第24期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート

チャンピオンズリーグとは…

半年に1回開催されるタイトル戦であり、日本プロ麻雀連盟員なら誰でも参加できる。
今回もAリーグからEリーグまでいろんなプロ75名が参加した。

まず予選は4半荘を5節行う。
ポイント上位29名が、トーナメント戦へと進むことが出来る。
予選1位と、前回優勝者がベスト16からのシードとなる。
そしてベスト16、ベスト8とトーナメント戦を行い、決勝メンバー4人を決める。
そして翌日、決勝戦が行われ、優勝した者がチャンピオンとなる。

champ24

図で示すとこのような感じになっている。
このレポートでは、ベスト28の様子について書いていきます。

 

【ベスト28】

2013年8月17日。平均気温は27℃、比較的過ごしやすくなってきた今日この頃、チャンピオンズリーグのトーナメント戦が四ツ谷で行われた。
今回のベスト28は会場が二箇所で行われ、すべての卓を見ることは出来なかったため、一部の卓しか紹介できませんが、御了承下さい。

2卓:内川幸太郎 vs 増田隆一 vs 福光聖雄 vs 斎藤桂史

自分は、今期A2リーグに昇級した内川に注目した。
福光の連荘で始まった東1局3本場。
内川の手牌

二万二万五万六万八万八万九万九万六筒六筒六筒中中  ドラ八万

ここから九万をポンして、打五万
その後、中もすぐ鳴けて、

二万二万八万八万六筒六筒六筒  ポン中中中  ポン五万五万五万

このテンパイ。
数巡後、増田から二万が出て8,000は8,900のアガり。
南入しても内川は満貫をツモアガるなどして加点し、初戦をトップで終える。
調子は良さそうである。

2回戦終了時
内川+22.6P 斎藤+0.5P 福光▲9.4P 増田▲13.7P

最終戦、特に大きな点数の動きが無いまま迎えた南1局、息を潜めていた増田がトータル2着目の斎藤から

二万二万六万七万八万三筒四筒四筒五筒五筒四索五索六索  ドラ七万  ロン三筒

これを打ち取りトータルで2着となる。
その後は、増田ペースで安定した打ちまわしでそのまま終局となり、内川と増田の通過となった。

1位通過:内川幸太郎 2位通過:増田隆一

 

3卓:客野直 vs 石橋薫 vs 松崎良文 vs 戸島祥太

1回戦は石橋の1人浮きで終えて、2回戦。
松崎の満貫ツモアガリから始まり、次局アガった松崎の親番。

四万五万六万八万八万八万二筒二筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ七万  ドラ八万

ドラ暗刻のテンパイの形から、1シャンテンに戻す九筒切り。
そして三万をチーして、

六万七万八万八万八万二筒二筒六筒七筒八筒  チー三万四万五万

この形になり、初戦トップの石橋から二筒を出アガリ、11,600点を加点してこの半荘は石橋が1人沈みとなる。

2回戦終了時
松崎+23.6P 戸島▲1.5P 石橋▲6.7P 客野▲15.4P

松崎以外の3者の競りとなったが、客野が2,600オールをツモり頭一つ抜け出し、そのまま勝ち上がりとなった。

1位通過:松崎良文 2位通過:客野直

 

7卓:桶本篤史 vs 藤井すみれ vs 須浦正裕 vs 蒼井ゆりか

2回戦終了時
藤井+11.0P 蒼井▲1.0P 須浦▲3.6P 桶本▲6.4P

藤井が若干リードしているものの、4者の競りとなった最終半荘。
開局、親番の蒼井からリーチが入る。

八万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒四索五索六索七索八索  リーチ  ドラ三筒

絶好のカン三筒を引き入れてのテンパイで、あっさり高めの三索をツモり4,000オール。
その後も加点を続け、1つ目の枠は蒼井でほぼ決まった。

そして蒼井がトップのまま迎えた南2局。
もう後がない親番の桶本から、蒼井がヤミテンで7,700点をアガリ、桶本はかなり厳しい状態になる。
さらに南3局、藤井が南をポンして桶本から5,800点をアガる。
残りの枠を争って、藤井、須浦の一騎打ちになるかと思われたが、次局桶本からリーチが入る。
流局かと思われた桶本の最終ツモで、力強くツモりアガる。

一万一万二万二万二万五万五万五万七万八万九万南南  ドラ四万  ツモ南

高めの南をツモアガリ、4,000・8,000の倍満である。
倍満の親被りをした藤井がこの半荘でラスになり、トータルでほぼ3者並びになった。
そして迎えたオーラス。
このまま勢いがついた桶本がアガるかと思われたが、藤井が落ち着いてサクっと1,000点をアガり、勝ちあがりを決めた。

1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:藤井すみれ

 

1卓:白鳥翔 vs 石川正明 vs 藤本哲也 vs 杉浦勘介

2回戦終了時
白鳥+29.7P 石川+20.1P 藤本▲23.5P 杉浦▲25.8P

最終半荘、藤本がトップで、石川をラスにするも、石川がギリギリのところで逃げ切り、白鳥と石川の勝ち残りとなった。

1位通過:白鳥翔 2位通過:石川正明

 

4卓:北野由実 vs 藤崎智 vs 加藤博己 vs 三好直幸

2回戦終了時
藤崎+13.1P 三好+1.5P 北野▲1.5P 加藤▲12.1P
最終半荘も上2人がトップと2着をとり、そのまま勝ち上がりとなった。

1位通過:藤崎智 2位通過:三好直幸

 

5卓:太田優介 vs 阿部謙一 vs 犬見武史 vs 鷲見隼人

2回戦終了時
太田+14.3P 鷲見+13.9P 阿部+1.1P 犬見▲30.3P

逃げる2人を阿部と犬見が追う形になったが、そのまま2人が逃げ切り、勝ち上がりとなった。

1位通過:鷲見隼人 2位通過:太田優介

 

6卓:西岡慎泰 vs 田中史孝 vs 塚越祐次郎 vs 西川淳

2回戦終了時
西川+23.9P 西岡+14.8P 塚越▲4.9P 田中▲33.8P

去年のチャンピオンの西川と、今年のマスターズ3位の西岡が、そのまま突っ走って勝ち上がりとなった。

1位通過:西岡慎泰 2位通過:西川淳

次のベスト16トーナメントからは、去年のチャンピオン・中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘が参戦する。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト28トーナメントでした。
次はベスト16トーナメントです。

 

【ベスト16】

ベスト28トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト16トーナメントの戦いが始まる。
去年のチャンピオン中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘がここからの参戦となる。

1卓 中村慎吾 vs 西岡慎泰 vs 蒼井ゆりか vs 石川正明

中村の立ち上がりが気になったが、1回戦から満貫をツモアガったりと、悪くはなさそうだ。
しかし、先程のベスト28を通過した勢いで、アガリ続けた蒼井が5万点を超えるトップを取り、中村は2着となった。
しかし2回戦目は、蒼井がラスを引いてしまい、全員順位がひっくり返り、平らな状態で最終半荘を迎えることとなった。

2回戦終了時
中村+10.1P 蒼井+6.9P 石川▲6.0P 西岡▲11.0P

大きな点棒移動もないまま迎えた東4局、蒼井からリーチが入る。
そして力強くツモ。

二万三万四万六筒七筒七筒八筒八筒六索六索八索八索八索  ドラ六索  ツモ六筒

高めをツモり、跳満をアガった蒼井は、勝ち抜けに大きく近づいた。
ベスト28の時と同じように、混戦の中で大きい手をアガる事が出来るのが蒼井の持ち味なのかもしれない。
そして南1局、蒼井に続こうと、前へと出る石川と西岡の手がぶつかる。
先制リーチは石川。

三万三万四万五万五万五万六万七万六筒六筒四索五索六索  リーチ  ドラ北

そして手変わりを待っていた西岡も、ツモ切り追っかけリーチと出る。

四万四万二筒三筒四筒二索三索四索五索六索七索北北  リーチ

自然と放銃しない形になっている西岡に分があるように見える。
結果、北をツモアガリ、待望の2,000・4,000。西岡と蒼井の2人が38,000点台になって、完全に並びができた。
オーラスの中村の親も蒼井が1,000点でサクっと捌いて、蒼井、西岡の勝ちあがりで終局となった。

1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:西岡慎泰

 

2卓 藤原隆弘 vs 鷲見隼人 vs 藤井すみれ vs 増田隆一

ここから藤原が参戦である。
予選1位の勢いは衰えていないようで、1回戦断トツトップ、2回戦も加点を続け、放銃も殆ど無くいつもどおり安定した戦いを見せる。
逆に調子が悪そうなのが鷲見であった。
2回戦南4局、親:藤井。南家・鷲見手牌

一万二万三万四万五万五万六万七万八万八万九万西西  ドラ六索

五万八万のくっつきテンパイの形である。ここで親の藤井からリーチが入る。
そして同巡ツモ四万
初戦ラスであり、跳満以上確定のテンパイのため、仕方ないといった様子で出る八万
そして藤井がロン。五万八万待ちの、メンタンピンドラ1の11,600点に刺さる。
このアガリが大きく、この半荘は藤井がトップで終わり、完全な並びが出来て、最終半荘を迎える。

2回戦終了時
藤原+38.1P 藤井+34.5P 増田▲16.4P 鷲見▲58.2P

大体トップの藤原と、2着の藤井で決まりだな、と思って目を離した開局、親の増田のツモの声。

五万五万五万七万七万発発中中中  ポン南南南  ドラ四筒  ツモ発

増田がいきなりこの8,000オールをツモアガリ、一気に目を離せない勝負となった。

次局もリーチをして、藤井から2,000は2,300を出アガる。

これで藤井をトータルで捲ることに成功。
どこまで連荘を重ねるのだろう、と期待した増田の親番だったが、次局ツモが伸びずなんとノーテンで流局。
そして東2局、増田が再びリーチを打つ。
みな受けに入るかと思われたが、藤井から無筋が切られる。
藤原と鷲見は受けているため実質、増田と藤井の一騎打ちになった。
そして増田がゆっくりと切った牌で藤井がロン。
自風のドラを暗刻にした満貫を、一番アガリたい相手の増田から打ち取ることに成功。
このアガリで空気が変わり、藤井はその後も加点し原点をまで点棒を戻し、藤原は場を上手く回して、そのまま2人で勝ち上がりを決めた。

1位通過:藤井すみれ 2位通過:藤原隆弘

 

3卓 白鳥翔 vs 藤崎智 vs 西川淳 vs 客野直

今回のチャンピオンズリーグで唯一A1リーグからの参加の藤崎だったが、展開に恵まれずマイナスした状態で最終半荘を迎えた。

2回戦終了時
西川+42.1P 白鳥+12.3P 藤崎▲26.3P 客野▲28.1P

藤崎、客野は必然的に白鳥がターゲットとなる。
東2局、藤崎が親で役牌の中を仕掛ける。

四万四万五万四筒五筒六筒六索七索八索東東  ポン中中中  ドラ四筒

打点が必要な藤崎はここから五万を切り、シャンポンに構える。
東を引けるかどうかの戦いだな、と思ってみていたら、数巡後、白鳥が長考した後、出てきた牌はなんと東
藤崎に11,600点の放銃となった。

この藤崎の親を流せればかなり楽になり勝ち残りが一気に近づくのは確かだが、少し勝負を焦ってしまったか。
次局も白鳥は客野に2,600は2,900の放銃となり、雲行きが怪しくなってきた。

そして迎えた白鳥の親番だったが、客野が積極的に染め手を仕掛けていき、三索六索九索待ちのチンイツをツモアガリ、2,000・4,000。白鳥は痛い親被りとなり、東場が終了した。

南1局、客野が親で連荘をし、少しずつ加点し本場を積んでいく。
南2局の藤崎の親も、客野が1,000点でサクっとかわす。
藤崎はドラが暗刻の勝負手が入っていただけに、少し痛い親流れとなった。
そしてラス前、点棒状況は東家から、

西川30,400 白鳥10,300 客野42,600 藤崎36,700

白鳥が1人沈みになり、トータル2着は客野になっていた。
西川を除く3者、どのような状況でオーラスになるかと思ったら、このラス前で白鳥が西川に11,600を放銃し、ついに箱を割ってしまう。

オーラスの親は白鳥なので、まだ可能性はあるが、かなり重い11,600だったに違いない。
次局は藤崎がアガリ迎えたオーラス。点棒状況は東家から、

白鳥▲2,500 客野42,600 藤崎38,000 西川41,900

藤崎は客野を素点で逆転すればいいので、出アガリ5,200、ツモアガり1,000・2,000が必要である。
ホンイツに寄せていった藤崎は、11巡目、

一万一万二万二万三万四万六万六万八万八万八万中中

この形で、一万をツモり二万を切って面前でテンパイする。
そして、あっさり中をツモアガリ、3,000・6,000で見事逆転の勝ち上がりを決めた。

1位通過:西川淳 2位通過:藤崎智

 

4卓 太田優介 vs 三好直幸 vs 内川幸太郎 vs 松崎良文

ベスト28断トツトップだった内川を見ていたが、試合前にかぜ薬らしきものを飲んでいる姿を見た。
どうやら体調が優れないらしい。
それが関係しているかはわからないが、初戦ラスを引いてしまう。

2回戦目、東3局7本場、太田が50,000点を超えて、この半荘ぶっちぎるか?と思った。
しかし南1局、今度は三好の大連荘が始まる。
3,900から始まり、2,600オールや3,900オールなど高打点も決めて、気づいたら三好が50,000点を超えてトップに立っていた。
見ていただけで、三好の4回のリーチの中、内川は3回一発でロン牌を掴まされる様子を見て、内川の体勢の悪さが良く分かった。
終わってみれば、三好は65,000点の大トップで2連勝し、早くも勝ち上がりがほぼ決まった。

最終半荘、太田と松崎の一騎打ちとなったが、トーナメント慣れした松崎が安定した打ちまわしでリードしたままオーラスを迎える。

ラス親が断トツトップの三好のため、1局勝負となった太田は、残り2巡のところでツモれば跳満で逆転するリーチを打つも、ツモれず流局。
松崎の逃げ切りとなった。

1位通過:三好直幸 2位通過:松崎良文

 

以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト16トーナメントでした。
いよいよ決勝メンバーが確定する、ベスト8トーナメントです。

 

【ベスト8】

ベスト16トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト8トーナメントの戦いが始まる。

ここまで藤原以外は6半荘を打っており、体力的にも辛くなってくる本日最後の3半荘である。

1卓 西岡慎泰 vs 藤崎智 vs 藤井すみれ vs 三好直幸

点棒が大きく動いたのは東2局。
西家の西岡が自風を仕掛ける。そして北ポン、中ポンとし、三好の切った八筒でロン。

六筒七筒白白  ポン西西西  ポン北北北  ポン中中中

西岡、初戦から大きいアガリを拾う。
逆に三好はこの放銃が響き、1人沈みのままオーラスを迎える。
18,100点持ちの南家の三好は、ツモれば跳満のドラ含みの七対子のリーチを打つも、親の西岡と2人テンパイで流局。次局は藤崎がピンフをツモって、三好の1人沈みのまま1回戦を終える。

2回戦に入り、先手を取ったのは三好。
1,300・2,600をアガリ、次局も三色のリーチをツモって加点を続ける。
東4局には44,300点の1人浮きでリードする。
南2局、再び三好の連荘が始まる。が、この連荘を止めたのは藤井。
三好が数牌を1つ仕掛けて、字牌が切りづらくなっている局面の中、藤井から生牌のドラの東が打たれる。
結果、どこからも仕掛けは入らず、次巡、藤井のツモも声。

四万五万六万二筒三筒四筒四索五索五索五索七索七索七索  ツモ六索  ドラ東

500・1,000で三好の親を落とす。
ドラの単騎にも出来る形だったのだが、それよりも三好の親を流すためにアガリ優先の待ちにしたということである。鳴かれたとしても、おそらくほぼオリる気は無かったに違いない。それほど三好の親の連荘を恐れたのだろう。この決死の判断もあり、オーラスの点棒状況は、親から

西岡10,900 藤崎21,200 三好56,700 藤井30,000

ここから藤崎と藤井の2人テンパイで流局。藤井は三好の1人浮きを阻止することに成功。
藤井と西岡と三好はほぼ並びの状態で、藤崎は少し離されて最終戦を迎えることとなった。

最終戦、点棒が大きく動いたのは、東2局、藤井の4,000オールのツモだった。
続く2本場でも、三好と手がぶつかるも、藤井が嶺上開花でツモリ4,000は4,200オールのアガリ
これで一気に決勝進出に近づいた。
ついには60,000万点を超え、勝ち残り濃厚となる。
残りの決勝の椅子を3人で取り合う形となった。

藤井の親は落ち東3局、三好の親で、主導権を握るべく藤崎がリーチを打つ。
しかし一歩も引かない三好もついに追いつき、リーチと出る。
この勝負を制したのは三好。藤崎から12,000点の出アガリとなる。
藤崎にとっては手痛い放銃となった。
そして、三好はこのアガリを引き金に、大連荘が始まるのであった。
東3局1本場、3,900は4,200。
東3局2本場、2,000は2,600。
東3局3本場、流局。
東3局4本場、4,000オールは4,400オール。
東3局5本場、2,000は3,500。
東3局6本場、2,000オールは2,600オール。
東3局7本場、2,600オールは3,300オール。
ベスト28トーナメントでも垣間見た、三好の凄まじいラッシュである。
藤崎と西岡はほぼ点棒は無くなり、そのまま藤井と一緒に勝ち残りとなった。

1位通過 三好直幸 2位通過 藤井すみれ

 

2卓 藤原隆弘 vs 松崎良文 vs 西川淳 vs 蒼井ゆりか

静かな立ち上がりとなった2卓。
東3局2本場、藤原にドラ暗刻の勝負手が入るも、蒼井にピンフでかわされたりと勝負手が出ない。
迎えた東4局1本場。

親の藤原が、

一万二万三万四万四万五万五万六万六万七筒八筒発発  ドラ八索

このテンパイをするもヤミテンにする。
2,000オールを目指してリーチをする人も少なくないはずである。
何かあるのか?と思ったら、その巡目に西川からドラがトイツのリーチ。
そして藤原、次巡ツモ発で打八筒。さらに次巡ツモ七万で打七筒
一瞬にしてこんな手に早変わり。

一万二万三万四万四万五万五万六万六万七万発発発

ヤミでも満貫の勝負手に進化してしまった。
結局リーチしている西川の現物の白待ちにするも、流局。
誰も抜け出すことなく南入。
南2局4本場、藤原が松崎から6,400は7,600をアガる。
小場の中では、かなり大きいアガリである。
そして藤原がトップのまま初戦を終える。

2回戦も1,300の移動で静かな立ち上がりで、1回戦と同じく小場で回るのかと思いきや、北家の藤原に手が入る。

三万三万七万七万八万八万九万九万西西北発発  リーチ  ドラ七筒

この手、早3巡目のリーチである。
北は親が1枚切っていて、絶好の待ちである。
これを西川から出アガリ、初戦トップの藤原、12,000の加点。

その後、大きな点棒の動きはなく、藤原の1人浮きで2回戦を終える。
2連勝した藤原は、決勝進出ほぼ確定となったため、松崎と蒼井と西川の戦いとなった。
現状、蒼井が2位のため、西川と松崎は蒼井がターゲットとなる。

最終戦、西川、松崎ともにアガリを重ねるが、決定打が出ないまま、南1局。蒼井の親を迎える。
西川と松崎はこの親をかわせるかどうかが鍵となる。
先手を取ったのは西川、リーチを打つ。
すると蒼井はここを勝負所と踏み、無筋を押す。
本日、二度ベスト28とベスト16で似たような状況で、蒼井が満貫以上をツモアガるのを見ていた自分は、ここでもアガってしまうのではないか、と感じた。そしてテンパイし、リーチを打つ。

一万一万一万五万五万五万五筒六筒七筒一索一索五索五索  ドラ東

このツモり三暗刻のリーチである。
そして当然のように五索をツモアガリ、待望の4,000オールをアガる。
このアガリで蒼井は4万点近いトップになり、かなり有利な状況になる。
南3局、親の松崎も1,300オールをツモり食い下がる。
そして蒼井がトップのままオーラスを迎える。
親の西川は連荘を、松崎は条件を満たす手を作りに、蒼井はこの局を流せば終了、という各自のテーマがあったが、絶好調の藤原が一瞬でアガリ、そのまま藤原と蒼井の勝ち上がりとなった。

1位通過 藤原隆弘 2位通過 蒼井ゆりか

 

こうして決勝メンバーが出揃った。

藤原隆弘 vs 三好直幸 vs 藤井すみれ vs 蒼井ゆりか

決勝に向けて、決勝メンバー4人に一言づつ頂きました。

~決勝に向けて一言~

三好直幸:
関西にタイトル持って帰ります。

藤井すみれ:
4年前に、同じ舞台で藤原さんに負けて悔しい思いをしたのを今も忘れていません。
4年前より進歩している自分を見せて、優勝したいと思います。

藤原隆弘:
今回はあまりにも楽に残りすぎちゃいました。予選1位通過の勢いが残っていたのかな。
4回目の決勝で3回目の優勝を狙います。

蒼井ゆりか:
決勝の舞台は緊張すると思いますが、自分らしくしっかりとした麻雀を打ちたいです。
精一杯頑張ります!

 

次回はついに決勝です。
女性2人が残った決勝、格が上の藤原はどのような麻雀をするのであろうか。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト8トーナメントでした。
決勝観戦記は、ベスト16トーナメントで惜しくも敗れた増田隆一プロです。
ありがとうございました。

(文中敬称略)

JPML WRCリーグ レポート/第24期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート

チャンピオンズリーグとは…
半年に1回開催されるタイトル戦であり、日本プロ麻雀連盟員なら誰でも参加できる。
今回もAリーグからEリーグまでいろんなプロ75名が参加した。
まず予選は4半荘を5節行う。
ポイント上位29名が、トーナメント戦へと進むことが出来る。
予選1位と、前回優勝者がベスト16からのシードとなる。
そしてベスト16、ベスト8とトーナメント戦を行い、決勝メンバー4人を決める。
そして翌日、決勝戦が行われ、優勝した者がチャンピオンとなる。
champ24
図で示すとこのような感じになっている。
このレポートでは、ベスト28の様子について書いていきます。
 
【ベスト28】
2013年8月17日。平均気温は27℃、比較的過ごしやすくなってきた今日この頃、チャンピオンズリーグのトーナメント戦が四ツ谷で行われた。
今回のベスト28は会場が二箇所で行われ、すべての卓を見ることは出来なかったため、一部の卓しか紹介できませんが、御了承下さい。
2卓:内川幸太郎 vs 増田隆一 vs 福光聖雄 vs 斎藤桂史
自分は、今期A2リーグに昇級した内川に注目した。
福光の連荘で始まった東1局3本場。
内川の手牌
二万二万五万六万八万八万九万九万六筒六筒六筒中中  ドラ八万
ここから九万をポンして、打五万
その後、中もすぐ鳴けて、
二万二万八万八万六筒六筒六筒  ポン中中中  ポン五万五万五万
このテンパイ。
数巡後、増田から二万が出て8,000は8,900のアガり。
南入しても内川は満貫をツモアガるなどして加点し、初戦をトップで終える。
調子は良さそうである。
2回戦終了時
内川+22.6P 斎藤+0.5P 福光▲9.4P 増田▲13.7P
最終戦、特に大きな点数の動きが無いまま迎えた南1局、息を潜めていた増田がトータル2着目の斎藤から
二万二万六万七万八万三筒四筒四筒五筒五筒四索五索六索  ドラ七万  ロン三筒
これを打ち取りトータルで2着となる。
その後は、増田ペースで安定した打ちまわしでそのまま終局となり、内川と増田の通過となった。
1位通過:内川幸太郎 2位通過:増田隆一
 
3卓:客野直 vs 石橋薫 vs 松崎良文 vs 戸島祥太
1回戦は石橋の1人浮きで終えて、2回戦。
松崎の満貫ツモアガリから始まり、次局アガった松崎の親番。
四万五万六万八万八万八万二筒二筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ七万  ドラ八万
ドラ暗刻のテンパイの形から、1シャンテンに戻す九筒切り。
そして三万をチーして、
六万七万八万八万八万二筒二筒六筒七筒八筒  チー三万四万五万
この形になり、初戦トップの石橋から二筒を出アガリ、11,600点を加点してこの半荘は石橋が1人沈みとなる。
2回戦終了時
松崎+23.6P 戸島▲1.5P 石橋▲6.7P 客野▲15.4P
松崎以外の3者の競りとなったが、客野が2,600オールをツモり頭一つ抜け出し、そのまま勝ち上がりとなった。
1位通過:松崎良文 2位通過:客野直
 
7卓:桶本篤史 vs 藤井すみれ vs 須浦正裕 vs 蒼井ゆりか
2回戦終了時
藤井+11.0P 蒼井▲1.0P 須浦▲3.6P 桶本▲6.4P
藤井が若干リードしているものの、4者の競りとなった最終半荘。
開局、親番の蒼井からリーチが入る。
八万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒四索五索六索七索八索  リーチ  ドラ三筒
絶好のカン三筒を引き入れてのテンパイで、あっさり高めの三索をツモり4,000オール。
その後も加点を続け、1つ目の枠は蒼井でほぼ決まった。
そして蒼井がトップのまま迎えた南2局。
もう後がない親番の桶本から、蒼井がヤミテンで7,700点をアガリ、桶本はかなり厳しい状態になる。
さらに南3局、藤井が南をポンして桶本から5,800点をアガる。
残りの枠を争って、藤井、須浦の一騎打ちになるかと思われたが、次局桶本からリーチが入る。
流局かと思われた桶本の最終ツモで、力強くツモりアガる。
一万一万二万二万二万五万五万五万七万八万九万南南  ドラ四万  ツモ南
高めの南をツモアガリ、4,000・8,000の倍満である。
倍満の親被りをした藤井がこの半荘でラスになり、トータルでほぼ3者並びになった。
そして迎えたオーラス。
このまま勢いがついた桶本がアガるかと思われたが、藤井が落ち着いてサクっと1,000点をアガり、勝ちあがりを決めた。
1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:藤井すみれ
 
1卓:白鳥翔 vs 石川正明 vs 藤本哲也 vs 杉浦勘介
2回戦終了時
白鳥+29.7P 石川+20.1P 藤本▲23.5P 杉浦▲25.8P
最終半荘、藤本がトップで、石川をラスにするも、石川がギリギリのところで逃げ切り、白鳥と石川の勝ち残りとなった。
1位通過:白鳥翔 2位通過:石川正明
 
4卓:北野由実 vs 藤崎智 vs 加藤博己 vs 三好直幸
2回戦終了時
藤崎+13.1P 三好+1.5P 北野▲1.5P 加藤▲12.1P
最終半荘も上2人がトップと2着をとり、そのまま勝ち上がりとなった。
1位通過:藤崎智 2位通過:三好直幸
 
5卓:太田優介 vs 阿部謙一 vs 犬見武史 vs 鷲見隼人
2回戦終了時
太田+14.3P 鷲見+13.9P 阿部+1.1P 犬見▲30.3P
逃げる2人を阿部と犬見が追う形になったが、そのまま2人が逃げ切り、勝ち上がりとなった。
1位通過:鷲見隼人 2位通過:太田優介
 
6卓:西岡慎泰 vs 田中史孝 vs 塚越祐次郎 vs 西川淳
2回戦終了時
西川+23.9P 西岡+14.8P 塚越▲4.9P 田中▲33.8P
去年のチャンピオンの西川と、今年のマスターズ3位の西岡が、そのまま突っ走って勝ち上がりとなった。
1位通過:西岡慎泰 2位通過:西川淳
次のベスト16トーナメントからは、去年のチャンピオン・中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘が参戦する。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト28トーナメントでした。
次はベスト16トーナメントです。
 
