第32期A2リーグ第1節レポート 藤原 隆弘

僕にとっての30回目となるプロリーグ開幕戦は、夏目坂スタジオからの生配信となった。

通算8期在籍したA1リーグから6年前に降級し、更に2年でまさかのBリーグ堕ち。
直ぐに戻れるさとタカをくくっていたのだが、なんとA2に戻るのさえ4年もかかってしまった。

その間にAリーグの対局は連盟チャンネルでの生放送となり、麻雀業界と連盟の目覚しい進化、発展を嬉しく思う一方で
「どうしてこんな肝心なときに多くの人に観てもらえる闘いの場に自分が居ないんだ。」
との悔しい思いも抱いていましたが、ようやく帰って参りました!

今期からはA2リーグも1卓ずつ全対局が生放送になりましたし、間に合った!っていう感じです。
A2のメンバーを見渡すと年寄りは僕1人、次に古株の石渡君でも10歳下でその他は20歳以上年下の息子みたいな後輩ばかり。
若い人達のスピードやパワーに圧倒されないように僕らしい闘いで尚且つ決果を出さねばなりません。

死ぬまでに一度は鳳凰位を獲りたい!そのためにはもう1つ上に戻らねばならない。
年齢的にあと何年頑張れるかわかりませんがもうあまり長くは無いと思うと少し焦ります。

しかし上を見ると、A1には4人も60歳以上の先輩方が居るではありませんか(驚)
前原さんも僕も来年は還暦です、もし僕がA1に戻れれば来期のA1の半分が60歳以上になるかもですね(笑)

連盟の先輩方は年をとっても化物のように強い人だらけです。まだまだ現役で上で頑張っている先輩達を見ると、僕が先に引退するわけにはいかないし、勇気と希望が湧きます。
気力、体力が続く限り、最年長鳳凰位を目指して出来る限り頑張ります!

開幕戦のカードは、2ヶ月以上前から決まっており、僕の相手は内川君、ヒサト君、紺野君の3人でした。
内川とヒサトは前期最終戦までA1昇級を争った実力者だし、第15期新人王の紺野は、9年前までA2に居たがその後8年間もC1あたりまで漂流し昨年ようやくA2に戻った猛者。
3人ともそう遠くないうちにA1に昇り鳳凰位を争うはずだし、将来の連盟を背負って行く人達であろう。

相手にとって不足無し!僕はこの開幕戦をとても愉しみにしていた。
しかし、同じリーグで闘う相手となれば簡単に踏み台になるわけにはいかないし、舐められちゃあいけない。
こういうのは最初にガツンといわせておかないと・・・

対局の前週には休暇を取って家族と沖縄旅行に出かけ、パワースポットを回って運気を高め、心と身体を癒し、万全の備えで対局に臨んだ。
勿論、全員が開幕に向け充分に調整してきているだろうから勝負の決果はどう転ぶか?
私はどんな展開になろうと気持ちを揺らさず、最後まで落ち着いてカッコ良く潔く普段より少しだけ強めに打とうと決めていました。

開局、私は南家スタート、ドラは西で起家の内川がまず先制リーチ、同巡、上手くタンピン三色のテンパイに持ち込んで高めの四筒が親リーチの現物。

二万三万四万四万五万六万四索五索六索八索八索五筒六筒

今日の、いや今期の運試しで全部押すつもりだが、ドラの西がきたらどうしようか?
危険牌を切って現物待ちのヤミテンがバレないうちにヒサトか紺野がオリウチしろ!
なんて考えてる間もなく、内川が七対子ドラ単騎をツモって6,000オール。

「チクショーツイてやがるな、こっちはタンピン三色蹴られたしヤバイかな?今日は内川マークか?」
なんて思ってると、次局は3面張リーチで親落としに成功し、迎えた親でメンタンピンをツモるなど連続して手が入る。
4.000オールは失敗したものの、手が落ちずに南場では内川をマクっていた。

ヒサトが一番調子悪そうだったが、ラス前の親のヒサト、さすがにこのままでは終わらないと終盤リーチ。
同巡僕もテンパイ。

二万二万四万二索二索二索三索二筒二筒三筒三筒四筒四筒  ツモ三万  ドラ五万

ツモ三万とくれば怖いけど、二万を勝負しなければ漢じゃないよね、「ヒサトはツイてないようだし、どうせガラリーだろう、テレビでタンピン三色テンパイしてアタリ牌以外でオリたら最低だしな」と自分に言い聞かせて、二万をそっと勝負するとツカンポヒサト君の次のツモは四索!箱下用の黒い点棒を頂いた。

どうせなら追いかけリーチだったかな?と思いつつ、大事な初戦を気持ちよくダントツトップスタート。
「今日は100Pくらい稼げるかな?」なんて急にポジティブになる私。

2回戦目は先制リーチの紺野から満貫を打ちとったヒサトがダントツになる。
「さすがヒサト、1回で挽回するなんて打たれ強いなあ」
でも私は浮きの2着をキープ出来たので、最初が箱ラスのヒサトがトップなら他の2人が苦しくなるので悪くない展開。

3回戦目は、開始前に点数表の点数を見てしまったのが悪かった。
40P以上浮いたポイントを守ろうかなんて、”ちっちゃい”気持ちが心を過ぎって強く闘えず、ボールを置きに行ってしまった結果、2着ながら僅かにマイナス。
ヒサトに1人浮きを許しトータルでも迫られた。ホントにヒサトは逞しい。

最終4回戦がその日の締めくくりであり最も大切。
最後にラスなら今日の頑張りが僅かなプラスで終わるし、トップで締めればかなり手応えのある勝ちとなる。

今日は好調なんだから最後もトップを取りに行き、最低でも卓内勝ち頭で終わらせようと気合を入れ直して臨んだ。

2連勝と波に乗るヒサトから、東場で満貫を打ち取り手応え有りだ。
その後は、内川のテンパイを警戒して受けた食い三色の西単騎をホーテイロンとか、ドラポンの内川にヒサトが勝負したロン牌の南を七対子で頭ハネとか、マンズ模様で仕掛けた内川が切ったドラの九筒を山越しの待ち変え単騎でヒサトから親満貫が取れたりとか、全てが出来すぎのように上手く回り、僥倖と言ってもいいくらいに想定以上の開幕ダッシュが出来た。

最後まであまり苦しい場面が無かったのでネクタイも殆ど噛まなかった。

100

こんなに気持ちよく勝たせてもらったのは久しぶりだ、「チョー気持ちイイ!」

数日間はウキウキだったが、まだ始まったばかりで後9節も残っている。
ツキに恵まれず、展開も悪い苦しい節も必ずくるだろう。ネクタイを噛みまくる時もあるだろう。
そんな時でも今日のように慌てず焦らず落ち着いて、バランス良く打ち抜ければ最後まで昇級争いが出来ると信じている。

まだ対戦していない12人のメンバーも強敵ぞろいだし、今後の対戦を愉しみにしている。
全員でA1に負けないくらいのレベルの高い麻雀を打ち、より良い対局を配信できるように努めましょう。

でもA2の皆さん、僕と対戦するときには先輩を立て、年寄りに優しくあまりムキにならないようにお手柔らかにお願いしますよ、皆さんと違って先が短いんだから(笑)

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ第1節レポート 藤原 隆弘

僕にとっての30回目となるプロリーグ開幕戦は、夏目坂スタジオからの生配信となった。
通算8期在籍したA1リーグから6年前に降級し、更に2年でまさかのBリーグ堕ち。
直ぐに戻れるさとタカをくくっていたのだが、なんとA2に戻るのさえ4年もかかってしまった。
その間にAリーグの対局は連盟チャンネルでの生放送となり、麻雀業界と連盟の目覚しい進化、発展を嬉しく思う一方で
「どうしてこんな肝心なときに多くの人に観てもらえる闘いの場に自分が居ないんだ。」
との悔しい思いも抱いていましたが、ようやく帰って参りました!
今期からはA2リーグも1卓ずつ全対局が生放送になりましたし、間に合った!っていう感じです。
A2のメンバーを見渡すと年寄りは僕1人、次に古株の石渡君でも10歳下でその他は20歳以上年下の息子みたいな後輩ばかり。
若い人達のスピードやパワーに圧倒されないように僕らしい闘いで尚且つ決果を出さねばなりません。
死ぬまでに一度は鳳凰位を獲りたい!そのためにはもう1つ上に戻らねばならない。
年齢的にあと何年頑張れるかわかりませんがもうあまり長くは無いと思うと少し焦ります。
しかし上を見ると、A1には4人も60歳以上の先輩方が居るではありませんか(驚)
前原さんも僕も来年は還暦です、もし僕がA1に戻れれば来期のA1の半分が60歳以上になるかもですね(笑)
連盟の先輩方は年をとっても化物のように強い人だらけです。まだまだ現役で上で頑張っている先輩達を見ると、僕が先に引退するわけにはいかないし、勇気と希望が湧きます。
気力、体力が続く限り、最年長鳳凰位を目指して出来る限り頑張ります!
開幕戦のカードは、2ヶ月以上前から決まっており、僕の相手は内川君、ヒサト君、紺野君の3人でした。
内川とヒサトは前期最終戦までA1昇級を争った実力者だし、第15期新人王の紺野は、9年前までA2に居たがその後8年間もC1あたりまで漂流し昨年ようやくA2に戻った猛者。
3人ともそう遠くないうちにA1に昇り鳳凰位を争うはずだし、将来の連盟を背負って行く人達であろう。
相手にとって不足無し!僕はこの開幕戦をとても愉しみにしていた。
しかし、同じリーグで闘う相手となれば簡単に踏み台になるわけにはいかないし、舐められちゃあいけない。
こういうのは最初にガツンといわせておかないと・・・
対局の前週には休暇を取って家族と沖縄旅行に出かけ、パワースポットを回って運気を高め、心と身体を癒し、万全の備えで対局に臨んだ。
勿論、全員が開幕に向け充分に調整してきているだろうから勝負の決果はどう転ぶか?
私はどんな展開になろうと気持ちを揺らさず、最後まで落ち着いてカッコ良く潔く普段より少しだけ強めに打とうと決めていました。
開局、私は南家スタート、ドラは西で起家の内川がまず先制リーチ、同巡、上手くタンピン三色のテンパイに持ち込んで高めの四筒が親リーチの現物。
二万三万四万四万五万六万四索五索六索八索八索五筒六筒
今日の、いや今期の運試しで全部押すつもりだが、ドラの西がきたらどうしようか?
危険牌を切って現物待ちのヤミテンがバレないうちにヒサトか紺野がオリウチしろ!
なんて考えてる間もなく、内川が七対子ドラ単騎をツモって6,000オール。
「チクショーツイてやがるな、こっちはタンピン三色蹴られたしヤバイかな?今日は内川マークか?」
なんて思ってると、次局は3面張リーチで親落としに成功し、迎えた親でメンタンピンをツモるなど連続して手が入る。
4.000オールは失敗したものの、手が落ちずに南場では内川をマクっていた。
ヒサトが一番調子悪そうだったが、ラス前の親のヒサト、さすがにこのままでは終わらないと終盤リーチ。
同巡僕もテンパイ。
二万二万四万二索二索二索三索二筒二筒三筒三筒四筒四筒  ツモ三万  ドラ五万
ツモ三万とくれば怖いけど、二万を勝負しなければ漢じゃないよね、「ヒサトはツイてないようだし、どうせガラリーだろう、テレビでタンピン三色テンパイしてアタリ牌以外でオリたら最低だしな」と自分に言い聞かせて、二万をそっと勝負するとツカンポヒサト君の次のツモは四索!箱下用の黒い点棒を頂いた。
どうせなら追いかけリーチだったかな?と思いつつ、大事な初戦を気持ちよくダントツトップスタート。
「今日は100Pくらい稼げるかな?」なんて急にポジティブになる私。
2回戦目は先制リーチの紺野から満貫を打ちとったヒサトがダントツになる。
「さすがヒサト、1回で挽回するなんて打たれ強いなあ」
でも私は浮きの2着をキープ出来たので、最初が箱ラスのヒサトがトップなら他の2人が苦しくなるので悪くない展開。
3回戦目は、開始前に点数表の点数を見てしまったのが悪かった。
40P以上浮いたポイントを守ろうかなんて、”ちっちゃい”気持ちが心を過ぎって強く闘えず、ボールを置きに行ってしまった結果、2着ながら僅かにマイナス。
ヒサトに1人浮きを許しトータルでも迫られた。ホントにヒサトは逞しい。
最終4回戦がその日の締めくくりであり最も大切。
最後にラスなら今日の頑張りが僅かなプラスで終わるし、トップで締めればかなり手応えのある勝ちとなる。
今日は好調なんだから最後もトップを取りに行き、最低でも卓内勝ち頭で終わらせようと気合を入れ直して臨んだ。
2連勝と波に乗るヒサトから、東場で満貫を打ち取り手応え有りだ。
その後は、内川のテンパイを警戒して受けた食い三色の西単騎をホーテイロンとか、ドラポンの内川にヒサトが勝負したロン牌の南を七対子で頭ハネとか、マンズ模様で仕掛けた内川が切ったドラの九筒を山越しの待ち変え単騎でヒサトから親満貫が取れたりとか、全てが出来すぎのように上手く回り、僥倖と言ってもいいくらいに想定以上の開幕ダッシュが出来た。
最後まであまり苦しい場面が無かったのでネクタイも殆ど噛まなかった。

100

こんなに気持ちよく勝たせてもらったのは久しぶりだ、「チョー気持ちイイ!」
数日間はウキウキだったが、まだ始まったばかりで後9節も残っている。
ツキに恵まれず、展開も悪い苦しい節も必ずくるだろう。ネクタイを噛みまくる時もあるだろう。
そんな時でも今日のように慌てず焦らず落ち着いて、バランス良く打ち抜ければ最後まで昇級争いが出来ると信じている。
まだ対戦していない12人のメンバーも強敵ぞろいだし、今後の対戦を愉しみにしている。
全員でA1に負けないくらいのレベルの高い麻雀を打ち、より良い対局を配信できるように努めましょう。
でもA2の皆さん、僕と対戦するときには先輩を立て、年寄りに優しくあまりムキにならないようにお手柔らかにお願いしますよ、皆さんと違って先が短いんだから(笑)

