第46期 北海道プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 最終節 合計
優勝 真光 祐尚 22.0 52.8 61.8 106.2 57.0 289.8
準優勝 中村 瞬 ▲ 9.8 21.4 70.5 52.7 31.7 1.6 168.1
3 浦山 祐輔 60.2 ▲ 7.5 56.4 63.7 26.0 ▲ 72.0 126.8
4 喜多 清貴 48.2 1.8 23.3 ▲ 22.0 58.8 110.1
5 須賀 智博 28.2 12.4 ▲ 35.8 42.8 ▲ 24.2 52.9 76.3
6 三盃 貴之 ▲ 32.0 25.1 ▲ 39.7 45.0 19.6 57.2 75.2
7 市川 敦士 12.3 ▲ 21.7 56.4 25.9 ▲ 23.7 39.2
8 西野 拓也 19.8 18.5 ▲ 22.7 ▲ 19.7 41.1 ▲ 20.9 16.1
9 加藤 晋平 ▲ 6.2 14.1 26.6 14.0 7.4 ▲ 33.1 22.8
10 野々川 博之 5.1 ▲ 16.4 10.5 ▲ 43.4 37.8 17.9 11.5
11 中村 龍太 ▲ 22.7 ▲ 12.5 51.5 23.9 ▲ 104.7 67.8 3.3
12 村上 良 17.5 20.5 29.9 ▲ 41.5 ▲ 21.0 ▲ 8.6 ▲ 3.2
13 石田 雅人 ▲ 38.1 22.5 15.6 ▲ 36.6 11.5 ▲ 11.5 ▲ 36.6
14 厚谷 昇汰 ▲ 23.9 ▲ 7.2 ▲ 13.8 19.4 ▲ 45.5
15 平島 誉久 ▲ 45.8 ▲ 5.4 5.6 ▲ 66.7 29.6 32.4 ▲ 50.3
16 瀬口 隆弘 ▲ 0.8 ▲ 50.8
17 藤原 洋一 5.1 27.8 ▲ 18.4 ▲ 23.9 ▲ 35.3 ▲ 54.7
18 土橋 篤 5.2 ▲ 20.2 66.6 ▲ 24.4 ▲ 33.6 ▲ 42.2 ▲ 68.6
19 三盃 志 4.0 26.6 ▲ 25.9 26.4 ▲ 63.8 ▲ 44.6 ▲ 77.3
20 小川 和香奈 ▲ 18.0 ▲ 23.4 ▲ 33.9 32.9 ▲ 25.4 ▲ 11.5 ▲ 79.3
21 吉木 輝 23.9 ▲ 75.1 ▲ 68.2 ▲ 139.4
22 砂原 裕美子 0.8 ▲ 33.9 ▲ 40.3 ▲ 77.3 ▲ 53.5 ▲ 204.2
23 佐藤 賢忠 ▲ 44.7 ▲ 47.8 ▲ 43.2 ▲ 71.2 ▲ 246.9

プロリーグ
最終節は第5節終了時上位より卓組みをし、順位を決するものとする。

第2期スキルアップリーグ

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 第7節 第8節 第9節 第10節 第11節 最終節 合計
1 石田 雅人 16.3 0.8 61.5 ▲ 65.9 ▲ 20.7 77.2             69.2
2 中村 瞬 13.3 25.6 5.9 48.9 ▲ 1.2 ▲ 30.6             61.9
3 浦山 祐輔 ▲ 9.3 49.8 ▲ 39.3 2.9 19.5 ▲ 22.2             1.4
4 吉木 輝 23.7 ▲ 44.0 ▲ 3.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0             ▲ 38.3
5 瀬口 隆弘 ▲ 29.5 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0             ▲ 54.5
6 西野 拓也 ▲ 15.6 ▲ 32.2 ▲ 25.1 11.1 2.4 ▲ 5.0             ▲ 84.4

北海道プロリーグ 成績表/第46期 北海道プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 最終節 合計
優勝 真光 祐尚 22.0 52.8 61.8 106.2 57.0 289.8
準優勝 中村 瞬 ▲ 9.8 21.4 70.5 52.7 31.7 1.6 168.1
3 浦山 祐輔 60.2 ▲ 7.5 56.4 63.7 26.0 ▲ 72.0 126.8
4 喜多 清貴 48.2 1.8 23.3 ▲ 22.0 58.8 110.1
5 須賀 智博 28.2 12.4 ▲ 35.8 42.8 ▲ 24.2 52.9 76.3
6 三盃 貴之 ▲ 32.0 25.1 ▲ 39.7 45.0 19.6 57.2 75.2
7 市川 敦士 12.3 ▲ 21.7 56.4 25.9 ▲ 23.7 39.2
8 西野 拓也 19.8 18.5 ▲ 22.7 ▲ 19.7 41.1 ▲ 20.9 16.1
9 加藤 晋平 ▲ 6.2 14.1 26.6 14.0 7.4 ▲ 33.1 22.8
10 野々川 博之 5.1 ▲ 16.4 10.5 ▲ 43.4 37.8 17.9 11.5
11 中村 龍太 ▲ 22.7 ▲ 12.5 51.5 23.9 ▲ 104.7 67.8 3.3
12 村上 良 17.5 20.5 29.9 ▲ 41.5 ▲ 21.0 ▲ 8.6 ▲ 3.2
13 石田 雅人 ▲ 38.1 22.5 15.6 ▲ 36.6 11.5 ▲ 11.5 ▲ 36.6
14 厚谷 昇汰 ▲ 23.9 ▲ 7.2 ▲ 13.8 19.4 ▲ 45.5
15 平島 誉久 ▲ 45.8 ▲ 5.4 5.6 ▲ 66.7 29.6 32.4 ▲ 50.3
16 瀬口 隆弘 ▲ 0.8 ▲ 50.8
17 藤原 洋一 5.1 27.8 ▲ 18.4 ▲ 23.9 ▲ 35.3 ▲ 54.7
18 土橋 篤 5.2 ▲ 20.2 66.6 ▲ 24.4 ▲ 33.6 ▲ 42.2 ▲ 68.6
19 三盃 志 4.0 26.6 ▲ 25.9 26.4 ▲ 63.8 ▲ 44.6 ▲ 77.3
20 小川 和香奈 ▲ 18.0 ▲ 23.4 ▲ 33.9 32.9 ▲ 25.4 ▲ 11.5 ▲ 79.3
21 吉木 輝 23.9 ▲ 75.1 ▲ 68.2 ▲ 139.4
22 砂原 裕美子 0.8 ▲ 33.9 ▲ 40.3 ▲ 77.3 ▲ 53.5 ▲ 204.2
23 佐藤 賢忠 ▲ 44.7 ▲ 47.8 ▲ 43.2 ▲ 71.2 ▲ 246.9

プロリーグ
最終節は第5節終了時上位より卓組みをし、順位を決するものとする。
第2期スキルアップリーグ

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 第7節 第8節 第9節 第10節 第11節 最終節 合計
1 石田 雅人 16.3 0.8 61.5 ▲ 65.9 ▲ 20.7 77.2             69.2
2 中村 瞬 13.3 25.6 5.9 48.9 ▲ 1.2 ▲ 30.6             61.9
3 浦山 祐輔 ▲ 9.3 49.8 ▲ 39.3 2.9 19.5 ▲ 22.2             1.4
4 吉木 輝 23.7 ▲ 44.0 ▲ 3.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0             ▲ 38.3
5 瀬口 隆弘 ▲ 29.5 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 5.0             ▲ 54.5
6 西野 拓也 ▲ 15.6 ▲ 32.2 ▲ 25.1 11.1 2.4 ▲ 5.0             ▲ 84.4

第93回『態勢的な打ち方②』 猿川 真寿

前回の続きになります。
残りの2者の打ち方について考えてみる。
3番手の配牌。

六万九万九万一索二索三索八索一筒二筒五筒五筒東発  ドラ三索

いい配牌なので少し考察してみたいと思う

実際の第一ツモは発だったが、仮にツモ八筒とした場合、Aルールにおいて、実に悩ましい手である。チャンタにするか、真っ直ぐアガリを目指すかの選択はどちらも自然だからである。

ドラがなければチャンタにするほうが自然。東発西北だとしたら、さらに難しくなる。
私はこういう判断をするときに、態勢で決める。
態勢がいいときは、アガリ逃しが緩手になりやすく、隙になりやすいので、発から打ち出す。

逆に悪いときは、速度的に不安があるので五筒のトイツ落としで、急速な場の変化をつけないようにする。

3番手のときはどうであろうか?
持ち点=態勢値とするならば、そこまでの差はないように思える。

TV対局のような短期決戦であれば、アガリ逃しは緩手。
リーグ戦ならほぼ五筒切り。

タ―ツの形が弱いので、役牌を鳴かれた時の対応が難しくなる。
一筒二筒ではなく二筒三筒であったのなら、とりあえず発を切って東は手牌の進行具合で手放すタイミングを計ることになりそうだ。

 

100

 

発が重なって、手牌が大分引き締まったが、ここもかなり難しい選択。
打牌候補は東八索五筒だろうか?
態勢が4人の中で1番悪ければ、私なら受けに徹した六万切りをしてもいいと思える。

上家の東切りを見て、局のテーマで打牌が決まりそうだ。
言えることは、態勢のいい親にたいして東を切りやすくなった事と、発を切らずに済んだという事で、展開は悪くないと感じる。

 

100

 

白の仕掛けが入って一気に中盤になった。
ここは自分も前に出て、態勢のいい親を落としにかかる。
親がテンパイしたなと感じるぐらいまでは押していい。
いかに態勢のいい人を楽に打たせないところが大事なのである。

 

100

 

4着目からリーチが入った。
下家が仕掛けているのにも関わらず、真っ直ぐテンパイを目指してきているので好形か打点があるというところだろう。

態勢的にはアガれなさそうに感じるが、仕掛け者の手出し牌の回数が多いので、奇襲の可能性が高い。
よって、4着目のアガリを誘発しているかもしれないので注意は必要になる。

加えてこの後で大事なことは1番手の動向である。
真っ直ぐ立ち向かわれてアガリを取られた場合は、2人がかりでも止めれない程の態勢の差がついているので、その後の戦い方に更なるマークが必要になる。

最後に4番手について考えてみよう。

配牌は
一万三万四万五万二索四索八索八索九索南南南中  ドラ三索

ドラのカン三索がネックではあるが、自風の南が暗刻でかなりの好配牌。
満貫級のアガリが見込めるので、なんとかものにしたいところ。

下家から仕掛けが入ったが、このツモで好形テンパイになる可能性が出たので、ここは真っ直ぐいく。

仮に二万が出たとしても仕掛けるのはお勧めしない。
態勢や展開が悪いとどうしても焦って、一度アガリを拾いに行きたくなるが、本当にどうしても落としたい親や高い手を張っている気配がある時ならばその選択もアリだとは思うが。

しかしそれでも、結局次に繋がるアガリにならなそうなので微妙かもしれない。
エネルギーの無駄遣いになりそうだ。

エネルギーは基本、遣うものではなく、遣わせるものであるのだから。

 

100

 

順調にツモがきいてテンパイが入った。
三索六索待ちがいい理由は1つもないが、ドラでの放銃がないのでリーチといくのが自然であろう。
ただ、弱気に映るかもしれないが、態勢が悪いのでヤミテンの選択も十分ある。

Aルールにおいて、絶対にリーチという局面は極めて少ない。
今回のケースは、仕掛けが入ったことが後押しするので、私もリーチという選択にすると思う。
これで、4者の態勢別の打ち方というよりかは考え方になってしまったが、なんとなくお分かりいただけたであろうか?

最後に終局図を見てみる。

 

100

 

3番手の北家が仕掛けとリーチを無理なくうまくかわした。
俗に言ういいアガリであろう。態勢が上がるというよりは展開が向いてきたという印象。
西家は親落としがテーマの奇襲だったので成功ということになる。

しかし、考えてみてほしい。
この局、誰が1番得をしたのだろうか・・・?
私には態勢のいい東家にしか思えない。
全くアガレそうにない局が、最小限のリスクだけで終わってしまったのである。

態勢がいい=手が入るわけではない。
エネルギーを無駄に遣わない展開になるから、態勢がいいのだ。

今回の牌譜は、タイトル戦の途中の局から引用したので、当然そこまでのポイントもふまえた麻雀になっている。

よってリーグ戦での打牌とは異なるのは仕方が無い。
決して選手たちの揚げ足を取りたいわけではないのでご了承頂きたい。

次回は「最終話 復習問題」です。

上級/第93回『態勢的な打ち方②』 猿川 真寿

前回の続きになります。
残りの2者の打ち方について考えてみる。
3番手の配牌。
六万九万九万一索二索三索八索一筒二筒五筒五筒東発  ドラ三索
いい配牌なので少し考察してみたいと思う
実際の第一ツモは発だったが、仮にツモ八筒とした場合、Aルールにおいて、実に悩ましい手である。チャンタにするか、真っ直ぐアガリを目指すかの選択はどちらも自然だからである。
ドラがなければチャンタにするほうが自然。東発西北だとしたら、さらに難しくなる。
私はこういう判断をするときに、態勢で決める。
態勢がいいときは、アガリ逃しが緩手になりやすく、隙になりやすいので、発から打ち出す。
逆に悪いときは、速度的に不安があるので五筒のトイツ落としで、急速な場の変化をつけないようにする。
3番手のときはどうであろうか?
持ち点=態勢値とするならば、そこまでの差はないように思える。
TV対局のような短期決戦であれば、アガリ逃しは緩手。
リーグ戦ならほぼ五筒切り。
タ―ツの形が弱いので、役牌を鳴かれた時の対応が難しくなる。
一筒二筒ではなく二筒三筒であったのなら、とりあえず発を切って東は手牌の進行具合で手放すタイミングを計ることになりそうだ。
 
100
 
発が重なって、手牌が大分引き締まったが、ここもかなり難しい選択。
打牌候補は東八索五筒だろうか?
態勢が4人の中で1番悪ければ、私なら受けに徹した六万切りをしてもいいと思える。
上家の東切りを見て、局のテーマで打牌が決まりそうだ。
言えることは、態勢のいい親にたいして東を切りやすくなった事と、発を切らずに済んだという事で、展開は悪くないと感じる。
 
100
 
白の仕掛けが入って一気に中盤になった。
ここは自分も前に出て、態勢のいい親を落としにかかる。
親がテンパイしたなと感じるぐらいまでは押していい。
いかに態勢のいい人を楽に打たせないところが大事なのである。
 
100
 
4着目からリーチが入った。
下家が仕掛けているのにも関わらず、真っ直ぐテンパイを目指してきているので好形か打点があるというところだろう。
態勢的にはアガれなさそうに感じるが、仕掛け者の手出し牌の回数が多いので、奇襲の可能性が高い。
よって、4着目のアガリを誘発しているかもしれないので注意は必要になる。
加えてこの後で大事なことは1番手の動向である。
真っ直ぐ立ち向かわれてアガリを取られた場合は、2人がかりでも止めれない程の態勢の差がついているので、その後の戦い方に更なるマークが必要になる。
最後に4番手について考えてみよう。
配牌は
一万三万四万五万二索四索八索八索九索南南南中  ドラ三索
ドラのカン三索がネックではあるが、自風の南が暗刻でかなりの好配牌。
満貫級のアガリが見込めるので、なんとかものにしたいところ。
下家から仕掛けが入ったが、このツモで好形テンパイになる可能性が出たので、ここは真っ直ぐいく。
仮に二万が出たとしても仕掛けるのはお勧めしない。
態勢や展開が悪いとどうしても焦って、一度アガリを拾いに行きたくなるが、本当にどうしても落としたい親や高い手を張っている気配がある時ならばその選択もアリだとは思うが。
しかしそれでも、結局次に繋がるアガリにならなそうなので微妙かもしれない。
エネルギーの無駄遣いになりそうだ。
エネルギーは基本、遣うものではなく、遣わせるものであるのだから。
 
100
 
順調にツモがきいてテンパイが入った。
三索六索待ちがいい理由は1つもないが、ドラでの放銃がないのでリーチといくのが自然であろう。
ただ、弱気に映るかもしれないが、態勢が悪いのでヤミテンの選択も十分ある。
Aルールにおいて、絶対にリーチという局面は極めて少ない。
今回のケースは、仕掛けが入ったことが後押しするので、私もリーチという選択にすると思う。
これで、4者の態勢別の打ち方というよりかは考え方になってしまったが、なんとなくお分かりいただけたであろうか?
最後に終局図を見てみる。
 
100
 
3番手の北家が仕掛けとリーチを無理なくうまくかわした。
俗に言ういいアガリであろう。態勢が上がるというよりは展開が向いてきたという印象。
西家は親落としがテーマの奇襲だったので成功ということになる。
しかし、考えてみてほしい。
この局、誰が1番得をしたのだろうか・・・?
私には態勢のいい東家にしか思えない。
全くアガレそうにない局が、最小限のリスクだけで終わってしまったのである。
態勢がいい=手が入るわけではない。
エネルギーを無駄に遣わない展開になるから、態勢がいいのだ。
今回の牌譜は、タイトル戦の途中の局から引用したので、当然そこまでのポイントもふまえた麻雀になっている。
よってリーグ戦での打牌とは異なるのは仕方が無い。
決して選手たちの揚げ足を取りたいわけではないのでご了承頂きたい。
次回は「最終話 復習問題」です。

第31期A1リーグ第6節レポート ともたけ 雅晴

秋の気配が感じられる今日この頃ですが、リーグ戦のほうは決定戦へ向けてこれからが佳境を迎える夏本番といった後半戦に突入。

前半戦を終えて、成績のほうは好位置に付けて申し分無いのですが、ちょっと気になることが…
それは後半で書くとして、今節の対戦者は1回戦の起家から瀬戸熊、柴田、前田、ともたけ。

1回戦東1局

配牌
二万一索一索八索八索九索一筒五筒東東白発発  ドラ西

いきなり最初のツモで白を持ってきたので、ソーズのホンイツに向かって発進。
5巡目に発を暗刻にして7巡目、親の瀬戸熊が打った白をポンして1シャンテン。

次巡、発九索をツモってきて倍満まで見込める形になりワクワクしていたら、10巡目に瀬戸熊の打った五筒を柴田が六筒七筒でチー、次巡の五筒でツモと発声。
開けられた手牌は

三筒三筒三筒四筒七筒八筒九筒西西西  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き

ホンイツドラ3の2,000・4,000。
対局中は「柴田君も良い手が入ってたんだな」くらいにしか思わず、感触も悪く感じなかったのですが、後で放送を見て「あっ!やっちゃった」とガッカリ。

自分の白ポンで、本来前田に入るドラ2枚が柴田に流れ、自分も七対子のテンパイをする発九索を前田に流した結果、柴田のアガリに結びついたのである。

ポンを我慢した時にどういう結果になったかはわからないが・・

3回戦東3局1本場の親番では、

二万一索三索三索四索四索五索九索東西西発発中  ドラ四筒

この絶好の配牌で、7巡目に

三索三索四索四索五索五索八索九索西西発発中

ツモ中八索で、メンホン七対子をテンパイ。
ヤミテンにしていればすぐにアガれるだろうと思っていたら、前田からリーチ。
11巡目に中をツモってきて待ちをシャンポンに変えたら九索

四万五万六万七索八索一筒一筒一筒四筒四筒四筒五筒六筒  リーチ

このリーチドラ3に放銃。
中をツモ切ろうかとも思ったのだが、九索待ちのままだとリーチが入ってる状況では出アガリは期待できないし、山に無いのではという思い(実は3枚とも山にあった)もあり変えて放銃となった。

しかし、東4局1本場では

二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒九筒西  ドラ一索

この1シャンテンに六筒をツモってきて、六筒九筒待ちと形は悪いが、「まだテンパイしていない」と思った瀬戸熊の打った九筒でロン。
途中、上家から一筒七筒が出たが、九筒のポン以外はしないと決めていたので見送る。

結果は、今節もプラスすることができたが、始めに書いた気になること…
既に気づいてる方もいるとは思うが、今期は何故かソーズの一色手がアガれないのです。

残り4節、一度くらいはアガれると思っているのですが…
それよりも、久しぶりとなる決定戦のシートを確保できるよう頑張りたいと思います。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A1リーグ第6節レポート ともたけ 雅晴

秋の気配が感じられる今日この頃ですが、リーグ戦のほうは決定戦へ向けてこれからが佳境を迎える夏本番といった後半戦に突入。
前半戦を終えて、成績のほうは好位置に付けて申し分無いのですが、ちょっと気になることが…
それは後半で書くとして、今節の対戦者は1回戦の起家から瀬戸熊、柴田、前田、ともたけ。
1回戦東1局
配牌
二万一索一索八索八索九索一筒五筒東東白発発  ドラ西
いきなり最初のツモで白を持ってきたので、ソーズのホンイツに向かって発進。
5巡目に発を暗刻にして7巡目、親の瀬戸熊が打った白をポンして1シャンテン。
次巡、発九索をツモってきて倍満まで見込める形になりワクワクしていたら、10巡目に瀬戸熊の打った五筒を柴田が六筒七筒でチー、次巡の五筒でツモと発声。
開けられた手牌は
三筒三筒三筒四筒七筒八筒九筒西西西  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き
ホンイツドラ3の2,000・4,000。
対局中は「柴田君も良い手が入ってたんだな」くらいにしか思わず、感触も悪く感じなかったのですが、後で放送を見て「あっ!やっちゃった」とガッカリ。
自分の白ポンで、本来前田に入るドラ2枚が柴田に流れ、自分も七対子のテンパイをする発九索を前田に流した結果、柴田のアガリに結びついたのである。
ポンを我慢した時にどういう結果になったかはわからないが・・
3回戦東3局1本場の親番では、
二万一索三索三索四索四索五索九索東西西発発中  ドラ四筒
この絶好の配牌で、7巡目に
三索三索四索四索五索五索八索九索西西発発中
ツモ中八索で、メンホン七対子をテンパイ。
ヤミテンにしていればすぐにアガれるだろうと思っていたら、前田からリーチ。
11巡目に中をツモってきて待ちをシャンポンに変えたら九索
四万五万六万七索八索一筒一筒一筒四筒四筒四筒五筒六筒  リーチ
このリーチドラ3に放銃。
中をツモ切ろうかとも思ったのだが、九索待ちのままだとリーチが入ってる状況では出アガリは期待できないし、山に無いのではという思い(実は3枚とも山にあった)もあり変えて放銃となった。
しかし、東4局1本場では
二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒九筒西  ドラ一索
この1シャンテンに六筒をツモってきて、六筒九筒待ちと形は悪いが、「まだテンパイしていない」と思った瀬戸熊の打った九筒でロン。
途中、上家から一筒七筒が出たが、九筒のポン以外はしないと決めていたので見送る。
結果は、今節もプラスすることができたが、始めに書いた気になること…
既に気づいてる方もいるとは思うが、今期は何故かソーズの一色手がアガれないのです。
残り4節、一度くらいはアガれると思っているのですが…
それよりも、久しぶりとなる決定戦のシートを確保できるよう頑張りたいと思います。

第31期十段戦 優勝者予想

正解者の中から抽選で1名の方に、第31期十段位獲得後の直筆サインをプレゼント致します。
また、応募された方の中から抽選で2名の方に、決勝進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。

