第103回:吾妻 さおり

「優勝したよ!」
携帯メールに報告が入っていた。
思わず職員室で「やったー!!!!」と大声で叫んでいた。
まるで生徒の合格発表のように。

私、美波智子は麻雀プロをしながら学習塾の講師をしている。
志望校に合格するために日々努力を重ねる生徒たちに勉強のコツを教えて、一つ覚えたら共に喜び励まし、時には泣くほど叱りつける事もある。出来る全てを託して試験会場に送り出したら、最後は見守り結果を待つしかない。だからこそ、合格の報告を受けた時は自分の事よりも嬉しく感じる。

彼女が麻雀に対して日々努力をしてきたのを誰より知っていただけに、そのメールが合格報告のように嬉しくって「良かったーー!!」と涙があふれてきた。

美波「女流桜花優勝おめでとう!!」

吾妻「ありがとう。授業中だと思ったから報告はメールにしておいたよ。」

美波「思わず職員室で泣いちゃったよ。休み時間に速報チェックして、逆転されたのを知っていたから超ドキドキしてた。本当良かったね。」

吾妻「うん。最後までハラハラさせてごめんね。」

美波「どう?実感とか湧いてきた?」

吾妻「オーラスアガった時は放心状態だった。長い戦いだったから、本当にこの局で終わりなのか信じられないっていうか。藤原審判長が『優勝は吾妻プロです。+1.6ポイントまくりました』って言ってもまだ実感がなくて。森山会長から優勝カップを受け取った時初めて『桜花獲ったんだ!』ってこみあげてくるものがあった。」

gpmax2012

美波「でもさぁ、出会った頃にはまさかこんな日が来るなんて思いもしなかったよね。」

吾妻「だね。麻雀卓を囲めるだけで、全然勝てなくても幸せだった。プロになって優勝したいとか考えたこともなかったなぁ。」

美波「あの頃は毎日一緒にいて4人揃えば麻雀してたよね。新しい発見の連続だった。」

吾妻「麻雀の魅力にどんどんのめりこんでいったよね。一緒に勉強してたから、単騎の山読みで2人して同じ牌待ってたり。」

美波「同卓での七対子は今でも困るよ。私がリーチしても『待ちはこれ!』って一点読みされて、それ以外の牌全部切られたり・・・」

吾妻「先手打たれて私はまだ1シャンテンで3つとも『超危険牌』とか(笑)」

美波「でも吾妻プロは数字苦手で、点数計算は私の方が先に覚えて教えてあげたっけ。」

吾妻「その節はお世話になりました。教わった『算数が苦手な人の為の計算法』は今でも役立っていて麻雀教室でも応用させてもらってます。っていうか『吾妻プロ』って呼ばれるのは違和感満載(笑)」

美波「じゃぁ、いつも通り『ママ』と『ともち』で(笑)インタビューの記事、理系の私に書けるか自信ないんだけどどうしよう・・・」

吾妻「うん。一番喜んでくれた人にって思ったから指名しちゃった。ともちが思った通りに書いてくれたらいいよ。必要なら添削は手伝うからさ。」

私は年下の吾妻プロをママと呼んでいる。10年ほど前、子猫ちゃんを新しい家族として迎え入れた彼女は、当時毎日のように出入りし家族同然の付き合いだった私に「ともちもうちの子になる?」と一言。これが「ママ」のきっかけなのだが、呼び名が定着したのは彼女の性格によるところが大きい。
辛い事があれば一緒に悩んでくれる。
嬉しい事があれば一緒に喜んでくれる。
困った事があればさりげなく助けてくれる。
こんな彼女の無償の優しさが、まるでお母さんのようだからだ。

美波「プロになったいきさつとか聞いておく??」

吾妻「ともちと一緒にプロ試験受けたのに?」

美波「ぜひ聞かせてください(笑)」

吾妻「知人を介して知り合った石渡正志プロが麻雀講師をされていて、素敵なお仕事だと思ったの。私は麻雀の楽しさも、ルールや点数計算が難しくてなかなか覚えられないもどかしさも両方経験してきたから、自分の天職かもって直感があった。教師と麻雀プロって真逆の世界に見えるけど、そんな事ないんだよね。」

美波「中学校を辞めてしまうのはもったいないと思っていたけど、ママにとって『楽しさを伝える』って目標は変わってないんだね。今回の優勝は麻雀教室の生徒さんも喜ぶだろうね。」

吾妻「明日が桜花獲ってから初めての教室なんだけど、きっとお祭り騒ぎになると思うよ♪」

美波「何度か教室に遊びに行かせてもらったけど、生徒さんみんな楽しそうに麻雀打ってるよね。ママの言ってる『楽しさ』が伝わってるんだね。」

gpmax2012

吾妻「教室は仕事であると同時に自分自身の楽しみでもあるよ。あっちの卓で打ちながら世間話してたら、教室全員聞き耳たててて大爆笑が起こったり、役満が出たら他の卓の人も見に来て拍手したり。誤ロンやチョンボも1日1回はセーフとか、真剣勝負の競技麻雀とは違うけど、一生懸命手作りをして高い手が完成したらみんなで喜ぶって、麻雀を楽しむ秘訣だと思うの。」

美波「プロになってやりたかった事が出来てるって事だよね。」

吾妻「少しずつだけどね。決勝の生中継は、辛そうに考え込んだり、悩んで牌を選んだり、真剣勝負の厳しさばかりが目につくかも知れないけど、それも含めて麻雀って競技が大好きなんだよね。ニコニコ動画の連盟チャンネルやブログとか、情報を発信する方法が発達した今日、自分が出来ることも増えているからこれからも1つずつ実現させたいな。今回私が優勝出来たことで1人でも麻雀を始めてくれた人が居たらプロになって良かったなって思うから。」

美波「さて、そろそろ桜花の決勝の話しなくちゃね。プレイオフで決勝進出が決まってから初日までの期間はどんなことを考えていたの?」

吾妻「決勝のメンバーは全員タイトルホルダーで動画もあるし、同卓したり後ろで見学していたこともあるから、明確なイメージトレーニングが出来たよ。出来たというよりは、勝手に想像が膨らんじゃうっていう方が近いかも。誰からリーチが来て、誰はヤミ押しして、一発で何切るか?とか、自分が打っている映像を観ているみたいな感じ。」

美波「その中で『簡単にはオリない』ってイメージが出来上がった?」

吾妻「イメージの中で自分がオリた局は相手が楽そうにアガっていたり、逆に先行リーチにノータイムで無筋切ったらヤミ押しの人がオリたり。何局も想像してくうちに『今回私は4人の中で一番まっすぐな手作りをしないと勝てない』って思った」

美波「でもさ、そうすると、普段は押さない一牌を押す局面が出てくるでしょ?それをあんな大舞台でやるのは勇気がいるよね?」

吾妻「手役作って高打点が見込めるなら後手でも押すのは元々のスタイルだし、今回の決勝で性に合っているのを再確認できたよ。テーマに沿って普段はやめる一牌も押し切ったけど、その放銃さえも優勝に必要だと思って打っていたし。」

美波「初日、緊張していないはずないのに、のびのび打っていたように思えたんだけど、実際のところどうだったの?」

吾妻「野球に例えたら『フルスイングする』って明確なテーマがあって、ボールをバットの芯で捉える事だけを考えてた。でもそれがうまくハマって大量リードしたら『フルスイングで追加点狙ってもいいし、バントでも犠牲フライでも、何なら今日は流して体力温存してもいいよ』ってなって。」

美波「野球に例えられた・・・ルールわかんないけど、1日でここまでリードするとは思ってなかったからこそ、2日目に少し迷いが生じたってことかな?」

吾妻「そう、アガリに向かってもいいけど、オリてもいいし、子に振り込んで一局消化してもいいよ」っていうイメトレは不足してた。今思えば、事前に先行パターンも考えておかなくっちゃダメって思うけど、この点は妙に謙虚キャラだったね。」

美波「いや、正直誰も想像してなかったと思うよ(笑)」

吾妻「2日目のドラ白単騎の役なしテンパイの局は・・」

gpmax2012

美波「あーっ!それ、ともち画面見ながら『リーーーーチ!!』って叫んだよ(笑)」

吾妻「あれは魚谷プロからリーチが入って『まっすぐアガリに向かって』なかっただけに、『リーチ』の声が出なかった。」

美波「で、白単騎の6,400をアガリ逃した」

吾妻「和久津プロが白を合わせて、さらにツモ切りが続いていた安田プロへの現物テンパイの注意が抜けて放銃にまわって。白がバラけていた事もその場でわかってしまう、最悪の局だよ。ショックを引きずって放銃したのだから、気持ち切り替えて自分の麻雀をしっかり打とうと決めて。

8回戦東3局、親・吾妻

配牌 
二万二万九万二索六索七索四筒六筒七筒九筒九筒東南南  ドラ六万

アガリ形 
二万二万四万六万四索五索六索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ五万

南トイツ落としして手役をきちんと狙ったら456の三色ツモれたの。なかなかイメトレ通りに打てなくて、目に見える敗着局もあって辛い1日だったけど、ここをそのまま自分の弱点にしたくないから初日よりの何倍もチェックしたよ。」

美波「2日目終わってすぐ、会おうよって誘ったら、『カラオケがいい!』って言ったじゃん。やっぱり少し煮詰まってたの?」

吾妻「起きている間ずっと牌姿が頭の中グルグルしてて、寝てても夢に出てくるからね。麻雀の事を忘れたのはあの時だけだったよ。ともちとバイバイした瞬間また新しい牌姿浮かんできたけど(笑)」

美波「あれからまたずーっと麻雀の事考えてたんだね。決勝が3日間、しかも2週間の戦いの大変なところだね。」

吾妻「特に初日から2日目のインターバルは長く感じた。考えすぎて裏目に出た部分もあるけど、その経験も含めて決勝でしか味わえない宝物だよ。」

美波「最終日にはどんな気持ちで卓についた?」

吾妻「9・10回戦は『手に素直に』って思ってた。行くべき局は行って、オリる局はしっかりオリる。11回戦で『戦って勝つ』のバランスを間違えてしまって窮地に陥ることになるんだけど・・・。」

美波「2位につけていた和久津プロに7,700を2回も放銃したね。」

吾妻「対局観が間違ってたから、変な所で前に出たし、仕掛けも良くないし、打牌選択も私らしくなかった。『気持ちだけじゃ勝てない』の典型の半荘だね。」

美波「最後の最後で初日から守ってきたトータルトップから陥落しちゃうわけだけど、気持ち的に動揺とかなかったの?」

吾妻「まくられたとか、これじゃ優勝なんてできないとかが頭の中を一瞬駆け巡った。でも今まで私を応援してくれた人たちの為にも『最終半荘は今の私のベストな麻雀を打ちたい』って思ったら、びっくりする程集中できたんだ。」

美波「最後の親番が流されて、アガれないままオーラスになっちゃったけど、それでも焦らなかった?」

吾妻「放銃した手順も自分らしい手組みが出来ていたし、全ての局に意味があるって完全に現状を受け入れて、次すべき事を考えてた。焦りはなかったよ。」

美波「その冷静さ、尊敬するわ。私なら逃げ出したいって思っちゃうかも・・・」

吾妻「確かに決勝は苦しかったし、自分が許せない程ダメな場面もあったけど。悩み抜いていく過程で競技麻雀をもっと好きになったし、自分の未熟な面も浮き彫りになって。そこをきちんと修正して、またこういう場で戦いたいって強く思ったよ。」

美波「12回戦、3日間に及ぶ戦いを経験したことで、更なる成長が期待できそうだね。最後に、今まで応援してくれた人や今回初めて『吾妻さおり』を知った人達に一言お願いします。」

吾妻「決勝に出場した事で一番強く感じたのは、応援してくれる皆さんへの感謝です。自分が生きていることも、麻雀を打てる事も。多くの人に支えられているからこの舞台に立てたのだと改めて心にしみた期間でした。今回初めて私の麻雀を観て『感動しました、今後応援します』と有難いお言葉をくださった方々も、批判的な立場からのご意見も、私にとってかけがえのない宝物です。次にお目にかかる機会がありましたら、前より進化した吾妻をお見せできるよう、頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。」

美波「長い時間ありがとう。インタビューはこのくらいにして、そろそろカラオケしよっか。」

数日後、この原稿を持ってもう1回彼女に会いに行った。

吾妻「きちんとまとまってるじゃん♪ともちよく頑張ったね。あっ、でも、ここ同じ単語が2回続いているから、ちょっと言い方を変えてみようよ。」

やっぱりママは国語の先生だね(笑)

gpmax2012

プロ雀士インタビュー/第103回:吾妻 さおり

「優勝したよ!」
携帯メールに報告が入っていた。
思わず職員室で「やったー!!!!」と大声で叫んでいた。
まるで生徒の合格発表のように。
私、美波智子は麻雀プロをしながら学習塾の講師をしている。
志望校に合格するために日々努力を重ねる生徒たちに勉強のコツを教えて、一つ覚えたら共に喜び励まし、時には泣くほど叱りつける事もある。出来る全てを託して試験会場に送り出したら、最後は見守り結果を待つしかない。だからこそ、合格の報告を受けた時は自分の事よりも嬉しく感じる。
彼女が麻雀に対して日々努力をしてきたのを誰より知っていただけに、そのメールが合格報告のように嬉しくって「良かったーー!!」と涙があふれてきた。
美波「女流桜花優勝おめでとう!!」
吾妻「ありがとう。授業中だと思ったから報告はメールにしておいたよ。」
美波「思わず職員室で泣いちゃったよ。休み時間に速報チェックして、逆転されたのを知っていたから超ドキドキしてた。本当良かったね。」
吾妻「うん。最後までハラハラさせてごめんね。」
美波「どう?実感とか湧いてきた?」
吾妻「オーラスアガった時は放心状態だった。長い戦いだったから、本当にこの局で終わりなのか信じられないっていうか。藤原審判長が『優勝は吾妻プロです。+1.6ポイントまくりました』って言ってもまだ実感がなくて。森山会長から優勝カップを受け取った時初めて『桜花獲ったんだ!』ってこみあげてくるものがあった。」
gpmax2012
美波「でもさぁ、出会った頃にはまさかこんな日が来るなんて思いもしなかったよね。」
吾妻「だね。麻雀卓を囲めるだけで、全然勝てなくても幸せだった。プロになって優勝したいとか考えたこともなかったなぁ。」
美波「あの頃は毎日一緒にいて4人揃えば麻雀してたよね。新しい発見の連続だった。」
吾妻「麻雀の魅力にどんどんのめりこんでいったよね。一緒に勉強してたから、単騎の山読みで2人して同じ牌待ってたり。」
美波「同卓での七対子は今でも困るよ。私がリーチしても『待ちはこれ!』って一点読みされて、それ以外の牌全部切られたり・・・」
吾妻「先手打たれて私はまだ1シャンテンで3つとも『超危険牌』とか(笑)」
美波「でも吾妻プロは数字苦手で、点数計算は私の方が先に覚えて教えてあげたっけ。」
吾妻「その節はお世話になりました。教わった『算数が苦手な人の為の計算法』は今でも役立っていて麻雀教室でも応用させてもらってます。っていうか『吾妻プロ』って呼ばれるのは違和感満載(笑)」
美波「じゃぁ、いつも通り『ママ』と『ともち』で(笑)インタビューの記事、理系の私に書けるか自信ないんだけどどうしよう・・・」
吾妻「うん。一番喜んでくれた人にって思ったから指名しちゃった。ともちが思った通りに書いてくれたらいいよ。必要なら添削は手伝うからさ。」
私は年下の吾妻プロをママと呼んでいる。10年ほど前、子猫ちゃんを新しい家族として迎え入れた彼女は、当時毎日のように出入りし家族同然の付き合いだった私に「ともちもうちの子になる?」と一言。これが「ママ」のきっかけなのだが、呼び名が定着したのは彼女の性格によるところが大きい。
辛い事があれば一緒に悩んでくれる。
嬉しい事があれば一緒に喜んでくれる。
困った事があればさりげなく助けてくれる。
こんな彼女の無償の優しさが、まるでお母さんのようだからだ。
美波「プロになったいきさつとか聞いておく??」
吾妻「ともちと一緒にプロ試験受けたのに?」
美波「ぜひ聞かせてください(笑)」
吾妻「知人を介して知り合った石渡正志プロが麻雀講師をされていて、素敵なお仕事だと思ったの。私は麻雀の楽しさも、ルールや点数計算が難しくてなかなか覚えられないもどかしさも両方経験してきたから、自分の天職かもって直感があった。教師と麻雀プロって真逆の世界に見えるけど、そんな事ないんだよね。」
美波「中学校を辞めてしまうのはもったいないと思っていたけど、ママにとって『楽しさを伝える』って目標は変わってないんだね。今回の優勝は麻雀教室の生徒さんも喜ぶだろうね。」
吾妻「明日が桜花獲ってから初めての教室なんだけど、きっとお祭り騒ぎになると思うよ♪」
美波「何度か教室に遊びに行かせてもらったけど、生徒さんみんな楽しそうに麻雀打ってるよね。ママの言ってる『楽しさ』が伝わってるんだね。」
gpmax2012
吾妻「教室は仕事であると同時に自分自身の楽しみでもあるよ。あっちの卓で打ちながら世間話してたら、教室全員聞き耳たててて大爆笑が起こったり、役満が出たら他の卓の人も見に来て拍手したり。誤ロンやチョンボも1日1回はセーフとか、真剣勝負の競技麻雀とは違うけど、一生懸命手作りをして高い手が完成したらみんなで喜ぶって、麻雀を楽しむ秘訣だと思うの。」
美波「プロになってやりたかった事が出来てるって事だよね。」
吾妻「少しずつだけどね。決勝の生中継は、辛そうに考え込んだり、悩んで牌を選んだり、真剣勝負の厳しさばかりが目につくかも知れないけど、それも含めて麻雀って競技が大好きなんだよね。ニコニコ動画の連盟チャンネルやブログとか、情報を発信する方法が発達した今日、自分が出来ることも増えているからこれからも1つずつ実現させたいな。今回私が優勝出来たことで1人でも麻雀を始めてくれた人が居たらプロになって良かったなって思うから。」
美波「さて、そろそろ桜花の決勝の話しなくちゃね。プレイオフで決勝進出が決まってから初日までの期間はどんなことを考えていたの?」
吾妻「決勝のメンバーは全員タイトルホルダーで動画もあるし、同卓したり後ろで見学していたこともあるから、明確なイメージトレーニングが出来たよ。出来たというよりは、勝手に想像が膨らんじゃうっていう方が近いかも。誰からリーチが来て、誰はヤミ押しして、一発で何切るか?とか、自分が打っている映像を観ているみたいな感じ。」
美波「その中で『簡単にはオリない』ってイメージが出来上がった?」
吾妻「イメージの中で自分がオリた局は相手が楽そうにアガっていたり、逆に先行リーチにノータイムで無筋切ったらヤミ押しの人がオリたり。何局も想像してくうちに『今回私は4人の中で一番まっすぐな手作りをしないと勝てない』って思った」
美波「でもさ、そうすると、普段は押さない一牌を押す局面が出てくるでしょ?それをあんな大舞台でやるのは勇気がいるよね?」
吾妻「手役作って高打点が見込めるなら後手でも押すのは元々のスタイルだし、今回の決勝で性に合っているのを再確認できたよ。テーマに沿って普段はやめる一牌も押し切ったけど、その放銃さえも優勝に必要だと思って打っていたし。」
美波「初日、緊張していないはずないのに、のびのび打っていたように思えたんだけど、実際のところどうだったの?」
吾妻「野球に例えたら『フルスイングする』って明確なテーマがあって、ボールをバットの芯で捉える事だけを考えてた。でもそれがうまくハマって大量リードしたら『フルスイングで追加点狙ってもいいし、バントでも犠牲フライでも、何なら今日は流して体力温存してもいいよ』ってなって。」
美波「野球に例えられた・・・ルールわかんないけど、1日でここまでリードするとは思ってなかったからこそ、2日目に少し迷いが生じたってことかな?」
吾妻「そう、アガリに向かってもいいけど、オリてもいいし、子に振り込んで一局消化してもいいよ」っていうイメトレは不足してた。今思えば、事前に先行パターンも考えておかなくっちゃダメって思うけど、この点は妙に謙虚キャラだったね。」
美波「いや、正直誰も想像してなかったと思うよ(笑)」
吾妻「2日目のドラ白単騎の役なしテンパイの局は・・」
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美波「あーっ!それ、ともち画面見ながら『リーーーーチ!!』って叫んだよ(笑)」
吾妻「あれは魚谷プロからリーチが入って『まっすぐアガリに向かって』なかっただけに、『リーチ』の声が出なかった。」
美波「で、白単騎の6,400をアガリ逃した」
吾妻「和久津プロが白を合わせて、さらにツモ切りが続いていた安田プロへの現物テンパイの注意が抜けて放銃にまわって。白がバラけていた事もその場でわかってしまう、最悪の局だよ。ショックを引きずって放銃したのだから、気持ち切り替えて自分の麻雀をしっかり打とうと決めて。
8回戦東3局、親・吾妻
配牌 
二万二万九万二索六索七索四筒六筒七筒九筒九筒東南南  ドラ六万
アガリ形 
二万二万四万六万四索五索六索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ五万
南トイツ落としして手役をきちんと狙ったら456の三色ツモれたの。なかなかイメトレ通りに打てなくて、目に見える敗着局もあって辛い1日だったけど、ここをそのまま自分の弱点にしたくないから初日よりの何倍もチェックしたよ。」
美波「2日目終わってすぐ、会おうよって誘ったら、『カラオケがいい!』って言ったじゃん。やっぱり少し煮詰まってたの?」
吾妻「起きている間ずっと牌姿が頭の中グルグルしてて、寝てても夢に出てくるからね。麻雀の事を忘れたのはあの時だけだったよ。ともちとバイバイした瞬間また新しい牌姿浮かんできたけど(笑)」
美波「あれからまたずーっと麻雀の事考えてたんだね。決勝が3日間、しかも2週間の戦いの大変なところだね。」
吾妻「特に初日から2日目のインターバルは長く感じた。考えすぎて裏目に出た部分もあるけど、その経験も含めて決勝でしか味わえない宝物だよ。」
美波「最終日にはどんな気持ちで卓についた?」
吾妻「9・10回戦は『手に素直に』って思ってた。行くべき局は行って、オリる局はしっかりオリる。11回戦で『戦って勝つ』のバランスを間違えてしまって窮地に陥ることになるんだけど・・・。」
美波「2位につけていた和久津プロに7,700を2回も放銃したね。」
吾妻「対局観が間違ってたから、変な所で前に出たし、仕掛けも良くないし、打牌選択も私らしくなかった。『気持ちだけじゃ勝てない』の典型の半荘だね。」
美波「最後の最後で初日から守ってきたトータルトップから陥落しちゃうわけだけど、気持ち的に動揺とかなかったの?」
吾妻「まくられたとか、これじゃ優勝なんてできないとかが頭の中を一瞬駆け巡った。でも今まで私を応援してくれた人たちの為にも『最終半荘は今の私のベストな麻雀を打ちたい』って思ったら、びっくりする程集中できたんだ。」
美波「最後の親番が流されて、アガれないままオーラスになっちゃったけど、それでも焦らなかった?」
吾妻「放銃した手順も自分らしい手組みが出来ていたし、全ての局に意味があるって完全に現状を受け入れて、次すべき事を考えてた。焦りはなかったよ。」
美波「その冷静さ、尊敬するわ。私なら逃げ出したいって思っちゃうかも・・・」
吾妻「確かに決勝は苦しかったし、自分が許せない程ダメな場面もあったけど。悩み抜いていく過程で競技麻雀をもっと好きになったし、自分の未熟な面も浮き彫りになって。そこをきちんと修正して、またこういう場で戦いたいって強く思ったよ。」
美波「12回戦、3日間に及ぶ戦いを経験したことで、更なる成長が期待できそうだね。最後に、今まで応援してくれた人や今回初めて『吾妻さおり』を知った人達に一言お願いします。」
吾妻「決勝に出場した事で一番強く感じたのは、応援してくれる皆さんへの感謝です。自分が生きていることも、麻雀を打てる事も。多くの人に支えられているからこの舞台に立てたのだと改めて心にしみた期間でした。今回初めて私の麻雀を観て『感動しました、今後応援します』と有難いお言葉をくださった方々も、批判的な立場からのご意見も、私にとってかけがえのない宝物です。次にお目にかかる機会がありましたら、前より進化した吾妻をお見せできるよう、頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。」
美波「長い時間ありがとう。インタビューはこのくらいにして、そろそろカラオケしよっか。」
数日後、この原稿を持ってもう1回彼女に会いに行った。
吾妻「きちんとまとまってるじゃん♪ともちよく頑張ったね。あっ、でも、ここ同じ単語が2回続いているから、ちょっと言い方を変えてみようよ。」
やっぱりママは国語の先生だね(笑)
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第23期中部プロリーグ 第1節レポート