【ベスト16】
ベスト28トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト16トーナメントの戦いが始まる。
去年のチャンピオン中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘がここからの参戦となる。
1卓 中村慎吾 vs 西岡慎泰 vs 蒼井ゆりか vs 石川正明
中村の立ち上がりが気になったが、1回戦から満貫をツモアガったりと、悪くはなさそうだ。
しかし、先程のベスト28を通過した勢いで、アガリ続けた蒼井が5万点を超えるトップを取り、中村は2着となった。
しかし2回戦目は、蒼井がラスを引いてしまい、全員順位がひっくり返り、平らな状態で最終半荘を迎えることとなった。
2回戦終了時
中村+10.1P 蒼井+6.9P 石川▲6.0P 西岡▲11.0P
大きな点棒移動もないまま迎えた東4局、蒼井からリーチが入る。
そして力強くツモ。
二万三万四万六筒七筒七筒八筒八筒六索六索八索八索八索  ドラ六索  ツモ六筒
高めをツモり、跳満をアガった蒼井は、勝ち抜けに大きく近づいた。
ベスト28の時と同じように、混戦の中で大きい手をアガる事が出来るのが蒼井の持ち味なのかもしれない。
そして南1局、蒼井に続こうと、前へと出る石川と西岡の手がぶつかる。
先制リーチは石川。
三万三万四万五万五万五万六万七万六筒六筒四索五索六索  リーチ  ドラ北
そして手変わりを待っていた西岡も、ツモ切り追っかけリーチと出る。
四万四万二筒三筒四筒二索三索四索五索六索七索北北  リーチ
自然と放銃しない形になっている西岡に分があるように見える。
結果、北をツモアガリ、待望の2,000・4,000。西岡と蒼井の2人が38,000点台になって、完全に並びができた。
オーラスの中村の親も蒼井が1,000点でサクっと捌いて、蒼井、西岡の勝ちあがりで終局となった。
1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:西岡慎泰
 
2卓 藤原隆弘 vs 鷲見隼人 vs 藤井すみれ vs 増田隆一
ここから藤原が参戦である。
予選1位の勢いは衰えていないようで、1回戦断トツトップ、2回戦も加点を続け、放銃も殆ど無くいつもどおり安定した戦いを見せる。
逆に調子が悪そうなのが鷲見であった。
2回戦南4局、親:藤井。南家・鷲見手牌
一万二万三万四万五万五万六万七万八万八万九万西西  ドラ六索
五万八万のくっつきテンパイの形である。ここで親の藤井からリーチが入る。
そして同巡ツモ四万
初戦ラスであり、跳満以上確定のテンパイのため、仕方ないといった様子で出る八万
そして藤井がロン。五万八万待ちの、メンタンピンドラ1の11,600点に刺さる。
このアガリが大きく、この半荘は藤井がトップで終わり、完全な並びが出来て、最終半荘を迎える。
2回戦終了時
藤原+38.1P 藤井+34.5P 増田▲16.4P 鷲見▲58.2P
大体トップの藤原と、2着の藤井で決まりだな、と思って目を離した開局、親の増田のツモの声。
五万五万五万七万七万発発中中中  ポン南南南  ドラ四筒  ツモ発
増田がいきなりこの8,000オールをツモアガリ、一気に目を離せない勝負となった。
次局もリーチをして、藤井から2,000は2,300を出アガる。
これで藤井をトータルで捲ることに成功。
どこまで連荘を重ねるのだろう、と期待した増田の親番だったが、次局ツモが伸びずなんとノーテンで流局。
そして東2局、増田が再びリーチを打つ。
みな受けに入るかと思われたが、藤井から無筋が切られる。
藤原と鷲見は受けているため実質、増田と藤井の一騎打ちになった。
そして増田がゆっくりと切った牌で藤井がロン。
自風のドラを暗刻にした満貫を、一番アガリたい相手の増田から打ち取ることに成功。
このアガリで空気が変わり、藤井はその後も加点し原点をまで点棒を戻し、藤原は場を上手く回して、そのまま2人で勝ち上がりを決めた。
1位通過:藤井すみれ 2位通過:藤原隆弘
 
3卓 白鳥翔 vs 藤崎智 vs 西川淳 vs 客野直
今回のチャンピオンズリーグで唯一A1リーグからの参加の藤崎だったが、展開に恵まれずマイナスした状態で最終半荘を迎えた。
2回戦終了時
西川+42.1P 白鳥+12.3P 藤崎▲26.3P 客野▲28.1P
藤崎、客野は必然的に白鳥がターゲットとなる。
東2局、藤崎が親で役牌の中を仕掛ける。
四万四万五万四筒五筒六筒六索七索八索東東  ポン中中中  ドラ四筒
打点が必要な藤崎はここから五万を切り、シャンポンに構える。
東を引けるかどうかの戦いだな、と思ってみていたら、数巡後、白鳥が長考した後、出てきた牌はなんと東
藤崎に11,600点の放銃となった。
この藤崎の親を流せればかなり楽になり勝ち残りが一気に近づくのは確かだが、少し勝負を焦ってしまったか。
次局も白鳥は客野に2,600は2,900の放銃となり、雲行きが怪しくなってきた。
そして迎えた白鳥の親番だったが、客野が積極的に染め手を仕掛けていき、三索六索九索待ちのチンイツをツモアガリ、2,000・4,000。白鳥は痛い親被りとなり、東場が終了した。
南1局、客野が親で連荘をし、少しずつ加点し本場を積んでいく。
南2局の藤崎の親も、客野が1,000点でサクっとかわす。
藤崎はドラが暗刻の勝負手が入っていただけに、少し痛い親流れとなった。
そしてラス前、点棒状況は東家から、
西川30,400 白鳥10,300 客野42,600 藤崎36,700
白鳥が1人沈みになり、トータル2着は客野になっていた。
西川を除く3者、どのような状況でオーラスになるかと思ったら、このラス前で白鳥が西川に11,600を放銃し、ついに箱を割ってしまう。
オーラスの親は白鳥なので、まだ可能性はあるが、かなり重い11,600だったに違いない。
次局は藤崎がアガリ迎えたオーラス。点棒状況は東家から、
白鳥▲2,500 客野42,600 藤崎38,000 西川41,900
藤崎は客野を素点で逆転すればいいので、出アガリ5,200、ツモアガり1,000・2,000が必要である。
ホンイツに寄せていった藤崎は、11巡目、
一万一万二万二万三万四万六万六万八万八万八万中中
この形で、一万をツモり二万を切って面前でテンパイする。
そして、あっさり中をツモアガリ、3,000・6,000で見事逆転の勝ち上がりを決めた。
1位通過:西川淳 2位通過:藤崎智
 
4卓 太田優介 vs 三好直幸 vs 内川幸太郎 vs 松崎良文
ベスト28断トツトップだった内川を見ていたが、試合前にかぜ薬らしきものを飲んでいる姿を見た。
どうやら体調が優れないらしい。
それが関係しているかはわからないが、初戦ラスを引いてしまう。
2回戦目、東3局7本場、太田が50,000点を超えて、この半荘ぶっちぎるか?と思った。
しかし南1局、今度は三好の大連荘が始まる。
3,900から始まり、2,600オールや3,900オールなど高打点も決めて、気づいたら三好が50,000点を超えてトップに立っていた。
見ていただけで、三好の4回のリーチの中、内川は3回一発でロン牌を掴まされる様子を見て、内川の体勢の悪さが良く分かった。
終わってみれば、三好は65,000点の大トップで2連勝し、早くも勝ち上がりがほぼ決まった。
最終半荘、太田と松崎の一騎打ちとなったが、トーナメント慣れした松崎が安定した打ちまわしでリードしたままオーラスを迎える。
ラス親が断トツトップの三好のため、1局勝負となった太田は、残り2巡のところでツモれば跳満で逆転するリーチを打つも、ツモれず流局。
松崎の逃げ切りとなった。
1位通過:三好直幸 2位通過:松崎良文
 
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト16トーナメントでした。
いよいよ決勝メンバーが確定する、ベスト8トーナメントです。
 
【ベスト8】
ベスト16トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト8トーナメントの戦いが始まる。
ここまで藤原以外は6半荘を打っており、体力的にも辛くなってくる本日最後の3半荘である。
1卓 西岡慎泰 vs 藤崎智 vs 藤井すみれ vs 三好直幸
点棒が大きく動いたのは東2局。
西家の西岡が自風を仕掛ける。そして北ポン、中ポンとし、三好の切った八筒でロン。
六筒七筒白白  ポン西西西  ポン北北北  ポン中中中
西岡、初戦から大きいアガリを拾う。
逆に三好はこの放銃が響き、1人沈みのままオーラスを迎える。
18,100点持ちの南家の三好は、ツモれば跳満のドラ含みの七対子のリーチを打つも、親の西岡と2人テンパイで流局。次局は藤崎がピンフをツモって、三好の1人沈みのまま1回戦を終える。
2回戦に入り、先手を取ったのは三好。
1,300・2,600をアガリ、次局も三色のリーチをツモって加点を続ける。
東4局には44,300点の1人浮きでリードする。
南2局、再び三好の連荘が始まる。が、この連荘を止めたのは藤井。
三好が数牌を1つ仕掛けて、字牌が切りづらくなっている局面の中、藤井から生牌のドラの東が打たれる。
結果、どこからも仕掛けは入らず、次巡、藤井のツモも声。
四万五万六万二筒三筒四筒四索五索五索五索七索七索七索  ツモ六索  ドラ東
500・1,000で三好の親を落とす。
ドラの単騎にも出来る形だったのだが、それよりも三好の親を流すためにアガリ優先の待ちにしたということである。鳴かれたとしても、おそらくほぼオリる気は無かったに違いない。それほど三好の親の連荘を恐れたのだろう。この決死の判断もあり、オーラスの点棒状況は、親から
西岡10,900 藤崎21,200 三好56,700 藤井30,000
ここから藤崎と藤井の2人テンパイで流局。藤井は三好の1人浮きを阻止することに成功。
藤井と西岡と三好はほぼ並びの状態で、藤崎は少し離されて最終戦を迎えることとなった。
最終戦、点棒が大きく動いたのは、東2局、藤井の4,000オールのツモだった。
続く2本場でも、三好と手がぶつかるも、藤井が嶺上開花でツモリ4,000は4,200オールのアガリ
これで一気に決勝進出に近づいた。
ついには60,000万点を超え、勝ち残り濃厚となる。
残りの決勝の椅子を3人で取り合う形となった。
藤井の親は落ち東3局、三好の親で、主導権を握るべく藤崎がリーチを打つ。
しかし一歩も引かない三好もついに追いつき、リーチと出る。
この勝負を制したのは三好。藤崎から12,000点の出アガリとなる。
藤崎にとっては手痛い放銃となった。
そして、三好はこのアガリを引き金に、大連荘が始まるのであった。
東3局1本場、3,900は4,200。
東3局2本場、2,000は2,600。
東3局3本場、流局。
東3局4本場、4,000オールは4,400オール。
東3局5本場、2,000は3,500。
東3局6本場、2,000オールは2,600オール。
東3局7本場、2,600オールは3,300オール。
ベスト28トーナメントでも垣間見た、三好の凄まじいラッシュである。
藤崎と西岡はほぼ点棒は無くなり、そのまま藤井と一緒に勝ち残りとなった。
1位通過 三好直幸 2位通過 藤井すみれ
 
2卓 藤原隆弘 vs 松崎良文 vs 西川淳 vs 蒼井ゆりか
静かな立ち上がりとなった2卓。
東3局2本場、藤原にドラ暗刻の勝負手が入るも、蒼井にピンフでかわされたりと勝負手が出ない。
迎えた東4局1本場。
親の藤原が、
一万二万三万四万四万五万五万六万六万七筒八筒発発  ドラ八索
このテンパイをするもヤミテンにする。
2,000オールを目指してリーチをする人も少なくないはずである。
何かあるのか?と思ったら、その巡目に西川からドラがトイツのリーチ。
そして藤原、次巡ツモ発で打八筒。さらに次巡ツモ七万で打七筒
一瞬にしてこんな手に早変わり。
一万二万三万四万四万五万五万六万六万七万発発発
ヤミでも満貫の勝負手に進化してしまった。
結局リーチしている西川の現物の白待ちにするも、流局。
誰も抜け出すことなく南入。
南2局4本場、藤原が松崎から6,400は7,600をアガる。
小場の中では、かなり大きいアガリである。
そして藤原がトップのまま初戦を終える。
2回戦も1,300の移動で静かな立ち上がりで、1回戦と同じく小場で回るのかと思いきや、北家の藤原に手が入る。
三万三万七万七万八万八万九万九万西西北発発  リーチ  ドラ七筒
この手、早3巡目のリーチである。
北は親が1枚切っていて、絶好の待ちである。
これを西川から出アガリ、初戦トップの藤原、12,000の加点。
その後、大きな点棒の動きはなく、藤原の1人浮きで2回戦を終える。
2連勝した藤原は、決勝進出ほぼ確定となったため、松崎と蒼井と西川の戦いとなった。
現状、蒼井が2位のため、西川と松崎は蒼井がターゲットとなる。
最終戦、西川、松崎ともにアガリを重ねるが、決定打が出ないまま、南1局。蒼井の親を迎える。
西川と松崎はこの親をかわせるかどうかが鍵となる。
先手を取ったのは西川、リーチを打つ。
すると蒼井はここを勝負所と踏み、無筋を押す。
本日、二度ベスト28とベスト16で似たような状況で、蒼井が満貫以上をツモアガるのを見ていた自分は、ここでもアガってしまうのではないか、と感じた。そしてテンパイし、リーチを打つ。
一万一万一万五万五万五万五筒六筒七筒一索一索五索五索  ドラ東
このツモり三暗刻のリーチである。
そして当然のように五索をツモアガリ、待望の4,000オールをアガる。
このアガリで蒼井は4万点近いトップになり、かなり有利な状況になる。
南3局、親の松崎も1,300オールをツモり食い下がる。
そして蒼井がトップのままオーラスを迎える。
親の西川は連荘を、松崎は条件を満たす手を作りに、蒼井はこの局を流せば終了、という各自のテーマがあったが、絶好調の藤原が一瞬でアガリ、そのまま藤原と蒼井の勝ち上がりとなった。
1位通過 藤原隆弘 2位通過 蒼井ゆりか
 
こうして決勝メンバーが出揃った。
藤原隆弘 vs 三好直幸 vs 藤井すみれ vs 蒼井ゆりか
決勝に向けて、決勝メンバー4人に一言づつ頂きました。
~決勝に向けて一言~
三好直幸:
関西にタイトル持って帰ります。
藤井すみれ:
4年前に、同じ舞台で藤原さんに負けて悔しい思いをしたのを今も忘れていません。
4年前より進歩している自分を見せて、優勝したいと思います。
藤原隆弘:
今回はあまりにも楽に残りすぎちゃいました。予選1位通過の勢いが残っていたのかな。
4回目の決勝で3回目の優勝を狙います。
蒼井ゆりか:
決勝の舞台は緊張すると思いますが、自分らしくしっかりとした麻雀を打ちたいです。
精一杯頑張ります!
 
次回はついに決勝です。
女性2人が残った決勝、格が上の藤原はどのような麻雀をするのであろうか。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト8トーナメントでした。
決勝観戦記は、ベスト16トーナメントで惜しくも敗れた増田隆一プロです。
ありがとうございました。
(文中敬称略)

新時代突入!プロテスト要項

当連盟は今年で32年目を迎え、4月1日長年に渡り会長を務めていた灘麻太郎が勇退し、
新会長森山茂和が誕生しました。
その新体制を皆で盛り上げて行こうと、若手を中心にやる気で満ち溢れています。

ある者は麻雀勉強会に参加し雀力の向上に切磋琢磨し、ある者は麻雀講師の講習に熱を注ぎ、
ある者は裏方を務める技術の取得に勤しんでいます。
まさに今、日本プロ麻雀連盟は劇的に進化している真っ只中なのです。

CSなどの麻雀番組やニコ生、ユーストリームなどタイトル戦決勝のみならず一般的に映像媒体が増え、打ち手であるプロ達は今までより一層ファンの方々にその技量が問われる時代になっています。
そのような時代の変化に伴い、プロテストの在り方もここ数年で大きく変わってきました。
このコラムでは、近年新たにプロを目指す者たちに求められているものを僕なりの考えで伝えられたらと思います。

私自身、8年前に年に1回のプロテストを受け、半年間の研修期間の後プロ入りを果たしました。
当時は120名程が受験し40名程が合格したのではなかったのかと記憶しています。
内容は競技の世界に入るにおいてのイロハを叩き込まれました。
趣としては競技麻雀を打つにあたっての基礎がメインであったと思います。
それからプロテスト実行委員会に参加させていただき早5年、根幹である基礎能力を問う事は変わりませんがプラスアルファの部分で受験生に問われる内容も大きく変化してきたのを目の当たりしています。

まずシステムの大きな変化としては、プロテストが年に2回行われるようになりました。
これにより、優秀な人材を逃すことも無くなりましたし講師陣は年間通してプロテストを見つづけられます。
反省点、改良点はすぐに反映され、よりよいプロテストの内容が行われます。
合格基準も高くなり、前回のプロテストでは総受験者の2割程しか合格者はでませんでした。

過去行われていた研修制度は無くなり、半年間に渡る途中脱落のある三次テストという形式になりました。
会場は毎回がサバイバルなテストという事で緊張感に溢れています。
内容に関しての最たる変化は、「見られる事」に対しての意識付けでしょうか。
プロ連盟の看板を背負うに相応しいかという観点が重視されるようになったと思います。
もちろん最初から備わっている人はなかなかいないので、現状の実力だけでなくその人の将来性も考慮します。
そのため個別対話を重視し、二次、三次を通じ面接の時間が増えたと思います。

二次試験の面接は集団面接の形に変わり、コミュ二ケーション能力などが問われます。
プロは麻雀が打てるだけでは務まりません、その打牌の意味や意図を大勢のファンの方に伝えられる能力が必要です。
テレビ対局の解説などもこれに該当しますね、喋れなきゃ自身の意見を言えなきゃ通用しないのです。

三次試験の最初に行う事は、自身のフォームチェックです。
講師がデジカメを構え撮影し、パソコンで自身の摸打を即座に確認します。
私は300名程撮影してきましたが、9割5分の方が初めて自分の打っている姿を見たと言う感想をもらいました。
滝沢さんや二階堂亜樹さんは、姿鏡で自身の摸打をチェックしたと聞いた事があります。
牌の扱いや作法は基礎の部分です、一目でこれぞプロと思わせる摸打を繰り出してもらいたいものです。

知識の部分では、点数計算が出来るのは当たり前、より高度な条件計算が求められます。
チンイツなどの多面待ちも、わからなかったら理解するまで勉強してから受験していただきたいものです。
ホームページに過去の問題が記載されているので、是非完璧に出来るまで繰り返し解いてみてください。

あとはAルールの特異性もしっかり理解して欲しいです。
これは、なかなか練習する場がありませんが、麻雀格闘倶楽部の競技ルール卓や四谷連盟道場に行けばノーレートのAルール麻雀が打てるので活用していただきたいですね。

なんだか険しい道のりのように聞こえますが、全てはプロを目指すものとしては当たり前の事ばかりです。
最初にも書きましたが、近年は映像媒体が増えましたし、「麻雀格闘倶楽部」や「ロン2」などもあり、活躍の場が沢山増えています。
若手であろうと麻雀の実力と実績を認知されれば、すぐにでも第一線での活躍の場が待っています。
また、映像が増えたことにより裏方も麻雀に精通した者の方が、よりファンに魅了的に伝えられるため、仕事が増えています。
そういった技術を持つ者が重宝されているのも事実であり、これからは一芸として合格に有利に働くのではないでしょうか。

多くの受験される方々は、私自身がそうであったように麻雀プロというものの認識があいまいで漠然とした思いで来るのがほとんどだと思います。
その原因は、まだまだ麻雀プロ像を確立、体現出来ているプロが少ないからかもしれません。
何を為すべきか、自分で探すのは大変な事です。
しかし、「やってやろう」と強い気持で受験していただく方には最高の環境があると思います。
伊藤優考、前原雄大、瀬戸熊直樹、藤原隆弘、望月雅継、滝沢和典、紺野真太郎、トッププロが勢ぞろいの講師陣。
私も微力ながら全力で頑張っています、あ、大庭三四郎アシスタントも頑張っています。

受験生の皆さん。
プロ連盟は戦う集団です。
プロは自己プロデュースしてなんぼです。
その環境、道筋は先輩方が切り開き今確立されつつあります。
共に戦う気持を持つあなたを待っています。

プロ雀士コラム/新時代突入!プロテスト要項

当連盟は今年で32年目を迎え、4月1日長年に渡り会長を務めていた灘麻太郎が勇退し、
新会長森山茂和が誕生しました。
その新体制を皆で盛り上げて行こうと、若手を中心にやる気で満ち溢れています。
ある者は麻雀勉強会に参加し雀力の向上に切磋琢磨し、ある者は麻雀講師の講習に熱を注ぎ、
ある者は裏方を務める技術の取得に勤しんでいます。
まさに今、日本プロ麻雀連盟は劇的に進化している真っ只中なのです。
CSなどの麻雀番組やニコ生、ユーストリームなどタイトル戦決勝のみならず一般的に映像媒体が増え、打ち手であるプロ達は今までより一層ファンの方々にその技量が問われる時代になっています。
そのような時代の変化に伴い、プロテストの在り方もここ数年で大きく変わってきました。
このコラムでは、近年新たにプロを目指す者たちに求められているものを僕なりの考えで伝えられたらと思います。
私自身、8年前に年に1回のプロテストを受け、半年間の研修期間の後プロ入りを果たしました。
当時は120名程が受験し40名程が合格したのではなかったのかと記憶しています。
内容は競技の世界に入るにおいてのイロハを叩き込まれました。
趣としては競技麻雀を打つにあたっての基礎がメインであったと思います。
それからプロテスト実行委員会に参加させていただき早5年、根幹である基礎能力を問う事は変わりませんがプラスアルファの部分で受験生に問われる内容も大きく変化してきたのを目の当たりしています。
まずシステムの大きな変化としては、プロテストが年に2回行われるようになりました。
これにより、優秀な人材を逃すことも無くなりましたし講師陣は年間通してプロテストを見つづけられます。
反省点、改良点はすぐに反映され、よりよいプロテストの内容が行われます。
合格基準も高くなり、前回のプロテストでは総受験者の2割程しか合格者はでませんでした。
過去行われていた研修制度は無くなり、半年間に渡る途中脱落のある三次テストという形式になりました。
会場は毎回がサバイバルなテストという事で緊張感に溢れています。
内容に関しての最たる変化は、「見られる事」に対しての意識付けでしょうか。
プロ連盟の看板を背負うに相応しいかという観点が重視されるようになったと思います。
もちろん最初から備わっている人はなかなかいないので、現状の実力だけでなくその人の将来性も考慮します。
そのため個別対話を重視し、二次、三次を通じ面接の時間が増えたと思います。
二次試験の面接は集団面接の形に変わり、コミュ二ケーション能力などが問われます。
プロは麻雀が打てるだけでは務まりません、その打牌の意味や意図を大勢のファンの方に伝えられる能力が必要です。
テレビ対局の解説などもこれに該当しますね、喋れなきゃ自身の意見を言えなきゃ通用しないのです。
三次試験の最初に行う事は、自身のフォームチェックです。
講師がデジカメを構え撮影し、パソコンで自身の摸打を即座に確認します。
私は300名程撮影してきましたが、9割5分の方が初めて自分の打っている姿を見たと言う感想をもらいました。
滝沢さんや二階堂亜樹さんは、姿鏡で自身の摸打をチェックしたと聞いた事があります。
牌の扱いや作法は基礎の部分です、一目でこれぞプロと思わせる摸打を繰り出してもらいたいものです。
知識の部分では、点数計算が出来るのは当たり前、より高度な条件計算が求められます。
チンイツなどの多面待ちも、わからなかったら理解するまで勉強してから受験していただきたいものです。
ホームページに過去の問題が記載されているので、是非完璧に出来るまで繰り返し解いてみてください。
あとはAルールの特異性もしっかり理解して欲しいです。
これは、なかなか練習する場がありませんが、麻雀格闘倶楽部の競技ルール卓や四谷連盟道場に行けばノーレートのAルール麻雀が打てるので活用していただきたいですね。
なんだか険しい道のりのように聞こえますが、全てはプロを目指すものとしては当たり前の事ばかりです。
最初にも書きましたが、近年は映像媒体が増えましたし、「麻雀格闘倶楽部」や「ロン2」などもあり、活躍の場が沢山増えています。
若手であろうと麻雀の実力と実績を認知されれば、すぐにでも第一線での活躍の場が待っています。
また、映像が増えたことにより裏方も麻雀に精通した者の方が、よりファンに魅了的に伝えられるため、仕事が増えています。
そういった技術を持つ者が重宝されているのも事実であり、これからは一芸として合格に有利に働くのではないでしょうか。
多くの受験される方々は、私自身がそうであったように麻雀プロというものの認識があいまいで漠然とした思いで来るのがほとんどだと思います。
その原因は、まだまだ麻雀プロ像を確立、体現出来ているプロが少ないからかもしれません。
何を為すべきか、自分で探すのは大変な事です。
しかし、「やってやろう」と強い気持で受験していただく方には最高の環境があると思います。
伊藤優考、前原雄大、瀬戸熊直樹、藤原隆弘、望月雅継、滝沢和典、紺野真太郎、トッププロが勢ぞろいの講師陣。
私も微力ながら全力で頑張っています、あ、大庭三四郎アシスタントも頑張っています。
受験生の皆さん。
プロ連盟は戦う集団です。
プロは自己プロデュースしてなんぼです。
その環境、道筋は先輩方が切り開き今確立されつつあります。
共に戦う気持を持つあなたを待っています。

第79回:石田亜沙己

はじめまして。こんにちは。
最強戦ガールズの相方でもある、松岡先輩からバトンを受け取りました、29期生の石田亜沙己です。
今年の4月から日本プロ麻雀連盟に所属になったばかりの新人です。
皆さまよろしくお願い致します。

まだまだ知らない方ばかりだと思いますので、まず自己紹介をしたいと思います。

愛知県出身の23歳A型です。こう見えてかなりサバサバした性格でしゃべることが大好きです。
普段は麻雀プロとしてだけではなく、
あさちびという愛称で読者モデルやブロガーなどとしても活動しています。
TVに出演した時はまだ麻雀プロを目指している時で、引きの強さをオードリーの春日さんと対決したりしました!!
見事にジャンケンでは負けてしまいましたが…

そんな私が、なぜ麻雀プロになったかをお話ししたいと思います。

5年前、私は大学に入学しその頃は麻雀というものを知りませんでした。
小さい頃から母子家庭で育ったので、マクドナルドでアルバイトをしながら高校、大学と通いました。

高校に入学するまではずっとバスケットボールにしか興味がなくて、おしゃれとか女の子らしさとは無縁でした。
それが徐々におしゃれや美容に興味を持つようになりました。
そんな大学一年の春、街中でスナップされたのがきっかけで読者モデルの道へと進みました。

最初は本当に小さくですが雑誌に載っている自分を見て、自信がなく、悩む毎日で、もっと頑張りたいと思うようになりました。そして心の中でずっと思っていたことがありました。
有名になってどこかにいるお父さんを驚かしてやる…。
ここまで苦労して育ててくれたお母さんのためにも有名になる!!という思いがありました。
それと同時に、私と同じように自信がなく頑張っている女の子に少しでも勇気を持ってもらうために必死でした。

その頃、5年間務めたアルバイト先の店長がとても親身に話を聞いてくれる方で、私が大学を辞めるという話をすると、こう言いました。

「やるからには、やると決めた場所で一番になれ。」

今でもそれが私の目標です。
大学2年の終わりごろから色んなことに悩み始めました。
本当に今の生活でやりたいことを本気でできるわけがないと…
アルバイトしてもそれは学費に消えてただただ忙しい毎日。
なにが本当にやりたいのかわからなくなってしまいそうでした。

すごく悩んで出した決断は大学を退学し、ファッションの知識も身に着けようとアパレルで働きながら読者モデルを続けることでした。ですが、それもなんだか違う…。もっと伝えたいことがあるし、マクドナルドで経験したように色んな世代の方と関わりたい。
そんな理想的な環境で読者モデルと両立できる仕事はなかなかありませんでした。

そんな時に始めたアルバイト先で麻雀を知りました。
麻雀を知らない私は最初なにが何だかわからなくて大変でした。
ですが徐々に、麻雀って普段しゃべれない人たちと会話できたり、年代とか性別とか関係なしに楽しめるんだなぁっと興味を持ち始めました。

誰かに教えてもらうというよりも、いつも誰かの後ろで見て覚える毎日でした。
麻雀を始めて3年、この楽しさなどを伝えるにはこのままでは限界があると思い、麻雀プロになる決意をしました。これまでの経験を活かして女の子に麻雀を知ってもらう、私にしかできない事を見つける。
今ではそれが私の目標の1つです。

色んな世代の方たちが触れ合う機会がもっと増えるように、
麻雀がもっともっとメジャーになるように、頑張りたいと思います。

そして、今はとても恐縮なことに麻雀最強戦2013の女流プロ東西対抗旅打ちバトルの西日本代表として、
最強戦ガールをつとめさせていただいています。
麻雀プロになって初めてのお仕事です。

最初にこの話を頂いたとき、私でいいの…?と、不安になりました。
ですがそんな不安はすぐ消えて、せっかく頂いたお仕事なんだから私らしく盛り上げよう!!
参加される方に楽しんでもらおう、観ている方にも楽しんでもらおう!!
今はそんな気持ちでこの仕事を頑張らせて頂いています。

“やるからには何かで一番になる。”

私らしく、私にしかできないものを見つけながら一番を目指したいと思います。
まだまだですがこれから急成長していけるよう努力します!!
そしてこの明るく元気な性格で、何事もチャレンジしていきたいと思います!!