応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。

※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。

なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。

締め切り:2014年9月26日(金)

番号 名前
段位
プロフィール 仁平 山井 松崎 中村 西島 吾妻
1

瀬戸熊直樹
八段
第26・27・29期鳳凰位
第28・29期十段位 他多数
ロン2プロフィールはこちら
2

前原雄大
九段
第12、25期 鳳凰位
第14、15、24、25、26期 十段位
グランプリ2008 優勝 他多数
ロン2プロフィールはこちら
3

藤崎智
八段
第16期十段位
第3、5、6回 日本オープン 優勝 グランプリ2005 優勝 他多数
ロン2プロフィールはこちら
4

柴田弘幸
六段
第25、26期 鳳凰戦 3位
ロン2プロフィールはこちら
5

櫻井秀樹
四段
ロン2プロフィールはこちら

 

予想とコメント

荒正義

瀬戸熊を含めた前原、藤崎の3名は、経験と実績で誰が勝ってもおかしくない打ち手。
しかし今回は、あえて前原を本命としました。
今年の「十段」戦に賭ける彼の情熱は半端ではありません。
何が彼にそうさせたのか、それはともかくその打荘数は優に半荘300回を超えるでしょう。
その鍛錬を買います。展開が前原と瀬戸熊のたたき合いになれば一方が浮き、もう一方が沈むのは物の道理。
そこに出てくるのがサバキの名手・藤崎でしょう。
そこに若い櫻井・柴田がどこまで割って入るか、これも見ものです。

◎ 前原雄大
〇 藤崎智

仁平宣明

連盟初の快挙となる4連覇がかかる瀬戸熊で期待したい所だが、今年の決勝戦のメンバーは全員Aリーガーという誰が勝ってもおかしくないメンバー構成となった。
僕は今回のメンバーを見て、実力差が紙一重なので展開よりも勢いを重視し予想してみた。
ベスト16、8と接戦の末、辛勝してきた柴田が歴戦の強者を相手に、初のタイトルに輝くのではないかと予想する。
対抗は、予選の勝ち方が圧巻だった前原。今期鳳凰戦のスタートは、昨年のA1からの陥落の影響からか苦戦をしいられたが、徐々に調子を取り戻し、ここ何回かの対局を見ていると、さらにパワーアップしたのではないかと思う。

◎ 柴田弘幸
〇 前原雄大

山井弘

ここにきて、絶対王者である瀬戸熊が調子を崩していると見る。
ただ、それでも最後は優勝に絡んでくるのではないかと思うが、ベスト16の柴田の内容が非常に良かったので対抗に推す。
本命は前原。プロリーグでも戦ったが、今の前原には勝てる気がしない。
どんな展開になっても、最後まで優勝争いの中にいるような気がする。
藤崎はもちろんあるが、プロリーグに出ていない分、若干、実戦不足は否めない。
櫻井は、初のタイトル戦決勝という大舞台で、普段通り戦えることができれば可能性あり。

◎ 前原雄大
〇 柴田弘幸

松崎良文

印は2つまで、との御下命にて、苦渋の選択。
5人の中で最も雀風が(風貌も)近いと思われる藤崎プロが勝つことで、私自身の決勝での優勝パターンをイメージする参考にさせて頂きたく、本命に。不純御免。
対抗は、必勝を公言した準決勝で見事な圧勝を遂げた櫻井プロで。
もちろん、瀬戸熊プロの4連覇、前原プロの復位、柴田プロの初載冠にも期待しております。激闘必至。

◎ 藤崎智
〇 櫻井秀樹

中村毅

本命は、瀬戸熊直樹八段A1。
昨年度の鳳凰位決定戦は藤崎プロに敗れたが、今期のリーグ戦の成績は安定した強さがある。
今回は、前人未到の4連覇も掛かっているため気合いは十分。
対抗には、前原雄大九段A2を押したい。
過去に5度も十段位になり、永世十段ともいえる実績と相性の良いタイトル戦で、久しぶりに返り咲いてもらいたい。と、勝手な予想だが、誰が勝つにしろ見応えたっぷりの面白い対局が見れると思うので、今からとても楽しみだ。

◎ 瀬戸熊直樹
〇 前原雄大

西島一彦

瀬戸熊プロは鋭い攻撃力を秘めている上に、今期もっとも安定した戦いぶりで、鳳凰位戦でもトップを走っており、優勝に一番近いと思います。
一方藤崎プロは、あの飄々とした戦いぶりで、猛虎前原プロ、若手トップクラスの柴田プロ、櫻井プロの攻撃をかわし、瀬戸熊プロにせまるのではないでしょうか。

◎ 瀬戸熊直樹
〇 藤崎智

吾妻さおり

前原は最多6度目の十段位、瀬戸熊は4連覇、藤崎は鳳凰位との2冠がかかる今期の十段位決定戦。
思惑が絡み合う最上級の対局が予想され、今からとても楽しみである。
藤崎が第30期鳳凰位決定戦で圧倒的に先行し、得意の対応麻雀で他を寄せ付けずに勝利をおさめたのは記憶に新しい。今回は他家に一番厳しくマークされるのではないか。瀬戸熊は今期A1も快調にポイントを伸ばしている。先日と全く同じ展開の敗北を喫するつもりはないだろう。十段戦を知り尽くしている前原の完全復活にも期待したい。
第25・26期鳳凰位決定戦以来3度目の決勝に挑む柴田は、今度こそ絶対獲りたいはず。
初決勝の櫻井がベテラン3名を相手にどのように立ち向かうのかにも注目したい。

◎ 瀬戸熊直樹
〇 前原雄大

十段戦 レポート/第31期十段戦 優勝者予想

正解者の中から抽選で1名の方に、第31期十段位獲得後の直筆サインをプレゼント致します。
また、応募された方の中から抽選で2名の方に、決勝進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。
応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。
※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。
なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。
締め切り:2014年9月26日(金)

番号 名前
段位
プロフィール 仁平 山井 松崎 中村 西島 吾妻
1

瀬戸熊直樹
八段
第26・27・29期鳳凰位
第28・29期十段位 他多数
ロン2プロフィールはこちら
2

前原雄大
九段
第12、25期 鳳凰位
第14、15、24、25、26期 十段位
グランプリ2008 優勝 他多数
ロン2プロフィールはこちら
3

藤崎智
八段
第16期十段位
第3、5、6回 日本オープン 優勝 グランプリ2005 優勝 他多数
ロン2プロフィールはこちら
4

柴田弘幸
六段
第25、26期 鳳凰戦 3位
ロン2プロフィールはこちら
5

櫻井秀樹
四段
ロン2プロフィールはこちら

 
予想とコメント
荒正義
瀬戸熊を含めた前原、藤崎の3名は、経験と実績で誰が勝ってもおかしくない打ち手。
しかし今回は、あえて前原を本命としました。
今年の「十段」戦に賭ける彼の情熱は半端ではありません。
何が彼にそうさせたのか、それはともかくその打荘数は優に半荘300回を超えるでしょう。
その鍛錬を買います。展開が前原と瀬戸熊のたたき合いになれば一方が浮き、もう一方が沈むのは物の道理。
そこに出てくるのがサバキの名手・藤崎でしょう。
そこに若い櫻井・柴田がどこまで割って入るか、これも見ものです。
◎ 前原雄大
〇 藤崎智
仁平宣明
連盟初の快挙となる4連覇がかかる瀬戸熊で期待したい所だが、今年の決勝戦のメンバーは全員Aリーガーという誰が勝ってもおかしくないメンバー構成となった。
僕は今回のメンバーを見て、実力差が紙一重なので展開よりも勢いを重視し予想してみた。
ベスト16、8と接戦の末、辛勝してきた柴田が歴戦の強者を相手に、初のタイトルに輝くのではないかと予想する。
対抗は、予選の勝ち方が圧巻だった前原。今期鳳凰戦のスタートは、昨年のA1からの陥落の影響からか苦戦をしいられたが、徐々に調子を取り戻し、ここ何回かの対局を見ていると、さらにパワーアップしたのではないかと思う。
◎ 柴田弘幸
〇 前原雄大
山井弘
ここにきて、絶対王者である瀬戸熊が調子を崩していると見る。
ただ、それでも最後は優勝に絡んでくるのではないかと思うが、ベスト16の柴田の内容が非常に良かったので対抗に推す。
本命は前原。プロリーグでも戦ったが、今の前原には勝てる気がしない。
どんな展開になっても、最後まで優勝争いの中にいるような気がする。
藤崎はもちろんあるが、プロリーグに出ていない分、若干、実戦不足は否めない。
櫻井は、初のタイトル戦決勝という大舞台で、普段通り戦えることができれば可能性あり。
◎ 前原雄大
〇 柴田弘幸
松崎良文
印は2つまで、との御下命にて、苦渋の選択。
5人の中で最も雀風が(風貌も)近いと思われる藤崎プロが勝つことで、私自身の決勝での優勝パターンをイメージする参考にさせて頂きたく、本命に。不純御免。
対抗は、必勝を公言した準決勝で見事な圧勝を遂げた櫻井プロで。
もちろん、瀬戸熊プロの4連覇、前原プロの復位、柴田プロの初載冠にも期待しております。激闘必至。
◎ 藤崎智
〇 櫻井秀樹
中村毅
本命は、瀬戸熊直樹八段A1。
昨年度の鳳凰位決定戦は藤崎プロに敗れたが、今期のリーグ戦の成績は安定した強さがある。
今回は、前人未到の4連覇も掛かっているため気合いは十分。
対抗には、前原雄大九段A2を押したい。
過去に5度も十段位になり、永世十段ともいえる実績と相性の良いタイトル戦で、久しぶりに返り咲いてもらいたい。と、勝手な予想だが、誰が勝つにしろ見応えたっぷりの面白い対局が見れると思うので、今からとても楽しみだ。
◎ 瀬戸熊直樹
〇 前原雄大
西島一彦
瀬戸熊プロは鋭い攻撃力を秘めている上に、今期もっとも安定した戦いぶりで、鳳凰位戦でもトップを走っており、優勝に一番近いと思います。
一方藤崎プロは、あの飄々とした戦いぶりで、猛虎前原プロ、若手トップクラスの柴田プロ、櫻井プロの攻撃をかわし、瀬戸熊プロにせまるのではないでしょうか。
◎ 瀬戸熊直樹
〇 藤崎智
吾妻さおり
前原は最多6度目の十段位、瀬戸熊は4連覇、藤崎は鳳凰位との2冠がかかる今期の十段位決定戦。
思惑が絡み合う最上級の対局が予想され、今からとても楽しみである。
藤崎が第30期鳳凰位決定戦で圧倒的に先行し、得意の対応麻雀で他を寄せ付けずに勝利をおさめたのは記憶に新しい。今回は他家に一番厳しくマークされるのではないか。瀬戸熊は今期A1も快調にポイントを伸ばしている。先日と全く同じ展開の敗北を喫するつもりはないだろう。十段戦を知り尽くしている前原の完全復活にも期待したい。
第25・26期鳳凰位決定戦以来3度目の決勝に挑む柴田は、今度こそ絶対獲りたいはず。
初決勝の櫻井がベテラン3名を相手にどのように立ち向かうのかにも注目したい。
◎ 瀬戸熊直樹
〇 前原雄大

第28期新人王戦 予選レポート 岡本 和也

2014年8月、今年も新人王戦の季節がやってきた。

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新人王戦の初日である8月30日、暦の上では8月であるが、夏の茹だるような暑さは薄れ、外気は秋の入りを感じさせるものであった。

前年度までは1dayで実施されていた新人王戦であったが、今期から初日に予選7回戦を実施し、翌日に決勝4回戦を実施することとなった。

また、前年度と大きく違う点は、決勝2回戦であったのが決勝4回戦に増えた点と、決勝戦は連盟チャンネルにて動画生配信される点である。参加選手は、「是が非でも決勝に残り、自分の対局をオンエアで流し、優勝したい。」そう思わずにはいられないだろう。

このように新人王戦の若干のシステム変更があったものの、今期の新人王戦の参加者は前年度6名減の122名での争いとなった。
参加者は東京本部61名、東北本部13名、中部本部10名、関西本部10名、九州本部14名、静岡支部4名、北陸支部1名、北関東支部5名、広島支部4名、この日のために全国各地から多くの連盟員が集結した。
参加人数も多いため、予選は2会場を使用して実施されることとなった。

改めて、今期の新人王戦のシステムについて紹介したい。

●参加資格は入会3年目までの連盟員のみである。
●ルールは一発裏ドラのない連盟Aルール(いわゆる競技ルール)である。
●初日に予選7回戦を行い、翌日に決勝4回戦を行う。
●予選は4回戦終了時の上位48名が5回戦に進出、5回戦終了時の上位32名が6回戦に進出、6回戦終了時の上位20名が7回戦に進出、7回戦終了時の上位4名が決勝戦に進出となる(ポイント持ち越し)。
●決勝戦は予選でのポイントはリセットされ、4回戦の合計ポイントがトップの者が優勝となる。

【予選】
対局開始である12時を向かえ、大会委員長である伊藤優孝副会長の挨拶、競技委員長の藤原隆弘プロからの説明・合図により、予選1回戦が開始となった。

まずは全卓を回り、参加選手の様子を見る。

前年度の新人王戦の決勝で共に戦った清水哲也プロ、三浦智博プロ。
清水プロ、三浦プロともに今期が最後のチャンスだけに頑張ってもらいたい。

第25期チャンピオンズリーグ優勝の森岡貞臣プロ、特別昇級リーグで準優勝し、C1リーグへとジャンプアップした本田朋広プロ、第31期D2リーグ前期で、1節で脅威の+170ポイントを叩き出し、D1リーグへ昇級となったケネス・徳田プロ。

また、同じ静岡支部である鷲見隼人プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ。
日頃、頻繁に接するだけあって、観戦記者をやりながらも彼らの活躍に期待したい。

続いて、コナミ「麻雀格闘倶楽部」で活躍中の女流プロを紹介したい。

小笠原奈央プロ
石田亜沙己プロ
井上絵美子プロ
鈴木彩夏プロ
月江いくこプロ
手塚紗掬プロ
東城りおプロ

小笠原奈央プロ、手塚紗掬プロは28期生であるため、今年が最後の新人王戦。今期の新人王戦にかける意気込みも一入であろう。

また、今年度の最強戦ガール東日本の菅原千瑛プロ。

菅原千瑛プロ

予選4回戦の開始直前、運営より5回戦への進出ボーダーが発表される。目安は10ポイント程度。
決勝に残るためには約100ポイントが目安とされているが、まずは5回戦に進まなければ決勝への道もそこで閉ざされてしまう。ポイントが足りない選手は予選を勝ち上がっていくためにはどうしても踏込みを深くせざるを得ないが、5回戦への進出ボーダーにポイントが足りている選手も手を緩めることができないのが新人王戦の予選である。

5回戦に進出できるのは122名のうち上位48名のみ。4回戦が終了した段階で、清水哲也プロ、三浦智博プロ、森岡貞臣プロ、ケネス徳田プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ、小笠原奈央プロ、石田亜沙己プロ、井上絵美子プロ、鈴木彩夏プロ、東城りおプロ、菅原千瑛プロがここで敗退となった。

森岡貞臣プロ 『今日は完敗です。負けました。』
三浦智博プロ 『出来ることはやれたと思いますが、悔しいです。』
小笠原奈央プロ 『一生獲れない新人王というタイトルなので、本当に悔しいです。』
井上絵美子プロ 『高い手の材料が来たのにアガリに結び付かず、厳しかったです。』
菅原千瑛プロ 『高い手が決まらず、終始苦しい戦いでした。』

【予選5回戦】
122名の参加者から48名が5回戦へと進出となったが、通過ボーダーは+14.7Pと例年に比べ若干高くなっていた。さらに、5回戦終了時のポイント上位32名が6回戦に進出となるため、ぎりぎりで5回戦に進出できた選手にとってはここからは1つも落とせない非常に厳しい戦いとなる。

4回戦終了時の1位は九州本部の北島勇輝プロの+81.7P。次いで、東京本部の柴田吉和プロ、金子正明プロの78.1P。回を重ねるにつれて、上位陣のポイントも増えていくのが新人王戦であるが、5回戦終了時の上位は以下のとおりとなった。

1位:九州本部 金子正明プロ +94.0P
2位:東京本部 五反地清一郎プロ +88.2P
3位:東京本部 柴田吉一プロ +87.0P
4位:北関東支部 小谷美和子プロ +86.7P
5位:東京本部 大野彩乃プロ +80.0P

5回戦が終了した段階で、注目選手である本田朋広プロ、月江いくこプロが敗退となった。

【予選6回戦】
6回戦進出のボーダーは+28.1Pと、少しずつであるが選手にかかる重圧は大きくなってくる。
決勝戦に進めるのはポイント上位4名のため、6回戦付近から決勝を意識して選手は皆ポイントを叩こうと必死になるが、前のめりになり過ぎるとその分、大きな失点を招く可能性も高くなる。逸る気持ちを抑え、平常心で場況を判断し、打牌選択をしていくことがより重要となっていく。

開始から25分が経過した頃、現状5位の大野彩乃プロが東4局の親番5巡目に以下の牌姿。

三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒八筒  ドラ西

ピンフのみのテンパイをしている所、7巡目にドラの西をツモり、ドラ単騎でリーチ。

三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西

そこに新井駿一プロが、テンパイ打牌でドラの西を勝負。大野プロにとっては大きなアドバンテージとなる7,700点のアガリ。

また、別卓では現状4位の小谷美和子プロが南1局で29,400点持ちの2着目。同卓の福島佑一プロが42,200点持ちのトップ目・親番で9巡目にツモり四暗刻のリーチ!

四万四万四万四索四索三筒三筒三筒発発中中中  リーチ  ドラ五索

ドラ表示牌に四索が1枚あるため、アガリ牌は3枚となるが、ツモりアガることができれば16,000オールのアガリとなるため、早くも福島プロの決勝進出が濃厚となる。福島プロの模打に力が込められるが、三索,五索,七索,二索とツモるが一番欲しい四索だけがツモれない。最終的に、小谷プロも発トイツの七対子をテンパイしており、福島プロ、小谷プロの2人テンパイで流局となった。

6回戦が終わり、7回戦への通過ボーダーは+53.0P。5回戦まで順調にポイントを重ねていた手塚紗掬プロもここで敗退となってしまった。また、最後の静岡支部員である鷲見隼人プロもここで涙を飲む結果となった。

32名いた選手からさらに上位20名に絞られて7回戦が行われることとなった。

【予選7回戦(最終戦)】 ※敬称略
予選最終戦である7回戦は5卓20名で行われ、7回戦終了時の上位4名が決勝進出となる。
最終戦の順位、ポイント、卓組みは以下のとおりとなった。

[1卓] 五反地清一郎(①+104.8P)×土田小緒里(⑩+68.4P)×白銀紗希(⑪+67.3P)×金子正明(⑳+51.1P)
[2卓] 船木伸一(②+103.4P)×柴田吉和(⑨+72.5P)×新井駿一(⑫+66.6P)×山神達也(⑲+53.0P)
[3卓] 大野彩乃(③+89.4P)×上村政雄(⑧+72.9P)×福島佑一(⑬+65.7P)×青山秀佑(⑱+58.0P)
[4卓] 石田智成(④+88.7P)×宮崎皓之介(⑦+76.3P)×進栄二(⑭+65.2P)×樋口徹(⑰+60.6P)
[5卓] 小谷美和子(⑤+80.7P)×北島勇輝(⑥+76.6P)×佐々木啓文(⑮+63.8P)×高谷圭一(⑯+61.4P)

対局開始前、選手たちは同卓者にポイントを開示することで条件を確認するが、卓内トップであれば決勝戦に進めるわけではなく、大きなトップを取れば下の位置からでも十分な巻き返しが出来ることが分かる。

決勝に進めるのは僅か4名。泣いても笑っても最後の戦いが始まった。

開始早々、1卓では東1局に親番の金子が土田からホンイツ白ドラ1の11,600点のアガリ。

一索二索三索四索五索六索七索九索白白  ポン南南南  ドラ四索

続く東2局は土田がツモり四暗刻の1シャンテンとなるも、8巡目に金子からリーチ!
ここは五反地が冷静にタンヤオピンフツモの1,300オールのアガリで素点を稼ぎながら親番を維持。

四索五索六索六索七索八索二筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒  ツモ五筒

5卓では、北島からリーチがかかるも、親番である小谷が、

六万七万二索二索  ポン白白白  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ二索

この5,800は6,400を佐々木からアガリ、決勝進出への足掛かりとする。

~25分経過~
2卓では局が進むのが早く、既に南3局、柴田の親番となっていた。
船木27,500点、柴田28,000点、新井38,500点、山神26,000点。
最後の親番で柴田が以下の牌姿からタンヤオへ移行しての1,500点をアガリ、親番を死守。

四万四万五万五万六万二索二索三索五索五索五筒九筒九筒

~30分経過~
3卓では、南2局で親番の大野が41,200点、上村38,300点という状況。
上村が決勝進出するには大野を捲ってトップに立つか、大きな素点を叩いての2着が必要であるが、ここで大野が

五万五万六万六万七万七万九万九万五索五索四筒五筒五筒  ドラ五筒

この七対子ドラ2の9,600点は9,900点を福島からアガリ、5万点オーバーとなり決勝進出に王手をかける。

~40分経過~
1卓は南3局で五反地が39,800点の2着目。親番も無いため、あとは無理さえしなければ決勝はほぼ間違いない状況である。
2卓は南3局で柴田が親番で連荘を続け、持ち点は46,800点の1人浮きトップ状態となっていた。
大外からの決勝進出も十分にあり得る。
3卓は南3局で大野が53,800点。このまま行けば、決勝進出はほぼ間違いない。
4卓は南4局で親番の進が43,900点持ちで、渾身のダブルリーチをかける。

二万二万六万六万九万二筒二筒三筒三筒東東西西  ドラ八索

これをツモりアガれれば決勝進出も十分にあり得る状態であったが、無情にも流局となった。
ダブルリーチの宣言牌は五索 左向きであったが、五索単騎にしていれば5巡目にツモりアガっていた。きっと同じ場所に座っていたら、私も九万単騎待ちを選択していたであろうが、進の心境は複雑なものであっただろう・・・。

5卓は南3局で持ち点21,900点の小谷の親番。連荘さえすれば決勝が見える位置にいる小谷であるが、そうはさせないと北島からリーチが放たれる。
しかし、ここは歯を食いしばって攻め抜いた佐々木の勝利。

二万三万四万五万六万七万北北発発  ポン白白白(さらに白を加槓)

北島のリーチを掻い潜り、力強く北をツモり、ホンイツ白の1,600、3,200のアガリで持ち点は5万点オーバーに。

~残り5分~
残すは1卓のみで、オーラス親番の土田が2本場まで積んでいた。

金子40,400点、土田35,100点、五反地31,500点

南家の金子はツモがあと1回という所で、ハイテイツモを狙った渾身のリーチを打つ。

一万二万二万三万三万四万四万五万六万六索六索三筒四筒  ドラ三万

だが、ハイテイ牌は無情にも西で、全卓7回戦が終了することとなった。

~7回戦終了~
2卓の柴田が49,500点、5卓の佐々木が50,200点という大トップを取ることで大外からの決勝進出となった。また、7回戦開始時の首位であった五反地は、最終戦を30,500点持ちのプラスで終えることが出来たため、決勝進出のチケットを守った。7回戦開始時、3位であった大野は更にポイントを上乗せし、五反地を抜いて首位での予選通過となった。

