第11期女流桜花決定戦 最終日観戦記 藤原 隆弘

いよいよ最終日を迎えた。最後の1週間を選手たちはどのような気持ちで過ごしたのだろうか。
最終日最初の半荘となる第9回戦はそれぞれの思いがぶつかりあった壮絶な一戦となったのである。

 

100

 

9回戦(起親から 仲田―松岡―魚谷―宮内)

東1局、西家・魚谷に好配牌4巡目でこの形。

一索一索三筒五筒六筒六筒六筒東東発発中中  ドラ七万

全て場に生牌だったのでホンイツトイトイや四暗刻まで狙える大チャンスと思ったのだが、魚谷は1枚目の四筒をチーして一索切りとした。
少しもったいないような気がした。鳴かないで進める場面を見たかった。

仲田も好配牌で魚谷のチーで宮内に流れた二筒をチーテンに取り、直ぐに二索ツモで2,000オール。

七万七万三索四索八索八索八索四筒五筒六筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き

魚谷の仕掛けに対応した機敏な動きで仲田が今日も好発進。
100

1本場では仲田が1シャンテンで切ったドラの北を魚谷がポンして789の三色。

七万八万九万三索三索七筒九筒  チー七索 上向き八索 上向き九索 上向き  ポン北北北

仲田もポンテンを取り両者テンパイで流局。

2本場は魚谷が9巡目リーチ。

一万二万三万二索三索六索七索八索六筒六筒中中中  リーチ  ドラ七索

四索をツモって2,000、3,900だ。

東2局、ここも魚谷10巡目に先制リーチ。

六万七万三索四索五索一筒二筒三筒七筒七筒発発発  リーチ  ドラ八万

ドラをツモったらまた2,000・3,900。今日の魚谷は最初から全力で攻める気迫満々だ。
しかしここは親の松岡にも手が入った。

四万五万五万六万六万七万八万八万五索五索七索三筒四筒五筒

こうなったところで、私はカン六索マチの方が少し良いと思えたのだが、松岡は七索切りとしてシャンポンで追いかけた。
魚谷のマチは他家に流れ純カラとなり、山には松岡のアガリ牌のみ。魚谷はピンチだ。
その魚谷が掴んだのは六索、辛くも難を逃れてラッキーと思ったのも束の間、魚谷の最後のツモは五索だった。
行く手を阻まれる12,000これは痛い、痛過ぎる。

松岡連荘の東2局1本場。
今度は私の出番だとばかりに、宮内が6巡目ツモリ三暗刻のリーチ。

一万一万一万七万八万九万三索三索四索四索二筒二筒二筒  リーチ  ドラ六筒

親の松岡が追いかける。

三万四万四万五万五万六万七万八万八索八索八索三筒三筒

マチの多さで松岡に軍配、安目だが即九万をツモる。
魚谷も宮内も、今日はエンジン全開で仲田を追わなければならないのだが、少しでも意地を見せたい松岡の頑張りが仲田にとって有利な展開となっている。

2本場

ここも松岡が仕掛け、ダブ東トイトイの親満テンパイ、ツモなら6,000オールだ。

四索四索七索七索七索二筒二筒二筒六筒六筒  ポン東東東

宮内が追いつき9巡目リーチ。

三万四万五万七万七万三索四索五索三筒四筒五筒六筒八筒  リーチ

マチは苦しいがそんなことは言ってられない。手が入ったときは引けないのだ。
魚谷も同じで12巡目に追いかける。

三万三万四万四万五万五万六万六万七万八万九万白白  リーチ

この局は、仲田が6巡目にチーテン1番乗りしていた。

一万二万三万九万九万七筒八筒九筒白白  チー一索 上向き二索 上向き三索 上向き

ここは仲田が軽く捌くと思ったのだが全員に手が入り、最後方から来た魚谷が六万をツモって3,000・6,000で再びトップ目に立つ。
100

東3局の魚谷が10巡目リーチ。

三万四万五万五万六万六万七万七万八万三索三索七筒九筒  ドラ六万

序盤の場況から、ピンズの上が良さそうに見えるので面子選択で残したカン八筒マチ。
松岡が追いかけた。

七万八万九万四索五索六索九索九索四筒五筒五筒六筒六筒

ここは魚谷の読み通り、山に2枚生きの八筒を松岡が掴んで7,700。

1本場は、魚谷がソーズホンイツで仕掛ける。

一索二索三索五索七索七索八索九索北北  チー七索 上向き八索 上向き九索 上向き  ドラ九万

今回は打点もマチも良くないが連荘のための手段、次の本手への繋ぎだ。
南家の宮内がこれに対応してピンズに寄せる。

四筒五筒六筒七筒八筒北北  ポン白白白  ポン南南南

打点もマチも勝る宮内が、三筒ツモで2,000・3,900。

東4局

北家・魚谷が2フーロしてタンヤオトイトイ高目跳満のテンパイ。

二万二万三万三万三万五筒五筒  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き

親の宮内にもメンホンのヤミテンが入る。

三索三索三索七索八索九索南南北北北中中

中は生牌でトイトイの魚谷がいるから出にくいが、1枚切れの南を狙いヤミテンを続ける。
ヤミでもツモれば6,000オール。安目出アガリでも9,600あるから、リーチしないで損になるのは中ツモアガリのときに8,000オールにならないところだけ。なので宮内は慎重にヤミテン続行。
松岡がリーチときても追いかけず、魚谷も宮内も一歩も引かず、松岡が南を掴んで宮内9,600のアガリ。
100

1本場は松岡が9巡目にメンホン七対子リーチ。

一万一万二万二万五万五万七万七万八万東東中中  リーチ  ドラ中

松岡の優勝はかなり厳しいが、少しでも意地を見せ最後までプロらしく戦わねばならない辛い立場。
安アガリで局を進めることもできず、できるだけ高い手を作りなるべくならヤミテンも避けたいところだ。
出アガリ倍満リーチだが実は純カラ。親の宮内今日は松岡のリーチに怯んで親を落とすわけにはいかない。

六万八万一索二索三索四索五索六索三筒三筒六筒七筒八筒

マチが変われば八万が出る形、宮内は覚悟を決め危険を承知で追いかける。
仕掛けて手詰まりとなった魚谷が七万でオリ打ち、宮内危機回避で親番キープだ。

2本場は宮内11巡目リーチ。

四万五万八万八万五索六索六索七索七索八索七筒八筒九筒  リーチ  ドラ八筒

ツモれなかったが1人テンパイで遂にこの半荘のトップ目に立つ。
3本場、もう宮内の親はやらせないと魚谷が捌きに行く。

三万三万七万八万三索四索五索三筒四筒五筒  ポン北北北  ドラ九万

ところが終盤、仲田も一気に追いつき、

九万九万二索三索四索五索六索  ポン東東東  ポン南南南

魚谷が七索をツモ切って7,700。ここまで3人の猛攻に耐えていた仲田がひとアガリで浮きの2着になり、ほぼ全局に参戦した魚谷は3着目まで落ちた。
追う魚谷には手痛過ぎ、逃げる仲田にはかなり手応えのあるアガリ。やはりこのまま仲田の逃げ切りで終わるのかなと思えたが、放銃した魚谷は顔色一つ変えず点棒を払い、姿勢も崩れない。
私なんかだともう心が折れそうになるけど凄い鉄メンタルである。
長い東場が終わり3者の持点は、宮内42,100 仲田35,600 魚谷31,300。

南入した仲田の親で、魚谷3,000・6,000をツモアガる。

六万七万八万一索一索八索八索八索二筒二筒発発発  ツモ一索  ドラ一索

なんという生命力か執念か、素晴らしい凄すぎる!

南2局は魚谷がリーチツモ。南3局は再び勢いを盛り返して迎えた魚谷の親。
怖い怖い親番なのは充分承知の仲田が、ヤミテンのピンフツモで連荘させない。

オーラスは宮内の親。トップ目の魚谷が3巡目リーチ。

三万四万九万九万一索二索三索四索五索六索中中中  リーチ  ドラ七索

少しでも点差を詰めるためヤミにせず1,000・2,000をツモリに行く。仲田の持点は31,600、もし仲田から出たときに2,600なら沈むからだ。
もちろんそれも承知の仲田はオリる。連荘したい宮内も魚谷のリーチが早すぎて追いつかない。
魚谷に8巡目に望外の中が来た。勿論、暗カンこれでツモれば2,000・3,900となり仲田が配源を割るのだ。
魚谷キッチリと二万をツモって大打撃戦の半荘を締め括った。

 

100

 

9回戦成績
魚谷+30.6P 宮内+7.8P 仲田▲4.4P 松岡▲34.0P

12,000に9,600に、3,000・6,000が2回、2,000・3,900が3回、7,700が2回、東場だけで12局全16局の殴り合い。
Aルールでこれだけの高打点が飛び交う半荘は滅多に見られない。4者の意地と気迫がぶつかり合った見ごたえありすぎる打撃戦。まさに、今期の女流ベストバウトと言える半荘を制した魚谷が仲田追撃への狼煙を上げた。

トータル成績
仲田+90.4P 魚谷+62.5P 宮内+28.1P 松岡▲149.0P

 

10回戦(起親から 魚谷―宮内―松岡―仲田)

仲田と魚谷の差が約28Pに縮まり、半荘1回で容易に変わる差となった。残り3半荘、宮内はもう1ゲームも落とせない。
東1局は魚谷が親で1人テンパイ。1本場で10巡目リーチ。

五万六万九万九万九万一索二索三索六筒六筒六筒発発  ドラ発

これをツモれば仲田を抜いてトータルトップに立つ、もうそこまで追い上げたのだ。
しかしここはまだ諦めてない宮内が魚谷の現物マチのピンフでダマ押し、押し勝って魚谷からロン。

東2局(ドラ南)の宮内の親は6巡目に七対子テンパイの仲田が、ドラの南単騎にかえてリーチとした。
ヤミにするかと思っていたが、押さえ込みと跳満ツモで決めに行く方を選んだ。山に1枚残っていたが流局し宮内の親は落ちた。

局は進んで東4局仲田の親。松岡が10巡目リーチ。

三万四万六万六万六万五索六索七索六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ドラ九筒

どうしてもトップを取っておきたい宮内が追いかける。

二万三万四万三索四索二筒三筒四筒六筒六筒六筒白白

松岡が五万をツモり宮内残念。

南1局でも僅か4巡で1,300・2,600をツモった松岡が大きくリードする。
南2局(ドラ四索)親の宮内は仲田と魚谷が沈んでいるこの半荘、最低でも浮き2着は取りたい。
南の一鳴きでドラの四索を重ね、親満の1シャンテンとするも、ここから最後までテンパイせず、東場の親と同様無念のノーテン親落ちとなった。

南3局は仲田が7巡目にリーチ。

三万四万一索一索三索四索五索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ四索

親の松岡が1シャテンでまっ直ぐ押して放銃。
仲田がこのアガリでプラスの2着に浮上した

オーラスは仲田の親(ドラ四万
魚谷は仲田だけは捲って終わりたい。宮内は2人を捲る必要があり満貫ツモ狙いで強引にピンズに向かう。
しかしこの半荘は松岡の半荘だ。ドラ暗刻のリーチを一発でツモ、1人浮きのトップにした。

 

100

 

10回戦成績
松岡+34.2P仲田▲4.1P魚谷▲10.8P宮内▲19.3P

トータル成績
仲田+86.3P魚谷+51.7P宮内+8.8P松岡▲148.8P

親っカブリで仲田もマイナスしたのは魚谷には救いだったが、宮内はここでのラスは痛すぎた。防衛のためには残り2半荘、特大の連勝を決めるしかない。

 

11回戦(起親から 松岡―仲田―宮内―魚谷)

東1局は北家・魚谷が軽く捌きを入れる。

四万五万五万五万七索七索七索  チー五筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン発発発  ドラ三筒

12巡目に西家宮内がドラ暗刻のハネツモリーチ

七万七万三索三索三索一筒一筒三筒三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ

しかし四万を掴み無念。
東2局、親の仲田が遠い仕掛けを入れ2フーロでまだ1シャンテン。

六索七索東東発発中  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  チー七万 上向き八万 上向き九万 上向き  ドラ六索

ドラの六索を引いたのでホンイツにはならなかったが、ダブ東が鳴ければ打点が高くなるし他家への牽制力は充分だ。
宮内が東発を1枚ずつ掴まされたが、ギリギリまで絞り切り先にテンパイを入れ東単騎でリーチ。

二索三索四索五索六索七索三筒三筒三筒七筒八筒九筒東  リーチ

受けながらも粘って攻め返す宮内、必死に逆転の糸口を求める。仲田も発ポンでテンパイ。
ここに松岡が追いついた。

三万四万四万五万五万九万九万五索五索六索六索八索白白

ドラ2七対子だからアガリたい気持ちは解るが、2人に対してかなり危険な八索(宮内の入り目)を切り仲田のアガリ。松岡には我慢して欲しかった。

次局、連荘の仲田が12巡目リーチ。

六万六万七万七万八万二索二索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  ドラ南

既にマチは八万が1枚だけしか残ってなかったのだが、一発目に引き当てて2,600オール。1人浮きとなり現時点で魚谷との差を約60Pと大きく広げた。

2本場(ドラ一索)は宮内が鋭い攻撃を見せた。七対子に照準を定めノーミスでテンパイし狙いの北単騎でリーチ。タンピンの1シャンテンで北を抱えていた仲田を狙い撃ちのような直撃。
3,200の2本場で3,800点。点数的には大した痛手ではなかったろうが、この一撃で仲田に向いていた流れが少し揺らいだようだ。

東3局、親の宮内に好手が入るが、牌の来る順番が悪くてこうなる。

六万七万三索四索五索七索八索九索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  ドラ七索

ここから九索切りとすれば七索が来て大正解となったのだが、宮内は普通に六万切りとして仮テンを取る。次に四筒を引きフリテンだが四筒七筒マチに変わると次に七索を引く

三索四索五索七索七索八索九索三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒

まさかこんな七索単騎にはできずにツモ切ると、仲田がこのドラをポンして1シャンテン。
この鳴きで宮内に西が来ると、宮内は即座に西単騎に変えてリーチと行った。西は仲田が1枚切っている。
この西を仲田が即掴んで宮内2局連続で仲田を狙い撃ちだ。
オカルト的かもしれないが、私はこの連続字牌単騎での直撃が、オーラスの仲田の失着に繋がったのではないかと思う。

1本場で喰いタンの1,500をアガった宮内はついにこの半荘のトップ目に立つと、続く2本場で大チャンス! 僅か5巡でこのテンパイ。

六筒七筒七筒七筒八筒八筒八筒  ポン南南南  ポン中中中  ドラ北

この手がアガれると大逆転が現実味を帯びてくる。
宮内もこの局は行けると思ったに違いないが、無情にも魚谷にヤミテンのピンフで躱されてしまった。

東4局(ドラ五筒)親の魚谷面前のカン八索マチテンパイから好判断で作り変え、ダブ東をポンして宮内から2.900のアガリ、今度は魚谷がトップ目に立つ。

南場は小さな動きで進んだオーラス。
100

 

3者の持ち点は魚谷36,300 仲田33,800 宮内29,800。
宮内はこのまま終われば、防衛するためには絶望的な点差で最終半荘を迎えることになるので、絶対にトップを取る必要がある。
魚谷に迫られている仲田は、できれば魚谷を捲ってトップをとり最終戦を楽な点差で迎えたい。
まずは宮内にドラ2枚の好配牌で2巡目に選択ミス。

四万五万五万八万八万二索三索五索八索九索三筒七筒七筒八筒

宮内はここで八索切りとしたのだが、次のつもが七索でモロに裏目。この時五万五索三筒とかを切れば誰が打っても5巡目に三万六万マチのリーチがかかり、誰も抵抗しなければツモアガる。
こも後、長引いたが仲田の動きもあったり、先切りしていた五万を残したのも良く、また五万を引き戻して13巡目にリーチ。

五万五万五万八万八万一索二索三索五索七索六筒七筒八筒  リーチ

2,600点以上のアガリが欲しい仲田は、この形から八筒チーとした。

三万六万七万八万六索七索八索二筒三筒六筒六筒七筒七筒

八筒チーで喰い下げたのは四筒。鳴かなければ面前で2,600のテンパイが入りアガリがあったように思う。
喰いタン三色ドラ1で3,900だから、八筒だけはチーの気持ちは解るが少し焦ったかもしれない。
それでも仲田は八筒を引いてテンパイしたが、宮内のリーチもかかり危険牌も引かずハイテイで引いたのは六索
宮内は満貫級のリーチの筈だから、放銃できないのは仲田も魚谷も同じ。親の魚谷がオリているのは誰の目にも解った。仲田がテンパイを維持すればノーテン罰符でトップになれる。

六万六万七万八万六索六索七索八索六筒七筒八筒  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き

四万切りリーチで六万はシャンポンマチがあるかもしれないが、先に五万切りしててそれは無いだろう、四万が4枚見えで九万も通ってるから、両面マチも無いので切るなら六万の方が良かったのではないか?
六索は自分から見て4枚目、しかもアガリ損ねとなった牌だ。あるならカン六索マチだが現物を抜いてオリる選択もある。
みなさんならどうしますか?

仲田は少考してから六索をツモ切り、ホーテイのおまけ付きで満貫放銃、宮内がトップになり、仲田はマイナスの3着に陥落、魚谷との点差が大きく縮まった。
初日からここまで、ほぼ思惑通りに試合運びを続けてきた仲田が、ここで初めて痛恨のミスをしてしまった。
魚谷と宮内の躓いても転んでも追撃を諦めない気迫が徐々に仲田にプレッシャーをかけ、エラーを誘ったのであろう。

11回戦成績
宮内+15.8P魚谷+10.3P仲田▲8.2P松岡▲17.9P

トータル成績
仲田+78.1P魚谷+62.0P宮内+24.6P松岡▲166.7P

仕方なくオリたら、望外の仲田の放銃で僅かに16.1P差となった魚谷に逆転優勝が見えてきた。
とりあえず最低条件のトップを取り、首の皮一枚残した宮内は特大のトップを取るしかない。
さあ最後の半荘に入る。

 

12回戦(規定により起親から魚谷―宮内―松岡―仲田で始まる)

東1局は魚谷と宮内のテンパイで連荘。
2本場は仲田が魚谷から1.300をアガリ仲田第一関門クリア。

東2局(ドラ九万)は魚谷が仕掛けるも親の宮内7巡目リーチ

三万三万四万四万五万五万七筒七筒七筒八筒八筒東東  リーチ

安目の八筒しか残ってなかったが即ツモで2,600オール。

奇跡へ向けて前進する宮内、連荘の1本場
100

 

宮内は2巡目で1シャンテン。

五万五万一索二索三索七索四筒五筒六筒発発中中

ポンテンも利くし面前テンパイならリーチだ。
これに対して魚谷が5巡目に白をイチ鳴きで仕掛ける

一索二索三索四索八索四筒五筒西北北  ポン白白白

少し遠いようだが、魚谷の狙いはソーズのホンイツだった。
これに対して、食い下がったドラ五索を手に残した宮内。七索を切っているのでフリテンの1シャンテン。
西家の仲田の手牌はこうだった。

七万九万五索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒北

ここで生牌の北を切り魚谷にポンされたが、当面の敵に対して少し甘くはないか?もしポンされたらホンイツでもトイトイでも満貫だ。
マンズが六万七万で超充分形とか、好形のテンパイでの打牌なら良いと思うが、ここは九万切りとして堪えるべきかと思う。
北をポンした魚谷は九索を暗刻にして八索九索マチの満貫テンパイ。
仲田にもテンパイが入る。

七万七万五索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒

フリテンを入れた宮内もリーチ。

一索二索三索五索六索七索五筒六筒七筒発発中中  リーチ

しかし宮内が八索を掴んで魚谷のアガリ。
魚谷がついにこの決勝戦、ここで初めてトータルで首位に立ったのである。
仲田が少し甘かったと記したが、もしも仲田が北を1巡でも絞った場合、宮内のツモは中七索となり、フリテンリーチなら4,000オール。ヤミでも2,600オールのアガリだ。
すると三つ巴の混戦となり、宮内の連覇があったかも知れないのだ。今回の決定戦で、このような展開のアヤみたいな部分では、宮内が一番損をさせられているように思う。

 

100

 

東3局は魚谷1人テンパイで、東4局は仲田の親。首位に立った魚谷が10巡目テンパイ。

三万四万五万三索四索五索一筒一筒四筒五筒七筒八筒九筒  ドラ九索

高目の三筒は生牌で六筒が3枚切れていて、仲田の現物なだけにヤミテンにすると思ったが魚谷は即リーチとした。
確かにここで満貫をツモればかなり引き離すことができるが、私はヤミテンにすると思ったので後で魚谷に聞いたら「三筒が山に数枚残っていると思ったから決めに行きました。」とのことだった。
実は1枚残りで、まだまだ諦めてない宮内が追いかけリーチ。

一万二万四万四万五万六万七万一索二索三索一筒二筒三筒  リーチ

この三万も山に1枚残り、宮内のアガリになれば宮内にもまた逆転の可能性が復活してくるのだが流局した。

南入して魚谷最後の親番。
北家の仲田が6巡目にドラを重ねて1シャンテンとしたが、宮内が9巡目にテンパイ1番乗り。

三万四万五万六万七万八万三索三索五索六索四筒五筒六筒  ドラ東

三色に変わればリーチして跳満ツモ狙いというつもりでヤミにしたら、魚谷から四索が出てやむなくロン2,000。
さあ南2局は宮内最後の親番だ。まずはドラの発を重ねてリーチ。

一万二万三万五万六万二索三索四索五索六索七索発発  リーチ

山に2枚残りだったが流局。
連荘の1本場はリーチツモで1,000オール。
2本場は宮内と魚谷の2人テンパイで流局と、親番を死守するものの決め手のアガリはまだ出ない。
3本場で西家仲田から5巡目にリーチ。

一万二万三万四万五万六万二筒二筒三筒四筒五筒西西  リーチ  ドラ白

魚谷に抜かれた仲田としては、逆転のチャレンジをしなければならない。
この親を落とせば逆転が困難になる宮内、ここはリーチに構わず自分本意に打って良い場面なのだが、思うように手が伸びずノーテンで親を落としてしまった。
宮内は残り2局で跳満ツモ2回が必要と、ついに瀬戸際まで追い込まれた。

南3局4本場、最低でも満貫はツモっておきたい宮内が、何とか手を作り12巡目リーチ。

三万四万五万三索三索六索八索三筒四筒五筒中中中  リーチ  ドラ六索

これも流局で遂にオーラス。
流局が続いて回ってきたため、オーラスは5本場で供託リーチ棒が2本。親の仲田が3巡目に中のポンテン。

二万二万二万六万七万五筒五筒七筒八筒九筒  ポン中中中  ドラ一筒

直ぐにツモって500と5本場で1,000オールプラスリーチ棒2本は、大きなアガリとなりトータルで魚谷を僅かに1.6P逆転した。

6本場が優勝者を決めた最後の山場となった。
100

 

逆転されたとはいえ、魚谷は1,000点アガるだけで優勝。親の仲田がトップに立ったので宮内も倍満ツモで2人を捲って優勝という条件になった。
勿論、仲田も魚谷とのノーテン罰符だけで再逆転されるから、魚谷がテンパイなら流局しても手を伏せられない。
まず仲田が4巡目に南西白の3種の生牌から、オタ風の西では無く白から切り出し、これを魚谷がポン。ここから局面が大きく動き出す。
アガれば良い魚谷としては、カンチャンとペンチャンの役無し1シャテンだから白ポンは必然。

六万八万六索七索八索四筒五筒六筒八筒九筒  ポン白白白  ドラ七筒

次に四万を引いて九筒を切ったのも間違いでは無いと思うし、むしろ正着と思う。魚谷の仕掛けのあと、仲田にも好牌が入って手が進み、宮内の手にもソーズと字牌がなだれ込んだ。
仲田には、ドラの七筒が中ブクレの形で浮いていたが、魚谷が九筒八筒と落としてきたので1シャンテンで処理した。
1,000点アガれば優勝の人が、面子選択でドラマチのペン七筒受けを残す訳がないし、あるとすれば八筒九筒から六筒を引いて、さらに五筒を引いたときだけだから仲田は安全牌の三万を残して先に七筒を切った。
仲田は次巡、四筒引きでテンパイし、魚谷も同巡、四万を引きカン七万マチテンパイ。

仲田
二万三万四万五万五万四索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒

魚谷
四万四万六万八万六索七索八索四筒五筒六筒  ポン白白白

タラレバの話だが、魚谷が四万を引いたときの形から八万を切っていれば、仲田もテンパイしてから七筒を切るだろう。すると魚谷もチーテンの四万単騎で宮内に四万が喰い下がる。
そのときの宮内の手牌は、

二索二索三索五索六索七索西北北発発中中

こうだったから、倍満ツモ条件に突き進む宮内が、四万をツモ切れば魚谷の優勝だったのだ。
仲田が1シャンテンで七筒を切ったとしても、仲田から四筒を喰い取るから魚谷が有利だった。
実戦では、仲田と魚谷にテンパイが入った同巡、宮内が1シャンテンとなる。

二索二索三索五索六索七索西北北発発発中中

倍満ツモで優勝という条件があるだけに、ここで宮内はツモリ三暗刻に決めて三索に手をかけたのだ。
テンパイまで持っていると、仲田に対して危ないから切るなら今でしょと切ったのがピンポイントで今テンにストライク。
仲田は大きな大きな5,800プラス本場の1,800のアガリ。

宮内は両面受けを嫌ったのだが、三暗刻の2ハンが無くてもハイテイが回るので、リーチツモ二役メンホンハイテイで倍満という可能性もあるから、三索を1巡先に処理しなかったのならギリギリまで切らない選択枝はあった。
この時点で仲田のマチは3枚、魚谷のマチは1枚、宮内の必要な牌はかなり生きていたので結果はどうなっていたか解らない。
いずれにしてもこの局は、色々な選択で大きく結果が変わる要素があるので、皆さんも牌譜を検証してみて頂きたい。

さあ、仲田が優勝へ大きく近づいたが、次局は魚谷もまだ1,300・2,600のツモアガリで逆転する。
しかし、魚谷が条件に合うテンパイを入れられないまま終局となり、仲田の7年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。

初日の2回戦で首位に立ち、一度もラスを引かず、大きくマイナスした半荘も無く、安定感抜群の内容でずっと首位を守り続けてきた仲田。
最終戦で一度は魚谷に逆転されたが、土壇場で差し返す二枚腰も見せての辛勝は喜びもひとしおだろう。
この激戦を盛り上げ素晴らしい闘いにしてくれたのは、何度躓いても打たれても最後まで逆転を諦めず仲田を追い込んだ魚谷と宮内の粘りだ。
特に魚谷は最終戦で、一度は仲田を抜いていただけにオーラスは本当に紙一重、どちらが優勝していても不思議ではなかったと思う。
予想外の惨敗で苦い初舞台となった松岡、他3人との現状での実力差が露呈し多くの課題が残ったが、女流のAリーグを勝ち抜いて決定戦に残った事には自信を持つべきで、まだ若いしキャリアも浅いのだから、決勝に残った者にしか体験できない貴重な経験を生かして、この次に決勝に残った時には優勝争いが出来るようスキルアップして欲しい。

