静岡プロリーグ レポート/第28回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節レポート

寒さが非常に厳しく、世間では風邪やインフルエンザが流行っている。
これを読んでくださっているみなさんも手洗いうがいをしっかりして気を付けていただきたいと思う。
 
第28回の静岡リーグもいよいよ最終節を迎えた。決勝へ進出できるのは上位5名であり、決勝ではそれぞれ1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10Pの順位ポイントが与えられる。
第4節を終了した時点で上位6名が+100Pを超えており、決勝進出のボーダーは高くなることが予想され、混戦を勝ち抜くには強い気持ちで戦うことが大事になってくる。
私自身、決勝進出は難しい位置におり、試合前は大きくポイントを叩くことだけを考えていた。1回戦の東1局にいきなり国士無双のテンパイが入るも成就せず、▲20.7Pでこの日を終えた。
見事決勝進出を決めたのはこの5名。
1位通過:山本拓哉プロ (中部本部)
先日、静岡プロリーグを優勝した山本プロが静岡リーグの決勝にも初出場となった。鳴きを主体とした攻めで手数が多いタイプであり、主導権を積極的に取りに来るであろう。今回は追われる立場であり、マークを受ける場面も多くなるとは思うが、持ち味である思い切りの良い麻雀で決勝も戦いをリードしてくるであろう。
2位通過:平野敬悟プロ(静岡支部)
今回の決勝メンバーでは唯一静岡リーグの決勝進出経験のある平野プロ。場面を見極める能力や対応力は非常に優れており、万能なプレイヤーだ。今回のリーグ戦では後半にポイントを大きく稼いでおり、勢いという面でも山本プロには負けていない。2位通過ということで大したビハインドにはなっておらず、持ち味を発揮することができれば優勝も遠くはないか。
 
3位通過:足立純哉プロ(東京本部)
プロ1年目にして決勝進出となった足立プロ。足立プロも山本プロと同じく鳴きが多く、手数で勝負する印象で、山本プロとの主導権争いに持ち込むことが予想される。気持ちで負けなければ場面をリードすることも難しくないだろう。不安な点というとリーグ戦後半の失速と経験の浅さではないか。
4位通過:鈴木雅人プロ(静岡支部)
プロ14年目の鈴木プロが安定した戦いで悲願の決勝進出を決めた。リーグ戦後半は目の前に迫る決勝がプレッシャーとなり緊張する姿も見受けられたが、無事に決勝の椅子を勝ち取った。決勝では緊張に負けず、スタイルである門前高打点を貫くことが優勝への第一条件となるだろう。
5位通過:松井和志さん(一般参加)
唯一のアマチュアでの決勝進出となった松井さん。第1節で+105.9Pを叩くなど、爆発力はかなりのものを持っている。受けの意識も強く、安定感という面では他のプロにも劣っていない印象だ。持ち味の門前高打点でプロを相手にどのように戦っていくか楽しみである。
以上が決勝進出を決めた5名である。
5名のうち4名が初決勝となる今回の決勝。この5名の熱い戦いを私も楽しみにしたいと思う。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 プロ 52.6 ▲ 12.6 91.8 10.6 46.5 188.9
2 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1 ▲ 26.6 74.7 78.4 29.9 143.3
3 足立 純哉 プロ 40.7 25.5 102.3 35.9 ▲ 62.7 141.7
4 鈴木 雅人 プロ 14.9 66.2 65.4 10.4 ▲ 30.1 126.8
5 松井 和志 一般 105.9 ▲ 5.8 ▲ 7.9 32.1 ▲ 5.3 119.0
6 堀 孔明 一般 39.4 53.0 29.0 8.6 ▲ 15.0 115.0
7 鈴木 郁孝 プロ 38.2 3.5 ▲ 13.3 28.9 53.0 110.3
8 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9 69.5 ▲ 8.3 46.2 32.5 103.0
9 舟橋 晃 一般 4.3 ▲ 18.2 49.9 39.5 2.7 78.2
10 中野 一男 一般 55.8 ▲ 45.8 ▲ 52.2 32.4 79.4 69.6
11 竹内 仁 一般 36.0 2.8 ▲ 8.6 38.7 ▲ 9.7 59.2
12 中 寿文 プロ 35.7 ▲ 29.0 ▲ 29.5 56.3 20.3 53.8
13 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8 32.3 ▲ 18.8 23.2 37.7 53.6
14 杉村 泰治 プロ 12.7 15.7 ▲ 6.5 25.0 4.5 51.4
15 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 ▲ 20.8 58.5 ▲ 41.9 53.8 42.5
16 島﨑 涼 プロ 20.5 32.2 24.7 ▲ 17.6 ▲ 20.7 39.1
17 青嶋 宏樹 一般 31.0 29.6 76.9 ▲ 56.4 ▲ 49.3 31.8
18 春田 篤志 一般 27.0 ▲ 10.5 29.8 32.4 ▲ 51.5 27.2
19 太田 昌樹 プロ 23.2 ▲ 19.4 18.6 ▲ 10.4 13.9 25.9
20 岡本 和也 プロ ▲ 3.6 ▲ 14.1 ▲ 20.7 51.1 10.2 22.9
21 都築 友和 プロ 45.2 15.7 ▲ 0.2 ▲ 32.2 ▲ 22.5 6.0
22 渡辺 洋巳 プロ 40.0 ▲ 16.0 ▲ 1.1 ▲ 24.0 1.4 0.3
23 土屋 幸弘 プロ 38.6 ▲ 18.1 ▲ 4.2 49.6 ▲ 67.4 ▲ 1.5
24 大石 康平 一般 ▲ 60.3 19.0 8.4 ▲ 29.2 40.4 ▲ 21.7
25 望月 雅継 プロ ▲ 1.0 ▲ 34.0 1.6 ▲ 11.6 21.9 ▲ 23.1
26 川崎 義之 プロ 25.0 ▲ 29.1 ▲ 46.3 ▲ 37.7 62.8 ▲ 25.3
27 田中 良典 一般 ▲ 29.1 11.8 ▲ 24.2 ▲ 18.4 12.5 ▲ 47.4
28 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4 26.9 ▲ 66.3 23.0 ▲ 0.7 ▲ 48.5
29 本田 真之 一般 ▲ 5.3 ▲ 13.8 ▲ 12.8 32.7 ▲ 53.9 ▲ 53.1
30 京平 遥 プロ 36.8 ▲ 26.0 ▲ 51.7 13.3 ▲ 29.5 ▲ 57.1
31 鈴木 博直 一般 19.8 ▲ 45.2 ▲ 17.8 ▲ 38.6 24.0 ▲ 57.8
32 大口 伸也 一般 ▲ 61.5 19.0 ▲ 45.2 25.8 3.8 ▲ 58.1
33 源馬 健太 一般 ▲ 0.7 16.8 ▲ 23.0 ▲ 46.3 ▲ 10.8 ▲ 64.0
34 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6 ▲ 40.5 106.6 ▲ 62.2 ▲ 32.8 ▲ 76.5
35 松永 誠 一般 6.6 ▲ 75.7 ▲ 1.3 37.4 ▲ 50.0 ▲ 83.0
36 山内 紀博 一般 ▲ 74.9 21.5 ▲ 13.7 ▲ 4.5 ▲ 11.9 ▲ 83.5
37 徳永 翔 プロ ▲ 47.9 ▲ 32.4 ▲ 17.7 ▲ 5.1 ▲ 5.5 ▲ 108.6
38 越川 清一 プロ 2.2 ▲ 25.1 ▲ 44.7 18.9 ▲ 65.1 ▲ 113.8
39 伊藤 真 一般 ▲ 38.6 8.6 ▲ 39.5 ▲ 17.2 ▲ 31.4 ▲ 118.1
40 平田 拓也 一般 ▲ 30.4 ▲ 42.8 ▲ 15.3 ▲ 7.0 ▲ 27.8 ▲ 123.3
41 白井 健夫 一般 4.8 ▲ 3.3 ▲ 51.2 ▲ 28.2 ▲ 49.8 ▲ 127.7
42 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9 ▲ 29.7 ▲ 15.1 ▲ 33.3 ▲ 14.8 ▲ 137.8
43 大橋 義一 一般 ▲ 80.8 15.0 ▲ 25.3 ▲ 75.0 26.2 ▲ 139.9
44 福井 弘人 一般 ▲ 60.3 ▲ 52.2 ▲ 57.3 ▲ 50.0 ▲ 68.3 ▲ 288.1

第15期北陸リーグ 決勝レポート

2017年2月25日
執筆: 浦田 豊人

2月12日(日)、小雪が降る肌寒い日のなか、第15期北陸リーグ決勝戦が「アルシアル雀ザイル(金沢市)」にて行われた。

半年間の予選を勝ち抜いた4人は下記の通り。

 

100

 

1位通過 藤本 鉄也(三段) +40P
2位通過 押川 憲一(一般) +20P
3位通過 浦田 豊人(七段) +10P
4位通過 小泉 陽平(一般) ±0P

決勝は上記の通り、予選上位順に40~10Pのアドバンテージが与えられる。

1位通過の藤本としては、このアドバンテージを活かすべく、1回戦でトップを取り、圧倒的優位の位置取りを目指すであろう。
他の3人は、そうならないように藤本包囲網を敷き、何処かで抜け出す計算を立てていくのか?
各自「優勝」にかける熱い思いがぶつかった闘いがスタートした。

 

1回戦

東2局 親の押川さんに面前で一色手のテンパイが入る。

一筒一筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒南南南  ドラ東

ここはしっかりとヤミテンに構える。
流石一般参加ながら3期連続で決勝進出している押川さん。今日も落ち着いている模様。
そこへ藤本が順子4メンツ完成でのドラ東タンキリーチを敢行。
押川さんに東が廻ってくるが、ここは勝負で藤本にリーチドラ2の5,200を献上。
いきなり1回戦で突き放そうと目論む藤本の大胆なリーチ、振り込みはしたがヤミテンに構え、そしてしっかりと勝負に行く押川さん。
2人のこの日にかける思いが鮮明に分かる一局となった。

藤本がこの局を機に、ジリジリとアガリを重ねて、3人との差を広げていく。

東4局 親の小泉さんがリーチ。

二索三索四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒白白  リーチ  ドラ白

高目の一索をツモれば6,000オールの本手であったが、藤本がすぐに小泉からアガる。

北家・藤本

一万二万三万一索二索三索六索七索八索二筒三筒四筒四筒  ロン四筒

藤本にしてみれば安目の1,000点のアガリで、不本意に思えたかもしれないが、小泉さんの本手を潰した価千金のアガリ。
決勝終了後、小泉さんがこの局を分岐点に挙げていたが、確かにこの後、小泉さんには辛い展開が続いていく事となる。

そんな私も手がなかなか入らなかったが、南1局の親番で、痺れを切らして仕掛けていく。

南1局 東家 ・浦田

七万九万三索四索四索八索九索三筒三筒六筒七筒八筒九筒  ドラ三筒

9巡目、ここから七索をチーをして、下家の押川さんがピンズのホンイツ模様であったが、構わず打六筒。押川さんは、これを五筒七筒でチー。私、また六筒をツモ切ると

南家 押川さん

四筒五筒九筒九筒九筒西西発発発  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ロン六筒

5,200の放銃。親番とはいえ、ここまで自分に風が吹いていない事、まだ1シャンテンであった事からも、ドラが三筒で明らかなホンイツに対してのドラ筋の連打は、やはり軽率である。
私もこの局を境に1回戦は全く闘える手牌が来なかった。

オーラス 親の小泉に再び本手のテンパイが入る。

五万五万六万六万七万五索六索七索四筒五筒六筒七筒七筒  ドラ五索

このままでも高目ツモで4,000オール。四筒七筒を持って来れば8,000オールまである大物手。
しかし藤本がドラ五索をしっかり勝負して、すぐに,1000点のアガリ。
東4局の因縁か?ここでも小泉より藤本のアガリ牌が先にあった。

藤本は自力で1人浮きのトップを決め、アドバンテージを含めて首位をしっかりと固め、優勝に向けて大きく前進した。

1回戦結果
藤本+37.3P 押川さん▲6.3P 小泉さん▲11.9P 浦田▲19.1P

トータル結果
藤本+77.3P 押川さん+13.7P 浦田▲9.1P 小泉さん▲11.9P

 

2回戦

藤本にとっては戦前描いていた理想的な展開。逆に他の3人にとっては最悪の展開となった1回戦。
2回戦も藤本がポイントを伸ばすようだと、後半戦を待たずして当確ランプが点灯してしまう。
早くも正念場を迎える3人。

東3局 2巡目 北家・浦田

三万三万三万五万五万七万九万九万二索四索六筒六筒発  ドラ九筒

ここから親の押川さんの九万を仕掛けていく。本来ならばここから仕掛けはしない。手牌的にも遠く、ドラも無いし、何より北家だ。
しかし、逆風を感じている今、この短期戦では強引にツキを引っ張ってくる必要があると判断。
狙いはホンイツだったが、すぐに押川さんより六筒が出て、これも反応し、ポン。
ドラの九筒も顔を見せておらず、3者は苦し紛れの強引な仕掛けとは断定出来ずに慎重に捨て牌を選んでいく。
私の思惑通りの展開となり、終盤テンパイが入る。

三万三万三万五万五万白白  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き  ドラ九筒

このまま流局と思われたハイテイに五万がいて、1,300・2,600をアガる。
本日初、私に風が吹き始めた瞬間。そのまま私の1人浮きの状態で場は進む。

南3局 今局も私の手は良い。

二万三万七万八万一索二索三索八索九索九索中中中  ドラ発

親の押川さんが八万九万とペンチャンを外してくる。その八万を西家の藤本がポンを入れる。すると私に四万が来てテンパイ。

二万三万四万七万八万一索二索三索九索九索中中中

安目が入り不本意ではある。待ちの九万は今、押川さんが切ったばっかりで3枚切れではあるが、ワンチャンスでもあり、すぐにアガれそう。
そう思っていたところに押川さんより親リーチがかかった。私の一発目のツモが七筒
押川さんの捨て牌は平凡なピンフ模様で、ピンズは1枚も切られていない。アタマの九索は現物で、同巡に小泉さんも切っており、4人に対しても完全安全牌。
強気に勝負するか?それとも九索で回るか?ツモって来た感性は「切れっ!」

そのままツモ切ろうとした。しかしその瞬間、「待てよ。」手が止まった…。
まだドラの発は見えておらず、もしかしたらドラトイツのリャンメンリーチかもしれない。
ここはトップ目なので丁寧に行くべきでは?
幸いアタマの九索で回れるし。入り目も四万で弱いし、待ちもワンチャンスとはいえ、薄そうだし…。
長考する私…。

そして理が感性を押さえ込み、私はいつの間にか九索のトイツ落としをしていた。
その判断を嘲笑うかのかのように、押川さんが4枚目の九万をツモ切る。
「しまった―っ!!」
そして押川さんがツモアガる。

四万五万七索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ三万

一通出来上がりの4,000オールだ。
七筒は通っていた。私はいったい何をやっているのだろう!?
折角強引にやっと流れを引き寄せ始めたというのに、こんな七筒1つ切れないで、てっぺんを取れるとでも思っているのだろうか!?

そしてここから押川さんに怒涛の5連荘を許してしまい、持ち点は一気に6万点オーバーで大トップを取る。
藤本に肉薄し、対抗馬として名乗りを上げた。

無論、この連荘の責任は私にある。弱気な私は1人浮きはおろか、トップも転落し、この後の後半戦も私に二度と風が吹く事はなかった。
事実上の私の敗因となる一打。たった1枚の七筒を切れなかっただけで、私の半年間目指して来た「優勝」の二文字が泡となって消えてしまった。
一打がその局を、その半荘を、そして優勝を決めてしまう。
それが麻雀というものなのであろう…。

2回戦結果
押川さん+38.3P 浦田+11.2P 藤本▲12.3P 小泉さん▲37.2P

トータル結果
藤本+65.0P 押川さん+52.0P 浦田+2.1P 小泉さん▲49.1P

 

3回戦

1回戦で1人浮きのトップを取り、優勝のカウントダウンかと思われた藤本だが、押川さんの猛追にあい、一気に2人の一騎打ちの様相を呈して来た。
浦田と小泉さんはかなり厳しくなってきたが、とりあえず大きなトップを取り、天命を待つ。

3回戦も1・2回戦同様、藤本と押川さんのペースで進む。
だから、こういう回数の限られた麻雀は序盤戦が大事なのである。
ツキを練り固められた側と、そうでない者の差が、このあたりから鮮明に表れてくる。

東場で全然手が入らなかった私に、南1局にチャンス手が来る。

南1局 ダブ南をポン、七索をチーして1シャンテン。

一索白白白発発中  ポン南南南  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き  ドラ一索

リャンメンを鳴いてまだ1シャンテンというところが、いかにも態勢の無さを感じるが、もう格好を構っている場合ではない。
しかし、ここからなかなかテンパイにならない。
そうしているうち、親の押川さんが六索中と強烈に押してきた。
アタれば跳満まで見えている私の仕掛けにである。ホンイツだろうが、三元役だろうが、勝負する時は勝負する。決してサボらない。保留にしない。
こういうところが押川さんの強さたる所以であろう。

そして終局間際、私はテンパイした為、一索を勝負すると、押川さんが手を開く。

六万六万七万七万一索二索二索三索三索四索四索七筒七筒  ロン一索

七対子ドラ2の9,600放銃。
同じ勝負牌でも、押川さんと私のそれとでは、あまりにも質が違い過ぎた。

押川さんはこのアガリが効いて、3回戦もトップ。藤本もかろうじて浮きを確保したが、ついに押川さんが逆転し、首位に立つ。

3回戦結果
押川さん+33.6P 藤本+4.7P 浦田▲8.4P 小泉さん▲29.9P

トータル結果
押川さん+85.6P 藤本+69.7P 浦田▲6.3P 小泉さん▲79.0P

 

最終4回戦

1回戦終了時に60P以上離していた藤本であったが、逆に追いかけるカタチとなってしまった。その差は15.9P。
浦田と小泉さんが大人しくなる展開を予想すれば、押川さん浮き2着で12Pの点差が必要となろうか?
大接戦になった運命の最終戦…。

東3局 ドラ二筒をトイツにして私がリーチ、呼応して小泉さんもメンピンドラ1高目イーペイコウの追いかけリーチを放つ。
両者共に満貫手であるが、やはり本日の主役ではない。
2人のリーチを掻い潜ってアガったのは藤本。

一索一索一索西西発発  加カン七索 上向き七索 上向き七索 上向き七索 上向き  暗カン牌の背八筒 下向き八筒 下向き牌の背  ロン西  ドラ二筒

浦田より討ち取り、大きな大きな7,700のアガリ。
この時点で押川さんと藤本はほぼ並びとなる。

南1局 親の藤本

一索二索三索四筒五筒南南南中中  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ドラ九索

ソウズのホンイツにも見え、藤本の捨て牌の序盤に四筒が1枚切られており、点数こそ安いが、アガリは簡単に拾えそう。
そんな中、押川さんにテンパイが入る。

二万二万四万五万六万三筒五筒六筒六筒六筒発発発  ドラ九索

現時点でほぼ原点の押川さん。沈みたくもなく、何とかこの親を落としたいが、待ちも悪く、藤本には打ちにくい牌も多い。放銃すれば親満もありえそうなので、この局が決定機になってしまうかも…。
しかし、押川さんは腹を括ってここも強烈に押していく。
生牌の中東、ついにはドラの九索まで切っていく。
凄い!これが覚悟した人間の勝負というものだろうか。

結末は藤本から四筒がツモ切られ、押川さんの執念が実る。
正に決定機となる1局となった。

オーラス 押川さんがトップ目のため、1局勝負。
藤本が押川さんを逆転する条件は、満貫直撃か跳満ツモ。
(ちなみに浦田・小泉さんからだと三倍満アガリ。)
決して不可能な条件ではないが、果たしてどちらに女神は舞い降りるのか?