「決勝戦までの軌跡」 前田 直哉

正直、自分には分不相応だと思っているが、自分なりに書いてみよう思う。
つたない文章ですが、1年間のお付き合いよろしくお願いします。

鳳凰位になる前は、きっと頂から見る景色はさぞかし気持ち良いに違いないと思っていた。
実際はどうか?全く違っていた。なった瞬間から初めてわかる鳳凰位の重責である。

なにはともあれ、部屋に入ってみることにしよう!
まずは消臭スプレー!
部屋は綺麗に片付いているが、何か落ちている。
・・・忍術書と書かれている・・・なんだろう?ポイッ!(笑)

初めてのA1リーグ。ここに上がるまでがとにかく長かった。
夏目坂にスタジオが出来、その場所で去年の1月にはA1への昇級をかけた戦いをしていた。
オーラス流局すれば昇級、ツモられれば残留である。そしてなんとか昇級出来た。

その後グランプリへの挑戦権を手にし、勝とうとかそういう思いは二の次で、A1の人達と戦えるいいチャンスだと思った。
出来るだけ勝ち抜いて、多くの情報を得たいのと、どこまで自分のスタイルが通用するのかを確かめたかった。

グランプリを終え、リーグ戦も中盤を迎えるころには、ある程度戦える感触を得ていた。
しかし、戦えるかどうかが目標ではなく、まずは決定戦の椅子を手中に出来るかどうかである。

第8節を終えた時には上位につけていたが、第9節にやらかしてしまう・・・
全く我慢が出来ていない。
相手に合わせてスタイルを変えてみようと試みて、まんまと悪い方に出てしまう。

しかし、これで戦い方がハッキリとした。自分の麻雀を貫こう!
そして迎えた最終節、相手は沢崎プロ、古川プロ、近藤プロである。
特に緊張も気負いも無い。これでダメなら仕方ないくらいの気持ちで戦いに入れた。

あれは10年近く前だろうか・・・順調に昇級を重ね、王位戦の決勝に出た後くらいだろうか?
リーグ戦の会場で沢崎プロが私にむかって「早く上がって来いよ」そう言ってくれた。
今まで話をさせてもらったことも無いし、面識も無いので少し驚いたが、最初は誰かと勘違いしているのでは?そう思っていた。

しかし、それから会う度に同じ言葉をかけてくれる。勘違いではなかった。
期待してくれていたのだろうか?もちろん仮に私が上がってきても負けないという自信もあっての言葉だろうが、いずれにしろ尊敬している人から声をかけてもらうのは本当に嬉しく思う。

それは私がBリーグを行ったり来たりして苦しんでる時にも続いた。
自分が情けなかったし、申し訳ない気持ちだった。そして時は経ち、やっとここまで辿り着いた。
最終節の控室で沢崎プロが「A1楽しいだろ?」その問いに「はい楽しいです!」純粋にそう思えた。
「早く上がって来いって、もう10年近く言い続けてるもんな」
ずっと憶えてくれていたことが本当に嬉しかった・・・少し目頭が熱くなった。

今までの言葉がなかったら、プロを辞めてしまっていたかもしれない。
その言葉が支えとなり、やっと同じ舞台で戦える!とにかく最終戦を一緒に戦えることを嬉しく思った。

上位4人の最終卓が残っている以上、ここで決定戦に残れるのは良くて1人だろう。
目指すはトータル+80Pを目標にした。
最低でも2位の勝又プロの上をいかないと厳しいだろう。

3回戦を終えて、私が若干のリードという形になっていた。
どうなろうと次が最後の半荘である。
序盤、沢崎プロが見事なアガリをする。そして私もそれを追いかける。
なんて楽しいんだろう!この時はすべてを忘れ、ただただ麻雀の楽しさ、そして今という時を幸せに思いながら戦っていた。
結果はたまたまである。

しかし、最低限の目標はクリア出来た。
すべてを終え+66.5ポイントとなり、若干ではあるが2位まで躍り出ることが出来た。
あとは最終卓次第である。

最終卓スタート前までのトータルは、
瀬戸熊プロ+144.1P 私+66.5P 勝又プロ+63.4P ともたけプロ+44.7P
沢崎プロ+35.8P 荒プロ+27.9Pとなっていた。

最終卓の試合当日、私は普段通り仕事を終え、家に帰ってすぐさま状況を確認した。
ちょうど見たのが3回戦が始まった時だったが、正直驚いた。

ずっと首位にいた瀬戸熊プロが、かなりの不調でボーダーライン付近まできていたのである。
代わりに、ともたけプロと勝又プロがポイントを重ね、現在私は4番手というところだった。
展開的には最悪である。

そこからは一進一退でもう誰を応援したらいいのかさえわからない状況だ。
見ていることしか出来ない私にとっては、とにかく落ち着かない。

3回戦が終わり、見事な押し引きを見せた勝又プロが1人ほぼ当確といったところで、残り1戦でどうなるかはまったく予想すら出来なかった。

3回戦終了時
勝又プロ+100.3P 瀬戸熊プロ+75.3P ともたけプロ+68.2P 私66.5P

この最終戦は見た人全てが興奮したであろうが、その中で1番騒がしく見ていたのは間違いなく私だろう(笑)
この場を借りて隣人の人達にお詫びします。

そしてついに結果が出た。
私はかろうじて決定戦に残れたのであった。

決まった瞬間だけは嬉しかった。が、そこから今までに味わったことのない緊張が押し寄せる。
鳳凰位決定戦・・・まずはこの場に立つことを目標に15年間やってきた。でも実際自分が立つと決まった時からその重大さを感じた。

相手は現鳳凰位の藤崎プロ、一緒にA1に上がってきた勝又プロ、そして誰もがその強さを認める瀬戸熊プロ。

果たして自分が対等に戦えるのか?リーグ戦とはまったく別物の世界なのか?不安ばかりよぎる。
まずはこの緊張と不安をゼロにする作業から取り掛かろう。
こちらはあくまで挑戦者だ。とにかく今持っている力を全て発揮出来るように万全を期した。

つづく

次回予告!(激熱)
遂に決定戦突入だよ!

追伸
ついに今年もリーグ戦が開幕した。私は参加出来ません・・・。寂しい。
まるで気持ちは麻雀界のニートです(泣)
そして鳳凰の部屋のかなり前の私の写真・・・もっと他になかっただろうか?

鳳凰の部屋/「決勝戦までの軌跡」 前田 直哉

正直、自分には分不相応だと思っているが、自分なりに書いてみよう思う。
つたない文章ですが、1年間のお付き合いよろしくお願いします。
鳳凰位になる前は、きっと頂から見る景色はさぞかし気持ち良いに違いないと思っていた。
実際はどうか?全く違っていた。なった瞬間から初めてわかる鳳凰位の重責である。
なにはともあれ、部屋に入ってみることにしよう!
まずは消臭スプレー!
部屋は綺麗に片付いているが、何か落ちている。
・・・忍術書と書かれている・・・なんだろう?ポイッ!(笑)
初めてのA1リーグ。ここに上がるまでがとにかく長かった。
夏目坂にスタジオが出来、その場所で去年の1月にはA1への昇級をかけた戦いをしていた。
オーラス流局すれば昇級、ツモられれば残留である。そしてなんとか昇級出来た。
その後グランプリへの挑戦権を手にし、勝とうとかそういう思いは二の次で、A1の人達と戦えるいいチャンスだと思った。
出来るだけ勝ち抜いて、多くの情報を得たいのと、どこまで自分のスタイルが通用するのかを確かめたかった。
グランプリを終え、リーグ戦も中盤を迎えるころには、ある程度戦える感触を得ていた。
しかし、戦えるかどうかが目標ではなく、まずは決定戦の椅子を手中に出来るかどうかである。
第8節を終えた時には上位につけていたが、第9節にやらかしてしまう・・・
全く我慢が出来ていない。
相手に合わせてスタイルを変えてみようと試みて、まんまと悪い方に出てしまう。
しかし、これで戦い方がハッキリとした。自分の麻雀を貫こう!
そして迎えた最終節、相手は沢崎プロ、古川プロ、近藤プロである。
特に緊張も気負いも無い。これでダメなら仕方ないくらいの気持ちで戦いに入れた。
あれは10年近く前だろうか・・・順調に昇級を重ね、王位戦の決勝に出た後くらいだろうか?
リーグ戦の会場で沢崎プロが私にむかって「早く上がって来いよ」そう言ってくれた。
今まで話をさせてもらったことも無いし、面識も無いので少し驚いたが、最初は誰かと勘違いしているのでは?そう思っていた。
しかし、それから会う度に同じ言葉をかけてくれる。勘違いではなかった。
期待してくれていたのだろうか?もちろん仮に私が上がってきても負けないという自信もあっての言葉だろうが、いずれにしろ尊敬している人から声をかけてもらうのは本当に嬉しく思う。
それは私がBリーグを行ったり来たりして苦しんでる時にも続いた。
自分が情けなかったし、申し訳ない気持ちだった。そして時は経ち、やっとここまで辿り着いた。
最終節の控室で沢崎プロが「A1楽しいだろ?」その問いに「はい楽しいです!」純粋にそう思えた。
「早く上がって来いって、もう10年近く言い続けてるもんな」
ずっと憶えてくれていたことが本当に嬉しかった・・・少し目頭が熱くなった。
今までの言葉がなかったら、プロを辞めてしまっていたかもしれない。
その言葉が支えとなり、やっと同じ舞台で戦える!とにかく最終戦を一緒に戦えることを嬉しく思った。
上位4人の最終卓が残っている以上、ここで決定戦に残れるのは良くて1人だろう。
目指すはトータル+80Pを目標にした。
最低でも2位の勝又プロの上をいかないと厳しいだろう。
3回戦を終えて、私が若干のリードという形になっていた。
どうなろうと次が最後の半荘である。
序盤、沢崎プロが見事なアガリをする。そして私もそれを追いかける。
なんて楽しいんだろう!この時はすべてを忘れ、ただただ麻雀の楽しさ、そして今という時を幸せに思いながら戦っていた。
結果はたまたまである。
しかし、最低限の目標はクリア出来た。
すべてを終え+66.5ポイントとなり、若干ではあるが2位まで躍り出ることが出来た。
あとは最終卓次第である。
最終卓スタート前までのトータルは、
瀬戸熊プロ+144.1P 私+66.5P 勝又プロ+63.4P ともたけプロ+44.7P
沢崎プロ+35.8P 荒プロ+27.9Pとなっていた。
最終卓の試合当日、私は普段通り仕事を終え、家に帰ってすぐさま状況を確認した。
ちょうど見たのが3回戦が始まった時だったが、正直驚いた。
ずっと首位にいた瀬戸熊プロが、かなりの不調でボーダーライン付近まできていたのである。
代わりに、ともたけプロと勝又プロがポイントを重ね、現在私は4番手というところだった。
展開的には最悪である。
そこからは一進一退でもう誰を応援したらいいのかさえわからない状況だ。
見ていることしか出来ない私にとっては、とにかく落ち着かない。
3回戦が終わり、見事な押し引きを見せた勝又プロが1人ほぼ当確といったところで、残り1戦でどうなるかはまったく予想すら出来なかった。
3回戦終了時
勝又プロ+100.3P 瀬戸熊プロ+75.3P ともたけプロ+68.2P 私66.5P
この最終戦は見た人全てが興奮したであろうが、その中で1番騒がしく見ていたのは間違いなく私だろう(笑)
この場を借りて隣人の人達にお詫びします。
そしてついに結果が出た。
私はかろうじて決定戦に残れたのであった。
決まった瞬間だけは嬉しかった。が、そこから今までに味わったことのない緊張が押し寄せる。
鳳凰位決定戦・・・まずはこの場に立つことを目標に15年間やってきた。でも実際自分が立つと決まった時からその重大さを感じた。
相手は現鳳凰位の藤崎プロ、一緒にA1に上がってきた勝又プロ、そして誰もがその強さを認める瀬戸熊プロ。
果たして自分が対等に戦えるのか?リーグ戦とはまったく別物の世界なのか?不安ばかりよぎる。
まずはこの緊張と不安をゼロにする作業から取り掛かろう。
こちらはあくまで挑戦者だ。とにかく今持っている力を全て発揮出来るように万全を期した。
つづく
次回予告!(激熱)
遂に決定戦突入だよ!
追伸
ついに今年もリーグ戦が開幕した。私は参加出来ません・・・。寂しい。
まるで気持ちは麻雀界のニートです(泣)
そして鳳凰の部屋のかなり前の私の写真・・・もっと他になかっただろうか?

