に進める。何か暗刻になったらトイトイも考える。」

仲田加南
三索六索待ちの悪さからシュンツ手を本線にはしない。」

浜上文吾
「素直に七対子の1シャンテンに取ります。オリずにじっくり手を進めます。テンパイしてもヤミテンを選択します。」

 

 

五万切り

客野直
「七対子に決める。全員に危なそうな五万を先に処理しておく。」

沢崎誠
「ドラそばの三索六索を見ると、四索五索五索の形をリャンメン受けは、待ちとして魅力を感じない。七対子一本と決めて、三万五万四索七筒の内から危険度の高そうな五万切りとします。」

二階堂亜樹
「鳴いてタンヤオに向かうには残っている牌がキツそうなので七対子に。三万五万あたりは他家に持たれてそうなので。」

 

 

三万切り

福光聖雄
「メンツ手にすると五筒三索六索が急所で、テンパイまではしやすいがアガリやすい気はしない。七対子に決めるが、残す牌は親や他家への安全度で選ぶ。」

古川孝次
「メンツに伸びるのが難しそう。目指すのはタンヤオ七対子ドラドラで、切り牌は三万五万か?」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2017年5月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東3局南家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)

 
プロ

四索切り・・・15人
四万切り・・・12人
五索切り・・・6人
七筒切り・・・6人
五万切り・・・3人
三万切り・・・2人
 
ロン2ユーザー

四索切り・・・36.5%
七筒切り・・・22.7%
四万切り・・・17.7%
五索切り・・・9.9%
三万切り・・・3.9%
五万切り・・・3.9%
四筒切り・・・2.8%
六筒切り・・・2.8%
 
 
プロ解答(50音順)
 
四索切り
蒼井ゆりか
「七対子に決めます。暗刻になれば渡りも考えます。」
荒正義
「七対子狙いで、シュンツ手も見る。」
伊藤優孝
「七対子は苦手だが仕方がない。とりあえず四索切り?」
小島広宣
「七対子の1シャンテンに構えつつ、五索六索七索を引いた時に対応できる。さらに三万を残すことで、下家が仕掛けた場合にも対応できる。」
近藤久春
「七対子一本で。ヤミテンが入っていたらどれも危険そうなので、とりあえず親の現物。」
仁平宣明
「先に四筒が重なったことで、トイツ手を強く意識する。この後、先に四筒五索七索が刻子になるようなら、四万を切る。」
林俊宏
「七対子の1シャンテンに構えつつ、ドラの暗刻かポンの仕掛けはするつもり。親の現物は欲しいけど、四索はもう逃がさないと手遅れかな。」
東谷達矢
「この手格好であれば、まだ七対子とメンツ手を共に追える。ただ、次のツモで待ち頃の牌を持ってくれば七対子に決め打つ。」
HIRO柴田
「七対子に構えながら、もう一手進み方を見てメンツ手か判断。」
藤崎智
「七対子とメンツ手の天秤にします。」
藤原隆弘
「メンツ手なら(五索切りか?)2シャンテンだし、あまり良い形とは思えないので、七対子の1シャンテンに取る。その後は五索七索が暗刻になったらメンツ手に戻すが、アガれるとしたら七対子だろう!」
麓征生
「七対子。1枚切れの四索にします。」
三戸亮祐
「メンツ手にすると、最終的にメンゼンで仕上がらない可能性があるので、七対子に決め打つ。」
宮内こずえ
「七対子に決めます。」
山田浩之
五索七索が暗刻になった時のメンツ手の保険をかけつつ、本線は七対子。」
 
 
四万切り
魚谷侑未
「この手は七対子にしたらもったいなく感じるので、メンツ手に絞って仕掛けていきます。」
内川幸太郎
「七対子1シャンテンですが、これだけ横につながっているので、タンピンドラ×2を本線に行きます。南家、東3ということで、仕掛けもします。」
小笠原奈央
「七対子は見ずに、この次のツモを見ていきたい。」
紺野真太郎
「七対子1シャンテンだが、三万五万四索七筒の比較が難しい。打四万とし、動くことも考える。」
猿川真寿
「七対子にしたいが、残す牌が自信のない牌ばかりなので、メンツ手にする。マンズの場況が多少は良さそうだが、リャンメン固定しづらいターツばかりなので、とりあえず四万打ちとする。」
清水香織
「巡目が早いので、七対子に限定せず、メンツ手の仕掛けも考える。」
瀬戸熊直樹
「七対子が見えるが、メンツ手にした方がテンパイ時からのアガリの可能性が高いパターンの手牌なので、メンツ手に。」
童瞳
「七対子は見ず、タンヤオのドラドラ使い切り。」
古橋崇志
「どの牌を残しても失敗しそうなので、七対子にはしない。メンツ手にして、ドラと四筒はポンして進めていく。」
山井弘
「横につながりのある手牌なので、トイツ手は見切ってシュンツ手と考えます。その場合、マンズは1メンツでメンツ構成が足りているため四万切りとします。巡目によっては仕掛けも考えます。」
四柳弘樹
「リャンメンターツが2つある状態で七対子にはしたくない。仕掛けも視野に入れて、打四万とします。」
和久津晶
「七対子にしても中張牌が多すぎるので仕掛けます。」
 