2巡目、小泉さんが七万を切ると「ロン」の声。

三万三万六万七万八万八万九万二筒三筒四筒白白白

なんと押川さんがドラ暗刻の親満をアガリ。
これにて藤本もほぼ条件が無くなり、次局で終了。
押川さんの優勝が決定した。

4回戦結果
押川さん+28.0P 藤本+9.0 浦田▲13.9P 小泉さん▲23.1P

トータル結果
優勝 押川さん+113.6P
2位 藤本+78.7P
3位 浦田▲20.2P
4位 小泉さん▲102.1P

100

優勝された押川さん、おめでとうございます。
第13期に初優勝を果たされてから、3期連続の決勝進出で、今期も予選で只一人全節プラスと抜群の安定感を誇り、2度目の栄冠となりました。

局後のインタビューで、
「局面局面で、何度も回ろうかと思った場面がありましたが、サボってはいけない、楽してはいけない、と自分に言い聞かせて、勝負しました。」
というコメントが示すとおり、腹を括った、覚悟の一打が非常に鋭く、同卓していてただただ唸るしかありませんでした。

そして、半年前に皆の前で優勝宣言して挑んだ私…。
結果は良いところなく完敗。

さて、次回からどうしようか?悔しい日々が幾ばくか過ぎ、出た結論は…。
「よし、また次回優勝宣言だ!」
狼少年と言われないように頑張ります…。

北陸リーグ レポート/第15期北陸リーグ 決勝レポート

2017年2月25日
執筆: 浦田 豊人
2月12日(日)、小雪が降る肌寒い日のなか、第15期北陸リーグ決勝戦が「アルシアル雀ザイル(金沢市)」にて行われた。
半年間の予選を勝ち抜いた4人は下記の通り。
 
100
 
1位通過 藤本 鉄也(三段) +40P
2位通過 押川 憲一(一般) +20P
3位通過 浦田 豊人(七段) +10P
4位通過 小泉 陽平(一般) ±0P
決勝は上記の通り、予選上位順に40~10Pのアドバンテージが与えられる。
1位通過の藤本としては、このアドバンテージを活かすべく、1回戦でトップを取り、圧倒的優位の位置取りを目指すであろう。
他の3人は、そうならないように藤本包囲網を敷き、何処かで抜け出す計算を立てていくのか?
各自「優勝」にかける熱い思いがぶつかった闘いがスタートした。
 
1回戦
東2局 親の押川さんに面前で一色手のテンパイが入る。
一筒一筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒南南南  ドラ東
ここはしっかりとヤミテンに構える。
流石一般参加ながら3期連続で決勝進出している押川さん。今日も落ち着いている模様。
そこへ藤本が順子4メンツ完成でのドラ東タンキリーチを敢行。
押川さんに東が廻ってくるが、ここは勝負で藤本にリーチドラ2の5,200を献上。
いきなり1回戦で突き放そうと目論む藤本の大胆なリーチ、振り込みはしたがヤミテンに構え、そしてしっかりと勝負に行く押川さん。
2人のこの日にかける思いが鮮明に分かる一局となった。
藤本がこの局を機に、ジリジリとアガリを重ねて、3人との差を広げていく。
東4局 親の小泉さんがリーチ。
二索三索四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒白白  リーチ  ドラ白
高目の一索をツモれば6,000オールの本手であったが、藤本がすぐに小泉からアガる。
北家・藤本
一万二万三万一索二索三索六索七索八索二筒三筒四筒四筒  ロン四筒
藤本にしてみれば安目の1,000点のアガリで、不本意に思えたかもしれないが、小泉さんの本手を潰した価千金のアガリ。
決勝終了後、小泉さんがこの局を分岐点に挙げていたが、確かにこの後、小泉さんには辛い展開が続いていく事となる。
そんな私も手がなかなか入らなかったが、南1局の親番で、痺れを切らして仕掛けていく。
南1局 東家 ・浦田
七万九万三索四索四索八索九索三筒三筒六筒七筒八筒九筒  ドラ三筒
9巡目、ここから七索をチーをして、下家の押川さんがピンズのホンイツ模様であったが、構わず打六筒。押川さんは、これを五筒七筒でチー。私、また六筒をツモ切ると
南家 押川さん
四筒五筒九筒九筒九筒西西発発発  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ロン六筒
5,200の放銃。親番とはいえ、ここまで自分に風が吹いていない事、まだ1シャンテンであった事からも、ドラが三筒で明らかなホンイツに対してのドラ筋の連打は、やはり軽率である。
私もこの局を境に1回戦は全く闘える手牌が来なかった。
オーラス 親の小泉に再び本手のテンパイが入る。
五万五万六万六万七万五索六索七索四筒五筒六筒七筒七筒  ドラ五索
このままでも高目ツモで4,000オール。四筒七筒を持って来れば8,000オールまである大物手。
しかし藤本がドラ五索をしっかり勝負して、すぐに,1000点のアガリ。
東4局の因縁か?ここでも小泉より藤本のアガリ牌が先にあった。
藤本は自力で1人浮きのトップを決め、アドバンテージを含めて首位をしっかりと固め、優勝に向けて大きく前進した。
1回戦結果
藤本+37.3P 押川さん▲6.3P 小泉さん▲11.9P 浦田▲19.1P
トータル結果
藤本+77.3P 押川さん+13.7P 浦田▲9.1P 小泉さん▲11.9P
 
2回戦
藤本にとっては戦前描いていた理想的な展開。逆に他の3人にとっては最悪の展開となった1回戦。
2回戦も藤本がポイントを伸ばすようだと、後半戦を待たずして当確ランプが点灯してしまう。
早くも正念場を迎える3人。
東3局 2巡目 北家・浦田
三万三万三万五万五万七万九万九万二索四索六筒六筒発  ドラ九筒
ここから親の押川さんの九万を仕掛けていく。本来ならばここから仕掛けはしない。手牌的にも遠く、ドラも無いし、何より北家だ。
しかし、逆風を感じている今、この短期戦では強引にツキを引っ張ってくる必要があると判断。
狙いはホンイツだったが、すぐに押川さんより六筒が出て、これも反応し、ポン。
ドラの九筒も顔を見せておらず、3者は苦し紛れの強引な仕掛けとは断定出来ずに慎重に捨て牌を選んでいく。
私の思惑通りの展開となり、終盤テンパイが入る。
三万三万三万五万五万白白  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き  ドラ九筒
このまま流局と思われたハイテイに五万がいて、1,300・2,600をアガる。
本日初、私に風が吹き始めた瞬間。そのまま私の1人浮きの状態で場は進む。
南3局 今局も私の手は良い。
二万三万七万八万一索二索三索八索九索九索中中中  ドラ発
親の押川さんが八万九万とペンチャンを外してくる。その八万を西家の藤本がポンを入れる。すると私に四万が来てテンパイ。
二万三万四万七万八万一索二索三索九索九索中中中
安目が入り不本意ではある。待ちの九万は今、押川さんが切ったばっかりで3枚切れではあるが、ワンチャンスでもあり、すぐにアガれそう。
そう思っていたところに押川さんより親リーチがかかった。私の一発目のツモが七筒
押川さんの捨て牌は平凡なピンフ模様で、ピンズは1枚も切られていない。アタマの九索は現物で、同巡に小泉さんも切っており、4人に対しても完全安全牌。
強気に勝負するか?それとも九索で回るか?ツモって来た感性は「切れっ!」
そのままツモ切ろうとした。しかしその瞬間、「待てよ。」手が止まった…。
まだドラの発は見えておらず、もしかしたらドラトイツのリャンメンリーチかもしれない。
ここはトップ目なので丁寧に行くべきでは?
幸いアタマの九索で回れるし。入り目も四万で弱いし、待ちもワンチャンスとはいえ、薄そうだし…。
長考する私…。
そして理が感性を押さえ込み、私はいつの間にか九索のトイツ落としをしていた。
その判断を嘲笑うかのかのように、押川さんが4枚目の九万をツモ切る。
「しまった―っ!!」
そして押川さんがツモアガる。
四万五万七索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ三万
一通出来上がりの4,000オールだ。
七筒は通っていた。私はいったい何をやっているのだろう!?
折角強引にやっと流れを引き寄せ始めたというのに、こんな七筒1つ切れないで、てっぺんを取れるとでも思っているのだろうか!?
そしてここから押川さんに怒涛の5連荘を許してしまい、持ち点は一気に6万点オーバーで大トップを取る。
藤本に肉薄し、対抗馬として名乗りを上げた。
無論、この連荘の責任は私にある。弱気な私は1人浮きはおろか、トップも転落し、この後の後半戦も私に二度と風が吹く事はなかった。
事実上の私の敗因となる一打。たった1枚の七筒を切れなかっただけで、私の半年間目指して来た「優勝」の二文字が泡となって消えてしまった。
一打がその局を、その半荘を、そして優勝を決めてしまう。
それが麻雀というものなのであろう…。
2回戦結果
押川さん+38.3P 浦田+11.2P 藤本▲12.3P 小泉さん▲37.2P
トータル結果
藤本+65.0P 押川さん+52.0P 浦田+2.1P 小泉さん▲49.1P
 
3回戦
1回戦で1人浮きのトップを取り、優勝のカウントダウンかと思われた藤本だが、押川さんの猛追にあい、一気に2人の一騎打ちの様相を呈して来た。
浦田と小泉さんはかなり厳しくなってきたが、とりあえず大きなトップを取り、天命を待つ。
3回戦も1・2回戦同様、藤本と押川さんのペースで進む。
だから、こういう回数の限られた麻雀は序盤戦が大事なのである。
ツキを練り固められた側と、そうでない者の差が、このあたりから鮮明に表れてくる。
東場で全然手が入らなかった私に、南1局にチャンス手が来る。
南1局 ダブ南をポン、七索をチーして1シャンテン。
一索白白白発発中  ポン南南南  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き  ドラ一索
リャンメンを鳴いてまだ1シャンテンというところが、いかにも態勢の無さを感じるが、もう格好を構っている場合ではない。
しかし、ここからなかなかテンパイにならない。
そうしているうち、親の押川さんが六索中と強烈に押してきた。
アタれば跳満まで見えている私の仕掛けにである。ホンイツだろうが、三元役だろうが、勝負する時は勝負する。決してサボらない。保留にしない。
こういうところが押川さんの強さたる所以であろう。
そして終局間際、私はテンパイした為、一索を勝負すると、押川さんが手を開く。
六万六万七万七万一索二索二索三索三索四索四索七筒七筒  ロン一索
七対子ドラ2の9,600放銃。
同じ勝負牌でも、押川さんと私のそれとでは、あまりにも質が違い過ぎた。
押川さんはこのアガリが効いて、3回戦もトップ。藤本もかろうじて浮きを確保したが、ついに押川さんが逆転し、首位に立つ。
3回戦結果
押川さん+33.6P 藤本+4.7P 浦田▲8.4P 小泉さん▲29.9P
トータル結果
押川さん+85.6P 藤本+69.7P 浦田▲6.3P 小泉さん▲79.0P
 
最終4回戦
1回戦終了時に60P以上離していた藤本であったが、逆に追いかけるカタチとなってしまった。その差は15.9P。
浦田と小泉さんが大人しくなる展開を予想すれば、押川さん浮き2着で12Pの点差が必要となろうか?
大接戦になった運命の最終戦…。
東3局 ドラ二筒をトイツにして私がリーチ、呼応して小泉さんもメンピンドラ1高目イーペイコウの追いかけリーチを放つ。
両者共に満貫手であるが、やはり本日の主役ではない。
2人のリーチを掻い潜ってアガったのは藤本。
一索一索一索西西発発  加カン七索 上向き七索 上向き七索 上向き七索 上向き  暗カン牌の背八筒 下向き八筒 下向き牌の背  ロン西  ドラ二筒
浦田より討ち取り、大きな大きな7,700のアガリ。
この時点で押川さんと藤本はほぼ並びとなる。
南1局 親の藤本
一索二索三索四筒五筒南南南中中  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ドラ九索
ソウズのホンイツにも見え、藤本の捨て牌の序盤に四筒が1枚切られており、点数こそ安いが、アガリは簡単に拾えそう。
そんな中、押川さんにテンパイが入る。
二万二万四万五万六万三筒五筒六筒六筒六筒発発発  ドラ九索
現時点でほぼ原点の押川さん。沈みたくもなく、何とかこの親を落としたいが、待ちも悪く、藤本には打ちにくい牌も多い。放銃すれば親満もありえそうなので、この局が決定機になってしまうかも…。
しかし、押川さんは腹を括ってここも強烈に押していく。
生牌の中東、ついにはドラの九索まで切っていく。
凄い!これが覚悟した人間の勝負というものだろうか。
結末は藤本から四筒がツモ切られ、押川さんの執念が実る。
正に決定機となる1局となった。
オーラス 押川さんがトップ目のため、1局勝負。
藤本が押川さんを逆転する条件は、満貫直撃か跳満ツモ。
(ちなみに浦田・小泉さんからだと三倍満アガリ。)
決して不可能な条件ではないが、果たしてどちらに女神は舞い降りるのか?
2巡目、小泉さんが七万を切ると「ロン」の声。
三万三万六万七万八万八万九万二筒三筒四筒白白白
なんと押川さんがドラ暗刻の親満をアガリ。
これにて藤本もほぼ条件が無くなり、次局で終了。
押川さんの優勝が決定した。
4回戦結果
押川さん+28.0P 藤本+9.0 浦田▲13.9P 小泉さん▲23.1P
トータル結果
優勝 押川さん+113.6P
2位 藤本+78.7P
3位 浦田▲20.2P
4位 小泉さん▲102.1P
100
優勝された押川さん、おめでとうございます。
第13期に初優勝を果たされてから、3期連続の決勝進出で、今期も予選で只一人全節プラスと抜群の安定感を誇り、2度目の栄冠となりました。
局後のインタビューで、
「局面局面で、何度も回ろうかと思った場面がありましたが、サボってはいけない、楽してはいけない、と自分に言い聞かせて、勝負しました。」
というコメントが示すとおり、腹を括った、覚悟の一打が非常に鋭く、同卓していてただただ唸るしかありませんでした。
そして、半年前に皆の前で優勝宣言して挑んだ私…。
結果は良いところなく完敗。
さて、次回からどうしようか?悔しい日々が幾ばくか過ぎ、出た結論は…。
「よし、また次回優勝宣言だ!」
狼少年と言われないように頑張ります…。

第28期中部プロリーグ 決勝レポート

最強寒波により名古屋で4センチの積雪を観測した日、その雪を融かしてしまいそうな熱い闘牌が繰り広げられた。第28期中部プロリーグ決勝戦である。しかし勝負の世界、熱くなりすぎるのは禁物だ。最後まで冷静に自分のスタイルを貫いた者が勝利の扉を開くであろう。
決勝進出者を予選の成績とともに紹介していこう。

 

古川 孝次 (1期生/九段)
予選1位(+162.6P) 決勝7回目 過去3回優勝
トップ率:35% (7回/20半荘) その内2回1人浮きトップ
平均順位:2.00位
原点キープ率:70% (14回/20半荘)
ラス率:5% (1回/20半荘)
「優勝目指して頑張ります」

 

伊藤 鉄也 (22期生/四段)
予選2位(+117.2P) 決勝7回目 過去2回優勝
トップ率:45% (9回/20半荘) その内3回1人浮きトップ
平均順位:2.15位
原点キープ率:65% (13回/20半荘)
ラス率:25% (5回/20半荘)
「以前の決勝戦で古川プロに惨敗しているのでリベンジします」

 

日下 健司 (24期生/二段)
予選3位(+70.2P)  決勝5回目 過去2回優勝
トップ率:35% (7回/20半荘) その内3回1人浮きトップ
平均順位:2.40位
原点キープ率:50% (10回/20半荘)
ラス率:20% (4回/20半荘)
「久しぶりの決勝戦なので楽しもうと思います」

 

寺戸 孝志 (21期生/四段)
予選4位(+56.0P) 決勝4回目 過去1回優勝
トップ率:30% (6回/20半荘) その内1回1人浮きトップ
平均順位:2.40位
原点キープ率:60% (12回/20半荘)
ラス率:20% (4回/20半荘) その内1回1人沈みラス
「久しぶりの決勝戦、優勝目指して頑張ります」

以上の4名で決勝戦の熱い闘牌が繰り広げられる。

 

1回戦(起家から、伊藤・寺戸・古川・日下)

東1局、慎重にヤミテンを選択した日下のピンフ、イーペーコーの2,000点で静かに始まった。
東2局、伊藤30,000・寺戸28,000・古川30,000・日下32,000
親の寺戸に大物手が入る。ソーズを3連続引き入れ四索をポンし、その後二索を引き入れ8巡目で跳満のテンパイ。

二索二索四索五索五索六索七索八索八索八索  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ドラ一筒

18,000点のスタートダッシュを決めることができるか。
それに対抗するのが伊藤。

一索二索三索六索七索九索九索一筒二筒三筒  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き

3色ドラ1のテンパイだが、九索を引くと六索を出してしまいそうだ。
日下は三索が浮いていたが切れずにまわって放銃を回避した。序盤の日下はロン牌をつかんではまわって放銃を回避するという場面が多く見られた。我慢の麻雀である。結果、流局し寺戸・伊藤のテンパイで寺戸はチャンス手をものにすることが出来なかった。

南1局、伊藤34,800・寺戸35,200・古川22,200・日下27,800
トップ争いの伊藤の親を落とすべく南家の寺戸が中ポンで積極的に動く。
しかし、伊藤も動いて役牌一気通貫ドラ2のテンパイ。

七索七索一筒二筒三筒四筒五筒南南南  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ドラ七索

ここから、ドラの七索を暗刻⇒二筒五筒待ち⇒二万タンキ⇒地獄待ちの北タンキに変化し

七索七索七索三筒四筒五筒南南南北  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン北

すぐに10巡目からリーチせずに役無しテンパイをしていた日下が北をつかみ12,000点を放銃する。
北で待った伊藤が良かったのか、つかんだ日下が悪かったのか、この日はこの2人の手がぶつかる事が多かった。

南2局、伊藤44,100・寺戸33,800・古川19,800・日下22,300
前局で伊藤の親を落とし反撃態勢の日下が8巡目にリーチ

三万四万五万七索七索三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ  ロン五筒  ドラ六索

一発でトップ目の伊藤が日下のロン牌の五筒を出し7,700点を放銃してしまう。
伊藤の手牌は日下の現物の八万待ちで一気通貫ドラ1のテンパイをしていたのだった。
結果1回戦は本手をなかなか成就できなかった古川が1人沈みのラスで苦しい立ち上がりとなった。

1回戦成績 伊藤+13.1P 寺戸+7.9P 日下+1.5P 古川▲22.5P

 

2回戦(起家から、日下・古川・伊藤・寺戸)

南1局、日下26,400・古川31,200・伊藤36,300・寺戸26,100
親の日下が五万八万待ちピンフリーチするも、すかさず古川がリーチ宣言牌の四筒をチーし、1回戦のマイナス分を取り戻すべく親と勝負する。途中ツモり三暗刻の選択もあったがリャンメンに受けて正解だったようだ。

三万三万五万五万五万四索四索四索六索七索  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ツモ五索  ドラ五万

古川はタンヤオドラ3の2,000・3,900をアガリ加点していく。
もし三万六索のシャンポンに受けていたら他で使われていて純カラであった。麻雀というのは選択の連続である。正しい選択をして良いアガリを導き出すのが麻雀の魅力である。

南2局2本場、日下20,700・古川43,900・伊藤32,800・寺戸22,600
寺戸が雀頭を中張牌に替えタンヤオをつけ、三筒四筒をくっつけて11巡目リーチ。あっさり3巡後に高めの五筒を引き寄せた。

三万四万五万三索四索五索七索七索三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ九索

寺戸が会心の跳満をアガリ、親の古川の勢いを止めた。

南3局、日下17,500・古川37,700・伊藤29,600・寺戸35,200

一索一索一索二索三索四索七索八索南南  ポン北北北  ロン九索  ドラ八索

親の伊藤が日下から7,700点をアガリ、日下に1人沈みのラスを押し付けた。

2回戦成績
古川+15.0P 伊藤+9.6P 寺戸+7.2P 日下▲31.8P

2回戦終了時
伊藤+22.7P 寺戸+15.1P 古川▲7.5P 日下▲30.3P

 

3回戦(起家から、古川・日下・伊藤・寺戸)

東3局1本場 供託1 古川28,000・日下35,200・伊藤23,800・寺戸32,000
古川が早々に一筒をポンし手を作っていく。
しかし寺戸がテンパイし6巡目リーチ

三万四万五万六万六万七万七万八万八万三索三索七索八索  リーチ  ドラ発

古川が11巡目

九万九万九索九索南南南北北発  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ツモ九万

テンパイとなる九万を引く。しかしドラの発を切りきれずに北をおとす。3巡後に痛恨の北を引いてきて跳満のアガリを逃してしまった。結果流局し、最後に親番維持の七対子の発待ちテンパイを入れた伊藤とリーチの寺戸がテンパイとなった。

東3局2本場 供託2 古川26,500・日下33,700・伊藤25,300・寺戸32,500
トータルトップを競っている伊藤の親番で寺戸がリーチして満貫をツモる。

一万一万一万三万四万四万五万六万六索六索六索四筒四筒  リーチ  ツモ二万  ドラ四万

リーチ時に山にアガリ牌は2枚。五万は他に流れ最後の牌を掘り当てた。アガリが欲しいところでアガリを拾える、寺戸は依然好調をキープしている。

南1局、古川23,800・日下35,200・伊藤16,400・寺戸44,600
3回戦にトップを取らないと後がない日下が7巡目にリーチ、リーチ後発を持ってきて暗カン。
それに対抗するのは伊藤、9巡目に追っかけリーチをかける。