●Aリーグ(執筆:樋口 新)


22期生の樋口新です。初めての観戦記で拙い文章になるかもしれませんが、半年間お付き合い頂ければ幸いです。
中部プロリーグのAリーグでは全5節で総当たりとなる。そこで私と対局したプロの紹介を交えながら、決勝までの道のりをお伝えしていきたい。

第1節の対局相手は以下の通りである。

杉村泰治プロ 12期生
中部プロリーグ決勝4回 優勝1回
静岡リーグ決勝5回
ロン2でも人気の杉村プロである。今期よりAリーグ復帰を果たした。

伊藤鉄也プロ 22期生
中部プロリーグ決勝3回 優勝1回
前期の中部プロリーグ覇者である。麻雀に対しての人一倍の熱情を持っているイメージがある。

毛受俊プロ 24期生
Aリーグ在籍 5年半
決勝経験がないのが不思議な毛受プロは、キレのある攻めが持ち味である。

誰しもが決勝進出、そして優勝を目指してスタートした第1節の1回戦。
私はなによりもこの第1節はもちろん、1回戦の入りも重要だと信じている。
しかしこの日の私の入りはあまりよくなかった。結果だけ見ると3着だったが、Aトップだった毛受プロに圧倒されていた。
感触が良くないまま迎えた2回戦。私は東3局の親番で、下家の伊藤プロのソウズの仕掛けを気にするあまり、ソウズを溜めてしまう。そして、ノーマークだった杉村プロにテンパイ打牌のソウズで8,000点を放銃してしまう。ここで悪かった点は、ソウズで染めている伊藤プロがいることを理解しながらも、親番を維持したいがためだけにリャンメンチーをして、1,500点のカンチャン、しかもソウズのテンパイを取った点である。
そして、15,000点持ちで迎えた南1局。親は好調の毛受プロである。私は3巡目に北単騎のチートイツドラ2のリーチを打つが、毛受プロに押し返され、結果、毛受プロへの5,800点の放銃となってしまった。放銃した瞬間、「現在の私の状態では、8,000点だからという理由でリーチを打つべきではなかったのだろうか?」「リーチを打っていなかったら6,400点のアガりにつながっていたのだろうか?」など、様々な事が頭を駆け巡った。そこには体勢的な事もあるのだろうか。答えはまだ見つかっていない。
結果として、2回戦は箱下のCラスとなってしまい、合計のマイナスは50を超えてしまった。
ここで私は気持ちを切り替えた。現状、マイナスは大きいが、目先にとらわれず、丁寧にアガりに向かおうと思った。
そして3回戦。毛受プロは相変わらず好調で50,000点近くを叩きだしていた。そして東3局で迎えた親番。私は6巡目に白とドラのシャンポン待ちでテンパイをする。普段なら即リーチをかけるところだが、ここはダマとした。その結果、ドラをツモってきて、3,900オール。このアガりを皮切りに連荘することが出来、大きくプラスとすることが出来た。
▲10まで戻せた4回戦。プラスで一日を終えることができる可能性も見えてきた。実際、東1局に7,700点を和了し、持ち点を37,700点としたのである。しかし、私はそこでなぜかホッとしてしまった。あれだけ反省したのに、である。そしてドラマは南3局に待っていた。3回戦まででマイナスポイントとしていた伊藤プロが四暗刻を和了。前回中部プロリーグ覇者の底力を見せつけられた。
前述したように、第1節の入りは重要だと信じている私の第1節は、若干のマイナスポイントで終えた。しかし、反省点や課題は多い。きちんと修正して、第1節以降に臨んでいきたい。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 日下 健司 64.3 64.3
2 太田 充 39.6 39.6
3 村瀬 寛光 38.1 38.1
4 寺戸 孝志 28.1 28.1
5 毛受 俊 26.2 26.2
6 三戸 亮祐 17.1 17.1
7 杉浦 貴紀 10.8 10.8
8 長谷川 弘 8.5 8.5
9 伊藤 鉄也 4.8 4.8
10 森下 剛任 0.6 0.6
11 樋口 新 ▲ 15.2 ▲ 15.2
12 杉村 泰治 ▲ 15.8 ▲ 15.8
13 佐藤 あいり ▲ 49.5 ▲ 49.5
14 木村 東平 ▲ 51.8 ▲ 51.8
15 掛水 洋徳 ▲ 52.1 ▲ 52.1
16 鈴木 基芳 ▲ 53.7 ▲ 53.7

 

●Bリーグ(執筆:中谷 彰吾)


今期、中部プロリーグBリーグのレポートを担当させていただく29期生の中谷彰吾です。よろしくお願いします。

前期Cリーグから昇級した3名を加えて対局が行われた。前期3位と惜しくも昇級を逃した山本だったが、3回戦と4回戦を連勝で飾り+49.8Pと好成績で暫定首位とした。気持ちだけは負けないように打ったと語っていた。そして鈴木(雄)、櫛田、牛尾もスタートダッシュに成功か。
逆に出鼻を挫かれたのは安藤、斎藤、中谷。第2節以降の巻き返しに期待したいところだ。

ここで私が印象深かった局面を書かせていただきたい。それは対局の最後の最後4回戦のオーラス。
南4局0本番 ドラ1
東家 中谷 5,300点
南家 葛山 35,900点
西家 斎藤 24,100点
北家 山本 54,700点

私は3回戦までオールプラスだったものの、このままでは一気にマイナスになってしまう状況で何としても連荘して巻き返そうと思っていた。
しかし早々に山本が白をポン。そして葛山が二索チーに続き九索ポン。私の手牌はとても戦える状況ではなかったがトイツが4組だったため七対子一本に決めた。局が中盤にさしかかった時、山本がテンパイ打牌であろう一索を切り葛山がすかさずポン!山本はテンパイ濃厚。葛山もホンイツもしくはチンイツテンパイ。まさに絶体絶命。
その時、私の手牌は
一万一万三万三万七万七万三索六索二筒二筒西西発 のイーシャンテン。
三索六索発のどれが重なっても打ち出される牌は超危険牌。そして終盤に発をツモり三索六索を切ればテンパイとなる。この時私は長考した。
一索は4枚見え、三索は1枚見えで六索はションパイ。ペンチャンはないがシャンポンの可能性を考えるなら尚三索切りの選択しかなかった。しかしふと思ったのが山本と葛山の点差だった。2人の差は18,800点差。
この点差が意味する事は葛山が倍満ツモなら逆転トップとなる点差なのだ。葛山がチンイツ・ドラ3なら文句なく倍満。この瞬間私は九分九厘チンイツと思った。その最大の理由は、葛山とはよくセットで一緒に打たせてもらっているが、条件戦においては、中々妥協してくれず、極力条件をクリアする手を作ってくる。その事もあり私は長考の末に絶対安牌の西を切った。
都合よく私の手がテンパイするわけもなく流局。葛山の1人テンパイで終わったが、公開された手牌は二索四索六索六索のカン三索待ちであった。この時は本当に震えそうになった。
ラス目の親でテンパイをとらなかったのはほとんど記憶にない。ラスを自ら受け入れる打ち方をしたことがなかったからだ。その日、私は寝られるはずもなく朝方までずっと対局を思い返し考えていた。そして今思える事は”勝つために負けを受け入れた”と言うこと。リーグ戦は第5節までの長丁場。
勝つ=昇級するために第2節以降の巻き返しを胸に誓った。これからどんな展開になるのか!?最後まで目が離せない中部プロBリーグ。
来月もお楽しみに。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 49.8 49.8
2 鈴木 雄介 22.7 22.7
3 櫛田 利太 14.1 14.1
4 牛尾 信之 12.2 12.2
5 朝岡 祐 10.6 10.6
6 葛山 英樹 3.0 3.0
7 菅野 直 1.9 1.9
8 太田 峻也 0.1 0.1
9 若松 正和 ▲ 1.5 ▲ 1.5
10 中西 栄二 ▲ 2.7 ▲ 2.7
11 大滝 聡 ▲ 5.5 ▲ 5.5
12 土岐 雄太 ▲ 7.0 ▲ 7.0
13 浅野 文雅 ▲ 8.0 ▲ 8.0
14 中谷 彰吾 ▲ 19.9 ▲ 19.9
15 斎藤 寛生 ▲ 32.9 ▲ 32.9
16 安藤 大貴 ▲ 36.9 ▲ 36.9

 

●Cリーグ:大西 義則

 

はじめまして、今期Cリーグの観戦レポートを担当させていただきます、22期生の大西義則です。
私自身、平成18年より中部プロリーグへの参加資格を頂いてから、対局以外の交流をあまり持てていなかった事もあり、この度、レポートを担当させて頂くにあたり、対局選手にインタビューを行い、それぞれの考え、また、心情をご紹介できればと思いました。拙い文章になりますが、選手たちの麻雀に対する熱意を少しでもお伝え出来ればと、一生懸命、レポートさせていただきます。

さて、今期は新人プロ2名を迎え、19名で3名のBリーグ昇級枠を目指す事となりました。今回、私の興味は「これから、全5節を競うにあたり、全員がスタートラインに並ぶ、第1節をどのような思いで臨むか。」でした。その為に、時間の許す限り、対局の始まる前にメモ帳片手に動いてみました。

数名と話した中で特に印象的だったのは原田、小野の答えでした。
「第1節への意気込みは?」の問いに原田は一言、「とにかくプラス。」でした。これは、当たり前のように聞こえますが、私はその一言に「全節プラスで昇級を掴み取る。」という原田の気迫を感じました。
小野の答えはこうでした、「第1節を特に意識はしていません。前期、打ち方を変えたら、内容も成績も好感触が得られたので今期も更に工夫して臨みます。」と答えてくれました。詳しい打ち方は明かしてくれませんでしたが(私も対局相手の1人であるので)目標を目指す為に半年、1年前の悔しさを明確な反省として持ち続けて、地道に努力、工夫を重ねる姿勢が垣間見られました。

全員の話を聞く事は出来ませんでしたが、対局の合間に次節の対戦相手の観戦にまわり、研究をする者、終了したばかりの対局内容について論じ合う者、言葉少なげに帰路につく者。それぞれの第1節がありました。
次節以降もできるだけ選手の声をご紹介できればと思います。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 原田 知彦 87.4 87.4
2 越川 清一 40.6 40.6
3 小野 雅峻 39.0 39.0
4 清水 哲也 31.4 31.4
5 都築 友和 25.1 25.1
6 三谷 卓也 21.9 21.9
7 池沢 麻奈美 15.9 15.9
8 山神 達也 4.3 4.3
9 鈴木 淳 ▲ 2.7 ▲ 2.7
10 大高坂 松城 ▲ 3.9 ▲ 3.9
11 加藤 泰史 ▲ 8.0 ▲ 8.0
12 角谷 和幸 ▲ 12.4 ▲ 12.4
13 吉井 友直 ▲ 15.1 ▲ 15.1
14 河合 慎悟 ▲ 23.3 ▲ 23.3
15 岡本 丈司 ▲ 24.6 ▲ 24.6
16 大町 篤志 ▲ 32.9 ▲ 32.9
17 大西 義則 ▲ 33.4 ▲ 33.4
18 上田 利華 ▲ 47.1 ▲ 47.1
19 家田 みゆき ▲ 85.2 ▲ 85.2

中部プロリーグ レポート/第23期中部プロリーグ 第1節レポート

●Aリーグ(執筆:樋口 新)

22期生の樋口新です。初めての観戦記で拙い文章になるかもしれませんが、半年間お付き合い頂ければ幸いです。
中部プロリーグのAリーグでは全5節で総当たりとなる。そこで私と対局したプロの紹介を交えながら、決勝までの道のりをお伝えしていきたい。
第1節の対局相手は以下の通りである。
杉村泰治プロ 12期生
中部プロリーグ決勝4回 優勝1回
静岡リーグ決勝5回
ロン2でも人気の杉村プロである。今期よりAリーグ復帰を果たした。
伊藤鉄也プロ 22期生
中部プロリーグ決勝3回 優勝1回
前期の中部プロリーグ覇者である。麻雀に対しての人一倍の熱情を持っているイメージがある。
毛受俊プロ 24期生
Aリーグ在籍 5年半
決勝経験がないのが不思議な毛受プロは、キレのある攻めが持ち味である。
誰しもが決勝進出、そして優勝を目指してスタートした第1節の1回戦。
私はなによりもこの第1節はもちろん、1回戦の入りも重要だと信じている。
しかしこの日の私の入りはあまりよくなかった。結果だけ見ると3着だったが、Aトップだった毛受プロに圧倒されていた。
感触が良くないまま迎えた2回戦。私は東3局の親番で、下家の伊藤プロのソウズの仕掛けを気にするあまり、ソウズを溜めてしまう。そして、ノーマークだった杉村プロにテンパイ打牌のソウズで8,000点を放銃してしまう。ここで悪かった点は、ソウズで染めている伊藤プロがいることを理解しながらも、親番を維持したいがためだけにリャンメンチーをして、1,500点のカンチャン、しかもソウズのテンパイを取った点である。
そして、15,000点持ちで迎えた南1局。親は好調の毛受プロである。私は3巡目に北単騎のチートイツドラ2のリーチを打つが、毛受プロに押し返され、結果、毛受プロへの5,800点の放銃となってしまった。放銃した瞬間、「現在の私の状態では、8,000点だからという理由でリーチを打つべきではなかったのだろうか?」「リーチを打っていなかったら6,400点のアガりにつながっていたのだろうか?」など、様々な事が頭を駆け巡った。そこには体勢的な事もあるのだろうか。答えはまだ見つかっていない。
結果として、2回戦は箱下のCラスとなってしまい、合計のマイナスは50を超えてしまった。
ここで私は気持ちを切り替えた。現状、マイナスは大きいが、目先にとらわれず、丁寧にアガりに向かおうと思った。
そして3回戦。毛受プロは相変わらず好調で50,000点近くを叩きだしていた。そして東3局で迎えた親番。私は6巡目に白とドラのシャンポン待ちでテンパイをする。普段なら即リーチをかけるところだが、ここはダマとした。その結果、ドラをツモってきて、3,900オール。このアガりを皮切りに連荘することが出来、大きくプラスとすることが出来た。
▲10まで戻せた4回戦。プラスで一日を終えることができる可能性も見えてきた。実際、東1局に7,700点を和了し、持ち点を37,700点としたのである。しかし、私はそこでなぜかホッとしてしまった。あれだけ反省したのに、である。そしてドラマは南3局に待っていた。3回戦まででマイナスポイントとしていた伊藤プロが四暗刻を和了。前回中部プロリーグ覇者の底力を見せつけられた。
前述したように、第1節の入りは重要だと信じている私の第1節は、若干のマイナスポイントで終えた。しかし、反省点や課題は多い。きちんと修正して、第1節以降に臨んでいきたい。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 日下 健司 64.3 64.3
2 太田 充 39.6 39.6
3 村瀬 寛光 38.1 38.1
4 寺戸 孝志 28.1 28.1
5 毛受 俊 26.2 26.2
6 三戸 亮祐 17.1 17.1
7 杉浦 貴紀 10.8 10.8
8 長谷川 弘 8.5 8.5
9 伊藤 鉄也 4.8 4.8
10 森下 剛任 0.6 0.6
11 樋口 新 ▲ 15.2 ▲ 15.2
12 杉村 泰治 ▲ 15.8 ▲ 15.8
13 佐藤 あいり ▲ 49.5 ▲ 49.5
14 木村 東平 ▲ 51.8 ▲ 51.8
15 掛水 洋徳 ▲ 52.1 ▲ 52.1
16 鈴木 基芳 ▲ 53.7 ▲ 53.7

 
●Bリーグ(執筆:中谷 彰吾)

今期、中部プロリーグBリーグのレポートを担当させていただく29期生の中谷彰吾です。よろしくお願いします。
前期Cリーグから昇級した3名を加えて対局が行われた。前期3位と惜しくも昇級を逃した山本だったが、3回戦と4回戦を連勝で飾り+49.8Pと好成績で暫定首位とした。気持ちだけは負けないように打ったと語っていた。そして鈴木(雄)、櫛田、牛尾もスタートダッシュに成功か。
逆に出鼻を挫かれたのは安藤、斎藤、中谷。第2節以降の巻き返しに期待したいところだ。
ここで私が印象深かった局面を書かせていただきたい。それは対局の最後の最後4回戦のオーラス。
南4局0本番 ドラ1
東家 中谷 5,300点
南家 葛山 35,900点
西家 斎藤 24,100点
北家 山本 54,700点
私は3回戦までオールプラスだったものの、このままでは一気にマイナスになってしまう状況で何としても連荘して巻き返そうと思っていた。
しかし早々に山本が白をポン。そして葛山が二索チーに続き九索ポン。私の手牌はとても戦える状況ではなかったがトイツが4組だったため七対子一本に決めた。局が中盤にさしかかった時、山本がテンパイ打牌であろう一索を切り葛山がすかさずポン!山本はテンパイ濃厚。葛山もホンイツもしくはチンイツテンパイ。まさに絶体絶命。
その時、私の手牌は
一万一万三万三万七万七万三索六索二筒二筒西西発 のイーシャンテン。
三索六索発のどれが重なっても打ち出される牌は超危険牌。そして終盤に発をツモり三索六索を切ればテンパイとなる。この時私は長考した。
一索は4枚見え、三索は1枚見えで六索はションパイ。ペンチャンはないがシャンポンの可能性を考えるなら尚三索切りの選択しかなかった。しかしふと思ったのが山本と葛山の点差だった。2人の差は18,800点差。
この点差が意味する事は葛山が倍満ツモなら逆転トップとなる点差なのだ。葛山がチンイツ・ドラ3なら文句なく倍満。この瞬間私は九分九厘チンイツと思った。その最大の理由は、葛山とはよくセットで一緒に打たせてもらっているが、条件戦においては、中々妥協してくれず、極力条件をクリアする手を作ってくる。その事もあり私は長考の末に絶対安牌の西を切った。
都合よく私の手がテンパイするわけもなく流局。葛山の1人テンパイで終わったが、公開された手牌は二索四索六索六索のカン三索待ちであった。この時は本当に震えそうになった。
ラス目の親でテンパイをとらなかったのはほとんど記憶にない。ラスを自ら受け入れる打ち方をしたことがなかったからだ。その日、私は寝られるはずもなく朝方までずっと対局を思い返し考えていた。そして今思える事は”勝つために負けを受け入れた”と言うこと。リーグ戦は第5節までの長丁場。
勝つ=昇級するために第2節以降の巻き返しを胸に誓った。これからどんな展開になるのか!?最後まで目が離せない中部プロBリーグ。
来月もお楽しみに。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 49.8 49.8
2 鈴木 雄介 22.7 22.7
3 櫛田 利太 14.1 14.1
4 牛尾 信之 12.2 12.2
5 朝岡 祐 10.6 10.6
6 葛山 英樹 3.0 3.0
7 菅野 直 1.9 1.9
8 太田 峻也 0.1 0.1
9 若松 正和 ▲ 1.5 ▲ 1.5
10 中西 栄二 ▲ 2.7 ▲ 2.7
11 大滝 聡 ▲ 5.5 ▲ 5.5
12 土岐 雄太 ▲ 7.0 ▲ 7.0
13 浅野 文雅 ▲ 8.0 ▲ 8.0
14 中谷 彰吾 ▲ 19.9 ▲ 19.9
15 斎藤 寛生 ▲ 32.9 ▲ 32.9
16 安藤 大貴 ▲ 36.9 ▲ 36.9

