第15期女流桜花Aリーグ第5節C卓レポート

中山奈々美、国士無双炸裂!!

 

 

【第5節C卓結果】

白銀+100.5P   中山+54.1P   山脇▲49.5P   瑠美▲105.1P

 

 

今節6位スタートだった中山は1回戦のオーラスに今期2度目となる役満をアガリます。

7巡目1・9字牌が余らずにテンパイした国士無双に放銃したのは瑠美。

この日の瑠美は相手が大物手をテンパイした直後にロン牌を掴む無限ループに陥り、近年稀に見る不幸に襲われました。

 

役満をアガった中山は攻撃的な麻雀が上手くハマり、トップ1回・2着3回と全連対。

去年は降級の危機を奇跡的に逃れ、入れ替え戦を経ての残留。

その入れ替え戦を解説をしていた魚谷に

 

「来期は決定戦に行きそう」

 

と予言されていた中山が今節を終えて2位に浮上です。

 

その中山よりも大きくプラスしたのが今期Aリーグ初挑戦の白銀。

 

 

今期のAリーグの顔ぶれは、第1期から一度も落ちたことがない二階堂亜樹・二階堂瑠美・清水香織。

仲田加南は3期から、内田美乃里は5期から、魚谷侑未は6期からAリーグで戦い続けています。

吾妻さおりは降級したのが入れ替え戦で敗れた一度だけ、松岡千晶と稲岡ミカは連続Aリーグ5期目と4期目になります。

残留枠が12位までで、降級経験の無い選手が8人在籍。

女流桜花Aリーグに新しく上がってきた選手は、まず残留することが大変です。

 

前節まで少し消極的な印象を受けた白銀、今節も序盤は慎重な打ちまわしに見えましたが

 

 

3回戦の東4局3本場。

白をポンした山脇の仕掛けを軽視した中山から打たれた東。

これをマークが外れていた白銀が鳴けてダブ東ドラ2のツモアガリ。

この局を切っ掛けに白銀が覚醒しました。

積極的に攻め続け3回戦で9万点近いトップを取ると、最終的にこの日のプラスが100ポイントを超えてトータルも15位から10位へ浮上。

 

1位スタートの瑠美と2位スタートの山脇が大きくマイナスし、15位スタートだった白銀が大きく浮いたことで上位も下位も大混戦になりました。

 

(文:越野智紀)

戦術の系譜11 猿川 真寿

前回は心構えを書かせていただいたが、今回は戦術である。
しかし、手合い、システム等によっては、全く意味のない自己満足で終わる。また、それなりの雀力が必要になる。
基本は使わない(使う必要がない)ことをお薦めする。

●大局観
今回の戦術を一言で表すなら大局観になるだろう。
確率的に麻雀は、4局に1局しかアガれない競技だ。4分の1を4分の1.5にするのもすごい技術。だが今回は残りの4分の3の戦い方の話をしたいと思う。
アガれない局なら、失点しないのが最善。それも1つの戦術であって、それだけが正解とは思っていない。

 

●1局消化の価値
戦術にいく前に、この話を書いておかなくてはならないだろう。多分私は、この価値を他の競技者より高く捉えていると思う。
麻雀は東1局から始まり南4局で終わる。最短8局で1試合。
東2局、親で連荘でき持ち点が、55,000点になったとする。オーラス終了時、大体トップが45,000点ぐらいだとしたら、7局で10,000点ぐらいは放出してもいい計算になる。
誰かに連荘されてかわされたとしたら?という意見もあるだろう。当然そういうこともある。ただ、そうさせないようにする戦術の話になる。
もっというと、そうなっても構わない。ただ、さすがにこれだけのビハインドがあったら2着には最低なりたい。
これが南2局の親番で55,000なら、残り3局で10,000点も使える計算になる。

ではここから具体的に話していくことにしよう。

 

●どの展開を望むか
例えばこんな牌姿
東3局 南家 41,700点持ち 4巡目

三万五万二索五索六索七索八索五筒東東西北白白  ドラ六筒

3巡目までの捨て牌が、九万 上向き八万 上向き一万 上向きだったとしよう。さて何を切るのが正解だろうか?
ホンイツもみながらアガリの早そうな西北もある。ホンイツ一直線だが色を絞らせない三万切りもある。どちらも悪くない発想だと思う。
ただここで五筒切りを選択する人も多いだろう。

問題は親が何着目か、手の進行具合は?
2着目の手の進行具合は?2着目との席順は?
などが本当は大事なことだと思っている。

 

●ターツ落とし
手出しツモ切りを見るときに、見逃してはいけないのが、ターツ落としだ。
捨て牌に五索三索とあったとする。これが、ツモ切りツモ切りと、手出し手出しでは相手の手牌構成を読むときに大きな違いが生まれる。

もう1つ大事なことは、ターツ落としが続けて切っているか?離して切っているか?を見ておくことだ。
全て手出しだとして、五索西三索と切られていたら、五索三索と切られたときより、よりいっそう残っている形が絞られてくる。
パッと出てくる形は、二索三索三索五索一索一索三索五索
あとはテンパイ外しからのくっつき狙いなどがある。
上記の牌姿をもう一度見てみよう。

東3局 南家 41,700点持ち 4巡目

三万五万二索五索六索七索八索五筒東東西北白白  ドラ六筒

捨て牌が九万 上向き八万 上向き一万 上向き(全て手出しだとする。)
三万を切ったら、相手はカンチャンターツ落としでターツオーバーか、ホンイツの可能性は否定できないと読むだろう。
西を切ったら、ピンフ系で少しまとまってきた感じがする。河としては1番おとなしい。(目立たない)
少しひねって五万を切って、数巡後に三万を切ると、できメンツからの空切りもあるが、字牌も切れていないし七対子の匂いを出すこともできる。

このように、手出しの順番で相手に考えさせミスリードや切りにくい牌を変えることができる。
トップ目のときに、親番にアガられるのは誰でも嫌だろう。だったら、先に五筒を切ってホンイツをみせて、親に字牌を早めに絞らせる手もある。
自分のアガリも遠退くが、親のアガリも遠退くなら価値は低くない。ホンイツを見せたからといって、ホンイツがアガれないわけではない。
ただ、相手がみていなければなんの意味もないので、注意が必要である。