二筒三筒四筒五筒五筒五筒七筒八筒九筒東東白白  リーチ  ドラ東

ツモで倍満の勝負手リーチである。3回戦ラス目の伊藤はぜひアガリたいところ。
伊藤の待ち牌はドラの東が寺戸と持ち持ちで白が古川のところに1枚、山に白が1枚、対する日下の待ち牌の七索は山に2枚。

三万四万五万六索八索七筒八筒八筒八筒九筒  暗カン牌の背発発牌の背  リーチ  ツモ七索

日下は手元に七索を引き込み2,000・3,900のアガリをものにし3回戦トップを引き寄せた。
アガリのなかった伊藤は痛恨のラスで一歩後退した。

3回戦成績
日下+24.6P 寺戸+11.5P 古川▲11.0P 伊藤▲26.1P 供託+1.0P

3回戦終了時
寺戸+26.6P 伊藤▲3.4P 日下▲5.7P 古川▲18.5P 供託+1.0P

 

4回戦(起家から、古川・伊藤・寺戸・日下)

東1局、好調で安定感のある寺戸がここでもアガリきる。

三筒五筒五筒五筒五筒六筒六筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  チー三筒 左向き一筒 上向き二筒 上向き  ツモ四筒  ドラ五万

この寺戸を止める者はいるのだろうか。防御力が高く点棒を持った寺戸はなかなか吐き出さない。

南2局 古川26,800・伊藤26,000・寺戸37,000・日下30,200
日下が9巡目にリーチ。4巡後に高目のドラの三索をツモり寺戸に待ったをかける。

二万二万四万五万六万四索五索五索六索七索六筒七筒八筒  リーチ  ツモ三索  ドラ三索

南3局 古川24,800・伊藤22,000・寺戸35,000・日下38,200
寺戸の親を落としたい日下だが四筒をチーテンとらずにスルー。自力で引いてきて11巡目にリーチ。

五万六万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ四万

リーチに対して伊藤は13巡目にテンパイし二万が河に3枚、自分で1枚使用している事からヤミテンを選択した。日下が最後の五万をつかんでしまい伊藤に7,700を放銃する。

二万三万三万四万四万七万七万四索五索六索二筒三筒四筒  ロン五万

南4局 古川24,800・伊藤30,700・寺戸35,000・日下29,500
親の日下が親番維持の為、積極的に中を1鳴き、古川も発を1鳴きしチーもいれて伊藤から1,000をアガった。

六万七万八万四筒五筒東東  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ポン発発発  ロン三筒  ドラ五万

結果トータルトップの寺戸が1人浮きトップとなり寺戸にポイントが加算された。
私の所感ではここで古川には優勝を目指すならば、原点まで5,200なので発を1鳴きせずにもっとじっくり手を作って欲しかった。

4回戦成績
寺戸+17.0P 伊藤▲1.3P 日下▲3.5P 古川▲12.2P

4回戦終了時
寺戸+43.6P 伊藤▲4.7P 日下▲9.2P 古川▲30.7P 供託+1.0P

あと5回戦を残すのみとなった。寺戸はすべて原点をキープしている分トータルトップとなった。寺戸との差は伊藤48.3P、日下52.8P、古川74.3Pと開いたが、まだ十分逆転のチャンスはある。

 

5回戦(起家から、伊藤・日下・古川・寺戸)

東場・南場と小場で局が進んで行き南3局を迎えた。
南3局 伊藤33,500・日下16,900・古川45,900・寺戸23,700
伊藤が逆転に向けてピンフ高目三色ドラ2リーチ。

四万五万九万九万三索四索五索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ロン三万  ドラ九万

親落ちするわけにはいかない古川から高目になる三万が打牌され、伊藤は最終局に望みを繋げる12,000をアガった。

南4局 伊藤45,500・日下16,900・古川33,900・寺戸23,700
ここで優勝条件確認をしよう。条件を満たして逆転した時の感動もまた麻雀の魅力である。
寺戸は親なので流局で伏せれば優勝。
伊藤の条件は5回戦始まる前の寺戸との差が48.3Pあったが5回戦は順位点込みで33.8P縮めている。寺戸からは7,700以上直撃、跳満ツモ条件、他者からは倍満条件となる。
日下の条件は、寺戸から役満直撃もしくは役満ツモ条件、他者からはダブル役満条件となる。
古川はダブル役満アガリ条件となっている。

最終局が始まった。
一番条件が現実的な伊藤の配牌は

五万七万八万九万一索三索五索六索二筒七筒八筒西北  ドラ中

跳満ツモにかけるならチャンタ三色狙いか。
しかしテンパイを入れる事すら叶わず、伊藤の最後の打牌が終わると全員の手が伏せられ拍手が鳴り響いた。
28期中部プロリーグの優勝者が決定した瞬間だった。寺戸は安堵の表情を見せた。
おめでとうございます!

5回戦成績
伊藤+23.5P 古川+7.9P 寺戸▲10.3P 日下▲21.1P

5回戦終了時
寺戸+33.3P 伊藤+18.8P 古川▲22.8P 日下▲30.3P 供託+1.0P

最後に寺戸から優勝者のコメントを頂いた。
「2回目の中部プロリーグの優勝嬉しいです。致命的な放銃が無かったのが良かったです。これからも良い麻雀が打てるよう様に精進します。」

今回決勝レポートを書くにあたり自分の中で麻雀に対して熱くなるものがありました。自分も良い麻雀が打てる様、放銃して熱くなり過ぎない様に頑張ります。
拙い文章でしたが最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
私なりに決勝戦のデータを調べましたので参考にしてください。やはり寺戸の平均放銃点が低い!

決勝戦全57局 寺戸 孝志 伊藤 鉄也 古川 孝次 日下 健司
リーチ率 8.77%(5回) 8.77%(5回) 14.04%(8回) 15.79%(9回)
副露率 22.81%(13回) 26.32%(15回) 42.11%(24回) 7.02%(4回)
和了率 17.54%(10回) 17.54%(10回) 19.30%(11回) 22.81%(13回)
平均和了点 4,120 5,310 2,873 4,000
放銃率 10.53%(6回) 8.77%(5回) 10.53%(6回) 19.30%(11回)
平均放銃点 1,950 3,760 3,833 4,018

100

前列左より:寺戸 孝志、木村本部長
後列左より:伊藤 鉄也、古川 孝次、日下 健司

中部プロリーグ レポート/第28期中部プロリーグ 決勝レポート

最強寒波により名古屋で4センチの積雪を観測した日、その雪を融かしてしまいそうな熱い闘牌が繰り広げられた。第28期中部プロリーグ決勝戦である。しかし勝負の世界、熱くなりすぎるのは禁物だ。最後まで冷静に自分のスタイルを貫いた者が勝利の扉を開くであろう。
決勝進出者を予選の成績とともに紹介していこう。
 
古川 孝次 (1期生/九段)
予選1位(+162.6P) 決勝7回目 過去3回優勝
トップ率:35% (7回/20半荘) その内2回1人浮きトップ
平均順位:2.00位
原点キープ率:70% (14回/20半荘)
ラス率:5% (1回/20半荘)
「優勝目指して頑張ります」
 
伊藤 鉄也 (22期生/四段)
予選2位(+117.2P) 決勝7回目 過去2回優勝
トップ率:45% (9回/20半荘) その内3回1人浮きトップ
平均順位:2.15位
原点キープ率:65% (13回/20半荘)
ラス率:25% (5回/20半荘)
「以前の決勝戦で古川プロに惨敗しているのでリベンジします」
 
日下 健司 (24期生/二段)
予選3位(+70.2P)  決勝5回目 過去2回優勝
トップ率:35% (7回/20半荘) その内3回1人浮きトップ
平均順位:2.40位
原点キープ率:50% (10回/20半荘)
ラス率:20% (4回/20半荘)
「久しぶりの決勝戦なので楽しもうと思います」
 
寺戸 孝志 (21期生/四段)
予選4位(+56.0P) 決勝4回目 過去1回優勝
トップ率:30% (6回/20半荘) その内1回1人浮きトップ
平均順位:2.40位
原点キープ率:60% (12回/20半荘)
ラス率:20% (4回/20半荘) その内1回1人沈みラス
「久しぶりの決勝戦、優勝目指して頑張ります」
以上の4名で決勝戦の熱い闘牌が繰り広げられる。
 
1回戦(起家から、伊藤・寺戸・古川・日下)
東1局、慎重にヤミテンを選択した日下のピンフ、イーペーコーの2,000点で静かに始まった。
東2局、伊藤30,000・寺戸28,000・古川30,000・日下32,000
親の寺戸に大物手が入る。ソーズを3連続引き入れ四索をポンし、その後二索を引き入れ8巡目で跳満のテンパイ。
二索二索四索五索五索六索七索八索八索八索  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ドラ一筒
18,000点のスタートダッシュを決めることができるか。
それに対抗するのが伊藤。
一索二索三索六索七索九索九索一筒二筒三筒  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き
3色ドラ1のテンパイだが、九索を引くと六索を出してしまいそうだ。
日下は三索が浮いていたが切れずにまわって放銃を回避した。序盤の日下はロン牌をつかんではまわって放銃を回避するという場面が多く見られた。我慢の麻雀である。結果、流局し寺戸・伊藤のテンパイで寺戸はチャンス手をものにすることが出来なかった。
南1局、伊藤34,800・寺戸35,200・古川22,200・日下27,800
トップ争いの伊藤の親を落とすべく南家の寺戸が中ポンで積極的に動く。
しかし、伊藤も動いて役牌一気通貫ドラ2のテンパイ。
七索七索一筒二筒三筒四筒五筒南南南  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ドラ七索
ここから、ドラの七索を暗刻⇒二筒五筒待ち⇒二万タンキ⇒地獄待ちの北タンキに変化し
七索七索七索三筒四筒五筒南南南北  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン北
すぐに10巡目からリーチせずに役無しテンパイをしていた日下が北をつかみ12,000点を放銃する。
北で待った伊藤が良かったのか、つかんだ日下が悪かったのか、この日はこの2人の手がぶつかる事が多かった。
南2局、伊藤44,100・寺戸33,800・古川19,800・日下22,300
前局で伊藤の親を落とし反撃態勢の日下が8巡目にリーチ
三万四万五万七索七索三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ  ロン五筒  ドラ六索
一発でトップ目の伊藤が日下のロン牌の五筒を出し7,700点を放銃してしまう。
伊藤の手牌は日下の現物の八万待ちで一気通貫ドラ1のテンパイをしていたのだった。
結果1回戦は本手をなかなか成就できなかった古川が1人沈みのラスで苦しい立ち上がりとなった。
1回戦成績 伊藤+13.1P 寺戸+7.9P 日下+1.5P 古川▲22.5P
 
2回戦(起家から、日下・古川・伊藤・寺戸)
南1局、日下26,400・古川31,200・伊藤36,300・寺戸26,100
親の日下が五万八万待ちピンフリーチするも、すかさず古川がリーチ宣言牌の四筒をチーし、1回戦のマイナス分を取り戻すべく親と勝負する。途中ツモり三暗刻の選択もあったがリャンメンに受けて正解だったようだ。
三万三万五万五万五万四索四索四索六索七索  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ツモ五索  ドラ五万
古川はタンヤオドラ3の2,000・3,900をアガリ加点していく。
もし三万六索のシャンポンに受けていたら他で使われていて純カラであった。麻雀というのは選択の連続である。正しい選択をして良いアガリを導き出すのが麻雀の魅力である。
南2局2本場、日下20,700・古川43,900・伊藤32,800・寺戸22,600
寺戸が雀頭を中張牌に替えタンヤオをつけ、三筒四筒をくっつけて11巡目リーチ。あっさり3巡後に高めの五筒を引き寄せた。
三万四万五万三索四索五索七索七索三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ九索
寺戸が会心の跳満をアガリ、親の古川の勢いを止めた。
南3局、日下17,500・古川37,700・伊藤29,600・寺戸35,200
一索一索一索二索三索四索七索八索南南  ポン北北北  ロン九索  ドラ八索
親の伊藤が日下から7,700点をアガリ、日下に1人沈みのラスを押し付けた。
2回戦成績
古川+15.0P 伊藤+9.6P 寺戸+7.2P 日下▲31.8P
2回戦終了時
伊藤+22.7P 寺戸+15.1P 古川▲7.5P 日下▲30.3P
 
3回戦(起家から、古川・日下・伊藤・寺戸)
東3局1本場 供託1 古川28,000・日下35,200・伊藤23,800・寺戸32,000
古川が早々に一筒をポンし手を作っていく。
しかし寺戸がテンパイし6巡目リーチ
三万四万五万六万六万七万七万八万八万三索三索七索八索  リーチ  ドラ発
古川が11巡目
九万九万九索九索南南南北北発  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ツモ九万
テンパイとなる九万を引く。しかしドラの発を切りきれずに北をおとす。3巡後に痛恨の北を引いてきて跳満のアガリを逃してしまった。結果流局し、最後に親番維持の七対子の発待ちテンパイを入れた伊藤とリーチの寺戸がテンパイとなった。
東3局2本場 供託2 古川26,500・日下33,700・伊藤25,300・寺戸32,500
トータルトップを競っている伊藤の親番で寺戸がリーチして満貫をツモる。
一万一万一万三万四万四万五万六万六索六索六索四筒四筒  リーチ  ツモ二万  ドラ四万
リーチ時に山にアガリ牌は2枚。五万は他に流れ最後の牌を掘り当てた。アガリが欲しいところでアガリを拾える、寺戸は依然好調をキープしている。
南1局、古川23,800・日下35,200・伊藤16,400・寺戸44,600
3回戦にトップを取らないと後がない日下が7巡目にリーチ、リーチ後発を持ってきて暗カン。
それに対抗するのは伊藤、9巡目に追っかけリーチをかける。
二筒三筒四筒五筒五筒五筒七筒八筒九筒東東白白  リーチ  ドラ東
ツモで倍満の勝負手リーチである。3回戦ラス目の伊藤はぜひアガリたいところ。
伊藤の待ち牌はドラの東が寺戸と持ち持ちで白が古川のところに1枚、山に白が1枚、対する日下の待ち牌の七索は山に2枚。
三万四万五万六索八索七筒八筒八筒八筒九筒  暗カン牌の背発発牌の背  リーチ  ツモ七索
日下は手元に七索を引き込み2,000・3,900のアガリをものにし3回戦トップを引き寄せた。
アガリのなかった伊藤は痛恨のラスで一歩後退した。
3回戦成績
日下+24.6P 寺戸+11.5P 古川▲11.0P 伊藤▲26.1P 供託+1.0P
3回戦終了時
寺戸+26.6P 伊藤▲3.4P 日下▲5.7P 古川▲18.5P 供託+1.0P
 
4回戦(起家から、古川・伊藤・寺戸・日下)
東1局、好調で安定感のある寺戸がここでもアガリきる。
三筒五筒五筒五筒五筒六筒六筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  チー三筒 左向き一筒 上向き二筒 上向き  ツモ四筒  ドラ五万
この寺戸を止める者はいるのだろうか。防御力が高く点棒を持った寺戸はなかなか吐き出さない。
南2局 古川26,800・伊藤26,000・寺戸37,000・日下30,200
日下が9巡目にリーチ。4巡後に高目のドラの三索をツモり寺戸に待ったをかける。
二万二万四万五万六万四索五索五索六索七索六筒七筒八筒  リーチ  ツモ三索  ドラ三索
南3局 古川24,800・伊藤22,000・寺戸35,000・日下38,200
寺戸の親を落としたい日下だが四筒をチーテンとらずにスルー。自力で引いてきて11巡目にリーチ。
五万六万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ四万
リーチに対して伊藤は13巡目にテンパイし二万が河に3枚、自分で1枚使用している事からヤミテンを選択した。日下が最後の五万をつかんでしまい伊藤に7,700を放銃する。
二万三万三万四万四万七万七万四索五索六索二筒三筒四筒  ロン五万
南4局 古川24,800・伊藤30,700・寺戸35,000・日下29,500
親の日下が親番維持の為、積極的に中を1鳴き、古川も発を1鳴きしチーもいれて伊藤から1,000をアガった。
六万七万八万四筒五筒東東  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ポン発発発  ロン三筒  ドラ五万
結果トータルトップの寺戸が1人浮きトップとなり寺戸にポイントが加算された。
私の所感ではここで古川には優勝を目指すならば、原点まで5,200なので発を1鳴きせずにもっとじっくり手を作って欲しかった。
4回戦成績
寺戸+17.0P 伊藤▲1.3P 日下▲3.5P 古川▲12.2P
4回戦終了時
寺戸+43.6P 伊藤▲4.7P 日下▲9.2P 古川▲30.7P 供託+1.0P
あと5回戦を残すのみとなった。寺戸はすべて原点をキープしている分トータルトップとなった。寺戸との差は伊藤48.3P、日下52.8P、古川74.3Pと開いたが、まだ十分逆転のチャンスはある。
 
5回戦(起家から、伊藤・日下・古川・寺戸)
東場・南場と小場で局が進んで行き南3局を迎えた。
南3局 伊藤33,500・日下16,900・古川45,900・寺戸23,700
伊藤が逆転に向けてピンフ高目三色ドラ2リーチ。
四万五万九万九万三索四索五索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ロン三万  ドラ九万
親落ちするわけにはいかない古川から高目になる三万が打牌され、伊藤は最終局に望みを繋げる12,000をアガった。
南4局 伊藤45,500・日下16,900・古川33,900・寺戸23,700
ここで優勝条件確認をしよう。条件を満たして逆転した時の感動もまた麻雀の魅力である。
寺戸は親なので流局で伏せれば優勝。
伊藤の条件は5回戦始まる前の寺戸との差が48.3Pあったが5回戦は順位点込みで33.8P縮めている。寺戸からは7,700以上直撃、跳満ツモ条件、他者からは倍満条件となる。
日下の条件は、寺戸から役満直撃もしくは役満ツモ条件、他者からはダブル役満条件となる。
古川はダブル役満アガリ条件となっている。
最終局が始まった。
一番条件が現実的な伊藤の配牌は
五万七万八万九万一索三索五索六索二筒七筒八筒西北  ドラ中
跳満ツモにかけるならチャンタ三色狙いか。
しかしテンパイを入れる事すら叶わず、伊藤の最後の打牌が終わると全員の手が伏せられ拍手が鳴り響いた。
28期中部プロリーグの優勝者が決定した瞬間だった。寺戸は安堵の表情を見せた。
おめでとうございます!
5回戦成績
伊藤+23.5P 古川+7.9P 寺戸▲10.3P 日下▲21.1P
5回戦終了時
寺戸+33.3P 伊藤+18.8P 古川▲22.8P 日下▲30.3P 供託+1.0P
最後に寺戸から優勝者のコメントを頂いた。
「2回目の中部プロリーグの優勝嬉しいです。致命的な放銃が無かったのが良かったです。これからも良い麻雀が打てるよう様に精進します。」
今回決勝レポートを書くにあたり自分の中で麻雀に対して熱くなるものがありました。自分も良い麻雀が打てる様、放銃して熱くなり過ぎない様に頑張ります。
拙い文章でしたが最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
私なりに決勝戦のデータを調べましたので参考にしてください。やはり寺戸の平均放銃点が低い!