 
●Cリーグ:大西 義則
 
はじめまして、今期Cリーグの観戦レポートを担当させていただきます、22期生の大西義則です。
私自身、平成18年より中部プロリーグへの参加資格を頂いてから、対局以外の交流をあまり持てていなかった事もあり、この度、レポートを担当させて頂くにあたり、対局選手にインタビューを行い、それぞれの考え、また、心情をご紹介できればと思いました。拙い文章になりますが、選手たちの麻雀に対する熱意を少しでもお伝え出来ればと、一生懸命、レポートさせていただきます。
さて、今期は新人プロ2名を迎え、19名で3名のBリーグ昇級枠を目指す事となりました。今回、私の興味は「これから、全5節を競うにあたり、全員がスタートラインに並ぶ、第1節をどのような思いで臨むか。」でした。その為に、時間の許す限り、対局の始まる前にメモ帳片手に動いてみました。
数名と話した中で特に印象的だったのは原田、小野の答えでした。
「第1節への意気込みは?」の問いに原田は一言、「とにかくプラス。」でした。これは、当たり前のように聞こえますが、私はその一言に「全節プラスで昇級を掴み取る。」という原田の気迫を感じました。
小野の答えはこうでした、「第1節を特に意識はしていません。前期、打ち方を変えたら、内容も成績も好感触が得られたので今期も更に工夫して臨みます。」と答えてくれました。詳しい打ち方は明かしてくれませんでしたが(私も対局相手の1人であるので)目標を目指す為に半年、1年前の悔しさを明確な反省として持ち続けて、地道に努力、工夫を重ねる姿勢が垣間見られました。
全員の話を聞く事は出来ませんでしたが、対局の合間に次節の対戦相手の観戦にまわり、研究をする者、終了したばかりの対局内容について論じ合う者、言葉少なげに帰路につく者。それぞれの第1節がありました。
次節以降もできるだけ選手の声をご紹介できればと思います。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 原田 知彦 87.4 87.4
2 越川 清一 40.6 40.6
3 小野 雅峻 39.0 39.0
4 清水 哲也 31.4 31.4
5 都築 友和 25.1 25.1
6 三谷 卓也 21.9 21.9
7 池沢 麻奈美 15.9 15.9
8 山神 達也 4.3 4.3
9 鈴木 淳 ▲ 2.7 ▲ 2.7
10 大高坂 松城 ▲ 3.9 ▲ 3.9
11 加藤 泰史 ▲ 8.0 ▲ 8.0
12 角谷 和幸 ▲ 12.4 ▲ 12.4
13 吉井 友直 ▲ 15.1 ▲ 15.1
14 河合 慎悟 ▲ 23.3 ▲ 23.3
15 岡本 丈司 ▲ 24.6 ▲ 24.6
16 大町 篤志 ▲ 32.9 ▲ 32.9
17 大西 義則 ▲ 33.4 ▲ 33.4
18 上田 利華 ▲ 47.1 ▲ 47.1
19 家田 みゆき ▲ 85.2 ▲ 85.2

第86回『~自己管理~』

自分が喜ぶのがアマチュアであり、人を喜ばすのがプロである。
先日終わった鳳凰戦で流れていた、鳳凰戦に向けてのインタビュー動画で、瀬戸熊直樹さんが早朝に走り込んでいる映像がある。その姿が私にはとても眩しく感じた。

数年前、あるタイトル戦の決勝で、惜しいところで敗れ去った若手プロがいた。
私も観戦に出向き、その後の打ち上げにも参加した。
その若者は、瀬戸熊さんを慕っており、敗因や意見を求めていた。
「長い目でみたら、今回は負けた方が良かったと思える時が来るよ」
瀬戸熊さんはそう言った。

そして2次会への誘いを丁寧に断り、私と一緒に帰路に着いた。
道中、瀬戸熊さんに尋ねた。
「2次会くらい付き合ってあげても良かったのでは?」
「それも考えなかったわけではなかったのですが、ロン2のゴールドクラスをキープするためには、今日ロン2をやっておかないと、打荘数が足りなくなる可能性があるんですよ。彼を慰めたり相談はいつでものれますしね」と、瀬戸熊さんはそう答えた。

確かに、その頃のロン2リーグは今よりも開催時間が短く、月末近くなると、条件を満たしたユーザーは参加せず卓が立ちにくかった。アスリートの如く対局に備え、自分の身体を鍛え上げるのもプロとしての自己管理能力であり、慕う後輩の誘いを断りロン2に向かうのも、プロとしての大切な自己管理能力に他ならないのである。

もしかしたら、瀬戸熊さんは慕う後輩に独りで考える時間を与えたかったのかもしれない。
独りで考える時間、苦しい、そしてやるせないない時間が人を育てることを知っているのだろう。
言葉を変えるならば、孤独が人を成長させるということなのだろう。

私達の世界はある意味、楽をしようとすれば何処までも楽は出来る。
誰からも、ああしろ、こうしろとは言われない。それだけ、自分を律していくことは困難な分だけ、自分の置かれた環境を作って行くことが肝心になっていく。

細かいことを記せば、現在、プロ連盟ではインフルエンザの予防接種が決められている。
それは、自分への予防ということもあるが、対局者、会場にいる全員に迷惑がかからないようにとの配慮からだ。

対局が映像になった今、1人の欠場者のためスタッフを始め、多くの関係者に迷惑がかかるわけである。
自分のことしか考えられない人間は、一流になれないというのは言うまでもないことである。
下位のリーグに所属している者ほど、インフルエンザの予防接種を受けていないのは、悲しいことだが現実である。

逆に、勉強会などに積極的に参加している者は、言わずともマスクをこの季節身に着けている。
風邪を引いているわけではない。自分の身を守るためである。
これも1つの自己管理能力である。

連盟内で歩く速度が速いのは、私の知っている限りでは、前会長である灘麻太郎さんと森山茂和現会長である。
医者に訊いたところ、速く歩くことは身体にも良いが脳にも善いそうである。
お2人が、意識して速く歩くことを心掛けているのかは不明ではあるが、このことも1つの能力であることには間違いない。

私なども偉そうなことは言えない。
何時に寝ても、必ず朝の7時過ぎには目が覚めてしまう。
そのまま起きて庭の掃除をすることもあるのだが、本を読んだり、テレビを観たりすると、二度寝をしてしまうことがある。そうなると1日の生活がめちゃくちゃになることがある。
特にこの季節、寒いということもあって、外に出るのが億劫になってしまう。
このことも、プロ意識の欠如に他ならない。やはり、太陽の陽を浴びることは大切なことである。

一昨年の冬に、生まれて初めて禁煙を試みた。
きっかけは、ヒサトに「百害あって一利なし」と言われたこともあるが、定期的に通っている医者から人間ドックを薦められ、受けたところ現段階では問題ないが、煙草に因る血栓の可能性があると診断されたからである。

その禁煙も4ヶ月で挫折した。
酒場でも麻雀でも大丈夫だったのだが、原稿に行き詰ると煙草が欲しくなった。
しかし、これも言い訳に過ぎない。

 

【プロテスト】

もう間もなくプロテストが始まる。
ここ数年、基本的な問題しか当連盟は出していない。
パズルのような問題や、時事問題、タイトルホルダーの名前などは出さない。
それは雀力には何も関係ないからである。

麻雀の常識的な知識があれば、100点満点ならば平均点が80点は採れる問題しか出していない。
特別な才能は必要ない。要は勉強すれば誰でも解ける問題ばかりである。

実戦にしても、リアルの麻雀を日々誠実に向き合えば良いだけのことである。
プロと一般の違いの1つは、成りたがる人と成るべく人がいることだと私は考える。
そして一般の人は、出来る範囲で頑張れば良いと思う。

プロ、もしくはプロを目指す者は出来るまで頑張るべき、私はそう考えている。
麻雀の基本にしても何に対しても、一番大切なことは大きな目標とそこに向かう明確な方法論、そして全てに通ずるのは自己管理能力だと考える。

先日の勉強会でのこと、山井弘が親番で、

七万九万九万一索二索三索四索五索六索七索八索九索八筒八筒

この形から打七万のリーチを打ち九をツモアガった。
九万もありかと考えていた私は、山井に尋ねた。

「下家の前巡の打六万が、六万八万八万からの打六万に映ったからです」

確かに、山井の言葉通り、下家の打六万六万八万八万の形からの六万だった。
続く1本場、好調を示すがごとく、3巡目にして山井の手牌は膨らみを増していた。

六万八万八万三索四索一筒二筒三筒南南発発発  ドラ一万

この手牌が全く動かない。
対面から、七巡目に八万が打ち出されるも当然ながら仕掛けない。
そして13巡目に至りまた、対面から八万が打ち出されるも山井は微動だにしない。
「大丈夫か?」
「大丈夫です」

私の目には、上家が絞っていた南を、10巡目に重ねたのが見えていたから、余計そう思ったのかも知れない。
そう話している次巡、当たり前のように七万を引き込み山井は「リーチ」。
そして、次巡五索をツモアガった。
「凄いね」
「前原さんに学んだことです」

お世辞半分だろうが、今の私には正直2枚目の八万を仕掛けないという自信はない。
好調を意識したならば、動かないのはある意味セオリーである。
ただ、大切なのはそこに殉ずれるかどうかである。

自分の思考、意識の自己管理である。
麻雀が強くなるためには麻雀だけでなく、ある意味生活、暮らし向きの自己管理が大部分を占めていると私は考える。また一方で、麻雀は娯楽に過ぎないとの考えも併せ持っている。
遊びといっても差し支えないように思う。
遊びの語源は、明日の光が変化してそう呼ぶようになったという説もある。

1年以上にも及ぶ長い期間、私の拙文におつきあい下さりありがとうございました。
心より感謝しております。
それでは雀運の向上を祈って。

上級/第86回『~自己管理~』

自分が喜ぶのがアマチュアであり、人を喜ばすのがプロである。
先日終わった鳳凰戦で流れていた、鳳凰戦に向けてのインタビュー動画で、瀬戸熊直樹さんが早朝に走り込んでいる映像がある。その姿が私にはとても眩しく感じた。
数年前、あるタイトル戦の決勝で、惜しいところで敗れ去った若手プロがいた。
私も観戦に出向き、その後の打ち上げにも参加した。
その若者は、瀬戸熊さんを慕っており、敗因や意見を求めていた。
「長い目でみたら、今回は負けた方が良かったと思える時が来るよ」
瀬戸熊さんはそう言った。
そして2次会への誘いを丁寧に断り、私と一緒に帰路に着いた。
道中、瀬戸熊さんに尋ねた。
「2次会くらい付き合ってあげても良かったのでは?」
「それも考えなかったわけではなかったのですが、ロン2のゴールドクラスをキープするためには、今日ロン2をやっておかないと、打荘数が足りなくなる可能性があるんですよ。彼を慰めたり相談はいつでものれますしね」と、瀬戸熊さんはそう答えた。
確かに、その頃のロン2リーグは今よりも開催時間が短く、月末近くなると、条件を満たしたユーザーは参加せず卓が立ちにくかった。アスリートの如く対局に備え、自分の身体を鍛え上げるのもプロとしての自己管理能力であり、慕う後輩の誘いを断りロン2に向かうのも、プロとしての大切な自己管理能力に他ならないのである。
もしかしたら、瀬戸熊さんは慕う後輩に独りで考える時間を与えたかったのかもしれない。
独りで考える時間、苦しい、そしてやるせないない時間が人を育てることを知っているのだろう。
言葉を変えるならば、孤独が人を成長させるということなのだろう。
私達の世界はある意味、楽をしようとすれば何処までも楽は出来る。
誰からも、ああしろ、こうしろとは言われない。それだけ、自分を律していくことは困難な分だけ、自分の置かれた環境を作って行くことが肝心になっていく。
細かいことを記せば、現在、プロ連盟ではインフルエンザの予防接種が決められている。
それは、自分への予防ということもあるが、対局者、会場にいる全員に迷惑がかからないようにとの配慮からだ。
対局が映像になった今、1人の欠場者のためスタッフを始め、多くの関係者に迷惑がかかるわけである。
自分のことしか考えられない人間は、一流になれないというのは言うまでもないことである。
下位のリーグに所属している者ほど、インフルエンザの予防接種を受けていないのは、悲しいことだが現実である。
逆に、勉強会などに積極的に参加している者は、言わずともマスクをこの季節身に着けている。
風邪を引いているわけではない。自分の身を守るためである。
これも1つの自己管理能力である。
連盟内で歩く速度が速いのは、私の知っている限りでは、前会長である灘麻太郎さんと森山茂和現会長である。
医者に訊いたところ、速く歩くことは身体にも良いが脳にも善いそうである。
お2人が、意識して速く歩くことを心掛けているのかは不明ではあるが、このことも1つの能力であることには間違いない。
私なども偉そうなことは言えない。
何時に寝ても、必ず朝の7時過ぎには目が覚めてしまう。
そのまま起きて庭の掃除をすることもあるのだが、本を読んだり、テレビを観たりすると、二度寝をしてしまうことがある。そうなると1日の生活がめちゃくちゃになることがある。
特にこの季節、寒いということもあって、外に出るのが億劫になってしまう。
このことも、プロ意識の欠如に他ならない。やはり、太陽の陽を浴びることは大切なことである。
一昨年の冬に、生まれて初めて禁煙を試みた。
きっかけは、ヒサトに「百害あって一利なし」と言われたこともあるが、定期的に通っている医者から人間ドックを薦められ、受けたところ現段階では問題ないが、煙草に因る血栓の可能性があると診断されたからである。
その禁煙も4ヶ月で挫折した。
酒場でも麻雀でも大丈夫だったのだが、原稿に行き詰ると煙草が欲しくなった。
しかし、これも言い訳に過ぎない。
 
【プロテスト】
もう間もなくプロテストが始まる。
ここ数年、基本的な問題しか当連盟は出していない。
パズルのような問題や、時事問題、タイトルホルダーの名前などは出さない。
それは雀力には何も関係ないからである。
麻雀の常識的な知識があれば、100点満点ならば平均点が80点は採れる問題しか出していない。
特別な才能は必要ない。要は勉強すれば誰でも解ける問題ばかりである。
実戦にしても、リアルの麻雀を日々誠実に向き合えば良いだけのことである。
プロと一般の違いの1つは、成りたがる人と成るべく人がいることだと私は考える。
そして一般の人は、出来る範囲で頑張れば良いと思う。
プロ、もしくはプロを目指す者は出来るまで頑張るべき、私はそう考えている。
麻雀の基本にしても何に対しても、一番大切なことは大きな目標とそこに向かう明確な方法論、そして全てに通ずるのは自己管理能力だと考える。
先日の勉強会でのこと、山井弘が親番で、
七万九万九万一索二索三索四索五索六索七索八索九索八筒八筒
この形から打七万のリーチを打ち九をツモアガった。
九万もありかと考えていた私は、山井に尋ねた。
「下家の前巡の打六万が、六万八万八万からの打六万に映ったからです」
確かに、山井の言葉通り、下家の打六万六万八万八万の形からの六万だった。
続く1本場、好調を示すがごとく、3巡目にして山井の手牌は膨らみを増していた。
六万八万八万三索四索一筒二筒三筒南南発発発  ドラ一万
この手牌が全く動かない。
対面から、七巡目に八万が打ち出されるも当然ながら仕掛けない。
そして13巡目に至りまた、対面から八万が打ち出されるも山井は微動だにしない。
「大丈夫か?」
「大丈夫です」
私の目には、上家が絞っていた南を、10巡目に重ねたのが見えていたから、余計そう思ったのかも知れない。
そう話している次巡、当たり前のように七万を引き込み山井は「リーチ」。
そして、次巡五索をツモアガった。
「凄いね」
「前原さんに学んだことです」
お世辞半分だろうが、今の私には正直2枚目の八万を仕掛けないという自信はない。
好調を意識したならば、動かないのはある意味セオリーである。
ただ、大切なのはそこに殉ずれるかどうかである。
自分の思考、意識の自己管理である。
麻雀が強くなるためには麻雀だけでなく、ある意味生活、暮らし向きの自己管理が大部分を占めていると私は考える。また一方で、麻雀は娯楽に過ぎないとの考えも併せ持っている。
遊びといっても差し支えないように思う。
遊びの語源は、明日の光が変化してそう呼ぶようになったという説もある。
1年以上にも及ぶ長い期間、私の拙文におつきあい下さりありがとうございました。
心より感謝しております。
それでは雀運の向上を祈って。

第22期中部プロリーグ 決勝レポート

1/19(日)第22期中部プロリーグの決勝戦が行われた。

・決勝戦進出者の紹介
1位通過 森下剛任 (22期生/三段)
決勝進出:初
みなさんの記憶にも新しい第39期 王位
私のイメージでは、ギリギリまでアガリ手順を求めて小さな小さな穴をこじ開け突進してくるようなタイプ。
その糸口を見つけられたら手がつけられなくなる。

2位通過 伊藤鉄也 (22期生/三段)
決勝進出:3回目 最高順位:3位
局面を支配することに重点を置いている伊藤。
自分の有利な状況に持ち込められれば勝機あり。

3位通過 三戸亮祐 (11期生/五段)
決勝進出:13回目 最高順位:優勝(4回)
ここ最近、落ちていた調子も上向きになってきている最中。
今回のメンバーで唯一の優勝経験者なので、ここは負けられないだろう。

4位通過 山田優駿 (24期生/三段)
決勝進出:2回目 最高順位:4位
前回の決勝に続いて2期連続の決勝進出。
前期の葛山の観戦記にもあった通り山田は前回の(優勝という)忘れ物を取りに帰ってきた。
私の山田に対する印象は、相手の間合いに溶け込むのではなく、相手の押し引きバランスを少しずつ揺さぶりながら自分の得意とする土俵に誘い込むタイプ。

 

1回戦(起家から、森下・山田・三戸・伊藤)

東1局 、開局そうそうに山田、三戸、伊藤の3名の手がぶつかる。
山田が5巡目に、以下の形でテンパイを取る。

一索二索三索一筒二筒三筒四筒六筒六筒七筒九筒北北  ツモ北  ドラ九筒

ここで打ち手の好みがでそうな形になる。
私であれば、テンパイ取らずの打六筒として、一度、1シャンテンに戻し、ピンズの一筒四筒五筒八筒九筒のツモを期待し一通やドラの雀頭、リャンメン変化をさせてから勝負に出ようと考える。

さらには、まだ開局したばかりなので、ホンイツに行く打ち手もいることだろう。
しかし山田は、打四筒として表示牌の八筒待ちのヤミテンに構え、9巡目に五筒をツモり六筒を切りリーチと出た。

一索二索三索一筒二筒三筒五筒六筒七筒九筒北北北  リーチ

このリーチに三戸、伊藤が1歩も引く気配がない。
というより今回の対局者4名は簡単には誰も引かない。

三戸
一万二万三万三万三万白白  ポン発発発  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

伊藤
五万五万六万七万八万二索三索四索四索五索五筒六筒七筒

森下
二万三万七万八万九万六索六索七索七索八索七筒八筒九筒

結果、伊藤が九筒を掴んでしまい5,200点の放銃。

東3局1本場、 親番の三戸の配牌が良く4・5巡目に一筒のトイツ落とし、牌姿が好形の十分形だと予測される。親番だけに対局者に与えるプレッシャーは抜群。

三戸
二万二万四万四万六万七万八万五索六索七索八索六筒八筒  ドラ北

しかし12巡目に伊藤がリーチ。

伊藤
二万三万四万六万六万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ

一発で四筒をツモ 1,300・2,600は1,400・2,700。

南1局1本場、3者がリーチでぶつかる。

伊藤9巡目、

九万九万二索三索四索六索六索六索四筒四筒四筒中中  ドラ東

山田12巡目、

二万三万四万五万六万七万三筒四筒五筒七筒七筒東東

森下15巡目、

一万二万三万五万六万七万八万八万二索三索六筒六筒六筒

東場では攻め所を探していたが、思うように手が進まず苦しんでいた森下がアガリをこじ開ける。

南3局、ここで伊藤の基本に忠実な素晴らしい手順に注目してもらいたい。
配牌は以下の通り。

八万三索七索一筒一筒一筒二筒三筒五筒八筒北発中  ドラ七万

ここからよくホンイツ一直線に向う為に、マンズやソーズから払ってしまい字牌を残しがちになる打ち手が多く見受けられるが、伊藤は前半ではなく終盤の事を考えて手を進めて行く。
狙う手役は純全帯or三色orチンイツの選択。

6巡目までの捨て牌の河は、

北中発西三索 上向き東

八万七索八索一筒一筒一筒二筒三筒四筒五筒八筒九筒九筒

牌姿はこうなっている。
7巡目に、手牌構成とオーラスの親を迎えるにあたっての、自身の点棒状況をどうするかの分岐点となる。
伊藤は現在、持ち点23,200点。

上記の牌姿に九万をツモ。ここで8,000点をアガれたとしても、次の局で仮に2人テンパイ以上や満貫をツモられてしまうと原点を下回ってしまうので、アガるのであれば12,000点で、次局を良い形で迎えたいという意識があったのであろう。

選択したのは、ドラ引きに対応できる打五筒、(九筒は2枚切られていますので九連宝燈はできない。)
すると12巡目にこの形から、

八万九万七索八索一筒一筒一筒二筒三筒四筒八筒九筒九筒  ツモ九索

迷いが全くなく打四筒。何と次巡ツモ七筒で12,000点のテンパイ。

八万九万七索八索九索一筒一筒一筒二筒三筒七筒八筒九筒

残念ながら七万は全て他家に使われており、アガりまでとはいかなかったが、次局に繋がる素晴らしい手順だった。この局は16巡目に森下が、

七万七万七万六索六索七索七索八索六筒七筒八筒発発

この片アガリテンパイ。
山田も以下の形でテンパイをしており、

五万五万二索三索四索七索八索  チー六万 左向き五万 上向き七万 上向き  チー四筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き

ここにツモ五索となり、流局間際なのでハイテイ九索でもアガりができるように、打二索とするかと思われたが、選択したのは打八索で8,000点の放銃となった。

1回戦成績
森下+11.5P 山田▲19.9P 三戸+19.2P 伊藤▲10.8P

 

2回戦(起家から森下・山田・伊藤・三戸)

東1局、森下が爆発を予感させる幸先良いスタートを切った。

一索一索二索三索四索五索六索九索九索九索  ポン東東東  ドラ発

これを三戸からアガリ12,000点。

東1局2本場、場を自分のものにしたいと思っていたとはおもうが、珍しく森下がオタ風の南から仕掛けマンズに染めて行く。2回戦の自身に対するテーマが決まっていた伊藤から12巡目にリーチ。

四万五万一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒北北  リーチ  ドラ一索

すると三戸も、13巡目に今日1番の気合の入ったリーチが入るが流局。

四万四万六万六万七万七万八万五索六索七索四筒五筒六筒  リーチ

ここは伊藤・三戸の2人テンパイ。
局は進んで行き、南3局から伊藤のビックゲームの時間になる。
南3局、持ち点28,1007巡目リーチ。

三万四万一索二索三索二筒三筒四筒七筒八筒九筒中中  リーチ  ドラ二筒

一発で五万をツモり2,000オール。

南3局1本場14巡目リーチ。

四索五索六索八索八索二筒三筒三筒四筒四筒五筒東東  リーチ  ドラ七万

ここは1人テンパイ。
南3局2本場、12巡目に伊藤が二索をポンしテンパイ。

四万五万六万八万八万四筒五筒六筒東東  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ドラ八万

三戸は、前局の伊藤のリーチを見せられていたのと、普段の麻雀をよく知っている事が布石となり、伊藤は後付けをしないと思っていたのか、三戸が東で5,800は6,400の放銃。

南3局3本場。
7巡目に森下からリーチが入るが、伊藤は丁寧に打ち回しテンパイを入れ2人テンパイ。

南3局4本場、ここは三戸、森下が伊藤の親番を落とそうと役牌を仕掛ける。

伊藤6巡目、

二万三万四万五万五万五万六万七万八万四索六索二筒二筒  ドラ二万

しかし伊藤もテンパイを入れており、三戸から五索が切られ3,900は5,100。

南3局5本場、5巡目に三戸がダブ南をポンし伊藤の親落としにかかるが、14巡目に伊藤からリーチ。

伊藤
七万八万九万一索二索三索四索五索六索五筒六筒九筒九筒  リーチ  ドラ三索

三戸
四万五万六万七筒八筒九筒白  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ポン南南南

森下
三索四索四索五索六索七索七索七索八索  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き

結果は、伊藤が七筒をツモ。2,600オールは3,100オール。

南3局6本場、またしても伊藤の手が早い。3巡目で以下の形の1シャンテン。

三万三万四万七索八索九索三筒四筒五筒六筒七筒南南  ドラ四索

ここに五筒を引き入れ、打三万でリーチかと思われたが、冷静に打四万のヤミテンとした。
すると、手が進んだ森下から南が切られ、2,000は3,800。

南3局7本場、この局は山田が伊藤の親番を落とそうと積極的に役牌の白をポン。

三万四万四万六万七万二索三索六筒六筒六筒  ポン白白白  ドラ九万

まもなくして三戸のリーチが入る。

七万八万九万三索四索四索五索五索六索七索八索一筒一筒  リーチ

このフリテンで山に6枚残り。
すると、山田からテンパイチャンスが広がるとはいえ、少々強引とも思える四万をポンの声。
この仕掛けで、伊藤にもテンパイを入れさせてしまい伊藤もリーチ。

八万九万五索六索七索一筒二筒三筒七筒七筒七筒東東  リーチ

伊藤のアガリは山に2枚。さすがにここはフリテンとはいえ、三戸に分があるだろうと思っていたが、伊藤が七万をツモリ、2,000オールは2,700オール。
親落ちしそうでしない伊藤の粘り。この親番はいつまで続くのだろうか?