 

●場の重さ
私はかなりドラを切るタイミングが早い方の打ち手だと思う。
それによってよく失敗することもあるが、今のところ切るタイミングを変更するつもりはない。(連盟公式ルールは思考中)
理由はいくつかあるが、全員がじっくり構えての所謂、重い場が苦手だからである。ハイリスクハイリターンになりやすい。字牌の扱いについても同様で、なるべく早めにリリースしたい。

トップ目のときは、通常時より更に1巡早くなる。
場を軽くする意味もあるが、こちらの手牌進行の速度を読ませづらくするのが、大きなメリットだ。
それに対応して、安手で局を進めてくれれば終了時の着落ちリスクが減っていくことになる。

ドラを切って鳴かれて、アガられてトップ目を捲られたら?そうなっても仕方ない。
切らなかったとしても捲られるかも知れないし、前回書いたが、選んだ道以外の結果は分からないのだから。

ただ、そこに放銃したりするのはいただけない。あとは、2着目に手が入っていそうなのに、それを助けるドラ切りなどは避けたいところである。
ドラを切って子方の4着目が鳴いて満貫をツモアガったとする。この場合は点差にもよるが、鳴かれなかった場合より成功と言えるのではないかと思う。
自分は2,000点の失点で1局消化できたのも悪くないのではと考える。

例えばその次局の各々の持ち点がこうなったとする。

トップ目(自分)38,000
2着目 28,000
3着目 18,000
4着目 16,000

2着目は、そこまでトップしか見てなかったところを、4着まで考慮しなければならない。自分の4着になる可能性も上がってしまったが、これが南3局だとしたら連荘だけされなければ、2着で踏みとどめられそうな気がする。
点差が近くなれば、手牌進行が打点より速度を優先する割合が増え、痛手を負う可能性が低くなるのは、トップ目にとって有利な状況と言えるのではないだろうか。

 

●5分の1
前にも書いたが、1局でアガれる人は1人。流局もあるので実際は5分の1弱ではないだろうか?
よって2人が攻めているときは、押し返しにくい状況になる。(通常2人がアガれる確率が高いから押している)

先程の状況の続きで、南3局で子方の16,000点の4着目が8巡目にドラ切りリーチときたとしよう。ラス親が自分だとしたら、ツモアガリされても、オーラスに放銃さえしなければ2着には最低残る。
ということは、このリーチがアガられるかどうかより、まずは2着目が押すか引くかの動向が気になる。
2着目にアガられても、2着までには残りそうだが、トップを捲られてしまう可能性の差は大きい。

仮に、ラス目が満貫ツモしたときは、オーラスに2着まで2,000点。トップまで満貫ツモ(同点)なので、配牌次第だが2着狙いになるかも知れない。
2着目はオーラス、満貫ツモか跳満出アガリがトップ条件になる。よって、このリーチはアガってもらうのは悪くない。

明らかに安いと分かるか、自分の手がすでにテンパイで待ちがいいぐらいでないと、放銃したときのリスクが大きすぎるので攻める価値は低そうである。
例えば、受け気味に打っていたので、リーチを受けたときの牌姿はこうだったとする。

一万一万六万七万六索七索八索四筒赤五筒八筒八筒西西北  ドラ八筒

現物は一万とドラの八筒西は2枚切れだったとする。さて、何を切るのがいいだろうか?
とりあえず、放銃だけはしたくないので、現物か西以外は切りたくない。他者がくることも踏まえて、一万切りになりそうだ。
他者がくることも踏まえての、ドラの八筒落としだけはやってはだめだ。なぜかというと、赤があるとはいえ、ドラが3枚見えたら2着目が攻めやすくなってしまうからだ。

それによって、2着目が4着目に放銃してトップがとりやすくなる展開もあるが、現状かなりいい位置なので無理をする必要はない。
このリーチは、アガってくれていいので出来れば1人旅になって欲しい。
逆にこれが、2着目のリーチだったら、私なら迷わずドラのトイツ落としとして、他者を前に出しやすい状況にする。

次回は最終回です。
私の実戦譜から、今まで書いたことの説明をさせていただきたいと思います。

第37期鳳凰戦A1リーグ第7節C卓レポート

【超攻撃前田。親のホンイツに全く絞らない紺野。守備型の打ち手が闘志を剥き出した負けられない戦い。第7節C卓】

 

 

A1の中では攻撃よりも守備の印象が強めの4名が揃った今回の組み合わせ。
その中でも特に守備寄りに思えるマイナス組の紺野、前田が普段より攻撃強めシフトで挑んだ事により非常に面白い対局になった。

まず超攻撃を魅せてくれたのは前田。

 

 

この手をリーチして親満をツモった。一見普通に見えるかも知れないが、ヤミテンでも發イーペーコードラの70符3飜の親満。ツモれば親満。つまり一発裏のない公式ルールである今日の対局では、全く打点上昇のないリーチ棒を出した事になる。他家に自由に打たせないため圧力をかける事を期待したリーチ宣言は、先制愚形などが多く半ば流局連荘狙いのものも多く見られるが、前田のこのリーチは違う。狙いを是非本人に聞いてみたいものだ。

とにかくツモアガリで連荘に成功し、次局はピンズのホンイツに向かう前田。ここに大リスクを背負いながら立ち向かったのが紺野だ。

 

 

北家でこの手牌。リーチしても2,600で下家の親前田はホンイツ濃厚。しかし三筒をぶつけて行き、場が凍りつく。
前田がチーして打七筒は紺野のアタり牌だが、役がないのでアガれず。一手変わり三色だけに仕方ないか。

次巡、紺野のツモは九筒普通ならもうやめたい。だが紺野にとってはオリたら負けなのだろうか?
覚悟を決めて打八筒とする。一筒九筒のシャンポンに待ち変えした。すると次の前田の打牌は九筒でまた役がないのでロン出来ず。前田にアタり牌を2回も打たれてしまい、さすがに次巡前田が2,600は2,700オールのツモアガり。

 

 