決勝戦全57局 寺戸 孝志 伊藤 鉄也 古川 孝次 日下 健司
リーチ率 8.77%(5回) 8.77%(5回) 14.04%(8回) 15.79%(9回)
副露率 22.81%(13回) 26.32%(15回) 42.11%(24回) 7.02%(4回)
和了率 17.54%(10回) 17.54%(10回) 19.30%(11回) 22.81%(13回)
平均和了点 4,120 5,310 2,873 4,000
放銃率 10.53%(6回) 8.77%(5回) 10.53%(6回) 19.30%(11回)
平均放銃点 1,950 3,760 3,833 4,018

100
前列左より:寺戸 孝志、木村本部長
後列左より:伊藤 鉄也、古川 孝次、日下 健司

第17期皇帝位決定戦 初日

皇帝位。
九州本部に所属している者ならば、誰しもが手にしたいタイトル。
Aリーガー16名で戦う1年間、10節、40半荘。
上位4名にだけ与えられる、決定戦への切符。
1年間を戦い抜いた、今回の4名の対局者を紹介させて頂きます。
1位通過 中尾多門プロ

リーグ戦が始まる春先に、彼は私にこう言った。
「俺、絶対決定戦残るから。今までとは比べ物にならないくらい、真面目に取り組むから。」
その言葉を1位通過で有言実行してくれた。
スピードのあるテンポの良い麻雀を打ち、勝負所での戦い方はずば抜けている選手。
彼が展開を握れば、他の三者は苦戦するだろう。
100

 

 

2位通過 浜上文吾プロ

九州本部の顔と言っても過言ではないこの方。
昨年よりも引き出しが増え、いろんな技を使い分けて戦い、決定戦進出の切符を手にした。
目先のことではなく二手先のことを常に考え、大局観を大切にする打ち手。
初戦の入りがキーポイントとなるだろう。
100

 

 

3位通過 塚本将之プロ

前半戦は我慢が続くも、後半持ち味を生かした戦い方で見事決定戦進出。
自分に厳しく、とてもストイック。
どっしりと腰を据えた彼の麻雀は、見ている者を魅了する。
昨年の悔しさを晴らし、初の皇帝位となるか?
100

 

 

4位通過 安東裕允プロ

8節まではマイナスポイントだったが、最後の2節で120ポイントを上乗せし、決定戦進出を決めた。
多くの技を繰り出し、その場面に応じた戦い方をする打ち手。
他の三者からすると、安東はとても厄介な相手になるだろう。
100

 

誰が勝ってもおかしくない、今回の対局者達。
私の大好きな、尊敬する先輩達。
この対局を記録に残したい…たくさんの人に伝えたい…そう思い、自ら観戦記者をさせてほしいと志願した。

会場へ選手が集まった。
いつも多忙なイメージのある対局者達だが、皆口をそろえて「よく寝た!」と言っていた。
睡眠不足は、麻雀を打つ上で一番の障害となる。
当たり前のようだが、試合の前日はなかなか寝付けないもの。
しかし4名の対局者達は、各々コンディションを整えて会場へとやってきた。

中村本部長の挨拶があり、牌チェック、諸注意と進んでいく。
長いようで短い2日間が幕を開けた。

 

100
100

 

 

1回戦(起家から塚本、安東、浜上、中尾)

東1局0本場 親塚本 ドラ五筒
開局いきなりドラドラの好配牌の塚本。
四万五万五万八万一索九索二筒三筒三筒五筒五筒七筒八筒八筒
この手を、開局したばかりの今、どう育てていくのだろう。
私は心を躍らせた。
塚本の今日の戦い方が、この1局で見えるのでは…と思ったからだ。
9巡目、塚本が動く。
塚本
二万四万五万五万五筒五筒六筒七筒八筒発  ポン三筒 上向き三筒 左向き三筒 上向き
タンヤオを確定させる六筒を前巡に引き入れ、仕掛けやすい手格好となってすぐ浜上から三筒が打ちだされる。
しかし、この仕掛けを見て戦いを挑む者がいた。
中尾は6巡目にタンヤオ七対子をテンパイし、ヤミテンに構えていたのだ。
中尾
四万四万六万六万二索二索四索四索六索八索八索六筒六筒

六索待ちから七索待ちに変え、9巡目の塚本の仕掛けを見てツモ切りリーチ。
このリーチを見て、塚本はどうするのか?
(きっと真っ向勝負をしてくれるはず!)
私はそう思いながら見ていた。
12巡目に自力で五万を引き入れ、カン三万待ちの聴牌。
そこからは塚本、中尾のめくり合い。
塚本
二万四万五万五万五万五筒五筒六筒七筒八筒  ポン三筒 上向き三筒 左向き三筒 上向き  ツモ三万
17巡目、塚本が力強く三万をツモ。
2,000オールの和了となった。

続く、東1局1本場 ドラ九索
今度は安東に好配牌!
六万七万八万五索五索六索七索七索三筒四筒五筒六筒七筒
ダブル立直とまではいかずとも、高打点が見込める最高の配牌。
しかし、4巡目に引き入れたのは三色の崩れる五索だった。
だが巡目も早く好形のため、安東はリーチを選択する。
このリーチを受けた塚本の手牌。
一万二万三万四万一索三索四索四索四索五索八索二筒三筒
5巡目、この手に四万を引き入れ五索を勝負する。
次巡一筒を引き入れリーチ。
入り目を打たれ、追いかけられた安東はどんな心境だっただろう。
そして、即二索をツモあがる塚本。
3,900は4,000オールの和了をものにする。
(恐い…塚本さん恐い…)
会場にいる皆がそう思ったことだろう。

東1局2本場 ドラ二筒
塚本の配牌
二万三索五索六索六索六索三筒三筒三筒六筒六筒六筒西北
三暗刻が…出来あがっている…
この親をどこまで続けるつもりなんだ…
大物手間違いなしのこの配牌、5巡目に4枚目の六筒を持ってきて暗カン、リンシャンから三索を引き入れ、四暗刻イーシャンテンになる。
六万三索三索五索六索六索六索三筒三筒三筒  暗カン牌の背六筒 上向き六筒 上向き牌の背
ここに次巡七万を引き入れ打五索、タンヤオ三暗刻のテンパイ。
一手変わるとツモり四暗刻である。
5巡後、浜上から五万が打ち出され、11,600は12,200の出和がりとなった。
この時の浜上の手牌。
三万四万五万五万六万八万八万八索四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ二万  打五万
12巡目と巡目も深く、二万が塚本の現物でもあることから、この放銃は浜上らしくないな…と思った。

続く3本場も、10巡目に安東から1,500は2,400を和了。

4本場、浜上が500/1,000は900/1,400をツモ。
ようやく塚本の親をここで終わらせる。

道中、先頭を走る塚本に食らいついていたのは安東。
南2局の親番では6本場まで積み、44,600まで点棒を増やす。

親番の猛追は素晴らしいものだった。
塚本は安東に捲くられる危機を覚えたに違いない。
安東と対局したことのある人にしかわからない、安東の粘り強さ。
これは安東の持ち味のひとつだ。

逆に苦しいのは浜上と中尾。
和了に絡めず、我慢の時を過ごす。

南3局、親番の浜上にチャンスが訪れる。
下家の中尾の仕掛けによってドラの三筒が重なり、平和のみの手が平和ドラドラに。
浜上
二万三万四万五万六万七万一索二索三索四索五索三筒三筒  リーチ  ツモ三索

リーチを打ち、見事4,000オールをツモ。

中尾もオーラスの親番意地を見せるが、2,000は2,300の横移動にて1回戦目が終了。

1回戦成績
塚本 +39.5p 安東 +17.2p 浜上 ▲24.0p 中尾 ▲32.7p

 

2回戦(起家から塚本、中尾、浜上、安東)

東3局2本場 親浜上 ドラ四索
2巡目、ドラ対子の塚本が早々と自風の西をポン。
続いて、仕掛けにより引き入れた中をポン。
手は対子系に育ち13巡目、ハネ満のテンパイをいれる。
塚本
四索四索三筒三筒六筒六筒六筒  ポン西西西  ポン中中中
しかし、前巡安東からリーチが入っている。
塚本の仕掛けを受けてのリーチだ、こちらも勝負手のはず!
安東
三万四万三索四索五索六索七索八索三筒四筒五筒八筒八筒
ハネ満vs高めツモでハネ満。
見ている者をワクワクさせる、高打点勝負。
塚本と安東のめくり合いの末、流局。
お互い、この手は決めさせてくれと願っただろう。
麻雀の神様は、とても気まぐれである。

話はいきなりそれるが、人にはイメージ、印象というものがある。
それは麻雀にもいえること。
「この打ち手がこの仕掛けをするということは、打点が伴っているはずだ。」
など、対局をするうえで人読みも入ってくる。

塚本に対する皆のイメージは、どっしりとした、打点のある手をつくる打ち手。
そして、とっても繊細な麻雀を打つ。
ざっとではあるが、こんな感じではないだろうか。

今回の皇帝位戦に向けて、塚本はそれ以外の武器をたくさん調達してきた。
いや、今まであまり出していなかっただけで、ここぞという時に最強の武器になるよう、いつでも出せるように懐で温めていたのかも知れない。

そんな彼の意外な一面をみた1局があった。

南3局1本場 親浜上 ドラ三万
前局、親の浜上が2,000オールをツモあがりし、持ち点を49,700にまでのばしていた。
もう親番のない塚本は、南3局の現時点で18,000持ちのラス目。
その塚本の配牌。
五万五万二索三索六索一筒三筒六筒九筒西白白中
決していいとは言えない。
だが、安東が第1打に切った白をポンするのだ。
私はこのとき浜上の後ろで観戦していたので、塚本の手は見ていない。
しかし勝手に「ん?ドラ対子かな?染め手かな?」と想像していた。
4巡目にカン二筒をチー。
8巡目に六筒をポン。打八筒で手牌が4枚になる。
そして、10巡目に浜上が打ち出す四索にロンの声がかかる。
塚本が開いた手牌は五万五万二索三索
衝撃を受けた。
18,000のラス目の塚本が、この仕掛けをするイメージがまったくなかったからだ。
後に本人に聞いてみた。
「もうラスは受け入れていた。でも戦わないと、浜上さんに加点され続けるかもしれないからね。もらった手材料で、やれることをやっただけだよ。」
温めていた武器、ここで出したのか…。
四索を打ち出した浜上の手は、十分形だった。
三万四万七万八万五索五索六索六索七索七索四筒五筒五筒
6,000オールまで見えるこの手を、塚本は隠していた武器で封じたのだ。

日頃から周りに与えているイメージがあるからこそ、この仕掛けが恐いものに見える。
それを彼はよくわかっていた。

2回戦成績
浜上 +24.8p 安東 +4.0p 中尾 ▲10.1p 塚本 ▲18.7p

2回戦終了時
安東 +21.2p 塚本 +20.8p 浜上 +0.8p 中尾 ▲42.8p

 

3回戦(起家から中尾、浜上、安東、塚本)

2回戦を終えて、中尾1人で負債を抱える形となった。
私の知る中尾は、いつも余裕があり、堂々としている。
しかし、休憩中の中尾の表情に余裕の文字はなかった。
決定戦を戦う彼らにしかわからないプレッシャーがあるのだろう。
声をかけたい衝動にかられたが、心の中で(頑張れ!!)と呟き、ぐっと我慢した。

東1局、塚本が技ありの2,600をアガる。
ドラのない三色のカン三万、これはAルールだとリーチ選択をすることが多い。
これをヤミテンに構え、浜上から見事打ち取るのだ。
親の中尾がダブ東をポン、カン二索をチーして六筒九筒待ちのテンパイをいれていた。
そして持ってきた六万を中尾がツモ切り、すぐ浜上から三万が打ち出される。
三万で、高めハネマンテンパイの浜上。
この三万を放銃した浜上は、後に「堪えたよー」と話してくれた。

道中、浜上の繊細な打ちまわしに目がいった。
親の動向をしっかり観察し、親が仕掛けようものなら一切親の有益になることはしない。
彼がきつい牌を打ち出す時は、勝機のあるテンパイ打牌であることがほとんどだ。
北家の浜上の粘り強さを思い知らされる。

南2局0本場 親浜上 ドラ七索
ここまで苦しい展開の中尾にようやく先制リーチが入る。
中尾
四万四万四万六万六万六万七万八万九万七索七索二筒二筒  リーチ  ロン二筒
二筒を安東から出アガり、5,200。

中尾36,900 浜上34,700 安東17,700 塚本30,700
ここでトップ目にに浮上する。

オーラス、親の塚本が渾身の2,600オールをツモあがり局面を一歩リードする。
塚本
一筒三筒五筒六筒七筒八筒八筒  ポン中中中  ポン西西西  ツモ二筒

しかしオーラス1本場、ドラ四万 浜上が31,600持ちからリーチ。
浜上
二万三万四万四万五万七万八万九万一索二索三索六索六索  リーチ  ツモ三万

2,000/4,000は2,100/4,100を見事ツモあがり2連勝。
攻守のバランスが良く、実に浜上らしい見事な1半荘だった。

3回戦成績
浜上 +17.9p 中尾 +7.2p 塚本 +4.9p 安東 ▲30.0p

3回戦終了時
塚本 +25.7p 浜上 +18.7p 安東 ▲8.8p 中尾 ▲35.6p

 

4回戦(起家から中尾、塚本、安東、浜上)

皇帝位決定戦初日も、残すところあと1半荘。
8半荘で優勝者が決まる今回のシステム。
通年のリーグ戦とは戦い方も変わってくる。
それを特に体現しているのが塚本だ。

浜上はいつもと変わらず終始落ち着いた様子。
安東も中尾も、私の知る2人だ。

しかし塚本に関しては、知らない一面が垣間見える。
観戦者が思わず覗き込みたくなるような戦いを見せてくれる。

そんなことを思いながら観戦していると、東3局に事件がおこる。

東3局0本場 親安東 ドラ六筒
11巡目、中尾から打ち出された東に浜上からロンの声。
手牌をそっと倒し「32,000」の発声が会場内に響く。
浜上
一万九万一索九索九索一筒九筒東西北白発中  ロン東

このときの中尾の手牌はこちら。
二万三万四万四万五万六万四索五索六索四筒六筒白白
三色ドラ1のテンパイ。
序盤からピンズが安く五筒の場況がよく見え、実際山には4枚眠っていた。
中尾の態勢の悪さを物語っている。
しかし、中尾は表情には出さずはっきりと「はい」と答え、点棒を渡していた。
彼の潔い、プロとしての姿勢は素晴らしい。

南1局1本場 親塚本 ドラ二万
好配牌の塚本、カン二万をツモ、四索を重ね雀頭にしてのリーチ。
一万二万三万五万六万七万四索四索六索六索七索八索八索  リーチ  ツモ七索
力強く七索をツモ!3,900は4,000オールのあがり。

オーラス、ドラ四筒
中尾
七万八万九万四索五索八索八索八索六筒七筒八筒東東  リーチ

三索六索待ちのリーチを打つも、四万をツモり、塚本に2600を放銃し、終局。

塚本
四万四万六万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  ロン四万

4回戦成績
浜上 +37.1p 塚本 +22.5p 安東 ▲8.5p 中尾 ▲51.1p

4回戦終了時
浜上 +55.8p 塚本 +48.2p 安東 ▲17.3p 中尾 ▲86.7p

 

前半戦が終わった。
私が予想していたより、大きなポイント差が生まれる結果となった。
残り4回戦で今期の皇帝位が決まる。

浜上と塚本の一騎打ちとなるのか。
安東、中尾が意地をみせるのか。
最後まで目が離せない。

九州プロリーグ レポート/第17期皇帝位決定戦 初日

皇帝位。
九州本部に所属している者ならば、誰しもが手にしたいタイトル。
Aリーガー16名で戦う1年間、10節、40半荘。
上位4名にだけ与えられる、決定戦への切符。
1年間を戦い抜いた、今回の4名の対局者を紹介させて頂きます。
1位通過 中尾多門プロ
リーグ戦が始まる春先に、彼は私にこう言った。
「俺、絶対決定戦残るから。今までとは比べ物にならないくらい、真面目に取り組むから。」
その言葉を1位通過で有言実行してくれた。
スピードのあるテンポの良い麻雀を打ち、勝負所での戦い方はずば抜けている選手。
彼が展開を握れば、他の三者は苦戦するだろう。
100
 
 
2位通過 浜上文吾プロ
九州本部の顔と言っても過言ではないこの方。
昨年よりも引き出しが増え、いろんな技を使い分けて戦い、決定戦進出の切符を手にした。
目先のことではなく二手先のことを常に考え、大局観を大切にする打ち手。
初戦の入りがキーポイントとなるだろう。
100
 
 
3位通過 塚本将之プロ
前半戦は我慢が続くも、後半持ち味を生かした戦い方で見事決定戦進出。
自分に厳しく、とてもストイック。
どっしりと腰を据えた彼の麻雀は、見ている者を魅了する。
昨年の悔しさを晴らし、初の皇帝位となるか?
100
 
 
4位通過 安東裕允プロ
8節まではマイナスポイントだったが、最後の2節で120ポイントを上乗せし、決定戦進出を決めた。
多くの技を繰り出し、その場面に応じた戦い方をする打ち手。
他の三者からすると、安東はとても厄介な相手になるだろう。
100
 
誰が勝ってもおかしくない、今回の対局者達。
私の大好きな、尊敬する先輩達。
この対局を記録に残したい…たくさんの人に伝えたい…そう思い、自ら観戦記者をさせてほしいと志願した。
会場へ選手が集まった。
いつも多忙なイメージのある対局者達だが、皆口をそろえて「よく寝た!」と言っていた。
睡眠不足は、麻雀を打つ上で一番の障害となる。
当たり前のようだが、試合の前日はなかなか寝付けないもの。
しかし4名の対局者達は、各々コンディションを整えて会場へとやってきた。
中村本部長の挨拶があり、牌チェック、諸注意と進んでいく。
長いようで短い2日間が幕を開けた。
 
100
100
 
 
1回戦(起家から塚本、安東、浜上、中尾)
東1局0本場 親塚本 ドラ五筒
開局いきなりドラドラの好配牌の塚本。
四万五万五万八万一索九索二筒三筒三筒五筒五筒七筒八筒八筒
この手を、開局したばかりの今、どう育てていくのだろう。
私は心を躍らせた。
塚本の今日の戦い方が、この1局で見えるのでは…と思ったからだ。
9巡目、塚本が動く。
塚本
二万四万五万五万五筒五筒六筒七筒八筒発  ポン三筒 上向き三筒 左向き三筒 上向き
タンヤオを確定させる六筒を前巡に引き入れ、仕掛けやすい手格好となってすぐ浜上から三筒が打ちだされる。
しかし、この仕掛けを見て戦いを挑む者がいた。
中尾は6巡目にタンヤオ七対子をテンパイし、ヤミテンに構えていたのだ。
中尾
四万四万六万六万二索二索四索四索六索八索八索六筒六筒
六索待ちから七索待ちに変え、9巡目の塚本の仕掛けを見てツモ切りリーチ。
このリーチを見て、塚本はどうするのか?
(きっと真っ向勝負をしてくれるはず!)
私はそう思いながら見ていた。
12巡目に自力で五万を引き入れ、カン三万待ちの聴牌。
そこからは塚本、中尾のめくり合い。
塚本
二万四万五万五万五万五筒五筒六筒七筒八筒  ポン三筒 上向き三筒 左向き三筒 上向き  ツモ三万
17巡目、塚本が力強く三万をツモ。
2,000オールの和了となった。
続く、東1局1本場 ドラ九索
今度は安東に好配牌!
六万七万八万五索五索六索七索七索三筒四筒五筒六筒七筒
ダブル立直とまではいかずとも、高打点が見込める最高の配牌。
しかし、4巡目に引き入れたのは三色の崩れる五索だった。
だが巡目も早く好形のため、安東はリーチを選択する。
このリーチを受けた塚本の手牌。
一万二万三万四万一索三索四索四索四索五索八索二筒三筒
5巡目、この手に四万を引き入れ五索を勝負する。
次巡一筒を引き入れリーチ。
入り目を打たれ、追いかけられた安東はどんな心境だっただろう。
そして、即二索をツモあがる塚本。
3,900は4,000オールの和了をものにする。
(恐い…塚本さん恐い…)
会場にいる皆がそう思ったことだろう。
東1局2本場 ドラ二筒
塚本の配牌
二万三索五索六索六索六索三筒三筒三筒六筒六筒六筒西北
三暗刻が…出来あがっている…
この親をどこまで続けるつもりなんだ…
大物手間違いなしのこの配牌、5巡目に4枚目の六筒を持ってきて暗カン、リンシャンから三索を引き入れ、四暗刻イーシャンテンになる。
六万三索三索五索六索六索六索三筒三筒三筒  暗カン牌の背六筒 上向き六筒 上向き牌の背
ここに次巡七万を引き入れ打五索、タンヤオ三暗刻のテンパイ。
一手変わるとツモり四暗刻である。
5巡後、浜上から五万が打ち出され、11,600は12,200の出和がりとなった。
この時の浜上の手牌。
三万四万五万五万六万八万八万八索四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ二万  打五万
12巡目と巡目も深く、二万が塚本の現物でもあることから、この放銃は浜上らしくないな…と思った。
続く3本場も、10巡目に安東から1,500は2,400を和了。
4本場、浜上が500/1,000は900/1,400をツモ。
ようやく塚本の親をここで終わらせる。
道中、先頭を走る塚本に食らいついていたのは安東。
南2局の親番では6本場まで積み、44,600まで点棒を増やす。
親番の猛追は素晴らしいものだった。
塚本は安東に捲くられる危機を覚えたに違いない。
安東と対局したことのある人にしかわからない、安東の粘り強さ。
これは安東の持ち味のひとつだ。
逆に苦しいのは浜上と中尾。
和了に絡めず、我慢の時を過ごす。
南3局、親番の浜上にチャンスが訪れる。
下家の中尾の仕掛けによってドラの三筒が重なり、平和のみの手が平和ドラドラに。
浜上
二万三万四万五万六万七万一索二索三索四索五索三筒三筒  リーチ  ツモ三索
リーチを打ち、見事4,000オールをツモ。
中尾もオーラスの親番意地を見せるが、2,000は2,300の横移動にて1回戦目が終了。
1回戦成績
塚本 +39.5p 安東 +17.2p 浜上 ▲24.0p 中尾 ▲32.7p
 
