第119回『麻雀はその人となり』 前原雄大

ここ4、5年間の事を振り返ってみる。
4年程前に私はA1からA2に降級している。原因はハッキリしている。
リーグ戦も半ばを過ぎた辺りでトータル首位に立ち、ポイントも100を超えていた。
残り節数も4、5節あるというのに、私は決定戦の調整に入ってしまったのである。驕りである。

皆が皆、目の前の一局、一半荘に誠実にそして全力を傾けているといのに、、、。

きっかけは局の序盤に近藤久春さんに飛び込んだ中だった。
近藤さんは六索をポンして打五索の1つ仕掛けが入った局面だった。私はその仕掛けでドラである、カン八筒が埋まった。

一万二万三万七万八万二索二索四索四索五索七筒九筒中  ツモ八筒  打中

私の中でゴーサインが出たのである。誰かの仕掛けで急所の牌を引きこんだときは基本的には前に進む。前巡、完全安全牌の北が近藤さんの手牌から打ち出されてきた。

テンパイだな__。
そして北家の私に九万が入り私は打中。その中に近藤さんから声が発せられた。

「ロン11,600」

開けられた手牌は

六万七万八万七索七索八筒八筒八筒中中  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き

手出しツモ切りは見ている。近藤さんの入り目は八万である。点棒を支払いながら、なるほどナと考えさせられた。
近藤さんの仕掛けの形は理解できたが、発想法が独特なのである。
1シャンテンの形は以下のものに間違いない。

六万七万五索六索六索七索七索八筒八筒八筒北中中

千人いれば千種類の麻雀観があると私は考える。どれが絶対的正着打は無いとも考える。
私ならばこの手牌はこの形からは仕掛けない。正確に記すならば仕掛けられない。この反射神経は素晴らしい。
近藤さんは、おそらく毎日のように鍛錬を積み重ねこの反射神経を養い続けA1まで駆け上がって来たのだろう。

ロンの発声も何処か申し訳なさそうだったことは今でも鮮明に覚えている。
シャイな男なんだナと好感を覚えた。

近藤さんの仕掛けをタンヤオと思い込んだのも拙かったが、ツモ八筒に感触があったとしても、良くなかったのは私の残り手牌にある、四索のことである。
この四索は生牌であり、仮に六万九万が埋まったとしても四索を打ち切れるか、もしくは二索四索のシャンポンでアガリが見えるかという問題である。
そこにアガリ形が見えない以上、中を打つべきではないと今は思えるが実戦では解らないというのが本音である。

近藤さんは当時パンチパーマだったと記憶しているが、今ではダンディと呼ばれるように服装風貌も変わられたように麻雀の質も変貌を遂げられた。
ただ、変わらないのは打点の高さである。
いずれにしても、この放銃がトラウマになり、ほとんど対近藤戦は圧敗を重ね決定戦はおろか、A2に降級となってしまった。

降級そのものは己の過信や驕りが招いたことで仕方がないことだが、降級を意識し出した頃、望月君から言われた言葉に従わなかったことは悔いている。

「下を見るのではなく決定戦を見て麻雀を打ってください」

その言葉に従えなかったのは、その時の己の器の小ささに他ならない。
連盟を誇りに思っていることの一つに、上下の関係を飛び越して言うべきことは本人にハッキリ言うことにあると思っている。
視聴者がいる以上、それぞれがベストパフォーマンスをしてほしいという願いの言葉だったのだろう。

A2から昇級できたのは、これは幸運以外の何物でもない。
牌姿は省くが、内川幸太郎君が発単騎のリーチを打っていれば、佐々木寿人君がメンチンに手を伸ばせば私の昇級は無かったように思う。
A2にいた時も常に考えていたのは、A1に昇級したときにいかなる麻雀を打つかだけだった。
答えは中々でなかった。

A1に昇級して最終節を残した時に、トータル2位に着けながらも決定戦を逃した。
最終戦などは何もさせてもらえなかった。
決定戦を逃したことよりも、勝又くんに何もさせてもらえなかったことが問題としては大きかった。

最終節の少し前、紺野真太郎君と話す折りがあった。
「今回は勝ちに拘ろうと思う」
「それはどうかと思います。前原さんには飛んで欲しい。それは、プロレスラーの武藤さんが膝を痛めてもムーンサルトプレスをやり続けるように、、、」
そんな話だった。

紺野君の言葉を聞かずに私は惨敗を喫した。このことも、やはり、私の器の問題である。
勝ちに拘らず飛んでさえいれば、己ずと勝ちを掌中にできるだろう__
そういう紺野君のメッセージに思えてならない。

そして、33期リーグ戦を迎えるに当たり、戦い方は決まっていた。

瀬戸熊直樹さんの言葉である。
第32期プロリーグを全節プラスにまとめあげることを言っていた。そして、それに近い形で決定戦に残った。
このカタチの麻雀はかなり難しく思えたが、遣り甲斐はあることは間違いなかった。

それまでの私のリーグ戦の臨み方は100ポイントオーバーの節を2度作れば良いという考え方だった。それが、私に似合うと思い込んでいた。全節プラスにするには、難点も多いことも予測していた。
親番に固執しないこと、受けのちからを鍛錬すること、切り込み方が甘くなることも想定された。簡単に言うならば、膂力に頼らず麻雀に誠実に向き合うということである。

集中力を高めることは絶対条件である。身体を作らねばならないことも解っていた。
それとできるだけ早寝早起きをして、睡眠の質にもこだわった。6月から始めたホットヨガは身体もそうだが、心の在り方、呼吸法を学べて良かったように感じる。

図を見てください。

 

100

 

結果は四筒の放銃で終わっている。手牌にはドラである南が残っている。
仮にこの四筒が通ったとしたらドラの南はどうするか。答えは簡単である。
三色ならずのテンパイであったとしても、南は打ち出す覚悟はしていた。
南を残したのは重なる可能性を見たことと、テンパイしていなかっただけである。

この構え方が良いかどうかは別である。私は何十年もそう打って来たし、これからもそう打って行く。入り方とはそういうものだと私は思っている。
放銃を想定して、次局以降の戦い方さえ考えておけば何ら問題は無い様に思う。
それよりも、恐れるべきことは腰が引けたような戦い方をすることに他ならない様に思えてならない。

私が私であるが為にそう戦って行きたい。
麻雀はその人となり__。
この言葉に尽きると私は考える。

上級/第119回『麻雀はその人となり』 前原雄大

ここ4、5年間の事を振り返ってみる。
4年程前に私はA1からA2に降級している。原因はハッキリしている。
リーグ戦も半ばを過ぎた辺りでトータル首位に立ち、ポイントも100を超えていた。
残り節数も4、5節あるというのに、私は決定戦の調整に入ってしまったのである。驕りである。
皆が皆、目の前の一局、一半荘に誠実にそして全力を傾けているといのに、、、。
きっかけは局の序盤に近藤久春さんに飛び込んだ中だった。
近藤さんは六索をポンして打五索の1つ仕掛けが入った局面だった。私はその仕掛けでドラである、カン八筒が埋まった。
一万二万三万七万八万二索二索四索四索五索七筒九筒中  ツモ八筒  打中
私の中でゴーサインが出たのである。誰かの仕掛けで急所の牌を引きこんだときは基本的には前に進む。前巡、完全安全牌の北が近藤さんの手牌から打ち出されてきた。
テンパイだな__。
そして北家の私に九万が入り私は打中。その中に近藤さんから声が発せられた。
「ロン11,600」
開けられた手牌は
六万七万八万七索七索八筒八筒八筒中中  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き
手出しツモ切りは見ている。近藤さんの入り目は八万である。点棒を支払いながら、なるほどナと考えさせられた。
近藤さんの仕掛けの形は理解できたが、発想法が独特なのである。
1シャンテンの形は以下のものに間違いない。
六万七万五索六索六索七索七索八筒八筒八筒北中中
千人いれば千種類の麻雀観があると私は考える。どれが絶対的正着打は無いとも考える。
私ならばこの手牌はこの形からは仕掛けない。正確に記すならば仕掛けられない。この反射神経は素晴らしい。
近藤さんは、おそらく毎日のように鍛錬を積み重ねこの反射神経を養い続けA1まで駆け上がって来たのだろう。
ロンの発声も何処か申し訳なさそうだったことは今でも鮮明に覚えている。
シャイな男なんだナと好感を覚えた。
近藤さんの仕掛けをタンヤオと思い込んだのも拙かったが、ツモ八筒に感触があったとしても、良くなかったのは私の残り手牌にある、四索のことである。
この四索は生牌であり、仮に六万九万が埋まったとしても四索を打ち切れるか、もしくは二索四索のシャンポンでアガリが見えるかという問題である。
そこにアガリ形が見えない以上、中を打つべきではないと今は思えるが実戦では解らないというのが本音である。
近藤さんは当時パンチパーマだったと記憶しているが、今ではダンディと呼ばれるように服装風貌も変わられたように麻雀の質も変貌を遂げられた。
ただ、変わらないのは打点の高さである。
いずれにしても、この放銃がトラウマになり、ほとんど対近藤戦は圧敗を重ね決定戦はおろか、A2に降級となってしまった。
降級そのものは己の過信や驕りが招いたことで仕方がないことだが、降級を意識し出した頃、望月君から言われた言葉に従わなかったことは悔いている。
「下を見るのではなく決定戦を見て麻雀を打ってください」
その言葉に従えなかったのは、その時の己の器の小ささに他ならない。
連盟を誇りに思っていることの一つに、上下の関係を飛び越して言うべきことは本人にハッキリ言うことにあると思っている。
視聴者がいる以上、それぞれがベストパフォーマンスをしてほしいという願いの言葉だったのだろう。
A2から昇級できたのは、これは幸運以外の何物でもない。
牌姿は省くが、内川幸太郎君が発単騎のリーチを打っていれば、佐々木寿人君がメンチンに手を伸ばせば私の昇級は無かったように思う。
A2にいた時も常に考えていたのは、A1に昇級したときにいかなる麻雀を打つかだけだった。
答えは中々でなかった。
A1に昇級して最終節を残した時に、トータル2位に着けながらも決定戦を逃した。
最終戦などは何もさせてもらえなかった。
決定戦を逃したことよりも、勝又くんに何もさせてもらえなかったことが問題としては大きかった。
最終節の少し前、紺野真太郎君と話す折りがあった。
「今回は勝ちに拘ろうと思う」
「それはどうかと思います。前原さんには飛んで欲しい。それは、プロレスラーの武藤さんが膝を痛めてもムーンサルトプレスをやり続けるように、、、」
そんな話だった。
紺野君の言葉を聞かずに私は惨敗を喫した。このことも、やはり、私の器の問題である。
勝ちに拘らず飛んでさえいれば、己ずと勝ちを掌中にできるだろう__
そういう紺野君のメッセージに思えてならない。
そして、33期リーグ戦を迎えるに当たり、戦い方は決まっていた。
瀬戸熊直樹さんの言葉である。
第32期プロリーグを全節プラスにまとめあげることを言っていた。そして、それに近い形で決定戦に残った。
このカタチの麻雀はかなり難しく思えたが、遣り甲斐はあることは間違いなかった。
それまでの私のリーグ戦の臨み方は100ポイントオーバーの節を2度作れば良いという考え方だった。それが、私に似合うと思い込んでいた。全節プラスにするには、難点も多いことも予測していた。
親番に固執しないこと、受けのちからを鍛錬すること、切り込み方が甘くなることも想定された。簡単に言うならば、膂力に頼らず麻雀に誠実に向き合うということである。
集中力を高めることは絶対条件である。身体を作らねばならないことも解っていた。
それとできるだけ早寝早起きをして、睡眠の質にもこだわった。6月から始めたホットヨガは身体もそうだが、心の在り方、呼吸法を学べて良かったように感じる。
図を見てください。
 
100
 
結果は四筒の放銃で終わっている。手牌にはドラである南が残っている。
仮にこの四筒が通ったとしたらドラの南はどうするか。答えは簡単である。
三色ならずのテンパイであったとしても、南は打ち出す覚悟はしていた。
南を残したのは重なる可能性を見たことと、テンパイしていなかっただけである。
この構え方が良いかどうかは別である。私は何十年もそう打って来たし、これからもそう打って行く。入り方とはそういうものだと私は思っている。
放銃を想定して、次局以降の戦い方さえ考えておけば何ら問題は無い様に思う。
それよりも、恐れるべきことは腰が引けたような戦い方をすることに他ならない様に思えてならない。
私が私であるが為にそう戦って行きたい。
麻雀はその人となり__。
この言葉に尽きると私は考える。

第7期麻雀グランプリMAX決勝観戦記 初日 藤崎 智

今期最後の公式戦は佐々木寿人のG1タイトル初優勝で幕を閉じた。
40歳の佐々木が一番年上という、これからのプロ連盟を背負うであろう若手4名での決勝戦であった。若手といっても4人共実績は十分でこのグランプリMAXのタイトルを獲る獲らないで今後活躍の舞台が増えるといった選手達では決してないのだが、世代の近い4人という事で「目の前の勝負」に勝ちたいというおもいが見ている私にも伝わってくる熱い闘いであった。4人中3人が団体対抗戦でプロ連盟を優勝に導いてくれたポイントゲッター達ということで、その時図々しくもキャプテンを務めていた藤崎が頑張って伝えていきたいと思います。

 

1回戦起家から
 
100

 

28期。わずか4年で来期のB2リーグ昇級を決め、グランプリも2年連続での決勝進出である。昨年度の十段戦での逆転の国士無双が記憶に新しい。
 
 
南家
 
100
 
22期。そうそうたる実績ではあるが意外にもG1タイトルは初決勝。来期A2リーグ返り咲きを果たした人気ナンバーワンの男子プロ。団体対抗戦の開幕戦での地和はチームを勢い付ける値千金のアガリであり、その後も寿人らしくポイントを伸ばしたチームの中心選手であった。
 
 
西家
 
100
 
22期。来期A1リーグの昇級を決め今回のメンバー唯一のA1リーガーであり、団体対抗戦ではチームトップのポイントを叩き出した選手である。しかしG1タイトルの決勝は数年前の王位戦以来2度目でありご覧の通り今回のメンバーで唯一獲得タイトルはない。「現A1リーガー」という肩書きは「現タイトルホルダー」という肩書きと同等の価値があると私個人は思っている。獲得タイトルはたとえ過去のものであっても色あせることはないが、A1リーガーに関しては「現」に価値があるものだと思っている。内川にとっては来期のA1リーグ初参戦の前に自信をつける意味でも是非欲しいタイトルである。そしてもう1つ、このグランプリMAXで初タイトルを獲得した選手が過去に2人いる。勝又と前田。そう、前鳳凰位とその前の鳳凰位である。そういった意味でも今回の決勝戦を一番勝ちたいと思っているのは内川だと思っている。
 
 
北家
 
100
 
23期。現マスターズチャンプでG1二冠を狙う最年少Aリーガー。団体対抗戦ではあまり調子のあがらない中、きっちりプラスポイントキープしたチームのムードメーカー。
 
 
 
東1局(柴田300、佐々木300、内川300、白鳥300、)

 

100

 

西家内川の配牌で第一ツモが白。今期A2リーグの立会人や解説で内川の麻雀はかなり観てきたのだが、リーグ戦では白をツモ切りしていたように思う。しかし内川の第一打は東。開始数秒での出来事だったが内川の今決勝にかける意気込みを感じた気がした。

 

100

 

東2局2本場(佐々木348、内川290、白鳥272、柴田290)

 

100

 

北家柴田の1巡目の手牌でドラが九筒。柴田の選択はドラ切りのダブリー。柴田という選手は門前重視で打点とスピードのバランスと、リーチとヤミテンの選択が的確な打ち手である。普段であればいったんヤミテンに構えてマンズの手替わりを待ちそうであるが、この時は少し手が震えていた。本人も言っていたのだが、この時は緊張があったようだ。ならば早く緊張をといて勝負に集中出来るようにリーチといっておいた方がいいという判断もあったらしい。デビュー依頼3年間無心で駆け抜けて素晴らしい実績を残してきた。今回世代の近い者通しの闘いで格上のAリーガー3人相手に自身の力を証明したいということだろう。今回は無欲ではなく力で獲りに来たといった感じに思えた。

 

100

 

1回戦、東4局で親の白鳥が2フーロでマンズのチンイツのテンパイ。そこに中五万のシャンポンのツモり三暗刻のリーチにいった佐々木が勝負して2,000・4,000をツモりトップ。引き負けた白鳥が3着。アガリのない内川がラスとなった。

1回戦成績
佐々木+27.6P 柴田+7.5P 白鳥▲13.6P 内川▲21.5P

 

 

2回戦

東1局(柴田300、白鳥300、佐々木300、内川300)
親の柴田が白鳥から12,000、テンパイ連チャン、佐々木から3,900と三本場まで積み上げる。3局共に柴田らしい素晴らしい手順だったのだが、特に2局目のテンパイ連チャンが見事だった。下家の白鳥から4巡目の早い仕掛けを受けながら丁寧に三色ドラ1のテンパイを入れた。丁寧に仕上げた分時間が掛かったのでヤミテンが普通と思われたのだが、これをリーチといって白鳥のアガリを阻止しての連チャンに成功した。実はテンパイした時点で柴田の待ちは純カラであった。言うまでもないとは思うが私が打っていればこの親権キープはなかったし最初の12,000も2,900だったように思う。

この後の3本場で内川にようやく初アガリの3,900がくるのだが、とにかく内川の調子が良くない。牌のきかたがあまりにも悪く、捨て牌を全部合わせればアガリはあるのだが、普通に打てばほぼアガれない。そんな局ばかりであった。

南3局(佐々木280、内川242、柴田442、白鳥236)

 

100

 

3巡目の内川の手牌。これも難しいし、いやらしい。三索切りの人が多そうだが内川の選択はドラの白。結果これが大正解で次巡二筒ツモ。前巡白を切った以上二筒引きや七索引きを考えて三索切りで一旦五筒タンキに受けることになる。これをあっさりツモって1,600・3,200。もしここで三索切りとしていればドラタンキの七対子となっておりアガれていたかどうか微妙である。

南4局1本場(内川306、柴田425、白鳥220、佐々木248)

九種九牌で流局での1本場

 

100

 

柴田から今決勝2度目となるダブリーを受けての親番の内川の2巡目。北が安全牌なのでとりあえず北切りとしそうだが、内川は打七筒で真っ直ぐを選択。最終的に北三索のシャンポン待ちの追いかけリーチで柴田から9,600をアガる。実は柴田の入り目がラス牌のペン七筒でやはり勝負というものは紙一重である。

ここから4本場まで内川が連荘するのだが、5,200をアガれば浮くという条件で佐々木は、ドラの二万と1枚切れの二索の役無しシャンポンをリーチにいかず、という新たな一面も見せてくれた。

2回戦成績
内川+24.0P 柴田+5.4P 佐々木▲9.7P 白鳥▲19.7P

2回戦まで
佐々木+17.9P 柴田+12.9P 内川+2.5P 白鳥▲33.3P

 

 

3回戦

南1局2本場(白鳥350、佐々木211、柴田320、内川319)

東1局ではタンピン三色イーペーコーの1シャンテンを柴田の先制リーチを受けて即撤退。南1局1本場では1巡ヤミテンに構えて次巡ツモ切りで先制リーチなど、あの「攻めダルマ」と呼ばれた寿人さんですか?免許証拝見させて下さい。と本人確認したくなるような今日の佐々木がここでもらしくない攻めをみせる。

 

100

 

5巡目。鳴いているのはダブ南。佐々木なら間違いなく六万切りと思っていたのだが、佐々木の選択は打二筒。終盤に3,900のアガリとなるのだがホンイツならもっと早くツモアガっていた。結果的にこの局だけは失敗だったがこの一連の「寿人らしくない」は実は進化した「ニュー寿人」だったようだ。それはこの先わかることになる。

 

100

 

この半荘はここまで苦しんでいた白鳥が南1局1本場の3,900オールの後、持ち前のちっちゃい、いや失礼、機敏で緻密な「白鳥ワールド」で1人浮きのトップを勝ち取った。「白鳥ワールド」に関しては後半戦で全開となるので前半戦ではあまり触れないが、年々精度が上がってきているように思える。

 

100

 

3回戦成績
白鳥+19.5P 柴田▲2.5P 内川▲5.2P 佐々木▲11.8P

3回戦まで
柴田+10.4P 佐々木+6.1P 内川▲2.7P 白鳥▲13.8P

 

 

4回戦

この4回戦は佐々木が2,000・4,000と4,000オールをアガリ1人浮きのトップをものにするのだが、すごいのは白鳥。東場では不運としかいいようのない8,000を内川に放銃するなど厳しい展開だったが、捌きとテンパイ料だけで小さい3着に抑える。

4回戦成績
佐々木+31.6P 内川▲4.3P 白鳥▲8.0P 柴田▲21.8P

4回戦まで
佐々木+37.7P 内川▲7.0P 柴田▲8.9P 白鳥▲21.8P

初日を終えて佐々木が頭一つ抜けている。とにかく放銃が少ない。放銃は少ないのだがアガリを逃すシーンが全くない。らしくはないように私の目には映るのだが、そんな戦術でも勝つ自信ありということなのだろう。
2番手に着ける内川は1回戦目アガリなしから2回戦目にはリーグ戦ではあまり見せないバランスを度外視した強引な麻雀で立て直してきた。この位置で初日をまとめたことに内川の強さと今決勝への意気込みをみた。
3番手の柴田は配牌だけならこの日断トツのナンバーワンである。しかしメンゼン型の柴田にとって配牌である程度かたちが決まっていれば、あとはツモ山との勝負となってしまうのはしょうがないだろう。ツモが思ったように伸びず、局の終盤受けにまわされる事が多かった。しかし1人ノートップでこのスコアなら十分2日目勝負となる。さすがに2日間ノートップでは優勝出来ないので早目の初トップがほしいところ。
そして初日最下位の白鳥。実は白鳥、1回戦から4回戦まで南入した時点で全て1万点代のラス目だった。そして全て南場で盛り返してのこの成績である。「白鳥ワールド」は逃げてこその戦術である。そう考えれば初日の内容は上出来と言っても過言ではない気がする。

グランプリ 決勝観戦記/第7期麻雀グランプリMAX決勝観戦記 初日 藤崎 智

今期最後の公式戦は佐々木寿人のG1タイトル初優勝で幕を閉じた。
40歳の佐々木が一番年上という、これからのプロ連盟を背負うであろう若手4名での決勝戦であった。若手といっても4人共実績は十分でこのグランプリMAXのタイトルを獲る獲らないで今後活躍の舞台が増えるといった選手達では決してないのだが、世代の近い4人という事で「目の前の勝負」に勝ちたいというおもいが見ている私にも伝わってくる熱い闘いであった。4人中3人が団体対抗戦でプロ連盟を優勝に導いてくれたポイントゲッター達ということで、その時図々しくもキャプテンを務めていた藤崎が頑張って伝えていきたいと思います。
 
1回戦起家から
 
100
 
28期。わずか4年で来期のB2リーグ昇級を決め、グランプリも2年連続での決勝進出である。昨年度の十段戦での逆転の国士無双が記憶に新しい。
 
 
南家
 
100
 
22期。そうそうたる実績ではあるが意外にもG1タイトルは初決勝。来期A2リーグ返り咲きを果たした人気ナンバーワンの男子プロ。団体対抗戦の開幕戦での地和はチームを勢い付ける値千金のアガリであり、その後も寿人らしくポイントを伸ばしたチームの中心選手であった。
 
 
西家
 
100
 
22期。来期A1リーグの昇級を決め今回のメンバー唯一のA1リーガーであり、団体対抗戦ではチームトップのポイントを叩き出した選手である。しかしG1タイトルの決勝は数年前の王位戦以来2度目でありご覧の通り今回のメンバーで唯一獲得タイトルはない。「現A1リーガー」という肩書きは「現タイトルホルダー」という肩書きと同等の価値があると私個人は思っている。獲得タイトルはたとえ過去のものであっても色あせることはないが、A1リーガーに関しては「現」に価値があるものだと思っている。内川にとっては来期のA1リーグ初参戦の前に自信をつける意味でも是非欲しいタイトルである。そしてもう1つ、このグランプリMAXで初タイトルを獲得した選手が過去に2人いる。勝又と前田。そう、前鳳凰位とその前の鳳凰位である。そういった意味でも今回の決勝戦を一番勝ちたいと思っているのは内川だと思っている。
 
 
北家
 
100
 
23期。現マスターズチャンプでG1二冠を狙う最年少Aリーガー。団体対抗戦ではあまり調子のあがらない中、きっちりプラスポイントキープしたチームのムードメーカー。
 
 
 
東1局(柴田300、佐々木300、内川300、白鳥300、)
 
100
 
西家内川の配牌で第一ツモが白。今期A2リーグの立会人や解説で内川の麻雀はかなり観てきたのだが、リーグ戦では白をツモ切りしていたように思う。しかし内川の第一打は東。開始数秒での出来事だったが内川の今決勝にかける意気込みを感じた気がした。
 
100
 
東2局2本場(佐々木348、内川290、白鳥272、柴田290)
 
100
 
北家柴田の1巡目の手牌でドラが九筒。柴田の選択はドラ切りのダブリー。柴田という選手は門前重視で打点とスピードのバランスと、リーチとヤミテンの選択が的確な打ち手である。普段であればいったんヤミテンに構えてマンズの手替わりを待ちそうであるが、この時は少し手が震えていた。本人も言っていたのだが、この時は緊張があったようだ。ならば早く緊張をといて勝負に集中出来るようにリーチといっておいた方がいいという判断もあったらしい。デビュー依頼3年間無心で駆け抜けて素晴らしい実績を残してきた。今回世代の近い者通しの闘いで格上のAリーガー3人相手に自身の力を証明したいということだろう。今回は無欲ではなく力で獲りに来たといった感じに思えた。
 
100
 
1回戦、東4局で親の白鳥が2フーロでマンズのチンイツのテンパイ。そこに中五万のシャンポンのツモり三暗刻のリーチにいった佐々木が勝負して2,000・4,000をツモりトップ。引き負けた白鳥が3着。アガリのない内川がラスとなった。
1回戦成績
佐々木+27.6P 柴田+7.5P 白鳥▲13.6P 内川▲21.5P
 
 
2回戦
東1局(柴田300、白鳥300、佐々木300、内川300)
親の柴田が白鳥から12,000、テンパイ連チャン、佐々木から3,900と三本場まで積み上げる。3局共に柴田らしい素晴らしい手順だったのだが、特に2局目のテンパイ連チャンが見事だった。下家の白鳥から4巡目の早い仕掛けを受けながら丁寧に三色ドラ1のテンパイを入れた。丁寧に仕上げた分時間が掛かったのでヤミテンが普通と思われたのだが、これをリーチといって白鳥のアガリを阻止しての連チャンに成功した。実はテンパイした時点で柴田の待ちは純カラであった。言うまでもないとは思うが私が打っていればこの親権キープはなかったし最初の12,000も2,900だったように思う。
この後の3本場で内川にようやく初アガリの3,900がくるのだが、とにかく内川の調子が良くない。牌のきかたがあまりにも悪く、捨て牌を全部合わせればアガリはあるのだが、普通に打てばほぼアガれない。そんな局ばかりであった。
南3局(佐々木280、内川242、柴田442、白鳥236)
 
100
 
3巡目の内川の手牌。これも難しいし、いやらしい。三索切りの人が多そうだが内川の選択はドラの白。結果これが大正解で次巡二筒ツモ。前巡白を切った以上二筒引きや七索引きを考えて三索切りで一旦五筒タンキに受けることになる。これをあっさりツモって1,600・3,200。もしここで三索切りとしていればドラタンキの七対子となっておりアガれていたかどうか微妙である。
南4局1本場(内川306、柴田425、白鳥220、佐々木248)
九種九牌で流局での1本場
 
100
 
柴田から今決勝2度目となるダブリーを受けての親番の内川の2巡目。北が安全牌なのでとりあえず北切りとしそうだが、内川は打七筒で真っ直ぐを選択。最終的に北三索のシャンポン待ちの追いかけリーチで柴田から9,600をアガる。実は柴田の入り目がラス牌のペン七筒でやはり勝負というものは紙一重である。
ここから4本場まで内川が連荘するのだが、5,200をアガれば浮くという条件で佐々木は、ドラの二万と1枚切れの二索の役無しシャンポンをリーチにいかず、という新たな一面も見せてくれた。
2回戦成績
内川+24.0P 柴田+5.4P 佐々木▲9.7P 白鳥▲19.7P
2回戦まで
佐々木+17.9P 柴田+12.9P 内川+2.5P 白鳥▲33.3P
 
 
3回戦
南1局2本場(白鳥350、佐々木211、柴田320、内川319)
東1局ではタンピン三色イーペーコーの1シャンテンを柴田の先制リーチを受けて即撤退。南1局1本場では1巡ヤミテンに構えて次巡ツモ切りで先制リーチなど、あの「攻めダルマ」と呼ばれた寿人さんですか?免許証拝見させて下さい。と本人確認したくなるような今日の佐々木がここでもらしくない攻めをみせる。
 
100
 
5巡目。鳴いているのはダブ南。佐々木なら間違いなく六万切りと思っていたのだが、佐々木の選択は打二筒。終盤に3,900のアガリとなるのだがホンイツならもっと早くツモアガっていた。結果的にこの局だけは失敗だったがこの一連の「寿人らしくない」は実は進化した「ニュー寿人」だったようだ。それはこの先わかることになる。
 