これから石田亜沙己をよろしくお願いいたします。

次のバトンは、最近連盟チャンネルなどでMCとして活躍している「麻雀界の高田純次」こと、
古橋崇志プロにバトンを渡したいと思います。古橋プロよろしくお願いします!

リレーエッセィ/第79回:石田亜沙己

はじめまして。こんにちは。
最強戦ガールズの相方でもある、松岡先輩からバトンを受け取りました、29期生の石田亜沙己です。
今年の4月から日本プロ麻雀連盟に所属になったばかりの新人です。
皆さまよろしくお願い致します。
まだまだ知らない方ばかりだと思いますので、まず自己紹介をしたいと思います。
愛知県出身の23歳A型です。こう見えてかなりサバサバした性格でしゃべることが大好きです。
普段は麻雀プロとしてだけではなく、
あさちびという愛称で読者モデルやブロガーなどとしても活動しています。
TVに出演した時はまだ麻雀プロを目指している時で、引きの強さをオードリーの春日さんと対決したりしました!!
見事にジャンケンでは負けてしまいましたが…
そんな私が、なぜ麻雀プロになったかをお話ししたいと思います。
5年前、私は大学に入学しその頃は麻雀というものを知りませんでした。
小さい頃から母子家庭で育ったので、マクドナルドでアルバイトをしながら高校、大学と通いました。
高校に入学するまではずっとバスケットボールにしか興味がなくて、おしゃれとか女の子らしさとは無縁でした。
それが徐々におしゃれや美容に興味を持つようになりました。
そんな大学一年の春、街中でスナップされたのがきっかけで読者モデルの道へと進みました。
最初は本当に小さくですが雑誌に載っている自分を見て、自信がなく、悩む毎日で、もっと頑張りたいと思うようになりました。そして心の中でずっと思っていたことがありました。
有名になってどこかにいるお父さんを驚かしてやる…。
ここまで苦労して育ててくれたお母さんのためにも有名になる!!という思いがありました。
それと同時に、私と同じように自信がなく頑張っている女の子に少しでも勇気を持ってもらうために必死でした。
その頃、5年間務めたアルバイト先の店長がとても親身に話を聞いてくれる方で、私が大学を辞めるという話をすると、こう言いました。
「やるからには、やると決めた場所で一番になれ。」
今でもそれが私の目標です。
大学2年の終わりごろから色んなことに悩み始めました。
本当に今の生活でやりたいことを本気でできるわけがないと…
アルバイトしてもそれは学費に消えてただただ忙しい毎日。
なにが本当にやりたいのかわからなくなってしまいそうでした。
すごく悩んで出した決断は大学を退学し、ファッションの知識も身に着けようとアパレルで働きながら読者モデルを続けることでした。ですが、それもなんだか違う…。もっと伝えたいことがあるし、マクドナルドで経験したように色んな世代の方と関わりたい。
そんな理想的な環境で読者モデルと両立できる仕事はなかなかありませんでした。
そんな時に始めたアルバイト先で麻雀を知りました。
麻雀を知らない私は最初なにが何だかわからなくて大変でした。
ですが徐々に、麻雀って普段しゃべれない人たちと会話できたり、年代とか性別とか関係なしに楽しめるんだなぁっと興味を持ち始めました。
誰かに教えてもらうというよりも、いつも誰かの後ろで見て覚える毎日でした。
麻雀を始めて3年、この楽しさなどを伝えるにはこのままでは限界があると思い、麻雀プロになる決意をしました。これまでの経験を活かして女の子に麻雀を知ってもらう、私にしかできない事を見つける。
今ではそれが私の目標の1つです。
色んな世代の方たちが触れ合う機会がもっと増えるように、
麻雀がもっともっとメジャーになるように、頑張りたいと思います。
そして、今はとても恐縮なことに麻雀最強戦2013の女流プロ東西対抗旅打ちバトルの西日本代表として、
最強戦ガールをつとめさせていただいています。
麻雀プロになって初めてのお仕事です。
最初にこの話を頂いたとき、私でいいの…?と、不安になりました。
ですがそんな不安はすぐ消えて、せっかく頂いたお仕事なんだから私らしく盛り上げよう!!
参加される方に楽しんでもらおう、観ている方にも楽しんでもらおう!!
今はそんな気持ちでこの仕事を頑張らせて頂いています。
“やるからには何かで一番になる。”
私らしく、私にしかできないものを見つけながら一番を目指したいと思います。
まだまだですがこれから急成長していけるよう努力します!!
そしてこの明るく元気な性格で、何事もチャレンジしていきたいと思います!!
これから石田亜沙己をよろしくお願いいたします。
次のバトンは、最近連盟チャンネルなどでMCとして活躍している「麻雀界の高田純次」こと、
古橋崇志プロにバトンを渡したいと思います。古橋プロよろしくお願いします!

第80回『自分を識る』

『自分を識る』

私には幾人かの恩師と呼ぶべき方たちがいる。
その方達は、例外なく強烈な個性を持った方達で怖いのだが、優しい。
叱るべき時は相手が参ったという表情をしていても、さらに追い込むような人ばかりである。

ところが、私は自他共に認める、かなりどうしょうもない生き方をしていたにも関わらず、
叱られたこともなく、褒められた記憶しかない。ある恩師にその理由を尋ねたことがある。

「それは、人という生き物は皆自分の欠点は知っているものなのだよ・・・逆に自分の長所、もしくは良い処は知らないことの方が多いものなのだよ。」

しばらくの沈黙の時が流れた。
黙っていたわけではなく、どう反応していいのか解らないだけなのだが。

「そういう生き物なのだから、その人の良い部分を拾ってあげた方が、その人のためになるように思えて仕方ないんだ・・・」
「私自身、もうどうにもならないナと思い続けた日々があった。その時にある人のやわらかい言葉がなかったら、今の私の人生はなかったように思う。」

何のことかぼんやりとは想像したが、それ以上のことは触れなかった、いや、触れてはいけない部分のように思った。

もう20年ほど遠い昔の言葉だが、訊いておけば良かったと思う気持ちと訊かなくて良かった思う気持ちが今でも交錯する。確かに自分の思う私と、他人が思う私は別の人間であるようにも思える。

元来、評価というものに興味を持たず30歳過ぎまで生きてきたことだけは間違いない事実である。
最近になって、自分が麻雀を打っている時の映像を見た折り、常に歯を喰いしばって頬の筋肉が動き続けているのに気が付いた。それほど難しい局面ではなく、不思議に思い、ヒサトにそのことを訊いた。
「ぼくが、前原さんと出会った頃、14、5年前には既にそうでしたよ」
「本当かよ?」
「本当です!」
振り返ってみれば、私が20代の頃通っていた雀荘は、何処に行っても私が最年少で若い人でも40代だった。
私は20歳になってから煙草を覚えたのだが、麻雀を打っている間は煙草を吸わなかったらしい。
らしいというのは、
「坊やの卓においている煙草は飾り物か?」
そう言われたことがあったからである。

煙草を吸う余裕がなかったのか、それだけ、集中していたのかは今となっては思い出せないが、おそらくは、煙草を吸うために、目が卓から離れ大切な何かを見落とすのを恐れたからだろうと思う。
いずれにしても、話す相手もいなく、煙草に眼を落す余裕もなかったくらいであるから、その頃から歯を食い縛りながら麻雀を打っていたのだろう。

~バイオリズムを識る~

20代半ば過ぎの頃、8月に入ると調子が悪くなることに気付いた。
妻の薦めもあり、思い切って麻雀を離れた。
1ヶ月ほど家族旅行に当てた。麻雀専門誌と牌譜を旅行先に持っていき読み耽っていた。

元来自堕落な私は、夏休みと称し30歳になるころまで、8月から年内は公式戦以外は牌に触らなくなっていた。
11月頃から走り込みを始め、身体を作り年明けから牌に触り始め、3月から7月一杯まで麻雀を打つ。
そういうサイクルが数年続いた。
理由のひとつには、私を連盟に誘ってくれたSさんが、PTA(ポン、チー、アソシエーション)なる麻雀普及活動を始め、私と石崎洋ともう1人の4人で、毎週月曜日に新宿のSさんのマンションに集まり、企画を練り、全マスコミ、出版社にニューズレターなるものを送り、翌週までにSさんがお題を出し4000字の宿題、論文の提出を我々に義務付けられたからだ。

大抵は書き直しを命じられ、原稿用紙と睨めっこの日々が続いた。
当時、麻雀専門誌が13誌あったころだったから、ヘタな文章でもそれなりに収入にはなっていたのかもしれない。

女性週刊誌に連載の以来が来たことには、Sさん自身も驚いたと共に活動の自信にもなったようだった。
活動はSさんが連盟を辞められると共に終わった。
Sさんの構想では、本を出版したかったようだったが、ついに1冊の本も出さずに終わった。

それは、我々が渋々書いていたのだから当然にも思われたが、Sさんには申し訳なかったと今になってそう思う。
「無駄なことなんてないんだよ、大事なのは懸命にやることなのだから」
この言葉が口癖だった。話が少し逸れた。

とにかく、20代の私は8月になるとバイオリズムが低下した。
今思えば、雀荘は高齢者が多く冷房を嫌い、若い私は暑がりだったのもあったからだと思う。
20代の私に言ってやりたいことがあるとすれば、年間を通し、きちんと麻雀に向き合い、負け方の勉強をすれば良かったということである。

今年の鳳凰戦から有料放送となった。
つまりはお金を支払い、我々の戦いを観ていただくわけである。
結果は、瀬戸熊直樹の圧勝で幕を閉じた。
それはある意味良いことなのだが、対局の合間や、家路に着いてから見てくださった方々に申し訳ない気持ちが心の中を渦巻いていた日々でもあった。

先日のニコ生放送、「ゆきなのお部屋」で、藤崎智が同様の言葉を言っていたが、藤崎も同じ気持ちでいたことに少し驚かされた。
やはり、視聴者の望むのはシーソーゲームだろうということである。

class_3

私の手牌は瀬戸熊のリーチをを受け

六万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒七筒  ツモ中  ドラ三筒

私のミスがあるとすれば、ここで安全牌の打中とするのではなく、打五索とすべきところだったように思う。
受け手順に入っている以上、きちんと五索を抜き打ちしておかねばこういう牌の寄り方をする時は手牌が膨らみ手が育ってしまい、攻めざる状況に追い込まれることがままある。

所謂、「手牌に負ける」結果を導き出しやすい。
尚且つ、真っ直ぐに攻め込んでいれば、11巡目、

三万三万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒

この形から瀬戸熊の二筒を捕えられていたようにも思う。
この時点の瀬戸熊と私の状態は、私の方にかなり分があるように感じていた。

局面を何難解なものにしたのは荒さんの仕掛けである。
リーチが入った以上、ここで四万を仕掛けるということはポンテン以外の何物でもないと思い込んでしまっていたからである。ところが荒さんはさらに三索をポンした。
この三索の仕掛けが受ける側にとっては局面を難解にさせた。

難解ならば、それなりに、今、通った六万を打ち出せば良いのだろうと、冷静な判断を今ならできる。

class_3

結果は私の放銃で収束を見た。放銃そのものはそれほど気に留めてない。
ただ、放銃に至るまでの内容が悪すぎる。手牌に負けてしまったことが後悔の念を強めた。

このカタチを目指して真っ直ぐに行っての放銃と、このカタチになってしまったからの放銃は、私の中での意味合いは全く違う。
荒正義さんが、局後何気なく呟いた。

三筒切りのリーチしかないから」

私は基本的に放銃を引きずらないタイプである。
ただ、お金を払って観てもらった方々に申し訳なく思った。

やはり、あの20代の夏にもっと負け方の勉強をしておくべきだった。
それなりに自分自身の麻雀のカタチを識っているつもりだったが、錯覚だったのか、もしくは私の麻雀の質そのものが変容してしまったのかもしれない。

近年、鳳凰戦の決勝で敗れ去った者の多くが1、2年以内にA1リーグからA2リーグへと降級することが多い。
それは、敗者がそれだけ多くの手傷を負うことに近いように思う。
逆に記すならば、鳳凰戦そのもののステージの高さを物語っているようにも思える。

本来、戦うということは無傷では済まないものである。
今、役300名を超す若い打ち手達が頂点である、鳳凰を目指している。
その方達に伝えたい言葉があるとすれば、相手を識り、自分を識り、牌と日々、自分自身を見失うほどの緊張感を持って、戦ってほしいということである。

次回へつづく

上級/第80回『自分を識る』

『自分を識る』
私には幾人かの恩師と呼ぶべき方たちがいる。
その方達は、例外なく強烈な個性を持った方達で怖いのだが、優しい。
叱るべき時は相手が参ったという表情をしていても、さらに追い込むような人ばかりである。
ところが、私は自他共に認める、かなりどうしょうもない生き方をしていたにも関わらず、
叱られたこともなく、褒められた記憶しかない。ある恩師にその理由を尋ねたことがある。
「それは、人という生き物は皆自分の欠点は知っているものなのだよ・・・逆に自分の長所、もしくは良い処は知らないことの方が多いものなのだよ。」
しばらくの沈黙の時が流れた。
黙っていたわけではなく、どう反応していいのか解らないだけなのだが。
「そういう生き物なのだから、その人の良い部分を拾ってあげた方が、その人のためになるように思えて仕方ないんだ・・・」
「私自身、もうどうにもならないナと思い続けた日々があった。その時にある人のやわらかい言葉がなかったら、今の私の人生はなかったように思う。」
何のことかぼんやりとは想像したが、それ以上のことは触れなかった、いや、触れてはいけない部分のように思った。
もう20年ほど遠い昔の言葉だが、訊いておけば良かったと思う気持ちと訊かなくて良かった思う気持ちが今でも交錯する。確かに自分の思う私と、他人が思う私は別の人間であるようにも思える。
元来、評価というものに興味を持たず30歳過ぎまで生きてきたことだけは間違いない事実である。
最近になって、自分が麻雀を打っている時の映像を見た折り、常に歯を喰いしばって頬の筋肉が動き続けているのに気が付いた。それほど難しい局面ではなく、不思議に思い、ヒサトにそのことを訊いた。
「ぼくが、前原さんと出会った頃、14、5年前には既にそうでしたよ」
「本当かよ?」
「本当です!」
振り返ってみれば、私が20代の頃通っていた雀荘は、何処に行っても私が最年少で若い人でも40代だった。
私は20歳になってから煙草を覚えたのだが、麻雀を打っている間は煙草を吸わなかったらしい。
らしいというのは、
「坊やの卓においている煙草は飾り物か?」
そう言われたことがあったからである。
煙草を吸う余裕がなかったのか、それだけ、集中していたのかは今となっては思い出せないが、おそらくは、煙草を吸うために、目が卓から離れ大切な何かを見落とすのを恐れたからだろうと思う。
いずれにしても、話す相手もいなく、煙草に眼を落す余裕もなかったくらいであるから、その頃から歯を食い縛りながら麻雀を打っていたのだろう。
~バイオリズムを識る~
20代半ば過ぎの頃、8月に入ると調子が悪くなることに気付いた。
妻の薦めもあり、思い切って麻雀を離れた。
1ヶ月ほど家族旅行に当てた。麻雀専門誌と牌譜を旅行先に持っていき読み耽っていた。
元来自堕落な私は、夏休みと称し30歳になるころまで、8月から年内は公式戦以外は牌に触らなくなっていた。
11月頃から走り込みを始め、身体を作り年明けから牌に触り始め、3月から7月一杯まで麻雀を打つ。
そういうサイクルが数年続いた。
理由のひとつには、私を連盟に誘ってくれたSさんが、PTA(ポン、チー、アソシエーション)なる麻雀普及活動を始め、私と石崎洋ともう1人の4人で、毎週月曜日に新宿のSさんのマンションに集まり、企画を練り、全マスコミ、出版社にニューズレターなるものを送り、翌週までにSさんがお題を出し4000字の宿題、論文の提出を我々に義務付けられたからだ。
大抵は書き直しを命じられ、原稿用紙と睨めっこの日々が続いた。
当時、麻雀専門誌が13誌あったころだったから、ヘタな文章でもそれなりに収入にはなっていたのかもしれない。
女性週刊誌に連載の以来が来たことには、Sさん自身も驚いたと共に活動の自信にもなったようだった。
活動はSさんが連盟を辞められると共に終わった。
Sさんの構想では、本を出版したかったようだったが、ついに1冊の本も出さずに終わった。
それは、我々が渋々書いていたのだから当然にも思われたが、Sさんには申し訳なかったと今になってそう思う。
「無駄なことなんてないんだよ、大事なのは懸命にやることなのだから」
この言葉が口癖だった。話が少し逸れた。
とにかく、20代の私は8月になるとバイオリズムが低下した。
今思えば、雀荘は高齢者が多く冷房を嫌い、若い私は暑がりだったのもあったからだと思う。
20代の私に言ってやりたいことがあるとすれば、年間を通し、きちんと麻雀に向き合い、負け方の勉強をすれば良かったということである。
今年の鳳凰戦から有料放送となった。
つまりはお金を支払い、我々の戦いを観ていただくわけである。
結果は、瀬戸熊直樹の圧勝で幕を閉じた。
それはある意味良いことなのだが、対局の合間や、家路に着いてから見てくださった方々に申し訳ない気持ちが心の中を渦巻いていた日々でもあった。
先日のニコ生放送、「ゆきなのお部屋」で、藤崎智が同様の言葉を言っていたが、藤崎も同じ気持ちでいたことに少し驚かされた。
やはり、視聴者の望むのはシーソーゲームだろうということである。

class_3

私の手牌は瀬戸熊のリーチをを受け
六万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒七筒  ツモ中  ドラ三筒
私のミスがあるとすれば、ここで安全牌の打中とするのではなく、打五索とすべきところだったように思う。
受け手順に入っている以上、きちんと五索を抜き打ちしておかねばこういう牌の寄り方をする時は手牌が膨らみ手が育ってしまい、攻めざる状況に追い込まれることがままある。
所謂、「手牌に負ける」結果を導き出しやすい。
尚且つ、真っ直ぐに攻め込んでいれば、11巡目、
三万三万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒
この形から瀬戸熊の二筒を捕えられていたようにも思う。
この時点の瀬戸熊と私の状態は、私の方にかなり分があるように感じていた。
局面を何難解なものにしたのは荒さんの仕掛けである。
リーチが入った以上、ここで四万を仕掛けるということはポンテン以外の何物でもないと思い込んでしまっていたからである。ところが荒さんはさらに三索をポンした。
この三索の仕掛けが受ける側にとっては局面を難解にさせた。
難解ならば、それなりに、今、通った六万を打ち出せば良いのだろうと、冷静な判断を今ならできる。

class_3

結果は私の放銃で収束を見た。放銃そのものはそれほど気に留めてない。
ただ、放銃に至るまでの内容が悪すぎる。手牌に負けてしまったことが後悔の念を強めた。
このカタチを目指して真っ直ぐに行っての放銃と、このカタチになってしまったからの放銃は、私の中での意味合いは全く違う。
荒正義さんが、局後何気なく呟いた。
三筒切りのリーチしかないから」
私は基本的に放銃を引きずらないタイプである。
ただ、お金を払って観てもらった方々に申し訳なく思った。
やはり、あの20代の夏にもっと負け方の勉強をしておくべきだった。
それなりに自分自身の麻雀のカタチを識っているつもりだったが、錯覚だったのか、もしくは私の麻雀の質そのものが変容してしまったのかもしれない。
近年、鳳凰戦の決勝で敗れ去った者の多くが1、2年以内にA1リーグからA2リーグへと降級することが多い。
それは、敗者がそれだけ多くの手傷を負うことに近いように思う。
逆に記すならば、鳳凰戦そのもののステージの高さを物語っているようにも思える。
本来、戦うということは無傷では済まないものである。
今、役300名を超す若い打ち手達が頂点である、鳳凰を目指している。
その方達に伝えたい言葉があるとすれば、相手を識り、自分を識り、牌と日々、自分自身を見失うほどの緊張感を持って、戦ってほしいということである。
次回へつづく

第24期チャンピオンズリーグ 優勝は藤原隆弘!

優勝:藤原隆弘 準優勝:蒼井ゆりか 第3位:藤井すみれ 第4位:三好直幸

・トーナメントレポート  ・決勝観戦記

⇒開催概要 ⇒成績はこちら

連盟インフォメーション/第24期チャンピオンズリーグ 優勝は藤原隆弘!

優勝:藤原隆弘 準優勝:蒼井ゆりか 第3位:藤井すみれ 第4位:三好直幸
・トーナメントレポート  ・決勝観戦記

⇒開催概要 ⇒成績はこちら

第30期十段戦 ベスト8レポート

誰もが十段位を目指して戦ってきた戦いもいよいよベスト8の戦いとなる。
7月28日(日)。前日にベスト16の戦いを勝ち抜いた8人が、決勝の椅子をかけた戦いに挑んだ。
タイトル戦における決勝は特別な場所であり、ここまでくれば誰もが優勝を意識するだろう。
その想いを叶えた4人は誰であったのだろうか?
その激戦の模様を振り返ってみたいと思う。

A卓 
前原雄大 vs 沢崎誠 vs 古川孝次 vs 中村毅


前原雄大

沢崎誠

古川孝次

中村毅

多くのタイトルを獲得してきたベテラン3人の経験か?
それとも初タイトルに懸ける中村の思いか?
非常に楽しみな戦いである。

1回戦。
沢崎が東場からこの2度のアガリで大きくリードを奪う。

東1局 西家・沢崎

三万三万四万五万六万五索六索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七索  ドラ五万

1,300・2,600

東3局 東家・沢崎

四万五万六万四索五索六索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ七索

3,900オール。これに待ったをかけたのは中村であった。
まず前原が4巡目にリーチと来る。

二万二万四万四万二索二索三索四筒四筒五筒五筒東東  リーチ  ドラ七索

そこへ無筋を連打し中村がついに追いつく。

二索三索四索五索六索六索六索七索八索九索三筒四筒五筒  リーチ

中村が最後のツモでしっかり高めの一索をツモリ、6,000オールをものにする。
前原のリーチに対してもしっかり押し返してアガリ切り、得点的にも精神的にも非常に大きなアガリとなったのではないだろうか。
しかし、南2局の親番を迎え前原も黙っていない。

七万八万九万一索二索三索八索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン二筒  ドラ五筒  3,900

1本場
二索二索二索四索五索七筒八筒九筒北北北発発  リーチ  ロン六索  ドラ三筒  2,400+300

2本場
五万六万七万九索九索二筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒  ロン八筒   2,900+600

3本場
五万五万七万八万九万二索三索三索四索四索二筒三筒四筒  ロン二索  11,600+900

前原がこの4連続のアガリで一気にトップ目に立つ。
この連荘も最後は中村が捌き、中村が1回戦をトップとする。

2回戦。
東1局から前原と沢崎がぶつかる。
前原の先制リーチ。

一万二万三万六万七万五索六索七索一筒二筒三筒中中  リーチ  ドラ中

それを受け沢崎も親番で追いつきリーチ。

四万五万六万四索五索五索六索七索七索七索四筒五筒六筒  リーチ

ここは前原が五万をツモアガリまずはリードを奪う。

東2局。
またもや前原の先制リーチに、今度は中村がフリテンながらも強気に追いかける。

六万七万八万三索四索五索七索八索六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ六索  ドラ四索

この強気な姿勢に牌も応えてくれて、1回戦に引き続き6,000オールをものする。
このアガリで中村が2連勝と絶好のスタートを切る。
また、1回戦から苦しい展開だった古川も、南1局に前原からアガった8,000をきっかけに、プラスの2着で2回戦を終えた。

南1局 北家・古川

一万二万三万一索二索三索七索八索九索一筒二筒四筒四筒  リーチ  ロン三筒  ドラ七索  8,000

それに対して、この放銃を機に前原は非常に苦しい戦いに追い込まれてしまう。

3回戦。
中村が攻めの姿勢を崩さずリードを奪い東場は進む。
そんな中、迎えた東4局に沢崎が魅せる。

東4局 西家・沢崎

一筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白白  チー三筒四筒五筒  ドラ二万

古川の先制リーチに対して打白としてチンイツに向かう。
これが功を奏して古川から12,000をアガる。

一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒  チー三筒四筒五筒  ロン五筒

このアガリが決定打となり、沢崎が待望のトップをものにする。

4回戦。
中村の勢いが止まらない。

東1局 東家・中村

五万五万五万四索五索六索七索七索七索八索東東東  リーチ  ツモ九索  ドラ四万

南1局 東家・中村

七万八万二索二索四索五索五索六索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六万  ドラ六筒

東場、南場の親でそれぞれ4,000オールをツモリ3度目のトップを取る。
古川は何とか粘りを見せて浮きの2着を死守する。

4回戦を終えて中村はほぼ勝ち上がりを決めた。
そして、あと1つの椅子をベテラン3人が争う形となった。

5回戦。
ベテラン3人がそれぞれに自分らしさを魅せる。
まずは古川。
東1局に2,000オールをツモリ迎えた1本場。

六筒  ポン発発発  ポン南南南  ポン一筒一筒一筒  ポン三万三万三万  ツモ六筒

この裸単騎をツモリ4本場まで積み上げる。
これに待ったをかけたのは前原。

東1局 4本場 南家・前原

六筒六筒六筒北北白白白中中  チー一筒二筒三筒  ツモ中  ドラ七万

この3,000・6,000でまた勝負は分からなくなる。

ここから前原の流れになるかと思われたが、沢崎への2度の放銃が効いて痛恨のラスを引いてしまう。

東2局 西家・沢崎

二万三万四万四万五万六万五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  ロン七索  ドラ六索  7,700