第12期北陸リーグ 第2節レポート

全くの私事ではあるが、春も終わろうかというこの時期にインフルエンザに罹患してしまい、一週間弱伏せる羽目となってしまった。
幸いリーグ戦には重ならず、迷惑をかけることは免れたが、競技麻雀打ちとしては勿論、いち社会人としても体調管理の重要性と健康の有り難みを改めて痛感するこの数日だった。
このレポートをご覧の皆さんも、他人事と思わずどうか日々の体調管理には充分留意していただきたい。

さて、北陸リーグの第2節。上位と下位に差は生まれているものの、当確者/脱落者は殆ど生じていない。
1節目に抜けだした栗野さん、久々湊さんがそのまま1、2位を快走。
両名とも失点は小さく、加点は大きく、効率良くポイントを重ねて早々に100P越えを果たしている。

特に栗野さんは、前期リーグ戦~今節に至る全ての半荘で2万点を割っていないという驚異的な安定感を誇っているだけに、彼に関しては当確ランプを点けても良いのかもしれない。

中団からスコアを上げてきたのは西田さん、高出さん。共に同卓者を全員沈めての完勝劇で順位を大きく伸ばしている。
私は高出さんと対局させていただいたのだが、手役の絡んだ早い仕掛けや、躊躇いのないリーチで迷いなく攻めるアグレッシブなスタイルに終始圧倒されてしまった感がある。
トップこそ2度ずつ分けあったが、スコアでは完敗を喫している。
「4節という短期決戦である以上、どこかでスコアを叩く必要があった。スコアには概ね満足しているが、もう少し踏み込んで攻めても良かったかもしれない」と対局後に語ってくれた高出さん。
今期、より上のステージでその雀風を是非見せつけて欲しいものである。

中団~後方には、苦しみながらもスコアを纏めている、といった方々が名を連ねている。
特に現時点でのボーダーは+19.6Pと非常に低く、大半の面々が十分に可能性を残しているだけに、1半荘、あるいは1局の動向で趨勢が大きく傾くだろう。
稀に見る混戦だけに、抜け出るのは誰か、全く予想がつかない。

前期北陸リーグで決勝を争った4名が揃って沈んでいる、という点も次節の見所になるかもしれない。
勝負所である最終節の前に少しでも良い位置に上げておかねば、連覇の、あるいはリベンジの機会を失う事となる。
このままでは終われないという勝負巧者4名の立ち回りに次節は注目したい。

勝負はこれより後半戦。誰が何処に勝負駆けを張り込んでくるのか。各人の動向から目が離せない。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 栗野 健翔 一般 84.0 26.6  

 

110.6
2 久々湊 康雄 一般 61.0 47.1  

 

108.1
3 濱平 光朗 プロ 54.2 23.6  

 

77.8
4 西田 有佑 一般 ▲ 1.6 57.5  

 

55.9
5 高出 智宏 一般 3.5 47.5  

 

51.0
6 荒谷 誠 プロ 56.0 ▲ 10.3  

 

45.7
7 本田 朋広 プロ 36.2 ▲ 4.6  

 

31.6
8 安城 るい プロ 40.8 ▲ 21.2  

 

19.6
9 久保 智央 一般 ▲ 10.8 23.0  

 

12.2
10 北川 光 一般 ▲ 2.6 12.3  

 

9.7
11 押川 憲一 一般 15.9 ▲ 8.1  

 

7.8
12 山川 眞一郎 一般 ▲ 15.6 21.7  

 

6.1
13 木戸 僚之 プロ ▲ 2.6 6.5  

 

3.9
14 光岡 大幸 一般 10.6 ▲ 18.8  

 

▲ 8.2
15 飯田 輝雄 一般 2.6 ▲ 19.6  

 

▲ 17.0
16 志多木 健 一般 ▲ 10.4 ▲ 7.1  

 

▲ 17.5
17 小泉 陽平 一般 ▲ 13.3 ▲ 10.5  

 

▲ 23.8
18 後藤 正博 プロ ▲ 20.4 ▲ 5.7  

 

▲ 26.1
19 窪田 一彦 一般 ▲ 12.0 ▲ 25.2  

 

▲ 37.2
20 中西 正行 一般 ▲ 82.9 42.0  

 

▲ 40.9
21 平澤 憲一 一般 4.8 ▲ 47.5  

 

▲ 42.7
22 中島 亮 一般 ▲ 26.2 ▲ 17.6  

 

▲ 43.8
23 森田 有一 一般 ▲ 34.1 ▲ 11.1  

 

▲ 45.2
24 木下 玄基 一般 ▲ 52.4 1.8  

 

▲ 50.6
25 浦野 裕稀 一般 ▲ 22.0 ▲ 79.2  

 

▲ 101.2
26 恵比須 均 一般 ▲ 118.1 6.6  

 

▲ 111.5
27 村上 拓也 プロ ▲ 62.8 ▲ 81.7  

 

▲ 144.5

北陸リーグ レポート/第12期北陸リーグ 第2節レポート

全くの私事ではあるが、春も終わろうかというこの時期にインフルエンザに罹患してしまい、一週間弱伏せる羽目となってしまった。
幸いリーグ戦には重ならず、迷惑をかけることは免れたが、競技麻雀打ちとしては勿論、いち社会人としても体調管理の重要性と健康の有り難みを改めて痛感するこの数日だった。
このレポートをご覧の皆さんも、他人事と思わずどうか日々の体調管理には充分留意していただきたい。
さて、北陸リーグの第2節。上位と下位に差は生まれているものの、当確者/脱落者は殆ど生じていない。
1節目に抜けだした栗野さん、久々湊さんがそのまま1、2位を快走。
両名とも失点は小さく、加点は大きく、効率良くポイントを重ねて早々に100P越えを果たしている。
特に栗野さんは、前期リーグ戦~今節に至る全ての半荘で2万点を割っていないという驚異的な安定感を誇っているだけに、彼に関しては当確ランプを点けても良いのかもしれない。
中団からスコアを上げてきたのは西田さん、高出さん。共に同卓者を全員沈めての完勝劇で順位を大きく伸ばしている。
私は高出さんと対局させていただいたのだが、手役の絡んだ早い仕掛けや、躊躇いのないリーチで迷いなく攻めるアグレッシブなスタイルに終始圧倒されてしまった感がある。
トップこそ2度ずつ分けあったが、スコアでは完敗を喫している。
「4節という短期決戦である以上、どこかでスコアを叩く必要があった。スコアには概ね満足しているが、もう少し踏み込んで攻めても良かったかもしれない」と対局後に語ってくれた高出さん。
今期、より上のステージでその雀風を是非見せつけて欲しいものである。
中団~後方には、苦しみながらもスコアを纏めている、といった方々が名を連ねている。
特に現時点でのボーダーは+19.6Pと非常に低く、大半の面々が十分に可能性を残しているだけに、1半荘、あるいは1局の動向で趨勢が大きく傾くだろう。
稀に見る混戦だけに、抜け出るのは誰か、全く予想がつかない。
前期北陸リーグで決勝を争った4名が揃って沈んでいる、という点も次節の見所になるかもしれない。
勝負所である最終節の前に少しでも良い位置に上げておかねば、連覇の、あるいはリベンジの機会を失う事となる。
このままでは終われないという勝負巧者4名の立ち回りに次節は注目したい。
勝負はこれより後半戦。誰が何処に勝負駆けを張り込んでくるのか。各人の動向から目が離せない。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 栗野 健翔 一般 84.0 26.6     110.6
2 久々湊 康雄 一般 61.0 47.1     108.1
3 濱平 光朗 プロ 54.2 23.6     77.8
4 西田 有佑 一般 ▲ 1.6 57.5     55.9
5 高出 智宏 一般 3.5 47.5     51.0
6 荒谷 誠 プロ 56.0 ▲ 10.3     45.7
7 本田 朋広 プロ 36.2 ▲ 4.6     31.6
8 安城 るい プロ 40.8 ▲ 21.2     19.6
9 久保 智央 一般 ▲ 10.8 23.0     12.2
10 北川 光 一般 ▲ 2.6 12.3     9.7
11 押川 憲一 一般 15.9 ▲ 8.1     7.8
12 山川 眞一郎 一般 ▲ 15.6 21.7     6.1
13 木戸 僚之 プロ ▲ 2.6 6.5     3.9
14 光岡 大幸 一般 10.6 ▲ 18.8     ▲ 8.2
15 飯田 輝雄 一般 2.6 ▲ 19.6     ▲ 17.0
16 志多木 健 一般 ▲ 10.4 ▲ 7.1     ▲ 17.5
17 小泉 陽平 一般 ▲ 13.3 ▲ 10.5     ▲ 23.8
18 後藤 正博 プロ ▲ 20.4 ▲ 5.7     ▲ 26.1
19 窪田 一彦 一般 ▲ 12.0 ▲ 25.2     ▲ 37.2
20 中西 正行 一般 ▲ 82.9 42.0     ▲ 40.9
21 平澤 憲一 一般 4.8 ▲ 47.5     ▲ 42.7
22 中島 亮 一般 ▲ 26.2 ▲ 17.6     ▲ 43.8
23 森田 有一 一般 ▲ 34.1 ▲ 11.1     ▲ 45.2
24 木下 玄基 一般 ▲ 52.4 1.8     ▲ 50.6
25 浦野 裕稀 一般 ▲ 22.0 ▲ 79.2     ▲ 101.2
26 恵比須 均 一般 ▲ 118.1 6.6     ▲ 111.5
27 村上 拓也 プロ ▲ 62.8 ▲ 81.7     ▲ 144.5

第32期A1リーグ第1節レポート 近藤 久春

待ちに待った、プロリーグ開幕戦。
まず最初は、とりあえずプラスなら良しと言う事をよく聞くが、私は勝敗も勿論大切だと思うが、それよりも自分らしさを出し麻雀を存分に楽しみたい。
その結果次第で、次節からの戦い方を考えれば良いと思う。
何と言っても最高峰のリーグで、自分の好きな麻雀を最高のメンバーと打てる、こんな幸せな事はないのだ。

では、本日の対戦相手は、年度末のグランプリMAX決勝卓の御2人、荒プロ、瀬戸熊プロ、そしてサーフィン打法の古川プロと、一瞬の隙も逃さない相手だ。

開始早々、荒プロに魅せられる。

東2局、親・荒プロ4巡目。

五索五索五索八索九索九索三筒三筒四筒四筒東東白  ドラ四筒

ここから五筒を両面チー、8巡目、東をツモり4,000オールで、あっという間に47,200とする。
あの手、あの巡目、チーから入れる人が他にいるのだろうか。只々脱帽である。

東2局1本場、親・荒プロ。

五万二索二索四索九索九索六筒七筒九筒九筒東白白  ドラ四万

2枚目の九索をポン。
南家・近藤9巡目リーチ。

四万四万五万六万六万七万八万三索四索五索六索七索八索  リーチ

1巡前にテンパイし、ヤミテンとしたが次巡、リーチに踏み切る。

理由1
親の荒プロに対し強い牌(ダブ東)を切った為、そこそこの手でテンパイが見え見え。

理由2
ドラスジなので出にくくなる。

理由3
ここが一番肝心なのだが、荒プロの手を止める。
(昨年、同じ様なパターンで、しばらく荒プロの時間が続きひどい目にあっている)

結果、アガリは逃したものの、連荘が終わり自分は悪い気は全然していなかった。

対局が終わり後悔した局を1つ。

3回戦東3局、親・近藤 

配牌

二万三万五万九万九万一索三索四索七索一筒一筒二筒五筒南  ドラ九万

私はドラを生かす為、123の三色とチャンタを見て打五万。しかし345も保留すべきだったか?

西家・瀬戸熊プロ3巡目。

六索八索東東西中中  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き

この後、古川プロから手出しで九万中東と打ち出され、瀬戸熊プロが裸単騎になり西をツモるのだが、ドラの九万を私がポンして、無理にでも三色やチャンタに向かっていれば、役牌がもっと警戒され河に放たれ無かったのでは?
そこそこのチャンス手だったので、自分の手の事しか考えず他家の動向を予想しなかった。
これが今節、一番悔やまれた1局でした。

4回戦も攻めの姿勢を変えず戦い、それがうまくいき、嬉しい今期初トップとなり無難なスタートを切る事ができました。
やっぱりアガリに向い前へ出て戦う麻雀は楽しいですよね。

今期は可能な限り踏み込むスタイルで、強者の揃うA1リーグの麻雀を楽しみ、決勝戦に残れるように頑張りたいと思います。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A1リーグ第1節レポート 近藤 久春

待ちに待った、プロリーグ開幕戦。
まず最初は、とりあえずプラスなら良しと言う事をよく聞くが、私は勝敗も勿論大切だと思うが、それよりも自分らしさを出し麻雀を存分に楽しみたい。
その結果次第で、次節からの戦い方を考えれば良いと思う。
何と言っても最高峰のリーグで、自分の好きな麻雀を最高のメンバーと打てる、こんな幸せな事はないのだ。
では、本日の対戦相手は、年度末のグランプリMAX決勝卓の御2人、荒プロ、瀬戸熊プロ、そしてサーフィン打法の古川プロと、一瞬の隙も逃さない相手だ。
開始早々、荒プロに魅せられる。
東2局、親・荒プロ4巡目。
五索五索五索八索九索九索三筒三筒四筒四筒東東白  ドラ四筒
ここから五筒を両面チー、8巡目、東をツモり4,000オールで、あっという間に47,200とする。
あの手、あの巡目、チーから入れる人が他にいるのだろうか。只々脱帽である。
東2局1本場、親・荒プロ。
五万二索二索四索九索九索六筒七筒九筒九筒東白白  ドラ四万
2枚目の九索をポン。
南家・近藤9巡目リーチ。
四万四万五万六万六万七万八万三索四索五索六索七索八索  リーチ
1巡前にテンパイし、ヤミテンとしたが次巡、リーチに踏み切る。
理由1
親の荒プロに対し強い牌(ダブ東)を切った為、そこそこの手でテンパイが見え見え。
理由2
ドラスジなので出にくくなる。
理由3
ここが一番肝心なのだが、荒プロの手を止める。
(昨年、同じ様なパターンで、しばらく荒プロの時間が続きひどい目にあっている)
結果、アガリは逃したものの、連荘が終わり自分は悪い気は全然していなかった。
対局が終わり後悔した局を1つ。
3回戦東3局、親・近藤 
配牌
二万三万五万九万九万一索三索四索七索一筒一筒二筒五筒南  ドラ九万
私はドラを生かす為、123の三色とチャンタを見て打五万。しかし345も保留すべきだったか?
西家・瀬戸熊プロ3巡目。
六索八索東東西中中  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き
この後、古川プロから手出しで九万中東と打ち出され、瀬戸熊プロが裸単騎になり西をツモるのだが、ドラの九万を私がポンして、無理にでも三色やチャンタに向かっていれば、役牌がもっと警戒され河に放たれ無かったのでは?
そこそこのチャンス手だったので、自分の手の事しか考えず他家の動向を予想しなかった。
これが今節、一番悔やまれた1局でした。
4回戦も攻めの姿勢を変えず戦い、それがうまくいき、嬉しい今期初トップとなり無難なスタートを切る事ができました。
やっぱりアガリに向い前へ出て戦う麻雀は楽しいですよね。
今期は可能な限り踏み込むスタイルで、強者の揃うA1リーグの麻雀を楽しみ、決勝戦に残れるように頑張りたいと思います。

第24期マスターズ 優勝は白鳥 翔!

