第37期十段戦ベスト8A卓レポート

【本田と柴田吉が決定戦進出!】

11/19(木)に十段戦ベスト8のA卓が、前原雄大、山田浩之、柴田吉和、本田朋広により行われた。
最終半荘の南場に入っても誰が勝つかわからず、大熱戦であった。
最終戦だけの振り返りで恐縮だが、それまでの4戦も見応えがあったのでぜひタイムシフトでご視聴いただきたい。
なお、ベスト8のB卓は11/26(木)15時から、決定戦は12/7(月)、12/14(月)、12/20(日)に行われる。
(B卓:藤崎智vs杉浦勘介vs内川幸太郎vs仁平宣明)

4回戦終了時のスコア

 

 

アバウトに各人の方針を書くと、
本田:少しの沈みであれば2人に抜かれることはなさそう。大きいラスはアウト。
柴田と山田:ほぼ着順勝負。相手が上にいってしまった場合は、本田を4着にして約15,000点の差をつける。
前原:自分が浮いて、柴田・山田をともに沈めればよい。
といったところ。

東1局、柴田が1,000・2,000ツモアガリ
東2局、本田が2,900を柴田から
東2局1本場、山田が前原のリーチに追っかけて3,900+300
東3局、前原が3,900を柴田から
小動きだが、山田が柴田を7,000点リード。

東4局、親山田が先制リーチ。ここで離されるわけにはいかないと柴田が同巡に追っかける。

 

 

山田、高めの六万をツモ。大きな2,600オール。これで柴田とは約2万点差。

南場に入ると前原。

 

 

2,600は2,800オール。(仕掛けは九万のポン)
次局も500+300オールをツモアガリ。山田との差は残り7,000点。無いようなもの。

南1局4本場

 

 

柴田「前原さんの親は連荘でもいいから、出アガリはしないよ」と後日談。
親前原が押してくる可能性が高い&待ちは悪いという悪条件だが迷わずリーチにいく胆力。
満貫ツモで戦線復帰。

ラス目になった本田の心境はいかに。
まだ通過ラインではあるが、柴田が浮いて1人沈みになるのはまずい。

南2局

 

 

しかし、本田は落ち着いていた。ヤミテンで山田をバッサリ12,000。
この状況でチャンス手が入ったら打牌に気配が出そうなものだが・・・本田のストロングポイントのひとつ。
次局もヤミテンで2,900+300、2本場もヤミテンで1,500+600を加点し、決勝進出。

南3局
山田の失点でとうとう前原が二番手に。
しかし、まだ柴田・山田の親番は残っている。オーラスまでもつれるか?

 

 

 

(仕掛けは九万のポン)
決して打点が見える配牌ではなかったが、役役トイトイ三暗刻に仕上げ6,000オール!
最大限に打点を見る柴田の持ち味が出た1局。ひとアガリで勝敗は決した。

 

 

オーラス、山田もこのテンパイと罠を張り、本田や柴田からの直撃を狙うも、きっちり守られ、終局間際に前原からアガるのが精一杯であった。

(文:福光聖雄)

戦術の系譜13 藤島 健二郎

今回からこのコラムを担当させていただくことになった藤島です。
昨年から始まったこの「戦術の系譜」ですが、ひと月に一回ペースで連載され前回で丸一年(4名×三回)経ちました。私自身も楽しく拝読してきましたが、今回からは自分の番となります。テーマ自体も書き手が決めるとのことで依頼が来てから少し悩みましたが、私の回では書き物としては割と敬遠されがちな「仕掛け」について3回のターンに分けて書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

まずはメンゼンと仕掛けのお話を少し。私自身仕掛けの多い選手だと自覚しています。最終的に強いのはメンゼンであることも理解しながら仕掛けを多用していますが、私のような鳴き屋でも勝ち試合の決まり手のほとんどがメンゼン手なのです。
では何故鳴くのか?言わばメンゼンでアガるために鳴くのです。
矛盾してるように聞こえるとは思いますが、間に合わせるため、相手のメンゼン手を潰すため、親を落とすため、など試合を自分有利に進めるために鳴いていきます。それは自分が優勢である時間帯を作っていくようなイメージです。

メンゼンで高打点を決めることは理想ではありますが、メンゼンに固執する麻雀は平凡で誰にでもできてしまう戦い方だと思いませんか?メンゼンで毎回ツモアガリができればそれに越したことはありませんが、そんな時ばかりではありません。
配牌が悪い時や他家に速度や手材料で負けていそうな時に、自分のツモ牌ばかりに寄りかかった構想だけではワンパターンになりがちで、それこそ運頼みの麻雀となってしまいます。それでも抜きん出た構想力とメンゼンを維持することによる高い守備力で勝ち切っている選手もいますが、仕掛けを使うことによって確実に戦い方には幅が広がります。
漠然と「仕掛け」と言ってもメンゼンを妥協するというネガティブなものばかりではありません。鳴きの性質には様々なものがありますので、私の回ではそれらを分野ごとに掘り下げていこうと思っています。拙い文となりますが三回ほどお付き合い下さい。

以下の項は基本的に連盟公式ルール設定とします。
まずは仕掛けの種類をカテゴライズしてみます。私の中で大きく分けて以下のものがあると考えています。

・スピードを取る仕掛け
・必然的な仕掛け
・打点を上げに行く仕掛け
・捌く仕掛け
・牽制する仕掛け
・ズラす仕掛け
・アガりだけを取りに行く仕掛け
・複数の要素を融合した仕掛け

それでは順番に扱っていこうと思います。

 

①スピードアップ(スピードを取る仕掛け)

麻雀の性質上メンゼンの方が基本的には打点がつきます。ただメンゼンで進めても打点の上昇幅が大して見込めない時などに”スピードを取る”という選択がしやすくなります。早めの仕掛けでスピードを取る時は逆に「メンゼンでの仕上がりづらさ」を見極めることが重要です。求められるのは言わば見切る力です。

わかりやすい基本的な例からお話します。例えばここから1枚目の中を鳴きますか?

(公式ルール、南家、ドラ一索)

三万四万五万九万九万四索五索五筒六筒七筒南中中

これはメンゼンでの最高打点がMAXでも1,000.2,000止まりとなるので1枚目の中から鳴きを推奨するパターンです。
鳴いて1000点ですが、自身の手をメンゼンでやる価値が大してないと判断できるので、スピードを取り他家のチャンスを潰しにいくのが得策であると考えます。

それではドラが四万だとしたらどうでしょう?ドラが1枚あるだけでMAX打点が2,000.3,900となり2000点のポンテンでスピードを取るよりも、メンゼンで進める価値が高まるので一鳴きはしない寄りになります。

そして余剰牌が何であるかによっても鳴く鳴かないは変わっていきます。上記の牌姿は字牌が余剰となっていますが例えば南の替わりに四筒を入れてみます。

三万四万五万九万九万四索五索四筒五筒六筒七筒中中

これだと345や456の三色が見えてくるので、ドラがなくとも一鳴きすることに抵抗が出てきますよね?
さらに、この牌姿ではドラによっても変わってくると思います。私はこれだとドラ無しは一鳴きしますがドラ1ならば鳴きません。

あとは残ったターツがリャンメンではなくカンチャンなど愚形であった場合も、テンパイのスピードは上がってもアガるまでのスピードアップになっていると言えないケースがありますので、残る待ちの強弱の見極めも大切になってきます。(補足として他家の速度や巡目の問題、あとはその試合の性質や点況などの兼ね合いがありますから一概に括らないよう注意は必要です。)

スピードアップで大事なポイントは

●鳴いたあとすぐアガれそうか?
●メンゼン時と比較して打点の上昇幅に大きな差がないか?

