第22期 最終節成績表

※8月18日(土) ベスト28トーナメントの開催会場は じゃん亭Nobu に変更となりました。

・トーナメント(ベスト28)  8月18日(土) 12:00対局開始  会場:じゃん亭Nobu
・決勝  8月19日(日) 12:00対局開始  会場:四ツ谷道場

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 内川 幸太郎 72.8 30.1 107.3 9.4 ▲ 12.0 207.6
2 羽山 真生 ▲ 47.1 95.2 46.6 35.5 60.8 191
3 井出 康平 20.4 12.2 41.1 40.2 70.2 184.1
4 中村 穀 17.8 46.3 60 53.6 ▲ 28.7 149
5 西川 淳 ▲ 0.5 47.3 66.1 ▲ 31.2 62 143.7
6 太田 優介 24.2 20.7 54.1 41.3 ▲ 0.6 139.7
7 岡田 直之 73.5 52.8 4.6 ▲ 10.1 16.5 137.3
8 相沢 かおる 29.6 80.4 ▲ 38.5 65.7 ▲ 2.7 134.5
9 ダンプ 大橋 16.5 ▲ 15.3 33 86.7 ▲ 7.2 113.7
10 吾妻 さおり ▲ 7.0 30.9 30.3 26.7 30.1 111
11 清原 継光 24.8 27.8 39.9 ▲ 0.4 16.3 108.4
12 西岡 慎泰 36.2 18.4 19.2 12.2 19.6 105.6
13 松岡 昭彦 88.5 ▲ 9.1 ▲ 1.8 ▲ 29.9 56.6 104.3
14 井田 憲孝 46.1 34 ▲ 18.0 29.6 11.9 103.6
15 末続 ヒロトシ 24 ▲ 1.3 32.6 ▲ 18.8 49.8 86.3
16 三浦 大輔 34.3 12.7 3.5 ▲ 1.6 34.5 83.4
17 福光 聖雄 ▲ 8.5 ▲ 17.4 35.2 15.1 57.8 82.2
18 松崎 良文 19 56.5 ▲ 15.0 41 ▲ 24.0 77.5
19 越野 智紀 ▲ 17.1 ▲ 14.4 63 25.8 17 74.3
20 中村 慎吾 ▲ 13.4 47 ▲ 2.7 8.7 34.5 74.1
21 嶋村 泰之 ▲ 18.2 85.4 ▲ 8.5 ▲ 32.9 46.5 72.3
22 松岡 千晶 18.9 17.5 20.1 26.1 ▲ 15.6 67
23 石橋 薫 40.7 34.9 40.2 ▲ 78.1 28 65.7
24 山口 大和 31.3 ▲ 49.9 15.3 41.1 19.9 57.7
25 白鳥 翔 23.4 ▲ 80.2 86.5 33.3 ▲ 9.5 53.5
26 蛯原 新吾 12.7 ▲ 2.8 ▲ 14.7 45.5 11.7 52.4
27 土井 悟 1.7 56.3 5.3 ▲ 14.2 ▲ 0.9 48.2
28 越川 清一 ▲ 3.4 ▲ 52.9 ▲ 33.0 104 31.5 46.2
29 柴田 弘幸 26.1 ▲ 19.6 10.5 ▲ 3.1 16.6 30.5
30 水谷 健志 ▲ 17.0 62.8 ▲ 35.9 ▲ 28.2 40.1 21.8
31 高沢 智 15.9 33.7 ▲ 50.3 46.2 ▲ 23.8 21.7
32 戸嶋 祥太 ▲ 9.7 7.4 ▲ 21.0 ▲ 14.3 58.2 20.6
33 冨田 久志 ▲ 42.6 84.4 ▲ 30.0 8.9 ▲ 3.9 16.8
34 吉田 直 30.4 ▲ 53.4 68.4 ▲ 43.1 8.3 10.6
35 一井 慎也 18.6 ▲ 37.2 64.3 ▲ 38.3 2.6 10
36 山田 浩之 ▲ 31.8 ▲ 26.2 ▲ 6.0 52.2 12.8 1
37 戸田 誠輝 8.9 33.1 15.2 8.7 ▲ 65.0 0.9
38 大竹 昌之 ▲ 8.2 ▲ 7.2 ▲ 30.4 45.1 ▲ 1.0 ▲ 1.7
39 増田 隆一 ▲ 6.6 13.2 ▲ 3.8 35.3 ▲ 41.6 ▲ 3.5
40 沢崎 誠 ▲ 21.0 34.7 11.7 ▲ 8.4 ▲ 21.1 ▲ 4.1
41 久保 公男 34.7 ▲ 26.6 ▲ 34.2 9.1 11.6 ▲ 5.4
42 杉浦 勘介 ▲ 22.8 ▲ 34.9 57.4 11.1 ▲ 20.6 ▲ 9.8
43 斉藤 豪 14.9 ▲ 28.5 ▲ 13.8 ▲ 14.2 27.5 ▲ 14.1
44 藤本 哲也 ▲ 40.1 7.5 ▲ 31.2 ▲ 10.0 58.2 ▲ 15.6
45 田中 史孝 ▲ 20.1 10.4 ▲ 48.2 70.7 ▲ 28.8 ▲ 16.0
46 藤原 隆弘 19.5 ▲ 23.4 ▲ 24.0 31.3 ▲ 21.4 ▲ 18.0
47 西島 一彦 ▲ 12.7 ▲ 12.1 ▲ 5.2 5.7 5.4 ▲ 18.9
48 伊賀 則夫 34.9 ▲ 4.3 ▲ 35.3 ▲ 24.6 9.8 ▲ 19.5
49 小川 尚哉 65.8 ▲ 34.3 8.4 ▲ 27.7 ▲ 34.9 ▲ 22.7
50 柚木 正仁 ▲ 16.2 18.6 ▲ 2.5 8 ▲ 35.1 ▲ 27.2
51 岡田 茂 36.7 8.1 ▲ 25.2 ▲ 57.9 4.6 ▲ 33.7
52 板川 和俊 ▲ 10.4 14.6 ▲ 66.3 ▲ 3.9 18.7 ▲ 47.3
53 山井 弘 ▲ 63.3 ▲ 18.8 1.3 22.3 2.5 ▲ 56.0
54 西田 修 25.2 ▲ 11.0 ▲ 47.2 ▲ 17.6 ▲ 18.7 ▲ 69.3
55 森下 剛任 ▲ 18.3 1.7 20.3 ▲ 11.7 ▲ 65.0 ▲ 73.0
56 井出 一寛 39.3 ▲ 71.6 ▲ 11.7 ▲ 36.3 0.1 ▲ 80.2
57 福山 満幸 ▲ 18.9 ▲ 2.6 ▲ 45.1 ▲ 9.0 ▲ 8.2 ▲ 83.8
58 宮田 豊夢 ▲ 0.9 ▲ 43.7 11.7 2.4 ▲ 61.1 ▲ 91.6
59 谷岡 育夫 ▲ 30.7 ▲ 19.8 ▲ 15.1 ▲ 32.8 ▲ 13.7 ▲ 112.1
60 犬見 武史 ▲ 14.2 ▲ 9.5 ▲ 41.7 ▲ 15.0 ▲ 32.5 ▲ 112.9
61 小針 貴司 ▲ 4.9 ▲ 68.3 11.8 9.9 ▲ 106.1 ▲ 157.6
62 塚越 祐次郎 12.4 ▲ 8.6 ▲ 42.4 ▲ 30.8 ▲ 108.7 ▲ 178.1
63 重原 聡 ▲ 8.8 ▲ 72.7 26.6 ▲ 50.2 敗退
64 童瞳 ▲ 50.6 35.1 ▲ 10.9 ▲ 80.1 敗退
65 石川 正明 6.8 ▲ 18.3 ▲ 45.0 ▲ 54.8 敗退
66 ガース 15.2 ▲ 49.3 ▲ 51.4 ▲ 51.1 敗退
67 角屋 保人 ▲ 52.3 9.7 ▲ 35.9 ▲ 74.0 敗退
68 楠木 一朗 ▲ 49.0 ▲ 47.7 ▲ 21.3 敗退
69 室伏 理麻 ▲ 39.9 15 ▲ 95.5 敗退
70 白河 雪菜 ▲ 34.9 ▲ 27.3 ▲ 64.6 敗退
71 上村 政雄 ▲ 56.8 ▲ 36.1 ▲ 36.8 敗退
72 加藤 誠 ▲ 57.9 ▲ 91.9 敗退

決勝トーナメント進出者 29名:順位枠内に表示

JPML WRCリーグ 成績表/第22期 最終節成績表

※8月18日(土) ベスト28トーナメントの開催会場は じゃん亭Nobu に変更となりました。

・トーナメント(ベスト28)  8月18日(土) 12:00対局開始  会場:じゃん亭Nobu
・決勝  8月19日(日) 12:00対局開始  会場:四ツ谷道場