南4局 東家・沢崎

一索二索二索三索三索三索四索五索七筒八筒九筒九筒九筒  ロン一索  ドラ九索  5,800

結局、東場のリードが効いて古川がトップ、沢崎が浮きの2着となる。
この結果、最終戦は沢崎と古川の最後の椅子を争う戦いとなる。

最終戦を迎え、ポイント状況は以下。

中村(+73.1P)沢崎(+1.2P)古川(▲11.9P)前原(▲63.2P)

序盤は古川が小刻みにアガリを重ねてリードを奪うも、東4局に沢崎に決定打が出る。

東4局 西家・沢崎

一索三索五索五索五索六索六索七索七索八索九索九索九索  ロン二索  ドラ七万

このメンチンをリーチしていた古川から出アガリ、沢崎が勝ち上がりを決めた。

勝ち上がり 中村毅  沢崎誠

 

B卓 小島武夫 vs 伊藤優孝 vs 山田浩之 vs 堀内正人


小島武夫

伊藤優孝

山田浩之

堀内正人

面前手役派の小島、伊藤、山田に対し、仕掛けを多用する堀内がどう戦うのであろうか?
こちらも非常に楽しみな戦いである。

1回戦。
いきなり小島が大物手を炸裂させる。
東1局 北家・小島

一万一万一万九万九万一索一索二索二索三索三索二筒三筒  ロン一筒  ドラ一万

この12,000を伊藤からアガリ幸先の良いスタートを切る。

東2局。
山田もしっかり手を作りツモアガる。
北家・山田

一万二万三万三万四万七索八索九索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ五万  ドラ三万

この2人のアガリに対し、堀内は積極的に仕掛けていくがなかなかアガリに結びつかず苦しい展開となる。
迎えた南3局。ついに堀内の仕掛けが実る。小島のリーチを受けるも、一歩も引かずに押し切る。

一万二万四万五万六万六万六万六万発発  ポン東東東  ロン三万  ドラ八万

山田から嬉しい7,700の初アガリをものにする。
オーラスも堀内がアガリ、小島、堀内、山田の3人浮きで1回戦を終える。
伊藤にとっては厳しい緒戦となった。

2回戦。
1回戦で我慢を続けていた伊藤に手が入る。
東2局に2,000・4,000をツモアガると、迎えた東4局の親番でも4,000オールをものにして今まで溜まっていた鬱憤を晴らすかのようにリードを広げていく。

東4局 東家・伊藤

五索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒八筒八筒  チー三万四万五万  ツモ八筒  ドラ八筒

迎えたオーラス。
山田が伊藤から8,000をアガリ浮きに回り、伊藤、小島、山田の3人浮きで2回戦を終えた。
伊藤にとってトップは取ったものの、少し不満が残る戦いだったのではないだろうか。

3回戦。
小島がここでも魅せる。
東2局 南家・小島

五万六万五索六索七索一筒二筒三筒六筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四万  ドラ六筒

この2,000・4,000。

東3局 東家・小島

一筒二筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒中中中  ツモ七筒  ドラ七筒

そして8,000オール。
この2度のアガリで、小島がこの半荘のトップを決定づける。

南2局。
堀内が伊藤のテンパイ打牌を捕えて12,000をものにする。

南2局 東家・堀内

二万二万三万四万四万六万六万八万八万八万五筒六筒七筒  ロン三万  ドラ二万

このアガリで堀内が浮きの2着となり、トータルでも小島の1人浮きで他3人の争いが更に面白くなってきた。

4回戦。
手役派の山田の本領が発揮される。
東1局 南家・山田

七万八万八万二索二索三索三索四索四索五索五索七筒七筒  リーチ  ハイテイツモ七万  ドラ四筒

堀内との2軒リーチになるも、ハイテイでツモアガリ3,000・6,000。
このアガリをきっかけに山田が止まらなくなる。

東4局 西家・山田

一万一万八万九万一索二索三索七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン七万  ドラ八筒

南2局 東家・山田

一万一万七万八万九万三索三索七索八索九索七筒八筒九筒  ロン一万  ドラ三索

この2度の12,000を小島と伊藤からアガリ7万点オーバーのトップを取る。
これでトータルがプラスの小島と山田が伊藤と堀内に対して60Pほど差をつけ、残り2戦を残して非常に有利な状況になる。それに対し、伊藤と堀内はもう後がなくなり2連勝が最低条件となってしまう。

5回戦。
後がない堀内が意地を見せる。
東1局 北家・堀内

一万二万四万五万六万七万八万九万五索六索七索四筒四筒  リーチ  ロン三万  ドラ四索

東3局 南家・堀内

七万七万二索二索二索五索六索七索三筒三筒中中中  リーチ  ロン三筒  ドラ六筒

東4局 東家・堀内

一万二万三万一索二索三索二筒三筒六筒七筒八筒中中  リーチ  ロン一筒  ドラ二万

東場の3度のアガリで1人浮きのトップとし最終戦に望みを繋ぐ。

最終戦を迎えポイント状況は以下。
山田(+29.7P)小島(+24.3P)堀内(▲1.4P)伊藤(▲52.6P)

5回戦をトップで終えた堀内にとって、この最終戦もほぼトップ条件な上に、山田か小島を沈めなければならずかなり厳しい状況である。

序盤から静かに場は進み迎えた東4局。
小島が2,000・4,000をツモアガリ勝ち上がりに大きく近づく。
東4局 西家・小島

三万四万五索五索六索六索六索三筒四筒五筒白白白  リーチ  ツモ五万  ドラ三筒

このまま場は進み迎えた堀内の最後の親番。
堀内の十段位に懸ける思いがそうさせるのか、この4,000オールで山田に並びにかかる。
南3局2本場 東家・堀内

六万六万五索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四索  ドラ一万

続く3本場

一万二万三万四万四万七万八万九万七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒

山田から、この3,900は4,800をアガリついに山田を捕え逆転する。
オーラスも堀内自らアガリ切り、小島と共に勝ち上がりを決めた。

5回戦、6回戦と堀内の最後まで諦めずに戦う姿勢は非常に素晴らしく、
それがこの結果をもたらしたのであろう。

勝ち上がり 小島武夫 堀内正人

これで決勝戦を戦う4人が出揃った。
この4人の中から、現十段である瀬戸熊直樹を倒すものが生まれるのであろうか?

十段戦 レポート/第30期十段戦 ベスト8レポート

誰もが十段位を目指して戦ってきた戦いもいよいよベスト8の戦いとなる。
7月28日(日)。前日にベスト16の戦いを勝ち抜いた8人が、決勝の椅子をかけた戦いに挑んだ。
タイトル戦における決勝は特別な場所であり、ここまでくれば誰もが優勝を意識するだろう。
その想いを叶えた4人は誰であったのだろうか?
その激戦の模様を振り返ってみたいと思う。
A卓 
前原雄大 vs 沢崎誠 vs 古川孝次 vs 中村毅


前原雄大

沢崎誠

古川孝次

中村毅

多くのタイトルを獲得してきたベテラン3人の経験か?
それとも初タイトルに懸ける中村の思いか?
非常に楽しみな戦いである。
1回戦。
沢崎が東場からこの2度のアガリで大きくリードを奪う。
東1局 西家・沢崎
三万三万四万五万六万五索六索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七索  ドラ五万
1,300・2,600
東3局 東家・沢崎
四万五万六万四索五索六索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ七索
3,900オール。これに待ったをかけたのは中村であった。
まず前原が4巡目にリーチと来る。
二万二万四万四万二索二索三索四筒四筒五筒五筒東東  リーチ  ドラ七索
そこへ無筋を連打し中村がついに追いつく。
二索三索四索五索六索六索六索七索八索九索三筒四筒五筒  リーチ
中村が最後のツモでしっかり高めの一索をツモリ、6,000オールをものにする。
前原のリーチに対してもしっかり押し返してアガリ切り、得点的にも精神的にも非常に大きなアガリとなったのではないだろうか。
しかし、南2局の親番を迎え前原も黙っていない。
七万八万九万一索二索三索八索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン二筒  ドラ五筒  3,900
1本場
二索二索二索四索五索七筒八筒九筒北北北発発  リーチ  ロン六索  ドラ三筒  2,400+300
2本場
五万六万七万九索九索二筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒  ロン八筒   2,900+600
3本場
五万五万七万八万九万二索三索三索四索四索二筒三筒四筒  ロン二索  11,600+900
前原がこの4連続のアガリで一気にトップ目に立つ。
この連荘も最後は中村が捌き、中村が1回戦をトップとする。
2回戦。
東1局から前原と沢崎がぶつかる。
前原の先制リーチ。
一万二万三万六万七万五索六索七索一筒二筒三筒中中  リーチ  ドラ中
それを受け沢崎も親番で追いつきリーチ。
四万五万六万四索五索五索六索七索七索七索四筒五筒六筒  リーチ
ここは前原が五万をツモアガリまずはリードを奪う。
東2局。
またもや前原の先制リーチに、今度は中村がフリテンながらも強気に追いかける。
六万七万八万三索四索五索七索八索六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ六索  ドラ四索
この強気な姿勢に牌も応えてくれて、1回戦に引き続き6,000オールをものする。
このアガリで中村が2連勝と絶好のスタートを切る。
また、1回戦から苦しい展開だった古川も、南1局に前原からアガった8,000をきっかけに、プラスの2着で2回戦を終えた。
南1局 北家・古川
一万二万三万一索二索三索七索八索九索一筒二筒四筒四筒  リーチ  ロン三筒  ドラ七索  8,000
それに対して、この放銃を機に前原は非常に苦しい戦いに追い込まれてしまう。
3回戦。
中村が攻めの姿勢を崩さずリードを奪い東場は進む。
そんな中、迎えた東4局に沢崎が魅せる。
東4局 西家・沢崎
一筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白白  チー三筒四筒五筒  ドラ二万
古川の先制リーチに対して打白としてチンイツに向かう。
これが功を奏して古川から12,000をアガる。
一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒  チー三筒四筒五筒  ロン五筒
このアガリが決定打となり、沢崎が待望のトップをものにする。
4回戦。
中村の勢いが止まらない。
東1局 東家・中村
五万五万五万四索五索六索七索七索七索八索東東東  リーチ  ツモ九索  ドラ四万
南1局 東家・中村
七万八万二索二索四索五索五索六索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六万  ドラ六筒
東場、南場の親でそれぞれ4,000オールをツモリ3度目のトップを取る。
古川は何とか粘りを見せて浮きの2着を死守する。
4回戦を終えて中村はほぼ勝ち上がりを決めた。
そして、あと1つの椅子をベテラン3人が争う形となった。
5回戦。
ベテラン3人がそれぞれに自分らしさを魅せる。
まずは古川。
東1局に2,000オールをツモリ迎えた1本場。
六筒  ポン発発発  ポン南南南  ポン一筒一筒一筒  ポン三万三万三万  ツモ六筒
この裸単騎をツモリ4本場まで積み上げる。
これに待ったをかけたのは前原。
東1局 4本場 南家・前原
六筒六筒六筒北北白白白中中  チー一筒二筒三筒  ツモ中  ドラ七万
この3,000・6,000でまた勝負は分からなくなる。
ここから前原の流れになるかと思われたが、沢崎への2度の放銃が効いて痛恨のラスを引いてしまう。
東2局 西家・沢崎
二万三万四万四万五万六万五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  ロン七索  ドラ六索  7,700
南4局 東家・沢崎
一索二索二索三索三索三索四索五索七筒八筒九筒九筒九筒  ロン一索  ドラ九索  5,800
結局、東場のリードが効いて古川がトップ、沢崎が浮きの2着となる。
この結果、最終戦は沢崎と古川の最後の椅子を争う戦いとなる。
最終戦を迎え、ポイント状況は以下。
中村(+73.1P)沢崎(+1.2P)古川(▲11.9P)前原(▲63.2P)
序盤は古川が小刻みにアガリを重ねてリードを奪うも、東4局に沢崎に決定打が出る。
東4局 西家・沢崎
一索三索五索五索五索六索六索七索七索八索九索九索九索  ロン二索  ドラ七万
このメンチンをリーチしていた古川から出アガリ、沢崎が勝ち上がりを決めた。
勝ち上がり 中村毅  沢崎誠
 
B卓 小島武夫 vs 伊藤優孝 vs 山田浩之 vs 堀内正人


小島武夫

伊藤優孝

山田浩之

堀内正人

面前手役派の小島、伊藤、山田に対し、仕掛けを多用する堀内がどう戦うのであろうか?
こちらも非常に楽しみな戦いである。
1回戦。
いきなり小島が大物手を炸裂させる。
東1局 北家・小島
一万一万一万九万九万一索一索二索二索三索三索二筒三筒  ロン一筒  ドラ一万
この12,000を伊藤からアガリ幸先の良いスタートを切る。
東2局。
山田もしっかり手を作りツモアガる。
北家・山田
一万二万三万三万四万七索八索九索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ五万  ドラ三万
この2人のアガリに対し、堀内は積極的に仕掛けていくがなかなかアガリに結びつかず苦しい展開となる。
迎えた南3局。ついに堀内の仕掛けが実る。小島のリーチを受けるも、一歩も引かずに押し切る。
一万二万四万五万六万六万六万六万発発  ポン東東東  ロン三万  ドラ八万
山田から嬉しい7,700の初アガリをものにする。
オーラスも堀内がアガリ、小島、堀内、山田の3人浮きで1回戦を終える。
伊藤にとっては厳しい緒戦となった。
2回戦。
1回戦で我慢を続けていた伊藤に手が入る。
東2局に2,000・4,000をツモアガると、迎えた東4局の親番でも4,000オールをものにして今まで溜まっていた鬱憤を晴らすかのようにリードを広げていく。
東4局 東家・伊藤
五索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒八筒八筒  チー三万四万五万  ツモ八筒  ドラ八筒
迎えたオーラス。
山田が伊藤から8,000をアガリ浮きに回り、伊藤、小島、山田の3人浮きで2回戦を終えた。
伊藤にとってトップは取ったものの、少し不満が残る戦いだったのではないだろうか。
3回戦。
小島がここでも魅せる。
東2局 南家・小島
五万六万五索六索七索一筒二筒三筒六筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四万  ドラ六筒
この2,000・4,000。
東3局 東家・小島
一筒二筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒中中中  ツモ七筒  ドラ七筒
そして8,000オール。
この2度のアガリで、小島がこの半荘のトップを決定づける。
南2局。
堀内が伊藤のテンパイ打牌を捕えて12,000をものにする。
南2局 東家・堀内
二万二万三万四万四万六万六万八万八万八万五筒六筒七筒  ロン三万  ドラ二万
このアガリで堀内が浮きの2着となり、トータルでも小島の1人浮きで他3人の争いが更に面白くなってきた。
4回戦。
手役派の山田の本領が発揮される。
東1局 南家・山田
七万八万八万二索二索三索三索四索四索五索五索七筒七筒  リーチ  ハイテイツモ七万  ドラ四筒
堀内との2軒リーチになるも、ハイテイでツモアガリ3,000・6,000。
このアガリをきっかけに山田が止まらなくなる。
東4局 西家・山田
一万一万八万九万一索二索三索七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン七万  ドラ八筒
南2局 東家・山田
一万一万七万八万九万三索三索七索八索九索七筒八筒九筒  ロン一万  ドラ三索
この2度の12,000を小島と伊藤からアガリ7万点オーバーのトップを取る。
これでトータルがプラスの小島と山田が伊藤と堀内に対して60Pほど差をつけ、残り2戦を残して非常に有利な状況になる。それに対し、伊藤と堀内はもう後がなくなり2連勝が最低条件となってしまう。
5回戦。
後がない堀内が意地を見せる。
東1局 北家・堀内
一万二万四万五万六万七万八万九万五索六索七索四筒四筒  リーチ  ロン三万  ドラ四索
東3局 南家・堀内
七万七万二索二索二索五索六索七索三筒三筒中中中  リーチ  ロン三筒  ドラ六筒
東4局 東家・堀内
一万二万三万一索二索三索二筒三筒六筒七筒八筒中中  リーチ  ロン一筒  ドラ二万
東場の3度のアガリで1人浮きのトップとし最終戦に望みを繋ぐ。
最終戦を迎えポイント状況は以下。
山田(+29.7P)小島(+24.3P)堀内(▲1.4P)伊藤(▲52.6P)
5回戦をトップで終えた堀内にとって、この最終戦もほぼトップ条件な上に、山田か小島を沈めなければならずかなり厳しい状況である。
序盤から静かに場は進み迎えた東4局。
小島が2,000・4,000をツモアガリ勝ち上がりに大きく近づく。
東4局 西家・小島
三万四万五索五索六索六索六索三筒四筒五筒白白白  リーチ  ツモ五万  ドラ三筒
このまま場は進み迎えた堀内の最後の親番。
堀内の十段位に懸ける思いがそうさせるのか、この4,000オールで山田に並びにかかる。
南3局2本場 東家・堀内
六万六万五索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四索  ドラ一万
続く3本場
一万二万三万四万四万七万八万九万七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒
山田から、この3,900は4,800をアガリついに山田を捕え逆転する。
オーラスも堀内自らアガリ切り、小島と共に勝ち上がりを決めた。
5回戦、6回戦と堀内の最後まで諦めずに戦う姿勢は非常に素晴らしく、
それがこの結果をもたらしたのであろう。
勝ち上がり 小島武夫 堀内正人
これで決勝戦を戦う4人が出揃った。
この4人の中から、現十段である瀬戸熊直樹を倒すものが生まれるのであろうか?

第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 決勝レポート

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“麻雀トライアスロン”とは!?

一般的にトライアスロンとは鉄人レースと言われ、水泳・自転車・マラソンの3種目で競う耐久競技のことを言います。ではこの“麻雀”トライアスロンとは?

2009年、日本プロ麻雀連盟で創設された、まったく新しい形の“麻雀”のタイトル戦、
それが、『麻雀トライアスロン』です。

東風戦・半荘戦・三人麻雀の順に戦い、3種目をワンクールとして、1次予選・2次予選・決勝と勝ち進んで行きます。

最後が3人麻雀となっており、得点力が高く爆発力のあるゲームだけに大逆転も可能。
さらに、今回から二次予選は東風戦で各2名が敗退、半荘戦でも各2名が敗退といった、サバイバル形式のシステムとなり、さらにスリリングな展開が予想されます。

今年で4回目を迎えるこのタイトル戦ですが、毎年各界を代表する雀豪の方々にお集まりいただき、豪華な顔ぶれで開催されます。今回も腕に覚えのあるこの16名が集結しました。
※【順不同・敬称略】

出場選手紹介ページはこちら
一次予選レポートこちら
二次予選レポートこちら

二次予選を終え、惜しくも決勝進出を逃したのは雀豪3位の武藤敬司さん、同じく4位の武宮正樹さん。
実績もある方々なので、次回大会でも必ず上位争いに食い込んでくるでしょう。

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さて、ついに決勝進出者が決定いたしましたが、改めてその4名をご紹介いたしましょう。

ゲスト雀豪1位通過、先崎学さん。

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1次予選成績
東風戦1位・半荘戦1位・三麻3位

二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位

トータル96.5Pの好成績で決勝選出。
予選のトップ回数4回は、参加者の中でも先崎さんただ1人。
第一回トライアスロンでは、滝沢和典プロにまさかの逆転負け喫しているだけに、
今回は、“優勝”の二文字だけを見て戦います。

 

2位通過は川合俊一さん。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位

二次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位

トライアスロン初出場にもかかわらず、トータル76.0Pと成績をまとめ決勝進出となりました。
成績だけみると、川合さんは東風・半荘・三麻と徐々に調子を上げていくタイプのようです。
決勝戦でもホップ・ステップ・ジャンプが決まるでしょうか。

 

ではプロ雀士のほうもご紹介させていただきましょう。

プロ雀士1位通過は瀬戸熊直樹プロ。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻2位

二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位

トータル80.4Pとプロ1位の成績で決勝の椅子を決めました。
瀬戸熊プロは、現鳳凰位と十段位でもある日本プロ麻雀連盟のエースと言ってもいいでしょう。
このトライアスロンも、第二回以来、2回目の決勝進出となります。

 

そして2位通過は灘麻太郎プロ。

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一次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位

二次予選成績
東風戦1位・半荘戦3位・三麻2位

トータル77.8Pは、プロ雀士第3位となった前原プロ(+75.4P)を微差でかわしての決勝進出。

灘プロは、32年という長い歴史の中、日本プロ麻雀連盟の会長という重い責務を果たし、
この日、森山茂和新会長にそのバトンを渡され、ようやくその重責から開放されました。

それでどこか気持ちが楽になって、手牌も軽くなったのでしょうか。決勝の舞台まで駒を進められました。

以上、強者4名の戦いです。
決勝も予選と同じく、東風戦・半荘戦、そして最後は三人麻雀の闘いとなり、
その合計得点によって、第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦の勝者が決定いたします。

さあ、決勝1回戦東風戦、闘牌の開始です!!

 

1回戦・東風戦(起家から、先崎、川合、灘、瀬戸熊)

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一万三万四万六万四索五筒東西西北発発中  ツモ一万  ドラ東

南家の川合さんの配牌。
ここから打北として、その後、すぐに灘プロから出た第一打の一万をいきなり仕掛けて行きます。

三万四万六万五筒東西西発発中  ポン一万 左向き一万 上向き一万 上向き

すぐに中が重なり打六万とします。
完全にマンズのホンイツですが、少しでも染め手の匂いを消すためでしょう。
この迷彩をほどこすあたりは、打ち慣れていると感心させられます。
そして、仕掛け慣れているのではとも思いました。

二万が入り西も鳴け、

二万三万四万発発中中  ポン西西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き

6巡目には早くもこのテンパイを果たします。
しかし、これに追いついたのは、親である先崎さんでした。

三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ

川合さんがほしい中発は、瀬戸熊プロの手の中に1枚で後は山の中。
先崎さんは、六筒2枚と九筒3枚が生きています。決着は12巡目でした。

三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  裏ドラ八万

開局を制したのは先崎さんのこの2,600オール。
次局は川合さん。今度は面前で攻めます。

二索三索四索七索八索九索二筒二筒五筒六筒七筒中中  リーチ  ツモ中  ドラ四筒  裏ドラ西

高めのほうをツモり、裏ドラは乗らず1,000・2,000のアガリ。

東3局は、ゲスト雀豪優勢の中、今度はプロ雀士の反撃とばかりに、灘プロが親でリーチと出ます。

七万七万七万七索七索一筒二筒四筒五筒六筒西西西  ドラ五筒

半分、足止めの意味も含めたリーチですが、もしツモアガリできれば流れに乗れそうです。
しかし、すぐに川合さんが絶好のペン七索を引き込み、

一索二索三索五索六索八索九索二筒三筒四筒五筒七筒七筒  ツモ七索

こうなれば勝負に違いありません。打二筒でリーチと行きます。
灘プロも、他家がオリてくれればこちらのものですが、リーチと言われれば腹をくくるしかありません。
両者、ツモる手にも力が入りますが、ここは流局となりました。

次局、川合さんのすごいところは見切りのタイミングです。

二万三万五万一索四索五索五索二筒四筒八筒八筒東東  ドラ一索

4巡目に東が出て、ここから仕掛けて行きます。
たしかにメンツ候補は足りているのですが、ドラも浮いていて仕掛けるのは勇気が必要です。
しかし川合さんは、前局アガれなかったことなど考え、この手はそれほど高く伸びないと判断したのかもしれません。

四索五索八筒八筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン東東東  ツモ六索

このアガリで、灘プロの親を完全に封じました。
東風戦ならではの打ち回しです。

オーラスは、親の瀬戸熊プロが果敢に攻めますが、

一万一万四万五万六万六索七索八索五筒七筒  ポン白白白  ドラ五万

終盤に、灘プロからリーチが入ります。

三万三万五万六万二索三索三索三索三索四索九筒九筒九筒  リーチ

川合さんも、

四万五万六万四索五索五索五索六索四筒四筒五筒六筒六筒

この綺麗な三色のテンパイ。
結果は、瀬戸熊プロが七万を掴み、ラス目の親番なのでこれを抑えることができず灘プロに放銃となりました。
裏ドラがなく、2,600のアガリだったので、着順の入れ替わりはありませんでした。

東風戦成績
川合俊一+20.9P  先崎学+8.4  P灘麻太郎▲4.7P  瀬戸熊直樹▲24.6P

 

2回戦・半荘戦(起家から、川合、灘、先崎、瀬戸熊)

tri

このトライアスロンにおいて、東風戦はまだ肩慣らし。
いよいよこの半荘戦から勝負は白熱してまいります。
ただ、初戦ラススタートの瀬戸熊プロは、ここでラスを引かされるとかなり厳しくなるので、
ここは最悪でも2着に入りたいところです。
そして初戦トップの川合さんは、ここで連勝することができれば、優勝に王手をかけることができます。
その川合さんの親番でこの半荘戦はスタートしました。

東1局は川合さんと灘プロの仕掛け合い。この局は灘プロが捌きます。

六万七万三索四索五索五索五索  チー六筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五万  ドラ九万

次局、川合さんが今度は面前でテンパイを入れリーチ。

五万五万六万八万二索三索四索六筒七筒八筒北北北  リーチ  ドラ七索

しかし、灘プロがすぐに、

三万五万三索三索四索五索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒

このテンパイで二索を勝負します。
すると、南家の先崎さんは、

二万三万四万六万七万五索五索六索三筒三筒三筒白白  ツモ四万

ここで無筋の四万をツモり、まずは川合さんの河に八索もあることから、筋となった打五索とします。
灘プロにテンパイが入らず、二索が場に出ていなければこの五索は打てなかった可能性が高く、
このたった1つ、二索が場に出たことが、その後の局面を変化させていくことになります。
五索を打てた先崎さんは、次巡、一万ツモで打白として丁寧に回ります。
白も現物ではないのですが、ぎりぎりまで勝負を諦めない粘り強い麻雀です。

一万二万三万四万四万六万七万五索六索三筒三筒三筒白  ツモ七索

そしてこうなればリーチで勝負。すぐに灘プロから八万でアガリ、裏ドラも乗り5,200。
このアガリはやはり大きかったようです。

三万三万四万四万五万六万六万六万八万八万四索五索六索  リーチ  ツモ五万  ドラ七万  裏ドラ五索

この勢いで、次局の親番はこれを決めて一歩抜け出します。
さらに、東3局1本場、

六万六万七万七万八万八万八万六索七索八索  ポン東東東  ツモ五万  ドラ東

この手を決めて、ダントツのトップ目となります。
東2局に、川合さんと灘プロの攻防を掻い潜り、しっかりとアガリきった局がポイントでした。

ラスを引けない瀬戸熊プロは親番で一矢報います。

四万四万六万六万六万七万七万七万一索二索三索四筒五筒  リーチ一発  ツモ三筒  ドラ五万  裏ドラ発

親番でこのアガリを決め2着目へと浮上します。
さらなる加点を目論む瀬戸熊プロでしたが、今日はこの後が続きません。

三万四万五万八万八万二索三索四索六索七索七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三万

三万三万三万五万五万五万四索四索三筒四筒五筒北北  リーチ  ドラ四索

この2つの勝負手が空振りに終わります。

迎えたオーラス。
先崎さん54,000
瀬戸熊プロ26,900
川合さん21,800
灘プロ16,300

得点状況はこうなっております。

さすがにこうなると、親番の瀬戸熊プロ以外の2人は2着を目指します。
ラス目の灘プロ配牌。

二万二万六万六万七万六索八索一筒西西白白中  ドラ六筒

2つの役牌がトイツなので、これを生かして仕掛けて行きます。

二万二万五万六万七万西西  ポン中中中  ポン白白白  ツモ西

そしてこの満貫をアガリ2着へと浮上しました。

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半荘戦成績
先崎学+51.9P  灘麻太郎+5.6P  瀬戸熊直樹▲17.2P  川合俊一▲40.3P