大まかにこの2つを考慮して鳴いていきましょう。

 

②連風牌やドラのポン、必然のチー(必然的な仕掛け)

いくらメンゼン派の打ち手でもこれはさすがに鳴く!という牌があります。
まずはドラそのものです。正確には役牌のドラや役がある時のドラポンということになります。役牌のドラをポンすることは役が確保される上に、基本的にシャンテン数は上がり、ドラ2がドラ3になるのでかなり必然的と言えます。
タンヤオが確定している時や、役牌が手の内に暗刻の時(役が既にある)のドラポンも必然のポンと言えるでしょう。ただしドラを切ってきた相手がいることをお忘れなく。

しかしダブ東やダブ南に関しては少し違ってきます。
ダブ東のポンテンでも2,900止まりのケースは鳴かない人が多数います。これは上記のスピードアップの項で取り上げた1,000点は鳴くが、(ドラ1の)2,000点は鳴かないという例と似ていて、メンゼン進行でリーチツモダブ東の3,900オールのMAX打点があるので目先の2,900は要らないという考え方です。
ただし、公式ルールにおいて子方が東場で生牌の東を切ってきたことを尊重すれば、それなりの速度か打点があると判断できるので、対応を含め自分は仮に2,900でもポンするケースがほとんどです。これが普通の役牌で(ドラ1)の2,900のポンテンをとらないケースとの違いです。平たく言えば相手の速度に差があるということが2例の相違点です。

ですからダブ南の場合も少し違うということになります。親に対するダブ東のケアより、子方に対するダブ南のケアの方が若干緩くなる分、南場で南を切る人の速度信用度は多少落ちるので、打点に寄せる時間の猶予が少しはあるということです。故にダブ南のみの2,000点のポンテンは1枚目はとらないことも結構あります。
これはあくまで私の打点とスピードのバランスです。公式ルールにおいて鳴いて5,800や3,900はお得だと考えるのでドラ1あればだいたいはポンとなりますが。

チーに関して必然的と言えるケースはドラ表示牌をチーしてのリャンメンテンパイやラス牌のカンチャンが三色目のケースなど、高打点を目指しながらも必要牌そのものが場に薄くなってしまった時です。妥協の側面が強いですが私の中では必然のチーだと思っています。打点アップの必然のチーなどもありますが、それは次の項で触れようと思います。

必然的な仕掛けでのポイントは

●本当に必然なのかを決めておく
●その必然的なキー牌を切った人がいるということを考慮

 

③ポジティブな鳴きの活用(打点を上げにいく仕掛け)

鳴いた方が打点が高くなる場合も結構あります。メンツを壊してチンイツに向かっていく鳴きなどはわかりやすいところではありますが、既にテンパイしてるときでも鳴いちゃダメなんてことはありません。

例えば、ドラの無いチートイツに役牌が含有されているようなケース。東場の親の手でドラが数牌だとしましょう。

一万一万八万八万九万二筒二筒東東白白中中

こんな牌姿に東が出たらポンの一手です。ポンして二筒でも九万でもいいので切っていきます。
チートイツのみの2,400の手が10倍の24,000まで期待できます。
まあこれは極端な例ですが、メンゼンテンパイからでも必然の鳴きと呼べるものは他にも

一万一万七万八万九万六索七索八索一筒二筒三筒七筒九筒

九索を食い替えチー(ドラが一枚あるときなど)

三万四万五万六万八万四索五索六索二筒二筒四筒五筒六筒

ドラの四万をチー(七万が場に薄いときなど)

二索三索四索五索七索白白白発発発中中

中をポンして役満にする
などが思いつきます。

ここまで出した例はわかりやすいものばかりですが、この項で一番言いたいことはメンゼンばかりが高打点ではないということです。ときに「手を高くするために鳴く」という仕掛けがあるということを知ってもらいたいのです。

ポジティブな鳴きを使っていくための条件として、「メンゼン手としての価値の低さ」の見極めが重要となってきます。
上記の例ではテンパイからのテンパイというわかりやすいものでしたが、本来実戦で使いたい積極的な鳴きとは配牌が悪いときを指しています。悪い形から仕掛けていくというのは、アクションを起こす最初のタイミングがその手牌の最終形を見据えた上での大事な分岐点となるとことが多いです。

 

実践例をあげてみます。
A2リーグ第6節3回戦より

 

 

南2局南家。微差の沈みの3着目でこのような割と凡手といえる配牌をもらいました。
しかし、2巡目に南が重なります。この手をメンゼン進行した場合の高打点のパターンは、ダブ南絡みか、後からドラを持ってきてのチートイツくらいです。

 

 

八索から発進します。

意図としては、

①連荘中の親にプレッシャーをかけたい
②ダブ南に依存することでしか高い手役が見えない
③高打点のパターンがダブ南とトイトイが現実的

スピードアップという側面からは、全く速度感はありません。まだ役もないので必然的でもありません。むしろ他にも急所が多いので一見悪手に見えるようなポンです。
ただ、ポジティブな考えのもとにアガりを目指すのであれば、ポン材の一枚目が既に分岐点となるのです。
実際にはこの時最後の八索は西家に両面ターツとして持たれていました。

上記でも述べましたがどうせダブ南に依存するならば後々トイトイが付く可能性を残そう、もしくはダブ南が出ない時でも保険的な役を確保しようという思考です。もちろん好調者の親番ということもあり、例えアガれなくとも親が手を曲げてくれても良し、ダブ南のみの2000点でもアガれれば御の字という局面ではありました。

 

 

すると、すんなりダブ南が鳴けます。2ハン役を確保しつつさらにプラス2ハンの可能性が残っています。

 

 

そして12巡目にテンパイにたどり着きます。待ち選択はありましたがまだトイトイ変化があるので四索七索にはせず五筒八筒五索待ちに。(現状の打点2600)

 

 

そして六筒を引き入れダブ南トイトイの満貫テンパイとなりました。

もう一度配牌時の写真を見てもらえればわかると思うのですが、メンゼンで進めてもチートイツが精一杯のあのような手が、仕掛けによって形上は高打点を組むことができました。
(※但しこの局は放銃となります)

この実戦例もある意味極端かなと思いますが、仕掛けの基本は早いか、また遅い場合でも高くなる要素があることが大事になってきます。メンゼンで進めてもあまり価値が見出だせない時に鳴きの最終形を見据えながら発進するということです。
公式ルールは打点が組み辛いですが、鳴きながら狙える手役が想像できたらチャレンジしてみるのも一考かと思います。

打点を上げにいく仕掛けでのポイントは

●何かの役に依存すること
●メンゼン進行で高打点が見えないときに早めに発進

この実戦例では打点アップと言えど、牽制の側面が多分にありました。

次回は牽制仕掛けについて詳しくお話していきたいと思っています。

第37期鳳凰戦A1リーグ第11節B卓レポート

”死神の優”国士無双で蘇る!!

