中級/第122回:中級講座『入りかた②~アガリを取りにいく~』 仲田 加南

たぶん確率で言えば、アガれるのは4回に1回が普通だと思います。(それ以上を目指していますが)
だから何局かアガれない局が続いてもあまり気にしません。
前回お話ししたように「良い入りかた」を意識して、貰った配牌の最大限を目指しつつ、最初から無駄な失点を控えるべく、丁寧に打つことを心掛けます。
だけどその確率を超えても(4局以上)アガれなかった時、このまま普通にやってもダメだなと、まずはとにかく「アガリを取りにいこう」と構えを変えてみます。
今年の初めに出場した、
夕刊フジ杯争奪・第11期麻雀女王決定戦[東日本リーグ予選第5節]
①東1局、親が4巡目リーチで2000オールのツモアガリ。
②続く1本場は西家が1副露して300-500(400-600)のツモアガリ。
③東2局は1副露ずつしている南家から西家へ8000横移動。
④東3局は親が8000オールツモアガリ。
その時の私は
①南家で受けて降り
②南家でリーチ(役ナシドラドラ)
③親番で降り
④北家でヤミテン(両面役アリ)
反省すべき点も見つからないまま、私だけアガれてないという理由だけで、13600点持ちのラス目になってしまいました。
そこで、東3局1本場。
私は動き出しました。
上家が6巡目に切った六筒をカンチャンでチー。
マンズを払って、ホンイツまっしぐら。
発も出たら鳴くつもりでしたが、出来れば上家から以外は鳴きたくない。(出来るだけ親のツモは増やしたくない)
 
100
 
そんな思いが通じたかどうかは分からないけど、次巡にラス牌の一筒を自力で引き入れ、カン八筒待ちのテンパイ。
そしてすぐに親がツモ切った八筒で「ロン!2000は2300」
と、初アガリを手にすることができました。
このアガリをきっかけに、4局連続でアガリ続け、なんと大逆転トップを獲ったのです!
 
100
 
ちなみに、六筒をチーした時、下家の親に六筒をツモ切られ、次巡アガリ牌の八筒もツモ切られてて「入ってるよ!!」と思われてるかもしれませんが、それじゃきっとダメなんです。
自力で六筒を引き入れてたら一筒が入らないし、上家が一筒をツモ切っても、六筒をスルーした以上、一筒からチーとは言えないと思うからです。
六万一筒二筒二筒三筒三筒五筒六筒七筒七筒九筒発発
7巡目でこうなってしまったら、面前で仕上げたくなっちゃいますよね。
そして一筒をスルーすると八筒が入って、一筒無しの一筒四筒待ち門前テンパイに。
それじゃあ、これまでの局と何ら変わらないんですよ。
そのうち誰かに追いつかれ、行くか降りるかの選択に迫られるだけだと思います。
「アガリを取りにいく」ためには(あくまでも私の見解です)
速度が凄く大事です。
そして高く見せないことも大事です。
(ドラ色のホンイツとかは難しいかなと思います)
なかなかそういう都合の良い配牌も貰えないよ!と思うかもしれませんが、まずは思い描いて、構えて、イメージすることがとても大事だと思います。
「何も(悪い事)してないのに負けた」
「負けたけど自分らしく打てた」
などと、あのまま負けてたら昔の自分は言ってたかもしれません。
だけど、、、
何も工夫とかしないから負けるんだよ!
我儘に傲慢に自分を通そうとするから負けるんだよ!
自分らしさなんて100年早いんだよ!
と、今は自分に厳しくやってるつもりです。
その甲斐あってか、最近は少しだけ柔軟な対応が身についてきた気がします。
不調時にいかに早く最善の対処・対応を選べるか、それが今後も課題です。

第29期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:土岐雄太

立春を迎えるも、まだまだ寒い日が続く中、中部プロリーグ第1節が開催された。
私自身、プロ10年目となりようやく二段位を授かることが出来たが、まだプロとして大きな結果を残せていない。そんな中、若手の山本拓哉が静岡プロリーグと静岡リーグのダブルクラウンを達成したと中部プロリーグに歓喜の声が上がった。
嬉しい気持ちと負けられない気持ちがより一層高まり、焦燥感が出始めた。麻雀は感情が表れるものだと聞いたことがある。まさにその通りで、焦りや悔しさはそのまま対局者に伝わり、結果にも見ている人にも悪影響が出てしまう。精神状態を自己管理することも
プロとして必要なことと自覚し、今期も対局に臨んだ。

Aリーグの組み合わせは以下の通りである
1卓 寺戸・林・佐藤・朝岡
2卓 伊藤・土岐・大滝・三戸
3卓 古川・小野・安藤・清水
4卓 日下・森下・杉村・青山

1卓 1回戦、前期優勝者である寺戸と林が大きく得点を稼ぐと、2回戦、負けずと佐藤がトップを取り返す。最終戦には寺戸が怒涛の連荘を見せる。親で6本場まで積みあげ、7万越えで終局。総合でも52.2Pの卓内トップとなった。攻撃型である打ち手が多く、ぶつかり合う場面が多かった為、朝岡は放銃しないよう我慢したと語る。最終戦、親の寺戸とぶつかり合った林が沈む形となったが、どこからでも追い上げてくる爆発力がある林が、このまま終わることはないだろう。

2卓 1回戦、伊藤・三戸が抜け出し、2万点を下回るラス目だった私に起死回生の手が入った。

配牌
二万二索七索九索七筒東東南南西西西中  第一ツモ中

2巡目、4巡目に南中を鳴き、

七索九索東東西西西  ポン南南南  ポン中中中

その後、北東とツモリ結果は64,000点の出アガリとなった。
2回戦以降も展開と配牌に恵まれ、優位に局を運ぶことが出来たが、3回戦、伊藤に甘い打牌をしっかり捉えられ、トップを取られる。伊藤は全体的に失点も少なく安定的に+32.7Pとスコアを伸ばしたあたりは流石である。

3卓 Bリーグから昇級した清水が1回戦トップを取ると、2回戦待ったをかけるように小野が親番で4,000オールを連続で引きアガリ、総合トップに立つ。
終始苦しかった安藤も最終戦、3,000・6,000のチャンス手を引きアガリ、マイナスを大きく減らした。
結果は1回戦、3回戦トップを取った清水が卓内トップの+36.1Pとなった。

4卓 1回戦接戦の小場を日下が見事制し、トップを取る。
2回戦森下に大三元テンパイが入ったが、青山が2,000オールをアガリこれを阻止。
それ以外にも青山は6,000オールをアガリ、トップを取る。
3回戦杉村が6,400点、3,000・6,000をアガリ、その後も点棒を守り切り、トップを取る。
日下もダブルリーチ、ハイテイ、ツモ、七対子の3,000・6,000点をアガリ、追い上げを図る。
4回戦も杉村がドラ3のチャンスを2回アガリ切り、卓内トップとなった。
杉村は終始放銃が少なく、対局者日下は「杉村さんらしい1日だった」とコメントを残した。どっしりと構えたスタンスの為、堅実で崩しにくい印象の杉村。打ち崩すのは容易ではないだろう。

まだ1節が終わったばかり。いかに少ないチャンスをものにし、苦しい場面を耐えしのぐかの戦いはまだまだ目が離せない。2節以降も激しい戦いになることは間違いないだろう。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 土岐 雄太 94.4 94.4
2 寺戸 孝志 52.2 52.2
3 杉村 泰治 40.0 40.0
4 清水 哲也 36.1 36.1
5 伊藤 鉄也 32.7 32.7
6 朝岡 祐 14.3 14.3
7 日下 健司 11.9 11.9
8 小野 雅峻 9.2 9.2
9 三戸 亮祐 ▲ 1.9 ▲ 1.9
10 佐藤 あいり ▲ 9.5 ▲ 9.5
11 青山 大 ▲ 12.2 ▲ 12.2
12 安藤 大貴 ▲ 15.4 ▲ 15.4
13 古川 孝次 ▲ 29.9 ▲ 29.9
14 森下 剛任 ▲ 39.7 ▲ 39.7
15 林 俊宏 ▲ 57.0 ▲ 57.0
16 大滝 聡 ▲ 155.2 ▲ 155.2

 

Bリーグ:加藤泰史

今期Bリーグのレポートを担当します27期生の加藤です。
これから半年間のお付き合い頂くようよろしくお願いします。

第1節、対戦相手は村瀬・掛水・池沢。
村瀬・掛水は長期に渡ってAリーグに在籍していた実力者。
村瀬は初対戦ということもあり、非常に楽しみである。
池沢は前期Cリーグを2位で昇級しており、勢いに注意したいところ。

1回戦
東3局、村瀬が親番で積極的に仕掛けてチンイツの4,000オールをツモり1人浮きとなり、3人が追いかける展開となった。
南2局2本場、なんとか連荘したい南場の親番で以下のような勝負手となった。

一万一万二万三万四万四索五索六索八索九索中中中  ドラ一万

場にはソーズの三索七索までが1枚も切られておらず、リーチとは行きづらい。
この後、ドラの一万をポンして九索切り。7,700テンパイから八索単騎の12,000への変化。

二万三万四万四索五索六索八索中中中  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ一万

3巡目までの他家の河に九索が3枚あることから、ソーズの中では八索単騎は優秀であると思い、その後のツモ六索はツモ切りとした。
この八索単騎をツモアガリしトップ目に立つことができた。

こうなれば後はどれだけ加点できるかの勝負となる。
この後も8本場まで連荘することができ、この半荘60,000点オーバーの大トップを取ることができた。

2回戦
速い展開であまり参加することができずにオーラスを迎えた。トップ目は40,000点オーバーの村瀬。
親番の私はわずかにプラスの+2.6P。このままプラスを維持したいところ。
そこに西家の池沢からリーチ。
1,300・2,600ツモられまでなら沈まずに済むが、5,200以上の放銃なら沈みの3着となってしまう局面。
さらにダントツのトップ目である北家の村瀬がリーチ。跳満放銃でもトップは揺るぎ無いが、リーチとくる以上はマンガンクラスと見て間違いないだろう。
捨牌が極端であることから見ても七対子のドラ単騎が本線か。

結果は私がチーしてテンパイ直後、場に1枚切れの東で村瀬に放銃となった。八万東のシャンポン待ちのツモり四暗刻。
8,000点の放銃となり、私は沈みの3着へ転落。村瀬は1人浮きのトップとなった。
これがAリーグ経験者の貫禄か。
この局面、安全性を重視してチーしないという選択もあるだろう。
また、チーしてテンパイは取るものの、東を打たないという選択もある。
どういう選択が正解かは解らないが、少なくとも四暗刻の親カブリという最悪の結果を避けることができたのは前向きな材料である。
村瀬はこのまま3回戦、4回戦とプラスを伸ばしトータル+46.8Pの暫定1位。
一方私は1回戦の大トップのおかげでなんとかプラスの+24.6P。
まだ1節が終わったばかり。2節以降も昇級争いを見据えてプラスを重ねていきたいと思う。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 村瀬 寛光 46.8 46.8
2 堤 文吾 41.1 41.1
3 金平 裕樹 37.8 37.8
4 長谷川 弘 27.5 27.5
5 大西 義則 27.3 27.3
6 加藤 泰史 24.6 24.6
7 山本 拓哉 13.0 13.0
8 越川 清一 10.2 10.2
9 掛水 洋徳 ▲ 0.1 ▲ 0.1
10 木村 東平 ▲ 11.1 ▲ 11.1
11 富村 つぐみ ▲ 15.3 ▲ 15.3
12 中谷 彰吾 ▲ 25.2 ▲ 25.2
13 牛尾 信之 ▲ 27.3 ▲ 27.3
14 杉浦 貴紀 ▲ 40.2 ▲ 40.2
15 河合 慎悟 ▲ 57.8 ▲ 57.8
16 池沢 麻奈美 ▲ 71.3 ▲ 71.3

 

Cリーグ:若松正和

Cリーグのレポートを担当する24期生の若松正和です。
半年間お付き合いよろしくお願いします。
今季から新たに参戦する3名の新人の大橋幸正、蓮池浩太、田村良介に復帰の鈴木雄介、山神達也を加えた23名で行われた。
昇級枠は3つ。第1節ということもあり皆昇級を目指して内なる闘志を燃やしていることであろう。
私自身はというとここ最近麻雀が不調ということもあり、守備に重きをおいて対局に入ることにした。不調を感じている時こそ守備が大事だと思っている。
その姿勢が功を奏したのかはわからないが+70.2Pと好スタートを切ることができた。
しかし反省すべき局もあった。
持ち点35000程の浮きの状態で迎えた4回戦南2局2本場、同卓の親の太田俊也からリーチが入り、下家の山神達也がチーをしてテンパイ気配。捨て牌状況から山神の手はほぼ1,000点だと思っていたが、親の太田の現物であり、山神にアタリだと思った牌を止めてしまう。結果は太田がツモアガリでその後も連荘を許し、さらに点棒を削られてしまった。
「麻雀において守備とはなにか?」昔ある方にこんな質問をされたことがある。私は深く考えずに「放銃しない事」と答えたが、その方は「点棒を減らさない事」と言った。点棒を減らさない方法は色々あり、その時に自分の安易な答えを反省した記憶がある。
好調な親を流すために他家に多少甘く打つ。これも守備の1つであると思う。

その牌が山神にアタリであったかは分からないが、私自身の手牌は親のリーチに向かえる手牌ではなく、40,000点以上あった点棒をジリジリ削られた焦りからか放銃することを躊躇してしまい親の連荘を許してしまった。
Cリーグは上位リーグに比べてポイント的に縦長になることが多いが、こういったところにも要因があるように思う。

ほかの卓の結果を見てみると、新人の蓮池浩太が+82.6Pと首位発進。普段と違う一発裏ドラなしのルールに対応するために事前にしっかりと準備してきたと語ってくれた。初めてのリーグ戦ということで不安もあったようだが、この結果は見事である。今後も注目していきたい選手だ。

リーグ戦はまだ始まったばかり。プラスで終えた者も大きくマイナスになってしまった者にも誰にでも昇級のチャンスはある。私自身は良いスタートを切る事ができたが、より一層気を引き締めて次節以降の対局にのぞみたい。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 蓮池 浩太 82.6 82.6
2 若松 正和 70.2 70.2
3 永井 ゆうま 59.4 59.4
4 都築 友和 55.7 55.7
5 高橋 侑希 47.5 47.5
6 鈴木 雄介 37.3 37.3
7 太田 峻也 32.6 32.6
8 花井 香央理 22.7 22.7
9 岡田 智和 21.8 21.8
10 大町 篤志 15.6 15.6
11 大橋 幸正 2.2 2.2
12 家田 みゆき ▲ 0.3 ▲ 0.3
13 山神 達也 ▲ 12.7 ▲ 12.7
14 大高坂 松城 ▲ 13.6 ▲ 13.6
15 鈴木 淳 ▲ 16.0 ▲ 16.0
16 斎藤 寛生 ▲ 17.8 ▲ 17.8
17 山本 美文 ▲ 19.8 ▲ 19.8
18 岡本 丈司 ▲ 20.7 ▲ 20.7
19 鈴木 基芳 ▲ 22.3 ▲ 22.3
20 原田 知彦 ▲ 44.0 ▲ 44.0
21 太田 充 ▲ 89.6 ▲ 89.6
22 浅野 文雅 ▲ 90.1 ▲ 90.1
23 田村 良介 ▲ 100.7 ▲ 100.7

中部プロリーグ レポート/第29期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:土岐雄太
立春を迎えるも、まだまだ寒い日が続く中、中部プロリーグ第1節が開催された。
私自身、プロ10年目となりようやく二段位を授かることが出来たが、まだプロとして大きな結果を残せていない。そんな中、若手の山本拓哉が静岡プロリーグと静岡リーグのダブルクラウンを達成したと中部プロリーグに歓喜の声が上がった。
嬉しい気持ちと負けられない気持ちがより一層高まり、焦燥感が出始めた。麻雀は感情が表れるものだと聞いたことがある。まさにその通りで、焦りや悔しさはそのまま対局者に伝わり、結果にも見ている人にも悪影響が出てしまう。精神状態を自己管理することも
プロとして必要なことと自覚し、今期も対局に臨んだ。
Aリーグの組み合わせは以下の通りである
1卓 寺戸・林・佐藤・朝岡
2卓 伊藤・土岐・大滝・三戸
3卓 古川・小野・安藤・清水
4卓 日下・森下・杉村・青山
1卓 1回戦、前期優勝者である寺戸と林が大きく得点を稼ぐと、2回戦、負けずと佐藤がトップを取り返す。最終戦には寺戸が怒涛の連荘を見せる。親で6本場まで積みあげ、7万越えで終局。総合でも52.2Pの卓内トップとなった。攻撃型である打ち手が多く、ぶつかり合う場面が多かった為、朝岡は放銃しないよう我慢したと語る。最終戦、親の寺戸とぶつかり合った林が沈む形となったが、どこからでも追い上げてくる爆発力がある林が、このまま終わることはないだろう。
2卓 1回戦、伊藤・三戸が抜け出し、2万点を下回るラス目だった私に起死回生の手が入った。
配牌
二万二索七索九索七筒東東南南西西西中  第一ツモ中
2巡目、4巡目に南中を鳴き、
七索九索東東西西西  ポン南南南  ポン中中中
その後、北東とツモリ結果は64,000点の出アガリとなった。
2回戦以降も展開と配牌に恵まれ、優位に局を運ぶことが出来たが、3回戦、伊藤に甘い打牌をしっかり捉えられ、トップを取られる。伊藤は全体的に失点も少なく安定的に+32.7Pとスコアを伸ばしたあたりは流石である。
3卓 Bリーグから昇級した清水が1回戦トップを取ると、2回戦待ったをかけるように小野が親番で4,000オールを連続で引きアガリ、総合トップに立つ。
終始苦しかった安藤も最終戦、3,000・6,000のチャンス手を引きアガリ、マイナスを大きく減らした。
結果は1回戦、3回戦トップを取った清水が卓内トップの+36.1Pとなった。
4卓 1回戦接戦の小場を日下が見事制し、トップを取る。
2回戦森下に大三元テンパイが入ったが、青山が2,000オールをアガリこれを阻止。
それ以外にも青山は6,000オールをアガリ、トップを取る。
3回戦杉村が6,400点、3,000・6,000をアガリ、その後も点棒を守り切り、トップを取る。
日下もダブルリーチ、ハイテイ、ツモ、七対子の3,000・6,000点をアガリ、追い上げを図る。
4回戦も杉村がドラ3のチャンスを2回アガリ切り、卓内トップとなった。
杉村は終始放銃が少なく、対局者日下は「杉村さんらしい1日だった」とコメントを残した。どっしりと構えたスタンスの為、堅実で崩しにくい印象の杉村。打ち崩すのは容易ではないだろう。
まだ1節が終わったばかり。いかに少ないチャンスをものにし、苦しい場面を耐えしのぐかの戦いはまだまだ目が離せない。2節以降も激しい戦いになることは間違いないだろう。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 土岐 雄太 94.4 94.4
2 寺戸 孝志 52.2 52.2
3 杉村 泰治 40.0 40.0
4 清水 哲也 36.1 36.1
5 伊藤 鉄也 32.7 32.7
6 朝岡 祐 14.3 14.3
7 日下 健司 11.9 11.9
8 小野 雅峻 9.2 9.2
9 三戸 亮祐 ▲ 1.9 ▲ 1.9
10 佐藤 あいり ▲ 9.5 ▲ 9.5
11 青山 大 ▲ 12.2 ▲ 12.2
12 安藤 大貴 ▲ 15.4 ▲ 15.4
13 古川 孝次 ▲ 29.9 ▲ 29.9
14 森下 剛任 ▲ 39.7 ▲ 39.7
15 林 俊宏 ▲ 57.0 ▲ 57.0
16 大滝 聡 ▲ 155.2 ▲ 155.2

 
Bリーグ:加藤泰史
今期Bリーグのレポートを担当します27期生の加藤です。
これから半年間のお付き合い頂くようよろしくお願いします。
第1節、対戦相手は村瀬・掛水・池沢。
村瀬・掛水は長期に渡ってAリーグに在籍していた実力者。
村瀬は初対戦ということもあり、非常に楽しみである。
池沢は前期Cリーグを2位で昇級しており、勢いに注意したいところ。
1回戦
東3局、村瀬が親番で積極的に仕掛けてチンイツの4,000オールをツモり1人浮きとなり、3人が追いかける展開となった。
南2局2本場、なんとか連荘したい南場の親番で以下のような勝負手となった。
一万一万二万三万四万四索五索六索八索九索中中中  ドラ一万
場にはソーズの三索七索までが1枚も切られておらず、リーチとは行きづらい。
この後、ドラの一万をポンして九索切り。7,700テンパイから八索単騎の12,000への変化。
二万三万四万四索五索六索八索中中中  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ドラ一万
3巡目までの他家の河に九索が3枚あることから、ソーズの中では八索単騎は優秀であると思い、その後のツモ六索はツモ切りとした。
この八索単騎をツモアガリしトップ目に立つことができた。
こうなれば後はどれだけ加点できるかの勝負となる。
この後も8本場まで連荘することができ、この半荘60,000点オーバーの大トップを取ることができた。
2回戦
速い展開であまり参加することができずにオーラスを迎えた。トップ目は40,000点オーバーの村瀬。
親番の私はわずかにプラスの+2.6P。このままプラスを維持したいところ。
そこに西家の池沢からリーチ。
1,300・2,600ツモられまでなら沈まずに済むが、5,200以上の放銃なら沈みの3着となってしまう局面。
さらにダントツのトップ目である北家の村瀬がリーチ。跳満放銃でもトップは揺るぎ無いが、リーチとくる以上はマンガンクラスと見て間違いないだろう。
捨牌が極端であることから見ても七対子のドラ単騎が本線か。
結果は私がチーしてテンパイ直後、場に1枚切れの東で村瀬に放銃となった。八万東のシャンポン待ちのツモり四暗刻。
8,000点の放銃となり、私は沈みの3着へ転落。村瀬は1人浮きのトップとなった。
これがAリーグ経験者の貫禄か。
この局面、安全性を重視してチーしないという選択もあるだろう。
また、チーしてテンパイは取るものの、東を打たないという選択もある。
どういう選択が正解かは解らないが、少なくとも四暗刻の親カブリという最悪の結果を避けることができたのは前向きな材料である。
村瀬はこのまま3回戦、4回戦とプラスを伸ばしトータル+46.8Pの暫定1位。
一方私は1回戦の大トップのおかげでなんとかプラスの+24.6P。
まだ1節が終わったばかり。2節以降も昇級争いを見据えてプラスを重ねていきたいと思う。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 村瀬 寛光 46.8 46.8
2 堤 文吾 41.1 41.1
3 金平 裕樹 37.8 37.8
4 長谷川 弘 27.5 27.5
5 大西 義則 27.3 27.3
6 加藤 泰史 24.6 24.6
7 山本 拓哉 13.0 13.0
8 越川 清一 10.2 10.2
9 掛水 洋徳 ▲ 0.1 ▲ 0.1
10 木村 東平 ▲ 11.1 ▲ 11.1
11 富村 つぐみ ▲ 15.3 ▲ 15.3
12 中谷 彰吾 ▲ 25.2 ▲ 25.2
13 牛尾 信之 ▲ 27.3 ▲ 27.3
14 杉浦 貴紀 ▲ 40.2 ▲ 40.2
15 河合 慎悟 ▲ 57.8 ▲ 57.8
16 池沢 麻奈美 ▲ 71.3 ▲ 71.3

