第199回:プロ雀士インタビュー 伊藤優孝  インタビュアー:HIRO柴田

思えばここ数年よくご一緒させて頂き大変お世話になった。

令和元年という記念すべき年に十段位を齢70にして載冠した、皆さんおなじみ、日本プロ麻雀連盟チャンネルで“魔の4回戦”や“エンジンが~”など数々の名言を生み出した¨死神の優¨こと伊藤優孝プロのインタビューをさせて頂くことになりました。レジェンドのインタビューを出来ることは嬉しいのですが、文章力が無いのでハードルは低めに設定して読んで頂ければ幸いです。

 

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柴田「十段戦優勝おめでとうございます。今日はこの後(漢塾)もあるのでお酒とかは無いのですが、僕1人だと全く気が利かないので、大和くんと一緒にお話を聞かせて下さい(大和プロは凄く気が利くのです)」

 

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柴田「まずは今年の十段戦予選から決勝まで道のりどうでしたか?」

伊藤「九段戦Sは苦戦したんだよね。4番手で迎えた最終戦で、特大のトップをとって切り抜けたんだけど、そこが大きかったよね。ベスト16、8は余力があった感じだった」

九段Sは4番手で迎えた最終戦で5万点を越えるトップで逆転勝利。ベスト16は80ポイント差で余裕の勝ち上がり、ベスト8は100ポイント差で最終戦を迎えるという圧勝であった。

柴田「決勝は11回戦の特に東1局ペン三万をツモり8本場という大連荘になり、これはもう決まるかもと思いましたがどういった感じでした?」

 

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伊藤「最後の2戦はいまあるすべてを懸けて、特に11戦目はトップ、それもデカトップにして、最終戦で役満をアガられても届かないくらいのね、どんなに加点しても、俺の脳裏には王位戦の役満が蘇るからね」

柴田「あの王位戦はまだ記憶に新しい逆転劇でしたもんね、樋口プロの鮮やかな緑一色でした」

樋口徹 大逆転初タイトルを引き寄せる緑一色!!

伊藤「だから今回も最後は形になったよ、それでも攻め続ける。相手は役満アガっても届かないかもしれないけど、それでも藤崎が大きい手をアガってくるから最後まで攻め続ける」

柴田「対局している側としては、あの2万で一息ついた感じですかね。北切りとの選択でしたが、解説の前原プロが麻雀とは感じるものと仰っていたのが印象的でした」

伊藤「調子が良いときは感が冴えるもので、若いころってね、もっとこうピッピッーってヤバイ牌が、こうキケーンッって感じるものがあって、アガリに関しても通じるものがあるんだけど、最近はそれが少なくなってきて、でもあの時はそれと似た感覚で、この2万単騎はアガれるって感じたのよね。」

 

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柴田「リードした時の戦い方で、心がけたこととかありますか?」

伊藤「自分でブレーキ踏んで、勢いを失くすくらいなら振っておいたほうがいいのよ、振るべき時に振る分にはエンジンは落ちないんだから、わかるだろ?」
※麻雀の話です

柴田「それは、リーグ戦などの対局の中で身をもって覚えさせられますよね、それでも損得勘定をいかに振り切れるかが難しいというか」

伊藤「俺だって怖いんだよ、そこを覚悟して行くんだよ!」

大和「機械じゃなく人間ですものね」

伊藤「手術や注射だって怖い、でも不意打ちじゃないから腹にこうグッと力入れて覚悟して行くんだよ。そうすれば痛みも半減するから」

注射は特に怖くなかったが小さくうなずいた・・

打牌とかの理由を求めがちな現代風な話ではないが、優孝さんとのこういった話が僕にとって凄く価値のある貴重な時間であって、そこに答えはなく、自ら感じ取って紐解かなくてはいけない。
自分の感性に刺激を与えてくれる偉大な存在と、このような話が出来るということは本当に幸せなことだ。

 

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¨最後に¨

伊藤「漢の戦いにあきらめはない、今は人生100年と言われる時代になった。私も100歳目指してまだまだ終わるつもりはない」

–漢流儀–
伊藤優孝の戦いはまだ続くのだろう
いつまでも元気で、皆に愛されている伊藤優孝をこれからも追い続けたい。

 

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第14期女流桜花 Aリーグ プレーオフ成績表

 B C

第13期女流桜花
仲田 加南
出身地(神奈川)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 魚谷 侑未(新潟) ▲ 9.2 82.2 104.8 54.5 ▲ 15.0 ▲ 9.9 11.0 218.4
2 武石 絵里(東京) 8.2 55.6 4.9 46.1 19.0 36.8 ▲ 30.7 139.9
3 古谷 知美(東京) 48.4 34.9 ▲ 16.7 ▲ 29.9 ▲ 31.1 53.3 68.3 127.2
4 赤司 美奈子(福岡) ▲ 12.9 78.4 36.3 ▲ 20.3 94.2 8.7 ▲ 58.4 126.0
5 清水 香織(栃木) 8.9 27.8 41.9 ▲ 41.2 15.3 58.8 12.0 123.5
6 松岡 千晶(東京) 7.1 19.6 25.7 10.8 13.9 34.0 5.2 116.3
7 二階堂 瑠美(神奈川) 36.6 13.0 22.5 16.9 ▲ 44.4 ▲ 1.8 14.5 57.3
8 山脇 千文美(北海道) 27.2 30.7 31.6 ▲ 42.1 18.6 ▲ 55.4 ▲ 22.9 ▲ 12.3
9 吾妻 さおり(東京) 10.7 ▲ 18.1 ▲ 8.9 ▲ 15.6 67.1 ▲ 25.0 10.2
10 内田 美乃里(神奈川) 15.2 53.6 ▲ 64.6 20.7 ▲ 34.8 7.1 ▲ 2.8
11 二階堂 亜樹 (神奈川) 33.9 ▲ 65.4 27.2 24.1 ▲ 3.2 ▲ 20.7 ▲ 4.1
12 美波 智子(埼玉) ▲ 26.4 ▲ 48.5 50.9 ▲ 38.7 ▲ 24.5 36.4 ▲ 50.8
13 西山 あみ(神奈川) 12.2 3.4 ▲ 19.4 6.2 ▲ 55.1 ▲ 9.6 ▲ 62.3
14 稲岡 ミカ(大阪) 30.4 ▲ 67.5 ▲ 0.4 17.7 ▲ 12.7 ▲ 48.2 ▲ 80.7
15 中山 奈々美(長野) ▲ 20.4 ▲ 39.4 ▲ 15.7 ▲ 31.7 ▲ 6.1 32.1 ▲ 81.2
16 石田 亜沙己(愛知) ▲ 42.5 ▲ 53.0 ▲ 19.8 27.9 0.7 ▲ 4.8 ▲ 91.5
17 和泉 由希子(東京) ▲ 11.2 ▲ 33.1 ▲ 14.4 ▲ 21.8 ▲ 26.4 ▲ 3.0 ▲ 109.9
18 黒沢 咲(東京) ▲ 51.7 ▲ 56.2 ▲ 88.7 26.1 46.8 ▲ 6.6 ▲ 130.3
19 中野 妙子(高知) ▲ 43.2 ▲ 27.2 ▲ 30.3 ▲ 21.7 10.2 ▲ 44.1 ▲ 156.3
20 斉藤 理絵(東京) ▲ 21.3 7.2 ▲ 66.9 ▲ 9.0 ▲ 32.5 ▲ 38.1 ▲ 160.6

第15期静岡プロリーグ 第7節レポート

すっかり冷え込み、秋の季節の深まりを感じる中、第15期静岡プロリーグ第7節が行われた。
会場内では、外気を感じさせないような熱気に包まれていた。
それでは各卓の結果を振り返りたい。

1卓
鈴木秀幸 × 都築友和 × 青嶋宏樹 × 田中寛治

第6節終了時

鈴木秀(+0.1P) 都築(▲64.1P)
青嶋(106.0P) 田中(169.4P)

首位を走る田中をなんとしても引きずりおろしたい青嶋・鈴木秀。
都築はとにかくプラスが欲しい状況。

都築 +51.8P 青嶋 +22.0P
田中 ▲17.7P 鈴木秀 ▲56.1P

結果は都築が借金を返済間近までポイントを回復した。残りの節も上を向いて戦うだろう。
田中はマイナスを最小限に抑えた印象。劣勢に立たされたときにも落ちついて対応していた。精神力が強い。初の決勝進出を目指す。

2卓
藤本哲也 × 鷲見隼人 × 蓮沼友樹 × 杉村泰治

第6節終了時

藤本(▲8.0P) 鷲見(▲84.2P)
蓮沼(▲24.4) 杉村(▲4.8P)

全員がマイナスしている卓なだけに殴り合いが予想される。メンゼン高打点の鷲見が有利な展開と見る。

杉村 +89.2P 蓮沼 +20.3P
藤本 ▲41.0P 鷲見 ▲68.5P

結果は杉村が80Pオーバーの大爆発。
今期の杉村は4節にも80Pプラスしていて、普段の受けの強い麻雀だけではなく、攻撃的な部分も垣間見えた。
決勝進出も十分に視野に入ってきた。

3卓
鈴木郁孝 × 川崎義之 × 大月れみ × 渡辺洋巳

第6節終了時
鈴木郁(+78.1P) 川崎(+70.1P)
大月(▲44.0P) 渡辺(▲93.7P)

前年度に続き、決勝進出を視野に入れる鈴木郁はポイントを伸ばしたい。今節も腕を振っていきそうだ。
同じく、決勝進出を視野に入れたい川崎もなんとしてもプラスで終えたいところか。

川崎 +84.6P 渡辺 ▲18.2P
鈴木郁 ▲25.8P 大月 ▲40.6P

結果はここ最近の活躍が目覚ましい川崎が杉村に続き、80Pオーバー。首位に立った。川崎は節ごとに自身のテーマをしっかりこなせている印象。
鈴木郁は決勝進出に向けてここは手痛いマイナスとなった。

4卓
平野敬悟 × 中寿文 × 岩井健太 × 高木翔太

第6節終了時
平野(▲22.0) 中(+52.6P)
岩井(+133.2P) 高木(▲84.1P)

全節プラスの安定感抜群の岩井が今節もプラスするのか?
前半戦は好調だった中はこのままポイントを減らしていくのか?
意地を見せたいところ。

中 +52.8P 高木+8.6P
岩井 ▲30.4P 平野 ▲32.0P

安定感岩井をマイナスさせ、自身が50Pのプラスをするという中の理想的な結果になった。
岩井に初の黒星をつけさせたことで自信にもなった。
ここから勢いに乗るであろう中は怖い。

5卓
太田昌樹 × 山本拓哉 × 岡本和也 × 岡田智和 × 斉藤隆

第6節終了時
太田(+78.4P) 山本(+120.8P)
岡本(+84.9P) 岡田(▲16.6P)
斉藤(▲209.0P)

上位陣が3人と、ここでプラスするということは決勝進出に大きく近づくということは3者とも理解しているはず。

斉藤 +7.9P 太田 +7.5P
岡田 +4.6P 岡本 +0.7P
山本 ▲20.7P

結果は斉藤が小さいが嬉しい嬉しい卓内トップ。
本人もこの卓で卓内トップは自信になる。
来期に繋がる麻雀を打ったとコメント。
上位陣の中で山本だけがマイナスしたが、まだまだ焦るようなポイントではない。

第7節が終了し、100Pオーバーの上位陣が
1位川崎 +154.7P
2位田中 +151.7P
3位青嶋 +128.0P
4位中  +105.4P
5位岩井 +102.8P
6位山本 +100.1P
と続く。

上位陣がポイントを伸ばさなかっただけに1位から6位まで約50P以内の僅差という状況。
下からの追い上げもある。
まだまだ誰が決勝進出するか分からない。

面白いのは前年度決勝進出の藤島(+30.2P)が残り2節、望月(+17.4P)が残り4節別日対局が残っているということ。
この2人にこれだけ対局が残っていることは決勝進出争いに割って入る予想ができるだけに上位陣の脅威になるであろう。

残り3節。いよいよ静岡プロリーグも大詰め、まだまだ多くのドラマが待っているに違いない。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 川崎義之 ▲ 7.5 38.4 24.7 ▲ 28.7 55.0 ▲ 11.8 84.6 154.7
2 田中寛治 ▲ 12.1 54.5 18.3 47.2 53.4 8.1 ▲ 17.7 151.7
3 青嶋宏樹 15.7 ▲ 55.3 49.0 43.5 53.1 22.0 128.0
4 中寿文 43.7 ▲ 13.0 ▲ 5.1 28.1 7.7 ▲ 8.8 52.8 105.4
5 岩井健太 2.3 5.3 21.9 55.8 5.4 42.5 ▲ 30.4 102.8
6 山本拓哉 3.9 ▲ 5.6 38.2 41.1 13.4 29.8 ▲ 20.7 100.1
7 太田昌樹 11.5 ▲ 24.7 76.2 45.3 ▲ 29.9 7.5 85.9
8 岡本和也 29.9 ▲ 4.1 29.4 ▲ 8.2 ▲ 18.9 56.8 0.7 85.6
9 杉村泰治 ▲ 36.1 5.5 ▲ 15.8 82.5 ▲ 40.9 89.2 84.4
10 土屋幸弘 ▲ 3.8 30.4 41.1 9.4 ▲ 20.2 56.9
11 鈴木郁孝 ▲ 1.8 27.9 30.4 ▲ 33.9 ▲ 14.7 70.2 ▲ 25.8 52.3
12 原佑典 38.6 65.1 ▲ 13.4 ▲ 28.8 12.9 ▲ 22.5 51.9
13 足立純哉 36.7 9.8 ▲ 40.9 12.0 21.5 39.1
14 藤島健二郎 ▲ 51.1 2.6 ▲ 27.4 14.5 91.6 30.2
15 望月雅継 41.9 21.2 ▲ 45.7 17.4
16 京平遥 ▲ 20.2 ▲ 24.8 20.6 26.2 1.8
17 岡田智和 ▲ 69.4 ▲ 24.2 ▲ 6.5 29.7 18.6 35.2 4.6 ▲ 12.0
18 都築友和 ▲ 30.4 ▲ 55.1 ▲ 8.1 ▲ 4.4 33.9 51.8 ▲ 12.3
19 中野妙子 ▲ 58.9 32.3 ▲ 32.2 47.7 ▲ 2.1 ▲ 20.1 ▲ 33.3
20 蓮沼友樹 ▲ 2.2 1.1 ▲ 41.4 ▲ 32.0 18.1 20.3 ▲ 36.1
21 鈴木涼太 28.7 ▲ 32.3 ▲ 42.5 11.6 ▲ 47.4 38.1 ▲ 43.8
22 藤本哲也 15.1 10.1 ▲ 6.0 ▲ 62.3 35.1 ▲ 41.0 ▲ 49.0
23 平野敬悟 ▲ 41.1 6.4 ▲ 19.2 45.4 ▲ 13.5 ▲ 32.0 ▲ 54.0
24 鈴木秀幸 ▲ 12.3 ▲ 31.2 63.9 12.2 ▲ 32.5 ▲ 56.1 ▲ 56.0
25 高木翔太 ▲ 3.2 ▲ 0.4 ▲ 65.0 ▲ 15.5 8.6 ▲ 75.5
26 大月れみ 4.6 22.1 40.2 ▲ 40.9 ▲ 5.6 ▲ 64.4 ▲ 40.6 ▲ 84.6
27 大橋幸正 34.8 ▲ 33.9 ▲ 34.2 ▲ 13.4 ▲ 41.2 ▲ 87.9
28 後藤咲 11.7 ▲ 54.4 ▲ 23.2 ▲ 22.3 ▲ 23.1 8.9 ▲ 102.4
29 渡辺洋巳 ▲ 2.0 9.4 ▲ 17.5 ▲ 26.1 ▲ 42.1 ▲ 15.4 ▲ 18.2 ▲ 111.9
30 鷲見隼人 28.9 35.7 ▲ 79.3 ▲ 68.1 29.2 ▲ 30.6 ▲ 68.5 ▲ 152.7
31 相沢かおる 11.0 39.5 0.2 ▲ 86.9 ▲ 49.6 ▲ 108.8 ▲ 194.6
32 斉藤隆 ▲ 27.9 ▲ 58.3 2.1 ▲ 68.6 ▲ 56.3 7.9 ▲ 201.1

第34回静岡リーグ(プロアマ混合)第2節レポート

静岡リーグは1節4回戦の全5節で成り立つリーグ戦となっている。
午後2時30分に受付を終了し、その後対局となるわけだが、静岡プロリーグにも参加しているプロは、午前から始まる4回戦のリーグ戦を行うため、1日で計8回戦を戦うことになる。

1日で8回戦を戦うことも大変だが、午前中のプロリーグの進行具合によっては、ほとんど休憩も取れず打ち続けなければならない場合もあるため、かなりの集中力が必要とされる。
私はあまり集中力が長く続くタイプではないため、集中力が切れてくると時々ぽかをやらかしてしまう。

この日は午前中の静岡プロリーグでは絶好調だったが、静岡リーグでは集中力を欠き、さらに体調不良も相まって、大きくマイナスすることとなってしまった。
万全の体調で対局に臨むというのもプロとして大事な仕事の1つでもあるので、今後は気をつけるようにしたい。

私の地元である静岡市では、10月の初旬からインフルエンザが流行っている地域があり、早くも学級閉鎖になった学校もあった。
リーグ戦参加者の皆様にも、普段から健康管理をし、手洗い・うがいなど自分で出来る簡単な予防は行い、万全の体調で対局に臨んでいただきたい。

前置きが長くなってしまったが、第2節の結果を確認してみよう。
首位に立ったのは高木プロ。
静岡支部に移籍してからここまでいい結果を残せないでいたが、昨年度の終盤から徐々に成績が上向いてきており、今回ようやくチャンスが回ってきた。

かなり仕掛けの多い印象がある選手だが、過去に「仕掛けの魔術師と呼ばれたい」というタイトルでブログを書いていた時期があったようで、こだわりを持って自分のスタイルを貫いているようだ。

このまま突き進み、決勝の切符を掴み取ってもらいたい。
2位につけたのは山本プロ。
過去に優勝経験もあり、常に安定した成績で上位争いをしている選手。

3位はこの日+114.5Pを叩き出した一般参加の鈴木貴仁さん。
まだ静岡リーグは今回で2回目の参加となるが、早くもチャンスが回ってきた。
ポイントを持ったことで守りに入らず、攻め切れるようなら上位進出が見込めるだろう。

4位も一般参加の平田さん。過去何度も惜しいところで決勝進出を逃しており、今回こそはと意気込んでいることだろう。

今節を終え、上位には一般参加の選手が多くを占める結果となった。静岡リーグに参加しているアマチュア選手は本当に強いと感じる。
普段から麻雀の研究に余念がないのであろう。

しかし、プロとして簡単に負けるわけにはいかない。
私は今回かなり苦しい位置となってしまったが、あきらめず最後まで戦いぬきたいと思う。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 高木翔太 プロ 54.1 58.0 112.1
2 山本拓哉 プロ 72.7 27.3 100.0
3 鈴木貴仁 一般 ▲ 24.6 114.5 89.9
4 平田拓也 一般 47.5 37.5 85.0
5 鈴木郁孝 プロ 0.0 77.0 77.0
6 鈴木博直 一般 0.0 67.1 67.1
7 松清一樹 一般 4.5 60.5 65.0
8 北川光 一般 72.9 ▲ 11.3 61.6
9 堀孔明 一般 4.4 54.6 59.0
10 西田孝志 一般 51.6 2.9 54.5
11 北島武弘 一般 56.6 ▲ 3.1 53.5
12 白井健夫 一般 5.9 37.7 43.6
13 坂本彰光 一般 ▲ 59.7 98.5 38.8
14 蓮沼友樹 プロ ▲ 3.5 37.9 34.4
15 大谷数則 一般 35.7 ▲ 1.3 34.4
16 石津寿人 プロ ▲ 18.2 50.7 32.5
17 岡本和也 プロ 78.3 ▲ 49.9 28.4
18 高橋孝基 一般 ▲ 10.4 37.6 27.2
19 安藤順一 プロ 11.7 15.2 26.9
20 牧野卓人 一般 22.8 3.1 25.9
21 伊藤真 一般 16.9 9.0 25.9
22 杉村泰治 プロ ▲ 2.0 27.9 25.9
23 小倉雨 一般 ▲ 15.7 40.6 24.9
24 田中寛治 プロ 36.8 ▲ 14.3 22.5
25 久保田和治 一般 9.4 11.3 20.7
26 本田真之 一般 76.4 ▲ 57.4 19.0
27 渡部文也 一般 63.4 ▲ 44.9 18.5
28 松永誠 一般 ▲ 22.6 35.9 13.3
29 舟橋晃 一般 12.9 0.0 12.9
30 都築友和 プロ 38.8 ▲ 26.4 12.4
31 宮地孝尚 一般 59.6 ▲ 53.3 6.3
32 渡辺洋巳 プロ 0.0 5.2 5.2
33 阪本恭郎 一般 35.5 ▲ 32.5 3.0
34 中野一男 一般 ▲ 4.2 6.8 2.6
35 平野敬悟 プロ 25.8 ▲ 23.6 2.2
36 太田昌樹 プロ 0.0 2.0 2.0
37 小山剛史 一般 0.0 0.0 0.0
38 深見翔 一般 0.0 0.0 0.0
39 望月雅継 プロ 31.0 ▲ 35.5 ▲ 4.5
40 大月れみ プロ ▲ 2.9 ▲ 4.5 ▲ 7.4
41 土屋幸弘 プロ 21.4 ▲ 30.3 ▲ 8.9
42 中寿文 プロ ▲ 59.2 50.3 ▲ 8.9
43 藤島健二郎 プロ ▲ 11.6 2.0 ▲ 9.6
44 斉藤隆 プロ 13.8 ▲ 24.2 ▲ 10.4
45 青嶋宏樹 プロ ▲ 41.9 31.1 ▲ 10.8
46