超攻撃型、悪く言えば何でも要らない牌を切って前に出るだけ、アタリ牌を掴まないだけ、というイメージで勝っていた7年前から、真逆に近い守備型麻雀を取り入れる大改造に取り組み遂に女流桜花に返り咲いた仲田。

「いろんなパターンを沢山シミュレーションしていたので何があっても動揺せずに打てたこと、ほぼ思い描いていた通りの展開で回せたことが主な勝因だと思います。唯一11回戦オーラスにホーテイで宮内さんに満貫を打ったのが覚悟の無い想定外の放銃で、優勝できなかったら大きな敗因になるところでした。映像対局主流の時代になってから活躍できずにいましたが、ようやく勝てました。こらからは第一線で活躍を続けられるように頑張っていきたいと思いますので、今後共応援よろしくお願いします。ありがとうございました。」

映像対局が頻繁に流されるようになった効果も大きいと思うが、女流プロの人数も増えてきてその麻雀レベルも上がってきている。
仲田や魚谷や宮内だけでなく、女流のタイトルや人気に甘んじることなく、Aクラスの男子プロと闘っても勝てる実力をつけたいと本気で望み、考え、努力している女流プロは少なくない。

創世記のプロクイーンや女流桜花の決勝戦に比べ、闘牌の内容がレベルアップしてきていると思うし、今期のプロリーグで、和久津が女流プロとしては21年ぶり2人目のA1リーガーとなったのもその証であろう。
女流プロが鳳凰位や十段位の決定戦を闘う姿を観る日もそんなに遠くない。

 

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女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第11期女流桜花決定戦 最終日観戦記 藤原 隆弘

いよいよ最終日を迎えた。最後の1週間を選手たちはどのような気持ちで過ごしたのだろうか。
最終日最初の半荘となる第9回戦はそれぞれの思いがぶつかりあった壮絶な一戦となったのである。
 
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9回戦(起親から 仲田―松岡―魚谷―宮内)
東1局、西家・魚谷に好配牌4巡目でこの形。
一索一索三筒五筒六筒六筒六筒東東発発中中  ドラ七万
全て場に生牌だったのでホンイツトイトイや四暗刻まで狙える大チャンスと思ったのだが、魚谷は1枚目の四筒をチーして一索切りとした。
少しもったいないような気がした。鳴かないで進める場面を見たかった。
仲田も好配牌で魚谷のチーで宮内に流れた二筒をチーテンに取り、直ぐに二索ツモで2,000オール。
七万七万三索四索八索八索八索四筒五筒六筒  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き
魚谷の仕掛けに対応した機敏な動きで仲田が今日も好発進。
100
1本場では仲田が1シャンテンで切ったドラの北を魚谷がポンして789の三色。
七万八万九万三索三索七筒九筒  チー七索 上向き八索 上向き九索 上向き  ポン北北北
仲田もポンテンを取り両者テンパイで流局。
2本場は魚谷が9巡目リーチ。
一万二万三万二索三索六索七索八索六筒六筒中中中  リーチ  ドラ七索
四索をツモって2,000、3,900だ。
東2局、ここも魚谷10巡目に先制リーチ。
六万七万三索四索五索一筒二筒三筒七筒七筒発発発  リーチ  ドラ八万
ドラをツモったらまた2,000・3,900。今日の魚谷は最初から全力で攻める気迫満々だ。
しかしここは親の松岡にも手が入った。
四万五万五万六万六万七万八万八万五索五索七索三筒四筒五筒
こうなったところで、私はカン六索マチの方が少し良いと思えたのだが、松岡は七索切りとしてシャンポンで追いかけた。
魚谷のマチは他家に流れ純カラとなり、山には松岡のアガリ牌のみ。魚谷はピンチだ。
その魚谷が掴んだのは六索、辛くも難を逃れてラッキーと思ったのも束の間、魚谷の最後のツモは五索だった。
行く手を阻まれる12,000これは痛い、痛過ぎる。
松岡連荘の東2局1本場。
今度は私の出番だとばかりに、宮内が6巡目ツモリ三暗刻のリーチ。
一万一万一万七万八万九万三索三索四索四索二筒二筒二筒  リーチ  ドラ六筒
親の松岡が追いかける。
三万四万四万五万五万六万七万八万八索八索八索三筒三筒
マチの多さで松岡に軍配、安目だが即九万をツモる。
魚谷も宮内も、今日はエンジン全開で仲田を追わなければならないのだが、少しでも意地を見せたい松岡の頑張りが仲田にとって有利な展開となっている。
2本場
ここも松岡が仕掛け、ダブ東トイトイの親満テンパイ、ツモなら6,000オールだ。
四索四索七索七索七索二筒二筒二筒六筒六筒  ポン東東東
宮内が追いつき9巡目リーチ。
三万四万五万七万七万三索四索五索三筒四筒五筒六筒八筒  リーチ
マチは苦しいがそんなことは言ってられない。手が入ったときは引けないのだ。
魚谷も同じで12巡目に追いかける。
三万三万四万四万五万五万六万六万七万八万九万白白  リーチ
この局は、仲田が6巡目にチーテン1番乗りしていた。
一万二万三万九万九万七筒八筒九筒白白  チー一索 上向き二索 上向き三索 上向き
ここは仲田が軽く捌くと思ったのだが全員に手が入り、最後方から来た魚谷が六万をツモって3,000・6,000で再びトップ目に立つ。
100
東3局の魚谷が10巡目リーチ。
三万四万五万五万六万六万七万七万八万三索三索七筒九筒  ドラ六万
序盤の場況から、ピンズの上が良さそうに見えるので面子選択で残したカン八筒マチ。
松岡が追いかけた。
七万八万九万四索五索六索九索九索四筒五筒五筒六筒六筒
ここは魚谷の読み通り、山に2枚生きの八筒を松岡が掴んで7,700。
1本場は、魚谷がソーズホンイツで仕掛ける。
一索二索三索五索七索七索八索九索北北  チー七索 上向き八索 上向き九索 上向き  ドラ九万
今回は打点もマチも良くないが連荘のための手段、次の本手への繋ぎだ。
南家の宮内がこれに対応してピンズに寄せる。
四筒五筒六筒七筒八筒北北  ポン白白白  ポン南南南
打点もマチも勝る宮内が、三筒ツモで2,000・3,900。
東4局
北家・魚谷が2フーロしてタンヤオトイトイ高目跳満のテンパイ。
二万二万三万三万三万五筒五筒  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き
親の宮内にもメンホンのヤミテンが入る。
三索三索三索七索八索九索南南北北北中中
中は生牌でトイトイの魚谷がいるから出にくいが、1枚切れの南を狙いヤミテンを続ける。
ヤミでもツモれば6,000オール。安目出アガリでも9,600あるから、リーチしないで損になるのは中ツモアガリのときに8,000オールにならないところだけ。なので宮内は慎重にヤミテン続行。
松岡がリーチときても追いかけず、魚谷も宮内も一歩も引かず、松岡が南を掴んで宮内9,600のアガリ。
100
1本場は松岡が9巡目にメンホン七対子リーチ。
一万一万二万二万五万五万七万七万八万東東中中  リーチ  ドラ中
松岡の優勝はかなり厳しいが、少しでも意地を見せ最後までプロらしく戦わねばならない辛い立場。
安アガリで局を進めることもできず、できるだけ高い手を作りなるべくならヤミテンも避けたいところだ。
出アガリ倍満リーチだが実は純カラ。親の宮内今日は松岡のリーチに怯んで親を落とすわけにはいかない。
六万八万一索二索三索四索五索六索三筒三筒六筒七筒八筒
マチが変われば八万が出る形、宮内は覚悟を決め危険を承知で追いかける。
仕掛けて手詰まりとなった魚谷が七万でオリ打ち、宮内危機回避で親番キープだ。
2本場は宮内11巡目リーチ。
四万五万八万八万五索六索六索七索七索八索七筒八筒九筒  リーチ  ドラ八筒
ツモれなかったが1人テンパイで遂にこの半荘のトップ目に立つ。
3本場、もう宮内の親はやらせないと魚谷が捌きに行く。
三万三万七万八万三索四索五索三筒四筒五筒  ポン北北北  ドラ九万
ところが終盤、仲田も一気に追いつき、
九万九万二索三索四索五索六索  ポン東東東  ポン南南南
魚谷が七索をツモ切って7,700。ここまで3人の猛攻に耐えていた仲田がひとアガリで浮きの2着になり、ほぼ全局に参戦した魚谷は3着目まで落ちた。
追う魚谷には手痛過ぎ、逃げる仲田にはかなり手応えのあるアガリ。やはりこのまま仲田の逃げ切りで終わるのかなと思えたが、放銃した魚谷は顔色一つ変えず点棒を払い、姿勢も崩れない。
私なんかだともう心が折れそうになるけど凄い鉄メンタルである。
長い東場が終わり3者の持点は、宮内42,100 仲田35,600 魚谷31,300。
南入した仲田の親で、魚谷3,000・6,000をツモアガる。
六万七万八万一索一索八索八索八索二筒二筒発発発  ツモ一索  ドラ一索
なんという生命力か執念か、素晴らしい凄すぎる!
南2局は魚谷がリーチツモ。南3局は再び勢いを盛り返して迎えた魚谷の親。
怖い怖い親番なのは充分承知の仲田が、ヤミテンのピンフツモで連荘させない。
オーラスは宮内の親。トップ目の魚谷が3巡目リーチ。
三万四万九万九万一索二索三索四索五索六索中中中  リーチ  ドラ七索
少しでも点差を詰めるためヤミにせず1,000・2,000をツモリに行く。仲田の持点は31,600、もし仲田から出たときに2,600なら沈むからだ。
もちろんそれも承知の仲田はオリる。連荘したい宮内も魚谷のリーチが早すぎて追いつかない。
魚谷に8巡目に望外の中が来た。勿論、暗カンこれでツモれば2,000・3,900となり仲田が配源を割るのだ。
魚谷キッチリと二万をツモって大打撃戦の半荘を締め括った。
 
100
 
9回戦成績
魚谷+30.6P 宮内+7.8P 仲田▲4.4P 松岡▲34.0P
12,000に9,600に、3,000・6,000が2回、2,000・3,900が3回、7,700が2回、東場だけで12局全16局の殴り合い。
Aルールでこれだけの高打点が飛び交う半荘は滅多に見られない。4者の意地と気迫がぶつかり合った見ごたえありすぎる打撃戦。まさに、今期の女流ベストバウトと言える半荘を制した魚谷が仲田追撃への狼煙を上げた。
トータル成績
仲田+90.4P 魚谷+62.5P 宮内+28.1P 松岡▲149.0P
 
10回戦(起親から 魚谷―宮内―松岡―仲田)
仲田と魚谷の差が約28Pに縮まり、半荘1回で容易に変わる差となった。残り3半荘、宮内はもう1ゲームも落とせない。
東1局は魚谷が親で1人テンパイ。1本場で10巡目リーチ。
五万六万九万九万九万一索二索三索六筒六筒六筒発発  ドラ発
これをツモれば仲田を抜いてトータルトップに立つ、もうそこまで追い上げたのだ。
しかしここはまだ諦めてない宮内が魚谷の現物マチのピンフでダマ押し、押し勝って魚谷からロン。
東2局(ドラ南)の宮内の親は6巡目に七対子テンパイの仲田が、ドラの南単騎にかえてリーチとした。
ヤミにするかと思っていたが、押さえ込みと跳満ツモで決めに行く方を選んだ。山に1枚残っていたが流局し宮内の親は落ちた。
局は進んで東4局仲田の親。松岡が10巡目リーチ。
三万四万六万六万六万五索六索七索六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ  ドラ九筒
どうしてもトップを取っておきたい宮内が追いかける。
二万三万四万三索四索二筒三筒四筒六筒六筒六筒白白
松岡が五万をツモり宮内残念。
南1局でも僅か4巡で1,300・2,600をツモった松岡が大きくリードする。
南2局(ドラ四索)親の宮内は仲田と魚谷が沈んでいるこの半荘、最低でも浮き2着は取りたい。
南の一鳴きでドラの四索を重ね、親満の1シャンテンとするも、ここから最後までテンパイせず、東場の親と同様無念のノーテン親落ちとなった。
南3局は仲田が7巡目にリーチ。
三万四万一索一索三索四索五索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ四索
親の松岡が1シャテンでまっ直ぐ押して放銃。
仲田がこのアガリでプラスの2着に浮上した
オーラスは仲田の親(ドラ四万
魚谷は仲田だけは捲って終わりたい。宮内は2人を捲る必要があり満貫ツモ狙いで強引にピンズに向かう。
しかしこの半荘は松岡の半荘だ。ドラ暗刻のリーチを一発でツモ、1人浮きのトップにした。
 
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10回戦成績
松岡+34.2P仲田▲4.1P魚谷▲10.8P宮内▲19.3P
トータル成績
仲田+86.3P魚谷+51.7P宮内+8.8P松岡▲148.8P
親っカブリで仲田もマイナスしたのは魚谷には救いだったが、宮内はここでのラスは痛すぎた。防衛のためには残り2半荘、特大の連勝を決めるしかない。
 
11回戦(起親から 松岡―仲田―宮内―魚谷)
東1局は北家・魚谷が軽く捌きを入れる。
四万五万五万五万七索七索七索  チー五筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き  ポン発発発  ドラ三筒
12巡目に西家宮内がドラ暗刻のハネツモリーチ
七万七万三索三索三索一筒一筒三筒三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ
しかし四万を掴み無念。
東2局、親の仲田が遠い仕掛けを入れ2フーロでまだ1シャンテン。
六索七索東東発発中  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  チー七万 上向き八万 上向き九万 上向き  ドラ六索
ドラの六索を引いたのでホンイツにはならなかったが、ダブ東が鳴ければ打点が高くなるし他家への牽制力は充分だ。
宮内が東発を1枚ずつ掴まされたが、ギリギリまで絞り切り先にテンパイを入れ東単騎でリーチ。
二索三索四索五索六索七索三筒三筒三筒七筒八筒九筒東  リーチ
受けながらも粘って攻め返す宮内、必死に逆転の糸口を求める。仲田も発ポンでテンパイ。
ここに松岡が追いついた。
三万四万四万五万五万九万九万五索五索六索六索八索白白
ドラ2七対子だからアガリたい気持ちは解るが、2人に対してかなり危険な八索(宮内の入り目)を切り仲田のアガリ。松岡には我慢して欲しかった。
次局、連荘の仲田が12巡目リーチ。
六万六万七万七万八万二索二索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  ドラ南
既にマチは八万が1枚だけしか残ってなかったのだが、一発目に引き当てて2,600オール。1人浮きとなり現時点で魚谷との差を約60Pと大きく広げた。
2本場(ドラ一索)は宮内が鋭い攻撃を見せた。七対子に照準を定めノーミスでテンパイし狙いの北単騎でリーチ。タンピンの1シャンテンで北を抱えていた仲田を狙い撃ちのような直撃。
3,200の2本場で3,800点。点数的には大した痛手ではなかったろうが、この一撃で仲田に向いていた流れが少し揺らいだようだ。
東3局、親の宮内に好手が入るが、牌の来る順番が悪くてこうなる。
六万七万三索四索五索七索八索九索三筒四筒五筒五筒六筒七筒  ドラ七索
ここから九索切りとすれば七索が来て大正解となったのだが、宮内は普通に六万切りとして仮テンを取る。次に四筒を引きフリテンだが四筒七筒マチに変わると次に七索を引く
三索四索五索七索七索八索九索三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒
まさかこんな七索単騎にはできずにツモ切ると、仲田がこのドラをポンして1シャンテン。
この鳴きで宮内に西が来ると、宮内は即座に西単騎に変えてリーチと行った。西は仲田が1枚切っている。
この西を仲田が即掴んで宮内2局連続で仲田を狙い撃ちだ。
オカルト的かもしれないが、私はこの連続字牌単騎での直撃が、オーラスの仲田の失着に繋がったのではないかと思う。
1本場で喰いタンの1,500をアガった宮内はついにこの半荘のトップ目に立つと、続く2本場で大チャンス! 僅か5巡でこのテンパイ。
六筒七筒七筒七筒八筒八筒八筒  ポン南南南  ポン中中中  ドラ北
この手がアガれると大逆転が現実味を帯びてくる。
宮内もこの局は行けると思ったに違いないが、無情にも魚谷にヤミテンのピンフで躱されてしまった。
東4局(ドラ五筒)親の魚谷面前のカン八索マチテンパイから好判断で作り変え、ダブ東をポンして宮内から2.900のアガリ、今度は魚谷がトップ目に立つ。
南場は小さな動きで進んだオーラス。
100
 
3者の持ち点は魚谷36,300 仲田33,800 宮内29,800。
宮内はこのまま終われば、防衛するためには絶望的な点差で最終半荘を迎えることになるので、絶対にトップを取る必要がある。
魚谷に迫られている仲田は、できれば魚谷を捲ってトップをとり最終戦を楽な点差で迎えたい。
まずは宮内にドラ2枚の好配牌で2巡目に選択ミス。
四万五万五万八万八万二索三索五索八索九索三筒七筒七筒八筒
宮内はここで八索切りとしたのだが、次のつもが七索でモロに裏目。この時五万五索三筒とかを切れば誰が打っても5巡目に三万六万マチのリーチがかかり、誰も抵抗しなければツモアガる。
こも後、長引いたが仲田の動きもあったり、先切りしていた五万を残したのも良く、また五万を引き戻して13巡目にリーチ。
五万五万五万八万八万一索二索三索五索七索六筒七筒八筒  リーチ
2,600点以上のアガリが欲しい仲田は、この形から八筒チーとした。
三万六万七万八万六索七索八索二筒三筒六筒六筒七筒七筒
八筒チーで喰い下げたのは四筒。鳴かなければ面前で2,600のテンパイが入りアガリがあったように思う。
喰いタン三色ドラ1で3,900だから、八筒だけはチーの気持ちは解るが少し焦ったかもしれない。
それでも仲田は八筒を引いてテンパイしたが、宮内のリーチもかかり危険牌も引かずハイテイで引いたのは六索
宮内は満貫級のリーチの筈だから、放銃できないのは仲田も魚谷も同じ。親の魚谷がオリているのは誰の目にも解った。仲田がテンパイを維持すればノーテン罰符でトップになれる。
六万六万七万八万六索六索七索八索六筒七筒八筒  チー八筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き
四万切りリーチで六万はシャンポンマチがあるかもしれないが、先に五万切りしててそれは無いだろう、四万が4枚見えで九万も通ってるから、両面マチも無いので切るなら六万の方が良かったのではないか?
六索は自分から見て4枚目、しかもアガリ損ねとなった牌だ。あるならカン六索マチだが現物を抜いてオリる選択もある。
みなさんならどうしますか?
仲田は少考してから六索をツモ切り、ホーテイのおまけ付きで満貫放銃、宮内がトップになり、仲田はマイナスの3着に陥落、魚谷との点差が大きく縮まった。
初日からここまで、ほぼ思惑通りに試合運びを続けてきた仲田が、ここで初めて痛恨のミスをしてしまった。
魚谷と宮内の躓いても転んでも追撃を諦めない気迫が徐々に仲田にプレッシャーをかけ、エラーを誘ったのであろう。
11回戦成績
宮内+15.8P魚谷+10.3P仲田▲8.2P松岡▲17.9P
トータル成績
仲田+78.1P魚谷+62.0P宮内+24.6P松岡▲166.7P
仕方なくオリたら、望外の仲田の放銃で僅かに16.1P差となった魚谷に逆転優勝が見えてきた。
とりあえず最低条件のトップを取り、首の皮一枚残した宮内は特大のトップを取るしかない。
さあ最後の半荘に入る。
 
12回戦(規定により起親から魚谷―宮内―松岡―仲田で始まる)
東1局は魚谷と宮内のテンパイで連荘。
2本場は仲田が魚谷から1.300をアガリ仲田第一関門クリア。
東2局(ドラ九万)は魚谷が仕掛けるも親の宮内7巡目リーチ
三万三万四万四万五万五万七筒七筒七筒八筒八筒東東  リーチ
安目の八筒しか残ってなかったが即ツモで2,600オール。
奇跡へ向けて前進する宮内、連荘の1本場
100
 
宮内は2巡目で1シャンテン。
五万五万一索二索三索七索四筒五筒六筒発発中中
ポンテンも利くし面前テンパイならリーチだ。
これに対して魚谷が5巡目に白をイチ鳴きで仕掛ける
一索二索三索四索八索四筒五筒西北北  ポン白白白
少し遠いようだが、魚谷の狙いはソーズのホンイツだった。
これに対して、食い下がったドラ五索を手に残した宮内。七索を切っているのでフリテンの1シャンテン。
西家の仲田の手牌はこうだった。
七万九万五索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒北
ここで生牌の北を切り魚谷にポンされたが、当面の敵に対して少し甘くはないか?もしポンされたらホンイツでもトイトイでも満貫だ。
マンズが六万七万で超充分形とか、好形のテンパイでの打牌なら良いと思うが、ここは九万切りとして堪えるべきかと思う。
北をポンした魚谷は九索を暗刻にして八索九索マチの満貫テンパイ。
仲田にもテンパイが入る。
七万七万五索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒
フリテンを入れた宮内もリーチ。
一索二索三索五索六索七索五筒六筒七筒発発中中  リーチ
しかし宮内が八索を掴んで魚谷のアガリ。
魚谷がついにこの決勝戦、ここで初めてトータルで首位に立ったのである。
仲田が少し甘かったと記したが、もしも仲田が北を1巡でも絞った場合、宮内のツモは中七索となり、フリテンリーチなら4,000オール。ヤミでも2,600オールのアガリだ。
すると三つ巴の混戦となり、宮内の連覇があったかも知れないのだ。今回の決定戦で、このような展開のアヤみたいな部分では、宮内が一番損をさせられているように思う。
 
100
 
東3局は魚谷1人テンパイで、東4局は仲田の親。首位に立った魚谷が10巡目テンパイ。
三万四万五万三索四索五索一筒一筒四筒五筒七筒八筒九筒  ドラ九索
高目の三筒は生牌で六筒が3枚切れていて、仲田の現物なだけにヤミテンにすると思ったが魚谷は即リーチとした。
確かにここで満貫をツモればかなり引き離すことができるが、私はヤミテンにすると思ったので後で魚谷に聞いたら「三筒が山に数枚残っていると思ったから決めに行きました。」とのことだった。
実は1枚残りで、まだまだ諦めてない宮内が追いかけリーチ。
一万二万四万四万五万六万七万一索二索三索一筒二筒三筒  リーチ
この三万も山に1枚残り、宮内のアガリになれば宮内にもまた逆転の可能性が復活してくるのだが流局した。
南入して魚谷最後の親番。
北家の仲田が6巡目にドラを重ねて1シャンテンとしたが、宮内が9巡目にテンパイ1番乗り。
三万四万五万六万七万八万三索三索五索六索四筒五筒六筒  ドラ東
三色に変わればリーチして跳満ツモ狙いというつもりでヤミにしたら、魚谷から四索が出てやむなくロン2,000。
さあ南2局は宮内最後の親番だ。まずはドラの発を重ねてリーチ。
一万二万三万五万六万二索三索四索五索六索七索発発  リーチ
山に2枚残りだったが流局。
連荘の1本場はリーチツモで1,000オール。
2本場は宮内と魚谷の2人テンパイで流局と、親番を死守するものの決め手のアガリはまだ出ない。
3本場で西家仲田から5巡目にリーチ。
一万二万三万四万五万六万二筒二筒三筒四筒五筒西西  リーチ  ドラ白
魚谷に抜かれた仲田としては、逆転のチャレンジをしなければならない。
この親を落とせば逆転が困難になる宮内、ここはリーチに構わず自分本意に打って良い場面なのだが、思うように手が伸びずノーテンで親を落としてしまった。
宮内は残り2局で跳満ツモ2回が必要と、ついに瀬戸際まで追い込まれた。
南3局4本場、最低でも満貫はツモっておきたい宮内が、何とか手を作り12巡目リーチ。
三万四万五万三索三索六索八索三筒四筒五筒中中中  リーチ  ドラ六索
これも流局で遂にオーラス。
流局が続いて回ってきたため、オーラスは5本場で供託リーチ棒が2本。親の仲田が3巡目に中のポンテン。
二万二万二万六万七万五筒五筒七筒八筒九筒  ポン中中中  ドラ一筒
直ぐにツモって500と5本場で1,000オールプラスリーチ棒2本は、大きなアガリとなりトータルで魚谷を僅かに1.6P逆転した。
6本場が優勝者を決めた最後の山場となった。
100
 