南3局8本場、5巡目に三戸がダブNをポンでテンパイ。

二万三万四万二索三索四索八索九索六筒六筒  ポン南南南  ドラ二索

9巡目に山田からもリーチ。

二万三万四万五索六索八索八索五筒六筒七筒中中中  リーチ

決着は16巡目に三戸が七索をツモの1,000・2,000は1,800・2,800。
伊藤の長い親がようやく終わった。

南4局、本日何度目だろうか、6巡目にドラの三万を引き三戸の先制リーチ。

二万三万四万八万八万八万三索三索六索七索八索五筒六筒  リーチ  ドラ三万

10巡目、森下にようやく勝負の七対子ドラドラのテンパイが入る。

三万三万四万四万五万二索二索四索四筒四筒北中中  ツモ五万

伊藤が、前巡の牌が手出し北だったことから、トイツ落としだと読み四索を勝負。
しかし読みがハズレ、トイツ落としではなかった。しかも、森下の次巡のツモが四索ときた。これは悔しい。
ソーズ、ピンズ、字牌で変化が見込められるだけに普段は打北としていたはずだ。
こういったミスがあれば誰かに風は吹く。その恩恵を受けたのが三戸。
14巡目に七筒をツモ3,900オールで挽回してきた。

2回戦成績
伊藤+54.8P  森下▲15.8P 三戸▲25.9P  山田▲13.1P

2回戦終了時
伊藤+44.0P  森下▲4.3P 三戸▲6.7P 山田▲33.0P

 

3回戦目(起家から、山田、伊藤、森下、三戸)

この3回戦目は、少しでも伊藤の点数を原点より下回った状態で終わらせることができるのかが、各人のテーマになってくる。

東2局、三戸がメンホン七対子テンパイ。

一筒一筒二筒二筒六筒六筒八筒八筒東南南中中  ドラ九万

三戸が伊藤から値千金の8,000点。このまま思い通りの展開に持ち込めるのか?

東3局、すると伊藤がお返しとばかりに七対子ドラドラをテンパイ。

七万七万一索一索八索八索二筒六筒六筒八筒八筒発発  ドラ一索

数巡後、伊藤が二筒をツモ2,000・4,000。
放銃をしてもすぐに取り返すことのできる伊藤の好調さを見ると、今日の伊藤を崩すことは容易ではない。
3回戦目は、何とか伊藤をマイナスにしたまま終える事がベストだったが、それができず森下、山田にとっては厳しい状況に。4回戦目は、森下、山田が前に出てくる事が予想されるので、三戸はそこを捕え5回戦に繋げたい所。

3回戦成績
三戸+17.4P 伊藤+9.3P 森下▲16.5P 山田▲10.2P

3回戦終了時
三戸+10.7P 伊藤+53.3P 森下▲20.8P 山田▲43.2P

 

4回戦目(起家から、三戸、山田、伊藤、森下)

東1局、親番の三戸が5巡目に強烈なリーチ。これをツモることができれば、トータルポイントを伊藤と約10P差まで縮めることができる。何としてもアガリたいリーチ。

六万六万七万七万九万九万五索五索一筒一筒南南白  リーチ  ドラ白

結果1人テンパイ。

東1局1本場、そろそろエンジンがかからないといけない森下が、ドラを重ねてのツモり三暗刻の形でリーチ。

二万三万六万七万八万八筒八筒八筒北北  暗カン牌の背九万 上向き九万 上向き牌の背  リーチ  ドラ三万

山田が、森下に北で8,000は8,300の放銃。

東2局、森下が調子を上げてくる。

二索三索四索五索六索七索七索南南南  ポン西西西  ツモ四索  ドラ三索

これで2,000・4,000。

南4局、森下が以下のテンパイ。

七万八万九万一索一索七索九索  チー八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向き  ポン白白白  ドラ六索

続くように三戸もテンパイ。

七索七索八索八索九索二筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒

三戸がリーチをしなかったのは、森下にドラ雀頭、2枚以上あると思った事と、リーチ棒を出してしまうと、伊藤の原点復帰の条件が3,900から2,600に変わり簡単になってしまうからだ。
結果は、森下が三戸に六索で2,000の放銃となった。

4回戦成績
三戸+25.2P 森下+8.7P 伊藤▲7.4P 山田▲26.5P

4回戦終了時
三戸+35.9P 森下▲12.1P 伊藤+45.9P 山田▲69.7P

4回戦が終了し、伊藤と三戸が接戦、森下は持ち前の破壊力が発揮できるタイミングさえこれば、まだまだ勝機はある。

 

5回戦目(起家から山田、森下、三戸、伊藤)

最終戦を迎え、伊藤と三戸が10P差 伊藤と森下が58P差となっている。

東1局1本場、森下から三戸3,900は4,200。

東2局、森下9巡目リーチ。

二万三万三万四万四万五万二索三索四索四索四索六筒七筒  リーチ  ドラ二万

残り山2枚を引き当て4,000オールで一気捲りが見えてきた。

東3局、伊藤の7巡目。

一万二万二万三万四索五索四筒六筒六筒七筒七筒七筒八筒  ドラ七筒

ツモ六索で役なしドラ3のテンパイ。
もしアガることができれば優勝が目前となるだけに、リーチとする人も多いだろうが、伊藤はグッと我慢し出アガリができないヤミテンに構える。伊藤は楽をする事をやめたのだ。すると次巡、四万を引き役ありに変化。
だが、森下が役牌を仕掛け、三戸から2,000点。

東4局、森下が15巡目に以下の形でリーチ。

六万六万四索五索六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ四索

このフリテンリーチ。
山田が17巡目にツモり四暗刻をテンパイ

九筒九筒九筒南南西西北北北発発発

だが、無情にも最後のツモ牌は五万で、残念ながら役満ならず。

南1局、今回の決勝戦では、愚形の先制リーチを打ってこなかった伊藤が、8巡目にリーチと出た。
ここを勝負所と踏んだのだ。「ここで決めてやる。」が伝わってくるリーチだった。

四万五万六万七万九万三索四索五索七索八索九索七筒七筒  リーチ  ドラ七筒

すると本日の集大成なのか、残り山1枚の八万が伊藤の手元に。2,000・3,900。

南4局、ここで点棒状況のチェック。

伊藤32,800 山田31,800 森下28,700 三戸26,700

三戸の条件は、伊藤からの5,200点直撃か、1,600・3,200以上のツモアガリ。
森下は、三倍満か役満のどちらかのツモ条件。
親番の伊藤も、三戸との条件が近い為、最後まで気を抜かずテンパイを果たす。

三戸も条件をクリアしている1シャンテンではあるが、そこからのテンパイまでが遠く終局してしまった。

5回戦成績
山田+12.9P 森下▲5.6P 三戸▲13.6P 伊藤+6.3P

5回戦終了時
山田▲57.0P 森下▲17.7P 三戸+22.3P 伊藤+52.2P

第22期中部プロリーグの優勝者は伊藤鉄也で幕を閉じた。

 

●決勝メンバーのコメント

第4位 山田優駿
「今回の決勝戦は面前主体で挑もうと思っていたのですが、1回戦目途中で違和感があり、普段のスタイルに戻していったが、他3名との空気が既に違い馴染めず、自分の麻雀が打ててなかった。」

第3位 森下剛任
「テーマは「勝負する」と決めていたのに、勝負所が勝負できていませんでした。だからアガリ回数がすごく少なかったと思います。あと、親番を大事にしたかったのにできませんでした。」

準優勝 三戸亮祐
「普段スロースターターなので後半勝負になることはわかっていて、そんな中、初戦でトップを取り2回戦目で攻めすぎてしまったと思います。ですが、当初の予想通り最終戦の着順勝負にまで持ち込むことができたことは良かったので、トータル的に考えると良かったと思います。」

優勝 伊藤鉄也
「1回戦目を終えて、2回戦は三戸、森下のどちらかをマイナスにさせ、自分がプラスになろうと思っていたところの連チャンで、2人ともマイナスにできたことは非常に大きかった。3、4回戦も同様に、三戸、森下とのスコアの距離感を常に考えて打ちました。最終5回戦目は、三戸と10P差。素点6,000点以内をキープすることを気にして対局しました。8年目にしてようやく優勝することが出来て嬉しいです。
今後も中部プロリーグはもちろんのこと、プロリーグやタイトル戦でも結果を残せるように精進したいと思います。」

gpmax2012

前列左より:伊藤鉄也、木村本部長
後列左より:森下剛任、三戸亮祐、山田優駿

中部プロリーグ レポート/第22期中部プロリーグ 決勝レポート

1/19(日)第22期中部プロリーグの決勝戦が行われた。
・決勝戦進出者の紹介
1位通過 森下剛任 (22期生/三段)
決勝進出:初
みなさんの記憶にも新しい第39期 王位
私のイメージでは、ギリギリまでアガリ手順を求めて小さな小さな穴をこじ開け突進してくるようなタイプ。
その糸口を見つけられたら手がつけられなくなる。
2位通過 伊藤鉄也 (22期生/三段)
決勝進出:3回目 最高順位:3位
局面を支配することに重点を置いている伊藤。
自分の有利な状況に持ち込められれば勝機あり。
3位通過 三戸亮祐 (11期生/五段)
決勝進出:13回目 最高順位:優勝(4回)
ここ最近、落ちていた調子も上向きになってきている最中。
今回のメンバーで唯一の優勝経験者なので、ここは負けられないだろう。
4位通過 山田優駿 (24期生/三段)
決勝進出:2回目 最高順位:4位
前回の決勝に続いて2期連続の決勝進出。
前期の葛山の観戦記にもあった通り山田は前回の(優勝という)忘れ物を取りに帰ってきた。
私の山田に対する印象は、相手の間合いに溶け込むのではなく、相手の押し引きバランスを少しずつ揺さぶりながら自分の得意とする土俵に誘い込むタイプ。
 
1回戦(起家から、森下・山田・三戸・伊藤)
東1局 、開局そうそうに山田、三戸、伊藤の3名の手がぶつかる。
山田が5巡目に、以下の形でテンパイを取る。
一索二索三索一筒二筒三筒四筒六筒六筒七筒九筒北北  ツモ北  ドラ九筒
ここで打ち手の好みがでそうな形になる。
私であれば、テンパイ取らずの打六筒として、一度、1シャンテンに戻し、ピンズの一筒四筒五筒八筒九筒のツモを期待し一通やドラの雀頭、リャンメン変化をさせてから勝負に出ようと考える。
さらには、まだ開局したばかりなので、ホンイツに行く打ち手もいることだろう。
しかし山田は、打四筒として表示牌の八筒待ちのヤミテンに構え、9巡目に五筒をツモり六筒を切りリーチと出た。
一索二索三索一筒二筒三筒五筒六筒七筒九筒北北北  リーチ
このリーチに三戸、伊藤が1歩も引く気配がない。
というより今回の対局者4名は簡単には誰も引かない。
三戸
一万二万三万三万三万白白  ポン発発発  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き
伊藤
五万五万六万七万八万二索三索四索四索五索五筒六筒七筒
森下
二万三万七万八万九万六索六索七索七索八索七筒八筒九筒
結果、伊藤が九筒を掴んでしまい5,200点の放銃。
東3局1本場、 親番の三戸の配牌が良く4・5巡目に一筒のトイツ落とし、牌姿が好形の十分形だと予測される。親番だけに対局者に与えるプレッシャーは抜群。
三戸
二万二万四万四万六万七万八万五索六索七索八索六筒八筒  ドラ北
しかし12巡目に伊藤がリーチ。
伊藤
二万三万四万六万六万四索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ
一発で四筒をツモ 1,300・2,600は1,400・2,700。
南1局1本場、3者がリーチでぶつかる。
伊藤9巡目、
九万九万二索三索四索六索六索六索四筒四筒四筒中中  ドラ東
山田12巡目、
二万三万四万五万六万七万三筒四筒五筒七筒七筒東東
森下15巡目、
一万二万三万五万六万七万八万八万二索三索六筒六筒六筒
東場では攻め所を探していたが、思うように手が進まず苦しんでいた森下がアガリをこじ開ける。
南3局、ここで伊藤の基本に忠実な素晴らしい手順に注目してもらいたい。
配牌は以下の通り。
八万三索七索一筒一筒一筒二筒三筒五筒八筒北発中  ドラ七万
ここからよくホンイツ一直線に向う為に、マンズやソーズから払ってしまい字牌を残しがちになる打ち手が多く見受けられるが、伊藤は前半ではなく終盤の事を考えて手を進めて行く。
狙う手役は純全帯or三色orチンイツの選択。
6巡目までの捨て牌の河は、
北中発西三索 上向き東
八万七索八索一筒一筒一筒二筒三筒四筒五筒八筒九筒九筒
牌姿はこうなっている。
7巡目に、手牌構成とオーラスの親を迎えるにあたっての、自身の点棒状況をどうするかの分岐点となる。
伊藤は現在、持ち点23,200点。
上記の牌姿に九万をツモ。ここで8,000点をアガれたとしても、次の局で仮に2人テンパイ以上や満貫をツモられてしまうと原点を下回ってしまうので、アガるのであれば12,000点で、次局を良い形で迎えたいという意識があったのであろう。
選択したのは、ドラ引きに対応できる打五筒、(九筒は2枚切られていますので九連宝燈はできない。)
すると12巡目にこの形から、
八万九万七索八索一筒一筒一筒二筒三筒四筒八筒九筒九筒  ツモ九索
迷いが全くなく打四筒。何と次巡ツモ七筒で12,000点のテンパイ。
八万九万七索八索九索一筒一筒一筒二筒三筒七筒八筒九筒
残念ながら七万は全て他家に使われており、アガりまでとはいかなかったが、次局に繋がる素晴らしい手順だった。この局は16巡目に森下が、
七万七万七万六索六索七索七索八索六筒七筒八筒発発
この片アガリテンパイ。
山田も以下の形でテンパイをしており、
五万五万二索三索四索七索八索  チー六万 左向き五万 上向き七万 上向き  チー四筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き
ここにツモ五索となり、流局間際なのでハイテイ九索でもアガりができるように、打二索とするかと思われたが、選択したのは打八索で8,000点の放銃となった。
1回戦成績
森下+11.5P 山田▲19.9P 三戸+19.2P 伊藤▲10.8P
 
2回戦(起家から森下・山田・伊藤・三戸)
東1局、森下が爆発を予感させる幸先良いスタートを切った。
一索一索二索三索四索五索六索九索九索九索  ポン東東東  ドラ発
これを三戸からアガリ12,000点。
東1局2本場、場を自分のものにしたいと思っていたとはおもうが、珍しく森下がオタ風の南から仕掛けマンズに染めて行く。2回戦の自身に対するテーマが決まっていた伊藤から12巡目にリーチ。
四万五万一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒北北  リーチ  ドラ一索
すると三戸も、13巡目に今日1番の気合の入ったリーチが入るが流局。
四万四万六万六万七万七万八万五索六索七索四筒五筒六筒  リーチ
ここは伊藤・三戸の2人テンパイ。
局は進んで行き、南3局から伊藤のビックゲームの時間になる。
南3局、持ち点28,1007巡目リーチ。
三万四万一索二索三索二筒三筒四筒七筒八筒九筒中中  リーチ  ドラ二筒
一発で五万をツモり2,000オール。
南3局1本場14巡目リーチ。
四索五索六索八索八索二筒三筒三筒四筒四筒五筒東東  リーチ  ドラ七万
ここは1人テンパイ。
南3局2本場、12巡目に伊藤が二索をポンしテンパイ。
四万五万六万八万八万四筒五筒六筒東東  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ドラ八万
三戸は、前局の伊藤のリーチを見せられていたのと、普段の麻雀をよく知っている事が布石となり、伊藤は後付けをしないと思っていたのか、三戸が東で5,800は6,400の放銃。
南3局3本場。
7巡目に森下からリーチが入るが、伊藤は丁寧に打ち回しテンパイを入れ2人テンパイ。
南3局4本場、ここは三戸、森下が伊藤の親番を落とそうと役牌を仕掛ける。
伊藤6巡目、
二万三万四万五万五万五万六万七万八万四索六索二筒二筒  ドラ二万
しかし伊藤もテンパイを入れており、三戸から五索が切られ3,900は5,100。
南3局5本場、5巡目に三戸がダブ南をポンし伊藤の親落としにかかるが、14巡目に伊藤からリーチ。
伊藤
七万八万九万一索二索三索四索五索六索五筒六筒九筒九筒  リーチ  ドラ三索
三戸
四万五万六万七筒八筒九筒白  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ポン南南南
森下
三索四索四索五索六索七索七索七索八索  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き
結果は、伊藤が七筒をツモ。2,600オールは3,100オール。
南3局6本場、またしても伊藤の手が早い。3巡目で以下の形の1シャンテン。
三万三万四万七索八索九索三筒四筒五筒六筒七筒南南  ドラ四索
ここに五筒を引き入れ、打三万でリーチかと思われたが、冷静に打四万のヤミテンとした。
すると、手が進んだ森下から南が切られ、2,000は3,800。
南3局7本場、この局は山田が伊藤の親番を落とそうと積極的に役牌の白をポン。
三万四万四万六万七万二索三索六筒六筒六筒  ポン白白白  ドラ九万
まもなくして三戸のリーチが入る。
七万八万九万三索四索四索五索五索六索七索八索一筒一筒  リーチ
このフリテンで山に6枚残り。
すると、山田からテンパイチャンスが広がるとはいえ、少々強引とも思える四万をポンの声。
この仕掛けで、伊藤にもテンパイを入れさせてしまい伊藤もリーチ。
八万九万五索六索七索一筒二筒三筒七筒七筒七筒東東  リーチ
伊藤のアガリは山に2枚。さすがにここはフリテンとはいえ、三戸に分があるだろうと思っていたが、伊藤が七万をツモリ、2,000オールは2,700オール。
親落ちしそうでしない伊藤の粘り。この親番はいつまで続くのだろうか?
南3局8本場、5巡目に三戸がダブNをポンでテンパイ。
二万三万四万二索三索四索八索九索六筒六筒  ポン南南南  ドラ二索
9巡目に山田からもリーチ。
二万三万四万五索六索八索八索五筒六筒七筒中中中  リーチ
決着は16巡目に三戸が七索をツモの1,000・2,000は1,800・2,800。
伊藤の長い親がようやく終わった。
南4局、本日何度目だろうか、6巡目にドラの三万を引き三戸の先制リーチ。
二万三万四万八万八万八万三索三索六索七索八索五筒六筒  リーチ  ドラ三万
10巡目、森下にようやく勝負の七対子ドラドラのテンパイが入る。
三万三万四万四万五万二索二索四索四筒四筒北中中  ツモ五万
伊藤が、前巡の牌が手出し北だったことから、トイツ落としだと読み四索を勝負。
しかし読みがハズレ、トイツ落としではなかった。しかも、森下の次巡のツモが四索ときた。これは悔しい。
ソーズ、ピンズ、字牌で変化が見込められるだけに普段は打北としていたはずだ。
こういったミスがあれば誰かに風は吹く。その恩恵を受けたのが三戸。
14巡目に七筒をツモ3,900オールで挽回してきた。
2回戦成績
伊藤+54.8P  森下▲15.8P 三戸▲25.9P  山田▲13.1P
2回戦終了時
伊藤+44.0P  森下▲4.3P 三戸▲6.7P 山田▲33.0P
 
3回戦目(起家から、山田、伊藤、森下、三戸)
この3回戦目は、少しでも伊藤の点数を原点より下回った状態で終わらせることができるのかが、各人のテーマになってくる。
東2局、三戸がメンホン七対子テンパイ。
一筒一筒二筒二筒六筒六筒八筒八筒東南南中中  ドラ九万
三戸が伊藤から値千金の8,000点。このまま思い通りの展開に持ち込めるのか?
東3局、すると伊藤がお返しとばかりに七対子ドラドラをテンパイ。
七万七万一索一索八索八索二筒六筒六筒八筒八筒発発  ドラ一索
数巡後、伊藤が二筒をツモ2,000・4,000。
放銃をしてもすぐに取り返すことのできる伊藤の好調さを見ると、今日の伊藤を崩すことは容易ではない。
3回戦目は、何とか伊藤をマイナスにしたまま終える事がベストだったが、それができず森下、山田にとっては厳しい状況に。4回戦目は、森下、山田が前に出てくる事が予想されるので、三戸はそこを捕え5回戦に繋げたい所。
3回戦成績
三戸+17.4P 伊藤+9.3P 森下▲16.5P 山田▲10.2P
3回戦終了時
三戸+10.7P 伊藤+53.3P 森下▲20.8P 山田▲43.2P
 
