第44期王位戦A級決勝レポート 

第44期王位戦A級決勝レポート:ケネス徳田

11月18日(日)有楽町『絹江荘』前日のA級本戦を勝ち上がった60名。そして歴代王位、前年度決勝進出者、鳳凰位・十段位といったシード者16名を含めた76名でA級決勝が行われた。
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●A級本戦勝ち上がり者

★プロ連盟東京本部(24名)

藤本哲也 蒼木翔子 魚谷侑未 宮崎皓之介
平野良栄 三浦智博 白鳥翔 黒沢咲
和久津晶 石田亜沙己 赤司美奈子 木島甲太郎
石渡正志 古橋崇志 高田翔 内田美乃里
客野直 石川正明 浜野太陽 HIRO柴田
奈良圭純 瀬戸熊直樹 近藤久春 天音まこと

★プロ連盟地方本部・支部(16名)

(中部本部)

木村東平 大橋幸正 日高志穂 岡田智和
伊藤鉄也 近藤美香

(北海道本部)

浦山祐輔 山屋洋平

(東北本部)

菊田政俊

(北陸支部)

木原翼 藤本鉄也 志多木健 後藤正博

(関西本部)

横山毅 坂本誠祐

(九州本部)

浜上文吾

●他プロ団体(11名)

(最高位戦)

坂井秀隆プロ 桐生美也子プロ 品川直プロ 沖野立矢プロ

 

(プロ協会)

江崎文朗プロ 仲林圭プロ 阿賀寿直プロ 松崎真也プロ
柚花ゆうりプロ りんのなおプロ

 

(RMU)

樽原和人プロ

●一般(9名)

 

半沢優一さん 小林晃さん 平川香織さん 田中哲也さん
吉田信之さん 村松朋広さん 鵜飼基史さん 今井朗さん
青木保則さん

●A級決勝シード者(16名)
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第5・29期王位:荒正義(連盟)

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第22・23期王位:羽山真生(連盟)

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第27期王位:清水香織(連盟)

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第32・33期王位:滝沢和典(連盟)

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第34期王位:ダンプ大橋(連盟)

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第36期王位:井出一寛(連盟)

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第38期王位:二見大輔(協会)

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第39期王位:森下剛任(連盟)

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第40期王位:清原継光(連盟)

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第41期王位:石井一馬(最高位戦)

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第42期王位:樋口徹(連盟)

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前年度決勝進出:段谷昭夫(一般)

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前年度決勝進出:太田優介(連盟)

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前年度決勝進出:山井弘(連盟)

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現鳳凰位:前原雄大(連盟)

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現十段位:内川幸太郎(連盟)

例年までは72名だったこのA級決勝。しかしA級本戦人数の参加人数が例年より20名増えたことにより、A級決勝もその分人数が増えて76名の参加になった。しかし準決勝進出者が15名というのは変わらず。つまり例年に比べると若干ではあるが倍率的には厳しくなったといえる。

このA級決勝→準決勝というシステムは比較的新しく1998年から導入された。それまでは72名のA級決勝で上位4名が決勝進出者、という非常に厳しい関門であった(※昔はA級決勝16名→決勝4名であったが、いつ頃の変遷かは確認できず)。

このA級決勝のシステムは半荘が進むにつれて下位○○名が敗退していく、いわゆる「サバイバル戦」である。
・4回戦終了時、下位24名敗退(52名勝ち上がり)
・5回戦終了時、下位12名敗退(40名勝ち上がり)
・6回戦終了時、下位12名敗退(28名勝ち上がり)
・7回戦終了時、28名中上位15名準決勝進出

さてここでA級本戦出場者の構成比に注目したい。
連盟本部、連盟地方、他団体、一般、シードと分けてみた(一般、他団体もシード者はシードに含めた)
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A級本戦での統計を取っていないため判断付かないが、連盟本部が30%、連盟地方20%と過半数がプロ連盟。元々の参加数も多く、土壌としているルールもプロ連盟公式ルールであるため、例年この数字に近い構成比にはなるかと予想される。
そして5、6、最終7回戦進出の人数比にも注目してもらいたい。

 

B76 B52 B40 B28
連盟本部 31.6% 28.8% 30.0% 32.1%
連盟地方 21.1% 19.2% 20.0% 14.3%
他団体 14.5% 13.5% 10.0% 10.7%
一般 11.8% 11.5% 12.5% 10.7%
シード 21.1% 26.9% 27.5% 32.1%

やはり歴代王位、決勝進出者を含むシード組の強さが光っている。やはりこのシステムでの戦い方を熟知しているのか、ここまで16名中現状勝ち残りは9名と、50%を超える残存率である。
ちなみに連盟本部は24名中9名。一般は9名中3名となっており、一応残像率は30%を超えている。苦戦しているのは連盟地方と他団体。連盟地方は15名中4名。他団体は11名中3名と30%を下回る。

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さて最終7回戦、ベスト28からベスト15に絞られる最終半荘。ここで半数近くが敗退なる。ほぼ直接対決であり、基本的に「卓内トータル2位でポイントを上積み」が基本的な通過条件である。
●1卓:近藤久春(1位)vs奈良圭純(14位)vs高田翔(15位)vs井出一寛(28位)
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この日は近藤の「7,700」「8,000」の声が10分おきに会場内に響き渡るほど大物手を連発して現状トータル1位。そして最終戦も手を緩めることなくボーダー付近の奈良・高田を力でねじ伏せる。
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超ゴキゲンスマイル!

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これだけ勝てば笑みもこぼれると。
●2卓:浜野太陽(2位)vs荒正義(13位)vs森下剛任(16位)vs後藤正博(27位)
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現状27位、つまり下から2番目だった後藤が大爆発。なんと55,000点オーバーで15人抜きの12位で準決勝に進出。歴代王位・森下もポイントを伸ばし、今季デビューのEリーガー・浜野もここまでの貯金を活かしてこの卓からは3者が準決勝進出。
●3卓:坂井秀隆(3位)vs前原雄大(12位)vs菊田正俊(17位)vs二見大輔(26位)
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こちらはボーダー付近の前原・菊田が浮き、坂井もラスながらここまでの貯金で3者が勝ち上がり。
●4卓:魚谷侑未(4位)vs柚花ゆうり(11位)vs和久津晶(18位)vs樋口徹(25位)
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最後まで小場で進む。となるとやはり有利なのはトータル上位の魚谷・柚花、がそのまま穏便に勝ち上がりとなる。
●5卓:羽山真生(5位)vs吉田信之(10位)vs青木保則(19位)vs阿賀寿直(24位)
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歴代王位・羽山が最終戦も安定して浮き。そして唯一の一般勝ち上がりとなった青木さん。
●6卓:日高志穂(6位)vs黒沢咲(9位)vs鵜飼基史(20位)vs客野直(23位)
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現新人王・日高が最終戦も5万点トップでこの卓からは日高1人が準決勝進出。浮き2着で終えた鵜飼さんは…次点に泣く。開始前9位だった黒沢も1万点のラスで無念の敗退。
●7卓:HIRO柴田(7位)vs清水香織(8位)vs木原翼(21位)vs段谷昭夫(22位)
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7位開始のHIRO柴田が道中1万点を割り敗退危機だったが、若干持ち直して逃げ切り。木原が4万点オーバーのトップ、清水もしっかり浮いて3人勝ち上がり。

B76 B52 B40 B28 B15
連盟本部 31.6% 28.8% 30.0% 32.1% 26.7%
連盟地方 21.1% 19.2% 20.0% 14.3% 26.7%
他団体 14.5% 13.5% 10.0% 10.7% 13.3%
一般 11.8% 11.5% 12.5% 10.7% 6.7%
シード 21.1% 26.9% 27.5% 32.1% 26.7%

ベスト28→ベスト15にかけて連盟地方の躍進が見られる。それもそのはず、ベスト28で残ってた4人が全員勝ち上がったからである。
以上勝ち上がり15名に前年度王位・野方祐介を加えた16名で準決勝が行われる。戦いの構図としてはAリーガー4名、連盟地方4名、歴代王位4名、新人1名、他団体2名、一般1名となった。

第19期北陸プロアマリーグ 第2節レポート

10月25日(日)、「第19期北陸プロアマリーグ」の第2節が開催されました。

前回第1節は石田亜沙己プロをゲストにお迎えして、真剣ながらも華やかに実施されましたが、第2節からは通常形式に戻り、また熱い闘いが繰り広げられるものと予想されます。
今期の参加人数は29名で、プロ14名、一般15名とほぼ同数の参加。
果たして今期は誰のもとに栄冠が輝くのでしょうか?

この日、一番ポイントを伸ばしたのは大会最年長のベテラン飯田さん。
圧巻の4連勝で84.9Pを叩き出し、前回順位27位から一気に6位まで浮上する。
本人的には特段大きな目立ったアガリはなかったそうですが、要所要所でアガリをしっかりともぎ取っての大勝。
この勢いで久しぶりの決勝進出が視界に入って来ました。

前回首位の獅坂に目をやると、3着スタートながらも③②①②と尻上がりに調子を上げて、終わってみれば卓内トップの+30.4Pを積み上げて、今節も首位をキープ。
今期の獅坂はここまで非常に安定しており、北陸支部へ移籍後で初の決勝進出への足固めとなった。

獅坂と同卓の成田だが、こちらも+20.2Pとポイントを伸ばし前節の7位から4位に浮上、デビュー戦以来3期ぶりの決勝進出を目指す。

2位にはリーグ戦常連の窪田さんが浮上。
決め手は2回戦の親番、
七索を両面で仕掛けてホンイツ一直線。
この鳴きでなんとドラ発を2枚引っこ抜き、

一索一索二索三索四索五索五索発発発  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き  ツモ五索

見事五索をツモって6,000オールを決める。
この回を1人浮きのトップで終え、②①②②とオールプラスで、トップ1回ながら+61.0Pと稼いだのは流石の一言です。

同卓の初参加の林さんも+48.7Pと5位に進出。
こちらも次節以降に決勝圏内を目指せる位置となりました。

前期の北陸プロリーグの夏目坂決戦で、最後の最後まで死闘を繰り広げた後藤と藤本が直接対決。
これに里木と優勝経験者の平澤さんが交わる好カード。
ここを制したのは後藤。
卓内トップで、総合順位も3位に浮上。
第1期北陸プロリーグ王者として負けられない戦いが続く。

さて3期ぶりの優勝を目指す私だが、前半②②と「トップ狙うべからず打法」で、自画自賛の24Pのプラス。
(この打法が分からない方は、連盟HPにて連載中の「中級講座第1回目」を参照下さい。)
3回戦も南3局の親番を迎えて37,800点と、本日初トップが見えてきた。
そのトップを磐石にすべく、3巡目から積極的に仕掛けて行く。

一万二万三万一筒三筒七筒九筒  ポン中中中  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ドラ六万

ここにツモ七筒でしぶしぶテンパイを取る。
ドラ六万以外は全部押そう、そう決めてツモ切っていくが、誰もテンパイしていなさそう。
「まぁトップ目の親だし、誰も来ないよね。ここは1人テンパイかな…。」
そしてあと2巡というところにドラ六万を持って来た。
ツモ切りすると対面の山元さんから「ロン!」の声。

一万一万三万三万四万四万五万五万六万白白発発

メンホン七対子ドラ2の跳満放銃!
オーラスを前にして、トップ目から一気に沈んでしまう。
またしてもやってしまった。
今思えばラス前の37,800のトップ目で序盤から2フーロしていくのは、積極的なんかではなく焦っているとしか思えない。
それを分からせるかのようにチャンタにならない七筒ツモだったのに、終盤のドラツモだったのに…。
折角のシグナルを完全に無視してしまった。
こんな調子では先が思いやられます。
猛反省し、次節に挑みます。

次節第3節は折り返し地点、益々の熱戦が期待されます。

第13期女流桜花 優勝者予想

正解者の中から抽選で1名の方に、第13期女流桜花獲得後の直筆サインをプレゼント致します。

また、応募された方の中から抽選で2名の方に、女流桜花決勝進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。

応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。

※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。

なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。

応募締切:12/6(木)

番号 名前 プロフィール 松岡 和泉 内田 斉藤 稲岡 亜樹 武石 瑠美 美波 吾妻
1

仲田加南
21期生 六段
第21期新人王
第4、11、12期女流桜花
ロン2プロフィールはこちら
2

石田亜沙己
29期生 二段

ロン2プロフィールはこちら

3

魚谷侑未
25期生 五段
第44期王位戦優勝
第6、7期 女流桜花
第10、12回女流モンド杯優勝
第9、11、12回モンド王座優勝
第16回日本オープン優勝
ロン2プロフィールはこちら
4

中野妙子

30期生 三段

ロン2プロフィールはこちら

 
決定戦進出者

現女流桜花:仲田加南
1位通過:石田亜沙己
2位通過:魚谷侑未
3位通過:中野妙子

松岡千晶

鳳凰位戦A2で現役Mリーガーである魚谷プロが本命です。経験と麻雀の引き出しが多い魚谷プロ、仕掛けの少ない選手3人を相手にどう戦うか勉強という意味でも大注目です。
対抗は悩みましたが、ここぞという時の強さと、他3選手をラリアットでなぎ倒すような試合展開も想像できたので対抗は仲田プロとしました。

◎ 魚谷侑未
○ 仲田加南

 

和泉由希子

勉強熱心で、勝又先生の評価も高い石田。昨年とは一味違った姿が見られるのではないかと期待します。個人的に、息子がお世話になっているので、応援したい気持ちもアリ。
対抗は魚谷。こちらはもう説明の必要もないですね。安定の強者。

◎ 石田亜沙己
◯ 魚谷侑未

 

内田美乃里

女流Aリーグ昇級初年から決勝戦進出を果たした中野プロがそのまま、、3連覇へ向け並々ならぬ闘志で臨むであろう仲田プロ、、悩みましたが、私の本命は、決勝戦の経験実績実力共に安定感抜群の魚谷プロとします。
対抗は最終節で粘り、プレーオフで勢いを感じた石田プロとします。

◎ 魚谷侑未
〇 石田亜沙己

 

斉藤理絵

本命は魚谷プロ。今期プレーオフで対戦してみて、更に強くなったなぁと身をもって体験したので。
王位戦、A2リーグ、Mリーグと対局が続き、体調が心配ですが、いざ対局が始まれば持ち前の強さを見せてくれるでしょう!
対抗は仲田プロ。3連覇、4度目Vに向けて、たくさんの技を見せてくれるでしょう!魚谷プロの勢いがすごいので僅差で対抗に。
そして、石田プロと中野プロの要所要所での爆発力もすごかったので、どんな決定戦になるのか。しっかり見て、来年のために勉強しようと思います!

◎ 魚谷侑未
○ 仲田加南

 

稲岡ミカ

去年の女流桜花決定戦の試合、今年の女流桜花リーグ戦を見て、今回の本命は仲田プロ、対抗魚谷プロとしました。
去年仲田プロの戦略がうまくハマり力強い麻雀で女流桜花に。今年の戦いにも期待したい。
対抗には魚谷プロ。ここ最近の充実ぶりや強さはもう誰もが認めざるを得ない。
今年の女流桜花、最後で多少の苦戦を強いられたが安定の決定戦出場ということで対抗とさせていただきました。
女流桜花になったことのある2人と、惜しくも女流桜花にまだなっていない石田亜沙己プロ、初決定戦の中野妙子プロの戦いにも注目しています。

◎ 仲田加南
○ 魚谷侑未

 

二階堂亜樹

女帝仲田の3連覇がかかっているところだが、今まで3連覇してる人がいないところをみると、3連覇は薄いのかもしれない。
なのでここは、実力ピカイチの魚谷を本命に。
予選の勝ち上がり方に勢いを感じた石田を対抗とします。

◎ 魚谷侑未
〇 石田亜沙己

 

武石絵里

昨年、接戦だった決定戦終盤に、力強さを見せつけた仲田さんを本命にしました。今年もここ一番で勝負強さを発揮するのではないかと予想します。
石田さんは、プレーオフでの戦い方が素晴らしく、昨年の雪辱を果たしたいという気持ちを強く感じました。

◎ 仲田加南
○ 石田亜沙己

 

二階堂瑠美

順当に考えれば魚谷仲田のどちらかだと思われますが、決勝への残り方を考えると若手の2人も良い戦いが出来るであろうと思います。
個人的には予選は1位通過より3位通過の方が伸びるような気がします。

◎ 魚谷侑未
〇 中野妙子

 

美波智子

経験、実力、実績では仲田、魚谷が一枚も二枚も上手である。
どちらが勝ってもおかしくないが、同期の3連覇に期待を込めて。

◎ 仲田加南
○ 魚谷侑未

 

吾妻さおり

8人全員に可能性があり史上初の大接戦でもつれたプレーオフ。仲田にとっては、やりづらい選手が残ったように思う。
石田、魚谷は昨年仲田を逃してしまっただけに、マークも相当きつくなるだろう。相手によって自在に作戦を変える現桜花が練る3連覇への道筋とは?まずは初日のゲームプランに注目したい。
気になる選手は石田。忙しいだろうに、日頃どれだけ勉強しているのだろうか?対局を見る度に準備の質の高さを感じる打ち手だ。忍耐力が長所だが、昨年はあと一歩届かず2位。長所を伸ばした麻雀で挑むのか、それとも全く違う戦いを用意しているのか。
8位からの大躍進でB卓から早々に名乗りを上げた魚谷。一番の長所はどんな相手でもポイント状況でも自分との戦いに没頭出来るブレのなさ。プレーオフでの勝ち方も良く、決定戦の組み合わせも不利にはならないとみる。王位戦で見せた力強さも踏まえて本命とする。
そしてBリーグ昇級から1年目で挑戦権を掴んだ中野。プロ歴は長いが、連盟では初めてのタイトル戦決勝。静岡リーグにも参戦するなど、麻雀に対する真剣さを見込んで対抗とする。しっかり準備して卓につければ、初戴冠の可能性は十分とみる。

◎ 魚谷侑未
○ 中野妙子

 

女流桜花放送日程
初日:12月7日(金)
二日目:12月14日(金)
最終日:12月21日(金)

第31回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝観戦記

太田の息遣いが聞こえそうだった・・・

太田と藤島の間に位置した私は、両者の手牌は勿論の事、表情の変化をも見逃さぬ様に息を潜めていた。

最終6回戦南2局13巡目、藤島が河に放った五筒

「ロン2,600」
決壊寸前だった太田の心がギリギリ持ち堪えた1局であった。

二万三万四万五索六索六索七索七索八索二筒二筒四筒六筒  ロン五筒  ドラ四筒

藤島10巡目

二万二万七万七万八万八万一索一索二筒四筒四筒九筒九筒

七対子ドラ2をテンパイ。
もし彼が「リーチ」の発声をしていたら太田はどうしていただろうか。

太田は下家が藤島という並びと、ポイント状況もあり、1シャンテンで打七筒とドラ四筒が出ていかない形に受けるなど慎重且つ丁寧な打牌選択をしていた。
この時の藤島の選択はマジョリティーだと思うし、勿論ドラまたぎの二筒が決して場況的にも良いわけではないのだが、太田がリーチに対して2枚、七索六筒を河に放てる精神状態ではなかったようにも思える。

未だにリーチ云々の戦略的な事などは2人には聞いてはないが、太田は「かわされたらもう無理だったろうな」と帰り道に一言。

我慢し続けた太田へのご褒美が五筒だったのだろうか。

最終戦を迎えた時、ポイント状況は以下の通り。
太田+104.6 藤島+44.8  ポイント差は59.8P。
残り1回戦、公式ルールにおいてかなり太田が有利な状況なのは間違いない。
だが藤島には、何か起こしてくれそうな雰囲気が確かにあった。
最終6回戦東場終了、残り半周。
太田+85.2 藤島+82.4  ポイント差、実に2.8Pまで詰まっていた。

静岡リーグは全5節行い、上位5名が決勝戦に進出、さらに通過順に以下のアドバンテージが与えられる。
1位+40P 2位+30P 3位+20P 4位 +10P 5位なし

決勝戦は全6回戦で行われ、5回戦終了時にトータル最下位の者が途中敗退し、残った4名で最終6回戦を戦う。

第31回静岡リーグ決勝戦のメンバーは以下の通り。

①名前
②最高戦績
③決勝進出回数
④鳳凰戦所属リーグ

1位通過
①太田昌樹
②第9回・第26回優勝
③7回目
④C2リーグ

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2位通過
①藤島健二郎
②初参加
③初出場
④B1リーグ(来期はA2リーグ)

100

 

 

3位通過
①深見翔
②17位
③初出場
④一般参加

100

 

 

4位通過
①平野敬悟
②3位
③5回目
④C3リーグ

100

 

 

5位通過
①望月雅継
②第1回・第6回優勝
③10回目
④所属なし

100

 

 

今期は私にとっても特別な期であった。
静岡の顔である望月支部長の鳳凰戦リーグの引退。
初めて望月の口から聞かされた時は、(明言したわけではなかったのだが)何も言えなかった。
此の事には支部員も少なからず動揺があり、静岡支部という組織の意義を改めて考えさせられた出来事であった。

また、私事ではあるが、私も今期始まる前鳳凰戦第1節3日前まで連盟退会を含めた今後の自分のプロ活動としての向き合い方を望月支部長に相談していた。
支部長と話し合いをして、今まで応援してくれた人の声を聞き、もう一度踏ん張る決意をした。
この場を借りて感謝したい。

そんなマイナスな出来事で悶々としていたある日、望月支部長から「藤島君がプロリーグ参加してくれるかもよ~妙ちゃんも~」との話を聞き、本当に嬉しかったことを覚えている。
私はどんな世界も停滞はマイナスでしかなく、新しい血が巡ることにより活性化に繋がると思っている。