100
 
この半荘はここまで苦しんでいた白鳥が南1局1本場の3,900オールの後、持ち前のちっちゃい、いや失礼、機敏で緻密な「白鳥ワールド」で1人浮きのトップを勝ち取った。「白鳥ワールド」に関しては後半戦で全開となるので前半戦ではあまり触れないが、年々精度が上がってきているように思える。
 
100
 
3回戦成績
白鳥+19.5P 柴田▲2.5P 内川▲5.2P 佐々木▲11.8P
3回戦まで
柴田+10.4P 佐々木+6.1P 内川▲2.7P 白鳥▲13.8P
 
 
4回戦
この4回戦は佐々木が2,000・4,000と4,000オールをアガリ1人浮きのトップをものにするのだが、すごいのは白鳥。東場では不運としかいいようのない8,000を内川に放銃するなど厳しい展開だったが、捌きとテンパイ料だけで小さい3着に抑える。
4回戦成績
佐々木+31.6P 内川▲4.3P 白鳥▲8.0P 柴田▲21.8P
4回戦まで
佐々木+37.7P 内川▲7.0P 柴田▲8.9P 白鳥▲21.8P
初日を終えて佐々木が頭一つ抜けている。とにかく放銃が少ない。放銃は少ないのだがアガリを逃すシーンが全くない。らしくはないように私の目には映るのだが、そんな戦術でも勝つ自信ありということなのだろう。
2番手に着ける内川は1回戦目アガリなしから2回戦目にはリーグ戦ではあまり見せないバランスを度外視した強引な麻雀で立て直してきた。この位置で初日をまとめたことに内川の強さと今決勝への意気込みをみた。
3番手の柴田は配牌だけならこの日断トツのナンバーワンである。しかしメンゼン型の柴田にとって配牌である程度かたちが決まっていれば、あとはツモ山との勝負となってしまうのはしょうがないだろう。ツモが思ったように伸びず、局の終盤受けにまわされる事が多かった。しかし1人ノートップでこのスコアなら十分2日目勝負となる。さすがに2日間ノートップでは優勝出来ないので早目の初トップがほしいところ。
そして初日最下位の白鳥。実は白鳥、1回戦から4回戦まで南入した時点で全て1万点代のラス目だった。そして全て南場で盛り返してのこの成績である。「白鳥ワールド」は逃げてこその戦術である。そう考えれば初日の内容は上出来と言っても過言ではない気がする。

第162回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:三戸 亮祐

≪プロローグ≫

前原からはいつも唐突に電話は来る。またその内容も
「プレステが起動しないんだけど。」とか「名古屋にゲストに行くから来てね!」
はたまた「ももクロ詳しいの?」
等と脈絡がないのだ。

そしてまた電話が鳴った。

三戸「なんでしょう(ドキドキ・・・)」

前原「実は私、鳳凰位になったんですよ。」

三戸「もちろん、知ってますよ(笑)」

前原「でね、三戸君にインタビューをやって欲しいんだ。」

連盟員にとって鳳凰位はとてつもなく重いタイトルだ。
おいそれと受ける事はできないと一瞬戸惑う。
ただ、鳳凰位がただ一人ならインタビュアーもただ一人。
これほど光栄な事はない。
私を指名した前原にとっても何か思うことがあったのだろう。
その理由も聞きたいと思った。
戸惑いと嬉しさが混じり合いながら、こう答えた。

三戸「もぉ、何十回もインタビューやっているから引き受け手がいなくなるんですよ(笑)」と。

_______________________________________________
 
 

≪カンパーイ!≫
 

三戸「改めまして、おめでとうございます。」

前原「ありがとう。遠いところご苦労様。とりあえず、乾杯しようか。」

三戸「ではでは、よろしくお願いします。」

 

100

 

三戸「まずは今までプロフィールに書かれたことのないようなお話・・・趣味とかありますか?普通のプロフィールは何回も書かれていて目新しいものを・・・」

前原「最近、ホットヨガやっているんだよ。」

三戸「ヨガは女のコが好きみたいですね。」

前原「ヒサトの嫁さんから聞いたんだ。2ℓくらい水飲みながらやるんだけどそれでも1kgくらい痩せるんだ。でね、新陳代謝が良くなって鳳凰位決定戦を闘っている時も熱が出ちゃって、インフルエンザじゃないかと心配したよ。」

三戸「それは勝負熱ですね!自分も温泉とか岩盤浴行くのでホットヨガもやってみようかな、婚活になるかもしれないし。」

前原「本当にあなたは婚活が趣味だよね・・・」

三戸「趣味じゃなくてガチなんです・・・」
 
 
 
≪邂逅≫
 
前原と親交を深めたのは5年ほど前に遡る。
それまでは連盟の先輩として知っていたのみで、時折挨拶を交わす程度であった。
今でこそ連盟チャンネル等で『チームがらくた総帥』としてファンの方も、若い連盟員も親しみが湧いているだろうが、20年程前に連盟に入った人間、ましてや地方本部・支部にいる者にとっては、とても近寄りがたかったのだ。

自分にとって初めてのGⅠタイトル決勝となった2011年十段戦の決勝観戦記を書くことになっていた前原は、終了後私に対して何度も電話をくれた。
連盟タイトル決勝において初の生放送を行うという試みに、観戦記者としての前原も戸惑っていたのだと思う。
「何て書いてもらっても大丈夫ですよ。」という私に対し、「こんな感じで書いてもいいのかな、合ってる??」とか「あぁ言ったけど悪い意味じゃないからごめんね!」など何かを話した後で、相手の気持ちを慮る人であった。
そうしている内にいつしか、麻雀以外の事も話をし、距離は近くなっていった。

さらに2年ほど時間をさかのぼるがこういうこともあった。
名古屋のロン2リアル大会で、私が総合優勝となった。
もちろんユーザさんが主役の大会であったため、素直に喜んではいけない優勝かもしれないが、帰りがけ、ゲストであった前原が一人歩み寄って来てくれて
「今日はおめでとう。それと運営も本当に大変だったと思う。ありがとう。」
と、労ってくれた事をはっきり覚えている。
そして、その時の事は前原も覚えていた。

前原「あれだけスムーズに運営していたって事は、事前にどれほどの準備が必要だったか想像できるよ。お世話になったことを感謝して伝えなくちゃいけないと思ったんだ。」

三戸「あのように、裏方を気遣ってもらえて、後で伝えた中部の若手も励みになりました。あの時に声掛けてもらえたのがあったから、観戦記の時にもちょっと話しやすかったのかと。」

前原「やっぱり、そういうのも人の縁だよね。」
 
 
 
≪鳳凰位決定戦≫
 
三戸「さて、本題ですが鳳凰位決定戦のお話を伺っていこうと思います。」

前原「うん、今回の鳳凰位はお借りしているんだと思ってるんだよ。」

三戸「えっお借りしているといいますと。」

前原「若い人達に団体対抗戦で負担をかけちゃったからさ。だって今回挑戦しているのはみんな対抗戦に出てない人でしょう。それほど、あの団体対抗戦はエネルギーを使ったんだよ。」

三戸「瀬戸熊さん、藤崎さん、前田さんみんな崩れたりしたことがありましたね。勝又さんにしてもどこかに影響が出たのかもしれませんね。」

前原「そういう意味で1年間お借りしていると。それでね、じゃん亭に飾る色紙もね、最初、薄墨で書いたんだ。そしたら紺野くんにダメって言われちゃって。」

三戸「そうですね、薄墨は香典とか書くときに使うので、ちょっと縁起が悪いというか。」

前原「だけど、お借りしている、預かっている、そういう気持ちだったんだよね。」

三戸「あの優勝は同じ連盟員としてとても誇らしかったので自分たちも団体対抗戦の代表の方達には、感謝の気持ちで一杯です。」

 

100

「麻雀はその人となり」

 

前原「最初に話が出た時から団体対抗戦に関しては、出ないと決めていたからね。私や荒さんが出て勝っても意味が無くて若い人が出て勝つことに意味があったから。それは会長も同じ意見で『悪いけど前ちゃん出さないよ』って。『いえいえ、僕もそう思っていました』と。」

三戸「まさに阿吽の呼吸ですね。」

前原「当然勝つと信じていたし、勝てばとても自信になると思ったんだ。やっぱりどの世界も新陳代謝が必要だと思うしね。これは先輩たちを否定するわけじゃなく、淀んではいけないんだよ。」

三戸「森山会長にしても、優孝さんや荒さんの両副会長にしても連盟の上の方々は、そういう風に下の世代に継承して行こうという気持ちが強いと思います。だから若い世代は責任感が強くなってくるんでしょうね。」

前原「プロリーグのレベルも、さらにあがるだろうし。5年後が楽しみだよ!」

三戸「鳳凰位決定戦の内容に関しては、瀬戸熊さんの観戦記に詳しく書いてあるので、なにか裏話みたいなのはありますか?1か月に渡る対局は前原さんにとっても初めてだったのでどのように過ごされましたか?」

前原「とにかく、1か月ずっとそのことが頭の中にあるわけですよ。他の3人も同じだっただろうけど、やっぱり大変だったね。」

三戸「そうですよね、他の対局等の仕事もあるわけですし、そういう中で体調維持も大切ですし、どれだけキツイかは体験した人でないとわかりませんね。何か気をつけていたことはありますか?」

前原「とりあえず、朝は早起きして動くと。昼まで寝ちゃうから。」

三戸「昼まで寝れるなんて若いですね!」

前原「あとはさっきも言ったホットヨガだね。週に1回は必ず行ってた。勝った週も負けた週もやっている事は変わらないね。」

三戸「やっぱりルーチン的な生活が大事ですね。対局に関しては何か今だから言えることはありますか?」

前原「実はね、かっちゃんに打った局は後悔してる(笑)」

三戸「後悔することあるんですね(笑)えーと15回戦目ですね。」

その局とはこれだ。

 

100

15回戦目南4局

 

前原「かっちゃんに手が入っている気配は感じたんだよ。おまけにツモったら古川さんを捲っても近藤君が沈んじゃうし、あんまりいいリーチじゃなかったかもしれない。」

三戸「形だけ見れば両面でツモれそうだったんですけどね、状況的にはガラクタなリーチでしたね。」

前原「ワタクシもリーチ打たないほうが得な事があるくらいわかっているんですよ(笑)」

三戸「それでこそ前原雄大ですね。コメントでも『掴むんじゃね?』って放送的にはすごく盛り上がりました!コメントでは『総帥』『地獄の門番』『ゴジラ』とかニックネームが飛び交っていましたが、最近は『ゴジラ』が気にいっているんですか?自分は『地獄の門番』が一番好きなんですけど」

前原「門番でしょ・・・門番は実は嫌なんだよ。門番ってほらマンガとかでも簡単にやられちゃうじゃない?だから地獄なら閻魔大王の方がいいよ。ゴジラはやっぱり強いからね!」
 
 
 
≪リーチ麻雀世界選手権 in フランス≫
 
三戸「ゴジラはハリウッドでも映画化されましたもんね。そういえば、今年のリーチ麻雀世界選手権はアメリカですね!」

前原「グランドキャニオンには何回か行った事あるのだけれど、その時に一緒に行けたらいいよね。この前のフランス大会の時に勘介と3人で美術館とか行ったみたいにね。」

三戸「オランジュリー美術館にモネの睡蓮を観に行きましたね。」

 

100

オランジュリー美術館にて

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作品名 閻魔大王

 
前原「連盟の人間はワイン飲んでばっかりで美術館とか行きたがらないんだよ(笑)行ってくれるのは、あなたたちくらい。」

三戸「モネが好きなんですよね?」

前原「本とか、日本の美術館で観た睡蓮がなんだか苦手だったんだよ。だからその理由を確かめに行きたくて。」

三戸「えっ好きだから行ったんだと思っていました。」

前原「実際に見た睡蓮は光に包まれた睡蓮もあれば、さまざまな表情があって、見方が変わったよ。切ない、暗い表情をもった睡蓮しか観ていなかったんだね。」

三戸「実際に観てみるのは大切ですね。」

前原「本当に今の時代は簡単だから、観た気になっちゃうんだよね。それはやっぱりダメだなって。実際に足を運んでみないと。」

三戸「そうですね。自分はフランスも初めてだったし、本当にリーチ麻雀世界選手権はいろいろと経験になりました。」

前原「結局モネは好きになったから行って良かったよ。他にもロダン美術館とか、いろいろ行ったよね。」

三戸「男子3人と色気は全くなかったですけど・・・セーヌ川を遊覧船で下ったり、エッフェル塔にも行きました。あっそういえば前原さんだけは、ロダン美術館で考える人の前でちゃっかり美女2人と写真を撮っていましたね・・・」

 

100

セーヌ川にて何を想うのか?

 

2017年10月、ゴジラがGODZILLAとなってラスベガスでも大暴れするところが見えるかもしれない。

三戸「ところで、なんで今回インタビューを任せて下さったのですか?とてもありがたかったのですけど、自分でいいのかなって」

前原「鳳凰位決定戦のプロモーションビデオで、僕は鳳凰位を獲るためにやっているんじゃないって言ったんだよ。それはね、観てくれたファンの皆さんが『麻雀って面白いな』『連盟チャンネルに入って良かったな』『プロってすごいな』って思ってくれなければしょうがないってことなんだ。結果的に鳳凰位を獲れたんだけど、獲った後が大事なんだよ。それで何をすべきかって考えたんだ。連盟に恩返しをしようと。でね、その一環として今年は地方の本部・支部を廻っていろいろ伝えていこうと。三戸君も中部本部の副本部長になったじゃない、こういう話をするのに適任かなぁと。」

三戸「ぜひぜひ。鳳凰位が来たら、刺激になります。自分もプロリーグに出ていますが、鳳凰位は意識できる立場にはなくて実感がわかないのですが、ましてや地方リーグだけに所属している者たちにとっては鳳凰位は限りなく遠い存在なので、直接お話ししてもらえたら、必ずプラスになると思います。」

前原「そういうのもあるし、十段戦観戦記の時も丁寧に答えてくれて、いろいろ資料とか協力してくれたじゃない。人柄や能力も見たんだよ。」

三戸「ありがとうございます。褒め殺しですね(笑)プレッシャー掛かりますがなんとかいいインタビュー記事にしたいと思います。そうそう十段戦といえば前原さんとベスト16で対局した時に、印象深い事があって。『三戸君は、ロン2でレーティングが高い人だよね。』と言われて。うんうん、そうだよなって感じで頷かれて。」

前原「聞いたのは覚えてるよ。十段で一番注意したのは勢いのある若いコで、ロン2でレーティング上げる打ち方というのもわかるから対応していかないと。やっぱり好調な人に合わせてスウィングするのが必要かな。」

三戸「てっきり初見の相手には、自分の型だけで捻じ伏せるのかなって思っていたので、そういう風にアジャストしていくんだなって。驚きました。」

前原「特に十段は普段対戦しない人と当たるからね。こう見えてワタクシも考えているんですよ。」

三戸「先ほど連盟に恩返しと言われましたが。」

前原「これはね、私の名付け親の伊集院静さんから教わったのだけど、先輩だったりお世話になった人から受けた恩は、その人に返すのではなく後輩なり他の誰かに返しなさいと。だから今まで、みんなからお世話になって来て、鳳凰位となって何ができるか考えた時に、連盟全体に恩返しをして行こうと。」

三戸「『恩返しはその人にするんじゃない』ですか・・・そういう風に言えるように自分もなりたいです。鳳凰位が連盟イズムを伝えて回れば全国の地方本部・支部全体の底上げになると思います。」

前原「やっぱりね、こんな私でも鳳凰位だから言える事もあるからね。」

三戸「鳳凰位じゃなかったらただのガラクタな人ですからね・・・」

前原「そうそう、ワタクシみたいなのは結果を出さなきゃダメなタイプだもの(笑)」
 
 
 
≪プロテスト実行委員会≫
 
過日プロテストを見学させてもらった。
その時に前原がプロテスト実行委員長として受験生に語った言葉がある。
「みなさんの人生を左右しかねないので、我々も真剣に審査します。」
「麻雀を楽しむのではなく、麻雀を楽しんでもらうプロになって欲しい。」
「そして受けに来てくれてありがとう。」と。

三戸「初めて東京のプロテスト見させてもらいましたが参考になりました。プロテスト実行委員会のみなさんは全員白いワイシャツを着ていましたね。」

前原「いいところに気が付いたね。ところで三戸君は裁判官が黒い服を着ている意味を知っているかな?」

三戸「えっ知らないです。どうしてですか?」

前原「それはね、何色にも染まらない・公平に裁くという意思の表れなんだ。それと同じように我々も真っ白な気持ちで平等に受験生に臨むという意思を表しているんだよ。」

三戸「なるほど、みなさんの姿を見て受験生も気持ちがより引き締まったでしょうね。今年度は中部本部でオリジナルのプロテスト告知用ポスターを作ったりする時にも相談に乗ってもらいました。」

前原「三戸君や地方の人達に見に来てもらって、何か掴んで帰ってもらいたいんだ。もちろん東京でしかできないこともあるし、地方は地方でしかできないこともあると思うから。だからああやってその地方で活躍するプロを大きく使ったポスターは良いと思うよ。」

三戸「そうですね、しっかり考えて地方のプロテスト・プロの在り方を模索して行こうと思います。ただ見ていて思うのは麻雀プロでも一般社会でも、今の若いコはすぐ結果を求めすぎるというか。それはどう導いて行けばいいでしょう?」

前原「それはね、確かに感じるけど、いかにモチベーションをあげるかが必要なんだよ。」

今回のプロテストでは、実技試験の人数調整として、前原が卓に着く場面があった。

三戸「人数の関係もありましたが、今日、鳳凰位と打てるなんて思ってなかったでしょうね。それだけでモチベーションあがったと思いますよ。」

前原「今の麻雀界は頑張って結果を出せばある程度は報われる世界になって来てるから、自分の為に頑張って欲しいね。人の為と書いて『偽り』だからね。最初は自分の事だけ考えて自分を大事にして欲しいんだよ。でもね、人はある地点まで行くとそうじゃなくなるんだよ。」

三戸「その業界であったり、世の中の為って考えるようになるってことですね。」

前原;「そう、だからまずは自分の為に何倍も頑張って欲しいな。それは受験生だけじゃなくて、今のプロ全体に言えることかな。結果的にはそれが全体の発展に繋がるんだよ。」

三戸「端的に聞きすぎですけど麻雀にセンスとかはありますか?強くなる人間はプロテストを受けに来た時から打てるなって感じがします。」

前原「うん、センスはあると思う。でもそれより大事なのは気持ちなんだ。雀力が同じなら自分が強いと思っている人間が勝つよ。後は素直さかな。自分の麻雀がこうだと思ってしまったら動脈硬化を起こしてしまうよ。」

三戸「連盟チャンネルができて、レベルの高い対局を見られるようになりましたが、委縮してしまって志願者が減ってしまうのではって心配になってしまうんですよね。」

前原「逆にこの程度かって思って受けてくるのがいたら期待できるね。」

三戸「挨拶で受験生に『受けに来てくれてありがとう』と言われましたが。」

前原「やっぱり、たくさんの団体がある中で選んで受けに来てくれてありがとうという気持ちだよ。もちろん、合否は厳しくやるけれど、受けに来てくれた人達には3次試験を終えた時に、結果はともかく連盟を理解してもらったり好きになってもらえたら本当に良いなと思うよ。」

今回の受験生たちがどのような育ち方をするのか自分も見守っていきたいと思う。
 
 
 
≪連覇に向けて≫
 
三戸「さて、気が早いですが、連覇に向けての手ごたえはどうでしょう?」

前原「正直、勝ち負けは厳しいかもしれないなぁ。」

三戸「またまた、そんなこと言って。連覇期待していますよ。でも前の2回も連覇されていないですね。十段は3連覇しているのに不思議ですね?」

前原「確率から言ったら5人打ちな分、十段の方が難しいんはずなんだよ。それに同じメンバーで続けて打つ方が簡単なはずなんだけどなんでだろう・・・最後にいい質問ぶつけてくるね。」

三戸「簡単に連覇できるものではない。それが鳳凰位の重みなんですね。」

前原「そうだね。やっぱり意識しちゃうんだろうね。さっきも鳳凰位になる為にやっているんじゃないって言ったけど・・・今振り返ってみると本当はとても大事に思っているから、そんなこと言っちゃうのかな。本当に大切なものってなかなか手に入らないものなんだよね。」

そう言ってはにかんだ。
どこまでも繊細でシャイな男、第33期鳳凰位前原雄大。
戴冠から一か月、今日もまた連盟チャンネルで精力的に解説をこなしている前原の姿がそこにあった。

_______________________________________________
 
 
~インタビューを終えて~


前原が語っていたことを幾度となく思い返している。
インタビュアーに指名してくれたのは、もちろん前述したように地方への発信の意味もあっただろう。
一方で最近思うように結果が残せず、気持ちが弱くなっていた私に対して何かを気付かせるつもりで指名してくれたのかもしれないとも感じた。
『自分で限界を決めてはいけないよ。』と前原は語っていた。
その言葉を胸に気持ちを強く持とう、いつの日か鳳凰位になる為に。
そして私も次の世代に想いを継承していけるように。

プロ雀士インタビュー/第162回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:三戸 亮祐

≪プロローグ≫
前原からはいつも唐突に電話は来る。またその内容も
「プレステが起動しないんだけど。」とか「名古屋にゲストに行くから来てね!」
はたまた「ももクロ詳しいの?」
等と脈絡がないのだ。
そしてまた電話が鳴った。
三戸「なんでしょう(ドキドキ・・・)」
前原「実は私、鳳凰位になったんですよ。」
三戸「もちろん、知ってますよ(笑)」
前原「でね、三戸君にインタビューをやって欲しいんだ。」
連盟員にとって鳳凰位はとてつもなく重いタイトルだ。
おいそれと受ける事はできないと一瞬戸惑う。
ただ、鳳凰位がただ一人ならインタビュアーもただ一人。
これほど光栄な事はない。
私を指名した前原にとっても何か思うことがあったのだろう。
その理由も聞きたいと思った。
戸惑いと嬉しさが混じり合いながら、こう答えた。
三戸「もぉ、何十回もインタビューやっているから引き受け手がいなくなるんですよ(笑)」と。
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≪カンパーイ!≫
 
三戸「改めまして、おめでとうございます。」
前原「ありがとう。遠いところご苦労様。とりあえず、乾杯しようか。」
三戸「ではでは、よろしくお願いします。」
 

100

 
三戸「まずは今までプロフィールに書かれたことのないようなお話・・・趣味とかありますか?普通のプロフィールは何回も書かれていて目新しいものを・・・」
前原「最近、ホットヨガやっているんだよ。」
三戸「ヨガは女のコが好きみたいですね。」
前原「ヒサトの嫁さんから聞いたんだ。2ℓくらい水飲みながらやるんだけどそれでも1kgくらい痩せるんだ。でね、新陳代謝が良くなって鳳凰位決定戦を闘っている時も熱が出ちゃって、インフルエンザじゃないかと心配したよ。」
三戸「それは勝負熱ですね!自分も温泉とか岩盤浴行くのでホットヨガもやってみようかな、婚活になるかもしれないし。」
前原「本当にあなたは婚活が趣味だよね・・・」
三戸「趣味じゃなくてガチなんです・・・」
 
 
 
≪邂逅≫
 
前原と親交を深めたのは5年ほど前に遡る。
それまでは連盟の先輩として知っていたのみで、時折挨拶を交わす程度であった。
今でこそ連盟チャンネル等で『チームがらくた総帥』としてファンの方も、若い連盟員も親しみが湧いているだろうが、20年程前に連盟に入った人間、ましてや地方本部・支部にいる者にとっては、とても近寄りがたかったのだ。
自分にとって初めてのGⅠタイトル決勝となった2011年十段戦の決勝観戦記を書くことになっていた前原は、終了後私に対して何度も電話をくれた。
連盟タイトル決勝において初の生放送を行うという試みに、観戦記者としての前原も戸惑っていたのだと思う。
「何て書いてもらっても大丈夫ですよ。」という私に対し、「こんな感じで書いてもいいのかな、合ってる??」とか「あぁ言ったけど悪い意味じゃないからごめんね!」など何かを話した後で、相手の気持ちを慮る人であった。
そうしている内にいつしか、麻雀以外の事も話をし、距離は近くなっていった。
さらに2年ほど時間をさかのぼるがこういうこともあった。
名古屋のロン2リアル大会で、私が総合優勝となった。
もちろんユーザさんが主役の大会であったため、素直に喜んではいけない優勝かもしれないが、帰りがけ、ゲストであった前原が一人歩み寄って来てくれて
「今日はおめでとう。それと運営も本当に大変だったと思う。ありがとう。」
と、労ってくれた事をはっきり覚えている。
そして、その時の事は前原も覚えていた。
前原「あれだけスムーズに運営していたって事は、事前にどれほどの準備が必要だったか想像できるよ。お世話になったことを感謝して伝えなくちゃいけないと思ったんだ。」
三戸「あのように、裏方を気遣ってもらえて、後で伝えた中部の若手も励みになりました。あの時に声掛けてもらえたのがあったから、観戦記の時にもちょっと話しやすかったのかと。」
前原「やっぱり、そういうのも人の縁だよね。」
 
 
 
≪鳳凰位決定戦≫
 
三戸「さて、本題ですが鳳凰位決定戦のお話を伺っていこうと思います。」
前原「うん、今回の鳳凰位はお借りしているんだと思ってるんだよ。」
三戸「えっお借りしているといいますと。」
前原「若い人達に団体対抗戦で負担をかけちゃったからさ。だって今回挑戦しているのはみんな対抗戦に出てない人でしょう。それほど、あの団体対抗戦はエネルギーを使ったんだよ。」
三戸「瀬戸熊さん、藤崎さん、前田さんみんな崩れたりしたことがありましたね。勝又さんにしてもどこかに影響が出たのかもしれませんね。」
前原「そういう意味で1年間お借りしていると。それでね、じゃん亭に飾る色紙もね、最初、薄墨で書いたんだ。そしたら紺野くんにダメって言われちゃって。」
三戸「そうですね、薄墨は香典とか書くときに使うので、ちょっと縁起が悪いというか。」
前原「だけど、お借りしている、預かっている、そういう気持ちだったんだよね。」
三戸「あの優勝は同じ連盟員としてとても誇らしかったので自分たちも団体対抗戦の代表の方達には、感謝の気持ちで一杯です。」
 

100

「麻雀はその人となり」

 
前原「最初に話が出た時から団体対抗戦に関しては、出ないと決めていたからね。私や荒さんが出て勝っても意味が無くて若い人が出て勝つことに意味があったから。それは会長も同じ意見で『悪いけど前ちゃん出さないよ』って。『いえいえ、僕もそう思っていました』と。」
三戸「まさに阿吽の呼吸ですね。」
前原「当然勝つと信じていたし、勝てばとても自信になると思ったんだ。やっぱりどの世界も新陳代謝が必要だと思うしね。これは先輩たちを否定するわけじゃなく、淀んではいけないんだよ。」
三戸「森山会長にしても、優孝さんや荒さんの両副会長にしても連盟の上の方々は、そういう風に下の世代に継承して行こうという気持ちが強いと思います。だから若い世代は責任感が強くなってくるんでしょうね。」
前原「プロリーグのレベルも、さらにあがるだろうし。5年後が楽しみだよ!」
三戸「鳳凰位決定戦の内容に関しては、瀬戸熊さんの観戦記に詳しく書いてあるので、なにか裏話みたいなのはありますか?1か月に渡る対局は前原さんにとっても初めてだったのでどのように過ごされましたか?」
前原「とにかく、1か月ずっとそのことが頭の中にあるわけですよ。他の3人も同じだっただろうけど、やっぱり大変だったね。」
三戸「そうですよね、他の対局等の仕事もあるわけですし、そういう中で体調維持も大切ですし、どれだけキツイかは体験した人でないとわかりませんね。何か気をつけていたことはありますか?」
前原「とりあえず、朝は早起きして動くと。昼まで寝ちゃうから。」
三戸「昼まで寝れるなんて若いですね!」
前原「あとはさっきも言ったホットヨガだね。週に1回は必ず行ってた。勝った週も負けた週もやっている事は変わらないね。」
三戸「やっぱりルーチン的な生活が大事ですね。対局に関しては何か今だから言えることはありますか?」
前原「実はね、かっちゃんに打った局は後悔してる(笑)」
三戸「後悔することあるんですね(笑)えーと15回戦目ですね。」
その局とはこれだ。
 

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15回戦目南4局

 
前原「かっちゃんに手が入っている気配は感じたんだよ。おまけにツモったら古川さんを捲っても近藤君が沈んじゃうし、あんまりいいリーチじゃなかったかもしれない。」
三戸「形だけ見れば両面でツモれそうだったんですけどね、状況的にはガラクタなリーチでしたね。」
前原「ワタクシもリーチ打たないほうが得な事があるくらいわかっているんですよ(笑)」
三戸「それでこそ前原雄大ですね。コメントでも『掴むんじゃね?』って放送的にはすごく盛り上がりました!コメントでは『総帥』『地獄の門番』『ゴジラ』とかニックネームが飛び交っていましたが、最近は『ゴジラ』が気にいっているんですか?自分は『地獄の門番』が一番好きなんですけど」
前原「門番でしょ・・・門番は実は嫌なんだよ。門番ってほらマンガとかでも簡単にやられちゃうじゃない?だから地獄なら閻魔大王の方がいいよ。ゴジラはやっぱり強いからね!」
 
 
 
≪リーチ麻雀世界選手権 in フランス≫
 
三戸「ゴジラはハリウッドでも映画化されましたもんね。そういえば、今年のリーチ麻雀世界選手権はアメリカですね!」
前原「グランドキャニオンには何回か行った事あるのだけれど、その時に一緒に行けたらいいよね。この前のフランス大会の時に勘介と3人で美術館とか行ったみたいにね。」
三戸「オランジュリー美術館にモネの睡蓮を観に行きましたね。」
 

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オランジュリー美術館にて

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作品名 閻魔大王

 
前原「連盟の人間はワイン飲んでばっかりで美術館とか行きたがらないんだよ(笑)行ってくれるのは、あなたたちくらい。」
三戸「モネが好きなんですよね?」
前原「本とか、日本の美術館で観た睡蓮がなんだか苦手だったんだよ。だからその理由を確かめに行きたくて。」
三戸「えっ好きだから行ったんだと思っていました。」
前原「実際に見た睡蓮は光に包まれた睡蓮もあれば、さまざまな表情があって、見方が変わったよ。切ない、暗い表情をもった睡蓮しか観ていなかったんだね。」
三戸「実際に観てみるのは大切ですね。」
前原「本当に今の時代は簡単だから、観た気になっちゃうんだよね。それはやっぱりダメだなって。実際に足を運んでみないと。」
三戸「そうですね。自分はフランスも初めてだったし、本当にリーチ麻雀世界選手権はいろいろと経験になりました。」
前原「結局モネは好きになったから行って良かったよ。他にもロダン美術館とか、いろいろ行ったよね。」
三戸「男子3人と色気は全くなかったですけど・・・セーヌ川を遊覧船で下ったり、エッフェル塔にも行きました。あっそういえば前原さんだけは、ロダン美術館で考える人の前でちゃっかり美女2人と写真を撮っていましたね・・・」
 

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セーヌ川にて何を想うのか?

