八局麻雀11<セブンネット限定特典:生写真セット付き>(DVD)7月3日予約発売開始!

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★V☆パラダイスで放送中、大人気麻雀バラエティ「八局麻雀」第11弾がDVD化決定!
親連荘なしの八局という画期的なルールにより対局がスピーディに展開。
実況席からもタレント・雀士によるコメントが入り、まるで有名人のプライベート麻雀を自宅で覗き見しているかのような、これまでの対局番組には無いバラエティ要素満載の新感覚麻雀番組!

予約発売日 2020年07月03日

特典つき セブンネット限定特典 生写真セット(高宮まり、東城りお、古谷知美、岡田紗佳 )

販売価格 : 5,800円 (税込:6,380円)

コピーライト ©V☆パラダイス

詳細はこちらをご覧ください。

2020年7月度道場ゲスト

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 2020年7月ゲスト ~道場部~

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第210回:第14回MONDO名人戦優勝特別インタビュー 沢崎 誠  インタビュアー:清原 継光

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MONDO名人戦は沢崎プロが優勝した。そのインタビューは世間の騒動から例年より少し遅れてなされた。

 

~決勝のテーマ~

 

清原「まずは優勝おめでとうございます。」

沢崎「ありがとう」

清原「今回、優勝ということで決勝戦を見させてもらったのですが、正直優勝しそうな雰囲気を感じませんでした。え?ここから優勝したの?ってのが映像を見たときの最初の感想でした。最後の最後、オーラスでの逆転劇、ご自分ではどう感じながら打ってたのですか?」

沢崎「特に何も。いつもどおりよ。あれぐらいあたりまえだよ。(笑)」

清原「1回戦は3着で終える。1回戦を終えてどう考えてらしたのですか?厳しいなぁとか苦しいなぁとか?」

沢崎「全然苦にしてなかった。半荘2回勝負の決勝は必ずどちらかをトップをとらなければならない。2着2着で優勝てのはまずありえないんだよ。必ずどっちかにトップが必要。
あとは1回戦トップのともたけとの着差だけを考えればいいから、3着で終えても自分の中では何も。1回戦はまだ途中経過だからね。」

清原「1回戦の結果はホントに気にしてなかったんですね。」

沢崎「4着だけはダメだよ。4着をとると全員の着差を考えなければならないから。それか大トップか。4着をとると条件が厳しくなる。4着を回避できたからあとはトップをとれば優勝だなと。」

清原「優勝のための条件計算がすでになされてたんですね。」

沢崎「あたりまえじゃない。それが決勝のテーマ。そんなことは決勝をやる前から分かってなくちゃダメなんだよ。」

清原「(決勝経験の豊富さが違うな。それだけ条件戦の場数をこなした量が違うのだろう。)
話は変わりますが、優勝のためにトップが必要でホントにトップをとるのはさすがですね。」

沢崎「予選から3着1着3着1着で予選をクリア。次を2着1着でクリア。トップ率50%で来てたからね。」

清原「それはすごいですね。しっかりトップをとって予選を通過してきてたんですね。」

沢崎「でもそれも最後の半荘のトップ条件をクリアしての通過なんだよ。ギリギリの通過。そしてそれが大事なんだよ。大トップで余裕の状態だと緩んじゃうから。どこか麻雀が弛緩してしまう。でも厳しい条件の中、それをクリアするってのは緊張状態の中でそれだけいい麻雀を打ててるということ。そういう方が決勝もそのままいい麻雀が打てることが多い。」

清原「(勝たなければならない半荘で勝ちきること。予選の厳しい条件をクリアしてきたことが決勝を勝ちきる自負につながってるのかな)。その予選があって決勝での自信になってるんですね。」

 

 

~逆襲の心構え~

 

清原「決勝の2回戦。ここから沢崎さんの逆襲がはじまるかと思ってたのですが、東2局に親の藤崎さんのヤミテンのホンイツに飛び込んでしまう。この9,600放銃は痛すぎます。」

沢崎「全然痛くないよ。」

清原「僕なら心が折れてます。どう考えてたんですか?」

沢崎「まずな、打ってる時にダメだと思った人間が優勝することはないから。」

清原「はい」

沢崎「点数がないからダメだと思うかもしれないけど、そんなことはない。アガリを目指す手が来たうえでの放銃なので、放銃ができてるということはそれだけの手が組めてるということなんだ。悪いという状況は理解してるけどツイてないのとは違う。」

清原「はい」

沢崎「ツキがないわけではない。なぜか、それはちゃんと戦えてるから。それは良いと解釈しなくちゃいけない。それを悪いと解釈したらどんどん悪くなってしまう。」

清原「ドツボにハマってしまうような感じですね。」

沢崎「ツイてないとは思わない。点数は厳しい状況にあるけど。」

清原「この放銃で藤崎さんは41,300点、沢崎さんは9,200点、点数だけ見ると厳しいです。どう思考したのですか?」

沢崎「この放銃で自分よりも他の2人(新津プロとともたけプロ)、特にともたけが痛がってるな、と。」

清原「1回戦トップのともたけさんは逆に藤崎さんに条件を突きつけられた形になりましたからね。(放銃した瞬間に対戦相手の心理をまず考えてるのか!)」

沢崎「それと藤崎と32,000点差あるわけだけど、これを32,100点アガれば勝てると思うと苦しむ。逃げる者と追う者、ゴール前で並んだらどちらが有利か分かるか?追いかけるほうが有利なんだよ。オーラス満貫ツモ圏内までいけば追いかけるこちらが有利だ。だからオーラスまでに22,000点アガれば勝てる。そう考えれば満貫ツモ2回で届く。もちろんラス親が新津であるということも大事だよ。ラス親が藤崎だと1局勝負になってしまうから。そこはもちろん確認した上で。」

清原「(究極のポジティブシンキング!)。オーラス満貫ツモ圏内なら勝ちというのもまたすごい自信です。」

沢崎「普段から練習をしてるからね。逆転手をつくる練習をしてないと大事な局面で逆転手をうまくつくれないから。」

清原「(圧倒的な練習量が自信につながってるのだろうなぁ)。そして見事に有言実行をする、と。」

そして放銃の次の局

七筒七筒八筒八筒九筒九筒東東中中  ポン白白白  ドラ七万

リーチしている新津から中を討ち取る。

東4局には

一万一万四万五万六万一索二索三索五索六索二筒三筒四筒  ドラ六索

リーチを打って一発ツモウラで跳満のツモアガリ。わずか3局で満貫ツモ圏内に復帰する。

沢崎「ラッキーだったね(笑)」

 

 

~負けを覚悟した瞬間~

 

沢崎「実は決勝では『負けた』と思った瞬間が2回あった。どこだか分かるか?」

清原「どこですか?一番苦しそうな時間帯は乗り越えたと思ってました。」

沢崎「オーラス(藤崎35,800点、沢崎35,300点。アガった方が優勝)。藤崎にチーと言われた瞬間。藤崎が中途半端な仕掛けをするはずがないから。あいつがチーと言った瞬間、最終形なんだよ。対してこちらはバラバラでテンパイも遠い。負けたと思ったよ。」

清原「とてもそうは見えませんでした。仕掛け返して戦ってるように見えました。」

沢崎「あれは悪あがきだね。形だけ仕掛け返したけど、バラバラで端牌だらけでいらない牌を切っても放銃しないし、いつ藤崎にツモと言われるかと思ってた。」

清原「そうだったんですか。。」

沢崎「それが終盤までもつれて親の新津からリーチが入ってハイテイで新津がツモって、それでこれで勝てるぞと思った。」

清原「そこは急に変わるんですね」

沢崎「負けたと思った。それがもう1局できることになった。これは自分に分があるぞ、と。負けたと思ったのに負けにならなかった。これは自分に運気がある。次は戦える。そして勝てる、と。」

清原「次の局で勝敗を決せると?」

沢崎「それが次の局も藤崎に先制リーチを打たれて、それが二度目の負けを覚悟した瞬間。」

清原「(笑)。勝てると思ってたのにまた先にテンパイを入れられた。。」

沢崎「あれ?おかしいな?違うかな?負けたかな?って」

清原「沢崎さんでもそう思う瞬間があるんですね。(笑)」

が、この局、沢崎は藤崎のリーチをかいくぐり

二万三万四万六万七万八万二索三索二筒三筒四筒五筒五筒  ドラ一筒

この手をテンパイすると、親の新津から四索を討ち取る。

清原「見事なタンピンサンショクでした。」

沢崎「1,000点も8,000点も変わらないけどな。藤崎のチーで負けたと思ったけど負けなかった。それが全部だな。あれは藤崎がアガリきらなければダメだよ。」

その言葉は、藤崎のほんの少しの選択の瑕疵で勝負の天秤の傾きが変わったような、そんな含みを感じさせる言葉だった。

 

 

~名人戦はおもしろい~

 

清原「今回、名人戦の決勝を見せてもらいました。すごくおもしろかったです。なんでこんなにおもしろいんでしょうね。」

沢崎「やっぱり質だろうな。変な打牌が少ない。周りの見つめる視線もきついし好き勝手に切ればいいわけじゃない。変わった打牌をするなら結果が必要ということ。あと変な放銃が少ない。ぶつかる前半の手組みが大事で、その上で勝負手どうしがぶつかる。それがいい対局をつくる。あとタイプは違うけど皆、個性的だな。」

清原「それは見ていてとても感じます。次は名人戦優勝者として王座戦ですね」

沢崎「俺は今、MONDO2冠なんだよ。3人麻雀と名人戦。次に王座を勝って3冠といきたいね。」

清原「名人戦のファンとして、ベテランの強さを是非見せてください。最後に抱負をお聞かせください。」

沢崎「ファンのため、見てる人に刺激を与えたい。アンチでもいい。アンチが見て刺激を受けてくれたら、こんなおもしろいことはないね。あと、勝ちにいくところを見せたい。トップが見えればできるだけトップを目指す。それが見てる人が喜ぶから。麻雀は世界で一番楽しいゲーム。打つ人も楽しく打ってほしいし、見てる人も楽しんでほしい。皆、刺激をもって見てほしい。高い手、可愛い女の子、こんなおじいちゃん、なんでもいいから。」

 

 

~エピローグ~

 

インタビューを終えて、宵もふけて酔いも進んだころ、Cリーガーも合流して、いろんな麻雀の質問をする。名人がそれらに答えてくれる。それはとても素晴らしい時間だ。
そんなベテランが若者たちに向けて語った言葉は酔いと共に忘れ去られるには惜しい。そんな言葉をとどめておきたい。

「プロなら貪欲に自分にないものを求めろ。ただ、昇級したい、勝ちたい、じゃない。自分にない技術がほしい。でも手に入れたい。それにはまず見ること。見方、考え方、自分と違うものを見て複合的な視野での見方を得ることが大事。」
「映像から学べるものはくさるほどある。決勝は見る価値がある。決勝は皆勝ちたいから。自分が成長できるチャンスはいっぱいある。いっぱい見ろ。負けられない試合を。」
「勉強することは自分のためでもあり、ファンのためでもある。自分にはファンがいないと思ってるかもしれないけど、自分が思ってる以上にファンがいる。」
「ファンのために勝ちたい、タイトルが欲しい、じゃない。目標はそこじゃない。勝つことが目標じゃなくて、戦うことが目標。ファンのためにやりたいことをやることが目標。」
「勝つだけではダメ。自分からいろいろな経験をしないと。負けることも大事。負けて悔しくてそういう経験から分かることもある。ずっと進歩するしかないし、それを追っていくしかない。下手なんだから。俺だって自分でそう思ってるんだから。プロは練習するしかない。」
「連盟はいろんなことを教えてくれる先輩がいる。俺も北海道元本部長の仲澤さんの言葉とか、はじめはわからなくていいから何年か経ってからで分かってきたりする。若いうちはガムシャラに勝ちに貪欲でいい。そのうちに分かってきたら後輩に伝えていければいい。でも結果出せないやつが物言える世界じゃないからな、まずは勝て。」

麻雀の文化の継承として次の世代につなげていこうと思える言葉だった。
その先にもっともっと麻雀がおもしろくなる世界が広がっている。
そんな景色を想像させる宵の淵。夜は更けていく・・・。

戦術の系譜8 西川 淳

たとえば。

あなたが麻雀をするとき。
あなたが望めば、いつでもアガることができるとしましょう。
あなたが望めば、いつでもトップをとることができるとしましょう。

果たして、そのような麻雀は、あなたにとって楽しいですか?
勝って嬉しいでしょうか。

連戦連勝。
プロならば、最高リーグで常勝。出るタイトルを獲りまくりです。
周囲からは称賛され、尊敬の目でみられることでしょう。

しかし、それで心は満たされるでしょうか。

私は、それだとツマラナイとしか感じません。
麻雀はアガれるかどうか「わからないからこそ」ワクワクする。
トップを取ることが「困難だからこそ」達成したら嬉しい。
努力の末に何かを成し遂げた時「自分で自分を褒めることができたときこそ」心の底から充足感を得られると考えています。

 

第2章

【①どの山をどのように登りたいのか】

 

前回の連載では、理論的な背景も踏まえて、アガリを登山にたとえて
・終盤にかけてアガリへの道のりは厳しくなる
・どのようなルートを選ぶか、などの技術や見識が大切
と、山を登りきるために重要な要素を主張しました。

今回は、その前提の上で敢えて提唱したいことがあります。
みなさんは、次のAとBのどちらの山を登りたいでしょうか。

A・険しくて高いけれど、山容が美しく、山頂からの眺めも絶景な山
B・誰でも容易に登ることができ、山頂からの眺めが凡庸な山

もし「Aのほうを登りたい!」と思われるようでしたら、是非一緒にそうしましょう。
「Bのほうが良い」という方は、それはなぜなのか振り返ってみてください。
価値観を押し付けるつもりは毛頭ありませんが、「それは本当に楽しいことなのか?」と見つめ直してもらえれば幸いです。

「そうはいっても現実問題、Bを目指すほうが効率的だし、アガれなかったら身も蓋もないじゃないか」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに麻雀はアガってなんぼ、です。他の人が先にアガったら何もないように見えます。

でも、思い出してください。
麻雀のアガリの成否は、途上が楽かどうかはあまり関係がなく、最後の瞬発力によって決することが多いのです。
どんなにキツそうに見えても、どんなに回り道をしても、最後の最後でしっかりと力を発揮できればアガリをとることができます。
険しい山だったとしても、ちゃんと登りきることができるのです。

下の牌姿は、第36期鳳凰位戦第10節の私の手です。

 

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すでにテンパイしています。
私は、ここから六筒を切りテンパイを崩して清一色に向かいました。
・牌の組み合わせ・つながりが良好で、伸びがある上、まだ序盤で十分アガリが見込めること。
・上家の捨て牌からマンズを仕掛けることも期待できること。
・得点状況に余裕があること。
など、いくつかの方針決定の要素はありました。

しかし、根幹となっている意思決定基準、思想は「どの山を登りたいか」です。
この手、最初のテンパイでアガっても何が残るのでしょうか。
険しくて登れるかどうかわからない、でもチャレンジしがいのある山のほうに登りたくはありませんか。
きっと頂上からの眺めはサイコーです!