藤島をはじめ、今回新たに静岡に参加してくれたプロの方には感謝しかない。
そして望月、藤島その2人が決勝の舞台に立つことになった。
太田に関して言えばプライベートでもお世話になっているが、近年の彼の状況には歯がゆさもある。
元B1リーグの実績が示す通り、力は間違いないのだが、ズレた歯車は戻りきっていないようだ。
しかしながら予選は危なげなく首位通過。
太田もまた藤島参戦の刺激がプラスに作用しているようだ。
今回の決勝を機に復活し、更なる高みを一緒に目指したい。

平野は前回に続き連続出場。
直近7回の静岡リーグ中、5回決勝進出と静岡リーグの中でも随一の成績を残しているが、まだ優勝経験はない。
昨年度プロリーグも決勝に残るが敗退(私もだが笑)。
麻雀に関しては局面理解度に長け、プロテストの時から注目されてきた逸材だ。

今回唯一、一般参加での決勝進出となった深見さん。
連盟公式ルールでは、経験は浅いながらも、しっかりと打点を見据えた手作り、押し引きなど目を見張るものがある。
厳しいメンバーとの対決となったが、ダークホースと見ている。

個人的な見解としては、このメンバーだからこそ静岡リーグ特有のアドバンテージが多分に活きるのではと思っていた。
それを踏まえ、太田と藤島中心の展開マッチレースになることを予想していた。
だが、先の十段戦の戦いで見せた望月の戦い方、勝ちにこだわる姿勢に期待している私もいた。

今回私は敢えて決勝メンバーの戦前インタビューなるものを辞めた。
私自身、10年強過ごしたプロとしての経験を基に、5人の戦いを想像しながらフラットに観たかったからである。

 

1回戦~火花 (望月VS藤島)

予選首位の太田の抜け番ということで、まずは卓内最上位・注目の藤島の後ろに構えた。

東1局は望月の1人テンパイで流局。
東2局 藤島がタンヤオ七対子の二索単騎のリーチを打つも、望月の500(600)オール。
東2局1本場から3局と流局が続く。決勝戦ならではの独特な重い空気が漂う。

アマの深見さん、字牌の切り出しも含め丁寧な手牌進行をしていたが、若干手狭に受けているのは決勝戦の雰囲気のせいなのか?
相手は百戦錬磨だが、自分を信じて頑張って欲しいと思った。

東4局4本場 親平野
4巡目平野にしては珍しく長考に入った。

5巡目 四万五万六万七万三索四索五索六索三筒三筒五筒七筒七筒  ツモ三万  打六索

9巡目 三万四万五万六万七万三索四索五索三筒三筒  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  打七筒

平野の精神状態がここで分かった。
4巡目長考としたが、いつもの平野の子気味良いリズムとは違った。
私はメモに(平野イエローシグナル…)と記す。
「間」があったからなのだが、私は自然と平野の牌姿が見える位置へ。
本来平野に入る二万が下家の藤島に流れる。

南家藤島6巡目

一万二万七万八万九万一索二索三索八索九索七筒八筒九筒  ツモ二万

9巡目安目ながら二万を重ねての三色リーチ。
同巡平野が五万をツモり、500(600)オールとなるが、私は平野に不安を感じずにはいられなかった。

東4局5本場 親平野 ドラ三筒
望月の先制リーチ

七万八万二索三索三索三索四索七筒七筒七筒九筒九筒九筒  リーチ

藤島追いかけリーチ

二万三万四万七万八万三索四索五索三筒三筒四筒五筒六筒  リーチ

軍配は藤島に。九万ツモの2,000・4,000(2,500・4,500)

私はこれまでの長い間、ずっと望月を見てきた。
この先制リーチに多少の違和感を覚えたが、今回の望月の意図、闘い方の方針を垣間見た気がした。

南1局0本場 ドラ東 親藤島
再び望月と藤島の手がぶつかる。

藤島9巡目

五万五万七万六索六索八索八索九索九索三筒四筒東東  ツモ東  打六索

10巡目 八索ポン 打六索

この藤島の仕掛けにより望月の四索が埋まりリーチとでる。

五万五万六万六万七万三索四索五索二筒二筒四筒五筒六筒  リーチ

それにしても望月の牌さばきは本当に美しい。
このリーチをする際、指が軽やかに跳ねたように見えた。
14巡目藤島ツモ二筒テンパイ打七万で7,700の放銃となり今度は望月に軍配があがる。

南2局0本場 親望月
望月としては前局のアガリを踏まえ、この親で勝負をかけたい所。
だが、深見さんから2巡目にメンピンドラ1のリーチ。
望月にもうワンパンチ出れば、時間帯になるかと予想していたが展開は味方せず。
藤島の放銃であっさり望月の親は落ちた。

南3局0本場 親深見さん
北家となった望月、7巡目絶好のペン三万を引き込み高め7,700のリーチを打つ。

一万二万三万二索三索一筒二筒三筒五筒五筒七筒八筒九筒  ドラ発

この巡目に既に高め一索は2枚河に飛んでいる。
私は心の中で(望月の日ではないかな?でもこれを一索で引きアガれば…)思っていた。
結果はまさかの藤島に12,000放銃となる。

藤島の配牌

一万五万七万四索九索四筒八筒東南南西白発

ここから八筒発一万と重ねていく。
4巡目八筒ポン、5巡目南ポンと鳴け7巡目発を引き打四索テンパイ。

一万一万五万七万発発発  ポン南南南  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き

ここからツモ一万五万更に次巡ツモ一筒七万とノータイムで打ち出す。

一万一万一万一筒発発発  ポン南南南  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ロン一筒

1回戦とはいえ、望月は非常に暗雲立ち込めるスタートとなった。
それに対し藤島は1人浮きのトップスタートで、抜け番太田のポイントを早くもかわした。

1回戦成績
藤島+20.9P 深見▲1.6P 望月▲5.4P 平野▲13.9P

1回戦終了時トータル成績
藤島+50.9P 太田+40.0P 深見+18.4P 平野▲3.9P 望月▲5.4P

 

 

2回戦~太田劇場

抜け番深見さん。
これはいいタイミングでの抜け番だと思った。
順番選択に関しては各々の考え、又は相手を照らし合わせた戦略的なものまであるだろうが、初の静岡リーグ決勝戦、しかもこの顔ぶれである。
緊張もあり、脳の疲れは感じたことのないものだろう。
一息いれた後、彼本来の麻雀をこの舞台で魅せて欲しいと思った。

2回戦は乱打戦となる。
東1局、これまで我慢していた?(見せ場のなかった)平野が2,000・3,900をツモ。
このアガリが導火線となり、点数移動はあるものの誰も抜け出せずにいた。

南1局1本場 親藤島 ドラ九索
この局が今決勝の1つのターニングポイントとなる。

3者がぶつかるのだが、配牌は

東家 藤島
二万三万五万七万二索五索六索七索九索四筒五筒東北中

南家 太田
一万三万八万九万二索五索九索六筒八筒東西白白

西家 平野
八万九万三索三索四索五索五索二筒七筒南西北発

3者3様見事に牌を捕まえて、10巡目平野先制リーチ。

一索一索三索三索四索四索五索五索六索六索発発中  リーチ

親の藤島が切っている中単騎のメンホン七対子。

リーチを受け11巡目

東家 藤島
一万二万三万二索四索五索六索七索九索四筒五筒五筒六筒

南家 太田
一万三万八万八万九万八索九索七筒八筒九筒南白白

の牌姿

11巡目太田ツモ二万南 この南は場に強い牌である。
12巡目太田ツモ七万八万でテンパイ。

藤島13巡目ツモ九索でテンパイ取らずの打二索

一万二万三万四索五索六索七索九索九索四筒五筒五筒六筒

ドラ2とはいえ、カン三索で心中はできないか。
そして14巡目、目論見通りツモ七筒のテンパイとなる。

ここでしばし藤島少考。
私はリーチ判断の逡巡なのかな?とみていたが、藤島は平野のリーチが無ければ、打四索のリーチとするつもりだったようだ。
しかし平野のリーチに一索四索待ちの否定材料が無い、だから打七索としたと。
勿論太田の打南もアンテナには引っかかっている。
意を決した藤島のリーチ宣言牌七索を太田が捕らえ8,000。

太田はこのアガリに手応えを感じていただろう。
自身で分かる4枚目の七万を入れてのメンゼンテンパイ。
上家藤島が五索六索、9巡目に七万を3枚切っている。
3枚目の七万を鳴いてもドラそばで手役が透ける3,900のペン七索待ちでは勝負にならない…と、頭では分かっていても、巡目や枚数などで自分に折り合いをつけ、つい鳴いてしまいそうな局面であったが、太田は自分の麻雀を貫いた。

もし仮に太田が3枚目の七万をチーしていた場合、太田が直前でツモ切る西が重なり平野は一索中でリーチを打つことになる。
するとドラそばペン七索の3,900で太田がどこまで押せるのか?・・・勝機は薄かったように思える。
親の藤島はドラ2だから押しどころだろう。
ともなれば違う未来があった様に思える。

この我慢こそが太田のハートの強さであり私が見習わなければならないところだと感じた場面であった。
我慢して4枚目の七万をいれて当面のライバルからの直撃である。

(最高で~す!)お立ち台に立ったら太田は言う事だろう。
お立ち台の近づいた1局の攻防であった。

ツモ七筒テンパイ藤島

一万二万三万四索五索六索九索九索四筒五筒五筒六筒七筒  打七索

太田
一万二万三万七万八万九万八索九索七筒八筒九筒白白  ロン七索

南2局0本場 親太田 ドラ五筒
太田は8巡目

五万五万六万六万七万八万九索九索九索五筒五筒白白  ツモ九索 暗カン

平野にとっては前局の勝負手が実らず、現状トップ目の太田の親。是が非でもこの親はやらせてはいけないとの思いだっただろう。
8巡目ツモ三万ときて

二万三万三万四万五万七万七万六索七索八索一筒二筒三筒

五筒のテンパイをとる。

このドラ打ちに反応した太田「ポン」の声。
正直、鳴くとは思いもしなかった。私も仕掛けを多用するタイプだが、声が出るかは分からない。

五万五万六万七万八万白白  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  暗カン牌の背九索 上向き九索 上向き牌の背

六万として白バックのテンパイとした。

ここで言えることは太田の平野に対する打牌の信頼度である。
速度を合わせにいったのか?ただこの形になった以上、モノにしたいし失敗は許されない。

12巡目太田の手元に引き寄せられたのは白だった。
「4,000オール!」感性がそうさせたのか、普段腰の重い打ち手であるがゆえに結果を出したのはお見事であった。

2回戦成績
太田+23.6P 平野+7.1P 藤島▲7.9P 望月▲22.8P

2回戦終了時トータル成績
太田+63.6P 藤島+43.0P 深見さん+18.4P 平野+3.2P 望月▲22.8P

 

 

3回戦~届かぬ1枚
抜け番 藤島

東1局1本場
深見さん太田からリーチ七対子ドラ2の8,000(8,300)をアガる。

八万九万九万五索五索四筒四筒九筒九筒発発中中  ロン八万

このアガリは追う立場の4者にとって並びが出来たという大きな意味を持つ。
太田包囲網となるか?

東3局 親平野 ドラ中
望月が仕掛ける

三万四万西西中中中  ポン北北北  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き

ドラ3をテンパイするも終局間際深見さんにかわされる。

東4局 親望月 ドラ四筒
この日の望月、幾度も高打点となる見事な手組を見せるが最後の1枚が遠い。

四索四索四索五索六索七索七索七索八索九索九索東東

このテンパイを10巡目にいれる。

西家深見さん

二筒二筒二筒東東白白  チー五万 左向き六万 上向き七万 上向き  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き

深見さん2巡目で東白トイツドラ1の形も1枚目の白をスルー。
このスルーにより6巡目ドラ四筒を重ね、望月のテンパイ打牌の四筒をポン、次巡五万が鳴けてテンパイ。
望月の八索は山に2枚深見さんの東白は1枚。
14巡目手元に白を引き寄せたのは、深見さん。

届かぬ1枚・・・この日は望月の日では無かったようだ。

南3局 親平野 ドラ一索
ここまで出番が無かったものの、まだまだポイント的には食らいついている感のある平野。
親番で手を入れる。

配牌
三万五万九万一索二索三索七索八索九索七筒七筒九筒発中

9巡目 テンパイ

九万九万一索二索三索七索八索九索一筒二筒七筒八筒九筒

ヤミテンの12,000

しかしこの3回戦好調の深見さん。
同じく9巡目

五万六万七万四索五索六索六索七索七索八索八索六筒六筒

これもヤミテン。
12巡目、高めの三索を引き寄せ、1300・2600。
持ち点を5万点オーバーの1人浮きとし太田の独走に待ったをかける。

3回戦成績
深見さん+34.4P 太田▲2.1P 平野▲10.1P 望月▲22.2P

3回戦終了時成績
太田+61.5P 深見さん+52.8P 藤島+43.0P 平野▲6.9P 望月▲45.0P

3回戦を終え二極化の様相を呈してきた。

 

 

4回戦~藤島の生命力
抜け番平野

3人の争いとなった決勝4回戦目、この半荘を制する意味は大きい。

東2局 ドラ西
北家藤島 10巡目

四万四万四万五万六万七万八万八万四筒五筒六筒七筒八筒

リーチと出る。
親番の深見さん、ダブ東を7巡目ポンした時点で、

五万六万三索三索五筒八筒九筒西西西  ポン東東東

こちらの1シャンテン。

リーチをかけた藤島が13巡目に持ってきた牌は七筒
さらに14巡目、藤島が掴んだ牌は七万だった。
あまりにも痛い12,000の放銃。

東3局 ドラ一索
東家太田配牌

四万七万一索一索二索三索五索七索八索九索東南西中

配牌ドラ2のチャンスであるが、メンツ候補を含めた太田の選択に注目が集まる。
ここで選んだ第一打は四万
確かに色を見たら字牌重なりは嬉しいし、チャンタ系も見える。
しかしドラ2だけに手なり進行を選択するプレイヤーが多数ではないだろうか?
この局面においてのマジョリティーは何だろうか?

4巡目ドラの一索を引き、7巡目ツモ五万で打五索とする太田。
7巡目以下の牌姿となる。

七万一索一索一索二索三索五索七索八索九索四筒六筒東  ツモ五万  打五索

8巡目待望の東が重なり打四筒。12巡目五索引き戻し打六筒とし、

一索一索一索二索三索五索七索八索九索五万七万東東

この1シャンテンにとる。
15巡目東ポンの打五索のカン六万テンパイ。
すでに3枚、六万は飛んでいるが巡目的に仕方ないところかと見ていたら、藤島4枚目の六万を掴み12,000放銃となる。

この局に関しては、太田は気持ちがかなり揺れた様に見てとれた。
第一打四万で、手役狙いでスタートしたが、ドラの一索が暗刻になったことで効率通りの打牌と変わった。
意志を通す太田にしては違和感もある選択。

だが結果はライバル藤島からの直撃。
これで決まったか?の感は正直あった。

東3局1本場 親太田 ドラ六万

三万三万三万五万六万七万三筒五筒五筒六筒七筒西西

太田8巡目ツモ五筒で、ノータイムでリーチ。
ここでその手法を出してきましたね?太田さん、とメモする私。
このリーチに向かえる子方はいるのかしら?と考えていた。
しかし同巡、私は「ごめんなさい。」と、なる。

藤島が追いかけリーチを放つ。

四万五万六万六万七万一索二索三索五索六索七索四筒四筒  リーチ

メンピンドラ2のリーチ。
きっちり太田を捕らえ7,700(8,000)のアガリ。

これが藤島の強さか。
この半荘、放銃もついてしまうが、必ずといってよいほどアガリ返す生命力の強さを存分に見せつける。
これは戦っている方としては堪らない気持ちだろう。
ボディブローの様に効いてくるはずだ。

そして南場。
望月は5回戦抜け番のため、残り半周しかない。

しかしここで盛り返してきたのは藤島。
一時は16,900点まで削られた点数を原点付近まで戻し、太田もまた48,500点まで点数を上乗せして望月に付け入る隙を与えない。

こうなると、逃げる太田を藤島が残り2回戦でどこまで迫れるかが焦点となった。

4回戦成績
太田+26.5P 望月+6.0P 藤島▲8.4P 深見さん▲24.1P

4回戦終了時トータル成績
太田+88.0P 藤島+34.6P 深見さん+10.3P 平野▲6.9P 望月▲39.0P

 

 

5回戦~壁
抜け番望月

東1局2局と重苦しい雰囲気が対局場を包む中、4者の手が開く事無く流局。

多くの観戦者も静かに戦いに見入っている。

東3局 ドラ東
深見さんがまだまだ食らいつく。

七万八万九万三索三索五筒六筒東東東  ポン白白白

この7巡目テンパイを入れる。
戦っている彼がいた。が、ここを制したのはまたも藤島。

二万二万一索一索二筒二筒九筒九筒西西発中中

この七対子でかわす。
何度弾き返されただろうか?深見さんには、この経験を今後の麻雀人生に活かしてほしい。いや、彼ならきっと大丈夫だろう。

南1局ドラ九索
藤島が三索暗カンから絶好の四万
を引き込みリーチと出る

三万四万五万五万六万七索八索九索三筒三筒  暗カン牌の背三索 上向き三索 上向き牌の背  リーチ

1,300・2,600のアガリとなる。

親平野

四万四万四索五索六筒七筒八筒  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  ポン南南南

平野のアガリ牌三索を暗カンしてのリーチにもう勢いの差を感じるしかなかった。

南4局 2本場
深見さんが必死の粘りを見せるが、平野のタンヤオのみで終局。
ここで望月の敗退が決まった。

5回戦成績
太田+16.6P 藤島+10.2P 深見さん▲9.5P 平野▲17.3P

5回戦終了時トータル成績
太田+104.6P 藤島+44.8P 深見さん+19.2P 平野▲24.2P 望月▲44.4P
(望月は5回戦終了敗退)

 

 

6回戦~泥臭さの先に(最終戦)

太田と藤島のポイント差は59.8P。
追う立場の藤島から見て、1人浮きのトップラスを決めても、素点でほぼ4万点の差。
これは連盟公式ルールにおいて、かなり厳しい数字であるのは間違いない。

静岡リーグ決勝戦も最終戦は連盟タイトル決勝システムに習い、東家から2・3・4・1のトータル順位での座順となる。

東家・藤島+44.8P
南家・深見さん+19.2P
西家・平野▲24.2P
北家・太田+104.6P

東1局親藤島 ドラ六万
藤島6巡目リーチ。

一万一万二万二万二索三索三索四索二筒三筒四筒五筒五筒

ここからツモ二万 打三索の即リーチ。
三色、イーペーコーが消えて振り替わりのタンヤオも捨てたリーチ。
これが最終戦に藤島が決めた手法であろう。
ポイント差があるとはいえ、親の先制リーチには太田としても向かい辛いだろうし、まして深見さん平野の立場はなおさらであろう。

しかし放銃は太田。
五筒を打ち抜き放銃となるが、逃げずに勝負したこの一打を見て、5回戦で揺れていた?と感じた私は改めて太田のハートの強さを認めた。

東1局1本場 ドラ中
藤島5巡目

六索七索八索九索一筒一筒一筒四筒五筒六筒東東東  リーチ

ダブ東暗刻のリーチと出て、これを見事に引きアガリ4,000(4,100)オール。

これで完全に並びが出来た。
太田の心中やいかに?

東2局 親深見さん ドラ五万
またしても藤島6巡目先制リーチ。

五万五万二索三索四索六索七索八索一筒一筒一筒西西  リーチ

平野も追いかけリーチを打つが藤島が五万を引き寄せ2,000・4,000。
この時点でポイント差は11.3と親満(12,000点)圏内に。
藤島が太田の背中をはっきりと捕らえた。

東3局 太田1人ノーテンとなり、差がまた詰まる。

東4局 親太田ドラ西
流石に太田の表情もこの半荘開始時とは違って見えた。
この局も最初にテンパイを入れたのは藤島。

なんて男だろう・・・
観戦記者でいながら、藤島と同卓した時の自分を想像していた私がいた。

一索二索三索四索四索四索四筒五筒西西  ポン中中中

この3,900テンパイ。

(この手を開けられたら決まるな)と記す私。
もうアガリはそこにある、と思っていた。

ここから私の予想しなかった太田を見ることになる。

太田配牌
一万二万四万五万六万一索七索七索八索九索九筒東北白

9巡目七万ツモで1シャンテン。

一万二万三万四万五万六万六万七万七索八索九索八筒九筒

14巡目太田、藤島の当たり牌の三筒を引かされる。
六万で2シャンテン戻し。

藤島の捨て牌は

南東八万 上向き二筒 上向き発五万 上向き
九筒 上向き九万 上向き白一索 上向き五索 上向き

11巡目中ポン最終手出し五索九筒九万以外は全て手出し。

確かに三筒は藤島に厳しいのは分かる。五万八万も河に3枚飛んでいる。
が、大事な親番でシャンテン数を落とすのには勇気もいる。
太田はテンパイまでの細い道を探りながら、藤島の仕掛けに対するリスペクトもあっただろう。

そして15巡目、上家の打七筒に素早く反応し打七万。フリテン三筒単騎の形式テンパイをとる。

一万二万三万四万五万六万七索八索九索三筒  チー七筒 左向き八筒 上向き九筒 上向き

太田の執念が実り3人テンパイで親権を繋ぐ。
この親番が勝負所と踏んでのことであろう。素晴らしい打ちまわしだった。

それでも1本場は藤島が太田の親を終わらせる。

南1局親藤島 ドラ九筒

五万六万七万二索三索八索八索八索六筒六筒六筒東東  リーチ

この先制リーチを打つ。太田は戦える手牌ではない。
藤島の1人旅かと見ていたら深見さんが少考、意を決したように生牌の東を切ってリーチ。藤島の雀頭である。

藤島と太田の間に位置していた自分は、そっと深見さんの手牌が気になり移動した。
苦しさもピークに達したところなのに、なぜか清々しさを感じた一瞬であったから。

ツモり四暗刻のリーチ。

一万一万七万七万七万九万九万九万一索一索九筒九筒九筒  リーチ

ポイント的には苦しくとも、終わったわけではないのだ。
彼にはまた色々教えてもらった。

流局。

太田+83.7P 藤島+82.9P (0.8ポイント)差となる。
ついに並んだ。

南1局流局の後の1本場。
平野が意地を見せ、リーチメンホン七対子の12,000を深見さんからアガリ、ラス抜けした太田がリードを広げる形となった。

そして南2局
冒頭の2,600へと進む。

優勝へ向けて最後のヤマを乗り越えたか?