大橋幸正

プロ ▲ 25.1 9.7 ▲ 15.4
47 藤井太郎 一般 ▲ 6.1 ▲ 13.9 ▲ 20.0
48 鈴木秀幸 プロ 0.0 ▲ 26.8 ▲ 26.8
49 井上一雄 一般 ▲ 27.4 ▲ 5.0 ▲ 32.4
50 川崎義之 プロ 15.2 ▲ 52.2 ▲ 37.0
51 服部哲也 一般 ▲ 64.7 26.3 ▲ 38.4
52 源馬健太 一般 ▲ 9.9 ▲ 30.4 ▲ 40.3
53 片山一哉 一般 0.0 ▲ 50.5 ▲ 50.5
54 安藤真由美 一般 ▲ 66.6 14.6 ▲ 52.0
55 大橋義一 一般 ▲ 57.0 0.0 ▲ 57.0
56 中野妙子 プロ ▲ 58.8 1.4 ▲ 57.4
57 原佑典 プロ ▲ 40.8 ▲ 16.8 ▲ 57.6
58 京平遥 プロ ▲ 61.6 0.0 ▲ 61.6
59 牧野光治 一般 ▲ 51.9 ▲ 11.3 ▲ 63.2
60 影山恒太 一般 ▲ 35.7 ▲ 32.2 ▲ 67.9
61 鈴木雅人 一般 13.5 ▲ 82.8 ▲ 69.3
62 伊藤裕美子 一般 ▲ 11.8 ▲ 61.4 ▲ 73.2
63 福井弘人 一般 ▲ 28.1 ▲ 47.2 ▲ 75.3
64 渡会拓人 一般 ▲ 50.9 ▲ 25.8 ▲ 76.7
65 山内紀博 一般 ▲ 76.6 ▲ 7.3 ▲ 83.9
66 加藤拓 一般 ▲ 65.3 ▲ 19.9 ▲ 85.2
67 八木寛大 一般 ▲ 34.0 ▲ 55.1 ▲ 89.1
68 村瀬光佳 一般 ▲ 22.0 ▲ 71.7 ▲ 93.7
69 鷲見隼人 プロ ▲ 56.3 ▲ 39.0 ▲ 95.3

第32期中部プロリーグ 第8節レポート

Aリーグ:大橋幸正

中部プロリーグ第8節が開催される1週間前に、第1期中部リーグ(プロアマ混合)が開幕した。
参加者の熱量が非常に高く、良いリーグ戦が始まったという印象を受けた。参加者人数は30名と比較的小規模にはなっているが、これから先、時間をかけて規模を大きくしていければ良いと思う。参加プロも現状は8名となっているが、より多くのプロが参加したいと思えるようなリーグ戦になることを願う。中でも特に若手プロには、可能な限り参加することを勧めたい。私も、時間の許す限り、いろんな公式対局に参加させて頂いているのだが、その全てが自分のプロ生活において貴重な経験となっているし、特にプロアマ混合の場に顔を出すことは、自分の存在をアピールする絶好の場である。自分を応援していただける方が増えれば、中部プロリーグを観戦したいと足を運んでくれる方も増えるであろう。中部本部を活性化させ、より良いものにするため、多くのプロに一考していただきたいと思う。
それでは、いよいよ残すところ3節となり、大詰めの段階に入った第8節の模様をお伝えしていこう。

第8節の組み合わせは以下の通り。
1卓 清水・掛水・長谷川・堤
卓内トップは掛水。いつも通り、じっくりと本手を組み、攻めるスタイルを貫き、4回戦目こそラスとなってしまったものの、+42.5Pのトップ。トータルポイントも4位に浮上し、昇級圏内に入った。そして、もう1人、この日好調だったのは堤。掛水が「好調な堤にだけは、ぶつけず受けた。」と対局終了後コメントしていた通り、主導権を握って押し引きを図る堤の思惑がぴったりとハマった対局となった。長谷川は大きく沈み、15位に後退。清水も▲32.2Pのマイナスをしてしまい、決勝は安泰かと思われたが、一転して予断は許さない状況となってしまった。

2卓 小野・寺戸・都築・村瀬
1回戦から大物手が飛び交い、目まぐるしいシーソーゲームとなった対局となったが、結果は終始、安定した打ちまわしをした小野のパーフェクトゲームとなった。小野のイメージは、細かいアガリを多く拾っていくイメージであったが、今節はかなり重く手を組んでいた局も見受けられた。元々、雀力には定評のある選手なだけに、さらに脅威的な選手に変貌していく予感を感じさせられた。現状、最下位の都築は、3回戦までマイナスしていたものの、4回戦目で都築にとって非常に大きなトップを取ることができ、プラスで終え残留に望みを繋げた。

3卓 三戸・土岐・林・森下
卓内トップは森下。1回戦から調子が良く、3回戦が終わった時点で+52.5P。前節まで15位と降級ポジションにいる森下にとっては、4回戦目もポイントを伸ばしたいところであったが、痛恨のラスとなってしまい、この日+35.9Pと決して悪い結果ではないが、どこか不満の残る結果となってしまった。4回戦目に森下にとって分岐点となる局があった。

東2局5巡目に南家の林から以下のテンパイでリーチが入る。

一万一万一索一索一索二索三索四索六筒七筒八筒南南  ドラ一万

このリーチに対し、西家の森下は真っすぐぶつけ、11巡目に以下の牌姿

一万二万三万六万七万八万一索二索三索一筒三筒五筒中中

ここから、無筋の五筒を勝負し、ヤミテンに構える。
13巡目に危険牌の三筒を持ってきて、一筒切りリーチとした。この選択がどうであったか?結果、森下が南を掴み、8,000の放銃。しかし、森下が南を掴む前に、林が二筒を先に掴んでいた。強く三筒を押せば・・・一筒切りヤミテンに構え二筒でオリてさえいれば・・・結果論かもしれないが、調子が良かっただけに森下にとって、悔いの残る選択となったかもしれない。

三戸、林は安定した戦いを見せプラス、対して土岐はオール逆連対で痛恨の1人マイナスとなり、決勝争いから一歩後退した。

4卓 伊藤(鉄)・朝岡・加藤・斎藤
1、2回戦と伊藤(鉄)の調子が良く、この卓は伊藤(鉄)のワンサイドゲームになりそうな予感がしたが、3回戦目以降、残りの3者が踏ん張り、終わってみれば、平たい結果となった。中でも斎藤は、1回戦で1人沈みのラスとなり、逆境に立たされたが、2回戦、3回戦で大きくポイントを積み上げ、プラスで終えることに成功した。第6節から斎藤は似たような展開が多く、逆境に立たされてから凄い力を発揮している。トータルポイントは降級圏内から脱出し、今度は逃げる立場となる。どういった戦い方を見せてくれるか、注目である。

ダントツトップを走っていた清水がマイナスし、決勝進出争いが混沌としてきた。清水は第8節まで一貫してかなり深く踏み込む麻雀を見せ、面前テンパイ時はリーチを多用するスタイルを貫いている。それがポイントを積み上げてきた要因であるのは間違いないが、踏み込みが深すぎるのは痛手を追う危険が高い。また、リーチという役は他家に直撃チャンスを与えるものでもあるので、リーチの多用はリスクを背負う戦術である。もちろん、清水はわかってやっているのだが、今節のマイナスで状況は一変し、決勝安泰のポイント差では無くなった。最終節では小野、三戸、伊藤(鉄)との上位陣との直接対決が控えている。
清水にとって、鳳凰戦C1リーグに属する試合巧者3名との最終節を控えているだけに、決勝進出に向けて、次節が重要な戦いとなるであろう。今まで通りの戦い方を貫くのか、戦術を変えてくるのか、要注目である。

残す所2節となり、自分のポイントだけを考えて良い時期では無くなった。それぞれが相手の動向を見ながら、どういった戦いをしてくれるのか、次節も要注目である。

 

 

Bリーグ:大橋幸正

第32期中部プロリーグBリーグは第3節を迎えた。Bリーグ以下は5節しか無い戦いで、ちょうど折り返し地点である。自分の位置を推し量る上で、大胆な勝負がけが出来るのは第3節までであろう。対局開始前の選手の表情を見ると、どの選手もやる気に満ち溢れた表情を見せており、大変良い雰囲気の中、対局が始まった。
対局開始早々、第2節までとは様子が違い、「12,000」「4,000オール」「7,700」という発声が頻繁に聞こえてきて、各卓で高打点が飛び交っている。連盟公式ルールは一発、裏ドラが無い分、高打点が出にくいと言われているが、そんなことは決して無い。単純な話、最速手順を目指すことを主にするのではなく、高打点を作りにいくことを心掛ければ、自然とその道は見えてくる。
麻雀において、読みというものは必要不可欠なもので、読み無くしては、トータルで勝つことは不可能と言っても過言では無いだろう。しかしながら、読みに頼り過ぎることはいかがなものだろうかと思う。「この牌が切れなかった。」「他家の手にこの牌は持たれている。」「ヤマに残っていそう。」など、その局を凌ぐための言葉をよく耳にする。もちろん、そういった読みは大切なことで、ギリギリの攻防で、能力のある者と無い者では差が出てくる。しかし、しっかりと本手を組み、勝負手が出来上がった時は、大体の打ち手はどんな危険牌であろうと読みは関係無しに押す局面が多いはず。目先のテンパイやアガリを優先させ過ぎるが為に、本手を組むことを放棄して、結果、読みに頼らざるをえない局面が増えている人が多いのではないだろうか?
読みの中でも、一番大事なのは、あくまで自分の手に対する読み=アガリ読みや手牌構想力であると私は思う。
「相手の手を読んではダメ。」と数年前、沢崎誠プロが連盟チャンネルで言っていたのだが、沢崎は一流プロの中でも読みの精度はトップクラスであろう。中部プロリーグで低迷しているプロや新人プロには、小手先の技術ではなく、まずはしっかりと手を組む精度の向上に取り組んで頂くと道が見えてくるのではないだろうかと思う。

開始早々、各卓から高打点の発声が頻繁に聞こえてくるという事実だけで、この日の対局は意思の強い熱い戦いになっていると感じ、非常に見応えのある対局になると確信していた。

この日の主役はなんといっても杉浦(勘)。大きくポイントを伸ばし、2位以下を大きく突き放すダントツ首位に立った。勝負事は何が起こるかわからないが、今シーズンの杉浦(勘)の充実ぶり、また経験、実力共に一歩も二歩も上に行っているので、残り2節を平常心で打ち切ることさえできれば、結果はついてくるであろう。

そして、この日、+83.0Pと大きくポイントを叩き、2位に浮上したのは杉村。対局終了後、杉村にコメント頂いた。
「今日は昇級を意識して、とにかく親番を大切にすることを意識しました。」
杉村は自他共に認める守備型だが、大きくポイントを叩く日があることも、度々見受けられる。調子が良い時の打ち方に非常に長けた選手で、また、短いコメントの中からも自分の置かれている状況を的確に判断することに長けていることが見て取れる。中部プロリーグ、静岡リーグも優勝経験があり、決勝にも多数進出している。昇級を狙う3位以下の選手にとって、非常に嫌な選手が上にいる状況となった。

3位河合、4位山本(拓)、5位高橋、6位木村はいずれもポイントを伸ばし、昇級が狙える位置に付けているのだが、どういう巡り合わせか、この4者が第4節で直接対決となる。4者とも注目選手だが、中でも高橋がどう戦うのか注目したい。高橋は開幕前に爆発力が無いのが課題とコメントしており、今のところ、順調にポイントはプラスしてはいるものの、まだ爆発しきれていない。本人もこのままではいつも通りになってしまうと思っているであろう。どういった戦いを見せてくれるのか、楽しみである。

降級争いもし烈を極め、いよいよ佳境に迫ったBリーグ。残り2節、しっかりと見届け、皆様にお伝えしていこうと思う。

 

 

Cリーグ:越川清一

Cリーグ第3節。まず1人目に紹介するのは、32期岡田智和。ロン2レーティング2200をクリアし鳳凰戦C1リーグより出場する権利を得た第1号として今期より参戦し第2節を終えた時点で+124.4Pの2位につけている。
鳳凰戦に対する意気込みを聞くと「特殊な形でのC1からの参戦ということで周りからも注目されるでしょうし、恥ずかしい成績は残せないと最初はプレッシャーも感じていたのですが、必要以上に意識しても仕方がないと、今は自分らしく一打一打丁寧に集中して打つことを心掛けて臨んでいます。」と答えてくれた。
麻雀のスタイルを聞くと守備型、面前派で尊敬するプロは藤島健二郎プロと答えてくれた。
プロとしての目標は勝っても負けても常にプロらしい振る舞いのできる選手でありたいとのこと。そんな岡田の戦いを後ろで観戦する。

1半荘を通して少し掛かり気味に感じたが、一打一打集中して打つという意思は観ていて伝わってきた。
C1リーグの戦いは本人しか分かり得ない重圧の中での戦いとなるだろうが、インタビューした時の彼の強い眼差しを見て、少なくともそれに押し潰されることはないと私は思った。岡田の今後の活躍を期待して欲しい。

2人目は34期後藤咲。2年目ながら西日本最強戦ガールに選ばれ、知名度は抜群である。麻雀のスタイルは攻め重視の攻撃型で、尊敬するプロは同じ中部の森下剛任。そして目標とするプロは高宮まりプロと答えてくれた。プロとしての目標はアマチュアの方に憧れてもらえるようなプロになりたいとのこと。そんな後藤の戦いを後ろで観戦する。

打ち筋はオーソドックスで悪くはないのだが、私が気になったのは、少し落ち着きに欠ける所。勝ち気なことは悪いことではないが、冷静に卓上に集中できればもっといい麻雀が打てると思う。今後に期待したい。

上位陣に目を向けると、安藤が更にポイントをのばし昇級へ向け大きく前進した。そして今節+92.9Pで2位まで浮上した杉浦貴紀。
私が連盟に入った10年以上前に参加していた静岡リーグで当時対戦して怖いと感じた選手が2人いた。
1人は静岡支部所属の猿川真寿プロ。そしてもう1人が杉浦である。攻めの激しさに脅威を感じたのを今でもよく覚えている。しかしその後私の見解ではあるがスタイルが守備型になり少し寂しさを感じていた。
今節久しぶりに後ろで観戦した杉浦は、好調さもあったであろうが当時のスタイルが戻ってきていると感じ嬉しくなった。
次節同卓する、安藤、杉浦の観戦レポートを書きます。今から楽しみです。

 

 

●Dリーグ:越川清一

第3節を迎えたDリーグ。今節も注目する2人の女流プロを紹介したいと思います。
1人目は28期山本美文。麻雀のスタイルは対応型で尊敬するプロは同じ中部本部の青山大、伊藤鉄也。
プロとしての目標は、麻雀をより多くの人に知ってもらえるような活動をしていきたいと答えてくれた。そんな山本の戦いを後ろで観戦する。
自身で言っていた通り後手に回った時自ら切り込むということはなく回りの動きを見て受けに回ることが多い。少し力強さに欠けるかなと思い観ていたのだが、それを覆す1局があった。

南一局 南家 ドラ六万 持ち点22800
四巡目に
一万一万一索一索二索二索三索三索四索四索八索南西西のテンパイから一万を切っていく。
七巡目一索一索二索二索三索三索四索四索八索九索九索南西西となり迷うことなく南を切って八索単騎でリーチといく。
南八索は場に1枚切れ。私なら状況から南待ちのダマテンにしそうである。確かに3人の捨て牌から八索は山にいそうではあるがノータイムのリーチとは。対局後山本にこのことを聞いてみると「八索は山にいると思いました。リーチで押さえつけてツモりにいきました。」と答えてくれた。結果は勝負した親から12000のアガリとなった。 正直リーチはやりすぎとも思うのだがただ自分の読みを信じてノータイムでリーチといった決断力は高く評価したい。こういった意志の強さが勝負所で必ず生きてくると私は思う。
2人目は34期羽川えりか。麻雀のスタイルはバランス型で目標とするプロは黒沢咲プロと答えてくれた。プロとしての目標を聞くと「オリジナルの麻雀スタイルを確立して多くの人に認められたいです。そのために今は押し引きの勉強をしています。」と答えてくれた。
この受け答えに私は正直驚かされた。若手の女流プロでこんなことを考える打ち手がいるのかと。そして嬉しかった。それだけ真摯に麻雀と向き合っているというこに。そんな羽川の戦いを後ろで観戦する。
2回戦東一局東家。いきなり強烈な一局を見せつけられた。

配牌 一万八万九万一索二索六索九索九索九索西西白白発  ドラ四万

ここから第一打六索とする。この手を仕上げるには仕掛けが大前提となり、後々のアガリやすさ、鳴きやすさを見据えての一打である。6巡目に白をポンし7巡目に七索をチー、11巡目に西をポンしての12巡目三索のツモアガリである。

一索二索九索九索  ポン西西西  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き  ポン白白白  ツモ三索

見事な4000オールとなった。
このあと押し引きのバランスを崩す局も見られたがそこは経験を積み重ねていけばいい。今日初めて羽川の麻雀を観させてもらったが今後が楽しみとなった。
次節は現在首位を走る新人奥野と強豪ひしめく静岡プロリーグで現在首位にいる田中を紹介したいと思います。

第17期プロクイーンベスト8A卓レポート 

1回戦(起家から、西嶋、水口、瑠美、童瞳)

ベスト8A卓は瑠美の跳満ツモによってスタートした。

 

100

 

第11期プロクイーン 二階堂瑠美

東4局1本場、親番の童瞳が魅せる。
配牌マンズの多い形から一直線にホンイツに向かうと6巡目にはメンホン七対子のテンパイ。
場に1枚切れの東単騎で即リーチをかけると、5巡後にこれをしっかりツモアガリ、裏ドラも2枚のせて8,000オール。
童瞳が大きなアドバンテージを手にする。

 

100

 

第13期プロクイーン 童瞳

童瞳が一歩抜け出し迎えた南2局から、未だアガリのない水口と西嶋の攻防となる。
親番の水口が6巡目にドラ2のテンパイをいれる。

七万八万九万一索三索四索五索六索八索九索九索七筒八筒九筒  ドラ九索

三色への手替わりか好形変化がみえるこの手牌。水口が小考してだした判断は一索切りの即リーチ。
その4巡後、西嶋が追いつきメンタンピンの追っかけリーチ。
決着がついたのはハイテイ間際だった。水口が七索を力強くツモアガリ、裏ドラも2枚のせて6,000オール。
一気に2着目へと躍り出る。

 

100

 

夕刊フジ杯2018優勝 水口美香

次局またしても水口、西嶋のリーチ合戦に発展する。
今度は西嶋がドラ2の勝負手。ドラと字牌のシャンポン待ちで水口の先制リーチに被せて追っかける。
水口がラス牌のドラを掴み8,000の放銃となった。

 

100

 

第15期プロクイーン 西嶋ゆかり

倍満1回、跳満2回、満貫2回と大きなアガリの打ち合いとなった半荘は倍満をアガった童瞳が制した。

1回戦成績
童瞳+34.8P 水口+8.9P 瑠美▲5.6P 西嶋▲38.1P

 

 

2回戦(起家から、水口、瑠美、西嶋、童瞳)

2回戦は1回戦とは裏腹に細かいアガリが続いていく。
この拮抗が破られたのは南2局2本場だった。

 

100

 

3人テンパイが入っている状況で水口が最後にテンパイをいれてリーチ。

 

100

 

全員テンパイを掻い潜り3,000・6,000を決める。

このアガリで水口のトップが濃厚かと思われたが次局、童瞳が2,000・4,000をツモアガリ。

 

100

 

このアガリで童瞳が2連勝を決めた

2回戦成績
童瞳+20.1P 水口+8.8P 西嶋▲8.5P 瑠美▲22.4P

2回戦終了時
童瞳+54.9P 水口+17.7P 瑠美▲28.0P 西嶋▲46.6P

 

 

3回戦(起家から、西嶋、水口、童瞳、瑠美)

後のない瑠美と西嶋。半荘4回戦で2人勝ち抜けを考えれば童瞳がかなりぬけだした格好。
2回戦と同様なかなか勝負手の決まらない展開。
オーラスを迎えた得点状況は

 

100

 

細かいアガリとテンパイ料などで加点してきた瑠美がトップ目だが、他3者もトップを狙える位置だった。
しかし、瑠美がこの半荘ダメ押しの満貫を水口からアガリきりトップをものにした。

 

100

 

3回戦成績
瑠美+33.9P 西嶋+4.9P 童瞳▲10.5P 水口▲29.3P

3回戦終了時
童瞳+44.4P 瑠美+5.9P 水口▲11.6P 西嶋▲41.7P

 

 

最終戦(起家から、童瞳、瑠美、水口、西嶋)

最終戦条件は童瞳がほぼ勝ち決まり、瑠美と水口が着順勝負、西嶋は大きなトップ+並びが大事になってくる。

東2局4本場から水口にとっては悪夢のような時間帯が訪れる。
西嶋に3,900を放銃を皮切りに…

 

100
100

 