メンツを崩すことを「強欲」だと感じる方もいるかもしれません。
でも、私にとっては、チンイツに向かうことが「自然」であり、アガリ逃しやノーテンを恐れ、最初のテンパイにこだわるほうがむしろ「強欲」だと感じます。

「何かを捨てたほうが、かえって大きなものを得ることがある。」
このことは実は麻雀の分野でも摂理に近い気がしています。

一日を終えたときに「どんな山を登ったのか」によって、満足度は違うでしょう。
大袈裟に言えば、人生を終えるときに「あんな山に登ったことがある」という思い出があるほうが、実りある一生だと考えています。

 

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【②急所を登りきる脚力】

 
取り組みがいのある山にチャレンジしているとき、最大の難所は前回も言及したとおり、やはり山頂の手前となります。
しかし、それこそが力の見せ所、面白いところと言えるのではないでしょうか。

誰も登れなさそうな崖を、人並外れた技術や腕力を持って踏破する人には憧れます。
誰も通らない獣道を勇気をもって分け入り目的地に到達する人には心を動かされます。

それらを成し遂げるには、やはり研究や分析の努力、練習が必須でしょう。
時には定説となっていることを疑い検証することも大切かもしれません。

・数多く放銃を経験している人の方が、「どういう時に放銃する」とか「どういう時に高い点である」と知っている。
・数多く鳴いている人の方が、「鳴いた後の変化の度合」や「守備力の向上」の技術を身に着けている。
・常識的な選択に「本当にそうか?」と掘り下げている人の方が、選択肢は多く視野は広い。

柔軟な思考で神羅万象に探求心を持ち
「こうすればこうなる」
と、より多く理解している人の方が麻雀は強いと私は考えています。

私は過去に下のようなトレーニングをしたことがあります。
①3巡以内に必ず振り込む。
②振り込む前に相手の点数を読む。
③決めた時間にちょうど半荘を終らせる。
④どんな手でも巡目でも、とにかくリーチする。
⑤ホンイツ七対子しか狙わない。
などなど。
もし麻雀や対戦相手を冒とくしているように感じた方がいたらごめんなさい。
しかし、このような取り組みを経て、それまで見えていなくて、わかってきたことが私には多々ありました。
よかったら⑤だけでも機会があったら試してみてください。
結構な確率で良い線までいくことが理解していただけると思います。
もしかしたら麻雀観が少し変わるかもしれません。
そういった積み重ねで「イメージや先入観」と「真理」との溝を徐々に埋めることができると私は考えています。

下は第34期十段戦ベスト16D卓3回戦からです。

 

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このテンパイから四索を切り八索単騎のリーチに踏み切りました。
「ピンフの役」とリャンメンという「待ちの枚数の多さ」を捨てたわけです。
結果すぐに出アガリできたのですが、この選択は多くの方に驚かれました。

このときは、下家のダンプ大橋プロが九索をポンしています。
他にも何点か判断材料がありましたが、ざっくり書くと
八索が使われていない(良さそう)
一索四索が使われている(あまり良くない)
という読みがありました。
ツモったときに満貫となる枚数が多い八索単騎のほうが優秀(またそのためにここまで温存していた)と考えたこともあり、
個人的にはごくごく普通の自然な選択で、奇をてらったつもりはありませんでした。
ただ、手拍子で打ち一索四索待ちにする人も多いかと思います。
正解はこうだ、といいたいわけではありません。
正解は私にはわかりませんし、裏目ももちろんあるでしょう。

主張したいことは、一打一打、麻雀の真理に沿ったものになるように絞り出すように真剣に考えることの重要性です。
先入観にとらわれることなく、惰性になることもなく取り組み、またその土台となる技術を日頃養う事の肝要さなのです。

それが、他の人があきらめるかもしれない山を登るための大事なトレーニングになると信じているのです。

 

 

【③相手との距離感】

 

もうひとつ大事なことがあります。
それは対戦相手との兼ね合いです。
対局者がいるのだから自分の都合だけで進めることはできません。
手合いのレベルが上がってくるとなおさらのことです。

自分がいくら自信の持てる手作りをしたり、待ちになったからといって必ずしも勝てるとは限りません。
相手がさらに上回る手作りや待ちをしている可能性が十分あるからです。

自分が3面待ちで、相手のカンチャン待ちに負けた時に、嘆く暇があったら何故負けたのか手がかりを探るべきです。
もしかしたら自分の3面待ちより遥かに優秀なカンチャン待ちかもしれません。
そういうときは未だ自分のアガリの基準が甘く、まだまだ努力不足で工夫する余地があるということなのでしょう。
それに気が付くことが、相手を知ることであり、自分の麻雀の幅を広げる成長のチャンスかもしれません。

 

 

【④絵を描く】

 

私は、配牌を手にしたときに、まず最終形のイメージを描き構想を練ります。
「こうなりそうだなあ」
「こうしたいなあ」
というイメージです。

それは「絵を描く」ことに似ているなと、常々感じています。
与えられた材料で真っ白なキャンバスに美しいアガリの絵を描くのです。
もちろん、完成に至る設計図は何パターンも用意するし、途中で新しいアイデアが湧くこともあります。
しかし、最初に抱いたビジョンが鮮明であるほど実現する可能性は高く、構想に寄り添えるほど達成率は高いと感じています。

絵を描くことは右脳を使う。計算は左脳を使う。
と言われます。
右脳が主導権を握り、左脳がしっかり基本をサポートする。
双方が合致して調和しているとき、そうそう悪い結果になることはないと信じています。

 

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「あの山に登りたい」
「こんな絵を描きたい」

その思いを基に、集中力と技術を結集させて歩を進めれば、道に迷うことはないし、うまくいかず退却するときも潔く諦めることができます。
そして何より、相手と全面対決になったときに動じないし、結果がどうなろうと後悔がないのです。
「この手だったら心中できる」という覚悟があるからです。

それでも負けたら…
相手が上回ったのだから仕方がなくありませんか?
それだけ素晴らしい対戦相手に恵まれたことに感謝すべきで、また努力して上を目指せば良いだけだと私は考えています。

「麻雀讃」で有名な昭和の文豪、菊池 寛は、「麻雀春秋」の中で以下のような言葉を残しています。

麻雀の世界は、生活を離れた一つの楽園である。
そこではどんな空想も描くことができるし、どんな計画でもたてることができる。
他と競いながらも、自分は自分で創造の快感に酔うことができる。

私はこの表現に深く共感をもつ人間です。
「プロならば結果が全て。勝たないといけない。」という考えがあることは承知しており、そう考えない私は悩んだ時期がありました。
しかし、現在はこの文脈の上で「麻雀は描いてこそ。挑戦を楽しんでこそ。」と表現していきたいと決意しています。

次回で最終回です。

【第18期プロクイーン】

開催概要はこちら

【日本プロ麻雀連盟巣鴨本部道場】

お客様各位

平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申しあげます。

日本プロ麻雀連盟は、「東京アラート」の解除による休業要請の「ステップ3」への移行に伴い、日本プロ麻雀連盟巣鴨本部道場の営業を6月15日(月)より再開しております。
お客さまに安心・安全に麻雀をお楽しみいただけるよう「新しい生活様式」を取り入れた営業を行います。皆様にはご協力を賜りますようお願い致します。

※尚、感染拡大予防の観点よりご来場される際にはマスクのご着用、受付時に検温、手指の消毒にご協力頂きますようお願い致します。

※ま営業時間は従来通り10時から23時半となります。

◆麻雀教室 10:00〜12:00
◆健康麻雀 10:00〜16:30
◆競技麻雀 16:30受付開始、17:00〜23:00

麻雀教室講師・道場部ゲスト参戦予定表【本部道場】ページの【ゲスト】ボタンからご確認頂けます。

日本プロ麻雀連盟巣鴨本部道場
03-5980-9116

何を切る? 2020年6月

第1回クイーンズリーグ 4回戦 南2局 東家 高宮まりプロ

 

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

■プロ解答

二筒切り

 

 

 

 

四万切り

 

 

 

■実況・解説陣

 

 

佐々木寿人「四万!345の変化もある。」
山井弘「ぼくは二筒ですね。」
内藤正樹「ぼくも二筒かな。」
山井弘「七筒切りは2シャンテン戻しですからね。素直に1シャンテンに受けるとカン六筒のテンパイになっているところですが、高宮プロには何か見えているんじゃないですか?我々の想像を超えるアガリがきっとあるんですよ。」

 

■プロの視点
高宮まりプロ「リャンメン待ちリーチで攻めたかったので、良形変化を狙って2シャンテン戻しとしました。ダイレクトの六筒引きは痛いですが、345三色は残りますし、ドラ九万という中での宮内プロ・和久津プロの捨牌から、マンズ・ソーズの中程の牌は悪くなさそうなのでフォローはできるかなと考えました。本線はリーチなのですが、この後トップ目の和久津プロから仕掛けが入り、さらに二万が不安になってきた段階で仕掛けも視野に入れていました。」

 

■終局図

 

 

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第209回:プロ雀士インタビュー 本田 朋広  インタビュアー:木原 翼

本田プロに初めて会ったのは、2017年10月の王位戦北陸予選。
その王位戦予選で同卓したかもしれないとお互い薄い記憶があるくらいで、次に会うときは新しい年になっており私はプロになっていた。

まだ2年程の付き合いである。
その後はセットをやってもらったり、たまに連絡を取りあって麻雀やスポーツの話をする感じで良くしてもらっていた。

私は去年関東に引っ越していたので、今回のグランプリ期間中には頻繁に連絡を取って、試合後、富山に帰れないときはご飯に連れてってもらったりした。
大変お世話になっており優しくて穏やかな人である。
すき焼きが続いたのできっと好物なんだと思う。

 

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長くなりましたが、編集部の観戦記にもありましたように、今回本田プロの優勝インタビューをさせて頂きますのは、北陸支部所属34期生の木原翼です。
初めてのインタビューで至らない点が多々あると思いますが、最後までよろしくお願い致します。

〈本田プロのプロフィール〉
1983年10月3日生まれ A型
富山県出身 独身(募集中と言ってました)
28期後期入会(8年目) 鳳凰戦C2リーグ
第2期北陸プロリーグ優勝
第20期北陸プロアマリーグ優勝
大学卒業後、自分の雀荘を持つために勉強として雀荘に就職。
25才で現在のお店をオープンし28才でプロになる。
趣味は映画鑑賞(主にサスペンス系)

決勝戦のその日にも会ったが、3月末に改めて約束しインタビューさせてもらった。

木原「改めて優勝おめでとうございます!」

本田「ありがとう。」

木原「1人だけ飲んですいません笑」

本田はお酒が飲めない訳ではないが控えているそう。

 

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木原「まずはグランプリ振り返ってどうでした?」

本田「普段中々打てない強い人とたくさん打てて楽しかったよ。その中でも同期の柴田くんは意識したよね。タイトルもいくつか獲ってる出世頭だし負けなくないって凄く思った。」

木原「あとはやっぱり大三元ですかね。」

本田「ね。2回目は逆にやめてくれと思ったよ笑 テンパイしてからはポイント差もあったから色々考えてて頭こんがらがってた笑」

本田はグランプリMAXの予選で2回大三元をアガっている。
どちらも白で出アガリ、2回目に関してはメンゼンでツモれば四暗刻も付くダブル役満の形だった。
この局はYouTubeの日本プロ麻雀連盟チャンネルにアップされているので是非ご覧下さい。

 

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木原「決勝の面子が決まったときはどうでした?」

本田「キツいよね。道中もみんな何でも出来るけど、決勝が特に全員穴が無いなと思ったよ。」

木原「決勝戦の前にシミュレーションとかしてました?例えば劣勢だったら初日はここまでに抑えようとか。」

本田「そういうのは一切なかったよ、守るのはやめようって。事前に色々考えて上手く打とうと思ってもボロが出るだけやし、マイナスしたときはそのとき考えようって思ってた。」

木原「1回戦が大きなトップから始まり、結果的には初日を2番手と80P以上の差で終えたんですけど、どの辺りから今日は行けそうだなって思いました?」

本田「2回戦南4局1本場かな。オーラストップ目で迎えたけどラス親の直さんがアガって2着になった局。そのまま浮きで終わろうと仕掛けたんだけど、運よくドラが重なってアガれて再逆転したときは行けそうだなって思った。ツイてただけだろうけどね笑」

 