南4局(オーラス)
藤島の逆転条件は1,600・3,200のツモ、12,000他家からのアガリ、太田から5,200の直撃。

南4局1本場
太田は早いテンパイが安全に組めるようならアガリに向かう方針で進める。
思惑通り、ピンフドラ1を深見さんからアガリ、藤島に厳しい条件をつきつける。

2本場 藤島1人テンパイ。

終局。

優勝は太田昌樹

6回戦成績
藤島+36.5P 平野+8.7P 太田▲12.1P 深見さん▲33.1P

最終トータル成績
太田+92.5P 藤島+81.3P 深見さん▲13.9P 平野▲15.5P 望月▲44.4P

人は弱い生き物だから、日々の目の前のことに奪われる。
そしていつしか夢を諦め、手放している自分がいる。

麻雀というものに出会わなかったら、どういう人生を送っていたのだろうか?とふと思うこともある。

だけど麻雀に出会い、そこから生まれた色々な経験と人生。その繋がり全てが財産です!と胸張って言える自分でありたい。

決勝進出者の皆様、素晴らしい舞台をありがとうございました。
静岡リーグを応援していただいている関係者各位の皆様、いつもありがとうございます。

これからもまだまだ歴史は続きます。

編集後記
この静岡リーグ決勝の後、藤島は自身初タイトルとなる第4期JPMLWRCリーグを見事優勝した。
仲間の活躍は本当に嬉しいものだ。
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第44期 王位戦 優勝は魚谷侑未! 

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優勝:魚谷侑未 準優勝:菊田政俊 第3位:浜野太陽 第4位:前原雄大

開催概要はこちら

第44期王位戦A級本戦レポート 

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第44期王位戦 主催:日本プロ麻雀連盟

この『王位戦』は麻雀界において、相当重みを持つタイトル戦である
・プロ団体が主催
・オールカマー(一般参加者OK)
・一番歴史がある
・既存している

第1期は1973年、当時は『株式会社かきぬま』という麻雀卓メーカーが主催していた。この頃は今でいう「プロ団体」というものは存在せず、アマチュア麻雀団体が複数存在していた時代である。
大きなタイトル戦としては『週刊大衆』を発行する双葉社が主催する『名人戦』というものがあった。1970年に第1回、つまり王位戦より古くから行われていたのだが、こちらは1999年の30回大会を最後に「現在行われていない」。また出場者は麻雀プロ及び著名人であったため「オールカマーではない」ものであった。
1970年代の麻雀ブームの中、王位戦というオールカマー(第2期より)の、しかも全国規模の大きな大会が設立されたのは、当時の麻雀界として非常に意義あるものだったのではないだろうか。

2018年11月17日、A級本戦の開催日である。 近年ではすっかり「春のマスターズ」「秋の王位戦」というイメージが定着している。だが初期の頃の王位戦は秋から翌年春と、半年以上かけて行われていた。

 

過去はまずC級戦がおこなわれていた。

 

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[竹書房・近代麻雀昭和1974年10月号より]
 

 

『第2回かきぬま王位戦』のC級戦の参加者リスト(指名は伏せ)である。このC級戦に出場するには、いわゆる各支部大会の月例大会上位者、大会優勝者などが対象であったと思われる。上位16名が次のステージであるB級予選(シード者4名)に進出(勝ち上がり6名)。そしてB級決勝(シード者2名。勝ち上がり4名)→A級予選→A級決勝→決勝戦と気の遠くなる程長い道のりである。

幸い現在ではシード者はA級本戦からだが、ノンシード者はプロはA級予選から。一般参加者も地方予選や、プロと一緒のA級予選からという、1ステージ下からの出場で済む。
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最近の王位戦システムは、いわゆる「本戦で200名前後が一堂に会し、半荘4回で上位半数で半荘1回。上位55名前後(A級決勝シード者入れて72名)が勝ち上がり」であった。しかし時の流れ、時代の変化もあり、「オオバコ」と呼ばれる40卓~50卓もある雀荘が次々と無くなってきている。

2007年までは王位戦A級本戦会場は八重洲「中信」であったと記憶している。2008年マスターズ本戦会場も中信、そしてその年の秋が新橋「新雀荘」と過去の開催概要に記録が残っている。
「中信」時代も最後の方は本戦出場者が多く、4回戦目までは別会場が使われて5回戦目に中信で合流であった。

2008年からは新橋「新雀荘」をメイン会場として行われ、同じビル内の「白鳩」「ニュー新橋」「岡」、さらには徒歩圏内の「じゃん亭」などを複数の会場を駆使して開催してきた。もちろんこれは「5回戦目で合流」を目的としてきたからである。
 
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ところが今年より、巣鴨「連盟道場」が第2会場となった
 
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プロ連盟内のタイトル戦の中には移動してからの合流を行う場合もあるが、今回の王位戦では完全に別会場として扱い、人数比でA級決勝進出者をそれぞれの会場から出すこととなった。初の試みである。

変化は大事である。前例主義に陥ることが組織、機能を停滞させ低下させる要因である。王位戦も、当時はアマチュア麻雀団体の高段者の戴冠が半ば常識「タイトルを取れるのは40代が」が定説とされていた。しかし、そこに一石を投じたのが第5期王位に就いた…

 
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「近代麻雀1978年4月号より」
若干25歳の荒正義プロであった。
 
 
王位戦だけでなくほかのタイトル戦でも最年少で34歳、大多数は40代50代での優勝が常であった。そこに20代の、しかもフリーのプロがタイトル戦に勝ったのもこれが初である。
この荒プロの優勝を皮切りに若手プロ集団の台頭、そして初の麻雀プロ団体「日本プロ麻雀連盟」が設立される。
※この時期の「最高位戦」は近代麻雀の主催するタイトル戦でありプロ団体ではない

第9期「かきぬま王位」(※この時期は「かきぬま王位戦」と「近代麻雀王位戦」に分裂)には
 
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「プロ麻雀1982年5月より」
若き日の森山茂和会長が!
 

そして10~13期、前人未到の4連覇(この時期はディフェンディング制)を達成したのが
 
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「麻雀ワールドvol.1より」
灘麻太郎名誉会長である。
 
その後王位戦は「株式会社かきぬま」が撤退し、プロ連盟主催になり今の形に至る。今回はプロ連盟本部、各地方本部・支部、他団体、一般含めて以上総勢240名。A級本戦としてはこれまでの最大の数である。5回戦終了後、上位60名が翌日のA級決勝へと駒を巣進める。

 

●第1会場「新雀荘」「白鳩」「岡」
180名参加:勝ち上がり45名

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5回戦開始時、45位:+27.5P
最終45位:+30.4P

 

●第2会場「連盟道場」
60名参加:勝ち上がり15名

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5回戦開始時、15位:+40.5P
最終15位:+30.6P

なんとビックリ、通常最終ボーダーラインは上がるのが常識とされている。しかし第2会場では10近くもボーダーが低下するという逆転現象が起きている。分母が少ないのが理由なのかそれとも…次回、次々回も同じ形態で開催されるならば、その結果も踏まえるべきであろうが、今回はとりあえず「たまたま」と認識するしかない。

第138回『勝負の感性⑧~天運と地運~』 荒 正義

麻雀の運には、2つの運がある。
その日一日、その打ち手が持っている運。これが「天運」である。もう1つは卓上の中で右に左に揺れる運、これが「地運」である。
麻雀は、相手の運と自分の運の戦いである。運の違いを知って、運を究めれば正しい応手が解る。では、その運の違いとは何か―。

第1戦・東1局。8巡目の親(A)にテンパイが入った(一発・裏あり、赤なし)。

二万三万六万七万七万二索三索四索二筒二筒四筒五筒六筒  ツモ八万  ドラ発

可もなく、不可もなく普通の手。
(高目の四万で、アガリできたらいいナ…)
と、思うくらいのものだった。
当然、親は両面なので先制リーチをかけた。これは普通の応手だ。

西北八筒 上向き九筒 上向き八索 上向き九万 上向き
中七万 左向き

このとき、南家もテンパイだった。

四万四万五万六万七万六索七索八索一筒二筒三筒発発

ドラの発は初物だから、ヤミテンで発の出を狙っていたのだ。相手の手が煮詰まれば、ドラでも発が打たれる可能性がある。リーチなら出ないドラでも、ヤミテンなら分らない。しかし、親がリーチなら話は別である。ここで戦うか受けるかは、雀風によって分かれるところ。
佐々木寿人、前原雄大は戦いを好むから、このままの牌姿でも追いかけリーチがある。当然、負けるときもある。したがって、彼らの体は生傷が絶えない。
藤崎智、沢崎誠は状況次第。しかし、勝負は始まったばかりで、相手と自分の運量が分からない。となると、その場の直感で打つことになる。向かうこともあれば、オリることもある。私も後者だ。生傷は嫌だ。
自分だけ傷つかず、戦いに勝つことを考える。これが賢明で合理的。誰だってそれが理想のはずだ。しかし、それは云い方を変えれば、ズッこい(ずるい)である。冗談はさておき、話を先に進めよう。

南家が、同巡に引いたのが八万だった。

四万四万五万六万七万六索七索八索一筒二筒三筒発発  ツモ八万

ドラドラで3面チャン、絶好のツモだ。南家は四万を切ってリーチをかけたが、これが親にズドンと命中。

二万三万六万七万八万二索三索四索二筒二筒四筒五筒六筒

裏ドラが二筒になって18,000点。東家は幸運だが、南家は不運。これが、天運である。
親の天運は高く、上々の滑り出しである。まず、一発で高めが出たこと。次に、裏ドラに2枚の二筒が乗ったこと。一方、南家の天運は最悪だ。勝負手で切ったら、なんと一発で高めの放銃。これは麻雀ではよくある出来事。だが、勝負はこんな1局では決まらない。通常、卓を囲むときは1日に半荘4、5回戦は打つ。となれば先は長いし、この後勝負がどう転ぶかわからない。まだ、山あり谷ありだ。
東家と南家の点差は36,000点。これで南家がトップ逆転を考えるのは、無理な話。せめてこの半荘はラス逃れを考え、受け中心に構えるところである。
もちろん、手が来たら攻める。西家か北家から満貫を打ち取れば、点差が一気に詰まるのだ。
このことは、西家と北家にも同じことが言える。仮にこの後、東家から満貫を討ち取れば、その差は2,000点以内になるのだ。現状は圧倒的に東家有利だが、勝負はまだ分らない。

第1戦・東1局1本場。
そして1本場、北家(B)の手が7巡目にこうなった。

三万四万五万六万七万二索四索六索四筒五筒六筒八筒八筒  ドラ一万

通常ならソーズが埋まれば、3面チャンリーチでほぼいただきの場面だ。しかし、北家は上家の切った三索にチーテンを入れた。すぐに東家が八万を掴んでロンだ。1本場で1,300点のアガリ。普通なら、北家の手は面前で決める手である。なのに、なぜ―?
北家は、親の河に危険を感じた。前の局は、ラッキーな18,000点のアガリ。そして、この河である。

(親の河)
西東二万 上向き二索 上向き四索 上向き二筒 上向き
八索 上向き

2打目が、W風で初牌の東。ここで東の重なりを否定したのだから、それなりの手が入っていると読める。続いてドラそばの二万切りである。こんなに早くドラそばを切るのは、一万一万二万二万二万三万から二万の切りである。どちらにしても、早い手であることは確かだ。そして、有効牌の中張牌の切り出し。北家は思った。
(親の手は、高くて早いぞ…。もう一度アガられたら、トップ確定のダメ押しが飛んで来る…)

だから、チーテンにかけたのだ。通常、親落としは南家の役目だが、親の跳満を打った南家にその期待はできない。警戒警報、発令である。これが、北家の読みと感性である。このとき、親の手はこうだった。

一万一万四索五索六索七索七索八索白白白発発  ドラ一万

どこを鳴いても親満だったのである。しかし、北家の切った六索にチーテンをかけなかったのは、流石である。河から絶好の受けを鳴けば、マークが一気にきつくなる。鳴けば、捨て牌はこうだ。(親の河)

(親の河)
西東二万 上向き二索 上向き四索 上向き六筒 上向き
八索 上向き七索 上向き

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き

六索をカンチャンで鳴いても四索五索六索で鳴いても、仕掛けと河に違和感が出る。絶好の待ちを鳴けば、高い手でテンパイと相手に読まれる。となれば、字牌はおろかドラの一万も出やしない。相手が受けたなら、アガリはツモのみ。それが、ツモ山にあるかどうかも分からない。この場合、チーテンのアガリ率は25パーセントに満たない。しかし、これならどうだ。

西東二万 上向き二索 上向き四索 上向き六筒 上向き
八索 上向き七索 上向き

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  ポン発発発

待ちがよくわからない。染め手にも見えるし、トイツ手にも見える。
だが、伏せられた手の内はこうだ。

一万一万四索五索六索七索八索白白白  ポン発発発

相手に警戒され、オリられてもいい。3面チャンならツモの可能性が大である。これなら、アガリ率は75%を超える。ここのソーズは鳴いて見せるのではなく、待ちのターツなのだ。それはともかく、駄目押しのチャンス手を蹴られた東家は、がっかりである。

東2局と3局は、点棒の横移動。そして、東4局だ。
最初にテンパイを入れたのは、東家(B)である。

一筒二筒三筒四筒五筒五筒八筒九筒西西西北北  ツモ三筒  ドラ六索

入り目が七筒六筒なら、ツモに勢いを感じるからリーチも有りだ。

一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西西北北

一筒二筒三筒四筒五筒六筒八筒九筒西西西北北

これなら親の先制リーチで相手をオロし、悠々とツモにかけられる。
しかし、ツモ三筒は弱いと感じた。親(B)は、五筒をそろりと切ってヤミテン。これが好判断。

(親の河)
一万 上向き八索 上向き一万 上向き九索 上向き中八万 上向き
九万 上向き五筒 上向き

親の河は、ピンズの染め手には見えない。このとき、南家の手はこうだった。

二万三万四万四万四万四索五索七筒七筒八筒  ポン発発発

ここに引いたのが、ドラの六索である。一万が3枚出ていたから、この七筒は止まらない。1,300と7,700点の直撃で、丁度18,000点。
AとBは同点で、ぴたりと並んだ。このとき、東1局の親(A)の天運が、削られていると感じるが、どうだろう。この後は、小場で進んだ。そして、オーラスである。
先にテンパイを入れたのは、南家(A)だった。

二万三万四万八万九万九万七索八索二筒二筒七筒八筒九筒  ツモ九万  ドラ二筒

理想は七万ツモのヤミテンだが、アガリでトップだから贅沢は言えない。

(南家の河)
西九筒 上向き中一索 上向き五索 上向き四筒 上向き
四万 上向き八万 左向き

待ちはソーズの裏筋だが、南家には自信があった。なぜなら、この六索九索が場に1枚も姿を見せていなかったからである。そのうち出るか、ツモと踏んだのだ。親も無筋を2牌通して、これに突っ張った。当然である。
満貫を打っても2着だし、引かれても2着なのだ。5巡後、親がツモ牌を引き寄せた。

一万一万一万六索六索九索九索四筒五筒六筒東東東  ツモ九索

親は直前に五索を切っていたから、マチがソーズならここが本線と見たのだ。三暗刻のおまけが付いて4,000点オールだ。これが、この半荘の結末である。
このように、「地運」は「天運」を動かすことがある。
Bの好判断は、危ないと感じてこの手をチーテンに掛けたことだ。

三万四万五万六万七万二索四索六索四筒五筒六筒八筒八筒  ドラ一万

これが、打ち手の感性である。いわばサバキ。
次が、ヤミテンのこれだ。

一筒二筒三筒三筒四筒五筒八筒九筒西西西北北  ロン七筒  ドラ六索

ツモの強弱で応手を変える、これも勝負の感性。リーチなら、アガリできたかどうか分らない。

この後、勝負は続いた。そのときのAとBの着順がこれだ。
② ③④③④(A)
① ①②②①(B)
着順に偏りが出ている。天運と地運が混じりあい、運が動いたのだ―。

この後、勝負を続けてもAは③と④が並び、Bには①と②の着順が並ぶことが予想される。好調だった天運は、崩れると意外に脆い。落ちると底なし。
比べて、卓上で掴み取った「地運」はそう簡単には崩れない。逆に勢いが増すのだ。これが天運と地運の違いである。

麻雀日本シリーズ2018 プレーオフ成績表

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越しプレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

【ルール】
30,000点持ち30,000点返し
順位点5,000-15,000
一発・裏ドラあり
その他WRCルールに準ずる

 

プレーオフ

順位 名前 予選合計 1回戦 2回戦 合計
1 平賀聡彦(RTDリーグ2017優勝) 154.1 ▲ 25.2 14.0 142.9
2 佐々木寿人(連盟会長推薦) 63.9 29.6 7.7 101.2
3 瀬戸熊直樹(連盟会長推薦) 30.5 ▲ 7.8 40.0 62.7
4 松ヶ瀬隆弥(RMUリーグチャンピオン) 68.1 ▲ 8.2 ▲ 4.7 55.2
5 ともたけ雅晴(第2回WRCチャンピオン) 2.5 10.2 22.3 35.0
6 白鳥翔(連盟会長推薦) 34.1 22.8 ▲ 51.0 5.9
7 多井隆晴(連盟会長推薦) 29.5 ▲ 23.9 ▲ 3.0 2.6
8 前原雄大(鳳凰位) 18.5 2.5 ▲ 25.3 ▲ 4.3

 

二次予選

順位 名前 一次予選合計 1回戦 2回戦 合計
1 平賀聡彦(RTDリーグ2017優勝) 142.0 ▲ 20.7 32.8 154.1
2 松ヶ瀬隆弥(RMUリーグチャンピオン) 48.3 ▲ 7.7 27.5 68.1
3 佐々木寿人(連盟会長推薦) 38.9 12.1 12.9 63.9
4 白鳥翔(連盟会長推薦) 32.6 ▲ 31.5 33.0 34.1
5 瀬戸熊直樹(連盟会長推薦) 18.3 22.2 ▲ 10.0 30.5
6 多井隆晴(連盟会長推薦) 28.1 26.8 ▲ 25.4 29.5
7 前原雄大(鳳凰位) 22.2 9.1 ▲ 12.8 18.5
8 ともたけ雅晴(第2回WRCチャンピオン) ▲ 0.9 28.8 ▲ 25.4 2.5
9 萩原聖人(連盟会長推薦) 9.4 ▲ 25.1 2.4 ▲ 13.3
10 井出洋介(将王) ▲ 0.3 ▲ 9.4 ▲ 8.5 ▲ 18.2
11 近藤誠一(連盟会長推薦) ▲ 22.0 ▲ 10.6 5.4 ▲ 27.2
12 村上淳(最高位) ▲ 16.1 6.0 ▲ 31.9 ▲ 42.0

 

一次予選

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 合計
1 平賀聡彦(RTDリーグ2017優勝) 28.9 44.5 ▲ 13.9 33.5 ▲ 11.0 60.0 142.0
2 松ヶ瀬隆弥(RMUリーグチャンピオン) 33.6 2.3 ▲ 27.7 21.7 34.7 ▲ 16.3 48.3
3 佐々木寿人(連盟会長推薦) 31.9 21.2 ▲ 5.1 16.5 ▲ 30.5 4.9 38.9
4 白鳥翔(連盟会長推薦) 28.3 ▲ 12.9 6.0 36.1 ▲ 33.5 8.6 32.6
5 多井隆晴(連盟会長推薦) ▲ 9.9 2.3 ▲ 8.4 2.0 4.5 37.6 28.1
6 前原雄大(鳳凰位) ▲ 18.6 ▲ 13.1 ▲ 24.2 41.5 45.9 ▲ 9.3 22.2
7 瀬戸熊直樹(連盟会長推薦) 6.6 ▲ 29.9 30.7 32.5 6.7 ▲ 28.3 18.3
8 萩原聖人(連盟会長推薦) 29.5 ▲ 6.5 2.2 4.3 6.0 ▲ 26.1 9.4
9 井出洋介(将王) ▲ 41.4 8.3 ▲ 6.3 9.7 27.0 2.4 ▲ 0.3
10 ともたけ雅晴(第2回WRCチャンピオン) 8.8 37.4 ▲ 36.0 ▲ 12.7 ▲ 9.7 11.3 ▲ 0.9
11 村上淳(最高位) 36.2 ▲ 11.3 ▲ 13.7 ▲ 24.3 ▲ 34.8 31.8 ▲ 16.1
12 近藤誠一(連盟会長推薦) 23.8 ▲ 5.9 ▲ 30.5 ▲ 28.5 31.9 ▲ 12.8 ▲ 22.0
13 金太賢(2017最強位) ▲ 30.2 ▲ 18.3 26.4 ▲ 30.4 ▲ 8.5 26.3 ▲ 34.7
14 勝又健志(連盟会長推薦) 15.0 ▲ 12.2 ▲ 21.4 ▲ 27.3 ▲ 0.1 ▲ 10.6 ▲ 56.6
15 沢崎誠(麻雀日本シリーズ2017優勝) ▲ 28.4 ▲ 40.9 ▲ 12.4 ▲ 25.2 ▲ 50.6 ▲ 29.9 ▲ 187.4
16 藤崎 智(十段位) ▲ 30.2 6.4 ▲ 23.8