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 内川 幸太郎 72.8 30.1 107.3 9.4 ▲ 12.0 207.6
2 羽山 真生 ▲ 47.1 95.2 46.6 35.5 60.8 191
3 井出 康平 20.4 12.2 41.1 40.2 70.2 184.1
4 中村 穀 17.8 46.3 60 53.6 ▲ 28.7 149
5 西川 淳 ▲ 0.5 47.3 66.1 ▲ 31.2 62 143.7
6 太田 優介 24.2 20.7 54.1 41.3 ▲ 0.6 139.7
7 岡田 直之 73.5 52.8 4.6 ▲ 10.1 16.5 137.3
8 相沢 かおる 29.6 80.4 ▲ 38.5 65.7 ▲ 2.7 134.5
9 ダンプ 大橋 16.5 ▲ 15.3 33 86.7 ▲ 7.2 113.7
10 吾妻 さおり ▲ 7.0 30.9 30.3 26.7 30.1 111
11 清原 継光 24.8 27.8 39.9 ▲ 0.4 16.3 108.4
12 西岡 慎泰 36.2 18.4 19.2 12.2 19.6 105.6
13 松岡 昭彦 88.5 ▲ 9.1 ▲ 1.8 ▲ 29.9 56.6 104.3
14 井田 憲孝 46.1 34 ▲ 18.0 29.6 11.9 103.6
15 末続 ヒロトシ 24 ▲ 1.3 32.6 ▲ 18.8 49.8 86.3
16 三浦 大輔 34.3 12.7 3.5 ▲ 1.6 34.5 83.4
17 福光 聖雄 ▲ 8.5 ▲ 17.4 35.2 15.1 57.8 82.2
18 松崎 良文 19 56.5 ▲ 15.0 41 ▲ 24.0 77.5
19 越野 智紀 ▲ 17.1 ▲ 14.4 63 25.8 17 74.3
20 中村 慎吾 ▲ 13.4 47 ▲ 2.7 8.7 34.5 74.1
21 嶋村 泰之 ▲ 18.2 85.4 ▲ 8.5 ▲ 32.9 46.5 72.3
22 松岡 千晶 18.9 17.5 20.1 26.1 ▲ 15.6 67
23 石橋 薫 40.7 34.9 40.2 ▲ 78.1 28 65.7
24 山口 大和 31.3 ▲ 49.9 15.3 41.1 19.9 57.7
25 白鳥 翔 23.4 ▲ 80.2 86.5 33.3 ▲ 9.5 53.5
26 蛯原 新吾 12.7 ▲ 2.8 ▲ 14.7 45.5 11.7 52.4
27 土井 悟 1.7 56.3 5.3 ▲ 14.2 ▲ 0.9 48.2
28 越川 清一 ▲ 3.4 ▲ 52.9 ▲ 33.0 104 31.5 46.2
29 柴田 弘幸 26.1 ▲ 19.6 10.5 ▲ 3.1 16.6 30.5
30 水谷 健志 ▲ 17.0 62.8 ▲ 35.9 ▲ 28.2 40.1 21.8
31 高沢 智 15.9 33.7 ▲ 50.3 46.2 ▲ 23.8 21.7
32 戸嶋 祥太 ▲ 9.7 7.4 ▲ 21.0 ▲ 14.3 58.2 20.6
33 冨田 久志 ▲ 42.6 84.4 ▲ 30.0 8.9 ▲ 3.9 16.8
34 吉田 直 30.4 ▲ 53.4 68.4 ▲ 43.1 8.3 10.6
35 一井 慎也 18.6 ▲ 37.2 64.3 ▲ 38.3 2.6 10
36 山田 浩之 ▲ 31.8 ▲ 26.2 ▲ 6.0 52.2 12.8 1
37 戸田 誠輝 8.9 33.1 15.2 8.7 ▲ 65.0 0.9
38 大竹 昌之 ▲ 8.2 ▲ 7.2 ▲ 30.4 45.1 ▲ 1.0 ▲ 1.7
39 増田 隆一 ▲ 6.6 13.2 ▲ 3.8 35.3 ▲ 41.6 ▲ 3.5
40 沢崎 誠 ▲ 21.0 34.7 11.7 ▲ 8.4 ▲ 21.1 ▲ 4.1
41 久保 公男 34.7 ▲ 26.6 ▲ 34.2 9.1 11.6 ▲ 5.4
42 杉浦 勘介 ▲ 22.8 ▲ 34.9 57.4 11.1 ▲ 20.6 ▲ 9.8
43 斉藤 豪 14.9 ▲ 28.5 ▲ 13.8 ▲ 14.2 27.5 ▲ 14.1
44 藤本 哲也 ▲ 40.1 7.5 ▲ 31.2 ▲ 10.0 58.2 ▲ 15.6
45 田中 史孝 ▲ 20.1 10.4 ▲ 48.2 70.7 ▲ 28.8 ▲ 16.0
46 藤原 隆弘 19.5 ▲ 23.4 ▲ 24.0 31.3 ▲ 21.4 ▲ 18.0
47 西島 一彦 ▲ 12.7 ▲ 12.1 ▲ 5.2 5.7 5.4 ▲ 18.9
48 伊賀 則夫 34.9 ▲ 4.3 ▲ 35.3 ▲ 24.6 9.8 ▲ 19.5
49 小川 尚哉 65.8 ▲ 34.3 8.4 ▲ 27.7 ▲ 34.9 ▲ 22.7
50 柚木 正仁 ▲ 16.2 18.6 ▲ 2.5 8 ▲ 35.1 ▲ 27.2
51 岡田 茂 36.7 8.1 ▲ 25.2 ▲ 57.9 4.6 ▲ 33.7
52 板川 和俊 ▲ 10.4 14.6 ▲ 66.3 ▲ 3.9 18.7 ▲ 47.3
53 山井 弘 ▲ 63.3 ▲ 18.8 1.3 22.3 2.5 ▲ 56.0
54 西田 修 25.2 ▲ 11.0 ▲ 47.2 ▲ 17.6 ▲ 18.7 ▲ 69.3
55 森下 剛任 ▲ 18.3 1.7 20.3 ▲ 11.7 ▲ 65.0 ▲ 73.0
56 井出 一寛 39.3 ▲ 71.6 ▲ 11.7 ▲ 36.3 0.1 ▲ 80.2
57 福山 満幸 ▲ 18.9 ▲ 2.6 ▲ 45.1 ▲ 9.0 ▲ 8.2 ▲ 83.8
58 宮田 豊夢 ▲ 0.9 ▲ 43.7 11.7 2.4 ▲ 61.1 ▲ 91.6
59 谷岡 育夫 ▲ 30.7 ▲ 19.8 ▲ 15.1 ▲ 32.8 ▲ 13.7 ▲ 112.1
60 犬見 武史 ▲ 14.2 ▲ 9.5 ▲ 41.7 ▲ 15.0 ▲ 32.5 ▲ 112.9
61 小針 貴司 ▲ 4.9 ▲ 68.3 11.8 9.9 ▲ 106.1 ▲ 157.6
62 塚越 祐次郎 12.4 ▲ 8.6 ▲ 42.4 ▲ 30.8 ▲ 108.7 ▲ 178.1
63 重原 聡 ▲ 8.8 ▲ 72.7 26.6 ▲ 50.2 敗退
64 童瞳 ▲ 50.6 35.1 ▲ 10.9 ▲ 80.1 敗退
65 石川 正明 6.8 ▲ 18.3 ▲ 45.0 ▲ 54.8 敗退
66 ガース 15.2 ▲ 49.3 ▲ 51.4 ▲ 51.1 敗退
67 角屋 保人 ▲ 52.3 9.7 ▲ 35.9 ▲ 74.0 敗退
68 楠木 一朗 ▲ 49.0 ▲ 47.7 ▲ 21.3 敗退
69 室伏 理麻 ▲ 39.9 15 ▲ 95.5 敗退
70 白河 雪菜 ▲ 34.9 ▲ 27.3 ▲ 64.6 敗退
71 上村 政雄 ▲ 56.8 ▲ 36.1 ▲ 36.8 敗退
72 加藤 誠 ▲ 57.9 ▲ 91.9 敗退

決勝トーナメント進出者 29名:順位枠内に表示

第68回『懺悔』

南2局、西家5巡目(一筒2枚切れ)

一万二万三万九万一索二索三索七筒八筒九筒九筒南南 ツモ二筒 ドラ二索

A2リーグに吉田直(ヨシダタダシ)という打ち手がいる。
打点力を重要視する彼にこの手牌がやってきたらまず間違いなく、二筒以外を打つだろう。

ご覧になった方も多いかと思うが、上記手牌は近代麻雀主催、最強戦新鋭プロ代表決定戦の決勝卓の私の手牌だ。
最強戦新鋭大会のオンエアー翌日、

吉田「いや〜タッキーのせいで俺のPCがぶっ壊れるところだったよ」
__『すんません…』
吉田「あの時一筒は何枚打たれていたの?」
__『当時は2枚です』
吉田「2枚かぁー、関係ないじゃん!」
__『タダシ君ならそう言うでしょうね』
吉田「俺は細かいことはわからないけどさ、タッキーが正しいと思って打ったならいいんじゃない?」

68_01

得点は現在、以下のようになっている。

瀬戸熊直樹=37,200
滝沢和典=33,400
鈴木達也=27,200
佐々木寿人=2,200

半荘1回勝負で、1位のみが次のステージである各予選から勝ち上がりの16名のトーナメントに進めるというシステム。
2着以下の評価に差はなく、全員が優勝以外に目的はないという条件で打つため、
親決めで北家を引いた私は、かなり有利な戦いになると予想していた。

こういった決勝戦のような条件戦では、残り局数が少なくなるほど点数が少ない者の打牌が制限されてくるため、
最後の親番が、もっとも有利な展開になるケースが多いからである。

この場面、私は打二筒とした。

対面、鈴木達也さんの一筒がトイツ落としなのは知る由もないもないが、単純に現在の一筒の枚数で選んだ。
とにかく一筒を使ってアガらなければ、チャンタも三色も消えてしまう。
その肝心な一筒が早くも2枚見えているのだから、手堅いアガリを目指そうと考えたのである。

チャンタのくっつき、または六筒を引いてのシャンポン待ちでも、南でアガれば打点力はそこそこ。
かなり有利なラス親も控えているため、まずは確実にアガリをものにして、現状のライバルである瀬戸熊プロに追いつくこと。
つまり、5,200をベースに考えて出した結論が打二筒であった。

結果はすぐに最後の一筒を持ってきて、チャンタ三色のテンパイ形を逃したあと、下家・佐々木プロからリーチがかかる。
仮に二筒を残していたなら、おそらくリーチと声を出しているであろう。
二筒を残すということは、局のテーマが打点を求めるということになるからだ。

そこに持ってきたのがアガリ逃しとなる三筒。これは本当に足にきた。
しかし、この程度の裏目は麻雀において良くあることで、
打牌選択の背景がしっかりしていれば、どういった結果が出ようと後悔なんてする必要はないはずだ。

問題はこの後である。
ここでもう一度牌譜を見ていただきたい。

68_02

リーチに対して打二万をメンツから抜いてオリるのだが、これが非常にだらしない。
点数がない上に、親番もない所からのリーチなのだから、それなりの打点になっているはずで、
345の手出しからはタンピン形も消去され、巡目が進むにつれて手役も限定されてくる。

もうひと粘りしなければお話しにならない場面なのである。

さらに言えば、メンツを壊してオリるならば、他家の反撃に備えるためにも三索の方から打たなければならない。
頭が怠け、思考を放棄したひどい牌譜を残してしまった。プロとしてこれほど情けないことはない。
結果はもちろん大事だが、同じ負けにしても“負け方”が良くない。
先ほど並べた理由が実際に対局中に私が考えたことであり、それが私の打牌の背景であるわけだが、
たった裏目ひとつでぐらついてしまうということは、結局はその背景がしっかりとしていないということなのである。

吉田直とは、普段からトレーニングの場面で一緒になることが多いが、とにかく努力を惜しまない打ち手だ。
冒頭の会話のように「細かいことはわからん」といったように茶化すのは彼のお決まりである。
その「細かいこと」は、彼がわざと無視している部分なのか、それとも足りない部分なのかは本人しかわからないが、
麻雀の理屈やシステムを人一倍理解しようとしていることは普段の取り組み方からわかる。

ある日の勉強会。
親番の私は仕掛けてテンパイが入っている。
おそらく他家の視点からもテンパイか、それに等しい形が入っているように映っていることだろう。

七万八万九万一索二索三索五索六索八索八索 ポン白白白 ドラ八万

下家の吉田にもテンパイが入っている気配がある。
普段から感情が打牌のモーションに現れやすいこともあるが、他家がオリ気味に打牌していることで吉田は勝負手が入っている可能性が高い。
数巡前に二索を打っている私は、ツモってきた一索を手出しで打った。四索との振り替わりに見せかけて四索七索待ちの印象を薄めるためである。

対局後、1人の対局者が「滝沢さん、あの局って三索が入り目ですか?」
するとすかさず吉田が「あーあのズルイ空切りの局ね」と答える。

つまり、まるで何も見ていないようなスピード、モーションで打っていた吉田は、私の空切りに気づいていたということである。
これはほんの一例で、吉田が「細かいこと」と称するようなことが少しずつではあるが、確実にインプットされている。
公式戦などの舞台に対して、緊張し集中するのは当たり前だが、トレーニングでも同じようにテンションを高め、集中力を持続させることは大変なことだ。

昨年度のリーグ戦で私はA2から降級し、前期でA2リーグに昇級を決めた吉田とは入れ違いになった。
その晩酒を酌み交わしたのだが、彼は私の降級に対して涙を流した。
それは、当時の私の努力や思い入れを認めてくれてのことであろう。
しかし不覚にもそれを裏切る譜を残してしまった。

時間やお金をかけて見てくださっているファンの方を裏切るような打牌。
そして、素晴らしい仲間の涙を裏切るような麻雀はしてはならないと、改めて感じた。

この場面で何を打って失敗した、成功したというのは解釈が様々な以上はどちらにしても結果論として片づけることができてしまう。
メディアには断片化されたものが掲載されるが、そこに至るまでの過程が最も大切な部分で、
日々、遊びではない麻雀を打ってトレーニングを積まなければ、本当の意味で鍛えられることはない。