2回戦(起家から塚本、中尾、浜上、安東)
東3局2本場 親浜上 ドラ四索
2巡目、ドラ対子の塚本が早々と自風の西をポン。
続いて、仕掛けにより引き入れた中をポン。
手は対子系に育ち13巡目、ハネ満のテンパイをいれる。
塚本
四索四索三筒三筒六筒六筒六筒  ポン西西西  ポン中中中
しかし、前巡安東からリーチが入っている。
塚本の仕掛けを受けてのリーチだ、こちらも勝負手のはず!
安東
三万四万三索四索五索六索七索八索三筒四筒五筒八筒八筒
ハネ満vs高めツモでハネ満。
見ている者をワクワクさせる、高打点勝負。
塚本と安東のめくり合いの末、流局。
お互い、この手は決めさせてくれと願っただろう。
麻雀の神様は、とても気まぐれである。
話はいきなりそれるが、人にはイメージ、印象というものがある。
それは麻雀にもいえること。
「この打ち手がこの仕掛けをするということは、打点が伴っているはずだ。」
など、対局をするうえで人読みも入ってくる。
塚本に対する皆のイメージは、どっしりとした、打点のある手をつくる打ち手。
そして、とっても繊細な麻雀を打つ。
ざっとではあるが、こんな感じではないだろうか。
今回の皇帝位戦に向けて、塚本はそれ以外の武器をたくさん調達してきた。
いや、今まであまり出していなかっただけで、ここぞという時に最強の武器になるよう、いつでも出せるように懐で温めていたのかも知れない。
そんな彼の意外な一面をみた1局があった。
南3局1本場 親浜上 ドラ三万
前局、親の浜上が2,000オールをツモあがりし、持ち点を49,700にまでのばしていた。
もう親番のない塚本は、南3局の現時点で18,000持ちのラス目。
その塚本の配牌。
五万五万二索三索六索一筒三筒六筒九筒西白白中
決していいとは言えない。
だが、安東が第1打に切った白をポンするのだ。
私はこのとき浜上の後ろで観戦していたので、塚本の手は見ていない。
しかし勝手に「ん?ドラ対子かな?染め手かな?」と想像していた。
4巡目にカン二筒をチー。
8巡目に六筒をポン。打八筒で手牌が4枚になる。
そして、10巡目に浜上が打ち出す四索にロンの声がかかる。
塚本が開いた手牌は五万五万二索三索
衝撃を受けた。
18,000のラス目の塚本が、この仕掛けをするイメージがまったくなかったからだ。
後に本人に聞いてみた。
「もうラスは受け入れていた。でも戦わないと、浜上さんに加点され続けるかもしれないからね。もらった手材料で、やれることをやっただけだよ。」
温めていた武器、ここで出したのか…。
四索を打ち出した浜上の手は、十分形だった。
三万四万七万八万五索五索六索六索七索七索四筒五筒五筒
6,000オールまで見えるこの手を、塚本は隠していた武器で封じたのだ。
日頃から周りに与えているイメージがあるからこそ、この仕掛けが恐いものに見える。
それを彼はよくわかっていた。
2回戦成績
浜上 +24.8p 安東 +4.0p 中尾 ▲10.1p 塚本 ▲18.7p
2回戦終了時
安東 +21.2p 塚本 +20.8p 浜上 +0.8p 中尾 ▲42.8p
 
3回戦(起家から中尾、浜上、安東、塚本)
2回戦を終えて、中尾1人で負債を抱える形となった。
私の知る中尾は、いつも余裕があり、堂々としている。
しかし、休憩中の中尾の表情に余裕の文字はなかった。
決定戦を戦う彼らにしかわからないプレッシャーがあるのだろう。
声をかけたい衝動にかられたが、心の中で(頑張れ!!)と呟き、ぐっと我慢した。
東1局、塚本が技ありの2,600をアガる。
ドラのない三色のカン三万、これはAルールだとリーチ選択をすることが多い。
これをヤミテンに構え、浜上から見事打ち取るのだ。
親の中尾がダブ東をポン、カン二索をチーして六筒九筒待ちのテンパイをいれていた。
そして持ってきた六万を中尾がツモ切り、すぐ浜上から三万が打ち出される。
三万で、高めハネマンテンパイの浜上。
この三万を放銃した浜上は、後に「堪えたよー」と話してくれた。
道中、浜上の繊細な打ちまわしに目がいった。
親の動向をしっかり観察し、親が仕掛けようものなら一切親の有益になることはしない。
彼がきつい牌を打ち出す時は、勝機のあるテンパイ打牌であることがほとんどだ。
北家の浜上の粘り強さを思い知らされる。
南2局0本場 親浜上 ドラ七索
ここまで苦しい展開の中尾にようやく先制リーチが入る。
中尾
四万四万四万六万六万六万七万八万九万七索七索二筒二筒  リーチ  ロン二筒
二筒を安東から出アガり、5,200。
中尾36,900 浜上34,700 安東17,700 塚本30,700
ここでトップ目にに浮上する。
オーラス、親の塚本が渾身の2,600オールをツモあがり局面を一歩リードする。
塚本
一筒三筒五筒六筒七筒八筒八筒  ポン中中中  ポン西西西  ツモ二筒
しかしオーラス1本場、ドラ四万 浜上が31,600持ちからリーチ。
浜上
二万三万四万四万五万七万八万九万一索二索三索六索六索  リーチ  ツモ三万
2,000/4,000は2,100/4,100を見事ツモあがり2連勝。
攻守のバランスが良く、実に浜上らしい見事な1半荘だった。
3回戦成績
浜上 +17.9p 中尾 +7.2p 塚本 +4.9p 安東 ▲30.0p
3回戦終了時
塚本 +25.7p 浜上 +18.7p 安東 ▲8.8p 中尾 ▲35.6p
 
4回戦(起家から中尾、塚本、安東、浜上)
皇帝位決定戦初日も、残すところあと1半荘。
8半荘で優勝者が決まる今回のシステム。
通年のリーグ戦とは戦い方も変わってくる。
それを特に体現しているのが塚本だ。
浜上はいつもと変わらず終始落ち着いた様子。
安東も中尾も、私の知る2人だ。
しかし塚本に関しては、知らない一面が垣間見える。
観戦者が思わず覗き込みたくなるような戦いを見せてくれる。
そんなことを思いながら観戦していると、東3局に事件がおこる。
東3局0本場 親安東 ドラ六筒
11巡目、中尾から打ち出された東に浜上からロンの声。
手牌をそっと倒し「32,000」の発声が会場内に響く。
浜上
一万九万一索九索九索一筒九筒東西北白発中  ロン東
このときの中尾の手牌はこちら。
二万三万四万四万五万六万四索五索六索四筒六筒白白
三色ドラ1のテンパイ。
序盤からピンズが安く五筒の場況がよく見え、実際山には4枚眠っていた。
中尾の態勢の悪さを物語っている。
しかし、中尾は表情には出さずはっきりと「はい」と答え、点棒を渡していた。
彼の潔い、プロとしての姿勢は素晴らしい。
南1局1本場 親塚本 ドラ二万
好配牌の塚本、カン二万をツモ、四索を重ね雀頭にしてのリーチ。
一万二万三万五万六万七万四索四索六索六索七索八索八索  リーチ  ツモ七索
力強く七索をツモ!3,900は4,000オールのあがり。
オーラス、ドラ四筒
中尾
七万八万九万四索五索八索八索八索六筒七筒八筒東東  リーチ
三索六索待ちのリーチを打つも、四万をツモり、塚本に2600を放銃し、終局。
塚本
四万四万六万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  ロン四万
4回戦成績
浜上 +37.1p 塚本 +22.5p 安東 ▲8.5p 中尾 ▲51.1p
4回戦終了時
浜上 +55.8p 塚本 +48.2p 安東 ▲17.3p 中尾 ▲86.7p
 
前半戦が終わった。
私が予想していたより、大きなポイント差が生まれる結果となった。
残り4回戦で今期の皇帝位が決まる。
浜上と塚本の一騎打ちとなるのか。
安東、中尾が意地をみせるのか。
最後まで目が離せない。

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

 

【Battle of generation】
 
Battle of generation 40代代表は西川淳、50代代表は近藤久春にそれぞれ決定!

30代 勝又健志
40代 西川淳
50代 近藤久春

残すは60代決定戦のみ。決勝戦への切符を手にするのは誰か?

森山茂和vs伊藤優孝vs荒正義vs沢崎誠
実況:優月みか
解説:瀬戸熊直樹
ルール:WRC世界選手権ルール
システム:半荘3回戦を行いトータル1位が決勝戦へ進出


放送予定 3/15 18:00~

第3期麻雀Battle of generation【60代代表決定戦】


放送ページはこちら


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【チームがらくた新三箇条募集】
 

100

 
「ノーマルシートにはまだ空きがあるということに、Mr.Xも気づいていないそうだ」

何やら私に対して挑発的な文章を見つけた。
単にこの場で軽く宣伝してほしいとも取れるが、見つけた以上は、アンサーを返さねばなるまい。

現状のチームがらくた三箇条
・放銃万歳
・愚形上等
・鳴いたらオリるな

これに加え、新たな三箇条を募集する、とのことだが。
まずは現在ある三箇条についてもの申す。

 

①放銃万歳
 
攻めには放銃がつきものである。
攻めることを信条とするチームがらくたにはピッタリの言葉であるが、放銃を推奨しているわけではない。
今回の雀力アップ上級で攻めと受けの使い分けで打っていると書いているが、それが非常に難しいのが麻雀である。
絶妙なバランス感覚が必要なのだが、言葉を元に、放銃を怖がらない打ち手が増えてしまいそうで嫌だ。

どう考えてもいつも負けているのに、放銃万歳ーーと言っている奴も見かける。
人間、痛みを感じなくなったら終わりだ。

 

②愚形上等
 
一時期、先手必勝系の麻雀が流行したことがある。
リーチや仕掛けに対して、毎回腰が引けたような対応をする者が多かったのは事実で、有効な場面もあっただろう。
それを瀬戸熊直樹のような攻めが打ち崩し、先手必勝麻雀は崩壊する。
不特定多数との麻雀なら、レベルの違いがあるため、未だに通用するのかもしれないが。

実際、チームがらくた(総勢2名)の佐々木寿人は、最近ではペンチャンターツを外す場面を良く見る。
「愚形上等」言葉だけで捉えて愚系を残し続けて打つのはテンパイスピード重視の麻雀だ。
アガリへのスピードはテンパイスピードとは異なる。
時には愚形がその局の最善の形となることもあるが、できることなら好形を求めたいものだ。

 

③鳴いたらオリるな
 
これが最もたちが悪い。
毎回アガリに向かって仕掛けるのは危険だ。
やっとの思いで安い愚形テンパイにこぎつけ、相手からの攻め返しをくらう。
そしてその先には酷い手格好での放銃が待っている。
この時「放銃万歳ーー」では何が何だかわからなくなってしまう。

本当にチームがらくたが言いたい事は、オロされるような仕掛けを減らそう。
要するに、精度の高い仕掛けを増やしていこうってことだ。

バランス良く、アガリを逃さないように、簡単にオロされるような仕掛けをしない。

丁寧に言えばこんな感じだ。

①放銃しても良い時がある
②最短のアガリを逃さない
③精度の高い仕掛けを心掛ける

しかし、これが三箇条ではインパクトがなくて面白みもない。
もっとチームがらくた(2名)の人となりを表現できるような言葉はないかと、私が徹夜で考えたのが以下だ。
 
・惰眠を貪る
・どこでも放屁
・子守りで欠席
・大体ハンバーグ
・腰に注意
・嫁にヒヨるな
・森山会長だけは怖い
 
さて、3月4日に開催されるイベントは、プレミアムシートは完売。ノーマルシートのみまだ空きがあるようだ。
興味のある方は足を運んでいただきたい。
 

100

 

 

【女流日本シリーズ】
 
システム

■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

 
現女流桜花・仲田加南が首位で3/8のプレーオフへ。果たして決勝へコマを進めるのは!?


放送予定 3/8 17:00~

女流プロ麻雀日本シリーズ2017プレーオフ


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【ダンス】
 

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「恋」を唄う東城りお。
彼女の出身地、秋田で例のドラマが放送開始となったのは最近のことらしい。
秋田と言えばフォーラスがねぇー…
 

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知らんわ!

その後は連盟の”影山ヒロノブ”こと”フナムシ”こと、船木伸一と力強くデュエット。
各々、それなりにストレスが溜まっているんでしょうなあ。
 

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プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

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【Battle of generation】
 
Battle of generation 40代代表は西川淳、50代代表は近藤久春にそれぞれ決定!
30代 勝又健志
40代 西川淳
50代 近藤久春
残すは60代決定戦のみ。決勝戦への切符を手にするのは誰か?
森山茂和vs伊藤優孝vs荒正義vs沢崎誠
実況:優月みか
解説:瀬戸熊直樹
ルール:WRC世界選手権ルール
システム:半荘3回戦を行いトータル1位が決勝戦へ進出

放送予定 3/15 18:00~
第3期麻雀Battle of generation【60代代表決定戦】

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【チームがらくた新三箇条募集】
 

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「ノーマルシートにはまだ空きがあるということに、Mr.Xも気づいていないそうだ」
何やら私に対して挑発的な文章を見つけた。
単にこの場で軽く宣伝してほしいとも取れるが、見つけた以上は、アンサーを返さねばなるまい。
現状のチームがらくた三箇条
・放銃万歳
・愚形上等
・鳴いたらオリるな
これに加え、新たな三箇条を募集する、とのことだが。
まずは現在ある三箇条についてもの申す。
 
①放銃万歳
 
攻めには放銃がつきものである。
攻めることを信条とするチームがらくたにはピッタリの言葉であるが、放銃を推奨しているわけではない。
今回の雀力アップ上級で攻めと受けの使い分けで打っていると書いているが、それが非常に難しいのが麻雀である。
絶妙なバランス感覚が必要なのだが、言葉を元に、放銃を怖がらない打ち手が増えてしまいそうで嫌だ。
どう考えてもいつも負けているのに、放銃万歳ーーと言っている奴も見かける。
人間、痛みを感じなくなったら終わりだ。
 
②愚形上等
 
一時期、先手必勝系の麻雀が流行したことがある。
リーチや仕掛けに対して、毎回腰が引けたような対応をする者が多かったのは事実で、有効な場面もあっただろう。
それを瀬戸熊直樹のような攻めが打ち崩し、先手必勝麻雀は崩壊する。
不特定多数との麻雀なら、レベルの違いがあるため、未だに通用するのかもしれないが。
実際、チームがらくた(総勢2名)の佐々木寿人は、最近ではペンチャンターツを外す場面を良く見る。
「愚形上等」言葉だけで捉えて愚系を残し続けて打つのはテンパイスピード重視の麻雀だ。
アガリへのスピードはテンパイスピードとは異なる。
時には愚形がその局の最善の形となることもあるが、できることなら好形を求めたいものだ。
 
③鳴いたらオリるな
 
これが最もたちが悪い。
毎回アガリに向かって仕掛けるのは危険だ。
やっとの思いで安い愚形テンパイにこぎつけ、相手からの攻め返しをくらう。
そしてその先には酷い手格好での放銃が待っている。
この時「放銃万歳ーー」では何が何だかわからなくなってしまう。
本当にチームがらくたが言いたい事は、オロされるような仕掛けを減らそう。
要するに、精度の高い仕掛けを増やしていこうってことだ。
バランス良く、アガリを逃さないように、簡単にオロされるような仕掛けをしない。
丁寧に言えばこんな感じだ。
①放銃しても良い時がある
②最短のアガリを逃さない
③精度の高い仕掛けを心掛ける
しかし、これが三箇条ではインパクトがなくて面白みもない。
もっとチームがらくた(2名)の人となりを表現できるような言葉はないかと、私が徹夜で考えたのが以下だ。
 
・惰眠を貪る
・どこでも放屁
・子守りで欠席
・大体ハンバーグ
・腰に注意
・嫁にヒヨるな
・森山会長だけは怖い
 
さて、3月4日に開催されるイベントは、プレミアムシートは完売。ノーマルシートのみまだ空きがあるようだ。
興味のある方は足を運んでいただきたい。
 

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【女流日本シリーズ】
 
システム
■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

 
現女流桜花・仲田加南が首位で3/8のプレーオフへ。果たして決勝へコマを進めるのは!?

放送予定 3/8 17:00~
女流プロ麻雀日本シリーズ2017プレーオフ

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【ダンス】
 

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「恋」を唄う東城りお。
彼女の出身地、秋田で例のドラマが放送開始となったのは最近のことらしい。
秋田と言えばフォーラスがねぇー…
 

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知らんわ!
その後は連盟の”影山ヒロノブ”こと”フナムシ”こと、船木伸一と力強くデュエット。
各々、それなりにストレスが溜まっているんでしょうなあ。
 

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第160回:天空麻雀18男性大会優勝特別インタビュー 小島 武夫  インタビュアー:中野 妙子

麻雀プロといえば?
誰に聞いてもまず名前が出てくるであろう、麻雀界のレジェンド、ミスター麻雀小島武夫。

その小島先生が天空麻雀男性プロ大会で優勝されたということで、インタビューをさせて頂きました。
インタビュアーは女性大会に引き続き、中野妙子でお送りします。よろしくお願いします。

私の働く麻雀店の『小島武夫ツアー』で先生のお供をさせて頂くようになり、お話を聞ける機会が出来たものの、このようなインタビューは初めて。
色んな事を聞いてみるチャンスと楽しみな気持ちで先生にお会いしてきました。

 

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中野:「先生今日はよろしくお願いします!」

小島:「うん。よろしくね。」

中野:「まずは、天空麻雀優勝おめでとうございます!」

小島:「ありがとう。」

中野:「今回の決勝は、森山会長、寿人プロ、白鳥プロというメンバーでの対局でしたが、決勝に向けての心構えというか、誰に注意しようとかそういったことはありましたか?」

小島:「他の人を気にすることは特にないね。誰かを気にしたりとか、特別に何かに気を付けようとかそういったことはいつも考えていないね。平常心で、いつも通り戦うことを心掛けているよ。」

今回は2回戦で優勝を決めるという決勝。1回戦目で先生は4着という成績だった。

中野:「今回の決勝は2回戦戦うものでしたが、2回っていうことに何か意識をおくことはありますか?」

小島:「特にないね、ただ、その日の自分の調子はどうかな?と思うことはあるよ。今日の調子はどうかなー?という感じで自然に打つようにしているかな。」

中野:「自然に、ですか?」

小島:「そうだね、自然。牌が来るままに自然に打つ。調子悪くてどうしようもない時はあるからね!」

中野:「調子の悪い時にいつもと違うことをしてみたり、何か変えようとすることはありますか?」

小島:「特にないねー。」

中野:「戦っていて、怖いなって思うことはありますか?」

小島:「リーチリーチと来られるのが一番嫌かなぁ。やはり面前でバシッとリーチ来られてツモられるのが嫌だね。」

中野:「仕掛けはどうですか?」

小島:「仕掛けは基本、気にしないよ。役牌2つのホンイツとか、満貫クラスは別だけど、それ以外は気にしないね。やはり面前が強いと思っているからね。」

中野:「基本は、リーチしてツモ、ですね?」

小島:「そうだね。」

中野:「今回の決勝もまさにそれで、1回戦目は森山会長が点棒のない4着目からリーチリーチでトップまで追い上げたのがすごかったですね!」

小島:「森山くんも勢いに乗ったら手が付けられなくなるからね(笑) 」

中野:「ただ、今度2回戦目の先生がまた凄かったですね!1回戦は4着という成績でしたが2回戦に向かう時も特に意識することはなかったですか?」

小島:「そうだね、自然に、を心がけていたよ。」

2回戦目は起家スタート。優勝するためには落とせない、大事な親。ここで先生はまずリーチして4,000オールを決める。
1本場でもリーチ、佐々木から満貫をアガリ、2本場でもツモり4,000は4,200オール。

3本場では

四万五万七万八万四索四索五索六索六索八索八索四筒五筒  ツモ七索  ドラ六筒

ここから打八索とする。ドラの六筒をツモってから七万八万のターツを払っていき、

四万五万六万四索四索五索六索六索七索八索四筒五筒六筒

この高め三色をテンパイ。

三筒をツモり、

四万五万六万四索五索六索六索七索八索三筒四筒五筒六筒  リーチ

これでリーチ。ドラの六筒をツモり、また満貫をツモアガる。

 

100

 

小島:「いやー、ツイテいたね(笑) 」

中野:「いや。ツキだけではなかなかあの状態になれないと思います(笑) 東1局の先生の親、4連発の親マンですよ。」

小島:「そうだったかね?(笑) 」

中野:「5本場まで積み、8万点超えでしたもんね!ああなった時の気持ちを聞かせてください。」

小島:「もうそうなったら、勢いを殺さないように、牌が来るように自然に打つということかな。」

中野:「まさに先生のおっしゃる、リーチリーチのツモ攻撃ですね!この時もう優勝は意識されていましたか?」

小島:「優勝は意識していなかったけど、あまり鳴かずにオリずに、自然にどこまでアガれるかなーとは思っていたよ。」

先生がよくお話されることは、自然に打つこと。やっぱりリーチが強いということ。
正にこれをやってのけ、オーラス満貫ツモで自ら優勝を決める。
最終的には9万点超え。圧巻の優勝だった。

中野:「せっかくなので色々お話聞かせてください!」

小島:「いいよ!」

中野:「プロになったきっかけを教えてください。」

小島:「阿佐田先生が、プロ団体を作ってみたら?と言ったことがきっかけかな。」

中野:「先生にとっての先生が阿佐田先生なんですね?」

小島:「そうだね。」

中野:「今まで、麻雀が嫌になったことはありますか?」

小島:「それはないねぇ。」

中野:「先生はゲストの時も休んでいるより麻雀打ってるほうがいいとおっしゃいますもんね。(笑) 」

小島:「そうだね。麻雀打ってるのがいいね。」

中野:「先生は色んな対局や大きな大会に出られていますが、対局前のジンクスとか大事な対局の前にすることはありますか?」

小島:「特にないね。なんか色々、あまり気にしないタイプかな。」

中野:「好きな手役はありますか?」

小島:「特にないけど、やっぱり三色や純チャンといった、手が大きくなるものが好きかな。ドラが絡んで打点が大きくなるケースがあるからね。」

中野:「やはり、手役狙って打点が高い華やかなものがお好きなんですね?」

小島:「まぁ、みんな好きだろうけどね(笑)見ている人がそのほうが面白いでしょ。見ている人がワクワクするようなのがいいよね。」

中野:「私の麻雀だめなところは性格の弱い部分がすごく出てしまっていると感じるのですが、麻雀に性格出ると思いますか?」

小島:「そうかな?あまりそこまで意識したことないね(笑) 」

中野:「麻雀とは、先生にとって何ですか?」

小島:「そういったことを難しく考えたことはないなぁ(笑) 」

中野:「例えば、麻雀をされていなかったら他に何か違うことをしてみたかったな、といったことはありますか?」

小島:「考えたことないねぇ。」

中野:「先生。。もしかしたら先生はあまり余計なこと考えないタイプなんですね(笑) 」

小島:「そうだねぇ笑) 」

やっぱり、先生はなんかおっきい!器がでっかい!
なんかこう、ちまちまと物事を考えない大きさがある。
やはりカリスマは、凡人とこういったとこが違うのか?
 