この日の対局者は
5位 吉田直 ▲7.1P
7位 前田直哉 ▲17.2P
9位 HIRO柴田 ▲95.5P
10位 伊藤優孝 ▲190.7P

 

 

吉田と前田は上位に食い込めるか。
95.2P差の柴田と伊藤の直接対決にも注目したい。

事件はすぐに起きた。伊藤の配牌は第一ツモで9種10牌。

一万五万六万九万一索四索三筒九筒南西発発中 ツモ九索

トータルポイントを考慮し流局宣言はせず。国士無双狙いで中張牌から切り出す。

 

 

7巡目で東待ちテンパイ。三筒トイツ落としで七対子も否定され、国士気配が出始めるが、他家の手も良い。
親番吉田はマンズのホンイツ。幸い吉田も欲しいダブ東のため、放銃の心配はない。
危険なのは前田。下家の吉田もケアしながら進行していたため東が1枚浮いていたが、ドラ五筒が重なり、アガリたい手になって来た。まずは九索としたが、テンパイすれば東切りになる可能性が高い。

 

 

9巡目。伊藤がラス牌の東ツモで国士無双のアガリ。

1回戦は伊藤の1人浮き、柴田が4着になり2人のトータルポイント差は26.0P。(期首順位規定にわより正確には26.1)
途方もなく見えた差が一気に詰まった。

2回戦は吉田の独壇場。東2局にダブ東発のアガリをきっかけに爆発。ひたすら高打点でアガリ続けて大きな1人浮きとなった。

 

 

2回とも4着となった柴田が3回戦に反撃開始。

 

 

一時は吉田に発三色をツモられ逆転されていたが、南1局1本場に吉田から四筒直撃で1人浮きトップをとった。

4回戦は伊藤が先制。ピンズのメンホンのヤミテンを入れると、次々とピンズが押し寄せる。イーペーコーが確定してからドラの一筒ツモで8,000オールとなる。

 

 

浮きの2着は東4局にチンイツ、オーラスにダブ南のアガリを決めた前田。厳しい展開ながらも要所で着順アップのアガリをして最小限の失点に抑えた。

 

 

伊藤が1人浮きでA1残留への大きな一歩を踏み出した。死神の鎌は磨き上げられている様子。残り2節での大暴れに期待したい。

(文:編集部)

第37期鳳凰戦A2リーグ第9節A卓レポート

【A2リーグ第9節A卓 近藤久春のスペシャル大三元!】

11月17日に行われたA2リーグ第9節A卓は開始早々に大三元が炸裂し、波乱の幕開けとなった。
開始前のトータルポイントは以下の通り。

 

 

2位のダンプ・5位の近藤・7位の麓までは昇級ボーダーを、10位の客野・12位の魚谷は降級ボーダーを見た戦いとなる展開が予想される。

 

 

実際に対局が始まると、解説の和久津が「すごいのから切りましたね」とコメントしたのが東1局の近藤の手牌。

 

 

綺麗に理牌すると…

四万六万六万八万五筒七筒八筒九筒三索七索白発発中

こちらの牌姿。なんとここから近藤が切ったのは、いきなりカン七万受けを拒否する八万

発は必ず3枚以上で使いたい
白中を引いて三元役やホンイツを狙いたい
③最悪発のみになったとしても、好形テンパイを作りたい

といった意図が感じられる。「近藤スペシャル」と呼ばれる、牌効率を多少無視しても高打点を成就させる雀風がよく表れた一打だった。

この局は結果的に③のルートで1,500のアガリとなったが、同じような手牌が東2局に近藤の元を訪れた。

 

 

ここでも当然字牌は切らずに、第一打は浮いている二万

 

 

巡目が進んでも、やはり字牌は温存して打五筒

そして、誰が配牌からこの最終形を思い浮かべただろうか?

 

 

拮抗した昇級争いを頭一つ抜け出す、大三元のアガリ!一半荘目にして+47.9Pの嬉しい大トップとなった。
この後、結果的には1日トータルがマイナスになるほど辛い展開になってしまったが、このスペシャルな爆発力を見れば近藤が昇級候補の筆頭であることは疑う余地がないだろう。

1日を終えたトータルポイントは以下の通り。

 

 

卓内トップは客野。いつも通り堅い打ち回しで14.2Pを加点し、降級ボーダーをかなり遠ざけることに成功した。

次回の放送は11月24日(火)。
対局者は内川(3位)・藤島(4位)・和久津(7位)・古橋(9位)・前原(12位)です。
僅差の昇級争いや、そこに食い込むべくバットを長く持つ古橋・和久津。
降級ボーダーが目の前で負けられない前原。
それぞれテーマを持った熱い戦いにぜひご注目ください。

文中敬称略
(文・浜野太陽)

第15期女流桜花Aリーグ第7節C卓レポート

第15期女流桜花全7節を終了しました。

この結果、魚谷・山脇・瑠美・白銀が11月23日のプレーオフA卓へ。
亜樹・仲田・吾妻・川原が11月30日のプレーオフB卓に進出。
稲岡・中山・西山・内田が残留。
松岡は12月4日の入れ替え戦2日目へ。
赤司・藤井・清水は女流桜花Bリーグに降級となりました。

この日、第7節C卓の主役は吾妻。
これまで決定戦出場3度のうち2度の優勝経験を持つ実力者で、大一番では特に力を発揮するタイプです。

 

 

1回戦と3回戦の南4局は仲田のリーチをかわして浮きの2着。
2回戦と4回戦は東1局に跳満をツモって大きなトップ。
開始時▲19.2Pとプレーオフ・残留・入れ替え戦・降級の全てが近くに見える重圧のかかる状況で、4半荘全ての要所でアガリを決める圧巻の内容でプレーオフ進出を決めました。

 

 

特に印象に残ったのは3回戦の南4局。
仲田のリーチを受けて粘りながら手を進め、沈みの3着から浮きの2着になるホウテイ一通のアガリには勝ち上がる人の雰囲気を感じました。

トップ目からの2度のダメ押しチャンスを吾妻にかわされた仲田でしたが、最終的にトータル+73.0Pの3位で悠々とプレーオフに進出。
5位の吾妻と同じB卓に組み込まれました。
仲田は決定戦6度のうち優勝が4度と吾妻と同じく最高の勝率を誇っていますが、仲田と吾妻はこれまで決定戦での対決が1度もありません。
プレーオフB卓は決定戦の前哨戦になるのか?それともここでどちらかが叩き落とされるのか?
2人が大一番で衝突した時に放たれる火花は必見で、瞬き禁止状態間違いなしです。

(文:越野智紀)

第16期静岡プロリーグ 第5節レポート

【第16期静岡プロリーグ第4節】不調のベテラン勢が爆発!

浜松はすっかり肌寒い季節となった。8月に41度を記録したことがまるで嘘かのように、秋らしい気候となった。私は概ね1ヶ月に1回だけ浜松を訪れるため、訪れる度に四季の移り変わりを感じている。

1年を通して開催される静岡プロリーグ。

暖かな小春日和には、これから始まる闘いをどのように彩るのかワクワクしている。

日照りが辛い夏の日は、後半戦をどのように迎えるか頭を悩ませる。

夏が終わり、秋を迎えた焦燥感の中で佳境を迎えた闘いが始まる。

冬は静岡プロリーグで最も輝く4人が決定する。

不思議と季節や気温の変動に相反して、勝負の熱はぐんぐん上昇していく。

第4節終了時点の1位は大橋。

2位以下の選手は大混戦である。相手の動向も気になるが、できるだけポイントを稼ぎ、自分の身を安全圏に持って行きたいところである。

さてさて、今節はどのような結果となったのか。肌寒い気候に逆らうような闘いに期待しよう。

静岡プロリーグ第5節、開幕。

1卓

鈴木秀幸 × 木原翼 × 望月雅継 × 天音まこと × 島崎涼

全員プラス者同士の対局。若手がベテランに一矢報えるか。

結果
望月 +32.4P(+56.8P)
天音 +19.9P(+60.7P)
島崎 +13.2P(+61.5P)
鈴木秀 ▲5.9P(+52.1P)
木原 ▲60.6P(▲54.4P)
(供託:1.0P)
※括弧内はトータルポイント