7回戦が終わり、最終的に以下の結果となった。
1位通過: 大野彩乃 +126.6P
2位通過: 五反地清一郎 +106.3P
3位通過: 柴田吉和 +100.0P
4位通過: 佐々木啓文 +96.3P
5位: 石田智成 +92.8P

5位の石田は7回戦開始時は+88.7Pの4位にいて、最終戦も浮きの2着で終えることができたが、柴田、佐々木の猛烈な追い上げに抜かれる結果となってしまった。

長かった予選も終わり、122名の参加者から決勝進出は、大野彩乃、五反地清一郎、柴田吉和、佐々木啓文の4名で決まった。

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決勝は翌日の8月31日に行われ、予選のポイントはリセットされ、4回戦の戦いを残すだけとなった。
最終戦で大捲りを見せた柴田、佐々木が新人王を獲るのか。または大野が女流で3人目となる新人王を獲るのか。まだ若いながらも、予選では終始安定した戦いを見せていた五反地が獲るのか。

決勝4回戦については、後日掲載される決勝観戦記にてレポートさせて頂きたい。

新人王 レポート/第28期新人王戦 予選レポート 岡本 和也

2014年8月、今年も新人王戦の季節がやってきた。
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新人王戦の初日である8月30日、暦の上では8月であるが、夏の茹だるような暑さは薄れ、外気は秋の入りを感じさせるものであった。
前年度までは1dayで実施されていた新人王戦であったが、今期から初日に予選7回戦を実施し、翌日に決勝4回戦を実施することとなった。
また、前年度と大きく違う点は、決勝2回戦であったのが決勝4回戦に増えた点と、決勝戦は連盟チャンネルにて動画生配信される点である。参加選手は、「是が非でも決勝に残り、自分の対局をオンエアで流し、優勝したい。」そう思わずにはいられないだろう。
このように新人王戦の若干のシステム変更があったものの、今期の新人王戦の参加者は前年度6名減の122名での争いとなった。
参加者は東京本部61名、東北本部13名、中部本部10名、関西本部10名、九州本部14名、静岡支部4名、北陸支部1名、北関東支部5名、広島支部4名、この日のために全国各地から多くの連盟員が集結した。
参加人数も多いため、予選は2会場を使用して実施されることとなった。
改めて、今期の新人王戦のシステムについて紹介したい。
●参加資格は入会3年目までの連盟員のみである。
●ルールは一発裏ドラのない連盟Aルール(いわゆる競技ルール)である。
●初日に予選7回戦を行い、翌日に決勝4回戦を行う。
●予選は4回戦終了時の上位48名が5回戦に進出、5回戦終了時の上位32名が6回戦に進出、6回戦終了時の上位20名が7回戦に進出、7回戦終了時の上位4名が決勝戦に進出となる(ポイント持ち越し)。
●決勝戦は予選でのポイントはリセットされ、4回戦の合計ポイントがトップの者が優勝となる。
【予選】
対局開始である12時を向かえ、大会委員長である伊藤優孝副会長の挨拶、競技委員長の藤原隆弘プロからの説明・合図により、予選1回戦が開始となった。
まずは全卓を回り、参加選手の様子を見る。
前年度の新人王戦の決勝で共に戦った清水哲也プロ、三浦智博プロ。
清水プロ、三浦プロともに今期が最後のチャンスだけに頑張ってもらいたい。
第25期チャンピオンズリーグ優勝の森岡貞臣プロ、特別昇級リーグで準優勝し、C1リーグへとジャンプアップした本田朋広プロ、第31期D2リーグ前期で、1節で脅威の+170ポイントを叩き出し、D1リーグへ昇級となったケネス・徳田プロ。
また、同じ静岡支部である鷲見隼人プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ。
日頃、頻繁に接するだけあって、観戦記者をやりながらも彼らの活躍に期待したい。
続いて、コナミ「麻雀格闘倶楽部」で活躍中の女流プロを紹介したい。
小笠原奈央プロ
石田亜沙己プロ
井上絵美子プロ
鈴木彩夏プロ
月江いくこプロ
手塚紗掬プロ
東城りおプロ
小笠原奈央プロ、手塚紗掬プロは28期生であるため、今年が最後の新人王戦。今期の新人王戦にかける意気込みも一入であろう。
また、今年度の最強戦ガール東日本の菅原千瑛プロ。
菅原千瑛プロ
予選4回戦の開始直前、運営より5回戦への進出ボーダーが発表される。目安は10ポイント程度。
決勝に残るためには約100ポイントが目安とされているが、まずは5回戦に進まなければ決勝への道もそこで閉ざされてしまう。ポイントが足りない選手は予選を勝ち上がっていくためにはどうしても踏込みを深くせざるを得ないが、5回戦への進出ボーダーにポイントが足りている選手も手を緩めることができないのが新人王戦の予選である。
5回戦に進出できるのは122名のうち上位48名のみ。4回戦が終了した段階で、清水哲也プロ、三浦智博プロ、森岡貞臣プロ、ケネス徳田プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ、小笠原奈央プロ、石田亜沙己プロ、井上絵美子プロ、鈴木彩夏プロ、東城りおプロ、菅原千瑛プロがここで敗退となった。
森岡貞臣プロ 『今日は完敗です。負けました。』
三浦智博プロ 『出来ることはやれたと思いますが、悔しいです。』
小笠原奈央プロ 『一生獲れない新人王というタイトルなので、本当に悔しいです。』
井上絵美子プロ 『高い手の材料が来たのにアガリに結び付かず、厳しかったです。』
菅原千瑛プロ 『高い手が決まらず、終始苦しい戦いでした。』
【予選5回戦】
122名の参加者から48名が5回戦へと進出となったが、通過ボーダーは+14.7Pと例年に比べ若干高くなっていた。さらに、5回戦終了時のポイント上位32名が6回戦に進出となるため、ぎりぎりで5回戦に進出できた選手にとってはここからは1つも落とせない非常に厳しい戦いとなる。
4回戦終了時の1位は九州本部の北島勇輝プロの+81.7P。次いで、東京本部の柴田吉和プロ、金子正明プロの78.1P。回を重ねるにつれて、上位陣のポイントも増えていくのが新人王戦であるが、5回戦終了時の上位は以下のとおりとなった。
1位:九州本部 金子正明プロ +94.0P
2位:東京本部 五反地清一郎プロ +88.2P
3位:東京本部 柴田吉一プロ +87.0P
4位:北関東支部 小谷美和子プロ +86.7P
5位:東京本部 大野彩乃プロ +80.0P
5回戦が終了した段階で、注目選手である本田朋広プロ、月江いくこプロが敗退となった。
【予選6回戦】
6回戦進出のボーダーは+28.1Pと、少しずつであるが選手にかかる重圧は大きくなってくる。
決勝戦に進めるのはポイント上位4名のため、6回戦付近から決勝を意識して選手は皆ポイントを叩こうと必死になるが、前のめりになり過ぎるとその分、大きな失点を招く可能性も高くなる。逸る気持ちを抑え、平常心で場況を判断し、打牌選択をしていくことがより重要となっていく。
開始から25分が経過した頃、現状5位の大野彩乃プロが東4局の親番5巡目に以下の牌姿。
三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒八筒  ドラ西
ピンフのみのテンパイをしている所、7巡目にドラの西をツモり、ドラ単騎でリーチ。
三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西
そこに新井駿一プロが、テンパイ打牌でドラの西を勝負。大野プロにとっては大きなアドバンテージとなる7,700点のアガリ。
また、別卓では現状4位の小谷美和子プロが南1局で29,400点持ちの2着目。同卓の福島佑一プロが42,200点持ちのトップ目・親番で9巡目にツモり四暗刻のリーチ!
四万四万四万四索四索三筒三筒三筒発発中中中  リーチ  ドラ五索
ドラ表示牌に四索が1枚あるため、アガリ牌は3枚となるが、ツモりアガることができれば16,000オールのアガリとなるため、早くも福島プロの決勝進出が濃厚となる。福島プロの模打に力が込められるが、三索,五索,七索,二索とツモるが一番欲しい四索だけがツモれない。最終的に、小谷プロも発トイツの七対子をテンパイしており、福島プロ、小谷プロの2人テンパイで流局となった。
6回戦が終わり、7回戦への通過ボーダーは+53.0P。5回戦まで順調にポイントを重ねていた手塚紗掬プロもここで敗退となってしまった。また、最後の静岡支部員である鷲見隼人プロもここで涙を飲む結果となった。
32名いた選手からさらに上位20名に絞られて7回戦が行われることとなった。
【予選7回戦(最終戦)】 ※敬称略
予選最終戦である7回戦は5卓20名で行われ、7回戦終了時の上位4名が決勝進出となる。
最終戦の順位、ポイント、卓組みは以下のとおりとなった。
[1卓] 五反地清一郎(①+104.8P)×土田小緒里(⑩+68.4P)×白銀紗希(⑪+67.3P)×金子正明(⑳+51.1P)
[2卓] 船木伸一(②+103.4P)×柴田吉和(⑨+72.5P)×新井駿一(⑫+66.6P)×山神達也(⑲+53.0P)
[3卓] 大野彩乃(③+89.4P)×上村政雄(⑧+72.9P)×福島佑一(⑬+65.7P)×青山秀佑(⑱+58.0P)
[4卓] 石田智成(④+88.7P)×宮崎皓之介(⑦+76.3P)×進栄二(⑭+65.2P)×樋口徹(⑰+60.6P)
[5卓] 小谷美和子(⑤+80.7P)×北島勇輝(⑥+76.6P)×佐々木啓文(⑮+63.8P)×高谷圭一(⑯+61.4P)
対局開始前、選手たちは同卓者にポイントを開示することで条件を確認するが、卓内トップであれば決勝戦に進めるわけではなく、大きなトップを取れば下の位置からでも十分な巻き返しが出来ることが分かる。
決勝に進めるのは僅か4名。泣いても笑っても最後の戦いが始まった。
開始早々、1卓では東1局に親番の金子が土田からホンイツ白ドラ1の11,600点のアガリ。
一索二索三索四索五索六索七索九索白白  ポン南南南  ドラ四索
続く東2局は土田がツモり四暗刻の1シャンテンとなるも、8巡目に金子からリーチ!
ここは五反地が冷静にタンヤオピンフツモの1,300オールのアガリで素点を稼ぎながら親番を維持。
四索五索六索六索七索八索二筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒  ツモ五筒
5卓では、北島からリーチがかかるも、親番である小谷が、
六万七万二索二索  ポン白白白  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ二索
この5,800は6,400を佐々木からアガリ、決勝進出への足掛かりとする。
~25分経過~
2卓では局が進むのが早く、既に南3局、柴田の親番となっていた。
船木27,500点、柴田28,000点、新井38,500点、山神26,000点。
最後の親番で柴田が以下の牌姿からタンヤオへ移行しての1,500点をアガリ、親番を死守。
四万四万五万五万六万二索二索三索五索五索五筒九筒九筒
~30分経過~
3卓では、南2局で親番の大野が41,200点、上村38,300点という状況。
上村が決勝進出するには大野を捲ってトップに立つか、大きな素点を叩いての2着が必要であるが、ここで大野が
五万五万六万六万七万七万九万九万五索五索四筒五筒五筒  ドラ五筒
この七対子ドラ2の9,600点は9,900点を福島からアガリ、5万点オーバーとなり決勝進出に王手をかける。
~40分経過~
1卓は南3局で五反地が39,800点の2着目。親番も無いため、あとは無理さえしなければ決勝はほぼ間違いない状況である。
2卓は南3局で柴田が親番で連荘を続け、持ち点は46,800点の1人浮きトップ状態となっていた。
大外からの決勝進出も十分にあり得る。
3卓は南3局で大野が53,800点。このまま行けば、決勝進出はほぼ間違いない。
4卓は南4局で親番の進が43,900点持ちで、渾身のダブルリーチをかける。
二万二万六万六万九万二筒二筒三筒三筒東東西西  ドラ八索
これをツモりアガれれば決勝進出も十分にあり得る状態であったが、無情にも流局となった。
ダブルリーチの宣言牌は五索 左向きであったが、五索単騎にしていれば5巡目にツモりアガっていた。きっと同じ場所に座っていたら、私も九万単騎待ちを選択していたであろうが、進の心境は複雑なものであっただろう・・・。
5卓は南3局で持ち点21,900点の小谷の親番。連荘さえすれば決勝が見える位置にいる小谷であるが、そうはさせないと北島からリーチが放たれる。
しかし、ここは歯を食いしばって攻め抜いた佐々木の勝利。
二万三万四万五万六万七万北北発発  ポン白白白(さらに白を加槓)
北島のリーチを掻い潜り、力強く北をツモり、ホンイツ白の1,600、3,200のアガリで持ち点は5万点オーバーに。
~残り5分~
残すは1卓のみで、オーラス親番の土田が2本場まで積んでいた。
金子40,400点、土田35,100点、五反地31,500点
南家の金子はツモがあと1回という所で、ハイテイツモを狙った渾身のリーチを打つ。
一万二万二万三万三万四万四万五万六万六索六索三筒四筒  ドラ三万
だが、ハイテイ牌は無情にも西で、全卓7回戦が終了することとなった。
~7回戦終了~
2卓の柴田が49,500点、5卓の佐々木が50,200点という大トップを取ることで大外からの決勝進出となった。また、7回戦開始時の首位であった五反地は、最終戦を30,500点持ちのプラスで終えることが出来たため、決勝進出のチケットを守った。7回戦開始時、3位であった大野は更にポイントを上乗せし、五反地を抜いて首位での予選通過となった。
7回戦が終わり、最終的に以下の結果となった。
1位通過: 大野彩乃 +126.6P
2位通過: 五反地清一郎 +106.3P
3位通過: 柴田吉和 +100.0P
4位通過: 佐々木啓文 +96.3P
5位: 石田智成 +92.8P
5位の石田は7回戦開始時は+88.7Pの4位にいて、最終戦も浮きの2着で終えることができたが、柴田、佐々木の猛烈な追い上げに抜かれる結果となってしまった。
長かった予選も終わり、122名の参加者から決勝進出は、大野彩乃、五反地清一郎、柴田吉和、佐々木啓文の4名で決まった。
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決勝は翌日の8月31日に行われ、予選のポイントはリセットされ、4回戦の戦いを残すだけとなった。
最終戦で大捲りを見せた柴田、佐々木が新人王を獲るのか。または大野が女流で3人目となる新人王を獲るのか。まだ若いながらも、予選では終始安定した戦いを見せていた五反地が獲るのか。
決勝4回戦については、後日掲載される決勝観戦記にてレポートさせて頂きたい。

第93回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その1』 魚谷 侑未

【序章】

皆さんこんにちは。魚谷侑未です。
今回は牌効率について勉強して行きましょう。

[牌効率]という言葉は、皆さん馴染み深い言葉だと思いますが、その意味についてどう認識されていますか?
まずはお馴染みのWikipediaにて言葉の意味を調べてみましょう。

牌効率(はいこうりつ)とは、麻雀において、聴牌に至る確率・早さのことをいう。

Wikipediaでは、テンパイまでの効率を求めて行くことを牌効率と述べていますね。
一般的な認識もそれに近いと思います。

しかし、この講座では
【テンパイまでの速さとアガりまでの速さのバランスが最も良い選択をする事】
を、牌効率と述べていきます。

テンパイまでが速いだけでは駄目なんです。
何故テンパイまでの速さより、アガリまでの速さが重要かというと、麻雀で勝つために一番重要な事は「アガリによる加点」であるからです。テンパイ料だけで勝負を勝ち切る事は難しいでしょう。

しかし、テンパイまでが最速であるというのは、相手の攻撃を受けないための一番の武器であり最善手段ともなり得ます。先手が何故強いのかは、前回の記事でお話したのでそちらを参照して下さい。

今回の牌効率編では、基礎の部分は分かっていることを前提として、見落としやすい部分をピックアップしていこうと思います。

長い目で見ると、与えられた運の量は全員が等しいと私は思っています。
自分だけツイてないと嘆くのはやめましょう。
そりゃあ、1局、1半荘、1日、1週間単位で見たら、ツイてない日だってあるでしょう。
しかし、それはみんな同じ事です。逆に、ツキに助けられる日だってあるんです。

同じ状況下の中で、与えられた運を活かせるかどうかがその人の技量だと思います。
ツイていたとしても、それを活かす技術がなければチャンスは離れていくだけです。
そして、その技量が一番顕著に表れるのが牌効率です。
きちんと与えられた手牌を活かせるように勉強していきましょう!

 

【1章~素直に打とう~】

麻雀は素直に打つことが一番大切です。
そして、私は素直に打つことが一番の強さであると思い、日々麻雀に取り組んでいます。
しかし、この「素直に打つ」というのは簡単なようでいて、実はとても難しい事なんです。
実践でこれをきちんと活かし切ることはなかなか出来ません。
しかし、素直に打つことを心がけて打てば、良い方向に進んでいけると思います。

さて、ここまで散々「素直に打つ」と連呼してきましたが、「素直って何?」と思いませんか?
私の言う素直に打つというのは、「自分の手牌の事だけを考えて打つ」「自分の手牌に正直であること」という意味です。

① 変に迷彩を作って相手からの出アガリを期待したりしない。
待ちなんてバレバレでいいんです。

一万二万三万一索二索三索五索五索六索二筒三筒八筒八筒西

ここから五索を先切りしたりせず、リーチ宣言牌で自信を持って五索を切りましょう。
待ちになっている可能性が高いと読まれていても、他家も勝負の時はその牌を切ってきます。
五索八筒引きのテンパイを逃すのは、あまりにも痛すぎますよね。

また、分かりづらい待ちになっていても、ベタオリされたら出ません。
ぶっちゃけた話、出アガリを考える前にツモってしまえばいいんです。
出アガリを期待せずに、ツモアガリを自分の麻雀のベースにしていけば、素直に打つ事に一歩近づくはずです。

② 当たり前の手順で当たり前の手を作っていく事。
当たり前の手順、踏めてますか?
私は麻雀において物凄く重要であると感じているのが「普通の積み重ね」です。
人を驚かせるような奇手のアガリが10回に1回あることよりも、誰でも出来ることを間違わずに10回中10回出来る事が麻雀の本質の部分の強さであると考えます。
でもね、これって意外と難しいです。
麻雀中のミスというのは高頻度で発生しますし、自分自身のミスに気付けない事も多々あると思います。
そして、この自分自身のミスに気づかない事が、なかなか厄介なんです。

ではその、自分自身のミスに気付けるようになるためのお勧めの勉強方法は、
① プロの対局を観戦して、自分と違う部分を書き出して検証してみる(出来ればテレビ対局やニコ生などで解説があるものが望ましいです)
② ロン2で自分の牌譜を見直す(自分より雀力の高い人に一緒に検証してもらうと更に良いです)
これを繰り返す事によって、何が正しくて何が間違っているかの認識がついてくると思います。
これは雀力アップに直結する大切な事です。

素直に打つとは。
即ち、普通の事を当たり前に選択し続ける事。
口にすると凄く簡単そうですが、やり続けるのはかなり難しいです。
しかし、これを実践出来るようになった時には、あなたのレベルは飛躍的に上がっていることでしょう。

 

【2章~目一杯に構えよう~】

放銃が怖くて、安全牌を1枚持って打っていたりしませんか?
もちろん、状況や局面に応じて安全牌を持って打つ事もあります。

しかし、
[勝負手の時は安全牌を持たず、自分の都合で手牌をブクブクにしましょう]

1章の①の内容と少し被りますが、更に掘り下げて書いて行きます。
放銃って嫌ですよね。私も嫌です。
でも、アガリ逃しはもっと嫌です。

アガれる手(アガリたい手)の時には、放銃を恐れずに自分の都合で麻雀を打ちましょう。
オリる事なんて、他から先制をされた時に考えればいいんです。
「ブクブクにしてたらオリられないじゃんー!」
と思うかもしれませんが、意外にブクブクにしていてもオリ切る事って出来るものですよ。
それに、アガリに向かうべき局面では、オリる事はまずは考えずにに戦って欲しいです。

東1局南家6巡目

六万七万一索二索三索四索五索三筒三筒四筒九筒九筒九筒西ドラ九筒

両面2つ残りの1シャンテンなので、4種15牌の受入枚数があります。

この手はドラの九筒が暗刻の勝負手です。ここに場に3枚切れの安全牌の西を持ってきました。
四筒を切って両面2つ残りの1シャンテンにしてしまいがちですが、この手は西を切って目一杯に構えましょう。

二筒五筒を引くと、更に良い1シャンテンの形が出来るということを想定しておくと、この四筒は必要不可欠な牌になります。

この形のままの1シャンテン、両面2つ残りの1シャンテンからテンパイまでの平均巡目が、何巡かかるか知っていますか?
なんと、平均で8巡かかるという計算が出ています。

8巡も待っていたら、他家にアガリのチャンスを与えてしまいます。
この手をアガリ切るためにも、少しでも早くテンパイを組みたいですよね。
そのためにはどうすればいいのか考えましょう。

ピンズの三筒三筒四筒の部分で1面子出来る事によって

六万七万一索二索三索四索五索二筒三筒四筒九筒九筒九筒

10種33牌の受入枚数になりました。
最初の両面2つ残りの1シャンテンの時より、受入枚数が2倍になったということは、それだけテンパイする可能性が高くなったということですね。

麻雀で勝ち組になるためには、この1シャンテンから更に良い1シャンテンへの変化に敏感になりましょう。
更に良い1シャンテンへの変化がある時は、両面2つ残りの1シャンテンで十分形と考えないようにしましょう!