そして、それを継続するには、凄まじいまでの思い入れが必要なのである。

麻雀は楽しい。
楽しい遊びを伝えるプロは、死に物狂いで取り組まなければならないと思う。

中級/第68回『懺悔』

南2局、西家5巡目(一筒2枚切れ)
一万二万三万九万一索二索三索七筒八筒九筒九筒南南 ツモ二筒 ドラ二索
A2リーグに吉田直(ヨシダタダシ)という打ち手がいる。
打点力を重要視する彼にこの手牌がやってきたらまず間違いなく、二筒以外を打つだろう。
ご覧になった方も多いかと思うが、上記手牌は近代麻雀主催、最強戦新鋭プロ代表決定戦の決勝卓の私の手牌だ。
最強戦新鋭大会のオンエアー翌日、
吉田「いや〜タッキーのせいで俺のPCがぶっ壊れるところだったよ」
__『すんません…』
吉田「あの時一筒は何枚打たれていたの?」
__『当時は2枚です』
吉田「2枚かぁー、関係ないじゃん!」
__『タダシ君ならそう言うでしょうね』
吉田「俺は細かいことはわからないけどさ、タッキーが正しいと思って打ったならいいんじゃない?」
68_01
得点は現在、以下のようになっている。
瀬戸熊直樹=37,200
滝沢和典=33,400
鈴木達也=27,200
佐々木寿人=2,200
半荘1回勝負で、1位のみが次のステージである各予選から勝ち上がりの16名のトーナメントに進めるというシステム。
2着以下の評価に差はなく、全員が優勝以外に目的はないという条件で打つため、
親決めで北家を引いた私は、かなり有利な戦いになると予想していた。
こういった決勝戦のような条件戦では、残り局数が少なくなるほど点数が少ない者の打牌が制限されてくるため、
最後の親番が、もっとも有利な展開になるケースが多いからである。
この場面、私は打二筒とした。
対面、鈴木達也さんの一筒がトイツ落としなのは知る由もないもないが、単純に現在の一筒の枚数で選んだ。
とにかく一筒を使ってアガらなければ、チャンタも三色も消えてしまう。
その肝心な一筒が早くも2枚見えているのだから、手堅いアガリを目指そうと考えたのである。
チャンタのくっつき、または六筒を引いてのシャンポン待ちでも、南でアガれば打点力はそこそこ。
かなり有利なラス親も控えているため、まずは確実にアガリをものにして、現状のライバルである瀬戸熊プロに追いつくこと。
つまり、5,200をベースに考えて出した結論が打二筒であった。
結果はすぐに最後の一筒を持ってきて、チャンタ三色のテンパイ形を逃したあと、下家・佐々木プロからリーチがかかる。
仮に二筒を残していたなら、おそらくリーチと声を出しているであろう。
二筒を残すということは、局のテーマが打点を求めるということになるからだ。
そこに持ってきたのがアガリ逃しとなる三筒。これは本当に足にきた。
しかし、この程度の裏目は麻雀において良くあることで、
打牌選択の背景がしっかりしていれば、どういった結果が出ようと後悔なんてする必要はないはずだ。
問題はこの後である。
ここでもう一度牌譜を見ていただきたい。
68_02
リーチに対して打二万をメンツから抜いてオリるのだが、これが非常にだらしない。
点数がない上に、親番もない所からのリーチなのだから、それなりの打点になっているはずで、
345の手出しからはタンピン形も消去され、巡目が進むにつれて手役も限定されてくる。
もうひと粘りしなければお話しにならない場面なのである。
さらに言えば、メンツを壊してオリるならば、他家の反撃に備えるためにも三索の方から打たなければならない。
頭が怠け、思考を放棄したひどい牌譜を残してしまった。プロとしてこれほど情けないことはない。
結果はもちろん大事だが、同じ負けにしても“負け方”が良くない。
先ほど並べた理由が実際に対局中に私が考えたことであり、それが私の打牌の背景であるわけだが、
たった裏目ひとつでぐらついてしまうということは、結局はその背景がしっかりとしていないということなのである。
吉田直とは、普段からトレーニングの場面で一緒になることが多いが、とにかく努力を惜しまない打ち手だ。
冒頭の会話のように「細かいことはわからん」といったように茶化すのは彼のお決まりである。
その「細かいこと」は、彼がわざと無視している部分なのか、それとも足りない部分なのかは本人しかわからないが、
麻雀の理屈やシステムを人一倍理解しようとしていることは普段の取り組み方からわかる。
ある日の勉強会。
親番の私は仕掛けてテンパイが入っている。
おそらく他家の視点からもテンパイか、それに等しい形が入っているように映っていることだろう。
七万八万九万一索二索三索五索六索八索八索 ポン白白白 ドラ八万
下家の吉田にもテンパイが入っている気配がある。
普段から感情が打牌のモーションに現れやすいこともあるが、他家がオリ気味に打牌していることで吉田は勝負手が入っている可能性が高い。
数巡前に二索を打っている私は、ツモってきた一索を手出しで打った。四索との振り替わりに見せかけて四索七索待ちの印象を薄めるためである。
対局後、1人の対局者が「滝沢さん、あの局って三索が入り目ですか?」
するとすかさず吉田が「あーあのズルイ空切りの局ね」と答える。
つまり、まるで何も見ていないようなスピード、モーションで打っていた吉田は、私の空切りに気づいていたということである。
これはほんの一例で、吉田が「細かいこと」と称するようなことが少しずつではあるが、確実にインプットされている。
公式戦などの舞台に対して、緊張し集中するのは当たり前だが、トレーニングでも同じようにテンションを高め、集中力を持続させることは大変なことだ。
昨年度のリーグ戦で私はA2から降級し、前期でA2リーグに昇級を決めた吉田とは入れ違いになった。
その晩酒を酌み交わしたのだが、彼は私の降級に対して涙を流した。
それは、当時の私の努力や思い入れを認めてくれてのことであろう。
しかし不覚にもそれを裏切る譜を残してしまった。
時間やお金をかけて見てくださっているファンの方を裏切るような打牌。
そして、素晴らしい仲間の涙を裏切るような麻雀はしてはならないと、改めて感じた。
この場面で何を打って失敗した、成功したというのは解釈が様々な以上はどちらにしても結果論として片づけることができてしまう。
メディアには断片化されたものが掲載されるが、そこに至るまでの過程が最も大切な部分で、
日々、遊びではない麻雀を打ってトレーニングを積まなければ、本当の意味で鍛えられることはない。
そして、それを継続するには、凄まじいまでの思い入れが必要なのである。
麻雀は楽しい。
楽しい遊びを伝えるプロは、死に物狂いで取り組まなければならないと思う。

第12期 2012年前期最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計 順位
1 魚谷 侑未 49 41.1 22.2 67 28.9 ▲ 43.3 ▲ 15.8 43.7 192.8 1
2 安村 浩司 43.1 45 4.7 ▲ 34.2 83.4 17.9 ▲ 27.2 18.3 151 2
3 相沢 かおる ▲ 2.4 7.3 ▲ 31.4 64.4 34.6 45.8 ▲ 17.8 ▲ 12.3 88.2 3
4 森下 剛任 11 45.3 4.4 ▲ 0.1 ▲ 19.4 53.4 5 ▲ 29.3 70.3 4
5 福光 聖雄 38.6 58.1 ▲ 41.6 26.7 30 ▲ 57.9 11.9 ▲ 20.4 45.4 5
6 蒼井 ゆりか ▲ 1.2 ▲ 36.9 44.7 ▲ 21.8 6 36.4 16.6 敗退 6
7 北野 由実 59.9 21.6 ▲ 26.0 7.6 ▲ 13.8 ▲ 48.4 20.7 敗退 7
8 一井 慎也 17.4 ▲ 10.6 13.5 ▲ 27.9 ▲ 10.5 16.1 4.6 敗退 8
9 西山 あみ ▲ 11.8 16.1 3.9 11.3 ▲ 22.4 ▲ 2.2 敗退 9
10 福島 祐治 ▲ 62.2 ▲ 15.1 39.3 ▲ 1.1 13.9 ▲ 5.0 敗退 10
11 奈良 圭純 ▲ 25.6 ▲ 38.9 41.4 ▲ 42.5 37.7 ▲ 6.9 敗退 11
12 嶋村 泰之 3.8 ▲ 51.0 ▲ 45.5 44.9 19.8 ▲ 7.9 敗退 12
13 桶本 篤史 1.7 ▲ 23.8 27.5 ▲ 4.2 ▲ 71.6 敗退 13
14 古橋 崇志 ▲ 18.0 5.7 3.1 ▲ 45.1 ▲ 60.9 敗退 14
15 堀内 正人 ▲ 51.5 ▲ 15.8 2 6 ▲ 58.7 敗退 15
16 越野 智紀 ▲ 43.3 2.2 ▲ 15.3 ▲ 52.0 敗退 16
17 大庭 三四郎 ▲ 8.5 ▲ 50.3 ▲ 48.9 敗退 17

優勝:B2リーグ昇級 準優勝:C1リーグ昇級   3位:C2リーグ昇級 
特別昇級権利獲得者 (青字で表示) 敗退者(赤枠で表示)

特別昇級リーグ 成績表/第12期 2012年前期最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計 順位
1 魚谷 侑未 49 41.1 22.2 67 28.9 ▲ 43.3 ▲ 15.8 43.7 192.8 1
2 安村 浩司 43.1 45 4.7 ▲ 34.2 83.4 17.9 ▲ 27.2 18.3 151 2
3 相沢 かおる ▲ 2.4 7.3 ▲ 31.4 64.4 34.6 45.8 ▲ 17.8 ▲ 12.3 88.2 3
4 森下 剛任 11 45.3 4.4 ▲ 0.1 ▲ 19.4 53.4 5 ▲ 29.3 70.3 4
5 福光 聖雄 38.6 58.1 ▲ 41.6 26.7 30 ▲ 57.9 11.9 ▲ 20.4 45.4 5
6 蒼井 ゆりか ▲ 1.2 ▲ 36.9 44.7 ▲ 21.8 6 36.4 16.6 敗退 6
7 北野 由実 59.9 21.6 ▲ 26.0 7.6 ▲ 13.8 ▲ 48.4 20.7 敗退 7
8 一井 慎也 17.4 ▲ 10.6 13.5 ▲ 27.9 ▲ 10.5 16.1 4.6 敗退 8
9 西山 あみ ▲ 11.8 16.1 3.9 11.3 ▲ 22.4 ▲ 2.2 敗退 9
10 福島 祐治 ▲ 62.2 ▲ 15.1 39.3 ▲ 1.1 13.9 ▲ 5.0 敗退 10
11 奈良 圭純 ▲ 25.6 ▲ 38.9 41.4 ▲ 42.5 37.7 ▲ 6.9 敗退 11
12 嶋村 泰之 3.8 ▲ 51.0 ▲ 45.5 44.9 19.8 ▲ 7.9 敗退 12
13 桶本 篤史 1.7 ▲ 23.8 27.5 ▲ 4.2 ▲ 71.6 敗退 13
14 古橋 崇志 ▲ 18.0 5.7 3.1 ▲ 45.1 ▲ 60.9 敗退 14
15 堀内 正人 ▲ 51.5 ▲ 15.8 2 6 ▲ 58.7 敗退 15
16 越野 智紀 ▲ 43.3 2.2 ▲ 15.3 ▲ 52.0 敗退 16
17 大庭 三四郎 ▲ 8.5 ▲ 50.3 ▲ 48.9 敗退 17

優勝:B2リーグ昇級 準優勝:C1リーグ昇級   3位:C2リーグ昇級 
特別昇級権利獲得者 (青字で表示) 敗退者(赤枠で表示)

第29期プロリーグ A1 第5節レポート

29_a_08 29_a_08
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連日の猛暑とオリンピックフィーバーの真っ只中、プロリーグ第5節が行われた。
Bリーグ以下は今節で昇降級が決まるが、Aリーグは丁度折り返し点となる。

今節は開幕から独走で首位を走り続ける藤崎と、2位に着ける伊藤の好調者2人と、
なかなか降級ポジションから抜け出せない右田、ダンプの不調者2人の卓に注目してみた。

年齢を感じさせないカンの良さと勝負強さを随所に見せ、今期も元気な伊藤が初戦からエンジン全開にスタートする。
開局、西家の伊藤は、123三色に決め打ち、狙い通り8巡目にテンパイし絞っていた東を切る。