 
五索切り
石渡正志
「形的には打四万としたいが、ドラが七索なので打五索として、マンズの好形も残しておきたい。」
岡部光輝
「ドラを使い切りたい。七対子は狙わず、横に伸ばしていく。タンピン、456の三色、イーペーコーを狙っていく。もしドラが出ればポンをする。」
清原継光
「とても悩ましい手だけど、七対子よりも仕掛けて親を蹴ることを優先しました。四万を切らないのは、マンズが伸びた時に四筒を落として、さらに攻めやすくするため。親の速度も速そうなので、トップ目に加点させないことを大事にしたいです。仕掛けてテンパイしたら親とは戦います。」
ダンプ大橋
「七対子は厳しそうなので、ドラを固定の打五索。ポンからなら鳴きも。」
森下剛任
「七対子は見ない。マンズを伸ばしたい。」
吉田直
「この手を縦にするか横にするかということで問題になっていると思いますが、場況的にシュンツ手と見て五索を切ります。ここから345、456の三色になればうれしいですが、内心は3,900のチーテンを取るんだろうなと思っています。」
 
 
七筒切り
内田美乃里
「タンヤオ七対子を見つつ、横に伸びたらタンピン。仕掛けも考慮する。」
勝又健志
「七対子狙い。リャンメン形の多い手牌なので、メンツ手を見たいところだが、メンゼンで決まりそうもないという雰囲気なので。」
白鳥翔
「全体的に速度が速そうなので、(上家は二索四索のターツ落とし、下家はドラ表示牌も打っている)七対子の1シャンテンには取る。場況を見ての三万五万四索七筒の比較だと、若干七筒が悪く見えるのと、メンツ手も保留として打七筒とする。」
ともたけ雅晴
「ドラドラのチャンス手だけど、アガリは厳しそう!何を切ってもロスはあるが、場に高いピンズを処理して七対子を視野に進める。何か暗刻になったらトイトイも考える。」
仲田加南
三索六索待ちの悪さからシュンツ手を本線にはしない。」
浜上文吾
「素直に七対子の1シャンテンに取ります。オリずにじっくり手を進めます。テンパイしてもヤミテンを選択します。」
 
 
五万切り
客野直
「七対子に決める。全員に危なそうな五万を先に処理しておく。」
沢崎誠
「ドラそばの三索六索を見ると、四索五索五索の形をリャンメン受けは、待ちとして魅力を感じない。七対子一本と決めて、三万五万四索七筒の内から危険度の高そうな五万切りとします。」
二階堂亜樹
「鳴いてタンヤオに向かうには残っている牌がキツそうなので七対子に。三万五万あたりは他家に持たれてそうなので。」
 
 
三万切り
福光聖雄
「メンツ手にすると五筒三索六索が急所で、テンパイまではしやすいがアガリやすい気はしない。七対子に決めるが、残す牌は親や他家への安全度で選ぶ。」
古川孝次
「メンツに伸びるのが難しそう。目指すのはタンヤオ七対子ドラドラで、切り牌は三万五万か?」

第29期中部プロリーグ 第3節レポート

Aリーグ:土岐雄太

年の節目でもある4月。中部プロリーグでも大きな分岐点となる第3節がスタートした。

Aリーグの組み合わせは以下の通り。
1卓 杉村・伊藤・小野・朝岡
2卓 安藤・寺戸・三戸・森下
3卓 日下・林・清水・大滝
4卓 古川・佐藤・青山・土岐

1卓 1回戦オーラスに伊藤が朝岡を抜いてトップとなり、上々のスタートを切ると、続く2回戦以降、杉村が怒涛の追い上げを見せる。2・3回戦と安定した戦いを見せ、連勝を飾ると続く最終戦オーラス、小野の1人浮の状態からリーチ・ジュンチャンの12,000を直撃し、杉村の1人浮きでトップ。3連勝を飾る。
結果+48.0Pの1人浮となり、総合1位となった。面前重視で攻守ともに安定感がある杉村。ここから崩すのは容易ではない。

2卓 1回戦、森下が親で連荘を重ねトップを取ると、2回戦、寺戸も親で4,000オール、5,800をアガリ、トップを取る。3回戦には三戸も親でドラ2のチャンス手をものにし、トップ。3者が親番のチャンスを確実に生かし、ポイントを重ねる。
決勝常連組の猛者に囲まれた安藤が苦しい展開が強いられ、大きくポイントを落とすこととなったが、私の印象では、場況読みが鋭く、爆発力がある安藤が残りの2節、このまま終わることはないだろう。

4卓 1回戦、親番を迎えた佐藤が場に2枚切れのドラ単騎待ちをツモリ上げ、好調をアピール。その後も手数やスピードで圧倒し、1人浮のトップを取る。
2回戦、ラス目だった親番のなくなった青山が南3局2,000・3,900・オーラス2,000・4,000を立て続けにアガリ、大きくプラスを重ねる。
3回戦、私にドラ2のチャンス手が入り、結果ツモリ三暗刻の3,000・6,000をアガリきり、トップを取ることが出来た。