100

 
先生と一緒に色んなお店を回らせて頂くようになり間近で見ていると、先生の凄さを目の当たりにすることばかりだ。
まず、先生がいると明るい。先生がいるだけでその場が明るい雰囲気になる。
先生が「がはは!」と笑うだけで、その声が聞こえるだけでみんなが明るい気持ちになるのがわかる。みんなが笑顔になる。
そして先生は自然に、呼吸をするかのようにみんなの事を気遣ってくれている。
それがあまりにも自然で、先生は本当にでっかい人だなぁとそれだけでももう足元にも及ばない気持ちになる。
それに加えて、みんなを惹きつける麻雀。

 

100

 

 

 

『小島先生を一言でいうと?』質問させて頂きました!

宮内こずえプロ
「一言でいうとカリスマ。みんなを楽しませる才能がすごい。」

岡田茂プロ
「神!麻雀やってて、先生も楽しそうだし、周りも楽しくさせるところは凄いと思う。先生になりたい。」

滝沢和典プロ
「一言では言えません!」

先生はみんなを愛し、麻雀を愛し、そしてみんなからも麻雀からも愛されている本当のカリスマだと感じる。

中野:「えーと、好きな麻雀プロはいますか?(笑) 」

小島:「そうだねー、和典とか好きだねぇ。がはー!」

中野:「よく滝沢さんの名前は聞きますね!」

小島:「見た目もだけど、さわやかというか涼やかな所がいいねぇ。清潔感がある。汚いのはあんまり好きじゃないね(笑) 」

中野:「先生が今年の名人戦で名人戦は引退されると聞きました。寂しくなりますね。」

小島:「そうだねぇ、やっぱり寂しいなぁという気持ちはあるね。でもまた、なんかあるでしょ(笑)」

中野:「先生はいつまで麻雀されたいと思ってますか?」

小島:「麻雀は一生やるね!麻雀はやっぱり面白いからねぇ。」

中野:「先生を見ていて思うのですが、先生は『人』がお好きですよねー。」

小島:「そうかな?確かに麻雀を通じて色んな人と出会えるのは楽しいし、人と触れ合うことは楽しいね。」

中野:「先生はみんなにサインする時に色んな言葉を書かれていますが、あれは全部自分で考えたのですか?」

小島:「そうだよ。」

中野:「中でもお気に入りの言葉とかありますか?」

小島:「そうだねぇ。『麻雀は勝ったり負けたり』がわかりやすくていいかな(笑) 」

中野:「あの、、、、どうしたら先生みたいに麻雀強くなって優勝とかできるようになるか私にアドバイスをください!」

小島:「めぐってきた自分の戦いを一生懸命やることかな。そしてその戦いに普段から備えること。」

中野:「ありがとうございます!一生懸命!普段から基本をやる。」

小島:「うん。頑張って!がはは!がははっ!」

中野:「先生は麻雀プロでも最も多くの本を出版されているんですよね?」

小島:「そうだね。51冊。」

中野:「51冊!!すごいですね!!その中でもおススメはありますか?」

小島:「そうだねー、『絶対負けない麻雀』かな。」

中野:「これは以前私にも勧めてくれた本ですね!」

小島:「だいぶ昔に書いた本だけど、一昨年増刷されたんだよね。」

中野:「すごいですね!先生歌も出されてるんですよね?」

小島:「歌は1曲だけどね。五木寛之さんが書いてくれたんだよね。」

中野:「色んなことをされてますね!」

小島:「なんか自然にねー、やってみないかと話があってそうなったね(笑) 」

先生ほど自然体な方はなかなかいないのではないでしょうか?
日々、小さいことに感情を上げ下げしている自分とまるで違う先生。
先生のように大きくなりたい。大きい気持ちで人や麻雀に向かいたい。
先生と話していると、そういう気持ちになる。

中野:「先生、今日はお疲れの所どうもありがとうございました!最後にファンの皆さんにひとことお願いします。」

小島:「そうだねぇ。一生麻雀続けていくから、これからも応援よろしくね!かな。」

先生は今年81歳。この歳で麻雀を続けられているのだけでもすごいと思うのに、さらに強くてまた優勝したなんて、本当にすごいことだと思う。
先生の魅せる麻雀、人柄に魅了されている人はとても多いだろう。
もっと先生の麻雀を見たい。もっとプロとしての在り方を勉強させて欲しい。

ミスター麻雀。今後もみんなに『先生』と呼ばれるのは小島武夫だけなんじゃないだろうか?
先生と話していると、そんな風に思う。

先生の伝説は沢山あり過ぎて、私が知らないこともきっと沢山あるはずで、先生が麻雀界に残してきたものは本当に大きいものだと思う。
その存在自体が、みんなに夢を与えてくれる。会うと幸せな気持ちになる、小島先生。
いつまでも元気に、がはは!を聞かせて欲しいと思います!

中野妙子

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プロ雀士インタビュー/第160回:天空麻雀18男性大会優勝特別インタビュー 小島 武夫  インタビュアー:中野 妙子

麻雀プロといえば?
誰に聞いてもまず名前が出てくるであろう、麻雀界のレジェンド、ミスター麻雀小島武夫。
その小島先生が天空麻雀男性プロ大会で優勝されたということで、インタビューをさせて頂きました。
インタビュアーは女性大会に引き続き、中野妙子でお送りします。よろしくお願いします。
私の働く麻雀店の『小島武夫ツアー』で先生のお供をさせて頂くようになり、お話を聞ける機会が出来たものの、このようなインタビューは初めて。
色んな事を聞いてみるチャンスと楽しみな気持ちで先生にお会いしてきました。
 

100

 
中野:「先生今日はよろしくお願いします!」
小島:「うん。よろしくね。」
中野:「まずは、天空麻雀優勝おめでとうございます!」
小島:「ありがとう。」
中野:「今回の決勝は、森山会長、寿人プロ、白鳥プロというメンバーでの対局でしたが、決勝に向けての心構えというか、誰に注意しようとかそういったことはありましたか?」
小島:「他の人を気にすることは特にないね。誰かを気にしたりとか、特別に何かに気を付けようとかそういったことはいつも考えていないね。平常心で、いつも通り戦うことを心掛けているよ。」
今回は2回戦で優勝を決めるという決勝。1回戦目で先生は4着という成績だった。
中野:「今回の決勝は2回戦戦うものでしたが、2回っていうことに何か意識をおくことはありますか?」
小島:「特にないね、ただ、その日の自分の調子はどうかな?と思うことはあるよ。今日の調子はどうかなー?という感じで自然に打つようにしているかな。」
中野:「自然に、ですか?」
小島:「そうだね、自然。牌が来るままに自然に打つ。調子悪くてどうしようもない時はあるからね!」
中野:「調子の悪い時にいつもと違うことをしてみたり、何か変えようとすることはありますか?」
小島:「特にないねー。」
中野:「戦っていて、怖いなって思うことはありますか?」
小島:「リーチリーチと来られるのが一番嫌かなぁ。やはり面前でバシッとリーチ来られてツモられるのが嫌だね。」
中野:「仕掛けはどうですか?」
小島:「仕掛けは基本、気にしないよ。役牌2つのホンイツとか、満貫クラスは別だけど、それ以外は気にしないね。やはり面前が強いと思っているからね。」
中野:「基本は、リーチしてツモ、ですね?」
小島:「そうだね。」
中野:「今回の決勝もまさにそれで、1回戦目は森山会長が点棒のない4着目からリーチリーチでトップまで追い上げたのがすごかったですね!」
小島:「森山くんも勢いに乗ったら手が付けられなくなるからね(笑) 」
中野:「ただ、今度2回戦目の先生がまた凄かったですね!1回戦は4着という成績でしたが2回戦に向かう時も特に意識することはなかったですか?」
小島:「そうだね、自然に、を心がけていたよ。」
2回戦目は起家スタート。優勝するためには落とせない、大事な親。ここで先生はまずリーチして4,000オールを決める。
1本場でもリーチ、佐々木から満貫をアガリ、2本場でもツモり4,000は4,200オール。
3本場では
四万五万七万八万四索四索五索六索六索八索八索四筒五筒  ツモ七索  ドラ六筒
ここから打八索とする。ドラの六筒をツモってから七万八万のターツを払っていき、
四万五万六万四索四索五索六索六索七索八索四筒五筒六筒
この高め三色をテンパイ。
三筒をツモり、
四万五万六万四索五索六索六索七索八索三筒四筒五筒六筒  リーチ
これでリーチ。ドラの六筒をツモり、また満貫をツモアガる。
 

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小島:「いやー、ツイテいたね(笑) 」
中野:「いや。ツキだけではなかなかあの状態になれないと思います(笑) 東1局の先生の親、4連発の親マンですよ。」
小島:「そうだったかね?(笑) 」
中野:「5本場まで積み、8万点超えでしたもんね!ああなった時の気持ちを聞かせてください。」
小島:「もうそうなったら、勢いを殺さないように、牌が来るように自然に打つということかな。」
中野:「まさに先生のおっしゃる、リーチリーチのツモ攻撃ですね!この時もう優勝は意識されていましたか?」
小島:「優勝は意識していなかったけど、あまり鳴かずにオリずに、自然にどこまでアガれるかなーとは思っていたよ。」
先生がよくお話されることは、自然に打つこと。やっぱりリーチが強いということ。
正にこれをやってのけ、オーラス満貫ツモで自ら優勝を決める。
最終的には9万点超え。圧巻の優勝だった。
中野:「せっかくなので色々お話聞かせてください!」
小島:「いいよ!」
中野:「プロになったきっかけを教えてください。」
小島:「阿佐田先生が、プロ団体を作ってみたら?と言ったことがきっかけかな。」
中野:「先生にとっての先生が阿佐田先生なんですね?」
小島:「そうだね。」
中野:「今まで、麻雀が嫌になったことはありますか?」
小島:「それはないねぇ。」
中野:「先生はゲストの時も休んでいるより麻雀打ってるほうがいいとおっしゃいますもんね。(笑) 」
小島:「そうだね。麻雀打ってるのがいいね。」
中野:「先生は色んな対局や大きな大会に出られていますが、対局前のジンクスとか大事な対局の前にすることはありますか?」
小島:「特にないね。なんか色々、あまり気にしないタイプかな。」
中野:「好きな手役はありますか?」
小島:「特にないけど、やっぱり三色や純チャンといった、手が大きくなるものが好きかな。ドラが絡んで打点が大きくなるケースがあるからね。」
中野:「やはり、手役狙って打点が高い華やかなものがお好きなんですね?」
小島:「まぁ、みんな好きだろうけどね(笑)見ている人がそのほうが面白いでしょ。見ている人がワクワクするようなのがいいよね。」
中野:「私の麻雀だめなところは性格の弱い部分がすごく出てしまっていると感じるのですが、麻雀に性格出ると思いますか?」
小島:「そうかな?あまりそこまで意識したことないね(笑) 」
中野:「麻雀とは、先生にとって何ですか?」
小島:「そういったことを難しく考えたことはないなぁ(笑) 」
中野:「例えば、麻雀をされていなかったら他に何か違うことをしてみたかったな、といったことはありますか?」
小島:「考えたことないねぇ。」
中野:「先生。。もしかしたら先生はあまり余計なこと考えないタイプなんですね(笑) 」
小島:「そうだねぇ笑) 」
やっぱり、先生はなんかおっきい!器がでっかい!
なんかこう、ちまちまと物事を考えない大きさがある。
やはりカリスマは、凡人とこういったとこが違うのか?
 

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先生と一緒に色んなお店を回らせて頂くようになり間近で見ていると、先生の凄さを目の当たりにすることばかりだ。
まず、先生がいると明るい。先生がいるだけでその場が明るい雰囲気になる。
先生が「がはは!」と笑うだけで、その声が聞こえるだけでみんなが明るい気持ちになるのがわかる。みんなが笑顔になる。
そして先生は自然に、呼吸をするかのようにみんなの事を気遣ってくれている。
それがあまりにも自然で、先生は本当にでっかい人だなぁとそれだけでももう足元にも及ばない気持ちになる。
それに加えて、みんなを惹きつける麻雀。
 

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『小島先生を一言でいうと?』質問させて頂きました!
宮内こずえプロ
「一言でいうとカリスマ。みんなを楽しませる才能がすごい。」
岡田茂プロ
「神!麻雀やってて、先生も楽しそうだし、周りも楽しくさせるところは凄いと思う。先生になりたい。」
滝沢和典プロ
「一言では言えません!」
先生はみんなを愛し、麻雀を愛し、そしてみんなからも麻雀からも愛されている本当のカリスマだと感じる。
中野:「えーと、好きな麻雀プロはいますか?(笑) 」
小島:「そうだねー、和典とか好きだねぇ。がはー!」
中野:「よく滝沢さんの名前は聞きますね!」
小島:「見た目もだけど、さわやかというか涼やかな所がいいねぇ。清潔感がある。汚いのはあんまり好きじゃないね(笑) 」
中野:「先生が今年の名人戦で名人戦は引退されると聞きました。寂しくなりますね。」
小島:「そうだねぇ、やっぱり寂しいなぁという気持ちはあるね。でもまた、なんかあるでしょ(笑)」
中野:「先生はいつまで麻雀されたいと思ってますか?」
小島:「麻雀は一生やるね!麻雀はやっぱり面白いからねぇ。」
中野:「先生を見ていて思うのですが、先生は『人』がお好きですよねー。」
小島:「そうかな?確かに麻雀を通じて色んな人と出会えるのは楽しいし、人と触れ合うことは楽しいね。」
中野:「先生はみんなにサインする時に色んな言葉を書かれていますが、あれは全部自分で考えたのですか?」
小島:「そうだよ。」
中野:「中でもお気に入りの言葉とかありますか?」
小島:「そうだねぇ。『麻雀は勝ったり負けたり』がわかりやすくていいかな(笑) 」
中野:「あの、、、、どうしたら先生みたいに麻雀強くなって優勝とかできるようになるか私にアドバイスをください!」
小島:「めぐってきた自分の戦いを一生懸命やることかな。そしてその戦いに普段から備えること。」
中野:「ありがとうございます!一生懸命!普段から基本をやる。」
小島:「うん。頑張って!がはは!がははっ!」
中野:「先生は麻雀プロでも最も多くの本を出版されているんですよね?」
小島:「そうだね。51冊。」
中野:「51冊!!すごいですね!!その中でもおススメはありますか?」
小島:「そうだねー、『絶対負けない麻雀』かな。」
中野:「これは以前私にも勧めてくれた本ですね!」
小島:「だいぶ昔に書いた本だけど、一昨年増刷されたんだよね。」
中野:「すごいですね!先生歌も出されてるんですよね?」
小島:「歌は1曲だけどね。五木寛之さんが書いてくれたんだよね。」
中野:「色んなことをされてますね!」
小島:「なんか自然にねー、やってみないかと話があってそうなったね(笑) 」
先生ほど自然体な方はなかなかいないのではないでしょうか?
日々、小さいことに感情を上げ下げしている自分とまるで違う先生。
先生のように大きくなりたい。大きい気持ちで人や麻雀に向かいたい。
先生と話していると、そういう気持ちになる。
中野:「先生、今日はお疲れの所どうもありがとうございました!最後にファンの皆さんにひとことお願いします。」
小島:「そうだねぇ。一生麻雀続けていくから、これからも応援よろしくね!かな。」
先生は今年81歳。この歳で麻雀を続けられているのだけでもすごいと思うのに、さらに強くてまた優勝したなんて、本当にすごいことだと思う。
先生の魅せる麻雀、人柄に魅了されている人はとても多いだろう。
もっと先生の麻雀を見たい。もっとプロとしての在り方を勉強させて欲しい。
ミスター麻雀。今後もみんなに『先生』と呼ばれるのは小島武夫だけなんじゃないだろうか?
先生と話していると、そんな風に思う。
先生の伝説は沢山あり過ぎて、私が知らないこともきっと沢山あるはずで、先生が麻雀界に残してきたものは本当に大きいものだと思う。
その存在自体が、みんなに夢を与えてくれる。会うと幸せな気持ちになる、小島先生。
いつまでも元気に、がはは!を聞かせて欲しいと思います!
中野妙子