優勝:白鳥 翔(プロ連盟) 準優勝:平賀 聡彦(最高位戦) 第3位:石川優さん 第4位:木原浩一(プロ協会)

第24期マスターズ 本戦レポート

開催概要こちら

連盟インフォメーション/第24期マスターズ 優勝は白鳥 翔!

優勝:白鳥 翔(プロ連盟) 準優勝:平賀 聡彦(最高位戦) 第3位:石川優さん 第4位:木原浩一(プロ協会)
第24期マスターズ 本戦レポート
開催概要こちら

第32期A2リーグ第1節レポート 西岡 慎奏

今期より全卓放送となったA2リーグ。
公式戦での生放送は自分にとって初めてであり、緊張はもちろんあった。
しかし、終わってみてから気付いた事は、緊張ではなく舞い上がっていた自分。
A2リーグの洗礼を受ける結果となった。

放送前まで考えていた事といえば、
1回戦目はまず忍者のようにヤミテンで状態を把握。
2回戦目の親番あたりからついにクマクマタイムに突入。
3回戦目はガラクタリーチで翻弄。
4回戦目は当たり牌をビタ止めして凌ぐ。

本当にイメージしていただけに、今思えば自分でも笑ってしまう。(少し大げさに書いてはいるが)
一流プレイヤーの真似をしようとして上手くいった新人を、どの競技で見た事ある?とツッコミたくなる。
自分にも良いところはあり、それを生かした自分の役割がある。
それを念頭に置いておくべきだった。

結局、自分らしさがあまり出ず成績もボロボロ。
反省の意を込めて少し振り返ってみたい。

対戦者は前回残留組となる、石渡・刀川・白鳥。
1回戦を戦ってみて、さすが相手はAリーグ経験者達と言うべきか、打点も高い上確実にアガリに結び付けてくる。
何と1回戦はオーラスまで流局なしで進む結果となった。
その傍ら自分はドラも入らず手も遅め。
ノーホーラでA2リーグ初の半荘を終える事となり、2回戦こそはアガリたい,浮きは確保したいと焦っていた。
そして2回戦からは目一杯の手組みにし、手数を増やすと共に必然的に攻撃に向かう構えで行こうと考えていた。
「リーグ戦は長丁場だから状態の悪い時もあり、4着は誰でも取ってしまう事がある。悪あがきせず冷静に失点を最小限にする事が大事」と連盟の後輩に言った事がある。
自分ができていない事をよく他人に言えたものだ。

2回戦の東2局、石渡が親番で大物手をアガる。

三万三万三万二索三索四索五索五索五筒五筒六筒六筒六筒  リーチ  ツモ五索  ドラ二索

石渡は続く3回戦、4回戦も大物手を連発する事となるが、ほとんどツモで完結。
つけ入るスキがない。
ただしその後すぐに、自分にA2リーグ初アガリが生まれる。

二万二万二万一索二索三索五索六索一筒二筒三筒三筒三筒  リーチ  ツモ四索  ドラ一筒

三色やドラ2の高打点変化が理想だったが、1,000・2,000でもすんなりツモれた事によりかなり気分も楽になった。
そのせいか親番でもアガる事ができ、オーラスでも好調石渡の先制リーチに追いかけてアガリ、結果沈みながらも2着で終局することができた。

3回戦ではオーラスまで浮きで迎える事ができたが、刀川の親リーチに11,600を1シャンテンから放銃してしまう。
少し真っ直ぐ向かいすぎだったかもしれないが、浮きの確保に囚われて縮こまってしまうよりは自分らしかったと思う。

2回戦以降、それなりに自分のペースで打てていたが、4回戦で最悪な放銃をしてしまう。
南2局の親番、もう巡目も終盤を迎えようとする局面で下記手牌。

三万四万七万九万一索一索二索二索四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ発  ドラ八万

この発をツモ切りし、刀川のメンホン七対子に放銃となった。

五索五索九索九索東東西西北北発中中  ロン発

刀川の河は明らかな変則手でホンイツ濃厚。そこから高いトーンでドラの八万切り。
ドラを引っ張って切ったからには、テンパイと読むのが普通だ。
しかも相手は刀川1人とは限らない。
対して自分は、最後まで手を進めてもテンパイが入るかどうか。
ハッキリ言って無謀。自分が普通の精神状態であれば切らなかった牌だろう。
最終戦(今日の)くらいは最低浮きで終わりたい、それにはこの最後の親番は形式テンパイでも死守したい、次局からクマクマタイムに入るかもしれない。
そんな都合の良い考えから切った牌。
「形テンで粘った。マジか~」,「ニシニシタイム突入あるわ~」
そんなコメントが頭の中をよぎっていた。

対戦者の3名は自分の麻雀が打てていたと感じた。
打っていて、以前から知っている「らしさ」がそのまま伝わってきた。
自分も舞い上がっていなければ、もう少し名勝負ができた事だろう。

5月1日にはもう、第2節の放送が控えている。
ベストな自分でその日を迎え、持ち味を最大限に生かして戦いたい。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ第1節レポート 西岡 慎奏

今期より全卓放送となったA2リーグ。
公式戦での生放送は自分にとって初めてであり、緊張はもちろんあった。
しかし、終わってみてから気付いた事は、緊張ではなく舞い上がっていた自分。
A2リーグの洗礼を受ける結果となった。
放送前まで考えていた事といえば、
1回戦目はまず忍者のようにヤミテンで状態を把握。
2回戦目の親番あたりからついにクマクマタイムに突入。
3回戦目はガラクタリーチで翻弄。
4回戦目は当たり牌をビタ止めして凌ぐ。
本当にイメージしていただけに、今思えば自分でも笑ってしまう。(少し大げさに書いてはいるが)
一流プレイヤーの真似をしようとして上手くいった新人を、どの競技で見た事ある?とツッコミたくなる。
自分にも良いところはあり、それを生かした自分の役割がある。
それを念頭に置いておくべきだった。
結局、自分らしさがあまり出ず成績もボロボロ。
反省の意を込めて少し振り返ってみたい。
対戦者は前回残留組となる、石渡・刀川・白鳥。
1回戦を戦ってみて、さすが相手はAリーグ経験者達と言うべきか、打点も高い上確実にアガリに結び付けてくる。
何と1回戦はオーラスまで流局なしで進む結果となった。
その傍ら自分はドラも入らず手も遅め。
ノーホーラでA2リーグ初の半荘を終える事となり、2回戦こそはアガリたい,浮きは確保したいと焦っていた。
そして2回戦からは目一杯の手組みにし、手数を増やすと共に必然的に攻撃に向かう構えで行こうと考えていた。
「リーグ戦は長丁場だから状態の悪い時もあり、4着は誰でも取ってしまう事がある。悪あがきせず冷静に失点を最小限にする事が大事」と連盟の後輩に言った事がある。
自分ができていない事をよく他人に言えたものだ。
2回戦の東2局、石渡が親番で大物手をアガる。
三万三万三万二索三索四索五索五索五筒五筒六筒六筒六筒  リーチ  ツモ五索  ドラ二索
石渡は続く3回戦、4回戦も大物手を連発する事となるが、ほとんどツモで完結。
つけ入るスキがない。
ただしその後すぐに、自分にA2リーグ初アガリが生まれる。
二万二万二万一索二索三索五索六索一筒二筒三筒三筒三筒  リーチ  ツモ四索  ドラ一筒
三色やドラ2の高打点変化が理想だったが、1,000・2,000でもすんなりツモれた事によりかなり気分も楽になった。
そのせいか親番でもアガる事ができ、オーラスでも好調石渡の先制リーチに追いかけてアガリ、結果沈みながらも2着で終局することができた。
3回戦ではオーラスまで浮きで迎える事ができたが、刀川の親リーチに11,600を1シャンテンから放銃してしまう。
少し真っ直ぐ向かいすぎだったかもしれないが、浮きの確保に囚われて縮こまってしまうよりは自分らしかったと思う。
2回戦以降、それなりに自分のペースで打てていたが、4回戦で最悪な放銃をしてしまう。
南2局の親番、もう巡目も終盤を迎えようとする局面で下記手牌。
三万四万七万九万一索一索二索二索四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ発  ドラ八万
この発をツモ切りし、刀川のメンホン七対子に放銃となった。
五索五索九索九索東東西西北北発中中  ロン発
刀川の河は明らかな変則手でホンイツ濃厚。そこから高いトーンでドラの八万切り。
ドラを引っ張って切ったからには、テンパイと読むのが普通だ。
しかも相手は刀川1人とは限らない。
対して自分は、最後まで手を進めてもテンパイが入るかどうか。
ハッキリ言って無謀。自分が普通の精神状態であれば切らなかった牌だろう。
最終戦(今日の)くらいは最低浮きで終わりたい、それにはこの最後の親番は形式テンパイでも死守したい、次局からクマクマタイムに入るかもしれない。
そんな都合の良い考えから切った牌。
「形テンで粘った。マジか~」,「ニシニシタイム突入あるわ~」
そんなコメントが頭の中をよぎっていた。
対戦者の3名は自分の麻雀が打てていたと感じた。
打っていて、以前から知っている「らしさ」がそのまま伝わってきた。
自分も舞い上がっていなければ、もう少し名勝負ができた事だろう。
5月1日にはもう、第2節の放送が控えている。
ベストな自分でその日を迎え、持ち味を最大限に生かして戦いたい。

第22期東北プロリーグ後期第5節レポート

Aリーグレポート

1卓(青木、泉、工藤、佐藤、大里)左から抜け番順
後期最終節開始時、首位を走るのは女流の大里で+131.4P。
2着目で追いかけるのは、青木+64.9P、続いて佐藤+61.4P、泉+52.0Pといった状態。
後期終了時点の上位2名が東北天翔位決定戦への出場権を得る。

1回戦目は佐藤が大里を抑えてトップを取ると、2回戦では大里を1人沈みにしたうえで青木がトップ。青木、佐藤の両名が大里との差を詰めていく。
しかし、大里も意地を見せ続く3回戦でトップをもぎ取る。この回青木は大きくマイナスとなって、佐藤に差をつけられてしまう。
大里にとっては最終半荘の4回戦目。大里はここで痛恨の1人沈みを喰らってしまい、微差ながら佐藤に暫定1位を譲る結果となり、最終戦を抜け番で見守ることとなった。

4回戦終了時点の点数は佐藤+91.0P、大里+90.7P、青木+59.1P、泉+45.0P、工藤+0.9Pという状況。
最終戦、佐藤はプラス条件で優勝。青木、泉は上位2位の為にある程度無理を通していかなくてはならない。
こういう展開になると、抜群の安定感を見せる佐藤に分があった。佐藤は5回戦目をしっかり打ちまわしてトップ。後期優勝を勝ち取った。

東北天翔位決定戦への切符を手にしたのは、前期優勝の粕谷勇吉、前期2位、後期優勝の佐藤大介、後期2位となった女流大里奈美。
佐藤の出場権が被った為、規定により前後期の総合点数で上位だった三井光一が出場権利を得た。

Aリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 佐藤大介 74.0 ▲ 4.6 20.9 ▲ 28.9 50.2 111.6
2 大里奈美 42.0 41.2 40.0 8.2 ▲ 40.7 90.7
3 泉亮多 59.7 4.0 ▲ 35.0 23.3 3.6 55.6
4 青木武 0.9 45.0 ▲ 6.9 25.9 ▲ 14.7 50.2
5 三井光一 ▲ 4.5 ▲ 16.5 36.6 ▲ 28.5 60.1 47.2
6 工藤宏紀 ▲ 12.0 9.4 ▲ 1.2 0.8 1.6 ▲ 1.4
7 粕谷勇吉 34.1 ▲ 3.5 ▲ 25.9 ▲ 25.9 ▲ 4.6 ▲ 25.8
8 岩熊隆一 0.8 11.0 ▲ 15.6 20.5 ▲ 100.0 ▲ 83.3
9 皆川直毅 ▲ 14.8 ▲ 24.4 ▲ 27.3 ▲ 7.6 ▲ 45.3 ▲ 119.4
10 杜麻沙也 ▲ 43.7 34.8 6.3 ▲ 50.0 ▲ 81.2 ▲ 133.8
11 早坂和人 ▲ 51.6 ▲ 23.9 73.1 14.9 ▲ 150.0 ▲ 137.5
12 神藤極 ▲ 74.5 29.1 ▲ 65.0 ▲ 150.0 24.9 ▲ 235.5
13 高橋清隆 ▲ 12.4 ▲ 121.6 ▲ 100.0 ▲ 2.7 ▲ 13.9 ▲ 250.6

 

Bリーグレポート

1卓(佐藤、安ヶ平、遠藤、新田、東)左から抜け番順
上位3名が昇格となる後期Bリーグ。最終節開始時、首位の東は+261.0Pとダントツのプラスでほぼ昇格確定。
続く2位が新田+97.7P、3位遠藤+66.1P、4位佐藤+56.8P、5位安ヶ平+49.0Pとなっている。

遠藤が1回戦目を制すると、続く2回戦目でもトップを取り、新田をかわして暫定2位へ。
新田もプラマイ付近で点数を維持、このまま上位3人が抜けていくかと思われたが、3回戦目、東の親の四暗刻単騎が新田に直撃。この振込みで一気に3位争いが混沌となる。

4回戦終了時、最終戦抜け番の東が+278.8で当確。暫定2位は遠藤+92.8P、安ヶ平+57.3P、佐藤+51.0P、新田+50.7Pという混戦で最終5回戦目を迎えることとなった。

最終戦、序盤は新田が奮闘、遠藤からの満貫直撃などで一歩リードする。すると負けじと佐藤が倍満ツモで遠藤を親かぶりさせ、2位3位争いへと引きずりこむ。

後半戦安ヶ平にも手が入り、オーラスには4人全員に昇格圏内繰り上がり、脱落の可能性がある大混戦に。
このオーラスを制したのは安ヶ平。速い巡目のドラ3リーチをツモりあげて決着をつけた。