[アガれる手をきちんとアガること]
そのためには、どうすればアガリに一番近付けるのか考えながら打つ事。
これがとても重要になってくるのです。
手牌をブクブクにするのは怖い事でもありますが、攻撃すべき手牌では、目一杯に構えて最速のアガリを目指しましょう。

 

【3章~リャンカンの選択~】

リャンカンの選択で迷った事はありませんか?
どっちでもいいやーと、適当に選択していませんか?
リャンカンの選択にも答えがあります。
その答えをきちんと考えて、導き出せるように学んでいきましょう♪

まずは、テンパイしている時のリャンカンの選択の基本をいくつか挙げていきます。

① 手役が絡む場合。

二万四万六万二索三索四索七索八索九索二筒三筒四筒九筒九筒ドラ九索

はい、迷うことのないケースですね。
六万を切ってリーチでも良し。ヤミテンでも良し。
状況判断にお任せします。

② 状況判断がしにくいケース。

一万三万五万七万八万九万九万九万三筒四筒五筒五筒六筒七筒ドラ七筒

二万四万も場には1枚も見えていません。マンズの状況は良いとも悪いとも言えません。
こんな時は、思い切って五万を切ってリーチをしてみましょう。

リーチ宣言牌の筋牌は危険牌と認識され、そんなに簡単に出アガリ出来る牌とは言えませんが、それでも無筋よりは出てきやすい牌だと思っていいです。
そして、端に近い牌は他家にとって使いにくい牌になっている事も多く、3~7にかけての筋牌よりもアガリ易いです。

③ リーチを打ちたくないケース。

一万三万五万六万七万八万七索八索九索七筒八筒九筒九筒九筒ドラ白

リーチを打っても打点が安く、手替わると打点向上も見込めます。
形にまだ伸びを見たい時は、打一として手牌変化を見ましょう。
待ちを決めたい場合は、引っかけになる牌を切る、伸びを見たい時は、外側の牌を切って形の変化を待つというのがリャンカンの選択の基本になりますね。

続きまして、1シャンテンからのリャンカンの選択についてです。

① アガリ易い待ちを作る時。
1章で言った事と少し矛盾しているように感じられてしまうかもしれませんが、素直に打って出アガリし易い待ちに受ける事が出来るなら受けた方がいいと思います。
後々、待ちになる可能性のある部分に、布石を作っておくことは悪いことではありません。

一万三万五万七万八万九万三索四索五索六索六索八索中中ドラ八索

六索八索を切るという選択肢もありますが、少しアガリの早さや打点力は落ちます。
こんな時に五万を切ってみましょう。
リーチ宣言牌の筋牌はかなりケアされますが、それ以前に切られている筋牌は他家から見ると盲点になりがちです。つまり、出アガリがし易くなります。
もちろん、メンゼンテンパイをした場合は、即リーチを打ちましょう。

ただ、既に二万が1枚でも場に切れている場合は、もう1枚打たれた瞬間に、カン二万待ちが厳しい待ちになってしまいますので、その場合は、ゆとりを持って打一万の良形変化待ちでもいいと思います。

② 先々の伸びや変化を見たい時。

一万三万五万六万七万八万三索四索五索六索六索八索中中ドラ九万

この牌姿では一万を切ることをお勧めします。
① のケースと何が違うの?と思いますよね。

まずは、この手にはドラがないということ。
テンパイしたところで1,300点の愚形ではリーチが打ちにくいですよね。
五万を切ってしまうと、形がカンチャンの二万に固定されてしまいますが、一万を打つ事によってマンズの横の伸びが期待出来ます。

例えば、この形から六索を引いたとしても、焦らずにヤミテンに構えるのが基本になります。
メンゼンでのマンズの良形変化や、中を引いたりシャンポン待ちになってからのリーチ選択や、場合によっては中をポンして役ありに受けたりも出来ますね。

麻雀の基本はリーチだと思っていますが、その時の状況に応じて焦らずじっくり構えることも大切になってきます。

以上、リャンカンの選択の基本を書きました。
上記した事は、あくまで基本であるというだけなので、少しずつ応用してみてくださいね。

はい、今回は3つのポイントに絞ってお話していきました。
牌効率については、話したいことが多すぎて今回の講座だけでは足りませんでした。
残りの中級講座を全て使ってもお伝えし切れるかわかりませんが、次回も牌効率の章をお届けしたいと思います。

それでは、また次回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その2』でお会いしましょう。

中級/第93回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その1』 魚谷 侑未

【序章】
皆さんこんにちは。魚谷侑未です。
今回は牌効率について勉強して行きましょう。
[牌効率]という言葉は、皆さん馴染み深い言葉だと思いますが、その意味についてどう認識されていますか?
まずはお馴染みのWikipediaにて言葉の意味を調べてみましょう。

牌効率(はいこうりつ)とは、麻雀において、聴牌に至る確率・早さのことをいう。

Wikipediaでは、テンパイまでの効率を求めて行くことを牌効率と述べていますね。
一般的な認識もそれに近いと思います。
しかし、この講座では
【テンパイまでの速さとアガりまでの速さのバランスが最も良い選択をする事】
を、牌効率と述べていきます。
テンパイまでが速いだけでは駄目なんです。
何故テンパイまでの速さより、アガリまでの速さが重要かというと、麻雀で勝つために一番重要な事は「アガリによる加点」であるからです。テンパイ料だけで勝負を勝ち切る事は難しいでしょう。
しかし、テンパイまでが最速であるというのは、相手の攻撃を受けないための一番の武器であり最善手段ともなり得ます。先手が何故強いのかは、前回の記事でお話したのでそちらを参照して下さい。
今回の牌効率編では、基礎の部分は分かっていることを前提として、見落としやすい部分をピックアップしていこうと思います。
長い目で見ると、与えられた運の量は全員が等しいと私は思っています。
自分だけツイてないと嘆くのはやめましょう。
そりゃあ、1局、1半荘、1日、1週間単位で見たら、ツイてない日だってあるでしょう。
しかし、それはみんな同じ事です。逆に、ツキに助けられる日だってあるんです。
同じ状況下の中で、与えられた運を活かせるかどうかがその人の技量だと思います。
ツイていたとしても、それを活かす技術がなければチャンスは離れていくだけです。
そして、その技量が一番顕著に表れるのが牌効率です。
きちんと与えられた手牌を活かせるように勉強していきましょう!
 
【1章~素直に打とう~】
麻雀は素直に打つことが一番大切です。
そして、私は素直に打つことが一番の強さであると思い、日々麻雀に取り組んでいます。
しかし、この「素直に打つ」というのは簡単なようでいて、実はとても難しい事なんです。
実践でこれをきちんと活かし切ることはなかなか出来ません。
しかし、素直に打つことを心がけて打てば、良い方向に進んでいけると思います。
さて、ここまで散々「素直に打つ」と連呼してきましたが、「素直って何?」と思いませんか?
私の言う素直に打つというのは、「自分の手牌の事だけを考えて打つ」「自分の手牌に正直であること」という意味です。
① 変に迷彩を作って相手からの出アガリを期待したりしない。
待ちなんてバレバレでいいんです。
一万二万三万一索二索三索五索五索六索二筒三筒八筒八筒西
ここから五索を先切りしたりせず、リーチ宣言牌で自信を持って五索を切りましょう。
待ちになっている可能性が高いと読まれていても、他家も勝負の時はその牌を切ってきます。
五索八筒引きのテンパイを逃すのは、あまりにも痛すぎますよね。
また、分かりづらい待ちになっていても、ベタオリされたら出ません。
ぶっちゃけた話、出アガリを考える前にツモってしまえばいいんです。
出アガリを期待せずに、ツモアガリを自分の麻雀のベースにしていけば、素直に打つ事に一歩近づくはずです。
② 当たり前の手順で当たり前の手を作っていく事。
当たり前の手順、踏めてますか?
私は麻雀において物凄く重要であると感じているのが「普通の積み重ね」です。
人を驚かせるような奇手のアガリが10回に1回あることよりも、誰でも出来ることを間違わずに10回中10回出来る事が麻雀の本質の部分の強さであると考えます。
でもね、これって意外と難しいです。
麻雀中のミスというのは高頻度で発生しますし、自分自身のミスに気付けない事も多々あると思います。
そして、この自分自身のミスに気づかない事が、なかなか厄介なんです。
ではその、自分自身のミスに気付けるようになるためのお勧めの勉強方法は、
① プロの対局を観戦して、自分と違う部分を書き出して検証してみる(出来ればテレビ対局やニコ生などで解説があるものが望ましいです)
② ロン2で自分の牌譜を見直す(自分より雀力の高い人に一緒に検証してもらうと更に良いです)
これを繰り返す事によって、何が正しくて何が間違っているかの認識がついてくると思います。
これは雀力アップに直結する大切な事です。
素直に打つとは。
即ち、普通の事を当たり前に選択し続ける事。
口にすると凄く簡単そうですが、やり続けるのはかなり難しいです。
しかし、これを実践出来るようになった時には、あなたのレベルは飛躍的に上がっていることでしょう。
 
【2章~目一杯に構えよう~】
放銃が怖くて、安全牌を1枚持って打っていたりしませんか?
もちろん、状況や局面に応じて安全牌を持って打つ事もあります。
しかし、
[勝負手の時は安全牌を持たず、自分の都合で手牌をブクブクにしましょう]
1章の①の内容と少し被りますが、更に掘り下げて書いて行きます。
放銃って嫌ですよね。私も嫌です。
でも、アガリ逃しはもっと嫌です。
アガれる手(アガリたい手)の時には、放銃を恐れずに自分の都合で麻雀を打ちましょう。
オリる事なんて、他から先制をされた時に考えればいいんです。
「ブクブクにしてたらオリられないじゃんー!」
と思うかもしれませんが、意外にブクブクにしていてもオリ切る事って出来るものですよ。
それに、アガリに向かうべき局面では、オリる事はまずは考えずにに戦って欲しいです。
東1局南家6巡目
六万七万一索二索三索四索五索三筒三筒四筒九筒九筒九筒西ドラ九筒
両面2つ残りの1シャンテンなので、4種15牌の受入枚数があります。
この手はドラの九筒が暗刻の勝負手です。ここに場に3枚切れの安全牌の西を持ってきました。
四筒を切って両面2つ残りの1シャンテンにしてしまいがちですが、この手は西を切って目一杯に構えましょう。
二筒五筒を引くと、更に良い1シャンテンの形が出来るということを想定しておくと、この四筒は必要不可欠な牌になります。
この形のままの1シャンテン、両面2つ残りの1シャンテンからテンパイまでの平均巡目が、何巡かかるか知っていますか?
なんと、平均で8巡かかるという計算が出ています。
8巡も待っていたら、他家にアガリのチャンスを与えてしまいます。
この手をアガリ切るためにも、少しでも早くテンパイを組みたいですよね。
そのためにはどうすればいいのか考えましょう。
ピンズの三筒三筒四筒の部分で1面子出来る事によって
六万七万一索二索三索四索五索二筒三筒四筒九筒九筒九筒
10種33牌の受入枚数になりました。
最初の両面2つ残りの1シャンテンの時より、受入枚数が2倍になったということは、それだけテンパイする可能性が高くなったということですね。
麻雀で勝ち組になるためには、この1シャンテンから更に良い1シャンテンへの変化に敏感になりましょう。
更に良い1シャンテンへの変化がある時は、両面2つ残りの1シャンテンで十分形と考えないようにしましょう!
[アガれる手をきちんとアガること]
そのためには、どうすればアガリに一番近付けるのか考えながら打つ事。
これがとても重要になってくるのです。
手牌をブクブクにするのは怖い事でもありますが、攻撃すべき手牌では、目一杯に構えて最速のアガリを目指しましょう。
 
【3章~リャンカンの選択~】
リャンカンの選択で迷った事はありませんか?
どっちでもいいやーと、適当に選択していませんか?
リャンカンの選択にも答えがあります。
その答えをきちんと考えて、導き出せるように学んでいきましょう♪
まずは、テンパイしている時のリャンカンの選択の基本をいくつか挙げていきます。
① 手役が絡む場合。
二万四万六万二索三索四索七索八索九索二筒三筒四筒九筒九筒ドラ九索
はい、迷うことのないケースですね。
六万を切ってリーチでも良し。ヤミテンでも良し。
状況判断にお任せします。
② 状況判断がしにくいケース。
一万三万五万七万八万九万九万九万三筒四筒五筒五筒六筒七筒ドラ七筒
二万四万も場には1枚も見えていません。マンズの状況は良いとも悪いとも言えません。
こんな時は、思い切って五万を切ってリーチをしてみましょう。
リーチ宣言牌の筋牌は危険牌と認識され、そんなに簡単に出アガリ出来る牌とは言えませんが、それでも無筋よりは出てきやすい牌だと思っていいです。
そして、端に近い牌は他家にとって使いにくい牌になっている事も多く、3~7にかけての筋牌よりもアガリ易いです。
③ リーチを打ちたくないケース。
一万三万五万六万七万八万七索八索九索七筒八筒九筒九筒九筒ドラ白
リーチを打っても打点が安く、手替わると打点向上も見込めます。
形にまだ伸びを見たい時は、打一として手牌変化を見ましょう。
待ちを決めたい場合は、引っかけになる牌を切る、伸びを見たい時は、外側の牌を切って形の変化を待つというのがリャンカンの選択の基本になりますね。
続きまして、1シャンテンからのリャンカンの選択についてです。
① アガリ易い待ちを作る時。
1章で言った事と少し矛盾しているように感じられてしまうかもしれませんが、素直に打って出アガリし易い待ちに受ける事が出来るなら受けた方がいいと思います。
後々、待ちになる可能性のある部分に、布石を作っておくことは悪いことではありません。
一万三万五万七万八万九万三索四索五索六索六索八索中中ドラ八索
六索八索を切るという選択肢もありますが、少しアガリの早さや打点力は落ちます。
こんな時に五万を切ってみましょう。
リーチ宣言牌の筋牌はかなりケアされますが、それ以前に切られている筋牌は他家から見ると盲点になりがちです。つまり、出アガリがし易くなります。
もちろん、メンゼンテンパイをした場合は、即リーチを打ちましょう。
ただ、既に二万が1枚でも場に切れている場合は、もう1枚打たれた瞬間に、カン二万待ちが厳しい待ちになってしまいますので、その場合は、ゆとりを持って打一万の良形変化待ちでもいいと思います。
② 先々の伸びや変化を見たい時。
一万三万五万六万七万八万三索四索五索六索六索八索中中ドラ九万
この牌姿では一万を切ることをお勧めします。
① のケースと何が違うの?と思いますよね。
まずは、この手にはドラがないということ。
テンパイしたところで1,300点の愚形ではリーチが打ちにくいですよね。
五万を切ってしまうと、形がカンチャンの二万に固定されてしまいますが、一万を打つ事によってマンズの横の伸びが期待出来ます。
例えば、この形から六索を引いたとしても、焦らずにヤミテンに構えるのが基本になります。
メンゼンでのマンズの良形変化や、中を引いたりシャンポン待ちになってからのリーチ選択や、場合によっては中をポンして役ありに受けたりも出来ますね。
麻雀の基本はリーチだと思っていますが、その時の状況に応じて焦らずじっくり構えることも大切になってきます。
以上、リャンカンの選択の基本を書きました。
上記した事は、あくまで基本であるというだけなので、少しずつ応用してみてくださいね。
はい、今回は3つのポイントに絞ってお話していきました。
牌効率については、話したいことが多すぎて今回の講座だけでは足りませんでした。
残りの中級講座を全て使ってもお伝えし切れるかわかりませんが、次回も牌効率の章をお届けしたいと思います。
それでは、また次回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その2』でお会いしましょう。

第9期女流桜花第4節レポート 立花 つくし

去る8月27日、第9期女流桜花、第4節が開催されました。
今期の女流桜花Aリーグは、全節、連盟チャンネルで生放送されていますので皆様ぜひご覧下さい。

4節目、私の対戦相手は、二階堂瑠美プロ、斎藤理絵プロ、魚谷侑未プロでした。
プロになってから3年目で、Cリーグ、BリーグとストレートにAリーグまで昇級することができました。
Aリーグ初めての第1節は、▲28.4Pとマイナスを叩いてしまい、今までの打ち方では太刀打ちできないと痛感しました。

私は面前で攻撃的に攻める雀風なのですが、愚形や安い手でリーチを打つことも多々あります。
1節目では、私の親番のリーチに、相手3人は簡単にはオリてくれず、リーチもかわされてしまい、このままではだめだ、自分の麻雀を変えようと思う、いいきっかけになり、2節目、3節目と変えた結果、トータル+77.4Pまでポイントを増やすことができました。

今までと違ってすぐにリーチを打たず、最終形を意識して、これはリーチなのかヤミテンなのか、しっかり考えて打つように心がけていました。

かなり腰が重い麻雀だったのですが、かわせる手は鳴く様にしたり、少しずつ自分の麻雀を見直していますが、まだまだ未熟な部分が多く勉強中です。

今回、初めて自戦記を書かせていただくことになったのですが、自分の中での反省点を見直そうとおもいます!

まずは、1回戦東4局3本場 西家

九万九万九万五索六索一筒二筒三筒三筒四筒五筒八筒九筒  ツモ九筒  ドラ南

先制で魚谷プロからリーチを受けて、ここで八筒切りリーチにしたのですが、結果は、次巡六万を持ってきて魚谷プロに7,700は8,600点の放銃。

結果だけを見て言うわけではないですが、役なしテンパイで、リーチをかけることはリスクが高かったと反省しています。

他の2人が来てるわけでもなかったので、ここはヤミテンで様子見して、危険牌を引いたらオリてもよかったと思いました。その前の局でもずっと手が入らず落ちていたので、ここは我慢の局面でした。

そして4回戦東2局0本場 

一万二万四万四万四万一索二索一筒二筒三筒五筒五筒五筒東  ドラ八万

ここから東を打ち、親の斎藤プロにダブ東を鳴かれ、その後あせりから三索をチー打四万
123の三色のみのテンパイをとりました。

ドラは1枚も見えてない状態で、親にもダブ東を鳴かれてる状態。
そこでこのテンパイをずっと維持して、結果的に、親にダブ東ドラ1の5,800の放銃となりました。

安い手で押すというのが、私の悪いクセであり弱点だと思い知りました。
あそこで東を切らず、五筒を先に打ってもよかったな、と思いました。

結果、この日は4着、3着、1着、2着で▲13.2Pでした。

自分の中で反省点はかなり多く、やはり打牌ミスや全体的に局面が見えていないなと見返して思いました。
第4節が終わって、私のポイントは+64.2Pで順位は5位となりました。
残る2節は、プレーオフに残ることを目標に頑張りたいです。

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第9期女流桜花第4節レポート 立花 つくし

去る8月27日、第9期女流桜花、第4節が開催されました。
今期の女流桜花Aリーグは、全節、連盟チャンネルで生放送されていますので皆様ぜひご覧下さい。
4節目、私の対戦相手は、二階堂瑠美プロ、斎藤理絵プロ、魚谷侑未プロでした。
プロになってから3年目で、Cリーグ、BリーグとストレートにAリーグまで昇級することができました。
Aリーグ初めての第1節は、▲28.4Pとマイナスを叩いてしまい、今までの打ち方では太刀打ちできないと痛感しました。
私は面前で攻撃的に攻める雀風なのですが、愚形や安い手でリーチを打つことも多々あります。
1節目では、私の親番のリーチに、相手3人は簡単にはオリてくれず、リーチもかわされてしまい、このままではだめだ、自分の麻雀を変えようと思う、いいきっかけになり、2節目、3節目と変えた結果、トータル+77.4Pまでポイントを増やすことができました。
今までと違ってすぐにリーチを打たず、最終形を意識して、これはリーチなのかヤミテンなのか、しっかり考えて打つように心がけていました。
かなり腰が重い麻雀だったのですが、かわせる手は鳴く様にしたり、少しずつ自分の麻雀を見直していますが、まだまだ未熟な部分が多く勉強中です。
今回、初めて自戦記を書かせていただくことになったのですが、自分の中での反省点を見直そうとおもいます!
まずは、1回戦東4局3本場 西家
九万九万九万五索六索一筒二筒三筒三筒四筒五筒八筒九筒  ツモ九筒  ドラ南
先制で魚谷プロからリーチを受けて、ここで八筒切りリーチにしたのですが、結果は、次巡六万を持ってきて魚谷プロに7,700は8,600点の放銃。
結果だけを見て言うわけではないですが、役なしテンパイで、リーチをかけることはリスクが高かったと反省しています。
他の2人が来てるわけでもなかったので、ここはヤミテンで様子見して、危険牌を引いたらオリてもよかったと思いました。その前の局でもずっと手が入らず落ちていたので、ここは我慢の局面でした。
そして4回戦東2局0本場 
一万二万四万四万四万一索二索一筒二筒三筒五筒五筒五筒東  ドラ八万
ここから東を打ち、親の斎藤プロにダブ東を鳴かれ、その後あせりから三索をチー打四万
123の三色のみのテンパイをとりました。
ドラは1枚も見えてない状態で、親にもダブ東を鳴かれてる状態。
そこでこのテンパイをずっと維持して、結果的に、親にダブ東ドラ1の5,800の放銃となりました。
安い手で押すというのが、私の悪いクセであり弱点だと思い知りました。
あそこで東を切らず、五筒を先に打ってもよかったな、と思いました。
結果、この日は4着、3着、1着、2着で▲13.2Pでした。
自分の中で反省点はかなり多く、やはり打牌ミスや全体的に局面が見えていないなと見返して思いました。
第4節が終わって、私のポイントは+64.2Pで順位は5位となりました。
残る2節は、プレーオフに残ることを目標に頑張りたいです。

第13期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第5節レポート

Aリーグレポート:辻本翔哉

夏本番。早くも折り返しの5節目です。
A1卓:花岡、貫上、勝間、上村
A2卓:藤川、米川、佐々木、辻本
A3卓:仁科、横山、堀、中川

A1卓の上村の打ち筋を注目しました。
4回戦、東2局2本場、上村は北家で28,300持ち。
途中からの観戦でしたが、親が6巡目にリーチ。
上村の手は

三万七万八万九万八索九索二筒二筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ一万

この三色1シャンテン。
その後のツモは、3巡ほど字牌や筋の牌などツモ切りでやり過ごす。
親のリーチから4巡後、七筒をツモって三色のテンパイ。
リーチをしてツモなら2,000・3,900だが、上村は安全牌の八索を切る。

その後、1枚あふれていた三万はリーチをした親がツモ切る。
結局横移動で終わり、前に進んでいても場に七索は切られなかったが、私なら引きずってしまうような局。
終了後、上村にその時の心情を聞き出した。

すると、上村はそこまで引きずっていなかった。
しかし、3回戦までの状態が良くなく心が弱くなっていたと語った。

麻雀はその時の心情や状態で、強く前に出たり後ろ向きになったりする。
常にベストのメンタルで戦う事が重要であるかと思いました。

A2卓、米川はメリハリがすごい。親のリーチに持っているのがおかしい程の安全牌の連打で完全なオリを見せたと思えば、また違う局はいきなり無筋などをバシバシ切り出したりする。

私は配牌の時点である程度は方針を決めるが、米川は配牌をもらった時点でかなりの最終形を考えた打ち筋のようだ。
どちらが良いかは、本人の考え方しだいだが、自分のスタイルを確立している雀士は強くなっていくと思います。

A3卓は、あまり観戦が出来なかったので結果を報告したいと思います。
横山+48.1P、堀+24.3P、仁科▲28.0P、中川▲44.4Pとなった。
これで豪腕の横山がトータルトップになった。
後半戦は横山を中心に決定戦に向けリーグ戦がますます熱くなりそうだ。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 横山  毅 50.3 31.2 40.9 ▲ 18.4 48.1 152.1
2 米川 基紀 27.9 26.7 60.0 ▲ 2.3 3.1 115.4
3 藤川 議次 62.9 4.0 18.9 44.2 ▲ 41.5 88.5
4 辻本 翔哉 30.1 ▲ 6.8 13.2 ▲ 6.9 56.4 86.0
5 堀  昭義 ▲ 75.7 39.9 ▲ 19.7 3.4 24.3 ▲ 27.8
6 上村 宜久 53.1 ▲ 34.5 42.2 ▲ 24.5 ▲ 65.0 ▲ 28.7
7 中川 由佳梨 ▲ 13.4 38.0 ▲ 7.9 ▲ 24.5 ▲ 44.4 ▲ 52.2
8 花岡 章生 43.0 ▲ 26.4 ▲ 82.5 12.9 ▲ 0.8 ▲ 53.8
9 勝間 伸生 ▲ 37.5 ▲ 56.3 ▲ 13.9 10.5 35.2 ▲ 62.0
10 貫上 洋志 ▲ 44.6 ▲ 15.6 ▲ 6.6 ▲ 31.3 29.6 ▲ 68.5
11 仁科健一郎 ▲ 79.2 ▲ 1.6 ▲ 4.4 34.8 ▲ 28.0 ▲ 78.4
12 佐々木 亮 ▲ 16.9 1.4 ▲ 40.2 ▲ 18.9 ▲ 18.0 ▲ 92.6