 
2017年10月、ゴジラがGODZILLAとなってラスベガスでも大暴れするところが見えるかもしれない。
三戸「ところで、なんで今回インタビューを任せて下さったのですか?とてもありがたかったのですけど、自分でいいのかなって」
前原「鳳凰位決定戦のプロモーションビデオで、僕は鳳凰位を獲るためにやっているんじゃないって言ったんだよ。それはね、観てくれたファンの皆さんが『麻雀って面白いな』『連盟チャンネルに入って良かったな』『プロってすごいな』って思ってくれなければしょうがないってことなんだ。結果的に鳳凰位を獲れたんだけど、獲った後が大事なんだよ。それで何をすべきかって考えたんだ。連盟に恩返しをしようと。でね、その一環として今年は地方の本部・支部を廻っていろいろ伝えていこうと。三戸君も中部本部の副本部長になったじゃない、こういう話をするのに適任かなぁと。」
三戸「ぜひぜひ。鳳凰位が来たら、刺激になります。自分もプロリーグに出ていますが、鳳凰位は意識できる立場にはなくて実感がわかないのですが、ましてや地方リーグだけに所属している者たちにとっては鳳凰位は限りなく遠い存在なので、直接お話ししてもらえたら、必ずプラスになると思います。」
前原「そういうのもあるし、十段戦観戦記の時も丁寧に答えてくれて、いろいろ資料とか協力してくれたじゃない。人柄や能力も見たんだよ。」
三戸「ありがとうございます。褒め殺しですね(笑)プレッシャー掛かりますがなんとかいいインタビュー記事にしたいと思います。そうそう十段戦といえば前原さんとベスト16で対局した時に、印象深い事があって。『三戸君は、ロン2でレーティングが高い人だよね。』と言われて。うんうん、そうだよなって感じで頷かれて。」
前原「聞いたのは覚えてるよ。十段で一番注意したのは勢いのある若いコで、ロン2でレーティング上げる打ち方というのもわかるから対応していかないと。やっぱり好調な人に合わせてスウィングするのが必要かな。」
三戸「てっきり初見の相手には、自分の型だけで捻じ伏せるのかなって思っていたので、そういう風にアジャストしていくんだなって。驚きました。」
前原「特に十段は普段対戦しない人と当たるからね。こう見えてワタクシも考えているんですよ。」
三戸「先ほど連盟に恩返しと言われましたが。」
前原「これはね、私の名付け親の伊集院静さんから教わったのだけど、先輩だったりお世話になった人から受けた恩は、その人に返すのではなく後輩なり他の誰かに返しなさいと。だから今まで、みんなからお世話になって来て、鳳凰位となって何ができるか考えた時に、連盟全体に恩返しをして行こうと。」
三戸「『恩返しはその人にするんじゃない』ですか・・・そういう風に言えるように自分もなりたいです。鳳凰位が連盟イズムを伝えて回れば全国の地方本部・支部全体の底上げになると思います。」
前原「やっぱりね、こんな私でも鳳凰位だから言える事もあるからね。」
三戸「鳳凰位じゃなかったらただのガラクタな人ですからね・・・」
前原「そうそう、ワタクシみたいなのは結果を出さなきゃダメなタイプだもの(笑)」
 
 
 
≪プロテスト実行委員会≫
 
過日プロテストを見学させてもらった。
その時に前原がプロテスト実行委員長として受験生に語った言葉がある。
「みなさんの人生を左右しかねないので、我々も真剣に審査します。」
「麻雀を楽しむのではなく、麻雀を楽しんでもらうプロになって欲しい。」
「そして受けに来てくれてありがとう。」と。
三戸「初めて東京のプロテスト見させてもらいましたが参考になりました。プロテスト実行委員会のみなさんは全員白いワイシャツを着ていましたね。」
前原「いいところに気が付いたね。ところで三戸君は裁判官が黒い服を着ている意味を知っているかな?」
三戸「えっ知らないです。どうしてですか?」
前原「それはね、何色にも染まらない・公平に裁くという意思の表れなんだ。それと同じように我々も真っ白な気持ちで平等に受験生に臨むという意思を表しているんだよ。」
三戸「なるほど、みなさんの姿を見て受験生も気持ちがより引き締まったでしょうね。今年度は中部本部でオリジナルのプロテスト告知用ポスターを作ったりする時にも相談に乗ってもらいました。」
前原「三戸君や地方の人達に見に来てもらって、何か掴んで帰ってもらいたいんだ。もちろん東京でしかできないこともあるし、地方は地方でしかできないこともあると思うから。だからああやってその地方で活躍するプロを大きく使ったポスターは良いと思うよ。」
三戸「そうですね、しっかり考えて地方のプロテスト・プロの在り方を模索して行こうと思います。ただ見ていて思うのは麻雀プロでも一般社会でも、今の若いコはすぐ結果を求めすぎるというか。それはどう導いて行けばいいでしょう?」
前原「それはね、確かに感じるけど、いかにモチベーションをあげるかが必要なんだよ。」
今回のプロテストでは、実技試験の人数調整として、前原が卓に着く場面があった。
三戸「人数の関係もありましたが、今日、鳳凰位と打てるなんて思ってなかったでしょうね。それだけでモチベーションあがったと思いますよ。」
前原「今の麻雀界は頑張って結果を出せばある程度は報われる世界になって来てるから、自分の為に頑張って欲しいね。人の為と書いて『偽り』だからね。最初は自分の事だけ考えて自分を大事にして欲しいんだよ。でもね、人はある地点まで行くとそうじゃなくなるんだよ。」
三戸「その業界であったり、世の中の為って考えるようになるってことですね。」
前原;「そう、だからまずは自分の為に何倍も頑張って欲しいな。それは受験生だけじゃなくて、今のプロ全体に言えることかな。結果的にはそれが全体の発展に繋がるんだよ。」
三戸「端的に聞きすぎですけど麻雀にセンスとかはありますか?強くなる人間はプロテストを受けに来た時から打てるなって感じがします。」
前原「うん、センスはあると思う。でもそれより大事なのは気持ちなんだ。雀力が同じなら自分が強いと思っている人間が勝つよ。後は素直さかな。自分の麻雀がこうだと思ってしまったら動脈硬化を起こしてしまうよ。」
三戸「連盟チャンネルができて、レベルの高い対局を見られるようになりましたが、委縮してしまって志願者が減ってしまうのではって心配になってしまうんですよね。」
前原「逆にこの程度かって思って受けてくるのがいたら期待できるね。」
三戸「挨拶で受験生に『受けに来てくれてありがとう』と言われましたが。」
前原「やっぱり、たくさんの団体がある中で選んで受けに来てくれてありがとうという気持ちだよ。もちろん、合否は厳しくやるけれど、受けに来てくれた人達には3次試験を終えた時に、結果はともかく連盟を理解してもらったり好きになってもらえたら本当に良いなと思うよ。」
今回の受験生たちがどのような育ち方をするのか自分も見守っていきたいと思う。
 
 
 
≪連覇に向けて≫
 
三戸「さて、気が早いですが、連覇に向けての手ごたえはどうでしょう?」
前原「正直、勝ち負けは厳しいかもしれないなぁ。」
三戸「またまた、そんなこと言って。連覇期待していますよ。でも前の2回も連覇されていないですね。十段は3連覇しているのに不思議ですね?」
前原「確率から言ったら5人打ちな分、十段の方が難しいんはずなんだよ。それに同じメンバーで続けて打つ方が簡単なはずなんだけどなんでだろう・・・最後にいい質問ぶつけてくるね。」
三戸「簡単に連覇できるものではない。それが鳳凰位の重みなんですね。」
前原「そうだね。やっぱり意識しちゃうんだろうね。さっきも鳳凰位になる為にやっているんじゃないって言ったけど・・・今振り返ってみると本当はとても大事に思っているから、そんなこと言っちゃうのかな。本当に大切なものってなかなか手に入らないものなんだよね。」
そう言ってはにかんだ。
どこまでも繊細でシャイな男、第33期鳳凰位前原雄大。
戴冠から一か月、今日もまた連盟チャンネルで精力的に解説をこなしている前原の姿がそこにあった。
_______________________________________________
 
 
~インタビューを終えて~

前原が語っていたことを幾度となく思い返している。
インタビュアーに指名してくれたのは、もちろん前述したように地方への発信の意味もあっただろう。
一方で最近思うように結果が残せず、気持ちが弱くなっていた私に対して何かを気付かせるつもりで指名してくれたのかもしれないとも感じた。
『自分で限界を決めてはいけないよ。』と前原は語っていた。
その言葉を胸に気持ちを強く持とう、いつの日か鳳凰位になる為に。
そして私も次の世代に想いを継承していけるように。

女流プロ麻雀日本シリーズ2017 決勝戦レポート 楠原 遊

3月12日、女流プロ麻雀日本シリーズ2017の決勝戦が行われた。
全4節の予選と、プレーオフを経て勝ち進んだプレーヤーは以下の4名。(敬称略)

 

100

 

仲田加南
日本プロ麻雀連盟所属。現女流桜花。予選・プレーオフ1位通過。

 

100

 

朝倉ゆかり
日本プロ麻雀協会所属。現女流雀王。予選・プレーオフ2位通過。

 

100

 

宮内こずえ
日本プロ麻雀連盟所属。現プロクイーン。予選・プレーオフ3位通過。

 

100

 

二階堂亜樹
日本プロ麻雀連盟所属。女流モンド杯優勝。予選・プレーオフ4位通過。

 

予選序盤で四暗刻をアガリ、その後も終始安定した成績を守った仲田、敗退圏内から強い麻雀でぐいぐいとポイントを伸ばし2位まで上りつめた宮内、そして大きなトップやラスがなく各回素点を守り続けて常に上位にいた朝倉。そして最後に守備型というイメージを大きく覆し、要所でしっかりとした攻めを見せ決勝進出を果たした亜樹。

決勝はこれまでのポイントをリセットして4回戦。
個性的な4名の打ち手が集まり、ここから女流プロ日本一を決める熱い戦いが始まった。

 

決勝1回戦 朝倉 宮内 亜樹 仲田

ポイントをフラットにして決勝1回戦。初戦のトップは一体誰が手にするか。

東2局1本場
8巡目、先手でリーチを掛けたのは南家・亜樹。

六万六万七万八万九万七索八索九索三筒三筒三筒五筒六筒  ドラ四索

このリーチを受け北家・朝倉の手がこちら。

 

100

 

七筒を切ればタンヤオのシャンポンテンパイだが、ここは中筋の四万を切り1シャンテン維持とする。

そしてその同巡、親の宮内も

一万二万二万三万三万三索四索四索五索八索四筒四筒四筒  ツモ八索  ドラ四索中

こちらの形でドラ切りのテンパイ取りも出来たが、一万四万が薄いことも有り一旦一万切りとして後退。
その後もツモが伸びず、朝倉・宮内の手が再びテンパイすることはなかった。
西家の仲田も、1シャンテンまで手を伸ばすが、有効牌を引かずノーテン。

このリーチがなければ手格好としては誰がアガっていたか分からないような局だったが、3者が慎重に打ち、亜樹の1人テンパイで流局となる。

東4局3本場

7巡目、南家の朝倉が鳴いてゆく。

二万二万四万五万六万六索八索三筒四筒五筒  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ドラ八索

1枚目の二索をポンしてドラ表示牌の七索待ち。ここまで、予選やプレーオフで2枚目の字牌も鳴かないことが多かった朝倉の、決勝ならではの打ち方が現れた仕掛けといえる。
その後仲田のリーチを受けるも、すぐに七索をツモって500・1,000は800・1,300。
しっかりと局をさばいてゆく。

南3局
5巡目北家・宮内の手。

 

100

 

(ツモってきたのは四索)

南家の仲田がオタ風の西北とポンしてマンズが高い状況。
一旦テンパイ外しの八索切りかと思われたがここは真っ直ぐにヤミテンの打五万とする。
染め手に見える仲田の色である五万を先に切った形で、思いきった選択にも見えたがすぐに七索をツモって300・500。宮内らしい素直なアガリで局を進めていく。

南4局
親の仲田の配牌がこちら。

一万一万三万四万五万七万九万二筒二筒六筒九筒九筒白中  ドラ五万

ここから、一万と引いてきた九万をポンして8巡目、この形まで手を育てる。

三万四万五万五万五万六万七万  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き

ドラ3枚使いのチンイツ3メンチャン24,000点。巡目も早く大きな手が決まってしまうと思いきやここは流局。宮内との2人テンパイで局が終了。

その後連荘した仲田がアガ続け、トップで半荘終了。亜樹、宮内、朝倉と続いた。

1回戦結果
仲田+24.6P 亜樹+8.6P 宮内▲3.9P 朝倉▲29.3P 

 

決勝2回戦 亜樹 仲田 宮内 朝倉

南4局

ここまで中々チャンス手が回ってこなかった親の朝倉に大きな手が入る。

 

100

 

四暗刻の1シャンテン。ここからドラの五索を先切りとせず南を切って行く。打ち手によってはここで先にドラを放してしまうもの者も多いだろう。
この時西家・仲田の手がこちら。

二万四万六万八万三索三索三索五索五索二筒四筒四筒五筒  ドラ五索

ドラのポンが入る手がたちだった。
そして朝倉、次巡4枚目のツモ五万
ドラの五索を先に切って仲田がポンしていると、対面に座る仲田にとっては絶好の牌が入っていたことになる。ここで朝倉、五万の暗カンはせずに打五索、一巡遅れてこれを仲田がポンする。

そして朝倉、次巡待望のツモ三筒五万を暗カンし、満を持しての四暗刻リーチとする。

四万四万三筒三筒三筒東東東白白  暗カン牌の背五万 上向き五万 上向き牌の背

この切り順でしかテンパイ出来ない大物手。決勝の舞台での大きなアガリに期待が高まるが、ドラポンの仲田も押し返し、配牌からなかなか手が進まなかった宮内もようやくテンパイし追いかけリーチ。3者による手に汗握る戦いとなったがここは宮内がツモって2,000・4,000。しっかりとラス目から2着に着を上げて半荘を終わらせる。
一方、1回戦4着だった朝倉にとっては厳しい3着落ちとなってしまった。

2回戦結果
亜樹+24.9P 宮内+8.2P 朝倉▲10.7P 仲田▲22.4P

トータル
亜樹+33.5P 宮内+4.3P 仲田+2.2P 朝倉▲40.0P 

 

3回戦 仲田 朝倉 亜樹 宮内

2着、1着と安定してポイントを伸ばした亜樹、そしてそれに続く宮内、仲田までがポイントプラス。一方、ここまで大きくマイナスしている朝倉は、この3回戦が大きな勝負どころとなるだろう。
最終半荘は規定によりそれまでのポイントで席順が決まるため、各者、この半荘での戦い方が大切になってくる。

東1局1本場

10巡目、西家・亜樹が配牌のドラトイツを活かして七対子テンパイ、リーチといく。

六万六万六索六索八索八索九索九索六筒六筒東東西  ドラ東

生牌の南か、1枚切れの西の選択となったが、ここは隙なく西待ちを選択。どちらも山に全て残っている牌だった。受ける3者も各々、1シャンテンまで手を伸ばすが追いつけない。
リーチから6巡、亜樹が自力で西を引き3,000・6,000のツモアガリ。

東2局

6巡目、北家の仲田が仕掛けていく。

一索三索三索三索七索九索四筒白白発  ポン中中中  ドラ五索

ドラ色のホンイツで、小三元・大三元も見える手だ。
しかし一番にテンパイしたのはここでも亜樹。

五万五万五索五索六索六索一筒一筒二筒二筒西西発

仲田の仕掛けに対し、字牌の切りだしは注目が集まる局面、ここでは東発の選択だったが、三元役を想定しここは発単騎のヤミテンとする。

そして仲田も手が進んでこの形。

一索三索三索三索白白発  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン中中中

ここに4枚目の七索を引いてくるが、ここはカンせずリリース。
それを見た亜樹は引いてきた二索もツモ切ってゆく。
そして次巡、仲田が引いたのは4枚目の三索
変則的な捨て牌で染め手に押している亜樹に、発は切りづらくなっていた仲田だったが、この4枚目の牌を引いてのテンパイ、待ちは今切られた二索
ポイント的にもアガリが欲しい仲田が発を切り亜樹に6,400の放銃。
2局連続の七対子ドラドラで、亜樹が一気に5万点近くまで点数を伸ばす。

南2局
ここまで、トータル1位の亜樹がトップ目。ここでもトップを取られてしまうと、3者の最終戦はかなり厳しいものとなってしまう。最短残り3局で、亜樹をどれだけ苦しめることが出来るかが課題となる。

10巡目、初めにテンパイを入れたのは宮内。

 

100

 

一通確定の手を、迷わずにリーチ。
そして次巡、親の朝倉もテンパイ。

三万四万五万六万六万六万七索七索六筒七筒八筒南南  ドラ北

朝倉らしい、丁寧に取っておいた安牌を切っての追い掛けリーチ。
トータルラス目、この親が終わってしまうと優勝への道はかなり厳しいものとなる。どうしてもアガリたいリーチ。
そしてその気持ちが通じたのか、この手をすぐにツモり、この日ほとんど乗らなかった裏ドラを3枚乗せ嬉しい嬉しい6,000オール。
これで朝倉が亜樹をまくり、この半荘のトップ目となる。

そのまま朝倉がトップを守り、最終戦へチャンスをつなげる。そこに亜樹、宮内が続くが、苦しくなってしまったのは連続4着の仲田。持ち味の攻撃力で、一発逆転を狙ってゆけるか。

3回戦結果
朝倉+34.0P 亜樹+14.4P 宮内▲12.4P 仲田▲33.9P

トータル
亜樹+45.8P 朝倉▲6.0P 宮内▲8.1P 仲田▲31.7P

 

最終戦
亜樹+45.8 朝倉▲6.0 宮内▲8.1 仲田▲31.7

27戦を経てきた女流プロ日本シリーズ2017もついに最終半荘となった。
ここまで、2着、トップ、2着の二階堂亜樹が1人浮きとなり、かなり優位な位置に立った。
対する3者は、亜樹との差を着順のウマと素点でどのように縮めていくかの戦いになっていく。
泣いても笑っても、これが最後。決勝最終半荘が今はじまった。
※日本プロ麻雀連盟の競技規定により、席順はトータル2位→3位→4位→1位でのスタート。

東1局

そんな3人の意図とは裏腹に、北家・亜樹の手がいい。なんと開局3巡目のリーチ。

捨て牌
北二万 上向き八万 左向き

それを受けて1発目、西家・仲田の手がこちら。

 

100

 

手の中に亜樹の現物はない。
放銃の可能性をなるべく抑える発切り、効率通りに手をまっすぐ進めるなら打三索、345の変化を見つつ、ツモ七索でもテンパイを取れる打六索。様々な選択肢のある中で、仲田が選んだのは打九索
2巡の間しのぎつつ、ドラの受け入れを残し、234・345の三色の可能性も残す一打だ。
この局面において冷静に最も柔軟に攻めを選んだ仲田らしい一打だといえる。

しかしその九索が亜樹への放銃となる。

二索三索四索七索八索六筒七筒八筒九筒九筒東東東  ロン九索  ドラ二索

リーチ・一発・東・ドラの8,000点。
役ありのテンパイだが、ここは攻めのリーチ選択をした亜樹に嬉しいアガリとなる。
一方仲田にとって、そして他の2名にとっても、不穏な半荘スタートとなった。

東2局1本場

またしても南家・仲田の選択。

 

100

 

親の宮内が発を、西家の亜樹が白を仕掛けている局面。
効率で考えれば二索五索切りだが、仲田の選択は四万。567の可能性を追う六万もあったが、場に打たれている枚数で四万を外し、ドラのまたぎの五索八索を極力打たない選択をする。

この時の亜樹の手牌はこの形。

五万七万八万八万六索七索七筒八筒九筒西  ポン白白白  ドラ六索

五索八索六万も欲しい手であった。
そして次巡、仲田が嬉しいツモ六索でテンパイ、3枚持ちの五索八索を使いきり、六万を勝負してリーチといく。

四万五万六万二索三索四索五索六索七索八索八索五筒六筒

亜樹もその六万をチー、トータル4番手の仲田のリーチに応戦の構えだ。
戦いの行末に注目が集まったが、仲田がすぐに7枚目の五索八索を掴み、亜樹に2,000は2,300の放銃。

上手く立ち回り攻めた仲田だったが、ここでも亜樹に絡めとられてしまい、苦しい展開となる。

南1局2本場

ここまでの点数状況は、朝倉17.1P 宮内31.4P 仲田34.1P 亜樹37.4P
10巡目、どうしても連荘したい親の朝倉に大物手のテンパイが入る。

三万四万五万六万六万六索六索六索六筒七筒東東東  ドラ東

リーチをかけツモって6,000オールとなる手、ポイントが欲しいこの状況ならその選択もあったがここはヤミテン。亜樹からの直撃を狙う。
局が長引き、各者の手にかかる牌に注目が集まるが、ここは誰も五筒八筒を切ることなく流局。
残り4枚の五筒八筒はすべて王牌に眠っていた。

南2局

6巡目、西家・亜樹の手が早い。

二万二万三万四万五万一索二索三索四筒七筒七筒七筒八筒  ツモ五万  ドラ九万

ここはピンフの役ありテンパイを目指してここは四筒切りとする。
東1局は役ありもリーチと構えた亜樹だが、ここではしっかりとヤミテンに出来る手組をしていく。
次巡、九筒を引き、ひとまず五万を切って、二万七筒の役なしテンパイにとる。
そして8巡後、手変わりを待たずに二万をツモり300・500。

ゆっくりと、しかし確実に、優勝への階段をのぼっていく。

南3局も亜樹が自力で400・700をアガリ局を進めていく。

そしてオーラス、3者に与えられたまくり条件は、宮内役満ツモ三倍満直、朝倉ダブル役満ツモ三倍満直、仲田ダブル役満ツモ役満直、とかなり厳しいものとなった。
この局、亜樹が三倍満や役満は放銃することも、3者がツモ上がることもなく、半荘が終わる。

4位朝倉ゆかり
「もう少し腹をくくらないといけないところがあったと思います。自分の中ではディフェンスによってしまう時は良くない時が多い気がしていて、もう少し勝負できたらよかったのですが、足りなかったと思います。」

3位宮内こずえ
「亜樹ちゃんが強すぎました。見逃しをしてもいい局面もあったかもしれません。また映像を見直して、勉強しなおしたいと思います。」

2位仲田加南
「今日は亜樹さんにばかり放銃してしまい、捕まっているのをどこかで止めなくてはいけなかった。ツキはあったと思うのですが技術が足りなかったです。」

優勝二階堂亜樹
「ものすごく手が良かったわけでも、ものすごくツキがあった訳でもなかったのですが、とにかく展開に恵まれました。最後まで気を抜かずに打とうと心がけていましたが、最終戦の南2局、なかなか手変わらないシャンポンのテンパイをツモ上がれた時に、優勝を意識しました。」

長かった28半荘が終わり、女流プロ日本シリーズ2017は、二階堂亜樹の優勝で幕を閉じた。
昨年は女流モンド杯優勝に戦術本の出版、そして今年は最強戦の女流プロ代表決定戦を勝ち、夏には自身の半生を描いたコミックスが映画化される。
決勝戦を見ていた誰かが言った。

「今年は亜樹の年になる。」

プロになって18年、常に女流プロの最前線を走り続けていた二階堂亜樹の活躍から、これからも目が離せない。

 

100

100

 

麻雀日本シリーズ/女流プロ麻雀日本シリーズ2017 決勝戦レポート 楠原 遊

3月12日、女流プロ麻雀日本シリーズ2017の決勝戦が行われた。
全4節の予選と、プレーオフを経て勝ち進んだプレーヤーは以下の4名。(敬称略)
 
100
 
仲田加南
日本プロ麻雀連盟所属。現女流桜花。予選・プレーオフ1位通過。
 
100
 
朝倉ゆかり
日本プロ麻雀協会所属。現女流雀王。予選・プレーオフ2位通過。
 
100
 
宮内こずえ
日本プロ麻雀連盟所属。現プロクイーン。予選・プレーオフ3位通過。
 
100
 
二階堂亜樹
日本プロ麻雀連盟所属。女流モンド杯優勝。予選・プレーオフ4位通過。
 
予選序盤で四暗刻をアガリ、その後も終始安定した成績を守った仲田、敗退圏内から強い麻雀でぐいぐいとポイントを伸ばし2位まで上りつめた宮内、そして大きなトップやラスがなく各回素点を守り続けて常に上位にいた朝倉。そして最後に守備型というイメージを大きく覆し、要所でしっかりとした攻めを見せ決勝進出を果たした亜樹。
決勝はこれまでのポイントをリセットして4回戦。
個性的な4名の打ち手が集まり、ここから女流プロ日本一を決める熱い戦いが始まった。
 
決勝1回戦 朝倉 宮内 亜樹 仲田
ポイントをフラットにして決勝1回戦。初戦のトップは一体誰が手にするか。
東2局1本場
8巡目、先手でリーチを掛けたのは南家・亜樹。
六万六万七万八万九万七索八索九索三筒三筒三筒五筒六筒  ドラ四索
このリーチを受け北家・朝倉の手がこちら。
 
100
 
七筒を切ればタンヤオのシャンポンテンパイだが、ここは中筋の四万を切り1シャンテン維持とする。
そしてその同巡、親の宮内も
一万二万二万三万三万三索四索四索五索八索四筒四筒四筒  ツモ八索  ドラ四索中
こちらの形でドラ切りのテンパイ取りも出来たが、一万四万が薄いことも有り一旦一万切りとして後退。
その後もツモが伸びず、朝倉・宮内の手が再びテンパイすることはなかった。
西家の仲田も、1シャンテンまで手を伸ばすが、有効牌を引かずノーテン。
このリーチがなければ手格好としては誰がアガっていたか分からないような局だったが、3者が慎重に打ち、亜樹の1人テンパイで流局となる。
東4局3本場
7巡目、南家の朝倉が鳴いてゆく。
二万二万四万五万六万六索八索三筒四筒五筒  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ドラ八索
1枚目の二索をポンしてドラ表示牌の七索待ち。ここまで、予選やプレーオフで2枚目の字牌も鳴かないことが多かった朝倉の、決勝ならではの打ち方が現れた仕掛けといえる。
その後仲田のリーチを受けるも、すぐに七索をツモって500・1,000は800・1,300。
しっかりと局をさばいてゆく。
南3局
5巡目北家・宮内の手。
 
100
 
(ツモってきたのは四索)
南家の仲田がオタ風の西北とポンしてマンズが高い状況。
一旦テンパイ外しの八索切りかと思われたがここは真っ直ぐにヤミテンの打五万とする。
染め手に見える仲田の色である五万を先に切った形で、思いきった選択にも見えたがすぐに七索をツモって300・500。宮内らしい素直なアガリで局を進めていく。
南4局
親の仲田の配牌がこちら。
一万一万三万四万五万七万九万二筒二筒六筒九筒九筒白中  ドラ五万
ここから、一万と引いてきた九万をポンして8巡目、この形まで手を育てる。
三万四万五万五万五万六万七万  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き
ドラ3枚使いのチンイツ3メンチャン24,000点。巡目も早く大きな手が決まってしまうと思いきやここは流局。宮内との2人テンパイで局が終了。
その後連荘した仲田がアガ続け、トップで半荘終了。亜樹、宮内、朝倉と続いた。
1回戦結果
仲田+24.6P 亜樹+8.6P 宮内▲3.9P 朝倉▲29.3P 
 