 
Cリーグ:若松正和
Cリーグのレポートを担当する24期生の若松正和です。
半年間お付き合いよろしくお願いします。
今季から新たに参戦する3名の新人の大橋幸正、蓮池浩太、田村良介に復帰の鈴木雄介、山神達也を加えた23名で行われた。
昇級枠は3つ。第1節ということもあり皆昇級を目指して内なる闘志を燃やしていることであろう。
私自身はというとここ最近麻雀が不調ということもあり、守備に重きをおいて対局に入ることにした。不調を感じている時こそ守備が大事だと思っている。
その姿勢が功を奏したのかはわからないが+70.2Pと好スタートを切ることができた。
しかし反省すべき局もあった。
持ち点35000程の浮きの状態で迎えた4回戦南2局2本場、同卓の親の太田俊也からリーチが入り、下家の山神達也がチーをしてテンパイ気配。捨て牌状況から山神の手はほぼ1,000点だと思っていたが、親の太田の現物であり、山神にアタリだと思った牌を止めてしまう。結果は太田がツモアガリでその後も連荘を許し、さらに点棒を削られてしまった。
「麻雀において守備とはなにか?」昔ある方にこんな質問をされたことがある。私は深く考えずに「放銃しない事」と答えたが、その方は「点棒を減らさない事」と言った。点棒を減らさない方法は色々あり、その時に自分の安易な答えを反省した記憶がある。
好調な親を流すために他家に多少甘く打つ。これも守備の1つであると思う。
その牌が山神にアタリであったかは分からないが、私自身の手牌は親のリーチに向かえる手牌ではなく、40,000点以上あった点棒をジリジリ削られた焦りからか放銃することを躊躇してしまい親の連荘を許してしまった。
Cリーグは上位リーグに比べてポイント的に縦長になることが多いが、こういったところにも要因があるように思う。
ほかの卓の結果を見てみると、新人の蓮池浩太が+82.6Pと首位発進。普段と違う一発裏ドラなしのルールに対応するために事前にしっかりと準備してきたと語ってくれた。初めてのリーグ戦ということで不安もあったようだが、この結果は見事である。今後も注目していきたい選手だ。
リーグ戦はまだ始まったばかり。プラスで終えた者も大きくマイナスになってしまった者にも誰にでも昇級のチャンスはある。私自身は良いスタートを切る事ができたが、より一層気を引き締めて次節以降の対局にのぞみたい。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 蓮池 浩太 82.6 82.6
2 若松 正和 70.2 70.2
3 永井 ゆうま 59.4 59.4
4 都築 友和 55.7 55.7
5 高橋 侑希 47.5 47.5
6 鈴木 雄介 37.3 37.3
7 太田 峻也 32.6 32.6
8 花井 香央理 22.7 22.7
9 岡田 智和 21.8 21.8
10 大町 篤志 15.6 15.6
11 大橋 幸正 2.2 2.2
12 家田 みゆき ▲ 0.3 ▲ 0.3
13 山神 達也 ▲ 12.7 ▲ 12.7
14 大高坂 松城 ▲ 13.6 ▲ 13.6
15 鈴木 淳 ▲ 16.0 ▲ 16.0
16 斎藤 寛生 ▲ 17.8 ▲ 17.8
17 山本 美文 ▲ 19.8 ▲ 19.8
18 岡本 丈司 ▲ 20.7 ▲ 20.7
19 鈴木 基芳 ▲ 22.3 ▲ 22.3
20 原田 知彦 ▲ 44.0 ▲ 44.0
21 太田 充 ▲ 89.6 ▲ 89.6
22 浅野 文雅 ▲ 90.1 ▲ 90.1
23 田村 良介 ▲ 100.7 ▲ 100.7

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

 

【第7期グランプリMAX】
 

100

 
 
グランプリMAX2017決勝メンバーが決定!
《初日》半荘4回
3/18(土)14:00~
白鳥翔vs内川幸太郎vs佐々木寿人vs柴田吉和
実況:小笠原奈央
解説:前原雄大・前田直哉

《2日目》
3/19(日)14:00~
実況:小笠原奈央
5・6回戦解説:勝又健志・荒正義
7・最終戦解説:勝又健志・森山茂和

ルール:日本プロ麻雀連盟Aルール
システム:半荘8回戦で優勝者を決める

どうしても…どうしても獲りたい4名の対局!

初日

二日目

 

 

【女流日本シリーズ】
 
 

100

 

先日、最強戦ファイナル進出を決めたばかりの二階堂亜樹が勝利!

 

 

【やはり最強軍団なのか】
 

 

100

 

日本プロ麻雀連盟B2リーグ所属の奈良圭純が、麻将連合主催のBIG1カップを獲得!
 

100

 

本人は「恥ずかしい牌譜を残してしまった」とコメントしている。
結果しか知らない者がほとんどだろうけど、真面目な奴だ。
温かい祝福を受けて実感がわいてきたのか「でも勝ちは勝ちですよね!嬉しい!」だって。

 

100

 

 

 

【がらチャレ】
 

100

 
 
「がらくたチャレンジマッチ」という謎の対局が企画された。

番組概要はこうだ。

現鳳凰位・前原雄大、現モンド杯チャンピオン・佐々木寿人の2名で構成される「チームがらくた」
現在最も勢いのあるのコンビにプロ連盟の若手が挑む!
予選→準々決勝→準決勝を勝ち進むと決勝に待ち受けているのは前原雄大・佐々木寿人!
厳しい予選を突破し「チームがらくた」に挑戦するのは誰なのか!?

勝った暁には「チームがらくた」に入会できるのか!?
その前に出演者は本当に「チームがらくた」に入りたいのか!?

~予選A卓~
中村毅vs太田優介vs安達紘文vs原佑典
実況:部谷幸則
解説:佐々木寿人
3/13(月)18時~

~予選B卓~
上村慎太郎vs小松武蔵vs谷誠之vs鹿島文太
実況:部谷幸則
解説:前原雄大

 

 

【チンイツ】
 

 

100

 
 

100

 
 

100

 
 

100

 

筆記テスト前日の夜。大庭三四郎のつぶやきがこちらだ。

かなり忙しいはずの三四郎だが、時折こういったプレーを見せる。
チームがらくたとはかけ離れている人種である。

 

 

【くだらない話しばかりしてないで】
 
貴重な連盟weeklyの場だが、我ながら毎週毎週くだらない話しが多いと感じる。
先週など、二階堂亜樹の最強戦ファイナル進出を書くのを忘れていた。

 

100

 

そういえばこちらも紹介しようと思っていたが失念してしまっていた。

日本プロ麻雀連盟支部本部Twitter

北海道本部 (@jpml_hokkaido)

東北本部 (@jpml_tohoku)

静岡支部 (@npr_Shizuoka2)

中部本部 (@chuubu2)

九州本部 (@jpmlkyushuhonbu)

皆さんの地元にも応援したくなるような選手がいるかもしれない。

 

100

(青森県出身)

 

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
【第7期グランプリMAX】
 

100

 
 
グランプリMAX2017決勝メンバーが決定!
《初日》半荘4回
3/18(土)14:00~
白鳥翔vs内川幸太郎vs佐々木寿人vs柴田吉和
実況:小笠原奈央
解説:前原雄大・前田直哉
《2日目》
3/19(日)14:00~
実況:小笠原奈央
5・6回戦解説:勝又健志・荒正義
7・最終戦解説:勝又健志・森山茂和
ルール:日本プロ麻雀連盟Aルール
システム:半荘8回戦で優勝者を決める
どうしても…どうしても獲りたい4名の対局!
初日
二日目
 
 
【女流日本シリーズ】
 
 

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先日、最強戦ファイナル進出を決めたばかりの二階堂亜樹が勝利!
 
 
【やはり最強軍団なのか】
 
 

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日本プロ麻雀連盟B2リーグ所属の奈良圭純が、麻将連合主催のBIG1カップを獲得!
 

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本人は「恥ずかしい牌譜を残してしまった」とコメントしている。
結果しか知らない者がほとんどだろうけど、真面目な奴だ。
温かい祝福を受けて実感がわいてきたのか「でも勝ちは勝ちですよね!嬉しい!」だって。
 

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【がらチャレ】
 

100

 
 
「がらくたチャレンジマッチ」という謎の対局が企画された。
番組概要はこうだ。
現鳳凰位・前原雄大、現モンド杯チャンピオン・佐々木寿人の2名で構成される「チームがらくた」
現在最も勢いのあるのコンビにプロ連盟の若手が挑む!
予選→準々決勝→準決勝を勝ち進むと決勝に待ち受けているのは前原雄大・佐々木寿人!
厳しい予選を突破し「チームがらくた」に挑戦するのは誰なのか!?
勝った暁には「チームがらくた」に入会できるのか!?
その前に出演者は本当に「チームがらくた」に入りたいのか!?
~予選A卓~
中村毅vs太田優介vs安達紘文vs原佑典
実況:部谷幸則
解説:佐々木寿人
3/13(月)18時~
~予選B卓~
上村慎太郎vs小松武蔵vs谷誠之vs鹿島文太
実況:部谷幸則
解説:前原雄大
 
 
【チンイツ】
 
 

100

 
 

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100

 
筆記テスト前日の夜。大庭三四郎のつぶやきがこちらだ。
かなり忙しいはずの三四郎だが、時折こういったプレーを見せる。
チームがらくたとはかけ離れている人種である。
 
 
【くだらない話しばかりしてないで】
 
貴重な連盟weeklyの場だが、我ながら毎週毎週くだらない話しが多いと感じる。
先週など、二階堂亜樹の最強戦ファイナル進出を書くのを忘れていた。
 

100

 
そういえばこちらも紹介しようと思っていたが失念してしまっていた。
日本プロ麻雀連盟支部本部Twitter
北海道本部 (@jpml_hokkaido)
東北本部 (@jpml_tohoku)
静岡支部 (@npr_Shizuoka2)
中部本部 (@chuubu2)
九州本部 (@jpmlkyushuhonbu)
皆さんの地元にも応援したくなるような選手がいるかもしれない。
 

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(青森県出身)

 

第17期皇帝位決定戦 二日目(最終日)

皇帝位決定戦二日目。
昨日も今日も、差し入れを片手に会場に足を運んでくれた一般の方がいた。
九州リーグにもずっと参加してくれているのだが、日頃からとても熱心で、麻雀に対する気持ちが強いのが感じ取れる。
そして、毎年必ず皇帝位戦を最初から最後まで観戦してくれる。
私はとても嬉しかった。
九州本部を支えてくれているのは、こういう方々なのだと思う。

選手が集まってきた。
昨日の疲れなどまったく感じさせない、4名の対局者。
今日で今期の皇帝位が決まるんだ…そう思うと、何故だか私がドキドキしていた。
 

100

 

5回戦開始時
浜上 +55.8p 塚本 +48.2p 安東 ▲17.3p 中尾 ▲86.7p

5回戦(起家から浜上、安東、中尾、塚本)

東1局0本場 親浜上 ドラ八索
塚本、8巡目に以下の牌姿。
塚本
一万一万一万三万四万四万四万六万六万六索六索七索七索
ここで決めてしまうかと思った。
しかし、12巡目に表示牌の七索が浜上から打ち出される。
これを塚本がポン。
六万六索のシャンポン待ちでテンパイ。

そして13巡目に浜上が打ち出した九筒を安東がポン。
安東
二筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き

浜上は一手変わり345の三色のピンフテンパイ。
浜上
四万五万五万六万七万三索四索五索一筒一筒二筒三筒四筒

開局から三者がぶつかる形となった。
15巡目、安東から六索を打ちとったのは塚本。
一万一万一万四万四万四万六万六万六索六索  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ロン六索

2,600のアガりとなった。

安東は本来自身のツモであった九筒を食い下げられ、結果は放銃。
開局のこの一連をどう感じただろう。

 

 

東3局の中尾の猛追は、とても彼らしかった。
5本場まで積み棒を増やし、持ち点を43,800まで伸ばす。
後手を踏んでも最後まで諦めず、果敢に攻める姿勢は本当にかっこよかった。
私は、この中尾の姿が見たかったのだ。

この皇帝位戦を迎えるために、中尾は自分をかなり追い込んでいた。
攻め込むスタイルの彼は、打っても打っても前に出る強さがある。
それは、日頃の訓練により培ったものなのだと思う。

南3局の親番も3本場まで積み、64,500の大きなトップ目に立つ。
もう後がない…この崖っぷちの状況で、優勝することだけを目標に戦い抜くと決めていたのだ。
 

100

 
その中尾の後を浜上がついていく。
無茶はしない、けれども簡単には諦めない。
配牌を見てまず守備を考えるといつか話してくれたことがあった。
あがりに向かいながらも、常に受けることを考える。
それを浜上は毎局やっているのだと思うと、並大抵の練習量ではないはずだ。
彼の前で、「私は努力しています」だなんて、口が裂けても言えない。

このまま中尾がトップを守りきり、浜上は最後までしっかりついていき浮きをキープ。

5回戦成績
中尾 +40.1p 浜上 +5.2p 塚本 ▲12.9p 安東 ▲32.4p

5回戦終了時
浜上 +61.0p 塚本 +35.3p 中尾 ▲46.6p 安東 ▲49.7p

 

 

6回戦(起家から安東、中尾、塚本、浜上)

浜上が東1局の1本場7巡目に、純チャン三色ドラをテンパイ。ヤミテンを選択。
浜上
一万一万七万九万七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒  ロン八万

次巡、中尾からあたり牌である八万が打ち出される。
12,000は12,300のあがり。
このアドバンテージはとても大きい。

東2局0本場 親中尾 ドラ八万
2巡目、チャンタが見える配牌から安東が早々とカン二索を仕掛ける。
そして中尾も5巡目にカン七索を仕掛けタンヤオにむかい、誰よりも早くカン三筒で聴牌をいれる。
安東は2フーロして10巡目九索発のシャンポン聴牌。

そんな中、塚本から「ツモ」の発声。
一索二索四索五索六索七索八索九索西西西中中  ツモ三索
3,000/6,000の大きなあがりをものにする。
牌譜を見て、私はとても驚いた。
塚本の配牌
三万五万一索六索九索一筒六筒西西西北白中
ここから3回のツモ切りを除き全て有効牌を引き入れ、9巡目にテンパイしたのだ。

仕掛けるという行為は、時に残酷な結果をもたらす。
これはあくまで結果論だが、紛れもない事実。
この配牌を9巡の間で、2人の仕掛けによってハネ満の手に進化させたのだ。

東4局0本場 親浜上 ドラ五万
親の浜上の配牌
三万四万六万八万八万九万九万九万五索一筒六筒東発中
一筒、次巡五万を引き入れて打発
浜上の河は一筒発五索六筒となる。
5巡目、上家の塚本から二万を仕掛け、テンパイ。
四万五万六万八万八万九万九万九万東東  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ロン東
下家の安東が同巡東を放銃。
浜上は12,000をアガる。

2巡目の打発がなければ、この早いアガりはなかったかも知れない。

こういう手順を、この二日間で何度も見た。
私が一番勉強になったなと思うのが、浜上、塚本の染め手を作る際の手順だ。
ホンイツの手組に関して言えば、浜上と塚本は同じ思考だ。
「最終目標はテンパイではない、アガること。それならば、出アガりの可能性を1%でもあげる、アガりに必要な仕掛けをさせてもらえる河をつくることも大切。」
リスクももちろんある。
それは承知の上で、テンパイではなくアガりへの最善を尽くしているのだ。

浜上が一歩リードした点棒状況の中迎えたオーラス。
塚本
二万三万四万四万五万八万八万二索三索四索二筒三筒四筒  ロン三万

7,700は8,000を中尾から出アガり、トップで終了。
このトップはとても大きい。
浜上は一抹の不安を覚えたに違いない。

6回戦成績
塚本 +23.9p 浜上 +17.3p 中尾 ▲10.7p 安東 ▲30.5p

6回戦終了時
浜上 +78.3p 塚本 +59.2p 中尾 ▲57.3p 安東 ▲80.2p

 

 

7回戦(起家から中尾、塚本、浜上、安東)

開局早々、塚本が5,200、5,800と出アガりトータルトップ目に立つ。
東1局 南家 塚本
一万二万三万三索三索五索六索七索一筒二筒三筒中中  リーチ  ロン中  ドラ二万
東2局 東家 塚本
一万二万七万八万九万二索三索四索三筒三筒  ポン東東東  ロン三万

そして東3局、東4局共に1,300/2,600を力強くツモあがり、持ち点が47,400となる。

南1局0本場 親中尾 ドラ八索
ここで、浜上が勝負にでる。
今皇帝位戦で、初めてリスクを背負った立直を打つ。
五万六万七万三索四索五索六索六索六索南南白白
絶対おりないであろう中尾の親番で、役牌シャンポン待ちのリーチ。
まだ親番もあり24,000持っている浜上が、このリーチを打つイメージはなかった。
だが、ここはリーチを選択。
今まで慎重に戦っていた浜上が、リスクを背負ってでも戦わなければいけないと判断したのだ。
中尾と浜上の2人テンパイで流局したが、浜上の意思を感じる1局だった。

同1本場、中尾が6,000オールをツモアガる。
一筒二筒三筒七筒八筒九筒発  ポン南南南  ポン中中中
中尾も、まだ諦めるわけにはいかないのだ。

安東
九万四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒北北北
安東はずっと苦しい展開だった。
勝負手もなかなかアガりに結びつかず、アガれたとしても次に繋がらない。
流れを変えようと果敢に仕掛けてもアガれず。
リーグ戦ならば耐えられるが、今日優勝者が決まるというこの日に、まともに戦わせてもらえないのは本当に苦しかったであろう。
 

100

 
南3局、塚本は1巡目から果敢に仕掛けてアガりにむかう。
塚本
二万二万二索三索四索六索六索六索七筒九筒  ポン発発発  ロン八筒

そして7巡目に中尾から1,000を出アガり、浜上の親を自力で落としにいったのだ。

その局、自分が何をすることが最善なのかがわかっていないと、普段軽い仕掛けをしない彼が1巡目からポンの声を出すことは出来ないだろう。
そういったプランニングを、最初から最後まできっちり出来ていたのは塚本だった。
並びが出来た今自分がしなければいけないことは、浜上にラスを押し付けること。
そうすることで、最終戦追いかける立場から追われる立場に変わる。
この違いは大きい。
 

100

 
塚本の狙い通り、7回戦は塚本がきっちりトップをとり、浜上は痛恨のラス。
あと1回というところで、塚本が浜上の上に立った。

7回戦成績
塚本 +15.0p 安東 +9.4p 中尾 ▲8.1p 浜上 ▲16.3p

7回戦終了時
塚本 +74.2p 浜上 +62.0p 中尾 ▲65.4p 安東 ▲70.8p

 

 

最終戦(起家から浜上、中尾、安東、塚本)

泣いても笑ってもあと一回。
対局者達の表情からも、もう余裕は感じられない。

会場にはたくさんの観戦者が集まっていた。
 

100

 

皆、麻雀の楽しさも苦しさもわかっている九州本部の仲間。
4人の戦いを最後まで見守ろうと、こんなにもたくさんの方が集まってくれた。

連盟の規定により、最終戦の座り順は暫定2位の浜上が起家、暫定1位の塚本が北家。
2人のポイント差は12.2p。
ポイント状況的に、塚本と浜上の一騎打ちとなりそうだ。

いよいよ最終戦が始まる。

開局からドラマがあった。

東1局0本場 親浜上 ドラ九筒
先にテンパイを入れたのは塚本。
7巡目に五筒中のシャンポン待ち、中なら出アガり出来る。
そして次巡四筒を引き入れ、打五筒でリーチ。
塚本
一万二万三万三万四万五万二索三索四索四筒五筒中中
塚本は自分で浜上の親をおとしにいったのだ。
字牌が簡単に出てくる場況でもなく、自分で戦うのならば、リャンメン待ちでのリーチが最善だと判断した。

しかし浜上も黙っていない。
9巡目、タンピン高めイーペーコーの形でテンパイ、そしてリーチ。
浜上
四万四万五万五万六万八万八万六索七索八索四筒五筒六筒
浜上にとっても、塚本から直接点棒を奪えるチャンス。
2人ともツモる手に力が入る。

塚本が自身で2枚使っている三万を掴み5,800放銃。
1局で順位が入れ替わった。

続く東1局1本場、13巡目に塚本が発をポン、ドラの八万単騎のテンパイ。
塚本
三万四万五万八万一筒二筒三筒五筒五筒五筒  ポン発発発
しかしすぐ初牌の東を掴まされてテンパイを崩す。
七対子のイーシャンテンだった浜上は最後のツモでテンパイ、東を勝負してドラ単騎のテンパイ。
この局は浜上の1人テンパイとなる。
浜上
六万六万八万七索七索八索八索九索九索一筒一筒四筒四筒

東2局、塚本が1,300/2,600をツモあがり、差を縮める。

そして迎えた東4局1本場 親塚本 ドラ五筒
この時点での2人の点棒状況は浜上35,600塚本26,200。
塚本は7巡目七対子のイーシャンテン。
塚本
一万一万四索四索五索七索八索八索六筒六筒発発発
10巡目に安東が打ち出した八索をポン。
11巡目に浜上から打ち出される一万をポン、六筒四索のシャンポン待ちテンパイ。
塚本
四索四索六筒六筒発発発  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き  ポン八索 左向き八索 上向き八索 上向き
浜上も13巡目にテンパイしヤミテンを選択。
浜上
六万七万八万六索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒東東
同巡、安東からリーチ。
安東
三万三万六万六万三索三索四索五筒五筒七筒七筒八筒八筒

ここでも三者がぶつかる。
見ている者も、固唾をのんで見守る。
ここでアガりをものにしたのは浜上。
六索を力強くツモり、500/1,000は600/1,100のアガりとなる。

南1局0本場 親浜上 ドラ五万
浜上が10巡目にリーチ、見事ツモアガり2,000オール。
持ち点を44,900まで伸ばし、塚本との点差は26.8P。

そして迎えた南1局1本場 親浜上 ドラ東
浜上
三万四万六万七万八万八万一筒二筒四筒六筒九筒東東南
ドラが対子のこの配牌を見て、これを決めれば浜上の優勝が決まるのではと思っていた。
12巡目、安東からリーチが入る。そのときの宣言牌は東
これを浜上が仕掛け、カン七索の聴牌。
三万三万六万七万八万六索八索四筒五筒六筒  ポン東東東

しかし、この局面で安東がリーチをしてくるということは、高打点の可能性が高い。
実際安東はツモり四暗刻のリーチだった。
二索二索二索四索四索四索三筒三筒四筒四筒四筒八筒八筒

安東は二日を通して本当に苦しい展開だった。
耐えて耐えて、それでも浮上のきっかけは掴めず。
そんな安東の、渾身のリーチだった。

そして、浜上を追いかける塚本も三色のテンパイ、ここは勝負とリーチ。
塚本
五万六万七万一索一索一索五索六索七索九索九索五筒七筒  リーチ

浜上が四索をツモり打八索で待ちかえ、次巡ツモは裏目の七索ツモってくる。
このアガり逃しは浜上に危険を知らせてくれていたはずだった。
しかし、安東のロン牌である八筒をツモ切り、12,000は12,300の放銃となった。
本来、安東のツモであった八筒を食い取り、放銃してしまう結果。
追いかける立場ならまだしも、この放銃は罪が重いと、後に浜上が語ってくれた。

7回戦まで我慢のきいた麻雀を打っていただけに、この八筒は私もとめてほしかった。
しかし、翌日浜上のいう言葉を聞いて、やはり彼は素敵な打ち手だと感心した。
「あの八筒を、九州本部を引っ張ってきた自分が打つなんて許されない。今まで競技麻雀を打ってきた中で、一番ひどい放銃をした。観戦してくれている皆に、こんな麻雀を見せたかったんじゃない。」
 

100

 
彼が背負うものは、私が想像しているものなんかより何倍も、何十倍も大きい。
十数年、彼は九州本部に身を捧げてきた。
だからこそ、こんなセリフが言えるのだろう。
私はやはり九州本部が、そして浜上が大好きだ。

最終戦が始まる前から、私はすでに泣きそうになっていた。
叶わないとわかっていながらも、皆に優勝してほしいと願ったりもした。
見ている私がこんなにも苦しいのだ。
対局者は想像をはるかに超える苦しみの中、戦い抜いたのだ。