私自身、2度目の決勝進出が大いに狙える位置にいる為、いつも以上に慎重になり、委縮してしまった局面が何度もあった。今回はチャンスを生かせるポイントが多かったが、不調な場面は誰にでも訪れる。精神面のコントロールは勿論、打点読みや場況読みが優れた人ほど、数少ないチャンスをものにできるものだと痛感した1日となった。
次回は第4節となり、一打一打の重みが増すことは明らかである。
各々の思惑が飛び交う次節はどうなるか楽しみである。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 杉村 泰治 40.0 19.9 48.0 107.9
2 土岐 雄太 94.4 3.2 9.4 107.0
3 朝岡 祐 14.3 60.4 ▲ 6.0 68.7
4 寺戸 孝志 52.2 ▲ 19.5 33.8 66.5
5 清水 哲也 36.1 20.2 2.7 59.0
6 佐藤 あいり ▲ 9.5 47.5 ▲ 30.0 8.0
7 日下 健司 11.9 ▲ 17.9 2.0 ▲ 4.0
8 森下 剛任 ▲ 39.7 ▲ 18.9 45.3 ▲ 13.3
9 伊藤 鉄也 32.7 ▲ 50.0 ▲ 6.2 ▲ 23.5
10 三戸 亮祐 ▲ 1.9 ▲ 16.3 ▲ 5.9 ▲ 24.1
11 青山 大 ▲ 12.2 ▲ 15.8 3.3 ▲ 24.7
12 小野 雅峻 9.2 ▲ 8.5 ▲ 36.8 ▲ 36.1
13 古川 孝次 ▲ 29.9 12.9 ▲ 22.7 ▲ 39.7
14 林 俊宏 ▲ 57.0 ▲ 16.5 15.0 ▲ 58.5
15 大滝 聡 ▲ 155.2 43.8 ▲ 19.7 ▲ 131.1
16 安藤 大貴 ▲ 15.4 ▲ 45.7 ▲ 73.2 ▲ 134.3

 

 

Bリーグ:加藤泰史

4月に入り、春の暖かさが感じられる今日この頃、中部プロリーグの第3節が開催された。
第3節といえばもう折り返し地点である。私は現状+22.8Pの暫定6位であるが、さらにプラスを重ねて最終節に向けて昇級圏内を目指したいところだ。

私の対戦相手は大西、堤、富村。
大西は押し引きのメリハリがはっきりしており、態勢に不安がある場合は守備に徹するが、勝負どころではきっちり押してくるタイプだ。堤は前期Cリーグを3位で昇級しており、勢いを乗じて目一杯攻めてくることが予想される。富村は第26期から中部に移籍してきた選手であるが、形に重視した速攻派の打ち手という印象がある。

1回戦
東3局に南家の大西がドラを切ってリーチ、西家がポンして攻め返すも、大西が確定三色の2,000・3,900をツモアガる。
その大西が堅実にリードを守ってトップ。私は何もできず1人沈みの4着。

2回戦
富村と堤がトップを競っていたが、南3局に親番の富村が堤から7,700討ち取りこれで勝負あり。
南4局も富村が面前ホンイツの8,000を堤から討ち取りダントツトップに。
私はまたしても4着。

3回戦
私は1・2回戦のマイナスを取り戻すべく、40,000を超えるトップ目で南場を迎えたものの、南3局に親の堤が強烈な6,000オールをツモアガリ一気にトップ目に。
冷静さを欠いてしまった私はその後2,900、5,800と堤に放銃してしまい、終わってみれば沈みの3着。

4回戦
ここまでトータル▲61.5Pとまったくいいところがない私であるが、東4局に以下のようなチャンス手が入った。

三万四万三索五索三筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒東東  ツモ四筒  ドラ五万

345の三色含みでドラの五万が入れば跳満まである手格好であるが、ドラが入らない場合の手牌進行を考慮し、234の三色とピンズのホンイツを見て五索切り。
数巡後、以下のような手牌に変化した。

三筒四筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒東東東

これをリーチし3,000・6,000のツモアガリ。このままなんとか1人浮きのトップを確保しトータル▲31.0P

残り2節を残しマイナス圏に転落してしまったものの、昇級ラインまで65Pほどの差なのでまだまだ昇級をあきらめず次節に臨みたいと思う。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 13.0 54.5 25.2 92.7
2 堤 文吾 41.1 ▲ 5.8 19.8 55.1
3 金平 裕樹 37.8 ▲ 10.0 13.6 41.4
4 牛尾 信之 ▲ 27.3 29.4 35.6 37.7
5 大西 義則 27.3 11.5 ▲ 6.2 32.6
6 掛水 洋徳 ▲ 0.1 21.1 10.6 31.6
7 長谷川 弘 27.5 21.8 ▲ 27.5 21.8
8 富村 つぐみ ▲ 15.3 15.8 17.4 17.9
9 木村 東平 ▲ 11.1 ▲ 11.0 36.5 14.4
10 越川 清一 10.2 ▲ 5.6 5.0 9.6
11 加藤 泰史 24.6 ▲ 2.6 ▲ 31.0 ▲ 9.0
12 河合 慎悟 ▲ 57.8 0.2 28.9 ▲ 28.7
13 中谷 彰吾 ▲ 25.2 ▲ 5.3 ▲ 0.3 ▲ 30.8
14 村瀬 寛光 46.8 ▲ 27.7 ▲ 65.1 ▲ 46.0
15 杉浦 貴紀 ▲ 40.2 ▲ 52.1 ▲ 18.7 ▲ 111.0
16 池沢 麻奈美 ▲ 71.3 ▲ 34.2 ▲ 43.8 ▲ 149.3