4回戦目(起家から、三戸、山田、伊藤、森下)
東1局、親番の三戸が5巡目に強烈なリーチ。これをツモることができれば、トータルポイントを伊藤と約10P差まで縮めることができる。何としてもアガリたいリーチ。
六万六万七万七万九万九万五索五索一筒一筒南南白  リーチ  ドラ白
結果1人テンパイ。
東1局1本場、そろそろエンジンがかからないといけない森下が、ドラを重ねてのツモり三暗刻の形でリーチ。
二万三万六万七万八万八筒八筒八筒北北  暗カン牌の背九万 上向き九万 上向き牌の背  リーチ  ドラ三万
山田が、森下に北で8,000は8,300の放銃。
東2局、森下が調子を上げてくる。
二索三索四索五索六索七索七索南南南  ポン西西西  ツモ四索  ドラ三索
これで2,000・4,000。
南4局、森下が以下のテンパイ。
七万八万九万一索一索七索九索  チー八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向き  ポン白白白  ドラ六索
続くように三戸もテンパイ。
七索七索八索八索九索二筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒
三戸がリーチをしなかったのは、森下にドラ雀頭、2枚以上あると思った事と、リーチ棒を出してしまうと、伊藤の原点復帰の条件が3,900から2,600に変わり簡単になってしまうからだ。
結果は、森下が三戸に六索で2,000の放銃となった。
4回戦成績
三戸+25.2P 森下+8.7P 伊藤▲7.4P 山田▲26.5P
4回戦終了時
三戸+35.9P 森下▲12.1P 伊藤+45.9P 山田▲69.7P
4回戦が終了し、伊藤と三戸が接戦、森下は持ち前の破壊力が発揮できるタイミングさえこれば、まだまだ勝機はある。
 
5回戦目(起家から山田、森下、三戸、伊藤)
最終戦を迎え、伊藤と三戸が10P差 伊藤と森下が58P差となっている。
東1局1本場、森下から三戸3,900は4,200。
東2局、森下9巡目リーチ。
二万三万三万四万四万五万二索三索四索四索四索六筒七筒  リーチ  ドラ二万
残り山2枚を引き当て4,000オールで一気捲りが見えてきた。
東3局、伊藤の7巡目。
一万二万二万三万四索五索四筒六筒六筒七筒七筒七筒八筒  ドラ七筒
ツモ六索で役なしドラ3のテンパイ。
もしアガることができれば優勝が目前となるだけに、リーチとする人も多いだろうが、伊藤はグッと我慢し出アガリができないヤミテンに構える。伊藤は楽をする事をやめたのだ。すると次巡、四万を引き役ありに変化。
だが、森下が役牌を仕掛け、三戸から2,000点。
東4局、森下が15巡目に以下の形でリーチ。
六万六万四索五索六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ四索
このフリテンリーチ。
山田が17巡目にツモり四暗刻をテンパイ
九筒九筒九筒南南西西北北北発発発
だが、無情にも最後のツモ牌は五万で、残念ながら役満ならず。
南1局、今回の決勝戦では、愚形の先制リーチを打ってこなかった伊藤が、8巡目にリーチと出た。
ここを勝負所と踏んだのだ。「ここで決めてやる。」が伝わってくるリーチだった。
四万五万六万七万九万三索四索五索七索八索九索七筒七筒  リーチ  ドラ七筒
すると本日の集大成なのか、残り山1枚の八万が伊藤の手元に。2,000・3,900。
南4局、ここで点棒状況のチェック。
伊藤32,800 山田31,800 森下28,700 三戸26,700
三戸の条件は、伊藤からの5,200点直撃か、1,600・3,200以上のツモアガリ。
森下は、三倍満か役満のどちらかのツモ条件。
親番の伊藤も、三戸との条件が近い為、最後まで気を抜かずテンパイを果たす。
三戸も条件をクリアしている1シャンテンではあるが、そこからのテンパイまでが遠く終局してしまった。
5回戦成績
山田+12.9P 森下▲5.6P 三戸▲13.6P 伊藤+6.3P
5回戦終了時
山田▲57.0P 森下▲17.7P 三戸+22.3P 伊藤+52.2P
第22期中部プロリーグの優勝者は伊藤鉄也で幕を閉じた。
 
●決勝メンバーのコメント
第4位 山田優駿
「今回の決勝戦は面前主体で挑もうと思っていたのですが、1回戦目途中で違和感があり、普段のスタイルに戻していったが、他3名との空気が既に違い馴染めず、自分の麻雀が打ててなかった。」
第3位 森下剛任
「テーマは「勝負する」と決めていたのに、勝負所が勝負できていませんでした。だからアガリ回数がすごく少なかったと思います。あと、親番を大事にしたかったのにできませんでした。」
準優勝 三戸亮祐
「普段スロースターターなので後半勝負になることはわかっていて、そんな中、初戦でトップを取り2回戦目で攻めすぎてしまったと思います。ですが、当初の予想通り最終戦の着順勝負にまで持ち込むことができたことは良かったので、トータル的に考えると良かったと思います。」
優勝 伊藤鉄也
「1回戦目を終えて、2回戦は三戸、森下のどちらかをマイナスにさせ、自分がプラスになろうと思っていたところの連チャンで、2人ともマイナスにできたことは非常に大きかった。3、4回戦も同様に、三戸、森下とのスコアの距離感を常に考えて打ちました。最終5回戦目は、三戸と10P差。素点6,000点以内をキープすることを気にして対局しました。8年目にしてようやく優勝することが出来て嬉しいです。
今後も中部プロリーグはもちろんのこと、プロリーグやタイトル戦でも結果を残せるように精進したいと思います。」
gpmax2012
前列左より:伊藤鉄也、木村本部長
後列左より:森下剛任、三戸亮祐、山田優駿

第22期中部プロリーグ 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 小計
1 伊藤 鉄也 ▲ 10.8 54.8 9.3 ▲ 7.4 6.3 52.2
2 三戸 亮祐 19.2 ▲ 25.9 17.4 25.2 ▲ 13.6 22.3
3 森下 剛任 11.5 ▲ 15.8 ▲ 16.5 8.7 ▲ 5.6 ▲ 17.7
4 山田 優駿 ▲ 19.9 ▲ 13.1 ▲ 10.2 ▲ 26.5 12.9 ▲ 56.8

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 森下 剛任 8.0 ▲ 22.2 61.7 91.9 49.5 188.9
2 伊藤 鉄也 39.8 68.7 24.8 ▲ 14.6 26.1 144.8
3 三戸 亮祐 ▲ 52.9 20.4 27.2 80.4 58.2 133.3
4 山田 優駿 39.8 62.8 ▲ 30.2 19.9 34.2 126.5
5 太田 充 14.3 10.7 71.6 47.7 ▲ 54.0 90.3
6 古川 孝次 46.2 17.0 41.1 30.8 ▲ 46.3 88.8
7 樋口 新 ▲ 1.2 ▲ 23.8 ▲ 58.7 91.2 ▲ 11.5 ▲ 4.0
8 寺戸 孝志 ▲ 30.5 ▲ 46.6 64.8 ▲ 46.6 13.9 ▲ 45.0
9 日下 健司 ▲ 54.6 ▲ 24.0 ▲ 2.9 ▲ 8.4 36.3 ▲ 53.6
10 佐藤 あいり 61.9 ▲ 4.5 ▲ 54.8 ▲ 7.4 ▲ 65.2 ▲ 70.0
11 鈴木 基芳 ▲ 65.3 11.3 ▲ 8.0 ▲ 0.3 ▲ 9.4 ▲ 71.7
12 木村 東平 3.1 ▲ 7.1 ▲ 75.7 ▲ 69.9 74.9 ▲ 74.7
13 毛受 俊 21.5 51.1 ▲ 13.9 ▲ 98.4 ▲ 44.0 ▲ 83.7
14 村瀬 寛光 22.4 ▲ 52.3 ▲ 29.5 ▲ 36.2 ▲ 38.0 ▲ 133.6
15 掛水 洋徳 0.4 ▲ 84.9 12.7 ▲ 44.9 ▲ 19.4 ▲ 136.1
16 杉浦 貴紀 ▲ 52.9 ▲ 26.6 ▲ 30.2 ▲ 35.2 ▲ 7.3 ▲ 152.2

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 杉村 泰治 4.3 37.6 29.0 77.5 43.2 191.6
2 長谷川 弘 ▲ 7.8 20.8 27.6 84.4 62.0 187.0
3 山本 拓哉 ▲ 16.2 ▲ 20.1 120.4 ▲ 29.4 55.8 110.5
4 鈴木 雄介 38.8 ▲ 13.9 ▲ 19.3 25.4 52.7 83.7
5 櫛田 利太 102.8 45.2 ▲ 8.2 ▲ 54.3 ▲ 18.7 66.8
6 葛山 英樹 ▲ 5.5 ▲ 1.7 65.3 ▲ 57.8 ▲ 4.2 ▲ 3.9
7 小坂 美樹 ▲ 21.0 ▲ 25.4 ▲ 12.1 34.6 8.4 ▲ 15.5
8 大滝 聡 11.5 3.7 44.9 ▲ 56.8 ▲ 43.0 ▲ 39.7
9 若松 正和 ▲ 37.3 18.5 ▲ 21.4 45.6 ▲ 49.8 ▲ 44.4
10 中西 栄二 ▲ 18.6 7.7 ▲ 54.5 31.1 ▲ 14.5 ▲ 48.8
11 朝岡 祐 ▲ 21.8 24.7 ▲ 38.6 4.9 ▲ 18.7 ▲ 49.5
12 土岐 雄太 31.9 20.8 ▲ 69.7 ▲ 58.5 9.0 ▲ 66.5
13 浅野 文雅 ▲ 27.9 ▲ 26.7 ▲ 1.2 ▲ 48.8 32.1 ▲ 72.5
14 菅野 直 ▲ 8.6 ▲ 26.4 ▲ 18.2 ▲ 61.4 ▲ 1.8 ▲ 116.4
15 牛尾 信之 ▲ 43.7 ▲ 32.0 ▲ 49.0 1.8 ▲ 27.0 ▲ 149.9
16 安藤 大貴 16.1 ▲ 52.8 2.0 ▲ 39.3 ▲ 86.5 ▲ 160.5

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 斎藤 寛生 32.6 85.8 14.1 31.9 31.8 196.2
2 中谷 彰吾 57.1 24.1 91.9 0.7 17.6 191.4
3 太田 峻也 ▲ 13.9 ▲ 9.0 63.2 48.3 57.8 146.4
4 小野 雅峻 39.3 19.1 14.7 35.1 19.9 128.1
5 八木 悠 15.3 ▲ 9.5 78.7 ▲ 29.0 58.4 113.9
6 大町 篤志 126.1 ▲ 73.6 ▲ 23.0 21.2 ▲ 7.7 43.0
7 山神 達也 6.1 ▲ 25.8 34.8 19.5 ▲ 18.3 16.3
8 大高坂 松城 60.7 ▲ 32.6 ▲ 5.7 ▲ 13.8 ▲ 0.2 8.4
9 岡本 丈司 ▲ 59.5 43.8 1.7 ▲ 25.1 30.1 ▲ 9.0
10 鈴木 淳 10.5 71.8 ▲ 26.7 ▲ 38.9 ▲ 30.3 ▲ 13.6
11 原田 知彦 ▲ 27.4 ▲ 24.6 ▲ 22.6 28.0 ▲ 1.8 ▲ 48.4
12 吉井 友直 25.7 ▲ 30.3 ▲ 4.9 3.3 ▲ 44.0 ▲ 50.2
13 河合 慎悟 65.2 ▲ 67.6 ▲ 66.7 ▲ 20.6 32.0 ▲ 57.7
14 三谷 卓也 34.4 14.5 ▲ 35.9 29.6 ▲ 103.5 ▲ 60.9
15 越川 清一 ▲ 90.6 6.4 ▲ 28.2 23.3 24.7 ▲ 64.4
16 大西 義則 10.8 ▲ 30.8 28.3 ▲ 35.2 ▲ 38.5 ▲ 65.4
17 加藤 泰史 ▲ 94.8 ▲ 12.8 ▲ 44.1 53.0 12.9 ▲ 85.8
18 原 尚吾 ▲ 14.9 10.8 ▲ 34.2 ▲ 30.5 ▲ 43.8 ▲ 112.6
19 角谷 和幸 ▲ 125.3 12.0 ▲ 30.5 ▲ 24.1 17.6 ▲ 150.3
20 家田 みゆき ▲ 79.4 28.3 ▲ 6.9 ▲ 81.7 ▲ 35.7 ▲ 175.4

中部プロリーグ 成績表/第22期中部プロリーグ 決勝成績表

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 小計
1 伊藤 鉄也 ▲ 10.8 54.8 9.3 ▲ 7.4 6.3 52.2
2 三戸 亮祐 19.2 ▲ 25.9 17.4 25.2 ▲ 13.6 22.3
3 森下 剛任 11.5 ▲ 15.8 ▲ 16.5 8.7 ▲ 5.6 ▲ 17.7
4 山田 優駿 ▲ 19.9 ▲ 13.1 ▲ 10.2 ▲ 26.5 12.9 ▲ 56.8

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 森下 剛任 8.0 ▲ 22.2 61.7 91.9 49.5 188.9
2 伊藤 鉄也 39.8 68.7 24.8 ▲ 14.6 26.1 144.8
3 三戸 亮祐 ▲ 52.9 20.4 27.2 80.4 58.2 133.3
4 山田 優駿 39.8 62.8 ▲ 30.2 19.9 34.2 126.5
5 太田 充 14.3 10.7 71.6 47.7 ▲ 54.0 90.3
6 古川 孝次 46.2 17.0 41.1 30.8 ▲ 46.3 88.8
7 樋口 新 ▲ 1.2 ▲ 23.8 ▲ 58.7 91.2 ▲ 11.5 ▲ 4.0
8 寺戸 孝志 ▲ 30.5 ▲ 46.6 64.8 ▲ 46.6 13.9 ▲ 45.0
9 日下 健司 ▲ 54.6 ▲ 24.0 ▲ 2.9 ▲ 8.4 36.3 ▲ 53.6
10 佐藤 あいり 61.9 ▲ 4.5 ▲ 54.8 ▲ 7.4 ▲ 65.2 ▲ 70.0
11 鈴木 基芳 ▲ 65.3 11.3 ▲ 8.0 ▲ 0.3 ▲ 9.4 ▲ 71.7
12 木村 東平 3.1 ▲ 7.1 ▲ 75.7 ▲ 69.9 74.9 ▲ 74.7
13 毛受 俊 21.5 51.1 ▲ 13.9 ▲ 98.4 ▲ 44.0 ▲ 83.7
14 村瀬 寛光 22.4 ▲ 52.3 ▲ 29.5 ▲ 36.2 ▲ 38.0 ▲ 133.6
15 掛水 洋徳 0.4 ▲ 84.9 12.7 ▲ 44.9 ▲ 19.4 ▲ 136.1
16 杉浦 貴紀 ▲ 52.9 ▲ 26.6 ▲ 30.2 ▲ 35.2 ▲ 7.3 ▲ 152.2

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 杉村 泰治 4.3 37.6 29.0 77.5 43.2 191.6
2 長谷川 弘 ▲ 7.8 20.8 27.6 84.4 62.0 187.0
3 山本 拓哉 ▲ 16.2 ▲ 20.1 120.4 ▲ 29.4 55.8 110.5
4 鈴木 雄介 38.8 ▲ 13.9 ▲ 19.3 25.4 52.7 83.7
5 櫛田 利太 102.8 45.2 ▲ 8.2 ▲ 54.3 ▲ 18.7 66.8
6 葛山 英樹 ▲ 5.5 ▲ 1.7 65.3 ▲ 57.8 ▲ 4.2 ▲ 3.9
7 小坂 美樹 ▲ 21.0 ▲ 25.4 ▲ 12.1 34.6 8.4 ▲ 15.5
8 大滝 聡 11.5 3.7 44.9 ▲ 56.8 ▲ 43.0 ▲ 39.7
9 若松 正和 ▲ 37.3 18.5 ▲ 21.4 45.6 ▲ 49.8 ▲ 44.4
10 中西 栄二 ▲ 18.6 7.7 ▲ 54.5 31.1 ▲ 14.5 ▲ 48.8
11 朝岡 祐 ▲ 21.8 24.7 ▲ 38.6 4.9 ▲ 18.7 ▲ 49.5
12 土岐 雄太 31.9 20.8 ▲ 69.7 ▲ 58.5 9.0 ▲ 66.5
13 浅野 文雅 ▲ 27.9 ▲ 26.7 ▲ 1.2 ▲ 48.8 32.1 ▲ 72.5
14 菅野 直 ▲ 8.6 ▲ 26.4 ▲ 18.2 ▲ 61.4 ▲ 1.8 ▲ 116.4
15 牛尾 信之 ▲ 43.7 ▲ 32.0 ▲ 49.0 1.8 ▲ 27.0 ▲ 149.9
16 安藤 大貴 16.1 ▲ 52.8 2.0 ▲ 39.3 ▲ 86.5 ▲ 160.5

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 斎藤 寛生 32.6 85.8 14.1 31.9 31.8 196.2
2 中谷 彰吾 57.1 24.1 91.9 0.7 17.6 191.4
3 太田 峻也 ▲ 13.9 ▲ 9.0 63.2 48.3 57.8 146.4
4 小野 雅峻 39.3 19.1 14.7 35.1 19.9 128.1
5 八木 悠 15.3 ▲ 9.5 78.7 ▲ 29.0 58.4 113.9
6 大町 篤志 126.1 ▲ 73.6 ▲ 23.0 21.2 ▲ 7.7 43.0
7 山神 達也 6.1 ▲ 25.8 34.8 19.5 ▲ 18.3 16.3
8 大高坂 松城 60.7 ▲ 32.6 ▲ 5.7 ▲ 13.8 ▲ 0.2 8.4
9 岡本 丈司 ▲ 59.5 43.8 1.7 ▲ 25.1 30.1 ▲ 9.0
10 鈴木 淳 10.5 71.8 ▲ 26.7 ▲ 38.9 ▲ 30.3 ▲ 13.6
11 原田 知彦 ▲ 27.4 ▲ 24.6 ▲ 22.6 28.0 ▲ 1.8 ▲ 48.4
12 吉井 友直 25.7 ▲ 30.3 ▲ 4.9 3.3 ▲ 44.0 ▲ 50.2
13 河合 慎悟 65.2 ▲ 67.6 ▲ 66.7 ▲ 20.6 32.0 ▲ 57.7
14 三谷 卓也 34.4 14.5 ▲ 35.9 29.6 ▲ 103.5 ▲ 60.9
15 越川 清一 ▲ 90.6 6.4 ▲ 28.2 23.3 24.7 ▲ 64.4
16 大西 義則 10.8 ▲ 30.8 28.3 ▲ 35.2 ▲ 38.5 ▲ 65.4
17 加藤 泰史 ▲ 94.8 ▲ 12.8 ▲ 44.1 53.0 12.9 ▲ 85.8
18 原 尚吾 ▲ 14.9 10.8 ▲ 34.2 ▲ 30.5 ▲ 43.8 ▲ 112.6
19 角谷 和幸 ▲ 125.3 12.0 ▲ 30.5 ▲ 24.1 17.6 ▲ 150.3
20 家田 みゆき ▲ 79.4 28.3 ▲ 6.9 ▲ 81.7 ▲ 35.7 ▲ 175.4

天空麻雀14女性大会優勝特別インタビュー:和泉由希子

gpmax2012

一見クールで近寄りがたい雰囲気。そして、いつもキラキラしたオーラを放っている。
そんな大先輩に、口下手な私、井上絵美子にちゃんとインタビューできるのか・・・ドキドキの中、
アイスドールこと、和泉由希子プロへのインタビューは始まった。

井上「天空麻雀14女性大会での優勝、おめでとうございます!!優勝された時のお気持ちは?」

和泉「ありがとう。今までこずえちゃんと決勝であたって、一度も勝ったことがなかったの私。
だから今回は、特別すごく嬉しかった。」

gpmax2012

事務局で対局の映像を見ながら、インタビューは進んだ。

井上「ラス前で17,000点。どうやって優勝したんですか!?何が起きたのか気になる!」

和泉「ハハハ。ね。勝因はこのラス前の四万をチーできたことかな。」

その時の手牌はこちら。

二万三万六万一索二索三索四索七索九索三筒四筒東東

5枚目の一万四万で、四をチー。最終的に、

赤五万六万七万二索三索四索赤五索東東東  チー四万 左向き二万 上向き三万 上向き

五索で5,800点の出アガリとなった。

和泉「この次局の、親の跳満が入った時も、ヤミテンにしていたのは良かったかなーって。」

その時の手牌がこちら。

五筒五筒五筒七筒八筒九筒南南南西西北北  ドラ北

この手はしっかりヤミテンで18,000点のアガリ。
ついにここでトップに立った。

井上「普段もこういう手はリーチしないことが多いですか?」

和泉「いや、私リーチ大好きだから、なんでも結構勢いでリーチうっちゃうんだけど、珍しくヤミテンにできて良かったなーって思ってる。」

そして最後もしっかりとツモり、自分の手で優勝をつかんだ。
どんな場でも冷静に判断し、今自分がやるべきことをしっかりできる和泉プロ。格好良すぎます!!
そして、憧れの先輩にもっともっと近づきたくて、私の質問攻めは続いた。

井上「メンタルはどうやって鍛えていますか?」

和泉「メンタルは未だに・・・」

井上「そうなんですか!?全然表情などに出ないですよね。」

和泉「そうだね。・・・アイスドールだからね。」

なんてカッコいいのでしょう。これこそ本当のプロだと鳥肌がった。

井上「この人だけには勝てないなーって方はいますか?」

和泉「それは、最近までこずえちゃんだった。決勝では本当勝てないなーて思ってたんだけど、今回初めて勝ったので、なんか自分の中では一歩のぼったなって気がして、すごく嬉しいです。」

井上「麻雀で、嬉しかったり悔しかったりで、泣いたことってありますか?」

和泉「あるよ。人前ではないけど。惜しかったタイトル戦で悔しくてとか、あとやっぱ優勝してだね。でもその場ではあまり実感なくてボーっとしてて、放送されてから見てくれた人に、感動しましたって言われて私も感動するみたいなとか。」