2回戦東3局には沢崎が五万ポン。これにより紺野のツモ牌は勝又に流れ、六索七索五筒とツモ切られる。紺野は

二万二万六万七万八万六索七索八索六筒六筒七筒七筒八筒 ツモ五筒

このアガリを喰い流されたのがはっきり見えてしまい、1回戦に続き辛い時間を強いられる。振りに回っていないのがせめてもの幸い。ここで崩れずに堪えられるのが紺野の強さ、南2局にピンフから役なしに受け変える丁寧な打ちまわしでアガリ切った。

 

 

一番辛いのは勝又。上記の紺野のアガリが封殺された局は沢崎に5,200放銃。2回戦南1局には沢崎のリーチを受けて丁寧にオリていたが、最後の打牌でドラ3の前田に痛恨のオリ打ち。

 

 

3回戦東1局には南をポンしてドラツモなら倍満のテンパイを入れるが、同テンを沢崎に引き負ける。沢崎は紺野、勝又の勝負手を尽く潰しながらチャンスと見れば強引にねじ込んで来る。

 

 

この跳満ツモも決して手なりではなくトイトイの重なりを強く意識した切り順で、配牌を見た時は沢崎のアガリ番には思えなかった。独特の仕掛けが観ていて面白い。

そんな厳しい勝又のターニングポイントになったのは3回戦南3局。
勝又はドラが雀頭のピンフテンパイ。待ちは二筒五筒で高め234三色だ。前田がピンズのホンイツ気配で良い色ではないが、意を決してリーチ。これに前田がテンパイキープでワンチャンスの二筒を勝負。跳満の放銃となり、絶好調だった前田は3回戦ラスを引いてしまう。

 

 

4回戦は前田にとって厳しかった。懸命に戦い続けたが、まるで12,000点と一緒に勝負に大切な何かを勝又に奪われてしまったかのようだった。それでも前田の今日の闘志剥き出しの戦い方は観ている者をワクワクさせてくれた。
一方の勝又は4421着。たった1つのきっかけをしっかり捕まえて今日のマイナスをほぼ帳消しに出来た。

 

 

2回戦終了時には90以上あった前田と勝又の差は一気に埋まり、4回終わってみればロースコアゲームとなった。卓内トップは唯一トップがなかった紺野。序盤の攻撃が空を切り厳しい展開に見えたが、その後は引き過ぎず行き過ぎず、きちんとまとめたのはさすが。

 

 

大きな変動はないまま終えた第7節C卓。勝負の山場はまだ先になりそうだ。開幕当初は打撃戦のハイスコアゲームが多かったが、飛び抜けたり、崩れたりする者が居なくここ数節ですっかり落ち着いた印象。嵐の前の静けさといったところか。

文:編集部

第37期鳳凰戦A2リーグ第6節B卓レポート

杉浦勘介、昇級確実!?100ポイントオーバーのプラスでダントツの首位に

9月22日(火)に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第6節B卓は、トータル首位の杉浦勘介が4連勝で圧倒的なリードを築く結果となりました。

対局メンバーは、
1位 杉浦勘介 (+97.4P)
8位 麓征生 (+22.7P)
9位 前原雄大 (+6.2P)
12位 山田浩之 (▲ 45.1P)
15位 二階堂亜樹 (▲ 149.8P)

前の週に別卓の結果で首位に浮上した杉浦がリードを広げるか、中位陣2名が昇級争いに名乗りをあげるか、降級圏を逃れた山田に亜樹が迫るかが見どころの対局。

 

 

試合が始まると、まずは亜樹が粘り強い連荘で得点を伸ばします。満貫以上のアガりは無いものの、半荘で合計9局に渡って親番を繋ぎ、放銃は避ける慎重な打ち回しでトータル最下位から値千金のトップを手にしました。

 

 

全員に守備的な選択が多く見受けられるなか、異変が起こったのは2戦目。杉浦が門前のツモ三色ドラ1、タンヤオドラ3のアガリであっというまにダントツに。オーラスにも12,000のアガリで前節に続いて好調を感じさせます。
さらに全員がグッときたのは3回戦。平たい点数状況で南場の親番を迎えた杉浦は、まずはリーチ・ツモ・タンヤオの2,000オール。

 

 

次にリャンメン受けを拒否して打点にこだわった、ツモれば三暗刻のリーチ。

 

 

これは流局しましたが、次局はスピード感溢れる仕掛けであっという間に供託を回収。

 

 

そしてついに大物手が!タンピン三色確定のテンパイ!

 

 

これを力強くツモ。
最終戦も当然のようにトップをさらい4連勝を決めると、トータルポイントは+127.7という驚異的なスコアに!A1リーグへの昇級を一気に手元まで手繰り寄せました。
1日が終わってのトータルポイントは以下の通り。

 

 

杉浦はこの結果で、これから大きく貯金を減らさなければ昇級が濃厚に。逆に麓、前原は一旦は降級回避を念頭に置いての戦いとなっていきそうです。
このところ毎週大きくポイントが変動するA2リーグ。来週もぜひ熱い戦いにご期待ください。

(文中敬称略)
文:浜野太陽

麻雀日本シリーズ2020第5節レポート

【麻雀日本シリーズ2020第5節】敗退4名が決定。番狂わせの最終戦。

開始前(20回戦終了時)のスコアと、改めて日本シリーズのシステムを掲載する。

 

 

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し、二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越し、プレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

一次予選は各自この一戦で終了だが、決勝を見据えてポイントを伸ばしておきたいとは誰しもが思うところ。

 

【21回戦】 (1位)佐々木vs(8位)堀vs(9位)坂本vs(16位)伊藤

堀の職人芸。
上家の佐々木が国士無双模様の捨て牌。伊藤にも字牌が高いことを鑑み、役はなくなるが北切り

一索二索三索四索四索四索五索五索五索北五筒 チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

 

 

この北に伊藤からポンが入った結果、自身はテンパイ、佐々木は国士無双13面張になっていた北南が食い流れる。

一索二索二索三索四索四索四索五索五索五索 チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き ツモ三索

2,000、4,000のツモアガリ。

このまま堀がポイントを伸ばすかと思われたが、余裕のある佐々木が攻める一方でトップ。
かろうじて2着の堀が+1.1P、3着の坂本が▲10.8Pとポイントを伸ばせず。