決勝2回戦 亜樹 仲田 宮内 朝倉
南4局
ここまで中々チャンス手が回ってこなかった親の朝倉に大きな手が入る。
 
100
 
四暗刻の1シャンテン。ここからドラの五索を先切りとせず南を切って行く。打ち手によってはここで先にドラを放してしまうもの者も多いだろう。
この時西家・仲田の手がこちら。
二万四万六万八万三索三索三索五索五索二筒四筒四筒五筒  ドラ五索
ドラのポンが入る手がたちだった。
そして朝倉、次巡4枚目のツモ五万
ドラの五索を先に切って仲田がポンしていると、対面に座る仲田にとっては絶好の牌が入っていたことになる。ここで朝倉、五万の暗カンはせずに打五索、一巡遅れてこれを仲田がポンする。
そして朝倉、次巡待望のツモ三筒五万を暗カンし、満を持しての四暗刻リーチとする。
四万四万三筒三筒三筒東東東白白  暗カン牌の背五万 上向き五万 上向き牌の背
この切り順でしかテンパイ出来ない大物手。決勝の舞台での大きなアガリに期待が高まるが、ドラポンの仲田も押し返し、配牌からなかなか手が進まなかった宮内もようやくテンパイし追いかけリーチ。3者による手に汗握る戦いとなったがここは宮内がツモって2,000・4,000。しっかりとラス目から2着に着を上げて半荘を終わらせる。
一方、1回戦4着だった朝倉にとっては厳しい3着落ちとなってしまった。
2回戦結果
亜樹+24.9P 宮内+8.2P 朝倉▲10.7P 仲田▲22.4P
トータル
亜樹+33.5P 宮内+4.3P 仲田+2.2P 朝倉▲40.0P 
 
3回戦 仲田 朝倉 亜樹 宮内
2着、1着と安定してポイントを伸ばした亜樹、そしてそれに続く宮内、仲田までがポイントプラス。一方、ここまで大きくマイナスしている朝倉は、この3回戦が大きな勝負どころとなるだろう。
最終半荘は規定によりそれまでのポイントで席順が決まるため、各者、この半荘での戦い方が大切になってくる。
東1局1本場
10巡目、西家・亜樹が配牌のドラトイツを活かして七対子テンパイ、リーチといく。
六万六万六索六索八索八索九索九索六筒六筒東東西  ドラ東
生牌の南か、1枚切れの西の選択となったが、ここは隙なく西待ちを選択。どちらも山に全て残っている牌だった。受ける3者も各々、1シャンテンまで手を伸ばすが追いつけない。
リーチから6巡、亜樹が自力で西を引き3,000・6,000のツモアガリ。
東2局
6巡目、北家の仲田が仕掛けていく。
一索三索三索三索七索九索四筒白白発  ポン中中中  ドラ五索
ドラ色のホンイツで、小三元・大三元も見える手だ。
しかし一番にテンパイしたのはここでも亜樹。
五万五万五索五索六索六索一筒一筒二筒二筒西西発
仲田の仕掛けに対し、字牌の切りだしは注目が集まる局面、ここでは東発の選択だったが、三元役を想定しここは発単騎のヤミテンとする。
そして仲田も手が進んでこの形。
一索三索三索三索白白発  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン中中中
ここに4枚目の七索を引いてくるが、ここはカンせずリリース。
それを見た亜樹は引いてきた二索もツモ切ってゆく。
そして次巡、仲田が引いたのは4枚目の三索
変則的な捨て牌で染め手に押している亜樹に、発は切りづらくなっていた仲田だったが、この4枚目の牌を引いてのテンパイ、待ちは今切られた二索
ポイント的にもアガリが欲しい仲田が発を切り亜樹に6,400の放銃。
2局連続の七対子ドラドラで、亜樹が一気に5万点近くまで点数を伸ばす。
南2局
ここまで、トータル1位の亜樹がトップ目。ここでもトップを取られてしまうと、3者の最終戦はかなり厳しいものとなってしまう。最短残り3局で、亜樹をどれだけ苦しめることが出来るかが課題となる。
10巡目、初めにテンパイを入れたのは宮内。
 
100
 
一通確定の手を、迷わずにリーチ。
そして次巡、親の朝倉もテンパイ。
三万四万五万六万六万六万七索七索六筒七筒八筒南南  ドラ北
朝倉らしい、丁寧に取っておいた安牌を切っての追い掛けリーチ。
トータルラス目、この親が終わってしまうと優勝への道はかなり厳しいものとなる。どうしてもアガリたいリーチ。
そしてその気持ちが通じたのか、この手をすぐにツモり、この日ほとんど乗らなかった裏ドラを3枚乗せ嬉しい嬉しい6,000オール。
これで朝倉が亜樹をまくり、この半荘のトップ目となる。
そのまま朝倉がトップを守り、最終戦へチャンスをつなげる。そこに亜樹、宮内が続くが、苦しくなってしまったのは連続4着の仲田。持ち味の攻撃力で、一発逆転を狙ってゆけるか。
3回戦結果
朝倉+34.0P 亜樹+14.4P 宮内▲12.4P 仲田▲33.9P
トータル
亜樹+45.8P 朝倉▲6.0P 宮内▲8.1P 仲田▲31.7P
 
最終戦
亜樹+45.8 朝倉▲6.0 宮内▲8.1 仲田▲31.7
27戦を経てきた女流プロ日本シリーズ2017もついに最終半荘となった。
ここまで、2着、トップ、2着の二階堂亜樹が1人浮きとなり、かなり優位な位置に立った。
対する3者は、亜樹との差を着順のウマと素点でどのように縮めていくかの戦いになっていく。
泣いても笑っても、これが最後。決勝最終半荘が今はじまった。
※日本プロ麻雀連盟の競技規定により、席順はトータル2位→3位→4位→1位でのスタート。
東1局
そんな3人の意図とは裏腹に、北家・亜樹の手がいい。なんと開局3巡目のリーチ。
捨て牌
北二万 上向き八万 左向き
それを受けて1発目、西家・仲田の手がこちら。
 
100
 
手の中に亜樹の現物はない。
放銃の可能性をなるべく抑える発切り、効率通りに手をまっすぐ進めるなら打三索、345の変化を見つつ、ツモ七索でもテンパイを取れる打六索。様々な選択肢のある中で、仲田が選んだのは打九索
2巡の間しのぎつつ、ドラの受け入れを残し、234・345の三色の可能性も残す一打だ。
この局面において冷静に最も柔軟に攻めを選んだ仲田らしい一打だといえる。
しかしその九索が亜樹への放銃となる。
二索三索四索七索八索六筒七筒八筒九筒九筒東東東  ロン九索  ドラ二索
リーチ・一発・東・ドラの8,000点。
役ありのテンパイだが、ここは攻めのリーチ選択をした亜樹に嬉しいアガリとなる。
一方仲田にとって、そして他の2名にとっても、不穏な半荘スタートとなった。
東2局1本場
またしても南家・仲田の選択。
 
100
 
親の宮内が発を、西家の亜樹が白を仕掛けている局面。
効率で考えれば二索五索切りだが、仲田の選択は四万。567の可能性を追う六万もあったが、場に打たれている枚数で四万を外し、ドラのまたぎの五索八索を極力打たない選択をする。
この時の亜樹の手牌はこの形。
五万七万八万八万六索七索七筒八筒九筒西  ポン白白白  ドラ六索
五索八索六万も欲しい手であった。
そして次巡、仲田が嬉しいツモ六索でテンパイ、3枚持ちの五索八索を使いきり、六万を勝負してリーチといく。
四万五万六万二索三索四索五索六索七索八索八索五筒六筒
亜樹もその六万をチー、トータル4番手の仲田のリーチに応戦の構えだ。
戦いの行末に注目が集まったが、仲田がすぐに7枚目の五索八索を掴み、亜樹に2,000は2,300の放銃。
上手く立ち回り攻めた仲田だったが、ここでも亜樹に絡めとられてしまい、苦しい展開となる。
南1局2本場
ここまでの点数状況は、朝倉17.1P 宮内31.4P 仲田34.1P 亜樹37.4P
10巡目、どうしても連荘したい親の朝倉に大物手のテンパイが入る。
三万四万五万六万六万六索六索六索六筒七筒東東東  ドラ東
リーチをかけツモって6,000オールとなる手、ポイントが欲しいこの状況ならその選択もあったがここはヤミテン。亜樹からの直撃を狙う。
局が長引き、各者の手にかかる牌に注目が集まるが、ここは誰も五筒八筒を切ることなく流局。
残り4枚の五筒八筒はすべて王牌に眠っていた。
南2局
6巡目、西家・亜樹の手が早い。
二万二万三万四万五万一索二索三索四筒七筒七筒七筒八筒  ツモ五万  ドラ九万
ここはピンフの役ありテンパイを目指してここは四筒切りとする。
東1局は役ありもリーチと構えた亜樹だが、ここではしっかりとヤミテンに出来る手組をしていく。
次巡、九筒を引き、ひとまず五万を切って、二万七筒の役なしテンパイにとる。
そして8巡後、手変わりを待たずに二万をツモり300・500。
ゆっくりと、しかし確実に、優勝への階段をのぼっていく。
南3局も亜樹が自力で400・700をアガリ局を進めていく。
そしてオーラス、3者に与えられたまくり条件は、宮内役満ツモ三倍満直、朝倉ダブル役満ツモ三倍満直、仲田ダブル役満ツモ役満直、とかなり厳しいものとなった。
この局、亜樹が三倍満や役満は放銃することも、3者がツモ上がることもなく、半荘が終わる。
4位朝倉ゆかり
「もう少し腹をくくらないといけないところがあったと思います。自分の中ではディフェンスによってしまう時は良くない時が多い気がしていて、もう少し勝負できたらよかったのですが、足りなかったと思います。」
3位宮内こずえ
「亜樹ちゃんが強すぎました。見逃しをしてもいい局面もあったかもしれません。また映像を見直して、勉強しなおしたいと思います。」
2位仲田加南
「今日は亜樹さんにばかり放銃してしまい、捕まっているのをどこかで止めなくてはいけなかった。ツキはあったと思うのですが技術が足りなかったです。」
優勝二階堂亜樹
「ものすごく手が良かったわけでも、ものすごくツキがあった訳でもなかったのですが、とにかく展開に恵まれました。最後まで気を抜かずに打とうと心がけていましたが、最終戦の南2局、なかなか手変わらないシャンポンのテンパイをツモ上がれた時に、優勝を意識しました。」
長かった28半荘が終わり、女流プロ日本シリーズ2017は、二階堂亜樹の優勝で幕を閉じた。
昨年は女流モンド杯優勝に戦術本の出版、そして今年は最強戦の女流プロ代表決定戦を勝ち、夏には自身の半生を描いたコミックスが映画化される。
決勝戦を見ていた誰かが言った。
「今年は亜樹の年になる。」
プロになって18年、常に女流プロの最前線を走り続けていた二階堂亜樹の活躍から、これからも目が離せない。
 
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天鳳位vs.連盟プロ 2nd season 第4節終了時成績表

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 勝又健志 31.1 10.9 ▲ 12.3 11.5 7.2 20.3 17.0 18.3 104.0
2 前原雄大 37.4 8.8 ▲ 19.8 25.2 21.1 ▲ 5.6 ▲ 1.3 3.5 69.3
3 就活生@川村軍団
(9代目天鳳位)
17.6 21.6 5.8 55.6 ▲ 21.5 32.7 ▲ 23.5 ▲ 23.0 65.3
4 瀬戸熊直樹 12.0 ▲ 5.7 ▲ 10.1 22.0 ▲ 15.5 5.1 31.0 ▲ 4.7 34.1
5 すずめクレイジー
(4代目天鳳位)
▲ 2.0 ▲ 19.1 ▲ 14.1 ▲ 32.0 22.9 20.5 ▲ 6.2 19.1 ▲ 10.9
6 かにマジン
(8代目天鳳位)
▲ 22.4 ▲ 2.4 ▲ 30.4 11.8 36.8 ▲ 16.8 5.3 6.1 ▲ 12.0
7 前田直哉 ▲ 7.2 ▲ 21.8 2.4 15.0 26.6 ▲ 20.2 ▲ 4.7 ▲ 19.7 ▲ 29.6
8 独歩
(3代目天鳳位)
23.1 ▲ 16.5 ▲ 8.7 ▲ 59.0 ▲ 8.1 ▲ 24.4 1.2 26.9 ▲ 65.5
9 藤崎智 ▲ 4.5 ▲ 15.0 ▲ 27.1 ▲ 6.7 13.5 ▲ 9.2 2.1 ▲ 20.5 ▲ 67.4
10 ASAPIN
(初代・11代目天鳳位)
▲ 24.6 ▲ 37.2 17.8 10.9 ▲ 18.5 5.7 ▲ 39.9 ▲ 2.5 ▲ 108.3

特集企画/天鳳位vs.連盟プロ 2nd season 第4節終了時成績表

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 勝又健志 31.1 10.9 ▲ 12.3 11.5 7.2 20.3 17.0 18.3 104.0
2 前原雄大 37.4 8.8 ▲ 19.8 25.2 21.1 ▲ 5.6 ▲ 1.3 3.5 69.3
3 就活生@川村軍団
(9代目天鳳位)
17.6 21.6 5.8 55.6 ▲ 21.5 32.7 ▲ 23.5 ▲ 23.0 65.3
4 瀬戸熊直樹 12.0 ▲ 5.7 ▲ 10.1 22.0 ▲ 15.5 5.1 31.0 ▲ 4.7 34.1
5 すずめクレイジー
(4代目天鳳位)
▲ 2.0 ▲ 19.1 ▲ 14.1 ▲ 32.0 22.9 20.5 ▲ 6.2 19.1 ▲ 10.9
6 かにマジン
(8代目天鳳位)
▲ 22.4 ▲ 2.4 ▲ 30.4 11.8 36.8 ▲ 16.8 5.3 6.1 ▲ 12.0
7 前田直哉 ▲ 7.2 ▲ 21.8 2.4 15.0 26.6 ▲ 20.2 ▲ 4.7 ▲ 19.7 ▲ 29.6
8 独歩
(3代目天鳳位)
23.1 ▲ 16.5 ▲ 8.7 ▲ 59.0 ▲ 8.1 ▲ 24.4 1.2 26.9 ▲ 65.5
9 藤崎智 ▲ 4.5 ▲ 15.0 ▲ 27.1 ▲ 6.7 13.5 ▲ 9.2 2.1 ▲ 20.5 ▲ 67.4
10 ASAPIN
(初代・11代目天鳳位)
▲ 24.6 ▲ 37.2 17.8 10.9 ▲ 18.5 5.7 ▲ 39.9 ▲ 2.5 ▲ 108.3

第161回:第1期WRCリーグ優勝特別インタビュー 羽山 真生  インタビュアー:和久津 晶

100

 

皆様いかがお過ごしでしょうか!

今回のインタビューは「雀荘のおやじ」こと羽山真生プロ。
第1期WRCリーグ優勝についてお届けしたいと思います。
インタビュアーは淑女なわたくし、和久津晶がつとめます。

面白くないですねすみません。
それではよろしくお願いいたします!

早速羽山プロから

「いつ空いてる?俺20日まで東京いるよ!」
とメールが飛んできたので、

「麻雀と同じで積極的だなあ、、、」
と思いながらグランプリMAX一次予選後なら空いていると伝えると

「じゃあその日にしよう、終わったら連絡してー」

相手に合わせる対応型。
O型の私が何も連絡せず(むしろ忘れてた)にいると、二次から出場の羽山が、気付いたら会場で観戦をしていた。

私と羽山はまあまあ前から仲が良い。
どの位かと言うと、一緒にカラオケに行くとマイクを奪い合う、くらいの仲だ。
もちろん会計は羽山社長だが。

和久津「ごめんごめん終わったよー!」

羽山 「いやー明日古川さんとだわー!」

和久津「悪かったねあたしじゃなくて」

羽山 「どうする?今日行ける?」

和久津「え?勿論。ってか無理ですね、とか言ったらどーすんのよ」

羽山 「明日も空いてますよ」

こんな感じである。

羽山真生
四段、27期生、来期からC3リーグ所属。
1975年9月14日生まれ、A型。

現在は名古屋在住で、対局の度に新幹線で通っている。
確か前は滋賀から、その前は福岡から来てた気がするなー。
私が10代の頃から知り合っているので、付き合いはそろそろ20年近いか。

皆様、意外に若くてびっくりしました??
見た目、所作、おなか周りは正に「雀荘のおやじ」。
ハンドルネームは譲りますよ。

知っているマニアな方もいらっしゃると思いますが、羽山はアマ時代、今から19年も前にG1タイトル王位を獲得し見事連覇。

「もっと遠くへ行きたいと願った たった一度生まれてきた奇跡は計り知れない だからこそ怖いのかもしれないレールに乗っかるのも無限に広がる自由も」

羽山「当時は大学3年生だったからなあ。就職活動してて、全部駄目だったら麻雀プロになろうかとも考えていたけど」

羽山は現在会社員。結婚して中2と小2のお子様がいる。

和久津「色々と余裕が出来たから麻雀プロしてみようかなーて感じ?」

羽山「1つ目の理由は王位戦のシード権が切れたこと。」

和久津「まだあんの」

羽山「こっからが大事だから聞いてよ!あのね、当時僕が王位を獲った時に瀬戸熊さんが」

和久津「大先生と呼びなさい」

羽山「瀬戸熊大先生が、羽山が勝てるなら僕も勝てるからプロになろう、って言ってプロになったんですよ」

和久津「自慢かい!若干ディスられてるじゃん!」

羽山「そうなんだけどね。そうしたら瀬戸熊さんが鳳凰位になったから俺も出来るかなって思って試験を受けたんですよ。なんだけど全然リーグ上がらなくてタイトル戦もダメで、大変だけどWRCリーグ参加しよう!って訳だったのよ」

確かに、WRCリーグは地方プロが参加するのは大変である。
5節参加して負けなら交通費と時間の大きなダメージをくらう。

羽山「瀬戸熊さんに、羽山さんは過去の人だからなあ 笑、と言われてやる気になりました。」

和久津「ほらね大先生のおかげじゃん!感謝して!」

羽山「勿論です。それと会社の皆様にスケジュール等で大変ご迷惑おかけしたにも関わらず負けましたーじゃ申し訳なくて。」

なるほどそういうプレッシャーもあるのかー。
先日の地方リーグチャンピオンシップ、地方の代表として戦った選手達の気持ちを、ちょっと想像しただけで胸が苦しい。

「何処まで行ってもゴールはいつも心の中にあるものだから、どの十字路が繋ぐ未来へも目の前の一瞬に全てを捧げて」

自分で決めた事ではあるが、自分だけの物ではない。それが人道を行く麻雀プロの忘れてはならない真実か。

和久津「そー言えば麻雀の話してなかった。あれ良かったねオーラスのフリテンリーチ」

羽山「それベスト8」

和久津「あそーだっけか。アレも良かったじゃん」

羽山「それはバトジェネね、、、」

和久津「まじか。んじゃ羽山さん的なベストショット教えてよ」

羽山「菊原プロのタブリーにゼンツして三万六万で追っかけたやつ!」

和久津「あれね!鳴いたらツモられてたやつだ」

羽山「そうあの親が続いたのが良かったかなと。」

和久津「随分と謙虚な感じですね。どやどやしてよ」

羽山「いや今回は本当に恵まれて、他の選手の方々のほうが我慢我慢の麻雀でしたから。」

和久津「まさか羽山さんの口からそんな言葉が!これ別に録音とかしてないよ??」

羽山「ホントに思ってますから!ただ、二度と来ないチャンスかも知れないから力が入り過ぎて、所作が荒々しくなってしまったのが申し訳なく、、、。」

和久津「やっぱ変わったよねー」

実は今回、もしかしたら羽山が勝つんじゃないか、と思っていた。
正確には、勝つ可能性が出た、だが。
偉そうに言っているつもりはない(実際自分は全然勝ってはいないし、、)。

麻雀プロの試験を受けに来るには、皆何かしらの自信を持ってくる。
羽山の場合はプラス「実績」も持ってきた。

なりたての頃よく

「上家が全然意味不明の鳴きするから」
「下家が親に3フーロもさせてべたおりして」

とかリーグ戦の後は文句ばっかり言っていた。
これは羽山に限らずだが。

ある日から突然言わなくなった。
C3リーグに降級した日からだ。

羽山「落ちたからには自分に原因があると思います。勉強し直します」

羽山は明らかに「変わった」のだ。

「何度だってやり直せる だけど今は二度と来ない 進んで行くのさ時代のせいや誰かのせいにするくらいならもう一度夢を」

 

100

 

和久津「あとなんかある?インタビューて。羽山さんの女性のタイプとか?」

羽山「結婚しとるがな!」

和久津「あそーね。じゃーお肉食べていい?おなか空いたー。ゆーみんに全部食われるー」

魚谷「これ一人一皿だから大丈夫です」

和久津「まじか!贅沢ー!」

一次で敗退した魚谷プロが可愛い顔して待っていたので連れてきた。

魚谷「糖質制限中だからお肉がいい!」

和久津「じゃーここ入ろー(手前のホルモン屋)」

魚谷「あっちがいい!(奥のしゃぶしゃぶ割烹)」

羽山「はいはい分かりました」

和久津、魚谷「羽山さんご馳走様でーす!」

羽山「わしのインタビューやないんかい!」

羽山は見た目よりも年上に思われる事が多い。多いというかほとんどか。
それでもみんなに

「えー羽山さんそんな若いの?見えない!」
「羽山さんマナー悪っ!」
「ウィングツモうざっ!」

とかいつもめちゃめちゃに言われている。
みんな羽山が怒らないのを知っているからだ。

それって凄いことじゃないですか。
真面目で気さくで頭が良く(少々理屈っぽくもあるが)、家族や友達思い(特に女子に甘い)、勉強熱心で向上心の塊。
これに謙虚な姿勢(麻雀中は勘弁してあげて)が加わった、今まさに勝つべくして勝った愛すべし戦士!

羽山真生はこれからどんどん活躍し、好感度もちょっとずつ上がっていくことだろう。
期待の意味も込めて。

とりま羽山さん、優勝ホントにおめでとう。
過去の人じゃなくて良かったです。笑

文中の言葉はレミオロメンさんから。
地方から頑張る全ての麻雀プロへ、もっと遠くへ!

「諦めないで その心が決めた道を走り抜けて 強い風が吹いた日こそ誰よりも早く強く美しく 駆け抜けてよ夢の中を 光の方へ闇を裂いて」

プロ雀士インタビュー/第161回:第1期WRCリーグ優勝特別インタビュー 羽山 真生  インタビュアー:和久津 晶

100

 
皆様いかがお過ごしでしょうか!
今回のインタビューは「雀荘のおやじ」こと羽山真生プロ。
第1期WRCリーグ優勝についてお届けしたいと思います。
インタビュアーは淑女なわたくし、和久津晶がつとめます。
面白くないですねすみません。
それではよろしくお願いいたします!
早速羽山プロから
「いつ空いてる?俺20日まで東京いるよ!」
とメールが飛んできたので、
「麻雀と同じで積極的だなあ、、、」
と思いながらグランプリMAX一次予選後なら空いていると伝えると
「じゃあその日にしよう、終わったら連絡してー」
相手に合わせる対応型。
O型の私が何も連絡せず(むしろ忘れてた)にいると、二次から出場の羽山が、気付いたら会場で観戦をしていた。
私と羽山はまあまあ前から仲が良い。
どの位かと言うと、一緒にカラオケに行くとマイクを奪い合う、くらいの仲だ。
もちろん会計は羽山社長だが。
和久津「ごめんごめん終わったよー!」
羽山 「いやー明日古川さんとだわー!」
和久津「悪かったねあたしじゃなくて」
羽山 「どうする?今日行ける?」
和久津「え?勿論。ってか無理ですね、とか言ったらどーすんのよ」
羽山 「明日も空いてますよ」
こんな感じである。
羽山真生
四段、27期生、来期からC3リーグ所属。
1975年9月14日生まれ、A型。
現在は名古屋在住で、対局の度に新幹線で通っている。
確か前は滋賀から、その前は福岡から来てた気がするなー。
私が10代の頃から知り合っているので、付き合いはそろそろ20年近いか。
皆様、意外に若くてびっくりしました??
見た目、所作、おなか周りは正に「雀荘のおやじ」。
ハンドルネームは譲りますよ。
知っているマニアな方もいらっしゃると思いますが、羽山はアマ時代、今から19年も前にG1タイトル王位を獲得し見事連覇。
「もっと遠くへ行きたいと願った たった一度生まれてきた奇跡は計り知れない だからこそ怖いのかもしれないレールに乗っかるのも無限に広がる自由も」
羽山「当時は大学3年生だったからなあ。就職活動してて、全部駄目だったら麻雀プロになろうかとも考えていたけど」
羽山は現在会社員。結婚して中2と小2のお子様がいる。
和久津「色々と余裕が出来たから麻雀プロしてみようかなーて感じ?」
羽山「1つ目の理由は王位戦のシード権が切れたこと。」
和久津「まだあんの」
羽山「こっからが大事だから聞いてよ!あのね、当時僕が王位を獲った時に瀬戸熊さんが」
和久津「大先生と呼びなさい」
羽山「瀬戸熊大先生が、羽山が勝てるなら僕も勝てるからプロになろう、って言ってプロになったんですよ」
和久津「自慢かい!若干ディスられてるじゃん!」
羽山「そうなんだけどね。そうしたら瀬戸熊さんが鳳凰位になったから俺も出来るかなって思って試験を受けたんですよ。なんだけど全然リーグ上がらなくてタイトル戦もダメで、大変だけどWRCリーグ参加しよう!って訳だったのよ」
確かに、WRCリーグは地方プロが参加するのは大変である。
5節参加して負けなら交通費と時間の大きなダメージをくらう。
羽山「瀬戸熊さんに、羽山さんは過去の人だからなあ 笑、と言われてやる気になりました。」
和久津「ほらね大先生のおかげじゃん!感謝して!」
羽山「勿論です。それと会社の皆様にスケジュール等で大変ご迷惑おかけしたにも関わらず負けましたーじゃ申し訳なくて。」
なるほどそういうプレッシャーもあるのかー。
先日の地方リーグチャンピオンシップ、地方の代表として戦った選手達の気持ちを、ちょっと想像しただけで胸が苦しい。
「何処まで行ってもゴールはいつも心の中にあるものだから、どの十字路が繋ぐ未来へも目の前の一瞬に全てを捧げて」
自分で決めた事ではあるが、自分だけの物ではない。それが人道を行く麻雀プロの忘れてはならない真実か。
和久津「そー言えば麻雀の話してなかった。あれ良かったねオーラスのフリテンリーチ」
羽山「それベスト8」
和久津「あそーだっけか。アレも良かったじゃん」
羽山「それはバトジェネね、、、」
和久津「まじか。んじゃ羽山さん的なベストショット教えてよ」
羽山「菊原プロのタブリーにゼンツして三万六万で追っかけたやつ!」
和久津「あれね!鳴いたらツモられてたやつだ」
羽山「そうあの親が続いたのが良かったかなと。」
和久津「随分と謙虚な感じですね。どやどやしてよ」
羽山「いや今回は本当に恵まれて、他の選手の方々のほうが我慢我慢の麻雀でしたから。」
和久津「まさか羽山さんの口からそんな言葉が!これ別に録音とかしてないよ??」
羽山「ホントに思ってますから!ただ、二度と来ないチャンスかも知れないから力が入り過ぎて、所作が荒々しくなってしまったのが申し訳なく、、、。」
和久津「やっぱ変わったよねー」
実は今回、もしかしたら羽山が勝つんじゃないか、と思っていた。
正確には、勝つ可能性が出た、だが。
偉そうに言っているつもりはない(実際自分は全然勝ってはいないし、、)。
麻雀プロの試験を受けに来るには、皆何かしらの自信を持ってくる。
羽山の場合はプラス「実績」も持ってきた。
なりたての頃よく
「上家が全然意味不明の鳴きするから」
「下家が親に3フーロもさせてべたおりして」
とかリーグ戦の後は文句ばっかり言っていた。
これは羽山に限らずだが。
ある日から突然言わなくなった。
C3リーグに降級した日からだ。
羽山「落ちたからには自分に原因があると思います。勉強し直します」
羽山は明らかに「変わった」のだ。
「何度だってやり直せる だけど今は二度と来ない 進んで行くのさ時代のせいや誰かのせいにするくらいならもう一度夢を」
 

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和久津「あとなんかある?インタビューて。羽山さんの女性のタイプとか?」
羽山「結婚しとるがな!」
和久津「あそーね。じゃーお肉食べていい?おなか空いたー。ゆーみんに全部食われるー」
魚谷「これ一人一皿だから大丈夫です」
和久津「まじか!贅沢ー!」
一次で敗退した魚谷プロが可愛い顔して待っていたので連れてきた。
魚谷「糖質制限中だからお肉がいい!」
和久津「じゃーここ入ろー(手前のホルモン屋)」
魚谷「あっちがいい!(奥のしゃぶしゃぶ割烹)」
羽山「はいはい分かりました」
和久津、魚谷「羽山さんご馳走様でーす!」
羽山「わしのインタビューやないんかい!」
羽山は見た目よりも年上に思われる事が多い。多いというかほとんどか。
それでもみんなに
「えー羽山さんそんな若いの?見えない!」
「羽山さんマナー悪っ!」
「ウィングツモうざっ!」
とかいつもめちゃめちゃに言われている。
みんな羽山が怒らないのを知っているからだ。
それって凄いことじゃないですか。
真面目で気さくで頭が良く(少々理屈っぽくもあるが)、家族や友達思い(特に女子に甘い)、勉強熱心で向上心の塊。
これに謙虚な姿勢(麻雀中は勘弁してあげて)が加わった、今まさに勝つべくして勝った愛すべし戦士!
羽山真生はこれからどんどん活躍し、好感度もちょっとずつ上がっていくことだろう。
期待の意味も込めて。
とりま羽山さん、優勝ホントにおめでとう。
過去の人じゃなくて良かったです。笑
文中の言葉はレミオロメンさんから。
地方から頑張る全ての麻雀プロへ、もっと遠くへ!
「諦めないで その心が決めた道を走り抜けて 強い風が吹いた日こそ誰よりも早く強く美しく 駆け抜けてよ夢の中を 光の方へ闇を裂いて」