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一万二万三万五索六索一筒一筒七筒八筒九筒  ポン白白白  ツモ四索  ドラ一筒

白ドラ2で1,000・2,000は1,100・2,100のツモアガリで再逆転

・初日終了時点でのポイント
本田+82.6 吉田+0.6 内川▲30.5 山田▲52.7

木原「最終日迎えるまでの心境はどうでした?」

本田「毎日そのこと考えてたよ。結局最終日までにどうしたらいいか考え切れんかったし。ポイント的にはかなり余裕があるけど、今まで色んな決勝見てきてすんなり終わったのは無いからさ。
それで5回戦東1局1本場にヒロさんの見逃しを見て、試練はこんなにすぐやってくるものかと。
頭真っ白になったよね笑」

 

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木原「最終日は苦しい展開が続いてましたが、勝てると思ったのはどこですか?」

本田「7回戦でホンイツアガって浮きで終わったときやね。」

 

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本田「あとは1つずつ消化していけば大丈夫かなと思ったけど全然ダメだった。勝てるって思ったのもダメやっただろうね。特にラス前は極限状態やった。リーチに対してオリる牌選び間違えたりしたし、特に南3局3本場のヒロさんの6,000オールはヤバいって思った。こっちから見たら、開いた瞬間四暗刻に見えてドキドキしたし笑」

木原「最後はしっかり押して決めましたけど、道中鳴く選択肢はあったんですか?タンヤオや一気通貫の片アガリなどありましたけど」

本田「役が確定する鳴きはしたと思うけど、片アガリになる鳴きはするつもりはなかったね。最近はああいうの鳴く人も多いのかもしれんけど。」

実際に山田から出た七筒はチーせず一索を引き入れ打八筒六索を引き入れテンパイし打六筒と勝負して見事にアガリを決めた。

 

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二万三万五万五万一索二索三索四索五索六索六索七索八索  ロン四万  ドラ三万

ピンフドラ1で2,000は3,200の出アガリでオーラスへ

木原「最後の1局はどうでしたか?」

本田「条件がみんな一緒やったし最後は楽やったよ。」

そのまま山田、内川の2人テンパイで最終8回戦が終わり本田の優勝が決まった。
今大会通して本田は押すところでしっかり押してアガリ切っていた印象がとても強かった。
最後の牌が来るかどうかは紙一重ではあるが、その姿勢に牌も答えてくれてたのではないかなと思う。

木原「今後の目標はなんですか?」

本田「もう1回勝つことやね。色んなシードやチャンスももらえるし。勝つまではそこまで勝ちにこだわってなかった感じがあるけど、1回勝ったら周りからそういう目線も入ってくるし、マグレとは思われたくないから早く名前を残したりもう1つタイトルが欲しいよね。」

木原「プライベートだと?」

本田「お店出せたらいいなとは思ってるよ。」

木原「試合以外のことで聞きたいのは、ゲン担ぎやルーティンってあります?例えば赤のネクタイがかなり多かったんですけど」

 

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本田「北陸プロリーグで優勝したときのネクタイだから多めにしてた。あと、他のネクタイが不評だったのもある笑」

木原「他にはあります?」

本田「北陸プロリーグの日に、試合前にみんなでサイゼリア行ったんやけど、そのときミラノ風ドリアと小エビのカクテルサラダを食べて優勝したから、そのあとのグランプリの日も試合前に行って同じの食べてたよ。」

木原「これからも食べるんですか?」

本田「別に食べないかな。あとは試合時間に合わせて寝る時間変えたりとか、ちょっと良い栄養ドリンク買って途中で飲むとかはあるね。」

木原「なるほど。他に何か聞きたいことあるかな~。」

本田「なんか甘いもの食べようよ。ここなんかある?」

木原「ここはアイスくらいしかないんで喫茶店行って食べて解散しましょうか。」

こうしてインタビューは終わった。
本年度、マスターズは北海道本部の真光プロ、王位は中部本部の森下プロ、そしてグランプリMAXは北陸支部の本田プロ。
地方所属プロがタイトル戦で結果を残し、それぞれの所属する各本部支部に刺激や希望を与えただろう。

地方から東京へ来るには色々な面で負担も大きい。
本田も北陸プロリーグからグランプリMAXの決勝までの約2ヶ月で8回も富山から通っている。
地方からでも各本部支部やプロ個人から様々な方法で発信や活動をしているので是非応援して頂けたらと思います。

長くなりましたが最後までご覧頂きありがとうございました。
本田プロおめでとうございます!

 

100

 

ロールケーキを目の前にして楽しそう。

【第2期小島武夫杯帝王戦及び第46期王位戦開催中止のお知らせ】

今年度の小島武夫杯帝王戦並びに王位戦は、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を鑑み、誠に勝手ながら開催を中止させていただくこととなりました。
ご参加をご検討いただいていた皆様にはご迷惑をおかけすることとなり大変申し訳ございません。
何とぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

第37期プロリーグ



第37期プロリーグ

B1・B2 C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

A1リーグ 第1節
A2リーグ 第1節

Aリーグ、B1リーグの対局は連盟チャンネルにて生放送致します。
基本的に月曜日の17時からA1対局の配信、火曜日の17時からA2対局の配信となります。

日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコ生はこちら
FRESH!はこちら

戦術の系譜7 西川 淳

はじめに。
深淵なる麻雀の世界のことを私はまだまだよくわかっておりません。偽らざる本心です。
正解が果たして何なのか、真理は何か。今でも探求するつもりで麻雀と向き合っています。

とはいえ、今年鳳凰位決定戦を戦った立場。
何かをお伝えすることができるかもしれません。
ここに至るまで、私が考え、整理してきたことを私なりの言葉でお伝えしていきたいと思います。
平易な内容にしたいと考える一方で抽象的なことも多く書くつもりですが、たまには毛色の違うものを試すつもりで読んでいただければ幸いです。

 

第1章

【① あの山を登りきるには】

 

麻雀はアガリへの道標として「シャンテン数」という概念がよく利用されます。

あと1枚有効な牌が来るとテンパイする状態を1シャンテン
あと2枚有効な牌が来るとテンパイする状態を2シャンテン
あと3枚有効な牌が来るとテンパイする状態を3シャンテン
と、最大で6シャンテンまであります。

3シャンテン2シャンテン1シャンテンテンパイアガリとシャンテン数を上げてアガリに近づいていきます。

しかしその道のりは均一ではありません。
[3シャンテン⇒2シャンテン]の道のりと[2シャンテン⇒1シャンテン]の道のりは険しさが違います。

例をみて確認してみましょう。

下の図は[3シャンテン]の牌姿です。

二万二万五万五万六万一索三索六索八索三筒五筒西北

シャンテン数を上げる「有効な牌」の種類は二万四万五万七万二索七索四筒7種類で24枚あります。

そこに有効な牌の四万を持ってきたとしましょう。
シャンテン数は上がり(アガリ形に一歩近づき)[2シャンテン]となります。

二万二万四万五万五万六万一索三索六索八索三筒五筒西

シャンテン数を上げる「有効な牌」の種類は二索七索四筒3種類で12枚になりました。

有効牌が半減している=シャンテン数を上げにくくなっているのですね。

つまり[3シャンテン⇒2シャンテン]より[2シャンテン⇒1シャンテン]のほうが困難な道のり、ということです。
[1シャンテン⇒テンパイ]は更に更に険しく、累進的に道のりはキツくなっていきます。
※もちろんこれはひとつの例であり、牌の組み合わせによってその度合いは変化しますし、細かい条件の話は多々あります。

ただ原則として、シャンテン数が上がる(アガリ形に近づく)と、道のりはより険しくなるということは間違いないと考えられます。

このアガリまでの道程の構図は、あたかも登山のようだな、と私は常々感じています。
頂に近づくほど、傾斜が厳しくなり、山頂付近が「胸突き八丁=物事を成し遂げる過程で一番苦しい正念場」。
全ての行程の中で最も苦しく難しい局面となります。

「そんなことはわかりきっている。常識として知っているよ。」と思われた方もいるかもしれません。
確かに、単純なことで、初心者教室で教わる内容と大差ありません。そしておそらく真理にかなり近いことだとおもわれます。

しかし、私たちは本当にこの真理に沿った打牌、選択を常にしているのでしょうか?
登りたい山の頂をしっかりと踏みしめるために適切なアプローチをしているのでしょうか。

ベテランの方こそ、もう一度振り返っていただきたいことなのです。
この連載の中で常に根幹となる要素ですので最重要事項としてはじめに記しました。

 

 

【② 麻雀はBINGOゲームだ】

 

アガリが近くなるほど、道のりは険しくなる。
このことは、往々にして初心者にとっては不思議に感じる現象を起こします。

・抜群の好配牌をもらい早々に1シャンテンになった人が最後までテンパイできない。
・一番乗りでテンパイした人が、配牌がボロボロだった人に先にアガられる。

実際の牌姿をみて、検討しましょう。
(A、 B共に配牌)

A:四万四万六万八万三索四索五索六索七索八索五筒六筒八筒

B:二万二万六万一索四索七索三筒七筒東西北白発

Aは配牌にして1シャンテン。
Bの配牌は5シャンテンです。

誰が見てもAのほうが好配牌です。
アガリやすいのも、もちろんAのほうです。
ところが、少なくない確率でBのほうが先にアガることがあります。
経験豊富な人は、それをカラダで理解しているため、Aの配牌でもアガれるかどうかは微妙だと感じるし、Bの配牌でも決してあきらめたりはしません。

それはなぜなのでしょうか?

[1シャンテン⇒テンパイ][テンパイ⇒アガリ]は道のりが険しくなかなか進めないことがあるため、その間に逆転されることがあるからです。

逆に言えば、[5シャンテン⇒2シャンテン]くらいまでは、すいすい進むことが多いのです。ほとんどの牌が有効牌、となりますからね。

この現象は、麻雀を知らない人に伝えるとき、BINGOゲームに喩えるとわかりやすいことがあります。
BINGOは、パーティーのイベントなどでよく楽しまれるポピュラーなゲームです。
主に「5×5マス」のカードに抽選した番号のマスを空けていき、一列に揃ったら「BINGO」となり景品がもらえる、といった仕組みです。
あと1マス空いたら「BINGO」の人は「リーチ!」と手をあげ、参加者の前に進み出て注目されますが、その人が無事景品をゲットすることは思いのほか少ないですよね?
麻雀と同じで、最後の1マスを埋めることこそが、一番確率が低くて困難だからです。

 

100

 

時々、こんな愚痴を聞くことがないでしょうか。

「配牌からこんな形の1シャンテンだったんだけど、最後までテンパイさえしないんだ!ありえないよ!」

三万四万五万六万七万三索四索五索二筒二筒四筒五筒五筒

たしかにツモ運はかなり悪かったと思いますが、確率的にそれほど珍しいことではなく2%弱くらいの割合でおこることなのです。
※少々乱暴な計算方法で実際の数値と少し違いますが計算してみましょう。
有効牌が7種類で、麻雀牌の種類が34種類ですから、有効な牌を1巡の間に引ける確率はざっくり34分の7しかありません。
流局までの18巡で有効牌を引けないことは、
(27/34)^18≒0.016=1.6%、となります。
これは「稀にみかける」程度の運の悪さ、です。
有効牌を10巡の間ひけないのは10%くらいあり、5巡の間ひけないことにいたっては3割程度もあります。
それ程に「テンパイすること」は難しく、有難いことなんですよね。

それなのに、上の牌姿で、12巡目に五万をチーすることを「もったいなすぎて論外だ」と糾弾するかたもいます。
上記の真理から鑑みれば、これらの考えや発言は、麻雀の本質から離れたものではないか、と私はみています。

 

 

【③ 山登りのコツ】

 

それでは、麻雀は、山頂に登るための険しい「胸突き八丁」を、「運よく」登れた人が勝つ単なる運ゲームなのか?というと私は違うと考えています。
なぜなら、険しい坂道を登るためのコツや技術が、登頂の成否に大きく影響すると考えているからです。

みなさんが、シャンテン数を上げるために、「達成確率を上げる魔法をどこかで1回だけ使って良い」と言われたら、何シャンテンのときに使用するでしょうか?
やはり、5シャンテンの時には使わず、一番達成が困難な1シャンテンやテンパイの時こそ使いますよね?
BINGOゲームなら、最後の1マスを空けるときにこそ、確率を上げる魔法を使うべきです。

ところが、麻雀では、魔法を使わなくても、技術や視野の広さでそれを成し得るのです。

具体的にはどういうことか。
幾つか例を挙げましょう。

例えば、
・テンパイしたときに待ちがリャンメン以上など良い待ちにする技術。
ペンチャン待ちに比べれば、最後の急坂を登りきる確率は格段にあがります。

例えば、
・テンパイしたときに、他から出てきやすい色の待ちにする読みの技術
・ヤミテンにしたらアガリやすいと判断できる技術
などなど。

これらは、登山ならば、山頂手前の崖に、道具を用意して登りきることに似ています。
それらは、経験や技術によって、事前に準備することができるのです。
逆に言えば、テンパイ時に慌てて用意できるものではありません。
事前に、3シャンテンや2シャンテンのときから先を見据えて備えておく必要があるのです。

また、コースが2つあったとしたら、どちらが登りやすいか見抜く眼力があるとも言えます。
つまり、南斜面と北斜面でどちらが登りやすいかを麓から千里眼で見抜き、地図を読み取り、計画的に踏破する力があるということです。

下の図の2つの山は、どちらが登りやすいと思いますか?
Bのほうが距離は長いし標高も高いのに、登れそうな気がしませんか?