望月が意地の卓内トップ。前期は不甲斐ない結果だっただけに今期へ賭ける思いは人一倍強い。

天音は大トップスタートながらも中プラス。島崎も安定した闘いで中プラス。両者共に決勝を見据えて、もう少しポイントを積み重ねたいところだったか。

2卓

太田昌樹 × 蓮沼友樹 × 杉村泰治 × 田中寛治

静岡リーグを圧勝した太田、絶不調の杉村、両ベテランの闘いに注目。

結果
杉村 +67.5P(▲48.1P)
太田 ▲11.9P(▲11.0P)
蓮沼 ▲26.2P(+66.8P)
田中 ▲29.4P(▲22.5P)
※括弧内はトータルポイント

太田の1人浮きから始まった対局だったが、結果は杉村が四暗刻ツモなど大爆発。不調を吹き飛ばし、まだまだ勝負を諦めていないことを体現した。太田は入りが良かっただけに消化不良の結果となってしまったか。

蓮沼・田中は中マイナス。蓮沼はトータル2位をキープしているが、直近のリーグ戦も不調であり、不安を残す結果となってしまった。田中は2連覇に向けて気合の入った対局だったが、失速。今後の戦いに期待しよう。

 

 

3卓

中寿文 × 青嶋宏樹 × 鷲見隼人 × 渡辺洋巳

不調者の多い対局。抜け出すのは誰だ。

結果
中 +15.5P(▲49.3P)
青嶋 +14.7P(▲41.4P)
鷲見 ▲12.3P(▲104.7P)
渡辺 ▲17.9P(▲5.5P)
※括弧内はトータルポイント

中が卓内トップ。1・2回戦で18,000の放銃を2回したが、3・4回戦で大きく素点を稼ぎ一矢報いた。来節以降も暴れ回る。

青嶋は小プラス。得意の高打点を決めることは出来たが、中の勢いを止めることが出来なかった。まだまだ諦めるポイントではない。来節以降も腕を振って挑もう。

鷲見・渡辺は小マイナス。中々軌道に乗れない対局だったか。鷲見は前節が良い結果だっただけに波に乗りたいところだったが乗り切れなかった。来節以降に期待しよう。

4卓

鈴木郁孝 × 平野敬悟 × 斉藤隆 × 平岡理恵

第1節以降、不調の鈴木郁。自慢の攻撃力を見せられるか。

結果
平岡 +24.1P(▲100.8P)
平野 +21.7P(▲7.8P)
鈴木郁 +17.0P(+23.0P)
斉藤 ▲62.8P(▲136.6P)
※括弧内はトータルポイント

平岡は4回戦の1人沈みが痛かったものの、やっと初日が出た。爆発力に定評があるだけにまだまだ目が離せない。

平野・鈴木郁は中プラス。決勝を見据えて、一安心か。

斉藤は2度の1人沈みが響き、大きくマイナス。今期の静岡プロリーグでは良い結果を残すことを期待している。

5卓

岡本和也 × 土屋幸弘 × 京平遥 × 石津寿人

好調の土屋とマイナス3名の対局。

結果
岡本 +43.5P(▲50.2P)
京平 +7.3P(▲10.3P)
土屋 ▲4.1P(+45.9P)
石津 ▲46.7P(▲151.6P)
※括弧内はトータルポイント

これまで全節マイナスの岡本が大きくプラス。まだまだ勝負を諦めていない。来節以降、得意の爆発を生むか。

京平は小プラス。3回戦まで岡本とほぼ同ポイントであったが、4回戦で岡本と大きく差をつけられてしまった。

土屋は小マイナス。久しぶりの静岡プロリーグ決勝に向けて、来節以降はギアを入れ替えて挑む。

石津は大きくマイナス。ポイントは厳しくなってしまったが、復帰戦を納得の形で締めくくって欲しい。

熱戦はまだまだ続く。

(文中敬称略)
文:蓮沼友樹

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計
1 大橋幸正 75.8 41.6 ▲ 4.2 81.6 194.8
2 島﨑涼 40.4 13.8 80.8 ▲ 47.8 13.2 1.5 101.9
3 蓮沼友樹 67.8 51.5 ▲ 13.4 ▲ 12.9 ▲ 26.2 27.3 94.1
4 鈴木秀幸 68.1 59.4 19.4 ▲ 29.5 ▲ 5.9 ▲ 23.3 88.2
5 藤島健二郎 ▲ 60.4 85.3 30.9 8.4 ▲ 2.9 61.3
6 天音まこと 31.8 21.6 ▲ 12.6 19.9 60.7
7 望月雅継 ▲ 58.5 ▲ 0.8 76.9 6.8 32.4 56.8
8 中村裕之 ▲ 12.3 27.0 ▲ 3.5 41.0 52.2
9 土屋幸弘 ▲ 32.0 13.5 13.1 55.4 ▲ 4.1 45.9
10 佐藤伶太 59.1 ▲ 0.9 ▲ 22.2 ▲ 23.9 30.3 42.4
11 田中寛治 47.7 15.6 15.6 ▲ 8.7 ▲ 29.4 40.8
12 鈴木郁孝 123.5 ▲ 54.5 ▲ 37.3 ▲ 25.7 17.0 23.0
13 平野敬悟 ▲ 33.0 16.3 3.5 21.7 8.5
14 渡辺洋巳 ▲ 13.4 17.2 ▲ 6.9 15.5 ▲ 17.9 ▲ 5.5
15 太田昌樹 ▲ 29.1 27.2 ▲ 38.5 41.3 ▲ 11.9 ▲ 11.0
16 青嶋宏樹 11.2 ▲ 27.0 ▲ 29.9 ▲ 10.4 14.7 ▲ 41.4
17 岡本和也 ▲ 35.0 ▲ 30.8 ▲ 6.5 ▲ 21.4 43.5 ▲ 50.2
18 杉村泰治 ▲ 5.7 ▲ 75.5 ▲ 40.1 67.5 ▲ 53.8
19 木原翼 ▲ 19.7 4.6 69.7 ▲ 47.0 ▲ 60.6 ▲ 1.4 ▲ 54.4
20 京平遥 ▲ 50.0 ▲ 91.3 70.7 ▲ 38.3 7.3 2.3 ▲ 99.3
21 鷲見隼人 ▲ 27.4 ▲ 55.0 ▲ 45.5 32.7 ▲ 12.3 2.8 ▲ 104.7
22 中寿文 ▲ 82.4 ▲ 17.3 ▲ 52.0 4.5 15.5 ▲ 131.7
23 斉藤隆 ▲ 66.9 16.3 ▲ 24.8 1.6 ▲ 62.8 ▲ 136.6
24 平岡理恵 ▲ 39.2 6.2 ▲ 67.7 ▲ 24.2 24.1 ▲ 36.6 ▲ 137.4
25 石津寿人 ▲ 12.4 ▲ 96.0 3.5 ▲ 46.7 ▲ 151.6

第36回静岡リーグ(プロアマ混合)第1節レポート

【ベテラン杉村が午前のプロリーグに続き静岡リーグでも大爆発!!】

秋の色も濃くなり、浜松にからっ風が吹きすさぶ季節になってきた、10月18日。

第36回静岡リーグが開幕した。
第36回静岡リーグのレポートを担当させていただくことになりました34期後期生の斉藤隆と申します。
拙い文章になるかもしれませんが、また半年間お付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