女流プロ麻雀日本シリーズ2017 プレーオフレポート 楠原 遊

女流プロ麻雀日本シリーズ2017のプレーオフが行われた。
予選までの成績は以下の通り。

1位 仲田加南 +84.1P
2位 朝倉ゆかり +44.2P
3位 和泉由希子 +25.4P
4位 高宮まり +19.1P
5位 二階堂亜樹 +16.6P
6位 宮内こずえ +15.8P
7位 大平亜季 ▲2.7P
8位 魚谷侑未 ▲2.7P

※プレーオフ全4回戦(各自2回対局)は予選までのポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
※ルールに関してはこちら→女流プロ麻雀日本シリーズ2017第1節レポートを参照

プレーオフの組み合わせは以下の通り。

1回戦:仲田加南vs高宮まりvs大平亜季vs魚谷侑未
2回戦:朝倉ゆかりvs和泉由希子vs二階堂亜樹vs宮内こずえ
3回戦:1位vs4位vs5位vs8位
4回戦:2位vs3位vs6位vs7位

ここから、決勝進出をかけた8名での戦いがはじまる。

プレーオフ1回戦
魚谷▲2.7P 高宮+19.1P 仲田+84.1P 大平▲2.7P

ポイントでアタマひとつ抜けている仲田。プレーオフは2戦で決勝までのポイント持ち越しもないため決勝進出の見込みはかなり高い。
一方、進出ボーダーとなる高宮、そしてポイント下位の大平・魚谷がどのように道を切り開いてゆくのか、注目していきたい。

東3局

8巡目、親番の仲田から強烈なリーチが入る。

五万六万二索三索四索一筒二筒二筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ二筒

親のピンフドラ3。4枚切れのリャンメンを少し迷ってリーチ。
立場が違う大平や魚谷ならどうしてもアガリたいリーチだが、仲田にはポイント的な余裕がある。
決めにいったのか、それとも局を長引かせることを選択したか。

11巡目、丁寧に手を作っていた西家魚谷にもテンパイが入る。

 

100

 

ドラを切っての高目リャンペーコー、もしくは仲田の中筋の六万を切ってのドラ単騎の七対子。九万は4枚切れなので、河に見える待ち牌の数は同じ。
マンズが安くアガリ易さでいえばマンズ待ちとしたいが、親の仲田にドラで放銃してしまうと1戦目とはいえ決勝進出が遠のいてしまう。
難しい選択となったが、魚谷が選択したのは打六万切りリーチ。ドラの二筒に賭けた。
しかし二筒は親のリーチが3枚使ってしまっている。仲田の待ち牌も山にはない。
2件リーチも流局かと思われたが、手詰まった大平が苦しい形から仲田に12,000の放銃。
魚谷にも大平にとっても、非常に難しい選択を迫られた局となってしまった。

東3局1本場

続く仲田の親番。ここでも最初に動いたのは仲田。
魚谷の切ったダブ東をポンして4巡目にこの形。

三万八万九万五索五索一筒二筒三筒南南  ポン東東東  ドラ五索

またしても12,000点が見える手を、積極的に仕掛けていく。
しかし最初にテンパイしたのは北家・高宮。

七万七万八万八万一索二索二索五索五索九索九索七筒七筒

7巡目、生牌の一索単騎をヤミテンとする。
そして同巡、南家の大平も七対子テンパイ。

四万四万六万六万九万九万一索一索三索三索八筒八筒中

ポイントの欲しい大平、ここはリーチといく。
そして次巡、西家の魚谷もテンパイ。

一万二万三万四万五万六万七索八索三筒三筒三筒七筒七筒

六索九索待ちで追い掛けリーチといく。
9巡目にして3人テンパイ。しかも注目すべきは、トイツ手にせよメンツ手にせよ、各者与えられた配牌から最速のテンパイだということだ。
各者のこの戦いに対する集中力がみてとれる。

しかし3巡後、手を開いたのは親の仲田。

一万二万三万五索五索二筒三筒四筒南南  ポン東東東

この手を魚谷から12,000は12,300。強すぎる仲田が、下位2人にポイントを与えない。
このまま南場にも4,000オールをアガリ、1人プラスの大きな大きなトップで終了。

1回戦結果
仲田+54.5P 魚谷▲4.1P 高宮▲16.7P 大平▲34.7P

 

プレーオフ2回戦
朝倉+44.5P 和泉+25.4P 二階堂+16.6P 宮内+15.8P

仲田の大爆発によって、いくぶん楽になった2回戦卓の4人。
1回戦の結果を受け、2位朝倉・3位和泉・4位二階堂・5位宮内の対決となったが、こちらの卓はポイントが大きく離れていない分、1回1回の着順が大切な戦いになってくるだろう。

東2局、9巡目、北家の朝倉が先行リーチ。

三万四万四万五万五万四索五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ西

2巡前にドラの西も切り、ポイント的にも上位の朝倉からの先制。受ける側も愚形のリーチではないことは十分に分かる。
そこに、13巡目迂回しながら手を作っていた亜樹がこの形。

四万六万三索四索五索四筒四筒五筒六筒七筒白白白

朝倉には通っていない九索を押して現物待ちのカンチャンテンパイ。続けて無筋の二筒も切っていく。
しかし16巡目、残りツモ3回のところで引いてきたのはアタリ牌の三万。アガリについてだけ考えるなら六万を切ってのリャンメン変化の牌だがここで亜樹の手が止まる。
そして少考の末、手を掛けたのは暗刻の白
ぎりぎりまで押すも、アタリ牌をピタリと止める形となった。

そして次巡、朝倉がラス牌の六万を引き1,300・2,600のアガリ。

 

100

 

開かれた手を見た亜樹の表情は、安堵か落胆か。

南2局1本場

親の和泉の手、何を切るか難しい。

 

100

 

七対子の1シャンテンだが、メンツ手も見える手。八万は既に2枚場に切られ六万九万のターツも外しがたい。
ここで和泉が選択したのは八万。七対子とメンツ手、両方の可能性を残す選択をした。
そして5巡後、超大物手のテンパイを果たす。

一万一万一万三万三万三万六索六索七索七索七索一筒一筒  ドラ一索

この手をヤミテンとする。最高打点を見た見事な手作りをした和泉だったが、静かにテンパイを組んでいた亜樹に3,900は4,200の放銃となり局を終える。

そのまま好調の亜樹・朝倉が宮内・和泉を抑えつつ局をまわす。
オーラスも仕掛けた朝倉が親の宮内のリーチをかわし2,000・4,000をアガリ、半荘を終わらせた。

2回戦結果
亜樹+29.4P 朝倉+16.5P 宮内▲13.1P 和泉▲32.8P

ここまで、プレーオフ前半戦を終えてトータル成績は以下の通り。

1位 仲田加南 +138.6P
2位 朝倉ゆかり +60.7P
3位 二階堂亜樹 +46.0P
4位 宮内こずえ +2.7P
====決勝進出ボーダー====
5位 高宮まり +2.4P
6位 魚谷侑未 ▲6.8P
7位 和泉由希子 ▲7.4P
8位 大平亜季 ▲37.4P

 

プレーオフ3回戦
高宮+2.4P  仲田+138.6P 大平▲37.4P 宮内+2.7P

決勝進出ボーダーである宮内・高宮の順位争いと、そして現在は最下位となってしまっている大平がこの2人をかわして上位に上がる可能性をどれだけ作れるかが半荘のポイントとなる。

東2局1本場

南家・大平が先行テンパイ。

四万五万六万二索三索四索四筒四筒六筒七筒八筒中中  ドラ三筒

この手を10巡目に先行リーチとするが、同巡、西家・宮内にもテンパイが入る。

七万八万七索八索九索一筒二筒三筒九筒九筒九筒白白

序盤に打たれた白を鳴かずに面前で育てたこの手で追い掛けリーチ。
手がぶつかるが、終盤に宮内が九万をツモり3,000・6,000。高宮とのボーダー争いを一歩有利に進める。

南1局

 

100

 

高宮にドラ3の手が入る。南場の親番、ラス目、アガリ逃ししたくないこの手をペンチャン外しでテンパイ取らずとする。
そして七万をツモってこの形。

二万三万四万五万六万七万七万八万三索四索西西西  ドラ西

そこに一番乗りのリーチは西家・大平。

一万二万三万八万九万二筒三筒四筒六筒六筒中中中  リーチ

入り目によっては、高宮のテンパイ打牌で七万が出てしまう。
そしてトップ目・宮内もテンパイ。

三万四万五万二索二索四索五索七索七索七索三筒四筒西  ツモ六索

西家の大平の一発目だけに西も切りづらいかと思われたが、躊躇なく切ってヤミテン。
そして9巡目、高宮も三索を引いてようやくのテンパイ。

二万三万四万五万六万七万七万八万三索三索西西西

追い掛けリーチとするも、すぐに宮内が五筒をツモって500・1,000。
度胸のあるドラ切りが、高宮・大平の勝負手を蹴ってゆく形となった。

このアガリで6万点を超えた宮内が、オーラスの親番でもドラ単騎などをツモり8万点オーバーのトップ。力強い麻雀で2位の朝倉までをかわし決勝進出をほぼ確実なものとした。
一方、前回優勝者高宮と現女流最高位大平は苦しい展開になったこの2戦で、女流日本シリーズプレーオフ敗退となってしまった。

3回戦結果
宮内+66.7P 大平▲6.7P 仲田▲17.3P 高宮▲43.4P

 

プレーオフ4回戦
亜樹+46.0P 朝倉+60.7P 和泉▲7.4P 魚谷▲6.8P

ここまで、長かった決勝進出者を決める戦いもこれで最終戦。メンバーは4位亜樹・3位朝倉・6位和泉・5位魚谷。3回戦で宮内が大きくポイントを伸ばしたため、亜樹が決勝進出ボーダーとなった。とはいえ、4位と5位の差が50Pあるので、朝倉・亜樹にとっては大きな失点を防ぎながらきょう局を進める戦いに、そして下位の魚谷・和泉にとっては彼女たちに楽な局まわしをさせないように、場を作りゲームを作りながらチャンスを切り開いていかねばならない戦いとなってゆくだろう。

東4局

8巡目、西家・朝倉がテンパイ

二万二万五万五万八万八万六索六索四筒四筒白発発  ドラ白

すぐに白をツモり2,000・4,000。大きなアガリで魚谷の親を落としてゆく。

南2局

10巡目、先行テンパイは親番・朝倉。

七万八万九万三索四索五索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ六筒

この手をヤミテンとすると、すぐに西家・魚谷がリーチ。

七万八万九万四索四索五索六索一筒二筒三筒白白白  リーチ

これを受け13巡目、北家・亜樹の手がこちら。

 

100

 

東南ともに1枚切れ、役有りとなるNは魚谷の現物だ。ポイントの差を考えるとここはヤミテンに構えるかと思われたが、亜樹の選択は追い掛けリーチ!

3巡後、亜樹がツモり上げたのは高目の南。裏ドラも乗って2,000・4,000のアガリ。
逃げる立場の朝倉・亜樹だったが、その後も力強い麻雀で自らの力で決勝進出を決める。
モンド王座・魚谷と、特別推薦の和泉はここで悔しい敗退となった。

4回戦結果
朝倉+23.0P 亜樹+11.3P 魚谷▲10.8P 和泉▲23.5P

以上を以って、女流麻雀日本シリーズのプレーオフが終了した。
最終結果は以下の通り。

 

システム

■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) 84.1 54.5 ▲ 17.3 121.3
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 44.2 16.5 23.0 83.7
3 宮内 こずえ(プロクイーン) 15.8 ▲ 13.1 66.7 69.4
4 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 16.6 29.4 11.3 57.3
5 魚谷 侑未(モンド王座優勝) ▲ 2.7 ▲ 4.1 ▲ 10.8 ▲ 17.6
6 和泉由希子(連盟会長推薦) 25.4 ▲ 32.8 ▲ 23.5 ▲ 30.9
7 高宮 まり(前年度優勝) 19.1 ▲ 16.7 ▲ 43.4 ▲ 41.0
8 大平 亜季(女流最高位) 17.3 ▲ 34.7 ▲ 6.0 ▲ 43.4

※ペナルティ込み

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

 

決勝進出者は仲田加南、宮内こずえ、朝倉ゆかり、二階堂亜樹の4名に決定した。
ここまで24戦にわたる女流プロナンバーワンを決める戦いも、あとは決勝の1日を残すのみ。
最後まで、彼女たちの戦いから目が離せない。

麻雀日本シリーズ/女流プロ麻雀日本シリーズ2017 プレーオフレポート 楠原 遊

女流プロ麻雀日本シリーズ2017のプレーオフが行われた。
予選までの成績は以下の通り。
1位 仲田加南 +84.1P
2位 朝倉ゆかり +44.2P
3位 和泉由希子 +25.4P
4位 高宮まり +19.1P
5位 二階堂亜樹 +16.6P
6位 宮内こずえ +15.8P
7位 大平亜季 ▲2.7P
8位 魚谷侑未 ▲2.7P
※プレーオフ全4回戦(各自2回対局)は予選までのポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
※ルールに関してはこちら→女流プロ麻雀日本シリーズ2017第1節レポートを参照
プレーオフの組み合わせは以下の通り。
1回戦:仲田加南vs高宮まりvs大平亜季vs魚谷侑未
2回戦:朝倉ゆかりvs和泉由希子vs二階堂亜樹vs宮内こずえ
3回戦:1位vs4位vs5位vs8位
4回戦:2位vs3位vs6位vs7位
ここから、決勝進出をかけた8名での戦いがはじまる。
プレーオフ1回戦
魚谷▲2.7P 高宮+19.1P 仲田+84.1P 大平▲2.7P
ポイントでアタマひとつ抜けている仲田。プレーオフは2戦で決勝までのポイント持ち越しもないため決勝進出の見込みはかなり高い。
一方、進出ボーダーとなる高宮、そしてポイント下位の大平・魚谷がどのように道を切り開いてゆくのか、注目していきたい。
東3局
8巡目、親番の仲田から強烈なリーチが入る。
五万六万二索三索四索一筒二筒二筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ二筒
親のピンフドラ3。4枚切れのリャンメンを少し迷ってリーチ。
立場が違う大平や魚谷ならどうしてもアガリたいリーチだが、仲田にはポイント的な余裕がある。
決めにいったのか、それとも局を長引かせることを選択したか。
11巡目、丁寧に手を作っていた西家魚谷にもテンパイが入る。
 
100
 
ドラを切っての高目リャンペーコー、もしくは仲田の中筋の六万を切ってのドラ単騎の七対子。九万は4枚切れなので、河に見える待ち牌の数は同じ。
マンズが安くアガリ易さでいえばマンズ待ちとしたいが、親の仲田にドラで放銃してしまうと1戦目とはいえ決勝進出が遠のいてしまう。
難しい選択となったが、魚谷が選択したのは打六万切りリーチ。ドラの二筒に賭けた。
しかし二筒は親のリーチが3枚使ってしまっている。仲田の待ち牌も山にはない。
2件リーチも流局かと思われたが、手詰まった大平が苦しい形から仲田に12,000の放銃。
魚谷にも大平にとっても、非常に難しい選択を迫られた局となってしまった。
東3局1本場
続く仲田の親番。ここでも最初に動いたのは仲田。
魚谷の切ったダブ東をポンして4巡目にこの形。
三万八万九万五索五索一筒二筒三筒南南  ポン東東東  ドラ五索
またしても12,000点が見える手を、積極的に仕掛けていく。
しかし最初にテンパイしたのは北家・高宮。
七万七万八万八万一索二索二索五索五索九索九索七筒七筒
7巡目、生牌の一索単騎をヤミテンとする。
そして同巡、南家の大平も七対子テンパイ。
四万四万六万六万九万九万一索一索三索三索八筒八筒中
ポイントの欲しい大平、ここはリーチといく。
そして次巡、西家の魚谷もテンパイ。
一万二万三万四万五万六万七索八索三筒三筒三筒七筒七筒
六索九索待ちで追い掛けリーチといく。
9巡目にして3人テンパイ。しかも注目すべきは、トイツ手にせよメンツ手にせよ、各者与えられた配牌から最速のテンパイだということだ。
各者のこの戦いに対する集中力がみてとれる。
しかし3巡後、手を開いたのは親の仲田。
一万二万三万五索五索二筒三筒四筒南南  ポン東東東
この手を魚谷から12,000は12,300。強すぎる仲田が、下位2人にポイントを与えない。
このまま南場にも4,000オールをアガリ、1人プラスの大きな大きなトップで終了。
1回戦結果
仲田+54.5P 魚谷▲4.1P 高宮▲16.7P 大平▲34.7P
 
プレーオフ2回戦
朝倉+44.5P 和泉+25.4P 二階堂+16.6P 宮内+15.8P
仲田の大爆発によって、いくぶん楽になった2回戦卓の4人。
1回戦の結果を受け、2位朝倉・3位和泉・4位二階堂・5位宮内の対決となったが、こちらの卓はポイントが大きく離れていない分、1回1回の着順が大切な戦いになってくるだろう。
東2局、9巡目、北家の朝倉が先行リーチ。
三万四万四万五万五万四索五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ西
2巡前にドラの西も切り、ポイント的にも上位の朝倉からの先制。受ける側も愚形のリーチではないことは十分に分かる。
そこに、13巡目迂回しながら手を作っていた亜樹がこの形。
四万六万三索四索五索四筒四筒五筒六筒七筒白白白
朝倉には通っていない九索を押して現物待ちのカンチャンテンパイ。続けて無筋の二筒も切っていく。
しかし16巡目、残りツモ3回のところで引いてきたのはアタリ牌の三万。アガリについてだけ考えるなら六万を切ってのリャンメン変化の牌だがここで亜樹の手が止まる。
そして少考の末、手を掛けたのは暗刻の白
ぎりぎりまで押すも、アタリ牌をピタリと止める形となった。
そして次巡、朝倉がラス牌の六万を引き1,300・2,600のアガリ。
 
100
 
開かれた手を見た亜樹の表情は、安堵か落胆か。
南2局1本場
親の和泉の手、何を切るか難しい。
 
100
 
七対子の1シャンテンだが、メンツ手も見える手。八万は既に2枚場に切られ六万九万のターツも外しがたい。
ここで和泉が選択したのは八万。七対子とメンツ手、両方の可能性を残す選択をした。
そして5巡後、超大物手のテンパイを果たす。
一万一万一万三万三万三万六索六索七索七索七索一筒一筒  ドラ一索
この手をヤミテンとする。最高打点を見た見事な手作りをした和泉だったが、静かにテンパイを組んでいた亜樹に3,900は4,200の放銃となり局を終える。
そのまま好調の亜樹・朝倉が宮内・和泉を抑えつつ局をまわす。
オーラスも仕掛けた朝倉が親の宮内のリーチをかわし2,000・4,000をアガリ、半荘を終わらせた。
2回戦結果
亜樹+29.4P 朝倉+16.5P 宮内▲13.1P 和泉▲32.8P
ここまで、プレーオフ前半戦を終えてトータル成績は以下の通り。
1位 仲田加南 +138.6P
2位 朝倉ゆかり +60.7P
3位 二階堂亜樹 +46.0P
4位 宮内こずえ +2.7P
====決勝進出ボーダー====
5位 高宮まり +2.4P
6位 魚谷侑未 ▲6.8P
7位 和泉由希子 ▲7.4P
8位 大平亜季 ▲37.4P
 
プレーオフ3回戦
高宮+2.4P  仲田+138.6P 大平▲37.4P 宮内+2.7P
決勝進出ボーダーである宮内・高宮の順位争いと、そして現在は最下位となってしまっている大平がこの2人をかわして上位に上がる可能性をどれだけ作れるかが半荘のポイントとなる。
東2局1本場
南家・大平が先行テンパイ。
四万五万六万二索三索四索四筒四筒六筒七筒八筒中中  ドラ三筒
この手を10巡目に先行リーチとするが、同巡、西家・宮内にもテンパイが入る。
七万八万七索八索九索一筒二筒三筒九筒九筒九筒白白
序盤に打たれた白を鳴かずに面前で育てたこの手で追い掛けリーチ。
手がぶつかるが、終盤に宮内が九万をツモり3,000・6,000。高宮とのボーダー争いを一歩有利に進める。
南1局
 
100
 
高宮にドラ3の手が入る。南場の親番、ラス目、アガリ逃ししたくないこの手をペンチャン外しでテンパイ取らずとする。
そして七万をツモってこの形。
二万三万四万五万六万七万七万八万三索四索西西西  ドラ西
そこに一番乗りのリーチは西家・大平。
一万二万三万八万九万二筒三筒四筒六筒六筒中中中  リーチ
入り目によっては、高宮のテンパイ打牌で七万が出てしまう。
そしてトップ目・宮内もテンパイ。
三万四万五万二索二索四索五索七索七索七索三筒四筒西  ツモ六索
西家の大平の一発目だけに西も切りづらいかと思われたが、躊躇なく切ってヤミテン。
そして9巡目、高宮も三索を引いてようやくのテンパイ。
二万三万四万五万六万七万七万八万三索三索西西西
追い掛けリーチとするも、すぐに宮内が五筒をツモって500・1,000。
度胸のあるドラ切りが、高宮・大平の勝負手を蹴ってゆく形となった。
このアガリで6万点を超えた宮内が、オーラスの親番でもドラ単騎などをツモり8万点オーバーのトップ。力強い麻雀で2位の朝倉までをかわし決勝進出をほぼ確実なものとした。
一方、前回優勝者高宮と現女流最高位大平は苦しい展開になったこの2戦で、女流日本シリーズプレーオフ敗退となってしまった。
3回戦結果
宮内+66.7P 大平▲6.7P 仲田▲17.3P 高宮▲43.4P
 
プレーオフ4回戦
亜樹+46.0P 朝倉+60.7P 和泉▲7.4P 魚谷▲6.8P
ここまで、長かった決勝進出者を決める戦いもこれで最終戦。メンバーは4位亜樹・3位朝倉・6位和泉・5位魚谷。3回戦で宮内が大きくポイントを伸ばしたため、亜樹が決勝進出ボーダーとなった。とはいえ、4位と5位の差が50Pあるので、朝倉・亜樹にとっては大きな失点を防ぎながらきょう局を進める戦いに、そして下位の魚谷・和泉にとっては彼女たちに楽な局まわしをさせないように、場を作りゲームを作りながらチャンスを切り開いていかねばならない戦いとなってゆくだろう。
東4局
8巡目、西家・朝倉がテンパイ
二万二万五万五万八万八万六索六索四筒四筒白発発  ドラ白
すぐに白をツモり2,000・4,000。大きなアガリで魚谷の親を落としてゆく。
南2局
10巡目、先行テンパイは親番・朝倉。
七万八万九万三索四索五索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ六筒
この手をヤミテンとすると、すぐに西家・魚谷がリーチ。
七万八万九万四索四索五索六索一筒二筒三筒白白白  リーチ
これを受け13巡目、北家・亜樹の手がこちら。
 
100
 
東南ともに1枚切れ、役有りとなるNは魚谷の現物だ。ポイントの差を考えるとここはヤミテンに構えるかと思われたが、亜樹の選択は追い掛けリーチ!
3巡後、亜樹がツモり上げたのは高目の南。裏ドラも乗って2,000・4,000のアガリ。
逃げる立場の朝倉・亜樹だったが、その後も力強い麻雀で自らの力で決勝進出を決める。
モンド王座・魚谷と、特別推薦の和泉はここで悔しい敗退となった。
4回戦結果
朝倉+23.0P 亜樹+11.3P 魚谷▲10.8P 和泉▲23.5P
以上を以って、女流麻雀日本シリーズのプレーオフが終了した。
最終結果は以下の通り。
 
システム
■予選全20回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦
プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) 84.1 54.5 ▲ 17.3 121.3
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 44.2 16.5 23.0 83.7
3 宮内 こずえ(プロクイーン) 15.8 ▲ 13.1 66.7 69.4
4 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 16.6 29.4 11.3 57.3
5 魚谷 侑未(モンド王座優勝) ▲ 2.7 ▲ 4.1 ▲ 10.8 ▲ 17.6
6 和泉由希子(連盟会長推薦) 25.4 ▲ 32.8 ▲ 23.5 ▲ 30.9
7 高宮 まり(前年度優勝) 19.1 ▲ 16.7 ▲ 43.4 ▲ 41.0
8 大平 亜季(女流最高位) 17.3 ▲ 34.7 ▲ 6.0 ▲ 43.4

※ペナルティ込み
予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 仲田加南(女流桜花) ▲ 10.0 45.9 ▲ 25.5 11.4 6.9 24.4 41.4 ▲ 10.4 84.1
2 朝倉ゆかり(女流雀王) 7.0 5.8 ▲ 12.6 ▲ 9.4 8.8 8.8 25.3 10.5 44.2
3 和泉由希子(連盟会長推薦) ▲ 40.9 80.9 29.1 ▲ 27.1 ▲ 28.9 ▲ 23.9 31.2 5.0 25.4
4 高宮 まり(前年度優勝) ▲ 20.2 11.5 ▲ 11.9 6.9 28.4 ▲ 18.4 ▲ 7.7 30.5 19.1
5 大平 亜季(女流最高位) 23.2 7.9 46.2 48.5 ▲ 28.4 ▲ 35.8 ▲ 14.7 ▲ 29.6 17.3
6 二階堂 亜樹(女流モンド杯優勝) 24.5 ▲ 2.2 ▲ 2.9 26.3 ▲ 26.5 3.6 4.1 ▲ 10.3 16.6
7 宮内 こずえ(プロクイーン) ▲ 9.1 ▲ 47.1 23.2 ▲ 15.1 ▲ 13.3 38.7 7.8 30.7 15.8
8 魚谷 侑未(モンド王座優勝) 12.5 0.8 4.4 14.2 ▲ 43.7 7.1 22.6 ▲ 20.6 ▲ 2.7
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 37.5 ▲ 8.0 ▲ 23.7 ▲ 30.5 ▲ 4.8 ▲ 21.2 ▲ 19.3 ▲ 20.6 ▲ 90.6
10 大崎初音(ファン投票1位) ▲ 93.2 ▲ 4.6 24.2 ▲ 6.7 15.5 ▲ 33.8 ▲ 7.4 ▲ 25.2 ▲ 131.2

 
決勝進出者は仲田加南、宮内こずえ、朝倉ゆかり、二階堂亜樹の4名に決定した。
ここまで24戦にわたる女流プロナンバーワンを決める戦いも、あとは決勝の1日を残すのみ。
最後まで、彼女たちの戦いから目が離せない。

第15期北関東リーグ 決勝レポート

鳳凰位決定戦やWRCリーグの熱い話題が絶えない2月某日、北関東プロリーグの決勝が行われた。
今期の決勝進出者が若手中心ということもあり、まずは選手紹介から。

1位通過
小川尚哉(22期)
第33期王位戦3位、グランプリ(2007)3位、更には特昇リーグ優勝など決勝での対戦経験は4人の中で最も豊富。
北関東プロリーグ準優勝、プロアマリーグでは優勝経験もあり、決勝常連組の1人。順当に考えれば大本命。
後輩3人に囲まれた今回の決勝戦、負けられない戦いである。本人曰く雀風は「なんでもやりたい型」。

2位通過
小暮智貴(31期)
第1回モンド新人戦3位。アマチュア時代に北関東プロアマリーグでの準優勝経験がある。
普段から麻雀では負けん気の強さを見せ、自他ともに認める攻撃型。麻雀以外では会社のマラソン部に所属しているそう。
5回戦という決勝戦の長丁場、持ち前の持久力を発揮することができるか。

3位通過
福田雄大(33期)
麻雀プロになって間もない彼にまだ決勝経験はない。雀風は「わかりません」。まだ自身の麻雀を模索中といったところか。
普段は麻雀卓販売の仕事をしているそう。麻雀に関わる職業を選び、麻雀プロの世界へ足を踏み入れ1年目で勝ち取った決勝戦への切符。優勝への思いは計り知れない。

4位通過
塚越裕次郎(28期)
アマチュア時代、北関東プロアマリーグの優勝経験あり。最近は雀風についてあまり意識していないとのこと。
普段は麻雀広告サイトの営業を生業とする彼は、今期で連盟を退会することになった。
今大会が最後の公式戦となるため、有終の美を飾るべく優勝を勝ち取りにいくに違いない。

 

1回戦 起家から塚越、小川、福田、木暮

この日、最初のアガリは東2局のこと。配牌に恵まれた西家の木暮が、

六万七万八万一索一索一索六索八索二筒四筒四筒東東  ドラ七索

この形に早くも5巡目で絶好のドラ七索を引き入れリーチ。程無くして福田から東が切られ、6,400は6,700のロンアガリ。気持ちの良いスタートを切る。

東3局、南家木暮が3巡目に中の一鳴きから、一気にマンズの一色手へと向かう。
4巡目にはカン四万チー、13巡目に南をポンしてこのテンパイ。

二万三万六万六万  ポン中中中  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き  ポン南南南  ドラ九索