 

 

Bリーグレポート:宮田豊夢
(Bリーグ1卓 原田、山中、掛樋、森下)

リーグ戦もちょうど今日で折り返し地点、1回戦から非常に激しい展開となる。
東2局、親の山中がピンズ模様の仕掛け、対する南家の掛樋は索子模様の仕掛け。
そこに、西家の森下が

一万一万二万三万三万九万九万一索二索三索一筒二筒三筒

このテンパイ。
残り2枚しかない二万、テンパイ形こそ厳しいが、仕掛け2者の色が別のために、完全に盲点になっている絶好の待ちである。
それをテンパイ直後にピンズ仕掛けの親の山中が掴み、12,000の放銃。
森下としては手役をしっかり作った良いアガリ、放銃した山中は非常に厳しい立ち上がりになった。

局も進み、現在リーグトップの原田がじわじわ点数を重ねて森下に迫る勢い、森下としては原田を突き放しておきたいところ。
ここで森下に絶好の聴牌が入った。
南3局、親・掛樋

二万三万七万七万二索三索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ七万

四万でのアガリだと再び12,000、しかし一万だと3,900にしかならない。
リーチかヤミテンか悩ましいところだが、森下は現在トップ目のためヤミテンを選択。
これが、功を奏して山中から四万がこぼれて12,000を出アガった。

この後も、森下は緩急の効いた麻雀で破竹の4連勝という素晴らしい折り返しを魅せた。
とは言え、ようやくプラスに転じたところである。これからの戦いに注目したいと思います。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 原田 保正 66.3 ▲ 8.7 39.5 17.1 48.9 163.1
2 筒井 宏晶 19.7 55.9 27.5 3.0 ▲ 6.8 99.3
3 山本 善嗣 12.0 ▲ 67.5 44.8 2.4 92.5 84.2
4 西原 佳隆 83.2 ▲ 15.1 ▲ 12.4 ▲ 8.7 ▲ 12.1 34.9
5 近野理智男 15.4 10.7 18.6 10.0 ▲ 40.5 14.2
6 森下 恭好 0.8 ▲ 24.9 ▲ 33.2 ▲ 20.4 87.5 9.8
7 坂本 誠裕 22.5 18.1 2.4 23.5 ▲ 58.8 7.7
8 中野 孝治 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 1.9
9 宮田 豊夢 ▲ 18.4 7.2 43.5 13.4 ▲ 44.0 1.7
10 中川  保 ▲ 43.0 46.0 19.6 ▲ 16.1 ▲ 23.2 ▲ 16.7
11 玉木 章司 14.5 ▲ 4.0 ▲ 63.5 1.3 17.2 ▲ 34.5
12 掛樋 忠雄 ▲ 4.5 ▲ 32.0 6.3 10.6 ▲ 15.6 ▲ 35.2
13 吉田 哲史 ▲ 98.2 27.7 ▲ 17.7 2.5 47.7 ▲ 38.0
14 山中  翼 ▲ 9.4 4.0 ▲ 0.2 2.4 ▲ 76.8 ▲ 80.0
15 稲森 英子 ▲ 66.9 ▲ 20.9 ▲ 18.2 ▲ 21.3 ▲ 8.3 ▲ 135.6
16 延原 明美 1.1 ▲ 17.5 ▲ 57.0 ▲ 40.7 ▲ 27.7 ▲ 141.8

 

 

C1リーグレポート:秋山淑子

こんにちは、ついに最終節を迎えました。
C1は昇級も降級もあるクラスなので、いやがおうにも緊張感が高まります。
ここで昇級争いの得点差を今一度確認しておきます。
昇級は2名
1位 中安 138.3P
2位 上村 131.5P
3位 山室 127.1P
4位 川崎 58.8P

1卓は中安、山室、川上、西村。2卓は上村、川崎、三好、赤木。
3位の山室が逆転するのか、中安、上村が凌ぎきって昇級を手にするのか、はたまた4位以下から大爆発をしてくる者がいるのか、とても楽しみな状況です。

最終節は3回戦まで全卓が打ち終わるのをまち、得点計算と順位を明確にしてから4回戦を打ち始めます。
待ち時間にとてもドラマチックな局が観戦できました。昇級組の卓ではないのですがご紹介したいと思います。

3回戦
4卓(田村、吉本、木下、伊原)
南3局2本場(東家・木下)

南家 伊原の配牌
三万四万八万八万九万二索六索六索九索一筒三筒東西  ドラ二万

西家 田村の配牌
四万一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索一筒中

南家 伊原は 二筒発三筒五万白二筒 と次々と有効牌を引き、あっというまに形のよい1シャンテンとします。

三万四万五万八万八万九万六索六索一筒二筒二筒三筒三筒

一方西家 田村は、七筒南四筒一万北五万 とソーズを1枚も引けず2シャンテンのまま。

一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索南北中

8巡目、南家・伊原があっさり6を暗刻にしてリーチ。

三万四万五万八万八万六索六索六索一筒二筒二筒三筒三筒  リーチ  ドラ二万

やっと西家・田村にソーズの入り始めた矢先の立直。
どう凌ぐのかとワクワクしてきました!!

9巡目、田村がドラそばの一万を強打!まっすぐチンイツに向かう宣戦布告!

一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索八索八索中  打一万  ドラ二万

10巡目に七索を引き、1シャンテンとしますが六索はカラ、九索はリーチ者伊原の安牌なので、さくさく場に落とされ、六索九索のスジは残り1枚に、しかし、最後の1枚の九索を伊原が持ってきて、チーテンで追いつきます。

一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き

そして14順目、軍配は田村に上がり見事満貫ツモとしたのでした。

一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ツモ一索

3回戦を終わり、上位陣に少し変動が出ました
1位 上村 141.7P
2位 中安 137.0P
3位 山室 103.4P
4位 川上  69.3P

山室と中安の差が広がって、33.6P差になっていました。
直接対決なので、中安は山室との差分だけを考えながら打てばいいので、外野からすると中安有利に見えましたが、
本人曰「今日一日とても苦しかった」そうです。

4回戦南2局、東家・川上
山室の親番がなくなり、点棒的にも3万点超えの中安。
怖いのは山室の直撃、という状況で北家の山室が北を積極的に仕掛けてきます。

南家、中安手牌

二万二万三万五万六万八万二索四索四索三筒発発中  ドラ四万

発がポン出来ればいいのですが、北ポンの山室ともちもちの可能性も。

西家・西村手牌

一万三万三万三索三索四索六索八索八索九索六筒八筒八筒

七対子の2シャンテンですが、面子手にしてもよい柔軟性のある手牌です。
北ポンの山室、手出しの七万、次巡ツモ切りで七万とドラ筋をめった切りし
「俺の手は高いぜ!」オーラを全開で出してきます。

3枚目の七万を山室に捨てられた次巡、中安は待望の四万を積もり、一気にスピード感のある手牌になりますが、八万は生き場を失いつつありました。

南家・中安9巡目

二万二万二万三万四万五万六万四索四索三筒発発  打八万

これに山室から「ポン」の声。もう発は絶対切れない状態に。
しかし、この後山室から場に六万発が河に放たれます。

南家・中安 12巡目

二万二万二万三万四万五万四索四索二筒三筒  ポン発発発

心中させられるかもしれなかった牌が形を成したおかげで、最高のテンパイを手に入れることが出来ました!
次巡あっさり四筒をツモり、昇級争いに大いなるアドバンテージを得る500・1,000を得たのでした。

最終結果は

1位:上村 2位:中安 3位:山室 4位:赤木

こうなりました。
昇級となった上村、中安プロおめでとうございます!
つたない文章を5節にわたりお付き合いくださり、ありがとうございました。

C1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 上村 政雄 36.0 33.2 21.7 40.6 27.4 158.9
2 中安 武尊 72.0 29.7 ▲ 16.9 53.5 3.9 142.2
3 山室 太二 45.8 25.3 5.1 50.9 ▲ 5.6 121.5
4 赤木 由実 39.6 41.9 ▲ 42.8 ▲ 27.9 43.0 53.8
5 川上 直也 ▲ 2.9 ▲ 0.2 53.2 ▲ 0.2 ▲ 0.3 49.6
6 川崎 諒介 ▲ 20.4 42.9 50.2 ▲ 13.9 ▲ 21.1 37.7
7 西村 友和 36.9 ▲ 20.3 38.4 ▲ 36.8 ▲ 2.0 16.2
8 田村  豊 ▲ 43.1 15.7 27.4 ▲ 23.8 37.0 13.2
9 三好 直幸 20.8 81.1 11.0 ▲ 86.5 ▲ 50.3 ▲ 23.9
10 秋山 淑子 ▲ 37.4 ▲ 31.4 ▲ 37.8 ▲ 8.3 82.4 ▲ 32.5
11 富田 淳一 9.4 ▲ 38.4 ▲ 29.0 31.0 ▲ 7.9 ▲ 34.9
12 吉本 卓矢 ▲ 3.9 ▲ 2.9 6.5 ▲ 40.3 ▲ 3.4 ▲ 44.0
13 谷上 脩平 ▲ 47.2 ▲ 42.5 12.2 65.6 ▲ 54.0 ▲ 65.9
14 森元 直哉 ▲ 42.3 ▲ 20.7 ▲ 39.0 41.3 ▲ 20.5 ▲ 81.2
15 木下 恭子 ▲ 2.6 ▲ 98.6 19.9 ▲ 13.9 ▲ 26.3 ▲ 121.5
16 伊原 達也 ▲ 61.7 ▲ 35.8 ▲ 81.1 ▲ 31.3 ▲ 8.3 ▲ 218.2

 

 

C2リーグレポート:下山学

最終節である今節は昇格争いをかけていろいろな戦いがあったようです。
まず1卓。ここは1・3・5・7位の対戦でした。

ほぼ昇格が決まっている丸山は、本来の戦いができなかったようです。
4回戦目の東4局木下の

一万二万三万一索二索一筒二筒三筒七筒八筒九筒東東  ドラ東

跳満の三索を放銃。
など精細を欠きましたが、何とかげ切って優勝。

2卓。2・4・6・8位の対戦。
ここは4位・高谷・6位・稲岡が生き残りを、8位・辻井が逆転をかけての戦いでしたが、結局3戦目で辻井が脱落してしまった。

今回は最終節で大逆転がある波乱でした。
3卓。ここは昇格可能性のある後藤がどれだけ頑張れるか?でした。
4回戦の東1、親でリーチ。

四万五万六万八万八万八万二索二索八索八索八索六筒六筒

二索ツモで8,000オールと後藤の独壇場となった。
結局、後藤は一躍3位まで駆け上がった。

4卓。ここも昇格可能性があるのは大橋とぎりぎり大久保。
内容はぶっちぎりで大橋が大トップをとるが、僅か12ポイント足らずで涙を飲む事になった。
集計が終るまで、心配顔で涙目の稲岡ミカは、「6位稲岡?」の声を聞いて、嬉し涙に変わる感激の一幕もあった。
丸山、松永、後藤、高谷、下村、稲岡の6名の皆さんC1へ昇級おめでとうございます。

C2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 丸山  直 1.9 47.6 81.9 44.0 ▲ 15.9 159.5
2 松永 侑己 4.9 50.9 18.5 50.1 25.7 150.1
3 後藤 俊孝 33.8 41.0 ▲ 47.3 27.4 82.5 137.4
4 高谷 圭一 50.0 10.4 ▲ 33.8 91.7 14.8 133.1
5 下村 学 54.5 8.2 86.4 2.5 ▲ 20.4 131.2
6 稲岡 ミカ ▲ 13.7 5.6 30.6 48.4 48.8 119.7
7 大橋 慶一郎 ▲ 15.8 ▲ 37.1 ▲ 8.4 98.0 81.8 118.5
8 前川 憲一 ▲ 3.9 10.1 107.5 ▲ 6.6 ▲ 5.0 102.1
9 木下 誠二郎 14.4 39.2 22.5 ▲ 19.0 ▲ 4.8 52.3
10 大久保 朋美 ▲ 37.7 ▲ 8.3 61.2 ▲ 19.6 40.5 36.1
11 長尾 浩平 ▲ 33.3 26.1 ▲ 7.1 3.3 28.4 17.4
12 辻井 和也 20.8 25.8 ▲ 10.1 19.8 ▲ 43.2 13.1
13 小西 輝彦 ▲ 32.4 ▲ 47.8 2.9 ▲ 4.2 75.7 ▲ 5.8
14 吉田 圭吾 95.1 ▲ 48.1 3.1 ▲ 91.9 33.3 ▲ 8.5
15 鎌田 周平 15.8 ▲ 26.9 ▲ 15.2 34.7 ▲ 20.5 ▲ 12.1
16 山神 剛 ▲ 33.9 9.8 ▲ 29.0 ▲ 42.3 52.1 ▲ 43.3
17 赤木 里恵 57.4 ▲ 46.0 ▲ 41.0 5.8 ▲ 22.6 ▲ 46.4
18 長野 恵美 13.7 ▲ 37.1 11.8 ▲ 14.6 ▲ 33.0 ▲ 59.2
20 辰巳 晴基 1.0 ▲ 32.1 ▲ 16.9 1.9 ▲ 17.9 ▲ 64.0
21 城 裕介 ▲ 4.8 29.5 ▲ 39.0 ▲ 43.3 ▲ 48.0 ▲ 105.6
22 疋田 豪 ▲ 39.2 6.6 ▲ 6.2 18.4 ▲ 90.4 ▲ 110.8
19 永田 知也 ▲ 37.1 20.0 ▲ 29.0 27.8 ▲ 99.7 ▲ 118.0
25 高橋 正人 ▲ 16.5 ▲ 88.6 ▲ 14.1 ▲ 46.4 ▲ 24.8 ▲ 190.4
23 只野 真理子 ▲ 82.8 21.6 ▲ 52.8 ▲ 92.7 1.5 ▲ 205.2
24 土田 小緒里 ▲ 14.2 ▲ 24.4 ▲ 76.5 ▲ 96.2 ▲ 40.9 ▲ 252.2

関西プロリーグ レポート/第13期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第5節レポート

Aリーグレポート:辻本翔哉
夏本番。早くも折り返しの5節目です。
A1卓:花岡、貫上、勝間、上村
A2卓:藤川、米川、佐々木、辻本
A3卓:仁科、横山、堀、中川
A1卓の上村の打ち筋を注目しました。
4回戦、東2局2本場、上村は北家で28,300持ち。
途中からの観戦でしたが、親が6巡目にリーチ。
上村の手は
三万七万八万九万八索九索二筒二筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ一万
この三色1シャンテン。
その後のツモは、3巡ほど字牌や筋の牌などツモ切りでやり過ごす。
親のリーチから4巡後、七筒をツモって三色のテンパイ。
リーチをしてツモなら2,000・3,900だが、上村は安全牌の八索を切る。
その後、1枚あふれていた三万はリーチをした親がツモ切る。
結局横移動で終わり、前に進んでいても場に七索は切られなかったが、私なら引きずってしまうような局。
終了後、上村にその時の心情を聞き出した。
すると、上村はそこまで引きずっていなかった。
しかし、3回戦までの状態が良くなく心が弱くなっていたと語った。
麻雀はその時の心情や状態で、強く前に出たり後ろ向きになったりする。
常にベストのメンタルで戦う事が重要であるかと思いました。
A2卓、米川はメリハリがすごい。親のリーチに持っているのがおかしい程の安全牌の連打で完全なオリを見せたと思えば、また違う局はいきなり無筋などをバシバシ切り出したりする。
私は配牌の時点である程度は方針を決めるが、米川は配牌をもらった時点でかなりの最終形を考えた打ち筋のようだ。
どちらが良いかは、本人の考え方しだいだが、自分のスタイルを確立している雀士は強くなっていくと思います。
A3卓は、あまり観戦が出来なかったので結果を報告したいと思います。
横山+48.1P、堀+24.3P、仁科▲28.0P、中川▲44.4Pとなった。
これで豪腕の横山がトータルトップになった。
後半戦は横山を中心に決定戦に向けリーグ戦がますます熱くなりそうだ。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 横山  毅 50.3 31.2 40.9 ▲ 18.4 48.1 152.1
2 米川 基紀 27.9 26.7 60.0 ▲ 2.3 3.1 115.4
3 藤川 議次 62.9 4.0 18.9 44.2 ▲ 41.5 88.5
4 辻本 翔哉 30.1 ▲ 6.8 13.2 ▲ 6.9 56.4 86.0
5 堀  昭義 ▲ 75.7 39.9 ▲ 19.7 3.4 24.3 ▲ 27.8
6 上村 宜久 53.1 ▲ 34.5 42.2 ▲ 24.5 ▲ 65.0 ▲ 28.7
7 中川 由佳梨 ▲ 13.4 38.0 ▲ 7.9 ▲ 24.5 ▲ 44.4 ▲ 52.2
8 花岡 章生 43.0 ▲ 26.4 ▲ 82.5 12.9 ▲ 0.8 ▲ 53.8
9 勝間 伸生 ▲ 37.5 ▲ 56.3 ▲ 13.9 10.5 35.2 ▲ 62.0
10 貫上 洋志 ▲ 44.6 ▲ 15.6 ▲ 6.6 ▲ 31.3 29.6 ▲ 68.5
11 仁科健一郎 ▲ 79.2 ▲ 1.6 ▲ 4.4 34.8 ▲ 28.0 ▲ 78.4
12 佐々木 亮 ▲ 16.9 1.4 ▲ 40.2 ▲ 18.9 ▲ 18.0 ▲ 92.6

 
 
Bリーグレポート:宮田豊夢
(Bリーグ1卓 原田、山中、掛樋、森下)
リーグ戦もちょうど今日で折り返し地点、1回戦から非常に激しい展開となる。
東2局、親の山中がピンズ模様の仕掛け、対する南家の掛樋は索子模様の仕掛け。
そこに、西家の森下が
一万一万二万三万三万九万九万一索二索三索一筒二筒三筒
このテンパイ。
残り2枚しかない二万、テンパイ形こそ厳しいが、仕掛け2者の色が別のために、完全に盲点になっている絶好の待ちである。
それをテンパイ直後にピンズ仕掛けの親の山中が掴み、12,000の放銃。
森下としては手役をしっかり作った良いアガリ、放銃した山中は非常に厳しい立ち上がりになった。
局も進み、現在リーグトップの原田がじわじわ点数を重ねて森下に迫る勢い、森下としては原田を突き放しておきたいところ。
ここで森下に絶好の聴牌が入った。
南3局、親・掛樋
二万三万七万七万二索三索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ七万
四万でのアガリだと再び12,000、しかし一万だと3,900にしかならない。
リーチかヤミテンか悩ましいところだが、森下は現在トップ目のためヤミテンを選択。
これが、功を奏して山中から四万がこぼれて12,000を出アガった。
この後も、森下は緩急の効いた麻雀で破竹の4連勝という素晴らしい折り返しを魅せた。
とは言え、ようやくプラスに転じたところである。これからの戦いに注目したいと思います。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 原田 保正 66.3 ▲ 8.7 39.5 17.1 48.9 163.1
2 筒井 宏晶 19.7 55.9 27.5 3.0 ▲ 6.8 99.3
3 山本 善嗣 12.0 ▲ 67.5 44.8 2.4 92.5 84.2
4 西原 佳隆 83.2 ▲ 15.1 ▲ 12.4 ▲ 8.7 ▲ 12.1 34.9
5 近野理智男 15.4 10.7 18.6 10.0 ▲ 40.5 14.2
6 森下 恭好 0.8 ▲ 24.9 ▲ 33.2 ▲ 20.4 87.5 9.8
7 坂本 誠裕 22.5 18.1 2.4 23.5 ▲ 58.8 7.7
8 中野 孝治 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 1.9
9 宮田 豊夢 ▲ 18.4 7.2 43.5 13.4 ▲ 44.0 1.7
10 中川  保 ▲ 43.0 46.0 19.6 ▲ 16.1 ▲ 23.2 ▲ 16.7
11 玉木 章司 14.5 ▲ 4.0 ▲ 63.5 1.3 17.2 ▲ 34.5
12 掛樋 忠雄 ▲ 4.5 ▲ 32.0 6.3 10.6 ▲ 15.6 ▲ 35.2
13 吉田 哲史 ▲ 98.2 27.7 ▲ 17.7 2.5 47.7 ▲ 38.0
14 山中  翼 ▲ 9.4 4.0 ▲ 0.2 2.4 ▲ 76.8 ▲ 80.0
15 稲森 英子 ▲ 66.9 ▲ 20.9 ▲ 18.2 ▲ 21.3 ▲ 8.3 ▲ 135.6
16 延原 明美 1.1 ▲ 17.5 ▲ 57.0 ▲ 40.7 ▲ 27.7 ▲ 141.8

 
 