3局連続の放銃。点棒は箱下寸前となってしまう。
一方3局連続アガリを決めた西嶋は、5万点を超えてトータルポイントは水口を大きく交わし瑠美まで1,200点差まで詰め寄る。

南2局、親番の瑠美が5,800をアガリ、トータルポイントがこちら

 

100

 

瑠美が着順アップしたことによって西嶋を大きく突き放す。
さらに瑠美が12,000をアガリ、勝負が決まったように見えたが…

次局、西嶋が13巡目にピンフドラ1のリーチをかけると

 

100

 

瑠美に親被りをさせる3,000・6,000ツモアガリで食らいついてゆく。

そして迎えたオーラス、トータルポイントがこちら

 

100

 

瑠美はアガれば勝ち抜け、西嶋はとにかく連荘をしなければいけない。
この状況で西嶋がスーパープレイを魅せる。
3フーロしている瑠美のアタリ牌を、自身がテンパイしていながらも華麗にビタ止めするも…
数巡後、瑠美にツモアガリを許し西嶋はベスト8敗退となった。

最終戦成績
西嶋+50.5P 瑠美+6.8P 童瞳▲22.2P 水口▲35.1P

最終戦終了時
童瞳+22.2P 瑠美+12.7P 西嶋+8.8P 水口▲46.7P

勝ち上がり 1位通過 童瞳 2位通過 二階堂瑠美

第3期北陸プロリーグ 第5節レポート

10月13日(日)、富山市にて「第3期北陸プロリーグ第5節」が開催された。

「北陸プロリーグ」……。
私はこの言葉を述べる度に、どうしても大きな重責を感じてしまう。
「プロ」=「プロフェッショナル」という意味であり、プロと名乗る以上、このリーグ戦は北陸で最高峰の麻雀の戦いでなければならない、と思うからである。そのためにも私を含めて参加選手は勝つために日々必死に研鑽し、準備をしっかりして闘いに挑み、最高のパフォーマンスを魅せる。そして、それは決して自分達で認めるものでなく、その闘いを見た周りのファンの方々に認めてもらわなければ本物とは言えない。
「やっぱり北陸プロリーグは北陸で最高峰の戦いですね。」
重い話ではあるが、私はこのような褒め言葉をファンの方々から頂けるリーグ戦にしていきたいと、日々願う次第である。

 

 

●A卓
里木(1位)×前田(6位)×木戸(7位)×安城(12位)×後藤(13位)

前回レポートで決勝当選確実と早々に書かせて頂いた、首位を快走中の里木。
今節も1・2回戦連続トップで、前半終了時点で早くもポイントを50P以上伸ばす。
後半は少しポイントを減らしたものの、本人にとっては予定調和の結果であろう。
今の里木は本当にのっていて、手をつけられない状況。私だけでなく、参加選手全員が里木の決勝当選確実を確信せざるを得ない雰囲気となっている。

その絶好調男・里木に巻き込まれている場合ではない同卓の4者。前田と木戸は決勝進出圏内にくい込むための大事な1節であり、トータルポイントが大きくマイナスしている安城と後藤にとっては、ここで挽回しなければ、残り2節を待たずして終戦の可能性も出てくるであろう。

その中で結果を出したのが前期第2期チャンピオンの木戸。
1回戦は里木旋風を止められずラススタート。そこから抜け番・2着としてむかえた4回戦。
起家となった木戸、この親を出来る限り離したくない。
東1局にリーチ合戦を制してリーチ・ツモの1,300オール、1本場でもリーチ合戦となるが、こちらもアガリ、メンタンピン三色の親満のアガリ。
むかえた2本場、後藤が国士模様、安城がリーチとトータル順位下位陣の捨て身の攻撃が飛んで来る中、

一万二万四万五万六万七万八万九万白白白発発  ロン三万  ドラ発

木戸は安城より親の倍満をアガり、この半荘は78,900の大トップを獲得。里木を押さえての卓内トップで、トータル順位も決勝進出圏内の4位まで浮上した。さすが本命登場といったところであろうか。

 

 

●B卓
本田(3位)×成田(4位)×荒谷(9位)×阿戸(10位)×獅坂(15位)

上位陣の本田と成田であるが、ともにここ2節はマイナスと足踏み状態。なかなか混戦から抜け出す事が出来ない。今節こそはの思いで挑む。
その中で本田が③②①といずれも浮いての尻上がりの調子で、3回戦終了時点で+30P。
そして、むかえた4回戦・東1局、卓内に衝撃が走る。
11巡目、西家の成田がリーチ。

一万二万三万四万五万六万三筒三筒九筒九筒九筒中中  ドラ三筒

中は1枚切れ、ドラの三筒は生牌。
このリーチに対して、阿戸が無筋を次々と押していく。おそらくテンパイが入ったのだろう。追いかけリーチを打たないのは、リーチの現物待ちか?待ちに自信がないのか?はたまた手変わりがまだあるのだろうか?
そして対照的に好調の本田がひっそりと安牌を切りながら上手くテンパイ。

六万七万八万二索三索四索七索八索五筒五筒七筒八筒九筒

ピンフのみだが、リーチ者の捨て牌に九索が切られており、拾えそうな状況。

「ツモ!」
手元にはアガリ牌の九索。しかし手を開いたのは本田ではなく、阿戸。

七万七万七万九万九万九索九索西西西  暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背  ツモ九索

見事、役満・四暗刻を成就する。
この価千金のアガリで阿戸は今節プラスで終了し、なんとか次節以降に望みを残した。
対して親被りをした本田、そしてリーチを蹴られた成田は、今節もマイナスで終了。2人にとってはフラストレーションが溜まる展開が続くが、それでも本田はトータル3位キープ。成田も5位となんとか上位に踏みとどまった。こちらも次節が勝負処となるであろう。

 

 

●C卓
藤本(2位)×梅本(5位)×志多木(8位)×浦田(11位)×南(14位)

さて、最後に私の卓。
第2節終了時点で▲108.1Pと屈辱の最下位に沈み、驕っていた自分の麻雀を見つめ直し、改めてこの位置から決勝進出を目指そうと決意した私。
前節終了までで▲48.7Pとなんとか半分程マイナスを返すも、残り3節となれば今節マイナスを全て無くすぐらいでないと、決勝進出圏内は難しいものと感じられる。
果たして目論み通りに行くか?
しかし、そう易々と許してくれないのが強者・藤本。
2期連続決勝進出者の藤本は、ここまで毎節オールプラスでトータル2位をキープ、安定感は今期も健在である。
この藤本に勝たない限り、私の今節マイナス完済は無いものと思わなければならない。

前半2回戦終了時点で
藤本 +17.5P
浦田 +16.8P
予想通り、私の上にピッタリとつけている藤本。なかなかペースを掴ませてもらえない。

最終戦。
南1局、南家の藤本が西家の私が切ったオタ風の北を鳴いていく。
藤本がよく行う、「周りにプレッシャーをかけるための仕掛け」であり、まだ手の中はまとまっていなかったが、ここからなんと本来私のツモ牌であったドラ八万を3枚も引き抜き、

六万六万八万八万八万六索六索南南南  ポン北北北  ツモ六索  ドラ八万

ダブ南トイトイ三暗刻ドラ三万と、なんと倍満のアガリ。

「負けてたまるか!」
この藤本のアガリで私の闘争心にもう一度火がつき、南2局の親番で、4巡目リーチ。

捨て牌
発一索 上向き一索 上向き六万 左向き

私の手牌
二万三万四万四万四万二索三索六索七索八索二筒三筒四筒  ドラ四索

4巡目にしてフリテンリーチ、安めの一索は既に2枚切ってあるが、無論構わない。
結果、運良く四索を引き当て、誰でもそうなる手順であるが、とにもかくにも嬉しい6,000オール!
結果としてなんとか卓内トップを果たし、トータルマイナスもほぼ完済する事が出来た。
順位も15位→13位→11位→8位と、着々と上がって来ている。
しかし、まだ何一つ成し遂げていない。これでやっとスタートラインに戻っただけの話なのだ。あと2節、ちょっとでもマイナスで終われば即終戦という崖っぷち状況は変わっていない。
負けられない勝負はこれからなのである。

北陸プロリーグもいよいよあと2節。
次回は11月24日(日)開催です。
「北陸プロリーグ」が最高峰の戦いの舞台になるように、周りのファンの方々にしっかりと認めてもらえるように、一生懸命頑張ります。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 合計
1 里木 祐介 8.8 119.3 40.3 28.9 34.4 231.7
2 藤本 鉄也 46.7 61.9 16.0 10.2 43.4 178.2
3 本田 朋広 0.3 18.1 57.1 ▲ 8.7 ▲ 11.8 55.0
4 木戸 僚之 ▲ 42.6 ▲ 15.2 42.9 11.4 51.2 47.7
5 成田 理良 36.5 67.5 ▲ 57.7 ▲ 23.1 ▲ 3.1 20.1
6 梅本 翔 36.2 ▲ 30.5 4.0 4.7 ▲ 6.9 7.5
7 前田 倫也 ▲ 2.4 30.7 ▲ 31.5 15.7 ▲ 9.1 3.4
8 浦田 豊人 ▲ 16.7 ▲ 91.4 49.7 9.7 47.0 ▲ 1.7
9 荒谷 誠 51.6 ▲ 90.8 38.5 ▲ 10.8 3.0 ▲ 8.5
10 阿戸 翔太郎 5.6 7.2 ▲ 10.1 ▲ 27.8 11.8 ▲ 13.3
11 志多木 健 13.2 ▲ 24.1 ▲ 19.4 26.2 ▲ 59.1 ▲ 63.2
12 安城 るい ▲ 20.2 ▲ 30.5 21.4 ▲ 37.9 ▲ 31.8 ▲ 99.0
13 後藤 正博 ▲ 47.6 23.7 ▲ 30.0 ▲ 30.0 ▲ 44.7 ▲ 128.6
14 南 和之 ▲ 45.8 ▲ 25.4 ▲ 95.1 58.3 ▲ 24.4 ▲ 132.4
15 獅坂 祐一 ▲ 23.6 ▲ 40.5 ▲ 77.1 ▲ 56.8 0.1 ▲ 197.9

第21期北陸プロアマ混合リーグ第2節レポート

厳しい夏の暑さも過ぎ、北陸に秋の到来を告げる涼しげな風が吹いてきた中、真夏のような熱風が吹き荒れる場所があった。そう文化サークル富山蜷川店だ。
10月13日プロアマリーグ第2節開始である。
この日大きく抜け出し、別日対局の方々を除く暫定2位につけたのは一般参加の鍛冶さんだ。

4回戦、南1局2本場で迎えた親番。
10巡目に以下の牌姿でのテンパイ。

一万一万九万九万四索四索二筒二筒七筒九筒九筒東東  ドラ六筒

七筒単騎での七対子テンパイ。
そこで鍛冶さんは場を見つめた。
まずは上家の小泉さんは役牌の北中とポンをしており、捨て牌にはピンズとソーズが多く切られていて、マンズのホンイツ模様で七筒は持っていなさそう。
次に下家の美咲プロは2巡目にしてドラそばの七筒を切っており、七筒の周辺はあまり持っていなさそう。
最後に対面の獅坂プロが唯一ピンズの情報がなく七筒を持っているとするなら獅坂プロだろうと考えたが、10巡目の時点で五筒が3枚見えており、先ほどの情報から山にまだ残っていそう。尚且つ自分の河に四筒が出ているので、わずかながら他家からの出アガリも期待できると考え、リーチに踏み切った。一発ツモは狙い通りの七筒!かなり手ごたえのある3,200は3,400オールをアガった。
そこから勢いに乗り、42,000点持っていた獅坂プロを捲ってトップを奪取した。最終的にこの日は+50.7Pと大きくスコアを伸ばした。

プロアマリーグ常連の宮川さんは+44.1Pを記録した。1,2回戦をトップで終え、3回戦の起家でも2,000オールをアガリ、絶好調。
しかし、その後は仕掛けとリーチが不発しはじめた。気が付くと絶不調の藤本に親番で7本場まで連れていかれ、すでに南2局で持ち点は15,000点になっていた。
他家の仕掛けをぎりぎりかわし、ドラ単騎の七対子をツモり迎えたオーラス1本場。
南家、23,000点持ち3着目。5巡目で以下の牌姿でテンパイする。 

四万五万六万四索五索六索九筒九筒九筒西西白白  ドラ三筒

リーチをして白をツモっても30,000点に届かないので、ひとまずヤミテンを選択。
次巡に五筒を持ってきて打西としてテンパイを崩す。さらに次巡絶好の四筒を持ってきてのリーチ!2巡後に六筒をツモっての2,000・4,000をアガって浮きに回った。
試合後に「あの三色のアガリで今日は自身の手ごたえを感じた。4回戦は藤本プロの頭ハネで浮けなかったが、藤本プロ相手にこの成績は満足でした。」と語った。

一般参加の選手の活躍が目を見張るが、ここで成田プロが意地を見せた。
1回戦南4局。トップ目は親の志多木プロ。ここでトップとの差は15,400点。
北家で以下の牌姿を7巡目に迎えた。

三万四万五万三索四索四索五索五索五索七索六筒七筒八筒  ドラ六筒

この形からのドラの六筒をツモり、打七索。さらに次のツモも六筒
五索とし、トップに届く3,000・6,000のテンパイ。

三万四万五万三索四索四索五索五索六筒六筒六筒七筒八筒

さらに次のツモもなんと六筒!4枚しかないドラを全て使い切るのかと思いきや、打点は十分なのでこの六筒はツモ切りとし、テンパイを続行。その後14巡目に逆転の三索をツモりトップを飾った。
ここから勢いに乗った成田はその日+59.5Pと大きくスコアを伸ばした。
「1回戦のオーラスのアガリからエンジンがかかり、2回戦以降も高打点が続きスコアを伸ばすことができました。」と試合後に語っていた。

梅本はというと1回戦で+32.5Pのトップをとりかなり良いスタートが切れた。
と思いきや、その後3着、1人沈み4着、4着と逆連対をしてしまい、終わってみると▲24.0Pでした。
ポイントを持ってしまったが故の弱気、焦りが見えバランスがおかしくなってしまったように感じます。次回はこの反省を活かしマイナスからの脱却を目指します!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次節の北陸プロアマ混合リーグは11月24日に文化サークル富山蜷川店での開催となっています!観戦自由ですので是非お待ちしております!

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 平澤 憲一 一般 16.2 70.0       86.2
2 鍛治 愛美 一般 26.1 50.7       76.8
3 成田 理良 プロ 2.8 59.5       62.3
4 木戸 僚之 プロ 7.3 54.8       62.1
5 宮川 悟 一般 13.3 44.1       57.4
6 本田 朋広 プロ 6.2 32.8       39.0
7 原 修平 一般 ▲ 27.0 64.1       37.1
8 光岡 大幸 一般 41.3 ▲ 4.3       37.0
9 安城 るい プロ 16.3 13.1       29.4
10 藤本 鉄也 プロ 37.5 ▲ 16.3       21.2
11 前田 倫也 プロ 1.0 18.0       19.0
12 吉田 健彦 一般 15.7 ▲ 4.0       11.7
13 荒谷 誠 プロ 42.8 ▲ 32.0       10.8
14 里木 祐介 プロ ▲ 13.1 23.4       10.3
15 阿戸 翔太郎 プロ ▲ 3.1 12.5       9.4
16 久保 智央 一般 1.9 3.2       5.1
17 獅坂 祐一 プロ ▲ 8.4 9.1       0.7
18 梅本 翔 プロ 19.9 ▲ 24.0       ▲ 4.1
19 山元 一成 一般 53.9 ▲ 58.5       ▲ 4.6
20 岡田 雅文 一般 ▲ 29.9 22.8       ▲ 7.1
21 小林 和樹 一般 ▲ 22.6 11.9       ▲ 10.7
22 窪田 一彦 一般 ▲ 35.5 23.2       ▲ 12.3
23 森田 有一 一般 ▲ 7.0 ▲ 7.9       ▲ 14.9
24 西田 大志 一般 ▲ 17.5 ▲ 0.1       ▲ 17.6
25 浦田 豊人 プロ ▲ 23.5 ▲ 5.8       ▲ 29.3
26 南 和之 プロ 8.4 ▲ 39.7       ▲ 31.3
27 美咲 優菜 プロ ▲ 44.9 ▲ 15.9       ▲ 60.8
28 後藤 正博 プロ ▲ 30.0 ▲ 36.2       ▲ 66.2
29 小泉 陽平 一般 ▲ 30.1 ▲ 43.9       ▲ 74.0
30 瀧根 克登志 一般 25.2 ▲ 101.0       ▲ 75.8
31 志多木 健 プロ ▲ 44.7 ▲ 35.8       ▲ 80.5
32 藤田 竜弥 一般 ▲ 33.5 ▲ 89.8       ▲ 123.3

ロン2カップ2019Autumnレポート 杉浦勘介

 

2019年10月20日
季節ごとの定番イベント、ロン2カップ2019autumnが開催されました。
この大会のレポートを、予選A卓東1局で散りました私、杉浦勘介が担当させていただきます。

《ロン2カップとは?》
日本プロ麻雀連盟公式オンライン麻雀サイト『ロン2』がプロデュースする麻雀イベントです。
年に4回行われるこのイベントの模様は、日本プロ麻雀連盟チャンネルで生放送されます。
放送内容は、ロン2内での予選大会を勝ち抜いた一般ユーザー代表と、本大会で待ち受けるプロ雀士との真剣勝負の図式になっています。

「プロと打てる!プロと会える!」
このロン2のキャッチコピーをそっくりそのまま大会に、そして番組にしてしまったのがロン2カップなのです。

《大会システム》
一般ユーザー代表3名とプロ雀士9名が、A卓、B卓、C卓の3卓に分かれて予選を戦います。

予選1位→決勝進出
予選2位→敗者復活戦進出 敗者復活戦1位が決勝へ
予選3位→FRESH LIVEニコニコ生放送で行われる視聴者投票へ 合計得票数1位が敗者復活戦進出
予選4位→敗退

毎回大庭三四郎プロが制作し、恒例となっているシステム説明動画のクオリティは・・・?
今回はRPG風の動画でしたが、徹夜の甲斐アリ!好評でした。

《大会ルール》
今回は四人麻雀
赤牌各1枚入りのロン2リーチバトルルールを採用

それでは、対局開始です!!

 

 

【予選A卓】

 

 

滝沢和典 vs 杉浦勘介 vs 石川遼 vs 佐々木寿人

開局から抜け出した滝沢を佐々木が追いかける展開。
しかし、タッキーVSヒサトのマッチレースに石川が待ったをかける。

東4局1本場 北家 石川
五万六万二筒二筒三筒四筒五筒四索四索五索赤五索六索六索 リーチ 一発ツモ四万 ドラ八索 裏九筒

さらに石川は南2局にもアガリを決めてトップ目に立つ。

南2局 南家 石川
赤五万六万一筒二筒三筒八筒八筒赤五索六索七索白白白 ツモ四万 ドラ八索

南3局は滝沢がアガリ返し、オーラスを迎えて3者が2,000点差以内にひしめく大接戦に。
最後はアガリやめの権利を持った佐々木が勝負強さを見せ、決勝戦へ一番乗りを果たした。

南4局 東家 佐々木
三万四万赤五万四筒四筒四筒七筒七筒八筒八筒四索赤五索六索 ツモ八筒 ドラ六万

決勝進出 佐々木寿人

 

 

【予選B卓】

 

 

魚谷侑未 vs 宮内こずえ vs 黒沢咲 vs とみQさん

解説の猿川プロが「メンツ的にもバチバチにぶつかり合うでしょう」と予言した通り、予選B卓は激しい叩き合いとなった。
黒沢が軽いアガリを重ねて迎えた東3局は魚谷、とみQさんのリーチ合戦に。

東3局 南家 とみQさん
四万五万六万一筒一筒三筒四筒五筒七索八索九索白白 リーチ ドラ一筒

西家 魚谷
三万三万赤五万五万五万赤五筒六筒八筒八筒八筒二索三索四索 リーチ ロン七筒 ドラ一筒 裏四索

ここを競り勝ち抜け出した魚谷が南場もリーチ攻勢に出るが、喧嘩上等でリーチ合戦に持ち込んだのは宮内。

南1局 東家 魚谷
三万三万三万四筒四筒六筒七筒四索五索六索六索七索八索 リーチ ドラ南

南家 宮内
一万二万三万四万六万七万八万九万二索三索四索九索九索 リーチ ツモ五万 ドラ南 裏二索

南2局 北家 魚谷
二万三万四万七万八万九万六筒七筒八筒二索二索中中 リーチ ドラ中

東家 宮内
一万一万三万四万赤五万二筒三筒四筒赤五索六索七索南南 リーチ ツモ南 ドラ中 裏五万

この6,000オールで勝負有り!宮内は最後も自力で決めて決勝へ。
セレブ打法を封印して手堅くまとめた黒沢が敗者復活戦に駒を進めた。

決勝進出 宮内こずえ

 

 

番組内で宮内プロが再三宣伝していた2020版日本プロ麻雀連盟卓上カレンダーも絶賛発売中!