下家の木暮に対しマンズをぶつけ続けた親の福田も勝負手をテンパイ。

三索三索四索四索五索五索六索七索白白  ポン東東東

西家塚越も本日最初の勝負手をヤミテンに構えていた。

一万一万一万一索二索七索八索九索七筒八筒九筒発発

3者が静かにぶつかり合ったこの局を制したのも木暮。あっさり四万をツモり2,000・3,900。
誰の目にも好調に映っていたであろう木暮は、親を迎えた東4局も、一手変わり三色のタンピンのテンパイを入れヤミテンで押し続ける小川をリーチのみの2,000点で打ち取ることに成功する。
この日最初に親を連荘したのも木暮だった。
東3局1本場、木暮はさらにアグレッシブな攻撃を見せつける。
7巡目にチーしてテンパイ。

四万五万六万四筒四筒四筒五筒中中中  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ドラ六筒

同巡、下家の塚越の切った中を大明カン。嶺上からツモって来たのは三筒。塚越から7,700は8,000のアガリとなる。

しかし、放っておいたらどこまでも続きそうな木暮の時間を流しにかかったのは、この南家の塚越。

二万二万六万七万三索四索五索六索六索六索  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ドラ五万

好調を確信していたであろう木暮のリーチ宣言牌となったドラの五万を打ち取り2,000は2,000のアガリ。塚越にとってこの日の初アガリである。

南1局、木暮の親を落とすことに成功した塚越の親番。
6巡目の塚越、木暮、両者の手牌がこちら(ドラ中

塚越
八万八万七索七索一筒一筒二筒六筒九筒東南西中

木暮
三万四万五万五万六万五索六索七索八索五筒六筒発発

見ている方が苦しくなる塚越の手牌は、ドラの中も1枚浮いている。観戦者のほとんどが、木暮があっさりアガることを想像しただろう。案の定2巡後に四筒を引いた木暮はリーチに打って出る。しかし塚越も粘りを見せ、見事14巡目に七対子テンパイで木暮に追いつく。

八万八万五索五索七索七索一筒一筒東東南南中

迷いなく「リーチ」の発声。しかしツモ番が来ることなく木暮の500・1,000ツモアガリ。結果的に木暮のアガリとなったが、観戦者の目を引く塚越の粘りであった。

南3局には再び3者の手がぶつかる。
7巡目に四索ポンから仕掛けた親の福田が16巡目、西家塚越の切ったドラの七筒をポンしてテンパイ。

二万四万六索六索三筒四筒五筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ドラ七筒

塚越は四暗刻1シャンテン。その後もツモ切りを続ける塚越に対しロンと発声をしたのはまたしても木暮。

南家
四万四万四万五万六万六万七万八万六索七索八索五筒六筒  ロン四筒

タンピンで2,000。

1回戦、好調者木暮が5万点を超える1人浮きのトップ。この半荘の主役となった。
対して小川はこの半荘アガリなし。しかし執念のテンパイ取りなどで小さな沈みの2着につけているのは流石である。

1回戦終了時
木暮+36.8P 小川▲4.4P 塚越▲12.4P 福田▲20.0P

 

2回戦 起家から福田、木暮、小川、塚越

東1局、西家の小川が早い段階で1枚目の白から仕掛けにかかり、続けて北もポン、8巡目にカン二万をチーしてこの牌姿。

六万八万東中  ポン白白白  ポン北北北  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ドラ六万

自身としては一度もアガリがなく終わった1回戦での木暮の好調ぶりを見て、上家の木暮の警戒を煽るためか、苦しいながらもどうにかアガリをものにしようという意志か。
次巡、親の福田のリーチを受け、字牌を払いながら受けにまわる。
程無くして福田が高めの六万をツモり2,600オールのアガリ。

七万八万五索六索七索六筒七筒八筒九筒九筒九筒東東  ツモ六万

福田としてもマンズに寄せている小川の3フーロを見せられてからの六万九万待ちのリーチ、あっさりドラをツモることができ感触はよかったはずだ。

そして続く東1局1本場8巡目、小川にとって待ちに待ったこの日初のアガリが。

二万三万四万七万七万八万九万九万三索三索六筒七筒八筒  ツモ八万  ドラ三索

2,000・3,900は2,100・4,000。

この時北家の塚越もひっそりと勝負手を入れていた。

三万四万五万三索三索四索四索四索三筒三筒四筒五筒五筒

そして親の福田もタンピンイーペーコーの好形イ1シャンテン。

四万四万五万五万六万六万八万八万六索七索六筒七筒七筒

この半荘も4者の手がぶつかり合う予感がする。

東2局でも南家小川は4巡目でホンイツがすぐそこに見えるこの牌姿。

一筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒東北北中中  ドラ六万

次巡八筒をツモると八筒を空切り。ターツが足りているので先に処理したと考えられるが、結果、小川の河はこのようになっていた。

九万 上向き四万 上向き五万 上向き五索 上向き八筒 上向き東
一筒 上向き九索 上向き九索 上向き

変則手には見えるが、東切りが他家に合わせて切られており、速度や手役が判断しにくい。そして7巡目に中ポンでテンパイ。

二筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒北北  ポン中中中

またも小川のアガリとなりそうな空気が流れる中、2巡後、北家福田からリーチが入る。

四万四万七万八万九万二索三索四索六索七索八索六筒七筒

これをヤミテンとしていたところに、注文通りドラの六万をひき、タンヤオ高め三色含みに振り替わりリーチ。安めではあるものの五筒を即ツモ、2,000・4,000のアガリとなった。

東3局、親を迎えた小川、ダブ東とドラの三筒がトイツ、そして1面子1両面と、大物手を予感させる配牌であったが、福田から塚越へ2,600横移動に終わる。小川の時間帯が来るのはまだもう少し先か。

南1局。北家の塚越は早い段階で1シャンテンに漕ぎつける。

一万二万三万五万六万七万七万八万一索三索三筒四筒五筒  ドラ六万

しかしここから有効牌を全く持ってこなくなる。私も普段実感することだが、不調の時は1シャンテンが異様に長い。そうした時、自分の不調さが改めて身に染みる。中終盤になりやっと引いてきた牌は八。テンパイ打牌となる七万はドラの跨ぎで切りにくく、切っても役なしテンパイではあるが、塚越はテンパイを取った。ドラ2枚使いの順子手や一通まで伸びる可能性も秘めていただけに納得のいく形ではないとは思うが、数巡後二索をツモり500・1,000。折り合いをつけながら我慢の麻雀を強いられている塚越、ぐっと堪えヤミテンで押してのこのアガリは打点以上の価値あるものに見受けられた。

南2局1本場、西家塚越はここで積極的な攻撃に出る。8巡目に1枚目の白を仕掛けてから有効牌を立て続けに引き入れ、2巡後にこのテンパイ。

一索一索一索八索八索四筒五筒発発発  ポン白白白  ドラ三万

同巡八索もポンして四筒単騎に受けトイトイテンパイ。
実はこの時南家小川に大物手が入っていた。

三万三万四万五万六万三索四索五索六索六索六筒七筒八筒

北家の福田はドラ1枚使い、イーペーコー含みの1シャンテン。

一万一万二万二万二万三万八万八万五索六索二筒三筒四筒

親の木暮はチーしてタンヤオテンパイ

二索二索二索五索五索六索七索八索三筒四筒  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き

塚越の仕掛けに対し3者は一歩も引かなかった。
さらに塚越は発を大明カン。嶺上からツモって来たのは五筒。木暮の当たり牌である。五筒単騎に受けていれば…しかし塚越は表情を変えない。自分の不調を受け入れ、自然体で麻雀と向き合っているように見える。

その後塚越は南2局2本場で3,200は3,800、南3局で1,300、2,600をアガリ。少しずつ復調が見られた頃にオーラスで親番を迎える。
トップ目の福田は36,700、塚越は33,600、その差3,100点。
中盤にきて塚越はドラの四万をポンしタンヤオドラ3のテンパイを入れる。
対する福田は次の牌姿から三索を切り三色を狙う。

五万六万七万三索五索七索一筒二筒三筒六筒七筒九筒九筒中  ドラ四万

上家塚越の切った六索をチーしてテンパイ。五筒をツモり300・500のアガリ。トップを守りきった。
1回戦目1人浮きのトップだった木暮は2回戦で1人沈みのラス、また4着だった福田がトップをとったことで混戦模様となった。

2回戦結果(2回戦終了時トータル)
木暮▲23.6P(+13.2P)
小川+1.7P (▲2.7P)
福田+15.8P(▲4.2P)
塚越+6.1P (▲6.3P)

 

3回戦 起親から塚越、木暮、小川、福田

東1局、西家小川が先制リーチ。

一万四索四索四筒四筒五筒五筒七筒七筒東東北北  リーチ  ドラ四筒

福田から8,000のアガリ。

しかし若手選手の勢いも衰えない。東4局福田がピンズを1枚も余らせることなくこのテンパイ、塚越から5,800のアガリ。

二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒九筒  ポン発発発  ロン七筒

続く2本場でも福田は4巡目に先制リーチを打つ。テンパイの入った塚越から3,900は4,200のアガリ。

一万二万四万五万六万一索一索四索四索四索五筒六筒七筒  リーチ  ロン三万  ドラ五筒

塚越には苦しい展開の幕開けかと思われた。

しかし次局、塚越は跳満を引きアガる。

二万二万七万七万九万九万三索三索六索六索九筒九筒東東西  リーチ  ツモ西  ドラ西

これでまた混戦模様である。

南2局1本場、ここまでしばらく静かだった木暮の親番である。21,900持ちの4着目、ここは積極的にアガリを目指したいところ。僅か7巡で三色テンパイ。

七万八万九万二索二索七索八索九索一筒二筒三筒八筒九筒  ドラ白

七筒は場に2枚切れ、小川と福田の手に1枚ずつで山には残っていない。小川はメンツで使っていたが、福田は手が進むにつれ五筒七筒のカンチャンターツに手がかかり木暮に3,900は4,200の放銃。点数状況的にリーチを選択する打ち手もいるとは思うが、今回はリーチがかかればアガリは無かったと考えられるだけにこの木暮の冷静な選択が吉と出た。

その後も1,500は1,800、2,000は2,900と細かいながらもアガリを重ね連荘し浮きに回ることに成功する。

南4局、北家木暮が4巡目でこの牌姿からドラをリリース。

三万三万六万六万七万七万四索五索六索四筒六筒北発発  ドラ北

トイツ手もまだ否定できず、カンチャンターツも残っており、北を切っても発を暗刻にするかポンしない限り役も見えないだけに、ドラを切らないうち手が多いのではないかと思う。アガリたい気持ちが強く伺えた。自身が北家ということも切りやすい要素となっていたか。しかしこの北を西家塚越がポン。

四万五万六万二索四索五索八索四筒六筒白  ポン北北北

なんとか三色へ持っていきたい2シャンテン。
そこへ8巡目に親の福田がリーチを被せるが、それらを掻い潜り小川が400・700ツモ。
東場での加点を守り抜き、最後も他家をかわしてトップを守り抜いた。トータルでも木暮と約7ポイント差に詰め寄る。

3回戦結果(3回戦終了時トータル)
木暮+9.1P (+22.3P)
小川+18.1P(+15.4P)
塚越▲7.0P (▲13.3P)
福田▲20.2P(▲24.4P)

 

4回戦 起家から塚越、木暮、福田、小川

トータル首位の木暮と4着目福田は、1半荘で入れ替わる可能性も十分にあるポイント差。この4回戦がターニングポイントとなりそうである。

この半荘どうにかトップ、最低でもプラスが欲しい西家福田が東1局から積極的に仕掛けていく。

二索二索五筒六筒  ポン四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ドラ二索

親の塚越もプラスが欲しいのは同様だが、手牌がなかなか動かない。どうにかドラ単騎の七対子テンパイに漕ぎつけるが、間もなく福田が1,000・2,000をツモアガる。

トータル首位の木暮の勢いも衰えず、次局迎えた親番で2メンツ1両面とドラトイツの好配牌。わずか4巡でリーチ、4,000オールを決める。

一索二索三索五索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒九筒九筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ九筒

続く東2局でも木暮、福田の手がいい。親の木暮は白ポンテンもとれる形の1シャンテン。南家福田は役なしテンパイからドラを引き入れ役ありの5,200テンパイに振り替わる。

七万八万九万三索三索四索五索五索九索九索一筒二筒三筒  ドラ五索

一方小川と塚越は2人とも2フーロして1シャンテン。木暮の親番をどうにか落とすためにアガリへの道を探っているようだ。こういうとき、勢いや流れ、態勢などという目に見えないはずのものが実際に具現化されているように感じる。麻雀にはやはりそういった類のものが大いに影響しているとわたしは思っているし、このときも心のどこかで(やっぱり...)と思っていた。

結果、この局は木暮が白をポンして塚越から1,500は1,800をアガリ、福田の勝負手をかわし親番連荘に成功する。
続く東2局、西家小川が西をポンして木暮から1,000は1,600をアガリ、木暮の連荘を止めることに成功する。このときも木暮は中張牌だけで2メンツ1両面2トイツの超好配牌であった。

小川と木暮の勢いの差は誰の目にも明らかだった。しかしそれを揺るがすような局があった。
東3局1本場、北家木暮は6巡目にソーズのホンイツ1シャンテン。

二索二索四索四索五索六索七索七索八索九索南北北  ドラ四万

そこへ南家小川が9巡目に1,300のリーチ。

六万七万八万一索三索七索八索九索一筒一筒二筒三筒四筒  リーチ

木暮がソーズのホンイツということもありソーズはやや場に高いというだけでなく、木暮が字牌を余らせ始めた後のことである。ここが小川の強さなのではないかと思う。
対する木暮はリーチを受け、上記のホンイツ1シャンテンの牌姿に六万をツモってきて少考。確かに六万はドラ跨ぎで切りにくい牌ではあるが、木暮という選手の印象からすると六万をツモ切ってもおかしくない。実際小川への当たり牌二索は木暮からはほぼ出ない形になっている。ここも木暮がアガリきるのか。

しかし木暮は唯一の現物五索を抜いた。これには驚いた。ここまでの両者の態勢や、今までの木暮の攻めっぷりを見てきた観戦者はどう感じただろうか。
他に現物のない木暮の手牌。次巡一万をツモり、五索の筋を追って二索で1,300放銃となる。
失点こそ小さいものの、いつもの木暮なら当たり牌を使い切ってテンパイしアガリきるビジョンまで見える。そして、そうやってこの決勝への道を開拓してきたと私は思う。木暮としても決勝での戦い方を考えてのことだろう。しかし何かが変わりそうな気がした。4回戦まできてトータルトップ、この半荘もトップ目という現状、木暮に守りたい気持ちが出始めているように見受けられた。

次局、親番は前局見事1,300のアガリを決めた小川。
6巡目南家塚越から先行リーチが打たれる。

二万三万四万七万八万九万七索八索四筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ四万

塚越もここまで我慢が続いただけに、この勝負手で先手を打てたのは大きい。
しかし小川の手牌もまとまっており、9巡目に追いつきリーチ。

五万五万六万六万七万七万二索三索四索五索六索三筒三筒  リーチ

塚越が四索で11,600の放銃。塚越には苦しい時間帯が続く。対して小川は前々局の木暮の親番落とし、そして前局の1,300と流れを感じさせる大きなアガリである。もうひとアガリあれば木暮をかわせる、そんな勢いを感じた。

しかし次局アガったのは木暮。

三万三万三万四索五索六索二筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ五筒

塚越から5,200は5,500のアガリでさらに加点し木暮が44,100持ちのトップ目。大抵のことでは揺るがないほどの態勢ができあがっているか、若しくは木暮は牌に愛されているのか、そんなことを思った。

南1局、痛い放銃が続いた塚越は3,000持ちのラス目で親番を迎えた。9巡目に両面2ターツのピンフ1シャンテン。しかしここから全くテンパイまで至らない。ギリギリのところでチーして形式テンパイをとりなんとか親番を維持する。続く1本場も2フーロでタンヤオテンパイを入れるがアガリには至らない。2本場で木暮が700・1,300は900・1,500をツモアガリ、塚越はアガリなく3着に大きく離されたラス目のまま親番を落としてしまう。

その後は大きな点数の変動はなく、勢い衰えない木暮はトップを守り切りリードを広げた。塚越は1人沈みのラス、トータルトップとは約97ポイント差と最終戦の条件は厳しいものになった。

4回戦結果(4回戦終了時トータル)
木暮+23.2P(+45.5P)
小川+4.1P (+19.5P)
福田+10.6P(▲13.8P)
塚越▲37.9P(▲51.2P)

 

最終戦 起親から小川、福田、塚越、木暮

東1局にアガリを決めたのは、中盤から勢いを見せ始めた福田の1,300・2,600。

二万二万四万五万六万一索二索三索四索五索六索二筒三筒  リーチ  ツモ四筒  ドラ二筒

福田は続く東2局親番を迎え、3,900オールをアガリしさらに加点。

しかしこの福田の親番を、トップ走者木暮が流しにかかる。

二索三索四索五筒五筒七筒八筒九筒白白  暗カン牌の背四筒 上向き四筒 上向き牌の背  ツモ白  ドラ北

800・1,600は1,000・1,800のアガリで原点近い2着目につける。この並びのまま終局とすると、福田は少なくともあと30ポイント以上素点で差をつけなければならないが、実際、福田は最終戦開始時から東2局までに計算上ポイント差をほぼ半分に詰めたことになる。後半に勢いを増してきた福田と守備態勢を強めた木暮。選手たちを見つめる観戦者たちの目が、勝負の行方を見守る。

東3局、西家小川が国士無双の1シャンテンという場面。気配がなかったか他家は字牌をノータイムで淡々とツモ切る。南家の木暮が3枚目の西を切った直後、小川の手に4枚目の西が舞い込み、2枚切れ白待ちの国士無双テンパイ。白を引いたら誰もがツモ切ろうという場面。しかしここはポンテンを入れていた親番塚越の1,000オールのアガリ。

四万五万六万四索五索三筒三筒五筒六筒七筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ツモ三索  ドラ四万

小川、塚越もまだ勝負を諦めてはいない。

続く東3局1本場、塚越は苦しいながらもなんとかテンパイを入れリーチ、ドラトイツの1シャンテンで押していた小川から2,000は2,300のアガリ。

一万二万三万一索二索三索八索八索四筒五筒六筒七筒九筒  リーチ  ロン八筒  ドラ四万

ところが2本場ではツモがかみ合わず、2フーロして粘るが痛恨のノーテンで親が流れる。塚越はまだ原点を割る3着目、南場の親番での大逆転に賭けることになる。

東4局、トータルトップ目の木暮の親番。木暮は10巡目にチーテンをとることを選択する。

六万七万八万六索八索二筒三筒四筒西西  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ドラ一万

西のトイツを守備要素とみなしてのテンパイ取りか。現状のポイント差を考えると1,500点のアガリで自身の親番を1局増やすより、失点を抑えて親番を消化する選択もあるように思える。他家からのリーチやテンパイ気配があればアガリの構えか。
この仕掛けにかぶせるように北家の塚越がドラ単騎七対子のリーチ。

一万二索二索七索七索九索九索六筒六筒東東中中  リーチ

この日1日で、苦しい手牌からどうにかドラ単騎の七対子テンパイに漕ぎつけた塚越を何度見ただろう。そしてこのリーチを掻い潜りテンパイを入れたのは小川。

一万一万二万二万三万三筒四筒五筒七筒七筒北北北

これに対し木暮は西のトイツ落としで受け、塚越、小川の2人テンパイで流局。勝負はいよいよ最終戦南場へ突入する。

南1局4本場、20,800持ち4着目で親番を迎えた小川はここが勝負どころ。7巡目で

二索三索四索九索九索九索一筒一筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ四万

この3面張リーチを打つが結果は福田に1,300は2,500の放銃。最後の親番も流れ、このあとは条件との兼ね合いの手組を組むことを強いられることとなる。

南2局、最後の親番を迎えた福田はなかなかアガリに結びつかないもののテンパイを入れ連荘。
2本場で福田は7巡目のピンフテンパイをヤミテンに構え、小川から1,500は2,100と供託のリーチ棒で4,100点の加点。
この時点で福田は木暮まであと13ポイント。親番継続中の福田にとって大チャンス。

3本場、小川が11巡目にピンフドラ1のリーチ。

一万二万三万四万五万六万二索二索三筒四筒四筒五筒六筒  ドラ六筒

流局が近づく16巡目、西家の木暮がチーテンをとる。次巡、木暮のツモは九索。ノータイムでツモ切った木暮の九索に塚越がロンの発声。

「12,000は12,900」

四万四万四万八索八索八索九索九索六筒六筒北北北  ドラ六筒

四暗刻が食い流れた。この放銃により木暮は4着目へ。トータルで福田に逆転される。その差3.6ポイント。

南3局、前局にその場が騒然とするアガリを見せた塚越の親番、わたしは密かに奇跡の大連荘を期待した。

四万五万八索八索一筒二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒西

九筒チーしドラの西を切ると、最終局条件を残したい西家小川がこれをポン。小川が2,000・3,900をツモアガリる。

六万七万八万六索八索六筒六筒  ポン西西西  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き

南4局、福田を追いかける立場となった木暮の親番。
まずは仕掛けてタンヤオの1,500を小川からアガリ。

四万五万五索五索二筒三筒四筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き

続く1本場、11巡目に木暮がリーチ。

三万三万四万五万六万一索三索五筒六筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒

これに対し西家福田も優勝を決めに動く。

四万五万六万三筒三筒三筒五筒六筒七筒八筒  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き

しかし結果は、木暮が小川から3,900は4,200のアガリ。これで再び福田を逆転するが、その差2.1ポイント。
すっかり勢いを取り戻した木暮。次局5,800は6,400を小川からアガリ。

六万六万七万七万八万八万二索三索五索五索一筒二筒三筒  ロン一索  ドラ七索

木暮と小川の着順が入れ替わったことにより、木暮は福田に12.5ポイントの差をつけた。

最終局、福田はさっきまですぐそこにいた木暮を逆転するのに満貫ツモ条件となり、必死でその条件を満たす手組を探っていくが、ツモが効かない。
一方、一度は手放しそうになった優勝の2文字が、再びすぐそこに迫ってきている木暮の手は震えていた。

対局後に木暮は言った。
「内容は20点でした」
それを聞いて周りは笑ったが、木暮はこの優勝を糧にさらに進化するだろう。そしてこんな風に生きのいい若手選手が増えつつあることが、北関東支部の今後の発展の要となることは違いない。
そして退いていく者。彼もまた北関東支部で共に闘い、麻雀について熱く語り合い、何度も牌を交わした仲間である。新たな道での活躍を期待する。

最終戦結果(総合ポイント)
木暮▲14.7P(+30.8P)
福田+33.2P(+19.4P)
小川▲29.1P(▲9.6P)
塚越+10.6P(▲40.6P)

北関東プロリーグ レポート/第15期北関東リーグ 決勝レポート

鳳凰位決定戦やWRCリーグの熱い話題が絶えない2月某日、北関東プロリーグの決勝が行われた。
今期の決勝進出者が若手中心ということもあり、まずは選手紹介から。
1位通過
小川尚哉(22期)
第33期王位戦3位、グランプリ(2007)3位、更には特昇リーグ優勝など決勝での対戦経験は4人の中で最も豊富。
北関東プロリーグ準優勝、プロアマリーグでは優勝経験もあり、決勝常連組の1人。順当に考えれば大本命。
後輩3人に囲まれた今回の決勝戦、負けられない戦いである。本人曰く雀風は「なんでもやりたい型」。
2位通過
小暮智貴(31期)
第1回モンド新人戦3位。アマチュア時代に北関東プロアマリーグでの準優勝経験がある。
普段から麻雀では負けん気の強さを見せ、自他ともに認める攻撃型。麻雀以外では会社のマラソン部に所属しているそう。
5回戦という決勝戦の長丁場、持ち前の持久力を発揮することができるか。
3位通過
福田雄大(33期)
麻雀プロになって間もない彼にまだ決勝経験はない。雀風は「わかりません」。まだ自身の麻雀を模索中といったところか。
普段は麻雀卓販売の仕事をしているそう。麻雀に関わる職業を選び、麻雀プロの世界へ足を踏み入れ1年目で勝ち取った決勝戦への切符。優勝への思いは計り知れない。
4位通過
塚越裕次郎(28期)
アマチュア時代、北関東プロアマリーグの優勝経験あり。最近は雀風についてあまり意識していないとのこと。
普段は麻雀広告サイトの営業を生業とする彼は、今期で連盟を退会することになった。
今大会が最後の公式戦となるため、有終の美を飾るべく優勝を勝ち取りにいくに違いない。
 
1回戦 起家から塚越、小川、福田、木暮
この日、最初のアガリは東2局のこと。配牌に恵まれた西家の木暮が、
六万七万八万一索一索一索六索八索二筒四筒四筒東東  ドラ七索
この形に早くも5巡目で絶好のドラ七索を引き入れリーチ。程無くして福田から東が切られ、6,400は6,700のロンアガリ。気持ちの良いスタートを切る。
東3局、南家木暮が3巡目に中の一鳴きから、一気にマンズの一色手へと向かう。
4巡目にはカン四万チー、13巡目に南をポンしてこのテンパイ。
二万三万六万六万  ポン中中中  チー四万 左向き三万 上向き五万 上向き  ポン南南南  ドラ九索
下家の木暮に対しマンズをぶつけ続けた親の福田も勝負手をテンパイ。
三索三索四索四索五索五索六索七索白白  ポン東東東
西家塚越も本日最初の勝負手をヤミテンに構えていた。
一万一万一万一索二索七索八索九索七筒八筒九筒発発
3者が静かにぶつかり合ったこの局を制したのも木暮。あっさり四万をツモり2,000・3,900。
誰の目にも好調に映っていたであろう木暮は、親を迎えた東4局も、一手変わり三色のタンピンのテンパイを入れヤミテンで押し続ける小川をリーチのみの2,000点で打ち取ることに成功する。
この日最初に親を連荘したのも木暮だった。
東3局1本場、木暮はさらにアグレッシブな攻撃を見せつける。
7巡目にチーしてテンパイ。
四万五万六万四筒四筒四筒五筒中中中  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ドラ六筒
同巡、下家の塚越の切った中を大明カン。嶺上からツモって来たのは三筒。塚越から7,700は8,000のアガリとなる。
しかし、放っておいたらどこまでも続きそうな木暮の時間を流しにかかったのは、この南家の塚越。
二万二万六万七万三索四索五索六索六索六索  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ドラ五万
好調を確信していたであろう木暮のリーチ宣言牌となったドラの五万を打ち取り2,000は2,000のアガリ。塚越にとってこの日の初アガリである。
南1局、木暮の親を落とすことに成功した塚越の親番。
6巡目の塚越、木暮、両者の手牌がこちら(ドラ中
塚越
八万八万七索七索一筒一筒二筒六筒九筒東南西中
木暮
三万四万五万五万六万五索六索七索八索五筒六筒発発
見ている方が苦しくなる塚越の手牌は、ドラの中も1枚浮いている。観戦者のほとんどが、木暮があっさりアガることを想像しただろう。案の定2巡後に四筒を引いた木暮はリーチに打って出る。しかし塚越も粘りを見せ、見事14巡目に七対子テンパイで木暮に追いつく。
八万八万五索五索七索七索一筒一筒東東南南中
迷いなく「リーチ」の発声。しかしツモ番が来ることなく木暮の500・1,000ツモアガリ。結果的に木暮のアガリとなったが、観戦者の目を引く塚越の粘りであった。
南3局には再び3者の手がぶつかる。
7巡目に四索ポンから仕掛けた親の福田が16巡目、西家塚越の切ったドラの七筒をポンしてテンパイ。
二万四万六索六索三筒四筒五筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ドラ七筒
塚越は四暗刻1シャンテン。その後もツモ切りを続ける塚越に対しロンと発声をしたのはまたしても木暮。
南家
四万四万四万五万六万六万七万八万六索七索八索五筒六筒  ロン四筒
タンピンで2,000。
1回戦、好調者木暮が5万点を超える1人浮きのトップ。この半荘の主役となった。
対して小川はこの半荘アガリなし。しかし執念のテンパイ取りなどで小さな沈みの2着につけているのは流石である。
1回戦終了時
木暮+36.8P 小川▲4.4P 塚越▲12.4P 福田▲20.0P
 