半荘戦終了時
先崎学+60.3P  灘麻太郎+0.9P  川合俊一▲19.4P  瀬戸熊直樹▲41.8P

3着になった瀬戸熊プロは苦しくなりましたが、最後の三人麻雀は得点が大きく動くため、
まだまだ優勝争いに食い込んでいけるでしょう。
灘プロと川合さんはトップを取って、いかに先崎さんとの差を縮めるかがカギとなります。
残すは最終戦三人麻雀のみとなりました。

 

最終戦・三人麻雀(起家から、灘、川合、瀬戸熊、先崎)

tri

日本プロ麻雀連盟の公式対局のシステムとして、最終戦の起家や並び順は、これまでの成績によって決定いたします。

起家=2着目
南家=3着目
西家=4着目
北家=トップ目

これは、優勝の可能性がなくなった他家が、親番もなくなり他に迷惑をかけないようにとなにもしなくなり、そこで親が無駄な連荘などして麻雀の内容に歪みが生まれないようにと考えられたシステムです。
またこの三人麻雀に限っては、最後のオーラスの抜け番が勝負の行方を左右する可能性も高く、オーラスに抜け番で一番不利になる西家は、トータルラス目になっているのです。
西家はオーラスを迎えた時点で、トータルでトップ目に立っていないと、かなり不利になってしまし、そのあたりも戦い方が多少変わってくることでしょう。

まず先手を取ったのは川合さんでした。

二索二索三索五索八索五筒八筒南南西北北中  ドラ四筒

ここから3巡目に出た北を仕掛けて行きます。
これまでも川合さんは仕掛けを多用し、また、仕掛けないときはリーチに行き、とにかく前に前に出て、攻める姿勢を崩しません。

この仕掛けでテンパイが入ったのは、西家スタートとなった、どうしても得点を叩いておきたい瀬戸熊プロ。

四索四索七索七索七索四筒四筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ三筒

ドラが出てしまう形になってしまいましたが致し方なしのドラ四筒切りリーチ。
しかし、次のツモは四索・・・今回の決勝はどうもかみ合っていないようです。
次巡六筒ツモも、裏は乗らず1,000・2,000のアガリとなりました。

そして次局、川合さんは親番を迎え、ここから連荘モードに突入します。

二索二索五索一筒一筒二筒五筒六筒東東白中中  ドラ六索

まずはここから二索をポンして行きます。東一筒も鳴けて、

五筒六筒中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 左向き  ポン東東東  ポン二索 上向き二索 上向き二索 左向き

これを受け、瀬戸熊プロは粘って、

四索四索六索七索八索四筒五筒五筒七筒九筒九筒九筒西  ツモ四筒

この形までこぎつけ、ここで生牌の西を切るか、七筒もしくは五筒などを切れば1シャンテンにはなりますが、
七筒は当たりですし、西はトイトイがあるので非常に切りにくい牌です。
ましてやテンパイしているならいざ知らず、まだ1シャンテンということでここは一旦打九筒と構えます。
すると次のツモは三筒。これはテンパイ逃しですが、七筒は当たり牌なので逃したことにはなりません。
次は生牌のドラ六索。これでさすがにギブアップ。打九筒
かなりのところまで踏み込む瀬戸熊プロでさえも、川合さんのこの仕掛けには対応せざるを得ませんでした。そしてこの仕掛けがこの後の大連荘を呼び込みます。

東2局1本場、

二索二索五索六索四筒六筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ七索  ドラ八索

四筒切りで六筒九筒二索待ちの3メンチャン。
九筒切りでカン五筒待ちなのですが、場に二索が1枚と九筒が1枚、五筒は1枚も見えていません
となると、残っている枚数は実は同じ。川合さんの選択は打四筒
これは、例え枚数は同じでも種類が多いほうが有利ということでしょう。
たしかに、他家が五筒だけ抑えてアガリに行くのと、二索九筒六筒と3種もある牌を抑えてアガリ切るのは、後者のほうが難易度は高いように思われます。また、カンチャンとシャンポンの時は、手牌にもよりますが、シャンポンのほうが若干有利な気がします。結果は、赤五筒を一発でツモった川合さん。ここは苦笑いするしかありませんが、その後きっちりとラス六筒をツモって連荘には成功。

次局は、灘プロが先制リーチ。

一索二索三索四索五索六索七索九索一筒一筒五筒六筒七筒  ドラ西

これに追いついた川合さんは、

二索三索三索四索四索六索六索六索七索八索九索発発

ここでリーチと宣言します。
凄いのは、灘プロの捨て牌に川合さんのアガリ牌である二索が切られていることです。
普通は現物待ちなのでヤミテンの選択になると思うのですが、ここは勝負どころと判断されたのでしょう。
また、先崎さんとのトータルポイントを考えても大きなアガリが必要と思われたのだと思います。
一発で五索を灘プロから討ち取り、大きな12,000のアガリとなりました。
これで先崎さんとのポイント差は、19.4P差となり、現実的に捲くれる数字になってきました。

流局を挟み次局4本場も、

一万一万四索五索六索二筒三筒四筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ白  裏ドラ四索

5,800は8,200点のアガリになりました。(1本場600点)
そして5本場。この局は正直驚きました。まず、後がない灘プロが、

五索五索六索六索九索九索西西北北発発中  リーチ  ドラ二索

このメンホン七対子の中タンキリーチ!
そして、これ以上、川合さんに連荘されたくない先崎さんは、

二索二索二索八索八索五筒六筒七筒七筒八筒九筒中中  リーチ

ここまでぐっと我慢してきましたが、ここは灘プロに放銃になっても構わないとばかりに、
自身も勝負手だけに果敢に攻めてリーチと行きました。
これを受けた川合さんですが、こちらも勝負手が入っていました。

五索五索六索七索七索七索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  ツモ二筒

このテンパイとなり、川合さんはそっと、六索を切ってヤミテンに構えます。
私はこの時、え!五索切ってリーチに行かないの!?と思いました。
ここでアガることができればかなり楽になるのにと。

しかし川合さんは冷静でした。
たしかに、五索は超危険牌で、六索は筋。だったら無理な勝負はかけないで、筋を切って様子を見る。
五索を切るなら待ちが悪いだけにヤミテンは当然の選択。
また、打点が必要な灘プロのリーチだけに高いのは想像でき、先崎さんが灘プロに放銃するという展開も考えられます。

しかし次巡、川合さんのツモは中。ここまでか・・・と正直思ったその直後、川合さんの選択は、打七筒
ここでも私は、え!?と驚きの声をあげそうになりました。
ちなみにこの三人麻雀はダブロンありのルールなので、もしこの中を捨てて放銃となってしまった場合、両方、跳満からのスタートになるので、ここまでリードしている先崎さんの優勝で、ほぼゲームは終了となっていたでしょう。
結果、両者アガれず、川合さんも結局、テンパイまでは行きませんでしたが、見ているこちら側は手に汗握る、もの凄い攻防を見ることができました。

その川合さんの抜け番。
先崎さんが先制リーチ。

三索三索三索六索七索八索五筒六筒七筒九筒九筒中中  リーチ  ドラ九筒

これに追いついたのは瀬戸熊プロ。

一索二索三索六索七索八索六筒七筒八筒東東発発  リーチ

この追いかけリーチ。
ここで一番瀬戸熊プロを応援していたのは、なにを隠そう抜け番の川合さんに違いありません。
川合さんはあと20,000点くらい先崎さんと差を縮めなければいけないので、先崎さんにはアガられたくないはずです。その願いが通じたのか、瀬戸熊プロのアガリとまでは行きませんでしたが、流局となりました。

これで東3局7本場、供託:4,000
さあ、ここが川合さんにとって正念場となります。

九万九万一索二索二索二索三索四索四索六索八索西西  ツモ八索  ドラ九筒

6巡目、ここで川合さんは打九万とし、ソーズのホンイツを目指します。
すぐに役牌である西が鳴けて、1シャンテンになりますが、この仕掛けで、

二筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒九筒九筒東東南南  ツモ一筒

先崎さんにこのツモ一筒が流れます。
正直難しい手になりました。東南も生牌。九筒はドラです。
みなさんなら何を切りますか?

tri

先崎さんの選択は七対子も残る打六筒でした。
川合さんも五索を引き入れ、二索五索八索の3メンチャンのテンパイ。
先崎さんは次に東をツモって、七筒切りで九筒南シャンポンのテンパイ。

ヤミテンで12,000点あります。
川合さん打東・・これは先崎さんの入ったほう・・一打一打緊張が走ります。
先崎さん九索ツモ切りでここは勝負どころと川合さんはソーズのホンイツですが押していきます。川合さんも六索ツモ切りで、これはいったい誰がアガるのでしょうか!?

先崎さんも川合さんも、ここはお互いに一歩も引けません。

さあ、これをアガリ切ったほうが、優勝をぐっと引き寄せ王手です。
先崎さんは四筒一筒を振り替え、さらにヤミテン続行。
川合さんのツモはまた六索です。シャンポンにしていればこれでアガリがあったのですが、

さすがに3メンチャンをシャンポンにはできないでしょう。
するとここで、親の瀬戸熊プロが私を忘れてもらっては困るとばかりに満を持してのリーチ。

一万一万二索三索四索五索六索七索五筒五筒五筒八筒九筒  リーチ  ドラ九筒

そうなると、先崎さんもここはもうオリられないので、追いかけリーチで真っ向勝負です。
瀬戸熊プロ五筒を暗カン。新ドラは八索です。川合さん乗りました。
そして決着の時が訪れました。

tri

二筒二筒三筒三筒四筒四筒九筒九筒東東東南南  リーチ  ツモ九筒  ドラ九筒 カンドラ八索  裏ドラ八筒 カン裏四索

先崎さんが大きな大きな倍満のアガリで天王山を制すことができました。
これで一気に川合さんを捲くってトップ目に立ちます。

南1局に川合さんが再度、

三索四索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ二索  ドラ六索  裏ドラ西

このアガリでトップを捲くりますが、先崎さんは70,000点近くある2着で安泰の位置。
さすがに川合さんの反撃もここまで。

第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦は先崎学さんの優勝で幕を閉じました。

tri

tri優勝した先崎学さん、第2位川合俊一さん tri第3位灘麻太郎プロ、第4位瀬戸熊直樹プロ

今回は、予選から雀豪の方々の成績がよく、決勝でも先崎さんと川合さんのマッチレースといった感じとなりました。灘プロ、瀬戸熊プロもどうにか突破口を開こうとしましたが、今回のお2人の前では成す術なしといった感じだったでしょうか。

川合さんはホップステップジャンプとは行きませんでしたが、その見事な押し引きで先崎さんをギリギリのところまで追い詰めることができました。あの中を止めた局はお見事だったのではないでしょうか。

優勝した先崎さんですが、最後は、さすが将棋棋士の先を見据えた一打ともいえる見事な手順でメンホンを決められ、終始安定した内容の麻雀を打たれていたように思います。
第一回大会でも優勝目前まで迫ったところで、滝沢和典プロに国士無双で逆転され、本当に悔しそうだったのを今でも思い出します。その時の悔しさが大きかった分、今回は本当に嬉しい優勝となったのではないでしょうか。

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先崎さん優勝おめでとうございました!!

放送は終了してしまいましたが、今後も連盟チャンネルやDVDなどで見られることができると思いますので、その時は是非ご覧下さい。

これで、優勝したのがプロ雀士2回、ゲスト雀豪が2回と、イーブンという形になりましたが、第五回が開催されるとしたら、ゲスト雀豪が勝利するのか、それともプロ雀士が意地を見せるのか、また次回のゲスト雀豪はいったいどんな強者が集まるのか!?ご期待下さい!!

エンタメーテレ 番組紹介ページはこちら

特集企画/第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 決勝レポート

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“麻雀トライアスロン”とは!?
一般的にトライアスロンとは鉄人レースと言われ、水泳・自転車・マラソンの3種目で競う耐久競技のことを言います。ではこの“麻雀”トライアスロンとは?
2009年、日本プロ麻雀連盟で創設された、まったく新しい形の“麻雀”のタイトル戦、
それが、『麻雀トライアスロン』です。
東風戦・半荘戦・三人麻雀の順に戦い、3種目をワンクールとして、1次予選・2次予選・決勝と勝ち進んで行きます。
最後が3人麻雀となっており、得点力が高く爆発力のあるゲームだけに大逆転も可能。
さらに、今回から二次予選は東風戦で各2名が敗退、半荘戦でも各2名が敗退といった、サバイバル形式のシステムとなり、さらにスリリングな展開が予想されます。
今年で4回目を迎えるこのタイトル戦ですが、毎年各界を代表する雀豪の方々にお集まりいただき、豪華な顔ぶれで開催されます。今回も腕に覚えのあるこの16名が集結しました。
※【順不同・敬称略】
出場選手紹介ページはこちら
一次予選レポートこちら
二次予選レポートこちら
二次予選を終え、惜しくも決勝進出を逃したのは雀豪3位の武藤敬司さん、同じく4位の武宮正樹さん。
実績もある方々なので、次回大会でも必ず上位争いに食い込んでくるでしょう。

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さて、ついに決勝進出者が決定いたしましたが、改めてその4名をご紹介いたしましょう。
ゲスト雀豪1位通過、先崎学さん。

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1次予選成績
東風戦1位・半荘戦1位・三麻3位
二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
トータル96.5Pの好成績で決勝選出。
予選のトップ回数4回は、参加者の中でも先崎さんただ1人。
第一回トライアスロンでは、滝沢和典プロにまさかの逆転負け喫しているだけに、
今回は、“優勝”の二文字だけを見て戦います。
 
2位通過は川合俊一さん。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位
二次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位
トライアスロン初出場にもかかわらず、トータル76.0Pと成績をまとめ決勝進出となりました。
成績だけみると、川合さんは東風・半荘・三麻と徐々に調子を上げていくタイプのようです。
決勝戦でもホップ・ステップ・ジャンプが決まるでしょうか。
 
ではプロ雀士のほうもご紹介させていただきましょう。
プロ雀士1位通過は瀬戸熊直樹プロ。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻2位
二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
トータル80.4Pとプロ1位の成績で決勝の椅子を決めました。
瀬戸熊プロは、現鳳凰位と十段位でもある日本プロ麻雀連盟のエースと言ってもいいでしょう。
このトライアスロンも、第二回以来、2回目の決勝進出となります。
 
そして2位通過は灘麻太郎プロ。

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一次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
二次予選成績
東風戦1位・半荘戦3位・三麻2位
トータル77.8Pは、プロ雀士第3位となった前原プロ(+75.4P)を微差でかわしての決勝進出。
灘プロは、32年という長い歴史の中、日本プロ麻雀連盟の会長という重い責務を果たし、
この日、森山茂和新会長にそのバトンを渡され、ようやくその重責から開放されました。
それでどこか気持ちが楽になって、手牌も軽くなったのでしょうか。決勝の舞台まで駒を進められました。
以上、強者4名の戦いです。
決勝も予選と同じく、東風戦・半荘戦、そして最後は三人麻雀の闘いとなり、
その合計得点によって、第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦の勝者が決定いたします。
さあ、決勝1回戦東風戦、闘牌の開始です!!
 
1回戦・東風戦(起家から、先崎、川合、灘、瀬戸熊)
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一万三万四万六万四索五筒東西西北発発中  ツモ一万  ドラ東
南家の川合さんの配牌。
ここから打北として、その後、すぐに灘プロから出た第一打の一万をいきなり仕掛けて行きます。
三万四万六万五筒東西西発発中  ポン一万 左向き一万 上向き一万 上向き
すぐに中が重なり打六万とします。
完全にマンズのホンイツですが、少しでも染め手の匂いを消すためでしょう。
この迷彩をほどこすあたりは、打ち慣れていると感心させられます。
そして、仕掛け慣れているのではとも思いました。
二万が入り西も鳴け、
二万三万四万発発中中  ポン西西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き
6巡目には早くもこのテンパイを果たします。
しかし、これに追いついたのは、親である先崎さんでした。
三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ
川合さんがほしい中発は、瀬戸熊プロの手の中に1枚で後は山の中。
先崎さんは、六筒2枚と九筒3枚が生きています。決着は12巡目でした。
三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  裏ドラ八万
開局を制したのは先崎さんのこの2,600オール。
次局は川合さん。今度は面前で攻めます。
二索三索四索七索八索九索二筒二筒五筒六筒七筒中中  リーチ  ツモ中  ドラ四筒  裏ドラ西
高めのほうをツモり、裏ドラは乗らず1,000・2,000のアガリ。
東3局は、ゲスト雀豪優勢の中、今度はプロ雀士の反撃とばかりに、灘プロが親でリーチと出ます。
七万七万七万七索七索一筒二筒四筒五筒六筒西西西  ドラ五筒
半分、足止めの意味も含めたリーチですが、もしツモアガリできれば流れに乗れそうです。
しかし、すぐに川合さんが絶好のペン七索を引き込み、
一索二索三索五索六索八索九索二筒三筒四筒五筒七筒七筒  ツモ七索
こうなれば勝負に違いありません。打二筒でリーチと行きます。
灘プロも、他家がオリてくれればこちらのものですが、リーチと言われれば腹をくくるしかありません。
両者、ツモる手にも力が入りますが、ここは流局となりました。
次局、川合さんのすごいところは見切りのタイミングです。
二万三万五万一索四索五索五索二筒四筒八筒八筒東東  ドラ一索
4巡目に東が出て、ここから仕掛けて行きます。
たしかにメンツ候補は足りているのですが、ドラも浮いていて仕掛けるのは勇気が必要です。
しかし川合さんは、前局アガれなかったことなど考え、この手はそれほど高く伸びないと判断したのかもしれません。
四索五索八筒八筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン東東東  ツモ六索
このアガリで、灘プロの親を完全に封じました。
東風戦ならではの打ち回しです。
オーラスは、親の瀬戸熊プロが果敢に攻めますが、
一万一万四万五万六万六索七索八索五筒七筒  ポン白白白  ドラ五万
終盤に、灘プロからリーチが入ります。
三万三万五万六万二索三索三索三索三索四索九筒九筒九筒  リーチ
川合さんも、
四万五万六万四索五索五索五索六索四筒四筒五筒六筒六筒
この綺麗な三色のテンパイ。
結果は、瀬戸熊プロが七万を掴み、ラス目の親番なのでこれを抑えることができず灘プロに放銃となりました。
裏ドラがなく、2,600のアガリだったので、着順の入れ替わりはありませんでした。
東風戦成績
川合俊一+20.9P  先崎学+8.4  P灘麻太郎▲4.7P  瀬戸熊直樹▲24.6P
 
2回戦・半荘戦(起家から、川合、灘、先崎、瀬戸熊)
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このトライアスロンにおいて、東風戦はまだ肩慣らし。
いよいよこの半荘戦から勝負は白熱してまいります。
ただ、初戦ラススタートの瀬戸熊プロは、ここでラスを引かされるとかなり厳しくなるので、
ここは最悪でも2着に入りたいところです。
そして初戦トップの川合さんは、ここで連勝することができれば、優勝に王手をかけることができます。
その川合さんの親番でこの半荘戦はスタートしました。
東1局は川合さんと灘プロの仕掛け合い。この局は灘プロが捌きます。
六万七万三索四索五索五索五索  チー六筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五万  ドラ九万
次局、川合さんが今度は面前でテンパイを入れリーチ。
五万五万六万八万二索三索四索六筒七筒八筒北北北  リーチ  ドラ七索
しかし、灘プロがすぐに、
三万五万三索三索四索五索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒
このテンパイで二索を勝負します。
すると、南家の先崎さんは、
二万三万四万六万七万五索五索六索三筒三筒三筒白白  ツモ四万
ここで無筋の四万をツモり、まずは川合さんの河に八索もあることから、筋となった打五索とします。
灘プロにテンパイが入らず、二索が場に出ていなければこの五索は打てなかった可能性が高く、
このたった1つ、二索が場に出たことが、その後の局面を変化させていくことになります。
五索を打てた先崎さんは、次巡、一万ツモで打白として丁寧に回ります。
白も現物ではないのですが、ぎりぎりまで勝負を諦めない粘り強い麻雀です。
一万二万三万四万四万六万七万五索六索三筒三筒三筒白  ツモ七索
そしてこうなればリーチで勝負。すぐに灘プロから八万でアガリ、裏ドラも乗り5,200。
このアガリはやはり大きかったようです。
三万三万四万四万五万六万六万六万八万八万四索五索六索  リーチ  ツモ五万  ドラ七万  裏ドラ五索
この勢いで、次局の親番はこれを決めて一歩抜け出します。
さらに、東3局1本場、
六万六万七万七万八万八万八万六索七索八索  ポン東東東  ツモ五万  ドラ東
この手を決めて、ダントツのトップ目となります。
東2局に、川合さんと灘プロの攻防を掻い潜り、しっかりとアガリきった局がポイントでした。
ラスを引けない瀬戸熊プロは親番で一矢報います。
四万四万六万六万六万七万七万七万一索二索三索四筒五筒  リーチ一発  ツモ三筒  ドラ五万  裏ドラ発
親番でこのアガリを決め2着目へと浮上します。
さらなる加点を目論む瀬戸熊プロでしたが、今日はこの後が続きません。
三万四万五万八万八万二索三索四索六索七索七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三万
三万三万三万五万五万五万四索四索三筒四筒五筒北北  リーチ  ドラ四索
この2つの勝負手が空振りに終わります。
迎えたオーラス。
先崎さん54,000
瀬戸熊プロ26,900
川合さん21,800
灘プロ16,300
得点状況はこうなっております。
さすがにこうなると、親番の瀬戸熊プロ以外の2人は2着を目指します。
ラス目の灘プロ配牌。
二万二万六万六万七万六索八索一筒西西白白中  ドラ六筒
2つの役牌がトイツなので、これを生かして仕掛けて行きます。
二万二万五万六万七万西西  ポン中中中  ポン白白白  ツモ西
そしてこの満貫をアガリ2着へと浮上しました。
tri
半荘戦成績
先崎学+51.9P  灘麻太郎+5.6P  瀬戸熊直樹▲17.2P  川合俊一▲40.3P
半荘戦終了時
先崎学+60.3P  灘麻太郎+0.9P  川合俊一▲19.4P  瀬戸熊直樹▲41.8P
3着になった瀬戸熊プロは苦しくなりましたが、最後の三人麻雀は得点が大きく動くため、
まだまだ優勝争いに食い込んでいけるでしょう。
灘プロと川合さんはトップを取って、いかに先崎さんとの差を縮めるかがカギとなります。
残すは最終戦三人麻雀のみとなりました。
 