結果Bリーグ優勝東+278.8P、2位安ヶ平+77.2P、3位遠藤+67.1Pとなりこの3名が次期Aリーグへと昇格となった。

Bリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 東幸一郎 63.5 75.4 64.8 57.3 17.8 278.8
2 安ヶ平浩希 5.2 ▲ 4.8 72.0 ▲ 23.4 28.2 77.2
3 遠藤昭太 ▲ 9.3 42.5 ▲ 6.5 39.4 1.0 67.1
4 新田大輔 ▲ 34.1 ▲ 2.2 75.4 58.6 ▲ 33.6 64.1
5 井上美里 21.4 ▲ 75.8 73.6 25.1 1.1 45.4
6 千田諒 76.5 ▲ 39.0 ▲ 24.6 ▲ 12.6 43.5 43.8
7 佐藤晃大 30.7 55.2 ▲ 6.9 ▲ 22.2 ▲ 13.4 43.4
8 早川林香 ▲ 1.8 60.5 ▲ 39.4 ▲ 85.4 3.3 ▲ 62.8
9 吉田勝弥 ▲ 100.0 ▲ 21.9 14.3 29.6 12.6 ▲ 65.4
10 佐々木啓文 ▲ 86.5 27.4 ▲ 40.7 47.9 ▲ 17.1 ▲ 69.0
11 菅原直哉 19.3 ▲ 91.6 ▲ 66.5 24.2 15.7 ▲ 98.9
12 山下敬介 18.7 0.9 ▲ 23.4 ▲ 68.4 ▲ 30.8 ▲ 103.0
13 國丸仁哉 ▲ 50.0 15.5 ▲ 59.2 ▲ 45.2 ▲ 34.1 ▲ 173.0
14 斎藤智大 ▲ 123.6 ▲ 42.1 ▲ 34.9 ▲ 36.9 24.1 ▲ 213.4

東北プロリーグ レポート/第22期東北プロリーグ後期第5節レポート

Aリーグレポート
1卓(青木、泉、工藤、佐藤、大里)左から抜け番順
後期最終節開始時、首位を走るのは女流の大里で+131.4P。
2着目で追いかけるのは、青木+64.9P、続いて佐藤+61.4P、泉+52.0Pといった状態。
後期終了時点の上位2名が東北天翔位決定戦への出場権を得る。
1回戦目は佐藤が大里を抑えてトップを取ると、2回戦では大里を1人沈みにしたうえで青木がトップ。青木、佐藤の両名が大里との差を詰めていく。
しかし、大里も意地を見せ続く3回戦でトップをもぎ取る。この回青木は大きくマイナスとなって、佐藤に差をつけられてしまう。
大里にとっては最終半荘の4回戦目。大里はここで痛恨の1人沈みを喰らってしまい、微差ながら佐藤に暫定1位を譲る結果となり、最終戦を抜け番で見守ることとなった。
4回戦終了時点の点数は佐藤+91.0P、大里+90.7P、青木+59.1P、泉+45.0P、工藤+0.9Pという状況。
最終戦、佐藤はプラス条件で優勝。青木、泉は上位2位の為にある程度無理を通していかなくてはならない。
こういう展開になると、抜群の安定感を見せる佐藤に分があった。佐藤は5回戦目をしっかり打ちまわしてトップ。後期優勝を勝ち取った。
東北天翔位決定戦への切符を手にしたのは、前期優勝の粕谷勇吉、前期2位、後期優勝の佐藤大介、後期2位となった女流大里奈美。
佐藤の出場権が被った為、規定により前後期の総合点数で上位だった三井光一が出場権利を得た。
Aリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 佐藤大介 74.0 ▲ 4.6 20.9 ▲ 28.9 50.2 111.6
2 大里奈美 42.0 41.2 40.0 8.2 ▲ 40.7 90.7
3 泉亮多 59.7 4.0 ▲ 35.0 23.3 3.6 55.6
4 青木武 0.9 45.0 ▲ 6.9 25.9 ▲ 14.7 50.2
5 三井光一 ▲ 4.5 ▲ 16.5 36.6 ▲ 28.5 60.1 47.2
6 工藤宏紀 ▲ 12.0 9.4 ▲ 1.2 0.8 1.6 ▲ 1.4
7 粕谷勇吉 34.1 ▲ 3.5 ▲ 25.9 ▲ 25.9 ▲ 4.6 ▲ 25.8
8 岩熊隆一 0.8 11.0 ▲ 15.6 20.5 ▲ 100.0 ▲ 83.3
9 皆川直毅 ▲ 14.8 ▲ 24.4 ▲ 27.3 ▲ 7.6 ▲ 45.3 ▲ 119.4
10 杜麻沙也 ▲ 43.7 34.8 6.3 ▲ 50.0 ▲ 81.2 ▲ 133.8
11 早坂和人 ▲ 51.6 ▲ 23.9 73.1 14.9 ▲ 150.0 ▲ 137.5
12 神藤極 ▲ 74.5 29.1 ▲ 65.0 ▲ 150.0 24.9 ▲ 235.5
13 高橋清隆 ▲ 12.4 ▲ 121.6 ▲ 100.0 ▲ 2.7 ▲ 13.9 ▲ 250.6

 
Bリーグレポート
1卓(佐藤、安ヶ平、遠藤、新田、東)左から抜け番順
上位3名が昇格となる後期Bリーグ。最終節開始時、首位の東は+261.0Pとダントツのプラスでほぼ昇格確定。
続く2位が新田+97.7P、3位遠藤+66.1P、4位佐藤+56.8P、5位安ヶ平+49.0Pとなっている。
遠藤が1回戦目を制すると、続く2回戦目でもトップを取り、新田をかわして暫定2位へ。
新田もプラマイ付近で点数を維持、このまま上位3人が抜けていくかと思われたが、3回戦目、東の親の四暗刻単騎が新田に直撃。この振込みで一気に3位争いが混沌となる。
4回戦終了時、最終戦抜け番の東が+278.8で当確。暫定2位は遠藤+92.8P、安ヶ平+57.3P、佐藤+51.0P、新田+50.7Pという混戦で最終5回戦目を迎えることとなった。
最終戦、序盤は新田が奮闘、遠藤からの満貫直撃などで一歩リードする。すると負けじと佐藤が倍満ツモで遠藤を親かぶりさせ、2位3位争いへと引きずりこむ。
後半戦安ヶ平にも手が入り、オーラスには4人全員に昇格圏内繰り上がり、脱落の可能性がある大混戦に。
このオーラスを制したのは安ヶ平。速い巡目のドラ3リーチをツモりあげて決着をつけた。
結果Bリーグ優勝東+278.8P、2位安ヶ平+77.2P、3位遠藤+67.1Pとなりこの3名が次期Aリーグへと昇格となった。
Bリーグ

順位 名前 後期1節 後期2節 後期3節 後期4節 後期5節 合計
1 東幸一郎 63.5 75.4 64.8 57.3 17.8 278.8
2 安ヶ平浩希 5.2 ▲ 4.8 72.0 ▲ 23.4 28.2 77.2
3 遠藤昭太 ▲ 9.3 42.5 ▲ 6.5 39.4 1.0 67.1
4 新田大輔 ▲ 34.1 ▲ 2.2 75.4 58.6 ▲ 33.6 64.1
5 井上美里 21.4 ▲ 75.8 73.6 25.1 1.1 45.4
6 千田諒 76.5 ▲ 39.0 ▲ 24.6 ▲ 12.6 43.5 43.8
7 佐藤晃大 30.7 55.2 ▲ 6.9 ▲ 22.2 ▲ 13.4 43.4
8 早川林香 ▲ 1.8 60.5 ▲ 39.4 ▲ 85.4 3.3 ▲ 62.8
9 吉田勝弥 ▲ 100.0 ▲ 21.9 14.3 29.6 12.6 ▲ 65.4
10 佐々木啓文 ▲ 86.5 27.4 ▲ 40.7 47.9 ▲ 17.1 ▲ 69.0
11 菅原直哉 19.3 ▲ 91.6 ▲ 66.5 24.2 15.7 ▲ 98.9
12 山下敬介 18.7 0.9 ▲ 23.4 ▲ 68.4 ▲ 30.8 ▲ 103.0
13 國丸仁哉 ▲ 50.0 15.5 ▲ 59.2 ▲ 45.2 ▲ 34.1 ▲ 173.0
14 斎藤智大 ▲ 123.6 ▲ 42.1 ▲ 34.9 ▲ 36.9 24.1 ▲ 213.4

第124回:プロ雀士インタビュー 荒 正義 インタビュアー:吉野 敦志

2月11日、第27期チャンピオンズリーグ決勝を迎えた私は、勝てば初タイトル。
そして、その後に控えるグランプリMAXの出場権が与えられる。
勝てば初のグランプリ出場。負けたらそのグランプリのレポートが待っていた。

一次予選レポートはこちら

二次予選レポートはこちら

結果は無残にも敗れ、勝って“選手”として出場したかったグランプリMAXが、レポーターとして登場することになってしまったのだ。

「グランプリMAX」

実力、実績、そして、その年度にもっとも活躍した選手だけが、出場することが許されるタイトル戦。
これは若手だけではなく、すべての連盟員が出場したいと願うタイトル戦なのだ!
そんな自分も、勝っていれば…と繰り返し思ったのだった。
弱いからそうなったのは百も承知だが、やっぱり自己嫌悪に陥る。
ただ、若い自分が言うのも説得力に欠けるが、それだけ出たいし、重みのあるタイトル戦である。

そんなグランプリMAXも、猛者達が次々と敗れてくなか、頂点に立ったのは「荒正義」。

リアルタイムで決勝戦を見終えた私の荒正義の感想は…
「素晴らしかった」の一言に尽きる。

自分も強くなって、荒さんと同じ土俵で戦いたい。この思いが来期の、ボクのモチベーションとなるだろう。

その翌日、編集部から一通のメールが。
麻雀のお誘いかな、と思い見てみると。

「グランプリの優勝インタビューを、荒さんが吉野君を指名←(皆さんここが大事です)したのでお願いします。」

はい。それはもう決勝戦ニコニコ生放送で見ていただけに、気分もニコニコですよ(笑)。
快諾です。自分の敗戦なんか、もう忘れましたね。

でも何故、吉野なんかが?…皆さんそう思われますよね?
正直なところ、ボクもビックリしていてわかりません(汗)。
しかし今思えば、滝沢さんと一緒に麻雀してもらったりしている内に、何度か荒さんに食事を誘って頂くようになり、そこからお話する機会が増えたように思います。

100

荒さんに酒の肴の「くさや」を勧められ、食べた後いい顔している自分(笑)。

撮影:滝沢和典

それからは勉強会での直接指導。グランプリのレポートの推薦と、荒さんには何かとお世話になっている。
インタビューは連盟の総本山、夏目坂スタジオで行われた。

 

―――夏目坂スタジオにて――――

100
100

 

吉野「荒さん、おはようございます!インタビューは初めてなのですが、よろしくお願いします。」

荒 「おはよう。じゃあ、こっちの控え室のほうでやろうか?ボイスレコーダーさえちゃんとしていれば大丈夫だから。」
(この後は、荒さんのおかげでテンポ良く進んでいく。)

吉野「早速なのですが、今回のグランプリ、荒さんは、2次予選、ベスト16、ベスト8と、全て1位通過だったのですが、何か好調の理由はありました?」

荒 「やっぱり一番は、調整で打ち込んだことかな。」

吉野「荒さんの調整は、麻雀を打ち込むということですね?」

荒 「そう。昔と違って麻雀の打チャン数が減ったからね。勝負の感性を磨くためにも調整は大事。今回はチームガラクタのメンバーと麻雀を打ったよ。」

吉野「前原さんやヒサトさん達とですね?それは相当手強いメンバーですね。」

荒 「調整セットは強い面子で打つことが大事、流れも、出てくる牌も違うからね。」

荒さんほどの打ち手でも、日々の鍛練を怠らずやっている。
当たり前のことではあるが、自分もそれ以上に努力しなければならないと思った。

吉野「では、対局についてなんですけど。」

「マークは、あくまでも“瀬戸熊直樹“」

吉野「と言うことなのですが、やはりあの“クマクマタイム”だけは避けたい。と言うことでしょうか?」

荒 「もちろん、藤崎が点棒を持つ展開も苦しいけど、瀬戸ちゃんの流れになると厄介だからね」

それを象徴するかのような局がこちら。

 

100

 

吉野「走らせたくない瀬戸熊さんが親で、ここから白を切ったのですが」

荒 「あーこれはね、僕の手じゃ瀬戸ちゃんの親を落とせないと思ったから、仕掛けた藤崎に落としてもらおうと思って切ったんだよ。」

一見、荒の手なら、他家に放銃しないように進めていくだけかと思う。
(優勝するための努力は何でもする!)
と言わんばかりに、白を打ち出し、藤崎に援護射撃したのだ。これには解説の滝沢さんもヒサトさんも驚いていた。

結果、その局のテーマでもある親落としならぬ、熊落としに成功する。

 

100

 

そして、荒さんご自身が、勝因の一局ではないかと挙げた局である。
瀬戸熊が初日を+35Pで首位につけ、迎えた2日目の5回戦。瀬戸熊の親番。

 

100

 

吉野「またしても瀬戸熊さんから早いリーチがきて、七巡目の五筒を仕掛けたんですが、僕はとても怖くて仕掛けられない。ですがこの時、荒さんの心理状態は、どうだったんですか?」

荒 「瀬戸熊さんの視線、打牌の音色から勝負手の匂いがした。この局をアガられたら負ける、そう感じた。だから勝負です。リーチの一発目(連盟Aルールに一発という役は無いが)に初物のダブ東を切って勝負したのがそれ」

吉野「あっ、ほんとですね。ボクにはマネができない・・・。(汗)」

 

100

 

吉野「うわー。この仕掛けで、瀬戸熊さんのアタリ牌である四索を食い流したんですね。」

荒 「持ってきた瞬間、食い下げた予感がした。まさかタンキ待ちとは思わなかったけど、両面マチの四索七索くらいで。でもこの手になったら、この後七索が来ても勝負のつもりだった。」

吉野「そして7,700直撃と。これはお見事ですね。このアガリ中々できる人いないと思います。」

荒 「これは出来すぎだけど戦う姿勢があったこと間違いなく、それが勝因の1つと言えるだろうね。」

そして、最後にどうしても触れておかなければならない局があります。

 

100

 

吉野「例の大三元です。」

荒 「白発中全部トイツから、1枚目の白をスルーしてアガッた局ね。これは昔からある大三元狙いの定石のようなもの。1つ目から鳴くと、相手の絞りがきついから2つ目は鳴けなくなる。だからスルーして、その間に三元牌の1つを暗刻にする。そしてそれから仕掛けた方が、役満の可能性がより高くなるというものです。」

吉野「それを平然とできるのも凄いです。後、少し気になったことがあったのですが、大三元テンパイした瞬間は荒さんって、緊張とかしないのですか?」

荒 「それがね、普段は緊張とかしないけどこの瞬間、30年ぶりに胸が高鳴った。珍しいなと思いながら相手の顔を見ながら打っていた。音が聞こえていないか心配で…でも大丈夫そうだった!」

吉野「(笑)!!!!!」

この半荘、見事大三元をアガリ、トータルポイントでも首位にたった荒は、一時は瀬戸熊に迫られるも、このまま逃げ切り、見事旧グランプリから通算3回目。グランプリMAXでは初の優勝となった。
そして、少し談笑していると、インタビューの控え室に、当日A1リーグで対局する忍者藤崎が!!!