 

 

Cリーグ:若松正和

中部プロリーグ折り返しとなる第3節が行われた。
Cリーグの昇級ボーダーは+100Pを超える事が多いため、今節が終わった時点でトータルポイントがマイナスであれば、昇級はかなり厳しくなるだろう。
今節の私の対戦相手は

鈴木(基)×岡田×花井×若松

1回戦2着ながら+14.8Pと幸先の良いスタートを切れた私だが、2回戦に落とし穴がまっていた。
南1局親番で配牌ドラドラのチャンス手が入る。上家の花井が国士狙いのためタンヤオで仕掛け聴牌するが、直後ツモってきたRを切ると花井の手牌が開かれた。勿論、国士無双である。
フラットな点棒状況から花井がダントツとなるが、そこから鈴木(基)が粘りを見せる。
ハイテイで単騎をツモるなど力強いアガリを重ね花井に肉薄するが一歩及ばず、花井が逃げ切る。

4回戦オーラス、ここまであまり展開に恵まれず我慢が続く岡田。31,100点持ちの2着目だが満貫ツモでトップとなる状況でリーチと来る。
リーチ棒が出たため満貫で原点浮きの2着になる私は筒子のホンイツを狙っていたが、残していたドラの四万が暗刻になり以下の形で追っかけリーチ。

四万四万四万二筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒白白白  ドラ四万

なかなか決着がつかなかったが、最後のツモで岡田が手繰り寄せたのはアガリ牌であるラス牌の四万。高目一気通貫の3,000・6,000。

この日の岡田は決して調子が良かったとは思わないが、最後にトップをもぎ取り最小限のマイナスで終えた。対して私は前節に続き今節も大きくマイナスとなってしまい、昇級はかなり厳しくなってしまったが、次節以降も上だけを目指していきたいと思う。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 都築 友和 55.7 52.7 33.3 141.7
2 永井 ゆうま 59.4 66.0 ▲ 2.8 122.6
3 高橋 侑希 47.5 2.4 23.7 73.6
4 斎藤 寛生 ▲ 17.8 5.4 77.4 65.0
5 岡田 智和 21.8 37.4 ▲ 5.9 53.3
6 大高坂 松城 ▲ 13.6 ▲ 4.3 57.0 39.1
7 山神 達也 ▲ 12.7 16.5 11.9 15.7
8 鈴木 雄介 37.3 ▲ 96.2 73.8 14.9
9 鈴木 基芳 ▲ 22.3 32.3 3.9 13.9
10 花井 香央理 22.7 ▲ 47.1 32.1 7.7
11 原田 知彦 ▲ 44.0 ▲ 4.3 47.9 ▲ 0.4
12 大橋 幸正 2.2 25.6 ▲ 33.0 ▲ 5.2
13 鈴木 淳 ▲ 16.0 ▲ 16.5 25.4 ▲ 7.1
14 岡本 丈司 ▲ 20.7 69.8 ▲ 61.0 ▲ 11.9
15 蓮池 浩太 82.6 ▲ 51.9 ▲ 52.0 ▲ 21.3
16 浅野 文雅 ▲ 90.1 41.9 13.8 ▲ 34.4
17 山本 美文 ▲ 19.8 ▲ 26.3 ▲ 0.4 ▲ 46.5
18 家田 みゆき ▲ 0.3 ▲ 13.5 ▲ 35.0 ▲ 48.8
19 太田 峻也 32.6 ▲ 3.4 ▲ 78.3 ▲ 49.1
20 若松 正和 70.2 ▲ 79.4 ▲ 50.1 ▲ 59.3
21 田村 良介 ▲ 100.7 1.9 20.0 ▲ 78.8
22 大町 篤志 15.6 ▲ 46.4 ▲ 69.1 ▲ 99.9
23 太田 充 ▲ 89.6 36.4 ▲ 52.6 ▲ 105.8