逆転されたとはいえ、魚谷は1,000点アガるだけで優勝。親の仲田がトップに立ったので宮内も倍満ツモで2人を捲って優勝という条件になった。
勿論、仲田も魚谷とのノーテン罰符だけで再逆転されるから、魚谷がテンパイなら流局しても手を伏せられない。
まず仲田が4巡目に南西白の3種の生牌から、オタ風の西では無く白から切り出し、これを魚谷がポン。ここから局面が大きく動き出す。
アガれば良い魚谷としては、カンチャンとペンチャンの役無し1シャテンだから白ポンは必然。
六万八万六索七索八索四筒五筒六筒八筒九筒  ポン白白白  ドラ七筒
次に四万を引いて九筒を切ったのも間違いでは無いと思うし、むしろ正着と思う。魚谷の仕掛けのあと、仲田にも好牌が入って手が進み、宮内の手にもソーズと字牌がなだれ込んだ。
仲田には、ドラの七筒が中ブクレの形で浮いていたが、魚谷が九筒八筒と落としてきたので1シャンテンで処理した。
1,000点アガれば優勝の人が、面子選択でドラマチのペン七筒受けを残す訳がないし、あるとすれば八筒九筒から六筒を引いて、さらに五筒を引いたときだけだから仲田は安全牌の三万を残して先に七筒を切った。
仲田は次巡、四筒引きでテンパイし、魚谷も同巡、四万を引きカン七万マチテンパイ。
仲田
二万三万四万五万五万四索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒
魚谷
四万四万六万八万六索七索八索四筒五筒六筒  ポン白白白
タラレバの話だが、魚谷が四万を引いたときの形から八万を切っていれば、仲田もテンパイしてから七筒を切るだろう。すると魚谷もチーテンの四万単騎で宮内に四万が喰い下がる。
そのときの宮内の手牌は、
二索二索三索五索六索七索西北北発発中中
こうだったから、倍満ツモ条件に突き進む宮内が、四万をツモ切れば魚谷の優勝だったのだ。
仲田が1シャンテンで七筒を切ったとしても、仲田から四筒を喰い取るから魚谷が有利だった。
実戦では、仲田と魚谷にテンパイが入った同巡、宮内が1シャンテンとなる。
二索二索三索五索六索七索西北北発発発中中
倍満ツモで優勝という条件があるだけに、ここで宮内はツモリ三暗刻に決めて三索に手をかけたのだ。
テンパイまで持っていると、仲田に対して危ないから切るなら今でしょと切ったのがピンポイントで今テンにストライク。
仲田は大きな大きな5,800プラス本場の1,800のアガリ。
宮内は両面受けを嫌ったのだが、三暗刻の2ハンが無くてもハイテイが回るので、リーチツモ二役メンホンハイテイで倍満という可能性もあるから、三索を1巡先に処理しなかったのならギリギリまで切らない選択枝はあった。
この時点で仲田のマチは3枚、魚谷のマチは1枚、宮内の必要な牌はかなり生きていたので結果はどうなっていたか解らない。
いずれにしてもこの局は、色々な選択で大きく結果が変わる要素があるので、皆さんも牌譜を検証してみて頂きたい。
さあ、仲田が優勝へ大きく近づいたが、次局は魚谷もまだ1,300・2,600のツモアガリで逆転する。
しかし、魚谷が条件に合うテンパイを入れられないまま終局となり、仲田の7年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。
初日の2回戦で首位に立ち、一度もラスを引かず、大きくマイナスした半荘も無く、安定感抜群の内容でずっと首位を守り続けてきた仲田。
最終戦で一度は魚谷に逆転されたが、土壇場で差し返す二枚腰も見せての辛勝は喜びもひとしおだろう。
この激戦を盛り上げ素晴らしい闘いにしてくれたのは、何度躓いても打たれても最後まで逆転を諦めず仲田を追い込んだ魚谷と宮内の粘りだ。
特に魚谷は最終戦で、一度は仲田を抜いていただけにオーラスは本当に紙一重、どちらが優勝していても不思議ではなかったと思う。
予想外の惨敗で苦い初舞台となった松岡、他3人との現状での実力差が露呈し多くの課題が残ったが、女流のAリーグを勝ち抜いて決定戦に残った事には自信を持つべきで、まだ若いしキャリアも浅いのだから、決勝に残った者にしか体験できない貴重な経験を生かして、この次に決勝に残った時には優勝争いが出来るようスキルアップして欲しい。
超攻撃型、悪く言えば何でも要らない牌を切って前に出るだけ、アタリ牌を掴まないだけ、というイメージで勝っていた7年前から、真逆に近い守備型麻雀を取り入れる大改造に取り組み遂に女流桜花に返り咲いた仲田。
「いろんなパターンを沢山シミュレーションしていたので何があっても動揺せずに打てたこと、ほぼ思い描いていた通りの展開で回せたことが主な勝因だと思います。唯一11回戦オーラスにホーテイで宮内さんに満貫を打ったのが覚悟の無い想定外の放銃で、優勝できなかったら大きな敗因になるところでした。映像対局主流の時代になってから活躍できずにいましたが、ようやく勝てました。こらからは第一線で活躍を続けられるように頑張っていきたいと思いますので、今後共応援よろしくお願いします。ありがとうございました。」
映像対局が頻繁に流されるようになった効果も大きいと思うが、女流プロの人数も増えてきてその麻雀レベルも上がってきている。
仲田や魚谷や宮内だけでなく、女流のタイトルや人気に甘んじることなく、Aクラスの男子プロと闘っても勝てる実力をつけたいと本気で望み、考え、努力している女流プロは少なくない。
創世記のプロクイーンや女流桜花の決勝戦に比べ、闘牌の内容がレベルアップしてきていると思うし、今期のプロリーグで、和久津が女流プロとしては21年ぶり2人目のA1リーガーとなったのもその証であろう。
女流プロが鳳凰位や十段位の決定戦を闘う姿を観る日もそんなに遠くない。
 
100

何を切る?fromロン2 2017年1月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
南2局西家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)

 

プロ

八筒切り・・・23人
六索切り・・・11人
一筒切り・・・8人
五索切り・・・3人

 

ロン2ユーザー

八筒切り・・・31.5%
一筒切り・・・28.6%
六索切り・・・17.8%
五索切り・・・8.3%
三筒切り・・・7.1%
西切り・・・3.7%
七筒切り・・・1.7%
二筒切り・・・1.2%

 

 

プロ解答(50音順)

 

八筒切り

石渡正志
「トップ目で役牌暗刻のドラドラ。七対子にはせず、メンツ手志向で進めたい。他家の動向次第で四索七索のチーテンも視野に入れる。」

伊藤優孝
「七対子も有りだが、ここは素直に八筒切りで良いのでは。」

魚谷侑未
六筒九筒の方が薄いので、四索七索引きの四索七索待ちになるのを狙います。また、点数状況的に四索七索はチーします。」

岡部光輝
「タテを見るよりメンツ手として考える。八筒はやや切りづらいが、トイツを落としていく。その後は、七筒はポン、四索七索はチーでテンパイを取る。」

客野直
「ドラ対子のイーペーコーか三暗刻を目指す。」

清原継光
「自風が暗刻になったので、メンツ手メインで考えます。六筒九筒の二度受けが苦しそうなので、八筒対子落としからの四索七索二度受けをメインに考えます。」

近藤久春
「七対子も見たいが、西が暗刻になるようならメンツ手にせよとの指示のように思える。ドラはポンするが、四索七索は場に4枚くらいまでは動かない。」

櫻井秀樹
六筒九筒の二度受けが厳しいので。」

沢崎誠
「南2局、3者の接戦という状況。七対子が目に入るが、白発と切り出しては七対子は無い!自風の西が暗刻となり、役は完了。五索五索六索六索七筒七筒八筒八筒の同形をどう捌くかだが、四索七索六筒九筒の捨牌を見れば、四索七索受けの形が少し有利か?自分で打てば、白発で打一筒二筒となっているように思う。」

清水香織
「チーテンも考えて。」

白鳥翔
西が暗刻となり、動ける形になった。四索七索チーの3,900テンパイはもちろん、五索六索も全部鳴いてテンパイに取る。」

武石絵里
「役牌が暗刻になったので、ドラドラを活かして5,200以上のアガリを目指します。」

ともたけ雅晴
「自風の西が暗刻になったので、七対子は見切る。六筒九筒の二度受けは厳しいので、ソーズにアガリを見る。六筒九筒をツモってもツモ切りのテンパイ取らずで、四索七索ツモはヤミテン。五索六索七筒ツモはリーチでツモり三暗刻の倍満狙い!」

二階堂亜樹
「七対子は見ない。六筒九筒引いてもテンパイ取らず。タテ引きはテンパイを取ってリーチ。」

林俊宏
五索六索一筒八筒と打牌選択はいろいろだが、正直ソーズは選べないので、打八筒。ドラと四索七索は鳴きます。五索六索は終盤まで鳴くのは我慢します。」

日吉辰哉
「3者が競っている状況、ドラドラのチャンス手はモノにしたい。ドラ表示牌も含めて3枚見えの六筒九筒は苦しいと考える。」

麓征生
四索七索の方がたくさん残っていそうなので、イーペーコーなどを狙う。」

古橋崇志
六筒九筒が3枚切れなので。四索七索はチーテン。」

前田直哉
六筒九筒二度受けは厳しそうなので。」

松岡千晶
「何が出ても全部鳴きます。」

安村浩司
四索七索の二度受けはチーテン。六筒九筒はツモ切る。」

山田浩之
「自風の西が暗刻になったので、手なりで進める。二度受けは厳しいので、四索七索は仕掛ける。」

 

 

六索切り

厚谷昇汰
「ロスになるのが六索そのものだけ。ドラは使い切りたい。河を見た感じ六索より五索が山に残ってそう。」

荒正義
七筒八筒の並びシャンポンでもOK。ドラの二丁使い。」

内川幸太郎
「ドラを2枚使いたいので、六筒九筒の二度受けと、七筒八筒のポンテンに備えます。」

紺野真太郎
「ドラを使い切るため。六筒七筒八筒九筒は仕掛けます。」

仲田加南
「アガるだけなら八筒切りが良いが、ホンイツ移行も見たい。なぜ五索ではなく六索切りとするかについては、三索九索を切っている人が六索を持っていそうだから。」

中村毅
「役牌が暗刻になり、仕掛けもできる。七筒八筒先引きなら四索七索に取り、六筒九筒先引きならヤミでも十分。」

HIRO柴田
「七対子は拒否。三筒四筒五筒を引くようなら、ホンイツ渡りも視野に入れる。」

藤崎智
「ドラドラは固定してメンツ手にしたい。ピンズの引きによっては、七対子に戻したりホンイツも考えたい。」

藤島健二郎
七筒八筒のポンテン、六筒九筒のチーテン含め、ドラの使い切りを前提とすると最もバランスの良い一打と考える。動ける手なので七対子よりも少し有利。」

前原雄大
六筒九筒の待ちは悪いが、打点を求めて。七筒八筒のポンテンは取る。」

山井弘
「ドラの七筒は使い切りたい。役牌が暗刻になったことで、柔軟に仕掛けもできるようになった。七筒八筒はポン。終盤であれば、ソーズの仕掛けや六筒九筒のチーも有り。」

 

 

一筒切り

斉藤等
「七対子、トイトイ、四暗刻狙い。八筒の対子切りに出ても、万一六筒九筒を引いたらドラ切りになる。また、五索六索を切り出しても、六筒九筒待ちはあまり良くない。」

西川淳
「役ができて仕掛けられるようになったので、3,900で良いなら八筒を切るが、どの道アガリが簡単ではない局なので、打点をMAXに。」

福光聖雄
四索七索六筒九筒の最終形があまり強くなさそう。テンパイはしづらいが、七対子本線。前巡の発のところで、一筒を切りたい。」

藤岡良一
「ドラ七筒周りの六筒九筒の二度受けでアガリを取ろうなんて無理筋。場がややトイツ場のため、一筒を切り、タテの変化を見る。二筒はいかにも山にいそうな牌で、意外と早くテンパイする。」

古川孝次
「七対子を視野に入れ、トイトイ三暗刻、もしくは四暗刻。」

望月雅継
「普通は八筒なのかな?って思うけど・・・西を引いたってことは、そういうことなのかと。でもやっぱりアガリたい人は八筒を切れば良いと思いますが、自分は夢を見たいかも。」

森下剛任
二筒三筒が良さそう。七対子を見ながら、四暗刻まで見る。」

吉田直
「MAXの四暗刻を見るので一筒を切る。その後のツモで七対子やリャンペーコー、仕掛けてのトイトイなど、相手の速度と場況に合わせて変えていく。」

 

 

五索切り

斉藤理絵
「ドラを使い切って、仕掛けも考える。」

仁平宣明
「西家でなければ一筒切りを推奨したいのですが、仕掛けてもOKの形にする。七筒八筒は動くが、それ以外は動かない。」

美波智子
六筒九筒は薄そうだけど、七筒七筒八筒八筒は使い切りたいので、ソーズを外します。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2017年1月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
南2局西家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)

 
プロ

八筒切り・・・23人
六索切り・・・11人
一筒切り・・・8人
五索切り・・・3人
 
ロン2ユーザー

八筒切り・・・31.5%
一筒切り・・・28.6%
六索切り・・・17.8%
五索切り・・・8.3%
三筒切り・・・7.1%
西切り・・・3.7%
七筒切り・・・1.7%
二筒切り・・・1.2%
 
 
プロ解答(50音順)
 
八筒切り
石渡正志
「トップ目で役牌暗刻のドラドラ。七対子にはせず、メンツ手志向で進めたい。他家の動向次第で四索七索のチーテンも視野に入れる。」
伊藤優孝
「七対子も有りだが、ここは素直に八筒切りで良いのでは。」
魚谷侑未
六筒九筒の方が薄いので、四索七索引きの四索七索待ちになるのを狙います。また、点数状況的に四索七索はチーします。」
岡部光輝
「タテを見るよりメンツ手として考える。八筒はやや切りづらいが、トイツを落としていく。その後は、七筒はポン、四索七索はチーでテンパイを取る。」
客野直
「ドラ対子のイーペーコーか三暗刻を目指す。」
清原継光
「自風が暗刻になったので、メンツ手メインで考えます。六筒九筒の二度受けが苦しそうなので、八筒対子落としからの四索七索二度受けをメインに考えます。」
近藤久春
「七対子も見たいが、西が暗刻になるようならメンツ手にせよとの指示のように思える。ドラはポンするが、四索七索は場に4枚くらいまでは動かない。」
櫻井秀樹
六筒九筒の二度受けが厳しいので。」
沢崎誠
「南2局、3者の接戦という状況。七対子が目に入るが、白発と切り出しては七対子は無い!自風の西が暗刻となり、役は完了。五索五索六索六索七筒七筒八筒八筒の同形をどう捌くかだが、四索七索六筒九筒の捨牌を見れば、四索七索受けの形が少し有利か?自分で打てば、白発で打一筒二筒となっているように思う。」
清水香織
「チーテンも考えて。」
白鳥翔
西が暗刻となり、動ける形になった。四索七索チーの3,900テンパイはもちろん、五索六索も全部鳴いてテンパイに取る。」
武石絵里
「役牌が暗刻になったので、ドラドラを活かして5,200以上のアガリを目指します。」
ともたけ雅晴
「自風の西が暗刻になったので、七対子は見切る。六筒九筒の二度受けは厳しいので、ソーズにアガリを見る。六筒九筒をツモってもツモ切りのテンパイ取らずで、四索七索ツモはヤミテン。五索六索七筒ツモはリーチでツモり三暗刻の倍満狙い!」
二階堂亜樹
「七対子は見ない。六筒九筒引いてもテンパイ取らず。タテ引きはテンパイを取ってリーチ。」
林俊宏
五索六索一筒八筒と打牌選択はいろいろだが、正直ソーズは選べないので、打八筒。ドラと四索七索は鳴きます。五索六索は終盤まで鳴くのは我慢します。」
日吉辰哉
「3者が競っている状況、ドラドラのチャンス手はモノにしたい。ドラ表示牌も含めて3枚見えの六筒九筒は苦しいと考える。」
麓征生
四索七索の方がたくさん残っていそうなので、イーペーコーなどを狙う。」
古橋崇志
六筒九筒が3枚切れなので。四索七索はチーテン。」
前田直哉
六筒九筒二度受けは厳しそうなので。」
松岡千晶
「何が出ても全部鳴きます。」
安村浩司
四索七索の二度受けはチーテン。六筒九筒はツモ切る。」
山田浩之
「自風の西が暗刻になったので、手なりで進める。二度受けは厳しいので、四索七索は仕掛ける。」
 
 
六索切り
厚谷昇汰
「ロスになるのが六索そのものだけ。ドラは使い切りたい。河を見た感じ六索より五索が山に残ってそう。」
荒正義
七筒八筒の並びシャンポンでもOK。ドラの二丁使い。」
内川幸太郎
「ドラを2枚使いたいので、六筒九筒の二度受けと、七筒八筒のポンテンに備えます。」
紺野真太郎
「ドラを使い切るため。六筒七筒八筒九筒は仕掛けます。」
仲田加南
「アガるだけなら八筒切りが良いが、ホンイツ移行も見たい。なぜ五索ではなく六索切りとするかについては、三索九索を切っている人が六索を持っていそうだから。」
中村毅
「役牌が暗刻になり、仕掛けもできる。七筒八筒先引きなら四索七索に取り、六筒九筒先引きならヤミでも十分。」
HIRO柴田
「七対子は拒否。三筒四筒五筒を引くようなら、ホンイツ渡りも視野に入れる。」
藤崎智
「ドラドラは固定してメンツ手にしたい。ピンズの引きによっては、七対子に戻したりホンイツも考えたい。」
藤島健二郎
七筒八筒のポンテン、六筒九筒のチーテン含め、ドラの使い切りを前提とすると最もバランスの良い一打と考える。動ける手なので七対子よりも少し有利。」
前原雄大
六筒九筒の待ちは悪いが、打点を求めて。七筒八筒のポンテンは取る。」
山井弘
「ドラの七筒は使い切りたい。役牌が暗刻になったことで、柔軟に仕掛けもできるようになった。七筒八筒はポン。終盤であれば、ソーズの仕掛けや六筒九筒のチーも有り。」
 
 
一筒切り
斉藤等
「七対子、トイトイ、四暗刻狙い。八筒の対子切りに出ても、万一六筒九筒を引いたらドラ切りになる。また、五索六索を切り出しても、六筒九筒待ちはあまり良くない。」
西川淳
「役ができて仕掛けられるようになったので、3,900で良いなら八筒を切るが、どの道アガリが簡単ではない局なので、打点をMAXに。」
福光聖雄
四索七索六筒九筒の最終形があまり強くなさそう。テンパイはしづらいが、七対子本線。前巡の発のところで、一筒を切りたい。」
藤岡良一
「ドラ七筒周りの六筒九筒の二度受けでアガリを取ろうなんて無理筋。場がややトイツ場のため、一筒を切り、タテの変化を見る。二筒はいかにも山にいそうな牌で、意外と早くテンパイする。」
古川孝次
「七対子を視野に入れ、トイトイ三暗刻、もしくは四暗刻。」
望月雅継
「普通は八筒なのかな?って思うけど・・・西を引いたってことは、そういうことなのかと。でもやっぱりアガリたい人は八筒を切れば良いと思いますが、自分は夢を見たいかも。」
森下剛任
二筒三筒が良さそう。七対子を見ながら、四暗刻まで見る。」
吉田直
「MAXの四暗刻を見るので一筒を切る。その後のツモで七対子やリャンペーコー、仕掛けてのトイトイなど、相手の速度と場況に合わせて変えていく。」
 
 
五索切り
斉藤理絵
「ドラを使い切って、仕掛けも考える。」
仁平宣明
「西家でなければ一筒切りを推奨したいのですが、仕掛けてもOKの形にする。七筒八筒は動くが、それ以外は動かない。」
美波智子
六筒九筒は薄そうだけど、七筒七筒八筒八筒は使い切りたいので、ソーズを外します。」

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

 

【太閤位】

関西のリーグ戦の決勝戦、太閤位決定戦を日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信することが決定した。

第15期太閤位決定戦【無料放送】

放送ページはこちら


放送ページはこちら

1月16日(月)12:00~
横山毅(現太閤位)vs貫上洋志vs花岡章生vs坂本誠裕
実況:日吉辰哉
解説:瀬戸熊直樹・上村宜久
ルール:日本プロ麻雀連盟Aルール
システム:半荘5回戦

100

 

写真は気持ち良く酔っ払う男、貫上洋志。

 

 

【静岡リーグ】

そして、その2日後。1月18日には静岡リーグの決定戦も配信される。

第12期静岡プロリーグ~決勝戦~【無料放送】

放送ページはこちら


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山本拓哉vs京平遥vs土屋幸弘vs平岡理恵
実況:日吉辰哉
解説:猿川真寿
ルール:日本プロ麻雀連盟Aルール
システム:半荘4回戦

関西は瀬戸熊直樹と上村宜久、静岡は猿川真寿が解説を努める。
各土地の麻雀業界の現状など、麻雀の内容以外にも見所はありそうだ。

 

 

【内川、和久津がA1に昇級】

 

100

 

内川幸太郎、和久津晶の2人が悲願のA1昇級を果たした。
2人ともA1への挑戦は初となるが、女流プロのA1昇級は浦田和子プロ以来。

今週末にはBリーグ以下の昇降級も決まり、来期のリーグ編成が決定する。

今月のB1リーグselect

放送ページはこちら


放送ページはこちら

 

 

【第33期鳳凰位決定戦メンバー決定】

 

100

 

勝又健志
前原雄大
近藤久晴
古川孝次
1月21日より4週に渡って第33期鳳凰位決定戦が開催される。

第33期鳳凰位決定戦 優勝者予想はこちら

こちらのページでは各プロが決定戦の展望を回答している。皆さんはどんな展開を予想するだろうか。是非優勝者を予想して、決定戦を楽しんでいただきたい。

 

 

【Battle of generation】

本日1/10(火)18時より、Battle of generation30代予選C卓が、日本プロ麻雀連盟チャンネルにて配信される。

第3期麻雀Battle of generation【30代以下予選C卓】

放送ページはこちら


放送ページはこちら

内川幸太郎vsダンプ大橋vs山口大和vs古橋崇志
実況:優月みか
解説:山井弘
ルール:WRC世界選手権ルール

勝者は勝又健志、滝沢和典、森下剛任の待つ、30代代表決定戦への切符を掴むのは誰か?
ただ今絶好調の内川幸太郎か!?

それとも發王戦ベスト16までコマを進めたこの男か!?

 

100

 

 

【それにしても…】

 

100

 

女流プロは大変だ。写真は「目指せ!未来の四天王」という題名の番組でのものだが、四天王を目指すどころか、遠ざかっているのは間違いないだろう。

 

 

 

 

100

 

何を目指すのか、目標を失ってはいないだろうか。闇は深まる一方だ。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
【太閤位】
関西のリーグ戦の決勝戦、太閤位決定戦を日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信することが決定した。
第15期太閤位決定戦【無料放送】

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1月16日(月)12:00~
横山毅(現太閤位)vs貫上洋志vs花岡章生vs坂本誠裕
実況:日吉辰哉
解説:瀬戸熊直樹・上村宜久
ルール:日本プロ麻雀連盟Aルール
システム:半荘5回戦

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写真は気持ち良く酔っ払う男、貫上洋志。
 
 
【静岡リーグ】
そして、その2日後。1月18日には静岡リーグの決定戦も配信される。
第12期静岡プロリーグ~決勝戦~【無料放送】

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山本拓哉vs京平遥vs土屋幸弘vs平岡理恵
実況:日吉辰哉
解説:猿川真寿
ルール:日本プロ麻雀連盟Aルール
システム:半荘4回戦
関西は瀬戸熊直樹と上村宜久、静岡は猿川真寿が解説を努める。
各土地の麻雀業界の現状など、麻雀の内容以外にも見所はありそうだ。
 
 
【内川、和久津がA1に昇級】
 

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内川幸太郎、和久津晶の2人が悲願のA1昇級を果たした。
2人ともA1への挑戦は初となるが、女流プロのA1昇級は浦田和子プロ以来。
今週末にはBリーグ以下の昇降級も決まり、来期のリーグ編成が決定する。
今月のB1リーグselect

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【第33期鳳凰位決定戦メンバー決定】
 

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勝又健志
前原雄大
近藤久晴
古川孝次
1月21日より4週に渡って第33期鳳凰位決定戦が開催される。
第33期鳳凰位決定戦 優勝者予想はこちら
こちらのページでは各プロが決定戦の展望を回答している。皆さんはどんな展開を予想するだろうか。是非優勝者を予想して、決定戦を楽しんでいただきたい。
 
 
【Battle of generation】
本日1/10(火)18時より、Battle of generation30代予選C卓が、日本プロ麻雀連盟チャンネルにて配信される。
第3期麻雀Battle of generation【30代以下予選C卓】

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内川幸太郎vsダンプ大橋vs山口大和vs古橋崇志
実況:優月みか
解説:山井弘
ルール:WRC世界選手権ルール
勝者は勝又健志、滝沢和典、森下剛任の待つ、30代代表決定戦への切符を掴むのは誰か?
ただ今絶好調の内川幸太郎か!?
それとも發王戦ベスト16までコマを進めたこの男か!?
 