 

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登山の達人は、ペース配分を間違えません。
最初からハイペースで飛ばして、最後の苦しいところでパワーが残っていない、といった失態はさらしません。
少し回り道をしても、結果的に登頂をしやすいルートを着実に選び取ります。

登山の目的を登頂とするならば、麻雀の目的は「1シャンテン」や「テンパイ」ではなく、「アガリ」でしょう。

・3シャンテンの時に、ポンやチーをしてテンパイまでを急ぐあまり、実はアガリから遠ざかってはいないでしょうか?
・手狭な手組にしたり安全牌を抱え込み過ぎて、アガリが遠くなってはいないでしょうか?

この機会にご自身のフォームで思い当たるフシがないか見直してみませんか?

 

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最後に私の実践譜(鳳凰位戦A1リーグ第6節)からです。
これはプロ連盟の何切る問題にも取り上げられました。

実践譜(鳳凰位戦A1リーグ第6節)

現在1シャンテンですが、ここで六万を切って2シャンテンに戻しました。
「そのほうが最後の『胸突き八丁』を登りやすいから!」と判断したからです。
1シャンテンを維持する七索切は、「テンパイまで」と「アガリまで」の坂がキツすぎると考えます。
時にはゆったりとあせらずに構えることが、実は近道となり有効であると考えています。

 

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今回お伝えしたかったことは、2点です。
麻雀は、シャンテン数が上がるほど、その先に進むのが難しくなる。1シャンテンやテンパイが最大の急所で力の使いどころ!
そして、その急所を乗り越えるためのコツは、実は序盤~中盤にあり、そこでの工夫や読みがものをいう!
これは、シンプルな話ですが、初心者~上級者まで本質的に重要なことで、常に合致しているかチェックしておきたいことだと思います。

次回は、このことを踏まえて、しかし全く違う方向性のことを書くつもりです。

「~入院~」 藤崎 智

2018年7月、麻雀界ではMリーグ発足の話題で盛り上がっており、ドラフト会議を直前に控えていた。
そんなとき連盟チャンネルで1つのニュースが流れる。「藤崎長期入院!」。

このときの自分の状況は、とりあえず現状命にかかわる状態ではないのだが、このまま放置するのは危険で、しっかりと治療してしまえば完治もするし再発の心配もほぼないということだった。
ただし入院の期間は2ヶ月から半年くらいかかるとのこと。とにかくいつ退院できるのか全く見当がつかっなかったが、治療を始めてみると思いのほか経過は良好で、もしかしたら1ヶ月くらいでの退院もありえるといったかんじだったため、ある程度退院のめどがたってからファンの皆さんに現状報告しようと思い、丸々1ヶ月何の情報も発信しなかった。

11人での変則開催となったA1リーグの生配信を病院のベッドで見て、コメントで藤崎重症説が飛び交っていたのもわかっていたのだが、「ご心配をおかけしてすいません。もうすぐ情報発信できると思いますのでもう少しお待ち下さい。」と思っていた。

約1ヶ月後にTwitterで現状報告したときのファンの皆さんの温かい反応は、おそらく一生忘れないと思うし、「麻雀プロ藤崎智」の一生の財産になった。
そして、何度もお見舞いに足を運んでくれた沢崎プロをはじめ多くの先輩方、毎日のようにLINEで連絡をくれた瀬戸熊プロをはじめ多くの仲間達に、そしてシーズン中のために多大な迷惑をかけてしまったにもかかわらず、誰1人として僅かな愚痴さえもこぼれなかったらしいA1の面々と運営・スタジオ関係の方々にあらためて感謝したい。「自分は恵まれている。人にも環境にも。」これがこの入院で強く思ったことである。

さて、ここまではカッコよく自分を着飾ってみたが、自分も基本ただのおっさんである。聖人君子でもなければ滝に打たれて精神修行をした経験もない。自分勝手ではあるが心配事もたくさんあった。

まずはリーグ戦の事。過去Aリーグでは前例が無い事なので、会長を含めた競技部で随分話合ってくれたらしい。いつ退院できるかわからないため入院の長さによって色々なケースの決定がなされたのだが、自分にとっては全てのケースにおいて恵まれた決定になっていた。結果的には50日の入院で2節欠場。欠場1節につき▲30ポイントで2節で▲60ポイント。正直1節でも欠場した時点で失格も覚悟していたし、もし2節欠場で戻っても、1節につき▲50ポイントが妥当かなと今でも思う。この優しい決定に対してA1の11人が誰も反対しなかったとも聞いた。本当に恵まれていると思う。

次に十段戦。このとき自分は十段位だった。しかし入院した時点で欠場は覚悟していた。そして決定戦の開幕には間に合わなかった。十段位決定戦は5人打ちである。従って1人欠場となっても4人打ちで開催可能な試合である。にも関わらず決定戦まで勝ち上がった4人全員で開幕を延期しても5人での開幕を希望してくれたらしい。マジか、、、。ここでもやはり恵まれていた。

最後にMリーグにも少し触れておく。今となっては実際ドラフトで指名されていたかどうかはわからない。しかし指名候補に名前を挙げていてくれていたチームがあったようである。入院直後は正直へこんだ。本当にツイてないとも思った。しかし開幕してからのMリーグの盛り上がりを見ていて思ったのだが、もし指名されてから入院してしまったら、もっとひどいのが、もし指名されていて開幕してから入院していたら、、、。
麻雀界にどれほど迷惑をかけていたかわからない。よくよく考えたらやはり恵まれている。そして翌年も参加させてもらっている。もう我ながらツキの塊である。

リーグ戦の話に戻す。数字だけみれば欠場のペナルティの▲60ポイントでも残り4節、残留は難しくない状況だった。しかし2ヶ月近く麻雀から離れてしまって感覚が全く戻らなかった。ここから負け続ける。
やはり感覚が戻らない状態でまともにポイントキープできるリーグではなかった。

最終節も最終戦の南4局まで近藤プロと熾烈な残留争いを繰り広げる。
最終節は降級を覚悟する局面が何度もあった。たまたま残留することはできたのだが、このまま入院前のような麻雀は二度と打てないかもしれない。そんな予感も漂っていた。

明けて2019年4月。不安を抱えたまま36期開幕。決して降級したら引退というわけではないのだが、自分の中では背水の陣に近い覚悟があった。
5節まではとにかく苦しかった。自分の中では決して悪くない感覚でも数字はマイナス。それまでは1節単位でいえば自分の調子をみてある程度ポイントは予想できた。

悪くない感覚で打っているときには、だいたいはプラスのポイントでまとめられていた。ところがマイナスが続く。とにかく数字以上に苦しんでいた。
とにかく勝てる気がしないのだが、「今期A1で打てているだけでラッキー」というポジティブな気持ちだけは持ち続けていた。

ということで今回はここまで。次回復活します。

第10期麻雀グランプリMAX決勝観戦記 最終日

残り半荘4回。最終日の解説はKADOKAWAサクラナイツ所属の沢崎誠とA2リーグ所属で昨年度WRCを獲得した藤島健二郎だ。
4半荘を終えて、ここまでのポイントは、

本田+82.6P 吉田+0.6P 内川▲30.5P 山田▲52.7P

藤島が言うように、日本プロ麻雀連盟の公式ルールにおいて、残り4回戦で80ポイントというのは大差といって良い。
そして、初のG1タイトルが目前の本田に対するアドバイスとして、2着との差が80ポイントあるということは考えず100、120と自身のポイントを伸ばしていくことを考えるべきだと沢崎は語る。

 

5回戦
起家から(内川→吉田→山田→本田)
東1局ドラ四筒
東家内川が8巡目にリーチ。

南一索 上向き二万 上向き九索 上向き七索 上向き北
西四索 左向き

追いかける3者に関しては、無理に親番のリーチには立ち向かう必要はない。安手でアガることは、首位の本田を喜ばせる結果に繋がることが多く、勝負に出るときは良形の手が入っているときである。
この局は本田が選択を迫られる前に、元々テンパイしていた山田が放銃となったが、首位を走る本田の思考はどうだったのだろう。
リーチを受け、本田の手牌はこちら。

七万八万九万九万三索四索五索六索七索七索八索九索四筒

内川のリーチは九索七索の手出しがある分、若干ではあるが捨て牌に怖さがある。
初日は相手が親でも、本人が勝負所と感じた局ではきつい牌でも切り飛ばし、アガリをものにしていたイメージがあるが…

解説の沢崎はドラ四筒を重ねたときは追いかけリーチ。それ以外を引いた場合は引き気味に構えるのが良い。と話していた。
このリードなら、打点を求めるよりも局を消化していくべく、ヤミテンに構えてツモ六索など危険牌と安全牌を入れ替えることができるメリットを優先する打ち手が大半である中、印象的な解説であった。

続く東2局は、またしても東家の内川が先制リーチ。

三万四万五万七万八万九万二索三索四索六索五筒五筒五筒  ドラ六索

9巡目のリーチでやむを得ずドラ単騎。当然のように一人旅となったが、流局間際七対子のテンパイを組んでいた山田が1牌勝負。そして、内川の最終ツモで1,600をアガらず。
この点数状況だけを考えれば当然とも言える見逃しではあるが、本田にとっては残り4半荘がとてつもなく長く感じ、80ポイントのリードが心細く思えてくる出来事ではないだろうか。

しかし、この見逃しに関して沢崎は「この親の連荘中にアガリを拒否するのはどうか?」と、苦言を呈す。
解釈は人それぞれではあるが、現代の麻雀感にバシバシと物申す解説は逆に新鮮だ。連盟チャンネル以外からきた視聴者の中にはアレルギー反応が出る人もいそうだが…

東2局はピンフテンパイが入っていた山田から出たドラ四筒を本田がポンして8,000のアガリ。

二万二万七索八索九索六筒八筒東東東  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ロン七筒

その直後、東3局は内川が難しい手をまとめてピンフドラ2をリーチ。

五万五万七万八万九万五索六索六索七索七索八索七筒八筒  ドラ五万

内川はこの半荘4度目となるリーチ攻勢だ。ようやくリャンメンテンパイが入ったが、捨て牌はかなり濃く、好形が読み取れるような捨て牌が並んでしまっている。
12巡目にピンフテンパイが入った本田がこれに放銃。7,700点。
本田テンパイ形

六万七万八万二索三索六索七索二筒二筒五筒六筒六筒七筒  ツモ八索

トータルで110ポイント以上リードしている内川相手ということもあり、自身で押し切ることを選択した本田だが、結果は先ほどの収入をそのまま吐き出してしまう格好になってしまった。
解説の沢崎は「この放銃は悪くない、逃げて放銃しているわけではないから」と話したが、日本プロ麻雀連盟のタイトル戦を勝ち切ったことがある中で約7割くらいが今回の本田のような選択をしているように思える。
しかし、今回は内川の捨て牌にいくらか迫力があった。これまでに内川が繰り出してきたリーチは、親番というのが大きな理由ではあるが所謂「手なり」のリーチで待ちの良し悪しも、打点も検討がつかないものばかりであった。しかし、先ほど書いたように今回のリーチはリャンメンターツ落としを含んでおり、おそらく待ちが良いか高い、もしくはその両方の可能性が高い捨て牌であった。
それ踏まえても、今回の放銃は良いとする強者が多いのだから麻雀は奥が深い。

南1局
6巡目に吉田がタンヤオのポンテンをとって打八筒

六万七万八万三索三索三索四筒四筒六筒六筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ドラ一万

山田が9巡目にリーチをかける。
山田捨て牌

五万 上向き五筒 上向き三筒 上向き白八索 上向き二万 上向き
三万 上向き発

変則的な捨て牌に対し、吉田は1枚切れの北を掴んで迂回。打点力、待ちの良さ共に満足がいかないため、当然のオリか。
すると12巡目に親の内川が追いついてリーチ。

 

100

 

安全牌に窮している様子が見られる吉田から四筒が打ち出され、こちらもすでにオリを選択している本田の手番。

 

100

 

たった今吉田が通した四筒に目を落とす本田。変則的な捨て牌である分、山田はドラ1枚以下。リーチに対してオリを選択して安全牌に窮している様子の吉田はタンヤオ。すると、ドラは親の内川か?内川がペン七筒を選択する理由があるだろうか?