一万二万七万八万九万一索二索二索二索三索一筒二筒三筒 ドラ八万

この東を親の大橋がポンして1シャンテン。
ここに北家・右田がこの手牌から三万を放銃したのには目がテンになった。

二万三万三万四万五万六万八万九万六索六筒七筒西西東

伊藤はドラの八万を手出しで切り、次にドラ表の七万をツモ切りの後、生牌の東を手出しでテンパイ濃厚。
ダブ東をポンした大橋は、右田の下家でその河にはマンズは一万しか切れてない。
ここは堪えて、ポンカスの東を切るべきで雀頭の西も安全牌だ。

三万を切るのならもっと早く処理しておくべきであり、2枚見えのペン七万も埋まってないのに、
どうしてこんなお砂糖に蜂蜜をかけたように甘い三万をピンポイントで献上したのだろうか?
先月は、160Pの負債を半分減らし最下位を脱出した右田だが、ヨーイドンからこんな放銃をするようでは今日はしんどい1日になるだろうなと思った。

早くも勢いをつけて貰った伊藤は、東3局の親でノーミスのタンヤオ七対子3,200オールをツモって4万点越え。
同1本場は、ダブ東暗刻の好配牌からマンズに寄せ、4巡目には18,000点の1シャンテン。
6巡目、伊藤の打三索に南家の右田が動く、

三万五万六万七万八万二索四索六索八索三筒三筒四筒六筒 ドラ五万

この形からカン三索をチーして、伊藤に高いマンズを払い捌きに行ったのだが、これが大裏目となる。
伊藤に六万が入り、鳴く子も黙るヤミテン18,000。

一万一万一万五万六万六万七万七万八万東東東西北

伊藤は迷わず配牌からある北を切り、前巡ツモった西単騎を選択すると、右田のツモが西でこれは止まるはずも無かった。
好調な伊藤のツモをズラしに行ったのか?何とかアヤをつけて流れを変えようとしたのか?
焦った訳ではあるまいが、もし右田が動かなければ、伊藤に西が重なり六万九万待ちになっていただろうし、
誰が放銃していたか、またツモられていたかは分からないが、不充分な形から動いたことが1人で不幸を被る事になってしまった。

少し気の利いた打ち手になってくると、誰かに流れが傾いたり自分の体勢が悪くなったら、何がしかの策を繰り出して早目の処方を施そうとする。
じっと耐えてチヤンスを伺うのも1つの方法だが、麻雀の腕が上がると自分で何とかしたくなるものだ。

人によってその方法や繰り出すタイミングなどは様々だが、
これは絶対に有効と言うほどのものは誰にも殆ど無い筈で、各自の経験則と感性でやっているのが実情であろう。
私の引き出しの中にも幾つかこの種のワザを仕舞ってあるが、ここ数年はあまり使わない場所に入れてある。
この種のトリッキーなプレーは、余程の自信と精度の高さがなければ、裏目に出たときに酷すぎるからだ。

話を対局に戻そう、伊藤は1人浮きの+45.9Pと願ってもない上々のスタート。
第2グループから1人抜け出す勢いだった。

ハコ割れ寸前から少し大きめのラスで堪えた右田は、2回戦で小さいながらもトップを取り平静を取り戻したのか、
3回戦でも南2局までトップ目で、このまま終わるとトータルでも浮きに回っていたのだが、
この日の麻雀の神様は、右田がとてもお嫌いだったようで、悲惨な2次災害が起こる。

北家の藤崎が北南をポンしていて三索四索と切り出してきた。
ここで危険を感じて手仕舞いすれば良かったのだが、右田の切った六万に開けられた藤崎の手は小四喜!

四万五万東東東西西 ポン南南南 ポン北北北 ロン六万

次局、まだ頭がクラクラと揺れている右田の親では、ダンプ大橋が四暗刻単騎をツモ!

三万三万三万五万七万七万七万四索四索四索東東東 ツモ五万

トップ目から、たった数分でハコ割れのラスだ。
それでも右田は最終半荘をプラスにし、この卓の1人沈みながらもマイナスを44.7Pに抑えた。
こんな最悪の日でもズルズルと大沈みしなかったのは、
A1リーグで4年間揉まれて総合的な実力がレベルアップしている証であろうし、ある意味右田という打ち手を少し見直した。

右田自身、先月せっかく負債を半分減らしたのに、今月、また元の木阿弥では先月頑張った意味が無くなってしまう。
もし右田が今期降級を免れたら、KO寸前から膂力で耐えた今節が大きな意味を持つ事になるだろう。

4回戦が終わってみれば、爆発的なスタートをしたはずの伊藤はほぼチャラ、四暗刻ツモの大橋も僅かの浮き、
結局、1、2回戦ともマイナスしていた藤崎が勝ち頭だった。
ヤッパリ余裕でこうなるんですかねえ・・・・

3位と4位と5位の対決となった瀬戸熊、朝武、石渡の卓は、前原が勝ち頭でトータルをプラスとし、じわじわと5位まで上がって前半戦を終えた。
鳳凰位決定戦10回、優勝2回とA1のなかでも抜群の実積を誇る実力者・前原。
一発噴けば、一気に来るタイプだけに、後半戦のキーマンとなるだろう。

第6節の見所!!
来月は後半戦のスタートですが、適度にバラケており、これと言った注目卓が有りませんねえ。
来節の注目は、私がこのレポートを書いているかいないか?にしておきましょう。

何故かという説明は次回に・・・・ではまた。

第6節組み合わせ

A卓 右田 勇一郎 vs 前原 雄大 vs 柴田 弘幸 vs 藤崎 智
B卓 瀬戸熊 直樹 vs 沢崎 誠 vs 石渡 正志 vs ダンプ大橋
C卓 朝武 雅晴 vs 近藤 久春 vs 望月 雅継 vs 伊藤 優孝

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第29期プロリーグ A1 第5節レポート

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連日の猛暑とオリンピックフィーバーの真っ只中、プロリーグ第5節が行われた。
Bリーグ以下は今節で昇降級が決まるが、Aリーグは丁度折り返し点となる。
今節は開幕から独走で首位を走り続ける藤崎と、2位に着ける伊藤の好調者2人と、
なかなか降級ポジションから抜け出せない右田、ダンプの不調者2人の卓に注目してみた。
年齢を感じさせないカンの良さと勝負強さを随所に見せ、今期も元気な伊藤が初戦からエンジン全開にスタートする。
開局、西家の伊藤は、123三色に決め打ち、狙い通り8巡目にテンパイし絞っていた東を切る。
一万二万七万八万九万一索二索二索二索三索一筒二筒三筒 ドラ八万
この東を親の大橋がポンして1シャンテン。
ここに北家・右田がこの手牌から三万を放銃したのには目がテンになった。
二万三万三万四万五万六万八万九万六索六筒七筒西西東
伊藤はドラの八万を手出しで切り、次にドラ表の七万をツモ切りの後、生牌の東を手出しでテンパイ濃厚。
ダブ東をポンした大橋は、右田の下家でその河にはマンズは一万しか切れてない。
ここは堪えて、ポンカスの東を切るべきで雀頭の西も安全牌だ。
三万を切るのならもっと早く処理しておくべきであり、2枚見えのペン七万も埋まってないのに、
どうしてこんなお砂糖に蜂蜜をかけたように甘い三万をピンポイントで献上したのだろうか?
先月は、160Pの負債を半分減らし最下位を脱出した右田だが、ヨーイドンからこんな放銃をするようでは今日はしんどい1日になるだろうなと思った。
早くも勢いをつけて貰った伊藤は、東3局の親でノーミスのタンヤオ七対子3,200オールをツモって4万点越え。
同1本場は、ダブ東暗刻の好配牌からマンズに寄せ、4巡目には18,000点の1シャンテン。
6巡目、伊藤の打三索に南家の右田が動く、
三万五万六万七万八万二索四索六索八索三筒三筒四筒六筒 ドラ五万
この形からカン三索をチーして、伊藤に高いマンズを払い捌きに行ったのだが、これが大裏目となる。
伊藤に六万が入り、鳴く子も黙るヤミテン18,000。
一万一万一万五万六万六万七万七万八万東東東西北
伊藤は迷わず配牌からある北を切り、前巡ツモった西単騎を選択すると、右田のツモが西でこれは止まるはずも無かった。
好調な伊藤のツモをズラしに行ったのか?何とかアヤをつけて流れを変えようとしたのか?
焦った訳ではあるまいが、もし右田が動かなければ、伊藤に西が重なり六万九万待ちになっていただろうし、
誰が放銃していたか、またツモられていたかは分からないが、不充分な形から動いたことが1人で不幸を被る事になってしまった。
少し気の利いた打ち手になってくると、誰かに流れが傾いたり自分の体勢が悪くなったら、何がしかの策を繰り出して早目の処方を施そうとする。
じっと耐えてチヤンスを伺うのも1つの方法だが、麻雀の腕が上がると自分で何とかしたくなるものだ。
人によってその方法や繰り出すタイミングなどは様々だが、
これは絶対に有効と言うほどのものは誰にも殆ど無い筈で、各自の経験則と感性でやっているのが実情であろう。
私の引き出しの中にも幾つかこの種のワザを仕舞ってあるが、ここ数年はあまり使わない場所に入れてある。
この種のトリッキーなプレーは、余程の自信と精度の高さがなければ、裏目に出たときに酷すぎるからだ。
話を対局に戻そう、伊藤は1人浮きの+45.9Pと願ってもない上々のスタート。
第2グループから1人抜け出す勢いだった。
ハコ割れ寸前から少し大きめのラスで堪えた右田は、2回戦で小さいながらもトップを取り平静を取り戻したのか、
3回戦でも南2局までトップ目で、このまま終わるとトータルでも浮きに回っていたのだが、
この日の麻雀の神様は、右田がとてもお嫌いだったようで、悲惨な2次災害が起こる。
北家の藤崎が北南をポンしていて三索四索と切り出してきた。
ここで危険を感じて手仕舞いすれば良かったのだが、右田の切った六万に開けられた藤崎の手は小四喜!
四万五万東東東西西 ポン南南南 ポン北北北 ロン六万
次局、まだ頭がクラクラと揺れている右田の親では、ダンプ大橋が四暗刻単騎をツモ!
三万三万三万五万七万七万七万四索四索四索東東東 ツモ五万
トップ目から、たった数分でハコ割れのラスだ。
それでも右田は最終半荘をプラスにし、この卓の1人沈みながらもマイナスを44.7Pに抑えた。
こんな最悪の日でもズルズルと大沈みしなかったのは、
A1リーグで4年間揉まれて総合的な実力がレベルアップしている証であろうし、ある意味右田という打ち手を少し見直した。
右田自身、先月せっかく負債を半分減らしたのに、今月、また元の木阿弥では先月頑張った意味が無くなってしまう。
もし右田が今期降級を免れたら、KO寸前から膂力で耐えた今節が大きな意味を持つ事になるだろう。
4回戦が終わってみれば、爆発的なスタートをしたはずの伊藤はほぼチャラ、四暗刻ツモの大橋も僅かの浮き、
結局、1、2回戦ともマイナスしていた藤崎が勝ち頭だった。
ヤッパリ余裕でこうなるんですかねえ・・・・
3位と4位と5位の対決となった瀬戸熊、朝武、石渡の卓は、前原が勝ち頭でトータルをプラスとし、じわじわと5位まで上がって前半戦を終えた。
鳳凰位決定戦10回、優勝2回とA1のなかでも抜群の実積を誇る実力者・前原。
一発噴けば、一気に来るタイプだけに、後半戦のキーマンとなるだろう。
第6節の見所!!
来月は後半戦のスタートですが、適度にバラケており、これと言った注目卓が有りませんねえ。
来節の注目は、私がこのレポートを書いているかいないか?にしておきましょう。
何故かという説明は次回に・・・・ではまた。

第6節組み合わせ

A卓 右田 勇一郎 vs 前原 雄大 vs 柴田 弘幸 vs 藤崎 智
B卓 瀬戸熊 直樹 vs 沢崎 誠 vs 石渡 正志 vs ダンプ大橋
C卓 朝武 雅晴 vs 近藤 久春 vs 望月 雅継 vs 伊藤 優孝