最終戦・三人麻雀(起家から、灘、川合、瀬戸熊、先崎)
tri
日本プロ麻雀連盟の公式対局のシステムとして、最終戦の起家や並び順は、これまでの成績によって決定いたします。
起家=2着目
南家=3着目
西家=4着目
北家=トップ目
これは、優勝の可能性がなくなった他家が、親番もなくなり他に迷惑をかけないようにとなにもしなくなり、そこで親が無駄な連荘などして麻雀の内容に歪みが生まれないようにと考えられたシステムです。
またこの三人麻雀に限っては、最後のオーラスの抜け番が勝負の行方を左右する可能性も高く、オーラスに抜け番で一番不利になる西家は、トータルラス目になっているのです。
西家はオーラスを迎えた時点で、トータルでトップ目に立っていないと、かなり不利になってしまし、そのあたりも戦い方が多少変わってくることでしょう。
まず先手を取ったのは川合さんでした。
二索二索三索五索八索五筒八筒南南西北北中  ドラ四筒
ここから3巡目に出た北を仕掛けて行きます。
これまでも川合さんは仕掛けを多用し、また、仕掛けないときはリーチに行き、とにかく前に前に出て、攻める姿勢を崩しません。
この仕掛けでテンパイが入ったのは、西家スタートとなった、どうしても得点を叩いておきたい瀬戸熊プロ。
四索四索七索七索七索四筒四筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ三筒
ドラが出てしまう形になってしまいましたが致し方なしのドラ四筒切りリーチ。
しかし、次のツモは四索・・・今回の決勝はどうもかみ合っていないようです。
次巡六筒ツモも、裏は乗らず1,000・2,000のアガリとなりました。
そして次局、川合さんは親番を迎え、ここから連荘モードに突入します。
二索二索五索一筒一筒二筒五筒六筒東東白中中  ドラ六索
まずはここから二索をポンして行きます。東一筒も鳴けて、
五筒六筒中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 左向き  ポン東東東  ポン二索 上向き二索 上向き二索 左向き
これを受け、瀬戸熊プロは粘って、
四索四索六索七索八索四筒五筒五筒七筒九筒九筒九筒西  ツモ四筒
この形までこぎつけ、ここで生牌の西を切るか、七筒もしくは五筒などを切れば1シャンテンにはなりますが、
七筒は当たりですし、西はトイトイがあるので非常に切りにくい牌です。
ましてやテンパイしているならいざ知らず、まだ1シャンテンということでここは一旦打九筒と構えます。
すると次のツモは三筒。これはテンパイ逃しですが、七筒は当たり牌なので逃したことにはなりません。
次は生牌のドラ六索。これでさすがにギブアップ。打九筒
かなりのところまで踏み込む瀬戸熊プロでさえも、川合さんのこの仕掛けには対応せざるを得ませんでした。そしてこの仕掛けがこの後の大連荘を呼び込みます。
東2局1本場、
二索二索五索六索四筒六筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ七索  ドラ八索
四筒切りで六筒九筒二索待ちの3メンチャン。
九筒切りでカン五筒待ちなのですが、場に二索が1枚と九筒が1枚、五筒は1枚も見えていません
となると、残っている枚数は実は同じ。川合さんの選択は打四筒
これは、例え枚数は同じでも種類が多いほうが有利ということでしょう。
たしかに、他家が五筒だけ抑えてアガリに行くのと、二索九筒六筒と3種もある牌を抑えてアガリ切るのは、後者のほうが難易度は高いように思われます。また、カンチャンとシャンポンの時は、手牌にもよりますが、シャンポンのほうが若干有利な気がします。結果は、赤五筒を一発でツモった川合さん。ここは苦笑いするしかありませんが、その後きっちりとラス六筒をツモって連荘には成功。
次局は、灘プロが先制リーチ。
一索二索三索四索五索六索七索九索一筒一筒五筒六筒七筒  ドラ西
これに追いついた川合さんは、
二索三索三索四索四索六索六索六索七索八索九索発発
ここでリーチと宣言します。
凄いのは、灘プロの捨て牌に川合さんのアガリ牌である二索が切られていることです。
普通は現物待ちなのでヤミテンの選択になると思うのですが、ここは勝負どころと判断されたのでしょう。
また、先崎さんとのトータルポイントを考えても大きなアガリが必要と思われたのだと思います。
一発で五索を灘プロから討ち取り、大きな12,000のアガリとなりました。
これで先崎さんとのポイント差は、19.4P差となり、現実的に捲くれる数字になってきました。
流局を挟み次局4本場も、
一万一万四索五索六索二筒三筒四筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ白  裏ドラ四索
5,800は8,200点のアガリになりました。(1本場600点)
そして5本場。この局は正直驚きました。まず、後がない灘プロが、
五索五索六索六索九索九索西西北北発発中  リーチ  ドラ二索
このメンホン七対子の中タンキリーチ!
そして、これ以上、川合さんに連荘されたくない先崎さんは、
二索二索二索八索八索五筒六筒七筒七筒八筒九筒中中  リーチ
ここまでぐっと我慢してきましたが、ここは灘プロに放銃になっても構わないとばかりに、
自身も勝負手だけに果敢に攻めてリーチと行きました。
これを受けた川合さんですが、こちらも勝負手が入っていました。
五索五索六索七索七索七索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  ツモ二筒
このテンパイとなり、川合さんはそっと、六索を切ってヤミテンに構えます。
私はこの時、え!五索切ってリーチに行かないの!?と思いました。
ここでアガることができればかなり楽になるのにと。
しかし川合さんは冷静でした。
たしかに、五索は超危険牌で、六索は筋。だったら無理な勝負はかけないで、筋を切って様子を見る。
五索を切るなら待ちが悪いだけにヤミテンは当然の選択。
また、打点が必要な灘プロのリーチだけに高いのは想像でき、先崎さんが灘プロに放銃するという展開も考えられます。
しかし次巡、川合さんのツモは中。ここまでか・・・と正直思ったその直後、川合さんの選択は、打七筒
ここでも私は、え!?と驚きの声をあげそうになりました。
ちなみにこの三人麻雀はダブロンありのルールなので、もしこの中を捨てて放銃となってしまった場合、両方、跳満からのスタートになるので、ここまでリードしている先崎さんの優勝で、ほぼゲームは終了となっていたでしょう。
結果、両者アガれず、川合さんも結局、テンパイまでは行きませんでしたが、見ているこちら側は手に汗握る、もの凄い攻防を見ることができました。
その川合さんの抜け番。
先崎さんが先制リーチ。
三索三索三索六索七索八索五筒六筒七筒九筒九筒中中  リーチ  ドラ九筒
これに追いついたのは瀬戸熊プロ。
一索二索三索六索七索八索六筒七筒八筒東東発発  リーチ
この追いかけリーチ。
ここで一番瀬戸熊プロを応援していたのは、なにを隠そう抜け番の川合さんに違いありません。
川合さんはあと20,000点くらい先崎さんと差を縮めなければいけないので、先崎さんにはアガられたくないはずです。その願いが通じたのか、瀬戸熊プロのアガリとまでは行きませんでしたが、流局となりました。
これで東3局7本場、供託:4,000
さあ、ここが川合さんにとって正念場となります。
九万九万一索二索二索二索三索四索四索六索八索西西  ツモ八索  ドラ九筒
6巡目、ここで川合さんは打九万とし、ソーズのホンイツを目指します。
すぐに役牌である西が鳴けて、1シャンテンになりますが、この仕掛けで、
二筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒九筒九筒東東南南  ツモ一筒
先崎さんにこのツモ一筒が流れます。
正直難しい手になりました。東南も生牌。九筒はドラです。
みなさんなら何を切りますか?
tri
先崎さんの選択は七対子も残る打六筒でした。
川合さんも五索を引き入れ、二索五索八索の3メンチャンのテンパイ。
先崎さんは次に東をツモって、七筒切りで九筒南シャンポンのテンパイ。
ヤミテンで12,000点あります。
川合さん打東・・これは先崎さんの入ったほう・・一打一打緊張が走ります。
先崎さん九索ツモ切りでここは勝負どころと川合さんはソーズのホンイツですが押していきます。川合さんも六索ツモ切りで、これはいったい誰がアガるのでしょうか!?
先崎さんも川合さんも、ここはお互いに一歩も引けません。
さあ、これをアガリ切ったほうが、優勝をぐっと引き寄せ王手です。
先崎さんは四筒一筒を振り替え、さらにヤミテン続行。
川合さんのツモはまた六索です。シャンポンにしていればこれでアガリがあったのですが、
さすがに3メンチャンをシャンポンにはできないでしょう。
するとここで、親の瀬戸熊プロが私を忘れてもらっては困るとばかりに満を持してのリーチ。
一万一万二索三索四索五索六索七索五筒五筒五筒八筒九筒  リーチ  ドラ九筒
そうなると、先崎さんもここはもうオリられないので、追いかけリーチで真っ向勝負です。
瀬戸熊プロ五筒を暗カン。新ドラは八索です。川合さん乗りました。
そして決着の時が訪れました。
tri
二筒二筒三筒三筒四筒四筒九筒九筒東東東南南  リーチ  ツモ九筒  ドラ九筒 カンドラ八索  裏ドラ八筒 カン裏四索
先崎さんが大きな大きな倍満のアガリで天王山を制すことができました。
これで一気に川合さんを捲くってトップ目に立ちます。
南1局に川合さんが再度、
三索四索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ二索  ドラ六索  裏ドラ西
このアガリでトップを捲くりますが、先崎さんは70,000点近くある2着で安泰の位置。
さすがに川合さんの反撃もここまで。
第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦は先崎学さんの優勝で幕を閉じました。
tri

tri優勝した先崎学さん、第2位川合俊一さん tri第3位灘麻太郎プロ、第4位瀬戸熊直樹プロ

今回は、予選から雀豪の方々の成績がよく、決勝でも先崎さんと川合さんのマッチレースといった感じとなりました。灘プロ、瀬戸熊プロもどうにか突破口を開こうとしましたが、今回のお2人の前では成す術なしといった感じだったでしょうか。
川合さんはホップステップジャンプとは行きませんでしたが、その見事な押し引きで先崎さんをギリギリのところまで追い詰めることができました。あの中を止めた局はお見事だったのではないでしょうか。
優勝した先崎さんですが、最後は、さすが将棋棋士の先を見据えた一打ともいえる見事な手順でメンホンを決められ、終始安定した内容の麻雀を打たれていたように思います。
第一回大会でも優勝目前まで迫ったところで、滝沢和典プロに国士無双で逆転され、本当に悔しそうだったのを今でも思い出します。その時の悔しさが大きかった分、今回は本当に嬉しい優勝となったのではないでしょうか。

tri

先崎さん優勝おめでとうございました!!
放送は終了してしまいましたが、今後も連盟チャンネルやDVDなどで見られることができると思いますので、その時は是非ご覧下さい。
これで、優勝したのがプロ雀士2回、ゲスト雀豪が2回と、イーブンという形になりましたが、第五回が開催されるとしたら、ゲスト雀豪が勝利するのか、それともプロ雀士が意地を見せるのか、また次回のゲスト雀豪はいったいどんな強者が集まるのか!?ご期待下さい!!
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第21期中部プロリーグ 決勝レポート

参議院議員選挙が告示され、遊説などで活気づく街中。
名古屋の雀荘では、中部プロリーグ決勝戦が行われ、活気づこうとしていた。
観戦記は鬼軍曹、葛山が務めさせて頂きます。
まずは出場選手を簡単に紹介しよう。

-1位通過- 佐藤あいり
25期生 二段
決勝進出:初

中部唯一の女流Aリーガー。
攻めっ気が強い印象があったが、最近は攻守のバランスを意識しているようである。
しかしながら、大きく崩れやすい事も特徴の1つである。
崩れることなく、最後まで突っ走る事が出来るのか?
面前、リーチ型

-2位通過- 日下健司
24期生 初段
決勝進出:3回目(最高成績:準優勝)

Aリーグ7期在籍の内、決勝進出は3回目。
降級経験を活かしてか、再昇級をしてから、降級争いをする事無く、上位の成績を収めている。
優勝実績はないものの、近年の闘いは最も安定している。
持ち味だった爆発力が鳴りを潜めてしまったが、その爆発力が出せれば勝機ありか?
面前と仕掛けを巧みに使うバランス型

-3位通過- 山田優駿
24期生 三段
決勝進出:初

仕掛けを多用する麻雀を好む。
その仕掛けを元に相手の反応から、打点や早さを読み取る。
卓内で山田の発声が多ければ、優位に立てているかもしれない。
発声の数がバロメーター
仕掛け型

-4位通過- 杉浦貴紀
21期生 三段
決勝進出:4回目(最高成績:優勝2回)

今回のメンバーの中で最も実績があるのが杉浦。
対局者全員が後輩に囲まれ、勝たなければならないプレッシャーとの戦いもあるだろう。
昔に比べ守備力が高くなった半面、大胆な攻めがなくなった印象。
僅差の勝負や条件戦に強いため、接戦に持ち込められればチャンスありか?
面前型

展開を予想すると、初出場の山田と佐藤が緊張せずに、自分らしさを出せるのか?
初優勝を目指す日下が上手く局を進められるのか?
対局者が全員後輩となった決勝戦は初めての杉浦。
優勝経験の実績を鑑みても、今回の相手には勝たなければならない戦い。
前評判では優勝戦線に最も絡んで来るであろう、杉浦はプレッシャーに勝つ事が出来るのか?

鬼軍曹の予想としては、
本命◎:杉浦
対抗○:日下
穴△:佐藤
注意×:山田

 

【1回戦】 ~光と影~
競技ルールではダブロンが認められておらず、アガリは1人に限定されている。
このアガリ(光)を目指して4人の戦いが静かに幕を開けた。
各人の配牌を以下の通り。

東家・日下
一万五万一索一索三索五索八索八索二筒九筒東東南南  ドラ五索

南家:山田
一万二万三万八万九万五索七索二筒北白発中中

西家:杉浦
三万五万六万八万九万二索三索六索四筒五筒東北白

北家:佐藤
二万四万一索六索六索八索八索二筒四筒六筒七筒八筒九筒

字牌のトイツや、ドラ色があるなど、若干、親の日下が優位に見える。
ただし、容易に牌が出て来るとは考えにくく、ネックが意外とある。
仕掛けが出来れば、このまま突っ走れそうか?
一方、タンヤオのみではあるが、4面子1雀頭の形が揃いそうなのが佐藤。
ここに三色や一通が加わればいきなり本手になると言った所か。対して山田、杉浦はやや苦しい感じ。

5巡目、早速先手を取ろうと山田が動き出す。

一万二万三万八万九万五索二筒南西白発中中  チー七万  打五索

ホンイツとチャンタの天秤であろうか?
字牌がバラバラなこの形からならば、私は声が出ない。
役牌が手の内にあるため、ドラをリリースする形にはまだ不十分だろう。
もしこのドラに声がかかるようであれば、山田はここでオリを選択するかもしれない。
山田らしいと言えば、山田らしい。
中を仕掛けて字牌が重なれば…と言う所まで手が進む。
この山田の仕掛けに注目を浴びたのが親の日下。

光の的は親の日下に注がれた。
13巡目
一索一索二索三索三索五索八索八索九索東東南南 ツモ七索

ホンイツの上でチャンタと七対子の選択である。
ドラが出てこない、既に山田が打ち出している、字牌のポンテンが取れる、それらを鑑みて日下は打五索とした。
この日下のドラ切りを見て、山田は撤退。この局の光は日下へ、山田は自ら影へ。
しかし、この局はまだ光を浴びようとしている選手がいた。
私のメモには「佐藤が押し返している」「杉浦が前に出ている。」と記されていた。
この両名の手は以下のようになっていた。

西家・杉浦
四万五万六万一索二索三索四索五索六索四筒五筒六筒東

北家・佐藤
四万四万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒

上記の形で両名がテンパイしていた。
杉浦の待ちは厳しいが、佐藤のマンズ待ちは悪くない。
ここで、佐藤が打牌選択で簡単なミスを犯す。

四万四万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒

この手に五筒をツモった佐藤は打八筒としてしまった。
三色が見えていなかったと後で語ってくれたが、切ってからすぐに気がついたようだ。
決勝戦ではこう言う小さなミスが致命傷になりかねない。
本人は緊張していなかったと語っていたが、普段は切る事のない打牌をさせてしまう所が、決勝戦の緊張感なのであろう。
しかし、光は佐藤をまだ見捨てなかった。切った次のツモが八筒で、再び高め三色の形に。

親の日下をケアする余り、山田はソーズと字牌にばかり気を取られていた。

四万四万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ロン八万

佐藤がミスを挽回する7,700点のアガリで幕を開けた。
3フーロして前に出る姿勢は山田らしい。それを踏まえて相手の出方を判断する所が山田の長所である。
本人もわかっていたようだが、この状況では放銃を最も避けなければならなかったのではないか?
撤退を決め込んだ以上、徹底してオリなければならない。
読みもあるだろう。読めないなら、中途半端に出なければ良いのではないか。
いろんな葛藤が現れた一局であった。しかし、山田はこの1局の判断を終始引きずる事に。

chubu21

≪山田優駿≫

7,700点、8,000点と連続放銃で迎えた東3局、山田にドラ3の手が入る。
丁寧な手順で、10巡目にテンパイ

四万五万六万六万六万七万八万八万七索八索九索三筒四筒  ツモ三万  打八万  ドラ六万

山田の持ち点は14,300点
「トップを目指す。」
対局前にこう話してくれた山田。でも、ここでリーチの声が出ない。
前に出た結果、オリ打ちしてしまった、連続放銃してしまった。少しでも失点を挽回したい。
いろんな判断材料の中、場に高いピンズ待ちであったが、山田はヤミテンを選択した。
トップ目の佐藤はテンパイしていたが、途中でピンズを引いて撤退。場を冷静に見ているようだった。

二筒五筒は山に5枚残っていた。
ほどなくして、山田のツモアガリ。最低限のアガリと言った印象を受けた。
出アガリを含めてのヤミだったが、ツモれるのであればリーチをしておけば…
そんな後悔が伝わってくる表情であった。

トップ目の佐藤に1つの分岐点が訪れる。
東4局3本場

六万八万九万六索七索八索九索五筒六筒七筒八筒八筒九筒  ツモ六筒  打八筒  ドラ五万

前巡に567、678、789の三色を見据えて佐藤は打四索としていた。
最終的に789に狙いを固定した。

789にこだわるのであれば、打六筒ではなく打五筒や打六索でもありじゃないの?
いろんな選択肢を与え、佐藤の思考に迫ろうと私は考えていた。
「難しく考えたくなかった。」と後に語った佐藤。
日頃からこの手の類の質問は苦手なようである。
佐藤は新人の頃からこの手の何切るや、思考を考えるのが苦手である。
1年目は何も出来なくて済まされるかもしれない。
でも、佐藤がこれから成長するために、敢えて厳しく書かせて頂く。
「考えるのをやめたらそこで成長は止まる。出来なくても良い。でも、考える努力はしよう。プロなのだから。」
私も諦めずに今まで何回か問いかけたが、そこから逃げ出そうとする佐藤に物申す。
牌姿が覚えられないのであれば、せめてメモをする努力ぐらいはしよう。

流局で回って来た親番を日下が存分に活かす。
南1局5本場、7巡目に山田が仕掛ける。まだアガリまでは遠い仕掛けだ。
良く言えば山田らしい。場を読む材料を探しているのしかもしれない。
しかし、この動きが全てマイナスに働いている事に本人はまだ気付いていない。
連続放銃も全て山田の動きがもたらした結果であるが、大事な部分を見落としている気がした。
そんな山田の仕掛けに、西家の杉浦が合わせてしまう。

七万七万七索七索三筒四筒六筒七筒北北北 ポン西西西  打七万  ドラ六索

普段、杉浦がこういう時にする仕掛けは、本手か、テンパイの時である。
決勝戦だった事もあり、親の連チャンを阻止するために無理してでも前に出た。と言ってくれた。
この時、私は杉浦の対面にいたが、
「杉浦合わせるな。自分のスタイルを崩すな。鳴くのであれば、テンパイしていなければダメ。」と。
他の先輩の言葉を借りると「顔を上げるな。」の瞬間であった。

親の日下にとって、これらが全てプラスに働いた。

二万二万四万五万六万七万五索六索七索五筒六筒発発 ツモ三万  打三万リーチ  ドラ六索

ネックだった三万が入り、迷う事なくリーチ、安目ではあるが次巡、手元に四筒が置かれ、佐藤、日下が抜けた。

1回戦は先行逃げ切りで途中から守りに入った佐藤と、南場の親番で加点した日下の戦い。
南2局で佐藤の判断がブレる。

二万三万六万三索五索六索六索二筒二筒四筒六筒中中 ツモ三索  打六索  ドラ五万

アグレッシブに打つなと感心した打六索
本人はトップで逃げ切るために、両面に固定したかったそうだが、3巡目の中に声が出なかった。
親を交わすために固定した両面。
タンヤオが確定しない形が残っているため、打中の選択が出来なかったようだが、この中に声が出なかった。
リーグ戦の佐藤であれば、この中を鳴かないと私は思う。
でも、決勝戦なら…交わしに行くのであれば…両面に固定するのであれば…
いろんな思いが交錯した。
結局9巡目にテンパイを入れるのだが、

二万三万四万二索三索三索五索六索二筒三筒四筒中中 ツモ七索  打二索リーチ

佐藤は打二索でリーチをした。
河に一索が打ってあり、フリテンは嫌なので打二索を選択したとのこと。
ならば聞こう。何を引いたら234の三色の狙いで、フリテンにならないのかと。
どれを引いても狙うのであれば、フリテンのリスクが生じ、それを把握した上で対局していると思ったから出た言葉である。
234を狙う為に引っ張った二索であるならば、山に2枚残っている四索をツモりに行って欲しかった。
観戦者としての感想でもあった。

そんな想いとは裏腹に、佐藤はオーラスにも4,000オールをアガリ、のらりくらりではあったが1回戦の光をほぼ全て吸収したように見受けられた。

1回戦成績
佐藤+36.6P 日下+7.6P 山田▲13.7P 杉浦▲30.5P

 

【2回戦】 ~それぞれのスタイル~
ここからは各選手のスコアを見て、闘う相手、判断を見据えなければならない。
東2局6巡目に、ドラ七索で親の山田がマンズに寄せる中をポンする。
ためらいなく発声している点を見るに、山田はまだ戦っていた。戦う意思を出す打七索
ドラをリリースするにはまだ形が定まっていないように思えたが、1回戦と同じ戦い方。
これに反応してしまったのが下家の佐藤。
1回戦のスコアや手が入っていた事を踏まえると、このドラに飛びつく必要がないと思うのだが、山田に合わせさせられた感じでチーと発声してしまう。
チーしてテンパイするならまだしも、テンパイしていなかった。
この辺りから佐藤がどんどん雰囲気に飲まれていってしまう。

11巡目に上家の杉浦が打九万
この時、山田の手牌

四万五万六万六万七万九万北  ポン二万二万二万  ポン中中中

そう、この九万は何も動くことが出来ない。
しかし、次に山田は八万をツモ。三万六万九万待ちに受ける。
これら全てを踏まえた上で、日下は九万を切った。
放銃を避ける局面であれば、オリ切らなければならない。
山田の北切りをどう感じるかにも寄るか、1回戦の結果を見た上で、面前の杉浦、ドラを仕掛けた佐藤には通る九万を選択したのだろう。
日下には戦う相手が見えているようだった。

この半荘、早くも杉浦に集中力が欠如する。
南1局、南家の杉浦はいつも通り配牌を取った。
他家が理牌しているタイミングであったため、同卓者は気付いていないかもしれないが、杉浦は第1打を切るのに牌を2回持った。何気なく切ろうとした牌を慌てて引っ込めたのだ。
余剰牌ではあったがドラを切ろうとしていた杉浦。
今回、アガリ回数が最も少なかったのがこの杉浦であった。
この辺の小さなミスが杉浦の判断を鈍らせていたのかもしれない。
この動作を見て「杉浦苦しいか。踏ん張れ。」とペンを走らせた。

chubu21
≪杉浦貴紀≫
自分のスタイルをどこまで貫けるのか?
現状、山田と日下が貫いている印象がある。
佐藤は崩されかけている印象で、杉浦に至っては、もっといけていないような印象であった。
スタイルを貫くのも大事であるが、修正・対応するのも大事である。

南1局1本場、5巡目に佐藤がリーチを打つ。

一索二索二索三索三索四索四筒五筒六筒七筒八筒東東  ドラ三索

優勝争いを2人にさせまいと、杉浦が戦いを挑む。
4枚無筋を押して追いかけリーチを打った。

二万三万四万五万五万四筒五筒六筒六筒七筒四索五索  ツモ六索  打二万リーチ

手役がありドラがない形であれば、杉浦はまずリーチを打たない。
1回戦の杉浦ならヤミにしていたと思う。これが杉浦の対応なのか?
リスクを考えると無謀の勝負のようにも思えた。
これまた集中力の欠如か?とすら思えたが、結果は佐藤が八筒を掴んで、杉浦の3.900点のアガリ。
打点以上に佐藤の勢いを止める意味で、戦いが面白くなるような気がした。
スコア的にはまだ優勝争いをしているのだが、佐藤はこの放銃で、更に追い込まれていった。
オーラスは山田がラス回避のアガリをし、佐藤はラスを押しつけられてしまった。

2回戦成績
日下+19.4P 杉浦+4.3P 山田▲9.6P 佐藤▲14.1P

2回戦終了時
日下+27.0P 佐藤+22.5P 山田▲23.3P 杉浦▲26.2P

 

【3回戦】 ~紙一重~
2回戦が終わって2対2の構図となった。
日下、佐藤は、出来れば抜けたいところ。
山田、杉浦にとってはこれ以上離されないようにしたいところ。
両者の意思がぶつかったのが東3局。」
ピンズのホンイツテンパイを入れた日下、日下が切ったドラをポンした山田が、日下のアガリ牌である六筒を入れてピンズのホンイツで対抗。

日下
三筒四筒五筒七筒八筒北北白白白  ポン一筒一筒一筒  ドラ発

山田
二筒四筒六筒六筒六筒七筒八筒中中中  ポン発発発

日下の九筒は山に1枚、山田の三筒は山に0枚。この紙一重の差で、18巡目に日下が九筒を手繰り寄せた。
打点こそ2,600オールであるが、打点以上に相手に与えたダメージは大きかっただろう。
日下にとっては佐藤との点差をつける、願ってもいないアガりになった。

このままではいけないと杉浦、山田が攻める。
東3局 1本場は杉浦がツモアガリ。
東4局は山田がツモアガリ。
流局を挟んで、杉浦がツモアガリ。

杉浦が本来の形を見せつつあったが、辛くも日下が逃げ切る形で3回戦を終えた。
杉浦、山田が反撃の狼煙を見せつつ、じっとしていた佐藤が1人割りを食ってしまった。

3回戦成績
日下+13.9P 杉浦+6.2P 山田+3.1P 佐藤▲23.2P

3回戦終了時
日下+40.9P 佐藤▲0.7P 杉浦▲20.0P 山田▲20.2P

 

【4回戦】 ~闘う相手~
快走していた佐藤を捕まえられた日下、何とか立て直したい佐藤。
徐々にらしさを発揮する杉浦、山田。
表現が適切でないかもしれないが、苦虫を噛まされるのは誰か。
そんな4回戦が始まった。

東1局、14巡目に南家の山田が勝負に出る。
場に2枚切れ、表示牌に1枚の七万待ちでリーチを打つ。

八万九万五索六索七索三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ドラ八万

3回戦の状況を踏まえての勝負であっただろう。佐藤もその事は承知しているはずだ。
その山田のリーチを受けて北家の佐藤が現物の九万をチーして応戦する。

二万二万五万五万七索八索一筒六筒七筒八筒  チー九万七万八万

苦しい形での仕掛けになっており、佐藤はもはや本来のスタイルではなくなっていた。
最大2枚しかない七万であったが、佐藤が晒した事により残りは1枚に。
この1枚が本来の山田のツモ筋にいたのだが、佐藤が喰い下げる事に。
結果論ではあるが、山田の僥倖のアガリを阻止した仕掛けになった。
喰い下がった七万は西家の日下の手へ。
その日下が、「ツモ」の発声。
4枚目の七万は山田のアガリを阻止すると同時に、自身のアガリを生んだ。

六万八万五索五索七索八索九索二筒三筒四筒白白白  ツモ七万

リーチの山田に対し、特に強い牌を打つことなく、テンパイが入った日下。
他家の動きはそんな日下に全てプラスに作用していた。

chubu21
≪日下健司≫

東2局、日下にアガリがついた次局、これ以上離されたくない山田と佐藤の両者がぶつかる。

東家・山田
二筒二筒四筒五筒  チー六筒五筒七筒  ポン一筒一筒一筒  ポン東東東  ドラ一筒

西家・佐藤
七万七万一索二索三索四索五索六索七索九索発発発

山田は18,000点、佐藤は5,200点
ドラを切って勝負をする佐藤にはオリる気配がない。
これだけ2人が出てくる局面は、日下が完全に撤退。
どちらにも放銃しないよう、慎重に牌を選択する。
日下を追う2番手は私だ。と日下を除く2名の戦いが何度となく繰り広げられた。
山田の三筒六筒は山に0枚、佐藤の八索は山に2枚。
流局間際に山田が八索を掴んで佐藤に軍配が上がる。

東3局、8巡目に北家の山田がポンした一万で、山田はマンズの山を引き当てる。
12巡目に無駄なしで、以下の形でテンパイする。

三万四万五万六万六万七万七万八万九万九万   ポン一万一万一万  ドラ西

しかし、山田をケアする佐藤が二索をツモ切ったところ、親の日下からロンの発声。

三万三万二索四索四索二筒二筒五筒五筒南南西西  ロン二索  ドラ西

場に三索が4枚切れているとは言え、不用意に切った牌で放銃した佐藤に取って、この9,600点は致命傷。
確かに山田はマンズで染まっていた。だから、マンズと字牌を切りたくないのはわかる。
だが、優勝を目指す決勝戦において、最も放銃してはいけない相手は誰か。
言うまでもなく、日下である。

山田がマンズで染まっていると判断したのであれば、この局は山田vs日下の構図にし、日下に親被りをさせる選択肢もあっただろう。
撤退する勇気も必要であると佐藤は学んだだろう。
最も避けたかった日下への失点。この経験を糧にして欲しいと思う。

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≪佐藤あいり≫

4回戦成績
日下+18.2P 山田+10.7P 杉浦▲5.0P 佐藤▲23.9P
4回戦終了時
日下+59.1P 山田▲9.5P 佐藤▲24.6P 杉浦▲25.0P

 

【五回戦】 ~忘れ物~
日下は半年前の忘れものを取りに来た。半年前の決勝戦。
3回戦を終え、約50Pのプラス。2位と約50P離れていたが、4回戦、5回戦と失速し古川に優勝を奪われた。
「まだ優勝する器じゃなかったです。」と語ってくれたが、悔しかったに違いない。
私も同じような経験をしただけに、その気持ちは良くわかる。
でも、その悔しさはここ(決勝戦)でしか晴らせない。
前回の悔しさを今度は、もう逃さない。
60P差が変わる事なく、第21期の中部プロリーグが終了し、日下は忘れ物を受け取った。
アガリ数 日下19回、佐藤10回、山田10回、杉浦9回
放銃数 日下3回、杉浦4回、山田9回、佐藤10回

アガった回数が最も多く、最も放銃が少なかった日下。
理想の展開と言えば理想であった。
日下自身、終始手が入っていた。と語ってくれたが、日下が理想の展開にしたと言うより、周りが自滅した印象を受けた今回の決勝戦であった。
佐藤、山田は今回の忘れ物をいつか取りに来るだろう。この決勝戦の舞台へ。
その時を楽しみにしておこう。

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前列左より:木村本部長、日下健司
後列左より:杉浦貴紀、佐藤あいり、山田優駿