2週間前、決勝通過順最下位からの劇的な逆転優勝を太田が決めてから、あっという間に次の36回が開幕の運びとなった。
前回は特別なレギュレーションとなり変則の4節開催とはなったが、今回は通常の5節20半荘にて行われる。
今回も50名強の参加者で熱戦が繰り広げられた。

今回の静岡リーグ開幕にあたって、我々プロとしては、決勝進出プロが1名という結果になった前回を挽回したい気持ちで闘ったと思う。
また、一般参加者の方々も再び決勝の椅子をつかみ取るため、第1節から火花が飛び交う闘いになることだろう。

それでは今節の結果を見ていこうと思う。

まず、首位にたったのが、杉村プロ。

 

 

午前中のプロリーグも卓内1人浮きの絶好調だったが、午後の静岡リーグでも継続。
第30回では最終戦で役満をあがり、優勝。
決勝進出も計7回している。
ただ、その優勝以降は決勝進出を逃しているだけにそろそろ決勝進出したいところだろう。

2位につけたのは、一般参加の伊藤裕美子さん。
毎回、お会いするとにこやかに挨拶をかわしてくれて優しいイメージの伊藤さん。
常に競技麻雀に向き合っている姿が印象的である。
今回はロケットスタートを切れたので、笑顔の裏に隠れた闘志に火をつけ、この後も戦ってくれるだろう。

3位には初出場の能勢美咲さん。
リーグ戦は初参戦ながら、普段から望月支部長の後ろ見をして、メモを取りながら勉強している研究熱心な一面を持つ。
リーグ戦初戦からこのポイントをたたき出せるのも、日ごろの努力の賜物で、今後も注目していきたいと思う。

4位に鷲見隼人プロ。
前回は最終節で失速してしまい、わずか1.5P差で次点という悔しい結果に終わってしまった。借りを返すために気合も並々ならぬものがある。

そして、個人的に注目したいのは5位の渡辺洋巳プロ。
最近不調の様子だが、いつでも公式ルールの練習の場に顔を出し、黙々と日々鍛錬している姿が印象的である。
今回は好スタートを1節で切れたため、このままの勢いで不調を脱出し、決勝戦の切符を手に入れられるか、注目したい。

6位以降も前々回の決勝進出以来の参加の舟橋さん、宮地さん、中プロと、虎視眈々と上位を狙う面々が控えている。
そして12位に前回優勝の太田プロ、20位に前々回優勝の鈴木郁孝プロと二人とも第1節はプラスで終えている。

まだ1節が終了しただけなので、好スタートを切れた人はもちろんのこと、切れなかった人も十分に巻き返すことは可能であるので、今後の闘いも目が離せない。

(文中一部敬称略)
文:斉藤隆

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 杉村泰治 プロ 95.6         95.6
2 伊藤裕美子 一般 46.6         46.6
3 能瀬美咲 一般 44.9         44.9
4 鷲見隼人 プロ 43.5         43.5
5 渡辺洋巳 プロ 41.0         41.0
6 舟橋晃 一般 31.6         31.6
7 宮地孝尚 一般 30.3         30.3
8 中寿文 プロ 29.7         29.7
9 高村龍一 一般 28.5         28.5
10 片山一哉 一般 27.6         27.6
11 松清一樹 一般 27.3         27.3
12 太田昌樹 プロ 25.3         25.3
13 石津寿人 プロ 22.2         22.2
14 大橋幸正 一般 20.9         20.9
15 島﨑涼 プロ 19.4         19.4
16 加藤拓 一般 17.6         17.6
17 鈴木貴仁 一般 14.2         14.2
18 伊藤真 一般 10.7         10.7
19 京平遥 プロ 9.6         9.6
20 鈴木郁孝 プロ 9.4         9.4
21 山田昭裕 一般 8.3         8.3
22 栗島有紀 一般 7.6         7.6
23 松永誠 一般 2.6         2.6
24 鈴木博直 一般 0.5         0.5
25 斉藤隆 プロ           0.0
26 松本貴仁 一般           0.0
27 高橋大輔 一般           0.0
28 藤島健二郎 プロ           0.0
29 湯本紳介 一般           0.0
30 山内紀博 一般           0.0
31 平野敬悟 プロ

▲ 0.4         ▲ 0.4
32 前嶋茂 一般 ▲ 0.7         ▲ 0.7
33 大谷数則 一般 ▲ 2.6         ▲ 2.6
34 青嶋宏樹 プロ ▲ 10.7         ▲ 10.7
35 渡部文也 一般 ▲ 11.4         ▲ 11.4
36 天音まこと プロ ▲ 14.4         ▲ 14.4
37 岡本和也 プロ ▲ 15.0         ▲ 15.0
38 鈴木優貴 一般 ▲ 16.2         ▲ 16.2
39 白井健夫 一般 ▲ 22.0         ▲ 22.0
40 井上一雄 一般 ▲ 24.5         ▲ 24.5
41 望月雅継 プロ ▲ 26.7         ▲ 26.7
42 中野一男 一般 ▲ 26.7         ▲ 26.7
43 金田年伸 一般 ▲ 27.4         ▲ 27.4
44 村瀬光佳 一般 ▲ 29.7         ▲ 29.7
45 坂本彰光 一般 ▲ 31.0         ▲ 31.0
46 影山恒太 一般 ▲ 31.8         ▲ 31.8
47 高森涼子 一般 ▲ 34.8         ▲ 34.8
48 堀孔明 一般 ▲ 39.0         ▲ 39.0
49 服部哲也 一般 ▲ 40.0         ▲ 40.0
50 鈴木秀幸 プロ ▲ 41.7         ▲ 41.7
51 土屋幸弘 プロ ▲ 49.5         ▲ 49.5
52 木原翼 プロ ▲ 64.5         ▲ 64.5
53 小倉雨 一般 ▲ 69.4         ▲ 69.4

第19期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第6節レポート

Aリーグ6節レポート

今日から後半戦が突入となる。短いスパンでの対局が続くがモチベーションを維持して全力で戦えるように日々を過ごしたいものです。

1卓
絶好調の花岡を始めAリーグの猛者相手に1人プラスの卓内トップに躍り出たのはAリーグ2年目の城。+62.2Pを叩き出しトータル4位まで浮上した。決定戦進出圏内まで成績を伸ばし今後の戦いに注目です。

2卓

横山が+66.8Pで大爆発を起こし一気にプラス圏内までやってきた。

2回戦南3局。

吉本のリーチに徹底応戦したのが横山、無筋を何枚も切り飛ばし追いかけリーチ。
そして、吉本が一発で掴んだドラの中にロンの声。

三万三万三万六万六万六万 二筒三筒四筒六筒七筒八筒 中  ドラ中

横山は3回戦もトップをとり4回戦も東場の親番で
七万八万九万九万九万 二索二索二索 六筒七筒八筒 東東   ドラ三筒

リーチをかけ一発で高めの東をツモ。4,000オールこの勢いのままに4回戦もトップで終えた。間違いなく決定戦争いに顔を出すでしょう。要注目です。
また熱い戦いはやってくる。まだまだ9人の勝敗の行方はわからない。

(文:吉本卓矢)

 

Bリーグ6節レポート

後半戦、何とかポイントを上げたいと気が焦る杉田。
第2回戦、ドラ3の3メンチャンでリーチをかけたが、追っかけリーチの1,300点に振り込む。嫌な状態で迎えた南1局の10巡目の手牌。

五万五万五万 二索四索六索九索九索 三筒四筒五筒 白白  ドラ五万

またしてもドラを3枚重ねました。仕掛けが入って煮詰まった場ですが、なんとかこの手をものにしたいところです。
ここに、五万 を引いてきてカン!リンシャン牌から積もってきたのが五索 で、九索白のシャンポン待ちテンパイ。