そして迎えたオーラス1本場(R1) 親塚本 ドラ八索
各自の持ち点は
浜上31,600 中尾21,200 安東41,100 塚本25,100
あんなにあった点差は、6,500点差にまで縮まっていた。
トータルポイントは、浜上が2.3p上をいく。
塚本はテンパイ必須、浜上はアガれば優勝が決まる。

塚本のリーチを受け三者はおりる。塚本1人テンパイ。
塚本
一万二万三万六万七万六索六索六索七索八索五筒六筒七筒  リーチ 流局

続く2本場、トータルポイントで塚本が浜上を捲くり、0.7p上に立つ。
しかしテンパイしてないと、浜上がテンパイしていたら負けてしまう。
ここも塚本が意地を見せ、1人テンパイ。

3本場、ここへきて浜上の条件が厳しくなる。
浜上29,600 中尾19,200 安東39,100 塚本30,100 供託2.0
ツモアガり、塚本からの出アガりは無条件優勝、中尾からは7,700以上、安東からは3,900以上の点数が必要。
そして、浜上1人テンパイでも塚本の優勝という条件。

浜上の上家に座る塚本も、苦しさのあまり顔を歪ませる。

塚本と浜上の「苦しい、勝ちたい」という心の声が会場いっぱいに広がる。
観戦者の「頑張れ」という心の声も会場いっぱいに広がる。

浜上はテンパイすることなく、全員ノーテンで第17期皇帝位決定戦は幕を閉じた。

最終成績
優勝 塚本 +78.3p
2位 浜上 +57.6p
3位 安東 ▲53.7p
4位 中尾 ▲84.2p

 

塚本が優勝者インタビューでこう語っていた。
「昨年、やるべきことをやれずに準優勝だった。今年は自分のやれることを全てやって、ようやく先輩方に追いつくことが出来ました。」
対局者をリスペクトしているからこそ、自分の全てを使って戦い抜き、見事優勝を勝ち取った塚本。
本当におめでとうございます。
 

100

 
そして、対局者の皆さん。
二日間お疲れ様でした。
一番近くでこの皇帝位決定戦を見届ける役目を私にさせてくれて、ありがとうございました。
皆さんの戦う姿は、とてもかっこよかった。
この二日間のことは、絶対に忘れません。

拙いこの観戦記を見て下さった皆さんにもお礼を言わせて下さい。
本当にありがとうございました。

日本プロ麻雀連盟 九州本部 吉田 彩乃

九州プロリーグ レポート/第17期皇帝位決定戦 二日目(最終日)

皇帝位決定戦二日目。
昨日も今日も、差し入れを片手に会場に足を運んでくれた一般の方がいた。
九州リーグにもずっと参加してくれているのだが、日頃からとても熱心で、麻雀に対する気持ちが強いのが感じ取れる。
そして、毎年必ず皇帝位戦を最初から最後まで観戦してくれる。
私はとても嬉しかった。
九州本部を支えてくれているのは、こういう方々なのだと思う。
選手が集まってきた。
昨日の疲れなどまったく感じさせない、4名の対局者。
今日で今期の皇帝位が決まるんだ…そう思うと、何故だか私がドキドキしていた。
 
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5回戦開始時
浜上 +55.8p 塚本 +48.2p 安東 ▲17.3p 中尾 ▲86.7p

5回戦(起家から浜上、安東、中尾、塚本)
東1局0本場 親浜上 ドラ八索
塚本、8巡目に以下の牌姿。
塚本
一万一万一万三万四万四万四万六万六万六索六索七索七索
ここで決めてしまうかと思った。
しかし、12巡目に表示牌の七索が浜上から打ち出される。
これを塚本がポン。
六万六索のシャンポン待ちでテンパイ。
そして13巡目に浜上が打ち出した九筒を安東がポン。
安東
二筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き
浜上は一手変わり345の三色のピンフテンパイ。
浜上
四万五万五万六万七万三索四索五索一筒一筒二筒三筒四筒
開局から三者がぶつかる形となった。
15巡目、安東から六索を打ちとったのは塚本。
一万一万一万四万四万四万六万六万六索六索  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ロン六索
2,600のアガりとなった。
安東は本来自身のツモであった九筒を食い下げられ、結果は放銃。
開局のこの一連をどう感じただろう。
 
 
東3局の中尾の猛追は、とても彼らしかった。
5本場まで積み棒を増やし、持ち点を43,800まで伸ばす。
後手を踏んでも最後まで諦めず、果敢に攻める姿勢は本当にかっこよかった。
私は、この中尾の姿が見たかったのだ。
この皇帝位戦を迎えるために、中尾は自分をかなり追い込んでいた。
攻め込むスタイルの彼は、打っても打っても前に出る強さがある。
それは、日頃の訓練により培ったものなのだと思う。
南3局の親番も3本場まで積み、64,500の大きなトップ目に立つ。
もう後がない…この崖っぷちの状況で、優勝することだけを目標に戦い抜くと決めていたのだ。
 
100
 
その中尾の後を浜上がついていく。
無茶はしない、けれども簡単には諦めない。
配牌を見てまず守備を考えるといつか話してくれたことがあった。
あがりに向かいながらも、常に受けることを考える。
それを浜上は毎局やっているのだと思うと、並大抵の練習量ではないはずだ。
彼の前で、「私は努力しています」だなんて、口が裂けても言えない。
このまま中尾がトップを守りきり、浜上は最後までしっかりついていき浮きをキープ。
5回戦成績
中尾 +40.1p 浜上 +5.2p 塚本 ▲12.9p 安東 ▲32.4p

5回戦終了時
浜上 +61.0p 塚本 +35.3p 中尾 ▲46.6p 安東 ▲49.7p
 
 
6回戦(起家から安東、中尾、塚本、浜上)
浜上が東1局の1本場7巡目に、純チャン三色ドラをテンパイ。ヤミテンを選択。
浜上
一万一万七万九万七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒  ロン八万
次巡、中尾からあたり牌である八万が打ち出される。
12,000は12,300のあがり。
このアドバンテージはとても大きい。
東2局0本場 親中尾 ドラ八万
2巡目、チャンタが見える配牌から安東が早々とカン二索を仕掛ける。
そして中尾も5巡目にカン七索を仕掛けタンヤオにむかい、誰よりも早くカン三筒で聴牌をいれる。
安東は2フーロして10巡目九索発のシャンポン聴牌。
そんな中、塚本から「ツモ」の発声。
一索二索四索五索六索七索八索九索西西西中中  ツモ三索
3,000/6,000の大きなあがりをものにする。
牌譜を見て、私はとても驚いた。
塚本の配牌
三万五万一索六索九索一筒六筒西西西北白中
ここから3回のツモ切りを除き全て有効牌を引き入れ、9巡目にテンパイしたのだ。
仕掛けるという行為は、時に残酷な結果をもたらす。
これはあくまで結果論だが、紛れもない事実。
この配牌を9巡の間で、2人の仕掛けによってハネ満の手に進化させたのだ。
東4局0本場 親浜上 ドラ五万
親の浜上の配牌
三万四万六万八万八万九万九万九万五索一筒六筒東発中
一筒、次巡五万を引き入れて打発
浜上の河は一筒発五索六筒となる。
5巡目、上家の塚本から二万を仕掛け、テンパイ。
四万五万六万八万八万九万九万九万東東  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ロン東
下家の安東が同巡東を放銃。
浜上は12,000をアガる。
2巡目の打発がなければ、この早いアガりはなかったかも知れない。
こういう手順を、この二日間で何度も見た。
私が一番勉強になったなと思うのが、浜上、塚本の染め手を作る際の手順だ。
ホンイツの手組に関して言えば、浜上と塚本は同じ思考だ。
「最終目標はテンパイではない、アガること。それならば、出アガりの可能性を1%でもあげる、アガりに必要な仕掛けをさせてもらえる河をつくることも大切。」
リスクももちろんある。
それは承知の上で、テンパイではなくアガりへの最善を尽くしているのだ。
浜上が一歩リードした点棒状況の中迎えたオーラス。
塚本
二万三万四万四万五万八万八万二索三索四索二筒三筒四筒  ロン三万
7,700は8,000を中尾から出アガり、トップで終了。
このトップはとても大きい。
浜上は一抹の不安を覚えたに違いない。
6回戦成績
塚本 +23.9p 浜上 +17.3p 中尾 ▲10.7p 安東 ▲30.5p

6回戦終了時
浜上 +78.3p 塚本 +59.2p 中尾 ▲57.3p 安東 ▲80.2p
 
 
7回戦(起家から中尾、塚本、浜上、安東)
開局早々、塚本が5,200、5,800と出アガりトータルトップ目に立つ。
東1局 南家 塚本
一万二万三万三索三索五索六索七索一筒二筒三筒中中  リーチ  ロン中  ドラ二万
東2局 東家 塚本
一万二万七万八万九万二索三索四索三筒三筒  ポン東東東  ロン三万
そして東3局、東4局共に1,300/2,600を力強くツモあがり、持ち点が47,400となる。
南1局0本場 親中尾 ドラ八索
ここで、浜上が勝負にでる。
今皇帝位戦で、初めてリスクを背負った立直を打つ。
五万六万七万三索四索五索六索六索六索南南白白
絶対おりないであろう中尾の親番で、役牌シャンポン待ちのリーチ。
まだ親番もあり24,000持っている浜上が、このリーチを打つイメージはなかった。
だが、ここはリーチを選択。
今まで慎重に戦っていた浜上が、リスクを背負ってでも戦わなければいけないと判断したのだ。
中尾と浜上の2人テンパイで流局したが、浜上の意思を感じる1局だった。
同1本場、中尾が6,000オールをツモアガる。
一筒二筒三筒七筒八筒九筒発  ポン南南南  ポン中中中
中尾も、まだ諦めるわけにはいかないのだ。
安東
九万四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒北北北
安東はずっと苦しい展開だった。
勝負手もなかなかアガりに結びつかず、アガれたとしても次に繋がらない。
流れを変えようと果敢に仕掛けてもアガれず。
リーグ戦ならば耐えられるが、今日優勝者が決まるというこの日に、まともに戦わせてもらえないのは本当に苦しかったであろう。
 
100
 
南3局、塚本は1巡目から果敢に仕掛けてアガりにむかう。
塚本
二万二万二索三索四索六索六索六索七筒九筒  ポン発発発  ロン八筒
そして7巡目に中尾から1,000を出アガり、浜上の親を自力で落としにいったのだ。
その局、自分が何をすることが最善なのかがわかっていないと、普段軽い仕掛けをしない彼が1巡目からポンの声を出すことは出来ないだろう。
そういったプランニングを、最初から最後まできっちり出来ていたのは塚本だった。
並びが出来た今自分がしなければいけないことは、浜上にラスを押し付けること。
そうすることで、最終戦追いかける立場から追われる立場に変わる。
この違いは大きい。
 
100
 
塚本の狙い通り、7回戦は塚本がきっちりトップをとり、浜上は痛恨のラス。
あと1回というところで、塚本が浜上の上に立った。
7回戦成績
塚本 +15.0p 安東 +9.4p 中尾 ▲8.1p 浜上 ▲16.3p

7回戦終了時
塚本 +74.2p 浜上 +62.0p 中尾 ▲65.4p 安東 ▲70.8p
 
 
最終戦(起家から浜上、中尾、安東、塚本)
泣いても笑ってもあと一回。
対局者達の表情からも、もう余裕は感じられない。
会場にはたくさんの観戦者が集まっていた。
 
100
 
皆、麻雀の楽しさも苦しさもわかっている九州本部の仲間。
4人の戦いを最後まで見守ろうと、こんなにもたくさんの方が集まってくれた。
連盟の規定により、最終戦の座り順は暫定2位の浜上が起家、暫定1位の塚本が北家。
2人のポイント差は12.2p。
ポイント状況的に、塚本と浜上の一騎打ちとなりそうだ。
いよいよ最終戦が始まる。
開局からドラマがあった。
東1局0本場 親浜上 ドラ九筒
先にテンパイを入れたのは塚本。
7巡目に五筒中のシャンポン待ち、中なら出アガり出来る。
そして次巡四筒を引き入れ、打五筒でリーチ。
塚本
一万二万三万三万四万五万二索三索四索四筒五筒中中
塚本は自分で浜上の親をおとしにいったのだ。
字牌が簡単に出てくる場況でもなく、自分で戦うのならば、リャンメン待ちでのリーチが最善だと判断した。
しかし浜上も黙っていない。
9巡目、タンピン高めイーペーコーの形でテンパイ、そしてリーチ。
浜上
四万四万五万五万六万八万八万六索七索八索四筒五筒六筒
浜上にとっても、塚本から直接点棒を奪えるチャンス。
2人ともツモる手に力が入る。
塚本が自身で2枚使っている三万を掴み5,800放銃。
1局で順位が入れ替わった。
続く東1局1本場、13巡目に塚本が発をポン、ドラの八万単騎のテンパイ。
塚本
三万四万五万八万一筒二筒三筒五筒五筒五筒  ポン発発発
しかしすぐ初牌の東を掴まされてテンパイを崩す。
七対子のイーシャンテンだった浜上は最後のツモでテンパイ、東を勝負してドラ単騎のテンパイ。
この局は浜上の1人テンパイとなる。
浜上
六万六万八万七索七索八索八索九索九索一筒一筒四筒四筒
東2局、塚本が1,300/2,600をツモあがり、差を縮める。
そして迎えた東4局1本場 親塚本 ドラ五筒
この時点での2人の点棒状況は浜上35,600塚本26,200。
塚本は7巡目七対子のイーシャンテン。
塚本
一万一万四索四索五索七索八索八索六筒六筒発発発
10巡目に安東が打ち出した八索をポン。
11巡目に浜上から打ち出される一万をポン、六筒四索のシャンポン待ちテンパイ。
塚本
四索四索六筒六筒発発発  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き  ポン八索 左向き八索 上向き八索 上向き
浜上も13巡目にテンパイしヤミテンを選択。
浜上
六万七万八万六索六索二筒三筒四筒五筒六筒七筒東東
同巡、安東からリーチ。
安東
三万三万六万六万三索三索四索五筒五筒七筒七筒八筒八筒
ここでも三者がぶつかる。
見ている者も、固唾をのんで見守る。
ここでアガりをものにしたのは浜上。
六索を力強くツモり、500/1,000は600/1,100のアガりとなる。
南1局0本場 親浜上 ドラ五万
浜上が10巡目にリーチ、見事ツモアガり2,000オール。
持ち点を44,900まで伸ばし、塚本との点差は26.8P。
そして迎えた南1局1本場 親浜上 ドラ東
浜上
三万四万六万七万八万八万一筒二筒四筒六筒九筒東東南
ドラが対子のこの配牌を見て、これを決めれば浜上の優勝が決まるのではと思っていた。
12巡目、安東からリーチが入る。そのときの宣言牌は東
これを浜上が仕掛け、カン七索の聴牌。
三万三万六万七万八万六索八索四筒五筒六筒  ポン東東東
しかし、この局面で安東がリーチをしてくるということは、高打点の可能性が高い。
実際安東はツモり四暗刻のリーチだった。
二索二索二索四索四索四索三筒三筒四筒四筒四筒八筒八筒
安東は二日を通して本当に苦しい展開だった。
耐えて耐えて、それでも浮上のきっかけは掴めず。
そんな安東の、渾身のリーチだった。
そして、浜上を追いかける塚本も三色のテンパイ、ここは勝負とリーチ。
塚本
五万六万七万一索一索一索五索六索七索九索九索五筒七筒  リーチ
浜上が四索をツモり打八索で待ちかえ、次巡ツモは裏目の七索ツモってくる。
このアガり逃しは浜上に危険を知らせてくれていたはずだった。
しかし、安東のロン牌である八筒をツモ切り、12,000は12,300の放銃となった。
本来、安東のツモであった八筒を食い取り、放銃してしまう結果。
追いかける立場ならまだしも、この放銃は罪が重いと、後に浜上が語ってくれた。
7回戦まで我慢のきいた麻雀を打っていただけに、この八筒は私もとめてほしかった。
しかし、翌日浜上のいう言葉を聞いて、やはり彼は素敵な打ち手だと感心した。
「あの八筒を、九州本部を引っ張ってきた自分が打つなんて許されない。今まで競技麻雀を打ってきた中で、一番ひどい放銃をした。観戦してくれている皆に、こんな麻雀を見せたかったんじゃない。」
 
100
 
彼が背負うものは、私が想像しているものなんかより何倍も、何十倍も大きい。
十数年、彼は九州本部に身を捧げてきた。
だからこそ、こんなセリフが言えるのだろう。
私はやはり九州本部が、そして浜上が大好きだ。
最終戦が始まる前から、私はすでに泣きそうになっていた。
叶わないとわかっていながらも、皆に優勝してほしいと願ったりもした。
見ている私がこんなにも苦しいのだ。
対局者は想像をはるかに超える苦しみの中、戦い抜いたのだ。
そして迎えたオーラス1本場(R1) 親塚本 ドラ八索
各自の持ち点は
浜上31,600 中尾21,200 安東41,100 塚本25,100
あんなにあった点差は、6,500点差にまで縮まっていた。
トータルポイントは、浜上が2.3p上をいく。
塚本はテンパイ必須、浜上はアガれば優勝が決まる。
塚本のリーチを受け三者はおりる。塚本1人テンパイ。
塚本
一万二万三万六万七万六索六索六索七索八索五筒六筒七筒  リーチ 流局
続く2本場、トータルポイントで塚本が浜上を捲くり、0.7p上に立つ。
しかしテンパイしてないと、浜上がテンパイしていたら負けてしまう。
ここも塚本が意地を見せ、1人テンパイ。
3本場、ここへきて浜上の条件が厳しくなる。
浜上29,600 中尾19,200 安東39,100 塚本30,100 供託2.0
ツモアガり、塚本からの出アガりは無条件優勝、中尾からは7,700以上、安東からは3,900以上の点数が必要。
そして、浜上1人テンパイでも塚本の優勝という条件。
浜上の上家に座る塚本も、苦しさのあまり顔を歪ませる。
塚本と浜上の「苦しい、勝ちたい」という心の声が会場いっぱいに広がる。
観戦者の「頑張れ」という心の声も会場いっぱいに広がる。
浜上はテンパイすることなく、全員ノーテンで第17期皇帝位決定戦は幕を閉じた。
最終成績
優勝 塚本 +78.3p
2位 浜上 +57.6p
3位 安東 ▲53.7p
4位 中尾 ▲84.2p

 
塚本が優勝者インタビューでこう語っていた。
「昨年、やるべきことをやれずに準優勝だった。今年は自分のやれることを全てやって、ようやく先輩方に追いつくことが出来ました。」
対局者をリスペクトしているからこそ、自分の全てを使って戦い抜き、見事優勝を勝ち取った塚本。
本当におめでとうございます。
 
100
 
そして、対局者の皆さん。
二日間お疲れ様でした。
一番近くでこの皇帝位決定戦を見届ける役目を私にさせてくれて、ありがとうございました。
皆さんの戦う姿は、とてもかっこよかった。
この二日間のことは、絶対に忘れません。
拙いこの観戦記を見て下さった皆さんにもお礼を言わせて下さい。
本当にありがとうございました。
日本プロ麻雀連盟 九州本部 吉田 彩乃

女流プロ麻雀日本シリーズ2017 プレーオフ成績表

システム

■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) 84.1 54.5 ▲ 17.3 121.3
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 44.2 16.5 23.0 83.7
3 宮内 こずえ(プロクイーン) 15.8 ▲ 13.1 66.7 69.4
4 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 16.6 29.4 11.3 57.3
5 魚谷 侑未(モンド王座優勝) ▲ 2.7 ▲ 4.1 ▲ 10.8 ▲ 17.6
6 和泉由希子(連盟会長推薦) 25.4 ▲ 32.8 ▲ 23.5 ▲ 30.9
7 高宮 まり(前年度優勝) 19.1 ▲ 16.7 ▲ 43.4 ▲ 41.0
8 大平 亜季(女流最高位) 17.3 ▲ 34.7 ▲ 6.0 ▲ 43.4

※ペナルティ込み

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

麻雀日本シリーズ 成績表/女流プロ麻雀日本シリーズ2017 プレーオフ成績表

システム
■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) 84.1 54.5 ▲ 17.3 121.3
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 44.2 16.5 23.0 83.7
3 宮内 こずえ(プロクイーン) 15.8 ▲ 13.1 66.7 69.4
4 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 16.6 29.4 11.3 57.3
5 魚谷 侑未(モンド王座優勝) ▲ 2.7 ▲ 4.1 ▲ 10.8 ▲ 17.6
6 和泉由希子(連盟会長推薦) 25.4 ▲ 32.8 ▲ 23.5 ▲ 30.9
7 高宮 まり(前年度優勝) 19.1 ▲ 16.7 ▲ 43.4 ▲ 41.0
8 大平 亜季(女流最高位) 17.3 ▲ 34.7 ▲ 6.0 ▲ 43.4

※ペナルティ込み
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

女流プロ麻雀日本シリーズ2017 予選最終節節レポート 楠原 遊

女流プロ麻雀日本シリーズ、予選第4節が行われた。
3節までの成績は以下の通り。

1位 大平亜季 +61.6P (6/8)
2位 仲田加南 +53.1P (6/8)
3位 朝倉ゆかり +33.7P (7/8)
4位 二階堂亜樹 +22.8P (6/8)
5位 和泉由希子 ▲10.8P (6/8)
6位 高宮まり ▲11.4P (7/8)
7位 魚谷侑未 ▲11.8P (5/8)
8位 宮内こずえ ▲22.7P(6/8)
9位 和久津晶 ▲50.7P(6/8)
10位 大崎初音 ▲64.8P(5/8)

※()内は予選半荘消化数
※予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
※プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
※ルールに関してはこちら→女流プロ麻雀日本シリーズ2017第1節レポート

ついに予選も最終節となり、各自8回の規定半荘のうち、残り1~3回となった選手たち。
現在のプレーオフ進出ボーダーは8位の宮内の持つ▲22.7P。
9・10位の和久津・大崎も少し離されているとはいえまだまだ勝ち残りの可能性は多いにある。
一方、上位の選手も、ポイント持ち越しのプレーオフに向け、ポイントを稼いでおきたい場面だ。
そして難しいのは中位の選手たち。ポイントが拮抗しているため、着順の変動で上位にも下位にも簡単にいってしまう。判断の難しい局面での選択が、プレーオフ進出に大きな影響を与えてしまうのは間違いないだろう。
各自、それぞれのテーマを背負った予選最終日が今、はじまろうとしている。

 

 

16回戦 仲田+53.1(6/8) 魚谷▲11.8(5/8) 大崎▲64.8(5/8) 大平+61.6(6/8) ※()内は消化済み半荘数

■2位仲田VS7位魚谷VS10位大崎VS1位大平

最終日初戦は、ポイントで頭ひとつ抜けた1位2位の大平・仲田、ボーダーのひとつ上7位の魚谷、そして、あと3半荘を残してはいるもののここで何としてでもポイントが欲しい10位大崎との対戦となった。

東1局1本場

親の仲田が2,900をアガってむかえた1本場。
親の仲田が発を仕掛けてこの形。

 

100

 

ここからまっすぐドラを切り出し、それを南家・魚谷がチーしてドラドラの1シャンテンとなる。

五万六万一索三索三索六索六索六筒七筒八筒  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ドラ六筒

しかし仲田もすぐに二万をポンしてテンパイ、

一万一万一万四万五万東東   カン発発発発  ポン二万 左向き二万 上向き二万 上向き  ドラ六筒八筒

ドラ3テンパイとなった魚谷がすぐに三万をツモ切り9,600は9,900。
プレーオフの先にある決勝に向けて、仲田が先頭を切って走り出した。
東2局3本場 供託1

 

100

 