C1リーグレポート:秋山淑子
こんにちは、ついに最終節を迎えました。
C1は昇級も降級もあるクラスなので、いやがおうにも緊張感が高まります。
ここで昇級争いの得点差を今一度確認しておきます。
昇級は2名
1位 中安 138.3P
2位 上村 131.5P
3位 山室 127.1P
4位 川崎 58.8P
1卓は中安、山室、川上、西村。2卓は上村、川崎、三好、赤木。
3位の山室が逆転するのか、中安、上村が凌ぎきって昇級を手にするのか、はたまた4位以下から大爆発をしてくる者がいるのか、とても楽しみな状況です。
最終節は3回戦まで全卓が打ち終わるのをまち、得点計算と順位を明確にしてから4回戦を打ち始めます。
待ち時間にとてもドラマチックな局が観戦できました。昇級組の卓ではないのですがご紹介したいと思います。
3回戦
4卓(田村、吉本、木下、伊原)
南3局2本場(東家・木下)
南家 伊原の配牌
三万四万八万八万九万二索六索六索九索一筒三筒東西  ドラ二万
西家 田村の配牌
四万一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索一筒中
南家 伊原は 二筒発三筒五万白二筒 と次々と有効牌を引き、あっというまに形のよい1シャンテンとします。
三万四万五万八万八万九万六索六索一筒二筒二筒三筒三筒
一方西家 田村は、七筒南四筒一万北五万 とソーズを1枚も引けず2シャンテンのまま。
一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索南北中
8巡目、南家・伊原があっさり6を暗刻にしてリーチ。
三万四万五万八万八万六索六索六索一筒二筒二筒三筒三筒  リーチ  ドラ二万
やっと西家・田村にソーズの入り始めた矢先の立直。
どう凌ぐのかとワクワクしてきました!!
9巡目、田村がドラそばの一万を強打!まっすぐチンイツに向かう宣戦布告!
一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索八索八索中  打一万  ドラ二万
10巡目に七索を引き、1シャンテンとしますが六索はカラ、九索はリーチ者伊原の安牌なので、さくさく場に落とされ、六索九索のスジは残り1枚に、しかし、最後の1枚の九索を伊原が持ってきて、チーテンで追いつきます。
一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き
そして14順目、軍配は田村に上がり見事満貫ツモとしたのでした。
一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ツモ一索
3回戦を終わり、上位陣に少し変動が出ました
1位 上村 141.7P
2位 中安 137.0P
3位 山室 103.4P
4位 川上  69.3P
山室と中安の差が広がって、33.6P差になっていました。
直接対決なので、中安は山室との差分だけを考えながら打てばいいので、外野からすると中安有利に見えましたが、
本人曰「今日一日とても苦しかった」そうです。
4回戦南2局、東家・川上
山室の親番がなくなり、点棒的にも3万点超えの中安。
怖いのは山室の直撃、という状況で北家の山室が北を積極的に仕掛けてきます。
南家、中安手牌
二万二万三万五万六万八万二索四索四索三筒発発中  ドラ四万
発がポン出来ればいいのですが、北ポンの山室ともちもちの可能性も。
西家・西村手牌
一万三万三万三索三索四索六索八索八索九索六筒八筒八筒
七対子の2シャンテンですが、面子手にしてもよい柔軟性のある手牌です。
北ポンの山室、手出しの七万、次巡ツモ切りで七万とドラ筋をめった切りし
「俺の手は高いぜ!」オーラを全開で出してきます。
3枚目の七万を山室に捨てられた次巡、中安は待望の四万を積もり、一気にスピード感のある手牌になりますが、八万は生き場を失いつつありました。
南家・中安9巡目
二万二万二万三万四万五万六万四索四索三筒発発  打八万
これに山室から「ポン」の声。もう発は絶対切れない状態に。
しかし、この後山室から場に六万発が河に放たれます。
南家・中安 12巡目
二万二万二万三万四万五万四索四索二筒三筒  ポン発発発
心中させられるかもしれなかった牌が形を成したおかげで、最高のテンパイを手に入れることが出来ました!
次巡あっさり四筒をツモり、昇級争いに大いなるアドバンテージを得る500・1,000を得たのでした。
最終結果は
1位:上村 2位:中安 3位:山室 4位:赤木
こうなりました。
昇級となった上村、中安プロおめでとうございます!
つたない文章を5節にわたりお付き合いくださり、ありがとうございました。
C1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 上村 政雄 36.0 33.2 21.7 40.6 27.4 158.9
2 中安 武尊 72.0 29.7 ▲ 16.9 53.5 3.9 142.2
3 山室 太二 45.8 25.3 5.1 50.9 ▲ 5.6 121.5
4 赤木 由実 39.6 41.9 ▲ 42.8 ▲ 27.9 43.0 53.8
5 川上 直也 ▲ 2.9 ▲ 0.2 53.2 ▲ 0.2 ▲ 0.3 49.6
6 川崎 諒介 ▲ 20.4 42.9 50.2 ▲ 13.9 ▲ 21.1 37.7
7 西村 友和 36.9 ▲ 20.3 38.4 ▲ 36.8 ▲ 2.0 16.2
8 田村  豊 ▲ 43.1 15.7 27.4 ▲ 23.8 37.0 13.2
9 三好 直幸 20.8 81.1 11.0 ▲ 86.5 ▲ 50.3 ▲ 23.9
10 秋山 淑子 ▲ 37.4 ▲ 31.4 ▲ 37.8 ▲ 8.3 82.4 ▲ 32.5
11 富田 淳一 9.4 ▲ 38.4 ▲ 29.0 31.0 ▲ 7.9 ▲ 34.9
12 吉本 卓矢 ▲ 3.9 ▲ 2.9 6.5 ▲ 40.3 ▲ 3.4 ▲ 44.0
13 谷上 脩平 ▲ 47.2 ▲ 42.5 12.2 65.6 ▲ 54.0 ▲ 65.9
14 森元 直哉 ▲ 42.3 ▲ 20.7 ▲ 39.0 41.3 ▲ 20.5 ▲ 81.2
15 木下 恭子 ▲ 2.6 ▲ 98.6 19.9 ▲ 13.9 ▲ 26.3 ▲ 121.5
16 伊原 達也 ▲ 61.7 ▲ 35.8 ▲ 81.1 ▲ 31.3 ▲ 8.3 ▲ 218.2

 
 
C2リーグレポート:下山学
最終節である今節は昇格争いをかけていろいろな戦いがあったようです。
まず1卓。ここは1・3・5・7位の対戦でした。
ほぼ昇格が決まっている丸山は、本来の戦いができなかったようです。
4回戦目の東4局木下の
一万二万三万一索二索一筒二筒三筒七筒八筒九筒東東  ドラ東
跳満の三索を放銃。
など精細を欠きましたが、何とかげ切って優勝。
2卓。2・4・6・8位の対戦。
ここは4位・高谷・6位・稲岡が生き残りを、8位・辻井が逆転をかけての戦いでしたが、結局3戦目で辻井が脱落してしまった。
今回は最終節で大逆転がある波乱でした。
3卓。ここは昇格可能性のある後藤がどれだけ頑張れるか?でした。
4回戦の東1、親でリーチ。
四万五万六万八万八万八万二索二索八索八索八索六筒六筒
二索ツモで8,000オールと後藤の独壇場となった。
結局、後藤は一躍3位まで駆け上がった。
4卓。ここも昇格可能性があるのは大橋とぎりぎり大久保。
内容はぶっちぎりで大橋が大トップをとるが、僅か12ポイント足らずで涙を飲む事になった。
集計が終るまで、心配顔で涙目の稲岡ミカは、「6位稲岡?」の声を聞いて、嬉し涙に変わる感激の一幕もあった。
丸山、松永、後藤、高谷、下村、稲岡の6名の皆さんC1へ昇級おめでとうございます。
C2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 丸山  直 1.9 47.6 81.9 44.0 ▲ 15.9 159.5
2 松永 侑己 4.9 50.9 18.5 50.1 25.7 150.1
3 後藤 俊孝 33.8 41.0 ▲ 47.3 27.4 82.5 137.4
4 高谷 圭一 50.0 10.4 ▲ 33.8 91.7 14.8 133.1
5 下村 学 54.5 8.2 86.4 2.5 ▲ 20.4 131.2
6 稲岡 ミカ ▲ 13.7 5.6 30.6 48.4 48.8 119.7
7 大橋 慶一郎 ▲ 15.8 ▲ 37.1 ▲ 8.4 98.0 81.8 118.5
8 前川 憲一 ▲ 3.9 10.1 107.5 ▲ 6.6 ▲ 5.0 102.1
9 木下 誠二郎 14.4 39.2 22.5 ▲ 19.0 ▲ 4.8 52.3
10 大久保 朋美 ▲ 37.7 ▲ 8.3 61.2 ▲ 19.6 40.5 36.1
11 長尾 浩平 ▲ 33.3 26.1 ▲ 7.1 3.3 28.4 17.4
12 辻井 和也 20.8 25.8 ▲ 10.1 19.8 ▲ 43.2 13.1
13 小西 輝彦 ▲ 32.4 ▲ 47.8 2.9 ▲ 4.2 75.7 ▲ 5.8
14 吉田 圭吾 95.1 ▲ 48.1 3.1 ▲ 91.9 33.3 ▲ 8.5
15 鎌田 周平 15.8 ▲ 26.9 ▲ 15.2 34.7 ▲ 20.5 ▲ 12.1
16 山神 剛 ▲ 33.9 9.8 ▲ 29.0 ▲ 42.3 52.1 ▲ 43.3
17 赤木 里恵 57.4 ▲ 46.0 ▲ 41.0 5.8 ▲ 22.6 ▲ 46.4
18 長野 恵美 13.7 ▲ 37.1 11.8 ▲ 14.6 ▲ 33.0 ▲ 59.2
20 辰巳 晴基 1.0 ▲ 32.1 ▲ 16.9 1.9 ▲ 17.9 ▲ 64.0
21 城 裕介 ▲ 4.8 29.5 ▲ 39.0 ▲ 43.3 ▲ 48.0 ▲ 105.6
22 疋田 豪 ▲ 39.2 6.6 ▲ 6.2 18.4 ▲ 90.4 ▲ 110.8
19 永田 知也 ▲ 37.1 20.0 ▲ 29.0 27.8 ▲ 99.7 ▲ 118.0
25 高橋 正人 ▲ 16.5 ▲ 88.6 ▲ 14.1 ▲ 46.4 ▲ 24.8 ▲ 190.4
23 只野 真理子 ▲ 82.8 21.6 ▲ 52.8 ▲ 92.7 1.5 ▲ 205.2
24 土田 小緒里 ▲ 14.2 ▲ 24.4 ▲ 76.5 ▲ 96.2 ▲ 40.9 ▲ 252.2

第24期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:長谷川弘

今期レポートを担当させていただく20期生長谷川弘です。
拙文で読みづらい点も多々あるかとは思いますが、最終節まで御清覧いただければ幸いです。

連日うだる暑さが続く。
第24期中部プロリーグが荒天のもと開幕した。こちらも灼熱の闘いが繰り広げられることだろう。

第1節に臨むにあたって各対局者の胸中は如何なるものか。前期惜敗の無念を晴らそうと意気込む者、連期決勝卓進出を虎視眈々と狙う者、昇級組は初の対戦相手に畏敬の念を抱きながらも踊る心を抑えられず、といったところか。
いずれにしても各者プラススコアでの開節を目論んで臨んだにちがいない。

私自身の対戦相手3名に、第1節に臨むにあたってどんな点に留意しているか、また対局を振り返っての感想についてそれぞれ話を伺ったのでご紹介したい。

杉村「第1節はいつも通り丁寧に打つことを心がけています。今日は他の対局者に比べ自分が最も手が入っていたと思いますが、成就しなかった局も多かったので少し悔やまれます。でも自分の持ち味は出せたと思います。」

杉浦「第1節から3節は決勝進出の芽をつぶさないよう対局しようと意識しています。今日は先手を取れた局が多く、後手を踏んでも押し返せるだけの手材料と展開に恵まれました。」

森下「第1節は浮きよりも原点維持をいつも考えています。対局全体の感触は悪くなかったが、展開には恵まれなかったと感じています。」

第1節は第5節と同等、もしくはそれ以上に重要な節と私自身は捉えている。
それだけに、ふがいない成績に終わった私は3者の言葉に身をつまされた。

1節を終えて各者ともそれぞれ最初の岐路に立たされた。
開期前には存在しなかった道が各々の歩みによって創り出された。
やがて訪れる最終結果に向けて後悔のない一歩を踏み出せただろうか。
後悔に価値はない。違う道を選択することもできない。選択は既に行われたのだ。
選択した行為によって生まれたのが結果である。
ここからは自分が置かれた状況を拒むことなく受け入れ続けなければならない。
さもなくば、ただ淡々と対局を消化するに留まり、そこからは無意味な成果しか生まれないだろう。
次節以降取りうる最善策はそれらを認めることによってはじめて効を成すのではなかろうか。
地力を昇華させるのは対局への執念だけではないはずだ。

決勝卓への道のりはわずか5節と短い。
次節が終わればまた違う岐路に立たされることだろう。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 三戸 亮祐 46.9 46.9
2 杉村 泰治 43.4 43.4
3 杉浦 貴紀 43.1 43.1
4 寺戸 孝志 36.7 36.7
5 村瀬 寛光 23.9 23.9
6 太田 充 15.5 15.5
7 佐藤 あいり 10.5 10.5
8 森下 剛任 8.0 8.0
9 伊藤 鉄也 7.2 7.2
10 樋口 新 7.1 7.1
11 日下 健司 ▲ 5.8 ▲ 5.8
12 櫛田 利太 ▲ 12.4 ▲ 12.4
13 毛受 俊 ▲ 41.4 ▲ 41.4
14 掛水 洋徳 ▲ 41.7 ▲ 41.7
15 土岐 雄太 ▲ 47.5 ▲ 47.5
16 長谷川 弘 ▲ 94.5 ▲ 94.5

 

 

Bリーグ:山神達也

28期生の山神達也です。今期の中部プロリーグBリーグのレポートを担当させていただきます。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間宜しくお願いします。

中部地方に台風が接近する荒天のなか、会場はそれにも負けない熱気を帯びて第24期中部プロリーグが開幕した。
私自身、初のBリーグへの挑戦となるので、より一層気を引き締めて結果を出したいところである。

まずは第1節の結果から。
前期のBリーグでは7位と悔しい思いをした牛尾だったが、今節+89.8Pと2位の越川を30P以上離すプラスとし、頭ひとつ抜けた首位となっている。
逆に苦しいスタートを切ったのは山本。

同じ卓内の中西が親番で四暗刻をアガったこともあり、今節を大きなマイナスで終えている。
また、今節をマイナスとした木村・鈴木(基)・葛山らベテラン勢の次節以降の巻き返しにも期待したいところである。

私はというと、+27.5Pとプラスで終えることができた。
対局者は鈴木(基)・葛山・中谷。
1回戦目は序盤から葛山に手が入り、葛山が1人浮きのトップをとる。
2回戦、3回戦目は私がトップをとったものの、常に誰かとアガり牌をめくり合うような状況にしてしまったので、とても危なっかしいトップであった。
4回戦目、それまで手が入らず苦しい印象の鈴木(基)だったが、東1局の親を活かしリードすると、終盤南3局で中谷の親番での巻き返しはあったものの、安定した卓回しをした上で加点し、トップを維持した。

私は今節をプラスで終えられたものの、次節への課題が残ることとなった。
すぐに修正を必要とする点は、打点を簡単に読まれてしまう仕掛けが目立った点。
常に自分と誰かが戦っている状況に陥ってしまう原因である。
これが修正できないと今後Bリーグを戦っていくのは厳しいと感じているので、なんとしてでも次節までに改善し、次に繋げていきたい。

最後に、今回の反省点を前向きに捉え、麻雀技術を向上させたうえで次節に臨みたいと思う。
私はまた次節、卓につくのが楽しみである。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 牛尾 信之 89.8 89.8
2 越川 清一 59.6 59.6
3 大滝 聡 42.3 42.3
4 安藤 大貴 31.6 31.6
5 山神 達也 27.5 27.5
6 中谷 彰吾 23.8 23.8
7 朝岡 祐 13.6 13.6
8 古川 孝次 2.6 2.6
9 中西 栄二 ▲ 4.7 ▲ 4.7
10 葛山 英樹 ▲ 11.8 ▲ 11.8
11 菅野 直 ▲ 16.3 ▲ 16.3
12 原田 知彦 ▲ 24.4 ▲ 24.4
13 鈴木 基芳 ▲ 39.5 ▲ 39.5
14 木村 東平 ▲ 48.8 ▲ 48.8
15 鈴木 雄介 ▲ 57.6 ▲ 57.6
16 山本 拓哉 ▲ 87.7 ▲ 87.7

 

 

Cリーグ:池沢麻奈美

はじめまして。29期生の池沢麻奈美です。今期Cリーグのレポートを担当させて頂きます。
まだまだ未熟な私ですが、全5節に渡るリーグ戦で感じた事を素直に綴っていけたらと思います。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが半年間お付き合い頂ければ幸いです。

台風11号の影響で雨と風の吹き荒れる中始まった第1節。
私の第1節対局相手はAリーグ経験者でもある岡本、若松、さらに1年前の新人王戦では決勝卓まで残った清水の以上3名。実力者揃いの対局に自分自身の麻雀ができるか不安ではあったが、気持ちだけは負けないようにと気合を入れて対局に臨んだ。

私は日頃から負けない麻雀を心掛けている。しかし今回は第1節目。
プラスで終えて今後に勢いをつけたいと考えた私は「強気でいく」を目標にしていた。

そして始まった1回戦目。
若松が1人浮きの+40.4Pと大きくリード。
逆に私は、大きなラスの▲27.8Pとなり焦っていたのだろう。

2回戦目からはただひたすらにリーチを打ち打点を上げにいった。
だが、気づけばことごとく私の勝負手はかわされ第1節終了時、蓋を開けてみれば私は▲78.4Pと大きなマイナスを背負う事となってしまった。

これが格上との戦いか。リーチのメリット、デメリットをわきまえていたつもりだったが、今回私はリーチに大きく頼り過ぎてしまったのかもしれない。
さまざまな反省と課題を残して私の1節目は終えた。

Cリーグの成績を見てみるとそれぞれの卓内トップ者が上位に名を並べた。
ルーキーである都築が+102.0Pで首位に立ち、ベテランである大高坂が+98.9Pで次位、惜しくも前期Bリーグから降級してしまった若松が+72.4Pで3位という結果に。

幸先いいスタートをきれた者もそうでない者も今期はまだ始まったばかりある。
各選手昇級に向けての次節以降の戦いに注目したい。

今回は私の主観での記述が多くなってしまったので、次回はもっと周りの選手に目を向けたレポートをお送りできればと思います。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 都築 友和 102.0 102.0
2 大高坂 松城 98.9 98.9
3 若松 正和 72.4 72.4
4 河合 慎悟 56.4 56.4
5 加藤 泰史 39.5 39.5
6 岡本 丈司 27.5 27.5
7 中山 千鶴 26.0 26.0
8 太田 峻也 14.1 14.1
9 大町 篤志 ▲ 15.2 ▲ 15.2
10 上田 利華 ▲ 18.0 ▲ 18.0
11 清水 哲也 ▲ 21.5 ▲ 21.5
12 小野 雅峻 ▲ 25.8 ▲ 25.8
13 浅野 文雅 ▲ 37.9 ▲ 37.9
14 鈴木 淳 ▲ 41.8 ▲ 41.8
15 大西 義則 ▲ 44.7 ▲ 44.7
16 斎藤 寛生 ▲ 71.0 ▲ 71.0
17 池沢 麻奈美 ▲ 78.4 ▲ 78.4
18 家田 みゆき ▲ 83.5 ▲ 83.5
19 角谷 和幸 ▲ 100.0 ▲ 100.0

中部プロリーグ レポート/第24期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:長谷川弘
今期レポートを担当させていただく20期生長谷川弘です。
拙文で読みづらい点も多々あるかとは思いますが、最終節まで御清覧いただければ幸いです。
連日うだる暑さが続く。
第24期中部プロリーグが荒天のもと開幕した。こちらも灼熱の闘いが繰り広げられることだろう。
第1節に臨むにあたって各対局者の胸中は如何なるものか。前期惜敗の無念を晴らそうと意気込む者、連期決勝卓進出を虎視眈々と狙う者、昇級組は初の対戦相手に畏敬の念を抱きながらも踊る心を抑えられず、といったところか。
いずれにしても各者プラススコアでの開節を目論んで臨んだにちがいない。
私自身の対戦相手3名に、第1節に臨むにあたってどんな点に留意しているか、また対局を振り返っての感想についてそれぞれ話を伺ったのでご紹介したい。
杉村「第1節はいつも通り丁寧に打つことを心がけています。今日は他の対局者に比べ自分が最も手が入っていたと思いますが、成就しなかった局も多かったので少し悔やまれます。でも自分の持ち味は出せたと思います。」
杉浦「第1節から3節は決勝進出の芽をつぶさないよう対局しようと意識しています。今日は先手を取れた局が多く、後手を踏んでも押し返せるだけの手材料と展開に恵まれました。」
森下「第1節は浮きよりも原点維持をいつも考えています。対局全体の感触は悪くなかったが、展開には恵まれなかったと感じています。」
第1節は第5節と同等、もしくはそれ以上に重要な節と私自身は捉えている。
それだけに、ふがいない成績に終わった私は3者の言葉に身をつまされた。
1節を終えて各者ともそれぞれ最初の岐路に立たされた。
開期前には存在しなかった道が各々の歩みによって創り出された。
やがて訪れる最終結果に向けて後悔のない一歩を踏み出せただろうか。
後悔に価値はない。違う道を選択することもできない。選択は既に行われたのだ。
選択した行為によって生まれたのが結果である。
ここからは自分が置かれた状況を拒むことなく受け入れ続けなければならない。
さもなくば、ただ淡々と対局を消化するに留まり、そこからは無意味な成果しか生まれないだろう。
次節以降取りうる最善策はそれらを認めることによってはじめて効を成すのではなかろうか。
地力を昇華させるのは対局への執念だけではないはずだ。
決勝卓への道のりはわずか5節と短い。
次節が終わればまた違う岐路に立たされることだろう。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 三戸 亮祐 46.9 46.9
2 杉村 泰治 43.4 43.4
3 杉浦 貴紀 43.1 43.1
4 寺戸 孝志 36.7 36.7
5 村瀬 寛光 23.9 23.9
6 太田 充 15.5 15.5
7 佐藤 あいり 10.5 10.5
8 森下 剛任 8.0 8.0
9 伊藤 鉄也 7.2 7.2
10 樋口 新 7.1 7.1
11 日下 健司 ▲ 5.8 ▲ 5.8
12 櫛田 利太 ▲ 12.4 ▲ 12.4
13 毛受 俊 ▲ 41.4 ▲ 41.4
14 掛水 洋徳 ▲ 41.7 ▲ 41.7
15 土岐 雄太 ▲ 47.5 ▲ 47.5
16 長谷川 弘 ▲ 94.5 ▲ 94.5

 
 
Bリーグ:山神達也
28期生の山神達也です。今期の中部プロリーグBリーグのレポートを担当させていただきます。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間宜しくお願いします。
中部地方に台風が接近する荒天のなか、会場はそれにも負けない熱気を帯びて第24期中部プロリーグが開幕した。
私自身、初のBリーグへの挑戦となるので、より一層気を引き締めて結果を出したいところである。
まずは第1節の結果から。
前期のBリーグでは7位と悔しい思いをした牛尾だったが、今節+89.8Pと2位の越川を30P以上離すプラスとし、頭ひとつ抜けた首位となっている。
逆に苦しいスタートを切ったのは山本。
同じ卓内の中西が親番で四暗刻をアガったこともあり、今節を大きなマイナスで終えている。
また、今節をマイナスとした木村・鈴木(基)・葛山らベテラン勢の次節以降の巻き返しにも期待したいところである。
私はというと、+27.5Pとプラスで終えることができた。
対局者は鈴木(基)・葛山・中谷。
1回戦目は序盤から葛山に手が入り、葛山が1人浮きのトップをとる。
2回戦、3回戦目は私がトップをとったものの、常に誰かとアガり牌をめくり合うような状況にしてしまったので、とても危なっかしいトップであった。
4回戦目、それまで手が入らず苦しい印象の鈴木(基)だったが、東1局の親を活かしリードすると、終盤南3局で中谷の親番での巻き返しはあったものの、安定した卓回しをした上で加点し、トップを維持した。
私は今節をプラスで終えられたものの、次節への課題が残ることとなった。
すぐに修正を必要とする点は、打点を簡単に読まれてしまう仕掛けが目立った点。
常に自分と誰かが戦っている状況に陥ってしまう原因である。
これが修正できないと今後Bリーグを戦っていくのは厳しいと感じているので、なんとしてでも次節までに改善し、次に繋げていきたい。
最後に、今回の反省点を前向きに捉え、麻雀技術を向上させたうえで次節に臨みたいと思う。
私はまた次節、卓につくのが楽しみである。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 牛尾 信之 89.8 89.8
2 越川 清一 59.6 59.6
3 大滝 聡 42.3 42.3
4 安藤 大貴 31.6 31.6
5 山神 達也 27.5 27.5
6 中谷 彰吾 23.8 23.8
7 朝岡 祐 13.6 13.6
8 古川 孝次 2.6 2.6
9 中西 栄二 ▲ 4.7 ▲ 4.7
10 葛山 英樹 ▲ 11.8 ▲ 11.8
11 菅野 直 ▲ 16.3 ▲ 16.3
12 原田 知彦 ▲ 24.4 ▲ 24.4
13 鈴木 基芳 ▲ 39.5 ▲ 39.5
14 木村 東平 ▲ 48.8 ▲ 48.8
15 鈴木 雄介 ▲ 57.6 ▲ 57.6
16 山本 拓哉 ▲ 87.7 ▲ 87.7