2回戦 起家から福田、木暮、小川、塚越
東1局、西家の小川が早い段階で1枚目の白から仕掛けにかかり、続けて北もポン、8巡目にカン二万をチーしてこの牌姿。
六万八万東中  ポン白白白  ポン北北北  チー二万 左向き一万 上向き三万 上向き  ドラ六万
自身としては一度もアガリがなく終わった1回戦での木暮の好調ぶりを見て、上家の木暮の警戒を煽るためか、苦しいながらもどうにかアガリをものにしようという意志か。
次巡、親の福田のリーチを受け、字牌を払いながら受けにまわる。
程無くして福田が高めの六万をツモり2,600オールのアガリ。
七万八万五索六索七索六筒七筒八筒九筒九筒九筒東東  ツモ六万
福田としてもマンズに寄せている小川の3フーロを見せられてからの六万九万待ちのリーチ、あっさりドラをツモることができ感触はよかったはずだ。
そして続く東1局1本場8巡目、小川にとって待ちに待ったこの日初のアガリが。
二万三万四万七万七万八万九万九万三索三索六筒七筒八筒  ツモ八万  ドラ三索
2,000・3,900は2,100・4,000。
この時北家の塚越もひっそりと勝負手を入れていた。
三万四万五万三索三索四索四索四索三筒三筒四筒五筒五筒
そして親の福田もタンピンイーペーコーの好形イ1シャンテン。
四万四万五万五万六万六万八万八万六索七索六筒七筒七筒
この半荘も4者の手がぶつかり合う予感がする。
東2局でも南家小川は4巡目でホンイツがすぐそこに見えるこの牌姿。
一筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒東北北中中  ドラ六万
次巡八筒をツモると八筒を空切り。ターツが足りているので先に処理したと考えられるが、結果、小川の河はこのようになっていた。
九万 上向き四万 上向き五万 上向き五索 上向き八筒 上向き東
一筒 上向き九索 上向き九索 上向き
変則手には見えるが、東切りが他家に合わせて切られており、速度や手役が判断しにくい。そして7巡目に中ポンでテンパイ。
二筒二筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒北北  ポン中中中
またも小川のアガリとなりそうな空気が流れる中、2巡後、北家福田からリーチが入る。
四万四万七万八万九万二索三索四索六索七索八索六筒七筒
これをヤミテンとしていたところに、注文通りドラの六万をひき、タンヤオ高め三色含みに振り替わりリーチ。安めではあるものの五筒を即ツモ、2,000・4,000のアガリとなった。
東3局、親を迎えた小川、ダブ東とドラの三筒がトイツ、そして1面子1両面と、大物手を予感させる配牌であったが、福田から塚越へ2,600横移動に終わる。小川の時間帯が来るのはまだもう少し先か。
南1局。北家の塚越は早い段階で1シャンテンに漕ぎつける。
一万二万三万五万六万七万七万八万一索三索三筒四筒五筒  ドラ六万
しかしここから有効牌を全く持ってこなくなる。私も普段実感することだが、不調の時は1シャンテンが異様に長い。そうした時、自分の不調さが改めて身に染みる。中終盤になりやっと引いてきた牌は八。テンパイ打牌となる七万はドラの跨ぎで切りにくく、切っても役なしテンパイではあるが、塚越はテンパイを取った。ドラ2枚使いの順子手や一通まで伸びる可能性も秘めていただけに納得のいく形ではないとは思うが、数巡後二索をツモり500・1,000。折り合いをつけながら我慢の麻雀を強いられている塚越、ぐっと堪えヤミテンで押してのこのアガリは打点以上の価値あるものに見受けられた。
南2局1本場、西家塚越はここで積極的な攻撃に出る。8巡目に1枚目の白を仕掛けてから有効牌を立て続けに引き入れ、2巡後にこのテンパイ。
一索一索一索八索八索四筒五筒発発発  ポン白白白  ドラ三万
同巡八索もポンして四筒単騎に受けトイトイテンパイ。
実はこの時南家小川に大物手が入っていた。
三万三万四万五万六万三索四索五索六索六索六筒七筒八筒
北家の福田はドラ1枚使い、イーペーコー含みの1シャンテン。
一万一万二万二万二万三万八万八万五索六索二筒三筒四筒
親の木暮はチーしてタンヤオテンパイ
二索二索二索五索五索六索七索八索三筒四筒  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き
塚越の仕掛けに対し3者は一歩も引かなかった。
さらに塚越は発を大明カン。嶺上からツモって来たのは五筒。木暮の当たり牌である。五筒単騎に受けていれば…しかし塚越は表情を変えない。自分の不調を受け入れ、自然体で麻雀と向き合っているように見える。
その後塚越は南2局2本場で3,200は3,800、南3局で1,300、2,600をアガリ。少しずつ復調が見られた頃にオーラスで親番を迎える。
トップ目の福田は36,700、塚越は33,600、その差3,100点。
中盤にきて塚越はドラの四万をポンしタンヤオドラ3のテンパイを入れる。
対する福田は次の牌姿から三索を切り三色を狙う。
五万六万七万三索五索七索一筒二筒三筒六筒七筒九筒九筒中  ドラ四万
上家塚越の切った六索をチーしてテンパイ。五筒をツモり300・500のアガリ。トップを守りきった。
1回戦目1人浮きのトップだった木暮は2回戦で1人沈みのラス、また4着だった福田がトップをとったことで混戦模様となった。
2回戦結果(2回戦終了時トータル)
木暮▲23.6P(+13.2P)
小川+1.7P (▲2.7P)
福田+15.8P(▲4.2P)
塚越+6.1P (▲6.3P)
 
3回戦 起親から塚越、木暮、小川、福田
東1局、西家小川が先制リーチ。
一万四索四索四筒四筒五筒五筒七筒七筒東東北北  リーチ  ドラ四筒
福田から8,000のアガリ。
しかし若手選手の勢いも衰えない。東4局福田がピンズを1枚も余らせることなくこのテンパイ、塚越から5,800のアガリ。
二筒三筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒八筒九筒  ポン発発発  ロン七筒
続く2本場でも福田は4巡目に先制リーチを打つ。テンパイの入った塚越から3,900は4,200のアガリ。
一万二万四万五万六万一索一索四索四索四索五筒六筒七筒  リーチ  ロン三万  ドラ五筒
塚越には苦しい展開の幕開けかと思われた。
しかし次局、塚越は跳満を引きアガる。
二万二万七万七万九万九万三索三索六索六索九筒九筒東東西  リーチ  ツモ西  ドラ西
これでまた混戦模様である。
南2局1本場、ここまでしばらく静かだった木暮の親番である。21,900持ちの4着目、ここは積極的にアガリを目指したいところ。僅か7巡で三色テンパイ。
七万八万九万二索二索七索八索九索一筒二筒三筒八筒九筒  ドラ白
七筒は場に2枚切れ、小川と福田の手に1枚ずつで山には残っていない。小川はメンツで使っていたが、福田は手が進むにつれ五筒七筒のカンチャンターツに手がかかり木暮に3,900は4,200の放銃。点数状況的にリーチを選択する打ち手もいるとは思うが、今回はリーチがかかればアガリは無かったと考えられるだけにこの木暮の冷静な選択が吉と出た。
その後も1,500は1,800、2,000は2,900と細かいながらもアガリを重ね連荘し浮きに回ることに成功する。
南4局、北家木暮が4巡目でこの牌姿からドラをリリース。
三万三万六万六万七万七万四索五索六索四筒六筒北発発  ドラ北
トイツ手もまだ否定できず、カンチャンターツも残っており、北を切っても発を暗刻にするかポンしない限り役も見えないだけに、ドラを切らないうち手が多いのではないかと思う。アガリたい気持ちが強く伺えた。自身が北家ということも切りやすい要素となっていたか。しかしこの北を西家塚越がポン。
四万五万六万二索四索五索八索四筒六筒白  ポン北北北
なんとか三色へ持っていきたい2シャンテン。
そこへ8巡目に親の福田がリーチを被せるが、それらを掻い潜り小川が400・700ツモ。
東場での加点を守り抜き、最後も他家をかわしてトップを守り抜いた。トータルでも木暮と約7ポイント差に詰め寄る。
3回戦結果(3回戦終了時トータル)
木暮+9.1P (+22.3P)
小川+18.1P(+15.4P)
塚越▲7.0P (▲13.3P)
福田▲20.2P(▲24.4P)
 
4回戦 起家から塚越、木暮、福田、小川
トータル首位の木暮と4着目福田は、1半荘で入れ替わる可能性も十分にあるポイント差。この4回戦がターニングポイントとなりそうである。
この半荘どうにかトップ、最低でもプラスが欲しい西家福田が東1局から積極的に仕掛けていく。
二索二索五筒六筒  ポン四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ドラ二索
親の塚越もプラスが欲しいのは同様だが、手牌がなかなか動かない。どうにかドラ単騎の七対子テンパイに漕ぎつけるが、間もなく福田が1,000・2,000をツモアガる。
トータル首位の木暮の勢いも衰えず、次局迎えた親番で2メンツ1両面とドラトイツの好配牌。わずか4巡でリーチ、4,000オールを決める。
一索二索三索五索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒九筒九筒  リーチ  ツモ三筒  ドラ九筒
続く東2局でも木暮、福田の手がいい。親の木暮は白ポンテンもとれる形の1シャンテン。南家福田は役なしテンパイからドラを引き入れ役ありの5,200テンパイに振り替わる。
七万八万九万三索三索四索五索五索九索九索一筒二筒三筒  ドラ五索
一方小川と塚越は2人とも2フーロして1シャンテン。木暮の親番をどうにか落とすためにアガリへの道を探っているようだ。こういうとき、勢いや流れ、態勢などという目に見えないはずのものが実際に具現化されているように感じる。麻雀にはやはりそういった類のものが大いに影響しているとわたしは思っているし、このときも心のどこかで(やっぱり...)と思っていた。
結果、この局は木暮が白をポンして塚越から1,500は1,800をアガリ、福田の勝負手をかわし親番連荘に成功する。
続く東2局、西家小川が西をポンして木暮から1,000は1,600をアガリ、木暮の連荘を止めることに成功する。このときも木暮は中張牌だけで2メンツ1両面2トイツの超好配牌であった。
小川と木暮の勢いの差は誰の目にも明らかだった。しかしそれを揺るがすような局があった。
東3局1本場、北家木暮は6巡目にソーズのホンイツ1シャンテン。
二索二索四索四索五索六索七索七索八索九索南北北  ドラ四万
そこへ南家小川が9巡目に1,300のリーチ。
六万七万八万一索三索七索八索九索一筒一筒二筒三筒四筒  リーチ
木暮がソーズのホンイツということもありソーズはやや場に高いというだけでなく、木暮が字牌を余らせ始めた後のことである。ここが小川の強さなのではないかと思う。
対する木暮はリーチを受け、上記のホンイツ1シャンテンの牌姿に六万をツモってきて少考。確かに六万はドラ跨ぎで切りにくい牌ではあるが、木暮という選手の印象からすると六万をツモ切ってもおかしくない。実際小川への当たり牌二索は木暮からはほぼ出ない形になっている。ここも木暮がアガリきるのか。
しかし木暮は唯一の現物五索を抜いた。これには驚いた。ここまでの両者の態勢や、今までの木暮の攻めっぷりを見てきた観戦者はどう感じただろうか。
他に現物のない木暮の手牌。次巡一万をツモり、五索の筋を追って二索で1,300放銃となる。
失点こそ小さいものの、いつもの木暮なら当たり牌を使い切ってテンパイしアガリきるビジョンまで見える。そして、そうやってこの決勝への道を開拓してきたと私は思う。木暮としても決勝での戦い方を考えてのことだろう。しかし何かが変わりそうな気がした。4回戦まできてトータルトップ、この半荘もトップ目という現状、木暮に守りたい気持ちが出始めているように見受けられた。
次局、親番は前局見事1,300のアガリを決めた小川。
6巡目南家塚越から先行リーチが打たれる。
二万三万四万七万八万九万七索八索四筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ四万
塚越もここまで我慢が続いただけに、この勝負手で先手を打てたのは大きい。
しかし小川の手牌もまとまっており、9巡目に追いつきリーチ。
五万五万六万六万七万七万二索三索四索五索六索三筒三筒  リーチ
塚越が四索で11,600の放銃。塚越には苦しい時間帯が続く。対して小川は前々局の木暮の親番落とし、そして前局の1,300と流れを感じさせる大きなアガリである。もうひとアガリあれば木暮をかわせる、そんな勢いを感じた。
しかし次局アガったのは木暮。
三万三万三万四索五索六索二筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒  ドラ五筒
塚越から5,200は5,500のアガリでさらに加点し木暮が44,100持ちのトップ目。大抵のことでは揺るがないほどの態勢ができあがっているか、若しくは木暮は牌に愛されているのか、そんなことを思った。
南1局、痛い放銃が続いた塚越は3,000持ちのラス目で親番を迎えた。9巡目に両面2ターツのピンフ1シャンテン。しかしここから全くテンパイまで至らない。ギリギリのところでチーして形式テンパイをとりなんとか親番を維持する。続く1本場も2フーロでタンヤオテンパイを入れるがアガリには至らない。2本場で木暮が700・1,300は900・1,500をツモアガリ、塚越はアガリなく3着に大きく離されたラス目のまま親番を落としてしまう。
その後は大きな点数の変動はなく、勢い衰えない木暮はトップを守り切りリードを広げた。塚越は1人沈みのラス、トータルトップとは約97ポイント差と最終戦の条件は厳しいものになった。
4回戦結果(4回戦終了時トータル)
木暮+23.2P(+45.5P)
小川+4.1P (+19.5P)
福田+10.6P(▲13.8P)
塚越▲37.9P(▲51.2P)
 
最終戦 起親から小川、福田、塚越、木暮
東1局にアガリを決めたのは、中盤から勢いを見せ始めた福田の1,300・2,600。
二万二万四万五万六万一索二索三索四索五索六索二筒三筒  リーチ  ツモ四筒  ドラ二筒
福田は続く東2局親番を迎え、3,900オールをアガリしさらに加点。
しかしこの福田の親番を、トップ走者木暮が流しにかかる。
二索三索四索五筒五筒七筒八筒九筒白白  暗カン牌の背四筒 上向き四筒 上向き牌の背  ツモ白  ドラ北
800・1,600は1,000・1,800のアガリで原点近い2着目につける。この並びのまま終局とすると、福田は少なくともあと30ポイント以上素点で差をつけなければならないが、実際、福田は最終戦開始時から東2局までに計算上ポイント差をほぼ半分に詰めたことになる。後半に勢いを増してきた福田と守備態勢を強めた木暮。選手たちを見つめる観戦者たちの目が、勝負の行方を見守る。
東3局、西家小川が国士無双の1シャンテンという場面。気配がなかったか他家は字牌をノータイムで淡々とツモ切る。南家の木暮が3枚目の西を切った直後、小川の手に4枚目の西が舞い込み、2枚切れ白待ちの国士無双テンパイ。白を引いたら誰もがツモ切ろうという場面。しかしここはポンテンを入れていた親番塚越の1,000オールのアガリ。
四万五万六万四索五索三筒三筒五筒六筒七筒  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ツモ三索  ドラ四万
小川、塚越もまだ勝負を諦めてはいない。
続く東3局1本場、塚越は苦しいながらもなんとかテンパイを入れリーチ、ドラトイツの1シャンテンで押していた小川から2,000は2,300のアガリ。
一万二万三万一索二索三索八索八索四筒五筒六筒七筒九筒  リーチ  ロン八筒  ドラ四万
ところが2本場ではツモがかみ合わず、2フーロして粘るが痛恨のノーテンで親が流れる。塚越はまだ原点を割る3着目、南場の親番での大逆転に賭けることになる。
東4局、トータルトップ目の木暮の親番。木暮は10巡目にチーテンをとることを選択する。
六万七万八万六索八索二筒三筒四筒西西  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ドラ一万
西のトイツを守備要素とみなしてのテンパイ取りか。現状のポイント差を考えると1,500点のアガリで自身の親番を1局増やすより、失点を抑えて親番を消化する選択もあるように思える。他家からのリーチやテンパイ気配があればアガリの構えか。
この仕掛けにかぶせるように北家の塚越がドラ単騎七対子のリーチ。
一万二索二索七索七索九索九索六筒六筒東東中中  リーチ
この日1日で、苦しい手牌からどうにかドラ単騎の七対子テンパイに漕ぎつけた塚越を何度見ただろう。そしてこのリーチを掻い潜りテンパイを入れたのは小川。
一万一万二万二万三万三筒四筒五筒七筒七筒北北北
これに対し木暮は西のトイツ落としで受け、塚越、小川の2人テンパイで流局。勝負はいよいよ最終戦南場へ突入する。
南1局4本場、20,800持ち4着目で親番を迎えた小川はここが勝負どころ。7巡目で
二索三索四索九索九索九索一筒一筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ四万
この3面張リーチを打つが結果は福田に1,300は2,500の放銃。最後の親番も流れ、このあとは条件との兼ね合いの手組を組むことを強いられることとなる。
南2局、最後の親番を迎えた福田はなかなかアガリに結びつかないもののテンパイを入れ連荘。
2本場で福田は7巡目のピンフテンパイをヤミテンに構え、小川から1,500は2,100と供託のリーチ棒で4,100点の加点。
この時点で福田は木暮まであと13ポイント。親番継続中の福田にとって大チャンス。
3本場、小川が11巡目にピンフドラ1のリーチ。
一万二万三万四万五万六万二索二索三筒四筒四筒五筒六筒  ドラ六筒
流局が近づく16巡目、西家の木暮がチーテンをとる。次巡、木暮のツモは九索。ノータイムでツモ切った木暮の九索に塚越がロンの発声。
「12,000は12,900」
四万四万四万八索八索八索九索九索六筒六筒北北北  ドラ六筒
四暗刻が食い流れた。この放銃により木暮は4着目へ。トータルで福田に逆転される。その差3.6ポイント。
南3局、前局にその場が騒然とするアガリを見せた塚越の親番、わたしは密かに奇跡の大連荘を期待した。
四万五万八索八索一筒二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒西
九筒チーしドラの西を切ると、最終局条件を残したい西家小川がこれをポン。小川が2,000・3,900をツモアガリる。
六万七万八万六索八索六筒六筒  ポン西西西  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き
南4局、福田を追いかける立場となった木暮の親番。
まずは仕掛けてタンヤオの1,500を小川からアガリ。
四万五万五索五索二筒三筒四筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き
続く1本場、11巡目に木暮がリーチ。
三万三万四万五万六万一索三索五筒六筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒
これに対し西家福田も優勝を決めに動く。
四万五万六万三筒三筒三筒五筒六筒七筒八筒  チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き
しかし結果は、木暮が小川から3,900は4,200のアガリ。これで再び福田を逆転するが、その差2.1ポイント。
すっかり勢いを取り戻した木暮。次局5,800は6,400を小川からアガリ。
六万六万七万七万八万八万二索三索五索五索一筒二筒三筒  ロン一索  ドラ七索
木暮と小川の着順が入れ替わったことにより、木暮は福田に12.5ポイントの差をつけた。
最終局、福田はさっきまですぐそこにいた木暮を逆転するのに満貫ツモ条件となり、必死でその条件を満たす手組を探っていくが、ツモが効かない。
一方、一度は手放しそうになった優勝の2文字が、再びすぐそこに迫ってきている木暮の手は震えていた。
対局後に木暮は言った。
「内容は20点でした」
それを聞いて周りは笑ったが、木暮はこの優勝を糧にさらに進化するだろう。そしてこんな風に生きのいい若手選手が増えつつあることが、北関東支部の今後の発展の要となることは違いない。
そして退いていく者。彼もまた北関東支部で共に闘い、麻雀について熱く語り合い、何度も牌を交わした仲間である。新たな道での活躍を期待する。
最終戦結果(総合ポイント)
木暮▲14.7P(+30.8P)
福田+33.2P(+19.4P)
小川▲29.1P(▲9.6P)
塚越+10.6P(▲40.6P)

第51期 北海道プロリーグ 決勝レポート

「結果自然成」この言葉の解釈は、

人は誰もが成功や勝利を求めて生きる。そしてより良い「結果」を求める。
しかし「結果」のみを重要視したり、あからさまに「結果」に自分の利益のみを優先させる、そういった態度はとても醜いものだが、正しい目的に向かって日々たゆまぬ努力を続ける人には、必ずそれ相応の「結果」が現れる。
その結実はまるで季節が巡れば自然に果実が熟するように人間の思惑や計らいを離れている、という意味合いである。

第51期北海道プロリーグ、6節(24半荘)終了時の成績上位4人が得点持ち越しの上、決勝卓(4半荘)に進出。

3月11日に行われた決勝に進出した選手は以下の通り。

*敬称略

喜多清貴(28期 二段)
連盟入会期は遅いが北海道の麻雀業界を支えてきた功労者の1人。
入会後はコンスタントに上位争い、3度目の決勝進出で初の優勝なるか。

野々川博之(6期 六段)
こちらも北海道で麻雀の普及活動に力を注いできた1人。
北海道本部の年功者、35期以来の優勝を目指す。

三盃志(19期 五段)
北海道プロリーグ参戦者の中で年長者だが、速度のある麻雀が特徴。
過去2度の優勝経験があり、通算3度目の優勝に手が届くか。

石田雅人(26期 四段)
前節+90オーバーの成績で決勝に滑り込み。
ポイント的に厳しい戦いになるであろうが、持ち前の粘りと、高打点の手組で2度目の優勝をもぎとれるか。

これまでの成績は

喜多+210.1P
野々川+169.2P
三盃+140.5P
石田+120.8P

持ちポイント的には喜多が有利だが爆発力のある石田が4番手に控える。
野々川、三盃は喜多をこれ以上走らせないような展開に持ち込めるかが勝負の肝になりそうである。
どのメンバーも厳しく長年麻雀に対して努力と研鑽を続けてきた。

誰の想いが「結果」となって実るか。
それぞれが素晴らしい「結果」を求めて戦う火蓋が切って落とされた。

 

1回戦 (起家から、三盃・喜多・野々川・石田)

東1局 ドラ三万

勝負の入りを重要視する打ち手が多い中、一番の配牌を貰ったのはトータルトップ目の喜多。
3巡目に

二万四万六万六万七万五索六索七索二筒三筒中中中  ドラ三万

この形の1シャンテンになる。
すんなりドラを引き入れるようだと今日は喜多で決まりかなと思うような牌姿ではあったが、思うように手が進まないまま14巡目に親の三盃からリーチの発声。

一万一万六万六万七万七万五索五索白白発発西  リーチ

先にテンパイを入れていたのは野々川。

二万四万九万九万五索六索七索三筒四筒五筒六筒七筒八筒

12巡目に5枚目の四筒を打たれて喜多もチーテンを入れた。

一万二万四万四万五索六索七索中中中  チー四筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き

2人が終盤オリに回って流局。
喜多にとっては貰った配牌の形から考えるとなんとなく感触の悪い滑り出しとなった。

東1局1本場3巡目。
前局のリーチは不発に終わったが、親の三盃が積極的に仕掛ける。
上家から打たれた五索をチーして

三万三万一索二索三索三索三索八索九索六筒  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き  ドラ九筒

その後要牌を引き入れ

一索一索二索三索三索三索三索七索八索九索  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き

この高め跳満テンパイを入れる。一気に突き抜けるかに思われたが、親の河を警戒して序盤からピンズのホンイツに向かっていた石田が六筒を切るとロンの発声

西家・野々川

六万七万八万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒九筒九筒  ロン六筒

8,000は8,300のアガリで今日最初のアガリをものにした。

東2局、現状2番手の野々川に先行される立ち上がりになった喜多だが15巡目、

三万三万三万四万五万六索七索八索白白白中中  ツモ三万  ドラ北

この1,300オールをツモる。
ドラも見えていない三暗刻変化のある手牌だが、六万が場に3枚出とはいえリーチの選択肢もあったのではないか。
喜多は南2局の親番で苦悩を迎えることになる。

南2局、流局と小さなアガリで局が消化され迎えた喜多2度目の親番3巡目に、

六索七索八索六筒東南西西北白発中中  ツモ六索  ドラ二万

ここからホンイツへ一直線。
9巡目、持ち点が14,400になっていた石田からリーチが飛んでくる。

この時すでに喜多は

二索三索四索四索六索六索七索八索西西中中中  ドラ二万

このメンホンテンパイがはいっていた。すぐに九索を引いて

二索三索四索四索六索六索七索八索西西中中中  ツモ九索

ここで選択の機会。場には五索六索西も放たれていないが喜多の選択は九索(リーチ者の現物)。
その後、裏目の西をツモってしまう。石田の河には一索四索も出ていないが、西もツモ切りとなった。
このまま終盤まで全部の牌を押し、当然のように三筒もツモ切ると石田の手牌が倒される

二万三万四万六索六索七索八索九索三筒四筒四筒五筒五筒  ロン三筒

高めの三筒で7,700の放銃。この時喜多は何を思ったのか。
トータルトップ目の喜多が、ラス目の石田に放銃した事で野々川の士気も上がる。
その野々川の親番。

南3局、三盃が仕掛けて

四万一索二索三索六索七索九索中中中  ポン白白白  ドラ八万

野々川
五万五万七索八索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き

ここから八索を引いて打五万とした。ホンイツ気配の三盃をケアして迂回する選択だが、三盃は比較的全員に安全そうな四万を残して字牌を先切りしテンパイ気配を出していた。
終盤手出しで四万としたのを見て

野々川
七索八索八索九索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き  ツモ一索

この一索も最終盤にツモ切りとして結果1人テンパイ。アガリ同等の1,000オールとした。
細かい所までのケアが行き届いている。当たり前の打牌を当たり前のように。思っている事をしっかりと反映させる野々川らしい一打だった。
次局は石田のリーチに3人がオリてオーラスを迎える。

南4局2本場
持ち点は、野々川36,100 三盃34,400 喜多24,400 石田24,100

ラス目のラス親でここを落とすと更に苦しくなる石田にチャンス手。

三万四万五万六万七万三索三索四索三筒三筒五筒六筒六筒  ドラ三筒

しかし今日の石田はなかなか有効牌を持ってこない。終盤にかけてなんとか2つ鳴いて、

三万四万五万三筒三筒六筒六筒  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き

最終ツモは七万。当然のように河に置くも、下家の三盃が静かに静かにそっと開いた手牌は、

一万二万三万五万六万七万八万九万白白白東東  ロン七万  ドラ三筒

8,000は8,600で大事な初戦を制した。

1回戦成績
三盃+22.3P 野々川+10.1P 喜多▲9.6P 石田▲22.8P

1回戦終了時
喜多+200.5P 野々川+179.3P 三盃+162.8P 石田+98.0P

 

2回戦 (起家から、喜多・野々川・石田・三盃)

初戦を終えて野々川と喜多の差はおよそ20ポイント。
三盃と喜多も40ポイントとかなり肉薄してきた。
喜多としてはこの2回戦で、また突き放したいところであるが、最初の親番は手が進まないまま流局となってしまう。

勝負が動いたのは東3局。前局300・500をツモアガった三盃が、

六万七万八万五索六索七索六筒七筒八筒発中中中  ドラ発

このテンパイをすぐにツモりあげ2,000・4,000。
1回戦トップの三盃がこのまま連勝となれば更に勝負はもつれるが、次局三盃に親番は野々川が動いて300・500。

喜多が親番でテンパイ流局連荘したあとに、1,000は1,100オールをツモった後の南1局2本場、野々川が以下の形でリーチ。

七万八万六索七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ八万

高目の六万もまだ山に生きていたが、九万をツモって1,300・2,600は1,500・2,800のアガリ。

七万八万六索七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ八万  ツモ九万

南3局も積極的に動いていた野々川が、

二万三万一索二索三索五索九索  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ポン発発発  ツモ四万  ドラ二万

この九索単騎のテンパイ。
喜多もタンヤオの渡りがある形式テンパイに向かうが、九索が浮いている。
単騎をケアして放銃はなさそうであるが、無事に六索と振り替わらないまま終盤の野々川

二万三万四万一索二索三索九索  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ポン発発発  ツモ二万

待望のドラを持ってきて、高目のドラで7,700に変化。
ドラはまだ生きていたがアガリは生まれずにオーラスを迎える。

南4局2本場は、親の三盃が先制でリーチを打って1人テンパイ。
これによりオーラスの持ち点が
喜多27,800 野々川35,200 三盃37,300 石田17,700こうなった。

南4局3本場 供託2.0
ここも三盃が九万ポンから動いて

三万三万五万六万六万北発  ポン西西西  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ドラ中

としたが、全員が被せ気味の打牌になった道中、南家・喜多

一万一万四索五索六索七索七索八索八索南南南西  ドラ中

ここから三索をチーしてテンパイ。
石田から九索で2,000は2,900と供託の2,000を取りきって浮きの3着を確保した。

一万一万六索七索七索八索八索南南南  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  ロン九索  ドラ中

2回戦成績
三盃+15.3P 野々川+8.2P 喜多+3.7P 石田▲27.2P

2回戦終了時
喜多+204.2P 野々川+187.5P 三盃+178.1P 石田+70.8P

 

3回戦 (起家から三盃・石田・野々川・喜多)

東1局野々川が、

四万五万八万八万九万東東白白白  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ドラ七万

ここから六万をツモって九万を切ってテンパイだが東は三盃がトイツ。
喜多もテンパイ取るが終盤オリにまわり、野々川が1人テンパイ

東2局1本場、野々川が先制リーチしてツモ。

一万二万三万六万六万二索三索四索五索六索四筒五筒六筒  ツモ四索  ドラ三万

1,300・2,600は1,400・2,700。

東3局は喜多が300・500をツモアガリ。

東4局、三盃がピンズのホンイツに向かうが道中、意図的にホンイツ臭を消した手組にしていたところに、絶好のツモ八筒で以下の形。

一筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒  ポン西西西  ポン白白白  ツモ八筒  ドラ四筒

野々川から六筒で7,700。

南1局は喜多が300・500をツモり迎えた南2局。
親番を迎えた石田、ただ黙っている訳にはいかない石田がここで魅せる。

一万二万三万二索三索四索七索八索八索八索九索一筒二筒  ドラ二索

このペン三筒テンパイから三筒をツモり、フリテンの高目6,000オールリーチを敢行する。
石田はこのリーチがアガれずに親権を流してしまう。
ここまで苦しい戦いを強いられている石田だが最後までしっかりと自分の打ち筋を貫いていた。

今期の決勝はこのリーチがアガれなかった時点で、4回戦があるとはいえほぼ終戦となったように思えた。

南3局は喜多が

四万五万六万四索四索七索八索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ九索  ドラ九索

これをツモで1,300・2,600。

そして大事なオーラスを迎えて点棒状況は
喜多32,900 三盃30,700 野々川29,500 石田26,900

オーラスの親番は前局のアガリでトップ目に立った喜多。
良いとは言えない配牌の中、局を捌きに行くが、野々川が中盤に

二万三万四万六筒六筒発発  ポン中中中  カン九索 上向き九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ドラ発