当然リーチの局面ですが、なぜかとっさにヤミテン、白の片アガリを選択してしまった杉田でした。
すると一発のタイミングで対面から九索が切られました。
次巡にツモ切リーチだ!と決意を固めてツモ山に手を伸ばします。
持ってきたのは手牌を入れ替えられる三索
これでアガリ逃しがバレなくてすむ!またアガれると思って六索切りリーチといったのです。
しかしこれが「ロン!」で下家のカンチャンに放銃。
頭が真白になってその手が何点だったのかも覚えていません。

様々な感情で顔が赤くなるのを止められませんでした。ここから崩れて結局4着。
この日の最終成績は
辰巳▲45.1P 杉田▲62.6P 音羽+29.1P 貫上+78.6P
ポイントを上げる貫上がうらやましくも思い、この日ほど情けない気持になったことはありません。
残り試合、もう一度自分を見つめなおして、せめて納得のいく麻雀を打ちたいと思います。

(文:杉田モン太)

 

Cリーグでは新人紹介をさしていただきます。
下記の質問に答えてもらいました。

➀氏名  ②出身地 ③自分をアピールして下さい。 ④好きな役
⑤好きな雀士(プロ、アマ問わず) ⑥プロになろうと思ったきっかけは?
⑦これからどうなれば良い、どうしていきたい?

 

①長谷川稜祐(はせがわりょうすけ)
②愛知県
③守備力は高いと思っています!
④三色同順
⑤HIRO柴田プロ
⑥通っていた雀荘でお誘いを受けたので
⑦押すところは押す、引くところは引くというメリハリのある麻雀が打ちたいです。

第37期鳳凰戦A1リーグ第11節A卓レポート

【A1リーグ2位スタートの沢崎がプラスを重ねて遂にトータル首位に立つ】

 

 

鳳凰戦A1リーグ戦も終盤。現状は佐々木、沢崎、西川が100ポイント超えで決定戦候補という状況。
この均衡を崩して混戦にしたい4位紺野と5位勝又。ライバル関係ながらも沢崎からポイントを引き出したいのは共通か。
上位陣と同卓の瀬戸熊は今日の直接対決で大きくプラスして差を縮めておきたい。

1回戦東4局、紺野はメンピンドラの六索九索待ちで先制リーチ。追いついた瀬戸熊が追っかけて二筒でメンタンツモドラのアガリ。

 

 

そしてもう一つの山場が南2局。親番瀬戸熊がドラ暗刻のリーチ。紺野はピンフドラの二筒五筒待ちテンパイを入れていて、1巡前に三筒も押したが、次の無筋六索でオリを選択。終盤に二筒をツモってアガリ逃しが見えてしまった。

この2局の結果が響き、1回戦は瀬戸熊トップ、紺野が1人沈みのラスとなる。

2回戦の勝負所は東2局。親の沢崎がドラ三索をポンしている。紺野も仕掛けて三万六万テンパイ、勝又も3フーロでマンズのホンイツ四万五万七万で応戦するが、沢崎が力強く五万ツモ。

 

 

南2局には、9,000点まで追い詰められた紺野。高めチャンタリーチで一筒をツモると、次局は白発ホンイツを勝又からアガって素点を大きく回復。

3回戦は調子を上げて来た紺野が親でアガってリード。

 

 

東4局のピンフドラドラ高め一通はアガれなかったが、オーラスもアガリ切って1人浮きとなった。

4回戦は勝又が完封。
まずは沢崎のリーチに追いかけて7,700(+1,000)をアガる。

 

 

南1局には一索から仕掛けてドラをツモアガリ。
オーラスは30,900持ちの瀬戸熊から八万をロンで1人浮きとなった。

 

 

それぞれが1回ずつトップを取る結果。沢崎が卓内首位、そしてトータルも首位まで浮上した。

 

 

リーグ全体としても上位3名のみが100超えのプラス。このまますんなりと決まってしまうのか、はたまた大逆転があるのか!?B卓の観戦が待ち遠しい。

(文:編集部)

麻雀日本シリーズ2020プレーオフレポート

【決勝進出は佐々木・白鳥・瀬戸熊・平賀】

各団体の現タイトルホルダー、トッププレイヤーが出場しその頂点を決めるタイトル戦、麻雀日本シリーズ。そのプレーオフが13日(金)に行われた。
全4回戦が行われ、今までのリードを活かし、佐々木寿人・白鳥翔・瀬戸熊直樹・平賀聡彦が決勝進出となった。決勝戦は12月19日(土)14時より、ポイントをリセットして全4回戦で行われる。

開始前(30回戦終了時)のスコアと、繰り返しで恐縮だが日本シリーズのシステムを掲載する。

 

 

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退(前節まで)
■12人でポイントを持ち越し、二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越し、プレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出(本日はこちら)
■ポイントをリセットし決勝4回戦

【プレーオフ1回戦】 (1位)白鳥vs(4位)平賀vs(5位)本田vs(8位)堀
白鳥は抜けてしまっており、下位4人にとっては、4位平賀を抜くことが一番現実的。
逆に言えば、平賀はここで本田、堀より上の順位をとってしまえば決まりだろう。
3局連続流局で迎えた東4局、親は平賀。
まずは本田が先制リーチ。待ち取りは難しいがリャンメンを選択。

 

 

無筋を三連打し、追っかけリーチは平賀。

 

 

そして開かれる平賀の手。本田から5,800。

 

 

次局も平賀は緩めることなく先制リーチ。

 

 

今度は本田が追っかける番。

 

 

またも開かれる平賀の手。強い。
控室の坂本、藤崎からも悲鳴があがったことだろう。

 

 

この半荘はそのまま平賀がトップ。

もう上位は捕まらない。
例えば、先程の局、白鳥は二筒九筒を切るとメンチンのテンパイだが、現物の一筒切りでテンパイ取らず。

 

 

2回戦の瀬戸熊もメンホン、メンチンが見える手格好から、坂本のリーチを受けて現物の九筒切り。
放銃のリスクを負わず、勝算の高い局しか前に出てこないので、なかなか点数が減らないのである。

 

 

決勝戦は12月19日(土)14時開始。

佐々木、平賀のインファイトはどちらが立っていられるのか?瀬戸熊もインファイトに加わるのか?供託が残らない展開で白鳥は羽ばたけるのか?今から楽しみで仕方がない。

 

 

(文:福光聖雄)

第37期鳳凰戦A2リーグ第8節C卓レポート

【 終わらない二階堂亜樹の苦悩】

11月11日に行われたA2リーグ第8節C卓は、トータル上位者がおらず残留争いがテーマの戦いとなった。対局者とこれまでの成績は画像の通り。

 

 

6位の一井、9位の麓、11位の前原、12位の魚谷、14位の亜樹の戦い。

 

 

まず光ったのは麓の積極策。役ありでヤミテンもある手を何度もリーチ付きで成就させ、トップでのスタート。残留ではなく昇級を第一目標にしていることがうかがえた。

そんな麓に加え、同じく昇級を目指す一井、攻撃型の前原・魚谷に囲まれて苦しんだのは、自他共に認める守備型の亜樹。アガリが少ない分放銃も少ない雀風だが、この日は解説の瀬戸熊も「一番通りそうな牌が当たり牌になっている」と話すほど「ロン」の声に苦しんだ。

それがもっとも象徴的な場面は、4回戦の南場に訪れた。

 

 

前原がピンズのホンイツで一筒南をポン。その仕掛けに麓がドラの七筒を勝負してきた場面でこの手牌。もちろんオリを選択するのだが、あなたはここで何を切るだろうか?