5巡目、西家・大平の手がこの形。ここから、1枚切れの西、生牌の東を残し打四索
そして次巡ツモ四万で、続けて四索を切る。

そこに親の魚谷からリーチ。

一索二索三索九索九索九索三筒三筒五筒六筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ二索

そして同巡、大平にもテンパイが入る。

二万三万三万四万四万五万六万七万東南南南西  ツモ五万

西を切って東単騎のメンホンテンパイをヤミテンとする。
5巡目に二万をツモった段階で字牌を切っていると、この五万は一発ツモのアガリ牌となっていた。

暫定1位、決勝を見据えてここはスピードよりも打点を意識した手作りを見せた大平だったが、ここは魚谷が裏ドラとなる七筒を一発でツモって4,000オール。
東1局での放銃を取り返すような大きなアガリをものにした。

その後も仲田・魚谷のアガリ合戦が続き、苦しくなったのは大平・大崎。
テンパイするもののなかなかアガれない大平と、手に恵まれずテンパイすらなかなか叶わない大平。
■南4局 仲田57.400 魚谷37,600 大崎18,700 大平6,300

またしても西家・仲田が先制リーチ。

一万二万三万二索三索四索一筒一筒一筒六筒七筒北北  リーチ  ドラ北

北家・大崎も同巡に追いかけリーチ。

五万六万五索五索五索二筒三筒四筒七筒八筒九筒中中  リーチ

そしてその一発目に親の大平もテンパイ、3件目のリーチ棒を卓に置く。

二万三万四万六万七万七索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ

大きな山場となったオーラスだが、すぐに大崎が五を掴み、大平にメンタンピン裏裏の12,000の放銃。
ここまでなかなか結果に結び付かずにラス目となっていた大平にとっては嬉しいアガリに、この半荘で最も勝ちたかった大崎には、残り2回の半荘の条件がより厳しく突きつけられた1局となった。

オーラス1本場は、これ以上失点出来ない大崎が、魚谷から2,600は2,900をアガリ、苦しかったこの16回戦を終わらせた。

16回戦結果 
仲田+41.7P(7/8) 魚谷+7.1P(7/8) 大平▲14.7P(7/8) 大崎▲33.8P(6/8)

トータル 
仲田+94.5P 魚谷▲4.7P 大平46.9P 大崎▲98.6P

 

 

17回戦 大崎▲98.6P(6/8) 亜樹+22.8P(6/8) 魚谷▲4.7P(7/8) 和久津▲50.7P(6/8)

■10位大崎VS4位亜樹VS5位魚谷VS9位和久津

現在のプレーオフ進出ボーダーは8位宮内の▲22.7P。下位の大崎・和久津はそのポイントを目指しつつ、5位魚谷・4位亜樹のポイントを削ってきたいところだ。

東1局

8巡目、最初にテンパイしたのは北家・和久津。

五万六万七万五索六索七索二筒二筒四筒六筒六筒七筒八筒  ドラ四万

タンピン三色やドラの手変わりが多い手牌をヤミテンとする。
そこに次巡、南家の亜樹が先制リーチ。

二索二索四索五索六索一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ

しかしここでひけない親の大崎もドラを切って追っ掛ける。

二万二万四万五万六万七万八万九万三索四索五索二筒三筒  リーチ

2件リーチとなるも和久津、ドラを引き入れ、ヤミテンで押していく。
3人の勝負となったが、アガったのは大崎。ツモ四筒に裏ドラが乗り嬉しい4,000オールとなった。

東1局1本場

満貫のツモアガリで、このまま二の矢、三の矢を継ぎたい大崎。
そこに南家・魚谷が、一通の高目の牌を引いて6巡目リーチ。

二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索九索八筒八筒  リーチ  ドラ東

ここに連荘したい大崎が1シャンテンから飛び込み8,000は8,300。
ポイント条件を考えての苦しい放銃となってしまった。

■一方、9位の和久津

南4局

各者の点数状況と3巡目の和久津の手はこちら。

 

100

 

ここまで、丁寧に打ち加点を続けたトップ目の魚谷、そこにどうしてもトップの欲しい10位大崎と9位和久津。
ラス目の亜樹も跳満ツモ、もしくはリーチ棒が出ての満貫ツモで2着も見える位置。

親の和久津の手はこの巡目で4シャンテンと厳しいが、ここから続けざまに仕掛けて11巡目にこのテンパイ。

五万五万四筒五筒  ポン南南南  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ドラ五万

テンパイしてすぐに六筒をツモり見事な2,600オールを決め、トップ目に立つ。

南4局1本場

7巡目、西家・亜樹がテンパイ。

 

100

 

この半荘、ここまでの間、厳しい位置に立たされていた亜樹だが、ここで迷いなくリーチ。
その宣言牌の八万をポンした和久津がこの形。

二索二索五索六索七索二筒三筒  ポン東東東  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ北

点棒状況的にも、プレーヤーのタイプ的にも、決して打点が安くないであろう亜樹のリーチ、しかし受けた和久津もトップ目ではあるがツモられてしまうと魚谷にまくられてしまう上に、より一層の加点が欲しい状況。
1,500は1,800のテンパイだが、ここは無筋の牌を押していく。
大崎・魚谷が一歩引き、2人のぶつかり合いとなった。
そして4巡後、勝負の決着がつく。

二万三万五万六万七万三筒四筒五筒北北発発発  ロン四万  ドラ北  裏北 

亜樹がリーチ・発・ドラ4の12,000は12,300を和久津から直撃。
亜樹は2着に浮上、そして和久津は勝負した結果ではあるがトップ目から4着への着落ち。
17回戦は、大崎・和久津ともにここまでのポイントゆえ、振りで厳しい戦いを強いられた半荘となってしまった。

17回戦結果 
魚谷+22.6P(7/8) 亜樹+4.1P(7/8) 大崎▲7.4P(7/8) 和久津▲19.3P(7/8)

トータル 
魚谷+17.9P 亜樹+26.9P 大崎▲106.0P 和久津▲70.0P

 

 

18回戦 宮内▲22.7P(6/8) 和泉▲10.8(6/8) 大平+46.9P(7/8) 仲田+94.5P(7/8)

■8位宮内VS6位和泉VS2位大平VS1位仲田

18回戦は、プレーオフ進出ボーダーの宮内、そこから10ポイント差の和泉、そしてこれが最終戦となった1位仲田、2位大平の戦いとなった。
8位の宮内は9位の和久津と約50ポイント差あるとはいえ、この後には直接対決が控えている。ここで浮いておけば、最終戦での戦い方がぐっと楽になる。

東3局3本場

ここまで、和泉が強い麻雀を打っている。
東1局にホンイツの2,000・4,000をアガると、東2局では2,600オール、その1本場では宮内のリーチにぎりぎりまで押すもテンパイせず流局となるが、加点に対するしっかりとした意思を見せた。そしてその合間を縫うように東3局2本場では大平が宮内から2,900は3,500のアガリ。
宮内は現在、20,900点持ちのラス目と苦しい立場に立たされている。

6巡目、そんな西家の宮内がここで先行テンパイ。

 

100

 

巡目の早い、ドラが3枚の役ありリャンメンテンパイで、四万七万は生牌。宮内の雀風からしてリーチもあるかと思われたが、ここは静かにヤミテンを選択。
3巡後にテンパイした和泉のリーチ宣言牌四万を捕えて8,000は8,900のアガリ。
ここまでの状況を鑑みた丁寧なヤミテンで、冷静に局を進めていく。

■WRCルールの役満パオ

南2局1本場

中をポンしている西家の仲田が、今度は白をポンして1枚切るところ。

四万六万七万七万八万六筒七筒発  ポン中中中  ポン白白白  ドラ三筒

ちょうど前巡に1枚目の発を切られたばかりだったが、ここで仲田が選択したのは七万
四万へのくっつきのホンイツ役役と、三元役を逃さない選択だ。
ポイント上でも余裕があるので、四万を引いたら発を切って五筒八筒のテンパイは取る手組みである。

そこに、南家・大平もダブ南を鳴いて参戦していく。

五万六万七万七索七索三筒四筒五筒六筒八筒  ポン南南南

するとその鳴きで、仲田に発が流れる。

六万七万八万六筒七筒発発  ポン中中中  ポン白白白

そしてテンパイしている大平に最後の発が流れ、ツモ切りされたものをポン。単騎の選択で切った七筒が大平に捕まり、3,900は4,200の放銃となった。

ところで、大平の所属する最高位戦日本プロ麻雀協会ルールには役満のパオは存在しないが、このWRCルールには役満パオが存在する。このテンパイから六筒を切ると、大三元のツモアガリは大平の一人払いとなっていた。
しっかりと間合いを測り、紙一重のところでしっかりとアガリ切った大平の打ち筋が光った局となった。

南3局

6巡目、親の大平の先行リーチ。

二万三万四万五索六索七索八索九索五筒六筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ六万

これをうけて南家・仲田がこの形。

六万六万七万八万東東東  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ポン発発発

ここはしっかりと攻め切って、大平から8,000は8,300を討ちとった。
オーラスは、北家の大平がドラ3のリーチをかけるも流局し、アガリ回数で他を圧倒した和泉のトップで半荘が終わった。

18回戦結果
和泉+31.2P 宮内+7.8P 仲田▲10.4P 大平▲29.6P

トータル 
和泉+20.4P(7/8) 宮内▲14.9P(7/8)  仲田+84.1P(8/8) 大平+17.3P(8/8)

 

 

19回戦 和久津▲70.7P(7/8) 朝倉+33.7P(7/8) 魚谷+17.9P(7/8) 宮内▲14.9P(7/8)

■9位VS2位朝倉VS5位魚谷VS8位宮内

それぞれの選手にとって予選最終戦となるこの半荘。プレーオフボーダーを賭けた8位の宮内と9位の和久津の直接対決にも注目が集まる。

東4局

前局、和久津が魚谷から8,000は8,900をアガリ、現状和久津トップ目、宮内ラス目で迎えた東4局。
親の宮内がテンパイ。

二万二万二万六万七万七索七索八索三筒四筒五筒白白  ツモ八万  ドラ白

ここからノータイムで八索を切ってシャンポンリーチに踏み切った。

 

100

 

残り2回の親番、ドラドラのリャンメンテンパイに取りたくなるが、場を見ると、六索が1枚切れ、九索が3枚切れ。
ここは冷静に場を見て待ち選択をした宮内、六索九索をツモる前に自ら七索を引いて、見事な4,000オールを決めた。

■和久津、最後の親番

南1局2本場

東4局の親番で、いとも簡単にラス目からトップ目までのぼりつめた宮内。一方、それを追う立場の和久津には厳しい条件が押し付けられた。
この親番は落とせない。

7巡目、はじめにテンパイしたのは西家・魚谷。

一万一万七万七万八万八万一索五索五索一筒一筒中中  ドラ四索

そして南家・朝倉も自身から見える3枚目のドラを、和久津からチーしていく。

三万五万五万六万七万四索四索五筒六筒九筒  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き

これを見た魚谷は一索単騎でツモ切りリーチ。ドラ筋で、和久津の第一打の牌に、勝負を賭けた。
そして朝倉も負けじと、上の牌姿から六万をカンチャンでチー。
シャンテン数が変わらない好形変化の喰い伸ばしチーだが、朝倉のこのような仕掛けはこのシリーズ始まって以来初めてのものだ。

そして11巡目、親の和久津もようやくテンパイ。

二万二万六万七万八万四索五索六索二筒三筒六筒七筒八筒

この手でリーチ。そして朝倉も七筒を引いてテンパイ、無筋の牌を押していく。
和久津にとっても、魚谷にとっても、朝倉にとっても引けない戦いとなったが、ここは和久津が四万をつかみ朝倉に8,000は8,600の放銃。
最後まで果敢に戦った和久津だったが、ここにきて事実上の戦線離脱となってしまった。

その後も的確にアガリを拾い続けた宮内がトップ、攻めの姿勢を崩さなかった朝倉が2着で19回戦を終えた。

19回戦結果
宮内+30.7P 朝倉+10.5P 魚谷▲20.6P 和久津▲20.6P

トータル 
宮内+15.8P(8/8)  朝倉+44.2P(8/8) 魚谷▲2.7P(8/8) 和久津▲90.6P(8/8)

 

 

20回戦 和泉+20.4P(7/8) 高宮▲11.4P(7/8) 大崎▲106.0P(7/8) 亜樹+26.9P(7/8)

■4位和泉VS8位高宮VS10位大崎VS3位亜樹

4節、全20戦に及ぶ予選もこの半荘が最終戦。
19回戦でトップを取った宮内に代わり、プレーオフ進出ボーダーの8位に立った高宮が今回、大崎のターゲットとなる。
高宮と大崎の現在のポイント差は117.4P。高い壁だが、やる前から諦めるような打ち手がファンに選ばれる筈もない。
決勝ボーダー上にいる亜樹・和泉と、プレーオフ敗退を賭けた大崎、それぞれの戦いの行く末を見ていきたい。

東1局

8巡目、北家・亜樹にテンパイが入る。

六万六万六万八万一索二索三索三索五索五筒六筒七筒東  ツモ四索  ドラ東

ここから八万を切ってドラ単騎のリーチ。七万八万も生牌だが、ここはドラを切らない選択をした。
その後、東は各者に1枚ずつ流れ、流局かと思われたが、12巡目、南家の高宮にもテンパイが入る。

七万七万七万三索四索五索五索五索六索二筒三筒四筒東  ツモ七索

こちらもドラの東単騎か多面張の選択となったが、高宮が選択したのはより広く受け攻める東切りリーチ。
亜樹にリーチ・ドラドラの5.200の放銃となってしまったが、高宮の攻めの姿勢が垣間見えた興味深い局となった。

東2局

8巡目テンパイを入れたのは北家・和泉。

一筒三筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西  ポン白白白  ドラ七索

そして11巡目、西家・亜樹もテンパイ、リーチ。

五万六万六万七万七万八万五索六索四筒五筒六筒発発  リーチ

すぐに親の高宮のテンパイ。

七万七万四索五索六索七索八索九索五筒六筒七筒東東

ダブ東七万のシャンポン待ちで追いかけリーチとする。
手がぶつかる展開となったが、勝負はすぐに決着した。
亜樹が高目の東を一発で掴み、高宮にリーチ・一発・ダブ東・表1裏3の24,000放銃。東1局とは全く別の形での東のアガリとなった。

南3局

大崎が最後の親番でリーチ。

 

100

 

同巡に、北家・高宮もトップ目から追いかけリーチ。

 

100

 

役ありで大崎の現物待ちだが、ここも広い形で強くぶつけていく。
大崎、高宮、2人のツモる指先に力がこもるが、軍配は高宮に挙がる。一筒をツモってリーチ・ツモ・ピンフ・ドラの1,300・2,600のアガリ。
ここで親が落ちた大崎の予選敗退がほぼ決まる。

南4局1本場

9巡目、ラス目の親・亜樹から先制リーチ。

一索二索四索五索六索七索七索七索八索九索五筒五筒五筒  リーチ  ドラ二索

これを受け14巡目、2着目満貫出アガリトップの和泉の手がこちら。

四万四万五万五万六万二索五索六索三筒三筒四筒五筒六筒  ツモ四索

トップを目指す条件を満たした手となったが、ラス目の親にドラを勝負せず三筒を外していく。
しかし無情にも、同巡の亜樹のツモは六万。ドラを勝負出来ていたらのたらればになってしまうが、すぐにその結果が見えてしまう結果となった。
その六万をチーして、ドラ単騎のテンパイを取り直すも、この局は2人テンパイで流局。開かれた亜樹の手を見た和泉は何を思ったか。
ここはヤミテンにせずリーチをかけた亜樹の作戦勝ちとなった局となった。

オーラス2本場は、亜樹が和泉から12,000は12,300の直撃、3本場にようやく和泉が400・700は700・1,000をツモり予選最終半荘を終わらせる。

20回戦結果
高宮+30.7P 和泉+5.0P 亜樹▲10.3P 大崎▲25.2P

トータル 
高宮+19.1P(8/8) 和泉+25.4P(8/8) 亜樹+16.6P(8/8) 大崎▲131.2P(8/8)

以上で女流プロ麻雀日本シリーズの予選20回戦が全て終了した。
結果は以下の通り

システム

■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

序盤から展開に苦しんだ和久津・大崎が、その条件ゆえの難しい押し引きにまた苦しみ、予選敗退となった。
特に、初戦の東1局に48,000を放銃した大崎は、常に厳しい選択の上での麻雀を強いられていたことだろう。

一方、プレーオフ進出した選手たちにもまだまだ、厳しい戦いが待っている。
ポイントが拮抗しているため、各自2回のプレーオフでまだまだ誰が決勝に残るのか分からない。
女流プロ日本一を決める戦いを、楽しみにして頂きたい。

プレーオフ日程
2017年3月8日17:00~

1回戦:仲田加南vs高宮まりvs大平亜季vs魚谷侑未
2回戦:朝倉ゆかりvs和泉由希子vs二階堂亜樹vs宮内こずえ
3回戦:1位vs4位vs5位vs8位
4回戦:2位vs3位vs6位vs7位

実況:古橋崇志
解説:藤崎智(現十段位)・前田直哉

麻雀日本シリーズ/女流プロ麻雀日本シリーズ2017 予選最終節節レポート 楠原 遊

女流プロ麻雀日本シリーズ、予選第4節が行われた。
3節までの成績は以下の通り。
1位 大平亜季 +61.6P (6/8)
2位 仲田加南 +53.1P (6/8)
3位 朝倉ゆかり +33.7P (7/8)
4位 二階堂亜樹 +22.8P (6/8)
5位 和泉由希子 ▲10.8P (6/8)
6位 高宮まり ▲11.4P (7/8)
7位 魚谷侑未 ▲11.8P (5/8)
8位 宮内こずえ ▲22.7P(6/8)
9位 和久津晶 ▲50.7P(6/8)
10位 大崎初音 ▲64.8P(5/8)
※()内は予選半荘消化数
※予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
※プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
※ルールに関してはこちら→女流プロ麻雀日本シリーズ2017第1節レポート
ついに予選も最終節となり、各自8回の規定半荘のうち、残り1~3回となった選手たち。
現在のプレーオフ進出ボーダーは8位の宮内の持つ▲22.7P。
9・10位の和久津・大崎も少し離されているとはいえまだまだ勝ち残りの可能性は多いにある。
一方、上位の選手も、ポイント持ち越しのプレーオフに向け、ポイントを稼いでおきたい場面だ。
そして難しいのは中位の選手たち。ポイントが拮抗しているため、着順の変動で上位にも下位にも簡単にいってしまう。判断の難しい局面での選択が、プレーオフ進出に大きな影響を与えてしまうのは間違いないだろう。
各自、それぞれのテーマを背負った予選最終日が今、はじまろうとしている。
 
 
16回戦 仲田+53.1(6/8) 魚谷▲11.8(5/8) 大崎▲64.8(5/8) 大平+61.6(6/8) ※()内は消化済み半荘数
■2位仲田VS7位魚谷VS10位大崎VS1位大平
最終日初戦は、ポイントで頭ひとつ抜けた1位2位の大平・仲田、ボーダーのひとつ上7位の魚谷、そして、あと3半荘を残してはいるもののここで何としてでもポイントが欲しい10位大崎との対戦となった。
東1局1本場
親の仲田が2,900をアガってむかえた1本場。
親の仲田が発を仕掛けてこの形。
 
100
 
ここからまっすぐドラを切り出し、それを南家・魚谷がチーしてドラドラの1シャンテンとなる。
五万六万一索三索三索六索六索六筒七筒八筒  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ドラ六筒
しかし仲田もすぐに二万をポンしてテンパイ、
一万一万一万四万五万東東   カン発発発発  ポン二万 左向き二万 上向き二万 上向き  ドラ六筒八筒
ドラ3テンパイとなった魚谷がすぐに三万をツモ切り9,600は9,900。
プレーオフの先にある決勝に向けて、仲田が先頭を切って走り出した。
東2局3本場 供託1
 
100
 
5巡目、西家・大平の手がこの形。ここから、1枚切れの西、生牌の東を残し打四索
そして次巡ツモ四万で、続けて四索を切る。
そこに親の魚谷からリーチ。
一索二索三索九索九索九索三筒三筒五筒六筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ二索
そして同巡、大平にもテンパイが入る。
二万三万三万四万四万五万六万七万東南南南西  ツモ五万
西を切って東単騎のメンホンテンパイをヤミテンとする。
5巡目に二万をツモった段階で字牌を切っていると、この五万は一発ツモのアガリ牌となっていた。
暫定1位、決勝を見据えてここはスピードよりも打点を意識した手作りを見せた大平だったが、ここは魚谷が裏ドラとなる七筒を一発でツモって4,000オール。
東1局での放銃を取り返すような大きなアガリをものにした。
その後も仲田・魚谷のアガリ合戦が続き、苦しくなったのは大平・大崎。
テンパイするもののなかなかアガれない大平と、手に恵まれずテンパイすらなかなか叶わない大平。
■南4局 仲田57.400 魚谷37,600 大崎18,700 大平6,300
またしても西家・仲田が先制リーチ。
一万二万三万二索三索四索一筒一筒一筒六筒七筒北北  リーチ  ドラ北
北家・大崎も同巡に追いかけリーチ。
五万六万五索五索五索二筒三筒四筒七筒八筒九筒中中  リーチ
そしてその一発目に親の大平もテンパイ、3件目のリーチ棒を卓に置く。
二万三万四万六万七万七索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ
大きな山場となったオーラスだが、すぐに大崎が五を掴み、大平にメンタンピン裏裏の12,000の放銃。
ここまでなかなか結果に結び付かずにラス目となっていた大平にとっては嬉しいアガリに、この半荘で最も勝ちたかった大崎には、残り2回の半荘の条件がより厳しく突きつけられた1局となった。
オーラス1本場は、これ以上失点出来ない大崎が、魚谷から2,600は2,900をアガリ、苦しかったこの16回戦を終わらせた。
16回戦結果 
仲田+41.7P(7/8) 魚谷+7.1P(7/8) 大平▲14.7P(7/8) 大崎▲33.8P(6/8)
トータル 
仲田+94.5P 魚谷▲4.7P 大平46.9P 大崎▲98.6P

 
 
17回戦 大崎▲98.6P(6/8) 亜樹+22.8P(6/8) 魚谷▲4.7P(7/8) 和久津▲50.7P(6/8)
■10位大崎VS4位亜樹VS5位魚谷VS9位和久津
現在のプレーオフ進出ボーダーは8位宮内の▲22.7P。下位の大崎・和久津はそのポイントを目指しつつ、5位魚谷・4位亜樹のポイントを削ってきたいところだ。
東1局
8巡目、最初にテンパイしたのは北家・和久津。
五万六万七万五索六索七索二筒二筒四筒六筒六筒七筒八筒  ドラ四万
タンピン三色やドラの手変わりが多い手牌をヤミテンとする。
そこに次巡、南家の亜樹が先制リーチ。
二索二索四索五索六索一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ
しかしここでひけない親の大崎もドラを切って追っ掛ける。
二万二万四万五万六万七万八万九万三索四索五索二筒三筒  リーチ
2件リーチとなるも和久津、ドラを引き入れ、ヤミテンで押していく。
3人の勝負となったが、アガったのは大崎。ツモ四筒に裏ドラが乗り嬉しい4,000オールとなった。
東1局1本場
満貫のツモアガリで、このまま二の矢、三の矢を継ぎたい大崎。
そこに南家・魚谷が、一通の高目の牌を引いて6巡目リーチ。
二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索九索八筒八筒  リーチ  ドラ東
ここに連荘したい大崎が1シャンテンから飛び込み8,000は8,300。
ポイント条件を考えての苦しい放銃となってしまった。
■一方、9位の和久津
南4局
各者の点数状況と3巡目の和久津の手はこちら。
 