中部プロリーグ レポート/第29期中部プロリーグ 第3節レポート

Aリーグ:土岐雄太
年の節目でもある4月。中部プロリーグでも大きな分岐点となる第3節がスタートした。
Aリーグの組み合わせは以下の通り。
1卓 杉村・伊藤・小野・朝岡
2卓 安藤・寺戸・三戸・森下
3卓 日下・林・清水・大滝
4卓 古川・佐藤・青山・土岐
1卓 1回戦オーラスに伊藤が朝岡を抜いてトップとなり、上々のスタートを切ると、続く2回戦以降、杉村が怒涛の追い上げを見せる。2・3回戦と安定した戦いを見せ、連勝を飾ると続く最終戦オーラス、小野の1人浮の状態からリーチ・ジュンチャンの12,000を直撃し、杉村の1人浮きでトップ。3連勝を飾る。
結果+48.0Pの1人浮となり、総合1位となった。面前重視で攻守ともに安定感がある杉村。ここから崩すのは容易ではない。
2卓 1回戦、森下が親で連荘を重ねトップを取ると、2回戦、寺戸も親で4,000オール、5,800をアガリ、トップを取る。3回戦には三戸も親でドラ2のチャンス手をものにし、トップ。3者が親番のチャンスを確実に生かし、ポイントを重ねる。
決勝常連組の猛者に囲まれた安藤が苦しい展開が強いられ、大きくポイントを落とすこととなったが、私の印象では、場況読みが鋭く、爆発力がある安藤が残りの2節、このまま終わることはないだろう。
4卓 1回戦、親番を迎えた佐藤が場に2枚切れのドラ単騎待ちをツモリ上げ、好調をアピール。その後も手数やスピードで圧倒し、1人浮のトップを取る。
2回戦、ラス目だった親番のなくなった青山が南3局2,000・3,900・オーラス2,000・4,000を立て続けにアガリ、大きくプラスを重ねる。
3回戦、私にドラ2のチャンス手が入り、結果ツモリ三暗刻の3,000・6,000をアガリきり、トップを取ることが出来た。
私自身、2度目の決勝進出が大いに狙える位置にいる為、いつも以上に慎重になり、委縮してしまった局面が何度もあった。今回はチャンスを生かせるポイントが多かったが、不調な場面は誰にでも訪れる。精神面のコントロールは勿論、打点読みや場況読みが優れた人ほど、数少ないチャンスをものにできるものだと痛感した1日となった。
次回は第4節となり、一打一打の重みが増すことは明らかである。
各々の思惑が飛び交う次節はどうなるか楽しみである。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 杉村 泰治 40.0 19.9 48.0 107.9
2 土岐 雄太 94.4 3.2 9.4 107.0
3 朝岡 祐 14.3 60.4 ▲ 6.0 68.7
4 寺戸 孝志 52.2 ▲ 19.5 33.8 66.5
5 清水 哲也 36.1 20.2 2.7 59.0
6 佐藤 あいり ▲ 9.5 47.5 ▲ 30.0 8.0
7 日下 健司 11.9 ▲ 17.9 2.0 ▲ 4.0
8 森下 剛任 ▲ 39.7 ▲ 18.9 45.3 ▲ 13.3
9 伊藤 鉄也 32.7 ▲ 50.0 ▲ 6.2 ▲ 23.5
10 三戸 亮祐 ▲ 1.9 ▲ 16.3 ▲ 5.9 ▲ 24.1
11 青山 大 ▲ 12.2 ▲ 15.8 3.3 ▲ 24.7
12 小野 雅峻 9.2 ▲ 8.5 ▲ 36.8 ▲ 36.1
13 古川 孝次 ▲ 29.9 12.9 ▲ 22.7 ▲ 39.7
14 林 俊宏 ▲ 57.0 ▲ 16.5 15.0 ▲ 58.5
15 大滝 聡 ▲ 155.2 43.8 ▲ 19.7 ▲ 131.1
16 安藤 大貴 ▲ 15.4 ▲ 45.7 ▲ 73.2 ▲ 134.3

 
 