 

100

 

吉野「あっ藤崎さんすいません。もうすぐグランプリのインタビューが終わるので。」

忍者「えっ、グランプリ?俺が振り込んだ大三元のインタビューか?(笑)」

吉野「そうではありません(笑)」

藤崎さん!急に何というギャグ(手裏剣)を投げてくるんだ!こっちはずっと下の後輩で、さらに大先輩の荒さんを前にして初めてのインタビューで緊張しているのだから、そのギャグもちゃんと拾えませんよ(泣)
無事に?忍者の手裏剣が心の隙間に刺さった所で、荒さんの、可愛らしい子供達を紹介していただきましょう!

 

100

白い犬は、ピレネーの雌のエマで8才。茶猫は雄のリュウで4才。

100

雄のバターです。11才。

100

リーチです。雄・9か月。

100

雌のタイラは最年長の18歳。

100

(一匹だけいる、どうしようもない狂犬。)

 

吉野「最後に、これを読んだ連盟の若手が参考になるような意見をきかせてください」

荒 「これからの麻雀は、映像の発達から結果を出す(勝つ)だけでなく、魅せる麻雀が求められる。魅せるとは、視聴者に感動を与えることです。感動は、磨かれた「技」と戦いの「姿勢」から生まれるもの。だとしたなら、日々の鍛練の照準はここに合わせるべきでしょう。魅せる麻雀が打てたら、結果(勝ち)は後からついてくるものです。」

現在、荒さんなどを筆頭に、30代、40代、50代、60代と、連盟にいる先輩方は“強い”。それなら果たして、今の20代はどうなのか?
今は他団体との対局でも活躍する先輩達がいるが、僕ら20代が10年後、20年後に他団体との対局で負けるのではないかと、正直不安の声でいっぱいだ。

そして、そんな若手を育成するため、先輩方自らが企画し、2、3年前に初めて若手勉強会が開かれた。
当時は森山会長も来て下さり、僕ら若手に叱咤激励をした後、若手達に質問をするよう投げかけた・・・。
当然、会長のお言葉の後に、ほとんどが手を挙げて質問する人はいなかったが、3人ほど手を挙げていた。
その内の1人が自分だった…。

「他団体には負けません、ぼくたちがんばります!(棒読み)」

何よりも悔しさから言ったのであるが、今思うと、恥ずかしいが良き思い出だ。
ただ、口先だけで言うのは誰でもできる。ボクら若者は、森山会長や荒さん達“レジェンド”を圧倒するぐらいの麻雀の「強さ」と「技」を身につけねばならない。

近年、麻雀の映像が増えてきた今が勝負である。我々の世代も視聴者に感動を与え、表現できることがいっぱいあるだろう。
自分が偉そうなことは言えないが、我々若手が意識改革することでプロ連盟、いや麻雀界の発展に大きく寄与できるはずである。
荒さん、何度目の優勝か数えきれないと思いますが、本当におめでとうございました。

100

プロ雀士インタビュー/第124回:プロ雀士インタビュー 荒 正義 インタビュアー:吉野 敦志

2月11日、第27期チャンピオンズリーグ決勝を迎えた私は、勝てば初タイトル。
そして、その後に控えるグランプリMAXの出場権が与えられる。
勝てば初のグランプリ出場。負けたらそのグランプリのレポートが待っていた。
一次予選レポートはこちら
二次予選レポートはこちら
結果は無残にも敗れ、勝って“選手”として出場したかったグランプリMAXが、レポーターとして登場することになってしまったのだ。
「グランプリMAX」
実力、実績、そして、その年度にもっとも活躍した選手だけが、出場することが許されるタイトル戦。
これは若手だけではなく、すべての連盟員が出場したいと願うタイトル戦なのだ!
そんな自分も、勝っていれば…と繰り返し思ったのだった。
弱いからそうなったのは百も承知だが、やっぱり自己嫌悪に陥る。
ただ、若い自分が言うのも説得力に欠けるが、それだけ出たいし、重みのあるタイトル戦である。
そんなグランプリMAXも、猛者達が次々と敗れてくなか、頂点に立ったのは「荒正義」。
リアルタイムで決勝戦を見終えた私の荒正義の感想は…
「素晴らしかった」の一言に尽きる。
自分も強くなって、荒さんと同じ土俵で戦いたい。この思いが来期の、ボクのモチベーションとなるだろう。
その翌日、編集部から一通のメールが。
麻雀のお誘いかな、と思い見てみると。
「グランプリの優勝インタビューを、荒さんが吉野君を指名←(皆さんここが大事です)したのでお願いします。」
はい。それはもう決勝戦ニコニコ生放送で見ていただけに、気分もニコニコですよ(笑)。
快諾です。自分の敗戦なんか、もう忘れましたね。
でも何故、吉野なんかが?…皆さんそう思われますよね?
正直なところ、ボクもビックリしていてわかりません(汗)。
しかし今思えば、滝沢さんと一緒に麻雀してもらったりしている内に、何度か荒さんに食事を誘って頂くようになり、そこからお話する機会が増えたように思います。

100

荒さんに酒の肴の「くさや」を勧められ、食べた後いい顔している自分(笑)。
撮影:滝沢和典
それからは勉強会での直接指導。グランプリのレポートの推薦と、荒さんには何かとお世話になっている。
インタビューは連盟の総本山、夏目坂スタジオで行われた。
 
―――夏目坂スタジオにて――――

100
100

 
吉野「荒さん、おはようございます!インタビューは初めてなのですが、よろしくお願いします。」
荒 「おはよう。じゃあ、こっちの控え室のほうでやろうか?ボイスレコーダーさえちゃんとしていれば大丈夫だから。」
(この後は、荒さんのおかげでテンポ良く進んでいく。)
吉野「早速なのですが、今回のグランプリ、荒さんは、2次予選、ベスト16、ベスト8と、全て1位通過だったのですが、何か好調の理由はありました?」
荒 「やっぱり一番は、調整で打ち込んだことかな。」
吉野「荒さんの調整は、麻雀を打ち込むということですね?」
荒 「そう。昔と違って麻雀の打チャン数が減ったからね。勝負の感性を磨くためにも調整は大事。今回はチームガラクタのメンバーと麻雀を打ったよ。」
吉野「前原さんやヒサトさん達とですね?それは相当手強いメンバーですね。」
荒 「調整セットは強い面子で打つことが大事、流れも、出てくる牌も違うからね。」
荒さんほどの打ち手でも、日々の鍛練を怠らずやっている。
当たり前のことではあるが、自分もそれ以上に努力しなければならないと思った。
吉野「では、対局についてなんですけど。」
「マークは、あくまでも“瀬戸熊直樹“」
吉野「と言うことなのですが、やはりあの“クマクマタイム”だけは避けたい。と言うことでしょうか?」
荒 「もちろん、藤崎が点棒を持つ展開も苦しいけど、瀬戸ちゃんの流れになると厄介だからね」
それを象徴するかのような局がこちら。
 
100
 
吉野「走らせたくない瀬戸熊さんが親で、ここから白を切ったのですが」
荒 「あーこれはね、僕の手じゃ瀬戸ちゃんの親を落とせないと思ったから、仕掛けた藤崎に落としてもらおうと思って切ったんだよ。」
一見、荒の手なら、他家に放銃しないように進めていくだけかと思う。
(優勝するための努力は何でもする!)
と言わんばかりに、白を打ち出し、藤崎に援護射撃したのだ。これには解説の滝沢さんもヒサトさんも驚いていた。
結果、その局のテーマでもある親落としならぬ、熊落としに成功する。
 
100
 
そして、荒さんご自身が、勝因の一局ではないかと挙げた局である。
瀬戸熊が初日を+35Pで首位につけ、迎えた2日目の5回戦。瀬戸熊の親番。
 
100
 
吉野「またしても瀬戸熊さんから早いリーチがきて、七巡目の五筒を仕掛けたんですが、僕はとても怖くて仕掛けられない。ですがこの時、荒さんの心理状態は、どうだったんですか?」
荒 「瀬戸熊さんの視線、打牌の音色から勝負手の匂いがした。この局をアガられたら負ける、そう感じた。だから勝負です。リーチの一発目(連盟Aルールに一発という役は無いが)に初物のダブ東を切って勝負したのがそれ」
吉野「あっ、ほんとですね。ボクにはマネができない・・・。(汗)」
 
100
 
吉野「うわー。この仕掛けで、瀬戸熊さんのアタリ牌である四索を食い流したんですね。」
荒 「持ってきた瞬間、食い下げた予感がした。まさかタンキ待ちとは思わなかったけど、両面マチの四索七索くらいで。でもこの手になったら、この後七索が来ても勝負のつもりだった。」
吉野「そして7,700直撃と。これはお見事ですね。このアガリ中々できる人いないと思います。」
荒 「これは出来すぎだけど戦う姿勢があったこと間違いなく、それが勝因の1つと言えるだろうね。」
そして、最後にどうしても触れておかなければならない局があります。
 
100
 
吉野「例の大三元です。」
荒 「白発中全部トイツから、1枚目の白をスルーしてアガッた局ね。これは昔からある大三元狙いの定石のようなもの。1つ目から鳴くと、相手の絞りがきついから2つ目は鳴けなくなる。だからスルーして、その間に三元牌の1つを暗刻にする。そしてそれから仕掛けた方が、役満の可能性がより高くなるというものです。」
吉野「それを平然とできるのも凄いです。後、少し気になったことがあったのですが、大三元テンパイした瞬間は荒さんって、緊張とかしないのですか?」
荒 「それがね、普段は緊張とかしないけどこの瞬間、30年ぶりに胸が高鳴った。珍しいなと思いながら相手の顔を見ながら打っていた。音が聞こえていないか心配で…でも大丈夫そうだった!」
吉野「(笑)!!!!!」
この半荘、見事大三元をアガリ、トータルポイントでも首位にたった荒は、一時は瀬戸熊に迫られるも、このまま逃げ切り、見事旧グランプリから通算3回目。グランプリMAXでは初の優勝となった。
そして、少し談笑していると、インタビューの控え室に、当日A1リーグで対局する忍者藤崎が!!!
 

100

 
吉野「あっ藤崎さんすいません。もうすぐグランプリのインタビューが終わるので。」
忍者「えっ、グランプリ?俺が振り込んだ大三元のインタビューか?(笑)」
吉野「そうではありません(笑)」
藤崎さん!急に何というギャグ(手裏剣)を投げてくるんだ!こっちはずっと下の後輩で、さらに大先輩の荒さんを前にして初めてのインタビューで緊張しているのだから、そのギャグもちゃんと拾えませんよ(泣)
無事に?忍者の手裏剣が心の隙間に刺さった所で、荒さんの、可愛らしい子供達を紹介していただきましょう!
 