そんなことを考えながら本田が手をかけたのは七筒だった。

これはさすがに揺れたか?
次局も内川が先制リーチ。

二万二万三万三万三万五万七万九万六索八索七筒八筒九筒  ツモ七索  ドラ三索

いったい何度目のリーチであろうか。
今回のリーチは捨て牌にこれといった特徴はないが、それが逆に不気味さを醸し出している。おそらく本田にとってはそうであったに違いない。
満貫クラスを決めにいくべく、手変わりを待つ手段もあるが、内川はさらにプレッシャーをかけていく方を選択。この辺の駆け引きは経験値の高い3者に分があるのは当然のことだ。
この局も内川が2,000をアガリ、吉田と共に本田との距離をぐっと縮める。

 

100

 

100

 

南1局2本場
前巡打七万とし、567三色よりもアガリやすさ、柔軟さを優先する選択をした内川の手が止まる。

東家7巡目

四万五万四索四索五索五索六索七索二筒三筒四筒六筒七筒  ツモ七索  ドラ北

西家の山田がマンズ以外を連打しているため、マンズを打つ人も多いだろう。
「手順マエストロ」の異名を持つ内川の選択は打六筒
裏目となるツモ五筒で345三色が狙える。ここまでは主導権を取って本田に楽をさせまいとスピードを重視する選択が多かった内川が一気に決め手を放ちにきた。
六索を引き入れリーチをかけるも、山田が仕掛けて1,000は1,600のアガリとなった。

一万二万三万七万八万九万八筒九筒東東  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ロン七筒

山田は南場の親で

一筒二筒二筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒九筒  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ツモ四筒

四万五万六万一索一索四索五索六索三筒四筒八筒八筒八筒  リーチ  ツモ五筒

この6,000オール、2,000をアガるなどして、一気に息を吹き返す。

 

100

 

オーラス親の本田はリーチをかけるも、

四万五万六万三筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒西西

吉田が仕掛けて的確にアガリ、追いかける3者の目論見通り本田にラスを押し付けた。

六万七万八万三索三索五索六索二筒二筒二筒  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ロン七索

5回戦終了
内川+32.6P 山田+9.4P 吉田▲14.6P 本田▲27.4P

5回戦終了時成績
本田+55.2P 内川+2.1P 吉田▲14.0P 山田▲43.3P

 

 

6回戦
起家から(山田、吉田、内川、本田)
現在2番手内川との差が約53ポイントとなった本田。
本日の開始時とライバルが変わっただけで、意識するのはその数字のみ。再び気合を入れなおして残り3半荘に挑む。

まずは東2局1本場に吉田が5巡目リーチで2,000オール。

二万四万九万九万四索五索六索二筒三筒三筒四筒四筒五筒  ツモ三万  ドラ四索

続く3本場は北家山田が2,000・3,900。

四万五万六万四索五索六索八索八索六筒七筒八筒北北  ツモ北  ドラ五索

そして東3局では本田以外の3者がテンパイで流局。
幸い2番手内川のアガリは出ていないが、配給原点が遠のいていく本田にとって辛い展開が続く。
東3局1本場で起死回生のアガリを決めたのは本田。

一万一万四万五万六万四索五索六索四筒四筒五筒五筒六筒  ロン三筒  ドラ三筒

早々に仕掛けた山田はドラ三筒を複数持っていそうで、この三筒六筒はさほど手応えがあったわけではないだろう。
本田の三筒六筒待ちは山田に対しても危険度が高い三筒六筒で、どうせ出る牌ではない、とリーチをかけるのも一つの手段だ。しかし、本田は冷静にヤミテンに構えた。このヤミテンが見事正解。
放銃となった山田は一筒二筒三筒三筒四筒からの役牌加カン、嶺上牌からの三筒をツモ切りであった。(雀頭の七索は既に打っている)
本田は終盤にしては際どい牌を打っており、若干気配が出ていた。しかし、追う立場の山田はこの手牌でなんとかアガリ切りたい。
残りツモも少なく、ここまでの総合ポイントが影響してなければ山田は比較的安全な打一筒を選択していたかもしれない。
決勝ならではの押し引きで、苦しいものは更に苦しく、その分リードがあるものは良い展開が継続しやすくなっている。

南4局ドラ九万

 

100

 

100

 

本田29,100 山田24,400 吉田35,500 内川31,000
この点差で本田は1シャンテン戻しを選択した。

ノーテンなら沈み3着以上(山田にアガリがあれば4着)が確定。
本田を沈みで終わらせたい3者、現在沈んでいる山田は満貫クラスの手を作っていることは予想されるが、吉田内川はアガれば最低限のミッションクリアとなるため、打点は読みづらい。
下家の山田はほぼマンズの一色手で、山田にツモアガリが発生した場合は本田がラスになってしまう。
諸々踏まえれば当然のオリではあるのだが「残り2半荘、しっかり打とう」と覚悟が感じられるような打六索のトーンであった。

 

100

 

6回戦終了
吉田+16.1P 内川+5.0P 本田▲4.9P 山田▲16.2P

6回戦終了時成績
本田+50.3P 内川+7.1P 吉田+2.1P 山田▲59.5P

 

 

7回戦
起家から山田(▲59.5P)本田(+50.3P)内川(+7.1P)吉田(+2.1P)
東2局 吉田が親番の本田から2,000を出アガリ。

一万二万三万五万五万七万八万六筒七筒八筒  ポン白白白  ロン六万  ドラ三万

配給原点3万点の上下ができると8~20Pの順位点、そこに素点の差が加わってくる。たった2,000の放銃だが、残り2回戦となった今は点棒の重みが全く違う。

東3局、東家内川がリーチをかけると、山田が800・1,600のツモアガリ。

(内川リーチ)
七万八万五索五索一筒一筒一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ四筒

(山田アガリ形)
一万一万六万六万二索二索三索三索南南西白白  ツモ西

吉田には、マンズのメンホンテンパイが入っていた。

二万四万七万八万九万西西北北北中中中

なんとなく悪い雰囲気が漂っている本田ではあるが、山田のアガリは比較的マシな結果ではある…

東4局 ホンイツに一直線で向かった本田は、ようやくテンパイにたどり着いたが、捨て牌もまさにホンイツ一直線といった感じになってしまった。

二索三索五索五索六索七索八索発発発  ポン白白白  ドラ中

九索が余り三索も余り、テンパイも濃厚な気配だ。
ところが、捌き手で発進した内川がこれに飛び込んでしまう。

五万六万七万六索六索二筒二筒二筒三筒三筒  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き

内川にとっては、まさに痛恨の放銃。
実況の日吉は「テンション的に打ちそう、打つかも?」と話しているが、数巡前に打った五索も当たってもおかしくはない牌であり、決勝残り2戦で約40ポイント差を追いかけるという意識がおかしなテンションを生み出してしまったように感じる。冷静になってみれば内川本人も「あれはやりすぎですね」とコメントしそうな放銃で、仮に1回戦ならまず打っていない牌だろう。
感性、感情が流れを成しているのかとも思うが、この一打は本田にとって良い流れを生み出したといえよう。

空気は一変し、本田の視界が開ける。再び初日のような冷静な判断力を取り戻せるか。

 

100

 

南3局 ドラ九索
この半荘ラス目の親番内川から12巡目リーチが入る。
トータルポイントプラス現在の半荘の得点状況、捨て牌の内容、そして内川の雀風からも十分安手はあり得る。トータルポイントで首位の本田は、この半荘は現在吉田と同点のトップだ。
9巡目にドラを打ち出している内川の捨て牌だが、タンピン、三色、イーペーコーなど、高くなる要素はいくらでもあり、ここは無難に引き気味に構えても良さそうではある。
リーチを受けた本田の手牌はこちら。

 

100

 

まずは三筒を勝負。
そして1枚切れの東を勝負の後、三万も勝負!

 

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100

 

するとドラ2枚でテンパイが入った吉田が、山田にタンヤオリャンペーコーの8,000放銃。

四万四万五万五万六万六万五索五索六索六索七索七索六筒  ロン六筒

吉田がテンパイをとるために選択できる打牌は内川のリーチ宣言牌のスジにあたる七筒か、本田が一発目に打った三筒のスジに当たる六筒。内川のリーチはシャンポンも否定できず、どちらを選択するのもアリとは思う。実際内川の待ちは七筒で、吉田の読みはむしろ鋭い。
ただ、結果的には内川への放銃の方が安く、残り局数も減らないという未来が待っていた。
逆に本田にとってはトータルラス目の山田がアガリ、局を消化することができるこの上ない展開となった。
6巡目に内川がドラを打った形はこちら。

二万五万六万八万八万八万四索九索六筒八筒東南白中

遠くに一色手も見据えてはいるが、本田の読み通りアガリ安さを重視した一打であった。
自分の勝負牌が作り上げたスジにより、自分に良い結果をもたらした。自ら流れを手繰り寄せたと解釈しても良い?いずれにしてもこういった部分が麻雀の面白さでもある。

7回戦終了
山田+18.2P 本田+9.5P 吉田▲9.1P 内川▲18.6P

7回戦終了時成績
本田+58.8P 吉田▲6.0P 内川▲11.5P 山田▲41.3P

 

 

8回戦
起家から(吉田、内川、吉田、本田)
日本プロ麻雀連盟の公式タイトル戦決勝はすべて、起家から2341着(トータルポイント順位)の並びで行われる。
トータル着順が下の者の親番が残るため、できる限り歪な麻雀にならないよう、最後までアガリが発生しやすくなるように設定されているのである。

本田のリードは決勝戦としては上々ではあるが、全員のターゲットであるため自力で局を消化しなければならない場面が増えてくる。自分の親番はサッと流され、他家の親番は全員にじっくりやられてしまうというのが定番だからだ。
ミスが続けば、一気に寒い状況に陥ってしまうことも考えられる。細心の注意が必要であると同時に、勝負所を見極めていくことも大事ではないだろうか。

東1局

六索八索二筒三筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒  ポン東東東  ツモ一筒  ドラ七万

場風の東をポンした本田は7巡目に一筒を引いてテンパイ。本田の捨て牌はこちら。

一索 上向き九索 上向き三万 上向き四索 上向き八万 上向き五万 上向き

捨て牌にはピンズが1枚もない。少しでも高い手をアガればこの後がぐっと楽になるが、追う立場の3者は首位を苦しめようとするため、本田に対して甘い牌を打ってはこないことが想定される。
ここはテーマに沿ってカン七索のテンパイを組むと、すぐに七索をツモアガリ、300・500。

続く東2局も本田のアガリ。

七万八万九万四索五索二筒三筒四筒東東東発発  ロン六索  ドラ五筒

2番手吉田、3番手内川の1回目の親番を流すことに成功した。

東3局 北家:内川手牌

二万二万三万三万三万二索八索八索八索一筒三筒三筒三筒  ツモ六筒  ドラ九万

西家:吉田手牌

九万九万九万四筒五筒発発  ポン白白白  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き

狙いは四暗刻一本の内川。危険は承知で白から打つと、八筒をポンしている吉田に2フーロ目が入る。そこに持ってきた吉田のアガリ牌六筒をツモ切るが、ドラ暗刻の吉田は見逃し。
このときタンピンテンパイが入っていた本田から、見事直撃を果たす。

 

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南家:本田手牌

四万五万三索四索五索六索七索八索四筒四筒五筒六筒七筒  ツモ六筒

内川としても、吉田が満貫クラスのテンパイで待ちが三筒六筒以上ならば、自分からは見逃すのではないかという想定があっての打牌だったかもしれない。
3局は消化することができたが、本田は改めて決勝戦の重圧を感じたことだろう。

南1局 親番吉田に大物手が入る。上手く仕上がれば一気に本田の背中が見えてくるが…

三万三万四万四万五万五万七万八万二索四索六索四筒五筒  ドラ三万

わずか6巡目にしてこの手格好だったが、ツモが噛みあわずに二索単騎リーチで流局となった。
次局1本場は本田が自力でアガリ、吉田の親を潰した。

二万三万四万六万七万八万八万三筒四筒五筒  チー四筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ロン五万

南2局。親番内川はタンヤオ七対子をツモって4,000オール、1本場でドラポンチンイツのテンパイが入るも、親番を残した山田がハイテイでリーチをツモアガリ。

二万三万四万五万六万七万八万九万四索四索五筒五筒五筒  ツモ七万

いよいよ南3局、本田にとっては最後の山場となる。親番がなくなった吉田、内川が残り2回のアガリで優勝するためには高打点の手牌を待つしかない。

南3局 親の山田が12巡目にリーチ

四万五万六万七万八万三索四索五索七索七索五筒五筒五筒  リーチ  ドラ九万

跳満が見える吉田が抵抗するも流局。
親の山田だけは比較的自由に手を組んでくるが、本田としてはまだポイントの猶予がある。じっくりとラスト1回のアガリを決めにいく局を見極めている。

南3局1本場

 

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早々にテンパイを入れていた山田は6巡目に四索を引いてタンヤオをつけてのリーチ。たった今吉田に打たれた六筒も見逃している。

二万五万六万八万三索五索六索七索七索八索四筒五筒中  ツモ二万

リーチを受けて手牌には1メンツ。これはさすがに引くしかないか。本田は打五索としてここもオリを選択した。戦えそうな手牌だっただけに、安全牌は確保できていなかった本田は、スジや序盤の牌の外側などを頼りに、命からがらといった感じで流局に持ち込んだ。

南3局2本場(供託×2)も山田が9巡目に先制リーチ。

二万三万三万六万六万八万八万九万九万八筒八筒白白  リーチ  ドラ四筒

こちらも1本場と同じく、元々テンパイが入っていたところからの待ち替えリーチだ。待ちを選ぶことより、本田の自由を奪うことを優先しようといった判断だ。
これを受け、ついに本田が前に出た。10巡目に役無しの追っかけリーチを敢行。

七万八万一索二索三索五索五索六索六索六索一筒二筒三筒  リーチ

本田が前に出たなら直撃チャンス到来と、ドラ暗刻の吉田も全面対決に出る。
14巡目にリーチ。

四万四万五万六万七万四筒四筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒  リーチ

全員の待ち牌が山に2枚ずつ残っていたが、吉田が二万を掴み山田が4,800のアガリ。

南3局3本場は内川がドラ3枚内蔵したリーチで先制。

二万三万四万三索三索三索四索五索五索六索三筒四筒五筒  ドラ三索

山田のリーチ宣言牌五索を見逃すと、またしても山田にアガリが生まれる。

一索二索三索六索六索三筒三筒  暗カン牌の背六筒 上向き六筒 上向き牌の背  暗カン牌の背白白牌の背  嶺上ツモ三筒

6000は6,300オール。
本田としても腹を括ってオり、攻めているのだが中々良い結果に結び付かない。

南4局4本場 8巡目に山田がリーチ

三万四万五万二索三索四索九索九索四筒五筒六筒発発  リーチ  ドラ二万

 

100

 

首位の本田と2位の山田の点差は30ポイントを切っており、内川が沈めばさらに順位点4ポイントが詰まる。展開も味方して、あと一歩で逆転という所まできている。
リーチを受けた本田の手牌はこちら。

二万三万五万五万二索三索四索五索六索七索八索六筒八筒

場に見えていない中を勝負すると、上家の山田が七筒をツモ切る。

 

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仕掛けて四万の片アガリテンパイを取る手もあるがスルー。すると一索を引き入れ現物の八筒打ち。場に見えていない南も勝負。一万が打たれて九索の片アガリテンパイも取れたがこちらもスルー。ついにツモ六索でテンパイを果たす。
既に一万は場に2枚打たれており、ドラ表示牌にも1枚。決して強い待ちとは言えないが、この形で本田は勝負に出た。