Bリーグ:加藤泰史
4月に入り、春の暖かさが感じられる今日この頃、中部プロリーグの第3節が開催された。
第3節といえばもう折り返し地点である。私は現状+22.8Pの暫定6位であるが、さらにプラスを重ねて最終節に向けて昇級圏内を目指したいところだ。
私の対戦相手は大西、堤、富村。
大西は押し引きのメリハリがはっきりしており、態勢に不安がある場合は守備に徹するが、勝負どころではきっちり押してくるタイプだ。堤は前期Cリーグを3位で昇級しており、勢いを乗じて目一杯攻めてくることが予想される。富村は第26期から中部に移籍してきた選手であるが、形に重視した速攻派の打ち手という印象がある。
1回戦
東3局に南家の大西がドラを切ってリーチ、西家がポンして攻め返すも、大西が確定三色の2,000・3,900をツモアガる。
その大西が堅実にリードを守ってトップ。私は何もできず1人沈みの4着。
2回戦
富村と堤がトップを競っていたが、南3局に親番の富村が堤から7,700討ち取りこれで勝負あり。
南4局も富村が面前ホンイツの8,000を堤から討ち取りダントツトップに。
私はまたしても4着。
3回戦
私は1・2回戦のマイナスを取り戻すべく、40,000を超えるトップ目で南場を迎えたものの、南3局に親の堤が強烈な6,000オールをツモアガリ一気にトップ目に。
冷静さを欠いてしまった私はその後2,900、5,800と堤に放銃してしまい、終わってみれば沈みの3着。
4回戦
ここまでトータル▲61.5Pとまったくいいところがない私であるが、東4局に以下のようなチャンス手が入った。
三万四万三索五索三筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒東東  ツモ四筒  ドラ五万
345の三色含みでドラの五万が入れば跳満まである手格好であるが、ドラが入らない場合の手牌進行を考慮し、234の三色とピンズのホンイツを見て五索切り。
数巡後、以下のような手牌に変化した。
三筒四筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒東東東
これをリーチし3,000・6,000のツモアガリ。このままなんとか1人浮きのトップを確保しトータル▲31.0P
残り2節を残しマイナス圏に転落してしまったものの、昇級ラインまで65Pほどの差なのでまだまだ昇級をあきらめず次節に臨みたいと思う。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 13.0 54.5 25.2 92.7
2 堤 文吾 41.1 ▲ 5.8 19.8 55.1
3 金平 裕樹 37.8 ▲ 10.0 13.6 41.4
4 牛尾 信之 ▲ 27.3 29.4 35.6 37.7
5 大西 義則 27.3 11.5 ▲ 6.2 32.6
6 掛水 洋徳 ▲ 0.1 21.1 10.6 31.6
7 長谷川 弘 27.5 21.8 ▲ 27.5 21.8
8 富村 つぐみ ▲ 15.3 15.8 17.4 17.9
9 木村 東平 ▲ 11.1 ▲ 11.0 36.5 14.4
10 越川 清一 10.2 ▲ 5.6 5.0 9.6
11 加藤 泰史 24.6 ▲ 2.6 ▲ 31.0 ▲ 9.0
12 河合 慎悟 ▲ 57.8 0.2 28.9 ▲ 28.7
13 中谷 彰吾 ▲ 25.2 ▲ 5.3 ▲ 0.3 ▲ 30.8
14 村瀬 寛光 46.8 ▲ 27.7 ▲ 65.1 ▲ 46.0
15 杉浦 貴紀 ▲ 40.2 ▲ 52.1 ▲ 18.7 ▲ 111.0
16 池沢 麻奈美 ▲ 71.3 ▲ 34.2 ▲ 43.8 ▲ 149.3

 
 
Cリーグ:若松正和
中部プロリーグ折り返しとなる第3節が行われた。
Cリーグの昇級ボーダーは+100Pを超える事が多いため、今節が終わった時点でトータルポイントがマイナスであれば、昇級はかなり厳しくなるだろう。
今節の私の対戦相手は
鈴木(基)×岡田×花井×若松
1回戦2着ながら+14.8Pと幸先の良いスタートを切れた私だが、2回戦に落とし穴がまっていた。
南1局親番で配牌ドラドラのチャンス手が入る。上家の花井が国士狙いのためタンヤオで仕掛け聴牌するが、直後ツモってきたRを切ると花井の手牌が開かれた。勿論、国士無双である。
フラットな点棒状況から花井がダントツとなるが、そこから鈴木(基)が粘りを見せる。
ハイテイで単騎をツモるなど力強いアガリを重ね花井に肉薄するが一歩及ばず、花井が逃げ切る。
4回戦オーラス、ここまであまり展開に恵まれず我慢が続く岡田。31,100点持ちの2着目だが満貫ツモでトップとなる状況でリーチと来る。
リーチ棒が出たため満貫で原点浮きの2着になる私は筒子のホンイツを狙っていたが、残していたドラの四万が暗刻になり以下の形で追っかけリーチ。
四万四万四万二筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒白白白  ドラ四万
なかなか決着がつかなかったが、最後のツモで岡田が手繰り寄せたのはアガリ牌であるラス牌の四万。高目一気通貫の3,000・6,000。
この日の岡田は決して調子が良かったとは思わないが、最後にトップをもぎ取り最小限のマイナスで終えた。対して私は前節に続き今節も大きくマイナスとなってしまい、昇級はかなり厳しくなってしまったが、次節以降も上だけを目指していきたいと思う。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 都築 友和 55.7 52.7 33.3 141.7
2 永井 ゆうま 59.4 66.0 ▲ 2.8 122.6
3 高橋 侑希 47.5 2.4 23.7 73.6
4 斎藤 寛生 ▲ 17.8 5.4 77.4 65.0
5 岡田 智和 21.8 37.4 ▲ 5.9 53.3
6 大高坂 松城 ▲ 13.6 ▲ 4.3 57.0 39.1
7 山神 達也 ▲ 12.7 16.5 11.9 15.7
8 鈴木 雄介 37.3 ▲ 96.2 73.8 14.9
9 鈴木 基芳 ▲ 22.3 32.3 3.9 13.9
10 花井 香央理 22.7 ▲ 47.1 32.1 7.7
11 原田 知彦 ▲ 44.0 ▲ 4.3 47.9 ▲ 0.4
12 大橋 幸正 2.2 25.6 ▲ 33.0 ▲ 5.2
13 鈴木 淳 ▲ 16.0 ▲ 16.5 25.4 ▲ 7.1
14 岡本 丈司 ▲ 20.7 69.8 ▲ 61.0 ▲ 11.9
15 蓮池 浩太 82.6 ▲ 51.9 ▲ 52.0 ▲ 21.3
16 浅野 文雅 ▲ 90.1 41.9 13.8 ▲ 34.4
17 山本 美文 ▲ 19.8 ▲ 26.3 ▲ 0.4 ▲ 46.5
18 家田 みゆき ▲ 0.3 ▲ 13.5 ▲ 35.0 ▲ 48.8
19 太田 峻也 32.6 ▲ 3.4 ▲ 78.3 ▲ 49.1
20 若松 正和 70.2 ▲ 79.4 ▲ 50.1 ▲ 59.3
21 田村 良介 ▲ 100.7 1.9 20.0 ▲ 78.8
22 大町 篤志 15.6 ▲ 46.4 ▲ 69.1 ▲ 99.9
23 太田 充 ▲ 89.6 36.4 ▲ 52.6 ▲ 105.8