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女流プロ麻雀日本シリーズ2017 予選最終節成績表

システム

■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

麻雀日本シリーズ 成績表/女流プロ麻雀日本シリーズ2017 予選最終節成績表

システム
■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

第28回静岡リーグ(プロアマ混合) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 プロ 52.6 ▲ 12.6 91.8 10.6 46.5 188.9
2 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1 ▲ 26.6 74.7 78.4 29.9 143.3
3 足立 純哉 プロ 40.7 25.5 102.3 35.9 ▲ 62.7 141.7
4 鈴木 雅人 プロ 14.9 66.2 65.4 10.4 ▲ 30.1 126.8
5 松井 和志 一般 105.9 ▲ 5.8 ▲ 7.9 32.1 ▲ 5.3 119.0
6 堀 孔明 一般 39.4 53.0 29.0 8.6 ▲ 15.0 115.0
7 鈴木 郁孝 プロ 38.2 3.5 ▲ 13.3 28.9 53.0 110.3
8 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9 69.5 ▲ 8.3 46.2 32.5 103.0
9 舟橋 晃 一般 4.3 ▲ 18.2 49.9 39.5 2.7 78.2
10 中野 一男 一般 55.8 ▲ 45.8 ▲ 52.2 32.4 79.4 69.6
11 竹内 仁 一般 36.0 2.8 ▲ 8.6 38.7 ▲ 9.7 59.2
12 中 寿文 プロ 35.7 ▲ 29.0 ▲ 29.5 56.3 20.3 53.8
13 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8 32.3 ▲ 18.8 23.2 37.7 53.6
14 杉村 泰治 プロ 12.7 15.7 ▲ 6.5 25.0 4.5 51.4
15 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 ▲ 20.8 58.5 ▲ 41.9 53.8 42.5
16 島﨑 涼 プロ 20.5 32.2 24.7 ▲ 17.6 ▲ 20.7 39.1
17 青嶋 宏樹 一般 31.0 29.6 76.9 ▲ 56.4 ▲ 49.3 31.8
18 春田 篤志 一般 27.0 ▲ 10.5 29.8 32.4 ▲ 51.5 27.2
19 太田 昌樹 プロ 23.2 ▲ 19.4 18.6 ▲ 10.4 13.9 25.9
20 岡本 和也 プロ ▲ 3.6 ▲ 14.1 ▲ 20.7 51.1 10.2 22.9
21 都築 友和 プロ 45.2 15.7 ▲ 0.2 ▲ 32.2 ▲ 22.5 6.0
22 渡辺 洋巳 プロ 40.0 ▲ 16.0 ▲ 1.1 ▲ 24.0 1.4 0.3
23 土屋 幸弘 プロ 38.6 ▲ 18.1 ▲ 4.2 49.6 ▲ 67.4 ▲ 1.5
24 大石 康平 一般 ▲ 60.3 19.0 8.4 ▲ 29.2 40.4 ▲ 21.7
25 望月 雅継 プロ ▲ 1.0 ▲ 34.0 1.6 ▲ 11.6 21.9 ▲ 23.1
26 川崎 義之 プロ 25.0 ▲ 29.1 ▲ 46.3 ▲ 37.7 62.8 ▲ 25.3
27 田中 良典 一般 ▲ 29.1 11.8 ▲ 24.2 ▲ 18.4 12.5 ▲ 47.4
28 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4 26.9 ▲ 66.3 23.0 ▲ 0.7 ▲ 48.5
29 本田 真之 一般 ▲ 5.3 ▲ 13.8 ▲ 12.8 32.7 ▲ 53.9 ▲ 53.1
30 京平 遥 プロ 36.8 ▲ 26.0 ▲ 51.7 13.3 ▲ 29.5 ▲ 57.1
31 鈴木 博直 一般 19.8 ▲ 45.2 ▲ 17.8 ▲ 38.6 24.0 ▲ 57.8
32 大口 伸也 一般 ▲ 61.5 19.0 ▲ 45.2 25.8 3.8 ▲ 58.1
33 源馬 健太 一般 ▲ 0.7 16.8 ▲ 23.0 ▲ 46.3 ▲ 10.8 ▲ 64.0
34 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6 ▲ 40.5 106.6 ▲ 62.2 ▲ 32.8 ▲ 76.5
35 松永 誠 一般 6.6 ▲ 75.7 ▲ 1.3 37.4 ▲ 50.0 ▲ 83.0
36 山内 紀博 一般 ▲ 74.9 21.5 ▲ 13.7 ▲ 4.5 ▲ 11.9 ▲ 83.5
37 徳永 翔 プロ ▲ 47.9 ▲ 32.4 ▲ 17.7 ▲ 5.1 ▲ 5.5 ▲ 108.6
38 越川 清一 プロ 2.2 ▲ 25.1 ▲ 44.7 18.9 ▲ 65.1 ▲ 113.8
39 伊藤 真 一般 ▲ 38.6 8.6 ▲ 39.5 ▲ 17.2 ▲ 31.4 ▲ 118.1
40 平田 拓也 一般 ▲ 30.4 ▲ 42.8 ▲ 15.3 ▲ 7.0 ▲ 27.8 ▲ 123.3
41 白井 健夫 一般 4.8 ▲ 3.3 ▲ 51.2 ▲ 28.2 ▲ 49.8 ▲ 127.7
42 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9 ▲ 29.7 ▲ 15.1 ▲ 33.3 ▲ 14.8 ▲ 137.8
43 大橋 義一 一般 ▲ 80.8 15.0 ▲ 25.3 ▲ 75.0 26.2 ▲ 139.9
44 福井 弘人 一般 ▲ 60.3 ▲ 52.2 ▲ 57.3 ▲ 50.0 ▲ 68.3 ▲ 288.1

静岡プロリーグ 成績表/第28回静岡リーグ(プロアマ混合) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 プロ 52.6 ▲ 12.6 91.8 10.6 46.5 188.9
2 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1 ▲ 26.6 74.7 78.4 29.9 143.3
3 足立 純哉 プロ 40.7 25.5 102.3 35.9 ▲ 62.7 141.7
4 鈴木 雅人 プロ 14.9 66.2 65.4 10.4 ▲ 30.1 126.8
5 松井 和志 一般 105.9 ▲ 5.8 ▲ 7.9 32.1 ▲ 5.3 119.0
6 堀 孔明 一般 39.4 53.0 29.0 8.6 ▲ 15.0 115.0
7 鈴木 郁孝 プロ 38.2 3.5 ▲ 13.3 28.9 53.0 110.3
8 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9 69.5 ▲ 8.3 46.2 32.5 103.0
9 舟橋 晃 一般 4.3 ▲ 18.2 49.9 39.5 2.7 78.2
10 中野 一男 一般 55.8 ▲ 45.8 ▲ 52.2 32.4 79.4 69.6
11 竹内 仁 一般 36.0 2.8 ▲ 8.6 38.7 ▲ 9.7 59.2
12 中 寿文 プロ 35.7 ▲ 29.0 ▲ 29.5 56.3 20.3 53.8
13 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8 32.3 ▲ 18.8 23.2 37.7 53.6
14 杉村 泰治 プロ 12.7 15.7 ▲ 6.5 25.0 4.5 51.4
15 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 ▲ 20.8 58.5 ▲ 41.9 53.8 42.5
16 島﨑 涼 プロ 20.5 32.2 24.7 ▲ 17.6 ▲ 20.7 39.1
17 青嶋 宏樹 一般 31.0 29.6 76.9 ▲ 56.4 ▲ 49.3 31.8
18 春田 篤志 一般 27.0 ▲ 10.5 29.8 32.4 ▲ 51.5 27.2
19 太田 昌樹 プロ 23.2 ▲ 19.4 18.6 ▲ 10.4 13.9 25.9
20 岡本 和也 プロ ▲ 3.6 ▲ 14.1 ▲ 20.7 51.1 10.2 22.9
21 都築 友和 プロ 45.2 15.7 ▲ 0.2 ▲ 32.2 ▲ 22.5 6.0
22 渡辺 洋巳 プロ 40.0 ▲ 16.0 ▲ 1.1 ▲ 24.0 1.4 0.3
23 土屋 幸弘 プロ 38.6 ▲ 18.1 ▲ 4.2 49.6 ▲ 67.4 ▲ 1.5
24 大石 康平 一般 ▲ 60.3 19.0 8.4 ▲ 29.2 40.4 ▲ 21.7
25 望月 雅継 プロ ▲ 1.0 ▲ 34.0 1.6 ▲ 11.6 21.9 ▲ 23.1
26 川崎 義之 プロ 25.0 ▲ 29.1 ▲ 46.3 ▲ 37.7 62.8 ▲ 25.3
27 田中 良典 一般 ▲ 29.1 11.8 ▲ 24.2 ▲ 18.4 12.5 ▲ 47.4
28 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4 26.9 ▲ 66.3 23.0 ▲ 0.7 ▲ 48.5
29 本田 真之 一般 ▲ 5.3 ▲ 13.8 ▲ 12.8 32.7 ▲ 53.9 ▲ 53.1
30 京平 遥 プロ 36.8 ▲ 26.0 ▲ 51.7 13.3 ▲ 29.5 ▲ 57.1
31 鈴木 博直 一般 19.8 ▲ 45.2 ▲ 17.8 ▲ 38.6 24.0 ▲ 57.8
32 大口 伸也 一般 ▲ 61.5 19.0 ▲ 45.2 25.8 3.8 ▲ 58.1
33 源馬 健太 一般 ▲ 0.7 16.8 ▲ 23.0 ▲ 46.3 ▲ 10.8 ▲ 64.0
34 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6 ▲ 40.5 106.6 ▲ 62.2 ▲ 32.8 ▲ 76.5
35 松永 誠 一般 6.6 ▲ 75.7 ▲ 1.3 37.4 ▲ 50.0 ▲ 83.0
36 山内 紀博 一般 ▲ 74.9 21.5 ▲ 13.7 ▲ 4.5 ▲ 11.9 ▲ 83.5
37 徳永 翔 プロ ▲ 47.9 ▲ 32.4 ▲ 17.7 ▲ 5.1 ▲ 5.5 ▲ 108.6
38 越川 清一 プロ 2.2 ▲ 25.1 ▲ 44.7 18.9 ▲ 65.1 ▲ 113.8
39 伊藤 真 一般 ▲ 38.6 8.6 ▲ 39.5 ▲ 17.2 ▲ 31.4 ▲ 118.1
40 平田 拓也 一般 ▲ 30.4 ▲ 42.8 ▲ 15.3 ▲ 7.0 ▲ 27.8 ▲ 123.3
41 白井 健夫 一般 4.8 ▲ 3.3 ▲ 51.2 ▲ 28.2 ▲ 49.8 ▲ 127.7
42 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9 ▲ 29.7 ▲ 15.1 ▲ 33.3 ▲ 14.8 ▲ 137.8
43 大橋 義一 一般 ▲ 80.8 15.0 ▲ 25.3 ▲ 75.0 26.2 ▲ 139.9
44 福井 弘人 一般 ▲ 60.3 ▲ 52.2 ▲ 57.3 ▲ 50.0 ▲ 68.3 ▲ 288.1

第159回:プロ雀士インタビュー 佐々木 寿人  インタビュアー:山口 大和

「ここ2、3年は勝負の構えが良くなかった。私生活でもヘルニアで入院など。でも嫁(奥様は手塚紗掬プロ)に今年は良くなるよと言ってもらって少し気が楽になった」

まさに圧巻の完全勝利だった第17回モンド杯。

 

100

 

モンド杯といえば佐々木寿人。
第12回以来5年ぶり4回目の優勝(最多優勝回数)を果たした佐々木寿人プロにインタビューをしていきたいと思います。

改めて紹介するまでもないと思うが少しだけ。

今年で40歳を迎える佐々木寿人プロ。
プロ連盟入会当初から高い実力を評価され今ではプロ連盟の看板選手でもある。

先日行われた「麻雀プロ団体対抗日本一決定戦」でも8人の代表に選ばれ、1日目に放送対局で「地和」をアガリ、日本中の麻雀ファンの度肝を抜いたのは記憶に新しい。
そんな「スター」を前にインタビューなんて私も緊張・・・という事もなく、実は寿人プロとは私がプロ連盟に入る前から顔見知りではあったのでむしろワクワクの方が大きかった。

2月初旬、夏目坂スタジオへ。

14時の待ち合わせで30分前には到着していた私。
すると間もなく佐々木寿人プロ(以下ヒサト)も到着。

山口「ヒサトさん今日はよろしくお願いします!」

ヒサト「OK墨汁。」

・・・(笑)
100
予選をダントツの1位で勝ち上がったヒサトプロ。
ポイントはリセットされ決勝2半荘の短期戦。
相手は井出康平プロ、村上淳プロ(最高位戦)、小林剛プロ(麻将連合)の3人。

山口「まず今回のメンバー見てどう思いましたか?」

ヒサト「予選の段階で貴重な収入源の滝沢(滝沢和典プロ)、藤崎さん(藤崎智プロ)がいなくてどこからポイント貰おうかと思ってたんだよね。それで井出(井出康平プロ)とは組み合わせの都合で予選では一度も当たらなかったからチャンスだと思ったんだよ。」

山口「・・・(笑)なるほど。とりあえず振り返ってみていきましょう!」

1回戦、東1局
佐々木寿人プロらしい開局となる。
井出プロの先制リーチに見向きもせず結果放銃となる。

ヒサト「構えがいいでしょ。結果放銃にはなったけど手はすくんでないから。短期戦は序盤が大事なんだよ。入りから相手のリーチに怯んでたらダメなんだよ。」

山口「なるほど。今回の決勝は全体的にストレートに進めている印象でした。」

ヒサト「だって、いらないもん。でもさすがに2局連続放銃は嫌だったけど満貫分くらいしか失点しなかったからそこまで気にならなかった。」

そして待望の初アガリは東4局。発中ドラ2の満貫を小林からアガる。

山口「このアガリで一息つけましたか?」

ヒサト「明らかにドラトイツの捨て牌で時間がかかると思ったのが、あっさりアガれて風が変わったと思ったよ。」

そして南3局、一度カン五筒のテンパイを外してドラと四筒のくっつき1シャンテンにとるとすぐに二筒を引き即リーチ。
あっさりと三筒をツモりアガる。

山口「ヒサトさんらしいですね。」

ヒサト「しっかり迷彩も効いてて良いアガリだったと思う。自分が引っ掛かったんだけど(笑)」

山口「これって迷彩ですか?」

ヒサト「当たり前だろ!この辺はよく勉強しておくように(笑)」

山口「はい!」

そして1回戦は3着で終える。

山口「どんな気持ちだったのですか?」

ヒサト「ラスじゃなきゃ大丈夫だと思ってた。順位点やオカがある分大丈夫だと思ったしね。」

この辺は、モンド杯の決勝に何度も残っている経験から。そして何より、自分の構えが牌や状況などとマッチしてきたのを感じていた本人の自信もあったのだろう。

2回戦
親の井出が一度アガって、1本場にまたも井出から先制リーチが入る。

ヒサト「この手、勝負手だったんだけど止めたんだよね。」

山口「ヒサトさんなら鳴いて捌くのかと思ったんですけど。」

ヒサト「勝負手だから鳴いちゃダメなんだよ。案の定、当たり牌引かされてるし。流局はラッキーだったね。」

攻めのイメージが強いがこういう繊細な部分と勝負の駆け引きの強さが光る。

ヒサト「こういうのがビタ止めのヒサちゃんって言われる所以だな。」

そしてここから攻めダルマの怒涛の攻撃が始まる。
親での満貫含め一気に加点、井出に並びかける。

ヒサト「ここは放送でカットされるかもしれないから書いといて。」

南2局 がらくたリーチ発動。
一手変わり三色の手だがノータイムテンパイ即リーチ。

ヒサト「結果、流局だけどここはもう誰も向かって来れないのは分かってたし、三色になっても待ちが良くなるわけではない。だから相手に隙をあたえない事が大事。これでつないだ親番で次局フィニッシュブローが決まるから。」
100
南2局1本場
村上のドラ3リーチに立ち向かい決めた満貫で勝負あり。
最後のフィニッシュはまさにホンイツ評論家らしい、アガリであった。

 

100

 

山口「次は王座ですね!」

ヒサト「王座はからっきしダメなんだよ。一度も連帯したことない・・・(笑)」

山口「今回の対策とかありますか?」

ヒサト「対策?対策なんてないよ。いらないもん切るだけ。ただ今までは打ち方が甘かったからな。姿勢とか構えとか。ミスも多かったし。もちろん難しい手牌もあったり、その逆で誰でもアガれるような手が来るときもある。ただ麻雀で大事なのはチャレンジ精神だと思うんだよね。どんな手牌でも最善をつくす事が、チャレンジだと。その精度は上がってきてるよ。」

山口「なるほど。」

ヒサト「あとね、負けは人を大きくするよね。やっぱり。ヤマト君、君も少しは学習したまえ!」

山口「はい!ちなみにヒサトさんはゲンとか担ぎますか?」

ヒサト「シャツかな?このシャツでリーグ戦も昇級したし、良い結果を出せた物は身に付けるようにしてるよ。」

山口「いろいろ結果を出せなかった時期もあったと思いますが・・・」

ヒサト「やっぱ一番はメンタル面だね。本当に良くなかった。構えがちゃんと出来てなかった。どっしり構えてれば良いものを、慌てたりとかあたふたしたりとかで自分を見失ってたよね。」

山口「それがどう良くなったのですか?」

ヒサト「吹っ切れたんだよね。A2で負け続けて。でも年間のリーグ戦だし降級するとは思わなかった。麻雀の内容も構えも良くなってる実感はあった。」

山口「まさに復活!って感じですかね。じゃあまずは王座勝ってくれますか?」

ヒサト「当たり前だろ」

山口「やっぱり、王座で勝つヒサトさんがみたいですよ!とりあえず1回でもトップを取って欲しいですね(笑)」

ヒサト「生意気だな(笑)当たり前田直哉って書いとけよ!」

ヒサトさん書いておきましたよ。
100
初めてヒサトさんに出会ったのは吉祥寺だった。
私が勤めていた店によく麻雀をしに来ていた。ピンとした背筋と迷いのない摸打。
どんな愚形でもリーチ!相手に先制されても無筋をさも安全かのように切り飛ばしていく。
半荘終わるといつもトップ。そんなイメージしかない。
負ける事なんてない人だと当時は思っていた。
そんなヒサトさんから負けが人を大きくするなんて言われると思わなかった。

そしてこの第17回モンド杯であの頃の「ヒサト」が戻ってきた。
待っていた人も多いだろう、本当の佐々木寿人を。

モンド王座でも究極の攻めを見せてくれるだろう。
これからも注目していきたい。

 

100
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プロ雀士インタビュー/第159回:プロ雀士インタビュー 佐々木 寿人  インタビュアー:山口 大和

「ここ2、3年は勝負の構えが良くなかった。私生活でもヘルニアで入院など。でも嫁(奥様は手塚紗掬プロ)に今年は良くなるよと言ってもらって少し気が楽になった」
まさに圧巻の完全勝利だった第17回モンド杯。
 
100
 
モンド杯といえば佐々木寿人。
第12回以来5年ぶり4回目の優勝(最多優勝回数)を果たした佐々木寿人プロにインタビューをしていきたいと思います。
改めて紹介するまでもないと思うが少しだけ。
今年で40歳を迎える佐々木寿人プロ。
プロ連盟入会当初から高い実力を評価され今ではプロ連盟の看板選手でもある。
先日行われた「麻雀プロ団体対抗日本一決定戦」でも8人の代表に選ばれ、1日目に放送対局で「地和」をアガリ、日本中の麻雀ファンの度肝を抜いたのは記憶に新しい。
そんな「スター」を前にインタビューなんて私も緊張・・・という事もなく、実は寿人プロとは私がプロ連盟に入る前から顔見知りではあったのでむしろワクワクの方が大きかった。
2月初旬、夏目坂スタジオへ。
14時の待ち合わせで30分前には到着していた私。
すると間もなく佐々木寿人プロ(以下ヒサト)も到着。
山口「ヒサトさん今日はよろしくお願いします!」
ヒサト「OK墨汁。」
・・・(笑)
100
予選をダントツの1位で勝ち上がったヒサトプロ。
ポイントはリセットされ決勝2半荘の短期戦。
相手は井出康平プロ、村上淳プロ(最高位戦)、小林剛プロ(麻将連合)の3人。
山口「まず今回のメンバー見てどう思いましたか?」
ヒサト「予選の段階で貴重な収入源の滝沢(滝沢和典プロ)、藤崎さん(藤崎智プロ)がいなくてどこからポイント貰おうかと思ってたんだよね。それで井出(井出康平プロ)とは組み合わせの都合で予選では一度も当たらなかったからチャンスだと思ったんだよ。」
山口「・・・(笑)なるほど。とりあえず振り返ってみていきましょう!」
1回戦、東1局
佐々木寿人プロらしい開局となる。
井出プロの先制リーチに見向きもせず結果放銃となる。
ヒサト「構えがいいでしょ。結果放銃にはなったけど手はすくんでないから。短期戦は序盤が大事なんだよ。入りから相手のリーチに怯んでたらダメなんだよ。」
山口「なるほど。今回の決勝は全体的にストレートに進めている印象でした。」
ヒサト「だって、いらないもん。でもさすがに2局連続放銃は嫌だったけど満貫分くらいしか失点しなかったからそこまで気にならなかった。」
そして待望の初アガリは東4局。発中ドラ2の満貫を小林からアガる。
山口「このアガリで一息つけましたか?」
ヒサト「明らかにドラトイツの捨て牌で時間がかかると思ったのが、あっさりアガれて風が変わったと思ったよ。」
そして南3局、一度カン五筒のテンパイを外してドラと四筒のくっつき1シャンテンにとるとすぐに二筒を引き即リーチ。
あっさりと三筒をツモりアガる。
山口「ヒサトさんらしいですね。」
ヒサト「しっかり迷彩も効いてて良いアガリだったと思う。自分が引っ掛かったんだけど(笑)」
山口「これって迷彩ですか?」
ヒサト「当たり前だろ!この辺はよく勉強しておくように(笑)」
山口「はい!」
そして1回戦は3着で終える。
山口「どんな気持ちだったのですか?」
ヒサト「ラスじゃなきゃ大丈夫だと思ってた。順位点やオカがある分大丈夫だと思ったしね。」
この辺は、モンド杯の決勝に何度も残っている経験から。そして何より、自分の構えが牌や状況などとマッチしてきたのを感じていた本人の自信もあったのだろう。
2回戦
親の井出が一度アガって、1本場にまたも井出から先制リーチが入る。
ヒサト「この手、勝負手だったんだけど止めたんだよね。」
山口「ヒサトさんなら鳴いて捌くのかと思ったんですけど。」
ヒサト「勝負手だから鳴いちゃダメなんだよ。案の定、当たり牌引かされてるし。流局はラッキーだったね。」
攻めのイメージが強いがこういう繊細な部分と勝負の駆け引きの強さが光る。
ヒサト「こういうのがビタ止めのヒサちゃんって言われる所以だな。」
そしてここから攻めダルマの怒涛の攻撃が始まる。
親での満貫含め一気に加点、井出に並びかける。
ヒサト「ここは放送でカットされるかもしれないから書いといて。」
南2局 がらくたリーチ発動。
一手変わり三色の手だがノータイムテンパイ即リーチ。
ヒサト「結果、流局だけどここはもう誰も向かって来れないのは分かってたし、三色になっても待ちが良くなるわけではない。だから相手に隙をあたえない事が大事。これでつないだ親番で次局フィニッシュブローが決まるから。」
100
南2局1本場
村上のドラ3リーチに立ち向かい決めた満貫で勝負あり。
最後のフィニッシュはまさにホンイツ評論家らしい、アガリであった。
 