この言葉を聞いた瞬間、なんだか私も感動した。
私も和泉プロの様に、人を感動させられるプロに早くなりたいと、心から思った。

井上「麻雀以外で好きなことはありますか?」

和泉「旅行と恋をすること。旅行は結構行ったなー。」

井上「海外とかもたくさん行ってますか?」

和泉「海外はね、恐くて行けないの。ハワイとかグアムとか、言葉が通じるとこならいいのだけど・・・。オーストラリアはすごく良かったよ。」

井上「南国的な感じが好きなんですね。」

和泉「んーそういうわけではない 。私、海よりどっちかっていうと山派なんだよね。北海道は自然がいっぱいで好き。」

100
100

 

井上「恋の方は?どういう人がタイプですか?」

和泉「男くさい人。なんかえらそうな人が好き。」

井上「オレ様的な?」

和泉「うん。なんかこうえらい人でいてもらって、よしよしってされているくらいがいいかな。」

井上「結婚願望とかすごくあるって聞きますが」

和泉「うん。もう結婚するするするする!2年以内に結婚するってこの前宣言した!私は先に行くよ。笑」

井上「もし結婚しても、麻雀プロは辞めませんか?」

和泉「うん。そのつもりですが・・・。りんかちゃんみたいなスタイルが理想だよね。一応専業主婦で、ちょくちょくゲストとかタイトル戦は出る感じ。」

井上「スポーツは何かやっていましたか?」

和泉「高校の時に、ソングリーダーてゆうダンスみたいのをやってたくらいかな。」

井上「じゃ別にスポーツマンだったって感じではないですか?」

和泉「でもね、それは全国3位になったことあるよ。」

井上「すごいですね!!」

和泉「でも先輩達がすごく上手くて、私は後ろでチョロチョロって踊っていただけ。でもやっぱすごーく厳しかった。」

和泉プロにも、皆と同じような青春時代があったんだなーと。なんだか少し安心した。

井上「お酒がすごく好きと伺っていますが?」

和泉「全然そんなことないよ。あれば飲むけど、全然ウーロン茶でいい。最近なんて、ご飯食べに行ってもウーロン茶だったりするし。家でも飲まない。」

と、意外な返答が。

和泉「でもなぜかみんなにそう(お酒大好きだと)思われてるんだよね。」

見た目で好きそうと判断されがちな和泉プロ。意外とウーロン茶派なことに私も少しビックリした。

井上「わたし、天空への道で優勝して、天空麻雀15に出演が決まったんですよー!」

和泉「あーそうだよね。おめでとう。」

井上「ありがとうございます。初出場なんですが、何かアドバイスもらえますか?」

和泉「んー、でもまぁ、あんまり考えすぎてもね。もう負けてもともとくらいで腹くくっていった方が逆に私はうまくいく気がする。変に緊張して変に考えちゃうと、手が止まっちゃうから。」

井上「そうですね。。。今から緊張しちゃう・・・」

和泉「私も今でも緊張するよ。特にいい手アガった後の次の局が緊張するってゆうのすごくよくわかる。プルプルしちゃう。だから深呼吸しながら牌をきるようにしているよ。緊張すると回し切りができなくなる。笑」

和泉プロでも緊張するんですね!プルプルしちゃうんですね!少し安心しました。

井上「それでは、最後に応援してくれている皆様にメッセージをお願いします!」

和泉「プロになって11年が経ち、いろいろな経験をしました。嬉しかった事も悲しかった事もありますが、いつも皆さんの優しさに支えられてきたと思っています。前が見えなくて立ち止まる事もあるけれど、一歩ずつでも進んでいけたらと思うので、これからも背中を押して頂けると嬉しいです。末長く、よろしくお願いします!」

和泉プロと話した4時間は、本当にあっという間でした。
インタビューをするのが初めての私に、優しく気を使ってくれて、アドバイスをくれて。
クールで近寄りがたい先輩から、穏やかで優しい憧れの先輩になりました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
和泉プロの人間的な一面が、皆様に伝わったでしょうか。

和泉プロ、天空麻雀14、女性大会優勝、本当におめでとうございます!!

プロ雀士インタビュー/天空麻雀14女性大会優勝特別インタビュー:和泉由希子

gpmax2012
一見クールで近寄りがたい雰囲気。そして、いつもキラキラしたオーラを放っている。
そんな大先輩に、口下手な私、井上絵美子にちゃんとインタビューできるのか・・・ドキドキの中、
アイスドールこと、和泉由希子プロへのインタビューは始まった。
井上「天空麻雀14女性大会での優勝、おめでとうございます!!優勝された時のお気持ちは?」
和泉「ありがとう。今までこずえちゃんと決勝であたって、一度も勝ったことがなかったの私。
だから今回は、特別すごく嬉しかった。」

gpmax2012
事務局で対局の映像を見ながら、インタビューは進んだ。
井上「ラス前で17,000点。どうやって優勝したんですか!?何が起きたのか気になる!」
和泉「ハハハ。ね。勝因はこのラス前の四万をチーできたことかな。」
その時の手牌はこちら。
二万三万六万一索二索三索四索七索九索三筒四筒東東
5枚目の一万四万で、四をチー。最終的に、
赤五万六万七万二索三索四索赤五索東東東  チー四万 左向き二万 上向き三万 上向き
五索で5,800点の出アガリとなった。
和泉「この次局の、親の跳満が入った時も、ヤミテンにしていたのは良かったかなーって。」
その時の手牌がこちら。
五筒五筒五筒七筒八筒九筒南南南西西北北  ドラ北
この手はしっかりヤミテンで18,000点のアガリ。
ついにここでトップに立った。
井上「普段もこういう手はリーチしないことが多いですか?」
和泉「いや、私リーチ大好きだから、なんでも結構勢いでリーチうっちゃうんだけど、珍しくヤミテンにできて良かったなーって思ってる。」
そして最後もしっかりとツモり、自分の手で優勝をつかんだ。
どんな場でも冷静に判断し、今自分がやるべきことをしっかりできる和泉プロ。格好良すぎます!!
そして、憧れの先輩にもっともっと近づきたくて、私の質問攻めは続いた。
井上「メンタルはどうやって鍛えていますか?」
和泉「メンタルは未だに・・・」
井上「そうなんですか!?全然表情などに出ないですよね。」
和泉「そうだね。・・・アイスドールだからね。」
なんてカッコいいのでしょう。これこそ本当のプロだと鳥肌がった。
井上「この人だけには勝てないなーって方はいますか?」
和泉「それは、最近までこずえちゃんだった。決勝では本当勝てないなーて思ってたんだけど、今回初めて勝ったので、なんか自分の中では一歩のぼったなって気がして、すごく嬉しいです。」
井上「麻雀で、嬉しかったり悔しかったりで、泣いたことってありますか?」
和泉「あるよ。人前ではないけど。惜しかったタイトル戦で悔しくてとか、あとやっぱ優勝してだね。でもその場ではあまり実感なくてボーっとしてて、放送されてから見てくれた人に、感動しましたって言われて私も感動するみたいなとか。」
この言葉を聞いた瞬間、なんだか私も感動した。
私も和泉プロの様に、人を感動させられるプロに早くなりたいと、心から思った。
井上「麻雀以外で好きなことはありますか?」
和泉「旅行と恋をすること。旅行は結構行ったなー。」
井上「海外とかもたくさん行ってますか?」
和泉「海外はね、恐くて行けないの。ハワイとかグアムとか、言葉が通じるとこならいいのだけど・・・。オーストラリアはすごく良かったよ。」
井上「南国的な感じが好きなんですね。」
和泉「んーそういうわけではない 。私、海よりどっちかっていうと山派なんだよね。北海道は自然がいっぱいで好き。」

100
100

 
井上「恋の方は?どういう人がタイプですか?」
和泉「男くさい人。なんかえらそうな人が好き。」
井上「オレ様的な?」
和泉「うん。なんかこうえらい人でいてもらって、よしよしってされているくらいがいいかな。」
井上「結婚願望とかすごくあるって聞きますが」
和泉「うん。もう結婚するするするする!2年以内に結婚するってこの前宣言した!私は先に行くよ。笑」
井上「もし結婚しても、麻雀プロは辞めませんか?」
和泉「うん。そのつもりですが・・・。りんかちゃんみたいなスタイルが理想だよね。一応専業主婦で、ちょくちょくゲストとかタイトル戦は出る感じ。」
井上「スポーツは何かやっていましたか?」
和泉「高校の時に、ソングリーダーてゆうダンスみたいのをやってたくらいかな。」
井上「じゃ別にスポーツマンだったって感じではないですか?」
和泉「でもね、それは全国3位になったことあるよ。」
井上「すごいですね!!」
和泉「でも先輩達がすごく上手くて、私は後ろでチョロチョロって踊っていただけ。でもやっぱすごーく厳しかった。」
和泉プロにも、皆と同じような青春時代があったんだなーと。なんだか少し安心した。
井上「お酒がすごく好きと伺っていますが?」
和泉「全然そんなことないよ。あれば飲むけど、全然ウーロン茶でいい。最近なんて、ご飯食べに行ってもウーロン茶だったりするし。家でも飲まない。」
と、意外な返答が。
和泉「でもなぜかみんなにそう(お酒大好きだと)思われてるんだよね。」
見た目で好きそうと判断されがちな和泉プロ。意外とウーロン茶派なことに私も少しビックリした。
井上「わたし、天空への道で優勝して、天空麻雀15に出演が決まったんですよー!」
和泉「あーそうだよね。おめでとう。」
井上「ありがとうございます。初出場なんですが、何かアドバイスもらえますか?」
和泉「んー、でもまぁ、あんまり考えすぎてもね。もう負けてもともとくらいで腹くくっていった方が逆に私はうまくいく気がする。変に緊張して変に考えちゃうと、手が止まっちゃうから。」
井上「そうですね。。。今から緊張しちゃう・・・」
和泉「私も今でも緊張するよ。特にいい手アガった後の次の局が緊張するってゆうのすごくよくわかる。プルプルしちゃう。だから深呼吸しながら牌をきるようにしているよ。緊張すると回し切りができなくなる。笑」
和泉プロでも緊張するんですね!プルプルしちゃうんですね!少し安心しました。
井上「それでは、最後に応援してくれている皆様にメッセージをお願いします!」
和泉「プロになって11年が経ち、いろいろな経験をしました。嬉しかった事も悲しかった事もありますが、いつも皆さんの優しさに支えられてきたと思っています。前が見えなくて立ち止まる事もあるけれど、一歩ずつでも進んでいけたらと思うので、これからも背中を押して頂けると嬉しいです。末長く、よろしくお願いします!」
和泉プロと話した4時間は、本当にあっという間でした。
インタビューをするのが初めての私に、優しく気を使ってくれて、アドバイスをくれて。
クールで近寄りがたい先輩から、穏やかで優しい憧れの先輩になりました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
和泉プロの人間的な一面が、皆様に伝わったでしょうか。
和泉プロ、天空麻雀14、女性大会優勝、本当におめでとうございます!!

第85回:井出康平

森下剛任プロからバトンを頂きました。

やっと頂きました。
もう一度言わせて頂きます。やっと頂きました。はい!

森下プロとは仲が良いのに、剛任(まさと)と知ったのは今回が始めてでした。
この場を借りて謝りたいと思います。ゴメンね(笑)

では、簡単な自己紹介からさせていただきますね。
1983年5月17日生まれ、牡牛座のO型で、生まれも育ちも千葉県鎌ヶ谷市です。
ただいま、第14回モンド杯出演中の21期生、井出康平でございます。

さて、それではせっかくですので、麻雀との出会いなんかを少し。

ずっと野球少年だった僕が、麻雀を初めて知ったのは中学3年生の秋でした。
部活を引退したあとは帰宅部となる訳ですが、同級生が麻雀牌を持ち出し、暇つぶしにやっていたのがきっかけです。それと同時に、少年マガジンで連載中だった『坊や哲』という阿佐田哲也先生の半生を描いた漫画が、当時中学生の僕らにはかっこよく見えてしまったのです。

「そいつは通らねえぜ」とか「明日は晴れるかな~」とか、本当ふざけた中学生でした(笑)

それから、野球で高校に入学するのですが、複雑な経緯で“○ニーズ”事務所の公開オーディションに合格してしまい、その模様が全国放送されてしまったのです。この放送を観た野球部の監督は激怒。
放送3分後、すぐに電話がかかってきて、次の日には退学になってしまいました。
今でも、当時の野球部の仲間達には衝撃的だったと言われるくらい、インパクトのある出来事だったんですよ。

親父は、僕が野球を辞める事に相当ショックだったみたいでした。
なんせ、寝込んでしまうという名の、仕事ボイコットが始まるくらいですから(笑)

僕が在籍していた中学の野球チームは、近隣の3つの市内から4番やエースが集められた、エリート的な硬式クラブだったのですが、ちょうど3年連続全国大会出場中の真ん中の世代だったのです。
レギュラーになって卒業した選手は、大体県内の強豪高校に進み、1年生から試合に出たり、主力選手になって甲子園に出たりと本格的なチームでした。
そこで、1番センターでスイッチヒッターとして、野球で県内の強豪私立に入ったのに辞めた訳ですから、少しは衝撃さも伝わると思います(笑)

麻雀ってどことなく野球と似ている部分があると思います。
相手のミスから始まる勢いとか、精神的な部分だとか。

そんな野球少年でしたが、中退したあとは、平日は麻雀で、土日はレッスンやコンサートなどの日々を過ごしていました。そして、その道も引退しまして、18歳から麻雀店のメンバーを7年ほどやりました。
20歳くらいから成績も負けなしになってきて、天狗のまんまプロ麻雀連盟のプロテストを受けたんです。
合格してから、先輩方の理論や戦術の豊富さに、いかに自分が井の中の蛙だったかと知らされました(笑)
それから一度休会したのですが、覚悟を決めて復帰しました。

復帰してからは精力的に活動しました。
プロは知ってもらってなんぼ。自己プロデュースが大事だと、多方面の先輩方に教わり、己をより深く見つめ直し、自分というものを理解して活動してきました。

そんな中、僕にチャンスが訪れました。
野口賞です。
準決勝をギリギリで勝ち上がり、決勝もギリギリで優勝。
麻雀は、体力も大事だと言われますが、この時初めてそのことを理解できました。
集中力の持続があんなに辛いものだとは思いませんでした。

そして野口賞枠からのモンド杯出場。
ここでは、テレビ対局の楽しさと怖さの両方を実感しました。
観戦している側は普通に見える打牌も、『あの場所で』と思いながら観ていると、意味合いが変わってくるくらいの差がありました。

最初は少し雰囲気にのまれましたが、すぐに楽しさに変わって、麻雀プロでいる限り、いつまでもこういった場所で打ちたいという気持ちが強くなっていきました。

麻雀は上手いから勝てるゲームではありません。上手いの定義は人それぞれですが、僕が目指すものは強さです。
強さを目指すのは過酷です。見方によってはひどく映ったり、結果を求められたりします。
それでも自分は、自分が描く強さを目指していきたいです。
そのために、麻雀だけではなく様々な分野で感覚を養い、瞬間瞬間を大事に戦って精進したいと思います。

今回のモンド杯は、諦めない事だけをモットーに戦いましたが、奇跡が起こりまして決勝に進む事ができました!
今回の大会のような、いわゆる格上と言われる方々と戦うのって、凄くワクワクするんですよね。
「負け戦こそ面白い」と、誰かが言っていましたもんね(笑)

こちらも是非観てください!

『傾奇者』

地元の先輩が、あまりに破天荒な道を歩んでいる僕をこう呼ぶのです。
実際に、なかなか経験できないような事ばかりやってきましたが、どの経験も無駄だとは思っていませんし、むしろ麻雀という競技の中で凄く生かせていると自負しています。

こうやって振り返ってみて、僕にも1つだけ自慢できる事があるんです。
それは夢中になれる事です。

野球も麻雀もゴールのない道。
だからこそ、夢中になれるということもありますが、1つ1つ足跡を残せるように精進していきたいものです。
そして、これからも『傾奇者』井出康平をよろしくお願いします!

では、次のバトンは、同期でもあり新女流桜花に輝いた吾妻さおりプロです!
右も左もわからなかった頃は本当にお世話になりました(笑)
よろしくお願いします!

リレーエッセィ/第85回:井出康平

森下剛任プロからバトンを頂きました。
やっと頂きました。
もう一度言わせて頂きます。やっと頂きました。はい!
森下プロとは仲が良いのに、剛任(まさと)と知ったのは今回が始めてでした。
この場を借りて謝りたいと思います。ゴメンね(笑)
では、簡単な自己紹介からさせていただきますね。
1983年5月17日生まれ、牡牛座のO型で、生まれも育ちも千葉県鎌ヶ谷市です。
ただいま、第14回モンド杯出演中の21期生、井出康平でございます。
さて、それではせっかくですので、麻雀との出会いなんかを少し。
ずっと野球少年だった僕が、麻雀を初めて知ったのは中学3年生の秋でした。
部活を引退したあとは帰宅部となる訳ですが、同級生が麻雀牌を持ち出し、暇つぶしにやっていたのがきっかけです。それと同時に、少年マガジンで連載中だった『坊や哲』という阿佐田哲也先生の半生を描いた漫画が、当時中学生の僕らにはかっこよく見えてしまったのです。
「そいつは通らねえぜ」とか「明日は晴れるかな~」とか、本当ふざけた中学生でした(笑)
それから、野球で高校に入学するのですが、複雑な経緯で“○ニーズ”事務所の公開オーディションに合格してしまい、その模様が全国放送されてしまったのです。この放送を観た野球部の監督は激怒。
放送3分後、すぐに電話がかかってきて、次の日には退学になってしまいました。
今でも、当時の野球部の仲間達には衝撃的だったと言われるくらい、インパクトのある出来事だったんですよ。
親父は、僕が野球を辞める事に相当ショックだったみたいでした。
なんせ、寝込んでしまうという名の、仕事ボイコットが始まるくらいですから(笑)
僕が在籍していた中学の野球チームは、近隣の3つの市内から4番やエースが集められた、エリート的な硬式クラブだったのですが、ちょうど3年連続全国大会出場中の真ん中の世代だったのです。
レギュラーになって卒業した選手は、大体県内の強豪高校に進み、1年生から試合に出たり、主力選手になって甲子園に出たりと本格的なチームでした。
そこで、1番センターでスイッチヒッターとして、野球で県内の強豪私立に入ったのに辞めた訳ですから、少しは衝撃さも伝わると思います(笑)
麻雀ってどことなく野球と似ている部分があると思います。
相手のミスから始まる勢いとか、精神的な部分だとか。
そんな野球少年でしたが、中退したあとは、平日は麻雀で、土日はレッスンやコンサートなどの日々を過ごしていました。そして、その道も引退しまして、18歳から麻雀店のメンバーを7年ほどやりました。
20歳くらいから成績も負けなしになってきて、天狗のまんまプロ麻雀連盟のプロテストを受けたんです。
合格してから、先輩方の理論や戦術の豊富さに、いかに自分が井の中の蛙だったかと知らされました(笑)
それから一度休会したのですが、覚悟を決めて復帰しました。
復帰してからは精力的に活動しました。
プロは知ってもらってなんぼ。自己プロデュースが大事だと、多方面の先輩方に教わり、己をより深く見つめ直し、自分というものを理解して活動してきました。
そんな中、僕にチャンスが訪れました。
野口賞です。
準決勝をギリギリで勝ち上がり、決勝もギリギリで優勝。
麻雀は、体力も大事だと言われますが、この時初めてそのことを理解できました。
集中力の持続があんなに辛いものだとは思いませんでした。
そして野口賞枠からのモンド杯出場。
ここでは、テレビ対局の楽しさと怖さの両方を実感しました。
観戦している側は普通に見える打牌も、『あの場所で』と思いながら観ていると、意味合いが変わってくるくらいの差がありました。
最初は少し雰囲気にのまれましたが、すぐに楽しさに変わって、麻雀プロでいる限り、いつまでもこういった場所で打ちたいという気持ちが強くなっていきました。
麻雀は上手いから勝てるゲームではありません。上手いの定義は人それぞれですが、僕が目指すものは強さです。
強さを目指すのは過酷です。見方によってはひどく映ったり、結果を求められたりします。
それでも自分は、自分が描く強さを目指していきたいです。
そのために、麻雀だけではなく様々な分野で感覚を養い、瞬間瞬間を大事に戦って精進したいと思います。
今回のモンド杯は、諦めない事だけをモットーに戦いましたが、奇跡が起こりまして決勝に進む事ができました!
今回の大会のような、いわゆる格上と言われる方々と戦うのって、凄くワクワクするんですよね。
「負け戦こそ面白い」と、誰かが言っていましたもんね(笑)
こちらも是非観てください!
『傾奇者』
地元の先輩が、あまりに破天荒な道を歩んでいる僕をこう呼ぶのです。
実際に、なかなか経験できないような事ばかりやってきましたが、どの経験も無駄だとは思っていませんし、むしろ麻雀という競技の中で凄く生かせていると自負しています。
こうやって振り返ってみて、僕にも1つだけ自慢できる事があるんです。
それは夢中になれる事です。
野球も麻雀もゴールのない道。
だからこそ、夢中になれるということもありますが、1つ1つ足跡を残せるように精進していきたいものです。
そして、これからも『傾奇者』井出康平をよろしくお願いします!
では、次のバトンは、同期でもあり新女流桜花に輝いた吾妻さおりプロです!
右も左もわからなかった頃は本当にお世話になりました(笑)
よろしくお願いします!

第4期グランプリMAX 優勝は前田 直哉! 

3月10日(月)ベスト8A卓決勝進出者決定!灘麻太郎 二階堂瑠美

3月12日(水)ベスト8B卓決勝進出者決定!前田直哉 安村浩司

第4期麻雀グランプリMAX 決勝戦 初日    3月15日(土)15:00~連盟チャンネル放送はこちら

第4期麻雀グランプリMAX 決勝戦 最終日3月16日(日)15:00~連盟チャンネル放送はこちら

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちら!!

連盟インフォメーション/第4期グランプリMAX 優勝は前田 直哉! 