第164回:第20回BIG1カップ優勝特別インタビュー 奈良 圭純  インタビュアー:安村 浩司

「奈良の思考が重くなっている」
これは6年前、奈良圭純プロが初タイトルである麻雀マスターズを獲得した際の、瀬戸熊プロが書いた観戦記の一文である。

第20期麻雀マスターズ決勝観戦記 瀬戸熊 直樹

思考が重くなる…道中リードし初優勝を前に、様々なプレッシャーから判断能力が落ち、気持ちが守りに入っている状態のことだ。
ニュアンスは様々だが、麻雀プロは思考が重くなる生き物なのである。

その重圧を乗り越え、初優勝を果たした奈良プロ。観戦記では「想いの強さと普段の稽古が栄冠をもたらした」と締められている。

 

100

第20期優勝の瞬間

 

それから6年。
今年3月、麻将連合主催の第20回BIG1カップにおいて、奈良プロが再び優勝という栄冠を掴んだ。若くして2つめのタイトルである。
今回のインタビューでは奈良プロの喜びの声と共に、マスターズとの比較を交え、タイトルを取る秘訣をお届けしたいと思います。

都内の居酒屋で待ち合わせ

安村「奈良さんお疲れ様です」

奈良「オーツカさんです」

安村「今日はよろしくお願いします。BIG1の事に入る前に、せっかくなので改めて奈良さんのことを教えてください。まず自己紹介をお願いします」

奈良「22期生B2リーグ所属、青森県出身なのに名前は奈良です。好きな牌は白一索です。こんなので良い?」

奈良プロはどちらかというと口数は少なく、寡黙で真面目に見えるタイプの人だ。
会うたびに人見知りになっていくと某プロが言っていた。
そんな奈良プロだが、お酒の入った時には普段の3倍増しで話してくれる。
本当はお茶目で、最後は同じことを何度も言うようになるが、楽しいお酒の奈良プロと飲むのが好きだ。

奈良プロの奥深さを知るにはお酒の席がおすすめである。

安村「そうですね、では麻雀との出会いを教えてください」

奈良「麻雀は高校生の時に覚えて、フェンシングの部活の間に毎週やってたよ。その後、美容師の専門学校に通ったのだけど、その頃から麻雀店に遊びに行くようになった。」

安村「フェンシングに美容師ですか。小さい頃から目指していたのでしょうか?」

奈良「中学生の頃はバンドマンになりたかった。そこから美容師になって、今やっているのが麻雀プロ。麻雀プロになるのは想像もしてなかったよ。」

安村「そう考えると不思議ですよね。」

奈良「自分の頃はいなかったけど、今は映像対局が増えてきたから、子供の頃から麻雀プロになりたいという人が出てくると嬉しいよね。」

安村「プロを目指すきっかけは何かあったのでしょうか?」

奈良「美容師になって2年目の頃かな、朝8時半から23時まで働いて、休みも週1回でその休みも勉強会とかで、麻雀が全然打てなくなって、すごいストレスをかかえたんだよね。ある日、我慢できなくなって麻雀店に行くともう楽しくってさ。」

安村「その麻雀楽しすぎる気持ちわかります。僕も23、4の頃は麻雀店に入り浸ってました」

奈良「もう休みの度に行ってた。その頃に麻雀店で二階堂瑠美さんを見てプロの存在を知ったんだ。もうその年には美容師やめて、プロ試験受けてたよ。」

安村「昔から行動力あったのですね」

昨年の第19回より久しぶりにBIG1カップに日本プロ麻雀連盟も参加することになり、奈良プロも参戦したのであるが、出場していない連盟員も多数いる中で、この行動力は見習うべき長所だと思う。何より出場しないと勝つことも出来ないのだから。

安村「改めてBIG1優勝おめでとうございます」

奈良「ありがとう、嬉しいよ」

安村「羨ましいなーこれで2つ目ですよね?」

奈良「うん。あんまり言うと怒られるから言わないでおくけど、若手の中で2冠は少ないよ(笑)」

安村「言ってますね(笑)でも2冠は確かに他に思い浮かばないかも」

奈良「マスターズ獲って5年以上経つし、一発屋と言わせたくなかったのも強かったから、優勝出来て良かったよ」

安村「マスターズを獲ってからもうそんなに経つのですか。その頃と何か違いはありましたか?」

奈良「そうだね。マスターズの決勝に残った時はこんなチャンス二度と来ないって思ってたけど、幸運にも優勝できて、こんなことってあるんだなっていう感じだった。でもそれからは、そのチャンスがいつ来てもいいように、普段から出来ることをやっておくことを心掛けていたよ。」