 

【22回戦】(2位)平賀vs(7位)本田vs(10位)原vs(15位)近藤

近藤の逆襲。まずは平賀から技ありの12,000。
続けて東3局2,000、4,000。東4局2,600オールと現状のボーダーまで3万点まで迫る。

 

 

平賀は箱割れ寸前まで点数を減らすが、それくらいは織り込み済みと言わんばかりの3,000、6,000。

九万九万一筒一筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒 ツモ三筒 ドラ九万

オーラスもきっちり条件を満たし、3着浮上。
逆に条件を満たされた原は、痛恨のラス落ちで、現時点で敗退の13位(▲48.7P)に後退。
近藤も南場では稼げず、15位(▲74.3)で終了。

 

【23回戦】 (3位)白鳥vs(6位)森下vs(11位)多井vs(14位)沢崎
MリーグではABEMASのチームメイトの多井と白鳥。前回は白鳥がトップで、「次は絶対やっつける」と解説席で語った多井。

東1局白鳥(親)

二万二万二万六万六万三筒四筒六筒七筒八筒三索四索五索 リーチ ロン二筒 ドラ七筒

先行リーチの多井から7,700。

東1局2本場白鳥(親)

二万二万二万四万五万六万四筒五筒三索三索発発発 リーチ 一発ロン六筒 ドラ白 裏六筒

またしても先行リーチの多井から12,000+600。
多井は白鳥に返り討ちにされてしまった。

その勢いで白鳥は95,000点の大トップで首位に浮上。
沢崎も巻き込まれ、16,000点持ちと苦しいところだったが、

二万三万四万七万七万七筒七筒白白白 暗カン西牌の背牌の背西 リーチ ツモ七筒 ドラ東 カンドラ西 裏六索 カン裏七筒

リーチツモ三暗刻白ドラ4裏3の三倍満で点数を回復。
原をまくるまではいかなかったが、13位(▲51.4P)として、24回戦の結果待ちとなった。

 

【24回戦】(4位)瀬戸熊vs(5位)藤崎vs(12位)鈴木vs(13位)魚谷
※順位は20回戦終了時

鈴木(▲39.2P)と魚谷(▲47.7P)の通過条件を確認しよう。(13位の沢崎が▲51.4P)
・お互いより上の着順は通過
・鈴木が下になった場合、22,900点以上の3着で通過
・魚谷が下になった場合、31,400点以上の3着で通過

東1局、魚谷、2,000、4,000ツモアガリで一安心

東3局、魚谷、親の先行リーチが終盤に瀬戸熊への6,400放銃となり接戦。

南2局で瀬戸熊が連荘し、だんだん雲行きが怪しく・・・

なんとオーラスを迎えたときには、近藤が魚谷の上になるという大波乱。
オーラスも藤崎がアガリ、予想もしなかった魚谷、鈴木ともに敗退となった。

経験豊富な藤崎、瀬戸熊は、決勝に向けて一番の稼ぎ時だとわかっており、狙い通りの進め方だったと言える。

24回戦終了時の成績はこちら。

 

 

次回は二次予選の25回戦~30回戦。決勝へのボーダーラインがかなり高くなっており、中位~下位は戦い方が難しい。
決勝まで二次予選とプレーオフで各自4戦ずつだが、白鳥、佐々木はほぼ確定したと言えるだろう。

10/17(土)12時より対局開始。

25回戦:(1位)白鳥 vs(6位)本田vs(7位)堀 vs(12位)近藤
26回戦:(2位)佐々木vs(5位)藤崎vs(8位)森下vs(11位)沢崎
27回戦:(3位)瀬戸熊vs(4位)平賀vs(9位)坂本vs(10位)原
※27回戦終了時の順位によって28・29・30回戦を行う、30回戦終了時に下位4名が敗退

(文:福光聖雄)

第18期プロクイーンベスト8B卓レポート

 

昨年のファイナリストが3人残ったベスト8B卓は、りんのと瑠美が2年連続の決勝進出となりました。

この試合、まず主導権を握ったのは初の決勝を狙った渋谷。

 

 

手役や仕掛けをほぼ見ずに最速でリーチを目指す作戦が面白いように決まって1回戦をトップ。
2回戦も同じ展開で優勢を築いていきましたが、リズムよく打牌を繰り返していた渋谷が南2局6巡目に少考します。

 

 

日吉「これどう打ちますか?」
藤崎「僕は一筒で良いと思います。それで七万八万が重なればビッグチャンスですよね。寿人さんなんかは六索持ってくればテンパイだからとか言い出しそうですけど。」

藤崎鳳凰位の解説と同じく一筒を切った渋谷。
一筒切りのほうがバランスが良いとは思うんですが、前局まで優勢を築いてきた渋谷の打ち方なら六索を切りそうに見えました。
結果、この切り遅れた六索がりんのへの放銃に。
序盤築いた優勢は崩れ、追いかける展開になった渋谷はベスト8で敗退。
もし一筒の前に六索を切って勝ち残れていたら、そのスタイルで挑む決勝がどうなっていたのか非常に気になりました。

りんのは2回戦・瑠美は3回戦での大きなトップが決定打となり、2人がそのまま逃げ切って勝ち抜け。
西城は3回戦までに打ったリーチ9回のうち成功したのが1回だけと苦しみ、4回戦でトップを取るも前半戦のマイナスが響いて2人には届かなかった。

 

(この日の苦しさが伝わってくる西城の六索切り)

 

(四万六索三筒三索とツモが押し寄せ、りんの急浮上)

 

 

(開始前の瑠美)

(文:越野智紀)

麻雀日本シリーズ2020第4節レポート

【麻雀日本シリーズ2020第4節レポート】明暗分かれる上位陣・下位陣

開始前(14回戦終了時)のスコアと、改めて日本シリーズのシステムを掲載する。

 

 

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し、二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越し、プレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

今節の15回戦~20回戦が終わると、各自一次予選は5回戦消化し残り1戦となるのだが、多井が「今日は20ポイントプラスして帰りたい」と語るように、余裕をもって一次予選を通過したい。