3月10日(月)ベスト8A卓決勝進出者決定!灘麻太郎 二階堂瑠美
3月12日(水)ベスト8B卓決勝進出者決定!前田直哉 安村浩司
第4期麻雀グランプリMAX 決勝戦 初日    3月15日(土)15:00~連盟チャンネル放送はこちら
第4期麻雀グランプリMAX 決勝戦 最終日3月16日(日)15:00~連盟チャンネル放送はこちら
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「第4期グランプリMAX出場者決定」

藤崎智初戴冠の鳳凰位戦を終えて、
2013年度、最後の公式戦グランプリMAXの対戦カードがついに決まりました。
グランプリの詳しい説明はこちら→(前回のコラムリンクお願いします)

一次予選(5卓20名)2/22(土)13:00~新橋
※シード内容・名前・所属リーグ(2013年度2月時点)・今年の主な成績
A卓
(九段シード)森山茂和・・・・・日本プロ麻雀連盟会長 天空麻雀12・13男性大会優勝
(13位)ともたけ雅晴(A1)・・・・・A1リーグ5位
(14位)滝沢和典(A2)・・・・・A2リーグ11位、十段戦ベスト16
(23位)山田浩之(A2)・・・・・A2リーグ13位、十段戦ベスト8

B卓
(九段シード)荒正義(A1)・・・・・A1リーグ10位
(12位)和久津晶(B2)・・・・・C1リーグ、B2リーグ連続昇級、女流桜花準優勝プロクイーン準優勝
(15位)安村浩司(B2)・・・・・C1リーグ前期優勝、十段戦ベスト16、王位戦ベスト16
(22位)安田麻理菜(C2)・・・・・女流桜花第3位、プロクイーン第4位、インターネット選手権準優勝

C卓
(チャンピオンズリーグ前期優勝シード)藤原隆弘(B1)・・・・・B2リーグ前期2位
(11位)西岡慎泰(B2)・・・・・B2リーグ後期3位、マスターズ第3位
(16位)河井保国(B1)・・・・・B2リーグ前期優勝、B1リーグ後期2位、十段戦ベスト16
(21位)前田直哉(A2)・・・・・A2リーグ準優勝

D卓
(チャンピオンズリーグ後期優勝シード)森岡貞臣(D2)
(10位)近藤久春(A1)・・・・・A1リーグ11位、王位戦ベスト16
(17位)魚谷侑未(C2)・・・・・女流桜花4位、天空麻雀12女性大会優勝、第9回モンド王座優勝
(20位)佐々木寿人(A2)・・・・・A2リーグ6位

E卓
(新人王シード)岡本和也・・・・・新人王
(9位)猿川真寿(A1)・・・・・A1リーグ8位、王位戦ベスト16
(18位)石渡正志(A2)・・・・・A2リーグ3位
(19位)浜上文吾(B2)・・・・・十段戦ベスト16

二次予選(5卓20名)2/23(日)13:00~新橋

A卓
灘麻太郎・・・・・・日本プロ麻雀連盟名誉会長
(8位)望月雅継(A1)・・・・・A1リーグ7位
一次予選勝ち上がり:A卓1位 E卓2位

B卓
(女流桜花)吾妻さおり(D1)・・・・・女流桜花優勝
(7位)柴田弘幸(A1)・・・・・A1リーグ5位
一次予選勝ち上がり:B卓1位 C卓2位

C卓
(プロクイーン)二階堂瑠美・・・・・プロクイーン優勝
(6位)勝又健志(A2)・・・・・A2リーグ優勝、マスターズ第4位
一次予選勝ち上がり:C卓1位 D卓2位

D卓
(2位)伊藤優孝(A1)・・・・・鳳凰位戦第4位、十段戦ベスト8
(5位)四柳弘樹(A2)・・・・・A2リーグ4位、マスターズ準優勝
一次予選勝ち上がり:D卓1位 B卓2位

E卓
(3位)中村毅(B1)・・・・・B1リーグ3位、十段戦第3位
(4位)杉浦勘介(B2)・・・・・B2リーグ後期優勝、十段戦九段S、王位戦準優勝
一次予選勝ち上がり:E卓1位 A卓2位

【ベスト16】

A卓
2/24(月)16:00~連盟チャンネルにて生放送!

(前年度優勝シード)前原雄大(A1)・・・・・A1リーグ12位、マスターズベスト16、十段戦ベスト16、インターネット麻雀選手権第4位
二次予選勝ちあがり:B卓1位、C卓1位、A卓2位

B卓
2/26(水)16:00~連盟チャンネルにて生放送!

(鳳凰位シード)藤崎智(A1)・・・・・現・鳳凰位
二次予選勝ちあがり:A卓1位、D卓1位、B卓2位

C卓
3/3(月)16:00~連盟チャンネルにて生放送!

(十段位シード)瀬戸熊直樹(A1)・・・・・現・十段位、鳳凰位準優勝
(マスターズ)小車祥(C1)・・・・・現・マスターズ
二次予選勝ちあがり:E卓1位、C卓2位、

D卓
3/5(水)16:00~連盟チャンネルにて生放送!

(王位シード)森下剛任(C3)・・・・・現・王位
(ランキング1位)沢崎誠(A1)・・・・・現・最強位、十段戦準優勝、鳳凰位戦第3位
二次予選勝ちあがり:D卓2位、E卓2位

以後配信予定
ベスト8
A卓3/10(月)16:00~
B卓3/12(水)16:00~

グランプリMAX2013決勝
初日3月15日(土)
最終日3月16日(日)

26枠しかないこのグランプリMAXを制するのは一体誰なのでしょうか!

プロ雀士コラム/「第4期グランプリMAX出場者決定」

藤崎智初戴冠の鳳凰位戦を終えて、
2013年度、最後の公式戦グランプリMAXの対戦カードがついに決まりました。
グランプリの詳しい説明はこちら→(前回のコラムリンクお願いします)
一次予選(5卓20名)2/22(土)13:00~新橋
※シード内容・名前・所属リーグ(2013年度2月時点)・今年の主な成績
A卓
(九段シード)森山茂和・・・・・日本プロ麻雀連盟会長 天空麻雀12・13男性大会優勝
(13位)ともたけ雅晴(A1)・・・・・A1リーグ5位
(14位)滝沢和典(A2)・・・・・A2リーグ11位、十段戦ベスト16
(23位)山田浩之(A2)・・・・・A2リーグ13位、十段戦ベスト8
B卓
(九段シード)荒正義(A1)・・・・・A1リーグ10位
(12位)和久津晶(B2)・・・・・C1リーグ、B2リーグ連続昇級、女流桜花準優勝プロクイーン準優勝
(15位)安村浩司(B2)・・・・・C1リーグ前期優勝、十段戦ベスト16、王位戦ベスト16
(22位)安田麻理菜(C2)・・・・・女流桜花第3位、プロクイーン第4位、インターネット選手権準優勝
C卓
(チャンピオンズリーグ前期優勝シード)藤原隆弘(B1)・・・・・B2リーグ前期2位
(11位)西岡慎泰(B2)・・・・・B2リーグ後期3位、マスターズ第3位
(16位)河井保国(B1)・・・・・B2リーグ前期優勝、B1リーグ後期2位、十段戦ベスト16
(21位)前田直哉(A2)・・・・・A2リーグ準優勝
D卓
(チャンピオンズリーグ後期優勝シード)森岡貞臣(D2)
(10位)近藤久春(A1)・・・・・A1リーグ11位、王位戦ベスト16
(17位)魚谷侑未(C2)・・・・・女流桜花4位、天空麻雀12女性大会優勝、第9回モンド王座優勝
(20位)佐々木寿人(A2)・・・・・A2リーグ6位
E卓
(新人王シード)岡本和也・・・・・新人王
(9位)猿川真寿(A1)・・・・・A1リーグ8位、王位戦ベスト16
(18位)石渡正志(A2)・・・・・A2リーグ3位
(19位)浜上文吾(B2)・・・・・十段戦ベスト16
二次予選(5卓20名)2/23(日)13:00~新橋
A卓
灘麻太郎・・・・・・日本プロ麻雀連盟名誉会長
(8位)望月雅継(A1)・・・・・A1リーグ7位
一次予選勝ち上がり:A卓1位 E卓2位
B卓
(女流桜花)吾妻さおり(D1)・・・・・女流桜花優勝
(7位)柴田弘幸(A1)・・・・・A1リーグ5位
一次予選勝ち上がり:B卓1位 C卓2位
C卓
(プロクイーン)二階堂瑠美・・・・・プロクイーン優勝
(6位)勝又健志(A2)・・・・・A2リーグ優勝、マスターズ第4位
一次予選勝ち上がり:C卓1位 D卓2位
D卓
(2位)伊藤優孝(A1)・・・・・鳳凰位戦第4位、十段戦ベスト8
(5位)四柳弘樹(A2)・・・・・A2リーグ4位、マスターズ準優勝
一次予選勝ち上がり:D卓1位 B卓2位
E卓
(3位)中村毅(B1)・・・・・B1リーグ3位、十段戦第3位
(4位)杉浦勘介(B2)・・・・・B2リーグ後期優勝、十段戦九段S、王位戦準優勝
一次予選勝ち上がり:E卓1位 A卓2位
【ベスト16】
A卓
2/24(月)16:00~連盟チャンネルにて生放送!
(前年度優勝シード)前原雄大(A1)・・・・・A1リーグ12位、マスターズベスト16、十段戦ベスト16、インターネット麻雀選手権第4位
二次予選勝ちあがり:B卓1位、C卓1位、A卓2位
B卓
2/26(水)16:00~連盟チャンネルにて生放送!
(鳳凰位シード)藤崎智(A1)・・・・・現・鳳凰位
二次予選勝ちあがり:A卓1位、D卓1位、B卓2位
C卓
3/3(月)16:00~連盟チャンネルにて生放送!
(十段位シード)瀬戸熊直樹(A1)・・・・・現・十段位、鳳凰位準優勝
(マスターズ)小車祥(C1)・・・・・現・マスターズ
二次予選勝ちあがり:E卓1位、C卓2位、
D卓
3/5(水)16:00~連盟チャンネルにて生放送!
(王位シード)森下剛任(C3)・・・・・現・王位
(ランキング1位)沢崎誠(A1)・・・・・現・最強位、十段戦準優勝、鳳凰位戦第3位
二次予選勝ちあがり:D卓2位、E卓2位
以後配信予定
ベスト8
A卓3/10(月)16:00~
B卓3/12(水)16:00~
グランプリMAX2013決勝
初日3月15日(土)
最終日3月16日(日)
26枠しかないこのグランプリMAXを制するのは一体誰なのでしょうか!

第12期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第10節レポート

Aリーグレポート : 米川基紀

A1卓 中田×仁科×藤川×佐々木
A2卓 横山×貫上×米川×辻本
A3卓 勝間×玉木×上村×中川

今月は、プロリーグもいよいよ最終節。
前日の荒れ模様の天候は、リーグ戦の展開をも暗示しているかの様だった。
今節の組み合わせは順位によって決められており、1、3、5、7位の卓、2、4、6、8位の卓、9、10、11、12位の卓で成り立っている
決定戦の枠は3つ、降級の枠は2つなので、各卓ごとに目的が明確にわかれています。

A1卓。100ポイントオーバーの中田、仁科にとっては場を流すのが最優先、藤川、佐々木は2強の一角に入り込むのが目的になります。
1回戦目は藤川が、2回戦目は佐々木がそれぞれ1人浮きのトップを取り、上位にいる仁科にプレッシャーを与える。
3回戦目もオーラス、トップ目に立っている佐々木が更なる加点を狙ってリーチをする。
安目ツモでも1人浮き、高目なら四暗刻になる手でツモる指にも力が入る。
2回戦、共にマイナスの仁科もここが勝負所と対々三暗刻で押し返す。
決着は、仁科が脇からの出あがりでついた。

A2卓。卓内トップの横山と他の3人はかなり離れているため、重々しい展開になる事が予想された。
初戦、起家の貫上がフリテンリーチで高目をツモると、その1本場は米川が無理矢理タンヤオ三色をツモりあげる。皆が手を作ってツモり倒すといった流れで、防戦一方の横山は放銃がないにもかかわらず2回戦目が終わる頃には、他の2人に並ばれてしまう。
3回戦目は、気持ちを引き締め直した横山が、開局からアガリを重ねて、一時5万点をオーバーするも決定打とするには至らなかった。

3回戦終了して発表された暫定順位は、中田+131.4P、仁科+122.2P、横山+111.0P、米川+105.3P、藤川+84.4P、貫上+66.7P、佐々木+29.8P、辻本▲109.0P となった。

これを踏まえて最終戦、A1卓は藤川トップ、仁科ラス、A2卓は米川トップ、横山ラスとなり、どちらの卓も逆転で決定戦の枠が決まった。

A3卓は、3回戦目までオールプラスの上村が、最後はラスを引かされながらも徳俵で踏みとどまった感じで残留を決めた。

今期のリーグ戦は、荒れた展開が多かったものの、色々な人にチャンスがあり、ドラマチックに終われたと思います。個人的には、決定戦の面子が昔ながらの人で揃ったのは感慨深いものがありました。
1年間どうもありがとうございました。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 中田 一幸 7.8 41.4 24.0 ▲ 58.6 49.1 ▲ 33.2 116.2 10.8 27.4 ▲ 44.5 140.4
2 米川 基紀 ▲ 8.6 20.9 ▲ 26.7 ▲ 17.0 ▲ 4.8 7.8 45.2 7.0 0.9 102.8 127.5
3 藤川 議次 7.1 51.9 19.0 55.3 ▲ 20.6 ▲ 36.2 22.1 6.1 ▲ 44.8 52.5 112.4
4 仁科健一郎 ▲ 25.2 ▲ 20.2 51.0 26.3 15.9 ▲ 10.9 7.6 22.3 58.4 ▲ 28.7 96.5
5 横山  毅 34.0 2.8 ▲ 33.7 46.2 26.3 136.9 ▲ 39.0 ▲ 57.6 9.4 ▲ 36.6 88.7
6 貫上 洋志 19.7 27.1 ▲ 18.3 ▲ 35.7 39.4 ▲ 4.5 58.3 ▲ 7.7 8.3 ▲ 12.3 74.3
7 佐々木 亮 ▲ 5.8 ▲ 7.6 ▲ 5.0 ▲ 6.0 ▲ 23.7 22.4 ▲ 22.9 24.5 21.9 20.7 18.5
8 勝間 伸生 26.7 ▲ 48.3 4.6 1.7 ▲ 23.3 ▲ 15.0 ▲ 88.9 15.1 29.1 ▲ 0.1 ▲ 98.4
9 辻本 翔哉 ▲ 7.2 ▲ 16.1 10.6 34.6 ▲ 51.8 93.7 ▲ 41.4 ▲ 47.4 ▲ 37.6 ▲ 53.9 ▲ 116.5
10 上村 宜久 ▲ 93.1 0.8 34.1 20.0 ▲ 3.5 ▲ 89.8 ▲ 7.1 ▲ 34.6 ▲ 18.9 38.9 ▲ 153.2
11 玉木 章司 51.3 ▲ 53.2 ▲ 18.1 ▲ 32.3 ▲ 42.1 10.7 ▲ 15.2 25.3 ▲ 35.5 ▲ 57.7 ▲ 166.8
12 中川  保 ▲ 26.7 0.5 ▲ 46.5 ▲ 55.5 39.1 ▲ 82.9 ▲ 34.9 35.2 ▲ 38.6 17.9 ▲ 192.4

Bリーグレポート:栗津裕貴

1卓(稲森、中川、粟津、坂本)
9節の時点で首位の中川と3位の粟津が同卓しました。
Bリーグは昇格が2名なので昇格ボーダー付近にいる粟津ですが、1位や2位と離れている点数は100P以上で、爆発力が求められました。

1回戦東1局、坂本のリーチツモピンフイーペーコードラ2の跳満ツモスタート!
最終節の開幕です。
その後、粟津の親番で2,000オールなど軽快に連荘を重ねた後、稲森が満貫ツモ。
点数移動の激しい半荘になりました。
中川を追いかける立場の粟津、中川のマンズの仕掛けに強気のカンチャンのドラ待ちリーチ。
強引であるものの、ドラをツモリアガリ3,900オール。
粟津が1半荘目を制し、中川と約55Pの差を縮め希望が見えました。

別卓では堀がプラスを取り、1位と2位の順位が入れ替わりました。
最終戦、最終的に堀、中川の1位2位争いと、粟津、宮田の3位4位の着順争いとなりました。
中川が30Pを超えるトップを取るも、堀がさらにそれの上を行きトータル約300Pの結果を残し、Bリーグ優勝者は堀に決定しました。おめでとうございます。

昨年から今日まで、約1年間Bリーグのレポートを担当させていただきましたが、私自身いろいろな視点で麻雀について学べ、さらなる高みに近づいたのではないかと思います。
今後も麻雀をひたむきに取り組み技術面だけでなく、麻雀の素晴らしさをたくさんの人に知ってもらうため様々な活動を行っていきたいと思います。
最後に今まで応援してくださった皆様、レポートに目を通していただいた皆様、共に戦ってきてくれた関西本部の皆様やたくさんのことを教えてくださった先輩方
本当にありがとうございました。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 堀  昭義 68.9 93.9 49.8 ▲ 11.1 3.9 ▲ 12.7 34.5 14.0 0.3 50.9 292.4
2 中川 由佳梨 33.8 18.2 2.0 31.9 53.9 11.2 11.3 55.3 33.1 19.2 269.9
3 粟津 裕貴 ▲ 2.2 ▲ 40.0 57.2 ▲ 26.5 74.1 13.0 ▲ 28.8 ▲ 6.1 76.9 25.7 143.3
4 宮田 豊夢 44.0 19.5 13.9 ▲ 3.7 ▲ 25.8 51.9 60.6 16.4 ▲ 77.7 19.5 118.6
5 稲森 英子 1.0 ▲ 3.5 5.4 52.4 ▲ 86.8 64.2 45.4 40.5 ▲ 29.8 ▲ 38.4 50.4
6 近野理智男 5.8 ▲ 12.4 ▲ 40.4 65.4 ▲ 24.3 14.2 ▲ 10.7 30.6 4.9 ▲ 7.2 25.9
7 坂本 誠裕 ▲ 0.5 46.7 ▲ 45.8 ▲ 59.7 24.7 89.7 ▲ 47.8 ▲ 12.8 10.4 ▲ 6.5 ▲ 1.6
8 西原 佳隆 17.0 ▲ 2.3 ▲ 29.9 58.7 65.4 ▲ 88.2 ▲ 22.1 ▲ 58.4 ▲ 55.0 58.1 ▲ 56.7
9 原田 保正 ▲ 21.3 124.1 2.9 ▲ 29.7 ▲ 56.7 22.2 ▲ 31.0 ▲ 54.1 42.2 ▲ 63.2 ▲ 64.6
10 筒井 宏晶 18.0 ▲ 20.8 17.8 ▲ 22.7 52.9 ▲ 38.8 ▲ 20.1 ▲ 49.5 ▲ 5.2 ▲ 6.0 ▲ 74.4
11 延原 明美 ▲ 67.2 ▲ 17.2 10.8 ▲ 71.3 36.0 ▲ 53.5 ▲ 20.5 18.2 61.0 3.1 ▲ 100.6
12 中野 孝治 ▲ 26.8 ▲ 45.0 ▲ 53.2 44.0 ▲ 13.6 ▲ 57.5 19.7 ▲ 4.4 4.3 ▲ 14.9 ▲ 147.4
13 富田 淳一 20.2 ▲ 50.0 39.5 ▲ 18.5 ▲ 77.6 4.1 ▲ 6.6 ▲ 34.5 ▲ 42.6 ▲ 0.5 ▲ 166.5
14 掛樋 忠雄 ▲ 40.8 13.0 ▲ 32.7 ▲ 27.0 ▲ 16.4 ▲ 19.8 ▲ 3.9 22.8 ▲ 23.8 ▲ 39.8 ▲ 168.4

C1リーグレポート:川崎諒介

C1リーグは、森下、山中の2人が160P台で、3位以下に90P開けての最終戦となりました。
「勝ちにいきますよ。」山中の、動コメントに対し、森下は「普通です。」と静の構え。
ほぼ昇級は確実だが、優勝と2位はやはりちがいます。

1卓、<森下、中安、木下、秋山>
この2人を追う中安にとっては、森下との直接対決は逆転の可能性を考えられます。
1回戦、中安、攻めてトップ。森下慎重に2着でほっとひと息するが、2、3回戦も中安、2着、トップと加点して126.3Pまで伸ばした。対して森下は、連続マイナスをして146.2P。その差20P。

4回戦、ここにきて木下が爆発した。木下にはこれがあります、突然的に!
後期好スタート切った時のように? しかし、やはり遅かったようです。
このあおりで、勢いも止まった中安、森下も内心穏やかでないはずです。
南場3局、持ち点18,000点の中安、親の森本も変わらないところで、考える局面。

四万五万四索五索六索九索九索九索四筒五筒六筒白白  ドラ六索

中安、リーチをかけて、点棒を戻し森本を逆転したいところだが、果たしてそこまで考えていたのだろうか?
勝負はすぐ親の森本から三万がでてドラ1の2,600点。
しかしアガらず。フリテンにして 六万ツモに賭けた。が、ツモ牌は八索

八万八万六索七索三筒三筒三筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒  ロン八索

森本に7,700の放銃をした中安、これで全てが絶たれてしまったようです。
そして、これが奮起になった森本はさらにアガリ続けました。
6万点越えの木下にトップを譲ったが、首位を辛うじて守り切りました。
山中は一時首位に立つが3、4回戦で沈んで優勝に至らず2位で昇級。
Bリーグで頑張ってほしいと思います。

C1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 森下 恭好 ▲ 31.1 80.1 65.4 52.7 8.8 175.9
2 山中  翼 15.2 35.7 ▲ 12.6 121.9 4.6 164.8
3 川崎 諒介 35.8 9.7 17.5 1.5 38.4 102.9
4 中安 武尊 45.8 ▲ 9.6 18.3 20.8 10.3 85.6
5 山室 太二 6.3 51.9 ▲ 42.6 19.2 2.7 37.5
6 木下 恭子 25.1 33.2 ▲ 10.8 ▲ 12.5 ▲ 8.2 26.8
7 秋山 淑子 ▲ 24.5 24.2 43.2 ▲ 16.1 ▲ 17.6 9.2
8 谷上 脩平 30.6 ▲ 15.3 43.4 ▲ 83.0 6.4 ▲ 17.9
9 赤木 由実 ▲ 45.6 56.9 ▲ 59.6 22.6 6.7 ▲ 19.0
10 吉本 卓矢 41.6 ▲ 69.7 ▲ 34.9 ▲ 32.7 42.7 ▲ 53.0
11 上村 政雄 ▲ 27.1 ▲ 51.3 ▲ 55.5 63.7 11.9 ▲ 58.3
12 三好 直幸 4.3 6.0 ▲ 22.4 ▲ 25.4 ▲ 52.1 ▲ 89.6
13 伊原 達也 27.9 ▲ 61.1 17.6 ▲ 78.9 ▲ 6.4 ▲ 100.9
14 田村  豊 ▲ 59.2 ▲ 61.4 ▲ 24.7 ▲ 4.8 7.7 ▲ 142.4
15 小西 輝彦 ▲ 79.5 ▲ 69.3 ▲ 2.3 ▲ 69.0 ▲ 55.9 ▲ 276.0