第29期プロリーグ A2 第5節レポート

29_a2_08 29_a2_08
29_a2_08 29_a2_08
昨日はポイントに関係無く純粋に麻雀が楽しかったです。
自分より格上の人達に囲まれているせいか、中々手が入らず苦しい局面が多い中、現状の自分の麻雀は打ち切れたと思います。
自分の麻雀を打ち切って負けた事に関して、麻雀はもちろん運もありますが、自分に運を持ってくるのも雀力であり、
やっていて、運だけでは片付けられない壁を3人の対戦者には感じました。

本当にA2まで来られて良かったと思います。
なぜなら、倒しがいがのある人達がいっぱいいるから。
以前提出したA2とはという問いに「通過点」と簡単に書きましたが、最近は「通過する過程を大事にしたい」と思うようになりました。
自分がこれから活躍できるかは努力次第だと思いますが、いつかアマチュアの皆さんに見ていただける機会がきた時に、
吉田の麻雀は“カッコイイ”と言ってもらえるよう自分が今目指している面前手役型にもっと磨きを懸けていきたいと思います。

吉田直

プロリーグの翌日、吉田から送られてきたメールである。
人は人によってしか変容、進化しないというのが私の考えである。
吉田はAリーグに昇級して半年間の間に成長したのだろう。
リーグ戦に対する捉え方が変わってきた。

だからこそ、私にメールを寄越したのだろう。以前の吉田ならば考えられないことである。
吉田は麻雀をゲームとは捉えていない、勝負とも捉えていない。それは、吉田の記した文を眺めれば解ることである。
負けても楽しかったと記しているからである。勝負に拘るならばこうは記せない。

おそらく吉田は、麻雀を人生、もしくは生きるということと近い部分で捉えているように思える。
そして、それは的外れな私の見方ではないだろう。
全10節終了後の吉田は、また違う捉え方をしているように思えてならない。
それだけ吉田は、日々変容、成長している気がするからである。

2回戦東2局、親番の板川からリーチが入る。

五万六万四索五索五索六索六索七索二筒二筒七筒八筒九筒 リーチ ドラ五索

それを受けて西家の吉田。

一万三万五万六万八万八万南南南西 ポン北北北 ツモ八筒

私は、南家の仁平と吉田の間で観戦していた。
__とりあえず現物の打西だナ・・それでも何処まで吉田は押せるのかな。
そう思っていたら、腕も折れよとばかりにツモ切りの八筒。たかが2,600点ではあるが、ここが勝負処と吉田は読んだのだろう。
両脇の仁平、勝又を降ろすためである。場面を読む力が優れているこの2人ならば退くだろうと。
確かに勝又は退いたように見えた。そして仁平も安全な道を選んだ。

結果は、吉田が二万を引き込みそっと現物の西を手から放ちオナテンに持ち込み引きアガる。
なかなか出来そうで出来ない手筋ではある。
肚を括り損なったのが仁平。

一万一万二万二万四万四万七万七万九万九万白白中

このカタチのアガリがあった。いや、仁平の能力ならば、このアガリが存在しなければならない。
鳳凰位決定戦に残っていたころの仁平ならば、間違いなくアガリ切っていた。
何が仁平を変えたか・・
それは安全そうな道を選ぶようになったからである。

確かに昔から仁平は受けが強かった。
ただ、昔の仁平にはここ一番という時の狂気にも似た打牌があり、他者のアガリを受け潰していた。
__自分自身の態勢の読みに殉ずる狂気にも似た覚悟があった。

仁平は今期十段戦の直前に40歳を迎える。
知識も増え、それだけ大人になったということなのだろうが、安全で確実に勝てる勝負など存在しない。
それを一番知っているのは仁平自身である。

私のA2レポートの駄文に毎回反省の長文のメールを仁平は出してくる。
良くそこまで局面を覚えているなと感心するほど、巡目、相手の手出し、ツモ切りまで事細かに記してくる。
プライベートで食事はおろか、お茶さえしたことはない。
それでも長文のメールを送り続けるのは、仁平の麻雀に対峙する姿勢である。

1回戦東1局、テンパイ1番乗りは、親である板川の6巡目。

一万二万三万三万四万五万六万六万三索五索三筒四筒五筒 ドラ五筒

10巡目にはノータイムで二索もツモ切る。12巡目に仁平が追いつく。

四索五索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒八筒 リーチ

その仁平のリーチを確認して、板川がツモ切り追いかけリーチを打つ。
結果は、板川から仁平への六索放銃である。

アガリがあったということは簡単に記せばツイていたということである。
そのツキを活かすのが、技術であるはずである。ところが仁平は、そのアガリを今日は活かせなかった。

「多分、仁平ははこの半荘沈むよ」

東3局が終わった頃、私は友人にそう洩らした。
それは、そうならないようにという願いもあったのだが・・
そして仁平はその半荘沈んだ。

「昨日のリーグ戦の内容については、1回戦の東1局にその日の全てがあったと思います。
あれだけ調子の悪い板川さんを、復活させてしまった原因は僕にあると思います。
僕も態勢で打つ麻雀なので、良い時はどこまでも行くのがスタイルなのですが・・・。
今日の対局は、十段戦の決勝を戦うにあたって、もの凄く良い経験になったと思います。
瀬戸熊さんは凄く強いですけど、僕みたいなスタイルの麻雀でもタイトルを取れることを証明したいと思います」

仁平宣明

仁平は解っているのである。
確かに7,700点プラスリーチ棒の収入は大きい。
しかし、その収入を活かすためには戦わねばならないのである。

この日一番ツイていた、勝ち運があったのは仁平である。逆に、勝ち運がなかったのは板川であり、吉田である。
勝又はプロリーグの2日ほど前、「今回はマイナス20Pは覚悟しています」そう言っていた。
板川にしても吉田にしても、その晩機嫌が良かったのは、状態に比べマイナスが少なかったこともあるように思える。

3回戦オーラス、親番・吉田。
テンパイ一番乗りは吉田である。ただ、難解な手順を踏んだのはいかにも吉田らしい。

「麻雀の内容でひとつだけ気になっているのは、ドラが六筒の親番で二索とシャンポン待ちでテンパイをしていて、
七筒を持ってきた時に、ツモ切りヤミテンという一番中途半端な選択をしてしまったということです。
態勢がいい時は牌が迷う様に来ないと思いますが、半ヅキぐらいならシャンポン待ちでヤミテンから七筒を持ってきて、
ドラの六筒を切ってリーチをすることが多いと思います。
しかしあのオーラスは、自分はあまり態勢がいいと思っていなかったので、シャンポン待ちでテンパイした瞬間に即リーだったなと思いました。
また、カン三索のアガリ逃しについては、自分ではしょうがないかなと思います。

二万三万四万六万七万八万二索二索四索五索六索七索六筒 ツモ一万 ドラ六筒

五索八索のテンパイをしましたが、五索が1枚八索が3枚切れていたので、テンパイとらずの打六索とした後、上記の形。
自分は一通とドラのくっつきを見てしまうので、一万をツモ切ることは考えられないからです。」
本人が語っているように吉田の最終形。

二万三万四万六万七万八万二索二索五索六索七索六筒六筒

連綿とツモ切りを続ける吉田。そこに点数のない板川がリーチを打つ。

二万三万四万四万五万六万三筒四筒五筒五筒七筒八筒八筒 リーチ

そして仁平が音もなく無筋の一を卓上に並べる。
私の観戦位置からは、仁平の手牌は見えないが、間違いなくテンパイを感じたのは私だけではなく対局者全員だったと思う。

三万四万五万六万七万八万三索四索南南発発発

そして勝又にもテンパイが入る。

六万七万八万二索三索四索五索六索七索三筒三筒五筒六筒

ちなみに、勝又はドラである六筒五筒が来てのテンパイである。
__誰がアガリを見るのだろうか。
そう見ていると、板川が卓上に最後の六筒を躍らせた。
牌譜がないのが残念で仕方ないが・・・。

今局だけの結果だけとりあげるならば、この板川のツモアガリは間違いなく板川のちからと私は見る。
ただ、ここまでに至る過程はやはり仁平本人が語っているように、復活させた仁平に問題があったように思える。
酷な言い様かもしれないが・・・。

「ただいつも思うのは、こういう結果がでた時、数年後の自分はどう思っているんだろうと考えます。」

吉田の最後の言葉である。
好い言葉だな___私はそう思う。

リーグ戦の始まる数日前、とある小学校の教師が言っていた。
プロとは、常に自己否定しながらも進化を続けようとする人。
常に今を変えていく。進化するために変えていく。
そういった取り組みを苦に思わない。そういった人だと思いますね。

____どの世界も同じことなんだろう。

第6節組み合わせ

A卓  古川 孝次 vs 勝又 健志 vs 山田 浩之 vs 中村 毅
B卓  猿川 真寿 vs 板川 和俊 vs 山井 弘 vs 仁平 宣明
C卓  四柳 弘樹 vs 吉田 直 vs 二階堂 亜樹 vs 遠藤 啓太
D卓  黒沢 咲 vs 金子 貴行 vs 白鳥 翔 vs 老月 貴紀

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第29期プロリーグ A2 第5節レポート

29_a2_08 29_a2_08
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昨日はポイントに関係無く純粋に麻雀が楽しかったです。
自分より格上の人達に囲まれているせいか、中々手が入らず苦しい局面が多い中、現状の自分の麻雀は打ち切れたと思います。
自分の麻雀を打ち切って負けた事に関して、麻雀はもちろん運もありますが、自分に運を持ってくるのも雀力であり、
やっていて、運だけでは片付けられない壁を3人の対戦者には感じました。
本当にA2まで来られて良かったと思います。
なぜなら、倒しがいがのある人達がいっぱいいるから。
以前提出したA2とはという問いに「通過点」と簡単に書きましたが、最近は「通過する過程を大事にしたい」と思うようになりました。
自分がこれから活躍できるかは努力次第だと思いますが、いつかアマチュアの皆さんに見ていただける機会がきた時に、
吉田の麻雀は“カッコイイ”と言ってもらえるよう自分が今目指している面前手役型にもっと磨きを懸けていきたいと思います。
吉田直

プロリーグの翌日、吉田から送られてきたメールである。
人は人によってしか変容、進化しないというのが私の考えである。
吉田はAリーグに昇級して半年間の間に成長したのだろう。
リーグ戦に対する捉え方が変わってきた。