100

 
 
【それにしても…】
 

100

 
女流プロは大変だ。写真は「目指せ!未来の四天王」という題名の番組でのものだが、四天王を目指すどころか、遠ざかっているのは間違いないだろう。
 
 
 
 

100

 
何を目指すのか、目標を失ってはいないだろうか。闇は深まる一方だ。

プロリーグ(鳳凰戦)成績表/第33期 A2リーグ 第11節成績表

A1 B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 対局消化数 合計
1 内川 幸太郎(長野) 68.4 ▲ 12.5 78.3 ▲ 11.4 61.9 22.7 ▲ 26.2 14.6 44.6 ▲ 18.5 94.1 44/44 316.0
2 和久津 晶(東京) 34.8 ▲ 0.3 40.7 55.7 2.9 ▲ 39.8 112.0 ▲ 27.1 ▲ 36.6 57.3 21.1 44/44 220.7
3 荒 正義(北海道) 27.0 ▲ 26.8 74.7 1.7 59.9 ▲ 54.9 130.3 ▲ 21.2 76.2 ▲ 78.8 ▲ 46.7 44/44 141.4
4 ともたけ 雅晴(千葉) ▲ 11.0 32.6 ▲ 8.2 ▲ 32.3 53.9 ▲ 1.9 ▲ 0.2 36.3 ▲ 15.2 42.9 22.0 44/44 118.9
5 吉田 直(東京) 17.8 53.6 ▲ 14.6 31.2 44.3 15.8 ▲ 17.1 7.0 ▲ 33.2 40.0 ▲ 68.5 44/44 76.3
6 紺野 真太郎(静岡) ▲ 23.8 ▲ 9.0 ▲ 23.4 49.9 ▲ 14.1 51.2 25.9 19.0 ▲ 4.3 ▲ 32.2 16.5 44/44 55.7
7 藤原 隆弘(福岡) 19.4 48.1 ▲ 12.4 36.1 ▲ 50.7 47.2 ▲ 7.9 7.0 ▲ 57.4 22.7 ▲ 29.1 44/44 23.0
8 山田 浩之(兵庫) 7.8 17.4 ▲ 30.9 22.7 ▲ 46.5 33.0 89.9 ▲ 35.8 ▲ 24.4 ▲ 47.7 ▲ 30.4 44/44 ▲ 44.9
9 麓 征生(東京) ▲ 45.0 ▲ 8.4 ▲ 24.1 21.5 ▲ 34.2 42.7 ▲ 72.6 7.7 65.3 12.5 ▲ 12.1 44/44 ▲ 46.7
10 猿川 真寿(静岡) ▲ 29.0 5.9 37.6 ▲ 22.8 ▲ 31.6 ▲ 34.2 ▲ 52.2 20.7 ▲ 25.0 40.7 11.5 44/44 ▲ 78.4
11 ダンプ 大橋(神奈川) ▲ 7.7 ▲ 41.0 ▲ 18.7 ▲ 46.1 24.3 ▲ 41.0 7.5 45.5 ▲ 36.0 11.7 21.2 44/44 ▲ 80.3
12 白鳥 翔(東京) 70.2 ▲ 7.3 ▲ 7.5 ▲ 21.5 ▲ 61.5 ▲ 32.2 ▲ 13.4 17.4 ▲ 18.9 ▲ 33.4 25.0 44/44 ▲ 83.1
13 西岡 慎秦(岐阜) ▲ 35.4 ▲ 10.8 ▲ 29.1 47.9 ▲ 50.0 66.3 ▲ 69.2 ▲ 47.7 37.2 10.8 ▲ 13.4 44/44 ▲ 93.4
14 西川 淳(愛媛) ▲ 32.4 ▲ 53.9 2.0 ▲ 48.6 71.8 ▲ 24.6 ▲ 7.2 6.5 ▲ 21.4 15.3 ▲ 60.8 44/44 ▲ 153.3
15 杉浦 勘介(愛知) ▲ 32.8 ▲ 3.6 ▲ 46.0 ▲ 4.5 35.2 ▲ 22.0 ▲ 47.7 ▲ 74.1 ▲ 24.4 ▲ 9.3 48.2 44/44 ▲ 181.0
16 櫻井 秀樹(山口) ▲ 28.3 16.0 ▲ 22.4 ▲ 79.5 ▲ 66.6 ▲ 29.3 ▲ 51.9 23.2 72.5 ▲ 36.0 ▲ 21.6 44/44 ▲ 223.9

第15期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第9節レポート

Aリーグ第9節:坂本誠裕

昨年2016年も残りわずかとなり、街も慌ただしくなる中、第9節が行われました。

A1卓(藤川・貫上・辻本・上村)
現在2位の貫上が更に加点するかが見所になるでしょうか。
結果は、貫上が+55.9Pで2位をガッチリキープ、1位も見える位置についた。

A2卓(坂本・佐々木・仁科・西原)
前回の失点により3位から引き離された坂本と、着実にプラスを重ねる仁科がどう立ち回るかが見所。
2回戦オーラス、少し間をおいて、佐々木から第一打目に「リーチ」の声。これに対して親の西原が数巡後にリーチをする。
先行に利ありかしっかり佐々木がツモって「2,000・4,000」の声。
佐々木の七対子の七筒待ちに対して、西原の一筒四筒七筒待ち、佐々木に軍配が上がるのが麻雀の面白いところでしょうか。
結果は坂本+55.9P、仁科 が+28.7Pとして最終節に望みを繋げた。

A3卓(花岡・森下・米川・勝間)
独走首位の花岡がどうたちまわるか?3位の森下がどうなるかが見所。
結果は、花岡、森下共に少し加点となり、大きな変動はありませんでした。
これで残りはあと1節!決勝戦の3席は誰が勝ち取るのか?楽しみな最終節になりました。

 

Bリーグ第9節:吉田圭吾

1卓(原田・上村・中安・城)
2卓(山中・掛樋・吉本・吉田圭)
3卓(宮田・稲岡・筒井・高谷)
4卓(松永・吉田哲・中川・山室)

Bリーグも第9節を入れてのこり2節、大詰めになってきました。第8節までの上位陣の成績は山中194.3P、吉田圭144.3P、宮田114.7P、稲岡105.3P。

2卓は山中と吉田圭の上位争い。1回戦目吉本、山中、吉田圭の3人浮きで半チャン終了しましたが途中山中がまさかの誤ロンをしてしまいました。
2回戦目は吉田圭が20.8Pのトップ、山中が10.7Pの浮きの2着。
追い上げムードになりましたが、3回戦吉田圭が吉本に国士無双を放銃してしまいました。▲45.2Pのマイナス。大きな痛手となる。
山中は▲4.0Pのマイナス。4回戦が終了してこの日トータルは山中が▲13.6P、吉田圭が▲5.7Pと少し差は縮まった。この日好調だった吉本が+85.3Pを叩いた。

3卓は宮田と稲岡の上位対決。宮田が31.8P、稲岡が▲16.2Pで宮田が制した。
これで第9節終了時の上位陣の成績は山中180.7P、宮田146.5P、吉田圭138.6P、稲岡89.1Pとなりました。最終戦はそれぞれが目標に向けた悔いのない麻雀を打ってほしいと思います。

 

Cリーグ第4節:坂上優


今回は『隙』という視点でレポートを作成致します。
対局中は、親やリーチをかけている人に目が行きがちです。
それは当然のことなのですが、そこをケアしつつ全体を見る必要があるのが、麻雀の醍醐味ではないでしょうか。

2回戦 東1局
坂上27,100、獅坂24,300、木下24,300、秋山22,300
7巡目、親坂上の手牌は下記でリーチをかけました。

一万二万三万一索一索三筒四筒六筒七筒八筒中中中  リーチ  ドラ三筒

捨て牌は
北白北九万 上向き五万 上向き発二万 左向き

7,700確定で、元気よく二万切りのリーチです。
全員様子見をしているように感じましたが、3巡後、対面秋山から「ロン」の声がありました。

秋山の手配
一万一万二万二万三万三万六万七万八万八万九万九万九万  ロン八万

よくよく見ると、マンズのホンイツのような捨て牌ではありましたが、親の捨て牌に目がいっている隙を突いた、ヤミテンでのアガリでした。
プロリーグ残りは1月の1回を残すのみとなりましたが、さてさてどの様になるでしょうか。

 

C2リーグ第4節:南田明宏

C2リーグもいよいよ佳境に入りました。最終節に向けて弾みをつけたい大事な闘いになりそうです。

1卓(中島・冨田・福原・伊原・高橋)
4回戦終了時 (中島▲19.5P 福原+33.1P 冨田▲12.1P 伊原▲39.4P 高橋+38.2P)
5回戦 (起家から冨田・伊原・福原・中島)

小場でゲームが進んだ南場3局4本場 12巡目福原の手牌は、

六筒七筒八筒発  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ポン南南南  ポン東東東  ドラ発

このテンパイです。そこに中島が押し返しのリーチが入ります。

中島の手牌
一索一索八索八索一筒一筒二筒三筒三筒発発中中  リーチ

両者とも勝負手となりめくり合いますが、流局となります。
この後も福原が点棒を積み重ねて5回戦を制しました。

2卓(中野・吉田・南田・前川)
今節は一期でC1に返り咲きたい中野と、なんとか昇級圏内に食い込みたい吉田が、終始ゲームを進め中野+27.5P、吉田+88.4Pを叩き出し両者昇級に一歩近づきました。
最終節ではどうなるのでしょうか?

関西プロリーグ レポート/第15期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第9節レポート

Aリーグ第9節:坂本誠裕
昨年2016年も残りわずかとなり、街も慌ただしくなる中、第9節が行われました。
A1卓(藤川・貫上・辻本・上村)
現在2位の貫上が更に加点するかが見所になるでしょうか。
結果は、貫上が+55.9Pで2位をガッチリキープ、1位も見える位置についた。
A2卓(坂本・佐々木・仁科・西原)
前回の失点により3位から引き離された坂本と、着実にプラスを重ねる仁科がどう立ち回るかが見所。
2回戦オーラス、少し間をおいて、佐々木から第一打目に「リーチ」の声。これに対して親の西原が数巡後にリーチをする。
先行に利ありかしっかり佐々木がツモって「2,000・4,000」の声。
佐々木の七対子の七筒待ちに対して、西原の一筒四筒七筒待ち、佐々木に軍配が上がるのが麻雀の面白いところでしょうか。
結果は坂本+55.9P、仁科 が+28.7Pとして最終節に望みを繋げた。
A3卓(花岡・森下・米川・勝間)
独走首位の花岡がどうたちまわるか?3位の森下がどうなるかが見所。
結果は、花岡、森下共に少し加点となり、大きな変動はありませんでした。
これで残りはあと1節!決勝戦の3席は誰が勝ち取るのか?楽しみな最終節になりました。
 
Bリーグ第9節:吉田圭吾
1卓(原田・上村・中安・城)
2卓(山中・掛樋・吉本・吉田圭)
3卓(宮田・稲岡・筒井・高谷)
4卓(松永・吉田哲・中川・山室)
Bリーグも第9節を入れてのこり2節、大詰めになってきました。第8節までの上位陣の成績は山中194.3P、吉田圭144.3P、宮田114.7P、稲岡105.3P。
2卓は山中と吉田圭の上位争い。1回戦目吉本、山中、吉田圭の3人浮きで半チャン終了しましたが途中山中がまさかの誤ロンをしてしまいました。
2回戦目は吉田圭が20.8Pのトップ、山中が10.7Pの浮きの2着。
追い上げムードになりましたが、3回戦吉田圭が吉本に国士無双を放銃してしまいました。▲45.2Pのマイナス。大きな痛手となる。
山中は▲4.0Pのマイナス。4回戦が終了してこの日トータルは山中が▲13.6P、吉田圭が▲5.7Pと少し差は縮まった。この日好調だった吉本が+85.3Pを叩いた。
3卓は宮田と稲岡の上位対決。宮田が31.8P、稲岡が▲16.2Pで宮田が制した。
これで第9節終了時の上位陣の成績は山中180.7P、宮田146.5P、吉田圭138.6P、稲岡89.1Pとなりました。最終戦はそれぞれが目標に向けた悔いのない麻雀を打ってほしいと思います。
 
Cリーグ第4節:坂上優

今回は『隙』という視点でレポートを作成致します。
対局中は、親やリーチをかけている人に目が行きがちです。
それは当然のことなのですが、そこをケアしつつ全体を見る必要があるのが、麻雀の醍醐味ではないでしょうか。
2回戦 東1局
坂上27,100、獅坂24,300、木下24,300、秋山22,300
7巡目、親坂上の手牌は下記でリーチをかけました。
一万二万三万一索一索三筒四筒六筒七筒八筒中中中  リーチ  ドラ三筒
捨て牌は
北白北九万 上向き五万 上向き発二万 左向き
7,700確定で、元気よく二万切りのリーチです。
全員様子見をしているように感じましたが、3巡後、対面秋山から「ロン」の声がありました。
秋山の手配
一万一万二万二万三万三万六万七万八万八万九万九万九万  ロン八万
よくよく見ると、マンズのホンイツのような捨て牌ではありましたが、親の捨て牌に目がいっている隙を突いた、ヤミテンでのアガリでした。
プロリーグ残りは1月の1回を残すのみとなりましたが、さてさてどの様になるでしょうか。
 
C2リーグ第4節:南田明宏
C2リーグもいよいよ佳境に入りました。最終節に向けて弾みをつけたい大事な闘いになりそうです。
1卓(中島・冨田・福原・伊原・高橋)
4回戦終了時 (中島▲19.5P 福原+33.1P 冨田▲12.1P 伊原▲39.4P 高橋+38.2P)
5回戦 (起家から冨田・伊原・福原・中島)
小場でゲームが進んだ南場3局4本場 12巡目福原の手牌は、
六筒七筒八筒発  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ポン南南南  ポン東東東  ドラ発
このテンパイです。そこに中島が押し返しのリーチが入ります。
中島の手牌
一索一索八索八索一筒一筒二筒三筒三筒発発中中  リーチ
両者とも勝負手となりめくり合いますが、流局となります。
この後も福原が点棒を積み重ねて5回戦を制しました。
2卓(中野・吉田・南田・前川)
今節は一期でC1に返り咲きたい中野と、なんとか昇級圏内に食い込みたい吉田が、終始ゲームを進め中野+27.5P、吉田+88.4Pを叩き出し両者昇級に一歩近づきました。
最終節ではどうなるのでしょうか?

第11期女流桜花決定戦 二日目観戦記 藤原 隆弘

2日目の朝も心地よい快晴だった。この1週間で松岡は気持ちを立て直すことができただろうか。
今日はなんとか食らいついて行って欲しいと思いながら私は会場に向かった。

 

100

 

5回戦
(起親から魚谷―松岡―宮内―仲田)
東1局は松岡がタンヤオのポンテンで1人テンパイ。
迎えた親番では発をイチ鳴きして仕掛け倒れにはなったが、相手3人を対応させての全員ノーテンでここまでは良かった。

東3局2本場、親の宮内5巡目に発のポンテン、テンパイ打牌のドラ七索を仲田もポンテン。

宮内捨牌
西東二筒 上向き五筒 上向き七索 上向き

手牌
三万四万五万六万七万二索三索四索中中  ポン発発発  ドラ七索

仲田捨牌
東一筒 上向き四筒 上向き八万 上向き九索 上向き

手牌
二万三万四万六万七万八万八索八索六筒七筒  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き

宮内有利かと思いきや、北家の松岡が八筒で仲田に放銃。

松岡手牌
五万七万二索三索四索四索五索一筒一筒三筒五筒五筒六筒八筒

ここからの八筒打ちだったが、ここは慎重に一筒切りで受けに回るべきだった。
ドラを切った親の宮内はほぼ間違いなくテンパイだし、仲田はまだテンパイではないかも知れないがアタれば高い。
何より松岡の手はスピードも打点もこの局面で割り込むに値しないから、ここは2人の勝負にさせておく場面でそうすれば必ず次にまたチャンスが来る。
こんな放銃をしていてはまた今日も辛い日になってしまいそうだ。

 

100

 

西家の松岡がテンパイ一番乗りもリーチはかけない。

四索五索六索六索七索八索一筒一筒一筒三筒五筒六筒七筒

仲田から二筒が打たれドラの九筒を引いてドラ単騎にマチ変えしてリーチと行く。
親の仲田にドラが1枚浮いていたがその九筒が重なっての追いかけリーチ。

二万三万四万六万六万六万七索八索四筒五筒六筒九筒九筒  リーチ

もし松岡が二筒三筒待ちで即リーチだったら、1,300だけど仲田は必ず二筒で放銃していた。
前局の悪い放銃が、早いけど安いリーチを打てなくしてしまう悪循環をもたらすのだ。
こうなれば決果は明白で、松岡が九索を掴んでまた仲田に7,700

東4局1本場では、南家・魚谷の手が凄い。八索二索と切り出した2巡目で、

八万八万三筒東南西西発発発中中中  ドラ八万

ドラの八万を2枚落とすことはないだろうが、最高に仕上がれば字一色、大三元、四暗刻までありますよね。4巡目にツモった発は、目立たせないようにカンをしないでツモ切る。
仲田の連荘中なので、あまりのんびりしていられないと、オタ風の西からイチ鳴きしてマンズのホンイツに向かうと8巡目にテンパイ。

五万七万八万八万発発発中中中  ポン西西西

東南を重ねて、三倍満をツモアガリたかっただろうがこれでも跳満ある。
ここに飛び込んだのが松岡。前巡この形から

四万四万六万八万九万九万三索三索四索五索三筒五筒五筒  ツモ中

魚谷の仕掛けに対して生牌の中をツモ切りしたので危ないなと思っていたが、次巡五索をツモると六万に手をかけた。
松岡の手はまだ七対子1シャンテンでドラが1枚しか無い、四索三筒も2枚切れているから、このどちらかを切るべきでありそれでもアガリへの期待は薄いから受けるべき局面だ。
ドラが2枚ある七対子のテンパイをして、六万マチではアガリにくいから出やすい単騎にして、勝負に出た結果の放銃ならば仕方ないのだが、相手の速度も手役も打点も自分の手牌との兼ね合いや状態の悪さも考慮されていない。
またも見合わない放銃で持ち点は3,700に、松岡今日も初戦から大きく置いて行かれた。

南1局は宮内がヤミテンで仲田から5,200で3人浮きに。

四万四万一索二索三索四索五索六索七索八索九索二筒二筒  ドラ八索

南3局は3着目宮内の親。かろうじて30,000点をキープしているが、仲田と魚谷のトップ争いの展開でこれ以上置いて行かれる訳にはいかない。
しかし、松岡が2フーロでマンズホンイツをテンパイ、魚谷も松岡より先の7巡目に三色テンパイ。

松岡
四万四万四万七万八万白白  ポン北北北  チー六万 左向き五万 上向き七万 上向き

魚谷
一万三万一索二索三索七索七索七索一筒二筒三筒発発

この時親の宮内の手は

二万六万一索一索二索三索四索五索六索三筒四筒五筒南

二万六万もアタリで南は生牌、宮内の親は風前の灯だと思われたが、ここからの宮内は慌てず騒がずA1並みの粘りの打ち回し。魚谷がオリて二万が通り、六万を使いきり最後のツモでしぶとくテンパイに漕ぎ着けた。
魚谷がリーチと行かず冷静にヤミテンにしたのも正解で松岡のロン牌六万を引いてピンポイントでヤメたのは流石「カン六万からのチーだからドラマタギの六万九万マチが残っている筈。」と
読みもピッタシビンゴ。宮内と魚谷の好プレーが光った1局だった。

 

100
100

 

1本場、苦心の連荘の甲斐あって宮内先制リーチ。

五万五万二索三索四索六索七索五筒五筒五筒七筒七筒七筒  リーチ  ドラ九万

魚谷追いかけリーチの宣言牌が捕まる。

2本場、またも魚谷のヤミテンと松岡の仕掛け。

魚谷
二万二万五万六万三索三索三索二筒三筒四筒南南南  ドラ一万

松岡
一万一万三万五万六万六万九万九万東東  ポン発発発

マンズの高いこの局、宮内が果敢に割り込み2フーロ

一万三万四万四万五万四筒五筒六筒  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン中中中

ここから打点の高い四万切りのドラ単騎とせず、五万切りとしてカン二万マチに取り、見事ツモアガる。
細い蜘蛛の糸をたぐり寄せるような連荘で、僅かながらトップ目まで抜けた。

オーラスは、仲田がヤミテンの白単騎で七対子を宮内から直撃するなどでトップ目に、宮内は再び3着目となっていた。

南4局5本場

親の仲田が6巡目から好形1シャンテンで、今にもリーチがかかりそうなのになかなかテンパイしない。

五万五万五万六万七万五索六索六索七筒八筒南南南  ドラ八筒

アガればトップの魚谷も、なかなか手が進まないので11巡目に仕掛けた。

七万八万七索九索九索三筒四筒五筒七筒九筒白白中

ここから仲田の切った八索をチーして1シャンテン。
ノーテン、テンパイでもトップがかわるし、仲田へのプレッシャーをかけることにもなるからだろうが、諦めずに逆転のチャンスを伺っていた宮内がツモ切りリーチだ。
前巡に、ドラ八筒単騎の七対子をテンパイしていた宮内、なぜかヤミテンで1巡回し、魚谷がチーすると決断良くリーチと行き見事一発で八筒を引き当てた3,000・6,000。
2人まとめてひと捲りで逆転トップだ!即リーチなら仕掛けが入らないから、ツモアガリできたかどうかわからない。素晴らしい感性と勝負感だった。

100

 

5回戦成績
宮内+24.2P 魚谷+9.5P 仲田+5.0P 松岡▲38.7P

トータル成績
仲田+56.6P 魚谷+53.4P 宮内+7.9P 松岡▲118.9P

仲田と魚谷のマッチレースの様相にトータルをプラスに持ち込んだ宮内が追いすがる。

 

6回戦
(起親から仲田―松岡―宮内―魚谷)

東1局、親の仲田に疑問手が出る。

100

一万三万四万五万六万八万二索三索三索四索五索六索六索  ドラ四万

ここに五索をツモるが、一索マチがとても良く見えたのか五索をツモ切り、タンヤオ確定形に構えないおかげで魚谷の捨てたカン七万をチーテンに取れず1,000オールのアガリ逃し。
それでも他家の進行が遅く、局面は長引いて全員テンパイ。仲田も四索五万を引いてこうなったがもうアガリまでは望めないはずだった。

三万四万五万五万六万二索三索三索四索四索五索六索六索

松岡が最後のツモでこうなった。

二万四万七万七万七万一筒二筒二筒三筒三筒三筒四筒四筒五筒

二万は宮内と魚谷の2人にアタリで、テンパイを維持すれば必ず放銃。松岡が迷いながら手をかけたのは暗刻の七万で仲田望外の5,800。
負債を抱えすぎてノーテン罰府も払いたくない気持ちはわかるが、悪い状態の時ほど我慢だ。ここは堪えて一筒を抜いてほしかった。

100

1本場では3人の手がぶつかる。
13巡目に仲田が高めツモで6,000オールのリーチ。

三万三万五万六万七万八万九万四索五索六索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ六索

続いて宮内がここは闘わなければと勇敢に追いかける。

一万二万三万五万六万七万六索七索七筒八筒九筒北北  リーチ

ならばと魚谷も追いかける。

二万三万七万八万九万一索二索三索七索八索九索西西  リーチ

見ごたえのあるめくり合いは、宮内が仲田から打ち取って3,900。

南場に入って仲田の親番。西家・宮内から6巡目リーチ。

三万四万五万四索四索四索一筒三筒八筒八筒北北北  リーチ  ドラ北

リーチ一発目に五筒ツモ切りで出やすくなった。ベタオリの松岡が手詰まりでデキ面子から二筒を抜いての8,000放銃は痛すぎる。

南3局は、持ち点47,500の1人浮きとした宮内の親番。

勢いに乗じて得点を積み重ねるべく、ソーズホンイツに進み8巡目のポンテンからトイトイに変化。

四索四索九索九索北北北白白白  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き

ツモれば6,000オールで、トータルトップまで突き抜ける。宮内もツモる指に力が入るが、宮内のソーズ寄せの裏で仲田がピンズに寄せ返し、メンホンテンパイを入れた。

二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒九筒西西西

宮内のマチが山に3枚、仲田のマチが4枚残りの勝負局は、宮内が九筒を掴んで仲田が浮きの2着に。

100

オーラスは魚谷が1回連荘して持ち点を30,500としたが、1本場で仲田との仕掛け合いに敗れ僅かにマイナス。
仲田は宮内のトップを捲るより、自分と競っている魚谷を沈めて終わらせることを優先したようだ。

6回戦成績
宮内+15.5P仲田+10.2P魚谷▲4.8P松岡▲20.9P

トータル成績
仲田+66.8P魚谷+48.6P宮内+23.4P松岡▲139.8P

丁度半分の6回戦が終了。宮内の連勝で三つ巴の状況になってきた。
松岡1人が6戦5ラスと大敗。本人もここまで最悪の結果は想定外だったであろう。

 

7回戦
(起親から 松岡―宮内―魚谷―仲田)

東1局は親の松岡の甘い放銃から始まった。
南家・宮内のソーズホンイツ仕掛けに、七対子のみの1シャンテンで、一度止めた八索を宮内のテンパイまで待ってから3,900放銃。
ところが、次局から松岡に手が入り始めた。

東2局、松岡7巡目にリーチで、2,000・3,900をアガリ宮内が親カブリ。

四万五万六索六索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒発発  リーチ  ドラ発  ツモ三万

東3局は魚谷の親。

魚谷がダブ東ポンテンの5,800。

一万三万四万五万六万七万八万九万四索四索  ポン東東東

この後、松岡の切った四索をスルーしたことを魚谷は後悔していた。
ポンすればアガリ点は半分になるが、三万六万九万の3面張、次に二万五万八万にも変わる。
すると松岡から高目タンピン三色のリーチが来て、高目の七筒を掴み放銃したのだ。

100

ポンしていても松岡に同じテンパイが入り3,000・6,000の親カブリだったようだが、松岡がアガリは3人とも問題なしで、1人で満貫打つよりは親カブリのほうがマシだったのだろう。
私の見解はポンしないのが悪いのでは無く、ポンしなかった結果、リーチが入り危険牌を掴んだのなら、現物の雀頭を落として回る選択があったのでは?と思うのだがどうだろう。

南1局は松岡1人浮きの親番でリーチ。

四万五万六万六索七索八索五筒六筒七筒七筒北北北  リーチ  ドラ北

さらに親の満貫の上乗せかと思われたが、魚谷が白ポンで仕掛け同テンをツモ300・500と松岡の親をける。

トータルの状況から、他の3人は松岡がトップならそれで良し、無理に捲る必要無しで、他の2人を沈めて2着を取ればOKとなる。
南2局の親で連荘し、僅かに浮いた宮内。その1本場で仲田6巡目のリーチ。

三万三万三万五万六万七万八万九万五索五索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ三万

早いドラ暗刻リーチで山に6枚残り。これを当たり前のようにツモアガリまたもプラスの2着に。

南3局ラス目魚谷の親。松岡への満貫放銃の後、ここまで我慢の魚谷にようやく先制リーチ。

二万二万二万三万三万四万四万四万三筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ七索

ツモれば三暗刻で満貫、三万が出ても7,700だ。
このリーチに仲田が三索チーテンで無スジの四索を勝負。

六万七万七索七索八索八索八索五筒六筒七筒  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き

直ぐに八万をツモ1,000・2,000で浮きの2着を決定づけた。
初日から仲田は魚谷を一番マークしているようで、魚谷の親番には特に辛く厳しく打っているようだ。

7回戦成績
松岡+18.3P仲田+9.0P宮内▲9.0P魚谷▲18.3P

トータル成績
仲田+75.8P魚谷+30.3P宮内+14.4P松岡▲121.5P

松岡がようやく初トップを取れたが、ここまでほぼ仲田の戦略通りに展開している感がある。
魚谷と宮内は追いすがることができるだろうか?