 
 
Cリーグ:池沢麻奈美
はじめまして。29期生の池沢麻奈美です。今期Cリーグのレポートを担当させて頂きます。
まだまだ未熟な私ですが、全5節に渡るリーグ戦で感じた事を素直に綴っていけたらと思います。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが半年間お付き合い頂ければ幸いです。
台風11号の影響で雨と風の吹き荒れる中始まった第1節。
私の第1節対局相手はAリーグ経験者でもある岡本、若松、さらに1年前の新人王戦では決勝卓まで残った清水の以上3名。実力者揃いの対局に自分自身の麻雀ができるか不安ではあったが、気持ちだけは負けないようにと気合を入れて対局に臨んだ。
私は日頃から負けない麻雀を心掛けている。しかし今回は第1節目。
プラスで終えて今後に勢いをつけたいと考えた私は「強気でいく」を目標にしていた。
そして始まった1回戦目。
若松が1人浮きの+40.4Pと大きくリード。
逆に私は、大きなラスの▲27.8Pとなり焦っていたのだろう。
2回戦目からはただひたすらにリーチを打ち打点を上げにいった。
だが、気づけばことごとく私の勝負手はかわされ第1節終了時、蓋を開けてみれば私は▲78.4Pと大きなマイナスを背負う事となってしまった。
これが格上との戦いか。リーチのメリット、デメリットをわきまえていたつもりだったが、今回私はリーチに大きく頼り過ぎてしまったのかもしれない。
さまざまな反省と課題を残して私の1節目は終えた。
Cリーグの成績を見てみるとそれぞれの卓内トップ者が上位に名を並べた。
ルーキーである都築が+102.0Pで首位に立ち、ベテランである大高坂が+98.9Pで次位、惜しくも前期Bリーグから降級してしまった若松が+72.4Pで3位という結果に。
幸先いいスタートをきれた者もそうでない者も今期はまだ始まったばかりある。
各選手昇級に向けての次節以降の戦いに注目したい。
今回は私の主観での記述が多くなってしまったので、次回はもっと周りの選手に目を向けたレポートをお送りできればと思います。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 都築 友和 102.0 102.0
2 大高坂 松城 98.9 98.9
3 若松 正和 72.4 72.4
4 河合 慎悟 56.4 56.4
5 加藤 泰史 39.5 39.5
6 岡本 丈司 27.5 27.5
7 中山 千鶴 26.0 26.0
8 太田 峻也 14.1 14.1
9 大町 篤志 ▲ 15.2 ▲ 15.2
10 上田 利華 ▲ 18.0 ▲ 18.0
11 清水 哲也 ▲ 21.5 ▲ 21.5
12 小野 雅峻 ▲ 25.8 ▲ 25.8
13 浅野 文雅 ▲ 37.9 ▲ 37.9
14 鈴木 淳 ▲ 41.8 ▲ 41.8
15 大西 義則 ▲ 44.7 ▲ 44.7
16 斎藤 寛生 ▲ 71.0 ▲ 71.0
17 池沢 麻奈美 ▲ 78.4 ▲ 78.4
18 家田 みゆき ▲ 83.5 ▲ 83.5
19 角谷 和幸 ▲ 100.0 ▲ 100.0

第26期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 山口 大和

2014年8月23日

26期目を迎えたチャンピオンズリーグ。
半年で20半荘の予選を終え、上位29名がこのトーナメントに進んだ。

チャンピオンズリーグは半年で1期のタイトル戦で、日本プロ麻雀連盟員ならだれでも参加できる。
今期は80名の参加で、リーグも様々、まさに垣根を越えた戦いとなった。

トーナメントが始まる前に、立会人の瀬戸熊プロから重大なお知らせが選手に報告された。
日本プロ麻雀連盟のタイトル戦、対局の模様をお伝えしているニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルにおいて、今期よりチャンピオンズリーグも決勝戦の対局を放送することになった。
吉報とも言えるこの知らせに選手はさらに気合が入ったことだろう。

同一メンバーで3半荘行い、ポイント上位2名が勝ち上がりとなるトーナメント。
1日で半荘9回戦の長丁場を戦い抜き、明日の決勝の舞台にコマを進めるのは誰なのか?
ベスト28、16、8の模様をお伝えします。

 

【ベスト28】

A卓:福島祐一vs真鍋明広vs福光聖雄vs佐藤佳彦

1回戦、静かな立ち上がりかと思われたが均衡を破ったのは真鍋だった。
南場の親で6,000オールを引くと、ここぞと言わんばかりの連荘で突き抜ける。
終始、我慢の展開だった福島がラス親で粘り浮きに回るも真鍋がトップで終了。

2回戦、1回戦とは真逆の展開となる。
東4局、東家の佐藤が以下の牌姿で福島から12,000をアガリそこから更に加点していく。

六索七索八索北北北発発中中  ポン東東東  ロン発  ドラ三万

福光も南場でなんとか浮きに回り、最終戦に望みを繋いだ。

2回戦終了時
真鍋+28.8P  福島+1.2P  佐藤▲6.2P  福光▲23.8P

最終戦、ここまでおとなしかった福光がついに爆発する。
しかも高打点のアガリにことごとく飛び込んだのはトップの真鍋。
南入時点で真鍋を捲りそのまま1位で通過。
次いで、佐藤が2位に滑り込んだ。

1位通過:福光聖雄 2位通過:佐藤佳彦

 

B卓:清原継光vs藤原隆弘vs石川純vs塚越裕次郎

来期Aリーグに復帰が決まった藤原に、Dリーグの3人が挑戦する形となったB卓。
1回戦、塚越が勢いのあるアガリを連発して1人浮きのトップをとる。

2回戦、流れを掴んだのは清原。仕掛けを多用して相手を牽制しながら加点していく。
ただ、藤原はドンと腰を据えて周りに振り回されず、やるべきことに集中しているように見えた。

2回戦終了時
塚越+19.7P  清原+17.6P  藤原+4.1P  石川▲41.4P

上位3名の勝負となった最終戦。石川は少々厳しいか?
塚越、清原がガソリン切れかのごとく、展開は藤原ペース。
最後は余裕をもった試合運びで圧倒した。
2位のイスは、清原と塚越が最後まで争うも清原に軍配が上がった。

1位通過:藤原隆弘 2位通過:清原継光

 

C卓:小川拓麻vs伊賀則夫vs田中史孝vs白鳥翔

C卓の注目はやはりAリーガーの白鳥。だが1、2回戦共に点棒を削られていく展開。
やはりAリーガー、マークも厳しくなるので仕方ないのか。

逆に印象が強かったのは田中。
やや遠い仕掛けには3者が対応してくれて、本手にはアシストが多くなるという理想通りの展開で局面をリードしていく。
伊賀が2回戦のオーラス親番で

二万二万五万六万七万一索三索五索六索七索五筒六筒七筒  ツモ二索  ドラ五索

この3,900は4,000オールを引きアガリ田中に肉薄する。

2回戦終了時
田中+27.8P  伊賀+17.6P  小川▲14.5P  白鳥▲31.9P

最終戦
東2局、親の田中が序盤に一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向きで両面からチーをすると、田中にピンズの山が流れ込んできて楽々と4,000オール。通過を決める。

二筒三筒四筒五筒六筒八筒八筒八筒九筒九筒  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ツモ一筒  ドラ五索

伊賀、白鳥は何とか田中の牙城を崩そうとするも更に傷を負う。
そこに付け入るかのごとく、最後の親で小川が伊賀をかわして2位に浮上した。

1位通過:田中史孝 2位通過:小川拓麻

 

D卓:藤本哲也vs紺野真太郎vs杉浦勘助vs太田優介

山田浩之の欠場で繰り上がりの藤本。追い風ポールポジションなるか?
1回戦、その藤本がペースを掴む。そして杉浦が攻撃的に映ったのが印象的だった。
ただ、杉浦は思いとは裏腹にアガリには結びつかない、そして相手のアガリ牌を1人で掴み続けてしまう。
2回戦は、太田が私もここにいますよと言わんばかりに、存在感を表しトップをもぎ取る。
紺野は連続2着だが、どちらも浮きに回って安定感のある試合運びであった。

2回戦終了時
藤本+32.6P  紺野+17.0P  太田+3.7P  杉浦▲53.3P

最終戦
東3局、太田2局連続アガって迎えた親番。場が煮詰まってきた終盤に「ツモ」の声。
手を開けたのは紺野だった。

一索二索三索四索五索六索七索七索八索八索九索北北  ツモ六索  ドラ三索

この4,000、8,000をアガリ、トップに躍り出る。
逆に、親被りの太田の心境はいかがなものだろうか?
だがドラマはまだ続いた。

南1局、紺野の親番でこれまで終始苦しんでいた杉浦が、白中とたてつづけに2フーロする。
ただ、ここまでトータルラス目の杉浦には、他の3者の警戒度はそれほど高くなく淡々と局は進んでいく。ちなみに杉浦の最終手出しは発であり、場に発がすべて見えたのも要因だろう。
そして杉浦がついにアガリ牌を手繰り寄せる。

東東西西北北北  ポン白白白  ポン中中中  ツモ東

この8,000、16,000をアガリわずかな望みを繋ぐ。
親被りの紺野は苦しくなるかと思ったが、ここまでトータルトップの藤本が1万点を切り3位まで落ちてしまった。
そして、最後は紺野が自力で通過を決め、太田と共にベスト16にコマを進めた。

1位通過:太田優介 2位通過:紺野真太郎

 

E卓 西川舞vs安村浩司vs吉田直vs中村慎吾

今期トーナメントで紅一点の西川が、実力者3人とどう戦うかが注目となった。
1回戦、開局から吉田が飛ばす。4,000オールをアガッた1本場にこのリーチ。

七万七万二索三索五索六索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ  ツモ一索  ドラ七万

あっさり4,000は4,100オール。
一索四索を7枚持っていた中村に、このアガリはどう映っただろうか?
2本場、吉田はノミ手ながらリーチに行く。
非常に押し辛い局面ではあるが、西川がジリジリと手を進めドラを暗刻にしての純チャンを吉田から捕える。
そうすると一転、西川のペースで局が進んでいく。

2回戦終了時
西川+39.4P  中村▲0.4P  吉田▲6.2P  安村▲32.8P

最終戦、中村と吉田の一騎打ちと思われたが待ったをかけたのは安村。
オーラスをトップで迎えて吉田とアガリ勝負となったのだが、道中ヤミテンを入れていた西川に吉田が飛び込みここで吉田は敗退となった。

1位通過:西川舞 2位通過:安村浩司

 

F卓 末続ヒロトシvs小川尚哉vs西田修vs五反地清一郎
今期リーグ戦でB1リーグに昇級した小川にマークが集まる中、上手いゲーム回しをしたのは五反地。1、2回戦を危なげなく終えた。
2回戦を終えて最終戦は末続、西田の2番手争いかと思われた。

2回戦終了時
五反地+28.8P  西田+6.6P  末続▲3.0P  小川▲32.4P

最終戦、並びをつけてのトップという条件の中、ついに小川がブレイクする。
終わってみれば1人浮きの大トップ。トータル2位に滑り込んだ。

1位通過:五反地清一郎 2位通過:小川尚哉

 

G卓 松崎良文vs内川幸太郎vs西島一彦vs柚木正仁

チャンピオンズリーグトーナメントの常連が4人集まったようなG卓。
トーナメント巧者の松崎が主導権を握る。2連勝で早々に通過を決める。

2回戦終了時
松崎+34.7P  内川+2.2P  西島▲13.3P  柚木▲24.6P

最終戦、内川がAリーガーの意地を見せる。東2局の親番で七対子のドラ単騎を早々にテンパイすると即リーチに踏み切る。終盤に引きアガリ6,000オール。こうなると内川は更に攻め続けトータルトップで通過した。

1位通過:内川幸太郎 2位通過:松崎良文

最終戦で順位が大きく変わる卓が多くみられた。これは勝ち上がり条件がつくトーナメントならではの対局で最後まで気が抜けない熱い対局となっている。
ベスト16からはディフェンディングの森岡貞巨、予選1位の船木伸一を加えてベスト8のイスを争うことになる。

 

【べスト16】

A卓 内川幸太郎vs五反地清一郎vs佐藤佳彦vs森岡貞巨

ここから登場の森岡。対局開始1時間前には会場入りしてベスト28を観戦、表情も柔らかくすんなりと対局に入れそうだ。
1回戦は終始、小場で進んでいく。仕掛けが多くみられ、メンゼンでも捌き手がほとんどで決め手になるアガリがほとんどなかった。結果、オーラスまで全員にトップのチャンスがあったが最後も仕掛けて森岡がアガリきりそのまま逃げ切った。

2回戦、1回戦同様に小場で進み、流局も増えている緊迫した展開。どうにも流れを掴み取れない内川にチャンスがやっと訪れる。
南3局、1巡目にオタ風を仕掛けて内川を牽制する森岡。ドラ色のピンズに寄せていく。
すると上家の内川は対応せざる得ない。
ここで佐藤に以下のテンパイが入る。

四万五万七万七万三索四索五索一筒二筒三筒四筒四筒四筒  ドラ七筒

テンパイ打牌はドラの七筒。これを内川に鳴かれるも明らかに見た感じの速度は遅い。
またマンズの場況がとても良いため、リーチに行くかと思われたがヤミテンで押していく。
やはりと言うか三万六万が場にどんどん放たれ、佐藤はツモることができずに内川に最後の最後にテンパイを入れさせてしまう。

僥倖の親権維持。このチャンスを逃すわけがない内川。次局、手牌がキラキラして見えたことだろう。五反地の先制リーチに同巡に追いつき、リーチにいく。

三万四万四万五万六万九索九索九索三筒四筒五筒七筒七筒  リーチ  ロン二万  ドラ九索

この12,000は12,900をアガリ、そこから怒涛の連荘で一気にこの半荘トップになった。

2回戦終了時
佐藤+25.4P  内川+13.1P  森岡+3.3P  五反地▲41.8P

ほぼ三つ巴の戦い。これまで牌勢、展開に非常に恵まれている佐藤が、東場の親番で8本場まで積む大連荘。持ち点は70,000点を早々に超え勝ち上がりを決める。なんとか親を流そうと「戦う姿勢」をみせる内川だが佐藤の勢いに逆に呑まれてしまい、最後の親番でも決定打となるアガリを森岡に決められ勝負あり。佐藤、森岡にとっては大きな金星となった。

1位通過:佐藤佳彦 2位通過:森岡貞巨

 

B卓 松崎良文vs西川舞vs船木伸一vs清原光継

予選1位の船木、圧倒的な攻撃力でポイントを叩きベスト16からの登場である。会場入りした時、緊張からかちょっとソワソワしているかのように見えたが大丈夫だろうか?
1回戦、好調の西川がアガリを重ねていく。

二索三索四索五索六索七索南南白白  明カン発発発発  ハイテイツモ白  ドラ六索

この3,000、6,000を皮切りに場を制していく。
終盤、清原も仕掛けを多用して追いすがるも、西川が逃げ切りトップ。
船木の攻撃力を、西川、清原が上手く包みこみ受け流すかの如く点棒を削っていっているようにみえた。

こうなると船木は苦しいか?2回戦以降、相手のロン牌が寄ってきてそれが止まらなくなってくる。
2回戦、ここまで淡々と自分の麻雀を打っている松崎に、流れを一気に引き寄せるアガリが生まれる。

南場の親番7巡目で以下の牌姿となる。

三万四万五万七万八万九万二索三索四索三筒五筒八筒八筒  ツモ四筒  ドラ四万

ツモ、ドラ1の1,000オールのアガリだが、ここから打二索でフリテンリーチを敢行する。
すると一発(連盟Aルールに一発はないが)で五索を引き寄せ6,000オール。
意志の籠ったこの素晴らしいアガリでトップまで駆け上がった。

2回戦終了時
西川+35.1P  松崎+28.8P  清原▲9.6P  船木▲54.3P

ほぼ大勢は決まったかのように見えたが、清原が意地を見せ1人浮きのトップ目に立つ。
松崎にあと一歩まで迫るも、トーナメント巧者の松崎、きっちりポイントを合わせて最後は逃げ切り勝ち。ベスト8に滑り込んだ。

1位通過:西川舞 2位通過:松崎良文

 

C卓 太田優介vs小川尚哉vs小川拓麻vs福光聖雄

1回戦東1局、南家・小川尚

一万二万三万三万四万五万二索三索五索五索一筒二筒三筒  リーチ  ツモ一索  ドラ九索

この2,000・4,000をアガリ開局を制す。

しかしこの後が続かず、逆にブレイクしたのは福光と太田。
特に福光、ベスト28でもそうだったように、苦しいところからでも一撃でトップまで立つ瞬発力には目を見張るものがある。そして2回戦もこの2人が対局を作っていく。

2回戦終了時
太田+41.8P  福光+33.1P  小川拓▲33.1P  小川尚▲41.8P

完全に前後の差が開いてしまった。対局終了時に小川尚がちょっと条件がキツ過ぎたと言っていた通り、太田と福光の利害が一致してしまった為に最終戦はスムーズに局は進み、大きなアガリ、連荘も無くそのまま静かに終了した。

1位通過:福光聖雄 2位通過:太田優介

 

D卓 紺野真太郎vs藤原隆弘vs安村浩司vs田中史孝

どっしりとした麻雀の紺野、藤原にバランスが良い安村、仕掛けの田中の対局。
1回戦、メンゼンで大物手のテンパイが各々に入るもアガリが生まれない。場も重苦しい雰囲気でピリピリした空気の中、安村の4,000オールが決まる。

南1局、東家・安村

二索三索四索七索八索九索四筒五筒六筒南南中中  リーチ  ツモ南  ドラ二索

これを機に安村に牌が寄ってきて南3局にはこのテンパイ。

一索三索四索五索六索七索八索九索中中  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ三索

これで一歩抜け出すかと思われたが、ちょうど壁側で見ることのできなかった親番の紺野から「ツモ」の声。

三万四万五万三索四索五索八索八索三筒四筒四筒五筒五筒  ツモ六筒

そう簡単には走らせないよと言わんばかりの6,000オール。
そこからは紺野の時間。アガリを重ねてトップ。
田中が1人大きく沈み、藤原も何とか浮きに回ろうと粘るも届かず。

2回戦、田中の仕掛けがついに実る。
田中以外の3人の受けが強いため、牽制気味の仕掛けでも場が遅くなり自分のペースを掴み始める。
そして親番、細かいアガリで加点し、この半荘トップを取り1回戦の負債をほとんど消す。

2回戦終了時
紺野+19.9P  安村+16.5P  田中▲6.3P  藤原▲30.1P

最終戦、田中は序盤から2回戦と同じように仕掛けを多用していく。しっかりと受けつつ勝負所をうかがっていた紺野、藤原も最終戦という事も加味してやや前に出始める。そこが丁度、田中のタイミングに合ってしまう。最後の親番で紺野がアガリを決めれば通過の手を、逆に田中が紺野から値千金の8,000を直撃。逆転でベスト8にコマを進めた。もう1人は安村、オール2着の安定した戦いで勝ち上がった。Aリーグの2人が姿を消す波乱となった。

1位通過:安村浩司 2位通過:田中史孝

森岡以外の7人はすでに6半荘を消化、体力的にも厳しいだろうが、もう一度勝ち上がらなければ決勝の舞台には進めない。ただ、疲労の色はほとんど見えず、次の対局に静かに集中している選手が多く見られたのが印象的だった。

 

【ベスト8】

A卓 福光聖雄vs佐藤佳彦vs松崎良文vs田中史孝

1回戦、序盤は小場で進む。決め手に欠け、アガリが安い。
これまで仕掛けを多用してイニシアティブを握ってきた田中だが、一転、東場の親番で5巡目にリーチを打つ。

一万一万五万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒

これを松崎から11,600のアガリ。
すると3者が田中の動きに対応してしまう。こうなると田中のペース。
仕掛けを駆使して局を回しながら加点していき1人浮きのトップ。

2回戦も同じように田中のアガリが続く。
東3局、西家・田中

一索二索三索七索八索九索北北発発  ポン西西西  ドラ九索  ロン発

この12,000を佐藤から、

南2局

一万一万二万三万三万四万五万  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ポン発発発  ツモ一万  ドラ五万

この2,000・3,900などで完全に独走態勢になった。

2回戦終了時
田中+65.1P  佐藤▲14.3P  福光▲24.5P  松崎▲26.8P

最終戦、田中はほぼ通過。
ほぼ3人の着順勝負、佐藤が浮きに回ると福光、松崎はある程度の条件が付く。

ここまで静かだった松崎が、田中に合わせてなのか仕掛けながら細かいアガリを重ねていく。
南1局、親の福光が先制リーチを打つも、逆に受けに回っていた田中にハイテイで7,700は8,000を放銃してしまい通過は厳しいものとなる。

佐藤、最後の親番で打点は低いが2回のアガリをものにして、浮きに回り一度は松崎を微差ながら捲る。その親番を松崎が捌ききって捲り返す。

迎えたオーラス、佐藤は2,000点のアガリで再逆転、松崎は親なのでアガリ止めがなく流局時に伏せても佐藤に捲られる可能性があるので一度アガリが欲しいところ。

配牌、佐藤に逆転の材料が入るものの、6巡目に田中のヤミテンに捕まってしまい勝負あり。
最後まで見ごたえのある戦いであった。

1位通過:田中史孝 2位通過:松崎良文

 

B卓 西川舞vs太田優介vs森岡貞臣vs安村浩司

1回戦、ここまで快進撃の西川。摸打を見ていても迷いなく打ち切れていて気持ちがいい。
開局、そんな西川の挨拶代わりの倍満で幕が開く。

二万二万三万三万三万四万五万六万七万八万八万九万九万  ツモ七万  ドラ五索

8巡目にこの4,000・8,000をものにする。
次局、太田に8,000を放銃するも、迎えた親番で2,600オール、2,600は2,700オールとアガリ、勢いそのままに駆け上がるかと思われた。

待ったをかけたのは太田。西川からリーチ七対子を直撃すると、東4局3本場には

一万二万三万七万八万九万一索七筒八筒九筒  ポン東東東  ロン一索  ドラ九万

この11,600は12,500を森岡からアガリ、西川に並びかける。
親を落としたのは安村。ここも七対子だがドラ2の6,400は7,600を西川から。
徐々に点棒を減らしていき、さらにここで痛恨の放銃をしてしまう。