このテンパイを入れる。喜多も粘りに粘って発単騎のテンパイ。
山には六筒が2枚、発が1枚生きていた最終盤に野々川若干トーンの高い「ツモ!」の発声。

二万三万四万六筒六筒発発  ポン中中中  カン九索 上向き九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ六筒  ドラ発

値千金の2,000・4,000は当面の敵喜多を沈みの2着にしての1人浮きトップ。
野々川の日々真摯に取り組んだ想いが牌に「結果」として伝わったツモアガリだった。

3回戦成績
野々川+19.5P 喜多▲2.1P 三盃▲4,3 石田▲13,1

3回戦終了時
野々川+207.0P 喜多+202.1P 三盃+173.8P 石田+57.7P

いよいよ第51期北海道プロリーグ決勝も最終節最終戦となった。
上位3人に優勝の可能性が残る。野々川と喜多はほぼ着順勝負、三盃は両者より上の着順になった上で3万点近く差をつければ優勝である。
石田が150P以上離された位置で、どのようにプロらしさを表現していくのかも注目したい。
それぞれの思惑が交錯する中最後の挨拶が交わされた。

 

4回戦

連盟規定に乗っ取り席順が決定(起家から、喜多、三盃、石田、野々川)

東1局、喜多の親番は石田が

三万四万五万七万八万九万七索八索九索七筒九筒白白  ツモ八筒  ドラ四万

この2,000・3,900をツモ。
終始苦しかった石田に最後に軽く安い手が入るのもまた麻雀か。

その石田が親権を維持した東3局1本場にリーチ

三万四万七万八万九万四索五索六索一筒二筒三筒五筒五筒  リーチ  ドラ二万

その時喜多も以下の形でテンパイしていた

一万二万二万二万三万三万五万五万六万七万  ポン白白白  ドラ二万

ここからツモ一万でツモ切り、カン四万のまま押し切るも終盤石田が五万をツモって1,300は1,400オール。
これをアガればという喜多のホンイツだったが実らず。勝負は南場にもつれる。

南2局1本場、親の三盃がペン三万待ちの一通でリーチ。

一万二万四万五万六万七万八万九万六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ八索

このゲームここまでラス目の喜多が

三万四万二索三索四索五索五索六索七索八索二筒三筒四筒  リーチ

これでリーチ。道中、ホンイツとの岐路も役牌2種を見切って最高形に。
次巡、二万をツモリ3,100・6,100で一躍トップ目に。

喜多、初優勝まであと2局!しかし次局に落とし穴が。

南3局10巡目

野々川
三万三万六万六万三索四索五索三筒四筒五筒  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ロン六万  ドラ八索

ドラを手放したのは1シャンテンの石田。その是非はあえて問うまい。

五万六万六万七万六索七索一筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒

喜多はこの形から野々川に六万で7,700を放銃
安全策の一筒切りで粘る手もあったが。
野々川がラス親、残り巡目も考えるとこの結果は淡白すぎではなかったか。

南4局 ドラ三万
野々川36,100 石田33,400 喜多26,700 三盃23,800

喜多の逆転優勝の条件は

ツモアガリなら、1,600.3,200。出アガリなら12,000。
(野々川からの直撃なら5,200)

喜多8巡目

五万一索一索二索二索三索五索五索九索九索七筒七筒七筒

ツモ四万で喜多本日最後の何切る?
ちなみに六万は自身のフリテンで3枚切れ。ドラと五万は生牌。三索四万は1枚切れ。四索は4枚とも切れている。

喜多はここで七対子に見切りをつける。
今局は選択を間違えることなく、ドラを引いて待望の再逆転のリーチを打つ。

三万四万五万一索一索二索二索三索五索五索七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三万

野々川も役牌を仕掛け喜多の現物待ちで1,500テンパイ。
喜多のリーチだけに、出たら連荘するしか術はない。

この後、両者のアガリ牌が場に顔を出すことはなかった。
最後のツモが河に置かれて優勝者が決まると同時にどこからともなく拍手が。

野々川博之が「結果」を最高の物として戴冠。
優勝おめでとう。

4回戦成績
野々川+13.1P 石田+6.4P 喜多▲5.3P 三盃▲15.2P

最終成績
野々川+220.1P 喜多+196.8P 三盃+158.6P 石田+64.1P

さて冒頭の一句には対句がある。

「一華開五葉」という言葉で解釈は以下の通り。

「一つの花がある。その花が五つの花びらを開いた、という意であるが、この花はあなたが生まれたときからあなた自身の深いところに咲いている花だ。
もしあなたが「五つの花びら」の意味を知りたいのなら、道はたった一つ。自身が心の中を深く訪ねて自分の力でもってその意味を体得するしかない。
その行はあなたの心に美しさを与え、そしてあなたの人生を限りなく豊かにするに違いない。

麻雀道に終わりはない。

昨年WRCリーグに出た時に同卓した今年鳳凰位を大観された前原プロも、「全節消化はできないが、麻雀を強くなりたいから参加した。それ以外に意味があるのか?」という類の事をおっしゃっていた。
結果を求めるためには研鑚を積むしかない。麻雀を強くなるためには沢山見て、沢山学んで、沢山打ってを繰り返すしかない。
いつか自分の花びらが「結果」となって開くか分からないが、これからも連盟の一員として麻雀道をしっかりと進みたいと思う。
また今期決勝の最後を盛り上げた2人は副本部長として新しい北海道本部を作る2人であった。両者の戦いを見て私は勿論の事、観戦者も皆胸に秘めた物があるのではないか。

次はこの場所でこの2人と、そう思える対局を見れた事に感謝の気持ち、対局を作った4人に感謝の気持ち、そしてこの対局を自分が文字にできることへの感謝の気持ちを込めて最後を締めたいと思う。

筆:真光 祐尚

北海道プロリーグ 成績表/第51期 北海道プロリーグ 決勝レポート

「結果自然成」この言葉の解釈は、
人は誰もが成功や勝利を求めて生きる。そしてより良い「結果」を求める。
しかし「結果」のみを重要視したり、あからさまに「結果」に自分の利益のみを優先させる、そういった態度はとても醜いものだが、正しい目的に向かって日々たゆまぬ努力を続ける人には、必ずそれ相応の「結果」が現れる。
その結実はまるで季節が巡れば自然に果実が熟するように人間の思惑や計らいを離れている、という意味合いである。
第51期北海道プロリーグ、6節(24半荘)終了時の成績上位4人が得点持ち越しの上、決勝卓(4半荘)に進出。
3月11日に行われた決勝に進出した選手は以下の通り。
*敬称略
喜多清貴(28期 二段)
連盟入会期は遅いが北海道の麻雀業界を支えてきた功労者の1人。
入会後はコンスタントに上位争い、3度目の決勝進出で初の優勝なるか。
野々川博之(6期 六段)
こちらも北海道で麻雀の普及活動に力を注いできた1人。
北海道本部の年功者、35期以来の優勝を目指す。
三盃志(19期 五段)
北海道プロリーグ参戦者の中で年長者だが、速度のある麻雀が特徴。
過去2度の優勝経験があり、通算3度目の優勝に手が届くか。
石田雅人(26期 四段)
前節+90オーバーの成績で決勝に滑り込み。
ポイント的に厳しい戦いになるであろうが、持ち前の粘りと、高打点の手組で2度目の優勝をもぎとれるか。
これまでの成績は
喜多+210.1P
野々川+169.2P
三盃+140.5P
石田+120.8P
持ちポイント的には喜多が有利だが爆発力のある石田が4番手に控える。
野々川、三盃は喜多をこれ以上走らせないような展開に持ち込めるかが勝負の肝になりそうである。
どのメンバーも厳しく長年麻雀に対して努力と研鑽を続けてきた。
誰の想いが「結果」となって実るか。
それぞれが素晴らしい「結果」を求めて戦う火蓋が切って落とされた。
 
1回戦 (起家から、三盃・喜多・野々川・石田)
東1局 ドラ三万
勝負の入りを重要視する打ち手が多い中、一番の配牌を貰ったのはトータルトップ目の喜多。
3巡目に
二万四万六万六万七万五索六索七索二筒三筒中中中  ドラ三万
この形の1シャンテンになる。
すんなりドラを引き入れるようだと今日は喜多で決まりかなと思うような牌姿ではあったが、思うように手が進まないまま14巡目に親の三盃からリーチの発声。
一万一万六万六万七万七万五索五索白白発発西  リーチ
先にテンパイを入れていたのは野々川。
二万四万九万九万五索六索七索三筒四筒五筒六筒七筒八筒
12巡目に5枚目の四筒を打たれて喜多もチーテンを入れた。
一万二万四万四万五索六索七索中中中  チー四筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き
2人が終盤オリに回って流局。
喜多にとっては貰った配牌の形から考えるとなんとなく感触の悪い滑り出しとなった。
東1局1本場3巡目。
前局のリーチは不発に終わったが、親の三盃が積極的に仕掛ける。
上家から打たれた五索をチーして
三万三万一索二索三索三索三索八索九索六筒  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き  ドラ九筒
その後要牌を引き入れ
一索一索二索三索三索三索三索七索八索九索  チー五索 左向き四索 上向き六索 上向き
この高め跳満テンパイを入れる。一気に突き抜けるかに思われたが、親の河を警戒して序盤からピンズのホンイツに向かっていた石田が六筒を切るとロンの発声
西家・野々川
六万七万八万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒九筒九筒  ロン六筒
8,000は8,300のアガリで今日最初のアガリをものにした。
東2局、現状2番手の野々川に先行される立ち上がりになった喜多だが15巡目、
三万三万三万四万五万六索七索八索白白白中中  ツモ三万  ドラ北
この1,300オールをツモる。
ドラも見えていない三暗刻変化のある手牌だが、六万が場に3枚出とはいえリーチの選択肢もあったのではないか。
喜多は南2局の親番で苦悩を迎えることになる。
南2局、流局と小さなアガリで局が消化され迎えた喜多2度目の親番3巡目に、
六索七索八索六筒東南西西北白発中中  ツモ六索  ドラ二万
ここからホンイツへ一直線。
9巡目、持ち点が14,400になっていた石田からリーチが飛んでくる。
この時すでに喜多は
二索三索四索四索六索六索七索八索西西中中中  ドラ二万
このメンホンテンパイがはいっていた。すぐに九索を引いて
二索三索四索四索六索六索七索八索西西中中中  ツモ九索
ここで選択の機会。場には五索六索西も放たれていないが喜多の選択は九索(リーチ者の現物)。
その後、裏目の西をツモってしまう。石田の河には一索四索も出ていないが、西もツモ切りとなった。
このまま終盤まで全部の牌を押し、当然のように三筒もツモ切ると石田の手牌が倒される
二万三万四万六索六索七索八索九索三筒四筒四筒五筒五筒  ロン三筒
高めの三筒で7,700の放銃。この時喜多は何を思ったのか。
トータルトップ目の喜多が、ラス目の石田に放銃した事で野々川の士気も上がる。
その野々川の親番。
南3局、三盃が仕掛けて
四万一索二索三索六索七索九索中中中  ポン白白白  ドラ八万
野々川
五万五万七索八索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き
ここから八索を引いて打五万とした。ホンイツ気配の三盃をケアして迂回する選択だが、三盃は比較的全員に安全そうな四万を残して字牌を先切りしテンパイ気配を出していた。
終盤手出しで四万としたのを見て
野々川
七索八索八索九索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き  ツモ一索
この一索も最終盤にツモ切りとして結果1人テンパイ。アガリ同等の1,000オールとした。
細かい所までのケアが行き届いている。当たり前の打牌を当たり前のように。思っている事をしっかりと反映させる野々川らしい一打だった。
次局は石田のリーチに3人がオリてオーラスを迎える。
南4局2本場
持ち点は、野々川36,100 三盃34,400 喜多24,400 石田24,100
ラス目のラス親でここを落とすと更に苦しくなる石田にチャンス手。
三万四万五万六万七万三索三索四索三筒三筒五筒六筒六筒  ドラ三筒
しかし今日の石田はなかなか有効牌を持ってこない。終盤にかけてなんとか2つ鳴いて、
三万四万五万三筒三筒六筒六筒  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き
最終ツモは七万。当然のように河に置くも、下家の三盃が静かに静かにそっと開いた手牌は、
一万二万三万五万六万七万八万九万白白白東東  ロン七万  ドラ三筒
8,000は8,600で大事な初戦を制した。
1回戦成績
三盃+22.3P 野々川+10.1P 喜多▲9.6P 石田▲22.8P
1回戦終了時
喜多+200.5P 野々川+179.3P 三盃+162.8P 石田+98.0P
 
2回戦 (起家から、喜多・野々川・石田・三盃)
初戦を終えて野々川と喜多の差はおよそ20ポイント。
三盃と喜多も40ポイントとかなり肉薄してきた。
喜多としてはこの2回戦で、また突き放したいところであるが、最初の親番は手が進まないまま流局となってしまう。
勝負が動いたのは東3局。前局300・500をツモアガった三盃が、
六万七万八万五索六索七索六筒七筒八筒発中中中  ドラ発
このテンパイをすぐにツモりあげ2,000・4,000。
1回戦トップの三盃がこのまま連勝となれば更に勝負はもつれるが、次局三盃に親番は野々川が動いて300・500。
喜多が親番でテンパイ流局連荘したあとに、1,000は1,100オールをツモった後の南1局2本場、野々川が以下の形でリーチ。
七万八万六索七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ八万
高目の六万もまだ山に生きていたが、九万をツモって1,300・2,600は1,500・2,800のアガリ。
七万八万六索七索八索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西西  リーチ  ドラ八万  ツモ九万
南3局も積極的に動いていた野々川が、
二万三万一索二索三索五索九索  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ポン発発発  ツモ四万  ドラ二万
この九索単騎のテンパイ。
喜多もタンヤオの渡りがある形式テンパイに向かうが、九索が浮いている。
単騎をケアして放銃はなさそうであるが、無事に六索と振り替わらないまま終盤の野々川
二万三万四万一索二索三索九索  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ポン発発発  ツモ二万
待望のドラを持ってきて、高目のドラで7,700に変化。
ドラはまだ生きていたがアガリは生まれずにオーラスを迎える。
南4局2本場は、親の三盃が先制でリーチを打って1人テンパイ。
これによりオーラスの持ち点が
喜多27,800 野々川35,200 三盃37,300 石田17,700こうなった。
南4局3本場 供託2.0
ここも三盃が九万ポンから動いて
三万三万五万六万六万北発  ポン西西西  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ドラ中
としたが、全員が被せ気味の打牌になった道中、南家・喜多
一万一万四索五索六索七索七索八索八索南南南西  ドラ中
ここから三索をチーしてテンパイ。
石田から九索で2,000は2,900と供託の2,000を取りきって浮きの3着を確保した。
一万一万六索七索七索八索八索南南南  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  ロン九索  ドラ中
2回戦成績
三盃+15.3P 野々川+8.2P 喜多+3.7P 石田▲27.2P
2回戦終了時
喜多+204.2P 野々川+187.5P 三盃+178.1P 石田+70.8P
 
3回戦 (起家から三盃・石田・野々川・喜多)
東1局野々川が、
四万五万八万八万九万東東白白白  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ドラ七万
ここから六万をツモって九万を切ってテンパイだが東は三盃がトイツ。
喜多もテンパイ取るが終盤オリにまわり、野々川が1人テンパイ
東2局1本場、野々川が先制リーチしてツモ。
一万二万三万六万六万二索三索四索五索六索四筒五筒六筒  ツモ四索  ドラ三万
1,300・2,600は1,400・2,700。
東3局は喜多が300・500をツモアガリ。
東4局、三盃がピンズのホンイツに向かうが道中、意図的にホンイツ臭を消した手組にしていたところに、絶好のツモ八筒で以下の形。
一筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒  ポン西西西  ポン白白白  ツモ八筒  ドラ四筒
野々川から六筒で7,700。
南1局は喜多が300・500をツモり迎えた南2局。
親番を迎えた石田、ただ黙っている訳にはいかない石田がここで魅せる。
一万二万三万二索三索四索七索八索八索八索九索一筒二筒  ドラ二索
このペン三筒テンパイから三筒をツモり、フリテンの高目6,000オールリーチを敢行する。
石田はこのリーチがアガれずに親権を流してしまう。
ここまで苦しい戦いを強いられている石田だが最後までしっかりと自分の打ち筋を貫いていた。
今期の決勝はこのリーチがアガれなかった時点で、4回戦があるとはいえほぼ終戦となったように思えた。
南3局は喜多が
四万五万六万四索四索七索八索四筒五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ九索  ドラ九索
これをツモで1,300・2,600。
そして大事なオーラスを迎えて点棒状況は
喜多32,900 三盃30,700 野々川29,500 石田26,900
オーラスの親番は前局のアガリでトップ目に立った喜多。
良いとは言えない配牌の中、局を捌きに行くが、野々川が中盤に
二万三万四万六筒六筒発発  ポン中中中  カン九索 上向き九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ドラ発
このテンパイを入れる。喜多も粘りに粘って発単騎のテンパイ。
山には六筒が2枚、発が1枚生きていた最終盤に野々川若干トーンの高い「ツモ!」の発声。
二万三万四万六筒六筒発発  ポン中中中  カン九索 上向き九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ六筒  ドラ発
値千金の2,000・4,000は当面の敵喜多を沈みの2着にしての1人浮きトップ。
野々川の日々真摯に取り組んだ想いが牌に「結果」として伝わったツモアガリだった。
3回戦成績
野々川+19.5P 喜多▲2.1P 三盃▲4,3 石田▲13,1
3回戦終了時
野々川+207.0P 喜多+202.1P 三盃+173.8P 石田+57.7P
いよいよ第51期北海道プロリーグ決勝も最終節最終戦となった。
上位3人に優勝の可能性が残る。野々川と喜多はほぼ着順勝負、三盃は両者より上の着順になった上で3万点近く差をつければ優勝である。
石田が150P以上離された位置で、どのようにプロらしさを表現していくのかも注目したい。
それぞれの思惑が交錯する中最後の挨拶が交わされた。
 
4回戦
連盟規定に乗っ取り席順が決定(起家から、喜多、三盃、石田、野々川)
東1局、喜多の親番は石田が
三万四万五万七万八万九万七索八索九索七筒九筒白白  ツモ八筒  ドラ四万
この2,000・3,900をツモ。
終始苦しかった石田に最後に軽く安い手が入るのもまた麻雀か。
その石田が親権を維持した東3局1本場にリーチ
三万四万七万八万九万四索五索六索一筒二筒三筒五筒五筒  リーチ  ドラ二万
その時喜多も以下の形でテンパイしていた
一万二万二万二万三万三万五万五万六万七万  ポン白白白  ドラ二万
ここからツモ一万でツモ切り、カン四万のまま押し切るも終盤石田が五万をツモって1,300は1,400オール。
これをアガればという喜多のホンイツだったが実らず。勝負は南場にもつれる。
南2局1本場、親の三盃がペン三万待ちの一通でリーチ。
一万二万四万五万六万七万八万九万六筒六筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ八索
このゲームここまでラス目の喜多が
三万四万二索三索四索五索五索六索七索八索二筒三筒四筒  リーチ
これでリーチ。道中、ホンイツとの岐路も役牌2種を見切って最高形に。
次巡、二万をツモリ3,100・6,100で一躍トップ目に。
喜多、初優勝まであと2局!しかし次局に落とし穴が。
南3局10巡目
野々川
三万三万六万六万三索四索五索三筒四筒五筒  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ロン六万  ドラ八索
ドラを手放したのは1シャンテンの石田。その是非はあえて問うまい。
五万六万六万七万六索七索一筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒
喜多はこの形から野々川に六万で7,700を放銃
安全策の一筒切りで粘る手もあったが。
野々川がラス親、残り巡目も考えるとこの結果は淡白すぎではなかったか。
南4局 ドラ三万
野々川36,100 石田33,400 喜多26,700 三盃23,800
喜多の逆転優勝の条件は
ツモアガリなら、1,600.3,200。出アガリなら12,000。
(野々川からの直撃なら5,200)
喜多8巡目
五万一索一索二索二索三索五索五索九索九索七筒七筒七筒
ツモ四万で喜多本日最後の何切る?
ちなみに六万は自身のフリテンで3枚切れ。ドラと五万は生牌。三索四万は1枚切れ。四索は4枚とも切れている。
喜多はここで七対子に見切りをつける。
今局は選択を間違えることなく、ドラを引いて待望の再逆転のリーチを打つ。
三万四万五万一索一索二索二索三索五索五索七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三万
野々川も役牌を仕掛け喜多の現物待ちで1,500テンパイ。
喜多のリーチだけに、出たら連荘するしか術はない。
この後、両者のアガリ牌が場に顔を出すことはなかった。
最後のツモが河に置かれて優勝者が決まると同時にどこからともなく拍手が。
野々川博之が「結果」を最高の物として戴冠。
優勝おめでとう。
4回戦成績
野々川+13.1P 石田+6.4P 喜多▲5.3P 三盃▲15.2P
最終成績
野々川+220.1P 喜多+196.8P 三盃+158.6P 石田+64.1P
さて冒頭の一句には対句がある。
「一華開五葉」という言葉で解釈は以下の通り。
「一つの花がある。その花が五つの花びらを開いた、という意であるが、この花はあなたが生まれたときからあなた自身の深いところに咲いている花だ。
もしあなたが「五つの花びら」の意味を知りたいのなら、道はたった一つ。自身が心の中を深く訪ねて自分の力でもってその意味を体得するしかない。
その行はあなたの心に美しさを与え、そしてあなたの人生を限りなく豊かにするに違いない。
麻雀道に終わりはない。
昨年WRCリーグに出た時に同卓した今年鳳凰位を大観された前原プロも、「全節消化はできないが、麻雀を強くなりたいから参加した。それ以外に意味があるのか?」という類の事をおっしゃっていた。
結果を求めるためには研鑚を積むしかない。麻雀を強くなるためには沢山見て、沢山学んで、沢山打ってを繰り返すしかない。
いつか自分の花びらが「結果」となって開くか分からないが、これからも連盟の一員として麻雀道をしっかりと進みたいと思う。
また今期決勝の最後を盛り上げた2人は副本部長として新しい北海道本部を作る2人であった。両者の戦いを見て私は勿論の事、観戦者も皆胸に秘めた物があるのではないか。
次はこの場所でこの2人と、そう思える対局を見れた事に感謝の気持ち、対局を作った4人に感謝の気持ち、そしてこの対局を自分が文字にできることへの感謝の気持ちを込めて最後を締めたいと思う。
筆:真光 祐尚

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

 

【がらくた時代到来】
 

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遂に…遂に念願のG1タイトルホルダーとなったのは佐々木寿人だ!

 

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先日の無礼なインタビューをご覧になったであろうか?

第159回:プロ雀士インタビュー 佐々木 寿人

モンド杯を獲得した時のもので、インタビュアーは日本オープンを獲得した山口大和だ。

「目立たぬようにーはしゃがぬようにー♪」
とインタビュー中、河島英五の時代遅れをスタジオに流すスタッフのはからいがあったが、この日だけは目立って、はしゃいだことであろう。

100

 

十段戦の再現なるか、と最後まで追い上げた柴田吉和も見事であった。
牌譜を汚すまい、とメンチンペンカン七索リーチをかけた内川もまた見事なプロ意識で対局を終えた。

 

100

 

そして、惜しくも敗れた白鳥。

彼ががらくた傘下に加わったかどうかは定かではないが、とりあえずこのポーズで写真に収まっている。
対局終了直後、佐々木寿人の口から「白鳥が強くて…」という言葉があったが、これはもちろん本音である。
常日頃、白鳥に対して情けないだの何だの声をかけているが、今回ばかりは白鳥の強さを感じたようだ。
4人共、素晴らしい対局をありがとう!

 

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【がらくた番組の方も…】
 
チームがらくた(総勢2名)総帥である前原雄大の鳳凰位獲得、佐々木寿人のモンド杯、グランプリMAX獲得により、さらに「がらくたチャレンジ」にも注目が集まる。

次回は、
3/21(火)18時~
C卓
小川尚哉vs真鍋明広vs高谷圭一vs山田学武
実況:部谷幸則
解説:前原雄大

D卓は3/27(月)18時~予選D卓が開催される。
庄田祐生vsケネス徳田vs三浦智博vs小林正和
実況:桜川姫子
解説:前原雄大

桜川姫子!?凄い名前!白鳥翔みたいな感じ!?

 

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修行の様子

 

 

【メイクアップ】
 
「俺も日吉さんみたいに名前間違えられたいっす!」
ワクワクしてメイクを直してもらっている白鳥だが……

 

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何も声をかけてもらえなかった。
一切!の声もかけてもらえなかった。
白鳥も惜しかったね。また次は頑張ろう。

 

 

【Battle of generation決勝】
 
3/24(金)18時~
勝又健志vs西川淳vs近藤久春vs森山茂和
実況:優月みか
解説:未定
ルール:WRC世界選手権ルール
システム:半荘3回戦を行い優勝者を決める

それぞれの世代予選を勝ち上がってきた4名の戦い。
反射神経は若手に分があるのは間違いないが、競技麻雀が強い年齢というのは未だに不明だ。
持ち味を出し切り、世代別の頂点に輝くのは誰だ!?

 

 

【詮索するべからず】

 

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写真は正月になると現れる”グレートタカ”のマスクを被る瞬間の写真だ。
誰なのかは未だに不明だが、持ち前の筋肉ボディーでいわゆる「オヤジ狩り」を撃退したこともあるらしい。
だから情報は「オヤジ」であること。そして繰り出す技から、かなりのプロレス好きであるということ。しかし、麻雀は守備型。
とりあえずそれだけである。
「タカ」というネーミングから古橋タカ志の可能性も考えられるが体型的にどうか?

スタジオだからまだしも、この姿で外を歩いている人がいたなら、私なら直ぐに逃げる。
 
 
【打ち上げ】
 
結局感極まって泣いてしまった。
 

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結局箸を使うのも面倒になった。
 

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プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

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【がらくた時代到来】
 

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遂に…遂に念願のG1タイトルホルダーとなったのは佐々木寿人だ!
 

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先日の無礼なインタビューをご覧になったであろうか?
第159回:プロ雀士インタビュー 佐々木 寿人
モンド杯を獲得した時のもので、インタビュアーは日本オープンを獲得した山口大和だ。
「目立たぬようにーはしゃがぬようにー♪」
とインタビュー中、河島英五の時代遅れをスタジオに流すスタッフのはからいがあったが、この日だけは目立って、はしゃいだことであろう。

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十段戦の再現なるか、と最後まで追い上げた柴田吉和も見事であった。
牌譜を汚すまい、とメンチンペンカン七索リーチをかけた内川もまた見事なプロ意識で対局を終えた。
 

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そして、惜しくも敗れた白鳥。
彼ががらくた傘下に加わったかどうかは定かではないが、とりあえずこのポーズで写真に収まっている。
対局終了直後、佐々木寿人の口から「白鳥が強くて…」という言葉があったが、これはもちろん本音である。
常日頃、白鳥に対して情けないだの何だの声をかけているが、今回ばかりは白鳥の強さを感じたようだ。
4人共、素晴らしい対局をありがとう!
 

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【がらくた番組の方も…】
 
チームがらくた(総勢2名)総帥である前原雄大の鳳凰位獲得、佐々木寿人のモンド杯、グランプリMAX獲得により、さらに「がらくたチャレンジ」にも注目が集まる。
次回は、
3/21(火)18時~
C卓
小川尚哉vs真鍋明広vs高谷圭一vs山田学武
実況:部谷幸則
解説:前原雄大
D卓は3/27(月)18時~予選D卓が開催される。
庄田祐生vsケネス徳田vs三浦智博vs小林正和
実況:桜川姫子
解説:前原雄大
桜川姫子!?凄い名前!白鳥翔みたいな感じ!?
 

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修行の様子

 
 
【メイクアップ】
 
「俺も日吉さんみたいに名前間違えられたいっす!」
ワクワクしてメイクを直してもらっている白鳥だが……
 

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何も声をかけてもらえなかった。
一切!の声もかけてもらえなかった。
白鳥も惜しかったね。また次は頑張ろう。
 
 
【Battle of generation決勝】
 
3/24(金)18時~
勝又健志vs西川淳vs近藤久春vs森山茂和
実況:優月みか
解説:未定
ルール:WRC世界選手権ルール
システム:半荘3回戦を行い優勝者を決める
それぞれの世代予選を勝ち上がってきた4名の戦い。
反射神経は若手に分があるのは間違いないが、競技麻雀が強い年齢というのは未だに不明だ。
持ち味を出し切り、世代別の頂点に輝くのは誰だ!?
 
 
【詮索するべからず】
 

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写真は正月になると現れる”グレートタカ”のマスクを被る瞬間の写真だ。
誰なのかは未だに不明だが、持ち前の筋肉ボディーでいわゆる「オヤジ狩り」を撃退したこともあるらしい。
だから情報は「オヤジ」であること。そして繰り出す技から、かなりのプロレス好きであるということ。しかし、麻雀は守備型。
とりあえずそれだけである。
「タカ」というネーミングから古橋タカ志の可能性も考えられるが体型的にどうか?
スタジオだからまだしも、この姿で外を歩いている人がいたなら、私なら直ぐに逃げる。
 
 
【打ち上げ】
 
結局感極まって泣いてしまった。
 

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結局箸を使うのも面倒になった。
 

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