 

8回戦
(宮内―松岡―仲田―魚谷)

東1局は北家・魚谷が先制リーチ。

三万四万三索四索五索三筒四筒五筒七筒七筒白白白  リーチ  ドラ八筒

最後の半荘は私が獲るという気迫も、仲田が1枚切れの西でホンイツ仕掛けの松岡に3.900放銃。
魚谷は是非アガリたかったろうが、仲田がラス目になるならばまだ良しか。

東3局と進み、仲田の親、松岡が36,100点持ちの1人浮きで仲田ラス目だが、5巡目に七対子ドラ単騎リーチ。
この決定戦では仲田の沈んでいる状態からの一発復活を何度見たか。

二万二万三万三万四万四万七万九万九万四索四索九筒九筒  リーチ  ドラ七万

いとも簡単に七万を引き寄せて、ラス抜けどころか一気にトップに立ち、宮内、魚谷を大きく大きく引き離す6,000オールだ。

 

100

 

続く1本場でも、

四索五索六索八索八索八索五筒五筒五筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ七筒

8巡目リーチで即ツモでダメ押し。
さらに2本場でも足止め気味のリーチ

七万八万九万五索六索七索一筒一筒四筒五筒六筒南南  リーチ  ドラ四万

ここはドラ暗刻の宮内が追いかける。

四万四万四万五万六万二索三索四索一筒二筒三筒五筒七筒  リーチ

ベタオリの松岡が手詰まりで両者の後スジになった六筒をオリ打ちしてまたも沈没。

南1局、親の宮内が2フーロでトイトイテンパイ。

四万四万三筒三筒三筒八筒八筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ポン東東東  ドラ五索

魚谷にもテンパイが入る。

四万五万六万六万七万八万三索四索五索六索六索七筒八筒

六筒が2枚九筒が3枚出ていて、宮内の現物なだけにヤミテン。仲田から高目六筒がこぼれた。
仲田から打ち取れたことは一筋の光明。

続く南2局、魚谷は二万をポンしてマンズチンイツのテンパイに持ち込む。

一万一万一万四万四万四万五万七万八万九万  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ドラ六索

まだ1枚も余らないのが良かった、ドラの六索発の後付けで、チーテンを入れた仲田から直撃できて浮きに回った。

南3局は、宮内が2フーロのホンイツを松岡から3,900出アガリし宮内も浮いた。
2人共まだまだ追撃を諦めない。

オーラスの親は魚谷。

3者の持ち点は、仲田40,000、魚谷33,600、宮内31,900

ラス目の松岡に早いピンフテンパイが入るが、これでアガるわけにはいかないので何とか高目三色に作り直してリーチ。
宣言牌の五筒を仲田がチーして形式テンパイを入れる。宮内に言わせると、これが「殺人チー」だった。
先にテンパイを入れていた宮内。

二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒南北北北  ドラ四筒

魚谷が1枚切っている南単騎でヤミテンしていた。ツモか仲田直撃でトップだが、仲田のチーで余計な七筒がきた。宮内はここで松岡への放銃を嫌い南切りとしたが七筒単騎ではアガリが難しい。
松岡のリーチは立場上安いわけがないので、放銃すればダメージが大きいが、宮内ならここは思い切りよく闘うと思った。
ラス親の魚谷は、テンパイには遠過ぎたので、浮き守りを重視してオリたがこれは仕方ないと思う。

100

しかし、宮内は逆転手をテンパイしていたのだから、ここは危険を犯しても勝負に出て欲しかった。
もし仲田のチーがなかったら、宮内のツモは七筒ではなくて六筒三筒六筒九筒のマチは見えているだけで残り2枚しか無いから、マチ変えせずに現物の九筒を切るだろう、すると次に南をツモって逆転トップだった。
七筒を引いたこの場面でも最強手は南単騎のまま追いかけリーチ、松岡からの跳満で逆転トップとなっていた。

8回戦成績
仲田+19.0P宮内+5.9P魚谷+1.6P松岡▲27.5P

トータル成績
仲田+94.8魚谷+31.9P宮内+20.3P松岡▲149.0P

仲田がリードを広げ2日目が終了した。ラス無しで連帯を外した3着が1回だけという安定感は崩れそうに無い。このまま逃げ切ってしまうのだろうか?
宮内「70Pの差はあって無いようなもの。」
魚谷「最後は60Pの差を受け入れてオリました。最終日宮内さんと一諸に必ず追いかけます。」

私なんかから見ればかなりの大差に思えるけど、この2人が言うと決して強がりに聞こえないのだ。
このままでは終わらない、きっと何かが起こりそうな最終日に期待したい。

女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第11期女流桜花決定戦 二日目観戦記 藤原 隆弘

2日目の朝も心地よい快晴だった。この1週間で松岡は気持ちを立て直すことができただろうか。
今日はなんとか食らいついて行って欲しいと思いながら私は会場に向かった。
 
100
 
5回戦
(起親から魚谷―松岡―宮内―仲田)
東1局は松岡がタンヤオのポンテンで1人テンパイ。
迎えた親番では発をイチ鳴きして仕掛け倒れにはなったが、相手3人を対応させての全員ノーテンでここまでは良かった。
東3局2本場、親の宮内5巡目に発のポンテン、テンパイ打牌のドラ七索を仲田もポンテン。
宮内捨牌
西東二筒 上向き五筒 上向き七索 上向き
手牌
三万四万五万六万七万二索三索四索中中  ポン発発発  ドラ七索
仲田捨牌
東一筒 上向き四筒 上向き八万 上向き九索 上向き
手牌
二万三万四万六万七万八万八索八索六筒七筒  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き
宮内有利かと思いきや、北家の松岡が八筒で仲田に放銃。
松岡手牌
五万七万二索三索四索四索五索一筒一筒三筒五筒五筒六筒八筒
ここからの八筒打ちだったが、ここは慎重に一筒切りで受けに回るべきだった。
ドラを切った親の宮内はほぼ間違いなくテンパイだし、仲田はまだテンパイではないかも知れないがアタれば高い。
何より松岡の手はスピードも打点もこの局面で割り込むに値しないから、ここは2人の勝負にさせておく場面でそうすれば必ず次にまたチャンスが来る。
こんな放銃をしていてはまた今日も辛い日になってしまいそうだ。
 
100
 
西家の松岡がテンパイ一番乗りもリーチはかけない。
四索五索六索六索七索八索一筒一筒一筒三筒五筒六筒七筒
仲田から二筒が打たれドラの九筒を引いてドラ単騎にマチ変えしてリーチと行く。
親の仲田にドラが1枚浮いていたがその九筒が重なっての追いかけリーチ。
二万三万四万六万六万六万七索八索四筒五筒六筒九筒九筒  リーチ
もし松岡が二筒三筒待ちで即リーチだったら、1,300だけど仲田は必ず二筒で放銃していた。
前局の悪い放銃が、早いけど安いリーチを打てなくしてしまう悪循環をもたらすのだ。
こうなれば決果は明白で、松岡が九索を掴んでまた仲田に7,700
東4局1本場では、南家・魚谷の手が凄い。八索二索と切り出した2巡目で、
八万八万三筒東南西西発発発中中中  ドラ八万
ドラの八万を2枚落とすことはないだろうが、最高に仕上がれば字一色、大三元、四暗刻までありますよね。4巡目にツモった発は、目立たせないようにカンをしないでツモ切る。
仲田の連荘中なので、あまりのんびりしていられないと、オタ風の西からイチ鳴きしてマンズのホンイツに向かうと8巡目にテンパイ。
五万七万八万八万発発発中中中  ポン西西西
東南を重ねて、三倍満をツモアガリたかっただろうがこれでも跳満ある。
ここに飛び込んだのが松岡。前巡この形から
四万四万六万八万九万九万三索三索四索五索三筒五筒五筒  ツモ中
魚谷の仕掛けに対して生牌の中をツモ切りしたので危ないなと思っていたが、次巡五索をツモると六万に手をかけた。
松岡の手はまだ七対子1シャンテンでドラが1枚しか無い、四索三筒も2枚切れているから、このどちらかを切るべきでありそれでもアガリへの期待は薄いから受けるべき局面だ。
ドラが2枚ある七対子のテンパイをして、六万マチではアガリにくいから出やすい単騎にして、勝負に出た結果の放銃ならば仕方ないのだが、相手の速度も手役も打点も自分の手牌との兼ね合いや状態の悪さも考慮されていない。
またも見合わない放銃で持ち点は3,700に、松岡今日も初戦から大きく置いて行かれた。
南1局は宮内がヤミテンで仲田から5,200で3人浮きに。
四万四万一索二索三索四索五索六索七索八索九索二筒二筒  ドラ八索
南3局は3着目宮内の親。かろうじて30,000点をキープしているが、仲田と魚谷のトップ争いの展開でこれ以上置いて行かれる訳にはいかない。
しかし、松岡が2フーロでマンズホンイツをテンパイ、魚谷も松岡より先の7巡目に三色テンパイ。
松岡
四万四万四万七万八万白白  ポン北北北  チー六万 左向き五万 上向き七万 上向き
魚谷
一万三万一索二索三索七索七索七索一筒二筒三筒発発
この時親の宮内の手は
二万六万一索一索二索三索四索五索六索三筒四筒五筒南
二万六万もアタリで南は生牌、宮内の親は風前の灯だと思われたが、ここからの宮内は慌てず騒がずA1並みの粘りの打ち回し。魚谷がオリて二万が通り、六万を使いきり最後のツモでしぶとくテンパイに漕ぎ着けた。
魚谷がリーチと行かず冷静にヤミテンにしたのも正解で松岡のロン牌六万を引いてピンポイントでヤメたのは流石「カン六万からのチーだからドラマタギの六万九万マチが残っている筈。」と
読みもピッタシビンゴ。宮内と魚谷の好プレーが光った1局だった。
 

100
100

 
1本場、苦心の連荘の甲斐あって宮内先制リーチ。
五万五万二索三索四索六索七索五筒五筒五筒七筒七筒七筒  リーチ  ドラ九万
魚谷追いかけリーチの宣言牌が捕まる。
2本場、またも魚谷のヤミテンと松岡の仕掛け。
魚谷
二万二万五万六万三索三索三索二筒三筒四筒南南南  ドラ一万
松岡
一万一万三万五万六万六万九万九万東東  ポン発発発
マンズの高いこの局、宮内が果敢に割り込み2フーロ
一万三万四万四万五万四筒五筒六筒  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き  ポン中中中
ここから打点の高い四万切りのドラ単騎とせず、五万切りとしてカン二万マチに取り、見事ツモアガる。
細い蜘蛛の糸をたぐり寄せるような連荘で、僅かながらトップ目まで抜けた。
オーラスは、仲田がヤミテンの白単騎で七対子を宮内から直撃するなどでトップ目に、宮内は再び3着目となっていた。
南4局5本場
親の仲田が6巡目から好形1シャンテンで、今にもリーチがかかりそうなのになかなかテンパイしない。
五万五万五万六万七万五索六索六索七筒八筒南南南  ドラ八筒
アガればトップの魚谷も、なかなか手が進まないので11巡目に仕掛けた。
七万八万七索九索九索三筒四筒五筒七筒九筒白白中
ここから仲田の切った八索をチーして1シャンテン。
ノーテン、テンパイでもトップがかわるし、仲田へのプレッシャーをかけることにもなるからだろうが、諦めずに逆転のチャンスを伺っていた宮内がツモ切りリーチだ。
前巡に、ドラ八筒単騎の七対子をテンパイしていた宮内、なぜかヤミテンで1巡回し、魚谷がチーすると決断良くリーチと行き見事一発で八筒を引き当てた3,000・6,000。
2人まとめてひと捲りで逆転トップだ!即リーチなら仕掛けが入らないから、ツモアガリできたかどうかわからない。素晴らしい感性と勝負感だった。
100
 
5回戦成績
宮内+24.2P 魚谷+9.5P 仲田+5.0P 松岡▲38.7P
トータル成績
仲田+56.6P 魚谷+53.4P 宮内+7.9P 松岡▲118.9P
仲田と魚谷のマッチレースの様相にトータルをプラスに持ち込んだ宮内が追いすがる。
 
6回戦
(起親から仲田―松岡―宮内―魚谷)
東1局、親の仲田に疑問手が出る。
100
一万三万四万五万六万八万二索三索三索四索五索六索六索  ドラ四万
ここに五索をツモるが、一索マチがとても良く見えたのか五索をツモ切り、タンヤオ確定形に構えないおかげで魚谷の捨てたカン七万をチーテンに取れず1,000オールのアガリ逃し。
それでも他家の進行が遅く、局面は長引いて全員テンパイ。仲田も四索五万を引いてこうなったがもうアガリまでは望めないはずだった。
三万四万五万五万六万二索三索三索四索四索五索六索六索
松岡が最後のツモでこうなった。
二万四万七万七万七万一筒二筒二筒三筒三筒三筒四筒四筒五筒
二万は宮内と魚谷の2人にアタリで、テンパイを維持すれば必ず放銃。松岡が迷いながら手をかけたのは暗刻の七万で仲田望外の5,800。
負債を抱えすぎてノーテン罰府も払いたくない気持ちはわかるが、悪い状態の時ほど我慢だ。ここは堪えて一筒を抜いてほしかった。
100
1本場では3人の手がぶつかる。
13巡目に仲田が高めツモで6,000オールのリーチ。
三万三万五万六万七万八万九万四索五索六索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ六索
続いて宮内がここは闘わなければと勇敢に追いかける。
一万二万三万五万六万七万六索七索七筒八筒九筒北北  リーチ
ならばと魚谷も追いかける。
二万三万七万八万九万一索二索三索七索八索九索西西  リーチ
見ごたえのあるめくり合いは、宮内が仲田から打ち取って3,900。
南場に入って仲田の親番。西家・宮内から6巡目リーチ。
三万四万五万四索四索四索一筒三筒八筒八筒北北北  リーチ  ドラ北
リーチ一発目に五筒ツモ切りで出やすくなった。ベタオリの松岡が手詰まりでデキ面子から二筒を抜いての8,000放銃は痛すぎる。
南3局は、持ち点47,500の1人浮きとした宮内の親番。
勢いに乗じて得点を積み重ねるべく、ソーズホンイツに進み8巡目のポンテンからトイトイに変化。
四索四索九索九索北北北白白白  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き
ツモれば6,000オールで、トータルトップまで突き抜ける。宮内もツモる指に力が入るが、宮内のソーズ寄せの裏で仲田がピンズに寄せ返し、メンホンテンパイを入れた。
二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒九筒西西西
宮内のマチが山に3枚、仲田のマチが4枚残りの勝負局は、宮内が九筒を掴んで仲田が浮きの2着に。
100
オーラスは魚谷が1回連荘して持ち点を30,500としたが、1本場で仲田との仕掛け合いに敗れ僅かにマイナス。
仲田は宮内のトップを捲るより、自分と競っている魚谷を沈めて終わらせることを優先したようだ。
6回戦成績
宮内+15.5P仲田+10.2P魚谷▲4.8P松岡▲20.9P
トータル成績
仲田+66.8P魚谷+48.6P宮内+23.4P松岡▲139.8P
丁度半分の6回戦が終了。宮内の連勝で三つ巴の状況になってきた。
松岡1人が6戦5ラスと大敗。本人もここまで最悪の結果は想定外だったであろう。
 
7回戦
(起親から 松岡―宮内―魚谷―仲田)
東1局は親の松岡の甘い放銃から始まった。
南家・宮内のソーズホンイツ仕掛けに、七対子のみの1シャンテンで、一度止めた八索を宮内のテンパイまで待ってから3,900放銃。
ところが、次局から松岡に手が入り始めた。
東2局、松岡7巡目にリーチで、2,000・3,900をアガリ宮内が親カブリ。
四万五万六索六索六索三筒四筒五筒五筒六筒七筒発発  リーチ  ドラ発  ツモ三万
東3局は魚谷の親。
魚谷がダブ東ポンテンの5,800。
一万三万四万五万六万七万八万九万四索四索  ポン東東東
この後、松岡の切った四索をスルーしたことを魚谷は後悔していた。
ポンすればアガリ点は半分になるが、三万六万九万の3面張、次に二万五万八万にも変わる。
すると松岡から高目タンピン三色のリーチが来て、高目の七筒を掴み放銃したのだ。
100
ポンしていても松岡に同じテンパイが入り3,000・6,000の親カブリだったようだが、松岡がアガリは3人とも問題なしで、1人で満貫打つよりは親カブリのほうがマシだったのだろう。
私の見解はポンしないのが悪いのでは無く、ポンしなかった結果、リーチが入り危険牌を掴んだのなら、現物の雀頭を落として回る選択があったのでは?と思うのだがどうだろう。
南1局は松岡1人浮きの親番でリーチ。
四万五万六万六索七索八索五筒六筒七筒七筒北北北  リーチ  ドラ北
さらに親の満貫の上乗せかと思われたが、魚谷が白ポンで仕掛け同テンをツモ300・500と松岡の親をける。
トータルの状況から、他の3人は松岡がトップならそれで良し、無理に捲る必要無しで、他の2人を沈めて2着を取ればOKとなる。
南2局の親で連荘し、僅かに浮いた宮内。その1本場で仲田6巡目のリーチ。
三万三万三万五万六万七万八万九万五索五索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ三万
早いドラ暗刻リーチで山に6枚残り。これを当たり前のようにツモアガリまたもプラスの2着に。
南3局ラス目魚谷の親。松岡への満貫放銃の後、ここまで我慢の魚谷にようやく先制リーチ。
二万二万二万三万三万四万四万四万三筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ドラ七索
ツモれば三暗刻で満貫、三万が出ても7,700だ。
このリーチに仲田が三索チーテンで無スジの四索を勝負。
六万七万七索七索八索八索八索五筒六筒七筒  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き
直ぐに八万をツモ1,000・2,000で浮きの2着を決定づけた。
初日から仲田は魚谷を一番マークしているようで、魚谷の親番には特に辛く厳しく打っているようだ。
7回戦成績
松岡+18.3P仲田+9.0P宮内▲9.0P魚谷▲18.3P
トータル成績
仲田+75.8P魚谷+30.3P宮内+14.4P松岡▲121.5P
松岡がようやく初トップを取れたが、ここまでほぼ仲田の戦略通りに展開している感がある。
魚谷と宮内は追いすがることができるだろうか?
 
8回戦
(宮内―松岡―仲田―魚谷)
東1局は北家・魚谷が先制リーチ。
三万四万三索四索五索三筒四筒五筒七筒七筒白白白  リーチ  ドラ八筒
最後の半荘は私が獲るという気迫も、仲田が1枚切れの西でホンイツ仕掛けの松岡に3.900放銃。
魚谷は是非アガリたかったろうが、仲田がラス目になるならばまだ良しか。
東3局と進み、仲田の親、松岡が36,100点持ちの1人浮きで仲田ラス目だが、5巡目に七対子ドラ単騎リーチ。
この決定戦では仲田の沈んでいる状態からの一発復活を何度見たか。
二万二万三万三万四万四万七万九万九万四索四索九筒九筒  リーチ  ドラ七万
いとも簡単に七万を引き寄せて、ラス抜けどころか一気にトップに立ち、宮内、魚谷を大きく大きく引き離す6,000オールだ。
 
100
 
続く1本場でも、
四索五索六索八索八索八索五筒五筒五筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ七筒
8巡目リーチで即ツモでダメ押し。
さらに2本場でも足止め気味のリーチ
七万八万九万五索六索七索一筒一筒四筒五筒六筒南南  リーチ  ドラ四万
ここはドラ暗刻の宮内が追いかける。
四万四万四万五万六万二索三索四索一筒二筒三筒五筒七筒  リーチ
ベタオリの松岡が手詰まりで両者の後スジになった六筒をオリ打ちしてまたも沈没。
南1局、親の宮内が2フーロでトイトイテンパイ。
四万四万三筒三筒三筒八筒八筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ポン東東東  ドラ五索
魚谷にもテンパイが入る。
四万五万六万六万七万八万三索四索五索六索六索七筒八筒
六筒が2枚九筒が3枚出ていて、宮内の現物なだけにヤミテン。仲田から高目六筒がこぼれた。
仲田から打ち取れたことは一筋の光明。
続く南2局、魚谷は二万をポンしてマンズチンイツのテンパイに持ち込む。
一万一万一万四万四万四万五万七万八万九万  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ドラ六索
まだ1枚も余らないのが良かった、ドラの六索発の後付けで、チーテンを入れた仲田から直撃できて浮きに回った。
南3局は、宮内が2フーロのホンイツを松岡から3,900出アガリし宮内も浮いた。
2人共まだまだ追撃を諦めない。
オーラスの親は魚谷。
3者の持ち点は、仲田40,000、魚谷33,600、宮内31,900
ラス目の松岡に早いピンフテンパイが入るが、これでアガるわけにはいかないので何とか高目三色に作り直してリーチ。
宣言牌の五筒を仲田がチーして形式テンパイを入れる。宮内に言わせると、これが「殺人チー」だった。
先にテンパイを入れていた宮内。
二筒三筒三筒四筒四筒五筒七筒八筒九筒南北北北  ドラ四筒
魚谷が1枚切っている南単騎でヤミテンしていた。ツモか仲田直撃でトップだが、仲田のチーで余計な七筒がきた。宮内はここで松岡への放銃を嫌い南切りとしたが七筒単騎ではアガリが難しい。
松岡のリーチは立場上安いわけがないので、放銃すればダメージが大きいが、宮内ならここは思い切りよく闘うと思った。
ラス親の魚谷は、テンパイには遠過ぎたので、浮き守りを重視してオリたがこれは仕方ないと思う。
100
しかし、宮内は逆転手をテンパイしていたのだから、ここは危険を犯しても勝負に出て欲しかった。
もし仲田のチーがなかったら、宮内のツモは七筒ではなくて六筒三筒六筒九筒のマチは見えているだけで残り2枚しか無いから、マチ変えせずに現物の九筒を切るだろう、すると次に南をツモって逆転トップだった。
七筒を引いたこの場面でも最強手は南単騎のまま追いかけリーチ、松岡からの跳満で逆転トップとなっていた。
8回戦成績
仲田+19.0P宮内+5.9P魚谷+1.6P松岡▲27.5P
トータル成績
仲田+94.8魚谷+31.9P宮内+20.3P松岡▲149.0P
仲田がリードを広げ2日目が終了した。ラス無しで連帯を外した3着が1回だけという安定感は崩れそうに無い。このまま逃げ切ってしまうのだろうか?
宮内「70Pの差はあって無いようなもの。」
魚谷「最後は60Pの差を受け入れてオリました。最終日宮内さんと一諸に必ず追いかけます。」
私なんかから見ればかなりの大差に思えるけど、この2人が言うと決して強がりに聞こえないのだ。
このままでは終わらない、きっと何かが起こりそうな最終日に期待したい。

第33期鳳凰位決定戦 優勝者予想

第33期鳳凰位決定戦優勝者予想
正解者の中から抽選で1名の方に、第33期鳳凰位獲得後の直筆サインをプレゼント致します。
また、応募された方の中から抽選で2名の方に、鳳凰位決定戦進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。

応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。

※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。

なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。

締め切り:2017年1月20日(金)

番号 名前 プロフィール 沢崎 HIRO 藤崎 前田 石渡 伊藤 編集部
1

勝又健志

17期生

第32期 鳳凰位
第2期 グランプリMAX

ロン2プロフィールこちら

2

前原雄大

1期生

第12・25期 鳳凰位
第14・15・24・25・26期 十段位
グランプリ2008 優勝

他多数

ロン2プロフィール

2

近藤久春

17期生

4

古川孝次

1期生

第16、17、18期 鳳凰位

ロン2プロフィールこちら


 

予想者コメント

沢崎誠
少し分けて頂きたいくらいの素晴らしい麻雀頭脳、現鳳凰位・勝又健志。A1レベルの対局を1年間お休みというハンデが少し気になります。
歴代鳳凰位・前原雄大、鳳凰位3連覇の古川孝次ですが、最後の一枠をゲットした運気の持ち主・古川さんがいつも以上に暴れるのでしょう。
A1在籍5年目、初の決勝戦進出!対戦者が歴代鳳凰位!と、厳しい条件の近藤久春ですが、この5年間で攻防のバランスレベルを上げ、手役作りもしっかりと破壊力も魅力です。
互角以上の勝負も出来るかと思います。
この組合せとなって運気が上がったように思う近藤さんを本命に、もう1人上昇運気の古川さんを対抗に予想しました。

◎ 近藤久春
○ 古川孝次

 

HIRO柴田
今回のメンバーは各々が麻雀へのアプローチ方が特徴的なのが魅力。
その中でも、今年様々な対局で活躍した鳳凰位勝又は死角なしとみている為、本命とさせてもらう。
対抗はリーグ戦での前原、近藤両者の安定感と比べて、古川はプラスとマイナスを大きく上下させて、最終節で見事に決定戦の切符を手に入れたのでここは古川に上昇運があるとみて対抗に。

◎ 勝又健志
○ 古川孝次

 

藤崎智
実力、実績共に文句なしの3人に初タイトルがかかる近藤の一戦。正直リーグ戦を勝ち上がった3人は強かった。3人共に完膚無きまでにやられたイメージしかない。従って、全く予想出来ないので応援を意味で印を付けた。
団体対抗戦でチームを優勝に導いてくれた勝又が本命。腰の重い近藤は今回のメンバー構成での展開的にも経験的にも有利な材料は見当たらないような気もするのだが、それでも今期の近藤なら何とかしてくれそうな気がする。
どちらにしても17期時代継続の予感。

◎ 勝又健志
○ 近藤久春

 

前田直哉
近年の近藤さんとは違いを見せる今年の麻雀を、この舞台でも出してくれれば十分にあると思う。
決定戦の経験の無いのか心配ではあるが、同期として期待したい。
安定感があり十分連覇もある。勝又君も同期なので17期の頑張りに期待したい。

◎ 近藤久春
○ 勝又健志

 

石渡正志
今回の4人はメンゼン良し、仕掛け良しであるが、終始安定していた前原か近藤を推したい。
勝又は実践感覚が、古川は体力的にどうかが鍵かと思う。

◎ 前原雄大
○ 近藤久春

 

伊藤優孝
気持としては同年代の古川、同郷秋田出身の近藤の頑張りに期待したいが…
今現在の勢いと麻雀力で前原と勝又が甲乙つけがたいと思う。
若さの利で本命は勝又。対抗に前原とします。

◎ 勝又健志
○ 前原雄大

 

編集部
最終節に滑り込んだ古川孝次。昨年は7年振りの決定戦ということで、三連覇した当時とは対戦数や日程(対戦間隔)の違いもあり、思うように戦えなかったのではないだろうか。
しかし今回は昨年をふまえて戦うため、思う存分暴れると予想する。
それに臨機応変に対応する前原が対抗とみる。
近藤は初の大舞台、勝又はリーグ戦を戦っていないというところが不安材料といったところか。

◎ 古川孝次
○ 前原雄大

プロリーグ(鳳凰戦)成績表/第33期鳳凰位決定戦 優勝者予想

第33期鳳凰位決定戦優勝者予想
正解者の中から抽選で1名の方に、第33期鳳凰位獲得後の直筆サインをプレゼント致します。
また、応募された方の中から抽選で2名の方に、鳳凰位決定戦進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。
応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。
※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。
なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。
締め切り:2017年1月20日(金)

番号 名前 プロフィール 沢崎 HIRO 藤崎 前田 石渡 伊藤 編集部
1

勝又健志
17期生
第32期 鳳凰位
第2期 グランプリMAX
ロン2プロフィールこちら
2

前原雄大
1期生
第12・25期 鳳凰位
第14・15・24・25・26期 十段位
グランプリ2008 優勝
他多数
ロン2プロフィール
2

近藤久春
17期生
4

古川孝次
1期生
第16、17、18期 鳳凰位
ロン2プロフィールこちら


 
予想者コメント
沢崎誠
少し分けて頂きたいくらいの素晴らしい麻雀頭脳、現鳳凰位・勝又健志。A1レベルの対局を1年間お休みというハンデが少し気になります。
歴代鳳凰位・前原雄大、鳳凰位3連覇の古川孝次ですが、最後の一枠をゲットした運気の持ち主・古川さんがいつも以上に暴れるのでしょう。
A1在籍5年目、初の決勝戦進出!対戦者が歴代鳳凰位!と、厳しい条件の近藤久春ですが、この5年間で攻防のバランスレベルを上げ、手役作りもしっかりと破壊力も魅力です。
互角以上の勝負も出来るかと思います。
この組合せとなって運気が上がったように思う近藤さんを本命に、もう1人上昇運気の古川さんを対抗に予想しました。
◎ 近藤久春
○ 古川孝次
 
HIRO柴田
今回のメンバーは各々が麻雀へのアプローチ方が特徴的なのが魅力。
その中でも、今年様々な対局で活躍した鳳凰位勝又は死角なしとみている為、本命とさせてもらう。
対抗はリーグ戦での前原、近藤両者の安定感と比べて、古川はプラスとマイナスを大きく上下させて、最終節で見事に決定戦の切符を手に入れたのでここは古川に上昇運があるとみて対抗に。
◎ 勝又健志
○ 古川孝次
 