次巡、山田が四万を掴み本田が2,000のアガリ。

 

100

 

まさにタイトル戦決勝ならでは、という展開で長い長い最終戦であった。
気分的には失うものがない追う立場の方が強い。最も精神的に疲弊しているのは逃げる本田であっただろう。
それとも本田としては自身の麻雀を貫いただけで、内心は飄々としているのかもしれないが、本田自身が今回の決勝戦で感じたことや気になった局については後日、同じ北陸支部所属、木原翼のインタビューをお楽しみに。

第10期グランプリMAX優勝は、北陸支部所属の本田朋広。
本田の優勝は自身が所属する北陸支部はもちろん、各地方本部支部にも活気を与えることだろう。

 

100

何を切る? 2020年5月

第4回マスターズリーグ 1回戦 東3局 西家 滝沢和典プロ

 

 

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

■プロ解答

九筒切り

 

 

 

四索切り

 

 

 

■実況・解説陣

 

 

白鳥「ピンズが良いと思えば八索もあるし、ドラツモ切りだってあります。」
日吉「難しすぎる!うおぉツモ切ったかー!!」
白鳥「というくらいやはりピンズが良いと。」
瀬戸熊「狙い通り山にはピンズがいっぱいありますよね。後は自分のところに来るかどうか。」

 

■プロの視点
滝沢和典プロ「ズバリ七筒を引いてきそうな河だなと思い、攻守兼用でピンズの上を残して四索ツモ切り。ツモ四索はもちろん痛いのですが、2翻くらい確保できれば、アガリに向かって効率良く打つことを心がけています。ドラ切りを見て相手のアクションも変わるはずなので、この後の進行やリーチ判断などはそれをふまえた上で選択したい。」

 

■終局図

 

 

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第17期大分リーグ(プロアマ混合)最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 柿添 誠 プロ 37.5 84.9 30.3 58.8 211.5
2 塚本 将之 プロ ▲ 6.4 40.4 76.0 61.1 171.1
3 相本 長武 一般 80.1 64.5 6.3 ▲ 5.8 145.1
4 矢野 拓郎 プロ 42.8 ▲ 2.9 48.0 24.8 112.7
5 松本 広大 一般 52.4 17.5 21.9 ▲ 26.6 65.2
6 スカルリーパーA-ji プロ 8.0 20.7 ▲ 16.8 16.7 28.6
7 本郷 宏志 一般 4.6 19.0 ▲ 49.6 20.2 ▲ 5.8
8 藤田 祥司 一般 ▲ 71.0 96.2 ▲ 40.7 8.1 ▲ 7.4
9 小林 太郎 一般 ▲ 12.0 ▲ 4.4 22.3 ▲ 14.7 ▲ 8.8
10 合澤 雄貴 一般 ▲ 12.6 5.1 7.0 ▲ 12.2 ▲ 12.7
11 渡辺 辰宏 一般 13.8 18.4 ▲ 1.0 ▲ 46.7 ▲ 15.5
12 薬真寺 実 一般 30.6 2.7 ▲ 21.0 ▲ 32.4 ▲ 20.1
13 角谷 陽介 プロ ▲ 25.9 21.7 ▲ 38.9 6.2 ▲ 36.9
14 伊東 宏倫 プロ ▲ 92.2 ▲ 34.8 23.6 2.6 ▲ 100.8
15 阿部 竜也 一般 ▲ 41.6 ▲ 55.7 ▲ 13.3 0.0 ▲ 110.6
16 下山 哲也 プロ ▲ 20.7 ▲ 30.0 ▲ 30.0 ▲ 30.0 ▲ 110.7
17 上田 悟史 一般 ▲ 28.8 ▲ 77.8 ▲ 5.5 ▲ 3.1 ▲ 115.2
18 団野 和広 一般 ▲ 33.3 ▲ 83.7 ▲ 23.7 15.5 ▲ 125.2
19 川島 貴博 一般 ▲ 71.3 ▲ 34.6 ▲ 36.0 ▲ 17.6 ▲ 159.5

第10期山口プロアマリーグ最終節 成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 柴田 祐輔 一般 63.7 61.5 0.0 47.5 66.1 238.8
2 藤岡 治之 プロ 102.7 ▲ 13.6 52.0 25.0 ▲ 11.0 155.1
3 殿井 正敏 一般 2.0 43.1 8.7 77.4 0.3 131.5
4 河居 春生 一般 58.0 9.1 86.5 0.0 ▲ 50.0 103.6
5 高村 翔 プロ ▲ 8.0 ▲ 22.8 4.9 83.0 34.4 91.5
6 坂本 将弘 一般 ▲ 50.1 ▲ 14.8 64.7 0.0 46.8 46.6
7 真田 悠暉 一般 22.1 3.3 11.9 29.1 ▲ 55.4 11.0
8 むさし 一般 26.3 6.0 15.8 ▲ 27.7 ▲ 19.2 1.2
9 山口 正美 一般 86.6 8.9 ▲ 18.6 ▲ 67.7 ▲ 9.4 ▲ 0.2
10 佐田 いちこ 一般 ▲ 8.6 ▲ 42.8 ▲ 23.3 ▲ 11.2 75.6 ▲ 10.3
11 首藤 聡 一般 ▲ 27.1 ▲ 18.7 ▲ 7.9 40.9 0.0 ▲ 12.8
12 黒岩 司 一般 29.3 ▲ 10.3 17.0 0.0 ▲ 50.0 ▲ 14.0
13 黒田 隆明 一般 ▲ 44.9 ▲ 43.0 58.7 0.0 10.1 ▲ 19.1
14 平田 次郎 一般 15.1 0.0 4.6 ▲ 3.8 ▲ 35.8 ▲ 19.9
15 木室 哲朗 プロ 0.0 0.0 ▲ 41.5 0.0 0.0 ▲ 41.5
16 高見 和広 一般 15.8 48.7 ▲ 66.6 ▲ 6.9 ▲ 32.9 ▲ 41.9
17 清木 雅一 一般 ▲ 22.9 8.5 45.6 ▲ 85.6 8.5 ▲ 45.9
18 福田 譲二 プロ ▲ 22.3 ▲ 21.8 ▲ 34.8 ▲ 42.9 50.0 ▲ 71.8
19 中崎 純 一般 23.0 27.7 ▲ 50.1 ▲ 28.7 ▲ 47.5 ▲ 75.6
20 藤原 英司 プロ ▲ 33.3 23.0 0.0 ▲ 50.0 ▲ 50.0 ▲ 110.3
21 渡辺 健太 プロ ▲ 44.7 ▲ 45.3 ▲ 64.6 10.2 4.3 ▲ 140.1
22 藤田 竜三 一般 ▲ 103.5 0.0 9.9 ▲ 24.4 ▲ 41.4 ▲ 159.4
23 中山 省吾 一般 ▲ 80.2 ▲ 21.7 ▲ 73.9 ▲ 17.2 ▲ 119.5 ▲ 312.5

戦術の系譜6 前田 直哉

今回は昨年の鳳凰戦A1リーグ第6節C卓の局を取り上げようと思う。
対戦者は伊藤、沢崎、HIRO柴田、私である。
微差ながらもラス目で迎えた親番の南3局。配牌は良くも悪くもない。

六万七万九万四索二筒三筒四筒六筒九筒東西北北白  ドラ七索

まあ良くてピンズの一通が見えるくらいだろうか。
すると北家の柴田の2巡目の手がこれだ。

一万二万一索二索三索八索九索二筒三筒八筒九筒発発  ツモ一万

三色もチャンタもジュンチャンも見えるこの手、柴田の選んだのは発切りだった。ジュンチャン三色の最高打点に照準を合わせた一打だ。すると私の切った白をトップ目の沢崎が仕掛ける。

五万六万六万二索三索四索七索二筒三筒東  ポン白白白

形は十分だ。この仕掛けによって柴田の手がこうなった。

一万一万一万二万一索二索三索八索九索二筒三筒八筒九筒

捨て牌に発が並ぶ。これを見て私は早いのは間違いない、メンタンピンドラ1くらいかな?と勝手な想定をしていた。そして柴田の次巡

一万一万一万二万一索二索三索八索九索二筒三筒八筒九筒  ツモ四筒

全く有り難くない四筒である。しかし、ラス前で微差ながら浮いていることも考えると一旦手に入れたくもなるが、少し考え柴田はツモ切りを選んだ。更に次巡

一万一万一万二万一索二索三索八索九索二筒三筒八筒九筒  ツモ三万

絶好の三万を持ってきてまたも難しい選択になる。アガリ易さならドラ受けの八索九索落としもあるが、ドラさえ引けば倍満までも見える。悩んだ末に柴田は八筒を選ぶ。
そんな中1番早くテンパイを入れたのは沢崎だ。

六万六万二索三索四索七索八索二筒三筒四筒  ポン白白白

すぐに柴田も追いついた!

一万一万一万二万三万一索二索三索八索九索一筒二筒三筒

フリテンだった高目の一筒を引き超弩級のテンパイだ。ドラ待ちのこともあり皆が引いてくれたらチャンス有りとみてここはリーチとした。何人の人がこのテンパイに辿り着けるだろう?この見事な手順の捨て牌がこうだ。

七万 上向き発発四筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き
三万 左向き

まず発のトイツ落としでピンフ系かと思ったのだが、その後の四筒での小考からのツモ切り、そして八筒九筒のペンチャン落としでメンタンピンでは無さそうだ。発よりも八筒九筒を大事にしたということは一通か三色かチャンタっぽい。だがもしピンズの一通が見える程ピンズを厚く持っているなら発発を持ってホンイツに行くのではないだろうか?ドラで1メンツ出来ているのであればそういうことも考えられるが、下の三色とジュンチャンの可能性が1番高いと推察することが出来る。でもそんなに早くジュンチャンって出来るっけ?私の頭の中はプチパニックである(笑)そう思いながらも同巡私もテンパイを入れる。

六万七万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒九筒九筒北北

親ということもあり、このままリーチする人もいそうだが私はもちろんヤミテンだ。沢崎も無筋を切り飛ばしオリる気など毛頭無さそうだ。すると次巡私の手はこうなるのだった。

六万七万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒九筒九筒北北  ツモ八筒

高目一通の勝負手に仕上がる。ここで振りかぶってリーチ!!
とは行かず、ここでもヤミテンを選択した。何故ヤミテンなのか、それは柴田の手が高いことと、沢崎の手も高いか好形であると確信していたからだ。もちろんリーチしたかったが、伊藤から四筒七筒が出る可能性を0にしたくは無かったのだ。だが更に次巡持って来たのが…

六万七万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒北北  ツモ七索

ドラ…この牌が通る理由を探してみるが、柴田の手がジュンチャンだとしたら当たる可能性は十分あるし、ピンフ系の手でも同じだ。沢崎はリャンメンならソーズの上か一筒四筒あたりだろうか?シャンポンならドラとのシャンポン待ちの可能性も高い。
歯を食いしばり、ドラを切らずに押し返せるよう九筒を切る。そして次巡

六万七万八万七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒北北  ツモ八索

絶好の八索を持ってきてリーチ!結果これを柴田から12,000のアガリとなったのである。

六万七万八万七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒北北  ロン六索

いったい何が良かったのか、一通になった時にリーチしなかったことだろう。あの手はアガリがあるとしても四筒七筒だと感じていた。要するにあの手は私の中ではただのピンフ手だったのだ。六索九索待ちであれば安目でも5,800、高目ツモなら6,000オールまである。あの状況で2人にぶつけていくのに価値ある手だから勝負に出たのだ。
だが、これが先に一筒が切られ結果七索で放銃したら本当に最悪である。どちらの可能性もあっただけにイッツーでリーチするのも全く当たり前なのだ。今回は結果的にラッキーなだけなのだ。

だが皆さんに見て欲しいのは、柴田の手順、沢崎の攻めきる姿勢、伊藤の守備、私の押し引きその全てなのだ。誰がアガッたとしても内容の濃い1局であったと思う。
ユーチューブでも見られるので是非ご覧くださいね!

第36期鳳凰戦A1リーグ第6節C卓2回戦
前田直哉vs沢崎誠vs伊藤優孝vsHIRO柴田
実況:古橋崇志
解説:近藤久春・白鳥翔

これで私の回は最後になるが、戦術の系譜はこの後も続くのでお楽しみに!!