※藤崎智は肺炎のため辞退になりました。

麻雀日本シリーズ2018 第6節レポート 黒木 真生

100

 

 

プレーオフの進出者が決まった。
1位通過は、予選からほとんど首位の座に座りっぱなしだった平賀聡彦プロ。とは言っても「その座を守った」のではなく、その座を狙っていない相手の首根っこを捕まえてハンマーで殴打するような、ド迫力の闘牌を続けた結果がこれなのだ。まさに「攻撃は最大の防御」である。
夏目坂スタジオの裏方スタッフの間にも平賀ファンが増え始めている。それぐらい、凄い攻撃を見せ続けてきた。
プレーオフも変わらず「相手を倒す」ことに専心して、「強い平賀のまま決勝へ突入してもらいたい。

2位は松ヶ瀬隆弥プロ。現在の風貌は得点表の写真とは全然違っていて、ほとんどアメリカ人プロレスラーの様相を呈しているのだが、麻雀は実は繊細な部分もあり、攻め一辺倒というわけではない。
もちろん、攻撃に転じた際の迫力は満点なのだが、平賀プロを超攻撃型と分類するなら、松ヶ瀬プロは「攻撃型」と言えるだろう。

第3位の佐々木寿人は平賀プロに匹敵する「超・攻撃型」だ。
やっぱりプロは攻めてナンボ。一般人が打てないような超危険牌を平気な顔をして打ち抜くから驚くわけで、驚くからこそ観ている人の心が動く。
麻雀の打牌で「感心」させることは比較的容易だ。上手な人の麻雀を見れば、誰も「うまいなぁ」と「感心」するだろう。
だが、打牌で人を驚かせたり、笑わせたり、泣かせたり、怒らせたりできる人はなかなかいないが、そういう人こそ、私はプロとして価値があると思っている。

いま、上位3名をご紹介したところで気づいたのだが、プレーオフ進出者8名のほとんどが「攻撃型」と「超・攻撃型」に分類されるタイプの打ち手たちなのである。
平賀プロ、佐々木、前原雄大は言わずもがなの「超・攻撃型」である。松ヶ瀬プロ、瀬戸熊直樹、ともたけ雅晴は「攻撃型」。ともたけは打点力が凄さで迫力を感じさせるが、佐々木や前原、平賀プロほど無理な体勢から踏み込んでは行かない。
白鳥翔と多井隆晴プロは「バランス型」だ。
おそらく、「超・攻撃型」と「攻撃型」の6名は、ほとんどが「攻め」という選択肢をとってくると思われるので、勝負のキーを握るのは、白鳥と多井プロの2人の「バランス型」の対処方法だと思う。
相手に合わせて攻撃にシフトするのか、それとも逆に守りを固めて決勝へと生き抜こうとするのか。
そこが焦点になりそうな気がしている。

惜しくも敗退したのは、萩原聖人。井出洋介プロ、近藤誠一プロ、村上淳プロ。
11位の近藤プロでさえ、8位のともたけと30ポイントもついておらず、本当に全員が全員、接戦での惜敗であった。12位の村上プロは1人大きく離されているように見えるかもしれないが、これは勝負の展開の結果そうなったものである。あるところで優勝の可能性がなくなると、特殊な打ち方をせざるを得なくなり、それによってマイナスが大きくなることがある。あくまでも全員が「8位以内」を目指した結果であり、敗者の順位に優劣はない。

次は決勝を賭けた8名の戦いとなるが、ポイント差はあってなきが如し。「ポイント差がこれだけだからこう打つ」といったチマチマしたことを考えていては大きな波にさらわれる。
麻雀打ち同士が意地を張り合い、力と技がぶつかり合う。そんなプレーオフになること間違いなしである。

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越しプレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

【ルール】
30,000点持ち30,000点返し
順位点5,000-15,000
一発・裏ドラあり
その他WRCルールに準ずる

 

二次予選

順位 名前 一次予選合計 1回戦 2回戦 合計
1 平賀聡彦(RTDリーグ2017優勝) 142.0 ▲ 20.7 32.8 154.1
2 松ヶ瀬隆弥(RMUリーグチャンピオン) 48.3 ▲ 7.7 27.5 68.1
3 佐々木寿人(連盟会長推薦) 38.9 12.1 12.9 63.9
4 白鳥翔(連盟会長推薦) 32.6 ▲ 31.5 33.0 34.1
5 瀬戸熊直樹(連盟会長推薦) 18.3 22.2 ▲ 10.0 30.5
6 多井隆晴(連盟会長推薦) 28.1 26.8 ▲ 25.4 29.5
7 前原雄大(鳳凰位) 22.2 9.1 ▲ 12.8 18.5
8 ともたけ雅晴(第2回WRCチャンピオン) ▲ 0.9 28.8 ▲ 25.4 2.5
9 萩原聖人(連盟会長推薦) 9.4 ▲ 25.1 2.4 ▲ 13.3
10 井出洋介(将王) ▲ 0.3 ▲ 9.4 ▲ 8.5 ▲ 18.2
11 近藤誠一(連盟会長推薦) ▲ 22.0 ▲ 10.6 5.4 ▲ 27.2
12 村上淳(最高位) ▲ 16.1 6.0 ▲ 31.9 ▲ 42.0

 

一次予選

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 合計
1 平賀聡彦(RTDリーグ2017優勝) 28.9 44.5 ▲ 13.9 33.5 ▲ 11.0 60.0 142.0
2 松ヶ瀬隆弥(RMUリーグチャンピオン) 33.6 2.3 ▲ 27.7 21.7 34.7 ▲ 16.3 48.3
3 佐々木寿人(連盟会長推薦) 31.9 21.2 ▲ 5.1 16.5 ▲ 30.5 4.9 38.9
4 白鳥翔(連盟会長推薦) 28.3 ▲ 12.9 6.0 36.1 ▲ 33.5 8.6 32.6
5 多井隆晴(連盟会長推薦) ▲ 9.9 2.3 ▲ 8.4 2.0 4.5 37.6 28.1
6 前原雄大(鳳凰位) ▲ 18.6 ▲ 13.1 ▲ 24.2 41.5 45.9 ▲ 9.3 22.2
7 瀬戸熊直樹(連盟会長推薦) 6.6 ▲ 29.9 30.7 32.5 6.7 ▲ 28.3 18.3
8 萩原聖人(連盟会長推薦) 29.5 ▲ 6.5 2.2 4.3 6.0 ▲ 26.1 9.4
9 井出洋介(将王) ▲ 41.4 8.3 ▲ 6.3 9.7 27.0 2.4 ▲ 0.3
10 ともたけ雅晴(第2回WRCチャンピオン) 8.8 37.4 ▲ 36.0 ▲ 12.7 ▲ 9.7 11.3 ▲ 0.9
11 村上淳(最高位) 36.2 ▲ 11.3 ▲ 13.7 ▲ 24.3 ▲ 34.8 31.8 ▲ 16.1
12 近藤誠一(連盟会長推薦) 23.8 ▲ 5.9 ▲ 30.5 ▲ 28.5 31.9 ▲ 12.8 ▲ 22.0
13 金太賢(2017最強位) ▲ 30.2 ▲ 18.3 26.4 ▲ 30.4 ▲ 8.5 26.3 ▲ 34.7
14 勝又健志(連盟会長推薦) 15.0 ▲ 12.2 ▲ 21.4 ▲ 27.3 ▲ 0.1 ▲ 10.6 ▲ 56.6
15 沢崎誠(麻雀日本シリーズ2017優勝) ▲ 28.4 ▲ 40.9 ▲ 12.4 ▲ 25.2 ▲ 50.6 ▲ 29.9 ▲ 187.4
16 藤崎 智(十段位) ▲ 30.2 6.4 ▲ 23.8

※藤崎智は肺炎のため辞退になりました。

第13期女流桜花 Aリーグ 最終成績表

 B C

第12期女流桜花
仲田 加南
出身地(神奈川)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 石田 亜沙己(愛知) 33.3 8.9 ▲ 58.2 63.1 31.7 ▲ 17.8 69.5 130.5
2 魚谷 侑未(新潟) 11.8 71.7 ▲ 16.0 8.9 2.0 ▲ 26.0 68.2 120.6
3 中野妙子(高知) 80.0 ▲ 30.3 ▲ 36.8 9.0 64.0 ▲ 16.5 20.8 90.2
4 清水 香織(栃木) 62.4 60.4 28.2 ▲ 78.1 ▲ 18.2 23.9 ▲ 8.9 69.7
5 松岡 千晶(東京) 2.3 4.1 25.2 55.0 ▲ 52.6 40.7 ▲ 10.7 64.0
6 和泉 由希子(東京) ▲ 10.1 ▲ 18.0 39.0 6.0 24.4 29.9 ▲ 11.5 59.7
7 内田 美乃里(神奈川) ▲ 11.1 26.6 79.0 40.8 ▲ 31.8 3.1 ▲ 79.6 27.0
8 斉藤 理絵(東京) ▲ 18.2 29.4 23.2 17.5 0.9 13.3 ▲ 48.8 17.3
9 稲岡 ミカ(大阪) ▲ 1.3 ▲ 6.6 29.0 19.2 12.1 ▲ 8.7 43.7
10 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.0 10.2 ▲ 9.7 ▲ 13.0 1.2 ▲ 11.0 41.7
11 武石 絵里(東京) 5.8 ▲ 10.3 42.3 ▲ 38.4 18.0 17.0 34.4
12 中山奈々美(長野) ▲ 43.8 11.4 ▲ 6.5 27.6 5.5 26.4 20.6
13 二階堂 瑠美(神奈川) 13.9 ▲ 14.7 57.5 ▲ 32.8 ▲ 21.1 15.1 17.9
14 美波 智子(埼玉) ▲ 53.8 23.0 ▲ 12.8 ▲ 43.1 0.7 23.2 ▲ 62.8
15 吾妻さおり(東京) ▲ 6.8 ▲ 55.7 ▲ 44.8 35.1 ▲ 50.3 57.9 ▲ 64.6
16 童瞳(上海) ▲ 28.3 12.0 ▲ 17.4 1.9 9.7 ▲ 55.3 ▲ 77.4
17 安田麻里菜(秋田) 9.8 ▲ 9.1 ▲ 31.8 ▲ 73.3 31.0 ▲ 5.2 ▲ 78.6
18 菅原 千瑛(埼玉) ▲ 39.0 ▲ 23.0 ▲ 46.9 36.6 15.4 ▲ 31.6 ▲ 88.5
19 藤井すみれ(埼玉) ▲ 58.1 ▲ 19.6 28.7 ▲ 30.8 ▲ 38.5 ▲ 67.8 ▲ 186.1
20 蒼井 ゆりか(静岡) ▲ 14.8 ▲ 76.4 ▲ 72.2 ▲ 11.2 ▲ 7.1 ▲ 12.6 ▲ 194.3

第142回:中級講座『2フーロに放銃するべからず。』 浦田 豊人

連盟公式ルールに的を絞った中級講座も、今回で4回目となりました。

前回は鳴くか鳴かないかの「鳴き判断」について書かせて頂きました。
今回は逆に鳴かれた側の視点にたって、どう対応していくかを書いてみたいと思います。

麻雀において、相手の手が一番読みにくいのはどんな時でしょうか?
やはり「ダブリー」でしょうか?
ダブリーでなくても早いリーチなどはヒントが少なく、手役も待ちも読みにくいものですが、これが仕掛けとなると話が違ってきます。
推理しなくても1フーロで3枚、2フーロで6枚も労せずに相手の手を見る事が出来て、狙っている手役もそこから自ずと分かりやすくなってきます。
そんなリーチに比べてヒントが多い「鳴き」ですので、相手に仕掛けられた時は、しっかりと読みを入れて、無用に振り込まないようにしていくべきです。
そして、振り込まないだけでなく、打てる牌は読みを入れてしっかりと打っていき、無駄にオリに向かわず、ギリギリまでアガリを目指さなくてはいけません。

「2フーロに放銃するべからず。」

これが私の連盟公式ルールにおけるテーマの1つです。
1フーロならいざしらず、2フーロで放銃するのは、プロとして覚悟の勝負牌以外では避けなければならないと思っております。
それでは、その「鳴き読み」について、何項目かに分けて説明していきます。

 

●鳴き読み其の一
「1つ目の鳴き=手役確定」

1つ目に仕掛けた部分が手役を確定し、手役そのものを意味するもの、という事です。
例えば二筒三筒四筒と仕掛けたら、234の三色狙いを確定させた、という事です。
もし一筒二筒三筒でしたら、三色狙いは勿論、ピンズの一通やチャンタ系でいくと決めたもの、という事です。
人はどうしても不安定を無意識に嫌い、安定を目指してしまいます。
麻雀もまたしかりで、出来る限り後付けや片アガリといった不安定な仕掛けは避けようとします。
なので初動の仕掛けには、どうしても「自分が狙うべき手役」を確定するところから入ってしまいます。
そうは言っても麻雀には色々なバリエーションがあるため、1つ鳴かれてもそこまで決めきれないものですが、この中級講座アドバイスとして、一旦決めつけてしまう事にしましょう!

◯仕掛けが二筒三筒四筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒六筒七筒八筒の場合

下家が私の捨てた三筒に反応し二筒三筒四筒と仕掛けました。
ハイ!それでは三色と決めつけます。
とすれば、下家に警戒すべきは残りのマンズとピンズの2~4の牌となりますが、これが「三色単独役」なのか、それとも「三色複合役」なのかで、警戒する牌が少しずつ変わってきます。

「役牌暗刻」と複合されている場合はどうでしょう?

二万三万三索四索六筒七筒八筒西中中中  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き

その時の警戒範囲は「2~4の全ての数牌」となり、場合によっては「1~5」の広範囲となります。
先ずは相手に役牌暗刻があるかを推察しましょう。
面倒そうかもしれませんが、役牌は全部で4~5種類しかありません。
(三元牌、場風牌、自風牌)
鳴かれた時点で場に既に2枚以上見えている役牌もあり、また自分の手牌で持っている牌もあったりして、比較的残りを推察しやすいものと思われます。
これは仕掛けの話のみならず、常日頃第一打目から「相手の役牌暗刻」の可能性を一つずつ潰ししていくクセをつけていきましょう。

次に最も多いのが、「タンヤオと鳴き三色」の複合。
ドラも絡めば3,900点になるので、連盟公式ルール的にも比較的仕掛けやすい複合役と言えましょう。

三万四万六万六万三索四索四索六筒七筒八筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き

この場合も「2~4の数牌」と広範囲で要警戒ですが、役牌暗刻と違うのは、タンヤオ志向のため、残った他の色の形が「23」といった、端にかかっている形にはなっていない事が推察され、当たり前ですが、「端牌1」は警戒から除外出来ます。

そして単独役、つまり三色だけの場合ですが、この場合は一気に範囲が狭められ、警戒すべき牌は「カンチャンの3のみ」という事になります。

二万四万二索三索四索六筒七筒八筒九筒九筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き

上記は234の三色狙いですが、片アガリはしない前提なので、マンズとソウズの2と4の待ちは無いと考えられます。
そうなれば待ちは「カンチャン確定」という事になり、カン三万とカン三索が最も警戒すべき牌となります。
こんな時に下家に三万または三索を切る時は、自分に勝算のあるテンパイで、アタリを覚悟しての勝負牌となります。

◯仕掛けが四筒五筒六筒の場合

この時も勿論三色で確定させた鳴きの可能性もありますが、456で鳴いた場合は三色の他に「一通確定鳴き」の可能性があります。

二万二万八索八索八索一筒二筒七筒八筒九筒  チー五筒 左向き四筒 上向き六筒 上向き

一通の場合の警戒牌は「2、3、5、7、8の数牌」となり、
「1、4、6、9の数牌」は逆に通せる牌となります。
理由は先でも述べましたが、片アガリの手で待たない前提であれば、残った待ちはカンチャンかペンチャンという事になり、そうすれば上記の「1、4、6、9」では待っていない理屈となります。
このように折角相手の手役を読んで、テンパイを察知したからといって、何でもかんでも止めれば良いというものではなく、守備に回っていても通せる牌はある、という事を知るべきであります。

◯仕掛けが一筒二筒三筒(または七筒八筒九筒)の場合

この時が一番厄介です。
三色、一通、そしてチャンタ系と色々と考えられるからです。
勿論、役牌暗刻の可能性もあります。
なので、この時は仕掛けた人の捨て牌とドラ牌、そして役牌の残り枚数などを見て、手役を判断していかねばなりません。
ただ同じく言える事は、役牌暗刻以外はいずれにせよやっぱりこの「一つ目の鳴きで手役を確定させにいっている」という事なのです。

 

●鳴き読み其の二
「トイトイに初動ソバテンあり」

もし相手の手役をトイトイと読んだならば、はじめにポンをして打牌したソバテンを警戒せよ、という意味です。
例えば相手が6巡目に九万をポンして、捨て牌が三筒、その後もしトイトイ狙いと推察したのならば、待ちは二筒四筒の可能性が浮かび上がってくる、という事です。

例えば下記のような手

西家 6巡目 ドラ一索

九万九万七索八索二筒二筒三筒七筒北北北中中

トイトイはどちらかというと最初から狙っていく手役ではなく、普通に手を進めていくうちに牌が縦に重なってきて、七対子を意識するようになり、1つ暗刻が出来たり、役牌がトイツになった時に、トイトイを狙いにいく事が多いものと思っております。

それで場にポン材が出て、「トイトイに決めた!」と決断するわけですが、上記の手で九万をポンした時に、人は何故か孤立牌の七筒ではなくて、トイトイに関係のない両面ターツの七索八索でもなく、先ず三筒を切る人が多く見受けられます。
これは三筒の出が遅ければ遅い程、そのソバを警戒されてしまうという心理が働き、少しでも早く処理しようと思うからであります。
また、なかなかテンパイせずに一筒四筒なんかを持って来た時に、形式テンパイを取りに行きたくなる誘惑にかられないためにも決め打っておく、という人もいるかもしれません。
なので、自分の手が下記のようになって、

五万六万一索二索三索二筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒

どちらかを切る場合は、八筒を切る事をオススメします。
騙されたと思って、「初動ポンのソバテン」を止めてみて下さい。

 

●鳴き読み其の三
「中盤からの一筒九筒連打は一通くずれのタンヤオ」

ダンピン系の捨て牌で中張牌も切られはじめたのに、突然手出しで「一筒九筒が順番」に切られていく捨て牌があります。
こんな時は「一通くずれ」を警戒し、その色のタンヤオ牌が待ちになっている可能性が高い、という事です。

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き

ドラ西

捨て牌
九索 上向き北中二索 上向き八万 上向き六索 上向き
一筒 上向き九筒 上向き(チー)五万 上向き

こんな感じの時は手の中に三筒四筒があって、待ちになっているケースが考えられます。
二筒三筒四筒のメンツは完成していない事が多いです。
もし完成しているのであれば、そのまま一通を目指している時が多いからです。
なので、メンツでなくターツの二筒五筒待ち、またはカン三筒待ちが残っている、と読めます。

 

●鳴き読み其の四
「『スライド』を読め。」

鳴きの読みとしましては、「スライド」も非常に有効となります。
例えば手の内に一筒二筒三筒の出来メンツがあるところに、四筒を持って来た時に一筒と振り替える、これがスライドであります。
面前でもこのスライドは読みには重要ですが、鳴き読みの時にもより効果を発揮します。

下家が下記の仕掛けを入れています。

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ポン白白白

ドラ一索

捨て牌は
西発九万 上向き二索 上向き一筒 上向き七索 上向き
七万 上向き二万 上向き七索 上向き

ドラは一索で、二索が早々に切られている事からとドラはトイツ以上の可能性もあり、振り込めば3,900点以上の覚悟が必要。
放銃したくはないが、待ちが絞りにくい捨て牌であリます。
ここから下家は「何か」をツモって、手の内から一筒を切って来た。
後述しますが、これはかなりの確率でスライドの可能性大であり、恐らく四筒をツモり、手の内の一筒と振り替えた模様。
とすれば二筒三筒四筒と持っているので、二筒三筒四筒五筒六筒の形は考えられず(フリテンになるため)
、という事は四筒七筒は通るということになります。
二筒三筒も比較的通りやすいので、ピンズは捨て牌に一筒しか捨てていないにもかかわらず、二筒三筒四筒七筒は通るということになります。
そしてドラトイツと読めば、

二索二索二筒三筒四筒牌の背牌の背  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ポン白白白

と、2枚以外は見透かしている事になります。
これは大きい。
実戦は勿論こんな簡単には見透かせないかもしれないが、スライドを見抜く事は鳴き読みには心強いものになり得ます。

それでは、どんな時がスライドと思われるのでしょう?
色々なケースが考えられますが、捨て牌の順番として「不自然な牌」が出てきたら、スライドの可能性有りと推察します。