100

白い犬は、ピレネーの雌のエマで8才。茶猫は雄のリュウで4才。

100

雄のバターです。11才。

100

リーチです。雄・9か月。

100

雌のタイラは最年長の18歳。

100

(一匹だけいる、どうしようもない狂犬。)

 
吉野「最後に、これを読んだ連盟の若手が参考になるような意見をきかせてください」
荒 「これからの麻雀は、映像の発達から結果を出す(勝つ)だけでなく、魅せる麻雀が求められる。魅せるとは、視聴者に感動を与えることです。感動は、磨かれた「技」と戦いの「姿勢」から生まれるもの。だとしたなら、日々の鍛練の照準はここに合わせるべきでしょう。魅せる麻雀が打てたら、結果(勝ち)は後からついてくるものです。」
現在、荒さんなどを筆頭に、30代、40代、50代、60代と、連盟にいる先輩方は“強い”。それなら果たして、今の20代はどうなのか?
今は他団体との対局でも活躍する先輩達がいるが、僕ら20代が10年後、20年後に他団体との対局で負けるのではないかと、正直不安の声でいっぱいだ。
そして、そんな若手を育成するため、先輩方自らが企画し、2、3年前に初めて若手勉強会が開かれた。
当時は森山会長も来て下さり、僕ら若手に叱咤激励をした後、若手達に質問をするよう投げかけた・・・。
当然、会長のお言葉の後に、ほとんどが手を挙げて質問する人はいなかったが、3人ほど手を挙げていた。
その内の1人が自分だった…。
「他団体には負けません、ぼくたちがんばります!(棒読み)」
何よりも悔しさから言ったのであるが、今思うと、恥ずかしいが良き思い出だ。
ただ、口先だけで言うのは誰でもできる。ボクら若者は、森山会長や荒さん達“レジェンド”を圧倒するぐらいの麻雀の「強さ」と「技」を身につけねばならない。
近年、麻雀の映像が増えてきた今が勝負である。我々の世代も視聴者に感動を与え、表現できることがいっぱいあるだろう。
自分が偉そうなことは言えないが、我々若手が意識改革することでプロ連盟、いや麻雀界の発展に大きく寄与できるはずである。
荒さん、何度目の優勝か数えきれないと思いますが、本当におめでとうございました。

100

第10期女流桜花第1節レポート 澤村 明日華

今から3年前、女流プロの増加に伴い、それまでAB2リーグ制から、女流桜花にもCリーグが新設されました。
そんな年に、新人としてプロ連盟の門を叩いた私は、もちろんCリーグからのスタート。
「年にたった一度だけの昇降級、残留や降級をすれば、またあの憧れの場所が遠くなる」
そんな思いを胸に、1年目はただ必死に、がむしゃらに前へと進んで掴んだBリーグへの椅子。

2年目も同じ気持ちで挑みましたが、結果は残留。
「あそこで正解を選べていたら」、「ラスを回避できていたら」、「あの放銃がなければ」、
そんな後悔でいっぱいの気持ちになりました。

もちろん、麻雀はそんなことの繰り返しが、結果となる数字として現れていることはわかります。
それでもなお、後悔の気持ちでいっぱいでした。

悔しさと後悔の念を胸に挑んだ、2期目のBリーグ。
最終節に、再び試練の時がきます。
上はほぼ当確ランプが灯り、Aリーグへの最後のチケット争い。
浮けば昇級が見えてくるし、沈みならほぼ残留という条件。
「去年のような後悔は、もうしたくない」、胃が痛くなるような戦いの末、最後の最後で桜花の女神が微笑んでくれました。

第10期女流桜花Aリーグ第1節
【清水香織・小宮山一美・和久津晶・澤村明日華】

初めての女流桜花Aリーグが、ニコニコ生放送対局となりました。
生放送対局は初めてでしたが、スタジオへはタイトル戦の採譜をするため、もう何度も通っていて、それでも対局者としてスタジオに入るのは初めてのこと。
いつもは機械ルームに入るはずの私が、選手控室に、そして対局室へと向かい、初めて来たかのような心持でした。

さて今回、雀力や雀歴、Aルールや生放送などの経験値や実力的に、圧倒的な差がある大先輩方との対局において、今回頭から離さなかったことの1つとして、以下のようなものがありました。

◎より一歩、踏み込んでもらうこと
ヤミテンを多用し、より一歩踏み込んでもらうことにより、押し引きの判断基準に誤差を生じさせ、放銃を増やしてもらうことが目的でした。
もちろんたとえばこれが、二階堂亜樹プロや、内田プロ、安田プロのように対応型や守備型に対する場合、有効とは言えないと思います。
ですが、今回のように容易に叩き合いが想像できる相手であれば、こういったヤミテンを嫌がるのではないか、と考えました。

この戦法が正しかったのか、間違っていたのか。
正しく使えていたのか、使えていなかったのか。

正直もう一度、いいえ、何度も見返してきちんと自分で消化する必要があると思います。
今回は、間違っていた部分も含め、自分自身整理をするために、当時の考えを書かせて頂こうと思います。

第1回戦を+8.3Pと浮きで終え、緊張はほぐれぬまま迎えた第2回戦。

東2局南家

五万六万六万七万八万一索二索三索五索五索二筒三筒四筒  ドラ三筒

ヤミテンを選択。
手変りがある、というのも十分な理由ではありますが、上記の戦法もあり、ヤミテンを選択。
その間にも変わっていく場面。
早い巡目に切られている一万を見て、「四万は香織さんと和久津さん?」
清水プロの中盤の手出し「八万九索九万」を見て、「スライドかな・・・あそこに七万が1枚?」
八万は見えているのに顔を出さない七万に覚える不信感。
そんな風なことを考え、感じていた記憶があります。

そんなところに持ってくる手変りの牌、五万
リーチをかければ出アガリ3,900、もしくは7,700、ツモアガリ2,000・4,000へと変化し、教科書にはリーチと書かれている手牌。
私の選択は、ヤミテン続行。

もちろん、打点効率を考えたら、リーチを打つことが自然でしょうし、私の読みや、感じ取っていたものが合っているのかという不安もあります。
だからこそ私も普段の鳳凰位リーグ戦では(対局者の打ち筋も絞られないし)、リーチを打つことが多いし、それは私の力でできるのはここまで、と決めて、これ以上自分が変に手をこねくり回さないようにするためでもあります。

結果、すっと切り出される七万。3,900点の出アガリとなりました。
もちろん、これはただの結果であって、正解だった、というわけではありません。
むしろ今振り返ってはたから見たら、リーチでしょう、と感じます。

こうしてヤミテンにかまえてしまった理由はいくつかあります。
ですが、戦法が正しいだとか、使いどころが間違っているとか、そんなことよりも、まずそこへ「不安」という自身の精神状態が加味してしまったのが、今後一番の懸念材料です。

「今期をどうやって戦っていくか」
その方針が曖昧だったために、「緊張」「不安」「恐怖」に飲まれて、何もできなかったこと。しなくていいことをしてしまったこと。
そんな準備不足だったと言える自分が、とても格好悪くてたまりません。
せっかくAリーグへあがれたのに、せっかくいろんな方からご声援を頂いたのに・・・。

4回戦が終わり、トータルは▲31.9P。
戦法・技術・精神状態に問題があったことは否めません。
正直、まだ自分の中で先日の対局を消化しきれてもいません。
次の自分の対局、第2節目(6月3日予定)までの約1か月半の間、何度も何度も繰り返し対局を振り返り、問題点を1つずつ消化していこうと思います。

今回ご覧くださった視聴者の皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

「生放送で対局なんて怖い!いやだー!」

対局以前にはそんなことを思っていましたが、自分のレベルアップになる機会を下さった運営陣の皆様に、そして、私自身の最初の桜花の対局に自戦記を書かせていただいて、文字にしてきちんと振り返るという方法を教えて下さった諸先輩方に、
この自戦記を書き終える今は、自身の足りないところを気づかせて下さったことへ、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。

自戦記だというのに、対局の内容が少なくなってしまった気もしますが・・・
次回、少しでも成長した澤村を見せることが出来るよう、ふんばっていきますので、次回も(本当は見られるの、やっぱり少し怖いですけど、)ご視聴よろしくお願いします!

貴重な時間を割き、最後までお読み下さり、ありがとうございました!

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第10期女流桜花第1節レポート 澤村 明日華

今から3年前、女流プロの増加に伴い、それまでAB2リーグ制から、女流桜花にもCリーグが新設されました。
そんな年に、新人としてプロ連盟の門を叩いた私は、もちろんCリーグからのスタート。
「年にたった一度だけの昇降級、残留や降級をすれば、またあの憧れの場所が遠くなる」
そんな思いを胸に、1年目はただ必死に、がむしゃらに前へと進んで掴んだBリーグへの椅子。
2年目も同じ気持ちで挑みましたが、結果は残留。
「あそこで正解を選べていたら」、「ラスを回避できていたら」、「あの放銃がなければ」、
そんな後悔でいっぱいの気持ちになりました。
もちろん、麻雀はそんなことの繰り返しが、結果となる数字として現れていることはわかります。
それでもなお、後悔の気持ちでいっぱいでした。
悔しさと後悔の念を胸に挑んだ、2期目のBリーグ。
最終節に、再び試練の時がきます。
上はほぼ当確ランプが灯り、Aリーグへの最後のチケット争い。
浮けば昇級が見えてくるし、沈みならほぼ残留という条件。
「去年のような後悔は、もうしたくない」、胃が痛くなるような戦いの末、最後の最後で桜花の女神が微笑んでくれました。
第10期女流桜花Aリーグ第1節
【清水香織・小宮山一美・和久津晶・澤村明日華】
初めての女流桜花Aリーグが、ニコニコ生放送対局となりました。
生放送対局は初めてでしたが、スタジオへはタイトル戦の採譜をするため、もう何度も通っていて、それでも対局者としてスタジオに入るのは初めてのこと。
いつもは機械ルームに入るはずの私が、選手控室に、そして対局室へと向かい、初めて来たかのような心持でした。
さて今回、雀力や雀歴、Aルールや生放送などの経験値や実力的に、圧倒的な差がある大先輩方との対局において、今回頭から離さなかったことの1つとして、以下のようなものがありました。
◎より一歩、踏み込んでもらうこと
ヤミテンを多用し、より一歩踏み込んでもらうことにより、押し引きの判断基準に誤差を生じさせ、放銃を増やしてもらうことが目的でした。
もちろんたとえばこれが、二階堂亜樹プロや、内田プロ、安田プロのように対応型や守備型に対する場合、有効とは言えないと思います。
ですが、今回のように容易に叩き合いが想像できる相手であれば、こういったヤミテンを嫌がるのではないか、と考えました。
この戦法が正しかったのか、間違っていたのか。
正しく使えていたのか、使えていなかったのか。
正直もう一度、いいえ、何度も見返してきちんと自分で消化する必要があると思います。
今回は、間違っていた部分も含め、自分自身整理をするために、当時の考えを書かせて頂こうと思います。
第1回戦を+8.3Pと浮きで終え、緊張はほぐれぬまま迎えた第2回戦。
東2局南家
五万六万六万七万八万一索二索三索五索五索二筒三筒四筒  ドラ三筒
ヤミテンを選択。
手変りがある、というのも十分な理由ではありますが、上記の戦法もあり、ヤミテンを選択。
その間にも変わっていく場面。
早い巡目に切られている一万を見て、「四万は香織さんと和久津さん?」
清水プロの中盤の手出し「八万九索九万」を見て、「スライドかな・・・あそこに七万が1枚?」
八万は見えているのに顔を出さない七万に覚える不信感。
そんな風なことを考え、感じていた記憶があります。
そんなところに持ってくる手変りの牌、五万
リーチをかければ出アガリ3,900、もしくは7,700、ツモアガリ2,000・4,000へと変化し、教科書にはリーチと書かれている手牌。
私の選択は、ヤミテン続行。
もちろん、打点効率を考えたら、リーチを打つことが自然でしょうし、私の読みや、感じ取っていたものが合っているのかという不安もあります。
だからこそ私も普段の鳳凰位リーグ戦では(対局者の打ち筋も絞られないし)、リーチを打つことが多いし、それは私の力でできるのはここまで、と決めて、これ以上自分が変に手をこねくり回さないようにするためでもあります。
結果、すっと切り出される七万。3,900点の出アガリとなりました。
もちろん、これはただの結果であって、正解だった、というわけではありません。
むしろ今振り返ってはたから見たら、リーチでしょう、と感じます。
こうしてヤミテンにかまえてしまった理由はいくつかあります。
ですが、戦法が正しいだとか、使いどころが間違っているとか、そんなことよりも、まずそこへ「不安」という自身の精神状態が加味してしまったのが、今後一番の懸念材料です。
「今期をどうやって戦っていくか」
その方針が曖昧だったために、「緊張」「不安」「恐怖」に飲まれて、何もできなかったこと。しなくていいことをしてしまったこと。
そんな準備不足だったと言える自分が、とても格好悪くてたまりません。
せっかくAリーグへあがれたのに、せっかくいろんな方からご声援を頂いたのに・・・。
4回戦が終わり、トータルは▲31.9P。
戦法・技術・精神状態に問題があったことは否めません。
正直、まだ自分の中で先日の対局を消化しきれてもいません。
次の自分の対局、第2節目(6月3日予定)までの約1か月半の間、何度も何度も繰り返し対局を振り返り、問題点を1つずつ消化していこうと思います。
今回ご覧くださった視聴者の皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
「生放送で対局なんて怖い!いやだー!」
対局以前にはそんなことを思っていましたが、自分のレベルアップになる機会を下さった運営陣の皆様に、そして、私自身の最初の桜花の対局に自戦記を書かせていただいて、文字にしてきちんと振り返るという方法を教えて下さった諸先輩方に、
この自戦記を書き終える今は、自身の足りないところを気づかせて下さったことへ、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。
自戦記だというのに、対局の内容が少なくなってしまった気もしますが・・・
次回、少しでも成長した澤村を見せることが出来るよう、ふんばっていきますので、次回も(本当は見られるの、やっぱり少し怖いですけど、)ご視聴よろしくお願いします!
貴重な時間を割き、最後までお読み下さり、ありがとうございました!