 

 

【予選C卓】

 

 

中庭三四郎さん vs ヨロシクお願イシマスさん vs 瀬戸熊直樹 vs 伊藤優孝

東北は岩手県から遠路はるばる来場されたヨロシクさんの牌勢が良い。
開局からアガリを重ね、南入の時点で持ち点は60,000点オーバー。
勝負あったかな?というムードの中、迎えた南2局に事件は起こった。
まずは、親番のヨロシクさんが攻めの姿勢を崩さない先制リーチをかける。

南2局 東家 ヨロシクさん
五万五万六万七万八万九万九万三筒四筒赤五筒七筒七筒七筒 リーチ ドラ九万

南場の親が落ち苦しい立場となっていた中庭さんは、八種八牌という配牌から国士無双に向かっていたが、この同巡東を引きこんで、なんと十三面待ちのテンパイ!
手を止めたのはマンズの一色手に向かっていた瀬戸熊、親リーチの河にマンズは一万しか切られていない。
残る親番に全てをかけるため、中途半端な手牌で親のヨロシクさんとの全面戦争には向かえない瀬戸熊、苦渋の判断でリーチの現物を河に置く。
もはやここで手番が回ってきてしまうことが不運だったとしか言いようがない・・・

北家 中庭さん
一万九万一筒九筒一索九索東南西北白発中 ロン一万 ドラ九万

数々のドラマを生んだロン2カップの歴史にも刻まれるこの見事なアガリは、YouTubeにアップされて早くも10万再生オーバーと凄い反響!

 

 

日本プロ麻雀連盟YouTubeチャンネルには数々の人気動画があるが、やはり役満が絡むと再生数が伸びる傾向があるようだ。

さて、中庭さんの国士無双でワンサイドゲームは一転、ユーザー代表同士のマッチレースに。

南4局1本場 西家 ヨロシクさん
三万四万六万六万二筒三筒四筒三索三索三索五索六索七索 ドラ六万

お互いアガリトップ。メンゼンテンパイのヨロシクさんに、仕掛けを入れていた中庭さんも追いつく。

南家 中庭さん
六万七万二索四索四索五索五索 チー八筒六筒七筒 ポン七万七万七万 ツモ八万 打四索 ドラ六万

ここで四索切りとしてカン三索待ちを選択した中庭さんの次のツモ牌は無情にも赤五索
牌の後先とはよく言ったもので、すぐにヨロシクさんが五万をツモって紙一重の勝負を制した。

対局前のインタビューでは、「せっかく東北から来たので、トップを2回だけ取って帰ろうかと思います!」と事実上の優勝宣言ともいえる力強いコメントを残していたヨロシクさんが公約を半分達成。有言実行をかけて決勝戦に臨む。

決勝進出 ヨロシクお願イシマスさん

 

 

【敗者復活戦】

 

 

まずは恒例の視聴者投票から。
この豪華なメンバーでの視聴者投票を勝ち抜き、敗者復活戦に駒を進めたのは・・・・滝沢プロ!

 

 

石川遼 vs 中庭三四郎さん vs 黒沢咲 vs 滝沢和典

東場は小場で進行し迎えた南1局、カン四万の三色テンパイから待ち替えした滝沢がアガリ切って一歩抜け出す。

南1局2本場 北家 滝沢
五万赤五万六万七万二筒二筒二筒三筒四筒五筒三索四索五索 ロン八万 ドラ三索

すると、国士無双に倒れたチームメイトのためにもここで終われない黒沢がセレブ打法を解放。

南2局 南家 黒沢
三万四万五万五筒六筒七筒七索八索中中 暗カン牌の背七万七万牌の背 リーチ ロン九索 ドラ七万 カンドラ九万 裏六筒 カン裏三索

これに屈したかと思われた石川も見事な手順と手役で対抗する。

南3局 西家 石川
一万二万三万八万八万一筒二筒三筒六筒七筒八筒一索二索 リーチ 一発ツモ三索 ドラ八万 裏白

オーラスを迎えての条件は、滝沢と黒沢はアガリトップ。石川は2,000・3,900、中庭さんは跳満が必要。
まずは、先制テンパイの石川がツモ専のリーチを打つ。

南4局 南家 石川
三万四万五万七万七万七万四筒五筒四索四索六索七索八索 リーチ ドラ八索

追いついた滝沢、待ち選択を石川のリーチ宣言牌三索に合わせる。

東家 滝沢
四万四万一索二索二索八索八索八索中中 ポン東東東 ツモ中 打二索 ドラ八索

さらに黒沢も一筒をチーして追いつくが、ツモ専の石川はこのテンパイ打牌にロンの声をかけることができない!

北家 黒沢
二筒三筒三筒赤五筒六筒七筒五索六索九索九索 ポン南南南 チー一筒 打三筒 ドラ八索

次々に場に切られる三筒六筒を横目に冷静に模打を繰り返す石川。
そして、東を加カンした滝沢がリンシャンからツモってきたのは、痛恨!トイトイに受けていればアガリ牌となっていた二索だった・・・
この緊迫した場面で、見逃しやアガリ逃しを許すほどセレブ打法は甘くない。
パートナーを得て私生活も充実のお嬢様が、貫録の勝ち上がりを決めた。

決勝進出 黒沢咲

 

 

【決勝戦】

 

 

宮内こずえ vs ヨロシクお願イシマスさん vs 佐々木寿人 vs 黒沢咲

対局前のインタビューではお約束の掛け合いが始まる。
佐々木「生意気な女性をガツンとやっつけたいと思います。」
宮内「今回、私が1つだけ言えることは、ヒサトよりは絶対上の着順なのでラスは無いということですね。」

プロレスならよそでやってくださいよとばかりに、ヨロシクさんが東場からエンジン全開。
予選からの勢いそのままに大物手を連発する。

東2局 東家 ヨロシクさん
二万三万四万四筒五筒六筒二索三索九索九索 ポン東東東 ロン一索 ドラ九索

東2局1本場 東家 ヨロシクさん
三万三万三万五万七万九筒九筒二索三索四索七索八索九索 リーチ 一発ツモ六万 ドラ九筒 裏五万

このアガリで60,000点を超えたヨロシクさんは、その後も落ち着いたゲーム回しを見せ、プロ3人がかりでもなかなかその牙城を崩せない。
ヨロシクさんは、最後に意地を見せた黒沢のセレブリーチにも敢然と立ち向かい、自力で優勝の二文字を掴み取った。

南4局1本場 東家 黒沢
三万四万赤五万二筒二筒三索四索五索六索六索七索七索八索 リーチ ドラ七万

西家 ヨロシクさん
五万六万七万一筒二筒三筒五筒五筒五筒七筒七筒六索七索 リーチ ツモ八索 ドラ七万 裏八万

 


優勝 ヨロシクお願イシマスさん

 

ロン2カップ2019autumn、優勝はヨロシクお願イシマスさんでした。
まさに有言実行の素晴らしい優勝でした!おめでとうございます!!

次回はロン2カップ2020winter。
ロン2ユーザー皆様の挑戦をお待ちしております!
それではまたロン2でお会いしましょう♪

 

何を切る? 2019年11月

第36期鳳凰戦A2リーグ第5節B卓3回戦 南1局2本場 西家 佐々木寿人プロ

 

 

 

 

■Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

■プロ解答

六筒切り

 

 

 

三索切り

 

 

 

二筒切り

 

 

 

七索切り

 

 

■プロの視点
佐々木寿人プロ
「上家の西島プロに仕掛けが入っているが、こちらがドラ暗刻ということもあり、この仕掛けには全く対応しない。全く対応しないというのは、手役から待ちから何も考えないということです。供託もある場面で、それを取りにきた遠い仕掛けの可能性もあります。となればこちらは完全に自己都合。鳴き判断に関してはテンパイの入るものは全て。四索七索チーの場合はカン三筒に取り、その後三索が暗刻になった場合は、ホンイツ、チンイツ移行を考えます。」

■終局図

 

 

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
FRESH!<PC版>
ニコニコ生放送<PC版>

第17期プロクイーンベスト16D卓レポート 

1回戦(起家から、西城、西嶋、佐月、黒沢)

プロクイーンベスト16D卓は、1次予選から勝ち抜いている西城が果敢に仕掛けをいれるも、西嶋のリーチのみのアガリで幕が開けた。

第15期プロクイーン 西嶋ゆかり

 

100

 

東2局、東3局は第26期麻雀マスターズを獲得している佐月が700・1,300、3,900と連続でアガリを決める。

第26期麻雀マスターズ 佐月麻理子

 

100

 

東4局、親番の黒沢が先制リーチ。

三万四万五万二索三索三索四索四索五索五筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ北

西嶋もフーロを入れて押し返しカン八筒でテンパイ。
八筒のめくり合いとなったが、佐月が粘りのフーロをいれると、黒沢がツモるはずだった八筒が食い流れて流局。
ここまでは、タイトルホルダー達の熾烈な主導権の奪い合いとなっていたが、、、

第6期、第7期プロクイーン 黒沢咲

 

100

 

最初に大きなアガリをものにしたのは、初めてのタイトル獲得を目指す西城だった。

五万六万七万一索一索一索三索三索三索一筒三筒八筒八筒  ドラ三筒

ドラ表示牌のカン二筒待ちという強気のリーチ。
同巡に、親の黒沢から怖い追っかけリーチが入るも、西城が渾身の一発ツモ。
このアガリがこの半荘トップとなる決め手となった。

 

100

 

1回戦成績
西城+21.5P 佐月+8.2P 西嶋▲4.6P 黒沢▲25.1P

 

 

2回戦(起家から、西城、佐月、黒沢、西嶋)

東1局、西嶋にドラ3の勝負手が入る。
形は苦しかったものの9巡目にテンパイを入れ即リーチ。
佐月が安牌のない手牌から筋となっていた牌で放銃となった。

東2局は黒沢が華麗な手作りでテンパイをいれる。

一万一万一万二万七万八万九万一索七索八索九索七筒八筒九筒

二万三万待ちでも打点の高い手だが、黒沢が選択したのはジュンチャン確定の一索単騎リーチ。
この選択がピタリとハマり、西城から12,000を討ち取る。

 

100

 

南3局1本場、この点棒状況で西嶋が先制のリーチを打っている中、西城もテンパイを入れる。
打ちづらいドラの一筒を叩ききって追っかけリーチ、西嶋が一発で当たり牌を掴み痛恨の放銃となる。
このアガリで西城は2着をもぎ取り、この半荘1度もアガることのできなかった佐月がラスをひく形となった。

2回戦成績
黒沢+38.5P 西城+6.4P 西嶋▲13.7P 佐月▲31.2P

2回戦終了時
西城+27.9P 黒沢+13.4P 西嶋▲18.3P 佐月▲23.0P

 

 

3回戦(起家から、西城、黒沢、佐月、西嶋)

未だ勝ち上がりの予想もできない平たいポイント状況での3回戦が始まった。

またもや東1局に大物手が炸裂する。
先制テンパイは佐月、ピンフのリーチを打つ。すると同巡に西嶋が役牌ドラ2のテンパイ入れるもここはヤミテンに構える。
さらに黒沢も山に1枚残りの四暗刻をテンパイし追っかけリーチ。この2人のリーチをうけ、西嶋も勝負のツモ切りリーチ。
この熱すぎる3人リーチの勝負の行方は西嶋に軍配が上がる。佐月から一発+裏ドラも1枚乗せて12,000。
この後すぐに流れに乗った西嶋が満貫のツモアガリなどで加点していき3回戦をものにした。

 

100

 

2回戦から苦しい展開の続く佐月はノーホーラ、箱下でのラスとなってしまった。

3回戦成績
西嶋+46.4P 黒沢+9.2P 西城▲5.0P 佐月▲52.6P

3回戦終了時
西嶋+28.1P 西城+22.9P 黒沢+22.6P 佐月▲75.6P

 

 

最終戦(起家から、西嶋、西城、佐月、黒沢)

最終戦は西嶋、西城、黒沢の着順勝負。三つ巴の闘牌となった。

2回戦、3回戦と東1局に大物手をアガってきた西嶋がまたもや親の満貫で最終戦がスタートした。

 

100

 

この後、流局が2回続き迎えた東1局3本場供託2。西嶋を追いかける西城、黒沢の両者がテンパイ。
西城は一気通貫ドラ1の勝負手。黒沢は役牌のみの捌き手。
ハイテイ前でアガリ牌を引き当てたのは西城だった。勝負手の満貫をツモアガリ、西嶋、西城が4万点を超える。

 

100

 

黒沢も細かいアガリで加点していくも、勝負手はアガれず背水の陣でのオーラス、親番を迎える。

 

100

 

黒沢は満貫ツモで一度は西嶋を交わす点差だが、、、

 

100

 

黒沢にとっては無情な早すぎる西嶋の最速テンパイが入る。
これには黒沢も追いつくことができず、アガリをきめられ第17期プロクイーンベスト16D卓が終了となった。

最終戦成績
西城+24.9P 西嶋+14.5P 黒沢▲11.3P 佐月▲28.1P

最終戦終了時
西城+47.8P 西嶋+42.6P 黒沢▲11.3P 佐月▲103.7P

勝ち上がり 1位通過 西城凛 2位通過 西嶋ゆかり

「~重圧~」 吉田 直

微差ながらトータルトップで初日を終えた初の鳳凰位決定戦。時折息苦しさはあったものの、思ったより緊張せずに普段通り打てた。
そして、連盟入会当初より目指して来た頂点の戦いに、心も弾みとても楽しかった。
2日目も同様に、自分らしい麻雀を打ち、この舞台を楽しもうと決め会場に向かった。

2日目の初戦は、初日不調だった柴田が序盤から積極的に攻めて行く。しかし自分も早々に勝負手が入って来た。

東3局ドラ一索
9巡目に以下の手牌

二万三万四万一索二索三索四索五索六索二筒三筒四筒五筒  ツモ七索

ドラの一索を切って、タンヤオ高め三色のヤミテンも薄っすらと脳裏をよぎった。
ただ、初戦の最初の勝負手だったので、打点MAXをみてドラの一索ツモで跳満を引きに行こうと思い、五筒切りリーチに踏み込んだ。
終盤、前原が追いかけリーチときて、いきなり最初の勝負所。

前原
四万五万六万一索一索四索五索六索五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ

2人とも、高め三色の勝負手だったが、決着はつかず流局。
そして、今でも何が正しいのかわからない次局。

東4局親 供託2
7巡目に以下の手牌

五万六万一索一索三索四索五索七索七索八索九索西西  ツモ二索  ドラ西

七索切りが手広いのは当然わかるが、下家の前原が仕掛けを入れていて、かなり鳴かれそうだと思っている事。
ここまでツモが順調に伸びて来ている事。
そして、八索九索引きで五万六万を払い、ホンイツへ移行しようということから打一索を選択。

この時の前原の手牌。

六万六万五索五索六索八索六筒中中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き

この後六索四索と引き入れ

六万六万四索五索五索六索六索中中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き

四万を引いた自分は絶好のタイミングで前原に七索放銃となった。
打点こそ安いものの手出し牌とアガリ形を見て、さっきのタイミングで七索を切っていたなら間に合っていたのは明白。さらに、鳴かれたら柴田がツモ切った七万を引きテンパイしていたこともわかったので、放銃した打点こそ安かったものの少しぐらついた。
気持ちの整理がつかないまま、それ以降何も出来ずこの半荘は3着で終わる。

休憩中、頭の中はさっきの局の事でいっぱいだった。普段は同じ様な事が起きても、自分の選択に自信を持っているので全く気にしないのだが、やはり鳳凰位決定戦という舞台だからか、考え過ぎてしまった事を反省した。
あの局の自分の選択があってようが間違っていようが、それが今の自分の実力。反省するなら帰ってからにしようと自分に言い聞かせ次戦に臨んだ。

鳳凰位決定戦の休憩時間は、牌譜解説があるのでリーグ戦の倍以上の時間がある。これまでは休憩時間が長くて、早く始めたいなあとか思っていたが、この時ほど休憩時間が長くて助かった事はないだろう。

気を取り直して行こうと臨んだ6回戦は、東1局2本場4巡目に、ツモり四暗刻のテンパイ。

ドラ八索 西家

四万四万五万五万八万八万八万六索六索六索東白白  ツモ四万

東切りリーチ。自分は出アガリたくないので、ツモり四暗刻はほとんどリーチをする。
中盤、ドラを2枚使ったイーシャンテンの勝又から白が打ち出され12,000をアガる。
まだまだツキはあるようだ。

そしてその勢いはとまらずに次局。

東2局 6巡目

四万五万六万三索四索六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒南  ツモ五索  ドラ南

打点と巡目を考え打三索のヤミテンに構える。
そして9巡目に前原からリーチが入る。

一索二索三索四索五索六索八索九索九索九索五筒六筒七筒  リーチ

一発目に四筒を持ってきたが、スライドで七筒を切り南単騎のままに受けた。
どちらが正解かはわからないが、自分は万が一の南で放銃したくないのと、ドラの南を切って他家に楽をさせたくないので、このまま最後までドラの南単騎で行こうと思っていた。
だったらリーチして出アガリ跳満にすればいいじゃないかと思う方もいると思うが、リーチが1人と2人では他家の対応も変わってくる。もちろん相手は柴田、勝又なので自分がヤミテンで押しているのは明白だから出てくるとは思っていないが、自分がリーチしたことで仕掛けられるのが一番困る。
現状、自分が当たり牌を掴む流れだとは思っていないし、アガれそうな感覚があるのに、仕掛けが入るとツモ牌がずれるので途端に難しくなる。
その仕掛けを入れられるかもと考えると、自分はヤミテンの一択。そして前原が南を掴み8,000をアガる。

後で映像を見返すと、この局は柴田が本当に上手く回ってくれたので自分がアガる事が出来た。
やはり読みの精度の高さは本当に凄いと改めて思い知らされた。

そしてこの半荘は柴田に捲られ2着で終了。それでもメンタルは正常に戻り戦うことが出来ていたので満足だったが、次の7回戦の親番でまたしても痛恨のミスをやってしまう。

7回戦 
東2局2本場ドラ一筒

東1局に7,700、親番を迎え2,000、1,500は1,800と3局連続でアガリ点数も40,000点を超えていた。
その2本場で、10巡目に柴田から、11巡目に前原からリーチが入る。

柴田
三万四万五万三索四索一筒二筒三筒三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ

前原
二万二万六万六万七万七万一筒七筒七筒南南北北  リーチ

2人からリーチが入り自分は以下の形。

五万六万六索七索八索九索九索一筒二筒三筒四筒五筒中  ツモ四筒

イーシャンテンだったが、ここで簡単に安牌の九索に手を掛けてしまった。今思えばなんで連荘してる親で、生牌の中ぐらい切れなかったんだろうと本当に後悔している。確かに前原の河が七対子っぽくて、ホンイツもあるかもなとは思っていたのだが、それでも目をつぶって勝負していく事をこれまで散々教わってきた。それを実行出来なかったのは、ここでトータルトップになり、点数を減らしたくないという気持ちや、現状のライバルである前原に直撃は打ちたくないという思いからだったのだろう。経験不足も去ることながら、これが今の自分の実力だ。

無常にも次のツモは七万で、当然の事ながら柴田から六筒のアガリを逃し(四筒が通っていれば)直後に前原から柴田が3,900は4,500をアガる。
その瞬間、テンパイ打牌の四筒は通っていたと思い、アガリ逃しを確信。

しかしここはしっかりと自分の未熟さを反省し、引きずらないでトップを取ると、8回戦も好調を持続したまま連勝で大きくポイントを伸ばした。

2日目終了時

吉田 +74.9P
前原 +13.8P
勝又 ▲31.5P
柴田 ▲57.2P

ここまで8回戦を終え、4トップとかなりツキも味方してくれているが、自分で思っていたよりもしっかりと戦えている。
反省点も多々あるが、今自分が出来る事を精一杯やり、このまま連盟の最高峰である鳳凰位を目指そうと心に誓った。

「日本プロ麻雀連盟2020卓上カレンダーレポート」 小笠原 奈央

♬メンタンピンピンウラサンサン〜オガちゃんた通販ショッピングぅー♬

A「皆様こんばんは。毎年恒例!この時期の定番商品となりました!
日本プロ麻雀連盟2020カレンダーの紹介です!」

 

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B「え。もう僕カレンダー用意しちゃいましたよ」

A「いやいや、これを普通のカレンダーと一緒にしないで下さいよ。ほら、見てください」

 

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B「ん?なんですか??この女性たち。アイドルですか?」

A「ふふふふふ。この人達みんな麻雀プロなんですよ。いつもは真剣な眼差しで戦うプロ雀士の普段は見られないあんな姿やこんな姿…くくく」

 

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A「しかも今回は!!今までで最大人数。24名のプロ雀士が集結したカレンダーなのです!ワンダホーー」

B「わあー!テレビ対局や麻雀格闘倶楽部で見る人がいっぱい!凄い……」

A「では今回この通販ショッピングだけで特別に写真を公開していきますよー」

 

 

1月二階堂瑠美・二階堂亜樹

 

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トップバッターは、強さも美貌も超一流のお二人!これで姉妹っていうんだから驚き桃の木ルミアッキー

 

 

2月東城りお・菅原千瑛

 

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SWEET VALENTINE☆プレゼントは、わ・た・し・た・ち ♡ なんて言っていただけませんか?少しだけ…

 

 

3月魚谷侑未・石田亜沙己

 

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普段見せないボーイッシュスタイルが神業です。ちょい出しお腹が、たまらんな
もう少し近くで…

 

 

4月中山奈々美・黒沢咲

 

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これぞセレブのティータイム。是非私も混ぜていただきたい。おねえさまー!!

 

 

5月宮内こずえ・和泉由希子

 

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出ましたっ!連盟の小悪魔達!天使のように微笑んで、悪魔のように刈取ります!
魅惑のこずゆきルーーーープ

 

 

6月山脇千文美・蒼井ゆりか

 

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鮮やかな浴衣にも負けない華やかさ!!
こんな子達と夏の思い出作れたら……

 

 

7月大久保朋美・早川林香

 

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普段はベールに包まれた彼女たちのお肌。
白い!柔らか!きめ細かい!純白大三元!!