亜樹の選択は2枚持っている三万
場には四万が4枚見えており最も通りやすそうに見えるが、これが麓にタンヤオ・七対子・ドラドラで8,300の放銃。(一発・裏ドラの無いルールで降りての満貫放銃は頭がクラクラする程ショックを受けます)

その次局、またしても試練が訪れたのは11巡目。

 

 

亜樹は前巡に役なしのテンパイを入れているが、下家の前原はピンズの高い捨て牌で五筒を余らせており気になるところ。また親の麓も四筒”>、<img decoding=と脂っこいところを手出ししていて、不穏な様子がある。亜樹は五筒を引いてきて567の三色も見えてきたこともあり、ドラをまたがない打八筒を選択。結果的にこれは放銃になるのだが、何が苦しいかと言うと…

 

 

 

五筒八筒、どちらを切ってもそれぞれが高打点の当たり牌になっていたことだ。亜樹は加点が必須な状況のため、ヤミテンを警戒してテンパイから迂回を選択するのは至難の業と言える。

そんな今期何度目か分からない試練が降りかかった亜樹だが、それでも1、2回戦ではオーラスにアガリを決め、着順を上げている。またルールは違うがMリーグでは現在200P近くのプラスを叩き出しており、鳳凰戦での復調もファンは心待ちにしているだろう。

1日を終えてのトータルポイントは画像の通り。

 

 

一井・麓は加点に成功し、昇級争いの後方につくことができた。前原・魚谷は降級ボーダーから30Pほど離れており、安心はできないものの有利な状況を維持。亜樹は次節以降爆発的なプラスが必要な状況となった。

次回の放送は11月17日(火)16時~。対局者は近藤久春、ダンプ大橋、魚谷侑未、麓征生、客野直。残り3節となり、さらに白熱する終盤戦にぜひご注目ください。

(文:浜野太陽)

何を切る? 2020年11月

第18期プロクイーン決定戦 9回戦 南3局 東家 藤井すみれプロ

 

 

 

■Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

■プロ解答

七筒切り

 

 

二筒切り

 

 

六万切り

 

 

三索切り

 

 

二万切り

 

 

五筒切り

 

 

五万切り

 

 

■実況・解説陣

 

 

白鳥「ムズい!」
日吉「どう切ります?」
白鳥「二万三万の部分がひとつ内に寄っていれば二筒を切って最低タンヤオっていうフォーメーションにしそうなんですけど・・・」
日吉「内に寄せてもタンヤオが崩れる可能性もあると。」
白鳥「だったらつなぎの一局にもできるように、リャンメン受けを作っておいたほうが良いのかなと。」

■プロの視点
藤井すみれプロ
「打七筒。少しでも素点回復したい親です。まずはストレートに良形テンパイを狙います。123・345の三色になれば最高ですが、リャンメンリーチが打てればOK。一筒引きも喜んでお受け致します。
今回かなり回答が割れて、それぞれメリットがあるので面白い牌姿だなぁと。点数状況などでも変わってきそうですね。」

 

■終局図

 

 

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
OPENREC 日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコニコ生放送<PC版>

第15期女流桜花Aリーグ第7節B卓レポート

桜の女王の華麗なる帰還です。

序盤の丁寧な手組と中盤以降の押し引きのバランスで、これまで抜群の安定感を発揮してきた亜樹。
2節目以降は一度も沈むことなく、最終節でトータル首位に浮上しました。

 

 

亜樹が放った決定打は最終戦の南3局の親番。
一気通貫が見える1シャンテンでドラを重ねると、即リーチを選択し3,900オールのツモアガリ。
こういう決断を素早くできるところに現在の亜樹の調子の良さが伺えました。
これでプレーオフ進出を決めた亜樹。
5度目の決定戦と3度目の女流桜花獲得が近づいてきました。

逆に厳しくなったのは内田。
1回戦で大きなトップを奪い、2回戦も順調に浮きで迎えたオーラスの親番。

 

 

内田はテンパイするも、ラス目の魚谷からのリーチを受けた状況で迷いがでます。
押すも一手、引くも一手の局面。
自身の手・現在の持ち点・トータルのポイントなど様々な判断材料が頭を回ってなのか、テンパイを取るか現物を切るかで何度も指が彷徨い決断しきれません。
この動きを見て、難しい状況で打たされている内田の苦しさが伝わってきました。
また迷って選んだ手が裏目に出ると精神的に堪え、気持ちを立て直すのが大変です。
ここから徐々にポイントを削られた内田はトータル▲31.8Pの12位と一歩後退。

 

 

第7節B卓の結果、亜樹・魚谷のプレーオフ進出と西山の残留が確定。
中山のプレーオフと内田の残留は次週の第7節C卓の結果待ちとなりました。

(文:越野智紀)

第37期鳳凰戦B1Select後期第1節レポート

【後期B1リーグSelect開幕戦は4戦とも見事な逆転試合に。】

11/7(土)に行われた後期B1リーグ開幕戦は逆転劇の応酬だった。東場で大物手をアガった者が居ても、誰かがそれを必ず差し切るのだ。

1回戦は荒が先制リーチ。ドラ表示牌の二索をツモっての4,000オールで幕を開けた。

 

 

これをかわしたのは井出。東4局にメンホン七対子を2枚切れの西でヤミテン。8,300をアガると、オーラスは1,300・2,600ツモで逆転トップを決めた。

2回戦のスタートダッシュは増田。2軒リーチを受け、選択を正解しての満貫ツモアガリ。相当感触が良かったはずだ。

 

 

しかし、今回の主役は森下だった。ここまで得意の攻撃パターンに持ち込めず南3局までラス目だったが、2局連続のアガリでごぼう抜きトップ。

3回戦開局、配牌ドラドラの森下。しかしすでに井出が仕掛けて二万五万待ちテンパイを入れている。

 

 

森下はメンゼンで間に合わないと判断したのか、役が確定しない一索ポンから。役牌の後付け、トイトイ、もしくはチャンタのどれかに出来ればいいが。危ない仕掛けだが結果は最高。西を引いて暗刻にし、南をポンで役確定。さらにトイトイ変化で跳満ツモに仕上げた。
森下の2連勝に待ったをかけたのは荒。456三色をヤミテン。ピンズのメンホンテンパイの森下のリーチ宣言牌五筒で直撃すると、丁寧に加点し続ける。森下を200点沈めてオーラス。最後もアガリを決めて1人浮きトップをもぎ取った。

4回戦、井出のトップ目で迎えた東3局1本場。増田のドラポンと森下のピンズのホンイツに挟まれながらも井出は果敢にリーチで応戦し、7,700(+300)をアガる。次局も満貫ツモで大きくリードして南場へ。

 

 

南1局、増田が仮テンパイの単騎待ち。すぐに井出から二筒が出て1,300。この小さなアガリをきっかけに増田の時間帯となる。
まずはツモり三暗刻で先制。ドラの二筒は山に無く、一索が井出の手に1枚、山に1枚残り。井出にもテンパイが入るが二索切りで6,400放銃を回避。しかし井出のファインプレーをものともしない増田はラス牌の一索で跳満ツモ。南3局の親番でも加点して大トップで終了。

 

 

結果は1回ずつトップで1半荘分程度のポイント差でおさまった。全員が持ち味を発揮し、高打点も決まるのに誰も突き抜けられない。観ていてとても楽しい対局だった。

 

 