そんな中、大きく貯金を作ったのは、佐々木。
15回戦で10万点に近い大トップ、17回戦のラスは小さいラスで収めるという、理想の稼ぎ方で首位に浮上。
白鳥も本日の1戦でトップを取り、決勝に向けて好位置。

中位~下位陣は苦戦が目立ったが、見せ場は十分。

18回戦沢崎、崖っぷちからの逆転の跳満ツモ。

 

 

裏ドラ三索

19回戦、原は近藤のアガリ牌でもある七索を引き勝ち倍満。

 

 

(裏ドラは乗らず倍満止まり)

20回戦、鈴木、上家の魚谷を直撃し、価値ある3着浮上。

 

 

アガリやテンパイ・ノーテンで2着に浮上するので、魚谷にとってはやむ無しの放銃ではあるが、本日2ラスと厳しい結果となった。

4節終了時のトータルスコア

一次予選

順位 名前(敬称略) 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 合計
1 佐々木寿人 6.5 49.7 9.5 81.2 ▲ 21.1 125.8
2 平賀聡彦 61.0 20.4 20.8 ▲ 13.0 14.1 103.3
3 白鳥翔 49.1 ▲ 20.0 ▲ 7.3 38.1 25.6 85.5
4 瀬戸熊直樹 8.0 ▲ 6.9 44.7 14.1 ▲ 7.4 52.5
5 藤崎智 27.6 ▲ 9.7 31.5 ▲ 32.7 8.3 25.0
6 森下剛任 41.7 ▲ 14.4 3.8 23.7 ▲ 32.9 21.9
7 本田朋広 30.8 ▲ 6.9 ▲ 28.1 ▲ 13.1 26.2 8.9
8 堀慎吾 ▲ 20.5 ▲ 13.6 32.6 8.2 ▲ 7.1 ▲ 0.4
9 坂本大志 3.5 ▲ 26.9 16.0 ▲ 7.6 10.1 ▲ 4.9
10 原浩明 ▲ 16.1 ▲ 29.1 ▲ 6.5 2.2 32.6 ▲ 16.9
11 多井隆晴 ▲ 23.5 23.1 4.7 ▲ 42.5 9.0 ▲ 29.2
12 鈴木大介 0.8 ▲ 16.2 11.2 ▲ 27.3 ▲ 7.7 ▲ 39.2
13 魚谷侑未 8.1 ▲ 36.3 29.9 ▲ 23.2 ▲ 26.2 ▲ 47.7
14 沢崎誠 ▲ 45.7 32.7 ▲ 20.6 ▲ 47.4 21.3 ▲ 59.7
15 近藤誠一 ▲ 41.3 ▲ 26.3 ▲ 0.3 ▲ 31.1 ▲ 10.0 ▲ 109.0
16 伊藤優孝 ▲ 58.3 ▲ 36.7 ▲ 11.7 ▲ 31.7 20.5 ▲ 117.9

一次予選最終節は、間を開けず9/20(日)14時より対局開始。
お見逃しなく。

21回戦:(1位)佐々木vs(8位)堀 vs(9位)坂本vs(16位)伊藤
22回戦:(2位)平賀 vs(7位)本田vs(10位)原 vs(15位)近藤
23回戦:(3位)白鳥 vs(6位)森下vs(11位)多井vs(14位)沢崎
24回戦:(4位)瀬戸熊vs(5位)藤崎vs(12位)鈴木vs(13位)魚谷

(文:福光聖雄)

第37期鳳凰戦A1リーグ第7節B卓レポート

【2020/9/14(月)A1第7節B卓 HIRO柴田が役満字一色をツモアガリ!】

 

 

HIRO柴田は前回の第6節、▲74.2Pと大きなマイナスを背負い一気に9位まで順位を落とした。
若くしてA1に昇級。一度A2に落ちた時は一期でA1に返り咲き、しかし、強いが故に下位争いの経験に乏しい。
「今日はヤミテンします。」と消極的な作戦でこの対局にのぞんだ。

 

 

2回戦東1局、北家。ドラ八万
H柴田の配牌は9種11牌。まずは流すかどうか。
トータル順位を考えると国士無双やホンイツをみて流局させず続行する方が自然だが、全員第一打が西
もう残り1枚しかない。
トイツの字牌どちらも役牌。ホンイツやトイトイの保険もあるが、敢えてドラ色から切り始めた。

 

 

2巡目北と3巡目白 はどちらも鳴かず。国士は捨てきれない。
直後発を持って来て役牌3トイツ。
次は鳴こう。そう決めた瞬間。

 

 

瀬戸熊から白をツモ切られ、ポン。ピンズのホンイツチャンタ本線で発進。

 

 

親の瀬戸熊は3連続有効牌引き。北家のH柴田がポンするほど瀬戸熊のツモ番は増え、手が育っていく。

 

 

東がポン出来て選択。南は生牌。中は1枚切れ。七筒九筒外しもアリだが、柴田は南切りとする。
3役ホンイツチャンタ、跳満の1シャンテン。

 

 

中が重なり、搭子変更。高め字一色大三元のダブル役満、安め字一色の役満の1シャンテンだ。

 

 

瀬戸熊は1シャンテンから動かないまま、北も引かされる。
柴田の北スルー、白 2鳴きがここで効いたか。
ポン出し南の後九筒七筒手出し、バラバラに見えたのもあるだろう。早くテンパイし親リーチを被せたかったか。
1回戦はトップ、この半荘を強い攻めで大トップを決めれば下位から抜け出せると逸る気持ちがあったかも知れない。
とにかく北を切らせる何かが瀬戸熊の中にあった。

 

 

決着はわずか1巡だった。
国士を見切ってからホンイツを狙い、瞬く間に字一色。それまでの動作、一切淀みなかった柴田の右手が発を静かに置いた途端に震えた。

長年麻雀プロの第一線で戦い続け、何度も役満をアガっている柴田でも震えるのだ。
しかしまだ戦いの最中。すぐに抑え込んで次局へ向かった。

 

 

柴田が卓内トップ。3回戦まで丁寧にまとめていた紺野が最終戦南場の2連続満貫を決め、プラスで終えた。
吉田も序盤は打点重視のフリテンリーチ、タンヤオツモリンシャン三色などらしい手組みを魅せたが、柴田が絶好調になってからは行きたい気持ちを抑えたように見えた。

瀬戸熊が一番苦しい日だったが、4回戦に攻めの麻雀で浮きに回り失点を少し戻して踏みとどまった。

 

(文:編集部)

麻雀最強戦 タイトルホルダーvsMリーガー最強の女流プロ決戦

タイトルホルダーvsMリーガー最強の女流プロ決戦、優勝は黒沢咲プロ。黒沢プロは12月13日のファイルに進みます。(麻雀最強戦公式Twitter)

A2リーグ第6節A卓レポート

【A2リーグ第6節A卓レポート】自称モブキャラが主人公になった日!