前期成績はこちら

C2リーグレポート: 稲岡ミカ

C2後期の最終節が行われました。
昇級枠は3名です。後期最初から断トツで飛びぬけている西村、4節終了時で217.9Pポイントも持っており、下位とは150Pほど差をつけているので、西村はほぼ昇級確実。
残り2枠を争う熾烈な戦いが繰り広げられました。

注目は、前回C1リーグから降級してきた丸山が66.8Pポイント、続いて森元が64.6Pポイント、川上が41.0P。
卓組もかなり重要だったのですが、1卓はトップの西村に森元、赤木、中山の対戦。
上位陣は同卓してポイントを削り合う為、西村があまり無理をせず戦うことを考えると、若干、西村と同卓する3人が有利かと思われます。

2卓は丸山、川上、山神、長野
全員昇級の可能性が残されている2卓は、力が入る戦いでした。

1回戦東4局、親・川上

三万三万四万五万七万七万七万三索四索五索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ六索

この形で先制。
山神は三筒が4枚見えて一筒が3枚切れており、自信を持って追いかけリーチ。

八万八万六索六索二筒三筒三筒四筒四筒七筒七筒八筒八筒  リーチ

この勝負は、川上がリーチ後七を暗カンそして、リンシャンで六万を引きアガリ4,000オール。
この半荘は川上がトップ、注目の丸山も2着につける。

2回戦
トップは1人浮きの長野、続くは東場で1人沈みの丸山。コツコツ南場で盛り返し、沈みではあるが2着になりました。山神は3着、川上は手痛いラスをひく事になってしまいました。

3回戦
川上は、かなり丸山を意識した戦いでした。打点を稼ぎトップを狙うのはもちろんだが、丸山を沈ませることをとにかく考えて戦ったようでした。
トップは1人浮きの川上。丸山も耐えて沈みとは言え2着でねばります。
3回戦終了時では、丸山がプラス2.4Pでトータル69.2P
川上がプラス48.4Pでトータルは89.4P。
森元がプラス21.5Pでトータルが86.1Pと僅差。

最終戦を迎える2卓は、終始、山神が点棒を集める展開になったようで、終わったときには川上、丸山共に何もできない半荘だったと言っていました。

最終戦を終え、今回惜しくも昇級を逃しはしましたが、4位だった中山は、今年から女流桜花もAリーグと調子がいいので来期は期待したいと思います。

今回昇級したのは西村、森元、川上の3人でした。おめでとうございます。
C2リーグ昇級は通過点に過ぎないので今回昇級した3名には、次回からのC1リーグでの活躍にも期待したいです。

初めてのレポートで色々と大変でしたが、プロ活動においてとても貴重な経験となりました。
少しでもC2リーグの様子がお伝えできていたら幸いです。

C2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 西村 友和 41.3 120.1 48.1 8.4 ▲ 33.5 184.4
2 森元 直哉 ▲ 3.9 25.7 36.8 6.0 45.3 109.9
3 川上 直也 ▲ 38.0 14.1 33.1 31.8 38.1 79.1
4 中山 千鶴 40.1 ▲ 67.9 29.7 20.6 30.0 52.5
5 丸山  直 ▲ 8.7 29.1 48.6 ▲ 2.2 ▲ 17.8 49.0
6 下村 学 17.5 ▲ 11.2 ▲ 3.8 ▲ 10.0 53.7 46.2
7 山神 清 27.0 4.8 33.4 ▲ 25.5 ▲ 3.5 36.2
8 木下 誠二郎 1.3 25.3 17.3 ▲ 13.5 0.0 30.4
9 赤木 里恵 16.0 4.4 16.3 4.2 ▲ 42.8 ▲ 1.9
10 長野 恵美 39.8 11.7 ▲ 37.3 0.3 ▲ 16.8 ▲ 2.3
11 永田 知也 ▲ 13.6 40.6 ▲ 30.3 15.1 ▲ 16.1 ▲ 4.3
12 土田 小緒里 22.4 ▲ 23.2 25.7 ▲ 32.2 ▲ 1.7 ▲ 9.0
13 後藤 俊孝 32.5 ▲ 41.0 ▲ 32.6 ▲ 1.5 0.5 ▲ 42.1
14 疋田 豪 ▲ 55.7 ▲ 41.4 ▲ 33.0 20.1 26.9 ▲ 83.1
15 高瀬 真濃 ▲ 20.3 ▲ 63.9 9.7 9.6 ▲ 24.0 ▲ 88.9
16 稲岡 ミカ ▲ 42.9 ▲ 25.1 ▲ 19.8 ▲ 26.7 ▲ 13.6 ▲ 128.1
17 藤原 仙三 ▲ 29.6 20.5 ▲ 78.0 ▲ 45.4 ▲ 9.9 ▲ 142.4
18 大久保 朋美 4.2 ▲ 23.6 ▲ 103.9 ▲ 11.1 ▲ 15.8 ▲ 150.2

前期成績はこちら

関西プロリーグ レポート/第12期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第10節レポート

Aリーグレポート : 米川基紀
A1卓 中田×仁科×藤川×佐々木
A2卓 横山×貫上×米川×辻本
A3卓 勝間×玉木×上村×中川
今月は、プロリーグもいよいよ最終節。
前日の荒れ模様の天候は、リーグ戦の展開をも暗示しているかの様だった。
今節の組み合わせは順位によって決められており、1、3、5、7位の卓、2、4、6、8位の卓、9、10、11、12位の卓で成り立っている
決定戦の枠は3つ、降級の枠は2つなので、各卓ごとに目的が明確にわかれています。
A1卓。100ポイントオーバーの中田、仁科にとっては場を流すのが最優先、藤川、佐々木は2強の一角に入り込むのが目的になります。
1回戦目は藤川が、2回戦目は佐々木がそれぞれ1人浮きのトップを取り、上位にいる仁科にプレッシャーを与える。
3回戦目もオーラス、トップ目に立っている佐々木が更なる加点を狙ってリーチをする。
安目ツモでも1人浮き、高目なら四暗刻になる手でツモる指にも力が入る。
2回戦、共にマイナスの仁科もここが勝負所と対々三暗刻で押し返す。
決着は、仁科が脇からの出あがりでついた。
A2卓。卓内トップの横山と他の3人はかなり離れているため、重々しい展開になる事が予想された。
初戦、起家の貫上がフリテンリーチで高目をツモると、その1本場は米川が無理矢理タンヤオ三色をツモりあげる。皆が手を作ってツモり倒すといった流れで、防戦一方の横山は放銃がないにもかかわらず2回戦目が終わる頃には、他の2人に並ばれてしまう。
3回戦目は、気持ちを引き締め直した横山が、開局からアガリを重ねて、一時5万点をオーバーするも決定打とするには至らなかった。
3回戦終了して発表された暫定順位は、中田+131.4P、仁科+122.2P、横山+111.0P、米川+105.3P、藤川+84.4P、貫上+66.7P、佐々木+29.8P、辻本▲109.0P となった。
これを踏まえて最終戦、A1卓は藤川トップ、仁科ラス、A2卓は米川トップ、横山ラスとなり、どちらの卓も逆転で決定戦の枠が決まった。
A3卓は、3回戦目までオールプラスの上村が、最後はラスを引かされながらも徳俵で踏みとどまった感じで残留を決めた。
今期のリーグ戦は、荒れた展開が多かったものの、色々な人にチャンスがあり、ドラマチックに終われたと思います。個人的には、決定戦の面子が昔ながらの人で揃ったのは感慨深いものがありました。
1年間どうもありがとうございました。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 中田 一幸 7.8 41.4 24.0 ▲ 58.6 49.1 ▲ 33.2 116.2 10.8 27.4 ▲ 44.5 140.4
2 米川 基紀 ▲ 8.6 20.9 ▲ 26.7 ▲ 17.0 ▲ 4.8 7.8 45.2 7.0 0.9 102.8 127.5
3 藤川 議次 7.1 51.9 19.0 55.3 ▲ 20.6 ▲ 36.2 22.1 6.1 ▲ 44.8 52.5 112.4
4 仁科健一郎 ▲ 25.2 ▲ 20.2 51.0 26.3 15.9 ▲ 10.9 7.6 22.3 58.4 ▲ 28.7 96.5
5 横山  毅 34.0 2.8 ▲ 33.7 46.2 26.3 136.9 ▲ 39.0 ▲ 57.6 9.4 ▲ 36.6 88.7
6 貫上 洋志 19.7 27.1 ▲ 18.3 ▲ 35.7 39.4 ▲ 4.5 58.3 ▲ 7.7 8.3 ▲ 12.3 74.3
7 佐々木 亮 ▲ 5.8 ▲ 7.6 ▲ 5.0 ▲ 6.0 ▲ 23.7 22.4 ▲ 22.9 24.5 21.9 20.7 18.5
8 勝間 伸生 26.7 ▲ 48.3 4.6 1.7 ▲ 23.3 ▲ 15.0 ▲ 88.9 15.1 29.1 ▲ 0.1 ▲ 98.4
9 辻本 翔哉 ▲ 7.2 ▲ 16.1 10.6 34.6 ▲ 51.8 93.7 ▲ 41.4 ▲ 47.4 ▲ 37.6 ▲ 53.9 ▲ 116.5
10 上村 宜久 ▲ 93.1 0.8 34.1 20.0 ▲ 3.5 ▲ 89.8 ▲ 7.1 ▲ 34.6 ▲ 18.9 38.9 ▲ 153.2
11 玉木 章司 51.3 ▲ 53.2 ▲ 18.1 ▲ 32.3 ▲ 42.1 10.7 ▲ 15.2 25.3 ▲ 35.5 ▲ 57.7 ▲ 166.8
12 中川  保 ▲ 26.7 0.5 ▲ 46.5 ▲ 55.5 39.1 ▲ 82.9 ▲ 34.9 35.2 ▲ 38.6 17.9 ▲ 192.4

Bリーグレポート:栗津裕貴
1卓(稲森、中川、粟津、坂本)
9節の時点で首位の中川と3位の粟津が同卓しました。
Bリーグは昇格が2名なので昇格ボーダー付近にいる粟津ですが、1位や2位と離れている点数は100P以上で、爆発力が求められました。
1回戦東1局、坂本のリーチツモピンフイーペーコードラ2の跳満ツモスタート!
最終節の開幕です。
その後、粟津の親番で2,000オールなど軽快に連荘を重ねた後、稲森が満貫ツモ。
点数移動の激しい半荘になりました。
中川を追いかける立場の粟津、中川のマンズの仕掛けに強気のカンチャンのドラ待ちリーチ。
強引であるものの、ドラをツモリアガリ3,900オール。
粟津が1半荘目を制し、中川と約55Pの差を縮め希望が見えました。
別卓では堀がプラスを取り、1位と2位の順位が入れ替わりました。
最終戦、最終的に堀、中川の1位2位争いと、粟津、宮田の3位4位の着順争いとなりました。
中川が30Pを超えるトップを取るも、堀がさらにそれの上を行きトータル約300Pの結果を残し、Bリーグ優勝者は堀に決定しました。おめでとうございます。
昨年から今日まで、約1年間Bリーグのレポートを担当させていただきましたが、私自身いろいろな視点で麻雀について学べ、さらなる高みに近づいたのではないかと思います。
今後も麻雀をひたむきに取り組み技術面だけでなく、麻雀の素晴らしさをたくさんの人に知ってもらうため様々な活動を行っていきたいと思います。
最後に今まで応援してくださった皆様、レポートに目を通していただいた皆様、共に戦ってきてくれた関西本部の皆様やたくさんのことを教えてくださった先輩方
本当にありがとうございました。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 堀  昭義 68.9 93.9 49.8 ▲ 11.1 3.9 ▲ 12.7 34.5 14.0 0.3 50.9 292.4
2 中川 由佳梨 33.8 18.2 2.0 31.9 53.9 11.2 11.3 55.3 33.1 19.2 269.9
3 粟津 裕貴 ▲ 2.2 ▲ 40.0 57.2 ▲ 26.5 74.1 13.0 ▲ 28.8 ▲ 6.1 76.9 25.7 143.3
4 宮田 豊夢 44.0 19.5 13.9 ▲ 3.7 ▲ 25.8 51.9 60.6 16.4 ▲ 77.7 19.5 118.6
5 稲森 英子 1.0 ▲ 3.5 5.4 52.4 ▲ 86.8 64.2 45.4 40.5 ▲ 29.8 ▲ 38.4 50.4
6 近野理智男 5.8 ▲ 12.4 ▲ 40.4 65.4 ▲ 24.3 14.2 ▲ 10.7 30.6 4.9 ▲ 7.2 25.9
7 坂本 誠裕 ▲ 0.5 46.7 ▲ 45.8 ▲ 59.7 24.7 89.7 ▲ 47.8 ▲ 12.8 10.4 ▲ 6.5 ▲ 1.6
8 西原 佳隆 17.0 ▲ 2.3 ▲ 29.9 58.7 65.4 ▲ 88.2 ▲ 22.1 ▲ 58.4 ▲ 55.0 58.1 ▲ 56.7
9 原田 保正 ▲ 21.3 124.1 2.9 ▲ 29.7 ▲ 56.7 22.2 ▲ 31.0 ▲ 54.1 42.2 ▲ 63.2 ▲ 64.6
10 筒井 宏晶 18.0 ▲ 20.8 17.8 ▲ 22.7 52.9 ▲ 38.8 ▲ 20.1 ▲ 49.5 ▲ 5.2 ▲ 6.0 ▲ 74.4
11 延原 明美 ▲ 67.2 ▲ 17.2 10.8 ▲ 71.3 36.0 ▲ 53.5 ▲ 20.5 18.2 61.0 3.1 ▲ 100.6
12 中野 孝治 ▲ 26.8 ▲ 45.0 ▲ 53.2 44.0 ▲ 13.6 ▲ 57.5 19.7 ▲ 4.4 4.3 ▲ 14.9 ▲ 147.4
13 富田 淳一 20.2 ▲ 50.0 39.5 ▲ 18.5 ▲ 77.6 4.1 ▲ 6.6 ▲ 34.5 ▲ 42.6 ▲ 0.5 ▲ 166.5
14 掛樋 忠雄 ▲ 40.8 13.0 ▲ 32.7 ▲ 27.0 ▲ 16.4 ▲ 19.8 ▲ 3.9 22.8 ▲ 23.8 ▲ 39.8 ▲ 168.4

C1リーグレポート:川崎諒介
C1リーグは、森下、山中の2人が160P台で、3位以下に90P開けての最終戦となりました。
「勝ちにいきますよ。」山中の、動コメントに対し、森下は「普通です。」と静の構え。
ほぼ昇級は確実だが、優勝と2位はやはりちがいます。
1卓、<森下、中安、木下、秋山>
この2人を追う中安にとっては、森下との直接対決は逆転の可能性を考えられます。
1回戦、中安、攻めてトップ。森下慎重に2着でほっとひと息するが、2、3回戦も中安、2着、トップと加点して126.3Pまで伸ばした。対して森下は、連続マイナスをして146.2P。その差20P。
4回戦、ここにきて木下が爆発した。木下にはこれがあります、突然的に!
後期好スタート切った時のように? しかし、やはり遅かったようです。
このあおりで、勢いも止まった中安、森下も内心穏やかでないはずです。
南場3局、持ち点18,000点の中安、親の森本も変わらないところで、考える局面。
四万五万四索五索六索九索九索九索四筒五筒六筒白白  ドラ六索
中安、リーチをかけて、点棒を戻し森本を逆転したいところだが、果たしてそこまで考えていたのだろうか?
勝負はすぐ親の森本から三万がでてドラ1の2,600点。
しかしアガらず。フリテンにして 六万ツモに賭けた。が、ツモ牌は八索
八万八万六索七索三筒三筒三筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒  ロン八索
森本に7,700の放銃をした中安、これで全てが絶たれてしまったようです。
そして、これが奮起になった森本はさらにアガリ続けました。
6万点越えの木下にトップを譲ったが、首位を辛うじて守り切りました。
山中は一時首位に立つが3、4回戦で沈んで優勝に至らず2位で昇級。
Bリーグで頑張ってほしいと思います。
C1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 森下 恭好 ▲ 31.1 80.1 65.4 52.7 8.8 175.9
2 山中  翼 15.2 35.7 ▲ 12.6 121.9 4.6 164.8
3 川崎 諒介 35.8 9.7 17.5 1.5 38.4 102.9
4 中安 武尊 45.8 ▲ 9.6 18.3 20.8 10.3 85.6
5 山室 太二 6.3 51.9 ▲ 42.6 19.2 2.7 37.5
6 木下 恭子 25.1 33.2 ▲ 10.8 ▲ 12.5 ▲ 8.2 26.8
7 秋山 淑子 ▲ 24.5 24.2 43.2 ▲ 16.1 ▲ 17.6 9.2
8 谷上 脩平 30.6 ▲ 15.3 43.4 ▲ 83.0 6.4 ▲ 17.9
9 赤木 由実 ▲ 45.6 56.9 ▲ 59.6 22.6 6.7 ▲ 19.0
10 吉本 卓矢 41.6 ▲ 69.7 ▲ 34.9 ▲ 32.7 42.7 ▲ 53.0
11 上村 政雄 ▲ 27.1 ▲ 51.3 ▲ 55.5 63.7 11.9 ▲ 58.3
12 三好 直幸 4.3 6.0 ▲ 22.4 ▲ 25.4 ▲ 52.1 ▲ 89.6
13 伊原 達也 27.9 ▲ 61.1 17.6 ▲ 78.9 ▲ 6.4 ▲ 100.9
14 田村  豊 ▲ 59.2 ▲ 61.4 ▲ 24.7 ▲ 4.8 7.7 ▲ 142.4
15 小西 輝彦 ▲ 79.5 ▲ 69.3 ▲ 2.3 ▲ 69.0 ▲ 55.9 ▲ 276.0

前期成績はこちら
C2リーグレポート: 稲岡ミカ
C2後期の最終節が行われました。
昇級枠は3名です。後期最初から断トツで飛びぬけている西村、4節終了時で217.9Pポイントも持っており、下位とは150Pほど差をつけているので、西村はほぼ昇級確実。
残り2枠を争う熾烈な戦いが繰り広げられました。
注目は、前回C1リーグから降級してきた丸山が66.8Pポイント、続いて森元が64.6Pポイント、川上が41.0P。
卓組もかなり重要だったのですが、1卓はトップの西村に森元、赤木、中山の対戦。
上位陣は同卓してポイントを削り合う為、西村があまり無理をせず戦うことを考えると、若干、西村と同卓する3人が有利かと思われます。
2卓は丸山、川上、山神、長野
全員昇級の可能性が残されている2卓は、力が入る戦いでした。
1回戦東4局、親・川上
三万三万四万五万七万七万七万三索四索五索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ六索
この形で先制。
山神は三筒が4枚見えて一筒が3枚切れており、自信を持って追いかけリーチ。
八万八万六索六索二筒三筒三筒四筒四筒七筒七筒八筒八筒  リーチ
この勝負は、川上がリーチ後七を暗カンそして、リンシャンで六万を引きアガリ4,000オール。
この半荘は川上がトップ、注目の丸山も2着につける。
2回戦
トップは1人浮きの長野、続くは東場で1人沈みの丸山。コツコツ南場で盛り返し、沈みではあるが2着になりました。山神は3着、川上は手痛いラスをひく事になってしまいました。
3回戦
川上は、かなり丸山を意識した戦いでした。打点を稼ぎトップを狙うのはもちろんだが、丸山を沈ませることをとにかく考えて戦ったようでした。
トップは1人浮きの川上。丸山も耐えて沈みとは言え2着でねばります。
3回戦終了時では、丸山がプラス2.4Pでトータル69.2P
川上がプラス48.4Pでトータルは89.4P。
森元がプラス21.5Pでトータルが86.1Pと僅差。
最終戦を迎える2卓は、終始、山神が点棒を集める展開になったようで、終わったときには川上、丸山共に何もできない半荘だったと言っていました。
最終戦を終え、今回惜しくも昇級を逃しはしましたが、4位だった中山は、今年から女流桜花もAリーグと調子がいいので来期は期待したいと思います。
今回昇級したのは西村、森元、川上の3人でした。おめでとうございます。
C2リーグ昇級は通過点に過ぎないので今回昇級した3名には、次回からのC1リーグでの活躍にも期待したいです。
初めてのレポートで色々と大変でしたが、プロ活動においてとても貴重な経験となりました。
少しでもC2リーグの様子がお伝えできていたら幸いです。
C2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 西村 友和 41.3 120.1 48.1 8.4 ▲ 33.5 184.4
2 森元 直哉 ▲ 3.9 25.7 36.8 6.0 45.3 109.9
3 川上 直也 ▲ 38.0 14.1 33.1 31.8 38.1 79.1
4 中山 千鶴 40.1 ▲ 67.9 29.7 20.6 30.0 52.5
5 丸山  直 ▲ 8.7 29.1 48.6 ▲ 2.2 ▲ 17.8 49.0
6 下村 学 17.5 ▲ 11.2 ▲ 3.8 ▲ 10.0 53.7 46.2
7 山神 清 27.0 4.8 33.4 ▲ 25.5 ▲ 3.5 36.2
8 木下 誠二郎 1.3 25.3 17.3 ▲ 13.5 0.0 30.4
9 赤木 里恵 16.0 4.4 16.3 4.2 ▲ 42.8 ▲ 1.9
10 長野 恵美 39.8 11.7 ▲ 37.3 0.3 ▲ 16.8 ▲ 2.3
11 永田 知也 ▲ 13.6 40.6 ▲ 30.3 15.1 ▲ 16.1 ▲ 4.3
12 土田 小緒里 22.4 ▲ 23.2 25.7 ▲ 32.2 ▲ 1.7 ▲ 9.0
13 後藤 俊孝 32.5 ▲ 41.0 ▲ 32.6 ▲ 1.5 0.5 ▲ 42.1
14 疋田 豪 ▲ 55.7 ▲ 41.4 ▲ 33.0 20.1 26.9 ▲ 83.1
15 高瀬 真濃 ▲ 20.3 ▲ 63.9 9.7 9.6 ▲ 24.0 ▲ 88.9
16 稲岡 ミカ ▲ 42.9 ▲ 25.1 ▲ 19.8 ▲ 26.7 ▲ 13.6 ▲ 128.1
17 藤原 仙三 ▲ 29.6 20.5 ▲ 78.0 ▲ 45.4 ▲ 9.9 ▲ 142.4
18 大久保 朋美 4.2 ▲ 23.6 ▲ 103.9 ▲ 11.1 ▲ 15.8 ▲ 150.2

前期成績はこちら