藤崎智
実力、実績共に文句なしの3人に初タイトルがかかる近藤の一戦。正直リーグ戦を勝ち上がった3人は強かった。3人共に完膚無きまでにやられたイメージしかない。従って、全く予想出来ないので応援を意味で印を付けた。
団体対抗戦でチームを優勝に導いてくれた勝又が本命。腰の重い近藤は今回のメンバー構成での展開的にも経験的にも有利な材料は見当たらないような気もするのだが、それでも今期の近藤なら何とかしてくれそうな気がする。
どちらにしても17期時代継続の予感。
◎ 勝又健志
○ 近藤久春
 
前田直哉
近年の近藤さんとは違いを見せる今年の麻雀を、この舞台でも出してくれれば十分にあると思う。
決定戦の経験の無いのか心配ではあるが、同期として期待したい。
安定感があり十分連覇もある。勝又君も同期なので17期の頑張りに期待したい。
◎ 近藤久春
○ 勝又健志
 
石渡正志
今回の4人はメンゼン良し、仕掛け良しであるが、終始安定していた前原か近藤を推したい。
勝又は実践感覚が、古川は体力的にどうかが鍵かと思う。
◎ 前原雄大
○ 近藤久春
 
伊藤優孝
気持としては同年代の古川、同郷秋田出身の近藤の頑張りに期待したいが…
今現在の勢いと麻雀力で前原と勝又が甲乙つけがたいと思う。
若さの利で本命は勝又。対抗に前原とします。
◎ 勝又健志
○ 前原雄大
 
編集部
最終節に滑り込んだ古川孝次。昨年は7年振りの決定戦ということで、三連覇した当時とは対戦数や日程(対戦間隔)の違いもあり、思うように戦えなかったのではないだろうか。
しかし今回は昨年をふまえて戦うため、思う存分暴れると予想する。
それに臨機応変に対応する前原が対抗とみる。
近藤は初の大舞台、勝又はリーグ戦を戦っていないというところが不安材料といったところか。
◎ 古川孝次
○ 前原雄大

第5期東北王座リーグ 最終節成績

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 石森 隆雄 プロ 51.8 38.6 99.2 136.8 28.3 354.7
2 新田 大輔 プロ   64.3 60.6 69.1 50.8 244.8
3 井上 美里 プロ 42.7 15.7 57.5 48.1 28.1 192.1
4 松平 幸司 一般 38.9 ▲ 2.4 7.8 69.5   113.8
5 菰原 明如 一般 71.1 42.2 ▲ 4.7   ▲ 34.6 74.0
6 藤本 修二 プロ         69.1 69.1
7 江川 明芳 一般   119.1 16.3 ▲ 69.3 ▲ 2.3 63.8
8 瀧田 亮 プロ 15.8 4.4 ▲ 45.5   83.5 58.2
9 佐藤 晃大 プロ 39.4 ▲ 38.5 24.3 ▲ 2.0 33.5 56.7
10 大類 大地 一般       31.0 1.7 32.7
11 大里 奈美 プロ ▲ 23.1   52.2     29.1
12 中井 章博 一般 ▲ 3.3   ▲ 16.7   44.2 24.2
13 鈴木 浩人 一般 ▲ 59.8 51.6 ▲ 10.9 41.1   22.0
14 及川 慶次 プロ ▲ 22.7 53.8 32.3   ▲ 50.6 12.8
15 岡本 卓也 プロ 23.5 ▲ 0.4 ▲ 10.8     12.3
16 皿山 正昴 一般 0.2 17.7   ▲ 43.0 29.1 4.0
17 遠藤 昭太 プロ 15.3 32.5 ▲ 20.9 6.4 ▲ 35.9 ▲ 2.6
18 伊藤 旭洋 一般 ▲ 5.3         ▲ 5.3
19 小野寺 豊 一般 27.3 4.6 6.7 ▲ 34.9 ▲ 9.3 ▲ 5.6
20 野家 龍治 プロ 26.6 ▲ 2.3   33.6 ▲ 66.3 ▲ 8.4
21 菊田 政俊 プロ   ▲ 21.2       ▲ 21.2
22 戸澤 桐子 一般 ▲ 31.8   ▲ 20.2 41.2 ▲ 12.1 ▲ 22.9
23 真木 杏奈 一般         ▲ 23.5 ▲ 23.5
24 安ケ平 浩希 プロ 46.0 ▲ 20.0 14.9 ▲ 48.9 ▲ 18.9 ▲ 26.9
25 高橋 大樹 一般 ▲ 57.5 54.5   ▲ 33.3 3.2 ▲ 33.1
26 杜 麻沙也 プロ 5.2 ▲ 30.3 ▲ 33.3 47.1 ▲ 23.5 ▲ 34.8
27 平元 久松 一般 ▲ 21.0 ▲ 23.3       ▲ 44.3
28 中村 和也 一般 18.9 ▲ 57.6 ▲ 6.9     ▲ 45.6
29 斉藤 一史 一般 ▲ 5.5 ▲ 38.1 ▲ 64.1   61.8 ▲ 45.9
30 粕谷 勇吉 プロ ▲ 29.8 53.7 ▲ 29.8 ▲ 2.4 ▲ 45.0 ▲ 53.3
31 葛岡 憂輔 一般 ▲ 7.4   ▲ 38.8 ▲ 53.6 38.0 ▲ 61.8
32 蓬田 一貴 一般       ▲ 47.9 ▲ 15.1 ▲ 63.0
33 早川 林香 プロ   ▲ 71.4 42.6   ▲ 36.5 ▲ 65.3
34 千田 諒 プロ ▲ 3.3 ▲ 4.4 ▲ 54.8   ▲ 10.6 ▲ 73.1
35 椎名 斗南 プロ 15.6 ▲ 66.2   ▲ 40.7   ▲ 91.3
36 佐々木 敏昭 一般 ▲ 89.1 12.3   ▲ 16.5   ▲ 93.3
37 高橋 裕幸 一般   ▲ 88.3   6.7 ▲ 37.3 ▲ 118.9
38 山口 康次 一般 ▲ 20.3   ▲ 86.6 ▲ 21.5   ▲ 128.4
39 佐々木 啓文 プロ ▲ 1.6 ▲ 57.0 ▲ 13.7 ▲ 100.0 15.1 ▲ 157.2
40 村上 正勝 一般 ▲ 34.1 ▲ 26.2 ▲ 65.6 ▲ 36.9   ▲ 162.8
41 今野 政弘 一般 ▲ 71.7 ▲ 61.1   ▲ 12.9 ▲ 45.6 ▲ 191.3

東北プロリーグ 成績表/第5期東北王座リーグ 最終節成績

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 石森 隆雄 プロ 51.8 38.6 99.2 136.8 28.3 354.7
2 新田 大輔 プロ   64.3 60.6 69.1 50.8 244.8
3 井上 美里 プロ 42.7 15.7 57.5 48.1 28.1 192.1
4 松平 幸司 一般 38.9 ▲ 2.4 7.8 69.5   113.8
5 菰原 明如 一般 71.1 42.2 ▲ 4.7   ▲ 34.6 74.0
6 藤本 修二 プロ         69.1 69.1
7 江川 明芳 一般   119.1 16.3 ▲ 69.3 ▲ 2.3 63.8
8 瀧田 亮 プロ 15.8 4.4 ▲ 45.5   83.5 58.2
9 佐藤 晃大 プロ 39.4 ▲ 38.5 24.3 ▲ 2.0 33.5 56.7
10 大類 大地 一般       31.0 1.7 32.7
11 大里 奈美 プロ ▲ 23.1   52.2     29.1
12 中井 章博 一般 ▲ 3.3   ▲ 16.7   44.2 24.2
13 鈴木 浩人 一般 ▲ 59.8 51.6 ▲ 10.9 41.1   22.0
14 及川 慶次 プロ ▲ 22.7 53.8 32.3   ▲ 50.6 12.8
15 岡本 卓也 プロ 23.5 ▲ 0.4 ▲ 10.8     12.3
16 皿山 正昴 一般 0.2 17.7   ▲ 43.0 29.1 4.0
17 遠藤 昭太 プロ 15.3 32.5 ▲ 20.9 6.4 ▲ 35.9 ▲ 2.6
18 伊藤 旭洋 一般 ▲ 5.3         ▲ 5.3
19 小野寺 豊 一般 27.3 4.6 6.7 ▲ 34.9 ▲ 9.3 ▲ 5.6
20 野家 龍治 プロ 26.6 ▲ 2.3   33.6 ▲ 66.3 ▲ 8.4
21 菊田 政俊 プロ   ▲ 21.2       ▲ 21.2
22 戸澤 桐子 一般 ▲ 31.8   ▲ 20.2 41.2 ▲ 12.1 ▲ 22.9
23 真木 杏奈 一般         ▲ 23.5 ▲ 23.5
24 安ケ平 浩希 プロ 46.0 ▲ 20.0 14.9 ▲ 48.9 ▲ 18.9 ▲ 26.9
25 高橋 大樹 一般 ▲ 57.5 54.5   ▲ 33.3 3.2 ▲ 33.1
26 杜 麻沙也 プロ 5.2 ▲ 30.3 ▲ 33.3 47.1 ▲ 23.5 ▲ 34.8
27 平元 久松 一般 ▲ 21.0 ▲ 23.3       ▲ 44.3
28 中村 和也 一般 18.9 ▲ 57.6 ▲ 6.9     ▲ 45.6
29 斉藤 一史 一般 ▲ 5.5 ▲ 38.1 ▲ 64.1   61.8 ▲ 45.9
30 粕谷 勇吉 プロ ▲ 29.8 53.7 ▲ 29.8 ▲ 2.4 ▲ 45.0 ▲ 53.3
31 葛岡 憂輔 一般 ▲ 7.4   ▲ 38.8 ▲ 53.6 38.0 ▲ 61.8
32 蓬田 一貴 一般       ▲ 47.9 ▲ 15.1 ▲ 63.0
33 早川 林香 プロ   ▲ 71.4 42.6   ▲ 36.5 ▲ 65.3
34 千田 諒 プロ ▲ 3.3 ▲ 4.4 ▲ 54.8   ▲ 10.6 ▲ 73.1
35 椎名 斗南 プロ 15.6 ▲ 66.2   ▲ 40.7   ▲ 91.3
36 佐々木 敏昭 一般 ▲ 89.1 12.3   ▲ 16.5   ▲ 93.3
37 高橋 裕幸 一般   ▲ 88.3   6.7 ▲ 37.3 ▲ 118.9
38 山口 康次 一般 ▲ 20.3   ▲ 86.6 ▲ 21.5   ▲ 128.4
39 佐々木 啓文 プロ ▲ 1.6 ▲ 57.0 ▲ 13.7 ▲ 100.0 15.1 ▲ 157.2
40 村上 正勝 一般 ▲ 34.1 ▲ 26.2 ▲ 65.6 ▲ 36.9   ▲ 162.8
41 今野 政弘 一般 ▲ 71.7 ▲ 61.1   ▲ 12.9 ▲ 45.6 ▲ 191.3

第11期女流桜花決定戦 初日観戦記 藤原 隆弘

女流プロだけの権威あるタイトル戦を創ろうと2003年に創設されたのがBルール(一発裏アリ)で他団体の女流プロも参加できる「プロクイーン」。
その3年後の2006年に連盟女流だけのリーグ戦として創設されたのがAルールで行われる「女流桜花」だ。

女子だけの鳳凰位戦とも言える連盟女流ナンバーワンを決めるタイトル戦である。
昨年末、第1期から参加している宮内こずえが10期目にして涙の初載冠を果たした感動的フィナーレから1年。
ひと月半前にプロクイーンでも初優勝してダブルクラウンとなったばかりの宮内が早くも最初の防衛戦を迎えた。
初防衛に成功するようなら、桜花&QUEEN[宮内時代]の到来と言っても過言ではないだろう。
この女流桜花は宮内の前の9期までに6人のチャンピォンがいるが、二階堂亜樹、魚谷侑未、吾妻さおりの3人が連覇していて連覇率五割。
さて11期目の今回はどんな結末が待つのであろうか?

 

100
宮内こずえ
18期生 五段 愛媛県出身 O型
新人時代から人気女流として活躍、テレビマッチなどでは数回優勝していたが公式戦の優勝は昨年の女流桜花が初。
それだけに人一倍強い思い入れがあったのだろう、表彰式での涙には私も思わずもらい泣きをしてしまいそうだった。
元々攻撃力は強力なものを持っていたが、欠点だった攻守のバランスが良くなり、大きなタイトルを獲った自信と余裕も加わったようだ。
プロクイーンで見せた流れを掴んだ親番での怒涛の高打点連荘は驚異の一撃必殺。新KKT(クマクマタイムならぬコズコズタイム)か!

 

100
魚谷侑未
25期生 四段 新潟県出身 B型
プロ入り3年目の第6期で初優勝し7期も連覇、トップ女流の1人として第一線で活躍中、2年ぶり5回目の決勝。
今期は開幕戦で▲56.8Pと大きく躓いたが後半戦から怒涛の追い込みで堂々の1位通過。
「去年も開幕▲60Pスタートで追い上げ届かずでしたから今年もまたこの位置からかと全く気にしませんでした。」
「昨年後半から今のままだと勝ちきれないと思い、それまではほぼ毎局イニシアチブを取ってアガリに向かっていたのを、相手に対応して受けるスタイルに変えて、バランスが良くなってきたようです。」と自信をのぞかせる。

 

100
仲田加南
21期生 五段 神奈川県出身 B型
第4期優勝、7年ぶり3回目の決勝。第21期の新人王を獲り、その2年後に女流桜花載冠、同年の王位戦決勝にも残りプロリーグもB1まで昇るなど勢いに乗っていたが、この5~6年は低迷していた。
「6年前までは一人麻雀をやっていて感性だけで打ち、要らないものを切っていただけ、勢いがあって相手のアタリ牌を掴まないだけの麻雀でしたね。」
「理を重んじて受けや押し引きを考えて打つようになってから、大負けしないけど大勝ちもできなくなってきました。」
ほぼ真逆にモデルチェンジを試みた成果がようやく出てきたのか。本来持っていた攻撃力と新たに取り入れた守備力の調和がとれてきたようで、今期の女流リーグでは終始安定した内容で開幕から決勝圏内をキープしたまま余裕の勝ち残りだった。

 

100
松岡千晶
28期生 三段 東京都出身 A型
今期初めてAリーグに昇級。1~2節とマイナスし、やはりAリーグは敷居が高いかと思われたが中盤から好調の波にのり強気の攻めでプラスポイントを積み重ねる、プレーオフでは気持ちが守りに入り少し危うかったが、貯金を活かして辛くも逃げ切り初の大舞台の椅子を掴んだ。
「相手は3人共強いので勝てなくて当たり前だから、自分なりの麻雀で当たって砕けろの気持ちで頑張りたいです。」
今の力がどこまで通用するか健闘を期待したい。

 

初日は穏やかな冬晴れの12月10日、松岡だけが緊張からかやや表情が硬いように思われたが定刻通り第1回戦開局の賽子が回された。

 

100

 

1回戦 (起家から、仲田―松岡―魚谷―宮内)(ドラ西)、
最初のリーチは西家魚谷8巡目。

四万四万四万五索五索六索六索七索七索四筒四筒六筒七筒  リーチ

いきなり2,000、3.900を引きに行くリーチはかねてからの作戦なのか迷いが無い。
親の仲田もドラ2のチャンス手だったが愚形テンパイで追いかけることはせず、粘りのテンパイ連荘。
同1本場は松岡が先制

七万八万九万六索七索八索五筒六筒六筒七筒八筒北北  ドラ七万

入り目がドラのペン七万で好感触だったから三色を待たず即リーチと出た。
ここで最初にアガリを決められていれば、初日の闘いがまた違ったものになっていたかもしれないが親の仲田が今度は即追いかけリーチ。

六万二索三索四索一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒西西

ここにドラ表示牌の六万ツモで不本意なテンパイになったが、あっさり西ツモ。
2本場、最初のアガリを決めた仲田が今度はダブ東暗刻の隠れ親満貫。

一万一万一索二索三索八索八索東東東  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ドラ八索

しかし北家の宮内がタンピンツモでかわす。・宮内なら当然メンタンピン即リーチかと思ったが、仲田の本手を察知したのか慎重な入りだ。
次局も宮内がタンピンドラ1の1シャンテンから両面チーして2,000点で捌く。
東3局(ドラ七万)は親の魚谷が即リーチ。

七万八万九万五索五索六索七索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ

3人を受けさせて終盤八索ツモの2,600オール。
魚谷連荘の1本場はまたも宮内が1,000点で捌く。
北家スタートの宮内、親番を引くまでは徹底して慎重に捌く作戦だったのか、親番を迎えた途端豹変する。

東4局宮内の親番
100
西家の松岡が西をイチ鳴きすると、仲田に絶好のカン七万が埋まり6巡目リーチ。

三万四万五万六万七万八万二索二索六索七索八索六筒七筒  リーチ  ドラ三筒

仲田もこれは手応えを感じた勝負手だった筈だが、なかなか引けずに長引いた。
宮内13巡目にテンパイ。

五万六万七万八万九万九万一索一索一索八索二筒三筒四筒  ツモ八万  ドラ三筒

八索を切って追いかけるかと思いきや「八索はかなり危ないと思った」そうで八万切りで回り八索単騎で復活。
16巡目に七万をツモリこの時は五索が通ったので、八索切りとしてフリテンにマチ変え、それは普通だがナント宮内残り2巡で追っかけた。

五万六万七万七万九万九万九万一索一索一索二筒三筒四筒  リーチ

八万をトイツで落としてしているから2枚フリテンだし、八索が通るなら既に2,600オールをアガリ損ねているし、あと2巡で流局だから追いかけリーチする人は世の中になかなか居ないと思う。
ここはどうしても本人に聞かなければなるまい。

100

八索が通りそうになったしフリテンは承知していましたが、もう四万七万のオナテンしか無いでしょう、だったらツモったときに高くなるようにと思いリーチしました。」

とのご回答。流石は勢いに乗っている現女流二冠。読みは当たっていなくとも勝負感と思い切りの良さが凄い!
一発で四万をツモって(一発役は無いが)2,600オール。このアガリを見せつけられたら相手は平常心を保てるだろうか?
特に勝負手をこんなふうに潰された仲田はどう感じたのだろうか?

100

次局も松岡が仕掛けを入れたが、宮内は早くからヤミテンで回していた。

二万二万四万四万六万六万六万二索三索四索四筒五筒六筒  ドラ二筒

松岡が動いても足止めリーチも打たずヤミテンで回す。終盤三万を引くと、暗刻の六万を切ってリーチと出る。

二万二万三万四万四万六万六万二索三索四索四筒五筒六筒

ここは流局でテンパイ連荘となったが、宮内流高打点連荘打法を垣間見た。おそらく五万引きならカン五万マチリーチとするつもりだったのだろう、太い!

東4局2本場
100

宮内に小四喜狙いの配牌、字牌を出やすくするため白から切り運良ダブ東から鳴けて風牌はほぼ山残り、更に字牌を安くするべく中から切った為に対面の松岡にポンされことごとく風牌を食い取られた。松岡も中さえポンできればのチャンス手でようやく初アガリの満貫ツモ。これで少し落ち着いた気持ちになれただろうか?
タラレバではあるが、もし宮内がギリギリまで中を絞って他に動きが無ければ小四喜のテンパイが入り、宮内のブッチギリがあったかも知れない。
この局のアガリは松岡だったが、松岡にマンズホンイツテンパイ気配があるのに、ダブ東ホンイツのテンパイを崩し、無スジのマンズを切りだして小四喜を狙った宮内はやはり太い!

100

南1局の仲田の親は北家の宮内がドラの六索を暗刻にしてリーチ(六万九万マチ)
ここに四暗刻の1シャンテンに持ち込んでいた魚谷が放銃したが、巡目が深い事、ドラが1枚も見えてない事、まだテンパイしてなくて危険牌が2枚ある事などを考えると魚谷にしては行き過ぎた感があった。
宮内初戦から1人浮きトップかと思いきや、ラス前の親で魚谷が3,900オール、次局は仲田が2,000、4,000と負けじと浮きで終わらせたのは2人共しぶとい。

1回戦成績
宮内+15.5P 仲田+5.4P 魚谷+3.2P 松岡▲24.1P

現女流二冠の宮内が貫禄のトップスタートを決めたが気になるのは初陣松岡。
1回満貫をアガれたけれど1人沈みのラススタート。まだ始まったばかりなので結果に焦ることなく落ち着いて次戦に臨んで欲しい。

 

2回戦(起親から、仲田―魚谷?松岡―宮内)
東発、西家の松岡5巡目に中暗刻の一筒四筒マチノベタンをリーチ即ツモで1,300、2,600と幸先良いスタートを切る。休憩中に少し落ち着きを取り戻したか、この半荘トップかせめてプラスで終われたら以降の善戦が期待できるかと思ったのだが、東4局に大きな落とし穴が待っていた。

東4局
100
北家の松岡配牌でドラの七筒暗刻のチャンス手、しかし南家の仲田が無駄ツモ無しの4巡目メンホン七対子、北単騎リーチ。
仲田の2巡目、

五万二筒二筒四筒四筒八筒九筒東東北白白中中

ここから九筒単騎になったときの迷彩のつもりか八筒切りとしているが、さすがに八筒がカブってのテンパイ逃しは痛すぎるので素直に五万切りとするべきだろう。
結果は同じだったが、あえて注文をつけたい。

さて、親の宮内が3巡目に北を切り単騎待ちの絶好の狙い目となった。同じ巡、西家の魚谷が以下の手牌から発を切ったのが松岡の不幸への誘い。

三万三万五万六万六万一索一索三索四索五筒六筒白発中

全て生牌で条件は同じだったが、魚谷の発切りで松岡が手牌にある北発の字牌のうち発を合わせ北が残った。もし魚谷が白中を切っていれば(仲田はポンしない)
松岡もまだ面子不十分だから、生牌の発を残して1枚切れの北から切っただろう。仲田は「直前に北が2枚切られていたら地獄待ちリーチはしませんでした。」
と言う。それでもこの局は仲田のアガリ濃厚だろうが、放銃者が違ったかも知れない。

1つダメ出しを言わせてもらえば、松岡の第一打は一筒で無く九万であるべき。結果は同じだったかもしれないが基本は基本である。
この不幸とも言える跳満放銃は、立ち直りかけた松岡のメンタルにかなりのダメージを与えたことだろう。

100

仲田アガリ親で迎えた南1局でも、仕掛けて2,000オールをツモりリードを広げるが、次局、宮内も負けじとドラ暗刻の喰いタンをツモアガる。強い!

南2局では松岡に手が入り勝負のリーチ。

六万七万四索四索五索六索七索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ドラ北

しかし同巡、仲田が789の喰い三色でペン七万待ちのチーテンを入れると、なんと松岡が即七万を掴まされ勝負リーチをあっさり潰される。
このような最悪の状態になったときは、細心の注意を払い二次災害、三次災害にあわないように気をつけなければならない。

南3局、親の松岡8巡目

一万二万三万四万六万八万九万九万三索四索五筒七筒九筒  ツモ五筒  ドラ四索

手なりで手を進めこの五筒をツモ切ると魚谷からロンの声

一筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒西西

可哀想なくらいにツカンポだが、この放銃は危険意識を強めていれば防げた筈。ピンズメンホン気配の魚谷が自風の北、次に発と連続手出しで生牌を切り出してきたことや、自分の状態の悪さ、手牌の形の悪さなどを考えると、仕方ないでは無く見合わない放銃だった。
これで魚谷も浮きになり松岡は1回戦よりも大きな1人沈みの連続ラス。早くも唯一人窮地に立たされた。

2回戦成績
仲田+26.7P 魚谷+10.6P 宮内+1.6P 松岡▲39.9P

トータル成績
仲田+32.1P 宮内+17.1P 魚谷+13.8P 松岡▲64.0P

 

3回戦(起親から宮内―魚谷―松岡―仲田)
仲田がトータル首位に立ったが、まだまだ先が長くこれからの勝負。松岡は焦らずメゲず、まずはプラスの半荘を作り立ち直りのきっかけとしたい。
起親の宮内が魚谷から2,900をアガって1本場。(ドラ九筒

連荘の宮内が配牌ドラ2の2シャンテンだったがなかなか手が進まず、悪い配牌から露骨に七対子一本狙いの仲田が終盤にラス牌のドラを重ね、魚谷の現物の発単騎。
これに間に合わせるように、発を抱えていた宮内が6,400プラス1本場の放銃、安全牌を抱えての切り遅れ放銃は痛かった。
魚谷のソーズ仕掛けを警戒しすぎたか?気配を殺して魚谷の現物待ちヤミに持ち込んだ仲田の注文にハマる形となった。

東2局、魚谷の親は仲田が8巡目にピンフツモ

二索三索四索四索五索六索六索七索八索九索九索三筒四筒北  ドラ北

仲田はこの手で生牌のドラを切りテンパイとしたが、テンパイ取らずでソーズに寄せる手も勿論ありだろう。魚谷の親番は辛く打つ作戦なのか、直ぐに五筒をツモって即攻の親落とし。

東3局は親の松岡がメンタンピンツモで2,600オールのツモアガリ。
トップ目に立った次局。

五万五万六万六索二筒六筒六筒九筒九筒東白白中  ドラ中

この手から2巡目に出た1枚目の白をポン。松岡にはこういう仕掛けが多く見られるのだが、ドラが浮いているし形も悪いしせっかく調子が良くなってきたのに、七対子を見るとかドラやダブ東が重なってから仕掛けるとかのタメが欲しいと感じた。東中も切り出して1.500のテンパイには漕ぎ着けたが仲田に捌かれて親落ち。仲田が僅かにトップ目になった。

東4局、仲田の親では松岡がピンフドラ1をリーチして1,300・2,600のツモアガリ、再びトップ目に立つ。
松岡がアガれるようになってきた。この回は是非ともトップで終わりたいところだ。

南1局、では南家の魚谷絶好のリーチ。

一万二万三万四索五索六索七索七索七索八索一筒二筒三筒  ドラ一筒  リーチ

これは鉄板のアガリだろうと思ったが、仲田がタンヤオツモで魚谷ガックリ。

南2局はリーチのみで何とか連荘を果たした魚谷。1本場で勝負手が入る。
まず南家の松岡が6巡目に先制リーチ

四万五万六万五索六索七索九索九索三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒

ここは松岡ヤミテンで良いかとも思うが8巡目に魚谷が追いかける。

一万一万二万二万四万四万六万六万二索二索五筒五筒北  リーチ

北は生牌だが宮内の手中に1枚あるだけで山2枚。出て親マン、ツモれば6,000オールのリーチ。
西家の仲田も松岡の切った七筒をチーしてテンパイ

七万八万九万六索六索七索八索九索四筒五筒  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き

直ぐに魚谷が六筒を掴む、魚谷無念。
仲田はここも2件リーチを捌いて大きな有効ポイントを決めた。捌きたいときにすんなりと捌けるのは好調の証だ。

南3局は親の松岡が2本積み仲田を逆転。
3本場は仲田がリーチして流局、1人テンパイでオーラスに。

オーラスは仲田の親。南家の宮内が仲田をトップにせず、尚且つ自分が3着で終わらせるために、仲田の切った白をイチ鳴きで仕掛け一筒もチー。

六万六万一索一索八索九索七筒八筒  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン白白白  ドラ四索