9月15日に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第6節A卓は、トータル▲29.6Pからスタートした一井があれよあれよと4連勝!一気に昇級が狙える位置まで順位を上げました。

試合開始前のスコアと順位は以下の通り。

前節直対で藤島にトータルトップの座を明け渡したダンプのリベンジや、これまで全節マイナスでそろそろ尻に火が付いている魚谷の戦い方などに注目が集まる対局。
いざ対局が始まると、ダンプがピンフ一通ドラ1確定の手をリーチして跳満に仕上げたかと思えば…

そのダンプから魚谷が親のタンピン三色を直撃するなど、非常にスリリングな展開!

しかし半荘が終わると、気づけばトップにいるのは一井。リーチピンフドラ1など中級打点の手を非常に多くツモアガリ、他選手の手を潰しながら常に3万点後半をキープします。
5回戦には東1局からメンゼンの役役チャンタをツモアガリ、そのリードを活かして1人浮きの4勝目を達成しました。

実況解説用のアンケートに「A2リーグのモブキャラです」と自虐風にコメントしている一井。Mリーガーやベテランひしめくメンバーの中で確かに注目度は落ちるかもしれませんが、今回の活躍は否応なく主人公並みに注目せざるを得ない結果となりました。

※モブキャラ=アニメなどで群衆の1人として登場するキャラクターのこと

1日を終えてのトータルスコアは以下の通り。

上位陣がポイントを減らし、現時点でトータルマイナスの選手ですら昇級がありえるようなスコアの並びに。

一井はSNSで「いろいろ反省点もありながら戦う気持ちを切らさずやれたことは収穫。もっと強くなれると信じる」と振り返りました。
一方、本日ついにプラスできた魚谷は「30,000点が遠い…」と苦しさを呟いていました。

※文中敬称略
(文:浜野太陽)

第37期鳳凰戦B1Select前期第4節レポート

【B1リーグSelect 前期第4節は猿川が真っ直ぐ放銃麻雀を貫き卓内トップ】

連荘中の猿川の親と、西家石渡の2件リーチに挟まれた刀川。

二万二万四万五万六万四索四索五索八索四筒五筒六筒七筒  ツモ六索  ドラ三筒

自身の手も良く、この六索ツモで雀頭と456三色が完成し1シャンテン。

共通安牌は1枚もない。

あなたなら何を切りますか?

八索切り

七索のワンチャンス。生牌。猿川の河はソーズが高い。石渡は3巡前に七索、宣言牌も七索である。
トイツを連続で並べないのは手牌に1枚必要だった場合が多いが、石渡の八索と何かのシャンポンは考えにくい。
「自分が一番要らないから切る」ならアリだ。

四索切り
これも生牌。2人に七索が通っているので、三索のワンチャンス。
石渡は一索も切っているので中スジでもある。
もう1メンツ欲しい自身にとっての連続形だが、三索七索が3枚見えていてくっつき牌の機能はイマイチ。

七筒切り

石渡の現物1枚切れ。猿川はピンズの上の切りが早く、石渡には現物。
親に歯向かった石渡の方が本手と評価すれば選べなくもない。
しかし、自身のくっつき牌としては圧倒的に優秀。
二筒九筒まで全て役ありテンパイを取れる。アガリに向かうなら絶対切りたくない牌でもある。

四万切り
猿川の現物2枚切れ。直前に切られた親の現物。石渡が役ありか本手の四万待ちで追いついたならヤミテンにしそうという読みに頼る。456三色部分のメンツ壊しになり、アガリは諦めるに等しい。親にだけには絶対打ちたくない時の打法。

二万切り

四万のワンチャンス。
通れば2巡凌げる。真っ直ぐではないが、雀頭落としならメンツ壊しよりもリカバリーが効きやすい。
石渡の三万はツモ切りで、七索より三万が不要なのも判断材料の1つ。

「放銃するなら真っ直ぐ」

起家の猿川はTwitterに掲げた言葉通りにスタートから手数で攻めた。
繋いだ東1局3本場。七対子ドラドラの四万待ちヤミテン。
2巡後に二万引きで跳満ツモのリーチに踏み切る。
猿川の捨て牌は七対子単騎も読みに入るとは思うが、それ以上にソーズの高さが目立つ。
スジを頼って二万出アガリの可能性もなくはない。

ドラドラ対決に名乗りを挙げたのは石渡。急所の二筒を引き、東九索のシャンポンに。
待ちは良くないが打点は十分。一騎討ちを挑むべく追いかけリーチを敢行。

冒頭の何切るに直面した刀川が選んだのは二万。猿川の親満に放銃となってしまう。

放銃で大ダメージを受けた刀川だが、その後が本当に強かった。まずは猿川からメンタンピンドラの7,700直撃。
南場の親では絶好の六筒引きテンパイでリーチし、一気通貫の一筒をツモ。6,000オール。

オーラスも刀川はタンヤオトイトイドラ3の跳満テンパイを入れる。
刀川のドラポンが入り、親番ラス目の白鳥は絶体絶命。親番を死守すべくギリギリの打牌選択。
七万四万となるべく多くのスジを勝負しないで1シャンテンをキープし、このテンパイ打牌だけ勝負!