だからこそ、私にメールを寄越したのだろう。以前の吉田ならば考えられないことである。
吉田は麻雀をゲームとは捉えていない、勝負とも捉えていない。それは、吉田の記した文を眺めれば解ることである。
負けても楽しかったと記しているからである。勝負に拘るならばこうは記せない。
おそらく吉田は、麻雀を人生、もしくは生きるということと近い部分で捉えているように思える。
そして、それは的外れな私の見方ではないだろう。
全10節終了後の吉田は、また違う捉え方をしているように思えてならない。
それだけ吉田は、日々変容、成長している気がするからである。
2回戦東2局、親番の板川からリーチが入る。
五万六万四索五索五索六索六索七索二筒二筒七筒八筒九筒 リーチ ドラ五索
それを受けて西家の吉田。
一万三万五万六万八万八万南南南西 ポン北北北 ツモ八筒
私は、南家の仁平と吉田の間で観戦していた。
__とりあえず現物の打西だナ・・それでも何処まで吉田は押せるのかな。
そう思っていたら、腕も折れよとばかりにツモ切りの八筒。たかが2,600点ではあるが、ここが勝負処と吉田は読んだのだろう。
両脇の仁平、勝又を降ろすためである。場面を読む力が優れているこの2人ならば退くだろうと。
確かに勝又は退いたように見えた。そして仁平も安全な道を選んだ。
結果は、吉田が二万を引き込みそっと現物の西を手から放ちオナテンに持ち込み引きアガる。
なかなか出来そうで出来ない手筋ではある。
肚を括り損なったのが仁平。
一万一万二万二万四万四万七万七万九万九万白白中
このカタチのアガリがあった。いや、仁平の能力ならば、このアガリが存在しなければならない。
鳳凰位決定戦に残っていたころの仁平ならば、間違いなくアガリ切っていた。
何が仁平を変えたか・・
それは安全そうな道を選ぶようになったからである。
確かに昔から仁平は受けが強かった。
ただ、昔の仁平にはここ一番という時の狂気にも似た打牌があり、他者のアガリを受け潰していた。
__自分自身の態勢の読みに殉ずる狂気にも似た覚悟があった。
仁平は今期十段戦の直前に40歳を迎える。
知識も増え、それだけ大人になったということなのだろうが、安全で確実に勝てる勝負など存在しない。
それを一番知っているのは仁平自身である。
私のA2レポートの駄文に毎回反省の長文のメールを仁平は出してくる。
良くそこまで局面を覚えているなと感心するほど、巡目、相手の手出し、ツモ切りまで事細かに記してくる。
プライベートで食事はおろか、お茶さえしたことはない。
それでも長文のメールを送り続けるのは、仁平の麻雀に対峙する姿勢である。
1回戦東1局、テンパイ1番乗りは、親である板川の6巡目。
一万二万三万三万四万五万六万六万三索五索三筒四筒五筒 ドラ五筒
10巡目にはノータイムで二索もツモ切る。12巡目に仁平が追いつく。
四索五索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒七筒七筒八筒 リーチ
その仁平のリーチを確認して、板川がツモ切り追いかけリーチを打つ。
結果は、板川から仁平への六索放銃である。
アガリがあったということは簡単に記せばツイていたということである。
そのツキを活かすのが、技術であるはずである。ところが仁平は、そのアガリを今日は活かせなかった。
「多分、仁平ははこの半荘沈むよ」
東3局が終わった頃、私は友人にそう洩らした。
それは、そうならないようにという願いもあったのだが・・
そして仁平はその半荘沈んだ。

「昨日のリーグ戦の内容については、1回戦の東1局にその日の全てがあったと思います。
あれだけ調子の悪い板川さんを、復活させてしまった原因は僕にあると思います。
僕も態勢で打つ麻雀なので、良い時はどこまでも行くのがスタイルなのですが・・・。
今日の対局は、十段戦の決勝を戦うにあたって、もの凄く良い経験になったと思います。
瀬戸熊さんは凄く強いですけど、僕みたいなスタイルの麻雀でもタイトルを取れることを証明したいと思います」
仁平宣明

仁平は解っているのである。
確かに7,700点プラスリーチ棒の収入は大きい。
しかし、その収入を活かすためには戦わねばならないのである。
この日一番ツイていた、勝ち運があったのは仁平である。逆に、勝ち運がなかったのは板川であり、吉田である。
勝又はプロリーグの2日ほど前、「今回はマイナス20Pは覚悟しています」そう言っていた。
板川にしても吉田にしても、その晩機嫌が良かったのは、状態に比べマイナスが少なかったこともあるように思える。
3回戦オーラス、親番・吉田。
テンパイ一番乗りは吉田である。ただ、難解な手順を踏んだのはいかにも吉田らしい。
「麻雀の内容でひとつだけ気になっているのは、ドラが六筒の親番で二索とシャンポン待ちでテンパイをしていて、
七筒を持ってきた時に、ツモ切りヤミテンという一番中途半端な選択をしてしまったということです。
態勢がいい時は牌が迷う様に来ないと思いますが、半ヅキぐらいならシャンポン待ちでヤミテンから七筒を持ってきて、
ドラの六筒を切ってリーチをすることが多いと思います。
しかしあのオーラスは、自分はあまり態勢がいいと思っていなかったので、シャンポン待ちでテンパイした瞬間に即リーだったなと思いました。
また、カン三索のアガリ逃しについては、自分ではしょうがないかなと思います。
二万三万四万六万七万八万二索二索四索五索六索七索六筒 ツモ一万 ドラ六筒
五索八索のテンパイをしましたが、五索が1枚八索が3枚切れていたので、テンパイとらずの打六索とした後、上記の形。
自分は一通とドラのくっつきを見てしまうので、一万をツモ切ることは考えられないからです。」
本人が語っているように吉田の最終形。
二万三万四万六万七万八万二索二索五索六索七索六筒六筒
連綿とツモ切りを続ける吉田。そこに点数のない板川がリーチを打つ。
二万三万四万四万五万六万三筒四筒五筒五筒七筒八筒八筒 リーチ
そして仁平が音もなく無筋の一を卓上に並べる。
私の観戦位置からは、仁平の手牌は見えないが、間違いなくテンパイを感じたのは私だけではなく対局者全員だったと思う。
三万四万五万六万七万八万三索四索南南発発発
そして勝又にもテンパイが入る。
六万七万八万二索三索四索五索六索七索三筒三筒五筒六筒
ちなみに、勝又はドラである六筒五筒が来てのテンパイである。
__誰がアガリを見るのだろうか。
そう見ていると、板川が卓上に最後の六筒を躍らせた。
牌譜がないのが残念で仕方ないが・・・。
今局だけの結果だけとりあげるならば、この板川のツモアガリは間違いなく板川のちからと私は見る。
ただ、ここまでに至る過程はやはり仁平本人が語っているように、復活させた仁平に問題があったように思える。
酷な言い様かもしれないが・・・。
「ただいつも思うのは、こういう結果がでた時、数年後の自分はどう思っているんだろうと考えます。」
吉田の最後の言葉である。
好い言葉だな___私はそう思う。
リーグ戦の始まる数日前、とある小学校の教師が言っていた。
プロとは、常に自己否定しながらも進化を続けようとする人。
常に今を変えていく。進化するために変えていく。
そういった取り組みを苦に思わない。そういった人だと思いますね。
____どの世界も同じことなんだろう。

第6節組み合わせ

A卓  古川 孝次 vs 勝又 健志 vs 山田 浩之 vs 中村 毅
B卓  猿川 真寿 vs 板川 和俊 vs 山井 弘 vs 仁平 宣明
C卓  四柳 弘樹 vs 吉田 直 vs 二階堂 亜樹 vs 遠藤 啓太
D卓  黒沢 咲 vs 金子 貴行 vs 白鳥 翔 vs 老月 貴紀

何を切る?2012年8月

Aリーグと各リーグのプロに出題して、解答を比較し、
各リーグのプロがその一打を深く解説し、掘り下げていくコーナーである。

問題作成者:山田 浩之(六段)
nanikirugraph_201208

ロン2道場ルール(一発、裏ドラ、カンドラ有り。赤無し。)
東2局、南家。色の濃くなった牌はツモ切りです。

Aリーグ
nanikirugraph_201208

Bリーグ
nanikirugraph_201208

Aリーググラフ
一万切り 10人、一索切り 9人、二筒切り 5人、五筒切り 2人、

Bリーググラフ
二筒切り 10人、一索切り 7人、一万切り 1人、五筒切り 1人

【Aリーグ回答】

一万切り
石渡正志 板川和俊 伊藤優孝 老月貴紀 勝又健志 沢崎誠 白鳥翔 仁平宣明 山田浩之 四柳弘樹

・勝又健志(AⅡ)
4巡目でこの手牌はかなりのチャンス手です。トップ目に立てるよう満貫以上を狙った手作りをします。
瞬間の三色テンパイは打二筒が優りますが、崩れた時の打点がもの足りません。ここはメンタンピン三色を狙って打一万とします。
一索との比較は、マンズがドラ色で最終形になったとき若干弱い点と、ソーズの方が場に安い点でより優秀なソーズを手厚く持ちます。

一索切り
荒正義 黒沢咲 柴田弘幸 瀬戸熊直樹 朝武雅晴 古川孝次 望月雅継 山井弘 吉田直

・黒沢咲(AⅡ)
123、234、345の三色が見えますが、まだ決めきれないので2枚切れの一索をツモ切って、タンヤオに向かいます。
安易なテンパイはとらず、フリテンになってもタンピン三色を目指していきたいです。

二筒切り
遠藤啓太 近藤久晴 猿川真寿 前原雄大 右田勇一郎

五筒切り
金子貴行 ダンプ大橋

【Bリーグ回答】

二筒切り
岩井健太 内川幸太郎 太田昌樹 上村慎太郎 佐々木寿人 須浦正裕 刀川昌浩 西川淳 藤島健二郎 藤本哲也

・佐々木寿人(BⅠ)
手牌の形からは、234、345双方の三色が狙えるが崩れる公算が高いと見る。
二筒と構えるのは、それでも一万二万一索二索が雀頭につぶれた時に即リーチを打てるからである。
ピンフのテンパイは全て組み、ツモによっては123の三色の可能性も追える打二筒を押す。

一索切り
黒木真生 杉浦勘介 鈴木基芳 滝沢和典 西岡慎泰 松崎良文 吉沢康次

・滝沢和典(BⅠ)
234または345のタンピン三色狙いは当然。三色は崩れるかもしれないが、とにかくタンピン方向に手を進めておきたい。
マンズとの比較は単純に一索の枚数だけですが、ドラ色のマンズを外しておきたい気持ちもあります。

一万切り
吉田幸雄

五筒切り
仲田加南

何を切る?/何を切る?2012年8月

Aリーグと各リーグのプロに出題して、解答を比較し、
各リーグのプロがその一打を深く解説し、掘り下げていくコーナーである。

問題作成者:山田 浩之(六段)
nanikirugraph_201208

ロン2道場ルール(一発、裏ドラ、カンドラ有り。赤無し。)
東2局、南家。色の濃くなった牌はツモ切りです。
Aリーグ
nanikirugraph_201208
Bリーグ
nanikirugraph_201208
Aリーググラフ
一万切り 10人、一索切り 9人、二筒切り 5人、五筒切り 2人、
Bリーググラフ
二筒切り 10人、一索切り 7人、一万切り 1人、五筒切り 1人

【Aリーグ回答】

一万切り
石渡正志 板川和俊 伊藤優孝 老月貴紀 勝又健志 沢崎誠 白鳥翔 仁平宣明 山田浩之 四柳弘樹
・勝又健志(AⅡ)
4巡目でこの手牌はかなりのチャンス手です。トップ目に立てるよう満貫以上を狙った手作りをします。
瞬間の三色テンパイは打二筒が優りますが、崩れた時の打点がもの足りません。ここはメンタンピン三色を狙って打一万とします。
一索との比較は、マンズがドラ色で最終形になったとき若干弱い点と、ソーズの方が場に安い点でより優秀なソーズを手厚く持ちます。
一索切り
荒正義 黒沢咲 柴田弘幸 瀬戸熊直樹 朝武雅晴 古川孝次 望月雅継 山井弘 吉田直
・黒沢咲(AⅡ)
123、234、345の三色が見えますが、まだ決めきれないので2枚切れの一索をツモ切って、タンヤオに向かいます。
安易なテンパイはとらず、フリテンになってもタンピン三色を目指していきたいです。
二筒切り
遠藤啓太 近藤久晴 猿川真寿 前原雄大 右田勇一郎
五筒切り
金子貴行 ダンプ大橋

【Bリーグ回答】

二筒切り
岩井健太 内川幸太郎 太田昌樹 上村慎太郎 佐々木寿人 須浦正裕 刀川昌浩 西川淳 藤島健二郎 藤本哲也
・佐々木寿人(BⅠ)
手牌の形からは、234、345双方の三色が狙えるが崩れる公算が高いと見る。
二筒と構えるのは、それでも一万二万一索二索が雀頭につぶれた時に即リーチを打てるからである。
ピンフのテンパイは全て組み、ツモによっては123の三色の可能性も追える打二筒を押す。
一索切り
黒木真生 杉浦勘介 鈴木基芳 滝沢和典 西岡慎泰 松崎良文 吉沢康次
・滝沢和典(BⅠ)
234または345のタンピン三色狙いは当然。三色は崩れるかもしれないが、とにかくタンピン方向に手を進めておきたい。
マンズとの比較は単純に一索の枚数だけですが、ドラ色のマンズを外しておきたい気持ちもあります。
一万切り
吉田幸雄
五筒切り
仲田加南