中部プロリーグ レポート/第21期中部プロリーグ 決勝レポート

参議院議員選挙が告示され、遊説などで活気づく街中。
名古屋の雀荘では、中部プロリーグ決勝戦が行われ、活気づこうとしていた。
観戦記は鬼軍曹、葛山が務めさせて頂きます。
まずは出場選手を簡単に紹介しよう。
-1位通過- 佐藤あいり
25期生 二段
決勝進出:初
中部唯一の女流Aリーガー。
攻めっ気が強い印象があったが、最近は攻守のバランスを意識しているようである。
しかしながら、大きく崩れやすい事も特徴の1つである。
崩れることなく、最後まで突っ走る事が出来るのか?
面前、リーチ型
-2位通過- 日下健司
24期生 初段
決勝進出:3回目(最高成績:準優勝)
Aリーグ7期在籍の内、決勝進出は3回目。
降級経験を活かしてか、再昇級をしてから、降級争いをする事無く、上位の成績を収めている。
優勝実績はないものの、近年の闘いは最も安定している。
持ち味だった爆発力が鳴りを潜めてしまったが、その爆発力が出せれば勝機ありか?
面前と仕掛けを巧みに使うバランス型
-3位通過- 山田優駿
24期生 三段
決勝進出:初
仕掛けを多用する麻雀を好む。
その仕掛けを元に相手の反応から、打点や早さを読み取る。
卓内で山田の発声が多ければ、優位に立てているかもしれない。
発声の数がバロメーター
仕掛け型
-4位通過- 杉浦貴紀
21期生 三段
決勝進出:4回目(最高成績:優勝2回)
今回のメンバーの中で最も実績があるのが杉浦。
対局者全員が後輩に囲まれ、勝たなければならないプレッシャーとの戦いもあるだろう。
昔に比べ守備力が高くなった半面、大胆な攻めがなくなった印象。
僅差の勝負や条件戦に強いため、接戦に持ち込められればチャンスありか?
面前型
展開を予想すると、初出場の山田と佐藤が緊張せずに、自分らしさを出せるのか?
初優勝を目指す日下が上手く局を進められるのか?
対局者が全員後輩となった決勝戦は初めての杉浦。
優勝経験の実績を鑑みても、今回の相手には勝たなければならない戦い。
前評判では優勝戦線に最も絡んで来るであろう、杉浦はプレッシャーに勝つ事が出来るのか?
鬼軍曹の予想としては、
本命◎:杉浦
対抗○:日下
穴△:佐藤
注意×:山田
 
【1回戦】 ~光と影~
競技ルールではダブロンが認められておらず、アガリは1人に限定されている。
このアガリ(光)を目指して4人の戦いが静かに幕を開けた。
各人の配牌を以下の通り。
東家・日下
一万五万一索一索三索五索八索八索二筒九筒東東南南  ドラ五索
南家:山田
一万二万三万八万九万五索七索二筒北白発中中
西家:杉浦
三万五万六万八万九万二索三索六索四筒五筒東北白
北家:佐藤
二万四万一索六索六索八索八索二筒四筒六筒七筒八筒九筒
字牌のトイツや、ドラ色があるなど、若干、親の日下が優位に見える。
ただし、容易に牌が出て来るとは考えにくく、ネックが意外とある。
仕掛けが出来れば、このまま突っ走れそうか?
一方、タンヤオのみではあるが、4面子1雀頭の形が揃いそうなのが佐藤。
ここに三色や一通が加わればいきなり本手になると言った所か。対して山田、杉浦はやや苦しい感じ。
5巡目、早速先手を取ろうと山田が動き出す。
一万二万三万八万九万五索二筒南西白発中中  チー七万  打五索
ホンイツとチャンタの天秤であろうか?
字牌がバラバラなこの形からならば、私は声が出ない。
役牌が手の内にあるため、ドラをリリースする形にはまだ不十分だろう。
もしこのドラに声がかかるようであれば、山田はここでオリを選択するかもしれない。
山田らしいと言えば、山田らしい。
中を仕掛けて字牌が重なれば…と言う所まで手が進む。
この山田の仕掛けに注目を浴びたのが親の日下。
光の的は親の日下に注がれた。
13巡目
一索一索二索三索三索五索八索八索九索東東南南 ツモ七索
ホンイツの上でチャンタと七対子の選択である。
ドラが出てこない、既に山田が打ち出している、字牌のポンテンが取れる、それらを鑑みて日下は打五索とした。
この日下のドラ切りを見て、山田は撤退。この局の光は日下へ、山田は自ら影へ。
しかし、この局はまだ光を浴びようとしている選手がいた。
私のメモには「佐藤が押し返している」「杉浦が前に出ている。」と記されていた。
この両名の手は以下のようになっていた。
西家・杉浦
四万五万六万一索二索三索四索五索六索四筒五筒六筒東
北家・佐藤
四万四万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒
上記の形で両名がテンパイしていた。
杉浦の待ちは厳しいが、佐藤のマンズ待ちは悪くない。
ここで、佐藤が打牌選択で簡単なミスを犯す。
四万四万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒
この手に五筒をツモった佐藤は打八筒としてしまった。
三色が見えていなかったと後で語ってくれたが、切ってからすぐに気がついたようだ。
決勝戦ではこう言う小さなミスが致命傷になりかねない。
本人は緊張していなかったと語っていたが、普段は切る事のない打牌をさせてしまう所が、決勝戦の緊張感なのであろう。
しかし、光は佐藤をまだ見捨てなかった。切った次のツモが八筒で、再び高め三色の形に。
親の日下をケアする余り、山田はソーズと字牌にばかり気を取られていた。
四万四万六万七万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ロン八万
佐藤がミスを挽回する7,700点のアガリで幕を開けた。
3フーロして前に出る姿勢は山田らしい。それを踏まえて相手の出方を判断する所が山田の長所である。
本人もわかっていたようだが、この状況では放銃を最も避けなければならなかったのではないか?
撤退を決め込んだ以上、徹底してオリなければならない。
読みもあるだろう。読めないなら、中途半端に出なければ良いのではないか。
いろんな葛藤が現れた一局であった。しかし、山田はこの1局の判断を終始引きずる事に。
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≪山田優駿≫
7,700点、8,000点と連続放銃で迎えた東3局、山田にドラ3の手が入る。
丁寧な手順で、10巡目にテンパイ
四万五万六万六万六万七万八万八万七索八索九索三筒四筒  ツモ三万  打八万  ドラ六万
山田の持ち点は14,300点
「トップを目指す。」
対局前にこう話してくれた山田。でも、ここでリーチの声が出ない。
前に出た結果、オリ打ちしてしまった、連続放銃してしまった。少しでも失点を挽回したい。
いろんな判断材料の中、場に高いピンズ待ちであったが、山田はヤミテンを選択した。
トップ目の佐藤はテンパイしていたが、途中でピンズを引いて撤退。場を冷静に見ているようだった。
二筒五筒は山に5枚残っていた。
ほどなくして、山田のツモアガリ。最低限のアガリと言った印象を受けた。
出アガリを含めてのヤミだったが、ツモれるのであればリーチをしておけば…
そんな後悔が伝わってくる表情であった。
トップ目の佐藤に1つの分岐点が訪れる。
東4局3本場
六万八万九万六索七索八索九索五筒六筒七筒八筒八筒九筒  ツモ六筒  打八筒  ドラ五万
前巡に567、678、789の三色を見据えて佐藤は打四索としていた。
最終的に789に狙いを固定した。
789にこだわるのであれば、打六筒ではなく打五筒や打六索でもありじゃないの?
いろんな選択肢を与え、佐藤の思考に迫ろうと私は考えていた。
「難しく考えたくなかった。」と後に語った佐藤。
日頃からこの手の類の質問は苦手なようである。
佐藤は新人の頃からこの手の何切るや、思考を考えるのが苦手である。
1年目は何も出来なくて済まされるかもしれない。
でも、佐藤がこれから成長するために、敢えて厳しく書かせて頂く。
「考えるのをやめたらそこで成長は止まる。出来なくても良い。でも、考える努力はしよう。プロなのだから。」
私も諦めずに今まで何回か問いかけたが、そこから逃げ出そうとする佐藤に物申す。
牌姿が覚えられないのであれば、せめてメモをする努力ぐらいはしよう。
流局で回って来た親番を日下が存分に活かす。
南1局5本場、7巡目に山田が仕掛ける。まだアガリまでは遠い仕掛けだ。
良く言えば山田らしい。場を読む材料を探しているのしかもしれない。
しかし、この動きが全てマイナスに働いている事に本人はまだ気付いていない。
連続放銃も全て山田の動きがもたらした結果であるが、大事な部分を見落としている気がした。
そんな山田の仕掛けに、西家の杉浦が合わせてしまう。
七万七万七索七索三筒四筒六筒七筒北北北 ポン西西西  打七万  ドラ六索
普段、杉浦がこういう時にする仕掛けは、本手か、テンパイの時である。
決勝戦だった事もあり、親の連チャンを阻止するために無理してでも前に出た。と言ってくれた。
この時、私は杉浦の対面にいたが、
「杉浦合わせるな。自分のスタイルを崩すな。鳴くのであれば、テンパイしていなければダメ。」と。
他の先輩の言葉を借りると「顔を上げるな。」の瞬間であった。
親の日下にとって、これらが全てプラスに働いた。
二万二万四万五万六万七万五索六索七索五筒六筒発発 ツモ三万  打三万リーチ  ドラ六索
ネックだった三万が入り、迷う事なくリーチ、安目ではあるが次巡、手元に四筒が置かれ、佐藤、日下が抜けた。
1回戦は先行逃げ切りで途中から守りに入った佐藤と、南場の親番で加点した日下の戦い。
南2局で佐藤の判断がブレる。
二万三万六万三索五索六索六索二筒二筒四筒六筒中中 ツモ三索  打六索  ドラ五万
アグレッシブに打つなと感心した打六索
本人はトップで逃げ切るために、両面に固定したかったそうだが、3巡目の中に声が出なかった。
親を交わすために固定した両面。
タンヤオが確定しない形が残っているため、打中の選択が出来なかったようだが、この中に声が出なかった。
リーグ戦の佐藤であれば、この中を鳴かないと私は思う。
でも、決勝戦なら…交わしに行くのであれば…両面に固定するのであれば…
いろんな思いが交錯した。
結局9巡目にテンパイを入れるのだが、
二万三万四万二索三索三索五索六索二筒三筒四筒中中 ツモ七索  打二索リーチ
佐藤は打二索でリーチをした。
河に一索が打ってあり、フリテンは嫌なので打二索を選択したとのこと。
ならば聞こう。何を引いたら234の三色の狙いで、フリテンにならないのかと。
どれを引いても狙うのであれば、フリテンのリスクが生じ、それを把握した上で対局していると思ったから出た言葉である。
234を狙う為に引っ張った二索であるならば、山に2枚残っている四索をツモりに行って欲しかった。
観戦者としての感想でもあった。
そんな想いとは裏腹に、佐藤はオーラスにも4,000オールをアガリ、のらりくらりではあったが1回戦の光をほぼ全て吸収したように見受けられた。
1回戦成績
佐藤+36.6P 日下+7.6P 山田▲13.7P 杉浦▲30.5P
 
【2回戦】 ~それぞれのスタイル~
ここからは各選手のスコアを見て、闘う相手、判断を見据えなければならない。
東2局6巡目に、ドラ七索で親の山田がマンズに寄せる中をポンする。
ためらいなく発声している点を見るに、山田はまだ戦っていた。戦う意思を出す打七索
ドラをリリースするにはまだ形が定まっていないように思えたが、1回戦と同じ戦い方。
これに反応してしまったのが下家の佐藤。
1回戦のスコアや手が入っていた事を踏まえると、このドラに飛びつく必要がないと思うのだが、山田に合わせさせられた感じでチーと発声してしまう。
チーしてテンパイするならまだしも、テンパイしていなかった。
この辺りから佐藤がどんどん雰囲気に飲まれていってしまう。
11巡目に上家の杉浦が打九万
この時、山田の手牌
四万五万六万六万七万九万北  ポン二万二万二万  ポン中中中
そう、この九万は何も動くことが出来ない。
しかし、次に山田は八万をツモ。三万六万九万待ちに受ける。
これら全てを踏まえた上で、日下は九万を切った。
放銃を避ける局面であれば、オリ切らなければならない。
山田の北切りをどう感じるかにも寄るか、1回戦の結果を見た上で、面前の杉浦、ドラを仕掛けた佐藤には通る九万を選択したのだろう。
日下には戦う相手が見えているようだった。
この半荘、早くも杉浦に集中力が欠如する。
南1局、南家の杉浦はいつも通り配牌を取った。
他家が理牌しているタイミングであったため、同卓者は気付いていないかもしれないが、杉浦は第1打を切るのに牌を2回持った。何気なく切ろうとした牌を慌てて引っ込めたのだ。
余剰牌ではあったがドラを切ろうとしていた杉浦。
今回、アガリ回数が最も少なかったのがこの杉浦であった。
この辺の小さなミスが杉浦の判断を鈍らせていたのかもしれない。
この動作を見て「杉浦苦しいか。踏ん張れ。」とペンを走らせた。
chubu21
≪杉浦貴紀≫
自分のスタイルをどこまで貫けるのか?
現状、山田と日下が貫いている印象がある。
佐藤は崩されかけている印象で、杉浦に至っては、もっといけていないような印象であった。
スタイルを貫くのも大事であるが、修正・対応するのも大事である。
南1局1本場、5巡目に佐藤がリーチを打つ。
一索二索二索三索三索四索四筒五筒六筒七筒八筒東東  ドラ三索
優勝争いを2人にさせまいと、杉浦が戦いを挑む。
4枚無筋を押して追いかけリーチを打った。
二万三万四万五万五万四筒五筒六筒六筒七筒四索五索  ツモ六索  打二万リーチ
手役がありドラがない形であれば、杉浦はまずリーチを打たない。
1回戦の杉浦ならヤミにしていたと思う。これが杉浦の対応なのか?
リスクを考えると無謀の勝負のようにも思えた。
これまた集中力の欠如か?とすら思えたが、結果は佐藤が八筒を掴んで、杉浦の3.900点のアガリ。
打点以上に佐藤の勢いを止める意味で、戦いが面白くなるような気がした。
スコア的にはまだ優勝争いをしているのだが、佐藤はこの放銃で、更に追い込まれていった。
オーラスは山田がラス回避のアガリをし、佐藤はラスを押しつけられてしまった。
2回戦成績
日下+19.4P 杉浦+4.3P 山田▲9.6P 佐藤▲14.1P
2回戦終了時
日下+27.0P 佐藤+22.5P 山田▲23.3P 杉浦▲26.2P
 
【3回戦】 ~紙一重~
2回戦が終わって2対2の構図となった。
日下、佐藤は、出来れば抜けたいところ。
山田、杉浦にとってはこれ以上離されないようにしたいところ。
両者の意思がぶつかったのが東3局。」
ピンズのホンイツテンパイを入れた日下、日下が切ったドラをポンした山田が、日下のアガリ牌である六筒を入れてピンズのホンイツで対抗。
日下
三筒四筒五筒七筒八筒北北白白白  ポン一筒一筒一筒  ドラ発
山田
二筒四筒六筒六筒六筒七筒八筒中中中  ポン発発発
日下の九筒は山に1枚、山田の三筒は山に0枚。この紙一重の差で、18巡目に日下が九筒を手繰り寄せた。
打点こそ2,600オールであるが、打点以上に相手に与えたダメージは大きかっただろう。
日下にとっては佐藤との点差をつける、願ってもいないアガりになった。
このままではいけないと杉浦、山田が攻める。
東3局 1本場は杉浦がツモアガリ。
東4局は山田がツモアガリ。
流局を挟んで、杉浦がツモアガリ。
杉浦が本来の形を見せつつあったが、辛くも日下が逃げ切る形で3回戦を終えた。
杉浦、山田が反撃の狼煙を見せつつ、じっとしていた佐藤が1人割りを食ってしまった。
3回戦成績
日下+13.9P 杉浦+6.2P 山田+3.1P 佐藤▲23.2P
3回戦終了時
日下+40.9P 佐藤▲0.7P 杉浦▲20.0P 山田▲20.2P
 
【4回戦】 ~闘う相手~
快走していた佐藤を捕まえられた日下、何とか立て直したい佐藤。
徐々にらしさを発揮する杉浦、山田。
表現が適切でないかもしれないが、苦虫を噛まされるのは誰か。
そんな4回戦が始まった。
東1局、14巡目に南家の山田が勝負に出る。
場に2枚切れ、表示牌に1枚の七万待ちでリーチを打つ。
八万九万五索六索七索三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ドラ八万
3回戦の状況を踏まえての勝負であっただろう。佐藤もその事は承知しているはずだ。
その山田のリーチを受けて北家の佐藤が現物の九万をチーして応戦する。
二万二万五万五万七索八索一筒六筒七筒八筒  チー九万七万八万
苦しい形での仕掛けになっており、佐藤はもはや本来のスタイルではなくなっていた。
最大2枚しかない七万であったが、佐藤が晒した事により残りは1枚に。
この1枚が本来の山田のツモ筋にいたのだが、佐藤が喰い下げる事に。
結果論ではあるが、山田の僥倖のアガリを阻止した仕掛けになった。
喰い下がった七万は西家の日下の手へ。
その日下が、「ツモ」の発声。
4枚目の七万は山田のアガリを阻止すると同時に、自身のアガリを生んだ。
六万八万五索五索七索八索九索二筒三筒四筒白白白  ツモ七万
リーチの山田に対し、特に強い牌を打つことなく、テンパイが入った日下。
他家の動きはそんな日下に全てプラスに作用していた。
chubu21
≪日下健司≫
東2局、日下にアガリがついた次局、これ以上離されたくない山田と佐藤の両者がぶつかる。
東家・山田
二筒二筒四筒五筒  チー六筒五筒七筒  ポン一筒一筒一筒  ポン東東東  ドラ一筒
西家・佐藤
七万七万一索二索三索四索五索六索七索九索発発発
山田は18,000点、佐藤は5,200点
ドラを切って勝負をする佐藤にはオリる気配がない。
これだけ2人が出てくる局面は、日下が完全に撤退。
どちらにも放銃しないよう、慎重に牌を選択する。
日下を追う2番手は私だ。と日下を除く2名の戦いが何度となく繰り広げられた。
山田の三筒六筒は山に0枚、佐藤の八索は山に2枚。
流局間際に山田が八索を掴んで佐藤に軍配が上がる。
東3局、8巡目に北家の山田がポンした一万で、山田はマンズの山を引き当てる。
12巡目に無駄なしで、以下の形でテンパイする。
三万四万五万六万六万七万七万八万九万九万   ポン一万一万一万  ドラ西
しかし、山田をケアする佐藤が二索をツモ切ったところ、親の日下からロンの発声。
三万三万二索四索四索二筒二筒五筒五筒南南西西  ロン二索  ドラ西
場に三索が4枚切れているとは言え、不用意に切った牌で放銃した佐藤に取って、この9,600点は致命傷。
確かに山田はマンズで染まっていた。だから、マンズと字牌を切りたくないのはわかる。
だが、優勝を目指す決勝戦において、最も放銃してはいけない相手は誰か。
言うまでもなく、日下である。
山田がマンズで染まっていると判断したのであれば、この局は山田vs日下の構図にし、日下に親被りをさせる選択肢もあっただろう。
撤退する勇気も必要であると佐藤は学んだだろう。
最も避けたかった日下への失点。この経験を糧にして欲しいと思う。
chubu21
≪佐藤あいり≫
4回戦成績
日下+18.2P 山田+10.7P 杉浦▲5.0P 佐藤▲23.9P
4回戦終了時
日下+59.1P 山田▲9.5P 佐藤▲24.6P 杉浦▲25.0P
 
【五回戦】 ~忘れ物~
日下は半年前の忘れものを取りに来た。半年前の決勝戦。
3回戦を終え、約50Pのプラス。2位と約50P離れていたが、4回戦、5回戦と失速し古川に優勝を奪われた。
「まだ優勝する器じゃなかったです。」と語ってくれたが、悔しかったに違いない。
私も同じような経験をしただけに、その気持ちは良くわかる。
でも、その悔しさはここ(決勝戦)でしか晴らせない。
前回の悔しさを今度は、もう逃さない。
60P差が変わる事なく、第21期の中部プロリーグが終了し、日下は忘れ物を受け取った。
アガリ数 日下19回、佐藤10回、山田10回、杉浦9回
放銃数 日下3回、杉浦4回、山田9回、佐藤10回
アガった回数が最も多く、最も放銃が少なかった日下。
理想の展開と言えば理想であった。
日下自身、終始手が入っていた。と語ってくれたが、日下が理想の展開にしたと言うより、周りが自滅した印象を受けた今回の決勝戦であった。
佐藤、山田は今回の忘れ物をいつか取りに来るだろう。この決勝戦の舞台へ。
その時を楽しみにしておこう。
chubu21
前列左より:木村本部長、日下健司
後列左より:杉浦貴紀、佐藤あいり、山田優駿

何を切る?fromロン2 2013年8月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」 作成:杉浦勘介

nanikirugraph

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東4局北家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)

プロ
nanikirugraph

ロン2ユーザー
nanikirugraph

プロ
東切り・・・38人 六万切り・・・13人 七万切り・・・9人 三索切り・・・2人 五索切り・・・2人

ロン2ユーザー
東切り・・・59.0% 五索切り・・・15.9% 三索切り・・・10.3% 六万切り・・・9.3% 七万切り・・・3.0% 二索切り・・・1.4% 二万切り・・・0.7% 四索切り・・・0.2% 二筒切り・・・0.2%

 

東切り

蒼井ゆりか
「ターツオーバーしているので。理想は123か234のピンフ三色に仕上げたいです。」

赤司美奈子
「高打点を狙いたいから。」

荒正義
「メンゼンで、最高形としてはメンタンピン三色狙い。ピンフドラ1でもリーチを打つ。」

石渡正志
「いまだピンフも三色も確定していない2シャンテン形。ゆえに打東として形を拡げてみたい。」

和泉由希子
「最高形はメンタンピン三色。それが無理でもいろいろ対応できる形にしたいから。」

岩井健太
「ピンフ形で。」

内川幸太郎
「これだけの良形が揃っているので、ピンフ三色を本線にメンゼンで仕上げます。」

太田昌樹
「タンピン234三色が理想形ですが、崩れる可能性も十分にあるので万能な形を残したい。」

長内真実
「トップ狙いのために、最低でも満貫はほしいので、メンタンピンツモ三色を目指します。」

黒沢咲
「せっかくのチャンス手。東の行方に左右されるのは嫌なので(仕掛ける気なし)、トイツ落としをしてメンゼンで手作りします。」

紺野真太郎
東に頼ることはせず、落としてのタンピン三色を考える。結果メンピンドラ1でもOK。」

佐々木寿人
「最もロスがない東切り。234のタンピン三色やドラの重なりからのピンフリーチを見て。」

沢崎誠
「123、234、ドラ引きの雀頭をイメージして、不要の東を1枚外す。」

ジェン
東を切ってメンピンドラ1もしくはタンピン三色を目指したい。」

ジャガー真鍋
「最高形のタンピン三色を見て。三索を切るとリーチドラ1で終わってしまう可能性があるので、東切りの方が夢がある。」

童瞳
「タンピン三色を見てメンゼンで。ターツオーバーのため東落とし。」

中村毅
「234のタンピン三色を本線に構える。」

西岡慎泰
「ターツオーバーで形が決まっていないため、最高打点を目指して東に頼らない。」

西川淳
「とりあえず最高形のタンピン三色を目指すが、その後の牌の偏りやドラ引きに備えて受け選択を柔軟にしたいため、五索は残しておきたい。」

西山あみ
「リャンメンターツの選択が難しいので。打点的にもドラターツ含みのピンフ形に仕上げたい。」

仁平宣明
東を残し、仕掛けを視野に入れての手組みにはしたくない。最高形としてタンピン三色の跳満まで狙いつつ、いずれにしてもメンゼンでリーチ。」

浜上文吾
「123、234の三色狙い。仕掛けを考えずにメンゼンで手を進めるために東切りです。」

羽山真生
「局面と点数状況から手広い打東とします。親に東を鳴かれたら受けながら攻めるのは難しい形ですが、この状況なら攻めに比重を置きます。」

樋口新
「234の三色を見ながら大きく構える。」

平岡理恵
東を切りピンフ形にして234の三色(もしくは123)を狙いたい。メンタンピン三色ドラ1の跳満を目指すのに東が不要なので。」

藤島健二郎
東の雀頭を想定した123、234の両てんびんより、厚く構えた対応の手組み。万が一、東を鳴かれても押し返せそう。」

藤本哲也
四万四筒引きの最高形を逃さない。」

前原雄大
「打東がこの先の局面に対応しやすいから。理想はメンタンピン三色。」

松崎良文
「瞬間東が1枚遊び牌となるが、234タンピン三色を理想形にピンフ手として手広く。」

宮内こずえ
「下の三色を見て、ピンフも付くように東を切ります。」

室伏理麻
「ターツ選択の局面となった。微差ではあるがラス目なので、東を鳴いての2,000点で南入してしまうのは腰が軽すぎる。素直に東を落として、ドラ含みのタンピン形の手作りをしながら巻き返しを狙う。」

望月雅継
「鳴かれる覚悟を持って打東。遊び牌を持ちたくないので、次巡が岐路となる。アクションを受けたらすぐに受けるつもりで。」

安田麻里菜
「ピンフ三色狙い。一発、裏ドラもあるルールなので。」

山井弘
「タンピン三色狙い。仕掛けたくないし、他のターツを払うとロスが痛い。打東のロスは東だけなので。」

山口大和
「ターツオーバーの手で素直に打東とする。ドラが雀頭になるか、三色になれば勝負手。東が親などに動かれたりした場合、受けも考えて手を進めます(体勢は判断しにくいが、持ち持ちの東を動かれるという悪い流れを考えて)。」

優木美智
「タンヤオになる可能性は少ないですが、タンピン三色もしくは123のピンフ三色を目指したいです。東は鳴けても安くなるし、持ってきた場合もいたしかたなしと考えます。」

四柳弘樹
「123と234の三色を見ながら、最低でもメンピンドラ1にしたい手だと思う。」

和久津晶
「字が重いのと、五万八万が良く見えるのと、ドラの重なり、ピンフ三色、全ての可能性を残して。」

 

六万切り

伊藤優孝
「跳満、倍満が必要ならば東外しだと思うが、ここは三色とTを見て六万七万外しとしましょう。」

勝又健志
「三色を狙いながら手なりで。」

猿川真寿
「三色は一応残す。東の1枚目は鳴かない。比較的真っ直ぐ行くと思う。」

須浦正裕
東切りで鳴かれたくない。ソーズ以外が先に埋まった場合、完全1シャンテンに構えられるので。」

ダンプ大橋
八万が2枚切れているし、打東は一手遅れるのと、打五索はさすがに狭すぎるので。」

奈良圭純
東を親に鳴かれた場合、絞りながらアガリに向かうのは難しくなりそうなので。ピンフはなくなりますが、123か234の三色で打点もある程度見込めます。」

藤井すみれ
「123か234を目指して打六万とします。八万が2枚切れなので六万七万ターツを外しつつ、七万が重なれば状況によりピンフに行きます。」

藤崎智
「三色目は残しつつ手なりで。東の2枚目は仕掛けも考えながらの進行にします。」

藤原隆弘
「東4局で1人沈みということはあまり良い状態ではないので、タンピン三色は狙わない。1枚目の東も鳴かずに、手なりで123や234の三色が決まればよし。後手を踏んだらオリるかな。」

右田勇一郎
八万が2枚打たれたので。(親に対しての)ダブ東は切れない。」

山田浩之
「123、234を見ながら自然に打つ。」

吉田幸雄
「123か234の三色狙い。東切りはちょっと遅くなりすぎるかな。」

王政芳
「234の三色は捨てず、東の鳴きも考えて。」

 