リーチツモ役牌三暗刻ドラの6,000オールで大逆転トップを決めた。

2回戦終了時には大きく遅れをとった石渡だったが、後半2回で巻き返しに大成功。
東場の親番ではトイトイで仕掛けてトップ目猿川から7,700を直撃。
オーラス親番はリーチツモ三色をツモってから怒涛の連荘で大トップ。

4回戦では、1巡目で三色ドラ1の1シャンテンになった刀川のアガリかと思われたが


西ポンで345メンツ落としで強引にホンイツに向かい、ドラを重ねた直後にポン。
ラス牌の四筒ツモ。そのまま2連勝を決めた。


2回戦までは一番厳しかった石渡だが、終わってみれば猿川と2人でプラスを分け合う形になった

(文:編集部)

第18期プロクイーン決定戦ベスト8A卓レポート

【古谷、藤井、決勝進出!】

第18期プロクイーン、ベスト8A卓は1回戦から大荒れ。

東2局に佐月のリーチに追っかけた古谷がリーチ一発ピンフ三色の8,000。

五万六万七万二筒二筒五筒六筒七筒六索七索七索八索九索 リーチ 一発ロン五索 ドラ発 裏四索

放銃した佐月も迎えた東3局の親番で、3件リーチを制し4,000オール。

三万三万三万五万六万七万七万八万九万五筒六筒北北 リーチ ツモ四筒 ドラ北 裏六筒

そして東4局

マンズがよいと見て打四筒

二筒五筒のテンパイは逃すも、この形でテンパイ。

そして、六筒七筒"九筒には受けず、初志貫徹のマンズ待ち。

最速の18,000!!
逆に菅原は果敢に追っかけリーチとしたが、18,000の大きな失点となってしまう。

さらにこの次局、今度は佐月から12,000。

二万二万二万三万四万四万五万六万四筒六筒  ポン七筒 左向き七筒 上向き七筒 上向き  ロン五筒  ドラ七筒

南場に入ると藤井が加点、オーラスで更に古谷が加点と、1回戦から上下の差が開く結果に。

1回戦終了時
古谷+68.1、藤井+16.7、佐月▲31.1、菅原▲53.7

2回戦、もうすでに藤井より下の着順では終われない佐月、菅原であったが、2人の望みを砕くこのアガリ。

三色のつかない安目ではあったが、裏ドラ2枚で6,000オール。
このまま、藤井トップ、古谷2着で2回戦は終了。

2回戦終了時
古谷+73.6、藤井+53.2、菅原▲61.2、佐月▲65.6

3回戦、4回戦に波乱は起きず、古谷、藤井の勝ち上がりとなった。
両者ともプロクイーンは初の決勝進出。

ベスト8、B卓は9/18(金)、16:00より対局開始。現プロクイーン日向藍子に挑戦する残り2名は誰になるのでしょうか?

渋谷菜瑠美vs二階堂瑠美vsりんのなお(協会)vs西城凛

(文:福光聖雄)

第15期女流桜花Aリーグ第5節B卓レポート

今期の女流桜花は、1節4試合の全7節28試合で行われます。
第7節終了時にピンクゾーンに入った下位3人は女流桜花Bリーグへ降級。
オレンジゾーンの1人はAリーグ最後の1枠を賭けた入れ替え戦へ。
グリーンゾーンの上位8人はポイントを持ち越してのプレーオフを行い、その結果上位3人が古谷知美女流桜花が待つ決定戦へ進出になります。

【第5節B卓結果】

稲岡+21.7P 亜樹+13.7P 魚谷▲11.4P 西山▲24.0P

この日は稲岡が+21.7Pと前節からの好調をキープし、トータル+26.0Pとスコアを伸ばしました。
卓内トップだった稲岡は手数の多さに定評があり、それが活きたのが1回戦の東4局。

魚谷のマンズのホンイツ仕掛けと稲岡のリーチに挟まれた亜樹が、前巡に七万を切れずにテンパイを外すも、八万を引いてテンパイ復活するや今度は稲岡の無筋である四索を勝負に踏み切りました。

打点重視のスタイルに変わってきた魚谷に対し、稲岡は手数重視。
魚谷のホンイツ仕掛けと稲岡のリーチを比較して、手数重視の稲岡のリーチのほうが安いパターンも多くて勝負しやすいと判断したのでしょう。
しかし、亜樹の勝負した四索でリーチ・タンヤオ・ピンフ・ドラの7,700点をアガった稲岡は、これを切っ掛けに1回戦で大きなトップを獲ります。

稲岡は女流桜花に第8期から参加していて、第10期にCリーグ5位。
続く11期にBリーグ5位から入れ替え戦に出場して勝ち上がり、連続昇級でAリーグ入り。
高いフーロ率で沢山参加するスタイルは「浪速のガトリング砲」と呼ばれ、毎局熱い勝負が見られるのが特徴です。
手数の多さには放銃がつきものでAリーグでは苦戦していますが、残留を続けて今期で4年目。
参加率が高いまま失点を減らす、ロン牌以外は押すという究極のスタイルに稲岡がどこまで近づけるか注目しています。

(文:越野智紀)

 

何を切る? 2020年9月

第37期鳳凰戦A2リーグ 第5節 A卓 2回戦 東1局 北家 近藤久春プロ

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

■プロ解答

六万切り

 

■プロの視点
近藤久春プロ
「早い高い、後は待ちの強さで三拍子揃います。早いだけに情報量も少ないのですが、早々に八索がばらけて切られていることから七索は山にありそう。本線は三色なのでこれは好都合。六万七筒の選択は、ドラ六筒引き以外嬉しくないので、打七筒としました。手出ししたことについては、少考して時間を使ってしまったためで、深い戦術的な事はありません。この後は、ピンフテンパイ以外はテンパイ取らずとするつもりでした。」

 

■終局図

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
OPENREC 日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコニコ生放送<PC版>

第37期鳳凰戦A2リーグ第5節C卓レポート

【杉浦勘介大ジャンプ!上位・下位選手が差を広げる】

9月8日の第37期鳳凰戦A2リーグ第5節C卓は、これまでのリーグ戦の調子を象徴するように明暗を分ける場面がよく見られ、上位の杉浦・内川がポイントを伸ばし、下位の魚谷・安村が減らすという結果になりました。

対局メンバーと開始時のトータルポイントは以下の通り。

内川幸太郎 (+62.8P)
杉浦勘介 (+44.6P)
前原雄大(+4.8P)
安村浩司 (▲56.7P)
魚谷侑未 (▲104.3P)