第99回『サバキの神髄⑥ 運のサバキ』 荒 正義

2回戦は出親が前回トップの沢崎で、順にともたけ・瀬戸熊・望月の並びである。
怖い親だから早めに落とそう、誰もがそう思っていたはずだ。
一番アガリが早そうに見えたのは望月。ドラが四索で、6巡目でこの手牌。

三万七万八万九万四索四索五索六索七索八索五筒六筒七筒  ツモ四筒  ドラ四索

ドラが雀頭としたら、くっつきテンパイの選択である。
ソーズの好形に手をかけないなら、ピンズか三万切りの選択。望月の捨て牌はこうだ。

東九万 上向き北二筒 上向き西

彼はここで三万切りを選択。牌の効率で受けの広さを重視したのだ。
これなら次のツモが懸念の三筒でも、受けが3面チャンの下図の手だ。

七万八万九万四索四索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒

振りテンだがリーチで、悠々ツモにかけられる。

彼の頭に描いた理想形はこれである。

七万八万九万四索四索六索七索八索四筒五筒六筒七筒八筒

七万八万九万四索五索六索七索八索四筒四筒五筒六筒七筒

この間に九万六万が変われば、申し分がない。
しかし、次のツモが裏目の四万。これなら三万を残せばこのテンパイが入っていた。

三万四万七万八万九万四索四索六索七索八索四筒五筒六筒

この時点で河には五万が2枚切られていたから、手変わりもあるしヤミテンに構えたはずだ。
それならともたけの二万をすぐに打ち取っていたのだ。

望月の選択は、ミスではなくただの指運。
しかし、これが沢崎に大きなチャンスを与えてしまった。
この時点で沢崎の手牌はまだこうだ。

六万七万八万二索三索五索六索一筒一筒三筒三筒六筒七筒

比べて望月はこう。

七万八万九万四索四索五索六索七索八索四筒五筒六筒七筒

シャンテン数も受けの広さも大差だが、望月が空ヤマを掘っている間に、沢崎が追いつきリーチが入る。
この河である。

白南東二万 上向き九筒 上向き六筒 上向き
九万 上向き四筒 上向き九索 上向き一筒 上向き一筒 上向き北

そして手牌がこうだ。

六万七万八万一索二索三索五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ

この時点で四索七索は1枚も出ておらず、ともたけの河に五索が2枚切られていたから手応えは十分。
望月は変わらずの1シャンテンのままである。
2巡後、沢崎が発をツモ切ると、それをともたけが下りポンしてテンパイを入れた。

四万五万六万二索四索七索八索九索五筒五筒  ポン発発発

すると望月に入るはずのドラの四索が、沢崎に流れて2,600オール。
鳴きがなければ望月のテンパイ形はこうだ。

七万八万九万四索四索四索五索六索七索八索五筒六筒七筒

残り山が少なかったとはいえ、リーチで十分に勝算があったのだ。
これがこの一局の結末である。

三万を残せばアガっていたし、鳴きがなければ勝っていただろう。
このことを知っているのは、もちろん望月だけである。その胸中やいかに―。

チャンスを逃せば、後に来るのがピンチだ。これが流れの常識。
では、沢崎の思いはどうか。1回戦目は+22.6Pのトップ。
そしてこの局、鳴きでドラが下がってアガれたことで確かな手応えを感じていたはずである。

沢崎の目標は鳳凰決定戦進出の一点である。
その得点の目安はプラス70Pから80Pである。
8節までの得点はわずか2.6Pの浮き。しかし9節の1戦目にトップを拾えたことで(これならいける―)と思ったはずだ。

続く1本場。
テンパイ一番乗りは、やはり好調の沢崎だった。9巡目にテンパイが入る。

五万七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒六筒七筒八筒  ドラ五万

ドラは五万だが、ここは焦らずヤミテン。ヤミテンの理由は2つ。
その1つは四万六万を引けば、好形の両面リーチが打てるからである。
もう1つは九筒引きの三色だ。これが沢崎の狙いの本命。
この時点で場には九筒が2枚切られていた。だが、沢崎は九筒を引いてもリーチは打たない。

五万七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒七筒八筒九筒

この形で息を殺し、じっと待つのだ。そう、真の狙いは二筒三筒を引いての純チャン三色である。

七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒二筒七筒八筒九筒

七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒三筒七筒八筒九筒

これならリーチで、高めなら跳満がある。これが沢崎の隙のない戦いの構想である。

しかし、この1巡の間に3枚目の九筒が切られた。そこでリーチだ。
ドラの出なんか当てにはしないが、相手をオロしツモに賭けたのだ。
これが沢崎の勝負の構想と、手牌の見切りである。

流れに勢いがあるからオロせば勝ちと、踏んだのだ。
タンキ待ちだが、それでも相当な自信があったはずだ。
確かに、この時点でドラの五万は2枚生きていた。
怖い親だから沢崎の思惑どおり、相手3人はしっかりと受けに回る。
しかし肝心の五万がなかなか姿を見せない。ツモる度に、萬の文字が見えると実況の白鳥が声を上げる。だがツモれない。

沢崎の最後のツモが三万で、ハイテイのともたけのツモが五万
一牌ずれていたら危なかったのだ。もう一牌は王牌(ワンパイ)の中だった。
これで沢崎の1人テンパイ。沢崎は機を見るのが敏で、戦いの主導権を握る手段は流石である。
彼の攻めはまだ続く。

2本場。7巡目で沢崎の手がこう。ドラは九索である。

一万二万三万五万六万六索七索九索三筒四筒五筒東東  ドラ九索

ここに対面の瀬戸熊からダブル風の東が出ると、これをポンして打六索
鳴かない手もあったし、単にアガリだけを目指すなら鳴いて九索切りもある。
しかし沢崎は、今の自分の運と勢いを信じ、最高の打点に照準を合わしたのである。

次のツモが東で加カン。リンシャン牌が六索だったが、踊るような牌捌きでツモ切る。
九索を切っていたら出アガリ3,900のテンパイだったが、そんな打点は眼中になしだ。
そして次のツモが、待望のドラの九索である。牌の来方で、この親マンのアガリはもう約束されたようなものだ。

一万二万三万五万六万九索九索三筒四筒五筒  ポン東東東

河も六索七索が、手出しで何とも不気味だ。

白九万 上向き七筒 上向き三索 上向き北八筒 上向き
北六索 上向き六索 上向き七索 上向き

ここにテンパイの入ったともたけから四万が出る。
一見、責められない放銃に見えるが果たしてどうか。
ともたけも沢崎の河から危険は察知していたはずである。

直撃12.600点で100ポイントあった2人の差は一気に詰まった。
この時点で四万七万は残り5枚。打たなくてもツモもられていたに違いない。
前局のドラのタンキのリーチと、この局の六索切りは、見事な沢崎の運のサバキである。

この後も沢崎は2,600オール(3本場)を決め、持ち点を6万点の大台に乗せた。

麻雀の最高の一打は、今の自分の「運」に見合った戦いをできるかどうかにある。
オリもサバキなら、攻めも「運のサバキ」である。
そしてそのサバキは、流れ善し悪しで打牌の強弱と角度をつけることが肝心。
これが取得できたら一つの「技」となるのだ。
打ち手の能力はこの「技」の数、引出しの多寡で決まるのだ。

2回戦が終わった時点で、この日の成績は次の通り。
沢崎   +60.0P
瀬戸熊   +4.8P
望月   ▲13.8P
ともたけ ▲51.0P

ともたけが大きく沈み、前回ラスの望月が浮きの2着をキープした。
沢崎がこのまま一気に突っ走るか見えたが、そう予想通りならないのがA1の卓である。

相手も状況に応じて変化する。
相手と自分の運と勢いを量り、対応するからである。これも「サバキ」である。

上級/第99回『サバキの神髄⑥ 運のサバキ』 荒 正義

2回戦は出親が前回トップの沢崎で、順にともたけ・瀬戸熊・望月の並びである。
怖い親だから早めに落とそう、誰もがそう思っていたはずだ。
一番アガリが早そうに見えたのは望月。ドラが四索で、6巡目でこの手牌。
三万七万八万九万四索四索五索六索七索八索五筒六筒七筒  ツモ四筒  ドラ四索
ドラが雀頭としたら、くっつきテンパイの選択である。
ソーズの好形に手をかけないなら、ピンズか三万切りの選択。望月の捨て牌はこうだ。
東九万 上向き北二筒 上向き西
彼はここで三万切りを選択。牌の効率で受けの広さを重視したのだ。
これなら次のツモが懸念の三筒でも、受けが3面チャンの下図の手だ。
七万八万九万四索四索六索七索八索三筒四筒五筒六筒七筒
振りテンだがリーチで、悠々ツモにかけられる。
彼の頭に描いた理想形はこれである。
七万八万九万四索四索六索七索八索四筒五筒六筒七筒八筒
七万八万九万四索五索六索七索八索四筒四筒五筒六筒七筒
この間に九万六万が変われば、申し分がない。
しかし、次のツモが裏目の四万。これなら三万を残せばこのテンパイが入っていた。
三万四万七万八万九万四索四索六索七索八索四筒五筒六筒
この時点で河には五万が2枚切られていたから、手変わりもあるしヤミテンに構えたはずだ。
それならともたけの二万をすぐに打ち取っていたのだ。
望月の選択は、ミスではなくただの指運。
しかし、これが沢崎に大きなチャンスを与えてしまった。
この時点で沢崎の手牌はまだこうだ。
六万七万八万二索三索五索六索一筒一筒三筒三筒六筒七筒
比べて望月はこう。
七万八万九万四索四索五索六索七索八索四筒五筒六筒七筒
シャンテン数も受けの広さも大差だが、望月が空ヤマを掘っている間に、沢崎が追いつきリーチが入る。
この河である。
白南東二万 上向き九筒 上向き六筒 上向き
九万 上向き四筒 上向き九索 上向き一筒 上向き一筒 上向き北
そして手牌がこうだ。
六万七万八万一索二索三索五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  リーチ
この時点で四索七索は1枚も出ておらず、ともたけの河に五索が2枚切られていたから手応えは十分。
望月は変わらずの1シャンテンのままである。
2巡後、沢崎が発をツモ切ると、それをともたけが下りポンしてテンパイを入れた。
四万五万六万二索四索七索八索九索五筒五筒  ポン発発発
すると望月に入るはずのドラの四索が、沢崎に流れて2,600オール。
鳴きがなければ望月のテンパイ形はこうだ。
七万八万九万四索四索四索五索六索七索八索五筒六筒七筒
残り山が少なかったとはいえ、リーチで十分に勝算があったのだ。
これがこの一局の結末である。
三万を残せばアガっていたし、鳴きがなければ勝っていただろう。
このことを知っているのは、もちろん望月だけである。その胸中やいかに―。
チャンスを逃せば、後に来るのがピンチだ。これが流れの常識。
では、沢崎の思いはどうか。1回戦目は+22.6Pのトップ。
そしてこの局、鳴きでドラが下がってアガれたことで確かな手応えを感じていたはずである。
沢崎の目標は鳳凰決定戦進出の一点である。
その得点の目安はプラス70Pから80Pである。
8節までの得点はわずか2.6Pの浮き。しかし9節の1戦目にトップを拾えたことで(これならいける―)と思ったはずだ。
続く1本場。
テンパイ一番乗りは、やはり好調の沢崎だった。9巡目にテンパイが入る。
五万七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒六筒七筒八筒  ドラ五万
ドラは五万だが、ここは焦らずヤミテン。ヤミテンの理由は2つ。
その1つは四万六万を引けば、好形の両面リーチが打てるからである。
もう1つは九筒引きの三色だ。これが沢崎の狙いの本命。
この時点で場には九筒が2枚切られていた。だが、沢崎は九筒を引いてもリーチは打たない。
五万七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒七筒八筒九筒
この形で息を殺し、じっと待つのだ。そう、真の狙いは二筒三筒を引いての純チャン三色である。
七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒二筒七筒八筒九筒
七万八万九万七索八索九索一筒一筒一筒三筒七筒八筒九筒
これならリーチで、高めなら跳満がある。これが沢崎の隙のない戦いの構想である。
しかし、この1巡の間に3枚目の九筒が切られた。そこでリーチだ。
ドラの出なんか当てにはしないが、相手をオロしツモに賭けたのだ。
これが沢崎の勝負の構想と、手牌の見切りである。
流れに勢いがあるからオロせば勝ちと、踏んだのだ。
タンキ待ちだが、それでも相当な自信があったはずだ。
確かに、この時点でドラの五万は2枚生きていた。
怖い親だから沢崎の思惑どおり、相手3人はしっかりと受けに回る。
しかし肝心の五万がなかなか姿を見せない。ツモる度に、萬の文字が見えると実況の白鳥が声を上げる。だがツモれない。
沢崎の最後のツモが三万で、ハイテイのともたけのツモが五万
一牌ずれていたら危なかったのだ。もう一牌は王牌(ワンパイ)の中だった。
これで沢崎の1人テンパイ。沢崎は機を見るのが敏で、戦いの主導権を握る手段は流石である。
彼の攻めはまだ続く。
2本場。7巡目で沢崎の手がこう。ドラは九索である。
一万二万三万五万六万六索七索九索三筒四筒五筒東東  ドラ九索
ここに対面の瀬戸熊からダブル風の東が出ると、これをポンして打六索
鳴かない手もあったし、単にアガリだけを目指すなら鳴いて九索切りもある。
しかし沢崎は、今の自分の運と勢いを信じ、最高の打点に照準を合わしたのである。
次のツモが東で加カン。リンシャン牌が六索だったが、踊るような牌捌きでツモ切る。
九索を切っていたら出アガリ3,900のテンパイだったが、そんな打点は眼中になしだ。
そして次のツモが、待望のドラの九索である。牌の来方で、この親マンのアガリはもう約束されたようなものだ。
一万二万三万五万六万九索九索三筒四筒五筒  ポン東東東
河も六索七索が、手出しで何とも不気味だ。
白九万 上向き七筒 上向き三索 上向き北八筒 上向き
北六索 上向き六索 上向き七索 上向き
ここにテンパイの入ったともたけから四万が出る。
一見、責められない放銃に見えるが果たしてどうか。
ともたけも沢崎の河から危険は察知していたはずである。
直撃12.600点で100ポイントあった2人の差は一気に詰まった。
この時点で四万七万は残り5枚。打たなくてもツモもられていたに違いない。
前局のドラのタンキのリーチと、この局の六索切りは、見事な沢崎の運のサバキである。
この後も沢崎は2,600オール(3本場)を決め、持ち点を6万点の大台に乗せた。
麻雀の最高の一打は、今の自分の「運」に見合った戦いをできるかどうかにある。
オリもサバキなら、攻めも「運のサバキ」である。
そしてそのサバキは、流れ善し悪しで打牌の強弱と角度をつけることが肝心。
これが取得できたら一つの「技」となるのだ。
打ち手の能力はこの「技」の数、引出しの多寡で決まるのだ。
2回戦が終わった時点で、この日の成績は次の通り。
沢崎   +60.0P
瀬戸熊   +4.8P
望月   ▲13.8P
ともたけ ▲51.0P
ともたけが大きく沈み、前回ラスの望月が浮きの2着をキープした。
沢崎がこのまま一気に突っ走るか見えたが、そう予想通りならないのがA1の卓である。
相手も状況に応じて変化する。
相手と自分の運と勢いを量り、対応するからである。これも「サバキ」である。