100
 
ここまで、丁寧に打ち加点を続けたトップ目の魚谷、そこにどうしてもトップの欲しい10位大崎と9位和久津。
ラス目の亜樹も跳満ツモ、もしくはリーチ棒が出ての満貫ツモで2着も見える位置。
親の和久津の手はこの巡目で4シャンテンと厳しいが、ここから続けざまに仕掛けて11巡目にこのテンパイ。
五万五万四筒五筒  ポン南南南  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ドラ五万
テンパイしてすぐに六筒をツモり見事な2,600オールを決め、トップ目に立つ。
南4局1本場
7巡目、西家・亜樹がテンパイ。
 
100
 
この半荘、ここまでの間、厳しい位置に立たされていた亜樹だが、ここで迷いなくリーチ。
その宣言牌の八万をポンした和久津がこの形。
二索二索五索六索七索二筒三筒  ポン東東東  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ北
点棒状況的にも、プレーヤーのタイプ的にも、決して打点が安くないであろう亜樹のリーチ、しかし受けた和久津もトップ目ではあるがツモられてしまうと魚谷にまくられてしまう上に、より一層の加点が欲しい状況。
1,500は1,800のテンパイだが、ここは無筋の牌を押していく。
大崎・魚谷が一歩引き、2人のぶつかり合いとなった。
そして4巡後、勝負の決着がつく。
二万三万五万六万七万三筒四筒五筒北北発発発  ロン四万  ドラ北  裏北 
亜樹がリーチ・発・ドラ4の12,000は12,300を和久津から直撃。
亜樹は2着に浮上、そして和久津は勝負した結果ではあるがトップ目から4着への着落ち。
17回戦は、大崎・和久津ともにここまでのポイントゆえ、振りで厳しい戦いを強いられた半荘となってしまった。
17回戦結果 
魚谷+22.6P(7/8) 亜樹+4.1P(7/8) 大崎▲7.4P(7/8) 和久津▲19.3P(7/8)
トータル 
魚谷+17.9P 亜樹+26.9P 大崎▲106.0P 和久津▲70.0P

 
 
18回戦 宮内▲22.7P(6/8) 和泉▲10.8(6/8) 大平+46.9P(7/8) 仲田+94.5P(7/8)
■8位宮内VS6位和泉VS2位大平VS1位仲田
18回戦は、プレーオフ進出ボーダーの宮内、そこから10ポイント差の和泉、そしてこれが最終戦となった1位仲田、2位大平の戦いとなった。
8位の宮内は9位の和久津と約50ポイント差あるとはいえ、この後には直接対決が控えている。ここで浮いておけば、最終戦での戦い方がぐっと楽になる。
東3局3本場
ここまで、和泉が強い麻雀を打っている。
東1局にホンイツの2,000・4,000をアガると、東2局では2,600オール、その1本場では宮内のリーチにぎりぎりまで押すもテンパイせず流局となるが、加点に対するしっかりとした意思を見せた。そしてその合間を縫うように東3局2本場では大平が宮内から2,900は3,500のアガリ。
宮内は現在、20,900点持ちのラス目と苦しい立場に立たされている。
6巡目、そんな西家の宮内がここで先行テンパイ。
 
100
 
巡目の早い、ドラが3枚の役ありリャンメンテンパイで、四万七万は生牌。宮内の雀風からしてリーチもあるかと思われたが、ここは静かにヤミテンを選択。
3巡後にテンパイした和泉のリーチ宣言牌四万を捕えて8,000は8,900のアガリ。
ここまでの状況を鑑みた丁寧なヤミテンで、冷静に局を進めていく。
■WRCルールの役満パオ
南2局1本場
中をポンしている西家の仲田が、今度は白をポンして1枚切るところ。
四万六万七万七万八万六筒七筒発  ポン中中中  ポン白白白  ドラ三筒
ちょうど前巡に1枚目の発を切られたばかりだったが、ここで仲田が選択したのは七万
四万へのくっつきのホンイツ役役と、三元役を逃さない選択だ。
ポイント上でも余裕があるので、四万を引いたら発を切って五筒八筒のテンパイは取る手組みである。
そこに、南家・大平もダブ南を鳴いて参戦していく。
五万六万七万七索七索三筒四筒五筒六筒八筒  ポン南南南
するとその鳴きで、仲田に発が流れる。
六万七万八万六筒七筒発発  ポン中中中  ポン白白白
そしてテンパイしている大平に最後の発が流れ、ツモ切りされたものをポン。単騎の選択で切った七筒が大平に捕まり、3,900は4,200の放銃となった。
ところで、大平の所属する最高位戦日本プロ麻雀協会ルールには役満のパオは存在しないが、このWRCルールには役満パオが存在する。このテンパイから六筒を切ると、大三元のツモアガリは大平の一人払いとなっていた。
しっかりと間合いを測り、紙一重のところでしっかりとアガリ切った大平の打ち筋が光った局となった。
南3局
6巡目、親の大平の先行リーチ。
二万三万四万五索六索七索八索九索五筒六筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ六万
これをうけて南家・仲田がこの形。
六万六万七万八万東東東  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ポン発発発
ここはしっかりと攻め切って、大平から8,000は8,300を討ちとった。
オーラスは、北家の大平がドラ3のリーチをかけるも流局し、アガリ回数で他を圧倒した和泉のトップで半荘が終わった。
18回戦結果
和泉+31.2P 宮内+7.8P 仲田▲10.4P 大平▲29.6P
トータル 
和泉+20.4P(7/8) 宮内▲14.9P(7/8)  仲田+84.1P(8/8) 大平+17.3P(8/8)

 
 
19回戦 和久津▲70.7P(7/8) 朝倉+33.7P(7/8) 魚谷+17.9P(7/8) 宮内▲14.9P(7/8)
■9位VS2位朝倉VS5位魚谷VS8位宮内
それぞれの選手にとって予選最終戦となるこの半荘。プレーオフボーダーを賭けた8位の宮内と9位の和久津の直接対決にも注目が集まる。
東4局
前局、和久津が魚谷から8,000は8,900をアガリ、現状和久津トップ目、宮内ラス目で迎えた東4局。
親の宮内がテンパイ。
二万二万二万六万七万七索七索八索三筒四筒五筒白白  ツモ八万  ドラ白
ここからノータイムで八索を切ってシャンポンリーチに踏み切った。
 
100
 
残り2回の親番、ドラドラのリャンメンテンパイに取りたくなるが、場を見ると、六索が1枚切れ、九索が3枚切れ。
ここは冷静に場を見て待ち選択をした宮内、六索九索をツモる前に自ら七索を引いて、見事な4,000オールを決めた。
■和久津、最後の親番
南1局2本場
東4局の親番で、いとも簡単にラス目からトップ目までのぼりつめた宮内。一方、それを追う立場の和久津には厳しい条件が押し付けられた。
この親番は落とせない。
7巡目、はじめにテンパイしたのは西家・魚谷。
一万一万七万七万八万八万一索五索五索一筒一筒中中  ドラ四索
そして南家・朝倉も自身から見える3枚目のドラを、和久津からチーしていく。
三万五万五万六万七万四索四索五筒六筒九筒  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き
これを見た魚谷は一索単騎でツモ切りリーチ。ドラ筋で、和久津の第一打の牌に、勝負を賭けた。
そして朝倉も負けじと、上の牌姿から六万をカンチャンでチー。
シャンテン数が変わらない好形変化の喰い伸ばしチーだが、朝倉のこのような仕掛けはこのシリーズ始まって以来初めてのものだ。
そして11巡目、親の和久津もようやくテンパイ。
二万二万六万七万八万四索五索六索二筒三筒六筒七筒八筒
この手でリーチ。そして朝倉も七筒を引いてテンパイ、無筋の牌を押していく。
和久津にとっても、魚谷にとっても、朝倉にとっても引けない戦いとなったが、ここは和久津が四万をつかみ朝倉に8,000は8,600の放銃。
最後まで果敢に戦った和久津だったが、ここにきて事実上の戦線離脱となってしまった。
その後も的確にアガリを拾い続けた宮内がトップ、攻めの姿勢を崩さなかった朝倉が2着で19回戦を終えた。
19回戦結果
宮内+30.7P 朝倉+10.5P 魚谷▲20.6P 和久津▲20.6P
トータル 
宮内+15.8P(8/8)  朝倉+44.2P(8/8) 魚谷▲2.7P(8/8) 和久津▲90.6P(8/8)

 
 
20回戦 和泉+20.4P(7/8) 高宮▲11.4P(7/8) 大崎▲106.0P(7/8) 亜樹+26.9P(7/8)
■4位和泉VS8位高宮VS10位大崎VS3位亜樹
4節、全20戦に及ぶ予選もこの半荘が最終戦。
19回戦でトップを取った宮内に代わり、プレーオフ進出ボーダーの8位に立った高宮が今回、大崎のターゲットとなる。
高宮と大崎の現在のポイント差は117.4P。高い壁だが、やる前から諦めるような打ち手がファンに選ばれる筈もない。
決勝ボーダー上にいる亜樹・和泉と、プレーオフ敗退を賭けた大崎、それぞれの戦いの行く末を見ていきたい。
東1局
8巡目、北家・亜樹にテンパイが入る。
六万六万六万八万一索二索三索三索五索五筒六筒七筒東  ツモ四索  ドラ東
ここから八万を切ってドラ単騎のリーチ。七万八万も生牌だが、ここはドラを切らない選択をした。
その後、東は各者に1枚ずつ流れ、流局かと思われたが、12巡目、南家の高宮にもテンパイが入る。
七万七万七万三索四索五索五索五索六索二筒三筒四筒東  ツモ七索
こちらもドラの東単騎か多面張の選択となったが、高宮が選択したのはより広く受け攻める東切りリーチ。
亜樹にリーチ・ドラドラの5.200の放銃となってしまったが、高宮の攻めの姿勢が垣間見えた興味深い局となった。
東2局
8巡目テンパイを入れたのは北家・和泉。
一筒三筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西  ポン白白白  ドラ七索
そして11巡目、西家・亜樹もテンパイ、リーチ。
五万六万六万七万七万八万五索六索四筒五筒六筒発発  リーチ
すぐに親の高宮のテンパイ。
七万七万四索五索六索七索八索九索五筒六筒七筒東東
ダブ東七万のシャンポン待ちで追いかけリーチとする。
手がぶつかる展開となったが、勝負はすぐに決着した。
亜樹が高目の東を一発で掴み、高宮にリーチ・一発・ダブ東・表1裏3の24,000放銃。東1局とは全く別の形での東のアガリとなった。
南3局
大崎が最後の親番でリーチ。
 
100
 
同巡に、北家・高宮もトップ目から追いかけリーチ。
 
100
 
役ありで大崎の現物待ちだが、ここも広い形で強くぶつけていく。
大崎、高宮、2人のツモる指先に力がこもるが、軍配は高宮に挙がる。一筒をツモってリーチ・ツモ・ピンフ・ドラの1,300・2,600のアガリ。
ここで親が落ちた大崎の予選敗退がほぼ決まる。
南4局1本場
9巡目、ラス目の親・亜樹から先制リーチ。
一索二索四索五索六索七索七索七索八索九索五筒五筒五筒  リーチ  ドラ二索
これを受け14巡目、2着目満貫出アガリトップの和泉の手がこちら。
四万四万五万五万六万二索五索六索三筒三筒四筒五筒六筒  ツモ四索
トップを目指す条件を満たした手となったが、ラス目の親にドラを勝負せず三筒を外していく。
しかし無情にも、同巡の亜樹のツモは六万。ドラを勝負出来ていたらのたらればになってしまうが、すぐにその結果が見えてしまう結果となった。
その六万をチーして、ドラ単騎のテンパイを取り直すも、この局は2人テンパイで流局。開かれた亜樹の手を見た和泉は何を思ったか。
ここはヤミテンにせずリーチをかけた亜樹の作戦勝ちとなった局となった。
オーラス2本場は、亜樹が和泉から12,000は12,300の直撃、3本場にようやく和泉が400・700は700・1,000をツモり予選最終半荘を終わらせる。
20回戦結果
高宮+30.7P 和泉+5.0P 亜樹▲10.3P 大崎▲25.2P
トータル 
高宮+19.1P(8/8) 和泉+25.4P(8/8) 亜樹+16.6P(8/8) 大崎▲131.2P(8/8)

以上で女流プロ麻雀日本シリーズの予選20回戦が全て終了した。
結果は以下の通り
システム
■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

序盤から展開に苦しんだ和久津・大崎が、その条件ゆえの難しい押し引きにまた苦しみ、予選敗退となった。
特に、初戦の東1局に48,000を放銃した大崎は、常に厳しい選択の上での麻雀を強いられていたことだろう。
一方、プレーオフ進出した選手たちにもまだまだ、厳しい戦いが待っている。
ポイントが拮抗しているため、各自2回のプレーオフでまだまだ誰が決勝に残るのか分からない。
女流プロ日本一を決める戦いを、楽しみにして頂きたい。
プレーオフ日程
2017年3月8日17:00~
1回戦:仲田加南vs高宮まりvs大平亜季vs魚谷侑未
2回戦:朝倉ゆかりvs和泉由希子vs二階堂亜樹vs宮内こずえ
3回戦:1位vs4位vs5位vs8位
4回戦:2位vs3位vs6位vs7位
実況:古橋崇志
解説:藤崎智(現十段位)・前田直哉

何を切る?fromロン2 2017年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局南家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※西家は4巡目に四索をポン、その後加カン。東家は中をポンして打一万

 

プロ

二索切り・・・27人
六索切り・・・7人
三索切り・・・1人
北切り・・・1人

 

ロン2ユーザー

二索切り・・・51.6%
六索切り・・・19.5%
三索切り・・・12.5%
北切り・・・12.5%
七索切り・・・2.3%
一索切り・・・0.8%
五索切り・・・0.8%

 

 

プロ解答(50音順)

 

二索切り

厚谷昇汰
四索が無いのでメンツ手は厳しい。メンホン七対子狙いで2枚見えの二索切り。」

鮎川卓
「ドラを使い切り、高打点を狙います。」

太田優介
「メンツ手に向かうには新ドラとはいえドラの三索を切らないといけないので、七対子固定の打二索。多少アガリ率が落ちても七対子に受ける。」

岡部光輝
「東1局なのでチンイツに行きたいのですが、四索がカンされて無いので、メンホン七対子にします。ソーズは分断されて良さそうなので。」

勝又健志
「七対子狙いとする以外にアガリが見込めない。」

上村慎太郎
「メンホン七対子に決め打ち。残り枚数の少ない二索を外す。」

上村宜久
「西家のカン二索待ちもありえますが、自分のアガリチャンスを広く受け、メンホン七対子を狙います。」

河井保国
「メンホン七対子を仕上げる。」

貫上洋志
「七対子で枚数の多い方を残す。」

清原継光
「親にカン二索は無い。西家、北家にも通りそう。ドラを使い切るなら七対子しかない。次巡以降、通りそうな一索などを払いながら七対子ドラドラを目指す。」

黒沢咲
「メンホン七対子ドラドラに向かって、一直線で打ちます。」

近藤久春
「メンホン七対子一直線。見え見えでもテンパイしたらリーチ。東1局なので大きく!」

紺野真太郎
四索が無くチンイツは無理そう。七対子を本線に。」

坂本誠裕
「七対子に絞ります。」

佐々木寿人
「メンホン七対子に。」

寺尾威一郎
「七対子へ。ホンイツにこだわらず流動的に。」

二階堂亜樹
「メンツ手はあきらめて七対子にします。」

花岡章生
四索が無く、アガリは見えにくいが、メンホン七対子の形を残して2枚切れの打二索で。」

林俊宏
「とりあえずメンホン七対子目指してみます。」

一井慎也
「七対子へ。染め手にはこだわらないが、受けきれないので、テンパイしたらリーチで相手に選択をさせる。」

藤岡良一
一索六索七索と浮かせておくメンホン七対子一本。ただこの場面、危ない順だと七索六索一索であるため、一索の重なりは六索切り、六索七索の重なりは一索切りでリーチとなる。ソーズ待ちですよのリーチを打てるかがポイント。」

古川孝次
北を切ってチンイツに行きたいが、四索をカンされて横に伸びていく要素がないため、七対子を目指す。二索一索の順に外していく。」

三戸亮祐
「キー牌の四索が無い以上はメンホン七対子を目指す。場に2枚見えの二索から打つ。」

安村浩司
四索が無いので、七対子固定。」

山井弘
四索が無いのでメンツ手のホンイツは厳しい。メンホン七対子狙いで、テンパイが入れば、開局、下家の加カンなのである程度の勝負と考えリーチも有り。」

横山毅
四索が無いのでメンホン七対子狙い。」

四柳弘樹
四索が無いのでメンツ手は難しく、枚数で二索。」

 

 

六索切り

白鳥翔
「メンツ手と七対子の天秤。」

浜上文吾
四索が無いので七対子かイーペーコー狙い。メンゼンでホンイツテンパイならば、ドラの三索も切ります。」

福光聖雄
「親はマンズのホンイツと読む。対面に一索二索三索のメンツがあるか判断しづらいので迷うところ。」

藤島健二郎
「タテヨコの天秤。仕掛けはないが、メンゼンならドラも押す。」

古橋崇志
「メンツ手と七対子の天秤。」

前田直哉
「何を引いても良さそうだから。」

山田浩之
「メンホン七対子狙い。一応メンツ手の保険もかける。」

 

 

三索切り

内川幸太郎
「七対子は捨てます。三索は通りそうですし、西家、北家の切り順から、あってもポンで済みそう。」

 

 

北切り

前原雄大
「伸ばすならばチンイツを見る。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2017年3月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局南家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※西家は4巡目に四索をポン、その後加カン。東家は中をポンして打一万

 
プロ

二索切り・・・27人
六索切り・・・7人
三索切り・・・1人
北切り・・・1人
 
ロン2ユーザー

二索切り・・・51.6%
六索切り・・・19.5%
三索切り・・・12.5%
北切り・・・12.5%
七索切り・・・2.3%
一索切り・・・0.8%
五索切り・・・0.8%
 
 
プロ解答(50音順)
 
二索切り
厚谷昇汰
四索が無いのでメンツ手は厳しい。メンホン七対子狙いで2枚見えの二索切り。」
鮎川卓
「ドラを使い切り、高打点を狙います。」
太田優介
「メンツ手に向かうには新ドラとはいえドラの三索を切らないといけないので、七対子固定の打二索。多少アガリ率が落ちても七対子に受ける。」
岡部光輝
「東1局なのでチンイツに行きたいのですが、四索がカンされて無いので、メンホン七対子にします。ソーズは分断されて良さそうなので。」
勝又健志
「七対子狙いとする以外にアガリが見込めない。」
上村慎太郎
「メンホン七対子に決め打ち。残り枚数の少ない二索を外す。」
上村宜久
「西家のカン二索待ちもありえますが、自分のアガリチャンスを広く受け、メンホン七対子を狙います。」
河井保国
「メンホン七対子を仕上げる。」
貫上洋志
「七対子で枚数の多い方を残す。」
清原継光
「親にカン二索は無い。西家、北家にも通りそう。ドラを使い切るなら七対子しかない。次巡以降、通りそうな一索などを払いながら七対子ドラドラを目指す。」
黒沢咲
「メンホン七対子ドラドラに向かって、一直線で打ちます。」
近藤久春
「メンホン七対子一直線。見え見えでもテンパイしたらリーチ。東1局なので大きく!」
紺野真太郎
四索が無くチンイツは無理そう。七対子を本線に。」
坂本誠裕
「七対子に絞ります。」
佐々木寿人
「メンホン七対子に。」
寺尾威一郎
「七対子へ。ホンイツにこだわらず流動的に。」
二階堂亜樹
「メンツ手はあきらめて七対子にします。」
花岡章生
四索が無く、アガリは見えにくいが、メンホン七対子の形を残して2枚切れの打二索で。」
林俊宏
「とりあえずメンホン七対子目指してみます。」
一井慎也
「七対子へ。染め手にはこだわらないが、受けきれないので、テンパイしたらリーチで相手に選択をさせる。」
藤岡良一
一索六索七索と浮かせておくメンホン七対子一本。ただこの場面、危ない順だと七索六索一索であるため、一索の重なりは六索切り、六索七索の重なりは一索切りでリーチとなる。ソーズ待ちですよのリーチを打てるかがポイント。」
古川孝次
北を切ってチンイツに行きたいが、四索をカンされて横に伸びていく要素がないため、七対子を目指す。二索一索の順に外していく。」
三戸亮祐
「キー牌の四索が無い以上はメンホン七対子を目指す。場に2枚見えの二索から打つ。」
安村浩司
四索が無いので、七対子固定。」
山井弘
四索が無いのでメンツ手のホンイツは厳しい。メンホン七対子狙いで、テンパイが入れば、開局、下家の加カンなのである程度の勝負と考えリーチも有り。」
横山毅
四索が無いのでメンホン七対子狙い。」
四柳弘樹
四索が無いのでメンツ手は難しく、枚数で二索。」
 
 
六索切り
白鳥翔
「メンツ手と七対子の天秤。」
浜上文吾
四索が無いので七対子かイーペーコー狙い。メンゼンでホンイツテンパイならば、ドラの三索も切ります。」
福光聖雄
「親はマンズのホンイツと読む。対面に一索二索三索のメンツがあるか判断しづらいので迷うところ。」
藤島健二郎
「タテヨコの天秤。仕掛けはないが、メンゼンならドラも押す。」
古橋崇志
「メンツ手と七対子の天秤。」
前田直哉
「何を引いても良さそうだから。」
山田浩之
「メンホン七対子狙い。一応メンツ手の保険もかける。」
 
 
三索切り
内川幸太郎
「七対子は捨てます。三索は通りそうですし、西家、北家の切り順から、あってもポンで済みそう。」
 
 
北切り
前原雄大
「伸ばすならばチンイツを見る。」

第28回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝レポート

2017年1月29日。
この日、第28回静岡リーグの決勝が行われた。

決勝ではそれぞれ1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10Pの順位ポイントが与えられる。全6回戦が行われ、5回戦終了時(各1回抜け番)にポイント最下位の者が敗退となり、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。

まずは、簡単な選手紹介と決勝直前の各選手の意気込みを載せたいと思う。

1位通過 山本拓哉プロ(中部本部)
(初出場)

静岡プロリーグを逆転優勝した山本プロが勢いをそのままに静岡リーグの優勝にも挑む。
鳴きを主体とした攻めで手数が多いタイプであり、主導権を積極的に取りに来るであろう。今回は追われる立場となっており、マークを受ける場面も多くなるとは思うが、持ち味である思い切りの良い麻雀で今回の決勝も戦いをリードしてくるであろう。

山本プロ「静岡プロリーグを優勝することができたので、次は静岡リーグも優勝してのダブルクラウンを目指して頑張ります。」

2位通過 平野敬悟プロ(静岡支部)
(2期ぶり3回目)

今回の決勝メンバーでは唯一静岡リーグの決勝進出経験のある平野プロ。場面を見極める能力や対応力は非常に優れており万能な選手である。
リーグ戦でも安定した戦いを見せており、決勝の舞台でも経験を活かしてペースを作ることができるか。

平野プロ「普段通りに平常心で頑張りたいと思います。」

3位通過 足立純哉プロ(東京本部)
(初出場)
 
プロ1年目にして決勝進出となった足立プロ。足立プロも山本プロと同じく鳴きが多く、手数で勝負する印象で、山本プロとの主導権争いに持ち込むことが予想される。
経験の浅さを気持ちでカバーして場面をリードすることを期待したい。
 
足立プロ「まだ1年目ということで、チャレンジ精神で頑張りたいと思います。」

4位通過 鈴木雅人プロ(静岡支部)
(初出場)
 
プロ15年目の鈴木プロが安定した戦いで悲願の決勝進出を決めた。手数の多い選手が上位通過しているため自身も思い切った攻めが必須となるが、スタイルである門前高打点を貫くことで局面を打開してほしい。

鈴木プロ「初めての決勝ということでとにかく楽しんで頑張りたいと思います。」

5位通過 松井和志さん(一般参加)
(初出場)
 