第208回:プロ雀士インタビュー 真鍋 明広  インタビュアー:古川 彩乃

三月のとある雨の日、都内の某喫茶店で待ち合わせをした。お店に入ると、先に到着していた真鍋プロは私の顔を見るなり言った。
「雨の中、わざわざすみません。今日はよろしくお願いします。」

真鍋プロと私は、同じ雀荘チェーンで働いている。複数店舗があるため、いつも顔を合わせているわけではなく、初めて会ったのがいつなのかは記憶も曖昧だが、私がプロになった頃には一緒に働いていた気がするので、少なくとも5年以上は前だろう。
彼は、後輩の私にも度々敬語を使い、それは彼がお店の店長となった今も同じだ。
麻雀の話をする時も雑談をする時も、先輩と後輩、上司と部下であるにも関わらず、とても丁寧に優しく接してくれる、非常に腰の低い男である。

そんな心優しきWRCリーグチャンピオンのインタビューを、古川彩乃がお届けします。最後までお付き合いいただければ、幸いです。

古川「改めまして、優勝おめでとうございます!!」

真鍋「ありがとうございます!」

古川「優勝が決まった瞬間はどんなお気持ちでしたか?」

真鍋「最終局が終わった瞬間は、麻雀をやっていて初めて泣きそうになりました。ほっとして・・・・。」

古川「悲願のタイトル獲得ですが、その後何か変わりましたか?」

真鍋「今までの人生の中で、一番たくさんおめでとうと言われました。昨日もお客様におめでとうと声をかけて頂いて・・・、正直嬉しいです!」

 

100

 

今回のJPMLWRCリーグ獲得は、「悲願のタイトル獲得」であるが、それは初タイトルという意味ではない。彼は輝かしい経歴の持ち主である。
真鍋プロは九州本部に18期生で入会し、ジャガー真鍋という名前で活動していた。18期生というと、今回のWRCリーグ決勝で戦ったダンプ大橋プロや、女流四天王宮内こずえプロ、A1リーグで大活躍中の西川淳プロなどと同期である。
真鍋プロは九州本部入会後、第1、2、7、13期のプロアマリーグ優勝、そして第4期と11期には皇帝位を獲得しており、皇帝位決定戦の常連であった。
皇帝位決定戦以外でも、マスターズベスト8、十段戦ベスト8、王位戦ベスト16等好成績を収め、大活躍していた。
そしてその後、活動の拠点を東京に移し、名前もジャガー真鍋から本名の真鍋明広へと変えた。

古川「九州で大活躍されていたわけですが、なぜ東京に拠点を移そうと思ったのですか?」

真鍋「九州でてっぺんとっても満足できなくて東京に出てきたんですよね、東京で活躍しないと認められないってこともあったし。」

真鍋プロは九州でてっぺんを獲り、満を持して上京を決めた。

古川「東京に出てきてからは・・・」

真鍋「全然だめでした。」

2013年に活動の場を移したものの、その先の戦績は彼の期待通りにはならなかった。
C3リーグから始まったリーグ戦はC1まで昇級するものの、その後昇降級を繰り返し、現在は2期連続降級でC3リーグ。タイトル戦は出場するも、良い所まで残ることは出来なかったという。

古川「上京してから7年、思うような成績が出ない間は悩んだりしていたんですか?私だったら結構落ち込んだりしちゃいそうです。」

真鍋「いや、悩んだりはしなかったよ。ただ虎視眈々と日々を過ごしていたかな。」

揮わない成績にもめげることなく、ひたむきに前を向き虎視眈々と狙い続けてきたチャンスが巡って来たのが、このWRCリーグだった。7年越しのチャンスだ。
当然、出場している選手には皆、それぞれたくさんの想いがある。かけている想いの強さは、変わらないであろう。「自分は九州の看板を背負ってるんだから、簡単に負けるわけにはいかない。」そう語る真鍋プロの想いがぶつかった対局だった。

1月7日に行われたベスト16。対局者は、第6期WRC優勝のダンプ大橋プロ、現王位森下剛任プロ、地方予選から勝ち抜いてきた吉田圭吾プロである。ベスト16とベスト8は、卓内上位2名が勝ち抜けのトーナメントとなっている。
この日、第2回戦終了時の真鍋のポイントは▲45.4ポイント。この時卓内2位であった森下とのポイント差は78.6ポイント。卓内1位であるダンプとの差は84.1ポイント。
残り2半荘でどうまくるか。厳しい状況であったが、第3回戦で真鍋は起死回生の10万点超えのトップ、上位にいた森下とダンプ両者を沈めて1半荘でトータルトップに立ち、ベスト8への進出を決めた。
1月27日に行われたベスト8は、2回戦目にラスを引くものの落ち着いた試合運びで無事に決勝進出。

そして迎えた2月11日、運命の決勝戦。決勝卓のメンバーは、一昨年には女流桜花決定戦に出場、ベスト8で共に勝ち上がりを決めた中野妙子プロ。十段位シードによりベスト16からの参戦、ヤミテンを駆使して決勝まで進出を決めた大ベテランの伊藤優孝プロ。真鍋プロの同期でありベスト16で共に勝ち上がった第9期グランプリグランプリMAXのダンプ大橋プロ。そして東京での初タイトル獲得という悲願を背負った元皇帝位、真鍋明広プロ。全4回戦を闘い、優勝者が決まる。

決勝戦第1回戦の東1局、親の中野の先制リーチに追い付いた真鍋のリーチ宣言牌が中野への7,700の放銃となる。手痛い放銃からのスタートとなってしまったが、東2局2本場にタンヤオ七対子ドラドラをツモアガリトップ目に立つ。点棒の動きはあるものの、平たい展開が続くが、南1局の親番で4,000オールツモ、2,000は2,100オールツモとアガリを重ねた中野が一歩抜け出す。1回戦はそのまま中野がトップ、真鍋は2着、ダンプ3着、伊藤4着という結果。

第2回戦は、ダンプの4,000オールツモから始まる。しかしそこから中野が細かくアガリを繰り返し、再びトップ。2着にダンプ、3着伊藤、4着真鍋となった。
第2回戦を終えたところでのポイントは、中野+62.0P、ダンプ±0P、真鍋▲19.4P、伊藤▲42.6P。
中野と真鍋の差は、81.4ポイントである。

古川「2回戦が終わって中野プロと80ポイント以上離されていたわけですが、ベスト16の時も2回戦が終わった時にはそれ位のポイント差がありましたよね!追う展開は得意なんですか?」

真鍋「いや、それはたまたまそうなっただけで、どちらかと言えば先行逃げ切りの方が得意かな。」

古川「じゃあ、このポイント差に焦りはありましたか?」

真鍋「焦りはなかったですね、どっちみちやるしかないので。常に集中して打つことだけ考えました。技術はいくら頑張っても短期間で極端な進歩はしないからね。麻雀は集中力です。」

第3回戦、あと2半荘で84ポイント差をまくらなければならない真鍋に、東1局からドラ暗刻の勝負手が入る。

 

100

 

六万をチーすれば満貫のテンパイが取れる1シャンテンだが、仮に上家から六万が打たれたとしてもチーテンをとるつもりはなかったと言う。

真鍋「チーテン取ったら脇からこぼれそうだったけど、脇からアガっても嬉しくなくて、ツモか直撃じゃないと意味ないと思って・・・」

数巡後、六万を自力で引き入れリーチをして見事にツモアガリ、3,000・6,000をものにする。
その後、伊藤の高打点のヤミテンに中野が二度捕まり、ビハインドの3名の包囲網に苦戦した中野は痛恨のラス。真鍋は粘りの麻雀で伊藤との競りの展開に勝ち、僅差ではあるがトータルトップで最終戦を迎えることとなる。

最終戦、スタート時点でのポイントは、真鍋+19.2P、中野+15.0P、伊藤▲16.0P、ダンプ▲20.2P。WRCルールは順位点が、+15、+5、▲5、▲15なのでトップラスは順位点だけで30ポイントかわせる。条件に差はあれど、全員十分に優勝が狙えるポイント差となった。

東1局、中野の親番、親の中野に仕掛けが入った後、伊藤からリーチが入る。ドラドラの真鍋は完全安牌も少なく自身の手に真っ直ぐ打つという選択をしたが、これが一発で伊藤への放銃となる。リーチ一発ピンフ、3,900。

真鍋「あの、最終戦東1局の放銃は相当痛かったね・・・」

古川「結構ふわっと無筋を押したりするシーンと、ものすごく丁寧に止めながら回るシーンがあって印象的でしたが、ふわっと切り飛ばしているわりに放銃はそんなに多くなかったですよね。」

真鍋「無筋でも、通るだろうと思って打ってるからね。読みで、比較的通りそうだと思ってるから切るだけで、ベスト16から決勝まで全体的にはあまり勝負をしなかったと思ってます。」

古川「手堅く打ったということですね!!」

東2局以降はアガリやテンパイを繰り返した中野がポイントを伸ばしていく。思い切りの良い攻めが上手くはまっていた。南1局の親番で中野はさらに加点し自身の持ち点を42,400点まで伸ばした。
しかし真鍋も負けじと、南2局の2本場にリーチツモイーペーコー、裏ドラを乗せて2,000・4,000をツモ。

 

100

 

いよいよわからなくなってきた。
南3局、親のダンプのリーチに飛び込んだのは、テンパイで追い付いてしまった中野。3,900の放銃。真鍋と中野の点差は、僅か3,800点である。
そして南3局1本場、親のダンプの仕掛けを受けた中野はドラ1愚形のテンパイを腹をくくってリーチとした。これを親のダンプから仕留め、裏ドラを2枚乗せての満貫。
このアガリで、場はオーラスへと移っていく。

オーラス、伊藤の条件は役満ツモか中野からの役満直撃。ダンプはダブル役満が条件となる。そして中野と真鍋は着順勝負。点差は12,100点である。

古川「この時はどんな気持ちで麻雀打っていたんですか?」

真鍋「まあ、アガる意外ないからね、普通にやるべきことをやっただけだよ。」

とはいえ、7年越しに掴んだチャンスである。心臓が張り裂けそうなこの状況で、普通にやるべきことをやるだけと言い切れるのは、九州時代に皇帝位決定戦等で培ってきた経験があるからだろうか。

南4局、親の真鍋は好配牌。ドラドラの手を仕上げリーチをかけると、手詰まりをしたダンプから7,700を仕留める。これで中野との差は4,400点。
そして南4局1本場、四筒七筒に受けるとピンフ、カン七筒に受けると三色というテンパイ。

 

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真鍋は四筒七筒を選択し、見事四筒をツモアガる。1,300は1,400オール。

古川「ここはカン七筒で決めに行く選択もあったと思いますが、四筒七筒にしましたね。」

真鍋「公式ルールならカン七筒にしてたかもしれないけど、一発と裏ドラがあるし、2,600オールになったら大きいからね、アガリ逃しする方が良くないと思ったから四筒七筒にしました。」

このアガリで1,200点差で真鍋がトップ目に立つ。

南4局2本場、先に役なしのテンパイを入れていた中野に対し、真鍋が追い付いてリーチ、それを受けて中野も追いかける。

真鍋「中野さんが四索切りでテンパイだと思ったから、五索を勝負するか迷ったけど、アガリ逃したくないから、放銃覚悟で五索切ったんだけど、弱気にシャンポンにしてたらアガリがあったんだよね・・・」

この局は流局となり、勝負は次の局へ。

南3局3本場、この局で大きく戦況が変わる。真鍋は東南がトイツの手、中野はタンヤオの手。先に動いたのは中野だった。下家の中野の仕掛けを受けて真鍋も絞りながらの進行になる。

真鍋「この局がキー局だったと思う。後日、藤原さんからも完璧な手順だったとお褒めのDMを頂いて、すごく嬉しかった。」

中野のキー牌を抑えながら手を進めた真鍋は、中野から打たれた南を鳴いてテンパイを入れ、真鍋のテンパイ打牌を中野が鳴き返して中野もテンパイ。しかし中野のテンパイ打牌は真鍋の当たり牌だった。2,900は3,800の直撃。供託もあり、中野の条件は1,600・3,200ツモ、5,200の直撃条件となる。

 

100

 

南4局4本場、真鍋は早々に一万四万七万のピンフのヤミテンを入れる。上家のダンプから打たれた七万を見逃し、そのまま下家の中野の打った七万で出アガリ。2,900は4,100を直撃し、中野に跳満ツモ条件を付きつけた。貫禄のある、落ち着いたうち回しである。

そして最終局、中野は一生懸命手を組むものの、条件を満たす形にならず、最後に一発ハイテイツモのタイミングでリーチをかけるものの、ツモることはできなかった。

こうして、真鍋プロの優勝が決まった。

 

100

 

古川「最後のインタビューの時も、ものすごく神妙な顔していましたが、あの時も涙をこらえていたんですか?」

真鍋「いや、あの時はもう落ち着いてたよ!ああやって人前で話すのが苦手で・・・何を話せばいいのかわからなくて・・・。」

古川「いや、そこが真鍋さんっぽいけど、せっかくなんだからもっと喜びを表現してくださいよ!!!」

古川「悲願の東京での初タイトルは達成したわけですが、今後の目標をお願いします。」

真鍋「あと2つや3つのタイトルは獲りたい!!いや、2つや3つじゃ足りないか・・・。全部!!全部欲しいです!!」

東京で返り咲いた皇帝位の活躍は、まだまだ続きそうだ。

 

100

 

最後までお付き合い頂きありがとうございました。
そして最後になりましたが、真鍋プロ、優勝おめでとうございます。

第10期麻雀グランプリMAX決勝観戦記 初日

令和2年3月14日。
日本プロ麻雀連盟のタイトル獲得者、四大タイトル(鳳凰位、十段位、王位、マスターズ)を持つ九段などの特別シード者と、ポイントランキング上位者のみが参加資格を有するタイトル戦、第10期グランプリMAXの決勝戦初日が開催された。

準決勝A卓(本田朋広、森山茂和、藤原隆弘、山田浩之)からは北陸リーグ優勝の本田朋広と、A2リーグ所属の山田浩之が勝ち上がり。
そして、準決勝B卓(ダンプ大橋、内川幸太郎、吉田直、藤島健二郎)からは、MリーグKADOKAWAサクラナイツ1位指名の内川幸太郎、前鳳凰位吉田直が決勝に名のりをあげた。
年度末最後の二日間でタイトルを手にするのは一体誰なのか。
これからの麻雀界を担っていくであろう若手、中堅、良いメンバーが揃った。

 

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本田朋広 12460p33位

 
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山田浩之 14300p 23位

 
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吉田直 22800p 5位

 
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内川幸太郎 22100p 6位

 

1回戦
(起家から吉田→内川→本田→山田)
東1局 ドラ五万
東家吉田は7巡目にドラの五万を打ち出す。

 

100

 

ドラを使い切り、更に三色という2ハン手役を狙うという超高打点打法も選択肢にはあるだろうが、吉田はドラを先に打ち出した。
この選択はカン五索のロスを嫌がると同時に、他家に圧力を与えるという側面もある。相手が手狭に受けることを誘って、アガリ逃し、テンパイ逃しを誘発しようという作戦だ。
どちらも兼用の一打ではあるのだが、この時は単に危険牌を先打ちしたというより、相手に問題を出す意図の方が強いのではないだろうか。