 

 

8月高宮まり

 

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って道に迷ってたら、こんなお宝見つけちゃったよ!実在した女神様!!控えめにいって最高です。

 

 

9月古川彩乃・井上絵美子・襟川麻衣子

 

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「ねー起きて♡」寝起きでこのクオリティは半端ねーっす。神様、夢なら覚めないで。

 

 

10月松岡千晶・小笠原奈央・古谷知美

 

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そそらそらそら うさぎのダンス♬タラッタ ラッタラッタ♬
ハロウィンは皆でタラッタ ラッタラッタ♬

 

 

11月大亀あすか

 

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「これ以上はドントタッチミー」
んー無理っす!自信ないっす!あすかちゅわーーん!

 

 

12月和久津晶・手塚紗掬

 

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これぞ色気!!
こんなクリスマスなら大人達も大喜びですな。

購入者から喜びの声も届いております!!

 

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B「まぢで欲しいっす!でもお高いんじゃ……」

A「だいじょーぶ!なんと宮内こずえプロが監修の元、総勢24名の女流プロが参加したこの日本プロ麻雀連盟卓上カレンダー。なんと今なら税込み2,200 円!!」

 

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B「まぢですか!!買います!買います!!」

A「まだまだー!これだけじゃないですよ。コナミスタイルで予約していただくと、なんと特典付き!カレンダーの表情とは違った彼女達のフル印刷クリアファイルが2枚もついてきまーす♡」

B「かっ!!見たいです。欲しいです。2枚、いやいや3枚買います!買いますー!!」

A「観賞用に、保存用に、プレゼント用に。是非コナミスタイルでお買い求めください!!」

 

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AB「知れてよかった!買ってよかった!出会ってよかった!
日本プロ麻雀連盟カレンダー!!」

KONAMI STYLEはこちら

第17期プロクイーン決定戦 優勝は日向藍子!連覇達成!

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優勝:日向藍子 準優勝:童瞳 第3位:二階堂瑠美 第4位:りんのなお

第5位:西城凛

最終成績

日向藍子 +81.9P
童瞳 +28.5P
二階堂瑠美 +11.0P
りんのなお ▲67.8P
西城凛 ▲55.6P(10回戦)

 

 

開催概要はこちら

第36期十段戦決勝 最終日観戦記 猿川 真寿

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8回戦終了時
伊藤+50.0P 内川+5.5P 藤崎▲0.6P 杉浦▲2.3P 沢崎▲52.6P

 

9回戦(親から沢崎,内川,杉浦,藤崎 抜け番伊藤)

伊藤のポイントを考えるといいタイミングの抜け番と言えそうだ。残り3戦勝負でトップを1回とれば優勝の可能性もある。当然この9回戦で一気に点差を詰められなければの話だが。
内川、杉浦はここでどこまで詰められるか。マイナスした場合は残り3戦とはいえ結構厳しくなる。
藤崎は10回戦抜け番で、伊藤との直対が2回と考えると30差ぐらいまでは詰めておきたいし、10回戦で沢崎に捲られないところにいないようにもしなければならない。しかし、内川、杉浦に勝たれるのも優勝は厳しくなるので、難しい立ち回りになりそう。
沢崎は杉浦と約50ポイント差なのでここで最低半分の25ポイントぐらいは詰めておきたい。実際は藤崎のほうが抜け番の分ターゲットになる可能性が高いが。

東1局、内川が13巡目に絶好の七万を引きテンパイ。

一万一万一万二万五万六万八万一索二索三索一筒二筒三筒  ツモ七万  ドラ八万

五万切りのリーチといくかと思ったがヤミテンに。
場には九万が3枚切れ、三万が1枚切れ。
なるほど、よくよく考えるとどちらがいいかはわからなくかなり難しい。
メリットはまず、後がない沢崎は親番維持のためには無理しなくてはならない状況にある。
よってリーチしても簡単にオリてくれなく、リスクも高い。
さらに、沢崎の捨て牌に三万があるので、終盤他者が手詰まりしたときは河に切られる可能性もある。
デメリットは押してくる沢崎が、三万を掴んだらリーチにも切ってくる可能性は高い。あとは役なしのほうの二万を切られて他者にアガられるリスクは点数的にも大きい。
完全1シャンテンだった沢崎が追い付くかと思ったが、追い付いたのはこのとき1メンツしかなかった藤崎。
残りツモは1回だがリーチといく。

二万三万四万八万八万四索四索四索四筒五筒六筒七筒八筒

リーチ宣言牌をチーして沢崎もテンパイ。内川もツモ切りで追っかけリーチといくが、藤崎が九筒をツモリ2,000・3,900のアガリ。内川が先制リーチと打っていたとしても同じ結果だったように思える。
藤崎にとって大きなアガリとなった。

東2局、9巡目に杉浦がドラを重ねてテンパイでリーチ。

一万二万三万五万六万七万六索七索八索九索九索四筒六筒  ドラ九索

五筒が1枚切れでピンズが安いわけではないので、結構な勝負リーチと言えるだろう。
10巡目、好形1シャンテンだった内川が、やっとテンパイし追いかけリーチ。

六万七万八万二索三索四索四索五索二筒二筒三筒四筒五筒

テンパイの入っていた沢崎から三索で5,800の出アガリ。

1本場も積極的に仕掛け、トイトイのみだが杉浦からアガリ。藤崎のすぐ後ろに。

2本場は杉浦が高めをツモ1,300・2,600。
2人を追いかける。沢崎は苦しい。

二万三万四万七万七万六索七索八索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒

東3局、7巡目杉浦に悩ましい手が。
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一万二万三万四万五万四索五索三筒四筒五筒七筒東東  ツモ七筒  ドラ五万

場には二万が1枚切れ、三万が1枚切れ、七筒が1枚切れ。自身で二筒九筒四筒を切っている。
打牌候補は一万七筒東あたりか。どれも一長一短で正解はなさそうに思える。ダブ東でなければ東のトイツ落としがマジョリティになりそうだ。
杉浦は少考の末、打一万東がさくっと鳴けたときは三索の出アガリも瞬間あり得る。
ちなみに、私なら七筒切りになりそうだ。ツモ五万もいいし、2,000オールは多少不満ではあるがまあよし。東が2枚目切られたときは、巡目にもよるが鳴くかも知れない。出来れば2枚目切られる前にリーチしたいなと。ただ、特殊状況で現状沢崎がドラドラ1シャンテン、もしくは2シャンテンで東が切られるかも知れないと頭をよぎったら打一万になってしまうかも知れない。
結果は思わぬ方向に進んだ。

次巡、沢崎、内川と切られた三索を杉浦チー。焦りすぎかと思ったが、実際三索は4枚目。逆にファインプレーか。
しかし、一万二万落としが単独ターツには見えないので、東はかなりの危険牌に。
東は山に2枚。どうなるのか。

まず1枚、東が三色1シャンテンの内川に。高めが入ったときは暗刻の可能性も否定できないので、勝負もあるか。
しかし、更に東を重ね雀頭を変えて立場は逆転。沢崎、藤崎も役なしながらテンパイ。内川も安め引きながらリーチ。
沢崎、藤崎も危険牌を押す。杉浦もドラを掴むがツモ切りで押し返す。全員テンパイで流局。
タイトル戦決勝ならではの1局となった。リーグ戦でもタイトル戦の前半でもない1局だなと。それほど選手たちにとってこの半荘の価値は大きいということだろう。

1本場、内川がリーチツモの500・1,000のアガリでトップ目に。
東4局、杉浦が6巡目テンパイ。

二万三万六万六万七万八万九万四索一筒一筒二筒三筒四筒  ツモ一万  ドラ六万

場には一筒が1枚切れているので、一筒切りの1シャンテン戻しか、とりあえずのヤミテンかと思われたが杉浦の選択はリーチ。
これがうまくいき、六万をツモリ内川とならびに。

南1局1本場でもアグレッシブな仕掛けで1,300・2,600のアガリを決めトップ目に。
藤崎は沈みに。沢崎はトップというより浮きを目指すぐらいが現実的か。それすらも簡単ではないが。

南2局。杉浦が配牌ドラ暗刻。しかし、1シャンテンからテンパイせず、沢崎が1人テンパイで流局。
南3局。内川1人テンパイで杉浦に迫る。
南4局。内川が6巡目リーチ。

三万四万五万四索五索三筒四筒四筒五筒五筒六筒中中  ドラ七万

高めでアガるか六索ツモでもトップ。
沢崎から三索を打ち取り。内川トップに。

9回戦成績
内川+19.9P 杉浦+13.0P 藤崎▲7.5P 沢崎▲25.4P

9回戦終了時
伊藤+50.0P 内川+25.4P 杉浦+10.7P 藤崎▲8.1P 沢崎▲78.0P

 

 

10回戦(親から伊藤、杉浦、内川、沢崎 抜け番:藤崎)

この10回戦で1人敗退する。現状4位の藤崎と沢崎の差は約70ポイント。
9万点のトップ条件で残り3者が競っている状況なので現実的には敗退濃厚。
抜け番の藤崎と伊藤の差は58ポイント。
藤崎としては、自分を捲らない程度に沢崎に勝ってもらいたいところだろうが、なかなか無理を通せば道理が引っ込むとはいきにくいのが麻雀で、そうそううまく行くはずがない。
伊藤が少しでも沈めば充分ぐらいな感じだろうか。
沈んだときは、伊藤との差は50ポイントを切るので、残り2戦と考えれば浮き沈み2回で大丈夫そうだが、内川、杉浦も浮いた場合は3者をかわさなければならないので、ポイント以上の差はありそうに感じる。
内川、杉浦は最終戦までに出来るだけ伊藤との差を詰めるか、できることなら捲りたいだろう。

話は少し遡るが、9回戦の前半に伊藤がスタジオ入り。
軽く挨拶はしたが、伊藤の表情は険しく、とてもリードしている表情とは思えなかった。選手は当然、傍観者と違い、それなりの差でもなにがあるかわからない。終わるまで安心できないというものである。
それが、杉浦や私と同じ年代ぐらいのプロならわかるが、何十年もトッププロで活躍している伊藤だったので、意外に思えたとともにタイトル戦の重みを再確認した。

東1局 杉浦、内川が、仕掛けて伊藤の親を流しにかかるが、伊藤も押し返し終盤テンパイをいれて3人テンパイ。
ここまでの伊藤をみると、全回戦を通してかなり攻めている。リーグ戦のときとは別人のようだ。

1本場は杉浦が5巡目にメンタンピンのリーチをするが、沢崎と2人テンパイで流局。これで親を落とすが、東2局にリーチツモドラの1,000・2,000のアガリで1人浮きに。

東3局。内川が5巡目にこの牌姿。

三索四索四索五索六索七索九索九索六筒白白中中  ドラ六筒

かなりの勝負手といえる。ものにしたいところだ。しかし次巡、伊藤がテンパイ。

四万五万六万六万七万一筒二筒三筒四筒六筒七筒七筒八筒  ツモ五万

七筒を切ってとりあえず役なし一筒四筒待ちに。内川も中をポンして1シャンテンに。
伊藤のツモは四索。ツモ切りで内川にテンパイが入るかと思ったが一筒切りで役ありに。内川は次巡、杉浦から切られた白をポン。当然の四索切りで伊藤に2,600の放銃に。これは開けられた手をみて内川はショックだろう。伊藤に風が吹いてきたかと思ったが、東4局は杉浦が沢崎から3,900をアガリ浮きになり、南1局は内川が伊藤から七対子の1,600をアガリ差を詰める。淡々と局が進んでいく。
南2局。8巡目に杉浦がドラを引いてリーチ。

八万八万四索五索六索二筒三筒四筒六筒七筒  暗カン牌の背北北牌の背  ドラ三筒

ツモれば3,900オール。山には4枚いる。
沢崎もジュンチャンドラ1の1シャンテン。

七万九万二索三索七索八索九索一筒二筒三筒九筒九筒九筒

ここはかなり押すだろうと思った矢先、杉浦のアガリ牌の五筒が、しばらく考えたが、ツモ切りで6,800の放銃。
杉浦が伊藤を捲ってトップ目に。杉浦としてはアガれてホッとしたのもあるだろうが、ここはツモって伊藤を沈めるところまで持っていきたかった気持ちもあるだろう。
1本場は全員テンパイで流局。
各々がきっちり相手のアガリ牌以外を切り押しきった。

2本場は杉浦、内川の2人テンパイで流局。
3本場、内川がダブ南から仕掛ける。杉浦も白を鳴いて応戦。両者テンパイ勝負。内川が杉浦から2,000点のアガリ。

二万四万五索五索五索二筒二筒  チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き  ポン南南南  ロン三万  ドラ北

難しい選択が多い中、好判断でアガリをものにした。これで内川も浮きに。
南3局、伊藤が12巡目にリーチ。

六万七万八万四索五索六索六索六索七索八索九索白白  ドラ一筒

場には白が1枚、三索が1枚。
次巡、親の内川もテンパイし追いかけリーチ。

三万三万三万七万九万二索二索三索四索五索一筒二筒三筒

宣言牌が五万六万は2枚切れで八万も2枚切れ。伊藤の河は3巡目に四万、5巡目に六万が切られていて、五万八万のほうが危険に思えたか。ただ、その場合は六万は1枚残りということになるので、アガリ率は下がりそうだが、巡目と打点を考えれば流局も致し方なしに思える。
ここは伊藤が三索をツモリ500・1,000のアガリに。杉浦に500点差に迫る。内川はリーチ棒を出したこともあり、沈みに。

南4局、内川が2巡目に南を暗カン。
これでリーチツモ南でもトップまでいく。ただ現状形は苦しい。
中盤沢崎は、ドラドラながら七対子2シャンテンに。伊藤はメンホン1シャンテン。
最初にテンパイ入れたのは杉浦。
ピンフの五万八万待ち。内川も五索をチーして1シャンテンに。

六索七索五筒六筒西西北  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き  暗カン牌の背南南牌の背  ドラ北

捨て牌は3段目にかかり、沢崎、伊藤の変則捨て牌にドラを勝負することができるか。 残り2戦と考えれば、このまま終局すると伊藤と更に16ポイントぐらい離れ、40以上の差になる。
現実的には結構苦しい差になるので、勝負する価値はあるか。

杉浦の五万八万もまだ山には結構あり、内川が掴んだときにはアガリになりそうだ。
内川が杉浦から七筒が打たれ、チーしてドラ切りテンパイでついに追いついた。
沢崎は手が進まないので、この局で半荘終了になりそう。
伊藤も白をポンしてテンパイ。

一万二万三万四万五万五万六万七万七万発発  ポン白白白

シャンポン待ちにすると杉浦に放銃。
杉浦の河には三万が切れているだけだが、その後に内川が四万二万一万と切っているので冷静に一万切りでカン六万待ちに。
内川はツモ八万。杉浦、伊藤のテンパイ気配。
先ほど述べたとおり、ここでのアガリは相当大きいので、目を瞑ってツモ切りになるかと思ったが、ここでの伊藤への放銃は敗因になる局と考えたか冷静に西打ち。
これで内川の浮きはなくなったかと思われたが、次巡ツモ八万で奇跡のテンパイ。
沢崎の1人ノーテンで終了した。内川はテンパイ料で浮きに。
沢崎はここで敗退となった。

 

100

 

10回戦成績
杉浦+17.1P 伊藤+11.6P 内川+1.7P 沢崎▲30.4P

10回戦終了時
伊藤+61.6P 杉浦+27.8P 内川+27.1P 藤崎▲8.1P 沢崎▲108.4P(敗退)

 

 

11回戦(親から伊藤、杉浦、内川、藤崎)

伊藤を追いかける、杉浦、内川は約24ポイント差。自身が浮いて、伊藤を沈められれば最終戦、着順勝負ぐらいになりそうだ。藤崎は伊藤と約70ポイント差。
1半荘35ポイント詰めなければならない。トップラスでも順位点は16ポイントしか縮まらないので素点で最低2万点は必要になる。伊藤を沈めて6万点ぐらいのトップをとることができればチャンスありか。

東1局。内川以外の3者の手がぶつかりそうだ。
4巡目に藤崎が1シャンテン。

一万一万四万一筒二筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒中  ツモ三筒  ドラ一筒

かなりの好形。フラットな状況ならドラ1あるので、素直に打中になりそうだが、伊藤との点差があるので打四万
高め一通のテンパイなら、リーチしてツモれば3,000・6,000まである。
杉浦もマンズのリャンメンターツ落としのときに自風の南を重ねて勝負手に。

四万四筒五筒六筒七筒七筒九筒南西西白白発  ツモ南

伊藤も1シャンテン。

一万二万六万七万八万一索二索三索七索八索二筒二筒八筒

ドラ絡みの三色を強めにみていると思うが、河には三索四索四万六万と並んでいる。かなり狭めに受けたことが裏目にでるか。
7巡目に杉浦が2枚目の南をポンして1シャンテン。藤崎が九筒をツモってテンパイ。四筒は場に1枚手牌に1枚だがリーチにいくかと思ったがヤミテン。
杉浦もピンズなので厳しいと思ったか。次巡五筒をツモってチンイツに移行。
これでアガッた時は、跳満以上が確定になった。伊藤が三万を引き六索九索でテンパイ。
藤崎がリーチにいっていた場合は八筒を多分打たないので、テンパイは入らなかったか。この八筒を杉浦がチーしてテンパイ。藤崎のツモは三筒で嬉しいツモではないがこれで3者テンパイ。

一筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒

ただこれで次に一筒以外のツモはそれなりにいい待ちには変化しそうだ。
白西も山には1枚づつある。
伊藤もテンパイが入っているだけに放銃になる可能性もある。
12巡目、藤崎はツモ四筒三筒六筒九筒に待ちかえ。直撃なら一気に点差がつまる。
しかし、杉浦のツモは六索。ここは伊藤の1,500で終局した。
1本場、伊藤の手が軽い。6巡目にこの1シャンテン。アガるだけなら早そうだ。

二万三万四万五万六万八万二筒三筒九筒九筒発発発  ドラ二索

藤崎が伊藤の切ったドラをポン。なかなか手が進まない伊藤は一筒をチーしてテンパイ。ドラポンが入った以上、リーチは打ちたくないのでかわし手に変更というところか。ここもしっかり藤崎からアガリリードを広げる。
2本場、伊藤がドラドラの好配牌。
杉浦もツモが伸びて1シャンテン。伊藤の手はなかなか進まない。
9巡目、杉浦はピンフ一通の1シャンテンだったが、このツモ一万でとりあえずのテンパイ。チンイツも見えてきたか。一通手変わりならリーチといきそうだが、それ以外はチンイツになりそう。先に一索四索引きはとりあえずアガッておくか。フリテンリーチもあるのか。

一万二万二万二万三万四万五万七万八万九万二索三索一筒  ツモ一万  ドラ八索

ここで切られた一筒を内川がポン。

七万八万八索九索一筒一筒四筒五筒七筒八筒東西西

かなり苦しい仕掛けだが伊藤の親をこれ以上やらせたくないということか。
ただこれで杉浦が一索四索ツモはツモアガリになりそうだ。
10巡目、伊藤も七対子1シャンテン。
ツモ八万、打六筒でメンツ手に決める。

五万五万六万六万七万六索六索八索八索六筒六筒七筒八筒

12巡目、杉浦のツモは八万一万が1枚切れで有効手変わりは七万だけなので形は苦しいが、三索切りでチンイツ1シャンテンに。
内川が七索を鳴いて、上の三色が濃くなったのも関係しているか。
ずっと1シャンテンだった藤崎がテンパイ。

三万三万三万三索四索六索八索二筒三筒四筒九筒九筒九筒  ツモ六索

ドラの八索を切ると、伊藤が11,600のテンパイになるが、巡目的にはリーチにいくかは別として、テンパイはとりたいところ。
藤崎の選択は六索切り。これを伊藤がポンしてテンパイで四万七万待ち。杉浦が四万を引き、形はよくなるが八万にくっつくと伊藤への放銃になるがどうなるか。
杉浦がラス牌の七万を引き、四万で伊藤に5,800の放銃。伊藤としてはかなり嬉しいアガリに。
3本場、伊藤が第一ツモでダブ東を重ねて1シャンテン。更に加点できそうだ。ただリーチのみの可能性もあるので、それは少しもったいないか。東が出た場合はどうするのかなと思っていたら、3巡目にツモ東。これはなんとしてもものにしたい手となる。5巡目にツモ六筒でテンパイ。
マンズを雀頭にしての四筒七筒が理想だったが、リーチといく。

一万二万四万五万六万一筒二筒三筒五筒六筒東東東  ツモ六筒  ドラ白

二万が1巡目に藤崎、2巡目に内川に切られていて、ペン三万は悪くなさそう。実際に山に三万は4枚。四筒は藤崎が暗刻なのでかえっていい待ちになったか。
これをきっちりツモって、更にリードを広げる。他の3者の精神的ダメージは相当なものだろう。
4本場、伊藤は更に畳み掛ける。6巡目にリーチ。

 

100

 

一万一万一万六万七万八万二索二索一筒二筒三筒六筒七筒  ドラ三万

リーチのみだが、こういう状況で大事なことは、相手に反撃の糸口を与えないことだと私は思っている。先ほどの4,000オールで、この局は相当手がよくない限りは押し返せないだろうという読みも入る。
伊藤が13巡目に八筒をツモ。
5本場、伊藤が4巡目に1シャンテン。