【ケース1】
手の内から切った牌によって、捨て牌にメンツが出来た場合。

例えば手出しが二筒で、下記の捨て牌の時。

九万 上向き北中二索 上向き一筒 上向き三万 上向き
五万 上向き中三筒 上向き六索 上向き八万 上向き二筒 上向き

5巡目に一筒、少し間をおいて三筒、なのにまた二筒の手出し…?
こういう「手出しで、捨て牌にメンツ完成」させた時はスライド要注意です。
二筒三筒四筒とメンツ完成していたところに、五筒を持って来たので、二筒を切ってスライドさせたのかもしれません。

【ケース2】
数巡前に切ってある牌(もしくはそのスジ牌)を、手の内から切ってきた場合。

例えば手出しが二筒で下記の捨て牌の場合

九万 上向き北中二筒 上向き二索 上向き三万 上向き
七筒 上向き五万 上向き中六索 上向き八万 上向き二筒 上向き

序盤に二筒を切ってあるのに、終盤に差し掛かる12巡目にまた二筒の手出し…。
これもスライドの匂いがしますね。

【ケース3】
終盤の不自然な「一筒九筒」「二筒八筒」切り

これもスライドを疑います。
ダンピン系の捨て牌は
「一九→オタ風→二八→不要な中張牌または役牌」と、だいたいこんな感じで順番に切られていくかと思いますが、この後に何故か手出しで「一筒九筒」、「二筒八筒」が中盤以降で突然切られると、不自然に感じられます。
必ずしもスライドばかりとは限りませんが、一応可能性はありえると言えましょう。

 

●鳴き読み其の五
「最終手出しが完全安全牌なら待ちは充分形」

仕掛けを入れた人が、数巡後に場に3枚切れている完全安全牌の西を手出しで切って来たとしましょう。
「あー、テンパイしたんだな…。」
と、先ずは思われる事でしょう。
こんな時の手の内は「リャンメンの充分形」が待ちになっている事が多い、と推察されます。
1シャンテンの時に完全安全牌を持てる余裕がある
→つまり「リャンメン+リャンメン」になっている事が多く、その前に切られている「マタギ筋」が最も危険筋と言えましょう。

牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き  ポン中中中

ドラ三筒

捨て牌
一万 上向き北九筒 上向き二筒 上向き二索 上向き三万 上向き
四索 上向き東八筒 上向き西

この西が手出しとします。
ドラが三筒なので二筒二筒三筒からドラが出ていかないように二筒を一枚先切りするケースも充分考えられます。
また、テンパイ打牌でソバテンを見抜かれたくないため、三万三万四万から受け入れ枚数を狭めてでも先に三万を切るタイプもいます。
なので、上記の状況では一筒四筒待ち、二万五万待ちを警戒すべきであります。
私はこんな場面で、いとも簡単にあっさりと一筒を切って振り込むケースをいっぱい見て来ました。
分かっていて尚且つ覚悟して打つのならば全然構わないのですが、さして勝負してないのに切ってしまうのは勿体無いですね。
また、それとは逆に完全安全牌が切られて、更に手出しが入った場合は「愚形の待ち」の可能性が考えられます。
そんな時は「もしかしたら安全牌を持つ余裕がなかったのかなぁ?」
と疑ってみましょう。

 

●鳴き読みその六
「北家は親と一緒にノーテン」

これまでの読み其の一~五を実行するにあたり、特に大事な「子」は誰でしょう?と聞かれたら、
それは「北家」の方と答えるでしょう。
麻雀を深く知っていくと、子の南家・西家・北家の役割が違う事に気付いてきます。
特にその中でも北家の役割は大事であります。
親の大連荘を許してしまう原因として、誰かがかわし手をちゃんと入れずにのんびり手作りしたケースが考えられますが、
「北家の親に対する絞りが甘い。」時にも親の爆発を起こしてしまう原因の1つになります。
なので北家は連荘阻止のためのキーマン的存在であり、アガリが見込めそうでない場合の中盤以降は、親に対してしっかりと絞っていくべきで、「親を道連れにして、一緒にノーテンになる」自己犠牲の精神も持ち合わせていなければなりません。

東3局 東家 ドラ八万
牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背牌の背  ポン東東東

捨て牌
南一索 上向き九筒 上向き五万 上向き二索 上向き四索 上向き
中七索 上向き五筒 上向き七索 上向き三万 上向き西
中三筒 上向き一万 上向き六筒 上向き

北家の手牌
四万八万九万九万八索九索四筒四筒七筒七筒八筒白白

親がダブ東をポンしており、12巡目の完全安全牌の西を手出ししてからはオールツモ切りで、いかにもテンパイしていそう。
北家は途中ドラの八万を持って来たので、受けを余儀なくされて、残り2巡となったところで残念ながら安全牌が切れてしまう。
どうしようと思ったところに、上家の西家が九万を切る。
「良かった~。これであと2巡凌げる。」と九万をトイツ落としに入る。
するとテンパイしていたと思っていた親が「チー!」
失敗したと思っても後の祭り。
苦しいけれど、こんな時こそ北家の見せ所。安全牌は無くとも九万以外を探して、しかもテンパイしていると思われる西家にもケアをして、死に物狂いでオリの牌を探さねばなりません。
実に北家は辛い位置なのです…。

 

●鳴き読み其の七
「『何を鳴かなかった』から待ちを外す。」

何を鳴いたかも大事ですが、何を鳴かなかったかも、読みとしては非常に重要な材料となり得ます。

例えば役牌を仕掛けた人の対面が三万を切り、「その直後に何かをポン」して、同じく三万を切ったとします。
そんな時はソバテンの一万四万待ちや二万五万待ちといったマタギ筋は、待ちとして無い、という意味です。
単純な話ですが、マタギ筋があるとすれば、二万三万三万三万三万四万といった形があるという事になり、何かをポンしてテンパイに取った以上、その形であれば先に三万を鳴いているはずなので、つまりマタギ筋が無いと読めます。
ソバテンなのでついつい止めてしまいがちですが、こんな時こそ「マタギ筋無し」と自信を持ってマンズ周りを切っていきましょう。

以上、今回は七項目にわたって「鳴き読み」を説明させて頂きましたが、上記の項目以外でも鳴きには大小さまざまなヒントが隠されていて、そこから看破していく事が出来ます。
皆さんも自分のオリジナルを是非発見してみて下さい。

という事で、本日最後に鳴かれた時の「自分の構え」をフローチャートにしてみました。

【自分の構え】
鳴いた人の「手役」は何か?

「本手」か「かわし手」か?

鳴いてから「手出し」を凝視。

2枚目を鳴いた時点で、残り7枚をイメージ、待ちも同時にイメージ。

何でもかんでも抑えずに、打てる牌はしっかりと打ち抜く。

こんな感じです。

「2フーロに放銃するべからず。」

明日からの「鳴き読み」に少しでもお役立て下さい。

次回も邪道戦法は続きます。
お楽しみに~。

第31期中部プロリーグ 第8節レポート

Aリーグ:村瀬寛光

さて第8節も見所満載の結果となり、その中でも特に印象的だった選手・対局をご紹介しよう。
※今節より林が欠場となったため、最終節まで5人打ちに変更となった。

2卓 朝岡・土岐・三戸・清水・都築
暫定4位の三戸と5位の土岐が直接対決の好カード。三戸は中部プロリーグ第11期生で副本部長を務めており、これまで15回決勝進出経験を持ち、優勝4回と抜群の実績を誇る。
対する土岐は25期生ではあるがAリーグ在籍年数は8年目と長く、その実力は誰もが認める存在の選手だ。
序盤からアガリを重ねていく三戸を3者が追う形となり、南3局まで三戸の1人浮きでこのまま逃げ切るかと思われたが、僅差で迎えたオーラスに親の清水が2,000オールをツモり、見事トップを勝ち取った。

2回戦は都築、3回戦は朝岡がトップと分けて迎えた4回戦。
好きな手役が七対子と公言する都築が、それを証明するかのように七対子を何度もアガる展開に。

卓内トップの決め手となった1局がこちら。
南一局3本場、親の都築は清水からリーチを受けて下記の牌姿。

五索五索六索六索七索七索三筒五筒五筒六筒六筒八筒九筒九筒  ドラ九筒

清水の捨て牌からはピンズが高く、どちらが当たっても不思議ではない状況で選んだ待ちは三筒、直後に清水が八筒を掴み9,600で6万点越えに到達。受けに回っての打牌選択が功を奏した結果だったと振り返っていた。

最終5回戦、都築33,600、三戸30,700、朝岡30,200、土岐25,500の点棒状況で最後の親で連荘を狙う三戸と、1人沈みになるとトータルマイナスは避けられない土岐がぶつかり合う展開に。

南3局、三戸に絶好のチャンス手が入りマンズのチンイツへと向かう。

二万三万五万六万六万七万七万九万九万九万  ポン八万 上向き八万 上向き八万 上向き  ドラ二万

1シャンテンだが巡目も早く、好形だったのでこれはアガリ切るかと思った瞬間、三戸が河に置いた一索に土岐から静かに「ロン」の声。驚いて手牌を見てみると、

一索二索二索三索三索五索六索七索八索八索西西西

土岐はじっと息を潜めてこの時を待っていたのだろう。私自身、テンパイ気配に気付かなかった。
南4局は朝岡のホンイツ仕掛けをさらっとかわし、七対子をツモアガリ。念願のトップを掴み取り暫定4位に浮上した。

対局終了後、土岐・都築の両者に次節以降に懸ける想いを聞いた。
土岐「受けに回ることが多かったが、手になった時に上手くアガリを拾えていたのが勝因に繋がった。最終節で決勝卓を狙える位置には居たいです」
都築「今までは降級しない様、意識して打っていましたが、今日大きなプラスで終われれば決勝も狙える位置だったので勝負所と決めて対局に臨みました。残り2節、上を目指して頑張ります。」

3卓 加藤・山本(拓)・日下・小野・寺戸
本卓で注目すべきは現在3位の小野に対して他者4人がどのように対応して行くかが焦点となるだろう。
1回戦から日下が軽快にアガリを重ね、次戦以降精神的にも楽になったであろう1人浮きのトップ。

2回戦は寺戸と日下が競り合う展開になるも勝利を掴んだのは寺戸。

3回戦は山本(拓)、4回戦は加藤と分け合い、小野はマークされた事で手痛い卓内での1人沈みを背負わされた形となってしまった。

5回戦目東1局、寺戸の手牌に注目した。

一万一万四万五万六万一索一索三索四索四索四索東東東  ドラ一万

ここから小考し選んだ打牌は一索一索は1枚切れでドラは見えていないが、その行方の結果は日下が二索を暗カン。痛恨の選択ミスかと思われたが、終盤二筒三筒と立て続けに引き見事テンパイ。

一万一万四万五万六万四索四索四索二筒三筒東東東

残り2巡で待ちは一筒が1枚、流局が頭をよぎった時「ツモ2,000・4,000」と寺戸の力強い声が響いた。
ここで少し寺戸について触れよう。21期生で雀風は「鳴きスタイルの攻撃重視型」で積極的に仕掛けやリーチで先手を取り、相手に圧力を掛けながら優位に場を進めていく。実績も中部・静岡プロリーグにおいて決勝12回進出、優勝が4回と三戸に引けを取らない実力者の1人。最終戦を勝利で飾り、しっかりとプラスにまとめて終えた。

4卓 森下・伊藤・古川・掛水・杉村
急遽、抽選の末に伊藤・掛水の上位対決が実現した。こういう予期せぬ事が起きた場合、何かしら事件の匂いがするという予感も見事的中。

3回戦東1局 起家は掛水。

一万一万一万三索三索四筒四筒南南南  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ドラ四筒

三索ツモの3,000・6,000で先手を奪う。流局を挟み、続く2本場。
伊藤が下記の手牌で先制リーチを掛ける。

三万三万三万四筒五筒五筒六筒六筒七筒東東南南  ドラ中

それと同時に呼び寄せられるかのようにキー牌が立て続けに埋まった掛水は真っ向勝負。

八索八索南南北北北中中中  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き

八索を引き当て一気に7万点越えに。この後も3者が勢いを止めに掛かるもすでに時遅し。
4本場、ドラを引いての4巡目リーチ。八索で伊藤から7,700出アガリ。

二万二万三万四万五万二索三索四索八索八索七筒八筒九筒  ドラ二万

最終的には10本場まで積み、驚異の13万点オーバーを果たした事で掛水はトータルポイント+261.8Pと決勝卓へ向けて盤石な体勢を築いた。

いよいよ中部プロリーグも終盤戦。栄光の決勝卓の座に就けるのは誰か?
同時に降級という厳しい結果を突きつけられる者は果たして…。残り2節、激闘のクライマックスはまだまだ続く。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 掛水 洋徳 ▲ 8.9 ▲ 3.5 39.7 54.1 ▲ 1.9 54.2 33.1 95.0 261.8
2 伊藤 鉄也 15.6 ▲ 33.6 ▲ 19.6 90.7 63.2 22.2 0.4 ▲ 18.4 120.5
3 小野 雅峻 73.1 32.5 3.8 12.4 ▲ 41.7 20.2 14.0 ▲ 35.9 78.4
4 土岐 雄太 17.8 21.3 15.7 ▲ 11.0 32.4 ▲ 15.3 ▲ 29.6 18.8 50.1
5 加藤 泰史 16.2 ▲ 25.5 45.0 ▲ 38.1 ▲ 17.4 ▲ 24.1 31.5 30.0 17.6
6 都築 友和 ▲ 14.2 5.8 2.8 ▲ 0.3 ▲ 63.9 40.6 ▲ 2.0 47.8 16.6
7 三戸 亮祐 5.4 3.3 5.3 33.1 34.3 ▲ 23.6 ▲ 10.3 ▲ 38.0 9.5
8 山本 拓哉 ▲ 86.7 19.8 ▲ 19.7 44.7 21.5 22.4 5.4 0.4 7.8
9 日下 健司 ▲ 40.1 ▲ 5.0 30.3 ▲ 7.4 20.0 2.1 ▲ 32.9 4.0 ▲ 29.0
10 寺戸 孝志 35.7 ▲ 18.6 23.6 ▲ 48.7 ▲ 64.9 ▲ 5.1 48.3 0.5 ▲ 29.2
11 朝岡 祐 22.1 ▲ 27.1 ▲ 25.3 ▲ 37.8 6.2 11.6 ▲ 5.6 ▲ 11.2 ▲ 67.1
12 森下 剛任 ▲ 7.4 18.6 ▲ 30.2 16.0 ▲ 8.7 ▲ 9.7 ▲ 2.8 ▲ 46.5 ▲ 70.7
13 清水 哲也 ▲ 9.0 ▲ 25.5 20.1 ▲ 4.2 ▲ 32.8 ▲ 8.9 ▲ 9.2 ▲ 17.4 ▲ 86.9
14 古川 孝次 ▲ 2.0 26.3 ▲ 52.8 ▲ 79.1 59.2 ▲ 20.1 ▲ 39.1 ▲ 39.3 ▲ 146.9
15 杉村 泰治 ▲ 30.9 ▲ 3.5 ▲ 27.4 ▲ 39.2 ▲ 28.6 ▲ 27.3 ▲ 30.1 9.2 ▲ 177.8

 

 

Bリーグ:村瀬寛光

いよいよ秋も深まり夜寒を覚えるこの頃、折り返し地点を迎えターニングポイントとも呼べる後期第3節の幕が開けた。この節の結果如何で今後の目標が大きく変わってくるだろう。

5卓 青山・大滝・岡田・田村
岡田・大滝の両名は降級圏内に居るため、なんとしても大きいプラスが欲しい所だがその分リスクを背負わなければいけない厳しい状況下でどのように対応していくかに注目した。
1回戦目は気負い過ぎたのか、大滝が3者から集中砲火を浴び、苦しい1人沈みスタート。逆に田村は前節に続き好調を維持しているように見えた。結果は1・3・3・1着とラスを引くことなく終えた田村が卓内トップに、2回戦以降は大滝が巻き返しなんとかプラスで終了。岡田は痛恨の連続ラスでさらなる負債を背負う事になった。

6卓 佐藤・斎藤・中谷・堤
現在1位の斎藤がどのように打ち切るかが楽しみであったが、序盤から持ち前の安定感抜群の打ち回しで終盤に崩れるも最小限のマイナスに抑えた。卓内トップは堤で+53.3Pと今節のトータルポイントでは1位。ここに来て昇級争いに名乗りを挙げた形となった。中谷は一気に降級圏内突入でかなりの苦戦が強いられる状況に。

7卓 金平・大町・安藤・高橋
今節1番の好カードだったのがこちらの卓。2~5位までの直接対決のため、他者に対して大きくリードを広げること事が出来るからだ。1回戦目から大町が好調にアガリを重ねていく。2回戦では6万点に迫る大トップを掴み、これが決定打となり暫定1位の座に急浮上。安藤も最終戦こそラスとなってしまったが、前半の貯金を守りきり昇級へ向けて値千金のプラスを勝ち取った。
金平・高橋は9位、4位に甘んじる結果となったが次節以降もまだまだチャンスはある。引き続き注目して行きたい。

8卓 太田(充)・富村・大橋・木村
木村・大橋はここでプラスを重ねて昇級圏内に弾みを付けたいところだが果たして結果は…。
序盤から木村・大橋・太田(充)でアガリを分けるかのような展開に、富村がポイントを大きく削られる形となった。太田(充)はプラスで終えたものの今期は4名が降級対象となるため、まだまだ降級圏内から完全に脱出したとは言えず、次節以降もその重圧と戦って行かなければならない。木村・大橋はプラスで終えた事で昇級の可能性を残しただけに、残り2節をどう戦っていくか楽しみである。

現状でプラス圏内が10位までとその差は90ポイント強だけに、プラス組は当然昇級を視野に入れ上だけを向いて臨んでいくに違いない。だが降級ボーダーは▲81.7と4回戦すべてラスを引かされた場合、充分に現実的な数字でもある。今後はいかにその日の態勢を見極め、的確な場況を読む洞察力が勝敗を分け、1局毎にその判断を迫られる事となるだろう。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 大町 篤志 52.5 ▲ 9.3 44.9 88.1
2 斎藤 寛生 44.1 42.5 ▲ 3.8 82.8
3 安藤 大貴 78.0 ▲ 33.0 15.7 60.7
4 高橋 侑希 21.5 57.1 ▲ 23.1 55.5
5 田村 良介 ▲ 19.1 23.6 42.4 46.9
6 堤 文吾 4.0 ▲ 21.8 53.3 35.5
7 大橋 幸正 11.5 5.5 10.9 27.9
8 青山 大 39.1 ▲ 11.5 ▲ 2.3 25.3
9 金平 裕樹 32.3 13.7 ▲ 37.5 8.5
10 木村 東平 ▲ 30.0 31.1 4.1 5.2
11 太田 充 ▲ 68.1 24.4 18.9 ▲ 24.8
12 佐藤あいり ▲ 24.5 ▲ 50.0 19.7 ▲ 54.8
13 富村 つぐみ 0.2 ▲ 48.0 ▲ 33.9 ▲ 81.7
14 中谷 彰吾 ▲ 28.9 0.3 ▲ 69.2 ▲ 97.8
15 大滝 聡 ▲ 36.5 ▲ 81.8 4.0 ▲ 114.3
16 岡田 智和 ▲ 77.1 3.2 ▲ 44.1 ▲ 118.0

 

 

●Cリーグ:長谷川 弘

第31期中部プロリーグCリーグも第3節を迎え、いよいよ佳境に入った。
第3節はその結果次第で、残りの節の目標設定にもかかわる重要な節である。
各対局者とも、それぞれの現時点までの累計スコア、順位等に的確にフォーカスした対局を行うことができただろうか。

前節まで首位を走る越川は今節も更にスコアを伸ばし、その座を堅持した。
「対戦相手と自身の状態を秤にかけ、目に見えないバランスに従い、それらを素直に信じ、選択に反映させる」。その言葉通り、彼の一打一打には非凡な皮膚感覚で察知したような強い意志を感じる。また、余念なく、丹念に周到に準備し、怠ることなく稽古を積み重ねてきたことも想像に難くない。

太田峻也も堅調な成績で、次節以降に昇級の望みを繋げられる順位に踏みとどまることに成功した。彼はいわゆる「かわし手」を駆使したり、無理に大物手を狙うことなく、自身の手牌の受けの広さに視点をしぼって対局に臨んでいるという。
対局内容からも丁寧な手組を心掛けていることが見て取れる。

浅野は連続昇級を視野に、現在の順位を考慮して、確実な累加を目指し堅実な対局を心掛けるも、狭い選択肢での決断とその結果に阻まれ、やや不満の残る成績に終わってしまったようだ。
自身を「大たたきを目指すタイプではない」と語り、繊細な戦術に重点を置く彼の視線は、既に今季の反省を踏まえた次節以降の対策に向けられている。

河合は「不調時の対応の未熟さや、先手を取られた場合に対する準備不足」を実感したと語った。
スコアを回復させ降級圏から脱却することは叶わなかったが、それらに目を向けることができたのなら、まだまだ様々な可能性に望みを繋げることはできるはずだ。

第3節は攻撃と防御のバランスの妙味を試される節ともいえる。
打撃を与えやすい距離は逆に攻撃を受けやすい距離でもある。
場況、見えない圧力等に翻弄されることなく、躊躇なくそこに飛び込めるだろうか。
意を決してそれらを行おうにも、やはりそこには負の結果に対する不安が立ちはだかる。
こと第3節ともなれば、なおさら守備の存在も色濃くなる。なぜなら一局一局の守備に留まらず、自身の順位に対する守備の要素も含まれてくるからだ。