ここから六万切りとしたが、チャンタを付ける必要は無いので、ペンチャンを嫌うほうが良いだろう。
しかし、この仕掛けで親の仲田が5巡目にテンパイ

七万七万五索六索七索三筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒

当然リーチかと思いきやヤミテンのまま2,900の出アガリ、連盟で一番リーチが少ないと自負する私でさえリーチするし、何かもったいないような気もする。
ここは本人に聞いてみなければならない。
「前局のリーチが空振りしたのでヤミにしました。今日はリーチが空振りした後は全部ヤミテンと決めていたからです。」
そういえば1回戦でもタンピン三色のリーチが成就しなかったから、その次のピンフ高め一通のテンパイをヤミにしていた局がありましたね。

アガリ連荘の次局、トップ狙いの松岡が白をイチ鳴きして二万五万待ちテンパイ。切り出したドラの南を魚谷がポンという煮詰まった局面で今度は即リーチ

六万七万八万三筒四筒五筒五筒六筒七筒東東西西  リーチ  ドラ南

松岡から西を直撃して2連勝を決定づけた。

3回戦成績
仲田+25.8P 松岡+18.2P 宮内▲17.7P 魚谷▲26.3P

トータル成績
仲田+57.9P 宮内▲0.6P 魚谷▲12.5 松岡▲45.8P

狙い通りに宮内と魚谷を押さえ込んで連勝した仲田が、トータルで1人浮きとなり大きく抜け出した。
トップこそ逃したが、プラスの2着が取れた松岡は少し落ち着けただろう。初日最終戦となる第4回戦は是非トップを取り2日目からの反撃のきっかけとしたい。
宮内と魚谷は、仲田にこれ以上ポイントを伸ばされないよう、少しでも差を縮めて初日を終わりたいところだ。

 

4回戦(起親から 仲田―魚谷―松岡―宮内)
東1局、南家の魚谷が喰い一通ドラ1を松岡からアガって捌いたが、親の仲田と北家・宮内に大物手が入り早くも一蝕即発の気配だった。

仲田
二万三万四万六万八万七索七索二筒二筒三筒三筒四筒四筒  ドラ七索

宮内
一万一万二万三万三万七万八万九万九索九索七筒八筒九筒

魚谷のカン五索チーで、仲田から七索七万を喰い取った事がこの局の勝因となったようだ。

東2局は、仲田が松岡に中ポンドラ2の3,900を打ちラス目になる。3人共このまま仲田をラスにしておきたいのは共通意識だろう。

東3局は松岡の親番。アガリ親の勢いで連荘したいところだが西家・仲田が早くも5巡目テンパイ。

一万一万七万八万三索四索五索七索八索九索六筒七筒八筒  ドラ一万

六万が1枚切れ九万が3枚切れていて、ヤミテンなら3人とも九万を切りそうな状況だし、唯一人プラスポイントの余裕がある仲田は落ち着いてヤミテンを選択。
ソーズホンイツに向かった宮内が、4枚目の九万を掴み仲田ラス抜け。
失点を直ぐに挽回できるのも好調な証拠だ

放銃した宮内も次局の親でダブ東ポンテンの1,000オールと4人とも譲らない。

宮内連荘の1本場。宮内がカン八索を鳴いて三色完成のチーテンを入れると、西家・魚谷がリーチ。

七万八万九万五索六索一筒一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ八万

魚谷はヤミテンで捌くつもりなど無く、仲田とのポイントを詰めに向かう。
しかしここも11巡目からヤミテンしていた仲田がピンフツモ。
今日の仲田は要所での捌きがよく決まる。

南1局となり仲田の親番。
北家の宮内が切った第一打の一万を南家・魚谷がポン。

一万一万四万五万八万八万九万六索七索七索南白中  ドラ三万

ここから仕掛けて強引にマンズに寄せに行く。チャンス手をことごとく仲田に潰されてきたが何とか流れを変えよう、仲田の親にもプレッシャーをかけようという非常手段に出たようだ。
この動きで絶好のペン七筒が入った宮内が4巡目リーチ。

三万四万五万八索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ

是非とも一筒をツモって仲田に跳満の親カブリをさせたい。
しかし、魚谷もあの仕掛けから高目満貫のテンパイに漕ぎ着けた。

四万五万六万八万八万南南  ポン白白白  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き

こうなると魚谷もオリられない。一筒が2枚、南が1枚山にいたのだが、魚谷が安目四筒を掴んで3,900放銃、
追いかける2人の狙いとは裏腹に仲田無傷の親落ち、展開にも恵まれて今日は仲田の理想通りに初日が終わるんだなと思われた。
ところがどっこい、このあと初日最後の親番を迎えた魚谷が根性の大爆発を魅せるのだ。

南2局

1人沈みのラス目で迎えた親番で何とかドラの白を重ねた魚谷だったが、南家の松岡がオタ風の北をイチ鳴き、

一索一索三索四索五索八索八索東南南北北発  ドラ白

この形からのイチ鳴き、確かに面子は足りているかもしれないが、本気でアガリたいのだったら1枚はスルーしてダブ南から鳴くとか、七対子に行くとかもっと努力と工夫が欲しい。
配牌からドラ対子の仲田が、松岡の仕掛けに対して普通ならギリギリまで絞るはずの南をこの形から切り出した。

三万五万六万七万八万五索五索六索七索八索五筒南白白

後で仲田に聞いてみた。
「私にドラの白がトイツなのでわりと切りやすかったし、松岡さんにポンされても振り込まなければツモられてもいいし、鳴かれて困るのは魚谷さんの方、親が落ちてくれれば良いと思い先に切りました。」
やはり私も感じた通り戦略での鳴かせだった。これだけリードしていても仲田は魚谷の親を最も警戒しているようだ。
勿論松岡満貫テンパイ(ただ両方ともモチモチで純カラ)

一索一索三索四索五索八索八索  ポン南南南  ポン北北北

しかし強者魚谷は仲田の思惑に嵌らなかった。むしろハートに火が付いたか、仲田の狙い通りにはさせないとスピードを合わせに無理を承知でドラの白の後ズケで仕掛ける。

一索一索六索七索八索白白  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

この親は簡単には落とさないぞと言う気迫が伝ってくる。
終盤には松岡に超危険な三索も通して、テンパイ連荘を果たした魚谷の強い思いが遂に確変を引き当てた。

1本場では5巡目にピンフ3面張リーチ。

五万六万七万七索八索九索三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ

全員オリてアタリ牌は全て他3人の手の中に、1人テンパイの連荘でも良しだが、手詰まりの松岡がワンチャンスでの三筒トイツに手をかけて放銃。
このオリ打ちで立ち直りかけた気持ちが揺れ態勢が壊れたか?

次局2本場、失点を取り返したい松岡の手牌が目一杯の1シャンテンになった。

三万五万五万六万六万七万七万八万五索六索四筒五筒六筒  ドラ二筒

ここで魚谷の親リーチ。
捨牌が
発九索 上向き北九万 上向き一索 上向き六索 上向き
一筒 上向き八筒 上向き中七筒 左向き

手牌が
三万四万五万六万七万八万一索二索三索二筒二筒七筒八筒  リーチ

一発で九筒を掴んだ松岡にはこれを止めようが無かった。

トップまで抜けた魚谷続く3本場でも9巡目リーチ。

六万七万八万一索二索三索六索七索八索二筒三筒六筒六筒  ドラ六筒

一筒ツモで4.000オールの3本場

4本場では仲田が先制リーチ。

三万三万六万七万四索四索五索五索六索六索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ二万

しかし魚谷も直前にドラ2の七対子をテンパイしていた。

二万二万五万五万六万六万七万五索五索南南白白

七万単騎に好感触があったのか、八索八筒と平然と押して見事七万ツモ4,000オールの4本場、強い!
魚谷驚異の猛ラッシュで親満級の3連発。初日最後の親番1回で、3回戦までに仲田につけられていた70ポイント以上の差をあと数ポイント差まで縮めた。

5本場は、仲田が2フーロの喰いタンでようやく魚谷の親を落とし、松岡の親はあっさり流れてオーラスは宮内の親。
宮内も連荘し初日をトータルをプラスにして帰りたいがテンパイしないうちに魚谷から12巡目リーチ。

五万五万五万九万九万一筒二筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒  ドラ三筒

捨牌に六万が有り、スジの九万が狙いのリーチ。
宮内にようやくテンパイが入る。

六万六万七万九万六索七索八索四筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒

宮内の目からは六万が4枚見えていて八万九万は場に出て無い。強気に四筒切りの追いかけリーチをしていれば残り山には魚谷の待ち五筒が1枚残るだけだったから、もしかしたらテンパイ連荘ができたかも知れない。
しかし、ここで宮内は少考の後、三筒五筒引きのリーチか四筒を重ねての678メンピン三色の好形高打点を狙ってテンパイ取らずの九万切りを選択し、魚谷への5,200放銃で初日が終了した。
難しい選択であり、結果は裏目と出たが仕方ないと気持ちを切り替えるしかないだろう。

4回戦成績
魚谷+56.4P 仲田▲6.3P 宮内▲15.7P 松岡▲34.4P

初日トータル成績
仲田+51.6P 魚谷+43.9P 宮内▲15.7P 松岡▲80,2P

初日は仲田が独走する気配だったが、魚谷が最後に強烈な追い上げを見せてくれた。初戦トップスタートの女流二冠宮内としては、トータルマイナスは不本意だろうが、今日魚谷が見せたような高打点連荘は宮内の十八番、3番手でも余裕を見せる宮内にはまだまだ後半の逆転に期待が持てる。

心配なのは松岡だ。元々他3人にくらべて実績も経験も足りず、若さと勢いと強い気持ちでぶつからねば好戦が難しいところに、初日から3ラスと打たれ過ぎた。
今日の結果を気にしないで、欲を出さず怖がらず挑戦者として勉強させてもらう気持ちで2日目からまた元気に闘って欲しい。
そうすることが、決定戦全体を素晴らしい闘いにすることになると思うから。

女流プロリーグ(女流桜花) 決勝観戦記/第11期女流桜花決定戦 初日観戦記 藤原 隆弘

女流プロだけの権威あるタイトル戦を創ろうと2003年に創設されたのがBルール(一発裏アリ)で他団体の女流プロも参加できる「プロクイーン」。
その3年後の2006年に連盟女流だけのリーグ戦として創設されたのがAルールで行われる「女流桜花」だ。
女子だけの鳳凰位戦とも言える連盟女流ナンバーワンを決めるタイトル戦である。
昨年末、第1期から参加している宮内こずえが10期目にして涙の初載冠を果たした感動的フィナーレから1年。
ひと月半前にプロクイーンでも初優勝してダブルクラウンとなったばかりの宮内が早くも最初の防衛戦を迎えた。
初防衛に成功するようなら、桜花&QUEEN[宮内時代]の到来と言っても過言ではないだろう。
この女流桜花は宮内の前の9期までに6人のチャンピォンがいるが、二階堂亜樹、魚谷侑未、吾妻さおりの3人が連覇していて連覇率五割。
さて11期目の今回はどんな結末が待つのであろうか?
 
100
宮内こずえ
18期生 五段 愛媛県出身 O型
新人時代から人気女流として活躍、テレビマッチなどでは数回優勝していたが公式戦の優勝は昨年の女流桜花が初。
それだけに人一倍強い思い入れがあったのだろう、表彰式での涙には私も思わずもらい泣きをしてしまいそうだった。
元々攻撃力は強力なものを持っていたが、欠点だった攻守のバランスが良くなり、大きなタイトルを獲った自信と余裕も加わったようだ。
プロクイーンで見せた流れを掴んだ親番での怒涛の高打点連荘は驚異の一撃必殺。新KKT(クマクマタイムならぬコズコズタイム)か!
 
100
魚谷侑未
25期生 四段 新潟県出身 B型
プロ入り3年目の第6期で初優勝し7期も連覇、トップ女流の1人として第一線で活躍中、2年ぶり5回目の決勝。
今期は開幕戦で▲56.8Pと大きく躓いたが後半戦から怒涛の追い込みで堂々の1位通過。
「去年も開幕▲60Pスタートで追い上げ届かずでしたから今年もまたこの位置からかと全く気にしませんでした。」
「昨年後半から今のままだと勝ちきれないと思い、それまではほぼ毎局イニシアチブを取ってアガリに向かっていたのを、相手に対応して受けるスタイルに変えて、バランスが良くなってきたようです。」と自信をのぞかせる。
 
100
仲田加南
21期生 五段 神奈川県出身 B型
第4期優勝、7年ぶり3回目の決勝。第21期の新人王を獲り、その2年後に女流桜花載冠、同年の王位戦決勝にも残りプロリーグもB1まで昇るなど勢いに乗っていたが、この5~6年は低迷していた。
「6年前までは一人麻雀をやっていて感性だけで打ち、要らないものを切っていただけ、勢いがあって相手のアタリ牌を掴まないだけの麻雀でしたね。」
「理を重んじて受けや押し引きを考えて打つようになってから、大負けしないけど大勝ちもできなくなってきました。」
ほぼ真逆にモデルチェンジを試みた成果がようやく出てきたのか。本来持っていた攻撃力と新たに取り入れた守備力の調和がとれてきたようで、今期の女流リーグでは終始安定した内容で開幕から決勝圏内をキープしたまま余裕の勝ち残りだった。
 
100
松岡千晶
28期生 三段 東京都出身 A型
今期初めてAリーグに昇級。1~2節とマイナスし、やはりAリーグは敷居が高いかと思われたが中盤から好調の波にのり強気の攻めでプラスポイントを積み重ねる、プレーオフでは気持ちが守りに入り少し危うかったが、貯金を活かして辛くも逃げ切り初の大舞台の椅子を掴んだ。
「相手は3人共強いので勝てなくて当たり前だから、自分なりの麻雀で当たって砕けろの気持ちで頑張りたいです。」
今の力がどこまで通用するか健闘を期待したい。
 
初日は穏やかな冬晴れの12月10日、松岡だけが緊張からかやや表情が硬いように思われたが定刻通り第1回戦開局の賽子が回された。
 
100
 
1回戦 (起家から、仲田―松岡―魚谷―宮内)(ドラ西)、
最初のリーチは西家魚谷8巡目。
四万四万四万五索五索六索六索七索七索四筒四筒六筒七筒  リーチ
いきなり2,000、3.900を引きに行くリーチはかねてからの作戦なのか迷いが無い。
親の仲田もドラ2のチャンス手だったが愚形テンパイで追いかけることはせず、粘りのテンパイ連荘。
同1本場は松岡が先制
七万八万九万六索七索八索五筒六筒六筒七筒八筒北北  ドラ七万
入り目がドラのペン七万で好感触だったから三色を待たず即リーチと出た。
ここで最初にアガリを決められていれば、初日の闘いがまた違ったものになっていたかもしれないが親の仲田が今度は即追いかけリーチ。
六万二索三索四索一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒西西
ここにドラ表示牌の六万ツモで不本意なテンパイになったが、あっさり西ツモ。
2本場、最初のアガリを決めた仲田が今度はダブ東暗刻の隠れ親満貫。
一万一万一索二索三索八索八索東東東  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ドラ八索
しかし北家の宮内がタンピンツモでかわす。・宮内なら当然メンタンピン即リーチかと思ったが、仲田の本手を察知したのか慎重な入りだ。
次局も宮内がタンピンドラ1の1シャンテンから両面チーして2,000点で捌く。
東3局(ドラ七万)は親の魚谷が即リーチ。
七万八万九万五索五索六索七索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ
3人を受けさせて終盤八索ツモの2,600オール。
魚谷連荘の1本場はまたも宮内が1,000点で捌く。
北家スタートの宮内、親番を引くまでは徹底して慎重に捌く作戦だったのか、親番を迎えた途端豹変する。
東4局宮内の親番
100
西家の松岡が西をイチ鳴きすると、仲田に絶好のカン七万が埋まり6巡目リーチ。
三万四万五万六万七万八万二索二索六索七索八索六筒七筒  リーチ  ドラ三筒
仲田もこれは手応えを感じた勝負手だった筈だが、なかなか引けずに長引いた。
宮内13巡目にテンパイ。
五万六万七万八万九万九万一索一索一索八索二筒三筒四筒  ツモ八万  ドラ三筒
八索を切って追いかけるかと思いきや「八索はかなり危ないと思った」そうで八万切りで回り八索単騎で復活。
16巡目に七万をツモリこの時は五索が通ったので、八索切りとしてフリテンにマチ変え、それは普通だがナント宮内残り2巡で追っかけた。
五万六万七万七万九万九万九万一索一索一索二筒三筒四筒  リーチ
八万をトイツで落としてしているから2枚フリテンだし、八索が通るなら既に2,600オールをアガリ損ねているし、あと2巡で流局だから追いかけリーチする人は世の中になかなか居ないと思う。
ここはどうしても本人に聞かなければなるまい。
100
八索が通りそうになったしフリテンは承知していましたが、もう四万七万のオナテンしか無いでしょう、だったらツモったときに高くなるようにと思いリーチしました。」
とのご回答。流石は勢いに乗っている現女流二冠。読みは当たっていなくとも勝負感と思い切りの良さが凄い!
一発で四万をツモって(一発役は無いが)2,600オール。このアガリを見せつけられたら相手は平常心を保てるだろうか?
特に勝負手をこんなふうに潰された仲田はどう感じたのだろうか?
100
次局も松岡が仕掛けを入れたが、宮内は早くからヤミテンで回していた。
二万二万四万四万六万六万六万二索三索四索四筒五筒六筒  ドラ二筒
松岡が動いても足止めリーチも打たずヤミテンで回す。終盤三万を引くと、暗刻の六万を切ってリーチと出る。
二万二万三万四万四万六万六万二索三索四索四筒五筒六筒
ここは流局でテンパイ連荘となったが、宮内流高打点連荘打法を垣間見た。おそらく五万引きならカン五万マチリーチとするつもりだったのだろう、太い!
東4局2本場
100
宮内に小四喜狙いの配牌、字牌を出やすくするため白から切り運良ダブ東から鳴けて風牌はほぼ山残り、更に字牌を安くするべく中から切った為に対面の松岡にポンされことごとく風牌を食い取られた。松岡も中さえポンできればのチャンス手でようやく初アガリの満貫ツモ。これで少し落ち着いた気持ちになれただろうか?
タラレバではあるが、もし宮内がギリギリまで中を絞って他に動きが無ければ小四喜のテンパイが入り、宮内のブッチギリがあったかも知れない。
この局のアガリは松岡だったが、松岡にマンズホンイツテンパイ気配があるのに、ダブ東ホンイツのテンパイを崩し、無スジのマンズを切りだして小四喜を狙った宮内はやはり太い!
100
南1局の仲田の親は北家の宮内がドラの六索を暗刻にしてリーチ(六万九万マチ)
ここに四暗刻の1シャンテンに持ち込んでいた魚谷が放銃したが、巡目が深い事、ドラが1枚も見えてない事、まだテンパイしてなくて危険牌が2枚ある事などを考えると魚谷にしては行き過ぎた感があった。
宮内初戦から1人浮きトップかと思いきや、ラス前の親で魚谷が3,900オール、次局は仲田が2,000、4,000と負けじと浮きで終わらせたのは2人共しぶとい。
1回戦成績
宮内+15.5P 仲田+5.4P 魚谷+3.2P 松岡▲24.1P
現女流二冠の宮内が貫禄のトップスタートを決めたが気になるのは初陣松岡。
1回満貫をアガれたけれど1人沈みのラススタート。まだ始まったばかりなので結果に焦ることなく落ち着いて次戦に臨んで欲しい。
 
2回戦(起親から、仲田―魚谷?松岡―宮内)
東発、西家の松岡5巡目に中暗刻の一筒四筒マチノベタンをリーチ即ツモで1,300、2,600と幸先良いスタートを切る。休憩中に少し落ち着きを取り戻したか、この半荘トップかせめてプラスで終われたら以降の善戦が期待できるかと思ったのだが、東4局に大きな落とし穴が待っていた。
東4局
100
北家の松岡配牌でドラの七筒暗刻のチャンス手、しかし南家の仲田が無駄ツモ無しの4巡目メンホン七対子、北単騎リーチ。
仲田の2巡目、
五万二筒二筒四筒四筒八筒九筒東東北白白中中
ここから九筒単騎になったときの迷彩のつもりか八筒切りとしているが、さすがに八筒がカブってのテンパイ逃しは痛すぎるので素直に五万切りとするべきだろう。
結果は同じだったが、あえて注文をつけたい。
さて、親の宮内が3巡目に北を切り単騎待ちの絶好の狙い目となった。同じ巡、西家の魚谷が以下の手牌から発を切ったのが松岡の不幸への誘い。
三万三万五万六万六万一索一索三索四索五筒六筒白発中
全て生牌で条件は同じだったが、魚谷の発切りで松岡が手牌にある北発の字牌のうち発を合わせ北が残った。もし魚谷が白中を切っていれば(仲田はポンしない)
松岡もまだ面子不十分だから、生牌の発を残して1枚切れの北から切っただろう。仲田は「直前に北が2枚切られていたら地獄待ちリーチはしませんでした。」
と言う。それでもこの局は仲田のアガリ濃厚だろうが、放銃者が違ったかも知れない。
1つダメ出しを言わせてもらえば、松岡の第一打は一筒で無く九万であるべき。結果は同じだったかもしれないが基本は基本である。
この不幸とも言える跳満放銃は、立ち直りかけた松岡のメンタルにかなりのダメージを与えたことだろう。
100
仲田アガリ親で迎えた南1局でも、仕掛けて2,000オールをツモりリードを広げるが、次局、宮内も負けじとドラ暗刻の喰いタンをツモアガる。強い!
南2局では松岡に手が入り勝負のリーチ。
六万七万四索四索五索六索七索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ドラ北
しかし同巡、仲田が789の喰い三色でペン七万待ちのチーテンを入れると、なんと松岡が即七万を掴まされ勝負リーチをあっさり潰される。
このような最悪の状態になったときは、細心の注意を払い二次災害、三次災害にあわないように気をつけなければならない。
南3局、親の松岡8巡目
一万二万三万四万六万八万九万九万三索四索五筒七筒九筒  ツモ五筒  ドラ四索
手なりで手を進めこの五筒をツモ切ると魚谷からロンの声
一筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒西西
可哀想なくらいにツカンポだが、この放銃は危険意識を強めていれば防げた筈。ピンズメンホン気配の魚谷が自風の北、次に発と連続手出しで生牌を切り出してきたことや、自分の状態の悪さ、手牌の形の悪さなどを考えると、仕方ないでは無く見合わない放銃だった。
これで魚谷も浮きになり松岡は1回戦よりも大きな1人沈みの連続ラス。早くも唯一人窮地に立たされた。
2回戦成績
仲田+26.7P 魚谷+10.6P 宮内+1.6P 松岡▲39.9P
トータル成績
仲田+32.1P 宮内+17.1P 魚谷+13.8P 松岡▲64.0P
 
3回戦(起親から宮内―魚谷―松岡―仲田)
仲田がトータル首位に立ったが、まだまだ先が長くこれからの勝負。松岡は焦らずメゲず、まずはプラスの半荘を作り立ち直りのきっかけとしたい。
起親の宮内が魚谷から2,900をアガって1本場。(ドラ九筒
連荘の宮内が配牌ドラ2の2シャンテンだったがなかなか手が進まず、悪い配牌から露骨に七対子一本狙いの仲田が終盤にラス牌のドラを重ね、魚谷の現物の発単騎。
これに間に合わせるように、発を抱えていた宮内が6,400プラス1本場の放銃、安全牌を抱えての切り遅れ放銃は痛かった。
魚谷のソーズ仕掛けを警戒しすぎたか?気配を殺して魚谷の現物待ちヤミに持ち込んだ仲田の注文にハマる形となった。
東2局、魚谷の親は仲田が8巡目にピンフツモ
二索三索四索四索五索六索六索七索八索九索九索三筒四筒北  ドラ北
仲田はこの手で生牌のドラを切りテンパイとしたが、テンパイ取らずでソーズに寄せる手も勿論ありだろう。魚谷の親番は辛く打つ作戦なのか、直ぐに五筒をツモって即攻の親落とし。
東3局は親の松岡がメンタンピンツモで2,600オールのツモアガリ。
トップ目に立った次局。
五万五万六万六索二筒六筒六筒九筒九筒東白白中  ドラ中
この手から2巡目に出た1枚目の白をポン。松岡にはこういう仕掛けが多く見られるのだが、ドラが浮いているし形も悪いしせっかく調子が良くなってきたのに、七対子を見るとかドラやダブ東が重なってから仕掛けるとかのタメが欲しいと感じた。東中も切り出して1.500のテンパイには漕ぎ着けたが仲田に捌かれて親落ち。仲田が僅かにトップ目になった。
東4局、仲田の親では松岡がピンフドラ1をリーチして1,300・2,600のツモアガリ、再びトップ目に立つ。
松岡がアガれるようになってきた。この回は是非ともトップで終わりたいところだ。
南1局、では南家の魚谷絶好のリーチ。
一万二万三万四索五索六索七索七索七索八索一筒二筒三筒  ドラ一筒  リーチ
これは鉄板のアガリだろうと思ったが、仲田がタンヤオツモで魚谷ガックリ。
南2局はリーチのみで何とか連荘を果たした魚谷。1本場で勝負手が入る。
まず南家の松岡が6巡目に先制リーチ
四万五万六万五索六索七索九索九索三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒
ここは松岡ヤミテンで良いかとも思うが8巡目に魚谷が追いかける。
一万一万二万二万四万四万六万六万二索二索五筒五筒北  リーチ
北は生牌だが宮内の手中に1枚あるだけで山2枚。出て親マン、ツモれば6,000オールのリーチ。
西家の仲田も松岡の切った七筒をチーしてテンパイ
七万八万九万六索六索七索八索九索四筒五筒  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き
直ぐに魚谷が六筒を掴む、魚谷無念。
仲田はここも2件リーチを捌いて大きな有効ポイントを決めた。捌きたいときにすんなりと捌けるのは好調の証だ。
南3局は親の松岡が2本積み仲田を逆転。
3本場は仲田がリーチして流局、1人テンパイでオーラスに。
オーラスは仲田の親。南家の宮内が仲田をトップにせず、尚且つ自分が3着で終わらせるために、仲田の切った白をイチ鳴きで仕掛け一筒もチー。
六万六万一索一索八索九索七筒八筒  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ポン白白白  ドラ四索
ここから六万切りとしたが、チャンタを付ける必要は無いので、ペンチャンを嫌うほうが良いだろう。
しかし、この仕掛けで親の仲田が5巡目にテンパイ
七万七万五索六索七索三筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒七筒
当然リーチかと思いきやヤミテンのまま2,900の出アガリ、連盟で一番リーチが少ないと自負する私でさえリーチするし、何かもったいないような気もする。
ここは本人に聞いてみなければならない。
「前局のリーチが空振りしたのでヤミにしました。今日はリーチが空振りした後は全部ヤミテンと決めていたからです。」
そういえば1回戦でもタンピン三色のリーチが成就しなかったから、その次のピンフ高め一通のテンパイをヤミにしていた局がありましたね。
アガリ連荘の次局、トップ狙いの松岡が白をイチ鳴きして二万五万待ちテンパイ。切り出したドラの南を魚谷がポンという煮詰まった局面で今度は即リーチ
六万七万八万三筒四筒五筒五筒六筒七筒東東西西  リーチ  ドラ南
松岡から西を直撃して2連勝を決定づけた。
3回戦成績
仲田+25.8P 松岡+18.2P 宮内▲17.7P 魚谷▲26.3P
トータル成績
仲田+57.9P 宮内▲0.6P 魚谷▲12.5 松岡▲45.8P
狙い通りに宮内と魚谷を押さえ込んで連勝した仲田が、トータルで1人浮きとなり大きく抜け出した。
トップこそ逃したが、プラスの2着が取れた松岡は少し落ち着けただろう。初日最終戦となる第4回戦は是非トップを取り2日目からの反撃のきっかけとしたい。
宮内と魚谷は、仲田にこれ以上ポイントを伸ばされないよう、少しでも差を縮めて初日を終わりたいところだ。
 