七万八万三索三索三索六索六索七索七索五筒七筒発発  ツモ八索  ドラ六筒

イーペーコーもあるし、自然にピンズ外しになるかと思ったが伊藤は打七万
公式ルールだと、こちらのほうがより自然かと思い直す。私もそうしそうな気がする。子方ならピンズ外しになりそうだが。
次巡五索を引きテンパイ。ヤミテンに構える。
6巡目に一索を引き打五筒でホンイツに向かう。2巡目に四索を切っていて発が鳴けた場合もアガれる公算は高そう。
14巡目に一索を引きテンパイ。アガリにはならなかったが、伊藤、藤崎の2人テンパイで流局。

6本場、内川、藤崎が仕掛けて親落としにいくが、うまく回りながら打った伊藤もハイテイ牌でテンパイし、杉浦の1人ノーテンで流局。伊藤の親を流せない。
7本場、伊藤が内川から1,500のアガリで6万点オーバー。
この対局が始まってついに1時間を越えた。

長かった親が、ついに流れた。
8本場、6巡目に藤崎が絶好の五筒を引きリーチ。

四万五万六万五索六索四筒五筒六筒七筒八筒九筒東東  ドラ東

藤崎が安めながら七索をツモリ。2,000・3,900の大きなアガリに。伊藤としては、藤崎が点数を持つ分には悪くないので、少し点数は削られたがいい親落ちと言える。
東2局。大きく沈んでいる杉浦は、なんとか持ち点を増やしたいところだったが、テンパイせず、藤崎の1人テンパイで流局。連荘できない。
東3局、1本場。10巡目に内川がリーチ。

三万四万四索五索六索一筒二筒三筒五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ八万

ピンフのみだが、点数的にもここはリーチで抑え込みたいところか。
伊藤も役なしドラドラのテンパイが入っている。内川に直撃は避けたいところだが。

四万五万六万八万八万二索三索四索七索八索九索六筒六筒

ピンズがリャンメン変化したときは勝負になるだろう。内川の状況も考えれば、テンパイしたら何でもリーチにきそうなので、フラットな時よりは押しやすいか。
11巡目に藤崎もテンパイ。

二万三万七万八万九万一索一索七索八索九索七筒八筒九筒

高めの一万は2枚切れだが、内川の現物なので伊藤が掴んでも止まらなそうだ。
伊藤は無筋の四筒を掴んでも撤退。
内川のツモは一万。藤崎の12,000のアガリ。
東4局、もうひとアガリで伊藤を 捲れるところまできている。
まず、8巡目に内川がリーチ。

 

100

 

三万四万五万六万六万四索四索四索五索六索七索六筒七筒  ドラ八筒

藤崎も追っかけリーチ。

 

100

 

二万二万四万四万七万八万九万三索三索三索六筒七筒八筒

しかし、次巡のツモは五筒で内川が2,600のアガリ。伊藤にとっては嬉しい結果になった。

南1局。伊藤が8巡目にリーチ。

二万三万四万五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒東東

10巡目に内川が追っかけリーチ。

四索五索六索八索八索一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒

内川の二筒も山に1枚あったが、ここは伊藤が内川からアガリ。リードを広げる。
1本場は全員テンパイで流局、
2本場はこれ以上、連荘させまいと藤崎が仕掛けて300・500のアガリ。

南2局、杉浦の親番。伊藤との点差は約5万点。なんとしてでも連荘しないと決まってしまう。
7巡目に杉浦リーチ。

一万二万二万三万三万四万三索四索五索六索七索西西  ドラ八索

これをドラでツモって2,600オール。このツモは嬉しい。
1本場も仕掛けて1,000オールをアガリ、持ち点は2万点に。浮くことができるか。逆に内川は箱下に。
2本場、まずメンホン1シャンテンになった藤崎から出たドラの五索をポン。
7巡目に杉浦がテンパイでリーチ。

四万五万六万二索四索五索六索七索六筒七筒八筒発発  ドラ五索

藤崎も追い付く、

一筒三筒四筒四筒四筒五筒五筒七筒八筒九筒南南南

藤崎が三索で杉浦に3,900の放銃。
3本場、更に加点したい杉浦だったが、ここは伊藤がヤミテンで杉浦から打ち取る。
南3局、内川の巻き返しを期待したが、藤崎がピンフで局を進める。
南4局は伊藤が藤崎から2,000点のアガリ、トップを死守。

11回戦成績
伊藤+36.5P 藤崎+14.3P 杉浦▲11.5P 内川▲39.3P

11回戦終了時
伊藤+98.1P 杉浦+16.3P 藤崎+6.2P 内川▲12.2P

 

 

12回戦(親から杉浦、藤崎、内川、伊藤)

11回戦終了時で、第36期十段位は現状9割ぐらい伊藤の手中にあるといっても過言ではないだろう。
12回戦の伊藤の麻雀は見事だった。
着々と自身で相手の親を流していく。
ただ、早アガリに徹しているというよりは、ツモに身を委ねているという感じ。トイトイの手はトイトイで、攻めるときは暗カンもするといった具合に。
それがうまくいく。トントンと局が消化されていく。
タイトル戦の最終戦は、追いかける側が安手で局を消化する意味がないのと同時に、リーチ自体の打点が高く、あとは親のリーチには誰も行かないという状況になるので、長い半荘になるケースが多い。
しかし、今回は伊藤がうまく立ち回り相手に隙をみせず、逆転のチャンスを与えなかった。

ここで、第36期十段位、伊藤優孝が誕生した。
対局終了後、伊藤に「おめでとうございました」と一言だけ伝えた。

伊藤は「30年・・・」
点の部分は、私が予想してなかった受け答えだったからか、ちゃんと聞き取れなかった。しかし、聞き返すことはなく席を外した。
30年前の忘れものをみたいな感じだったかも知れないし、30年ぶりのみたいな感じだったのかも知れない。

過去に伊藤が、十段戦初日でかなり差をつけながら捲られたことがあるという話を聞いた。それが約30年ぶりなのか、伊藤の前タイトルは連盟だと、第9期鳳凰位。今36期なのでそれから約30年ということなのか分からないが、伊藤にとって特別なタイトルになったということであろう。

帰り道、何故か高揚している自分に気づいた。
選手とは全員それなりに付き合いを持たせていただいていて、誰を応援しているとか考えていなかったが、伊藤が獲得して嬉しい気持ちがあったみたいだ。
伊藤は私が連盟に入って数年の、まだC2リーグのときに初めて話をさせていただいた。
そのときにまだ、誰も知らないような若手の私を「猿川は絶対強くなる」「間違いない」と言ってくれた。それから十数年、私がそれなりの舞台にあがると「俺は絶対猿川は強くなると思ったんだよ」と伊藤の嬉しそうな顔を何度も目にした。伊藤の期待に応えるためにも頑張りたいと思ったことも何度もあった。まだ、荒削りでかなり下手くそだったときに、大先輩からの評価はこれ以上なく嬉しく、励みにもなったのを今でも覚えている。

優孝さん本当におめでとうございます。
僕もまた、優孝さんの見る目に間違いはなかったということを証明するため頑張ります。
そんなことを思いながら歩を進めた。

12回戦成績
藤崎+33.8P 伊藤+18.6P 杉浦▲19.8P 内川▲32.6P

十段戦最終成績
伊藤+116.7P 藤崎+40.0P 杉浦▲3.5P 内川▲44.8P 沢崎▲108.4P

 

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第4回麻雀プロアマオープン競技会 ベスト16~決勝戦レポート 藤原 隆弘

猛威をふるった台風10号が日本列島を横断し再び猛暑となった8月18日。
夏目坂スタジオにはベスト16のメンバーが早々と集合していた。
第1期は佐々木寿人が優勝。
(因みに準優勝は私)第2期と第3期はアマチュアの方が優勝し、今期はアマチュアの3連覇がかかる。
連盟道場の常連のお客様中心の大会なので、毎回アマチュアの方の参加が多数となるのだが、今回は前日の予選からプロも複数参加し、ベスト16はプロ8名アマ8名と互角の人数になった。

今日は全て半荘1回勝負!ベスト16とベスト8は2着以上。決勝はトップあるのみ。

 

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A卓
小島優、丹野賢一さん、斎藤麻衣子、松本裕也

前回優勝シードの丹野さんと、プロ3名の対戦となったので、この卓が放送対局にセレクトされた。
松本プロは、今期のWRC部門月間優勝者としてベスト16からのシード。巣鴨道場の麻雀教室、健康麻雀、夜のプロアマ競技会の全てのスタッフとして精力的に頑張っている。初めての放送対局で落ち着いて普段通りに打てるかが鍵。

開局は丹野さんが斎藤プロから5,200をアガって先行、その後は拮抗した展開となるも南2局、丹野さんが斎藤プロから親の満貫を決めて1人当確。手数で上回った松本プロが2着。

B卓
吉田直(鳳凰位シード)小林泰士さん、岡本浩一さん、しーらさん

先行した岡本さんがトップ目のまま南入。
吉田が親番で粘って浮き2着に浮上しオーラスへ。
3番手だったラス親のしーらさんがしぶとく連荘を重ね僅差でトップまで抜けて終了。吉田は無念の3着敗退。

C卓
藤次祐紀さん、内川幸太郎(十段位シード)葭葉さん

石橋和也、藤次さんが終始トップ目のまま南2局の親番で内川が連荘し2着キープでオーラス。
ラス目の親の石橋に4巡目にドラ暗刻のリーチが入り一発ツモで6,000オール。一撃で勝ち残りを決め、十段位内川も3着敗退。

D卓
杉山俊彦、立岩知郎さん、ダンプ大橋(グランプリMAXシード)水野裕来さん

先行した水野さんが東場から終始トップ目。ダンプが巧みに捌いて2着キープのオーラス。
ダントツの水野さんがラス親なので1局勝負。3着目の立岩さん逆転をかけたタンヤオピンフのリーチ!
ツモかダンプ直撃か一発かウラ条件だったが後がないラス目の杉山から一発で出て立岩さんが2着勝ち上がり、ダンプも悔しい3着敗退。

何と三大タイトルシードの鳳凰位も十段位もグランプリチャンプも全滅の波乱。
ここまで残っている巣鴨道場の常連様達が強いことは間違いないのだが、3人ともトーナメント巧者のA級プロだ。これが一発勝負の怖さでもある。

ベスト16には8名残っていたプロがたった2名となった。

 

 

準決勝A卓
岡本浩一さん、石橋和也、立岩知郎さん、丹野賢一さん

東3局 ドラ二索
親の立岩さんが序盤に仕掛ける。ピンズのチンイツで勝負に出た石橋が、ドラをポンさせて親の満貫放銃。
立岩さんはこの点棒を守り切り、最終局は丹野さんと岡本さんのアガリ競争となったが、岡本さんが制した。

準決勝B卓、
しーらさん、藤次祐紀さん、水野裕来さん、松本裕也

東場はしーらさんが先行しトップ目のまま回るが、藤次さんが南2局の親番で、水野さんから7,700をアガリその後も連荘を重ねてトップ目に立つ。
最終局は供託リーチ棒2本で6本場、3番手の松本は2,000点以上のアガリが必要。
まずしーらさんがテンパイするが役無しのペン三筒マチ。しーらさんは自力決着を選択し、即リーチとしたがこれが敗着となってしまう。
松本がピンフドラ1の一筒四筒マチで追いつき、しーらさんの捨て牌に一筒があるのでそっとヤミテン。
高い手を打つと3着に落ちる藤次さんはオリを選択。しーらさんの現物の一筒を捨て松本がロン。
2,000点の6本場で3,800点の放銃。
藤次さんは一瞬青ざめるが、しーらさんがリーチ棒を出していたので僅か100点差で2着に残った。
さて、次はいよいよ決勝戦。

 

 

決勝戦
起家から、立岩知郎さん、松本裕也、藤次祐紀さん、岡本浩一さん

東2局に立岩さんが三暗刻ドラ1をヤミテン。
松本から6,400を出アガリ先攻するが、松本もすぐにリーチドラ1の2,600とリーチ七対子ドラ2の満貫をアガって追いつく。

南1局、北家の岡本さんが一索南のシャンポン待ちで先制リーチ。
親の立岩さんも七対子の一索タンキ待ちに持ち込んで追っかけリーチと勝負をかけたが、立岩さんが南を掴んで5,200を放銃。
トップが松本に代わった。
放銃した岡本さんのアガリ形を見て軽く頷く立岩さん。

続く南2局( ドラ一万)、立岩さんは流れを変えるべくいきなり1巡目から一索をチーと仕掛けた。
ドラの一万はトイツだが、純チャンドラ2の満貫にはまだ遠く3シャンテン。
このチーはなかなかできない。A1で活躍する古川孝次プロでも滅多にやらないくらいの、超サーフィン打法だったが、これが3つ鳴けてテンパイに漕ぎ着ける。

一万一万八万九万  チー七筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き  チー一筒 上向き二筒 上向き三筒 上向き  チー一索 上向き二索 上向き三索 上向き

東場で松本の七対子に不運な満貫を放銃してラス目の藤次さんにこの半荘初めての勝負手が入った。

二索三索四索六索七索七索八索九索東東東北北

跳満くらいをツモアガリたい藤次さんは、この手に勝負をかけて即リーチ。
山には3枚残っていたが、オリている両脇に流れ、何と立岩さんのアタリとなるラス牌の七万を掴んでしまう。
立岩さんはウルトラCのミラクルアガリを決め、再びトップ目に。

オーラスは岡本さんの親番。
2着の西家松本はトップまで3,900点差、松本は西白がトイツになったところで、ピンズのホンイツに向かって仕掛けた。
松本の1人テンパイなら100点差で逆転される立岩さん、ベタオリもできない為、松本にピンズを下ろし松本が西白のシャンポン待ちテンパイ。
親の岡本さんも仕掛けて喰いタンドラ2の5,800をテンパイ。
岡本さんもアガれば優勝が見えてくるのでオリない!松本はツモアガれば単独優勝!

だったが、岡本さんが西を掴んで3,900点の出アガリ。何と立岩さんとぴったり同点トップ。

第4期プロアマオープンは、珍しい両者同点優勝で幕を閉じた!
巣鴨道場に週3〜4回は通って鍛錬している立岩さん、お仕事はバスの運転手さんだそうです。
準決勝以上に残られたアマチュアの方には、対局のDVDをプレゼントしているのですが、立岩さんの奥様がこれを楽しみに鑑賞しているそうで、これまでは2回とも準決勝敗退のDVDでしたが、今回は優勝される勇姿を自宅で何回も観ることができるので、奥様も喜んでくれると思います。
おめでとうございました。

松本君は巣鴨道場のスタッフとして頑張ってくれている姿に、神様がご褒美を下さったのでしょうかね。良かったな。
これからも連盟プロとして、道場勤務と麻雀の対局に益々精進してサクセスして欲しいと願います。

次回第5期本大会は来年2月。
巣鴨道場では既に来期の予選会が始まっています。
まだいらしたことの無いアマチュアのお客様方も、これから上を目指す連盟プロ達も皆さん巣鴨道場に通って腕を磨きましょう!

 

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第36期十段戦決勝 二日目観戦記 猿川 真寿

初日終了時
伊藤+32.4P 内川+7.1P 杉浦+2.2P 沢崎▲20.2P 藤崎▲21.5P

初日、伊藤は首位で終わったものの、3回戦までは番手と50Pの差があったところから、4回戦終了時には約25ポイント差となった。この結果を本人はどう捉えているだろうか?

4回打てば1回ぐらいきつい半荘もあると思っているか?
初日の調子ならもっと稼がなければダメと思っているか?
最終日が終わったときに伊藤に聞いてみようと思っている。

いつでも聞けるが、思ったことを言葉に出すと責任が生まれる。麻雀に限ったことではないが、勝負師は繊細かつ大胆だと思っているので、なんとなく勝負のアヤをつけたくないなと私は思ってしまう。
そんなことを考えながら2日目を迎えた。

 

100

 

5回戦(親から内川、杉浦、藤崎、沢崎、抜け番伊藤)

トータルトップ目の伊藤が抜け番。個々のポイントを増やしたい半荘だ。
藤崎、沢崎としては伊藤との差は50ポイントぐらいで、半荘1回でも捲れる点差ではあるが、他者もいる勝負であるとともに優勝ポイントを想定するとこれ以上の失点はかなり苦しくなると言えるだろう。

内川の1,300オールで2日目はスタートした。
内川も選択の部分で杉浦に放銃してもおかしくないところと、藤崎のドラカンを潜り抜けてのアガリなので打点以上の価値はありそうだ。
1本場は杉浦がピンフを内川からアガる。

東2局。内川に6巡目テンパイが入るが、手役を狙ってテンパイはずしから、ピンフ三色テンパイに。
打点バランス的にリーチにいくと思ったが、ヤミテンを選択し藤崎から高めでアガる。

四万五万六万四索五索六索七索八索九索一筒一筒五筒六筒  ロン四筒  ドラ発

初日、かなり攻撃型に打っていた印象があったので少し意外だった。
伊藤がいればリーチの選択もあったのかも知れない。この半荘はとにかく浮きで伊藤にプレッシャーをかけたいというところか。
次局も七対子で沢崎から討ち取り、藤崎の勝負手をかわす。

南1局。7巡目に藤崎の珍しい仕掛け。

三万三万五万六万二索三索四索四索五索七筒八筒南南  ポン三万  ドラ四索

ここまでドラはよく手に入っているが、アガリまで結びついてないことからの仕掛けだと思うが、この牌姿で南六筒以外から仕掛けるのはなかなか勇気がいる。
アガリだけを目指すなら打南になりそうだが、藤崎は七筒八筒落とし。
自身の守備力と、相手に南を切らせて楽にさせないということだろう。

これを仕掛けた意味は、トップ目の内川が親ということも大きいだろうか。
アガれればラッキー、テンパイでも成功、流局でも内川が加点できなければ悪くない。ぐらいかと私なら考えてしまう。
この局面においては、藤崎の思考もほとんど一緒だったと思う。

この仕掛けで、内川、杉浦はかなり受けにまわされる。しかしなんとかテンパイ一番のりした杉浦だったが、打点もないため結局オリに。
この仕掛けが藤崎でなければ、二人の対応も全然違っていたかも知れない。

ここに対人ゲームの面白さがあると思う。
結果は、沢崎は終盤ドラをひいてリーチからの1人テンパイで流局。

南2局。4者とも配牌はまとまっているが、沢崎だけ少し遅そうな感じがある。
3巡目に内川がテンパイ。

二万三万四万四万一索一索二索三索四索七索八索九索七筒  ツモ一万  ドラ六筒

ここは一通とドラ引きをみて、打一索のテンパイとらず。
三万二万が1枚ずつ見えていなければ マンズのくっつきは優秀そうなのでとりあえずの仮テンもあったか。
次巡七筒を引くが同じ理由でツモ切り。
この時点で沢崎以外は1シャンテン。沢崎は七対子2シャンテンのメンツ手3シャンテン。
6巡目、杉浦が1シャンテンから1シャンテンの2枚目の白ポン。ピンズの形がまとまればいいか。

七万八万九万五索六索二筒三筒四筒四筒六筒北白白  ポン白  打北

この鳴きで内川が理想的な六筒ツモでリーチ。杉浦もツモ四索でドラ単騎テンパイに。
山には五筒八筒4枚、六筒1枚。藤崎はオリに。
9巡目にラス牌のドラが沢崎にいき内川は大チャンスに。

六万七万七万八万九索二筒三筒三筒五筒七筒南中中  ツモ六筒  打二筒

12巡目、杉浦も内川のアガリ牌の五筒を引き三筒六筒待ちに。ただ三筒もなく山にアガリ牌はない。逆に八筒が止まりづらくなったか。
14巡目に沢崎がまわりながらもテンパイしリーチ。

五万六万七万七万八万九万三筒三筒五筒六筒七筒中中

中は山に2枚。いい勝負か。同巡杉浦のツモは八筒

七万八万九万四索五索六索三筒四筒五筒六筒八筒  ポン白白白

現物は四索のみ。ツモは残り2回。
杉浦の選択はワンチャンスの三筒で沢崎のアガリとなった。残りの山の数と2人のアガリ牌から考えると、流局の確率は低く決着はつきそうな感じはする。杉浦も放銃にはなったが、どちらにツモられたとしても2,600以上の失点なので、数字的には同じといえる。ただ内川としては中が山に2枚残っていることは知らないので、少し嫌な感じは受け取っただろう。

 

100

 

南3局。七巡目に沢崎がオタ風の西をポン。 藤崎は絶好の七筒ツモ。

二万三万六万七万三索四索五索六索七索六筒八筒九筒九筒  ツモ七筒  ドラ一万

下家の沢崎は明らかにホンイツの捨て牌。ケアするなら三索切りもあるか。
三色になるには2種限定でドラが一万ということもあり、二万三万は沢崎のキー牌になりそうでマンズ落としは六万七万か。
と思っていたが、藤崎はノータイムで打三万。ここを勝負どころとふんだか。
これを沢崎がチーして1シャンテンに。

一万二万三万五万八万北北  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ポン西西西

10巡目に藤崎のテンパイ牌の五万を食い取り沢崎がテンパイ。
中々テンパイの入らない藤崎も、五筒五筒と引きタンピン三色の1シャンテンに。
15巡目に安めの二索を引きヤミテンにしたが、次巡ツモ四万でテンパイがばれているのでツモ切りリーチ。
山には五万北が1枚ずつ。かなり受けぎみに打っていた内川に、五万四万も通ったこともありテンパイでおいつく。