対局はいつも決定的瞬間の連続だ。
思考、視点、心理、それぞれ照準を合わせるところに違いはあるだろう。
しかし、そこに微塵のブレもなければ、まだまだ道は開けるはずだ。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 越川 清一 69.4 44.6 35.1 149.1
2 山本 美文 ▲ 46.9 41.9 77.4 72.4
3 池沢 麻奈美 19.5 28.2 12.3 60.0
4 大高坂 松城 38.0 ▲ 0.3 14.6 52.3
5 若松 正和 35.5 ▲ 17.4 25.4 43.5
6 鈴木 涼太 ▲ 43.1 26.8 53.5 37.2
7 太田 峻也 35.3 ▲ 20.8 13.5 28.0
8 蓮池 浩太 ▲ 65.8 ▲ 3.9 77.6 7.9
9 岡本 丈司 33.4 ▲ 29.9 3.7 7.2
10 大西 義則 ▲ 45.7 24.1 14.4 ▲ 7.2
11 浅野 文雅 ▲ 6.0 ▲ 3.5 ▲ 18.3 ▲ 27.8
12 日高 志穂 15.2 ▲ 35.8 ▲ 15.8 ▲ 36.4
13 原田 知彦 ▲ 25.6 54.0 ▲ 102.3 ▲ 73.9
14 鈴木 雄介 16.2 2.7 ▲ 105.3 ▲ 86.4
15 杉浦 貴紀 11.6 ▲ 61.1 ▲ 70.3 ▲ 119.8
16 河合 慎悟 ▲ 46.0 ▲ 51.6 ▲ 65.5 ▲ 163.1

 

 

●Dリーグ:長谷川 弘

空高くなりつつある爽涼、第31期中部プロリーグDリーグ第3節が行われた。

昇降級のみの観点からいえば、Dリーグで戦う者の関心は昇級に偏りがちだろう。
ターニングポイントである第3節を迎え、各者ともそれぞれ現在のスコアからなすべきことを整理して対局に臨んだに違いない。

セキュアベースという言葉をご存じだろうか。
リスクを恐れず物事に挑み冒険し、挑戦を求める意欲とエネルギーの源となり、精神的な安定、安心感の拠り所になりうる人物、場所、あるいは目的や目標のことを指す心理学上の概念である。
攻撃と防御、繊細さとダイナミックさ、麻雀は常にそれら二重奏の旋律の上で戦わなければならない。即ちリスクと隣り合わせの冒険と挑戦を繰り返すゲームである。
では、どこに心の拠り所を置けばよいのか。それはやはり、「自己を確立させること」に尽きるのではなかろうか。
たとえ実力が紙一重ほどの差でも、やはり運否により結果が大きく左右されることもある。
それでも、それらに惑わされることのない強い自己が拠り所にあれば、自分を見失うことはないはずだ。
受け入れがたい結果が、むしろその先の強い活力源になることすら有り得る。

鈴木淳は自身のスタイルを「臆病な麻雀」と謙遜するが、結果がどちらに転んでも、浮かれることも引きずることもない。
麻雀を楽しむことが今期の好成績につながっているといみじくも語った。

近藤はリーグ戦では副露が課題に上ると自己分析するも、自身のスタイルを「攻めの麻雀」と表現する。自らをメンゼン派と称するなら、更なる攻撃力を備えて自身のスタイルを確立させてほしい。

加来も副露判断は要修正と語るが、生き生きとした対局姿勢は心地よい。それが今期の成績に結び付いたとポジティブに捉え、定着させてほしい。常にさまざまな条件を考慮して対局できるようになれば、伸び代は大いに期待できるはずだ。

卓上では、どんな些末な出来事でもそれらはすべて結果に結び付く。都度、自問自答し、自責の念に駆られ自分を見失いかけることもあるかもしれない。他者の進言、批評に耳を傾け、他山の石とすることも重要だが、素地をさらに磨き育むことを疎かにしないでほしい。
ある女子テニスプレイヤーのコーチは、彼女が偉業を達成する直前にこんな言葉をかけたそうだ。
「大丈夫、地球は丸く草は緑だ。全てうまくいく。」

Dリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木 淳 ▲ 29.2 101.4 ▲ 24.8 47.4
2 菅野 直 50.7 10.1 ▲ 8.7 52.1
3 山田 まさとし 43.1 ▲ 10.5 ▲ 12.6 20.0
4 後藤 咲 1.7 18.2 ▲ 2.2 17.7
5 羽川 えりか ▲ 6.1 2.8 ▲ 53.9 ▲ 57.2
6 近藤 美香 34.8 ▲ 55.8 18.2 ▲ 2.8
7 加来 千香子 ▲ 25.1 ▲ 9.8 14.1 ▲ 20.8
8 家田 みゆき ▲ 9.5 ▲ 38.6 48.5 0.4
9 奥 潤次 ▲ 79.3 ▲ 17.8 21.4 ▲ 75.7

第14期静岡プロリーグ 第7節レポート

いよいよ後半戦に突入した、静岡プロリーグ。
ここまで格の違いを見せつけ首位を独走する藤島を止めることが出来るのか?
また、中位から虎視眈々と決勝進出を目論む選手たちの結果は如何に!
それでは各卓の結果を見てみよう。

1卓
藤島健二郎 × 佐藤あいり × 京平遥 × 高木翔太

圧倒的と言っても過言ではない藤島の安定感。その牙城を崩すべく、攻撃主体の3人が藤島に挑んだ。

結果は
京平+72.7P 高木+3.2P 藤島▲34.4P 佐藤▲41.5P

京平は持ち前の攻撃力と展開がマッチして、大きくポイント伸ばし4位に浮上!決勝進出に大きく前進した。
高木も嬉しい、静岡プロリーグで初のプラス。今期の決勝進出は難しいが、来期につながるような麻雀を打ってほしい。

2卓
鈴木秀幸 × 山本拓哉 × 蓮沼友樹 × 青嶋宏樹 × 原佑典

原以外の4人は上位につけているため、なんとしてもポイントを伸ばしたいところ。
原としてもこのまま負け続けるわけにはいかない!

結果は
原+68.2P 鈴木秀+14.9P 蓮沼▲1.0P 青嶋▲2.8P 山本▲80.3P

原が意地を見せ卓内トップ。
鈴木秀も安定した戦いぶりで、ポイントの上乗せに成功した。
反対に手痛いマイナスとなってしまった山本。
残り3節でなんとか挽回し、決勝進出を狙ってほしい。

3卓
望月雅継 × 都築友和 × 平野敬悟 × 越川清一

望月以外の3人は、決勝進出が難しいポイント状況だけにどのように戦うか気になるところ。
望月としては、ここでプラスすると決勝進出が見えてくるだけになんとしても負けられない。

結果は
望月+95.0P 平野▲5.1P 越川▲14.6P 都築▲75.3P

遂に望月が大爆発!
トップ3回を含むオール連対で、90ポイントオーバーのプラスを叩き出した!
これでトータルポイントは230を超え、藤島をかわし首位に立った。

4卓
太田昌樹 × 大橋幸正 × 中野妙子 × 加来千香子 × 鈴木涼太

虎視眈々と上を狙う太田と大橋にとって、どうしても勝ちたい一戦。
他の3人にしても、いいようにやられるわけにはいかない!

結果は
鈴木涼+38.2P 太田+22.5P 大橋+2.9P 中野▲24.5P 加来▲40.1P

中部の新人鈴木涼が嬉しい卓内トップ。
太田・大橋もしっかりポイントをまとめ、決勝進出を狙える位置につけた。

5卓
鈴木郁孝 × 鷲見隼人 × 土屋幸弘 × 渡辺洋巳

開幕から好調を維持し、2位をキープする鈴木郁。
しかし、下からの追い上げが激しく、安心は出来無い。
なんとか安全圏までポイントを伸ばすべく対局に臨む。

結果は
鈴木郁+30.9P 土屋+26.7P 鷲見+7.7P 渡辺▲65.3P

別卓で望月が大きくポイントを伸ばしたため順位は3位に落ちたものの、トータルポイントは200を超え、決勝進出が現実味を帯びて来た。
長年、静岡支部を支えてきた男の勇姿を、連盟チャンネルで見ることが出来るのか!

6卓
川崎義之 × 足立純哉 × 杉村泰治 × 平岡理恵 × 中寿文

この5人は全員がプラスポイントで、大きく抜け出しているものもいない。
決勝進出ボーダーが例年にないぐらい高くなりそうなことを踏まえると、ここでなんとか抜け出したいところだ。

結果は
杉村+23.6P 川崎+17.3P 中+7.8P 足立▲20.9P 平岡▲28.8P

開幕に大きな負債を負った杉村が、持ち前の安定感で、決勝進出が見えるところまでポイントを伸ばしてきた。
川崎もプラスで終えトータル6位につけた。

上位陣のポイントをまとめてみよう。
首位 望月 +234.3P
2位 藤島 +217.2P
3位 鈴木郁 +209.5P
4位 京平 +168.0P
5位 蓮沼 +148.7P
6位 川崎 +139.6P
7位 青嶋 +124.3P

以前、中が
「ボーダー200超えそうじゃないですか?」
と聞いてきた。
その時僕は
「さすがにそこまで上がらないでしょう」
と答えたが、7節終了時のポイントを見ると、ボーダーは200を超えそうな勢いである。
次節以降はポイントを踏まえた駆け引きが、各卓で見られそうである。

まだまだ熱い戦いは終わらない!!

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 望月雅継 51.9 63.9 ▲ 28.2 22.1 8.9 20.7 95.0 234.3
2 藤島健二郎 36.0 62.5 8.2 87.6 44.0 13.3 ▲ 34.4 217.2
3 鈴木郁孝 108.1 9.5 40.9 ▲ 7.4 27.5 30.9 209.5
4 京平遥 22.8 ▲ 5.8 14.8 44.2 19.3 72.7 168.0
5 蓮沼友樹 29.8 15.4 2.8 8.0 74.4 19.3 ▲ 1.0 148.7
6 川崎義之 20.2 37.4 94.8 0.9 ▲ 17.5 ▲ 13.5 17.3 139.6
7 青嶋宏樹 58.5 17.2 51.6 ▲ 29.8 29.6 ▲ 2.8 124.3
8 鈴木秀幸 65.6 ▲ 40.9 ▲ 17.7 35.9 14.9 24.9 14.9 97.6
9 鷲見隼人 ▲ 42.1 ▲ 34.8 ▲ 17.5 7.1 57.2 101.0 7.7 4.7 83.3
10 大橋幸正 24.9 ▲ 13.9 47.5 16.9 49.6 ▲ 51.2

2.9 76.7
11 太田昌樹 5.6 ▲ 4.8 27.1 16.1 ▲ 27.4 34.4 22.5 73.5
12 山本拓哉 18.1 5.6 26.4 42.1 83.0 ▲ 10.7 ▲ 80.3 ▲ 12.7 71.5
13 杉村泰治 ▲ 94.0 43.6 59.2 8.4 12.9 17.4 23.6 71.1
14 平岡理恵 60.0 ▲ 11.0 ▲ 14.0 10.0 10.8 23.9 ▲ 28.8 50.9
15 中寿文 28.1 15.3 ▲ 23.2 ▲ 14.7 32.4 4.7 7.8 50.4
16 足立純哉 25.5 90.8 ▲ 11.8 26.3 ▲ 79.4 ▲ 20.9 6.3 36.8
17 土屋幸弘 ▲ 26.0 ▲ 20.0 27.6 ▲ 0.5 ▲ 30.0 ▲ 2.8 26.7 ▲ 25.0
18 越川清一 32.1 16.0 ▲ 51.3 ▲ 26.9 ▲ 56.4 17.3 ▲ 14.6 ▲ 83.8
19 平野敬悟 ▲ 23.8 33.5 ▲ 75.9 ▲ 69.1 29.7 11.6 ▲ 5.1 ▲ 99.1
20 鈴木涼太 ▲ 39.6 ▲ 64.4 ▲ 24.0 ▲ 33.2 ▲ 5.1 15.5 38.2 ▲ 112.6
21 都築友和 ▲ 52.7 ▲ 16.1 ▲ 8.8 44.0 6.3 ▲ 42.4 ▲ 75.3 ▲ 145.0
22 佐藤あいり ▲ 17.0 ▲ 59.1 ▲ 4.6 2.5 ▲ 52.1 16.4 ▲ 41.5 1.7 ▲ 153.7
23 加来千香子 ▲ 17.5 ▲ 23.2 30.5 ▲ 65.0 ▲ 27.4 ▲ 14.2 ▲ 40.1 ▲ 156.9
24 渡辺洋巳 ▲ 8.3 6.6 ▲ 36.9 ▲ 33.7 ▲ 9.0 ▲ 40.5 ▲ 65.3 ▲ 187.1
25 原佑典 ▲ 70.9 ▲ 26.2 29.0 ▲ 62.9 ▲ 62.2 ▲ 88.0 68.2 ▲ 213.0
26 中野妙子 ▲ 71.1 ▲ 44.9 ▲ 18.6 ▲ 16.0 ▲ 56.5 ▲ 18.7 ▲ 24.5 ▲ 250.3
27 高木翔太 ▲ 70.3 ▲ 85.6 ▲ 22.1 ▲ 34.9 ▲ 78.5 ▲ 72.9 3.2 ▲ 361.1

第32回静岡リーグ(プロアマ混合)第2節レポート

10月20日。
翌日に静岡リーグを控えたこの日、浜松は昼過ぎから突然の豪雨に見舞われた。
ボタボタと屋根に突き刺さる雨音は、打牌の音さえも搔き消すかのように静まり返った会場内に響き渡っていた。
この雨は翌日の波乱を暗示するものなのだろうか。

しかし、うってかわって当日は晴天。
「何か起こるかもしれない」という予感は、どうやら杞憂に終わったようだ。
いつも通りに過ごしている中でも、予期せぬアクシデントに遭うことは少なくない。
それは麻雀も同じである。自分が予想だにしない出来事が頻繁に起こりうる。

では、一体どうすればいいのか。
・あらゆるケースを想定しておく
・何が起こってもいいように心を作っておく

つまりは、「準備」が大切なのである。当たり前のことだが、準備は勝負の前に行うもの。
勝負の行く末は勝負の前に大半が決まる、という言葉を聞いたこともある。
普段の生活に、たくさんのヒントが散りばめられているのかもしれない。

静岡リーグ第2節。
今節も最上位に名を連ねたのは藤島健二郎である。
静岡に参戦してまだ半年。首位の座に、何度この名を目にしてきたことだろう。順当なプラスを叩き、すでに後続を引き離しにかかっている。

追いかけるのは山本拓哉。
静岡プロリーグ・静岡リーグのダブルクラウンを達成したこともある男だ。実力・爆発力も折り込み済み。後の戦いに期待したい。

第1節に続き、ポイントを上積み。
6位につけたのは今期より静岡支部に移籍した高木翔太。新天地で慣れない部分もあったのか、ここまでは苦しい戦いが続いていた。ようやく芽が出てきて、本人も少しほっとしていることだろう。
だが、まだ勝負の半ば。ここからが正念場である。

望月は下位に沈んでしまった。
静岡を束ねる者、そして前回の静岡リーグ決勝進出者として、このまま黙っているわけにはいかない。
残り3節で、どのような戦術を引き出してくるのか楽しみだ。

第2節を終え、総合成績はご覧の通りとなった。
この後、どうような展開になっていくのだろうか。何を想い、何を感じているのか。各者の「予想」を聞いてみたいものである。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤島 健二郎 プロ 98.6 51.6       150.2
2 藤井 太郎 一般 29.0 88.6       117.6
3 山本 拓哉 プロ 30.0 69.4       99.4
4 松永 誠 一般 54.0 30.4       84.4
5 太田 昌樹 プロ 59.3 21.4       80.7
6 高木 翔太 プロ 47.0 27.3       74.3
7 杉村 泰治 プロ 54.6 9.9       64.5
8 宮地 孝尚 一般 91.5 ▲ 33.5       58.0
9 堀 孔明 一般 52.5 0.0       52.5
10 鈴木 康功 一般 ▲ 1.3 50.4       49.1
11 平田 拓也 一般 29.4 17.6       47.0
12 深見 翔 一般 3.5 40.5       44.0
13 伊藤 真 一般 8.3 34.8       43.1
14 都築 友和 プロ 37.7 3.2       40.9
15 松清 一樹 一般 19.8 19.6       39.4
16 山内 紀博 一般 32.8 5.5       38.3
17 平野 敬悟 プロ 3.8 31.2       35.0
18 川崎 義之 プロ 4.1 26.4       30.5
19 影山 恒太 一般 0.6 26.9       27.5
20 鈴木 雅人 一般 57.6 ▲ 35.4       22.2
21 中 寿文 プロ ▲ 8.3 27.3       19.0
22 北島 武弘 一般 24.8 ▲ 10.4       14.4
23 坂本 彰光 一般 1.3 3.8       5.1
24 岡田 智和 プロ ▲ 34.8 38.7       3.9
25 源馬 健太 一般 27.3 ▲ 25.4       1.9
26 岩井 健太 プロ 0.0 0.0       0.0
27 足立 純哉 プロ 0.0 ▲ 1.1       ▲ 1.1
28 鈴木 郁孝 プロ 45.0 ▲ 47.0       ▲ 2.0
29 斉藤 隆 プロ 0.0 ▲ 4.8       ▲ 4.8
30 白井 健夫 一般

0.0

▲ 6.3       ▲ 6.3
31 大橋 幸正 プロ ▲ 4.8 ▲ 4.6       ▲ 9.4
32 伊藤 裕美子 一般 2.2 ▲ 12.1       ▲ 9.9
33 村瀬 光佳 一般 0.0 ▲ 10.3       ▲ 10.3
34 牧野 光治 一般 ▲ 13.0 0.0       ▲ 13.0
35 髙橋 孝基 一般 ▲ 10.1 ▲ 6.8       ▲ 16.9
36 西田 孝志 一般 ▲ 38.5 21.4       ▲ 17.1
37 福井 弘人 一般 ▲ 42.7 23.0       ▲ 19.7
38 袴田 一郎 一般 ▲ 24.2 0.0       ▲ 24.2
39 渡辺 洋巳 プロ 0.0 ▲ 24.6       ▲ 24.6
40 京平 遥 プロ 0.0 ▲ 31.5       ▲ 31.5
41 青嶋 宏樹 プロ ▲ 34.6 0.0       ▲ 34.6
42 鈴木 涼太 プロ 41.4 ▲ 76.8       ▲ 35.4
43 大谷 数則 一般 ▲ 40.5 0.0       ▲ 40.5
44 舟橋 晃 一般 ▲ 42.8 0.0       ▲ 42.8
45 鷲見 隼人 プロ ▲ 61.5 16.5

 

    ▲ 45.0
46 大橋 義一 一般 ▲ 53.8 0.0       ▲ 53.8
47 八木 寛大 一般 15.9 ▲ 71.5       ▲ 55.6
48 小山 剛史 一般 0.0 ▲ 70.8       ▲ 70.8
49 望月 雅継 プロ ▲ 22.7 ▲ 51.8       ▲ 74.5
50 原 佑典 プロ ▲ 59.0 ▲ 18.3       ▲ 77.3
51 岡本 茂 一般 ▲ 59.4 ▲ 35.9       ▲ 95.3
52 中野 一男 一般 ▲ 20.2 ▲ 81.2       ▲ 101.4
53 鈴木 秀幸 プロ ▲ 79.6 ▲ 28.0       ▲ 107.6
54 本田 真之 一般 ▲ 122.4 ▲ 12.3       ▲ 134.7

第16期プロクイーン決定戦最終日観戦記 日吉 辰哉

大激戦。
第16期プロクイーン決定戦最終日は半荘終了ごとにトータル首位が入れ替わった。
女流同士の意地の張り合いと、その負けん気の強さに引き込まれ続けた。

 

100

 

 

9回戦【起家から 浅見・水口・天音・日向】抜け番・西嶋

トータルポイント首位に立った西嶋が抜け番。
西嶋への挑戦権をかけた戦いといってもいいだろう。

東1局、親の浅見が軽快にアガリを重ねる。2度のアガリと1人テンパイで持ち点は一気に5万点間近。
これ以上の連荘はごめんだと3者は仕掛けを多投し浅見に1人ノーテンを押し付ける。
3人がかりで浅見の親を流すことに成功。

迎えた東2局4本場、9巡目の天音

三万四万三索四索五索五索五索二筒三筒四筒七筒九筒白  ツモ五万  打九筒  ドラ白

ここからのノータイムテンパイ取らずは高打点打法の天音らしい一打。
次巡、狙い通り白を重ねてリーチとする。
直後追いついたのは親の水口。

二万二万六万七万七万七万八万八万九万二筒三筒発発  ツモ発  打七万 左向き

待ちは天音の現物一筒四筒。しかしトータルポイントで大きく離された水口はリーチの選択。
更には日向だ。同巡三色確定のテンパイからリーチを選択。

 

100

 

暫定3位の日向。勝負を先送りする選択も十分に考えられる場面。
「リーチ行ったか・・・勝負かけてますね」
解説の勝又プロである。
「いやぁ日向さんにしては珍しい」
同じく白鳥プロ。

高打点打法の天音、更に水口はリャンメンターツを外した後のリーチ。放銃となれば優勝戦線から一気に陥落しかねない。
しかしこれはプロクイーン奪取のための戦い、争いなのだ。
西嶋が手にするその冠を奪い取るために、戦いを挑む。
3人が勝負の土俵に乗った直後、天音から二筒がツモ切られた。