4回戦(起親から 仲田―魚谷―松岡―宮内)
東1局、南家の魚谷が喰い一通ドラ1を松岡からアガって捌いたが、親の仲田と北家・宮内に大物手が入り早くも一蝕即発の気配だった。
仲田
二万三万四万六万八万七索七索二筒二筒三筒三筒四筒四筒  ドラ七索
宮内
一万一万二万三万三万七万八万九万九索九索七筒八筒九筒
魚谷のカン五索チーで、仲田から七索七万を喰い取った事がこの局の勝因となったようだ。
東2局は、仲田が松岡に中ポンドラ2の3,900を打ちラス目になる。3人共このまま仲田をラスにしておきたいのは共通意識だろう。
東3局は松岡の親番。アガリ親の勢いで連荘したいところだが西家・仲田が早くも5巡目テンパイ。
一万一万七万八万三索四索五索七索八索九索六筒七筒八筒  ドラ一万
六万が1枚切れ九万が3枚切れていて、ヤミテンなら3人とも九万を切りそうな状況だし、唯一人プラスポイントの余裕がある仲田は落ち着いてヤミテンを選択。
ソーズホンイツに向かった宮内が、4枚目の九万を掴み仲田ラス抜け。
失点を直ぐに挽回できるのも好調な証拠だ

放銃した宮内も次局の親でダブ東ポンテンの1,000オールと4人とも譲らない。
宮内連荘の1本場。宮内がカン八索を鳴いて三色完成のチーテンを入れると、西家・魚谷がリーチ。
七万八万九万五索六索一筒一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ八万
魚谷はヤミテンで捌くつもりなど無く、仲田とのポイントを詰めに向かう。
しかしここも11巡目からヤミテンしていた仲田がピンフツモ。
今日の仲田は要所での捌きがよく決まる。
南1局となり仲田の親番。
北家の宮内が切った第一打の一万を南家・魚谷がポン。
一万一万四万五万八万八万九万六索七索七索南白中  ドラ三万
ここから仕掛けて強引にマンズに寄せに行く。チャンス手をことごとく仲田に潰されてきたが何とか流れを変えよう、仲田の親にもプレッシャーをかけようという非常手段に出たようだ。
この動きで絶好のペン七筒が入った宮内が4巡目リーチ。
三万四万五万八索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ
是非とも一筒をツモって仲田に跳満の親カブリをさせたい。
しかし、魚谷もあの仕掛けから高目満貫のテンパイに漕ぎ着けた。
四万五万六万八万八万南南  ポン白白白  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き
こうなると魚谷もオリられない。一筒が2枚、南が1枚山にいたのだが、魚谷が安目四筒を掴んで3,900放銃、
追いかける2人の狙いとは裏腹に仲田無傷の親落ち、展開にも恵まれて今日は仲田の理想通りに初日が終わるんだなと思われた。
ところがどっこい、このあと初日最後の親番を迎えた魚谷が根性の大爆発を魅せるのだ。
南2局
1人沈みのラス目で迎えた親番で何とかドラの白を重ねた魚谷だったが、南家の松岡がオタ風の北をイチ鳴き、
一索一索三索四索五索八索八索東南南北北発  ドラ白
この形からのイチ鳴き、確かに面子は足りているかもしれないが、本気でアガリたいのだったら1枚はスルーしてダブ南から鳴くとか、七対子に行くとかもっと努力と工夫が欲しい。
配牌からドラ対子の仲田が、松岡の仕掛けに対して普通ならギリギリまで絞るはずの南をこの形から切り出した。
三万五万六万七万八万五索五索六索七索八索五筒南白白
後で仲田に聞いてみた。
「私にドラの白がトイツなのでわりと切りやすかったし、松岡さんにポンされても振り込まなければツモられてもいいし、鳴かれて困るのは魚谷さんの方、親が落ちてくれれば良いと思い先に切りました。」
やはり私も感じた通り戦略での鳴かせだった。これだけリードしていても仲田は魚谷の親を最も警戒しているようだ。
勿論松岡満貫テンパイ(ただ両方ともモチモチで純カラ)
一索一索三索四索五索八索八索  ポン南南南  ポン北北北
しかし強者魚谷は仲田の思惑に嵌らなかった。むしろハートに火が付いたか、仲田の狙い通りにはさせないとスピードを合わせに無理を承知でドラの白の後ズケで仕掛ける。
一索一索六索七索八索白白  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き
この親は簡単には落とさないぞと言う気迫が伝ってくる。
終盤には松岡に超危険な三索も通して、テンパイ連荘を果たした魚谷の強い思いが遂に確変を引き当てた。
1本場では5巡目にピンフ3面張リーチ。
五万六万七万七索八索九索三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ
全員オリてアタリ牌は全て他3人の手の中に、1人テンパイの連荘でも良しだが、手詰まりの松岡がワンチャンスでの三筒トイツに手をかけて放銃。
このオリ打ちで立ち直りかけた気持ちが揺れ態勢が壊れたか?
次局2本場、失点を取り返したい松岡の手牌が目一杯の1シャンテンになった。
三万五万五万六万六万七万七万八万五索六索四筒五筒六筒  ドラ二筒
ここで魚谷の親リーチ。
捨牌が
発九索 上向き北九万 上向き一索 上向き六索 上向き
一筒 上向き八筒 上向き中七筒 左向き
手牌が
三万四万五万六万七万八万一索二索三索二筒二筒七筒八筒  リーチ
一発で九筒を掴んだ松岡にはこれを止めようが無かった。
トップまで抜けた魚谷続く3本場でも9巡目リーチ。
六万七万八万一索二索三索六索七索八索二筒三筒六筒六筒  ドラ六筒
一筒ツモで4.000オールの3本場
4本場では仲田が先制リーチ。
三万三万六万七万四索四索五索五索六索六索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ二万
しかし魚谷も直前にドラ2の七対子をテンパイしていた。
二万二万五万五万六万六万七万五索五索南南白白
七万単騎に好感触があったのか、八索八筒と平然と押して見事七万ツモ4,000オールの4本場、強い!
魚谷驚異の猛ラッシュで親満級の3連発。初日最後の親番1回で、3回戦までに仲田につけられていた70ポイント以上の差をあと数ポイント差まで縮めた。
5本場は、仲田が2フーロの喰いタンでようやく魚谷の親を落とし、松岡の親はあっさり流れてオーラスは宮内の親。
宮内も連荘し初日をトータルをプラスにして帰りたいがテンパイしないうちに魚谷から12巡目リーチ。
五万五万五万九万九万一筒二筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒  ドラ三筒
捨牌に六万が有り、スジの九万が狙いのリーチ。
宮内にようやくテンパイが入る。
六万六万七万九万六索七索八索四筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒
宮内の目からは六万が4枚見えていて八万九万は場に出て無い。強気に四筒切りの追いかけリーチをしていれば残り山には魚谷の待ち五筒が1枚残るだけだったから、もしかしたらテンパイ連荘ができたかも知れない。
しかし、ここで宮内は少考の後、三筒五筒引きのリーチか四筒を重ねての678メンピン三色の好形高打点を狙ってテンパイ取らずの九万切りを選択し、魚谷への5,200放銃で初日が終了した。
難しい選択であり、結果は裏目と出たが仕方ないと気持ちを切り替えるしかないだろう。
4回戦成績
魚谷+56.4P 仲田▲6.3P 宮内▲15.7P 松岡▲34.4P
初日トータル成績
仲田+51.6P 魚谷+43.9P 宮内▲15.7P 松岡▲80,2P
初日は仲田が独走する気配だったが、魚谷が最後に強烈な追い上げを見せてくれた。初戦トップスタートの女流二冠宮内としては、トータルマイナスは不本意だろうが、今日魚谷が見せたような高打点連荘は宮内の十八番、3番手でも余裕を見せる宮内にはまだまだ後半の逆転に期待が持てる。
心配なのは松岡だ。元々他3人にくらべて実績も経験も足りず、若さと勢いと強い気持ちでぶつからねば好戦が難しいところに、初日から3ラスと打たれ過ぎた。
今日の結果を気にしないで、欲を出さず怖がらず挑戦者として勉強させてもらう気持ちで2日目からまた元気に闘って欲しい。
そうすることが、決定戦全体を素晴らしい闘いにすることになると思うから。

第28回静岡リーグ(プロアマ混合)第4節レポート

2017年を迎えた。
毎年感じることではあるが、本当に1年が過ぎるのはあっという間である。
昨年はどのような1年だったのか、今年はどのような1年にしたいのかをじっくりと考えたいと思う。

私の2016年最後の公式戦は、数字で見ると良い結果とは言えないが、内容的には満足のいくものとなった。

1回戦は親番で2度跳満をツモられて点数を減らし、自分が勝負手の時も相手の躱わし手に放銃が続くなど厳しい展開だった。しかし南3局の跳満をツモり、なんとか小さな4着で抑えることができた。

2回戦はリーチ判断が上手くいって浮きの2着、3回戦で大きく失点をして4着を取るが、4回戦は南場で手がよく入り、気持ちよく迎えたオーラスの親番で細かくアガリを重ね、6万点を超えるトップを取ることができた。

数字で見れば▲17.6P。たくさん大物手をツモられてたくさん放銃もした。しかし、自分の中では納得のいく手組みでの放銃がほとんどであり、メンタル的にも慌てることなくいつも通り戦うことができた。2017年に繋がる対局となったことは間違いないだろう。

静岡支部に移籍してきて半年以上が経った。ようやくではあるが、プロアマ問わず多くの方々とお話しすることができるようになった。この日も麻雀の話や世間話など他愛もない話を対局の合間にしていた。

すると、午前に行われているプロリーグを観戦していた方から、
「あの場面はどうしてあの牌を切らなかったの?」
「この時って何を考えていたの?」
など、まだまだ未熟である私に質問を投げかけてくれたり、アドバイスをしてくれたりする方々がいた。

それでも、麻雀の質問をしてもらえることは麻雀プロにとって最大の喜びといっても過言ではないように思える。
もっともっと多くの方から質問してもらえるように自身のスキルアップに努めていきたいと思う。

全体を見ると、前節首位に躍り出た足立プロが今節も順調にスコアを伸ばし、首位の座を守った。
その後には悲願の決勝進出を狙う鈴木(雅)プロや山本プロが確実に加点し続く。

また、平野プロは今節+78.4Pの大きな加点で4位まで上がってきた。
120Pを超える者が6名と混戦模様の今回の静岡リーグ。決勝進出の5つの枠を勝ち取るのは誰になるのか、私も最後までその枠を争うことができるように戦っていきたい。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 足立 純哉 プロ 40.7 25.5 102.3 35.9   204.4
2 鈴木 雅人 プロ 14.9 66.2 65.4 10.4   156.9
3 山本 拓哉 プロ 52.6 ▲ 12.6 91.8 10.6   142.4
4 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1 0.0 74.7 78.4   140.0
5 堀 孔明 一般 39.4 53.0 29.0 8.6   130.0
6 松井 和志 一般 105.9 ▲ 5.8 ▲ 7.9 32.1   124.3
7 青嶋 宏樹 一般 31.0 29.6 76.9 ▲ 56.4   81.1
8 春田 篤志 一般 27.0 ▲ 10.5 29.8 32.4   78.7
9 舟橋 晃 一般 4.3 ▲ 18.2 49.9 39.5   75.5
10 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9 69.5 ▲ 8.3 46.2   70.5
11 土屋 幸弘 プロ 38.6 ▲ 18.1 ▲ 4.2 49.6   65.9
12 中 寿文 プロ 35.7 ▲ 29.0 0.0 56.3   63.0
13 島﨑 涼 プロ 20.5 32.2 24.7 ▲ 17.6   59.8
14 杉村 泰治 プロ 12.7 15.7 ▲ 6.5 25.0   46.9
15 竹内 仁 一般 36.0 2.8 ▲ 8.6 0.0   30.2
16 都築 友和 プロ 45.2 15.7 ▲ 0.2 ▲ 32.2   28.5
17 鈴木 郁孝 プロ 38.2 3.5 ▲ 13.3 0.0   28.4
18 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8 32.3 ▲ 18.8 23.2   15.9
19 渡辺 洋巳 プロ 40.0 0.0 ▲ 1.1 ▲ 24.0   14.9
20 岡本 和也 プロ ▲ 3.6 ▲ 14.1 ▲ 20.7 51.1   12.7
21 太田 昌樹 プロ 23.2 ▲ 19.4 18.6 ▲ 10.4   12.0
22 本田 真之 一般 ▲ 5.3 ▲ 13.8 ▲ 12.8 32.7   0.8
23 京平 遥 プロ 36.8 0.0 ▲ 51.7 13.3   ▲ 1.6
24 中野 一男 一般 55.8 ▲ 45.8 ▲ 52.2 32.4   ▲ 9.8
25 松永 誠 一般 6.6 ▲ 75.7 ▲ 1.3 37.4   ▲ 33.0
26 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6 ▲ 40.5 106.6 ▲ 62.2   ▲ 43.7
27 望月 雅継 プロ ▲ 1.0 ▲ 34.0 1.6 ▲ 11.6   ▲ 45.0
28 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4 26.9 ▲ 66.3 23.0   ▲ 47.8
29 越川 清一 プロ 2.2 ▲ 25.1 ▲ 44.7 18.9   ▲ 48.7
30 源馬 健太 一般 ▲ 0.7 16.8 ▲ 23.0 ▲ 46.3   ▲ 53.2
31 田中 良典 一般 ▲ 29.1 11.8 ▲ 24.2 ▲ 18.4   ▲ 59.9
32 大口 伸也 一般 ▲ 61.5 19.0 ▲ 45.2 25.8   ▲ 61.9
33 大石 康平 一般 ▲ 60.3 19.0 8.4 ▲ 29.2   ▲ 62.1
34 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 ▲ 20.8 0.0 ▲ 41.9   ▲ 69.8
35 山内 紀博 一般 ▲ 74.9 21.5 ▲ 13.7 ▲ 4.5   ▲ 71.6
36 白井 健夫 一般 4.8 ▲ 3.3 ▲ 51.2 ▲ 28.2   ▲ 77.9
37

伊藤 真 一般 ▲ 38.6 8.6 ▲ 39.5 ▲ 17.2   ▲ 86.7
38 川崎 義之 プロ 25.0 ▲ 29.1 ▲ 46.3 ▲ 37.7   ▲ 88.1
39 平田 拓也 一般 ▲ 30.4 ▲ 42.8 ▲ 15.3 ▲ 7.0   ▲ 95.5
40 鈴木 博直 一般 0.0 ▲ 45.2 ▲ 17.8 ▲ 38.6   ▲ 101.6
41 徳永 翔 プロ ▲ 47.9 ▲ 32.4 ▲ 17.7 ▲ 5.1   ▲ 103.1
42 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9 ▲ 29.7 ▲ 15.1 ▲ 33.3   ▲ 123.0
43 大橋 義一 一般 ▲ 80.8 15.0 ▲ 25.3 ▲ 75.0   ▲ 166.1
44 福井 弘人 一般 ▲ 60.3 ▲ 52.2 ▲ 57.3 ▲ 50.0   ▲ 219.8

静岡プロリーグ レポート/第28回静岡リーグ(プロアマ混合)第4節レポート

2017年を迎えた。
毎年感じることではあるが、本当に1年が過ぎるのはあっという間である。
昨年はどのような1年だったのか、今年はどのような1年にしたいのかをじっくりと考えたいと思う。
私の2016年最後の公式戦は、数字で見ると良い結果とは言えないが、内容的には満足のいくものとなった。
1回戦は親番で2度跳満をツモられて点数を減らし、自分が勝負手の時も相手の躱わし手に放銃が続くなど厳しい展開だった。しかし南3局の跳満をツモり、なんとか小さな4着で抑えることができた。
2回戦はリーチ判断が上手くいって浮きの2着、3回戦で大きく失点をして4着を取るが、4回戦は南場で手がよく入り、気持ちよく迎えたオーラスの親番で細かくアガリを重ね、6万点を超えるトップを取ることができた。
数字で見れば▲17.6P。たくさん大物手をツモられてたくさん放銃もした。しかし、自分の中では納得のいく手組みでの放銃がほとんどであり、メンタル的にも慌てることなくいつも通り戦うことができた。2017年に繋がる対局となったことは間違いないだろう。
静岡支部に移籍してきて半年以上が経った。ようやくではあるが、プロアマ問わず多くの方々とお話しすることができるようになった。この日も麻雀の話や世間話など他愛もない話を対局の合間にしていた。
すると、午前に行われているプロリーグを観戦していた方から、
「あの場面はどうしてあの牌を切らなかったの?」
「この時って何を考えていたの?」
など、まだまだ未熟である私に質問を投げかけてくれたり、アドバイスをしてくれたりする方々がいた。
それでも、麻雀の質問をしてもらえることは麻雀プロにとって最大の喜びといっても過言ではないように思える。
もっともっと多くの方から質問してもらえるように自身のスキルアップに努めていきたいと思う。
全体を見ると、前節首位に躍り出た足立プロが今節も順調にスコアを伸ばし、首位の座を守った。
その後には悲願の決勝進出を狙う鈴木(雅)プロや山本プロが確実に加点し続く。
また、平野プロは今節+78.4Pの大きな加点で4位まで上がってきた。
120Pを超える者が6名と混戦模様の今回の静岡リーグ。決勝進出の5つの枠を勝ち取るのは誰になるのか、私も最後までその枠を争うことができるように戦っていきたい。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 足立 純哉 プロ 40.7 25.5 102.3 35.9   204.4
2 鈴木 雅人 プロ 14.9 66.2 65.4 10.4   156.9
3 山本 拓哉 プロ 52.6 ▲ 12.6 91.8 10.6   142.4
4 平野 敬悟 プロ ▲ 13.1 0.0 74.7 78.4   140.0
5 堀 孔明 一般 39.4 53.0 29.0 8.6   130.0
6 松井 和志 一般 105.9 ▲ 5.8 ▲ 7.9 32.1   124.3
7 青嶋 宏樹 一般 31.0 29.6 76.9 ▲ 56.4   81.1
8 春田 篤志 一般 27.0 ▲ 10.5 29.8 32.4   78.7
9 舟橋 晃 一般 4.3 ▲ 18.2 49.9 39.5   75.5
10 村瀬 光佳 一般 ▲ 36.9 69.5 ▲ 8.3 46.2   70.5
11 土屋 幸弘 プロ 38.6 ▲ 18.1 ▲ 4.2 49.6   65.9
12 中 寿文 プロ 35.7 ▲ 29.0 0.0 56.3   63.0
13 島﨑 涼 プロ 20.5 32.2 24.7 ▲ 17.6   59.8
14 杉村 泰治 プロ 12.7 15.7 ▲ 6.5 25.0   46.9
15 竹内 仁 一般 36.0 2.8 ▲ 8.6 0.0   30.2
16 都築 友和 プロ 45.2 15.7 ▲ 0.2 ▲ 32.2   28.5
17 鈴木 郁孝 プロ 38.2 3.5 ▲ 13.3 0.0   28.4
18 蓮池 浩太 一般 ▲ 20.8 32.3 ▲ 18.8 23.2   15.9
19 渡辺 洋巳 プロ 40.0 0.0 ▲ 1.1 ▲ 24.0   14.9
20 岡本 和也 プロ ▲ 3.6 ▲ 14.1 ▲ 20.7 51.1   12.7
21 太田 昌樹 プロ 23.2 ▲ 19.4 18.6 ▲ 10.4   12.0
22 本田 真之 一般 ▲ 5.3 ▲ 13.8 ▲ 12.8 32.7   0.8
23 京平 遥 プロ 36.8 0.0 ▲ 51.7 13.3   ▲ 1.6
24 中野 一男 一般 55.8 ▲ 45.8 ▲ 52.2 32.4   ▲ 9.8
25 松永 誠 一般 6.6 ▲ 75.7 ▲ 1.3 37.4   ▲ 33.0
26 鷲見 隼人 プロ ▲ 47.6 ▲ 40.5 106.6 ▲ 62.2   ▲ 43.7
27 望月 雅継 プロ ▲ 1.0 ▲ 34.0 1.6 ▲ 11.6   ▲ 45.0
28 坂本 彰光 一般 ▲ 31.4 26.9 ▲ 66.3 23.0   ▲ 47.8
29 越川 清一 プロ 2.2 ▲ 25.1 ▲ 44.7 18.9   ▲ 48.7
30 源馬 健太 一般 ▲ 0.7 16.8 ▲ 23.0 ▲ 46.3   ▲ 53.2
31 田中 良典 一般 ▲ 29.1 11.8 ▲ 24.2 ▲ 18.4   ▲ 59.9
32 大口 伸也 一般 ▲ 61.5 19.0 ▲ 45.2 25.8   ▲ 61.9
33 大石 康平 一般 ▲ 60.3 19.0 8.4 ▲ 29.2   ▲ 62.1
34 鈴木 秀幸 プロ ▲ 7.1 ▲ 20.8 0.0 ▲ 41.9   ▲ 69.8
35 山内 紀博 一般 ▲ 74.9 21.5 ▲ 13.7 ▲ 4.5   ▲ 71.6
36 白井 健夫 一般 4.8 ▲ 3.3 ▲ 51.2 ▲ 28.2   ▲ 77.9
37 伊藤 真 一般 ▲ 38.6 8.6 ▲ 39.5 ▲ 17.2   ▲ 86.7
38 川崎 義之 プロ 25.0 ▲ 29.1 ▲ 46.3 ▲ 37.7   ▲ 88.1
39 平田 拓也 一般 ▲ 30.4 ▲ 42.8 ▲ 15.3 ▲ 7.0   ▲ 95.5
40 鈴木 博直 一般 0.0 ▲ 45.2 ▲ 17.8 ▲ 38.6   ▲ 101.6
41 徳永 翔 プロ ▲ 47.9 ▲ 32.4 ▲ 17.7 ▲ 5.1   ▲ 103.1
42 伊藤裕美子 一般 ▲ 44.9 ▲ 29.7 ▲ 15.1 ▲ 33.3   ▲ 123.0
43 大橋 義一 一般 ▲ 80.8 15.0 ▲ 25.3 ▲ 75.0   ▲ 166.1
44 福井 弘人 一般 ▲ 60.3 ▲ 52.2 ▲ 57.3 ▲ 50.0   ▲ 219.8

第12期静岡プロリーグ 第9節レポート

12月
冬の夜は空気が澄み、星が煌めく。
凍てつく風にさらされて、創傷が疼いた。
まだ終わらない。心の平穏が遠ざかっていく。

最終節は第8節終了時、上位2卓は回り順対戦、以下順位対戦となる。

1卓

山本拓哉(1位 +200.5P)×平岡理恵(4位 +83.1P)×鈴木秀幸(5位 +66.8P)×徳永翔(8位 +41.5P)

鈴木秀、徳永のターゲットは、平岡。
ボーダーラインの平岡にポイントの余裕はない。
しかし、好調そのままに更なる加点に成功し、決勝への切符を掴んだ。
最近の平岡の活躍には目を見張るものがある。

きっと決勝でも、魅せてくれるだろう。

山本+18.0P 平岡+51.8P 徳永▲51.4P 鈴木秀▲18.4P

2卓

京平遥(2位 +146.8P)×土屋幸弘(3位 +114.5P)×太田昌樹(6位 +53.7P)×鈴木雅人(7位 +44.4P)

太田、鈴木雅のターゲットは土屋。
土屋は京平を捲り、安全圏を目指す。
序盤は太田優勢だったが、土屋がきっちりとどめを刺した。

静岡プロリーグ連覇を狙う土屋。
試合中、手の震えが度々見られた。

かなりのプレッシャーが伝わってきた。

京平▲3.3P 土屋+25.4P 太田▲25.0P 鈴木雅+2.9P

3卓

島崎涼×越川清一×鈴木郁孝×長内真実

初参戦の島崎、プロリーグは5位で終了した。
前節の別日対局で大きく崩れてしまった事が悔やまれる。
来期こそ、決勝に残って欲しいと切に思う。

島崎+47.6P 越川+0.8P 鈴木郁▲20.6P 長内▲39.8P

4卓

望月雅継×平野敬悟×足立純哉×杉村泰治

平野は、通常時なら決勝候補なのだが
今期は大きくマイナスすることが多く、ポイントを伸ばすことが出来なかった。
来期の活躍を期待している選手の1人である。

杉村は、常に上位に付けているイメージを持つが、今期はコンスタントにマイナスを積み重ねてしまった。
こんな杉村を見るのは初めてかもしれない。

望月+16.3P 平野+32.3P 足立▲42.3P 杉村▲6.3P

5卓

鷲見隼人×岡本和也×都築友和×渡辺洋巳×中寿文

午後のプロアマリーグでは好調だった都築。
プロリーグでは力を発揮できなかったか?

中は、私が思うに今現在静岡支部内で一番モチベーションが高いのだが、結果がついてこなかった。
来期は頑張ってほしい。

鷲見▲32.1P 中+10.2P 渡辺+20.8P 都築+22.4P 岡本+22.5P

トータル上位4名が決勝の切符を掴んだ。
決勝進出者は以下の通り。

1位通過
中部本部 山本拓哉 +218.5P

2位通過
静岡支部 京平遥 +143.5P

3位通過
静岡支部 土屋幸弘 +139.9P

4位通過
静岡支部 平岡理恵 +134.9P

静岡プロリーグ決勝は1/18(水)。

今年も夏目坂スタジオにて、連盟チャンネル放送対局になります。
是非みなさまご視聴ください。