安村「なるほど。そして今回チャンスが巡ってきたわけですね。決勝に残ってからは具体的にどのような準備されましたか?」

奈良「決勝が決まってからは、会長や先輩方に獲ってこいと言われて、余計にやってやるぞ!という気持ちになったのは覚えてる。準備としては決勝前日にマスターズの決勝の牌譜を見てた。今見ると当時わからなかった自分の下手さがよくわかったよ。でもあの頃の心境を思い出して、結果的には経験として今回の決勝に生かせたと思う。あとはイメージトレーニング。自分が凄いアガリを決めるシーンや、優勝する姿をとにかく思い浮かべた」

安村「スポーツ選手がやる自己暗示みたいなものですか?」

奈良「そうそう、展開を考えたり牌譜をみたりもしたけど、プラスのイメージを持てるようになるまで何度も自分のスーパープレーとか、かっこいいシーンを思い浮かべたよ。決勝の前には頭の中が、絶対自分が勝てるという状態になってた。」

奈良プロの人間らしい一面を見た気がした。

勝手な憶測だが、麻雀プロの多くはプロ入り当時が一番自信のある時期かもしれない。そこから実力が足りてないことに気が付いて、自信の無い中で頑張る人が多いのではないだろうか。
プラスイメージを持つ準備がどのような作用をもたらしているかの科学的な根拠は不明だが、勝負の世界にいる以上、大切な行為の一部であることは確かである。

安村「実際に卓について決勝が始まった時の心境を教えてください」

奈良「蓋をあけると1回戦でラスを引いて、言葉では表しにくいけど、自分でも対局に入れてないことに気が付いた。緊張はしてないと思っていたのに。」

安村「決勝の重圧で思考が重くなっていたということでしょうか?」

奈良「まだ自分には分析できないけど、麻雀に入れないことは中々ないから、決勝のプレッシャーなのかな。でもそのラスで開き直ることが出来て、それ以後はただ優勝だけを目指してがむしゃらに戦えたと思う。」

安村「内容で印象に残っていることや勝因はありますか?」

奈良「勝因は正直分らない。自分はまだ内容で魅せられるプロじゃないと思っているので、とにかく結果だけを考えて戦った」

安村「魅せられるプロじゃない?」

奈良「うん。魅せて勝つのはとても大変なことで、今の自分にはまだ難しいと思っている。観てくれていた方にはつまらない麻雀に見えたかもしれない。でも負けはゼロで、内容が伴わないとしても勝ちたいと思って対局していたから、勝ててホッとしたし本当に良かった。」

安村「内容と結果は難しい話ですけど、今回、奈良さんが優勝した結果による反響は各方面であったと思います。」

奈良「そういってもらえると嬉しいよ。もちろん今後の課題として、自分にしか出来ないアガリや守備を表現できるようにレベルをあげていきたい。」

安村「なるほど、レベルアップのために普段から取り組んでいることはありますか?」

奈良「人から言われたことはどんなことでも聞き入れて、考えてみる癖をつけてるよ。考え方が凝り固まったら損でしかないし、自分が一番上手いとも思っていないから、人の考え方を取り入れることで、常に選択肢を増やせるようにしていることが一番かな。」

この心掛けは奈良プロが常々言っていることだ。言葉だけでなく、勉強会などで実践しているのを何度も目にしている。
プロは各々自論やベースを持っているので、人の意見を取り入れることは簡単なようで難しいことだと思う。自分とは異なる価値観を持つことの重要さを奈良プロは知っているのだろう。

奈良「もう1つ最近で言うと、スタジオスタッフとして、1年間A1リーグを間近で見れたことがとても大きかった。やっぱりA1は最高峰のリーグだよ。いつかはあそこで対局者として打ちたいよね。」

安村「あの場所とあの対局者ですよね!わかります!」

スタジオスタッフは奈良プロが志願して携わっていることだ。

安村「2つ目のタイトルを取ったことで、チャンスが増えると思いますが、今後の目標をお願いします」

奈良「もっと有名になりたいし、モンドなどのTV対局にも出たい気持ちはあるけど、まずは鳳凰戦のAリーグに昇級することが目標かな。そこが今の一番の目標だから。そして内容でも魅せられるプロになれれば最高だと思う。」

安村「Aリーグですね自分も負けませんよ!」

奈良「そうそう、BIG1を優勝した翌日のお昼に、藤崎さんに「奈良、ハイおめでとう!」ってネクタイをプレゼントしてもらった。その翌日には藤原さんにも。驚いたけど、ただただ嬉しかった。連盟に入ってタイトルを獲れて良かったと。この場をかりてお礼を言わせて下さい」

奈良「今回、BIG1でも多くの方に応援していただき、とても励みになりました。お祝いの言葉も多数いただきましてありがとうございます。今後も頑張りますので、よろしくお願いします」

安村「今日はありがとうございました」

奈良「やすしくん酔っぱらっちゃったよ。もう飲めないよ」

安村「僕もです(笑)」

奈良「やすしくん次行こうず」

安村「はい」

既に思考が軽くない2人は夜の街に消えていくのだった。

 

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