第29期 ベスト16レポート

第29期、十段戦。頂上で待ち構えるのは、現十段位・瀬戸熊直樹。
その挑戦者を決めるべく、ベスト16の戦いが行われた。

一発・裏なしの日本プロ麻雀連盟のAルールで半荘6回を戦い、上位2名がベスト8へと駒を進めることができる。
それでは各卓がどの様な戦いであったか、振り返ってみたいと思う。

A卓 堀内正人(前年度準優勝者) vs 藤崎智(七段) vs 桜井紘巳(三段) vs 櫻井秀樹(四段)

10dan_29_105
堀内 正人
10dan_29_108
桜井 紘巳
10dan_29_99
堀内 正人
10dan_29_110
櫻井 秀樹

10dan_29_92

1回戦、東1局、堀内が藤崎から軽く1,000点をアガると、東2局には藤崎が堀内から5,200点を奪う。
東3局1本場、親の桜井(紘)の手牌は以下の14枚で切り番。

二万一索一索二索六索七索八索二筒三筒九筒九筒九筒東東 ドラ二万

ここから打点重視で打二索とすると、すぐにツモ二万で打一索
12巡目に上家・堀内から出た3枚目の一筒をスルー。(四筒は2枚とび)
ここは流石にチーテンをとったほうがいいのでは、と思った。

上家の堀内がツモ番のない所から打東とすると、これを桜井(紘)がポンテン。が、手残りした一索が藤崎に捕まる。
この後も1回戦目は藤崎の安定した戦いぶりが光り、藤崎のトップで終了。

2回戦目、西家の堀内がいきなりのリーチ。牌姿を見ると、

一万二万三万五万六万九万九万六索七索八索三筒四筒五筒 リーチ ドラ白

このメンピンリーチ。
良くも悪くもこれが堀内のスタイルなのだろうが、私には勝負を焦っている様に見えた。
その後藤崎が、

五万六万七万一索二索三索六索七索八索一筒一筒白白

これで追いつくが、一筒が2枚切れの為ヤミテン。ここにツモ三索で堀内の現物の打一筒。ツモ八索で打一筒
親の桜井(秀)も追いつき、

四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒 ポン二筒二筒二筒 ポン九筒九筒九筒

この時のテンパイ打牌が白で、藤崎も仕掛け返してテンパイに。

五万六万七万一索二索三索六索七索八索八索 ポン白白白

こうなると、堀内不利に見えたが桜井(秀)が七万をツモ切って堀内に2,000点の放銃となった。
その後も堀内は親番でも三色リーチをツモるなどして、持ち点は60,000点に。

続く3回戦も堀内の大きなトップで、堀内はほぼ通過となった。
残り1つの席の争いは、4回戦目に親でメンホン七対子をツモるなどして加点した桜井(秀)と、
被害を最小限に抑えながら戦っていた藤崎との争いになったが、最終半荘で、

一万一万一万五万五万三索三索 ポン中中中 ポン九索九索九索

藤崎が親でのこのテンパイをいれ、既にテンパイをいれていた桜井(秀)から直撃。
1本場も2,600は2,700オールをツモアガリ、最終戦で30ポイント近くあった差を藤崎が捲って堀内と共に通過を決めた。

A卓勝ち上がり  堀内正人  藤崎智

B卓 森山茂和(前年度第3位) vs 斉藤等(七段) vs 浜上文吾(四段) vs 沢崎誠(八段)

10dan_29_95
森山 茂和
10dan_29_98
斉藤 等
10dan_29_97
浜上 文吾
10dan_29_96
沢崎 誠

10dan_29_92

1回戦、南1局、森山が、

二万三万四万五万六万七万三索四索六索七索五筒五筒六筒 ドラ二万

ここから終盤にツモ二索でテンパイ。
五索は4枚切れで、下家の沢崎がピンズの染め手で2フーロしているが、八索は絶好に見えた為打六筒のヤミテン。

すぐにトップ目だった斉藤から八索がこぼれて3,900点をものにする。
南2局でも森山が沢崎から5,200点をアガると、浜上もリーチで1,000・2,000。
南4局は森山が軽く捌いて、沢崎にとっては痛い1人沈みで終了。

続く2回戦も沢崎は、浜上からでた当たり牌を森山に頭ハネされるという厳しい展開に。
3回戦、森山の、

三筒三筒六筒六筒九筒九筒南白白発発中中 リーチ ドラ四筒

この4巡目リーチ。
当然の一人旅かと思われたが、ここにリーチと被せたのが沢崎で

四筒五筒五筒五筒一索二索三索四索五索六索七索八索九索 リーチ

森山がすぐ六筒をつかんで8,000のアガリ。ここから沢崎の反撃が始まるかと思ったが、森山が強かった。
南3局の沢崎の親リーチに対して、森山が13巡目リーチ。そして高らかにツモ。

一万二万三万九万九万一索二索三索七索八索九索一筒二筒 リーチ ツモ三筒 ドラ北

この3,000・6,000でラス目から原点復帰の2着に浮上。
南4局も自らアガリ、原点キープに成功した。

5回戦も1人浮きをトップをとった森山と、随所にアガリをみせていた浜上が最終戦を有利な立場で迎え、
2人の安定感が崩れることはなくそのまま勝ち上がりを決めた。

沢崎、斉藤は無念の敗退となった。

B卓勝ち上がり  浜上文吾  森山茂和

C卓 三戸亮祐(前年度第4位) vs 井出一寛(六段) vs 山井弘(六段) vs 安東裕允(三段)

10dan_29_101
三戸 亮祐
10dan_29_106
井出 一寛
10dan_29_100
山井 弘
10dan_29_102
安東 裕允

10dan_29_92

1回戦、南1局、西家・三戸の6巡目リーチ。
これを受けての南家・井出の手牌が、

三万三万六万七万七万二索二索七筒七筒七筒 ポン三索三索三索 ドラ八万

ここから無筋と生牌を連打。七筒の暗カン後ツモ八万も、三戸の宣言牌の四万を見て七万が打ち切れず、打二索
直後に三戸がツモって1,000・2,000。井出にしてはちぐはぐな印象をうけた。
ドラ表示牌に七万が1枚見えているし、トイトイにはなりにくい。
この手牌で押す井出よりも、メンゼンで押している井出の方が怖いし井出らしいのではないか、と思った。
例えば三戸がこの手牌になっていたとしてもそこまで驚きはないが、三戸はここからどうにかオリきるだろう。

ポイントが大きく上下したのが、3回戦。
ここまでほとんどアガれていなかった山井が、南2局にメンホン七対子をアガってトップ目に浮上。
南3局の親番でもうまく七対子をテンパイしてリーチ。

五万五万八万二筒二筒四筒四筒五筒五筒六索六索南南 リーチ ドラ発

これをドラドラ七対子をテンパイしていた三戸から出アガって4,800を加点する。
南4局の井出の先制リーチに山井がまたも被せてリーチ。更には親の安東もタンピンでリーチ。
この勝負に勝ったのは山井で、開けられた手牌は、

三万三万二筒二筒二筒四筒四筒四筒六筒六筒六筒三索三索 リーチ ツモ三万

なんと四暗刻!
このアガリで80,000点のトップをとった山井が、トータルラス目から一気にトータルトップ目へと浮上した。

4、5回戦と安東、三戸も山井にくらいつき、ほぼ三つ巴の形で最終戦を迎えた。
最終戦南4局を迎えて、三戸が現状トータル3位で、ツモれば勝ち上がりとなるリーチを打つ。

二万三万四万三筒四筒五筒七筒八筒九筒一索二索三索白 リーチ ドラ白

祈るようにツモる三戸だったが、ここでラス親の井出からリーチ。
当然、井出も最後まで諦めてはいない。そして流局。

1本場、またしても井出から早いリーチが入り、勝負は次局に持ち越されたかと思われたが、
終盤テンパイの入った山井がアガリきり、安東と共に勝ち上がりを決めた。

C卓勝ち上がり  山井弘  安東裕允

D卓 石渡正志(前年度第5位) vs 山田浩之(六段) vs 近藤久春(六段) vs 仁平宣明(七段)

10dan_29_104
石渡 正志
10dan_29_103
山田 浩之
10dan_29_109
近藤 久晴
10dan_29_107
仁平 宣明

10dan_29_92

1回戦、東1局は近藤から山田に2,000点と静かな立ち上がり。
続く東2局、近藤が仕掛ける。

四万五万六万七万七万南南 ポン中中中 ポン六筒六筒六筒 ドラ東

ここに山田がリーチと被せる。

六万七万八万七筒八筒九筒二索二索二索三索三索五索六索 リーチ

これを受けて近藤、ツモ四索で打四万と迂回すると、すぐにツモ四索→打七万でテンパイ復活。

更には、もう1枚四索をツモって、見た目以上に大きな400・700。
アガリ形をじっと見つめ、何かを確認する様に軽く頷く山田の姿が印象的だった。

南3局にも近藤が2本積んでからの3本場で、この半荘の決め手となる4,000は4,300オールをアガると、次局にアガった石渡が2着に食い込んだ。

2回戦は、石渡が先行して43,000点に。
仁平はメンゼンで常に一撃を狙ってくるタイプだが、東場の親でメンホンを炸裂させ山田から12,000。

3回戦も石渡が好調で、手が入り続けている印象を受けた。
また、立ち回り方も上手い。東3局の親で、山田のテンパイ打を捕まえて11,600を加点した。

その山田も南1局に、

六万七万二筒三筒四筒三索三索四索五索五索六索六索七索 ツモ八万 ドラ五万

安目ながら2,600オール。が、後が続かない。今日の山田は本当に苦しそうに見えた。
5回戦が始まる前までは、前半の貯金がきいている近藤と、石渡でほぼ決まりかと思われたが、近藤がらしくない放銃を2回してこれが両方ともドラ暗刻。

トップは東1局に3,000・6,000をツモった仁平で、近藤は1人沈みのラスとなってしまった為に勝負は分からなくなった。

6回戦、東1局から近藤が、

七筒八筒北北 ポン一筒一筒一筒 ポン九筒九筒九筒 ポン南南南 ドラ三索

積極的に仕掛けるも、仁平がリーチして1,000・2,000をアガる。
仁平は常に落ち着いて打っていて、状況判断が素晴らしいと思うのだが、ここが勝負所!と判断した時は躊躇なく踏み込める。
南1局にも近藤がリーチ。

二万三万三万四万五万七万七万七万六索六索六索発発 リーチ ドラ発

ここに仁平も自ら切っている一万を重ねて

一万一万二筒五筒五筒二索二索四索四索東東南南

このテンパイをするも、終盤に四万を引かされて冷静にオリを選択。
運命の南4局を迎えて、石渡は確定、山田はラス親で連荘条件。仁平は5,200点以上の出アガリで通過となった。
序盤から仁平が仕掛けていってこのテンパイ。

三筒三筒四筒七筒七筒七筒南南 ポン九筒九筒九筒 ポン白白白 ドラ五筒

ここからノータイムで打四筒とした。
二筒は3枚切れているのだが、三筒は1枚見え、四筒が自分の目から全て見えている。

確かに冷静に考えれば、連荘条件の山田は不要な牌は全て切るだろうから、そこに照準を合わせるなら、
ほぼ使えない三筒と横に広がるバリエーションの無い字牌のシャンポンに受けた方がいいのだろう。

直後、山田からリーチが入るが、すぐに仁平が南をツモって、石渡と共に勝ち上がりを決めた。

D卓勝ち上がり  石渡正志  仁平宣明

ベスト8組み合わせ

A卓 堀内正人vs森山茂和vs山井弘vs仁平宣明

B卓 藤崎智vs浜上文吾vs安東裕允vs石渡正志

(文中敬称略)