三万四万四万五万五万六万七万八万四筒六筒白白白  ツモ五万  打四万

次巡五筒で700・1,300のアガリに。
藤崎はかなり苦しく、内川にとっては大きなアガリとなった。

南4局は藤崎が七対子ドラドラをリーチするが、内川が沢崎からタンヤオ三色の5,200をアガリ1人浮きになり伊藤を0.1ポイント捲って首位に。

5回戦成績
内川+25.4P 沢崎▲2.9P 杉浦▲5.0P 藤崎▲17.5P

5回戦終了時
内川+32.5P 伊藤+32.4P 杉浦▲2.8P 沢崎▲23.1P 藤崎▲39.0P

 

 

6回戦(親から沢崎、藤崎、内川、伊藤、抜け番杉浦)

ここまでで抜け番が全員1回ずつ終わって、4者の戦いになるまで半分が経過した。 理論上、公式ルールは1半荘で50Pぐらいは変動するとはいえ、実戦的には優勝に60以上離れている沢崎、藤崎はかなり厳しいと思える。

ここまで、伊藤、沢崎はリーグ戦と同じようなスタンスで戦ってきていると思う。藤崎は4回戦はかなり相手(上位者)のやりにくいに方にシフトチェンジしてきた感じがする。
1人敗退まであと5回。

東1局、7巡目沢崎がピンフテンパイ。

四万五万六万一索二索三索五索五索七索八索二筒三筒四筒  ドラ北

ヤミテンを選択したが、内川、伊藤の手出しをみてか次巡ツモ切りリーチ。
3者の捨て牌的には、割りと六索九索はヤミテンなら拾えそうなのと、変則手模様なのでドラも考えると今後の勝負どころと捉えたのかも知れない。

結果うまくいき、1人テンパイで流局。
この局を足場に加点したいところだろう。

1本場、沢崎の手はかなり遅そうだったが、終盤テンパイするも、藤崎がツモ七対子ドラ2をアガる。
道中、メンツ手に進めそうなところをトイツ手に決めうち。藤崎は七対子が多いタイプだとは思うが、受けの七対子はあるがドラドラのときはメンツ手に向かうときのほうが多いタイプだと私は思っている。
初日、2日目と厳しい戦いを強いられているからの対策なのだろうか。

 

100

 

東2局、藤崎が高めをツモり4,000オールで突き放す。

七索八索九索九索  ポン西西西  ポン白白白  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ツモ九索  ドラ五筒

現状のポイントを考えると、さらに加点したい藤崎だったが、内川のリーチに果敢に押し返すも、内川の500・1,000のアガリで局が進む。

東3局。内川がピンフテンパイ。
9巡目に沢崎も追いつく。

五万六万七万三索三索六索七索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ六筒

ここは八索が2枚切れだからかヤミテンを選択。ただ沢崎の雀風を考えると、どこかでツモ切りリーチがありそうだ。
内川が五索をツモり二索と入れ替え、高めイーペーコーのリーチに。

二万三万四万三索四索四索五索五索七索八索九索西西

枚数的には互角だった。この局は内川の六索のツモアガリに。沢崎はこの決勝かなり厳しい。うまく凌いではいるが、高打点のアガリがなかなか出ない。

1本場は藤崎が内川から3,900のアガリ。

一万二万二万三万三万四万五万六万七万八万九万四索四索  ロン四万  ドラ五索

ヤミテンはいかにも藤崎らしいが、一万が山にありそうだったので少し勿体なくも思えた。ただ、アガリ逃しのほうを嫌ったということだろう。
このアガリで2着目とも点差を大きく離した。

東4局、各者打点はあるが手牌は重い。
テンパイ一番手は伊藤。
14巡目にリーチ。

三万四万五万三索三索五索六索四筒四筒四筒八筒八筒八筒  ドラ七索

四索は3枚切れだが親ということもあり、七索を引きアガッたときの打点からもリーチが普通だろう。
七索は山に1枚だが初日の感じだとアガれそうに思えるから不思議である。

次巡のツモが八索

これを沢崎が鳴くかと思われたがここは動かない。巡目と二索五索の切りにくさからチーが普通か。一索が通っていて四索はワンチャンス、放銃を避けた。

二万三万四万二索二索四索五索五索五索六索七索六筒七筒

最後のドラは沢崎の手に、二索は今通っているがここは中筋の五索切り。四索が自身からすべて見えているのでほとんど通る。
テンパイチャンスのなくなった藤崎からの二索をポンしてテンパイ。
ハイテイは伊藤に。ハイテイ牌はカンの出来ない八筒
なんと沢崎の7,700のアガリに。
全員のトータルポイントが一気に縮まった。
南1局、2局と小さく点棒が動き、南3局。 伊藤、内川のテンパイをかわし、藤崎が2,000・3,900のアガリで大トップに。

五万六万七万八万一筒二筒三筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ五万  ドラ五万

このアガリで藤崎が伊藤にトータルポイントを約2.0Pまで詰め寄り内川とも20P弱に。
伊藤も南4局、沢崎から5,800をアガリ2着まで5,500点差の位置に。
1本場、内川が9巡目にリーチ。

三万四万五万一索二索三索五索五索二筒三筒四筒五筒六筒  ドラ五索

これをアガれば浮きになり、伊藤ともかなりポイントを離すことができるが、ここは沢崎が追いつき、1,000・2,000のアガリ。

 

100

 

6回戦成績
藤崎+40.5P 沢崎▲6.2P 内川▲11.9P 伊藤▲22.4P

6回戦終了時
内川+20.6P 伊藤+10.0P 藤崎+1.5P 杉浦▲2.8P 沢崎▲29.3P

 

 

7回戦(親から内川、杉浦、藤崎、伊藤 抜け番沢崎)

伊藤は抜け番を挟んでの連続4着でこの辺でなんとかしたいところ。
藤崎は前回のトップでプラスになり、もう1回トップをとれれば、一気に暫定首位までいきそうだ。
内川、杉浦はトップはあまりないが、うまくポイントをまとめている印象。
沢崎は今回抜け番なので、出来るだけポイントが動かないほうが望ましいだろう。

東1局ドラドラの伊藤がくっつき1シャンテン。ドラを引きテンパイ。

四万五万六万七万三索五筒五筒五筒六筒七筒八筒南南  ツモ南  ドラ南

ピンズにくっつけば好形になるが三筒は切っている。マンズの四万七万は場に見えてないが、周りの牌は適度に切れているので四万七万待ちでリーチに。
杉浦が一万四万七万で追いつくが、伊藤が四万をツモで2,000・4,000。大きなアガリに。
東3局1本場。2,400を内川からアガッた藤崎がダブ東を仕掛けてから早々にテンパイ。

六万七万八万一筒二筒三筒九筒九筒発発  ポン東東東  ドラ中

11巡目に伊藤も高めの六万を引きリーチ。

四万五万六万一索一索四索五索六索四筒五筒六筒七筒八筒

九筒は山に2枚いるが、発は杉浦が持っているので伊藤の放銃はない。
藤崎ここはかなり押し返しそうな状況に思える。勝負の行方は。
藤崎はしばらく押し返していたが、2枚目の無筋でオリに。
伊藤のアガリ牌も山には残っていたが、ツモれず1人テンパイで流局。
藤崎をオロしたことと、1人浮きになったので嬉しくはないがまずまずというところか。
東4局2本場。伊藤が7巡目にヤミテン。

一万一万二万二万三万三万五索六索七筒八筒九筒中中  ドラ一万

杉浦の四索が直前に切られていて、3者ともに放銃してもおかしくない状況だったが、まず追い付いたのは藤崎。

一索一索一索二索六索七索八索二筒三筒四筒四筒五筒六筒

このリーチを打ったということは、伊藤のテンパイに気づいていない。
藤崎の捨て牌の一打目に四索がある。伊藤のチャンスが広がったと思われたが、伊藤は一発目二発目とツモは危険牌。
ツモ切りになったが、他者には1シャンテンの可能性もあるが、テンパイのほうが濃厚にうつっただろう。
終盤になり待ちは山に2枚ずつどちらが勝つかと思ったが、終局間際、まわりながらテンパイした杉浦の北単騎が一番早かった。掴んだのは藤崎。

一万二万三万七万八万九万北  チー五索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン西西西

藤崎がリーチを打たなければ、杉浦はマンズのホンイツだったので伊藤に四索を放銃していただろう。藤崎は放銃したものの助かったという感じだろうか。
南1局、杉浦がうまく3フーロできてチンイツの六万九万待ち。
山には6枚残りでさすがにアガリそうだと思ったが、三色は崩れたものの藤崎がピンフツモドラ1のアガリ。
さすが決勝というところか、なかなか簡単にアガリがつかない。不思議なものである。

 

100

 

南2局は伊藤の1人テンパイ。
点差を広げる。オーラス親番ということも考えると浮きは確保できそうだ。もちろんこのまま1人浮きが理想だろうが。

南3局、早々に藤崎がドラドラの1シャンテンになるが、テンパイが入らず。伊藤が少し遠いホンイツの仕掛けでうまくまとまり、500・1000のアガリに。1人浮きでオーラスを迎える。
こうなるとさらに加点したいところだったが、藤崎の6巡目リーチに伊藤が1,300の放銃で1人浮きで終了。
伊藤としては4着が続いていたところを大きなトップで捲りかえして、少し安心したところではないか。

7回戦成績
伊藤+25.3P 藤崎▲3.3P 杉浦▲6.9P 内川▲15.1P

7回戦終了時
伊藤+35.3P 内川+5.5P 藤崎▲1.8P 杉浦▲9.7P 沢崎▲29.2P

 

 

8回戦(親から杉浦、藤崎、伊藤、沢崎抜け番内川)

10回戦終了時に1人敗退になる。
今のところ伊藤を含め全員に可能性はあるが、伊藤以外は接戦のため少しでもマイナスを増やしたくないところだ。
特に藤崎は10回戦が抜け番のため8、9回戦でトータル4着以下にいるとポイントを合わせられる可能性があるので、悪くても現状維持ぐらいにしたいところだろう。

東1局は藤崎の1人テンパイで静かな立ちあがり。
東2局、加点したい藤崎は15巡目、沢崎のリーチに追っかけリーチ

四万四万七万八万九万一索二索三索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ一索

絶好のテンパイに見えたが、山にはない。一方沢崎の待ちは残り2巡にも関わらず山に5枚。流局になるかと思われたが、藤崎、最後のツモは沢崎のアガリ牌の四索。失点はたいしたことないが、親番が維持できなかったのは痛い。

二索三索六索六索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒北北  ロン四索

東3局、全員ノーテンで流局。
今回の決勝では初めての重たい展開。抜け出すのは誰なのか。

東4局、沢崎にドラドラ。白が鳴ければ5,800のアガリはかなり近いように感じたが、藤崎、伊藤に握りつぶされる結果に。
1シャンテンまで早かったが、そのあとは自力では引けずノーテン。杉浦が終局間際テンパイして1人テンパイで流局。

南1局、伊藤が6巡目にリーチ。均衡を破れるか。

三万四万四万五万六万三索四索四索五索五索六索発発  ドラ三索

藤崎も次巡リーチで追いかける。

一万二万三万四万五万七索七索二筒二筒二筒五筒六筒七筒

伊藤から1,300のアガリ。まだ点差もなく誰でもひとアガリでトップになれる。
この半荘トップを取れた者はかなり優勝争いに絡む気がした。誰でも手が入ってアガれるときはトップがとれる。持論だが展開トップがとれるかとれないかが優勝に大きく関係すると思っているからだ。
沢崎が仕掛けると、すぐに九筒を引いてテンパイで先手をとる。ドラ表示牌待ちなので少し苦しいか。

一万一万二筒四筒四筒五筒六筒九筒九筒九筒  ポン南南南  ドラ四筒

残り3者も、形は悪くない1シャンテンだが、なかなかテンパイにならない。
12巡目にやっと藤崎がテンパイでリーチ。

五万六万七索八索九索一筒二筒三筒五筒六筒七筒白白

沢崎押し返すが藤崎がツモ。1,000オールながら大きなアガリ。差を広げる。
1本場もリーチでたたみかける。

二索四索四索五索六索八索八索二筒三筒四筒白白白  ドラ七万

これをツモれば打点的にも充分で、1人浮きにもなり大きなアガリになりそうだ。カンチャン待ちだが、自身の目から二索四索五索と1枚ずつ見えているので悪くない待ちに思える。
沢崎がジュンチャン三色の1シャンテンで押し返すもテンパイできず、山にはいたが藤崎もツモれず1人テンパイで流局。

2本場、藤崎が中を一鳴き。伊藤が12巡目にリーチ。

四万五万六万二索三索四索八索二筒二筒二筒五筒五筒五筒  ドラ八索

場況が変化ないときでも伊藤のこういうリーチは見たことがない。
それに、藤崎がホンイツ模様とはいえ、ドラドラの可能性も否定できないので、かなりの勝負リーチと言えるだろう。
伊藤の中でなにかリーチに踏み込むきっかけがあるのは確かだろう。
同巡、沢崎もテンパイ。

五万六万六万七万八万四索五索七索八索九索六筒七筒八筒  ツモ七万

悩ましいツモだ。現物は七筒四索九索
場には四索が2枚、四万が3枚、五万が1枚、七万が2枚見えてる。アガリだけをみるなら七万ツモ切りが有力そうだ。
とりあえずテンパイの三色変化もあるので打四索が普通そうだが、五索が切りづらいのでどうするか。沢崎の選択は九索切り。
三索六索も悪くないし六索引きのときは現物の四索切りで五索八索待ち。三索引きのときはドラ単騎で勝負か。打たれてみればなるほどの一打である。

八索は山にいたが王牌に眠っていた。
藤崎もギリギリまでテンパイを目指したが、まわり切れず。伊藤と沢崎の2人テンパイで流局した。

南3局3本場。2巡目に伊藤が1シャンテン。

五万七万七万八万九万二筒三筒七筒八筒九筒南中中  ドラ九筒

チャンタ手変わりもあるし楽しみな手牌。伊藤は同巡の中を二鳴きで1シャンテンから1シャンテン。一筒をチーしてテンパイ。
発に待ち変えをすると、藤崎が発を掴み5,800の放銃に。

後に藤崎が言っていたが、「伊藤が一鳴きだったら絞りきっていた。二鳴きで自身も1シャンテンなのであれぐらいは押したい。」

確かに藤崎の持ち点と伊藤のトータルポイントを考えると、藤崎の守備力を考慮すると珍しいなと思ったが、二鳴きの遠い仕掛けで連荘をとられるのもきついか。ターツ落としが無理やりホンイツに向かったようにも見えなくない。
結果は、藤崎にとっては最悪な、伊藤にとっては最高のアガリとなった。
供託も2本あり、伊藤がトップ目へ。

4本場、伊藤がドラ単騎から北単騎に待ち変えでリーチに。
北は1枚切れ、自身の捨て牌からみても有力そうだ。

一万二万三万四万五万六万七万八万九万四筒五筒六筒北  ドラ二筒

沢崎が宣言牌の二筒をチーしたら次巡のツモは北。伊藤から食いとった形だが、これは止まらず7,700のアガリ。
伊藤が3者を突き放し均衡を破った。

4本場は藤崎、杉浦がこれ以上は連荘されたくないと仕掛けて親落としに動く。杉浦が初めはこのテンパイ。

一索一索二索二索二索三筒四筒五筒六筒六筒  ポン白白白  ドラ四万

うまく手変りしていき、終局間際に僥倖の2,000・4,000。で伊藤を捲る。

一索一索二索二索二索五筒五筒五筒六筒六筒  ポン白白白  ツモ一索

南4局、藤崎のリーチに手詰まりの杉浦が北のトイツ落としで放銃に。

一万二万三万五万六万七万二索二索四索五索六索北北  ドラ六万

このアガリで藤崎も浮きに。トップは伊藤。沢崎は1人沈みで4着まで50ポイント差とかなり苦しいところに追い込まれた。
伊藤は2日目初戦は4着だったが、そのあと2連勝で他者を大きく離して最終日を迎えることとなった。

 

100

 

8回戦成績
伊藤+14.7P 杉浦+7.4P 藤崎+1.2P 沢崎▲23.3P

8回戦終了時
伊藤+50.0P 内川+5.5P 藤崎▲0.6P 杉浦▲2.3P 沢崎▲52.6P

麻雀日本シリーズ2019 第5節レポート 白鳥 翔

100

 

 

第5節の24回戦まででポイント下位4名が脱落となる。(第5節は21回戦〜25回戦。25回戦は下位4名が脱落しての二次予選の1戦目となる)

21回戦は、かなり大きなトップをとって結果待ちの前原がなんとか奮闘するも、ポイント優位の近藤が自在に卓をコントロールし持ち点を更に伸ばす。
ラスを取ってしまうと少しヒヤヒヤする位置に行ってしまう谷井、中嶋だったが、爆発する近藤を目の前にしても焦ることなく安定感のある麻雀を見せ、谷井2着、中嶋3着の並びで終局。

22回戦は前原と同様、かなり大きなトップの必要な現・鳳凰位の吉田。こちらも無理な勝負をせざるを得なくなっていて、金、多井、萩原にきっちり捌かれてしまう。
ここでのトップはオーラスに技ありの満貫をアガった金。2次予選、そしてプレーオフのことも考えると出来るだけポイントを伸ばしておきたいところでの値千金のトップであった。

23回戦、ここは武則(▲29.4P)、藤田(▲45.4P)の2次予選進出をかけた争いに注目。この後の24回戦でダンプ(▲37.3P)、魚谷(▲33.9P)の対局があり、前原、吉田は敗退濃厚なので▲30P位に自身のポイントを留めつつ、互いのポイントより上にいけばほぼ大丈夫であろうという状況。もちろんトップを取ってダンプ、魚谷を引き離しておきたいところだが最低の目安はさっくりこの位だ。
二人共ポイントを上積みしつつ順位が上に行きたいと思っている中、2着ながらもここを制したのは藤田。トータルポイントで武則よりわずか3.6Pだが上にいった。これでやることをやっての結果待ちである。

しかし24回戦、なんとダンプトップ、魚谷が浮きの2着で条件クリア。
これにより敗退は前原、吉田、武則、藤田となった。

そして2次予選1戦目にあたる25回戦。1次予選をギリギリで通過した魚谷が50,000点越えのトップ!!トータルポイントもプラスに戻して第5節を終えた。
ここからは決勝に行く4名を決める熾烈な攻防戦。次節も楽しみで仕方がない。是非ご視聴下さい!!