対局が始まり、まず目立ったのは前原の不調。1回戦は低打点のアガリや流局で進行する中、中々抜け出せずに1人沈みに。
そんな前原が、思わず後悔したような仕草を見せたのは2回戦東4局1本場。
1局前に4,000オールをツモアガリ、さらに加点していきたい局面でこの手牌。

ピンフドラ1、高目の四索なら一気通貫のテンパイです。リーチしてツモれば安目でも2,600オールですが、四索出アガりの可能性を高めるためヤミテンを選択。
結果は…杉浦のメンタンピンリーチに追いかけますが、あたり牌を掴み3,900は4,200の放銃に。
杉浦は当時ドラの浮いたリャンシャンテンだったため、前原が即リーチの選択をしていれば1人テンパイや、あわよくば6,000オールのツモアガリにできていたかもしれません。
どちらもメリットデメリットがあり難しいリーチ判断でしたが、この落差の大きすぎる結果に思わず前原もこのポーズ…!

アガリを手にした杉浦はこの半荘こそ沈みで終了したものの、後半戦は連続トップで+50まで得点を伸ばすと、トータル6位から2位にまでジャンプアップ!A1リーグ昇級に向けて大きな弾みをつけました。

終了時のトータルポイントは以下の通り。

上位は混戦の模様ですが、現状降級ボーダーの山田、安村の差は約70とかなり離れてしまっており、これ以上の差は広げたくないところ。
しかしまだまだ10節のうち5節が終了しただけですので、残り半分で上下がまるっきり入れ替わる可能性もあります。引き続き選手の見せる様々な技術や表情にご注目ください!

(文中敬称略)
文:浜野太陽

第37期鳳凰戦A2リーグ第5節B卓

【昇降級のボーダー選手2名が大きなプラス!他選手にプレッシャーをかける】

9月1日(火)に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第5節B卓は高打点が飛び交い、ポイントが大きく変動する節となりました。

対局メンバーは、

ダンプ大橋(+128.7P1位)
藤島健二郎(+64.6P2位)
客野直(+27.7P7位)
麓征生(+6.5P8位)
山田浩之(▲82.1P13位)

※()内は開始時のトータルポイントと順位

トータル首位争いのダンプ・藤島、昇降級どちらも見える客野・麓、降級圏内でマイナスだけはしたくない山田。それぞれの戦い方や駆け引きに注目の集まる対局です。

このリーグ戦前に「WRC Online Festival 2020」を準決勝で敗退した藤島は、Twitterにて「先日ボクの夏は終わりました。でも都合のいいことに今日から秋が始まります。僕は秋の方が好きです。秋と言ってもまだまだ暑そう。ダンプ首位だから余計に熱い!」と首位逆転への意気込みをアピール。

そんな藤島とダンプの明暗が分かれたのは2回戦。
ダンプは親番でタンピンイーペーコーのリャンシャンテンからドラの八万を放つと、藤島にこれをポンされます。暫定ライバルによる高打点確定の仕掛けということで慎重になりたくなるところですが、テンパイを果たすと…

宣言牌を一度横に置いて、

バシン!

このリーチモーションからも「ポイントを守る気なんてない!リードは広げるものだ!」という意志が感じ取れます。

結果は…

藤島へ7,700の放銃となりましたが、一歩も引かない両者の闘志を感じる局でした。

この後、藤島は最終戦でダメ押しの6,000オールをアガると、開始時60P差以上あった差を覆し、暫定首位に。「藤島の秋が始まりました!」と喜びを露わにしました。

本日終了時点の全体成績は以下の通り。

これまで3節連続マイナスで降級圏内に落ち込んでいた山田は「久しぶりのプラス嬉しい♫」と音符付きのツイート。
ボーダー付近の2人がプラスしたことで昇降級のハードルが一段高くなったことを踏まえ、今後15名の選手がどう戦っていくか、来週も目が離せません!

(文:浜野太陽)

第37期鳳凰戦A1リーグ第7節A卓

鳳凰戦A1リーグも折り返し地点。

1回戦は僅差での攻防で比較的穏やかに過ぎたが、2回戦にトータル1位を走る西川のピンフ高め三色ドラ2のヤミテン炸裂をきっかけに一気に荒れ場となる。手役を狙い打点を作り、アガリを感じれば無筋をいくつも切り飛ばして勝つ。今期もここまでオールプラスと好調。注目のA1選手だ。

西川への三色の後、勝又にも三色を放銃した伊藤は、七対子ドラ単騎をヤミテンとしたが、親勝又がリーチに来ると覚悟を決めてツモ切り追っかけ。4,100点持ちから跳満ツモをものにすると、親番で怒涛の連荘、一気にトップまで駆け上がる。今期は10名中1人の降級枠に現在収まっているのが伊藤なのだが、追い込めば追い込むほど鎌の切れ味を増す死神が背中にいては、マイナス圏の者は誰も安心出来ない。

完全に仕上がった伊藤に捕まった佐々木は1人沈みのラス。初戦のトップを大きく上回るマイナスを背負わされた。それでも下を向かず、歯を食いしばって戦う。
3回戦起家の親で大物手を2回決めるとリードを守り切り、南3局とオーラスに連続でホンイツをアガって先程の沈みを上回る大トップをもぎ取る。さすがホンイツ評論家だ。

この荒れ場の中を4連続 2着で見事に乗り切ったのは勝又。耐えてどこかで自分のターンを作っての爆発を狙う佐々木とは対照的だ。まるで自分のターンなどなくても読みと場況判断できちんと打ち分ければ、決定戦の椅子に届くと言わんばかりの戦い方。攻撃型3人を相手にいつもよりもラフに見える仕掛け始めで大物手を阻止し、決定戦に照準を絞った巧みな攻防を見せてくれた。

佐々木と勝又の順位が入れ替わったが、全体順位はほとんど変動がなかった今節。しかし、西川は卓内1人沈みで射程圏内に引き込まれた。伊藤はもはやこれまでかと思う痛恨のラス目から見事に生き返ってみせた。後半戦の嵐を予感させるには十分な、非常にワクワクする対局であった。

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