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山口「次は王座ですね!」
ヒサト「王座はからっきしダメなんだよ。一度も連帯したことない・・・(笑)」
山口「今回の対策とかありますか?」
ヒサト「対策?対策なんてないよ。いらないもん切るだけ。ただ今までは打ち方が甘かったからな。姿勢とか構えとか。ミスも多かったし。もちろん難しい手牌もあったり、その逆で誰でもアガれるような手が来るときもある。ただ麻雀で大事なのはチャレンジ精神だと思うんだよね。どんな手牌でも最善をつくす事が、チャレンジだと。その精度は上がってきてるよ。」
山口「なるほど。」
ヒサト「あとね、負けは人を大きくするよね。やっぱり。ヤマト君、君も少しは学習したまえ!」
山口「はい!ちなみにヒサトさんはゲンとか担ぎますか?」
ヒサト「シャツかな?このシャツでリーグ戦も昇級したし、良い結果を出せた物は身に付けるようにしてるよ。」
山口「いろいろ結果を出せなかった時期もあったと思いますが・・・」
ヒサト「やっぱ一番はメンタル面だね。本当に良くなかった。構えがちゃんと出来てなかった。どっしり構えてれば良いものを、慌てたりとかあたふたしたりとかで自分を見失ってたよね。」
山口「それがどう良くなったのですか?」
ヒサト「吹っ切れたんだよね。A2で負け続けて。でも年間のリーグ戦だし降級するとは思わなかった。麻雀の内容も構えも良くなってる実感はあった。」
山口「まさに復活!って感じですかね。じゃあまずは王座勝ってくれますか?」
ヒサト「当たり前だろ」
山口「やっぱり、王座で勝つヒサトさんがみたいですよ!とりあえず1回でもトップを取って欲しいですね(笑)」
ヒサト「生意気だな(笑)当たり前田直哉って書いとけよ!」
ヒサトさん書いておきましたよ。
100
初めてヒサトさんに出会ったのは吉祥寺だった。
私が勤めていた店によく麻雀をしに来ていた。ピンとした背筋と迷いのない摸打。
どんな愚形でもリーチ!相手に先制されても無筋をさも安全かのように切り飛ばしていく。
半荘終わるといつもトップ。そんなイメージしかない。
負ける事なんてない人だと当時は思っていた。
そんなヒサトさんから負けが人を大きくするなんて言われると思わなかった。
そしてこの第17回モンド杯であの頃の「ヒサト」が戻ってきた。
待っていた人も多いだろう、本当の佐々木寿人を。
モンド王座でも究極の攻めを見せてくれるだろう。
これからも注目していきたい。
 

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天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 2nd season 第2節レポート:ケネス徳田

~プロ連盟Aルールの勝ち方とは~

 

『1st.season』では順位点が特徴的、いわゆる天鳳ルールで行われた。今回の『2nd.season』は一発裏ドラ無しのプロ連盟Aルールで行われる。

【プロ連盟Aルール】
・一発裏ドラ無し。カンドラ、カン裏なし。
・赤牌無し
・3万点持ち3万点返し。
・順位点は3万点を基準に浮けばプラス、沈めばマイナス。1人浮き(+12/▲1/▲3/▲8)、2人浮き(+8/+4/▲4/▲8)、3人浮き(+8/+3/+1/▲12)

おそらくほどんどの人はこのルールに馴染みがないと思われるが、やはり天鳳位たちも予想通り苦戦している。
「手役作って高打点目指せばいいんでしょ」と簡単に思う人もいるだろう。しかしそう口で言うほど簡単ではないのがこのルール。むしろ1,000点でもアガリたいのにアガれない局が続く…それがこのルールの怖さでもある。
この日の初戦、6回戦では勝又プロがひたすら我慢を続けさせられる。

 

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東3局、西家・勝又プロが5巡目で

二索三索六索七索七索四筒四筒南南北北西発  ツモ中  ドラ八筒

四筒を外してホンイツに行くも、危険牌の早切が間に合わず就活生@川村軍団さんに放銃してしまう。

 

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東4局、8巡目にテンパイが入る。

一万二万三万七万九万四筒四筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ九万  ドラ七万

ドラが出てしまうテンパイだがリーチにいった。結果は500・1,000のツモアガリ。たった500・1,000と思うかもしれないが、28,600点持ちというこの得点状況では決して小さくないアガリ。このルールでは原点の30,000点を超えることがまず第一目標なのである。なぜなら30,000点さえ超えていれば順位点はプラスになるからである。確実に浮きを守り、そして浮きが確定している位置からさらに素点を伸ばす。それがこのルールの戦い方なのである。

 

 

~リーチとヤミテンのセオリー~

 

6回戦南1局、11巡目に就活生@川村軍団にテンパイが入る。

 

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就活生@川村軍団さんは打四索でヤミテンに構える。1ハンアップの手替わりが3種類もある上、なかったとしてもピンフのみはヤミテンがこのルールのセオリーである。
同巡、北家・すずめクレイジーさんがリーチをかける。

六万七万八万二索三索四索六索七索八索二筒三筒四筒五筒  ドラ二筒

タンヤオ・ドラ1。打点効率的にはリーチがセオリー。しかもドラ受けならなおのことである。

 

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しかしリーチだからこそ、次巡就活生@川村軍団さんが二筒を掴んで…テンパイを崩した。ピンフのみでのヤミテンの最大のメリットを活かした形である。

 

 

~親番での強さ~

 

打点効率や局収支ベースを考えるのも重要だが、麻雀の基本である「親vs子」を念頭に入れた「親で稼いで子は相手の親番を流す」のがこのルールでのセオリーなのかもしれない。
特にこういった方々に親番をやらせると…

 

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ちょっとでも隙を与えるとたちまち追いつかれて、そして離されてしまう。

 

 

~浮きをさらに伸ばす戦い方~

 

7回戦の就活生@川村軍団さんがこのルールのお手本のような麻雀をみせる

 

100

 

東1局、東家・就活生@川村軍団さんが上記の場面でソーズを落としてホンイツ狙い。*發をポンして5,800を確定させる作戦である。狙い通り2,000オールをアガって連荘。
普通のトップオカあり、順位点が大きいルールだとこの6,000を本能的に守りたくなってしまうもの。だけど就活生@川村軍団さんはこの6,000を武器に親番で攻め続け、6本場7万点近くまで稼ぎ出す。

 

100

 

そして見事なのが親番が落ちても、戦い続けたことである。東3局、ピンフ・ドラ1テンパイ。ヤミテンでも十分だが、五筒八筒待ちが絶好と思いリーチでさらに素点を伸ばす。

 

100

 

また、南3局では

牌の背牌の背牌の背牌の背  チー一索 上向き二索 上向き三索 上向き  ポン発発発  ポン東東東  ドラ八筒

この3フーローの東家・前原に対し

四万四万四索五索二筒三筒四筒五筒五筒五筒  チー六筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き  ツモ六索

これで競り勝っている。素点を伸ばすのも大事だが、相手の親番を落とせるときにしっかりと落とすこと、これがこのルールで勝つ一番重要なことである。

 

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 就活生@川村軍団

(9代目天鳳位)

17.6 21.6 5.8 55.6 ▲ 21.5 79.1
2 前原雄大 37.4 8.8 ▲ 19.8 25.2 21.1 72.7
3 勝又健志 31.1 10.9 ▲ 12.3 11.5 41.2
4 瀬戸熊直樹 12.0 ▲ 5.7 ▲ 10.1 22.0 18.2
5 独歩

(3代目天鳳位)

23.1 ▲ 16.5 ▲ 8.7 ▲ 2.1
6 前田直哉 ▲ 7.2 ▲ 21.8 2.4 ▲ 26.6
7 すずめクレイジー

(4代目天鳳位)

▲ 2.0 ▲ 19.1 ▲ 14.1 ▲ 35.2
8 かにマジン

(8代目天鳳位)

▲ 22.4 ▲ 2.4 ▲ 30.4 11.8 ▲ 43.4
9 ASAPIN

(初代・11代目天鳳位)

▲ 24.6 ▲ 37.2 17.8 10.9 ▲ 18.5 ▲ 51.6
10 藤崎智 ▲ 4.5 ▲ 15.0 ▲ 27.1 ▲ 6.7 ▲ 53.3

 

【スケジュール】
第3節  :2月26日(日)
第4節  :3月20日(月)
プレーオフ:4月15日(土)
決勝戦  :5月 4日(木)

特集企画/天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 2nd season 第2節レポート:ケネス徳田

~プロ連盟Aルールの勝ち方とは~
 
『1st.season』では順位点が特徴的、いわゆる天鳳ルールで行われた。今回の『2nd.season』は一発裏ドラ無しのプロ連盟Aルールで行われる。
【プロ連盟Aルール】
・一発裏ドラ無し。カンドラ、カン裏なし。
・赤牌無し
・3万点持ち3万点返し。
・順位点は3万点を基準に浮けばプラス、沈めばマイナス。1人浮き(+12/▲1/▲3/▲8)、2人浮き(+8/+4/▲4/▲8)、3人浮き(+8/+3/+1/▲12)
おそらくほどんどの人はこのルールに馴染みがないと思われるが、やはり天鳳位たちも予想通り苦戦している。
「手役作って高打点目指せばいいんでしょ」と簡単に思う人もいるだろう。しかしそう口で言うほど簡単ではないのがこのルール。むしろ1,000点でもアガリたいのにアガれない局が続く…それがこのルールの怖さでもある。
この日の初戦、6回戦では勝又プロがひたすら我慢を続けさせられる。
 
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東3局、西家・勝又プロが5巡目で
二索三索六索七索七索四筒四筒南南北北西発  ツモ中  ドラ八筒
四筒を外してホンイツに行くも、危険牌の早切が間に合わず就活生@川村軍団さんに放銃してしまう。
 
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東4局、8巡目にテンパイが入る。
一万二万三万七万九万四筒四筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ九万  ドラ七万
ドラが出てしまうテンパイだがリーチにいった。結果は500・1,000のツモアガリ。たった500・1,000と思うかもしれないが、28,600点持ちというこの得点状況では決して小さくないアガリ。このルールでは原点の30,000点を超えることがまず第一目標なのである。なぜなら30,000点さえ超えていれば順位点はプラスになるからである。確実に浮きを守り、そして浮きが確定している位置からさらに素点を伸ばす。それがこのルールの戦い方なのである。
 
 
~リーチとヤミテンのセオリー~
 
6回戦南1局、11巡目に就活生@川村軍団にテンパイが入る。
 
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就活生@川村軍団さんは打四索でヤミテンに構える。1ハンアップの手替わりが3種類もある上、なかったとしてもピンフのみはヤミテンがこのルールのセオリーである。
同巡、北家・すずめクレイジーさんがリーチをかける。
六万七万八万二索三索四索六索七索八索二筒三筒四筒五筒  ドラ二筒
タンヤオ・ドラ1。打点効率的にはリーチがセオリー。しかもドラ受けならなおのことである。
 
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しかしリーチだからこそ、次巡就活生@川村軍団さんが二筒を掴んで…テンパイを崩した。ピンフのみでのヤミテンの最大のメリットを活かした形である。
 
 
~親番での強さ~
 
打点効率や局収支ベースを考えるのも重要だが、麻雀の基本である「親vs子」を念頭に入れた「親で稼いで子は相手の親番を流す」のがこのルールでのセオリーなのかもしれない。
特にこういった方々に親番をやらせると…
 
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ちょっとでも隙を与えるとたちまち追いつかれて、そして離されてしまう。
 
 
~浮きをさらに伸ばす戦い方~
 
7回戦の就活生@川村軍団さんがこのルールのお手本のような麻雀をみせる
 
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東1局、東家・就活生@川村軍団さんが上記の場面でソーズを落としてホンイツ狙い。*發をポンして5,800を確定させる作戦である。狙い通り2,000オールをアガって連荘。
普通のトップオカあり、順位点が大きいルールだとこの6,000を本能的に守りたくなってしまうもの。だけど就活生@川村軍団さんはこの6,000を武器に親番で攻め続け、6本場7万点近くまで稼ぎ出す。
 
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そして見事なのが親番が落ちても、戦い続けたことである。東3局、ピンフ・ドラ1テンパイ。ヤミテンでも十分だが、五筒八筒待ちが絶好と思いリーチでさらに素点を伸ばす。
 
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また、南3局では
牌の背牌の背牌の背牌の背  チー一索 上向き二索 上向き三索 上向き  ポン発発発  ポン東東東  ドラ八筒
この3フーローの東家・前原に対し
四万四万四索五索二筒三筒四筒五筒五筒五筒  チー六筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き  ツモ六索
これで競り勝っている。素点を伸ばすのも大事だが、相手の親番を落とせるときにしっかりと落とすこと、これがこのルールで勝つ一番重要なことである。
 
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 就活生@川村軍団
(9代目天鳳位)
17.6 21.6 5.8 55.6 ▲ 21.5 79.1
2 前原雄大 37.4 8.8 ▲ 19.8 25.2 21.1 72.7
3 勝又健志 31.1 10.9 ▲ 12.3 11.5 41.2
4 瀬戸熊直樹 12.0 ▲ 5.7 ▲ 10.1 22.0 18.2
5 独歩
(3代目天鳳位)
23.1 ▲ 16.5 ▲ 8.7 ▲ 2.1
6 前田直哉 ▲ 7.2 ▲ 21.8 2.4 ▲ 26.6
7 すずめクレイジー
(4代目天鳳位)
▲ 2.0 ▲ 19.1 ▲ 14.1 ▲ 35.2
8 かにマジン
(8代目天鳳位)
▲ 22.4 ▲ 2.4 ▲ 30.4 11.8 ▲ 43.4
9 ASAPIN
(初代・11代目天鳳位)
▲ 24.6 ▲ 37.2 17.8 10.9 ▲ 18.5 ▲ 51.6
10 藤崎智 ▲ 4.5 ▲ 15.0 ▲ 27.1 ▲ 6.7 ▲ 53.3

 
【スケジュール】
第3節  :2月26日(日)
第4節  :3月20日(月)
プレーオフ:4月15日(土)
決勝戦  :5月 4日(木)

上級/第118回『臆病者~Coward~』 前原雄大

つい先日、鳳凰戦の二日目に解説者である荒正義さんが、私をチキンハートと称した。
「前ちゃんは、負けたりすると1人になりたがる、電車の中でも考え続けたことだろう__。」
翌日荒さんから、その言葉を選んだことへの叮嚀な詫びの電話を頂いた。
その辺りの気配りは、さすが荒さんだと思った。
話は少し飛ぶが
「やはり、レジェンドと言えばボクにとっては、小島武夫さん、灘麻太郎さん、そして、森山茂和さん、荒さんあたりになります」
「いや、前ちゃんもそうだし、沢崎誠、瀬戸熊、藤崎、前田辺りもそうだよ」
何か違うような気がするのは私だけだろうか__。
話を戻すと私は自分自身を鑑みるとやはり、臆病者だと考える。
ひとつには、タイトル戦の決勝などを控えた時に、数か月前から相手を想定したかなりの量の稽古を積む。
何故か、それは決勝戦そのものが怖いからである。
勝ち負けもあるが、ちゃんとその舞台で踊れるか不安なのである。
怖い、と言うことはやはり臆病者の証しなんだろう
スタジオが出来る前までは、メールを飛ばせば7、8人はすぐ集まった。
ところが、今は皆忙しくなかなかに難しくなっている。
仕方がないので、フリー雀荘に飛び込んだり、1時間ほど手が空けばセット雀荘に飛び込みツモ捨て{モータ}を繰り返す。
そうしたくてしているわけではなく、そうしないと不安に襲われるからそうしているだけである。
1つには尊敬してやまない恩師の言葉の存在も大きい。
「どの競技であれ、戦うということの裏側には臆病であることは、私は必要だと考えている」
もう30年ほど昔に伺った言葉だが忘れたことは無い。
また、生来の気質もあるようにも考える。
麻雀プロに成りたてのころ、最初に手を染めたのが北抜きという三人麻雀である。
毎日そこには通ったが、初めて手を降ろしたのは通い詰めて半年後の事だった。
その半年の間何をしていたかと言うと観戦していただけのことである。
観戦して、家路につきながら、ずっと如何にすれば戦えるかを考えることは楽しい。
10年ほど前佐々木寿人さんに北抜きを教えた。
「わかりました。とにかく、やりましょう」
さすがだナ__
正直そう思った。
おそらく、彼は生まれついての戦闘民族なのだろう。
血液型などというモノをあまり信じないが、O型は戦闘タイプという説があるがそうかもしれない。
ちなみに近藤久春さんにある時尋ねた。
「近藤さんはA型でしょ?」
「そうなんですよ、AAではないのですが、ABなんですよ」
不思議なもので血液型は信じないが、ほとんど外したことがない。
古川孝次さんにも訊いた記憶があるが忘れた。
ただ覚えているのは、
「僕は南米の血が流れていると思っています」
この自由すぎる言葉は覚えている。
私自身は結婚して子供を授かるまでは、ずっと0型と思い込んでいた。廻りもそう言っていたせいかもしれない。
しかし、調べてみたら違うことが分かった。
このことは、いかに自分自身のことは解らないものだと、当時つくづく思わされた。
父親が0型だったためであり、母親がA型だったためでもある。
以前にも記したことだが、
「男ならば勝たねばならない」
父親にはそう躾けられ
「勝っても負けてもどちらでも良いのよ」
母親にはそう育てられた。
私は両親の言葉で叱られた記憶はほとんどない。父親は言葉ではなくすぐゲンコツが飛んできた。
そんな父親から言葉で叱られたのは、生家を訪ねたおり、断りなく煙草を呑んだときである。
「親に失礼しますの一言もなく煙草を吸って良いと思っているのか!」
母親には競技カルタでクラスは低かったが、優勝したときにささやかな祝いの場で、
「おめでとうございます」
宴の後
「貴方の言葉は嬉しいけれど、私は優勝するためにカルタをやっているわけではないの。そのことだけは覚えていてね。」
柔らかい口調だったが叱られた記憶が鮮明にチャコールグレイの写真のように今でも私の脳裏に焼き付いている。
当時は良く解らなかったが、今は両親の言葉の意味がおぼろげだが解るような気がする。
今回の鳳凰戦のプロモーションビデオで、かなりの量の言葉を発したのだが、多分使われないと思い発した言葉が使われた。
「通じない{使われない}と思うが鳳凰は大切なものだと思っている。ただ、鳳凰を獲る為に麻雀をやっているわけではない」
まさか、使われるとは思っていなかった。しかし、本音である。
今思うと両親の遺伝子が言わせた言葉かもしれない。
このコラムをお読みの方々に強くなる方法に関して言えることがある。
自分のルーツ環境に即した麻雀を見つめながら、原風景を知りながら、自分に似合う麻雀を打って行けば自ずと自分の目指す麻雀のカタチが見えて来るということだけである。
私に照らし合わせて言えば、良い時は何処までも攻め込む。悪い時は何処までも嵐が去るまで我慢する。
攻めと受けだけである。
余計なことはしないし、考えない。アシストもしないし、犠打もしない。
オリではなく、受けと記したのはオリを頭に描くと気持ちも手牌もオリに向かってしまうように思えてならない。
常に攻撃の機会を逃さないように麻雀を打って行きたい。
不器用かも知れないが、その不器用さを武器に闘って行きたいということである。
そして、臆病であることは決して悪い事ではない。
臆病であればどこまでも反省するし、向上もして行くものだと考える。
ただ、度合というものもあるのだろう。
初めて鳳凰を戴冠した時に荒さんから言われた言葉を思い出した。
「勝った貴方が胸を張ってくれなくちゃ、負けたオレはどうしたら良いんだ!」
あの微笑みを持った叱りの言葉は勇気づけられた。
最近、気に入っている言葉がある。
走るために走るのか!
勝つために走るのか!
簡単そうで難しい言葉に思えてならない。
人生時計なるものを最近知った。
年齢を3で割った数字がその人の人生時計であるらしい。
私は最近60歳になった。つまりは、人生時計に照らし合わせると20時である。
残された時間はあと4時間しかないのである。
残された4時間を如何に生きるか、如何に麻雀を打って行けるか。
その為には身体を作り目一杯麻雀を打ち続けるしか無い様に考えている。