十段戦 レポート/第29期 ベスト16レポート

第29期、十段戦。頂上で待ち構えるのは、現十段位・瀬戸熊直樹。
その挑戦者を決めるべく、ベスト16の戦いが行われた。
一発・裏なしの日本プロ麻雀連盟のAルールで半荘6回を戦い、上位2名がベスト8へと駒を進めることができる。
それでは各卓がどの様な戦いであったか、振り返ってみたいと思う。
A卓 堀内正人(前年度準優勝者) vs 藤崎智(七段) vs 桜井紘巳(三段) vs 櫻井秀樹(四段)

10dan_29_105
堀内 正人
10dan_29_108
桜井 紘巳
10dan_29_99
堀内 正人
10dan_29_110
櫻井 秀樹

10dan_29_92
1回戦、東1局、堀内が藤崎から軽く1,000点をアガると、東2局には藤崎が堀内から5,200点を奪う。
東3局1本場、親の桜井(紘)の手牌は以下の14枚で切り番。
二万一索一索二索六索七索八索二筒三筒九筒九筒九筒東東 ドラ二万
ここから打点重視で打二索とすると、すぐにツモ二万で打一索
12巡目に上家・堀内から出た3枚目の一筒をスルー。(四筒は2枚とび)
ここは流石にチーテンをとったほうがいいのでは、と思った。
上家の堀内がツモ番のない所から打東とすると、これを桜井(紘)がポンテン。が、手残りした一索が藤崎に捕まる。
この後も1回戦目は藤崎の安定した戦いぶりが光り、藤崎のトップで終了。
2回戦目、西家の堀内がいきなりのリーチ。牌姿を見ると、
一万二万三万五万六万九万九万六索七索八索三筒四筒五筒 リーチ ドラ白
このメンピンリーチ。
良くも悪くもこれが堀内のスタイルなのだろうが、私には勝負を焦っている様に見えた。
その後藤崎が、
五万六万七万一索二索三索六索七索八索一筒一筒白白
これで追いつくが、一筒が2枚切れの為ヤミテン。ここにツモ三索で堀内の現物の打一筒。ツモ八索で打一筒
親の桜井(秀)も追いつき、
四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒 ポン二筒二筒二筒 ポン九筒九筒九筒
この時のテンパイ打牌が白で、藤崎も仕掛け返してテンパイに。
五万六万七万一索二索三索六索七索八索八索 ポン白白白
こうなると、堀内不利に見えたが桜井(秀)が七万をツモ切って堀内に2,000点の放銃となった。
その後も堀内は親番でも三色リーチをツモるなどして、持ち点は60,000点に。
続く3回戦も堀内の大きなトップで、堀内はほぼ通過となった。
残り1つの席の争いは、4回戦目に親でメンホン七対子をツモるなどして加点した桜井(秀)と、
被害を最小限に抑えながら戦っていた藤崎との争いになったが、最終半荘で、
一万一万一万五万五万三索三索 ポン中中中 ポン九索九索九索
藤崎が親でのこのテンパイをいれ、既にテンパイをいれていた桜井(秀)から直撃。
1本場も2,600は2,700オールをツモアガリ、最終戦で30ポイント近くあった差を藤崎が捲って堀内と共に通過を決めた。

A卓勝ち上がり  堀内正人  藤崎智

B卓 森山茂和(前年度第3位) vs 斉藤等(七段) vs 浜上文吾(四段) vs 沢崎誠(八段)

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森山 茂和
10dan_29_98
斉藤 等
10dan_29_97
浜上 文吾
10dan_29_96
沢崎 誠

10dan_29_92
1回戦、南1局、森山が、
二万三万四万五万六万七万三索四索六索七索五筒五筒六筒 ドラ二万
ここから終盤にツモ二索でテンパイ。
五索は4枚切れで、下家の沢崎がピンズの染め手で2フーロしているが、八索は絶好に見えた為打六筒のヤミテン。
すぐにトップ目だった斉藤から八索がこぼれて3,900点をものにする。
南2局でも森山が沢崎から5,200点をアガると、浜上もリーチで1,000・2,000。
南4局は森山が軽く捌いて、沢崎にとっては痛い1人沈みで終了。
続く2回戦も沢崎は、浜上からでた当たり牌を森山に頭ハネされるという厳しい展開に。
3回戦、森山の、
三筒三筒六筒六筒九筒九筒南白白発発中中 リーチ ドラ四筒
この4巡目リーチ。
当然の一人旅かと思われたが、ここにリーチと被せたのが沢崎で
四筒五筒五筒五筒一索二索三索四索五索六索七索八索九索 リーチ
森山がすぐ六筒をつかんで8,000のアガリ。ここから沢崎の反撃が始まるかと思ったが、森山が強かった。
南3局の沢崎の親リーチに対して、森山が13巡目リーチ。そして高らかにツモ。
一万二万三万九万九万一索二索三索七索八索九索一筒二筒 リーチ ツモ三筒 ドラ北
この3,000・6,000でラス目から原点復帰の2着に浮上。
南4局も自らアガリ、原点キープに成功した。
5回戦も1人浮きをトップをとった森山と、随所にアガリをみせていた浜上が最終戦を有利な立場で迎え、
2人の安定感が崩れることはなくそのまま勝ち上がりを決めた。
沢崎、斉藤は無念の敗退となった。

B卓勝ち上がり  浜上文吾  森山茂和

C卓 三戸亮祐(前年度第4位) vs 井出一寛(六段) vs 山井弘(六段) vs 安東裕允(三段)

10dan_29_101
三戸 亮祐
10dan_29_106
井出 一寛
10dan_29_100
山井 弘
10dan_29_102
安東 裕允

10dan_29_92
1回戦、南1局、西家・三戸の6巡目リーチ。
これを受けての南家・井出の手牌が、
三万三万六万七万七万二索二索七筒七筒七筒 ポン三索三索三索 ドラ八万
ここから無筋と生牌を連打。七筒の暗カン後ツモ八万も、三戸の宣言牌の四万を見て七万が打ち切れず、打二索
直後に三戸がツモって1,000・2,000。井出にしてはちぐはぐな印象をうけた。
ドラ表示牌に七万が1枚見えているし、トイトイにはなりにくい。
この手牌で押す井出よりも、メンゼンで押している井出の方が怖いし井出らしいのではないか、と思った。
例えば三戸がこの手牌になっていたとしてもそこまで驚きはないが、三戸はここからどうにかオリきるだろう。
ポイントが大きく上下したのが、3回戦。
ここまでほとんどアガれていなかった山井が、南2局にメンホン七対子をアガってトップ目に浮上。
南3局の親番でもうまく七対子をテンパイしてリーチ。
五万五万八万二筒二筒四筒四筒五筒五筒六索六索南南 リーチ ドラ発
これをドラドラ七対子をテンパイしていた三戸から出アガって4,800を加点する。
南4局の井出の先制リーチに山井がまたも被せてリーチ。更には親の安東もタンピンでリーチ。
この勝負に勝ったのは山井で、開けられた手牌は、
三万三万二筒二筒二筒四筒四筒四筒六筒六筒六筒三索三索 リーチ ツモ三万
なんと四暗刻!
このアガリで80,000点のトップをとった山井が、トータルラス目から一気にトータルトップ目へと浮上した。
4、5回戦と安東、三戸も山井にくらいつき、ほぼ三つ巴の形で最終戦を迎えた。
最終戦南4局を迎えて、三戸が現状トータル3位で、ツモれば勝ち上がりとなるリーチを打つ。
二万三万四万三筒四筒五筒七筒八筒九筒一索二索三索白 リーチ ドラ白
祈るようにツモる三戸だったが、ここでラス親の井出からリーチ。
当然、井出も最後まで諦めてはいない。そして流局。
1本場、またしても井出から早いリーチが入り、勝負は次局に持ち越されたかと思われたが、
終盤テンパイの入った山井がアガリきり、安東と共に勝ち上がりを決めた。

C卓勝ち上がり  山井弘  安東裕允

D卓 石渡正志(前年度第5位) vs 山田浩之(六段) vs 近藤久春(六段) vs 仁平宣明(七段)

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石渡 正志
10dan_29_103
山田 浩之
10dan_29_109
近藤 久晴
10dan_29_107
仁平 宣明

10dan_29_92
1回戦、東1局は近藤から山田に2,000点と静かな立ち上がり。
続く東2局、近藤が仕掛ける。
四万五万六万七万七万南南 ポン中中中 ポン六筒六筒六筒 ドラ東
ここに山田がリーチと被せる。
六万七万八万七筒八筒九筒二索二索二索三索三索五索六索 リーチ
これを受けて近藤、ツモ四索で打四万と迂回すると、すぐにツモ四索→打七万でテンパイ復活。
更には、もう1枚四索をツモって、見た目以上に大きな400・700。
アガリ形をじっと見つめ、何かを確認する様に軽く頷く山田の姿が印象的だった。
南3局にも近藤が2本積んでからの3本場で、この半荘の決め手となる4,000は4,300オールをアガると、次局にアガった石渡が2着に食い込んだ。
2回戦は、石渡が先行して43,000点に。
仁平はメンゼンで常に一撃を狙ってくるタイプだが、東場の親でメンホンを炸裂させ山田から12,000。
3回戦も石渡が好調で、手が入り続けている印象を受けた。
また、立ち回り方も上手い。東3局の親で、山田のテンパイ打を捕まえて11,600を加点した。
その山田も南1局に、
六万七万二筒三筒四筒三索三索四索五索五索六索六索七索 ツモ八万 ドラ五万
安目ながら2,600オール。が、後が続かない。今日の山田は本当に苦しそうに見えた。
5回戦が始まる前までは、前半の貯金がきいている近藤と、石渡でほぼ決まりかと思われたが、近藤がらしくない放銃を2回してこれが両方ともドラ暗刻。
トップは東1局に3,000・6,000をツモった仁平で、近藤は1人沈みのラスとなってしまった為に勝負は分からなくなった。
6回戦、東1局から近藤が、
七筒八筒北北 ポン一筒一筒一筒 ポン九筒九筒九筒 ポン南南南 ドラ三索
積極的に仕掛けるも、仁平がリーチして1,000・2,000をアガる。
仁平は常に落ち着いて打っていて、状況判断が素晴らしいと思うのだが、ここが勝負所!と判断した時は躊躇なく踏み込める。
南1局にも近藤がリーチ。
二万三万三万四万五万七万七万七万六索六索六索発発 リーチ ドラ発
ここに仁平も自ら切っている一万を重ねて
一万一万二筒五筒五筒二索二索四索四索東東南南
このテンパイをするも、終盤に四万を引かされて冷静にオリを選択。
運命の南4局を迎えて、石渡は確定、山田はラス親で連荘条件。仁平は5,200点以上の出アガリで通過となった。
序盤から仁平が仕掛けていってこのテンパイ。
三筒三筒四筒七筒七筒七筒南南 ポン九筒九筒九筒 ポン白白白 ドラ五筒
ここからノータイムで打四筒とした。
二筒は3枚切れているのだが、三筒は1枚見え、四筒が自分の目から全て見えている。
確かに冷静に考えれば、連荘条件の山田は不要な牌は全て切るだろうから、そこに照準を合わせるなら、
ほぼ使えない三筒と横に広がるバリエーションの無い字牌のシャンポンに受けた方がいいのだろう。
直後、山田からリーチが入るが、すぐに仁平が南をツモって、石渡と共に勝ち上がりを決めた。

D卓勝ち上がり  石渡正志  仁平宣明

ベスト8組み合わせ

A卓 堀内正人vs森山茂和vs山井弘vs仁平宣明

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平成24年度プロテスト(第29期)新人募集要項

創立以来30年を迎えて、着実にその地位を築き上げ日本の麻雀界をリードしている日本プロ麻雀連盟では、 今年第29期のプロテストを行い、感性豊かな新人を募集します。

平成24年 8月1日募集開始! 〆切:9月21日

募集要項はこちら

連盟インフォメーション/平成24年度プロテスト(第29期)新人募集要項

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平成24年 8月1日募集開始! 〆切:9月21日
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