唯一の一般参加での決勝進出となった松井さん。第1節で+105.9Pを叩くなど、爆発力はかなりのものを持っている。受けの意識も強く、安定感という面では他のプロにも劣っていない印象だ。5位通過ということで、1位通過の選手とは40P差があり、戦い方は難しくなってくるが、持ち味の門前高打点でプロを相手にどのように戦っていくか楽しみである。
 
松井さん「5位通過であり、唯一のアマチュアということでプレッシャーはないので、気楽に頑張ります。」

以上の5名の戦いとなる。
初決勝が4名とフレッシュな顔ぶれとなった今回。どの選手も納得のいく麻雀を打って決勝の舞台を楽しんでほしいと心から思う。

(以下文章中敬称略)

1回戦(起家から山本、鈴木、松井、足立、抜け番:平野)

東1局 まずは各選手の配牌を見ていこう。

親:山本
一万五万五万六万七万七万九万五索七索一筒九筒西白中  ドラ二万

南家:鈴木
三万八万二索六索九索一筒二筒五筒六筒九筒九筒白白

西家:松井
一万二万二万一索四索五索六索一筒三筒四筒西中中

北家:足立
三万三万二索四索六索七索七索九索三筒六筒七筒南西

どの選手もまずまずといったところだろう。
4巡目、まずはドラ2枚の松井が積極的に仕掛ける。

一万二万二万四索四索五索六索一筒三筒四筒西中中 

ここから1枚目の中をポン。徐々に進行していき、11巡目に二筒をチー。

二万二万四索五索六索三筒四筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ポン中中中

二筒を足立から出アガリ、3,900でまずは先制に成功した。

東2局 今度は山本が積極的に仕掛ける。

四万四万五万六万七万一索一索五筒七筒北北白白  ドラ六筒

この手牌から3巡目に北をツモる。ドラ六筒ということで筒子を残す選手も多いとは思うが、山本は五筒切りを選択。5巡目に1枚目の白をポンすると7巡目にあっさりと一索をツモって800・1,600。仕掛けを基本として手数で勝負する山本らしい手組みの1局であった。

東3局1本場 親番の松井の配牌

四万六索七索八索八索九索一筒二筒三筒六筒六筒六筒七筒中  ドラ一筒

好配牌をもらうと4巡目にテンパイが入る。

二万四万六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒六筒六筒七筒  打九索 左向き

松井はここで九索を切ってリーチとした。タンヤオやピンズの一通、好形変化などを見てヤミテンにする打ち手もいるとは思うが、東1局から見せている積極的な攻めの姿勢をここでも貫いた。しっかりと三万をツモって2,000オール。松井の持ち点は40,000点を超えてきた。

東4局 仕掛けの多い打ち手と言われていた足立が親番であるこの局にようやく最初の仕掛けを入れる。

一万三万四万九万九万二索三索一筒二筒三筒五筒七筒九筒  ドラ五万

ここから6巡目に二万をチーして打四万。純チャン三色へと進めていこうとするが、8巡目に松井からリーチが入る。

五万六万七万七索八索九索三筒四筒東東中中中

ここから足立が親番維持のためにテンパイを目指しつつ華麗に回る。

九万九万二索三索四索一筒二筒三筒五筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き

この牌姿から11巡目に松井の当たり牌である二筒を掴むとソーズを切っていく。ツモ二筒四索、ツモ八索二索、ツモ七索三索とすると今度は五筒を掴んでしまう。

九万九万七索八索一筒二筒二筒三筒五筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ツモ五筒

ここではリーチの現物である九万のトイツ落としで回る。ツモ北九万、ツモ五筒北、ツモ七筒一筒、ツモ七筒三筒で流局。

七索八索二筒二筒五筒五筒五筒七筒七筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き

しっかりと回りきって親番を維持した。このようなプレーの一つ一つが勝敗を分ける場合もある。非常に勉強になった1局であった。

東4局1本場 前局、素晴らしいプレーが光った足立。こうして続けることのできた親番には不思議と手が入るものだ。

五索五索五索六索六索六索七筒八筒九筒南南中中  ドラ八索

この手で12巡目にリーチ。15巡目に中ツモ。ここまで苦しい展開だった足立にとって大きなアガリとなった。
南3局3本場 南場に入ってからここまで大人しくしていた山本が積極的に動く。

四万五万六万一索一索四索五索一筒南南西白白  ドラ一万

ここから3巡目に白をポン。打一筒として1シャンテン。8巡目に一索をポンしてテンパイ。

三万四万五万四索五索南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン白白白

足立から三索が放たれて1,000。
オーラスでも山本は仕掛けて300・500をアガる。やはりというのか、アガリ回数では山本が他を圧倒していた。

1回戦は東場で積極的に攻めた松井がトップ。山本も上手く立ち回って浮きの2着を守った。

1回戦1回戦成績
松井+14.0P 山本+7.6P 足立▲5.4P 鈴木▲16.2P

1回戦終了時
山本+47.6P 平野+30.0P 足立+14.6P 松井+14.0P 鈴木▲6.2P

 

 

2回戦(起家から平野、鈴木、松井、山本、抜け番:足立)

1回戦抜け番となった平野はこれが初戦となる。
1回戦を見て、どのように戦っていくのか注目である。

東1局 1回戦ラススタートとなってしまった鈴木から8巡目にリーチが入る。

四万五万二索三索四索四筒五筒六筒七筒八筒九筒西西  リーチ  ドラ七筒

その時の親番の平野の手牌。

二万三万三万六万七万三索六索七索八索二筒四筒五筒五筒

12巡目に三筒をツモると無筋の三索をノータイムで切る。14巡目にリーチ者の鈴木から五筒が放たれるとこれをポン。ここでも迷わず無筋の二万を切ってテンパイを入れると次巡八万ツモ。

三万三万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ツモ八万

500オールのアガリ。初戦の入り方としては強い気持ちで良い入り方ではないか。また、平野はこういった捌き手の使い方が非常に上手な印象がある。

東1局2本場 北家の山本の配牌。

二万一索一索二索三索三索五索六索八索九索六筒六筒中

ここから平野が1巡目に切った一索をいきなりポン。チンイツを目指すと今度は4巡目に上家の松井から打たれた一索をチー。強引な仕掛けに見えるが5巡目にして2フーロで1シャンテン。

三索五索六索六索八索九索中  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

10巡目に六索を引き入れると12巡目にツモ五索。テンパイを入れて打三索

五索五索六索六索六索八索九索  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

するとこの三索を松井がポン。松井もソーズの染め手で応戦する。

四索五索六索七索七索九索東東西西西  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き

場には七索が1枚切れ。八索東は生牌。松井は打四索としてカン八索待ちを選択。すると今度はその四索を山本がチー。一通がついて跳満確定。次巡にあっさり七索ツモ。

六索六索八索九索  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き

一見無謀に思える今回の山本の仕掛け。しかし安い仕掛けではなくこういった仕掛けも成功させているのが山本の強さなのではないか。

東3局 ここまであまり良いところのなかった鈴木にドラ3のテンパイが入る

一万二万三万五万六万八万八万八万一索二索三索八索八索  ドラ八万

8巡目にリーチを打つと次巡四万のツモアガリで2,000・4,000。悪い流れを断ち切るアガリ。若手プロが試合を上手く組み立てていくなかでベテランの意地を見ることができた。

南1局 この局は山本が先制リーチ。

三万三万六万七万八万七索七索七索四筒五筒  暗カン牌の背一索 上向き一索 上向き牌の背  ドラ三万

すると12巡目に松井が追いかけリーチ。

四索四索五索五索六索三筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒八筒  リーチ

しかしここは山本が三筒をツモって2,000・4,000。
仕掛けだけではない、こういったリーチ合戦でも山本はあまり負けない印象がある。

この後は小場が続き、大物手を二度ものにした山本がトップで大きくリードする展開となった。

2回戦成績
山本+23.8P 松井+9.3P 鈴木▲12.3P 平野▲20.8P

2回戦終了時
山本+71.4P 松井+23.3P 足立+14.6P 平野+9.2P 鈴木▲18.5P

 

 

3回戦(起家から平野、松井、足立、鈴木、抜け番:山本)

東3局1本場 4巡目にテンパイの平野

五万六万七万七索七索七索二筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒  ドラ三索

この手牌ではヤミテンに構える。手変わりをして11巡目にリーチ。

四万五万六万七索七索七索二筒四筒四筒四筒五筒六筒七筒  リーチ

対する鈴木、13巡目にツモり四暗刻の1シャンテンとなる。

二万二万二万四万四万五万四索四索五索五索三筒三筒三筒

平野の当たり牌である三筒を暗刻で持つというチャンス手。テンパイしないまま17巡目、4枚目の三筒をツモってくる。

二万二万二万四万四万五万四索四索五索五索三筒三筒三筒  ツモ三筒

鈴木はここで三筒を暗カンする。するとツモってきたのは二筒。鈴木は三筒のノーチャンスで二筒を切って2,600の放銃。1、2回戦と苦しい展開となっている鈴木、この局も手痛い放銃となってしまった。

南1局 10巡目、足立

一万二万三万六万七万五索六索七索二筒三筒西発発  ツモ八万  ドラ西

ドラであり生牌の西を切るとテンパイ。ここで足立は発のトイツ落としを選択。西をすでに切れないと感じたのか、もしくは暫定1位の山本との合計ポイントの差を考えたのか、西を使い切るという判断を下した。そして14巡目に待望のドラの西を引いてリーチ。

一万二万三万六万七万八万五索六索七索二筒三筒西西  リーチ

結果は流局ではあったが、こういった足立のプレーこそが優勝を引き寄せると思った。

南2局3本場 3巡目に平野は早くも1シャンテン。

四万八万三索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒白  ツモ三索  ドラ白

ピンズの一通や三色が見える手牌。平野は目一杯に構えてドラの白を打ち出す。するとこの白を鈴木がポンして1シャンテン。

一万二万三万四万六万七万八万九万二索四索  ポン白白白

場が一気に重くなる。7巡目、先にテンパイしたのは鈴木。

二万三万四万六万六万七万八万九万四索五索  ポン白白白

三索六索待ち。遅れて8巡目に平野もテンパイ。

六万八万三索三索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒

平野は強気にリーチを選択。ここまであまり展開の良くない鈴木とのめくり合いならば勝てると踏んだか。結果は平野のツモ。2,000・4,000となった。

南4局 5巡目に足立がリーチ。

四万五万六万二索三索四索四索五索五索六索七索七筒七筒  リーチ  ドラ六万

ヤミテンに構えて3,900点をアガっても浮きに回ることができる。しかし足立はリーチをしてより大きく打点を稼ぐことを選んだ。この小さなアガリを重ねるよりも1回の大きなアガリを求める考えはこの半荘通して統一されていた。結果は六索をツモって2,000・4,000。足立としては戦略が上手くはまったように私には感じ取ることができた。
3回戦はアガリを重ねた平野、足立が浮きで終え、抜け番だった山本の独走に待ったをかける形となった。

平野+20.8P 足立+11.3P 松井▲13.3P 鈴木▲18.8P

3回戦終了時
山本+71.4P 平野+30.0P 足立+25.9P 松井+10.0P 鈴木▲37.3P

 

 

4回戦(起家から平野、足立、山本、松井、抜け番:鈴木)

東1局 暫定トップの山本を誰かが止めることが注目の4回戦。
9巡目、まずは親番の平野がテンパイする。

五万五万四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ東

手変わりを見てかヤミテンに構える。すると、それを知ってか知らずか、同巡に足立がリーチ。

一万二万三万四万四万七万七万七万一索二索三索二筒三筒  リーチ

高め三色同巡の好形リーチである。今度は宣言牌の三万を山本がポンして1シャンテン。

六万七万八万三索三索三筒三筒六筒六筒南  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き

それを見て実はすでにテンパイを入れていた松井がツモ切りリーチ。

四万五万六万七索八索九索五筒五筒七筒八筒九筒東東  リーチ

しかしこのツモ切りリーチが裏目に出たか、松井が四筒を掴んで足立へ1,300の放銃となった。もしも平野や松井が先制リーチを打っていれば、など様々なことを考えさせられる1局となった。

東2局2本場 平野が10巡目に1枚目の発を仕掛ける。その後すぐに両面チーしてあっという間の1,000点のテンパイ。

二万三万五万五万三筒四筒五筒  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン発発発  ドラ一万

これに追いついたのは足立。12巡目にリーチ。

六万七万七万八万九万五索五索五索六索七索八索二筒二筒  リーチ

しかし次巡に足立が四万を掴んでしまい放銃。このように平野と足立が主導権争いをする局面が4回戦から増えたように見えた。

東3局 先制したのはまたもや平野。6巡目にリーチ。

二万三万四万七万七万六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ白

その時点での親番の山本の手牌がこちら。

四万五万六万六万八万三索四索五索六索六索一筒三筒白

カン七万やカン二筒が入るとテンパイではあるがリーチに対してドラで生牌の白を切らなければならない。ここからツモ八筒一筒、ツモ六筒八筒、ツモ八万六万、ツモ白三筒などとして12巡目の手牌がこちら。

四万五万六万八万八万三索四索五索六索六索六筒白白

ここでリーチをかけていた平野から白が切られる。山本は迷わずポンテンを取ると、ラス牌の八万を簡単にツモ。3,900オール。やはりツキは山本にあるのか。

四万五万六万八万八万三索四索五索六索六索  ポン白白白  ツモ八万

東3局1本場 足立の配牌がこちら。

一万四万六万九万五索六索七索一筒一筒三筒八筒西発  ドラ二筒

1メンツあるものの、形が悪く高打点も見込めない手牌。しかし、1巡目と2巡目に連続して自風の北をツモると、迷わずカン五万からチー。

五索六索七索一筒一筒三筒八筒北北発  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き

その後、ツモ七筒三筒、ツモ九筒発で5巡目にあっという間にテンパイ。9巡目に平野から北が打たれて1,000点のアガリ。

五索六索七索一筒一筒七筒八筒九筒北北  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き  ロン北

前局のアガリでこの半荘でもトップ目に立ってしまった山本の親番を意地でも終わらせる足立の気合が見られた。

南1局 この局、松井にチャンス手が入る。まずは配牌。

三万三万四万五万七万八万三筒七筒南南西北白  ドラ白

マンズのホンイツが色濃く見える。この手牌が3巡で大きく育つ。

三万三万四万五万五万六万七万八万南南西白白

5巡目に山本から四万が切られる。松井は迷わずチー。テンパイである。

三万四万五万六万七万八万南南白白  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き

これを見た山本が7巡目に仕掛け返す。

三索四索九索九索六筒六筒六筒九筒西西  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き

次巡、ツモ西九筒となってテンパイ。11巡目に足立から五索が打たれて山本のアガリ。

三索四索九索九索六筒六筒六筒西西西  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  ロン五索

相手のチャンス手を山本が後から仕掛けてサバく。この決勝で何度も見られた光景である。

南2局2本場 親番で2局連続アガっている足立、この局も11巡目にリーチをかける。

七万八万九万三索四索五索二筒三筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ五筒

それに対して対抗していくのはやはり山本。リーチの現物を切りつつテンパイを維持。しかし足立の切られた五筒で考えてしまう。

三万四万五万六万七万八万六索七索八索三筒四筒四筒五筒

五筒を鳴いてリーチの現物である三万四万を切ってアガリを目指すかどうか考える山本。しばらく悩むが、ここは鳴かずに今のままのテンパイ形を維持することを決意。すると、16巡目にツモってきたのは五万であった。

三万四万五万六万七万八万六索七索八索三筒四筒四筒五筒  ツモ五万

四筒が通って二万五万八万待ちになれば勝ち目があると踏んだ山本は四筒を切る。しかし、四筒は足立に放銃となり11,600。
42,900点持ちのトップ目であった山本だったが、この放銃で2着へ。アガった足立はリードを守ってこの半荘をトップで終えた。

4回戦に入ってから各選手のマークは山本1人に完全に絞られているように見えた。特に平野と足立はいつもに増して仕掛けを増やし山本へ対抗していたように感じた。

4回戦成績
足立+23.4P 山本+6.3P 平野▲8.8P 松井▲20.9P

4回戦終了時
山本+77.7P 足立+49.3P 平野+21.2P 松井▲10.9P 鈴木▲37.3P

 

 

5回戦(起家から平野、足立、山本、鈴木、抜け番:松井)

静岡リーグの決勝はこの5回戦を終えた時点でポイント最下位のものは一足早く敗退となってしまう。最終6回戦は勿論のこと、この5回戦もどの選手も全力で戦うに間違いない。

東2局 優勝を目指すには1局たりとも無駄にはできない鈴木。この局、先制リーチを打つ。

一索二索三索三索四索五索五索六索六索七索二筒三筒四筒  ドラ七索

それに対して押し返すのが親番の足立。13巡目に仕掛けてテンパイを入れる。

四万四万七万八万九万三索四索七索八索九索  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き

この2人の引き合いにも見えた局面。鈴木がハイテイ牌の八筒をツモ切りして流局するかに思えたが、山本からロンの声がかかる。

一万一万五万五万七万七万八万八万八索八索六筒六筒八筒

山本はリーチや親の仕掛けに対して強い牌を極力切らずにしっかりとテンパイを入れていた。山本の3,200のアガリ。

東3局 前局アガって親番を迎えた山本。この局も積極的に仕掛ける。

三万五万六万七万八万二筒東西北北発中中  ドラ二万

この手牌から3巡目にポン中二筒、続く5巡目にポン北西。9巡目にツモ五万発として形が整う。

三万五万五万六万七万八万東  ポン北北北  ポン中中中

11巡目にツモ九万東としてより広い1シャンテンとすると、15巡目にようやくテンパイ。

三万五万五万六万七万八万九万  ツモ八万  ポン北北北  ポン中中中

場には四万七万も1枚切れだが自分で使っているので七万の方が1枚少ない。それでも七万が山にあると読んだか、この場面で山本は打三万とする。そして2巡後にツモアガって2,600オール。こういった選択を確実に正解することが勝利への一歩なのだろう。

五万五万六万七万八万八万九万  ポン北北北  ポン中中中  ツモ七万

東4局 なんとか親番で連荘したい鈴木。11巡目にリーチ。

六万七万八万四索五索六索二筒三筒六筒七筒八筒南南  リーチ  ドラ二筒

このリーチに向かってくるのは平野。リーチの現物やスジの牌を切って安全に進めつつ13巡目に高め一通の追っかけリーチ。

五万五万一索二索三索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ

そして平野が安めではあるが七筒をツモって1,300・2,600。この日の鈴木はこのように先制しても誰かに押し返されてアガリきられてしまうケースが非常に多かったように思える。

南4局2本場 現状5位の鈴木はこの親番で誰かをまくらなければ敗退となってしまう。しかし無情にも2巡目に山本からリーチが入る。

二万二万二万一索二索三索五索六索七索二筒三筒六筒六筒  リーチ  ドラ三万

どうにかして山本のアガリは阻止しなければならない鈴木。なんとか9巡目にテンパイ。

五万六万七万三索四索五索七索八索九索五筒七筒発発

手変わりを見て冷静にヤミテンに構える。しかし鈴木が次巡ツモってきたのは一筒。山本のアガリとなった。

二万二万二万一索二索三索五索六索七索二筒三筒六筒六筒  ロン一筒

山本はこのアガリで4万点超えのトップとなりリードをさらに広げた。
一方この瞬間、鈴木の敗退が決まった。難しい展開ではあったが初の決勝でベテランが最後まで丁寧な麻雀を魅せてくれた。

5回戦成績
山本+21.8P 平野+7.1P 足立+4.1P 鈴木▲33.0P

5回戦終了時
山本+99.5P 足立+53.4P 平野+28.3P 松井▲10.9P 鈴木▲70.3P(敗退)

 

 

6回戦(起家から足立、平野、松井、山本)

最終6回戦は、トータルポイント2位、3位、4位、1位の順に東家、南家、西家、北家の並びとなる。
白熱した試合もいよいよクライマックスである。

南1局 東場は小場で進み山本以外の三者が浮きで迎えた南1局。山本は残りのリードを守り切ろうと普段より一層積極的に動く。

二万二万三万三万六万八万一索三索三索五索一筒三筒五筒  ドラ三索

ここから6巡目に四筒をチーして打一筒、すぐに今度は二万をポンして打五索として1シャンテン。12巡目に七万をチーするとようやくテンパイ。

三万三万三索三索  チー七万 左向き六万 上向き八万 上向き  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き

しかしここで親の足立からリーチが入る。

一万二万三万一索二索四索四索七索八索九索六筒七筒八筒  リーチ

山本はこのリーチを受けて即撤退。足立は最後のツモでアガって2,000オール。このアガリで足立の1人浮きとなる。

南2局2本場 最後の親番が終わり、ある程度の打点を必要とする足立。それでも積極的に仕掛ける姿勢は変わらない。

一万五万一索二索五索六索六索七索二筒五筒西中中  ドラ三索

この手牌から3巡目に平野が切った1枚目の中をポン。ソーズのホンイツを見る。中を加カンするなどして形が整ってくると親番の平野からリーチが入る。

二万二万三万三万四索四索七索七索九索九索一筒五筒五筒  リーチ

平野としては一筒が良く見えるというのもあるだろうが、他家の動きを止めて最後の親番を終わらせないためのリーチという意味合いもあるだろう。しかし足立は押し返してテンパイする。

一索二索三索四索五索六索六索七索八索九索  加カン中中中中

平野が六索を掴んでしまい、足立へ8,000の放銃。足立はこのアガリで山本との差をわずか2.5Pとした。

南3局 一刻も早く局を流したい山本は10巡目にテンパイ。

二万三万四万五万五索六索七索七索二筒二筒六筒七筒八筒  ツモ一万

ピンフのみのテンパイはヤミテンというのがAルールのセオリーとされている。しかし少しでもポイントが欲しい山本は七索切りリーチとする。この判断が正解だったのか、ツモアガリで700・1,300。事実上、山本と足立の一騎打ちとなった。

南4局 第28回静岡リーグ決勝もいよいよ最終戦オーラス。暫定トップの山本と足立の差はわずか5.9P。麻雀の神様が微笑むのはどちらなのか。

出アガリが難しい状況となったこの局、ツモだと1,000・2,000条件。足立は条件に合う手組みをする。そして12巡目にテンパイ。

二万三万四万二索三索四索二筒三筒三筒四筒四筒七筒七筒  ドラ三万

この手だと安めの五筒で出アガリをしても優勝となる。足立は当然のようにヤミテンに構えた。すでに他の3者はオリており、あとは足立がツモることができるかだけとなった。
一回一回ツモる手に力が入る足立。5巡アガることができないままいよいよハイテイ牌。最後のツモにおそるおそる手を伸ばす。より一層ツモに力が入る足立。観客の視線も足立の右手に集まる。しかし最後のツモは一万。足立の一人テンパイで流局、試合終了。観客からは大きな拍手が選手たちに贈られた。

6回戦成績
足立+33.8P 松井▲4.5P 山本▲10.4P 平野▲18.9P

最終ポイント
山本+89.1P 足立+87.2P 平野+9.4P 松井▲15.4P 途中敗退:鈴木

 

 

第28回静岡リーグは山本拓哉プロの優勝で幕を閉じた。
史上初となる静岡プロリーグとのダブルクラウンを見事に達成した。
どの選手においてもそれぞれの持ち味を出し、最後まで強い気持ちで戦ったからこそ、見ごたえのある決勝となった。