一気に浅見の背後に迫った日向。更に逆転を目論み東3局では6巡目にリーチ。

三万五万六万六万七万二索三索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ四万  打七万 左向き  ドラ西

そうはさせない浅見。プロクイーン奪取の想いは日向と同様だ。
直後に追いつく。

六万七万八万三索四索六索六索七索八索八索三筒西西  ツモ七索  打三筒

日向の捨て牌には五索がありヤミテンを選択するが一歩も引く気はないだろう。
そう、なぜなら戦いだから、争いだから。

8巡目に日向からツモ切られた五索をとらえ、再び浅見がリードを広げた。
更に南2局では2,000・4,000のツモアガリでトップを盤石としトータルポイントでも西嶋を逆転し首位に立つ。
浅見の独走を黙って見過ごせない日向は次局、以下のアガリでしっかり食らいつく。

三万四万七万八万九万七索八索九索二筒二筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン二万  ドラ七筒

最終日の初戦からこの激戦である。この先どうなってしまうのか・・・

9回戦成績
浅見+42.3P 日向+15.3P 天音▲16.1P 水口▲41.5P

9回戦終了時
浅見+77.7P 西嶋+68.8P 日向+46.4P 天音▲25.1P 水口▲169.8P

 

 

10回戦【起家から 浅見・水口・日向・西嶋】抜け番 天音

優勝決定まで残り3半荘。10回戦終了時下位1名が敗退となる。
ベスト16、ベスト8を盤石な形で通過した水口の敗退を誰が予想しただろう。着実にアガリを積み重ねる水口の長所が今回の決定戦では鳴りを潜めた。

 

100

 

「決定戦を楽しみたい」開始前のインタビューにてそう口にした水口。
厳しい戦い、ボロボロとなり最後まで戦い抜いた水口に対し・・・日向が手向けの一撃。

 

100

 

水口が最後の力を振り絞った4,000オールの次局、日向はドラタンキのリーチを敢行。
絶対にオリることのない親の反撃という最大級のリスクと引き換えにタイトルを奪い取りにいく。
僅かな可能性にかける水口が直後に追っかけリーチ。日向は想定していたであろう最悪のケースも、水口を振り切っての4,000・8,000。最大級のリターンを手にする。
裏ドラを開示した日向の手が僅かに震えていた。

日向は守備力に定評のあるプレイヤーだ。
その日向が9回戦ではカン二筒の三色追っかけリーチ、そしてこの場面でもリスクを負って戦いに出た。
これがプロクイーン奪取のために日向が準備してきた方法論なのであろうか。

「追わなくてはならない立場ですからね。加点しない限りは優勝はないわけで。高くなる手は勝負に出ました。前向きに戦えた最終日でしたね」

3日間通しての日向に対する印象は攻守のメリハリである。
勝負局面をしっかりと見極め、攻めに出た時の成功率は非常に高かった。

トータルポイント3番手、日向の4,000・8,000により浅見、西嶋も黙っていられない。
南1局、親の浅見は以下のリーチ

六万七万七万八万八万二索三索四索四索二筒二筒北北  ツモ九万  打四索 左向き  ドラ九筒

無難なリーチに見えるだろうがなんと場には二筒が2枚切れ。なりふり構っていられない。
これをアガッた次局にチャンス手。
浅見は10巡目に以下のテンパイ。この手が成就すれば日向に肉薄しトップ逆転も十分に考えられる。
山に1枚残った二万を14巡目に日向が吸収。日向の執念が勝ったか。
そして迎えた16巡目である。浅見に最後の選択が訪れた。

 

100

 

カン二万一万タンキか三万タンキか・・・
浅見は長考の末、ツモ切りを選択。2巡後浅見は一万を力なくツモ切った。

日向1度目の危機を回避するも次の矢が飛んでくる。
次局は西嶋だ。

五万六万七万九万一索一索八索八索三筒三筒三筒発発  ツモ一索  打九万 左向き  ドラ一索

こちらもドラ暗刻。更にはツモリ三暗刻のリーチだ。
日向、今局は自力でかわし切る。

三万四万五万二索二索四索四索四索二筒四筒四筒五筒六筒  ロン三筒  ドラ一索

2度目の危機も回避。点数以上に大きなアガリとなる。
更に南3局の親番で4,000オールをツモアガリで追加点。

日向は浅見に3着、西嶋に4着を押し付け、価値あるトップでトータルポイント首位に躍り出る。

10回戦成績
日向+35.4P 水口+9.2P 浅見▲13.0P 西嶋▲31.6P 

10回戦終了時
日向+81.8P 浅見+64.7P 西嶋+37.2P 天音▲25.1P 水口▲160.6P(敗退)

 

 

11回戦【起家から 浅見・日向・西嶋・天音】

ここまで2着4回、3着4回という成績で上位を伺う選手がいる。
天音だ。持ち前の高打点打法を活かすため、アガリの見込めない局ではガードに徹していた。しかし残り2半荘となればそうも言っていられない。
限りなく2連勝が欲しい状況。渾身のストレートを打ち込むべく天音もいよいよガードを下げて打ち合うしかない。
ガードは下げても自身の武器である高打点打法を捨てるわけにはいかない。この方法論で戦い、ここまで勝ち抜いてきたのだから。

東1局、天音は9巡目に以下の牌姿からテンパイ取らず。

七万八万九万二索三索七索八索九索五筒五筒六筒七筒九筒  ツモ五筒  打三索  ドラ五万

親番であれば即リーチを選択する打ち手も多いのではないか。
次巡八筒をツモると当然のリーチ。2巡後に四筒を引き当て2,000・4,000のツモアガリ。
天音にとっては最高の立ち上がりも、その後アガリから遠ざかり持ち点を削られていく。

東2局、親は日向。今局、北家浅見が少牌のミスを犯してしまう。
冷静に戦い、時に攻めの鋭さを見せていた浅見。画面越しの表情とは裏腹に、第3者には感じることの出来ないプレッシャーが選手を包み込んでいる。
既に2巡目まで進行していたため今局は成立とし、浅見にアガリ放棄の裁定が下された。浅見が3者に詫びた後、対局再開。そんな中、天音と同様に追いかける立場の西嶋が目を疑うようなスーパープレーを見せる。

 

100

 

親の日向が10巡目にテンパイを果たしヤミテンを選択するも14巡目にツモ切りリーチ。
西嶋は12巡目に目一杯で上記の形。13巡目のツモ三万四索と入れ変える選択肢もあったがツモ切りとしている。
手残りした四索。更に16巡目には日向から七索がツモ切られ四索は中スジとなる。
そして迎えた西嶋最後のツモはテンパイを果たす五万
とはいえ自身のアガリの可能性は皆無といっていい状況。オリる選択も当然あるだろう。

オリるか、あるいは中スジとなった四索か・・・

「これ四索打ちますよね・・・これ打たなきゃリーチ後に六万行った意味ないですし」
勝又プロのコメント。続いて白鳥プロは
「これ絶対四索打ったわ・・・長考している理由がわからない」

西嶋の長考。
そうこれは何度目かのあのシーンだ。鳥肌が立つ。まさか・・・

勝又「うわー嘘でしょ!?これはスゴイを飛び越えてる・・・なんで?」
白鳥「でたー、なんなのよ!?」

西嶋が三索を掴むと同時に発せられた両者の言葉には、どこかで西嶋のスーパープレーを期待しているようにも感じられた。
流局後、日向のテンパイ形を確認した西嶋の表情は何一つ変わらない。
人知を超えた選択。これが西嶋の麻雀である。

その西嶋は迎えた親番で2,600オール、4,000オールの加点で持ち点を55,000点とし、先を行く日向、浅見を捕らえることに成功。
更に次局、当然西嶋は攻撃の手を緩めない。ダブ東ポンで加点を狙うも、浅見がその身を呈して西嶋の進撃を止める。

四万六万七索八索九索二筒二筒三筒三筒七筒八筒白白  ドラ六万

浅見はここから白を仕掛けドラ打ち覚悟の打四万。親落としに成功した浅見のタイトル奪取に対する強い気持ちを感じる1局となった。

西嶋の加点で苦しくなったのは天音。親番が残されているとはいえ、西嶋とは100ポイント以上の差が付き優勝の二文字が遠ざかる。
天音は遂にガードを下げ殴り合いに出る。南2局で西嶋から5,200、南3局で2,000・4,000のツモアガリで素点を回復。西嶋50.4、天音42.7まで詰め寄る。
しかし、総合成績では未だ80ポイントの差があり、残り半荘1回で逆転するのは至難の業。この親番で逆転し最終戦に臨みを繋ぎたい。
しかしガードを下げるタイミングがやや遅かったか・・・3者の姿は遥か先にあった。

 

100

 

女流プロ初の新人王獲得。あの日から10年以上の月日が流れた。
ベスト16にて初のテレビ対局、緊張感に包まれていたあの対局が随分前のように感じる。
最後まで自身の麻雀を貫き通した天音。
盟友清水と交わした約束は果たせぬまま、志半ばでこの舞台に別れを告げた。

11回戦成績
西嶋+34.7P 天音+16.4P 浅見▲18.7P 日向▲32.4P

11回戦終了時
西嶋+71.9P 日向+49.4P 浅見+46.0P 天音▲8.7P

 

 

12回戦【起家から 日向・浅見・天音・西嶋】

いよいよ大詰め。プロクイーンが決定する。

東1局、親の日向が先制リーチ。そのリーチに対してトータルポイント首位の西嶋が押し返す。
打ちだす牌はどれもこれも危険牌だらけ。仮に12,000の放銃となればこれまでのすべてが吹き飛んでしまうような状況。

 

100

 

勝又プロからこんな言葉が漏れる。
「このポイント状況でこんな押せるもんですか・・・」
西嶋は戦い抜いてその冠を守ろうとする。
次局は浅見だ。

 

100

 

この息詰まる状況下で八索切りを選択。理想通りドラの三筒を引き入れリーチの選択。
2,000・4,000のツモアガリで西嶋に肉薄する。
そして日向も黙っていられない。西嶋、浅見の上位に立たない限り優勝はありえないのだ。

二索三索五索六索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒北北  リーチ  ツモ四索  ドラ七索  裏五筒

日向は東4局で2,000・4,000のツモアガリ。再びの大接戦。どうなってしまうんだろう。
南1局を迎え順位点込みではあるが、浅見が西嶋を2.2ポイント上回る。日向も1,000点アガれば優勝ライン。

本当に大激戦。表現力の乏しい私には言葉が見つからない。
これまで繰り広げられた熾烈な戦いも残り半周ですべてが決する。

どこまでも見ていたいこの戦いの均衡を日向が突き破る。

 

100

 

優勝を大きく引き寄せる6,000オール。
3者の表情が曇る。しかしこんなことで諦められるわけがない。

南1局1本場6巡目、浅見に今大会最大級の勝負手が舞い降りる。
それは裏を返せば絶対に失敗は許されない、結果のみが求められる1局。

六万七万四索一筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒八筒九筒  ツモ三筒  ドラ八筒

跳満確定のテンパイ。日向との差は23.7。リーチでツモれば再逆転。あるいはヤミテンの直撃でも再逆転となる。
リーチか・・・ヤミテンか・・・人生を変える選択。正解はどちらなのだろう。
浅見は一つ息を吐き、リーチを宣言した。

これをアガればプロクイーンをその手に出来るやも知れぬ状況にあっても、浅見の表情はこれまでと一切変わらない。
全ての結果を受け入れる覚悟が出来たのであろう。

連続4着スタート、悪夢の3回戦。厳しい立ち上がりからの巻き返し。ここまでの激戦を演出していたのは間違いなく浅見であった。

ヤミテンであれば日向からの直撃もあったかもしれない。しかしその答えは闇の中である。
ハイテイ牌に手を伸ばす浅見。その牌を力なく河に放ち、浅見のプロクイーンはここで幕を閉じた。

 

100

 

「当初対戦相手に怖さを感じていましたが、今日はスッキリしています。最終日は対局にのめり込めそうな気がしています」
開始前のコメントを体現するような浅見のリーチ判断であった。

水口が天音がそして浅見が去った。新たなクイーン誕生か、それとも・・・

西嶋にはオーラスの親番が残っているとはいえ22.5ポイント差を追いかけなくてはならない。
南3局、8巡目に西嶋がテンパイを果たす。この時点では打点力が乏しいが変化も十分にあり得る。

二索二索二索四筒五筒東東  ポン北北北  ポン中中中  ドラ一索

2巡後ツモ一索でテンパイ外しとする。天音が一索切りリーチの直後、西嶋が東を引き入れてテンパイ。ピンズのリャンメンターツを払いホンイツに向かったようには見えるがテンパイ気配は出ていない。
浅見から一索を打ち取り12,000のアガリ。

 

100

 

現プロクイーン西嶋意地の一撃。日向に接近、その差は9.5ポイント。
いよいよ最終局、親は西嶋。日向奪えるのか・・西嶋守れるのか・・・
両者の配牌は以下。

西嶋
二万五万七万七万八万五索七索九索二筒三筒六筒九筒東発  ドラ八万

日向
三万六万八万九万三索五索七索九索一筒四筒六筒八筒南

第15期プロクイーン西嶋。これが現プロクイーンとしての最後の配牌となる。
数々のスーパープレーに視聴者は引き込まれ、解説陣は言葉を失った。
独特の感性に寄り添い打ち出す牌は唯一無二のものであった。
1年前タイトルを獲得し更に大きくなってこの舞台に帰ってきた西嶋。

 

100

 

「誠心誠意戦います」
その言葉に偽りはなく最後まで真っすぐな戦いだった。
西嶋が玉座から降りる。そこに座るのは新クイーン日向だ。

配牌こそ横一線に思われたが両者だが日向のツモが伸びていく。
四索五筒三万と引き込み4巡目に1シャンテンとし9巡目にテンパイ。

三万三万六万六万八万二索三索四索五索七索四筒五筒六筒  ツモ六万  打八万

ここからアガリまでが長かった。
この手をアガればプロクイーン優勝。アガリまでの数巡、日向の胸に去来する想いは・・・

対局後、日向はこう語った。
「感謝の気持ちを持つことで自分がブレないんですよ。サイコロを振るときも、ここでプレーできることにも、全てに感謝なんですよ」

感謝の想いを胸に、アガリ牌を願いツモ山に指を伸ばす、緊張か高揚か牌を打ち出す指先が震える。

 

100

 

「この場所に感謝しながら、いっぱい味わって、楽しんで、キンチョーして、モヤモヤして、苦しんで勝ちたいです」(対局前アンケート、原文)

テンパイから7巡後、日向は自らのツモアガリで優勝を手にした。

12回戦成績
日向+42.1P 西嶋+7.1P 天音▲32.7P 浅見▲16.5P

最終成績
日向+91.5P 西嶋+79.0P 浅見+29.5P 天音▲41.4P 

「見ている人がワクワク、ドキドキしてもらえるような麻雀を打ちたいです」
日向は今後の目標としてこんなことを口にした。

今回決勝の舞台で戦いを繰り広げたプレイヤー5名は存分に視聴者を楽しませてくれたであろう。
麻雀という競技を通じて1つの目標に向かう方法論や姿勢。それはそれぞれ異なるからこそ、また時にシンクロするからこそ味わい深いものになるのではないか。

麻雀界を麻雀プロを取り巻く環境は信じられないスピードで変化していく。
活躍の場は多岐に渡り、その認知度も深まってきている。

我々麻雀プロはプレイヤーとして、今後一体どんなことが求められていくのであろう。

 

100

 

何を切る?fromロン2 2018年11月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答を、グラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局北家

 

プロ

六索切り・・・22人
七索切り・・・7人
五筒切り・・・7人
七筒切り・・・6人

 

ロン2ユーザー

六索切り・・・54.9%
五筒切り・・・13.6%
七索切り・・・11.7%
四筒切り・・・9.3%
七筒切り・・・8.6%
八筒切り・・・1.2%
四万切り・・・0.6%

 

 

プロ解答(50音順)

 

六索切り

蒼井ゆりか
「ドラを固定します。ピンズの3メンチャンは強いので待ちにしたい。」

明石定家
「ピンフドラ1のテンパイにしたくないため。」

石渡正志
「ドラを雀頭固定して、テンパイ形によってはリーチを打ちたい。」

伊藤優孝
六索切り以外考えられない。今ピンズを引いたのなら、次のツモもピンズでしょう。」

内川幸太郎
「受け入れは狭くなるが、アガリづらいドラそばを避けつつ、単純にドラ固定します。」

内田美乃里
「手広く、ドラを使い切る。」

黒沢咲
「ドラのトイツは固定して、ピンズを引いてリーチといきたい。」

近藤久春
五索八索受けが良さそうだが、親にドラを鳴かれるのが嫌なので、ピンズの2度受けで。」

清水香織
「ピンズの2度受けはキツイけれど、開局なので打点を見て。」

鈴木雄介
「どのテンパイ形でも打点が見込め、仕掛けにも対応できるため。六筒九筒引きの3メンチャンが理想。」

武石絵里
「東1局なので最高形を目指します。」

ダンプ大橋
「ドラ固定で。3,900~12,000の打点が見込める。」

中野妙子
「ドラドラの手牌なので、456は見切って形の良いリーチを打ちたい。」

中村毅
七筒切りのタンヤオ確定か悩むところだが、開局ということで大きく構える。」

二階堂亜樹
「鳴きも視野に入れて。」

浜上文吾
九筒ツモの場合の打点確保のためにドラトイツに固定します。七索のみポンしますが、それ以外はメンゼンで手を進めます。」

一井慎也
「好形だが、東1局北家なのでドラを切りたくない。」

藤崎智
「少し受けが狭くなるがドラドラ固定で。」

藤原隆弘
「基本的に切らなくて済むドラは切らない!七索八筒はポンテンに取る。六筒六筒七筒八筒でチーテンに。七索七筒八筒が暗刻になればヤミテン。三筒五筒六筒九筒が入り目ならリーチ!」

古川孝次
五索八索はテンパイ逃しとなるが、七索三筒五筒六筒七筒八筒九筒と受けが広く、打点力も十分。」

前田直哉
「ポンテンも取れるし、跳満まで見たい。」

松岡千晶
「ドラの固定とします。どこからでも鳴きます。」

 

 

七索切り

鮎川卓
「メンゼンで仕上げてリーチを打ちたいところ。受け入れ枚数が最大になるように構えます。」

石川遼
「良形テンパイチャンスが一番高い選択。打点も十分確保されている。」

客野直
「ドラではあるが、形が一番安定しているので先に切る。将来五索八索待ちになった時も多少出やすいので。よほどのことが起こらない限りは鳴かない。」

中村慎吾
九筒ツモはうれしくないが、メンタンピンドラを狙う。ドラの先切りによって多少八索も出やすくなる。」

仁平宣明
「ドラを1枚外しても十分打点が見込めるので、手広く構えて何を引いてもリーチ。」

古橋崇志
「打点十分なので、最終形が好形になる1シャンテンに構える。」

安村浩司
「リーチ前提で受け入れが広く、平均打点もある打七索。」

 

 

五筒切り

井出一寛
「一発・裏有りルールの4巡目のこの手、タンピンドラ1にするには惜しい。さらに北家ということもあり、ドラやドラ表示牌も簡単には切りたくない。三筒六筒九筒引きのピンフイーペーコーや456三色まで見て。」

斉藤理絵
「メンゼンでも仕掛けでも対応できるように。」

刀川昌浩
三筒六筒九筒引きで即リーチが打てる点と、四索五索六索七索八索にも対応が効く点から。」

二階堂瑠美
三筒六筒九筒は即リーチ。ドラ引きは状況次第で打七筒も考える。」

麓征生
「456を見ながら進めます。ピンズテンパイで即リーチ。」

増田隆一
三筒六筒九筒受けを残しながら、五索八索引きは七筒八筒待ちのリーチを打てる構えにする。」

安田麻里菜
「リーチしたいので手広さで。」

 

 

七筒切り

小野雅峻
「最高打点の六筒ツモ3,000・6,000はなくなるが、どのテンパイでも満貫が見込めて仕掛けにも対応できる。」

沢崎誠
「タンヤオを確定させる!!動くのは七索のみ。567を見ながら進めたい。」

童瞳
「一発・裏有りなので、最低でもタンピンドラ1を狙う打七筒。ドラのポンテンにも対応できる。」

奈良圭純
「タンヤオを確定させて、最低満貫にはしたい!」

HIRO柴田
五索八索リーチも見て打七筒。」

美波智子
九筒の受け入れを拒否して高打点を目指す。」

第16期プロクイーン決定戦二日目観戦記 日吉 辰哉

大混戦。
第16期プロクイーン決定戦は4回戦を終えた時点で5名が上下35ポイント以内に収まっている。
2日目、この大混戦が続くのか、それとも抜け出す者が現れるのか・・・

 

100

 
 

5回戦【起家から 水口・日向・天音・浅見】抜け番・西嶋

この大混戦を演出しているのが浅見。
連続4着スタートも、初日最終戦をトップで締めくくり、トータルポイント最下位ながら気分よく2日目に臨めるのではないか。

その浅見が東1局から大物手。

 

100

 

北発ドラ3の8,000。放銃は親番の水口。
注目は水口が役なしのテンパイをしていることだ。

7巡目、水口は以下の1シャンテンからドラの北切り。

三万四万二索三索六索七索八索一筒二筒三筒七筒七筒北  ツモ七筒  打北  ドラ北

このドラを浅見が仕掛ける。
9巡目、日向がタンヤオテンパイで待ちは四筒七筒。浅見の捨て牌には四筒があり、ヤミテンを選択。天音から今にも放たれそうである。

11巡目、水口役なしテンパイをヤミテンとする。待ちの二万五万二万が1枚切れ。
初日の戦いを見た限り、水口はリーチを選択するかと思われた。
そしてこれをリーチでアガリきることが水口の強さだとも感じていた。
開局早々での大物手放銃はごめんか。あるいは浅見に対して押し返している日向がアガリ切ってくれるとの期待感もあったか。