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越しプレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

【ルール】
30,000点持ち30,000点返し
順位点5,000-15,000
一発・裏ドラあり
その他WRCルールに準ずる

 

二次予選

順位 名前 1次合計 1回戦 2回戦 合計
1 近藤誠一 154.1 ▲ 4.6 149.5
2 沢崎誠 97.3 97.3
3 多井隆晴 91.0 91.0
4 佐々木寿人 20.6 20.6
5 小林剛 19.9 19.9
6 萩原聖人 11.0 6.6 17.6
7 魚谷侑未 ▲ 28.9 38.1 9.2
8 ダンプ大橋 8.4 8.4
9 内川幸太郎 0.3 0.3
10 谷井茂文 ▲ 11.1 ▲ 11.1
11 中嶋和正 ▲ 15.6 ▲ 15.6
12 金太賢 8.9 ▲ 40.1 ▲ 31.2

 

一次予選

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 合計
1 近藤誠一 52.3 18.6 ▲ 2.6 40.8 10.0 35.0 154.1
2 沢崎誠 41.4 10.1 27.1 ▲ 11.6 4.6 25.7 97.3
3 多井隆晴 33.1 ▲ 7.6 7.4 31.3 15.3 11.5 91.0
4 佐々木寿人 25.2 ▲ 22.1 6.4 35.0 8.8 ▲ 32.7 20.6
5 小林剛 ▲ 34.0 ▲ 10.3 64.6 ▲ 6.7 24.3 ▲ 18.0 19.9
6 萩原聖人 ▲ 25.2 ▲ 18.4 50.6 19.2 ▲ 8.3 ▲ 6.9 11.0
7 金太賢 ▲ 4.4 15.2 ▲ 32.1 22.2 ▲ 17.4 25.4 8.9
8 ダンプ大橋 14.0 ▲ 16.9 ▲ 33.8 ▲ 5.0 4.4 45.7 8.4
9 内川幸太郎 ▲ 17.8 25.4 ▲ 0.4 28.2 ▲ 4.6 ▲ 30.5 0.3
10 谷井茂文 12.6 ▲ 40.6 ▲ 24.1 ▲ 44.8 82.2 3.6 ▲ 11.1
11 中嶋和正 ▲ 2.1 27.5 ▲ 1.6 ▲ 40.3 9.6 ▲ 8.7 ▲ 15.6
12 魚谷侑未 ▲ 13.6 ▲ 11.6 30.2 ▲ 10.9 ▲ 28.0 5.0 ▲ 28.9
13 藤田晋 ▲ 26.4 ▲ 6.0 13.2 ▲ 31.3 5.1 12.2 ▲ 33.2
14 武則輝海 ▲ 12.9 ▲ 27.6 8.7 ▲ 28.0 30.4 ▲ 7.4 ▲ 36.8
15 吉田直 5.1 ▲ 29.1 ▲ 37.9 ▲ 5.8 ▲ 37.4 ▲ 30.0 ▲ 135.1
16 前原雄大 16.7 ▲ 37.2 ▲ 34.2 ▲ 6.2 ▲ 63.0 ▲ 29.9 ▲ 153.8

第32期中部プロリーグ 第7節レポート

Aリーグ:大橋幸正

近年、地方プロリーグ決勝が配信対局されるようになった様に、麻雀プロにとって、大きなチャンスの場が増えている。
直近では、第33期新人王戦で田村が決勝進出、第17期プロクイーンで日高がベスト16に進出し配信対局に出演したのが良い例で、ここ数年、中部本部所属の若手の活躍が著しい。
しかし、それでも世間をあっといわす程のインパクトは与えられていないのが現状である。

中部プロリーグ第7節が始まる前に、36期新人プロの紹介があった。実に9人ものフレッシュな若手が入り、ますます中部本部全体が盛り上がることに期待したい。その為には、若手の活躍はもちろんのこと、ベテランプロの活躍は必須であるので、ベテランプロには特に危機感を持って、精進して頂くことに期待する。

それでは、ベテラン、中堅、若手がバランスよく入り混じった熱気溢れるAリーグの模様をお伝えしていこう。
第7節の組み合わせは以下の通り。

1卓 清水・寺戸・加藤・森下
降級ラインにいる加藤、森下にとって、重要な一戦となった。残す所4節となり、特に降級ライン上にいる者にとっては1節の重みが大きいはずだ。
結果からお伝えすると、ノートップながら浮きの2着を3回とまとめた加藤が卓内トップの+25.9Pと降級圏内からの脱出に成功。
加藤の印象的な1局があった。最終戦オーラス、西家の加藤は32,200点持ちの2着目(トップと7,500点差)、11巡目に以下の牌姿のテンパイが入る。

三万四万四万八万八万二索二索三索三索二筒二筒六筒六筒  ドラ一万

加藤は強く三万単騎待ちでリーチとした。加藤の捨て牌には六万が切られていて筋の待ちにはなってはいるのだが、ドラが一万なのと加藤の河は変則手に見える捨て牌であった為、リーチを打って出アガリに期待できる待ちでは無い。もちろん、加藤も重々承知の上、リーチと踏み切っている。結果は親の寺戸に上手く捌かれはしたものの、この一戦にかける加藤の強い意志を感じた。

森下は4回戦目で手痛いラスとなってしまい、▲27.2Pとポイントを減らしてしまった。厳しい状況に追い込まれてしまったが、実力上位であるのは誰しもが認めるところ。奮起に期待したい。
第6節までで+205.7Pとダントツの首位をひた走る清水はこの日、マイナスしてはしまったものの、4回戦目でトップを取り、勝負強さをみせた。清水の持ち味は積極性であるが、受けも非常にしっかりした選手であるため、よっぽどのことが無い限り、決勝進出は安泰と見て良いだろう。

2卓 小野・掛水・林・斎藤
林の雀力の高さが際立った対局となった。林は4回戦目こそマイナスしたものの、+82.3Pと大きくプラスすることに成功。林は第6節で手痛いマイナスをしてしまったが、前回のレポートでも記載したように、非常に濃い内容の麻雀を打つ。基本はしっかりと高打点の手を組み、ぶつけるスタイル。守備意識も非常に強く、加えて引き出しも多い。

1回戦の東2局、林は親番で以下の牌姿でリーチ

三万四万五万五万六万三索四索五索三筒三筒三筒四筒五筒  ドラ一筒

掛水にもリーチが入っていたが、最終巡目で林がツモアガリ6,000オール。
掛水のリーチもドラ一筒北のシャンポンリーチと本手であった為、逆の結果であったのならば、またがらりと展開が変わっていたであろう。麻雀は紙一重の勝負だと認識できた一戦であった。
斎藤は4回戦目で起死回生の1人浮きのトップを取り、+29.4Pと踏ん張った。
対して、小野は終始苦しい展開で大きくポイントを減らしてしまい、まだ決勝進出圏内にはいるものの、安泰とみていた決勝進出も一転して危うい状況となってしまった。残り3節、どう戦うのか注目したい。

3卓 三戸・朝岡・都築・堤
この中で圧倒的なキャリア、実績を持つ三戸が、牌勢はそこまで恵まれてはいなかったが、丁寧に打ちまわし、3回トップの1人浮きの+47.9Pとポイントを上乗せし、トータル2位まで浮上した。
4者とも、本手では無く、捌き手を入れる場面も多かったが、そこでの細かな勝負はキャリアの差が出てしまった様に見受けられた。
自分より格上の者に挑む時は、同じ土俵で戦っていては、不利になるのが明白に出た卓であったように思う。
今節の結果を受け、降級圏内にいる都築、堤が残り3節、どういった戦略を練ってくるのか楽しみである。

4卓 伊藤(鉄)・土岐・長谷川・村瀬
オールラウンダーの伊藤(鉄)、とにかく我慢強い土岐、仕掛けなどを多用し、相手との間合いを図ることに長けた長谷川、多少強引ではあるが切れ味鋭い攻めが持ち味の村瀬の一戦。
1~3回戦まで我慢する局面が多かったが、展開に恵まれ、プラスを保っていた土岐が4回戦目に大きなトップを取り、+38.9Pの卓内トップ。決勝進出圏内の4位に浮上した。
土岐はしっかり手を組み、辛抱強く打つのが持ち味だが、展開が悪い時にたまに乱れてしまうことがあるのが気がかり。土岐自身、2年連続決勝進出したい気持ちが強いであろう。残り3節、しっかりと腰を据えて自分らしい麻雀を打ち切っていただきたい。

長谷川は4回戦目で大きなラスを引いてしまい、+19.5Pのプラスとなってしまったが、持ち味の麻雀をしっかりと打ち切れていたようにみえた。まだまだ降級がみえるポジションではあるが、試合巧者な長谷川は残り3節、しっかりとまとめてくれるであろう。

対して、伊藤(鉄)は牌勢が悪かった為、いつもと打ち方を変えて、状況を打破しようと試みたが、上手くいかず▲45.2Pと9位に後退。伊藤(鉄)ほどの打ち手でも悪い時はどうにもならない時がある。麻雀は難しい。

いよいよAリーグは残す所3節となり、大詰めの段階に入ろうとしている。今節の結果を受け、決勝進出を狙う者と残留を目指す者がくっきりと分かれるポイント状況となった。
結果は当然大事ではあるが、とにかくAリーグにいる者は、中部プロリーグの最高峰にいるということを自覚して、しっかりとプロらしい麻雀を打っていただくことに期待したい。

 

 

Bリーグ:大橋幸正

9月に入っても、連日、激しい暑さが続く中、中部プロリーグ後期Bリーグ第2節が開催された。中部プロリーグは現在、A、B、C、Dの4つのリーグで構成されており、一番上のリーグがAリーグでBリーグは2番目のリーグにあたる。中部本部所属のプロでAリーグに昇級したことが無いプロは多く、Bリーグで何年も足踏みしているプロもいる。16名中2名のみしか昇級者が出ないというのが、いかにハードルが高いかが見て取れる。
第1節を終えた段階で、1位と16位の差が96.9P差と100P以内の差に収まっている。これは平均よりも小さな開きで、第2節が始まる前、今期は大混戦になると予想していた。
ところが第2節が終わった段階で2名の選手が頭一つ抜け出した形となった。
1名は第1節を終えた時点で首位スタートとなった河合。この日、+63.9Pと大きくポイントを伸ばし、ただ1人100Pを超える首位となった。

もう1名は杉浦(勘)。鳳凰位戦では前期でA2リーグへの昇級を決め、今期の十段戦は見事に決勝進出を果たしている。
今期、連盟全体で一番好調なプロと言っても過言は無いのではないか。
この日、+111.7Pとその力を見せつけ、トータルポイントを一気に+98.2Pまで伸ばした。

2位杉浦(勘)と3位岡本の差は36.7Pと、まだまだ、数字上だけではどう転ぶかはわからない。しかし、河合、杉浦(勘)の麻雀の充実ぶりは、数字以上に3位以下を大きく突き離しているようにみえる。

麻雀に対する捉え方、また連盟公式ルールに対する捉え方も人それぞれ違うであろう。巷で良く聞く言葉は、デジタル、オカルト、効率、局収支、期待値などで、論議も交わされている。正直、何が正しいかはおそらくは解明されることは無いであろう。ただ、1つ、私が思うのは、いわゆる点と線の話で、点でしか麻雀を捉えられない者には長い目で見た時に、決して勝ち組にはなれないのではないかと思う。点で見るというのは、1つの例を出すと、その局だけの損得に囚われすぎることなどがある。例えば、ドラも無く役無しで、リャンメンテンパイが入ったとする。リャンメンテンパイ=リーチというのが現代麻雀の主流ではあるが、連盟公式ルールは決してそうではない。時と場合によって使い分ける必要があるのだが、その局のみ制することを考えるならば、連盟公式ルールだろうとリーチをした方が優位な時は多いはずだ。しかし、麻雀は一局を制する=勝ちとなるわけではない。少し、わかりづらい話ではあるが、その場凌ぎばかりをしていても、最終的には勝てないということである。

そういった部分の差で、河合、杉浦(勘)と3位以下の者とで、大きな差があるように感じた。
河合は、中途半端な手組は決してせず、点だけで見れば、守って良い場面でもぶれること無く、大胆な勝負がけをすることが多く、同卓者にとっては、脅威でしか無いであろう。
杉浦(勘)は長年、第一線で戦ってきて、今でも尚、試行錯誤を繰り返し、進化している。一見、点で見ているように見える場面でも、深い所では常に線で考えているであろう。

3位以下の選手はこのレポートを見て、決して良い気にはならないであろう。私自身もこのまま2名が走ってしまう展開よりもそれに待ったをかける存在が現れることに期待したいので、3位以下の選手がどういった戦いをしてくれるのか、注目して見ていこうと思う。

 

 

Cリーグ:越川清一

いまだ残暑の厳しい中、中部プロリーグ第2節が行われました。
今回ご紹介する1人目の選手は17期青山大。「鬼軍曹」の異名を持つ青山、長年運営に深く携わり中部本部を土台から支えている。
私もいろいろお世話になってきたが、青山なくして中部本部は語れない。それだけの存在である。
そんな青山に今期の意気込みを聞くと「前期降級して思ったのは、選手個々のレベルが上がっているということです。もちろん昇級目指して頑張りますが、全体のレベルが上がっていることは嬉しく思います。」続けてこう話してくれた。「昔は2、3年で辞めていく選手が多かった。そういったこともあって地方のプロが長く活動できる環境を作りたかった。今中部本部は約70人の選手が所属する大所帯となりました。これは嬉しいことですね。」

今後のプロ活動について聞くと、「九州本部の浜上文吾プロのように、地方プロの活動を支援しながら選手としても頑張っていきたいです。」と話してくれた。
私が青山に対して常々思うのは、青山はリーグ戦の対局中、各卓で起こるトラブルの対応やポイントの集計など少なからず周りに神経を使っている。私のように常に万全の状態で対局に臨めていれば、おそらく今もAリーグで戦っているはずである。対局に集中できる環境を作ってくれている青山をはじめ、運営の人達のことを若手の人達は忘れないでほしい。

1回戦青山の戦いを後ろで観戦する。
受けるところはしっかりと受け、本手はしっかりとものにする力強さがあった。トータルもプラスになりここから上位進出を狙う。

2人目は33期田村良介。先日の新人王戦決勝(3位)は記憶に新しい所である。決勝で戦う田村を見て映像対局が初めてとは思えない落ち着きぶりでしっかり戦えていると感心させられた。本人に聞いても「悔しいですが自分らしく戦うことはできました。」と話してくれた。展開に恵まれなかったこともあったが、優勝した松本プロが一枚上手だったと思う。この経験を次に活かして欲しい。

田村に雀風を聞くと攻撃型とのこと。ライバルは中部本部同期の大橋と答えてくれた。3回戦の田村の戦いを後ろで観戦する。

1回戦2回戦を浮きの2着3着でむかえた3回戦東1局南家配牌

一万二万七万六索六索八索八索九索五筒東東南南  ドラ四筒

ここから親の第一打の八索を鳴く。同巡下家から切られた東六索を鳴き北家が1枚もツモらずにこの形となる。

一万九索南南  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン東東東  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き

あくまで私の見解だが12,000まで見えるとはいえ1、2回戦をプラスでまとめた3回戦東1局にする仕掛けではないように思う。こういった鳴きは自分の態勢が悪いときに私もやることがあるが、態勢か悪くなければこの手はメンホン、七対子をみてメンゼンで進めたい。鳴くのはどれか自力で暗刻にしたときである。
結果は、7巡目に北家よりリーチが入りテンパイすることなく3,900の放銃となる。
結果論といわれればそれまでだが、麻雀は結果がすべてと私は思う。たかが1局だが田村には今一度この局を思い返して欲しい。

全体の順位を見ると安藤が頭一つ抜け出した。
1回戦青山の対面に座る安藤を見てその無駄のない所作にこの結果が決して偶然ではないと思わせる力強さを感じた。
安藤を誰が止めるのか、次節がたのしみである。

 

 

Dリーグ:越川清一

Dリーグのレポートを担当します越川です。よろしくお願いします。
新たに9名の新人を加え総勢21名となったDリーグ第2節。私が注目する選手を毎節2名ずつ紹介していきたいと思います。

まず1人目は23期鈴木(雄)。鳳凰戦C2リーグに所属しており、過去にただ1人中部プロリーグを連覇している。自身の雀風を聞くと「鳴きを多用しますがかわし手はあまり使いません。手役をみて鳴きながら打点を高くしていくことを心掛けて打っています。」と答えてくれた。そんな鈴木(雄)の尊敬するプロは同じ中部本部の古川孝次。なるほどである。

プロとしての目標を聞くと「鳳凰位です。」とノータイムで答えてくれた。その口調から強い意思を感じることができた。
そんな鈴木(雄)だからこそDリーグにいるという現状に、自身の不甲斐なさを感じているのではないかと思う。
実力は抜きん出ている。それを結果として示せるか、鈴木(雄)の戦いを後ろで観戦する。

3回戦まで、新人2人相手に3連勝しむかえた4回戦。受けに回る局が多く、本手はアガれず放銃になる苦しい展開だったが、要所での丁寧な打ち回しで、沈みながらも2着にまとめ+49.3Pでこの日を終えた。
苦しい局面でどれだけ踏ん張れるかが雀力に直結する。象徴的な一局があった。

南3局1本場 西家 持ち点22,000 1巡目

一万二万三万三万六万六万七万一索六索七索八索二筒二筒三筒  ドラ九万

第一打二筒

10巡目
一万二万三万六万六万一索二索六索七索八索一筒二筒三筒

ここから、親のピンズのホンイツ仕掛けにピンズを引いて回り、

18巡目
一万二万三万六索七索八索一筒二筒三筒五筒六筒七筒八筒

1人テンパイで流局。
鈴木(雄)らしいこの一局をみて、今期間違いなく昇級争いに絡んでくると確信した。

2人目は34期日高志穂。
昨年の新人王戦で優勝し、その後の王位戦でベスト16まで勝ち残り、今年のプロクイーンでもベスト16まで勝ち進む。
着実に結果を残してきている中部本部期待の女流プロである。

麻雀のスタイルは攻撃型で、目標とするプロは女流桜花三連覇中の仲田加南プロですと答えてくれた。そんな日高の戦いを後ろで観戦する。

これだけの結果を残してきている日高の麻雀を私は楽しみにしていたのだが、2日前のプロクイーンの敗退を引きずっているのかこの日は精彩を欠いた。
十段戦で同卓したときに見せた力強さは影を潜め、安易な鳴きが傷口を更に広げる悪循環でこの日は▲31.9Pと昇級争いから一歩後退した。

私が一番残念に思ったのが、観ていて戦う意志を感じることができなかったことである。変にかわしにいこうとして長所である攻めの気持ちが消えていた。
周りの期待が大きいだけにあえて厳しいことを書いたが、結果、内容、所作、日高に求めるものは多い。次節までにしっかりと準備してきてほしい。
まだ第2節とはいえ、3位までを新人選手が独占するのはやはり寂しい。先輩連盟員の奮起を期待したい。

第17期プロクイーンベスト16C卓レポート 

1回戦(起家から、天音、瑠美、魚谷、りんの)

ベスト16C卓は瑠美の1,000点で静かに幕が開いた。

第11期プロクイーン 二階堂瑠美

 

100

 

東4局りんのにドラ暗刻の勝負手が入る。

第7回フェニックスオープン優勝 りんのなお

 

100

 

しかしダブルティアラを目指す魚谷が、鋭い仕掛けで2,000点のアガリ。
りんのの勝負手を封殺し試合はまだ大きく動かない。

第44期王位 魚谷侑未

 

100

 

大きく試合が動いたのは南2局1本場、瑠美の親番。
7巡目、瑠美が得意の高め3色同順のテンパイを入れ即リーチ。

一万一万六万七万六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ八万  ドラ白  裏五万

均衡を破る三色ツモアガリとなる。
2本場が流局し迎えた3本場、親番の瑠美がドラ2の好配牌をすぐさま1フーロでテンパイをいれる。
これに飛び込んだのはホンイツに向かっていた魚谷。痛恨の5,800放銃となる。
続く南2局5本場、魚谷が四暗刻のテンパイを入れるが、山にアガリ牌が2枚残ったまま流局。

 

100

 

瑠美はこの親番で6万点まで素点を伸ばすことに成功した。

南4局、熾烈な2着争いは終盤、4人テンパイという熱い展開となる。
そのなかでも勝負手は魚谷。ドラ暗刻でのテンパイを入れている。一方の親番りんのは、ドラ単騎で現状アガリのない形。
しかしアガリをものにしたのは、ここまでアガリのない天音だった。うまく放銃を回避する形でアガリをものにした。

第20期新人王 天音まこと

 

100

 

1回戦成績
瑠美+45.7P りんの▲1.8P 天音▲11.9P 魚谷▲32.0P

 

 

2回戦(起家から、魚谷、瑠美、りんの、天音)

2回戦は、1回戦でラススタートとなった魚谷に注目。東1局に3,900をアガるとエンジン全開で攻めてゆく。
東3局、親番りんの。天音が積極的に仕掛けるなか魚谷が7巡目リーチ。

三索三索一筒二筒三筒三筒四筒七筒八筒九筒中中中  ドラ一筒

りんのも鳴きをいれてテンパイするも、魚谷が五筒をツモアガリ2,000・4,000。

南1局魚谷の親番。ここでも魚谷が魅せる。

二索三索四索四索六索二筒二筒七筒八筒九筒発発発

この形で強気にリーチを打つ。他家も押し返しを図るが、最速マーメイドには追いつけずラス牌の五索をツモ、裏ドラも1枚のせて4,000オール。
このアガリで魚谷は2回戦のトップを決定づけた。
その後は、天音が懸命に2着の瑠美を目指し細かいアガリをものにしていくが、もう一歩届かず2回戦が終了。

2回戦成績
魚谷+40.4P 瑠美+1.0P 天音▲10.9P りんの▲30.5P

2回戦終了時
瑠美+46.7P 魚谷+8.4P 天音▲22.8P りんの▲32.3P

 

 

3回戦(起家から、天音、瑠美、魚谷、りんの)

天音、りんのはここで連帯を外すと勝ち上がりが厳しくなる3回戦。
りんのが開局から3局連続のアガリをみせる。
東1局リーチのみの手を一発ツモ、さらに裏ドラをのせて2,000・4,000

 

100

 

次局を300・500でさらっとアガると、、、

 

100

 

この好配牌を5巡目に仕上げてリーチ。

 

100

 

この半荘2度目の満貫ツモアガリでこの半荘トップになる決まり手となった。

3回戦成績
りんの+20.5P 魚谷+8.7P 瑠美▲4.9P 天音▲24.3P

3回戦終了時
瑠美+41.8P 魚谷+17.1P りんの▲11.8P 天音▲47.1P

 

 

最終戦(起家から、りんの、瑠美、天音、魚谷)

最終戦は瑠美がほぼ勝ち決まり、天音は魚谷とトップラスで大トップが最低条件。
りんのは魚谷に1着順差つければかわせるといったところだ。

東場は魚谷、りんのの意地のぶつかり合いとなる。
東1局、親のりんのが先制リーチ。ラス牌の辺七万をツモアガリ2,000オール。

 

100

 

このアガリで魚谷に火がついた。りんのから2局連続での3,900直撃に成功する。

 

100

 

100

 

東3局またしても魚谷、りんのの戦いとなる。
魚谷が捌きの2フーロをいれるとすかさずりんのがリーチをかける。
魚谷はノベタンの六索九索。一方のりんのは

七万八万二索三索四索五索五索六索七索八索五筒六筒七筒  ドラ六筒

魚谷が危険牌を持ってきて小考をいれるが勝負を選択。
しかし軍配はりんのに上がる。高めの六万をツモアガリ2,000・4,000。

 

100

 

未だ魚谷優勢だが、ここから魚谷の勝利の方程式が崩れてゆく。
南1局、瑠美に3,200を放銃すると、次局またしても瑠美に7,700の放銃。
この2連続の放銃によって、りんのが魚谷をかわす形となった。
この後、魚谷にりんのをまくり返す力は残ってなく、ベスト16で敗退となった。

最終戦成績
りんの+27.4P 天音+6.6P 瑠美▲5.7P 魚谷▲28.3P

最終戦終了時
瑠美+36.1P りんの+15.6P 魚谷▲11.2P 天音▲40.5P

勝ち上がり
1位通過 二階堂瑠美 2位通過 りんのなお