決勝進出者の皆様、お疲れさまでした。
そして山本プロ、本当におめでとうございます。

静岡プロリーグ 決勝観戦記/第28回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝レポート

2017年1月29日。
この日、第28回静岡リーグの決勝が行われた。
決勝ではそれぞれ1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10Pの順位ポイントが与えられる。全6回戦が行われ、5回戦終了時(各1回抜け番)にポイント最下位の者が敗退となり、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。
まずは、簡単な選手紹介と決勝直前の各選手の意気込みを載せたいと思う。
1位通過 山本拓哉プロ(中部本部)
(初出場)
静岡プロリーグを逆転優勝した山本プロが勢いをそのままに静岡リーグの優勝にも挑む。
鳴きを主体とした攻めで手数が多いタイプであり、主導権を積極的に取りに来るであろう。今回は追われる立場となっており、マークを受ける場面も多くなるとは思うが、持ち味である思い切りの良い麻雀で今回の決勝も戦いをリードしてくるであろう。
山本プロ「静岡プロリーグを優勝することができたので、次は静岡リーグも優勝してのダブルクラウンを目指して頑張ります。」
2位通過 平野敬悟プロ(静岡支部)
(2期ぶり3回目)
今回の決勝メンバーでは唯一静岡リーグの決勝進出経験のある平野プロ。場面を見極める能力や対応力は非常に優れており万能な選手である。
リーグ戦でも安定した戦いを見せており、決勝の舞台でも経験を活かしてペースを作ることができるか。
平野プロ「普段通りに平常心で頑張りたいと思います。」
3位通過 足立純哉プロ(東京本部)
(初出場)
 
プロ1年目にして決勝進出となった足立プロ。足立プロも山本プロと同じく鳴きが多く、手数で勝負する印象で、山本プロとの主導権争いに持ち込むことが予想される。
経験の浅さを気持ちでカバーして場面をリードすることを期待したい。
 
足立プロ「まだ1年目ということで、チャレンジ精神で頑張りたいと思います。」
4位通過 鈴木雅人プロ(静岡支部)
(初出場)
 
プロ15年目の鈴木プロが安定した戦いで悲願の決勝進出を決めた。手数の多い選手が上位通過しているため自身も思い切った攻めが必須となるが、スタイルである門前高打点を貫くことで局面を打開してほしい。
鈴木プロ「初めての決勝ということでとにかく楽しんで頑張りたいと思います。」
5位通過 松井和志さん(一般参加)
(初出場)
 
唯一の一般参加での決勝進出となった松井さん。第1節で+105.9Pを叩くなど、爆発力はかなりのものを持っている。受けの意識も強く、安定感という面では他のプロにも劣っていない印象だ。5位通過ということで、1位通過の選手とは40P差があり、戦い方は難しくなってくるが、持ち味の門前高打点でプロを相手にどのように戦っていくか楽しみである。
 
松井さん「5位通過であり、唯一のアマチュアということでプレッシャーはないので、気楽に頑張ります。」
以上の5名の戦いとなる。
初決勝が4名とフレッシュな顔ぶれとなった今回。どの選手も納得のいく麻雀を打って決勝の舞台を楽しんでほしいと心から思う。
(以下文章中敬称略)
1回戦(起家から山本、鈴木、松井、足立、抜け番:平野)
東1局 まずは各選手の配牌を見ていこう。
親:山本
一万五万五万六万七万七万九万五索七索一筒九筒西白中  ドラ二万
南家:鈴木
三万八万二索六索九索一筒二筒五筒六筒九筒九筒白白
西家:松井
一万二万二万一索四索五索六索一筒三筒四筒西中中
北家:足立
三万三万二索四索六索七索七索九索三筒六筒七筒南西
どの選手もまずまずといったところだろう。
4巡目、まずはドラ2枚の松井が積極的に仕掛ける。
一万二万二万四索四索五索六索一筒三筒四筒西中中 
ここから1枚目の中をポン。徐々に進行していき、11巡目に二筒をチー。
二万二万四索五索六索三筒四筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ポン中中中
二筒を足立から出アガリ、3,900でまずは先制に成功した。
東2局 今度は山本が積極的に仕掛ける。
四万四万五万六万七万一索一索五筒七筒北北白白  ドラ六筒
この手牌から3巡目に北をツモる。ドラ六筒ということで筒子を残す選手も多いとは思うが、山本は五筒切りを選択。5巡目に1枚目の白をポンすると7巡目にあっさりと一索をツモって800・1,600。仕掛けを基本として手数で勝負する山本らしい手組みの1局であった。
東3局1本場 親番の松井の配牌
四万六索七索八索八索九索一筒二筒三筒六筒六筒六筒七筒中  ドラ一筒
好配牌をもらうと4巡目にテンパイが入る。
二万四万六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒六筒六筒七筒  打九索 左向き
松井はここで九索を切ってリーチとした。タンヤオやピンズの一通、好形変化などを見てヤミテンにする打ち手もいるとは思うが、東1局から見せている積極的な攻めの姿勢をここでも貫いた。しっかりと三万をツモって2,000オール。松井の持ち点は40,000点を超えてきた。
東4局 仕掛けの多い打ち手と言われていた足立が親番であるこの局にようやく最初の仕掛けを入れる。
一万三万四万九万九万二索三索一筒二筒三筒五筒七筒九筒  ドラ五万
ここから6巡目に二万をチーして打四万。純チャン三色へと進めていこうとするが、8巡目に松井からリーチが入る。
五万六万七万七索八索九索三筒四筒東東中中中
ここから足立が親番維持のためにテンパイを目指しつつ華麗に回る。
九万九万二索三索四索一筒二筒三筒五筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き
この牌姿から11巡目に松井の当たり牌である二筒を掴むとソーズを切っていく。ツモ二筒四索、ツモ八索二索、ツモ七索三索とすると今度は五筒を掴んでしまう。
九万九万七索八索一筒二筒二筒三筒五筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ツモ五筒
ここではリーチの現物である九万のトイツ落としで回る。ツモ北九万、ツモ五筒北、ツモ七筒一筒、ツモ七筒三筒で流局。
七索八索二筒二筒五筒五筒五筒七筒七筒七筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き
しっかりと回りきって親番を維持した。このようなプレーの一つ一つが勝敗を分ける場合もある。非常に勉強になった1局であった。
東4局1本場 前局、素晴らしいプレーが光った足立。こうして続けることのできた親番には不思議と手が入るものだ。
五索五索五索六索六索六索七筒八筒九筒南南中中  ドラ八索
この手で12巡目にリーチ。15巡目に中ツモ。ここまで苦しい展開だった足立にとって大きなアガリとなった。
南3局3本場 南場に入ってからここまで大人しくしていた山本が積極的に動く。
四万五万六万一索一索四索五索一筒南南西白白  ドラ一万
ここから3巡目に白をポン。打一筒として1シャンテン。8巡目に一索をポンしてテンパイ。
三万四万五万四索五索南南  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン白白白
足立から三索が放たれて1,000。
オーラスでも山本は仕掛けて300・500をアガる。やはりというのか、アガリ回数では山本が他を圧倒していた。
1回戦は東場で積極的に攻めた松井がトップ。山本も上手く立ち回って浮きの2着を守った。
1回戦1回戦成績
松井+14.0P 山本+7.6P 足立▲5.4P 鈴木▲16.2P
1回戦終了時
山本+47.6P 平野+30.0P 足立+14.6P 松井+14.0P 鈴木▲6.2P

 
 
2回戦(起家から平野、鈴木、松井、山本、抜け番:足立)
1回戦抜け番となった平野はこれが初戦となる。
1回戦を見て、どのように戦っていくのか注目である。
東1局 1回戦ラススタートとなってしまった鈴木から8巡目にリーチが入る。
四万五万二索三索四索四筒五筒六筒七筒八筒九筒西西  リーチ  ドラ七筒
その時の親番の平野の手牌。
二万三万三万六万七万三索六索七索八索二筒四筒五筒五筒
12巡目に三筒をツモると無筋の三索をノータイムで切る。14巡目にリーチ者の鈴木から五筒が放たれるとこれをポン。ここでも迷わず無筋の二万を切ってテンパイを入れると次巡八万ツモ。
三万三万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ツモ八万
500オールのアガリ。初戦の入り方としては強い気持ちで良い入り方ではないか。また、平野はこういった捌き手の使い方が非常に上手な印象がある。
東1局2本場 北家の山本の配牌。
二万一索一索二索三索三索五索六索八索九索六筒六筒中
ここから平野が1巡目に切った一索をいきなりポン。チンイツを目指すと今度は4巡目に上家の松井から打たれた一索をチー。強引な仕掛けに見えるが5巡目にして2フーロで1シャンテン。
三索五索六索六索八索九索中  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き
10巡目に六索を引き入れると12巡目にツモ五索。テンパイを入れて打三索
五索五索六索六索六索八索九索  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き
するとこの三索を松井がポン。松井もソーズの染め手で応戦する。
四索五索六索七索七索九索東東西西西  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き
場には七索が1枚切れ。八索東は生牌。松井は打四索としてカン八索待ちを選択。すると今度はその四索を山本がチー。一通がついて跳満確定。次巡にあっさり七索ツモ。
六索六索八索九索  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き
一見無謀に思える今回の山本の仕掛け。しかし安い仕掛けではなくこういった仕掛けも成功させているのが山本の強さなのではないか。
東3局 ここまであまり良いところのなかった鈴木にドラ3のテンパイが入る
一万二万三万五万六万八万八万八万一索二索三索八索八索  ドラ八万
8巡目にリーチを打つと次巡四万のツモアガリで2,000・4,000。悪い流れを断ち切るアガリ。若手プロが試合を上手く組み立てていくなかでベテランの意地を見ることができた。
南1局 この局は山本が先制リーチ。
三万三万六万七万八万七索七索七索四筒五筒  暗カン牌の背一索 上向き一索 上向き牌の背  ドラ三万
すると12巡目に松井が追いかけリーチ。
四索四索五索五索六索三筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒八筒  リーチ
しかしここは山本が三筒をツモって2,000・4,000。
仕掛けだけではない、こういったリーチ合戦でも山本はあまり負けない印象がある。
この後は小場が続き、大物手を二度ものにした山本がトップで大きくリードする展開となった。
2回戦成績
山本+23.8P 松井+9.3P 鈴木▲12.3P 平野▲20.8P
2回戦終了時
山本+71.4P 松井+23.3P 足立+14.6P 平野+9.2P 鈴木▲18.5P

 
 
3回戦(起家から平野、松井、足立、鈴木、抜け番:山本)
東3局1本場 4巡目にテンパイの平野
五万六万七万七索七索七索二筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒  ドラ三索
この手牌ではヤミテンに構える。手変わりをして11巡目にリーチ。
四万五万六万七索七索七索二筒四筒四筒四筒五筒六筒七筒  リーチ
対する鈴木、13巡目にツモり四暗刻の1シャンテンとなる。
二万二万二万四万四万五万四索四索五索五索三筒三筒三筒
平野の当たり牌である三筒を暗刻で持つというチャンス手。テンパイしないまま17巡目、4枚目の三筒をツモってくる。
二万二万二万四万四万五万四索四索五索五索三筒三筒三筒  ツモ三筒
鈴木はここで三筒を暗カンする。するとツモってきたのは二筒。鈴木は三筒のノーチャンスで二筒を切って2,600の放銃。1、2回戦と苦しい展開となっている鈴木、この局も手痛い放銃となってしまった。
南1局 10巡目、足立
一万二万三万六万七万五索六索七索二筒三筒西発発  ツモ八万  ドラ西
ドラであり生牌の西を切るとテンパイ。ここで足立は発のトイツ落としを選択。西をすでに切れないと感じたのか、もしくは暫定1位の山本との合計ポイントの差を考えたのか、西を使い切るという判断を下した。そして14巡目に待望のドラの西を引いてリーチ。
一万二万三万六万七万八万五索六索七索二筒三筒西西  リーチ
結果は流局ではあったが、こういった足立のプレーこそが優勝を引き寄せると思った。
南2局3本場 3巡目に平野は早くも1シャンテン。
四万八万三索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒白  ツモ三索  ドラ白
ピンズの一通や三色が見える手牌。平野は目一杯に構えてドラの白を打ち出す。するとこの白を鈴木がポンして1シャンテン。
一万二万三万四万六万七万八万九万二索四索  ポン白白白
場が一気に重くなる。7巡目、先にテンパイしたのは鈴木。
二万三万四万六万六万七万八万九万四索五索  ポン白白白
三索六索待ち。遅れて8巡目に平野もテンパイ。
六万八万三索三索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒
平野は強気にリーチを選択。ここまであまり展開の良くない鈴木とのめくり合いならば勝てると踏んだか。結果は平野のツモ。2,000・4,000となった。
南4局 5巡目に足立がリーチ。
四万五万六万二索三索四索四索五索五索六索七索七筒七筒  リーチ  ドラ六万
ヤミテンに構えて3,900点をアガっても浮きに回ることができる。しかし足立はリーチをしてより大きく打点を稼ぐことを選んだ。この小さなアガリを重ねるよりも1回の大きなアガリを求める考えはこの半荘通して統一されていた。結果は六索をツモって2,000・4,000。足立としては戦略が上手くはまったように私には感じ取ることができた。
3回戦はアガリを重ねた平野、足立が浮きで終え、抜け番だった山本の独走に待ったをかける形となった。
平野+20.8P 足立+11.3P 松井▲13.3P 鈴木▲18.8P
3回戦終了時
山本+71.4P 平野+30.0P 足立+25.9P 松井+10.0P 鈴木▲37.3P

 
 
4回戦(起家から平野、足立、山本、松井、抜け番:鈴木)
東1局 暫定トップの山本を誰かが止めることが注目の4回戦。
9巡目、まずは親番の平野がテンパイする。
五万五万四索五索六索七索八索九索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ東
手変わりを見てかヤミテンに構える。すると、それを知ってか知らずか、同巡に足立がリーチ。
一万二万三万四万四万七万七万七万一索二索三索二筒三筒  リーチ
高め三色同巡の好形リーチである。今度は宣言牌の三万を山本がポンして1シャンテン。
六万七万八万三索三索三筒三筒六筒六筒南  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き
それを見て実はすでにテンパイを入れていた松井がツモ切りリーチ。
四万五万六万七索八索九索五筒五筒七筒八筒九筒東東  リーチ
しかしこのツモ切りリーチが裏目に出たか、松井が四筒を掴んで足立へ1,300の放銃となった。もしも平野や松井が先制リーチを打っていれば、など様々なことを考えさせられる1局となった。
東2局2本場 平野が10巡目に1枚目の発を仕掛ける。その後すぐに両面チーしてあっという間の1,000点のテンパイ。
二万三万五万五万三筒四筒五筒  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン発発発  ドラ一万
これに追いついたのは足立。12巡目にリーチ。
六万七万七万八万九万五索五索五索六索七索八索二筒二筒  リーチ
しかし次巡に足立が四万を掴んでしまい放銃。このように平野と足立が主導権争いをする局面が4回戦から増えたように見えた。
東3局 先制したのはまたもや平野。6巡目にリーチ。
二万三万四万七万七万六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ白
その時点での親番の山本の手牌がこちら。
四万五万六万六万八万三索四索五索六索六索一筒三筒白
カン七万やカン二筒が入るとテンパイではあるがリーチに対してドラで生牌の白を切らなければならない。ここからツモ八筒一筒、ツモ六筒八筒、ツモ八万六万、ツモ白三筒などとして12巡目の手牌がこちら。
四万五万六万八万八万三索四索五索六索六索六筒白白
ここでリーチをかけていた平野から白が切られる。山本は迷わずポンテンを取ると、ラス牌の八万を簡単にツモ。3,900オール。やはりツキは山本にあるのか。
四万五万六万八万八万三索四索五索六索六索  ポン白白白  ツモ八万
東3局1本場 足立の配牌がこちら。
一万四万六万九万五索六索七索一筒一筒三筒八筒西発  ドラ二筒
1メンツあるものの、形が悪く高打点も見込めない手牌。しかし、1巡目と2巡目に連続して自風の北をツモると、迷わずカン五万からチー。
五索六索七索一筒一筒三筒八筒北北発  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き
その後、ツモ七筒三筒、ツモ九筒発で5巡目にあっという間にテンパイ。9巡目に平野から北が打たれて1,000点のアガリ。
五索六索七索一筒一筒七筒八筒九筒北北  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き  ロン北
前局のアガリでこの半荘でもトップ目に立ってしまった山本の親番を意地でも終わらせる足立の気合が見られた。
南1局 この局、松井にチャンス手が入る。まずは配牌。
三万三万四万五万七万八万三筒七筒南南西北白  ドラ白
マンズのホンイツが色濃く見える。この手牌が3巡で大きく育つ。
三万三万四万五万五万六万七万八万南南西白白
5巡目に山本から四万が切られる。松井は迷わずチー。テンパイである。
三万四万五万六万七万八万南南白白  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き
これを見た山本が7巡目に仕掛け返す。
三索四索九索九索六筒六筒六筒九筒西西  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き
次巡、ツモ西九筒となってテンパイ。11巡目に足立から五索が打たれて山本のアガリ。
三索四索九索九索六筒六筒六筒西西西  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  ロン五索
相手のチャンス手を山本が後から仕掛けてサバく。この決勝で何度も見られた光景である。
南2局2本場 親番で2局連続アガっている足立、この局も11巡目にリーチをかける。
七万八万九万三索四索五索二筒三筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ五筒
それに対して対抗していくのはやはり山本。リーチの現物を切りつつテンパイを維持。しかし足立の切られた五筒で考えてしまう。
三万四万五万六万七万八万六索七索八索三筒四筒四筒五筒
五筒を鳴いてリーチの現物である三万四万を切ってアガリを目指すかどうか考える山本。しばらく悩むが、ここは鳴かずに今のままのテンパイ形を維持することを決意。すると、16巡目にツモってきたのは五万であった。
三万四万五万六万七万八万六索七索八索三筒四筒四筒五筒  ツモ五万
四筒が通って二万五万八万待ちになれば勝ち目があると踏んだ山本は四筒を切る。しかし、四筒は足立に放銃となり11,600。
42,900点持ちのトップ目であった山本だったが、この放銃で2着へ。アガった足立はリードを守ってこの半荘をトップで終えた。
4回戦に入ってから各選手のマークは山本1人に完全に絞られているように見えた。特に平野と足立はいつもに増して仕掛けを増やし山本へ対抗していたように感じた。
4回戦成績
足立+23.4P 山本+6.3P 平野▲8.8P 松井▲20.9P
4回戦終了時
山本+77.7P 足立+49.3P 平野+21.2P 松井▲10.9P 鈴木▲37.3P

 
 
5回戦(起家から平野、足立、山本、鈴木、抜け番:松井)
静岡リーグの決勝はこの5回戦を終えた時点でポイント最下位のものは一足早く敗退となってしまう。最終6回戦は勿論のこと、この5回戦もどの選手も全力で戦うに間違いない。
東2局 優勝を目指すには1局たりとも無駄にはできない鈴木。この局、先制リーチを打つ。
一索二索三索三索四索五索五索六索六索七索二筒三筒四筒  ドラ七索
それに対して押し返すのが親番の足立。13巡目に仕掛けてテンパイを入れる。
四万四万七万八万九万三索四索七索八索九索  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き
この2人の引き合いにも見えた局面。鈴木がハイテイ牌の八筒をツモ切りして流局するかに思えたが、山本からロンの声がかかる。
一万一万五万五万七万七万八万八万八索八索六筒六筒八筒
山本はリーチや親の仕掛けに対して強い牌を極力切らずにしっかりとテンパイを入れていた。山本の3,200のアガリ。
東3局 前局アガって親番を迎えた山本。この局も積極的に仕掛ける。
三万五万六万七万八万二筒東西北北発中中  ドラ二万
この手牌から3巡目にポン中二筒、続く5巡目にポン北西。9巡目にツモ五万発として形が整う。
三万五万五万六万七万八万東  ポン北北北  ポン中中中
11巡目にツモ九万東としてより広い1シャンテンとすると、15巡目にようやくテンパイ。
三万五万五万六万七万八万九万  ツモ八万  ポン北北北  ポン中中中
場には四万七万も1枚切れだが自分で使っているので七万の方が1枚少ない。それでも七万が山にあると読んだか、この場面で山本は打三万とする。そして2巡後にツモアガって2,600オール。こういった選択を確実に正解することが勝利への一歩なのだろう。
五万五万六万七万八万八万九万  ポン北北北  ポン中中中  ツモ七万
東4局 なんとか親番で連荘したい鈴木。11巡目にリーチ。
六万七万八万四索五索六索二筒三筒六筒七筒八筒南南  リーチ  ドラ二筒
このリーチに向かってくるのは平野。リーチの現物やスジの牌を切って安全に進めつつ13巡目に高め一通の追っかけリーチ。
五万五万一索二索三索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ
そして平野が安めではあるが七筒をツモって1,300・2,600。この日の鈴木はこのように先制しても誰かに押し返されてアガリきられてしまうケースが非常に多かったように思える。
南4局2本場 現状5位の鈴木はこの親番で誰かをまくらなければ敗退となってしまう。しかし無情にも2巡目に山本からリーチが入る。
二万二万二万一索二索三索五索六索七索二筒三筒六筒六筒  リーチ  ドラ三万
どうにかして山本のアガリは阻止しなければならない鈴木。なんとか9巡目にテンパイ。
五万六万七万三索四索五索七索八索九索五筒七筒発発
手変わりを見て冷静にヤミテンに構える。しかし鈴木が次巡ツモってきたのは一筒。山本のアガリとなった。
二万二万二万一索二索三索五索六索七索二筒三筒六筒六筒  ロン一筒
山本はこのアガリで4万点超えのトップとなりリードをさらに広げた。
一方この瞬間、鈴木の敗退が決まった。難しい展開ではあったが初の決勝でベテランが最後まで丁寧な麻雀を魅せてくれた。
5回戦成績
山本+21.8P 平野+7.1P 足立+4.1P 鈴木▲33.0P
5回戦終了時
山本+99.5P 足立+53.4P 平野+28.3P 松井▲10.9P 鈴木▲70.3P(敗退)

 
 
6回戦(起家から足立、平野、松井、山本)
最終6回戦は、トータルポイント2位、3位、4位、1位の順に東家、南家、西家、北家の並びとなる。
白熱した試合もいよいよクライマックスである。
南1局 東場は小場で進み山本以外の三者が浮きで迎えた南1局。山本は残りのリードを守り切ろうと普段より一層積極的に動く。
二万二万三万三万六万八万一索三索三索五索一筒三筒五筒  ドラ三索
ここから6巡目に四筒をチーして打一筒、すぐに今度は二万をポンして打五索として1シャンテン。12巡目に七万をチーするとようやくテンパイ。
三万三万三索三索  チー七万 左向き六万 上向き八万 上向き  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き
しかしここで親の足立からリーチが入る。
一万二万三万一索二索四索四索七索八索九索六筒七筒八筒  リーチ
山本はこのリーチを受けて即撤退。足立は最後のツモでアガって2,000オール。このアガリで足立の1人浮きとなる。
南2局2本場 最後の親番が終わり、ある程度の打点を必要とする足立。それでも積極的に仕掛ける姿勢は変わらない。
一万五万一索二索五索六索六索七索二筒五筒西中中  ドラ三索
この手牌から3巡目に平野が切った1枚目の中をポン。ソーズのホンイツを見る。中を加カンするなどして形が整ってくると親番の平野からリーチが入る。
二万二万三万三万四索四索七索七索九索九索一筒五筒五筒  リーチ
平野としては一筒が良く見えるというのもあるだろうが、他家の動きを止めて最後の親番を終わらせないためのリーチという意味合いもあるだろう。しかし足立は押し返してテンパイする。
一索二索三索四索五索六索六索七索八索九索  加カン中中中中
平野が六索を掴んでしまい、足立へ8,000の放銃。足立はこのアガリで山本との差をわずか2.5Pとした。
南3局 一刻も早く局を流したい山本は10巡目にテンパイ。
二万三万四万五万五索六索七索七索二筒二筒六筒七筒八筒  ツモ一万
ピンフのみのテンパイはヤミテンというのがAルールのセオリーとされている。しかし少しでもポイントが欲しい山本は七索切りリーチとする。この判断が正解だったのか、ツモアガリで700・1,300。事実上、山本と足立の一騎打ちとなった。
南4局 第28回静岡リーグ決勝もいよいよ最終戦オーラス。暫定トップの山本と足立の差はわずか5.9P。麻雀の神様が微笑むのはどちらなのか。
出アガリが難しい状況となったこの局、ツモだと1,000・2,000条件。足立は条件に合う手組みをする。そして12巡目にテンパイ。
二万三万四万二索三索四索二筒三筒三筒四筒四筒七筒七筒  ドラ三万
この手だと安めの五筒で出アガリをしても優勝となる。足立は当然のようにヤミテンに構えた。すでに他の3者はオリており、あとは足立がツモることができるかだけとなった。
一回一回ツモる手に力が入る足立。5巡アガることができないままいよいよハイテイ牌。最後のツモにおそるおそる手を伸ばす。より一層ツモに力が入る足立。観客の視線も足立の右手に集まる。しかし最後のツモは一万。足立の一人テンパイで流局、試合終了。観客からは大きな拍手が選手たちに贈られた。
6回戦成績
足立+33.8P 松井▲4.5P 山本▲10.4P 平野▲18.9P
最終ポイント
山本+89.1P 足立+87.2P 平野+9.4P 松井▲15.4P 途中敗退:鈴木

 
 
第28回静岡リーグは山本拓哉プロの優勝で幕を閉じた。
史上初となる静岡プロリーグとのダブルクラウンを見事に達成した。
どの選手においてもそれぞれの持ち味を出し、最後まで強い気持ちで戦ったからこそ、見ごたえのある決勝となった。
決勝進出者の皆様、お疲れさまでした。
そして山本プロ、本当におめでとうございます。

Mr.Xの連盟Weekly!