しかし、この時、他家も手牌がまとまっていた。本田も内川も親のドラ打ちを踏まえても十分戦える手格好。北家山田は4巡目に早くも678三色のイーシャンテンとなっていた。

 

100

 

8巡目にカン七索を引き入れて高目六筒のリーチとすると、こちらも三色イーシャンテンとなっていた吉田が六筒を掴み、7,700の放銃となった。

678、789どちらも見えていた吉田は強気の選択で打六筒。山田の捨て牌は2巡目に七筒が置いてあり、放銃した吉田の手格好

二万二万七万八万六索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒  ツモ六筒

から、怖がって九筒を打った場合は安目2,000で助かるという、なんとも皮肉な結末であった。

続く東2局も山田がツモアガリ。

 

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リーチツモドラ2の2,000、4,000
正に好調な滑り出しと言えよう。

そしてこの2局を受け、解説の佐々木は「かなり攻めてるねー、どうなのかな?」と、吉田が若干かかり君気味なのではないかとコメントしていた。

東3局 3巡目
またしても、山田にチャンス手到来。

 

100

 

親の本田にもドラのダブ東が入っている。スピード的には山田が断然有利か。

 

100

 

山田は四索を引き入れて、ドラのダブ東を切ると本田がポンしてイーシャンテンとなるが、すぐに五万を引き入れて一筒四筒七筒待ちのテンパイ。直前に本田が河に置いた一筒があり、三色変化もある。ここまでのリードも後押しとなり、山田は手堅くヤミテンを選択した。

9巡目、イーシャンテンとなった本田に対して吉田が打九万でポンテンをとらせてしまう。
“とらせてしまう”と書くと吉田に否があるように思う人も多いだろうし、実際解説もそのようなニュアンスであったため、リアルタイムで観戦していた方の中にも吉田のおかげで本田がアガれた、吉田のせいで山田がアガれなかった、という印象を持つ人は多いと思う。
しかも吉田の手はこの状態である。

 

100

 

しかし、吉田が一番恐れていたのは、開局から2局連続で満貫クラスをアガった山田がこのまま突っ走ってしまうことなのである。
前期の鳳凰位吉田は山田とは長い付き合いでそのやり口というか手の内を、突き抜ける力があることを知っている。
言い方としてよろしくはないが、この時点ではマークは本田ではなく山田なのだ。

結果的には焦りとなってしまったかもしれない、解説者に指摘されたように若干は“かかって”いるのかもしれないが、この瞬間は勝つため、タイトルを獲得するために、山田を苦しめるためにギリギリの牌を放ったといった感じか。
山田は山田で吉田が自分をケアしていることも踏まえつつ、自身の打東が本当に正しかったのかを自問自答するような表情を浮かべていた。

1回戦終了
本田+52.9 山田+11.9 内川-19.7 吉田-45.1

 

 

2回戦
(起家から本田、内川、山田、吉田)
勢いをもらったような形で本田は加点を続け、吉田はズルズルと後退する形で大きな差ができたがまだ、八分の一。大きなタイトルの獲得経験のない本田にとっては長い長い残り7半荘ではないだろうか。

東1局 ドラ六万 5巡目
西家の山田はこの手牌で即リーチを選択。

四万六万七万八万八万二索三索四索六索七索八索一筒一筒  ツモ四万

まだ2回戦目とはいえ、首位本田のリードは大きい。仮にこれがラス目吉田の親番であれば手牌の変化待ちやテンパイとらずで好形、高打点を目指すなどの選択をしていたのではないだろうか。早くも本田を意識したような打牌を選択した山田は10巡目に一筒をツモアガリ1,000、2,000。

東2局 ドラ南

一索一索四索四索四索南南白白白  ポン西西西

14巡目の山田はツモって3倍満の手牌をテンパイするも流局。

東3局ではドラをアンコにして
東3局 ドラ九筒
この手牌から打四筒とすると、

二万四万四万五万五万二索三索三筒三筒四筒九筒九筒九筒  ツモ二万

13巡目にツモり四暗刻のテンパイ。

しかしこちらは678三色をテンパイしていた本田が吉田に2,600の放銃。

瀬戸熊は「この本田の攻める姿勢が良い」と解説していたが、この後東4局でも、親番吉田の13巡目リーチに対して、ピンフドラ1テンパイからヤミテンのまま無スジの四万五索を勝負してテンパイ料を加点する。
まだまだ積極的に攻めていこうという姿勢が伺える。

南2局
吉田、親番内川の2者がリーチをかけており、山田はハイテイ牌をツモって手詰まりの状態。

 

100

 

100

 

打牌候補は四筒六万白三索あたりであろうか。内川のリーチ宣言牌のスジにあたる六万はドラが五万+ということもあり候補から外れているかもしれない。
吉田の第一打二筒をまたぐ打四筒四索五索が3枚ずつ見えている三索、トイツの白
山田が選択したのは打三索

それぞれの手牌はこうなっていた。

 

100

 

吉田は第1打の二筒をまたぐ一筒四筒待ち、内川はドラが内蔵された役無し三筒六筒であった。
本田が序盤からソーズ一色気味に進行していることから、四索五索のワンチャンスにかける方が良しと判断したのだろうか。1人ノーテンではあるが、放銃を回避したことによってリーチ棒2本が供託されてチャンスは残った。
しかし、この次局は本田が内川から2,000を出アガリ。
ドラ二索

二万三万四万一索二索三索三索四索五索九索九索六筒七筒  ロン八筒

オーラスで吉田が1,000オールをアガリ一
旦トップ目に立つも、最終的には本田が1,000、2,000をツモって再びトップに。
南4局ドラ一筒

一万二万三万五索六索一筒一筒七筒八筒九筒  ポン白白白  ツモ四索

オープニングから2連勝を決めた。

2回戦終了
本田+20.4 吉田+13.8 山田-14.0 内川-20.2
2回戦終了時のトータルポイント
本田+73.3 山田-2.1 吉田-31.3 内川-39.9

 

 

3回戦

東3局 ドラ三筒
絶好調本田に手牌が押し寄せる。なんと配牌がこちら。

五万六万六万六万七万三索三索五索六索五筒五筒六筒六筒七筒

第1打は三索を選択。
そして、6巡目こちらは日本プロ麻雀連盟Twitterの何切る企画でも取り上げられていた局面。

 

100

 

567の三色にリャンペーコー、その先には三色同刻やツモリ四暗刻も見える、なんとも贅沢な選択だ。
本田は打五索をチョイスしたが、皆さんなら何を打つだろうか?
結果は山田のリーチを受けた直後にこの形でツモアガリとなった。

五万五万五万六万六万六万六索六索五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ四筒

なんとなく嫌な空気を感じているのは山田だ。
1回戦から何度も競り負けて、チャンス手を潰されてしまっている。こんな日はまず勝てない。もちろん科学的な根拠などないのだけれど、開局2局でアガリをものにして、この上ないスタートを切ったが、吉田のマークによって崩れ始め、それがまだ尾を引いているようでもある。

手牌が押し寄せ、展開が向いているのは間違いないのだが、その他の局でも隙の無い選択が見られた。
例えば3回戦の東1局、西家の本田は6巡目、
ドラ五筒

二万三万四万七万九万一索三索三索七筒八筒九筒西西  ツモ東

四索としたあと東をツモって打三索とする。
打点が着いてこなければ、東は絞り切るという選択だ。このときの親番吉田の手牌がこちら。

四万五万六万三索四索四索六索五筒六筒東東発発

吉田の6巡目までの捨て牌はわりと平凡なもので、東が鳴かれそうだという情報は出ていない。

九筒 上向き一索 上向き南西九万 上向き二筒 上向き

1枚切れではあるが、字風の西を生かした軽いアガリを目指すという選択もアリだとは思うが、本田はそうしなかった。

アガリをものにするときは思い切りよく攻め、中途半端な手牌では徹底的に防御策をとる。本田のフォームが崩れていないことが伝わる1局であった。

オーラスに2,000、4,000をツモアガった吉田がトップで終了。
本田、内川は浮きをキープ。山田は痛い1人沈みのラスとなってしまった。

3回戦終了
吉田+21.6 本田+6.3 内川+3.2 山田-29.1
3回戦終了時成績
本田+78.6 吉田-10.7 山田-31.2 内川-36.7

 

 

4回戦
起家から本田、吉田、山田、内川
東1局
11巡目に南家吉田がチーしてテンパイ。

三万三万四万四万五万五万二筒四筒五筒五筒  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き

チーした時の手出しは六万で前巡に八索が先に打たれているという、若干変則的な手順だ。
7巡目にも上家から五索が打たれてはいるが、それでも吉田のチーテンは高打点を想定される。
同巡、内川が高目三色のピンフリーチをかける。

六万六万七万八万九万七索八索九索五筒六筒七筒七筒八筒

対して、親の本田はチャンタ三色のイーシャンテン。

二万九万一索二索三索一筒二筒三筒九筒九筒発発発

仕掛けた吉田もリーチに対して無スジを飛ばし、引く気配はない。さらに山田も軽い押し返しを見せており、ドラを持っていない本田は多少引き気味に構えるだろう。。
この手牌から内川の宣言牌八筒を合わせたときにはそう思った。
しかし、本田はまず三索をプッシュ。吉田の仕掛けはカン五索からなので打ちやすくはあるが、内川には危険な三索だ。
この1牌だけを押すことは容易いかもしれないが、この後二万ないし九万も勝負する構えということである。
決まれば高いチャンタ三色のイーシャンテンではあるが、ドラは相手に内蔵されている可能性が高く、テンパイしても愚形が残る可能性も高い。
これまでのリードを踏まえると、ブレーキがかかってしまいそうな場面ではあるが、本田は押すことを選択した。
この攻めの姿勢が功を奏し、テンパイして親番をキープすることに成功した。

東3局1本場
この半荘を含め残り5回戦。どうしても親番をキープしたい山田が苦しい選択を迫られる。

 

100

 

内川、吉田にテンパイが入っていることは確信しているであろう。
価値感はそれぞれではあるが、一発裏ドラのない日本プロ麻雀連盟の公式ルールにおいて、ノーテン罰符の価値は高いとされている。
まして首位の本田とは約110ポイント差の山田にとっては親番を維持することにも大きな意味があるため、打牌候補は一索九筒の2択となる。
どちらで放銃した方が高くつくということよりも、放銃確率の低い方を選択する、というのが優先されるテーマで内川の最終手出し三索を見ると、一索が非常に打ちづらい。山田打った九筒は吉田に3,900は4,200の放銃となってしまう。
内川のテンパイ形は

一万二万三万七索八索九索一筒二筒三筒南  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き

であった。
仮にこれが1回戦目ならどちらも打たないという選択肢も出てくるし、放銃率は若干高くても、失点が少なそうな牌を打つという選択も出てくる。
各選手が優勝のみを意識したときに出てくるゲームの歪みはタイトル戦決勝特有のものだ。

東4局ドラ九筒
親番内川に5巡目テンパイが入る。

二万二万三万三万三万五万一索二索三索一筒三筒五筒七筒  ツモ六筒

三色などへの変化を待ち、打五万としてヤミテンに構えると、10巡目に待望の一万を引き入れてリーチ。
その宣言牌二万を南家の本田がチーしてテンパイ。

一索二索三索一筒二筒三筒三筒四筒九筒九筒  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き

親のリーチ相手だが、一切怯むことなく攻め切った本田に軍配があがり1,000、2,000のツモ。
南4局では吉田がツモアガらずの選択をして見事トップに立ったが、本田も浮きをキープ。
大きなリードを守ったまま、初日を駆け抜けた。

4回戦終了
吉田+11.3 内川+6.2 本田+4.0 山田-21.5
4回戦終了時成績
本田+82.6 吉田+0.6 内川-30.5 山田-52.7


良い手牌がきてくれさえすれば、誰でも勝てるのが麻雀ではある。今日の本田はまさしく優勝者のそれを感じさせるが、あとは落ち着いて自分の麻雀が打てるかどうか。
鳳凰位の吉田、十段位内川、A2首位争い常連の山田がよってたかって襲いかかってくる2日目となるが、果たして本田は冷静に自身の麻雀を打ち切ることができるのであろうか?
また、格上である3者は、このリードをどのように崩していくのか。

2日目に続く

編集部

何を切る? 2020年4月

第10期麻雀グランプリMAX 3回戦 東3局1本場 東家 本田朋広プロ

 

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

 

■プロ解答

五索切り

 

 

 

 

六索切り

 

 

 

 

六万切り

 

 

 

 

■実況・解説陣

 

 

日吉「リャンペーコーがある。その先には四暗刻があります。」
佐々木「牌の来方によっちゃ三色同刻もあるんじゃないですか?五索を切っておくとおもしろいですね。」
瀬戸熊「手牌が良すぎて難しい。リャンペーコーと三色の悩みって凄いね。」

 

 

■プロの視点
本田朋広プロ「まず、配牌からの構想としては、タンピン三色狙いで第一打から三索のトイツ落としとしました。七対子も見て打六万とする選択肢もありましたが、ここは河を作ることを重視しました。
分岐点のこの六索ツモで、リャンペーコー狙いに切り替えて五索切りとしました。第一にポイント状況から単純に広く受けて攻撃の手を緩めないということ。もちろんその先に三色同刻や四暗刻への渡りもあります。状況によってはタンヤオテンパイからの仕掛けも視野には入れていました。
七索引きのヤミテンも魅力ではあったのですが、ソーズの手応えもそこまで良く感じなくなっていたので、自分から見て一番使われづらいマンズの受けに比重を置きました。」

 

 

■終局図

 

 

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