(どこかでオリとなるのだろう・・・)
そんなことを思った瞬間、浅見からツモ切られたのは五万。たとえ親のリーチに対しても止まらなかったであろう五万。その五万を横目で見やった直後、水口の手に舞い降りた一。

麻雀の恐ろしさと無常さが集約された1局だと感じた。
次局も浅見に8,000の放銃。水口の点棒が削られていく。

水口は初日3半荘で僅か4回のアガリしかものに出来なかったが▲4.2Pで堪えていた。
淡々とした表情で摸打を繰り返しアガリを目指す。大きな失点の後も自身の麻雀を貫き、アガリとテンパイ料でジワジワ持ち点を回復していく。

 

100

 

この5回戦も満貫2回分のビハインドから徐々に持ち点を回復。しかし、この日は初日のように事は運ばなかった。

 

100

 

持ち点を20,000点に回復した水口が日向に痛恨の12,000。
日向はここでも持ち前のメリハリをしっかり効かせたアガリ。

3巡目、南家天音が白ポンでピンズのホンイツ狙い。6巡目の日向

三万五万六万六万七万七万八万三索五索七索四筒八筒八筒  ツモ三万  打七索  ドラ二筒

ここから下家天音に対してピンズを打たずにソーズのターツ固定。
そして9巡目

三万四万五万六万六万七万七万八万三索五索四筒八筒八筒  ツモ三索  打四筒

ここからは一転、ピンズを打ち出し勝負に出る。日向の反撃だ。
直後浅見にテンパイが入りヤミテン。そして日向に待望のテンパイ。

三万四万五万六万六万七万七万八万三索三索五索八筒八筒  ツモ八万  打五索

日向がヤミテンを選択すると天音が白の加カン。新ドラは八筒となり日向は一気に打点アップ。
天音がツモ切ったリンシャン牌の二索をポンして攻め返した水口の手痛い放銃となった。
この半荘は3着となるが、日向らしい重厚な受けからの大きな加点だ。

 

100

 

その後、水口は先制リーチを放つも天音に12,000の放銃。
東場で2回の8,000をものにした浅見は、日向、天音に交わされ一時は3着に沈むも、オーラス二度のツモアガリでトップ再浮上となった。
浅見は初日最終戦から数えて2連勝だ。

5回戦成績
浅見+27.7P 天音+15.5P 日向▲0.5P 水口▲42.7P

5回戦終了時
天音+19.5P 日向+12.1P 西嶋+8.6P 浅見+5.7P 水口▲46.9P

 

 

6回戦【起家から 天音・日向・西嶋・浅見】抜け番・水口

まだまだ大混戦ではあるが、トータルポイントのマイナスを1人で背負込んでしまった水口が抜け番。
この6回戦を制したものが僅かに抜け出すことになるだろう。

南1局を迎え一進一退の攻防。西嶋が出遅れ持ち点は以下の通り。

天音31,200 日向32,600 西嶋19,600 浅見36,600

6巡目、親番天音は以下の牌姿。

三万二索四索五索六索七索二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒  ツモ一筒  打二索  ドラ三万

高打点狙いの天音は、ノータイム打二索のテンパイ取らず。しかし次巡のツモは皮肉にも三索。結果アガリ逃がしではあるが、これは致し方ないところ。
ここからの選択肢もいくつかあると思うがここで天音は長考。高打点狙い、手役派の天音の打ち筋でこういった場面は多々あると思われるがこのツモによる想定を怠ったか。
長考の末、天音はフリテンリーチを選択。

この長考を見逃さなかったのが日向、西嶋。
日向は西嶋がツモ切った生牌の南を以下の牌姿から仕掛ける。

三万四万二索四索六索七索八索八索六筒八筒八筒南南

親番天音のリーチに安パイを減らして無筋の八索打ちである。
更に西嶋も仕掛ける。

四万五万五索六索二筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒

ここから三万を仕掛けて三筒打ち。これも無筋。
その後、日向もテンパイを入れ3人テンパイでのめくり合いとなる。テンパイとはいえ日向、西嶋の打ち出す牌はどれもこれも無筋ばかりだ。

 

100

 

結果、西嶋が日向から2,000点のアガリとなるが、リーチ時の長考から不十分なリーチと読み取った日向、西嶋の押し返し。両者の観察眼に驚かされた1局となった。
対して親落ちとなった天音にとっては、僅かに見せた隙を突かれた手痛い親落ちとなった。

 

100

 

オーラス1本場を迎え以下の持ち点。

天音25,100 日向36,700 西嶋20,500 浅見37,700

日向がトップ奪取の執念を見せる。8巡目に五索チー、10巡目に九筒ポンでテンパイ。

七万八万九万六筒六筒中中  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  チー五索 左向き三索 上向き四索 上向き  ドラ三筒

中の後付け、保険は一切なし。しかし中が天音にトイツとあってはアガリは厳しい。
ノーテンでは逆転を許す親の浅見は当然攻め返す。13巡目に以下のリーチ。

二万三万四万五索六索六索六索七索七索七索八索二筒三筒  ツモ四筒  打五索 左向き

日向のアガリ牌は山には残っていない。浅見負けなしの状況にもう1人の戦士が参戦。西嶋だ。
同巡追いつき追っかけリーチ。これが成就した瞬間に3着浮上、更に浅見、日向からの直撃で2着浮上、一発あるいは裏ドラ1枚のツモアガリは大逆転のトップである。

四万五万五万七万七万四索五索六索三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ六万  打五万 左向き

山に残った待ち枚数は浅見4枚、日向0枚、西嶋2枚である。
浅見の放銃でもトップが転がり込む日向は、直後の無筋で冷静に撤退。

浅見と西嶋のめくり合い。浅見には3回戦の大逆転を許した悪夢が脳裏を過ってはいないだろうか。
結果は流局間際の17巡目。西嶋から八索がツモ切られた。

浅見は3回戦の悪夢を西嶋からの直撃という形で払拭。
3連勝を収め、この大混戦を僅かながら抜け出した。

 

100

 

6回戦成績
浅見+38.6P 日向+7.4P 天音▲12.2P 西嶋▲34.8P

6回戦終了時
浅見+44.3P 日向+19.5P 天音+7.3P 西嶋▲26.2P 水口▲46.9P

 

 

7回戦【起家から 西嶋・浅見・水口・天音】抜け番・日向

連続4着スタートも3連勝でトータル首位に躍り出た浅見。
しかし例年の優勝ポイントは100ポイントを超えておりまだまだ予断を許さない。

東1局から手がぶつかる。4者が1シャンテンの10巡目、先制リーチは水口。

三万四万三索四索五索二筒四筒五筒六筒七筒九筒九筒九筒  ツモ五万  打二筒  リーチ  ドラ四筒

文句なしの3面待ち。連続4着で失ったポイントを巻き返しに行く。
同巡追いついたのは水口の下家天音。

一万二万二万一索二索三索六索七索八索四筒五筒西西  ツモ三筒  打一万

水口の3面待ちとは対照的にシャンポン待ち、しかも西は2枚切れ、二万も1枚切れとあっては当然のヤミテン。
更に同巡、天音の下家西嶋がテンパイ。

八万八万二索三索五索六索六索七索七索八索六筒七筒南  ツモ四索  打南

タンピン確定のリャンメン待ち。八筒が2枚切れ。先制リーチ水口の現物でもない。
6回戦大きな沈みとなり巻き返しを図りたい。当然の追っかけリーチと思われたがヤミテンを選択。
独特の感性を持ち合わせる西嶋。トータルポイント4番手となった東1局の親番で、この手をどれだけの人がヤミテンに構えることが出来るのだろう。

3者テンパイ。しかし、まだ、、、まだだ。
更に更に同巡、西嶋の下家浅見がテンパイ。

六万六万六万七万八万九万七索八索四筒五筒東東中  ツモ三筒  打中

浅見は即リーチ。プロクイーン奪取のため4連勝を目論む。

なんと僅か1巡以内に4者がテンパイ。
軍配は誰に上がるのか。水口の一発目のツモはまさかの二万。天音のアガリ牌。しかしこの形でリーチに踏み込むというのは酷な話である。
2件リーチとなった今、満を持して西嶋もリーチかと思われたが、、、ヤミテンを続行。

結果は13巡目。手負いの水口が掴んだのは九索

 

100

 

浅見のアガリとなる。更に裏ドラは雀頭の東となり、4連勝に向けて大きなアガリとなった。
しかしそれ以上に気になったことは、親番西嶋のヤミテンである。その西嶋は南2局でも興味深い一打。
持ち点が均衡して迎えた南1局

三万五万六万一索二索三索四索五索七筒七筒北北北  ツモ三索  打三万 左向き  ドラ七筒

西嶋はこれを一発でツモリ、裏ドラ北の8,000オールで大きく抜け出す。
次局、更なる加点を目指し先制リーチも水口の追っかけリーチに一発で捕まり、8,000の放銃。
そして迎えた南2局である。

 

100

 

6巡目、水口が少考の末の先制リーチ。11巡目に西嶋は三色含みの1シャンテン。
そしてツモ七索。皆さんはここから何を切るのであろう。

「あぁこれは危ないですね」解説の黒沢プロである。

しかし西嶋の手が止まる。
「凄いですね、自分なら切ってますね」同じく山田プロである。

相手のアタリ牌を掴んだ直後の長考。何度も見たこのシーン。こうなったら西嶋はもう打たない。
西嶋は長考の末、河に一万を切り出した。結果は水口の500・1,000ツモアガリとなった。

七索だから止めたわけではないんです。水口さんへ8,000放銃直後で、テンパイまでは現物しか切るつもりはありませんでした。水口さんの少考から何か不満があるリーチであろうとは思いましたが、スジを追うつもりはありませんでした」

西嶋の感性の鋭さを象徴する驚愕の1局となった。

 

100

 

7回戦成績
西嶋+30.8P 天音+2.0P 浅見▲8.9P 水口▲23.9P

7回戦終了時
浅見+35.4P 日向+19.5P 天音+9.3P 西嶋+4.6P 水口▲70.8P

 

 

8回戦【起家から 水口・天音・日向・西嶋】抜け番・浅見

トータルポイントをプラスに戻した現プロクイーン西嶋。8回戦は圧巻の大トップ。

東1局、親番水口とのリーチ合戦を日向から仕留める。裏ドラ3枚の12.000。

一索一索一索七索七索七索八索九索二筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン一筒  ドラ一索  裏七索

こうなった西嶋は攻めることをやめない。そしてアガリを拾うことはしない。徹底的に相手を叩き潰しに行く。

東2局では水口のリーチに無筋連打で700・1,300。
東3局でも以下の手牌を即リーチ。裏ドラ2枚の4,000・8,000。

二万二万六万七万五索六索七索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ツモ五万  ドラ九筒  裏二万

ワンサイドゲームである。
そして親番を迎えた西嶋。この手もリーチだ。

 

100

 

トータルポイントを大きく減らし、後がない水口から北を打ち取り12,000のアガリとなる。
4局連続でのアガリ。西嶋の独り舞台である。

南3局を迎え持ち点は以下。

水口5,800 天音23,700 日向9,300 西嶋80,200

トータルポイントを踏まえると西嶋が首位浮上、水口は非常に厳しくなった。
天音はギリギリのラインで堪えている。
そして日向、、、西嶋とは60ポイント近くの差が付いてしまっている。この親があっさりと流れるようでは今後の戦いが厳しくなってくる。

その日向にドラトイツのチャンス手。トイツ4組の以下の配牌をどうまとめるか。

五万五万八万八万一索一索八索二筒四筒六筒六筒東西中  ドラ六筒

2巡目に東を重ねて七対子1シャンテン。トイツとなった東は役牌である。
仕掛けか、メンゼンか・・・
七対子でまとめれば一気に高打点のアガリが見える。しかしスピードで出遅れてしまえば親落ちの危険性もある場面。

直後に東が放たれる。日向動かず。更に次巡にも東
最後の決断、分岐点。日向動かず・・・メンゼンでの勝負に出る。

これが好判断、日向は直後にテンパイを果たし即リーチ。
裏ドラ2枚の18,000を水口から出アガリ、優勝戦線に踏みとどまる非常に大きな2着浮上を果たした。

8回戦成績
西嶋+64.2P 日向+11.6P 天音▲18.3P 水口▲57.5P

8回戦終了時
西嶋+68.8P 浅見+35.4P 日向+31.1P 天音▲9.0P 水口▲128.3P

初日の大混戦とは対照的な2日目の戦いであった。
首位に躍り出たのは現プロクイーン西嶋。黒沢が成し遂げた第6、7期以来の連覇を狙う。しかしこのまま簡単にゴールテープを切れるとは考えづらい。

背後にピタリと付けた浅見、日向。虎視眈々と上位陣を伺う天音。厳しいながら自身の麻雀を貫く水口。

12回戦が終わったその時、麻雀の女神は誰に微笑むのだろうか・・・

第15期大分リーグ(プロアマ混合)最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 石原 忠道 一般 ▲ 25.4 ▲ 41.3 25.1 125.1 83.5
2 藤田 祥司 一般 25.9 79.7 ▲ 19.0 ▲ 7.4 79.2
3 相本 長武 一般 ▲ 12.3 58.7 ▲ 3.0 22.7 66.1
4 鶴井 大介 一般 31.7 13.2 ▲ 6.3 20.8 59.4
5 伊東 宏倫 プロ ▲ 0.3 26.5 3.4 21.0 50.6
6 矢野 拓郎 プロ 5.0 37.7 53.4 ▲ 47.3 48.8
7 渡辺 辰宏 一般 52.0 32.9 ▲ 40.9 ▲ 10.0 34.0
8 下山 哲也 プロ 19.4 15.9 41.2 ▲ 58.6 17.9
9 川島 貴博 一般 ▲ 29.3 ▲ 9.7 2.2 46.6 9.8
10 吉野 浩 一般 17.3 ▲ 15.8 0.0 0.0 1.5
11 薬真寺 実 一般 ▲ 26.6 ▲ 18.5 32.7 ▲ 2.9 ▲ 15.3
12 塚本 将之 プロ ▲ 53.1 ▲ 12.5 30.0 ▲ 6.3 ▲ 41.9
13 安東 裕允 プロ ▲ 25.9 ▲ 19.1 0.0 0.0 ▲ 45.0
14 松本 広大 一般 ▲ 33.7 15.9 ▲ 28.9 ▲ 7.8 ▲ 54.5
15 角谷 陽介 プロ ▲ 16.5 47.1 ▲ 23.7 ▲ 63.0 ▲ 56.1
16 柿添 誠 プロ ▲ 67.5 ▲ 7.4 ▲ 16.6 ▲ 3.0 ▲ 94.5
17 上田 悟史 一般 ▲ 45.8 ▲ 60.1 1.9 0.0 ▲ 104.0

「日本プロ麻雀連盟2019卓上カレンダーレポート」 小笠原 奈央

今年もこの季節がやってまいりましたねー。皆様お待ちかねの日本プロ麻雀連盟2019年版カレンダー!
今年も広報担当として小笠原奈央太郎がと言いたいところですが ク…ゴホン
小笠原奈央次郎が変わって担当させて頂きたく思います。皆様宜しくお願い致します。

昨年の小笠原奈央太郎コラム

今年の日本プロ麻雀連盟カレンダーは、総勢20名の女流プロで毎月、鮮やかに彩っております!
宮内プロ監修の2019年版カレンダーを、今回現場マネージャーとして付き添ってくださった三四郎プロの一言に添えて紹介してまいりましょう。

1月から華やかですよーじゃじゃん!

 

1月担当 魚谷侑未 和久津晶

 

100

 

三四郎『撮影はスムーズでした。特に事件はありませんでした。』
事件て……(笑)

 

 

2月担当 中山奈々美 山脇千文美

 

100

 

三四郎『オソロの洋服です。ガラクタポーズはどうしてもやりたかったそうです。』
はい!がーらりー!

 

 

3月担当 宮内こずえ

 

100

 

三四郎『今年は虫が居ませんでした。』
そこ?!

 

 

4月担当 手塚紗掬 黒沢咲

 

100

 

三四郎『撮影後は2人で食事をしました。』
お、おう!(笑)

 

 

5月担当 二階堂亜樹

 

100

 

三四郎『お湯を早めに張りすぎて、お湯がぬるくなって寒い思いをさせてしまいました。』
このお湯を張れる三四郎さんが羨ましいですね。皆様。

 

 

6月担当 二階堂瑠美

 

100

 

三四郎『朝綺麗に咲いていた花があったのですが、夕方には閉じてしまい 葉っぱがバックになりましたが、ルミさんが花のようでした。』
三四郎さん赤い実はじける!

 

 

7月担当 古川彩乃 小笠原奈央 石田亜沙己

 

100

 

三四郎『とてもGoodです。』
thank youです!

 

 

8月担当 高宮まり

 

100

 

三四郎『お気に入りの水着だそうです。』
ということは自前?これは嬉しい情報ですね

 

 

9月担当 和泉由希子

 

100

 

三四郎『料理が得意のようです』
この美貌に料理上手とな?!

 

 

10月 担当井上絵美子 古谷知美 松岡千晶

 

100

 

三四郎『2人の悪魔が1人の天使をイジメている構図のようです。』
とてもよく表現されています

 

 

11月 菅原千瑛 蒼井ゆりか

 

100

 

三四郎『ベット感を出すのが大変でした。オソロのパジャマです。』
覗き出す足と肩がなんとも言えない妖艶さ

 

 

12月担当 東城りお

 

100

 

三四郎『カメラマンもノリノリでバシバシ何枚も撮っていました』
も?三四郎さんも?!

 

さあー。いかがでしたか?今年も素敵な出来栄えでしょう。え?誰かがとっても邪魔だったって?ええ。ええ。カレンダーを購入していただければ、ちゃーんと見れますよ♡
これを見ても未だ買おうかなー?どうしようかなー?と悩んでるそこの貴方!!

買わなきゃ損損!だってKONAMI STYLEなら女流プロのクリアファイルが特典で付いてきちゃうんだから!
しかもこのカレンダーには人と仲良くなれてしまうパワーも秘めているとか…

例えば…

今日は憧れていたあのプロに会える日だ!ドキドキドキ。いざ目の前にすると何を話せばいいのか分からない。時間だけが経過していく…そんなとーき!この連盟カレンダーの登場です。
「ッゴホン!す、すみません!カレンダーにサインをしてください」
女流「わあ!ありがとうございます♡」
こんな感じで自然に会話が成立しサインをして貰いながら
「今日会えるのをずっと楽しみにしていたんです!」
女流「ええー!じゃあ、写真も撮ろうよ!どちらから来られたんですか?」

 

100

 

ほらほらほら。完璧じゃないですか。

この連盟カレンダーで友達の輪だって広がっちゃうかも

某雀荘にて…
カレンダーをめくりながら
A「結構女流プロのサイン集まってきたなー」
B「わあ!それ2019年のですか?見せてもらってもいいですか?わあ!沢山サインがある。羨ましいっす」
A「良かったら僕2部持ってるから1部あげようか?」
B「神っす!番号交換しようっす!今度一緒にサイン貰いにいきませんか?」

 

100

 

こんな感じで新たな友情が始まるってことも!
またまだありますよ。新たな出会いも。

仕事場にて。
A「はあー。今日も仕事疲れたなー。あっ!この前届いた連盟カレンダーをデスクにでも飾って明日も仕事頑張るか!」
ゴソゴソゴソ
後輩女子「わあ!それって麻雀プロのカレンダーですか?先輩も麻雀お好きなんですね?実は私も最近麻雀を始めて…」
社長「おおー!君達麻雀好きなのか?今日セットでもどうだ?」
「はい!喜んでー!!」

 

100

 

こんな感じで彼女との仲は深まっていったそうな。昇進も決まったそうな(笑)

こういう時にも便利!

もうすぐ親友の誕生日だなー。もう何あげていいかわかんねーわ。あ!麻雀仲間だし連盟カレンダーあげてみるか!
A「誕生日おめでとー」
B「いつもサンキュー!え?なにこれ?連盟カレンダー??」ペラペラペラペラ
その他大勢「なんだよそれー!見せろよー!」「おー!俺この子まぢタイプ」「俺この人の対局よく見てるわー」「俺こっちのが好き」「好みのやつ、せーので指そうぜい」

せーの!ギャハハグハハワキャキャ

 

100

 

てな風に盛り上がるわけですよ!この時間がプライスレスなわけですよ。

さあさあ!いてもたってもいられなくなったでしょう。今すぐKONAMI STYLEにアクセスアクセス!何日か後には貴方の元に!
2019年も日本プロ麻雀連盟カレンダーと共に迎えましょう!貴方にとって素晴らしい1年でありますように。

P.S 嬉しいことに前年度同様レポートを担当させていただきました!
前年度よりパワーアップしてと思ったら気合が先走り、気持ち悪さが倍増しただけになってしまいました。申し訳ありませんでした!!
2019年も宜しくお願い致します。

八局麻雀6<セブンネット限定特典 生写真セット付き>

100

 

親連荘なしの八局で行う「八局麻雀」第六弾!!

発売日:2018年11月02日
特典つき セブンネットオリジナル特典:生写真セット(井上絵美子・岡田紗佳・高宮まり・石田亜沙己・東城りお)
コピーライト:©V☆パラダイス
 

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