七万切り

魚谷侑未
東と123、234の全てを見て。どれにもならなくてもリーチドラ1のリャンメン以上でリーチが打てそうなので。」

老月貴紀
「下の三色狙い。ドラが重なったら、東ポンの仕掛けも視野に入れる。」

澤村明日華
「ターツオーバーなので三色目も残して六万七万を外します。六万が親の現物なので七から。」

白鳥翔
「123、234を見て。六万七万の払いは最もノーマルな一打だと思います。一応親の現物を残して七万から。」

瀬戸熊直樹
「この点棒状況下では何を切っても裏目を引きそうだが、234を本線にメンゼンテンパイを目指す。もう少し悪い状況なら東を切りたい。東のポンテンは取るが、ポンして1シャンテンの形は鳴かない。」

滝沢和典
「メンツオーバーなので、三色にかからないターツを外す。親の現物を残して七万から。」

仲田加南
「123か234を目指しつつ、2枚目の東でポンテンなら2,000点も有り。」

福光聖雄
「123、234の三色の雀頭として東を残す。やむを得ず終盤に東のポンテンを取るかもしれないが、基本はメンゼンの構え。」

古川孝次
「照準は123か234の三色だが、東の2枚目が出たら鳴いて2,000点でもよい。状況的には受け気味に打つ。」

 

三索切り

安東裕允
「123、234を狙える状況にて、ピンフとタンヤオの渡りで東を落としたいが、この状況で親または他家に仕掛けが入ると不利だと考えました。六万七万外しは今後捌きを入れる際に遅れを取るので、今の手格好で十分と思います。」

河井保国
「123、234の三色を見て。」

 

五索切り

近藤久春
「最高形タンピン三色を見ながら進める。早めに東が暗刻になれば六万七万切り。東が出ても動かない。」

柴田弘幸
東六万五索で悩みました。六万七万切りとして手が進んだ後に三索が余るのが嫌なのと、東で受けが効けばいいかなと。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2013年8月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」 作成:杉浦勘介
nanikirugraph
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東4局北家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
プロ
nanikirugraph
ロン2ユーザー
nanikirugraph
プロ
東切り・・・38人 六万切り・・・13人 七万切り・・・9人 三索切り・・・2人 五索切り・・・2人
ロン2ユーザー
東切り・・・59.0% 五索切り・・・15.9% 三索切り・・・10.3% 六万切り・・・9.3% 七万切り・・・3.0% 二索切り・・・1.4% 二万切り・・・0.7% 四索切り・・・0.2% 二筒切り・・・0.2%
 
東切り
蒼井ゆりか
「ターツオーバーしているので。理想は123か234のピンフ三色に仕上げたいです。」
赤司美奈子
「高打点を狙いたいから。」
荒正義
「メンゼンで、最高形としてはメンタンピン三色狙い。ピンフドラ1でもリーチを打つ。」
石渡正志
「いまだピンフも三色も確定していない2シャンテン形。ゆえに打東として形を拡げてみたい。」
和泉由希子
「最高形はメンタンピン三色。それが無理でもいろいろ対応できる形にしたいから。」
岩井健太
「ピンフ形で。」
内川幸太郎
「これだけの良形が揃っているので、ピンフ三色を本線にメンゼンで仕上げます。」
太田昌樹
「タンピン234三色が理想形ですが、崩れる可能性も十分にあるので万能な形を残したい。」
長内真実
「トップ狙いのために、最低でも満貫はほしいので、メンタンピンツモ三色を目指します。」
黒沢咲
「せっかくのチャンス手。東の行方に左右されるのは嫌なので(仕掛ける気なし)、トイツ落としをしてメンゼンで手作りします。」
紺野真太郎
東に頼ることはせず、落としてのタンピン三色を考える。結果メンピンドラ1でもOK。」
佐々木寿人
「最もロスがない東切り。234のタンピン三色やドラの重なりからのピンフリーチを見て。」
沢崎誠
「123、234、ドラ引きの雀頭をイメージして、不要の東を1枚外す。」
ジェン
東を切ってメンピンドラ1もしくはタンピン三色を目指したい。」
ジャガー真鍋
「最高形のタンピン三色を見て。三索を切るとリーチドラ1で終わってしまう可能性があるので、東切りの方が夢がある。」
童瞳
「タンピン三色を見てメンゼンで。ターツオーバーのため東落とし。」
中村毅
「234のタンピン三色を本線に構える。」
西岡慎泰
「ターツオーバーで形が決まっていないため、最高打点を目指して東に頼らない。」
西川淳
「とりあえず最高形のタンピン三色を目指すが、その後の牌の偏りやドラ引きに備えて受け選択を柔軟にしたいため、五索は残しておきたい。」
西山あみ
「リャンメンターツの選択が難しいので。打点的にもドラターツ含みのピンフ形に仕上げたい。」
仁平宣明
東を残し、仕掛けを視野に入れての手組みにはしたくない。最高形としてタンピン三色の跳満まで狙いつつ、いずれにしてもメンゼンでリーチ。」
浜上文吾
「123、234の三色狙い。仕掛けを考えずにメンゼンで手を進めるために東切りです。」
羽山真生
「局面と点数状況から手広い打東とします。親に東を鳴かれたら受けながら攻めるのは難しい形ですが、この状況なら攻めに比重を置きます。」
樋口新
「234の三色を見ながら大きく構える。」
平岡理恵
東を切りピンフ形にして234の三色(もしくは123)を狙いたい。メンタンピン三色ドラ1の跳満を目指すのに東が不要なので。」
藤島健二郎
東の雀頭を想定した123、234の両てんびんより、厚く構えた対応の手組み。万が一、東を鳴かれても押し返せそう。」
藤本哲也
四万四筒引きの最高形を逃さない。」
前原雄大
「打東がこの先の局面に対応しやすいから。理想はメンタンピン三色。」
松崎良文
「瞬間東が1枚遊び牌となるが、234タンピン三色を理想形にピンフ手として手広く。」
宮内こずえ
「下の三色を見て、ピンフも付くように東を切ります。」
室伏理麻
「ターツ選択の局面となった。微差ではあるがラス目なので、東を鳴いての2,000点で南入してしまうのは腰が軽すぎる。素直に東を落として、ドラ含みのタンピン形の手作りをしながら巻き返しを狙う。」
望月雅継
「鳴かれる覚悟を持って打東。遊び牌を持ちたくないので、次巡が岐路となる。アクションを受けたらすぐに受けるつもりで。」
安田麻里菜
「ピンフ三色狙い。一発、裏ドラもあるルールなので。」
山井弘
「タンピン三色狙い。仕掛けたくないし、他のターツを払うとロスが痛い。打東のロスは東だけなので。」
山口大和
「ターツオーバーの手で素直に打東とする。ドラが雀頭になるか、三色になれば勝負手。東が親などに動かれたりした場合、受けも考えて手を進めます(体勢は判断しにくいが、持ち持ちの東を動かれるという悪い流れを考えて)。」
優木美智
「タンヤオになる可能性は少ないですが、タンピン三色もしくは123のピンフ三色を目指したいです。東は鳴けても安くなるし、持ってきた場合もいたしかたなしと考えます。」
四柳弘樹
「123と234の三色を見ながら、最低でもメンピンドラ1にしたい手だと思う。」
和久津晶
「字が重いのと、五万八万が良く見えるのと、ドラの重なり、ピンフ三色、全ての可能性を残して。」
 
六万切り
伊藤優孝
「跳満、倍満が必要ならば東外しだと思うが、ここは三色とTを見て六万七万外しとしましょう。」
勝又健志
「三色を狙いながら手なりで。」
猿川真寿
「三色は一応残す。東の1枚目は鳴かない。比較的真っ直ぐ行くと思う。」
須浦正裕
東切りで鳴かれたくない。ソーズ以外が先に埋まった場合、完全1シャンテンに構えられるので。」
ダンプ大橋
八万が2枚切れているし、打東は一手遅れるのと、打五索はさすがに狭すぎるので。」
奈良圭純
東を親に鳴かれた場合、絞りながらアガリに向かうのは難しくなりそうなので。ピンフはなくなりますが、123か234の三色で打点もある程度見込めます。」
藤井すみれ
「123か234を目指して打六万とします。八万が2枚切れなので六万七万ターツを外しつつ、七万が重なれば状況によりピンフに行きます。」
藤崎智
「三色目は残しつつ手なりで。東の2枚目は仕掛けも考えながらの進行にします。」
藤原隆弘
「東4局で1人沈みということはあまり良い状態ではないので、タンピン三色は狙わない。1枚目の東も鳴かずに、手なりで123や234の三色が決まればよし。後手を踏んだらオリるかな。」
右田勇一郎
八万が2枚打たれたので。(親に対しての)ダブ東は切れない。」
山田浩之
「123、234を見ながら自然に打つ。」
吉田幸雄
「123か234の三色狙い。東切りはちょっと遅くなりすぎるかな。」
王政芳
「234の三色は捨てず、東の鳴きも考えて。」
 
七万切り
魚谷侑未
東と123、234の全てを見て。どれにもならなくてもリーチドラ1のリャンメン以上でリーチが打てそうなので。」
老月貴紀
「下の三色狙い。ドラが重なったら、東ポンの仕掛けも視野に入れる。」
澤村明日華
「ターツオーバーなので三色目も残して六万七万を外します。六万が親の現物なので七から。」
白鳥翔
「123、234を見て。六万七万の払いは最もノーマルな一打だと思います。一応親の現物を残して七万から。」
瀬戸熊直樹
「この点棒状況下では何を切っても裏目を引きそうだが、234を本線にメンゼンテンパイを目指す。もう少し悪い状況なら東を切りたい。東のポンテンは取るが、ポンして1シャンテンの形は鳴かない。」
滝沢和典
「メンツオーバーなので、三色にかからないターツを外す。親の現物を残して七万から。」
仲田加南
「123か234を目指しつつ、2枚目の東でポンテンなら2,000点も有り。」
福光聖雄
「123、234の三色の雀頭として東を残す。やむを得ず終盤に東のポンテンを取るかもしれないが、基本はメンゼンの構え。」
古川孝次
「照準は123か234の三色だが、東の2枚目が出たら鳴いて2,000点でもよい。状況的には受け気味に打つ。」
 
三索切り
安東裕允
「123、234を狙える状況にて、ピンフとタンヤオの渡りで東を落としたいが、この状況で親または他家に仕掛けが入ると不利だと考えました。六万七万外しは今後捌きを入れる際に遅れを取るので、今の手格好で十分と思います。」
河井保国
「123、234の三色を見て。」
 
五索切り
近藤久春
「最高形タンピン三色を見ながら進める。早めに東が暗刻になれば六万七万切り。東が出ても動かない。」
柴田弘幸
東六万五索で悩みました。六万七万切りとして手が進んだ後に三索が余るのが嫌なのと、東で受けが効けばいいかなと。」

第24期チャンピオンズリーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤原 隆弘 3.3 37.9 113.9 31.7 27.3 214.1
2 白鳥 翔 82.8 11.3 15.8 42.8 40.8 193.5
3 内川 幸太郎 32.3 ▲ 0.8 48.1 84.6 25.9 190.1
4 客野 直 ▲ 1.8 34.3 26.0 87.7 43.7 189.9
5 北野 由実 27.5 64.1 16.0 56.7 4.6 168.9
6 太田 優介 34.2 61.8 ▲ 2.1 45.9 ▲ 8.4 131.4
7 西岡 慎泰 58.5 77.7 ▲ 0.3 ▲ 19.3 12.2 128.8
8 桶本 篤史 14.5 48.2 11.7 83.8 ▲ 47.0 111.2
9 藤井 すみれ 98.6 66.5 ▲ 21.5 5.1 ▲ 43.1 105.6
10 田中 史孝 34.9 35.8 27.1 19.6 ▲ 11.8 105.6
11 阿部 謙一 26.2 ▲ 23.2 ▲ 30.6 88.2 35.2 95.8
12 藤崎 智 52.3 ▲ 20.4 ▲ 2.4 91.0 ▲ 25.6 94.9
13 石橋 薫 8.1 82.9 31.9 ▲ 33.7 2.8 92.0
14 増田 隆一 ▲ 21.3 32.7 33.5 15.3 31.2 91.4
15 石川 正明 18.5 35.0 33.4 ▲ 38.3 38.3 86.9
16 藤本 哲也 39.4 ▲ 45.5 59.2 28.2 0.0 81.3
17 福光 聖雄 8.6 35.3 ▲ 0.2 14.3 22.1 80.1
18 松崎 良文 ▲ 45.2 100.4 ▲ 16.4 28.3 10.7 77.8
19 加藤 博己 41.8 6.3 ▲ 16.3 32.6 7.6 72.0
20 犬見 武史 ▲ 1.4 ▲ 50.7 24.7 13.9 83.3 69.8
21 塚越 祐次郎 ▲ 27.0 50.6 ▲ 38.1 47.4 33.9 66.8
22 須浦 正裕 ▲ 65.4 24.4 47.0 25.6 31.5 63.1
23 蒼井 ゆりか 50.4 ▲ 65.6 36.4 34.3 ▲ 0.8 54.7
24 西川 淳 ▲ 13.2 ▲ 17.9 51.6 25.0 8.1 53.6
25 鷲見 隼人 54.3 ▲ 34.0 1.9 8.4 20.2 50.8
26 三好 直幸 15.6 80.2 27.5 ▲ 65.7 ▲ 7.2 50.4
27 戸島 祥太 ▲ 26.1 81.3 ▲ 27.1 3.5 12.1 43.7
28 斎藤 桂史 12.3 27.6 34.2 40.6 ▲ 72.0 42.7
29 杉浦 勘介 ▲ 5.1 35.9 2.4 ▲ 28.8 38.1 42.5
30 西田 修 ▲ 11.4 31.3 27.1 ▲ 11.3 6.7 42.4
31 小川 拓麻 ▲ 59.8 ▲ 19.1 ▲ 1.0 40.2 79.3 39.6
32 斉藤 豪 ▲ 45.5 52.2 21.4 4.3 5.1 37.5
33 古谷 知美 18.8 ▲ 20.4 33.7 ▲ 4.2 5.2 33.1
34 山田 学武 ▲ 7.4 0.5 ▲ 61.3 63.0 35.7 30.5
35 粕谷 勇吉 ▲ 49.8 79.5 ▲ 34.2 37.9 ▲ 3.4 30.0
36 井田 憲孝 50.9 ▲ 28.8 31.8 ▲ 1.2 ▲ 24.6 28.1
37 松岡 昭彦 ▲ 25.0 ▲ 27.7 ▲ 2.6 53.5 28.4 26.6
38 高橋 信夫 5.1 31.4 ▲ 15.8 23.5 ▲ 27.3 16.9
39 井出 一寛 ▲ 20.1 ▲ 27.5 9.8 ▲ 22.2 75.1 15.1
40 西野 拓也 12.9 9.1 ▲ 11.8 ▲ 47.6 43.0 5.6
41 天音 まこと 66.4 ▲ 34.5 ▲ 0.1 ▲ 40.0 9.4 1.2
42 柚木 正仁 6.1 ▲ 15.9 35.5 ▲ 9.5 ▲ 15.4 0.8
43 安藤 友一 ▲ 34.3 ▲ 11.8 105.9 ▲ 16.2 ▲ 43.4 0.2
44 清原 継光 20.9 ▲ 5.8 6.3 ▲ 42.4 20.6 ▲ 0.4
45 相沢 かおる ▲ 23.2 ▲ 45.3 21.0 11.0 34.9 ▲ 1.6
46 大木 亮典 ▲ 16.8 25.8 ▲ 7.0 44.0 ▲ 55.5 ▲ 9.5
47 古橋 崇志 20.9 ▲ 41.3 ▲ 6.1 ▲ 9.2 21.0 ▲ 14.7
48 岡田 茂 ▲ 35.1 8.8 35.0 64.5 ▲ 89.7 ▲ 16.5
49 ジャガー真鍋 140.0 ▲ 86.1 33.3 ▲ 61.6 ▲ 44.3 ▲ 18.7
50 三田 晋也 19.7 ▲ 8.2 ▲ 26.9 ▲ 2.1 ▲ 4.2 ▲ 21.7
51 佐藤 佳彦 ▲ 14.5 ▲ 8.7 ▲ 22.5 30.0 ▲ 6.5 ▲ 22.2
52 越野 智紀 48.5 ▲ 38.0 ▲ 15.7 ▲ 63.6 45.2 ▲ 23.6
53 中村 毅 ▲ 5.6 12.5 ▲ 10.9 6.7 ▲ 46.2 ▲ 43.5
54 鳥越 真仁 46.4 ▲ 48.8 25.1 ▲ 14.2 ▲ 53.7 ▲ 45.2
55 井上 絵美子 ▲ 10.8 34.1 ▲ 39.9 ▲ 62.3 30.5 ▲ 48.4
56 冨田 久志 ▲ 18.9 50.5 ▲ 79.6 81.8 ▲ 85.3 ▲ 51.5
57 加藤 誠 28.6 17.1 ▲ 56.0 ▲ 11.1 ▲ 30.6 ▲ 52.0
58 西島 一彦 8.0 ▲ 18.2 ▲ 44.9 79.2 ▲ 82.5 ▲ 58.4
59 羽山 真生 48.0 4.2 ▲ 30.5 ▲ 33.2 ▲ 57.3 ▲ 68.8
60 鈴木 秀幸 30.8 ▲ 51.4 ▲ 55.5 ▲ 7.1 6.3 ▲ 76.9
61 福島 佑一 ▲ 13.6 ▲ 6.6 35.3 ▲ 23.0 ▲ 69.2 ▲ 77.1
62 小島 広宣 ▲ 59.7 16.7 ▲ 2.7 25.4 ▲ 63.0 ▲ 83.3
63 谷口 祐介 2.4 52.4 ▲ 62.9 ▲ 87.2 ▲ 31.7 ▲ 127.0
64 小針 貴司 ▲ 42.4 22.5 17.9 ▲ 16.1 ▲ 112.5 ▲ 130.6
65 谷岡 育夫 ▲ 25.0 6.3 ▲ 18.6 ▲ 23.9 ▲ 79.4 ▲ 140.6
66 吉田 直 ▲ 50.7 ▲ 4.1 ▲ 117.4 敗退
67 吉井 友直 4.0 ▲ 17.1 ▲ 17.6 ▲ 75.4 敗退
68 楠木 一朗 21.6 ▲ 12.0 ▲ 58.1 ▲ 58.0 敗退
69 山田 浩之 ▲ 58.6 ▲ 65.5 敗退
70 土井 悟 ▲ 41.6 ▲ 18.8 ▲ 32.4 ▲ 34.2 敗退
71 伊賀 則夫 ▲ 48.5 ▲ 22.5 3.5 ▲ 65.7 敗退
72 森岡 貞臣 ▲ 25.6 ▲ 58.3 ▲ 51.3 敗退
73 吉田 勝弥 ▲ 2.3 ▲ 36.3 ▲ 100.6 敗退
74 室伏 理麻 ▲ 64.2 ▲ 77.2 敗退
75 東谷 達矢 ▲ 29.3 ▲ 36.6 ▲ 40.0 敗退

上位29名がトーナメント進出

ベスト28トーナメント

8月17日(土) 12:00対局開始
会場:連盟四ツ谷道場

決勝

8月18日(日) 12:00対局開始
会場:連盟四ツ谷道場

JPML WRCリーグ 成績表/第24期チャンピオンズリーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤原 隆弘 3.3 37.9 113.9 31.7 27.3 214.1
2 白鳥 翔 82.8 11.3 15.8 42.8 40.8 193.5
3 内川 幸太郎 32.3 ▲ 0.8 48.1 84.6 25.9 190.1
4 客野 直 ▲ 1.8 34.3 26.0 87.7 43.7 189.9
5 北野 由実 27.5 64.1 16.0 56.7 4.6 168.9
6 太田 優介 34.2 61.8 ▲ 2.1 45.9 ▲ 8.4 131.4
7 西岡 慎泰 58.5 77.7 ▲ 0.3 ▲ 19.3 12.2 128.8
8 桶本 篤史 14.5 48.2 11.7 83.8 ▲ 47.0 111.2
9 藤井 すみれ 98.6 66.5 ▲ 21.5 5.1 ▲ 43.1 105.6
10 田中 史孝 34.9 35.8 27.1 19.6 ▲ 11.8 105.6
11 阿部 謙一 26.2 ▲ 23.2 ▲ 30.6 88.2 35.2 95.8
12 藤崎 智 52.3 ▲ 20.4 ▲ 2.4 91.0 ▲ 25.6 94.9
13 石橋 薫 8.1 82.9 31.9 ▲ 33.7 2.8 92.0
14 増田 隆一 ▲ 21.3 32.7 33.5 15.3 31.2 91.4
15 石川 正明 18.5 35.0 33.4 ▲ 38.3 38.3 86.9
16 藤本 哲也 39.4 ▲ 45.5 59.2 28.2 0.0 81.3
17 福光 聖雄 8.6 35.3 ▲ 0.2 14.3 22.1 80.1
18 松崎 良文 ▲ 45.2 100.4 ▲ 16.4 28.3 10.7 77.8
19 加藤 博己 41.8 6.3 ▲ 16.3 32.6 7.6 72.0
20 犬見 武史 ▲ 1.4 ▲ 50.7 24.7 13.9 83.3 69.8
21 塚越 祐次郎 ▲ 27.0 50.6 ▲ 38.1 47.4 33.9 66.8
22 須浦 正裕 ▲ 65.4 24.4 47.0 25.6 31.5 63.1
23 蒼井 ゆりか 50.4 ▲ 65.6 36.4 34.3 ▲ 0.8 54.7
24 西川 淳 ▲ 13.2 ▲ 17.9 51.6 25.0 8.1 53.6
25 鷲見 隼人 54.3 ▲ 34.0 1.9 8.4 20.2 50.8
26 三好 直幸 15.6 80.2 27.5 ▲ 65.7 ▲ 7.2 50.4
27 戸島 祥太 ▲ 26.1 81.3 ▲ 27.1 3.5 12.1 43.7
28 斎藤 桂史 12.3 27.6 34.2 40.6 ▲ 72.0 42.7
29 杉浦 勘介 ▲ 5.1 35.9 2.4 ▲ 28.8 38.1 42.5
30 西田 修 ▲ 11.4 31.3 27.1 ▲ 11.3 6.7 42.4
31 小川 拓麻 ▲ 59.8 ▲ 19.1 ▲ 1.0 40.2 79.3 39.6
32 斉藤 豪 ▲ 45.5 52.2 21.4 4.3 5.1 37.5
33 古谷 知美 18.8 ▲ 20.4 33.7 ▲ 4.2 5.2 33.1
34 山田 学武 ▲ 7.4 0.5 ▲ 61.3 63.0 35.7 30.5
35 粕谷 勇吉 ▲ 49.8 79.5 ▲ 34.2 37.9 ▲ 3.4 30.0
36 井田 憲孝 50.9 ▲ 28.8 31.8 ▲ 1.2 ▲ 24.6 28.1
37 松岡 昭彦 ▲ 25.0 ▲ 27.7 ▲ 2.6 53.5 28.4 26.6
38 高橋 信夫 5.1 31.4 ▲ 15.8 23.5 ▲ 27.3 16.9
39 井出 一寛 ▲ 20.1 ▲ 27.5 9.8 ▲ 22.2 75.1 15.1
40 西野 拓也 12.9 9.1 ▲ 11.8 ▲ 47.6 43.0 5.6
41 天音 まこと 66.4 ▲ 34.5 ▲ 0.1 ▲ 40.0 9.4 1.2
42 柚木 正仁 6.1 ▲ 15.9 35.5 ▲ 9.5 ▲ 15.4 0.8
43 安藤 友一 ▲ 34.3 ▲ 11.8 105.9 ▲ 16.2 ▲ 43.4 0.2
44 清原 継光 20.9 ▲ 5.8 6.3 ▲ 42.4 20.6 ▲ 0.4
45 相沢 かおる ▲ 23.2 ▲ 45.3 21.0 11.0 34.9 ▲ 1.6
46 大木 亮典 ▲ 16.8 25.8 ▲ 7.0 44.0 ▲ 55.5 ▲ 9.5
47 古橋 崇志 20.9 ▲ 41.3 ▲ 6.1 ▲ 9.2 21.0 ▲ 14.7
48 岡田 茂 ▲ 35.1 8.8 35.0 64.5 ▲ 89.7 ▲ 16.5
49 ジャガー真鍋 140.0 ▲ 86.1 33.3 ▲ 61.6 ▲ 44.3 ▲ 18.7
50 三田 晋也 19.7 ▲ 8.2 ▲ 26.9 ▲ 2.1 ▲ 4.2 ▲ 21.7
51 佐藤 佳彦 ▲ 14.5 ▲ 8.7 ▲ 22.5 30.0 ▲ 6.5 ▲ 22.2
52 越野 智紀 48.5 ▲ 38.0 ▲ 15.7 ▲ 63.6 45.2 ▲ 23.6
53 中村 毅 ▲ 5.6 12.5 ▲ 10.9 6.7 ▲ 46.2 ▲ 43.5
54 鳥越 真仁 46.4 ▲ 48.8 25.1 ▲ 14.2 ▲ 53.7 ▲ 45.2
55 井上 絵美子 ▲ 10.8 34.1 ▲ 39.9 ▲ 62.3 30.5 ▲ 48.4
56 冨田 久志 ▲ 18.9 50.5 ▲ 79.6 81.8 ▲ 85.3 ▲ 51.5
57 加藤 誠 28.6 17.1 ▲ 56.0 ▲ 11.1 ▲ 30.6 ▲ 52.0
58 西島 一彦 8.0 ▲ 18.2 ▲ 44.9 79.2 ▲ 82.5 ▲ 58.4
59 羽山 真生 48.0 4.2 ▲ 30.5 ▲ 33.2 ▲ 57.3 ▲ 68.8
60 鈴木 秀幸 30.8 ▲ 51.4 ▲ 55.5 ▲ 7.1 6.3 ▲ 76.9
61 福島 佑一 ▲ 13.6 ▲ 6.6 35.3 ▲ 23.0 ▲ 69.2 ▲ 77.1
62 小島 広宣 ▲ 59.7 16.7 ▲ 2.7 25.4 ▲ 63.0 ▲ 83.3
63 谷口 祐介 2.4 52.4 ▲ 62.9 ▲ 87.2 ▲ 31.7 ▲ 127.0
64 小針 貴司 ▲ 42.4 22.5 17.9 ▲ 16.1 ▲ 112.5 ▲ 130.6
65 谷岡 育夫 ▲ 25.0 6.3 ▲ 18.6 ▲ 23.9 ▲ 79.4 ▲ 140.6
66 吉田 直 ▲ 50.7 ▲ 4.1 ▲ 117.4 敗退
67 吉井 友直 4.0 ▲ 17.1 ▲ 17.6 ▲ 75.4 敗退
68 楠木 一朗 21.6 ▲ 12.0 ▲ 58.1 ▲ 58.0 敗退
69 山田 浩之 ▲ 58.6 ▲ 65.5 敗退
70 土井 悟 ▲ 41.6 ▲ 18.8 ▲ 32.4 ▲ 34.2 敗退
71 伊賀 則夫 ▲ 48.5 ▲ 22.5 3.5 ▲ 65.7 敗退
72 森岡 貞臣 ▲ 25.6 ▲ 58.3 ▲ 51.3 敗退
73 吉田 勝弥 ▲ 2.3 ▲ 36.3 ▲ 100.6 敗退
74 室伏 理麻 ▲ 64.2 ▲ 77.2 敗退
75 東谷 達矢 ▲ 29.3 ▲ 36.6 ▲ 40.0 敗退

上位29名がトーナメント進出

ベスト28トーナメント

8月17日(土) 12:00対局開始
会場:連盟四ツ谷道場

決勝

8月18日(日) 12:00対局開始
会場:連盟四ツ谷道場