南2局、親番の安村が5巡目に両面チーから入る。その2巡後に、森岡からリーチが入るも安村も臨戦態勢。そして西川は森岡の現物の四索を抜き打つと安村の手が開かれた。

四万五万六万八万八万八万五索六索八索八索  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  ロン四索  ドラ八万

この11,600でついに原点を割ってしまう。後に聞いてみると、この1局については西川も相当悔しかったようだ。結局1回戦は太田の1人浮きで終わる。

2回戦、それでも西川に手が入る。本流へとさらに波に乗りたいところだが、1回戦を引きずっているのか、もう一歩流れを手繰り寄せられない。展開が功を奏して、何とかトップで最終戦へ。
逆に苦しくなったのは森岡。次は大きなトップが絶対条件となってしまった。

2回戦終了時
太田+36.4P  安村+4.7P  西川+0.5P  森岡▲36.7P

最終戦、安村と西川は着順勝負となった。これまで圧倒的な勢いで勝ち上がってきたが初めて追う展開。着順勝負では、自力に勝る安村に分があるのではと思っていた。西川は対局中、とても集中していたのか、顔色を変えず淡々と打つ姿は好感が持てた。
安村が、我慢を重ねて最後に大きなトップで太田と共に決勝へコマを進めた。

1位通過:太田優介 2位通過:安村浩司

 

ついに決勝のメンバーが出揃った。タイプの異なる4名で白熱した対局になるのは間違いないだろう。
最初にお伝えした通り、今期からチャンピオンズリーグもニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信される。そういう面でも良い1戦になることを期待したい。

最後に決勝進出者からのコメントで締めさせていただこうと思う。

太田優介「夢のようです」

田中史孝「疲れたけど、明日もがんばります」

安村浩司「今日は我慢の麻雀が多かったので、明日は暴れたいと思います」

松崎良文「映像で麻雀を打つのは初めてですが、自分らしく頑張ろうと思います」

JPML WRCリーグ レポート/第26期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 山口 大和

2014年8月23日
26期目を迎えたチャンピオンズリーグ。
半年で20半荘の予選を終え、上位29名がこのトーナメントに進んだ。
チャンピオンズリーグは半年で1期のタイトル戦で、日本プロ麻雀連盟員ならだれでも参加できる。
今期は80名の参加で、リーグも様々、まさに垣根を越えた戦いとなった。
トーナメントが始まる前に、立会人の瀬戸熊プロから重大なお知らせが選手に報告された。
日本プロ麻雀連盟のタイトル戦、対局の模様をお伝えしているニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルにおいて、今期よりチャンピオンズリーグも決勝戦の対局を放送することになった。
吉報とも言えるこの知らせに選手はさらに気合が入ったことだろう。
同一メンバーで3半荘行い、ポイント上位2名が勝ち上がりとなるトーナメント。
1日で半荘9回戦の長丁場を戦い抜き、明日の決勝の舞台にコマを進めるのは誰なのか?
ベスト28、16、8の模様をお伝えします。
 
【ベスト28】
A卓:福島祐一vs真鍋明広vs福光聖雄vs佐藤佳彦
1回戦、静かな立ち上がりかと思われたが均衡を破ったのは真鍋だった。
南場の親で6,000オールを引くと、ここぞと言わんばかりの連荘で突き抜ける。
終始、我慢の展開だった福島がラス親で粘り浮きに回るも真鍋がトップで終了。
2回戦、1回戦とは真逆の展開となる。
東4局、東家の佐藤が以下の牌姿で福島から12,000をアガリそこから更に加点していく。
六索七索八索北北北発発中中  ポン東東東  ロン発  ドラ三万
福光も南場でなんとか浮きに回り、最終戦に望みを繋いだ。
2回戦終了時
真鍋+28.8P  福島+1.2P  佐藤▲6.2P  福光▲23.8P
最終戦、ここまでおとなしかった福光がついに爆発する。
しかも高打点のアガリにことごとく飛び込んだのはトップの真鍋。
南入時点で真鍋を捲りそのまま1位で通過。
次いで、佐藤が2位に滑り込んだ。
1位通過:福光聖雄 2位通過:佐藤佳彦
 
B卓:清原継光vs藤原隆弘vs石川純vs塚越裕次郎
来期Aリーグに復帰が決まった藤原に、Dリーグの3人が挑戦する形となったB卓。
1回戦、塚越が勢いのあるアガリを連発して1人浮きのトップをとる。
2回戦、流れを掴んだのは清原。仕掛けを多用して相手を牽制しながら加点していく。
ただ、藤原はドンと腰を据えて周りに振り回されず、やるべきことに集中しているように見えた。
2回戦終了時
塚越+19.7P  清原+17.6P  藤原+4.1P  石川▲41.4P
上位3名の勝負となった最終戦。石川は少々厳しいか?
塚越、清原がガソリン切れかのごとく、展開は藤原ペース。
最後は余裕をもった試合運びで圧倒した。
2位のイスは、清原と塚越が最後まで争うも清原に軍配が上がった。
1位通過:藤原隆弘 2位通過:清原継光
 
C卓:小川拓麻vs伊賀則夫vs田中史孝vs白鳥翔
C卓の注目はやはりAリーガーの白鳥。だが1、2回戦共に点棒を削られていく展開。
やはりAリーガー、マークも厳しくなるので仕方ないのか。
逆に印象が強かったのは田中。
やや遠い仕掛けには3者が対応してくれて、本手にはアシストが多くなるという理想通りの展開で局面をリードしていく。
伊賀が2回戦のオーラス親番で
二万二万五万六万七万一索三索五索六索七索五筒六筒七筒  ツモ二索  ドラ五索
この3,900は4,000オールを引きアガリ田中に肉薄する。
2回戦終了時
田中+27.8P  伊賀+17.6P  小川▲14.5P  白鳥▲31.9P
最終戦
東2局、親の田中が序盤に一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向きで両面からチーをすると、田中にピンズの山が流れ込んできて楽々と4,000オール。通過を決める。
二筒三筒四筒五筒六筒八筒八筒八筒九筒九筒  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ツモ一筒  ドラ五索
伊賀、白鳥は何とか田中の牙城を崩そうとするも更に傷を負う。
そこに付け入るかのごとく、最後の親で小川が伊賀をかわして2位に浮上した。
1位通過:田中史孝 2位通過:小川拓麻
 
D卓:藤本哲也vs紺野真太郎vs杉浦勘助vs太田優介
山田浩之の欠場で繰り上がりの藤本。追い風ポールポジションなるか?
1回戦、その藤本がペースを掴む。そして杉浦が攻撃的に映ったのが印象的だった。
ただ、杉浦は思いとは裏腹にアガリには結びつかない、そして相手のアガリ牌を1人で掴み続けてしまう。
2回戦は、太田が私もここにいますよと言わんばかりに、存在感を表しトップをもぎ取る。
紺野は連続2着だが、どちらも浮きに回って安定感のある試合運びであった。
2回戦終了時
藤本+32.6P  紺野+17.0P  太田+3.7P  杉浦▲53.3P
最終戦
東3局、太田2局連続アガって迎えた親番。場が煮詰まってきた終盤に「ツモ」の声。
手を開けたのは紺野だった。
一索二索三索四索五索六索七索七索八索八索九索北北  ツモ六索  ドラ三索
この4,000、8,000をアガリ、トップに躍り出る。
逆に、親被りの太田の心境はいかがなものだろうか?
だがドラマはまだ続いた。
南1局、紺野の親番でこれまで終始苦しんでいた杉浦が、白中とたてつづけに2フーロする。
ただ、ここまでトータルラス目の杉浦には、他の3者の警戒度はそれほど高くなく淡々と局は進んでいく。ちなみに杉浦の最終手出しは発であり、場に発がすべて見えたのも要因だろう。
そして杉浦がついにアガリ牌を手繰り寄せる。
東東西西北北北  ポン白白白  ポン中中中  ツモ東
この8,000、16,000をアガリわずかな望みを繋ぐ。
親被りの紺野は苦しくなるかと思ったが、ここまでトータルトップの藤本が1万点を切り3位まで落ちてしまった。
そして、最後は紺野が自力で通過を決め、太田と共にベスト16にコマを進めた。
1位通過:太田優介 2位通過:紺野真太郎
 
E卓 西川舞vs安村浩司vs吉田直vs中村慎吾
今期トーナメントで紅一点の西川が、実力者3人とどう戦うかが注目となった。
1回戦、開局から吉田が飛ばす。4,000オールをアガッた1本場にこのリーチ。
七万七万二索三索五索六索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ  ツモ一索  ドラ七万
あっさり4,000は4,100オール。
一索四索を7枚持っていた中村に、このアガリはどう映っただろうか?
2本場、吉田はノミ手ながらリーチに行く。
非常に押し辛い局面ではあるが、西川がジリジリと手を進めドラを暗刻にしての純チャンを吉田から捕える。
そうすると一転、西川のペースで局が進んでいく。
2回戦終了時
西川+39.4P  中村▲0.4P  吉田▲6.2P  安村▲32.8P
最終戦、中村と吉田の一騎打ちと思われたが待ったをかけたのは安村。
オーラスをトップで迎えて吉田とアガリ勝負となったのだが、道中ヤミテンを入れていた西川に吉田が飛び込みここで吉田は敗退となった。
1位通過:西川舞 2位通過:安村浩司
 
F卓 末続ヒロトシvs小川尚哉vs西田修vs五反地清一郎
今期リーグ戦でB1リーグに昇級した小川にマークが集まる中、上手いゲーム回しをしたのは五反地。1、2回戦を危なげなく終えた。
2回戦を終えて最終戦は末続、西田の2番手争いかと思われた。
2回戦終了時
五反地+28.8P  西田+6.6P  末続▲3.0P  小川▲32.4P
最終戦、並びをつけてのトップという条件の中、ついに小川がブレイクする。
終わってみれば1人浮きの大トップ。トータル2位に滑り込んだ。
1位通過:五反地清一郎 2位通過:小川尚哉
 
G卓 松崎良文vs内川幸太郎vs西島一彦vs柚木正仁
チャンピオンズリーグトーナメントの常連が4人集まったようなG卓。
トーナメント巧者の松崎が主導権を握る。2連勝で早々に通過を決める。
2回戦終了時
松崎+34.7P  内川+2.2P  西島▲13.3P  柚木▲24.6P
最終戦、内川がAリーガーの意地を見せる。東2局の親番で七対子のドラ単騎を早々にテンパイすると即リーチに踏み切る。終盤に引きアガリ6,000オール。こうなると内川は更に攻め続けトータルトップで通過した。
1位通過:内川幸太郎 2位通過:松崎良文
最終戦で順位が大きく変わる卓が多くみられた。これは勝ち上がり条件がつくトーナメントならではの対局で最後まで気が抜けない熱い対局となっている。
ベスト16からはディフェンディングの森岡貞巨、予選1位の船木伸一を加えてベスト8のイスを争うことになる。
 
【べスト16】
A卓 内川幸太郎vs五反地清一郎vs佐藤佳彦vs森岡貞巨
ここから登場の森岡。対局開始1時間前には会場入りしてベスト28を観戦、表情も柔らかくすんなりと対局に入れそうだ。
1回戦は終始、小場で進んでいく。仕掛けが多くみられ、メンゼンでも捌き手がほとんどで決め手になるアガリがほとんどなかった。結果、オーラスまで全員にトップのチャンスがあったが最後も仕掛けて森岡がアガリきりそのまま逃げ切った。
2回戦、1回戦同様に小場で進み、流局も増えている緊迫した展開。どうにも流れを掴み取れない内川にチャンスがやっと訪れる。
南3局、1巡目にオタ風を仕掛けて内川を牽制する森岡。ドラ色のピンズに寄せていく。
すると上家の内川は対応せざる得ない。
ここで佐藤に以下のテンパイが入る。
四万五万七万七万三索四索五索一筒二筒三筒四筒四筒四筒  ドラ七筒
テンパイ打牌はドラの七筒。これを内川に鳴かれるも明らかに見た感じの速度は遅い。
またマンズの場況がとても良いため、リーチに行くかと思われたがヤミテンで押していく。
やはりと言うか三万六万が場にどんどん放たれ、佐藤はツモることができずに内川に最後の最後にテンパイを入れさせてしまう。
僥倖の親権維持。このチャンスを逃すわけがない内川。次局、手牌がキラキラして見えたことだろう。五反地の先制リーチに同巡に追いつき、リーチにいく。
三万四万四万五万六万九索九索九索三筒四筒五筒七筒七筒  リーチ  ロン二万  ドラ九索
この12,000は12,900をアガリ、そこから怒涛の連荘で一気にこの半荘トップになった。
2回戦終了時
佐藤+25.4P  内川+13.1P  森岡+3.3P  五反地▲41.8P
ほぼ三つ巴の戦い。これまで牌勢、展開に非常に恵まれている佐藤が、東場の親番で8本場まで積む大連荘。持ち点は70,000点を早々に超え勝ち上がりを決める。なんとか親を流そうと「戦う姿勢」をみせる内川だが佐藤の勢いに逆に呑まれてしまい、最後の親番でも決定打となるアガリを森岡に決められ勝負あり。佐藤、森岡にとっては大きな金星となった。
1位通過:佐藤佳彦 2位通過:森岡貞巨
 
B卓 松崎良文vs西川舞vs船木伸一vs清原光継
予選1位の船木、圧倒的な攻撃力でポイントを叩きベスト16からの登場である。会場入りした時、緊張からかちょっとソワソワしているかのように見えたが大丈夫だろうか?
1回戦、好調の西川がアガリを重ねていく。
二索三索四索五索六索七索南南白白  明カン発発発発  ハイテイツモ白  ドラ六索
この3,000、6,000を皮切りに場を制していく。
終盤、清原も仕掛けを多用して追いすがるも、西川が逃げ切りトップ。
船木の攻撃力を、西川、清原が上手く包みこみ受け流すかの如く点棒を削っていっているようにみえた。
こうなると船木は苦しいか?2回戦以降、相手のロン牌が寄ってきてそれが止まらなくなってくる。
2回戦、ここまで淡々と自分の麻雀を打っている松崎に、流れを一気に引き寄せるアガリが生まれる。
南場の親番7巡目で以下の牌姿となる。
三万四万五万七万八万九万二索三索四索三筒五筒八筒八筒  ツモ四筒  ドラ四万
ツモ、ドラ1の1,000オールのアガリだが、ここから打二索でフリテンリーチを敢行する。
すると一発(連盟Aルールに一発はないが)で五索を引き寄せ6,000オール。
意志の籠ったこの素晴らしいアガリでトップまで駆け上がった。
2回戦終了時
西川+35.1P  松崎+28.8P  清原▲9.6P  船木▲54.3P
ほぼ大勢は決まったかのように見えたが、清原が意地を見せ1人浮きのトップ目に立つ。
松崎にあと一歩まで迫るも、トーナメント巧者の松崎、きっちりポイントを合わせて最後は逃げ切り勝ち。ベスト8に滑り込んだ。
1位通過:西川舞 2位通過:松崎良文
 
C卓 太田優介vs小川尚哉vs小川拓麻vs福光聖雄
1回戦東1局、南家・小川尚
一万二万三万三万四万五万二索三索五索五索一筒二筒三筒  リーチ  ツモ一索  ドラ九索
この2,000・4,000をアガリ開局を制す。
しかしこの後が続かず、逆にブレイクしたのは福光と太田。
特に福光、ベスト28でもそうだったように、苦しいところからでも一撃でトップまで立つ瞬発力には目を見張るものがある。そして2回戦もこの2人が対局を作っていく。
2回戦終了時
太田+41.8P  福光+33.1P  小川拓▲33.1P  小川尚▲41.8P
完全に前後の差が開いてしまった。対局終了時に小川尚がちょっと条件がキツ過ぎたと言っていた通り、太田と福光の利害が一致してしまった為に最終戦はスムーズに局は進み、大きなアガリ、連荘も無くそのまま静かに終了した。
1位通過:福光聖雄 2位通過:太田優介
 
D卓 紺野真太郎vs藤原隆弘vs安村浩司vs田中史孝
どっしりとした麻雀の紺野、藤原にバランスが良い安村、仕掛けの田中の対局。
1回戦、メンゼンで大物手のテンパイが各々に入るもアガリが生まれない。場も重苦しい雰囲気でピリピリした空気の中、安村の4,000オールが決まる。
南1局、東家・安村
二索三索四索七索八索九索四筒五筒六筒南南中中  リーチ  ツモ南  ドラ二索
これを機に安村に牌が寄ってきて南3局にはこのテンパイ。
一索三索四索五索六索七索八索九索中中  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ三索
これで一歩抜け出すかと思われたが、ちょうど壁側で見ることのできなかった親番の紺野から「ツモ」の声。
三万四万五万三索四索五索八索八索三筒四筒四筒五筒五筒  ツモ六筒
そう簡単には走らせないよと言わんばかりの6,000オール。
そこからは紺野の時間。アガリを重ねてトップ。
田中が1人大きく沈み、藤原も何とか浮きに回ろうと粘るも届かず。
2回戦、田中の仕掛けがついに実る。
田中以外の3人の受けが強いため、牽制気味の仕掛けでも場が遅くなり自分のペースを掴み始める。
そして親番、細かいアガリで加点し、この半荘トップを取り1回戦の負債をほとんど消す。
2回戦終了時
紺野+19.9P  安村+16.5P  田中▲6.3P  藤原▲30.1P
最終戦、田中は序盤から2回戦と同じように仕掛けを多用していく。しっかりと受けつつ勝負所をうかがっていた紺野、藤原も最終戦という事も加味してやや前に出始める。そこが丁度、田中のタイミングに合ってしまう。最後の親番で紺野がアガリを決めれば通過の手を、逆に田中が紺野から値千金の8,000を直撃。逆転でベスト8にコマを進めた。もう1人は安村、オール2着の安定した戦いで勝ち上がった。Aリーグの2人が姿を消す波乱となった。
1位通過:安村浩司 2位通過:田中史孝
森岡以外の7人はすでに6半荘を消化、体力的にも厳しいだろうが、もう一度勝ち上がらなければ決勝の舞台には進めない。ただ、疲労の色はほとんど見えず、次の対局に静かに集中している選手が多く見られたのが印象的だった。
 
【ベスト8】
A卓 福光聖雄vs佐藤佳彦vs松崎良文vs田中史孝
1回戦、序盤は小場で進む。決め手に欠け、アガリが安い。
これまで仕掛けを多用してイニシアティブを握ってきた田中だが、一転、東場の親番で5巡目にリーチを打つ。
一万一万五万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒
これを松崎から11,600のアガリ。
すると3者が田中の動きに対応してしまう。こうなると田中のペース。
仕掛けを駆使して局を回しながら加点していき1人浮きのトップ。
2回戦も同じように田中のアガリが続く。
東3局、西家・田中
一索二索三索七索八索九索北北発発  ポン西西西  ドラ九索  ロン発
この12,000を佐藤から、
南2局
一万一万二万三万三万四万五万  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ポン発発発  ツモ一万  ドラ五万
この2,000・3,900などで完全に独走態勢になった。
2回戦終了時
田中+65.1P  佐藤▲14.3P  福光▲24.5P  松崎▲26.8P
最終戦、田中はほぼ通過。
ほぼ3人の着順勝負、佐藤が浮きに回ると福光、松崎はある程度の条件が付く。
ここまで静かだった松崎が、田中に合わせてなのか仕掛けながら細かいアガリを重ねていく。
南1局、親の福光が先制リーチを打つも、逆に受けに回っていた田中にハイテイで7,700は8,000を放銃してしまい通過は厳しいものとなる。
佐藤、最後の親番で打点は低いが2回のアガリをものにして、浮きに回り一度は松崎を微差ながら捲る。その親番を松崎が捌ききって捲り返す。
迎えたオーラス、佐藤は2,000点のアガリで再逆転、松崎は親なのでアガリ止めがなく流局時に伏せても佐藤に捲られる可能性があるので一度アガリが欲しいところ。
配牌、佐藤に逆転の材料が入るものの、6巡目に田中のヤミテンに捕まってしまい勝負あり。
最後まで見ごたえのある戦いであった。
1位通過:田中史孝 2位通過:松崎良文
 
B卓 西川舞vs太田優介vs森岡貞臣vs安村浩司
1回戦、ここまで快進撃の西川。摸打を見ていても迷いなく打ち切れていて気持ちがいい。
開局、そんな西川の挨拶代わりの倍満で幕が開く。
二万二万三万三万三万四万五万六万七万八万八万九万九万  ツモ七万  ドラ五索
8巡目にこの4,000・8,000をものにする。
次局、太田に8,000を放銃するも、迎えた親番で2,600オール、2,600は2,700オールとアガリ、勢いそのままに駆け上がるかと思われた。
待ったをかけたのは太田。西川からリーチ七対子を直撃すると、東4局3本場には
一万二万三万七万八万九万一索七筒八筒九筒  ポン東東東  ロン一索  ドラ九万
この11,600は12,500を森岡からアガリ、西川に並びかける。
親を落としたのは安村。ここも七対子だがドラ2の6,400は7,600を西川から。
徐々に点棒を減らしていき、さらにここで痛恨の放銃をしてしまう。
南2局、親番の安村が5巡目に両面チーから入る。その2巡後に、森岡からリーチが入るも安村も臨戦態勢。そして西川は森岡の現物の四索を抜き打つと安村の手が開かれた。
四万五万六万八万八万八万五索六索八索八索  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  ロン四索  ドラ八万
この11,600でついに原点を割ってしまう。後に聞いてみると、この1局については西川も相当悔しかったようだ。結局1回戦は太田の1人浮きで終わる。
2回戦、それでも西川に手が入る。本流へとさらに波に乗りたいところだが、1回戦を引きずっているのか、もう一歩流れを手繰り寄せられない。展開が功を奏して、何とかトップで最終戦へ。
逆に苦しくなったのは森岡。次は大きなトップが絶対条件となってしまった。
2回戦終了時
太田+36.4P  安村+4.7P  西川+0.5P  森岡▲36.7P
最終戦、安村と西川は着順勝負となった。これまで圧倒的な勢いで勝ち上がってきたが初めて追う展開。着順勝負では、自力に勝る安村に分があるのではと思っていた。西川は対局中、とても集中していたのか、顔色を変えず淡々と打つ姿は好感が持てた。
安村が、我慢を重ねて最後に大きなトップで太田と共に決勝へコマを進めた。
1位通過:太田優介 2位通過:安村浩司
 
ついに決勝のメンバーが出揃った。タイプの異なる4名で白熱した対局になるのは間違いないだろう。
最初にお伝えした通り、今期からチャンピオンズリーグもニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信される。そういう面でも良い1戦になることを期待したい。
最後に決勝進出者からのコメントで締めさせていただこうと思う。
太田優介「夢のようです」
田中史孝「疲れたけど、明日もがんばります」
安村浩司「今日は我慢の麻雀が多かったので、明日は暴れたいと思います」
松崎良文「映像で麻雀を打つのは初めてですが、自分らしく頑張ろうと思います」