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【グランプリMAX201】
 
いよいよ本日よりベスト8の配信が始まる。

A卓 3/6(月)15:00~
内川幸太郎vs小島武夫vs伊藤優孝vs白鳥翔
実況:小笠原奈央
解説:藤崎智

B卓 3/7(火)15:00~
和久津晶vs吉田直vs柴田吉和vs佐々木寿人
実況:小笠原奈央
解説:近藤久春

3/18.19の決勝戦へ進むのは各卓2名!

 

 

【小島先生】
 
81歳にして、グランプリベスト8に勝ち進む超人だが、モンド名人戦への出場は今期が最後となることを表明した。

先日エンタメ~テレで放送中の天空麻雀を制した時、インタビューを担当したのは、日本プロ麻雀連盟の地下アイドル的存在、「中野くん」こと中野妙子だ。

・第160回:天空麻雀18男性大会優勝特別インタビュー 小島 武夫  インタビュアー:中野くん

 

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グランプリベスト16、ラス親では勝ち上がりが決まっている状態で南4局の親番を続行するという、「?」なプレーがあった。
何をしようとも自由ではあるのだが、この親を続行する「プロ」は全体の5%もいないだろう。
それについて、小島武夫の孫である小島優がブログで触れている。
 

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ウムムム…

勝ち上がりが決まっている場合は、連荘せずにノーテン宣言をして伏せるのが、常識的な対応と言える。対戦相手もそれを想定して打っている。
だから、視聴者側も「?」となりコメントは荒れてしまう。

そういった批判はやめて欲しいとは言わないが、ミスター麻雀、小島武夫の麻雀を見届けたい人は是非ご覧になってほしい。
こういった話しは中途半端に書くべきではないけど。
しかし、出場を認めているのは、連盟の競技部であり局だ。
あとは見る人に委ねるけど。

 

 

【BIG1】
 
麻将連合で一番歴史のある、プロアマ混合のタイトル戦。
こちらの決勝に連盟の奈良テムが残ったと情報が入った。
 

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一発・裏ドラ・カンドラなし。順位点は4-12と連盟のAルールに近いルールだ。

過去にマスターズを獲得している奈良は、第2期グランプリMAXの決勝にも残っており、それ以来の決勝戦進出となる。
再び自身の実力を証明するチャンスが巡ってきた。
そして、プロ団体日本一決定戦で優勝となった日本プロ麻雀連盟の層の厚さを見せてくれ!

3/11(土)13時より半荘4回戦!

 

 

【目の上のたんこぶ】
 
BIG1カップ決勝進出を決めた、奈良テムの活躍に目を光らせる古橋崇志はその頃、自身の出演する再放送をアピールしていた。
 

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明らかなツッコミ待ちのつぶやきに、関係者で返信してくれたのは、内川幸太郎のみだ。
A1昇級を決め、グランプリベスト8を戦っている内川は古橋にも気を使う余裕があるのだ。多くの人はこれは見て見ぬふりで流れていくだろう。

と、思いきや、いきなり猿様からバッサリいかれた。

 

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【女流日本シリーズ】
 
古橋崇志が実況をつとめる女流日本シリーズは、3月8日のプレーオフが終わると、週末はもう決勝戦。
解説は、何となく食い合わせ?の良い藤崎×前田、そして決勝は地元の高校で先輩後輩の関係にあたる藤崎×佐々木だ。

 

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放送予定 3/8 17:00~
女流プロ麻雀日本シリーズ2017プレーオフ


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2017を制するのは誰だ!?


放送予定 3/12 16:00~
女流プロ麻雀日本シリーズ2017決勝戦


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????vs????vs????vs????
実況:古橋崇志
解説:藤崎智(現十段位)・佐々木寿人
 

 

【正体】
 
最近、Mr.Xって誰だ?と話題に出ることがある。
若手の間では大体あたりは着いているようで、直接本人(と思っている人物)に「読みましたよ」とか「面白かった」とか、中には「載せていただいてありがとうございます」などと言っている奴まで出てくる始末だ。

ジャイアント馬場の16文キックってホントに痛いんですかね?
一度でもくらってからモノを言え!
若手プロレスラーがそんなこと言うか!?
匿名でやっている意味がない!
若干論点がズレているのは承知だが、締め切りが近いのでこのまま提出する。とにかく詮索するのはやめておくれ。

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プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

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【グランプリMAX201】
 
いよいよ本日よりベスト8の配信が始まる。
A卓 3/6(月)15:00~
内川幸太郎vs小島武夫vs伊藤優孝vs白鳥翔
実況:小笠原奈央
解説:藤崎智
B卓 3/7(火)15:00~
和久津晶vs吉田直vs柴田吉和vs佐々木寿人
実況:小笠原奈央
解説:近藤久春
3/18.19の決勝戦へ進むのは各卓2名!
 
 
【小島先生】
 
81歳にして、グランプリベスト8に勝ち進む超人だが、モンド名人戦への出場は今期が最後となることを表明した。
先日エンタメ~テレで放送中の天空麻雀を制した時、インタビューを担当したのは、日本プロ麻雀連盟の地下アイドル的存在、「中野くん」こと中野妙子だ。
・第160回:天空麻雀18男性大会優勝特別インタビュー 小島 武夫  インタビュアー:中野くん
 

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グランプリベスト16、ラス親では勝ち上がりが決まっている状態で南4局の親番を続行するという、「?」なプレーがあった。
何をしようとも自由ではあるのだが、この親を続行する「プロ」は全体の5%もいないだろう。
それについて、小島武夫の孫である小島優がブログで触れている。
 

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ウムムム…
勝ち上がりが決まっている場合は、連荘せずにノーテン宣言をして伏せるのが、常識的な対応と言える。対戦相手もそれを想定して打っている。
だから、視聴者側も「?」となりコメントは荒れてしまう。
そういった批判はやめて欲しいとは言わないが、ミスター麻雀、小島武夫の麻雀を見届けたい人は是非ご覧になってほしい。
こういった話しは中途半端に書くべきではないけど。
しかし、出場を認めているのは、連盟の競技部であり局だ。
あとは見る人に委ねるけど。
 
 
【BIG1】
 
麻将連合で一番歴史のある、プロアマ混合のタイトル戦。
こちらの決勝に連盟の奈良テムが残ったと情報が入った。
 

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一発・裏ドラ・カンドラなし。順位点は4-12と連盟のAルールに近いルールだ。
過去にマスターズを獲得している奈良は、第2期グランプリMAXの決勝にも残っており、それ以来の決勝戦進出となる。
再び自身の実力を証明するチャンスが巡ってきた。
そして、プロ団体日本一決定戦で優勝となった日本プロ麻雀連盟の層の厚さを見せてくれ!
3/11(土)13時より半荘4回戦!
 
 
【目の上のたんこぶ】
 
BIG1カップ決勝進出を決めた、奈良テムの活躍に目を光らせる古橋崇志はその頃、自身の出演する再放送をアピールしていた。
 

100

 
明らかなツッコミ待ちのつぶやきに、関係者で返信してくれたのは、内川幸太郎のみだ。
A1昇級を決め、グランプリベスト8を戦っている内川は古橋にも気を使う余裕があるのだ。多くの人はこれは見て見ぬふりで流れていくだろう。
と、思いきや、いきなり猿様からバッサリいかれた。
 

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【女流日本シリーズ】
 
古橋崇志が実況をつとめる女流日本シリーズは、3月8日のプレーオフが終わると、週末はもう決勝戦。
解説は、何となく食い合わせ?の良い藤崎×前田、そして決勝は地元の高校で先輩後輩の関係にあたる藤崎×佐々木だ。
 

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放送予定 3/8 17:00~
女流プロ麻雀日本シリーズ2017プレーオフ


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2017を制するのは誰だ!?

放送予定 3/12 16:00~
女流プロ麻雀日本シリーズ2017決勝戦


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????vs????vs????vs????
実況:古橋崇志
解説:藤崎智(現十段位)・佐々木寿人
 
 
【正体】
 
最近、Mr.Xって誰だ?と話題に出ることがある。
若手の間では大体あたりは着いているようで、直接本人(と思っている人物)に「読みましたよ」とか「面白かった」とか、中には「載せていただいてありがとうございます」などと言っている奴まで出てくる始末だ。
ジャイアント馬場の16文キックってホントに痛いんですかね?
一度でもくらってからモノを言え!
若手プロレスラーがそんなこと言うか!?
匿名でやっている意味がない!
若干論点がズレているのは承知だが、締め切りが近いのでこのまま提出する。とにかく詮索するのはやめておくれ。

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第7期麻雀グランプリMAX ベスト16レポート

グランプリMAX。選手にとっては負ければそれが2016年度最後の戦い。
ベスト16からは夏目坂スタジオを舞台とし、日本プロ麻雀チャンネルにて配信された。

 

A卓

100

ベスト16シード選手1人目は前年度優勝の灘麻太郎。
鳳凰位決定戦にも進んだ古川孝次に、次期A1の若手2人が挑む形。
最終戦を迎え次期A1の内川幸太郎、和久津晶の2人が浮いている状況。

最終戦は和久津が早々抜け出し、勝ち上がりを確定させる。
そして、極めつけは親の国士無双。16,000オール!

1位通過 和久津晶
2位通過 内川幸太郎

 

B卓

100

ベスト16シード選手2人目は、現鳳凰位の前原雄大。
小島武夫は二次予選からこの夏目坂に勝ちあがってきた。
記念すべき第1期JPMLWRCリーグ優勝の羽山真生と、惜しくもA1昇級を逃した吉田直のB卓。

序盤前原は波に乗れず4着スタートとなるものの、最終戦にはしっかりとトップ目に。2着目には吉田がつけた。
最終戦“ミスター麻雀小島武夫”が大きいトップを取り一気捲くり。

1位通過 吉田直
2位通過 小島武夫

 

C卓

100

C卓はベスト16シード選手が2名。
現十段位の藤崎智とポイントランキング1位の勝又健志。
前十段位柴田吉和と王位戦2位のA1伊藤優孝という好カード。

このC卓は好不調がハッキリと分かれた。柴田が確定を決め、勝又はかなり苦しい位置。
残り1つの椅子を伊藤と藤崎が競る展開に。
最終戦、死神の優(伊藤)が5万点のトップを取りベスト8へ駒を進めた。

1位通過 伊藤優孝
2位通過 柴田吉和

 

D卓

100

ベスト16シード選手は今年のオープン戦覇者2名。
現マスターズ白鳥翔、現王位樋口徹。
3年前のグランプリ覇者前田直哉と、TV対局で活躍した攻めダルマ佐々木寿人。
このD卓は平均年齢が30代と若手が集まった。

佐々木寿人が3回戦を終えて+117.9ポイントと3連勝し早くも当確。
日本プロ麻雀連盟のG1タイトル戦初のベスト8進出を決めた。

前田は調子があがらない。
最終戦はタイトルホルダー同士の戦いを白鳥が制した。

1位通過 佐々木寿人
2位通過 白鳥翔

 

ベスト8 3月6日(月)・3月7日(火) 夏目坂スタジオ

A卓:内川幸太郎vs小島武夫vs伊藤優孝vs白鳥翔
実況:小笠原奈央
解説:藤崎智

B卓:和久津晶vs吉田直vs柴田吉和vs佐々木寿人
実況:小笠原奈央
解説:近藤久春

グランプリ レポート/第7期麻雀グランプリMAX ベスト16レポート

グランプリMAX。選手にとっては負ければそれが2016年度最後の戦い。
ベスト16からは夏目坂スタジオを舞台とし、日本プロ麻雀チャンネルにて配信された。
 
A卓
100
ベスト16シード選手1人目は前年度優勝の灘麻太郎。
鳳凰位決定戦にも進んだ古川孝次に、次期A1の若手2人が挑む形。
最終戦を迎え次期A1の内川幸太郎、和久津晶の2人が浮いている状況。
最終戦は和久津が早々抜け出し、勝ち上がりを確定させる。
そして、極めつけは親の国士無双。16,000オール!
1位通過 和久津晶
2位通過 内川幸太郎
 
B卓
100
ベスト16シード選手2人目は、現鳳凰位の前原雄大。
小島武夫は二次予選からこの夏目坂に勝ちあがってきた。
記念すべき第1期JPMLWRCリーグ優勝の羽山真生と、惜しくもA1昇級を逃した吉田直のB卓。
序盤前原は波に乗れず4着スタートとなるものの、最終戦にはしっかりとトップ目に。2着目には吉田がつけた。
最終戦“ミスター麻雀小島武夫”が大きいトップを取り一気捲くり。
1位通過 吉田直
2位通過 小島武夫
 
C卓
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C卓はベスト16シード選手が2名。
現十段位の藤崎智とポイントランキング1位の勝又健志。
前十段位柴田吉和と王位戦2位のA1伊藤優孝という好カード。
このC卓は好不調がハッキリと分かれた。柴田が確定を決め、勝又はかなり苦しい位置。
残り1つの椅子を伊藤と藤崎が競る展開に。
最終戦、死神の優(伊藤)が5万点のトップを取りベスト8へ駒を進めた。
1位通過 伊藤優孝
2位通過 柴田吉和
 
D卓
100
ベスト16シード選手は今年のオープン戦覇者2名。
現マスターズ白鳥翔、現王位樋口徹。
3年前のグランプリ覇者前田直哉と、TV対局で活躍した攻めダルマ佐々木寿人。
このD卓は平均年齢が30代と若手が集まった。
佐々木寿人が3回戦を終えて+117.9ポイントと3連勝し早くも当確。
日本プロ麻雀連盟のG1タイトル戦初のベスト8進出を決めた。
前田は調子があがらない。
最終戦はタイトルホルダー同士の戦いを白鳥が制した。
1位通過 佐々木寿人
2位通過 白鳥翔
 
ベスト8 3月6日(月)・3月7日(火) 夏目坂スタジオ
A卓:内川幸太郎vs小島武夫vs伊藤優孝vs白鳥翔
実況:小笠原奈央
解説:藤崎智
B卓:和久津晶vs吉田直vs柴田吉和vs佐々木寿人
実況:小笠原奈央
解説:近藤久春

第28回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節レポート

寒さが非常に厳しく、世間では風邪やインフルエンザが流行っている。
これを読んでくださっているみなさんも手洗いうがいをしっかりして気を付けていただきたいと思う。
 
第28回の静岡リーグもいよいよ最終節を迎えた。決勝へ進出できるのは上位5名であり、決勝ではそれぞれ1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10Pの順位ポイントが与えられる。
第4節を終了した時点で上位6名が+100Pを超えており、決勝進出のボーダーは高くなることが予想され、混戦を勝ち抜くには強い気持ちで戦うことが大事になってくる。
私自身、決勝進出は難しい位置におり、試合前は大きくポイントを叩くことだけを考えていた。1回戦の東1局にいきなり国士無双のテンパイが入るも成就せず、▲20.7Pでこの日を終えた。
見事決勝進出を決めたのはこの5名。

1位通過:山本拓哉プロ (中部本部)
先日、静岡プロリーグを優勝した山本プロが静岡リーグの決勝にも初出場となった。鳴きを主体とした攻めで手数が多いタイプであり、主導権を積極的に取りに来るであろう。今回は追われる立場であり、マークを受ける場面も多くなるとは思うが、持ち味である思い切りの良い麻雀で決勝も戦いをリードしてくるであろう。

2位通過:平野敬悟プロ(静岡支部)
今回の決勝メンバーでは唯一静岡リーグの決勝進出経験のある平野プロ。場面を見極める能力や対応力は非常に優れており、万能なプレイヤーだ。今回のリーグ戦では後半にポイントを大きく稼いでおり、勢いという面でも山本プロには負けていない。2位通過ということで大したビハインドにはなっておらず、持ち味を発揮することができれば優勝も遠くはないか。
 
3位通過:足立純哉プロ(東京本部)
プロ1年目にして決勝進出となった足立プロ。足立プロも山本プロと同じく鳴きが多く、手数で勝負する印象で、山本プロとの主導権争いに持ち込むことが予想される。気持ちで負けなければ場面をリードすることも難しくないだろう。不安な点というとリーグ戦後半の失速と経験の浅さではないか。

4位通過:鈴木雅人プロ(静岡支部)
プロ14年目の鈴木プロが安定した戦いで悲願の決勝進出を決めた。リーグ戦後半は目の前に迫る決勝がプレッシャーとなり緊張する姿も見受けられたが、無事に決勝の椅子を勝ち取った。決勝では緊張に負けず、スタイルである門前高打点を貫くことが優勝への第一条件となるだろう。

5位通過:松井和志さん(一般参加)
唯一のアマチュアでの決勝進出となった松井さん。第1節で+105.9Pを叩くなど、爆発力はかなりのものを持っている。受けの意識も強く、安定感という面では他のプロにも劣っていない印象だ。持ち味の門前高打点でプロを相手にどのように戦っていくか楽しみである。

以上が決勝進出を決めた5名である。
5名のうち4名が初決勝となる今回の決勝。この5名の熱い戦いを私も楽しみにしたいと思う。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 プロ 52.6 ▲ 12.6 91.8 10.6 46.5 188.9
2 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1 ▲ 26.6 74.7 78.4 29.9 143.3
3 足立 純哉 プロ 40.7 25.5 102.3 35.9 ▲ 62.7 141.7
4 鈴木 雅人 プロ 14.9 66.2 65.4 10.4 ▲ 30.1 126.8
5 松井 和志 一般 105.9 ▲ 5.8 ▲ 7.9 32.1 ▲ 5.3 119.0
6 堀 孔明 一般 39.4 53.0 29.0 8.6 ▲ 15.0 115.0
7 鈴木 郁孝 プロ 38.2 3.5 ▲ 13.3 28.9 53.0 110.3
8 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9 69.5 ▲ 8.3 46.2 32.5 103.0
9 舟橋 晃 一般 4.3 ▲ 18.2 49.9 39.5 2.7 78.2
10 中野 一男 一般 55.8 ▲ 45.8 ▲ 52.2 32.4 79.4 69.6
11 竹内 仁 一般 36.0 2.8 ▲ 8.6 38.7 ▲ 9.7 59.2
12 中 寿文 プロ 35.7 ▲ 29.0 ▲ 29.5 56.3 20.3 53.8
13 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8 32.3 ▲ 18.8 23.2 37.7 53.6
14 杉村 泰治 プロ 12.7 15.7 ▲ 6.5 25.0 4.5 51.4
15 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 ▲ 20.8 58.5 ▲ 41.9 53.8 42.5
16 島﨑 涼 プロ 20.5 32.2 24.7 ▲ 17.6 ▲ 20.7 39.1
17 青嶋 宏樹 一般 31.0 29.6 76.9 ▲ 56.4 ▲ 49.3 31.8
18 春田 篤志 一般 27.0 ▲ 10.5 29.8 32.4 ▲ 51.5 27.2
19 太田 昌樹 プロ 23.2 ▲ 19.4 18.6 ▲ 10.4 13.9 25.9
20 岡本 和也 プロ ▲ 3.6 ▲ 14.1 ▲ 20.7 51.1 10.2 22.9
21 都築 友和 プロ 45.2 15.7 ▲ 0.2 ▲ 32.2 ▲ 22.5 6.0
22 渡辺 洋巳 プロ 40.0 ▲ 16.0 ▲ 1.1 ▲ 24.0 1.4 0.3
23 土屋 幸弘 プロ 38.6 ▲ 18.1 ▲ 4.2 49.6 ▲ 67.4 ▲ 1.5
24 大石 康平 一般 ▲ 60.3 19.0 8.4 ▲ 29.2 40.4 ▲ 21.7
25 望月 雅継 プロ ▲ 1.0 ▲ 34.0 1.6 ▲ 11.6 21.9 ▲ 23.1
26 川崎 義之 プロ 25.0 ▲ 29.1 ▲ 46.3 ▲ 37.7 62.8 ▲ 25.3
27 田中 良典 一般 ▲ 29.1 11.8 ▲ 24.2 ▲ 18.4 12.5 ▲ 47.4
28 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4 26.9 ▲ 66.3 23.0 ▲ 0.7 ▲ 48.5
29 本田 真之 一般 ▲ 5.3 ▲ 13.8 ▲ 12.8 32.7 ▲ 53.9 ▲ 53.1
30 京平 遥 プロ 36.8 ▲ 26.0 ▲ 51.7 13.3 ▲ 29.5 ▲ 57.1
31 鈴木 博直 一般 19.8 ▲ 45.2 ▲ 17.8 ▲ 38.6 24.0 ▲ 57.8
32 大口 伸也 一般 ▲ 61.5 19.0 ▲ 45.2 25.8 3.8 ▲ 58.1
33 源馬 健太 一般 ▲ 0.7 16.8 ▲ 23.0 ▲ 46.3 ▲ 10.8 ▲ 64.0
34 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6 ▲ 40.5 106.6 ▲ 62.2 ▲ 32.8 ▲ 76.5
35 松永 誠 一般 6.6 ▲ 75.7 ▲ 1.3 37.4 ▲ 50.0 ▲ 83.0
36 山内 紀博 一般 ▲ 74.9 21.5 ▲ 13.7 ▲ 4.5 ▲ 11.9 ▲ 83.5
37 徳永 翔 プロ ▲ 47.9 ▲ 32.4 ▲ 17.7 ▲ 5.1 ▲ 5.5 ▲ 108.6
38 越川 清一 プロ 2.2 ▲ 25.1 ▲ 44.7 18.9 ▲ 65.1 ▲ 113.8
39 伊藤 真 一般 ▲ 38.6 8.6 ▲ 39.5 ▲ 17.2 ▲ 31.4 ▲ 118.1
40 平田 拓也 一般 ▲ 30.4 ▲ 42.8 ▲ 15.3 ▲ 7.0 ▲ 27.8 ▲ 123.3
41 白井 健夫 一般 4.8 ▲ 3.3 ▲ 51.2 ▲ 28.2 ▲ 49.8 ▲ 127.7
42 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9 ▲ 29.7 ▲ 15.1 ▲ 33.3 ▲ 14.8 ▲ 137.8
43 大橋 義一 一般 ▲ 80.8 15.0 ▲ 25.3 ▲ 75.0 26.2 ▲ 139.9
44 福井 弘人 一般 ▲ 60.3 ▲ 52.2 ▲ 57.3 ▲ 50.0 ▲ 68.3 ▲ 288.1