今月は11/21(土)にもB1Selectがある。昇級2枠に対して降級5枠の熾烈な対局を皆さんにも是非ご覧いただきたい。

(文:編集部)

第37期十段戦ベスト16D卓レポート

【十段戦ベスト16D卓通過は仁平・前原!】

1回戦、親番の西島に大チャンス手。

 

 

「これはもらったな。出アガリは期待できないけど、一人旅で安目でもツモれたら十分。」
と思ったかどうかはわからないが・・・

 

 

アガれないならまだしも、満貫の親被りでリーチと合わせて5,000点の失点。これにはガックリ。
もちろん序盤なので挽回できるのだが、この日の西島はこれ以降チャンスらしい手がなく、前半で大差となってしまった。

3分の2の争いは勝負処の4回戦、まずは沢崎vs前原。
前原が7,700のヤミテンを入れた同巡に沢崎も前原の待ちの六索を入れてリーチ。

 

 

 

沢崎が三索を掴み、前原のアガリ。

東4局も沢崎はリーチするも、仕掛けていた仁平に3,900の放銃。

南1局、沢崎三度目のリーチも、仁平にアタリである南を掴んでしまい、5,100点(3,200+900+1,000)の献上。

 

 

次局、沢崎にきた配牌はバラバラ。

 

 

 

しかし、10巡目には輝く七対子ドラドラに。もちろんこれをリーチ。これがマムシの力か。
待ちは山に2枚。(北なら0枚だった)

 

 

これも麻雀。勝負あり。
沢崎なら「あれだけリーチが空振っているんだから、普通はアガれないよね。」と思っていたような気もします。

以上でベスト16の全卓が終了しました。
ベスト8の組み合わせ、日程はこちらになります。
両日とも15時よりopenrec.tvで生中継。伊藤に挑戦する4名は誰になるのでしょうか?お楽しみに。

 

 

 

(文:福光聖雄)

第37期鳳凰戦A1リーグ第10節B卓レポート

2位沢崎(+115.1P)と3位西川(+99.5P)の直接対決。現在決定戦枠の両者は自分が大きくプラスするのが理想。相手に1枠確保されて自分が沈み、下からターゲットにされるのが最も避けたい展開だ。

5位前田(▲4.1P)は、吉田や紺野と同様に思い切り叩きに行きたいポジションだが、雀風を思うとあまり無茶はしないかも知れない。今節高打点をバシバシ決めたら、決定戦争いが大いに盛り上がる。

8位瀬戸熊はまず降級争いに絡まないようプラスを目指し、浮けるなら今日を含む3節で5位以内に入りたい。

1回戦を決定付けたのは南2局。西川がソーズのメンホン七対子の中待ちでテンパイを入れている。
前田が三筒を引いて高め234三色テンパイ。
瀬戸熊が八索を引いて高め789三色ドラのテンパイ。

 

 

3者大物手だが跳満をツモったのは西川。これでトップ目に立つと、オーラスは前田の先制リーチに追いつき、2人テンパイ。原点付近に居た沢崎、前田を沈めて1人浮きとなった。

2回戦の山場は東1局。
瀬戸熊がドラ単騎六索のリーチ。

 

 

西川もメンタンピンイーペーコーで追っかけ。
沢崎も白で満貫テンパイだったが五索で撤退。
結果は瀬戸熊が跳満ツモアガリ。沢崎はまっすぐ行けば白を先にツモっていただけに悔しい1局となった。

3回戦は西川、前田が高め三色をツモアガってリード。

 

 

均衡が崩れたのは南3局。
西川が中をポン、四索をチーしてかわし手をテンパイ。

 

 

瀬戸熊のリーチを受けてからドラの九万を持って来てドラ単騎に受け変え。瀬戸熊に四万を打たれてから三万を掴む間の悪さだったが西川はそのまま振り抜いた。トップ狙いの勝負だったとは思うが、おそらく西川がこの日一番悔やんだ放銃だろう。

 

 

4回戦はメンピンツモドラの1,300・2,600(+300)とピンフドラドラの3,900(+300)をアガった沢崎が抜群の安定感でトップ。2着争いは西川が制した。

 

 

各選手1回ずつトップを取り、平たい結果に落ち着いた。全員に見せ場があったが誰も抜け出せない。A1らしい面白い対局であった。

 

 

(文:編集部)

巣鴨本部道場 2020年10月度プロアマオープン大会成績表 最終結果(プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 有田将之 28 233.4
2 後藤竜司 21 224.7
3 マーヤン 17 222.1
4 中村 94 215.5
5 藤原隆弘 48 193.6
6 山田樹 24 191.2
7 稲熊勝明 49 183.4
8 岡田充弘 23 181.8
9 茶谷正人 24 176
10 カズ 18 175.9
11 しーら 16 164.6
12 西角健二 40 155
13 水野裕来 24 139.6
14 シマカタ 24 131.7
15 上山朋之 16 130.9
16 宗形周平 20 127.3
17 松村祐輔 28 105.8
18 塚田悠介 19 102.4
19 テツ 28 88.8
20 前原由紀子 34 86.9
21 市川幹人 35 70.5
22 青木保則 21 68.2
23 加藤恵美子 42 66.1
24 丹野賢一 16 61.5
25 加藤はるみ 30 58.6
26 Spitz@T雷電 16 57.4
27 金山二郎 19 56.4
28 きのぴー 22 55.7
29 木本一郎 30 46.6
30 くまお 16 45
31 小泉忠 28 39.8
32 厚地 16 38.1
33 佐藤好子 22 34.9
34 Andy-San 17 32.8
35 ケンタ 16 31.7
36 立岩知朗 45 27.3
37 齋藤麻衣子 26 20.1
38 岡野 61 8.1

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 岡野 20 143.8
2 中村 25 141
3 くまっち 12 102.1
4 宗形周平 24 98.8
5 江田源太郎 12 96.9
6 もと 21 88.7
7 鷹取 24 72.4
8 市川幹人 24 71.8
9 水野裕来 12 67.5
10 前原由紀子 17 62.5
11 深沢岳彦 13 58
12 加藤恵美子 14 57.9
13 HAYAX 10 57.6
14 くまお 13 57.2
15 塚田悠介 14 56
16 シマカタ 12 52.6
17 立岩知朗 12 49
18 カズ 12 41.4
19 極楽7 11 40.2
20 かずちゃん 10 39.5
21 岡田充弘 23 37.9
22 奥住将 15 28.6
23 荒川純男 11 28.2
24 加藤はるみ 12 26.4
25 井出博幸 10 24.1
26 丹野賢一 12 22.9
27 後藤竜司 12 22.6
28 篠田拓郎 8 22.5
29 有田将之 11 7
30 佐藤好子 10 1.5

 

 
道場ポイントランキング

順位 名前 7WRC 7公式 8WRC 8公式 9WRC 9公式 10WRC 10公式 合計
1 中村 112 25.25 113 75 400 62.5 200 75 1062.75
2 しーら 400 0 400 0 119 0 120 0 1039
3 藤原隆弘 180 24 170 28.75 300 75 190 21 988.75
4 有田将之 94 24.75 0 28.5 114 29.5 400 23.25 714
5 後藤竜司 117 35 87 0 111 29.25 300 23.75 703
6 小泉忠 97 0 300 24 150 0 87 0 658
7 シマカタ 300 0 112 0 96 0 117 28.75 653.75
8 稲熊勝明 190 0 119 0 170 0 170 0 649
9 くまお 81 28.75 180 42.5 140 28 92 29.25 621.5
10 立岩知朗 100 0 200 29.25 115 45 82 28.5 599.75
11 山田樹 250 0 95 0 69 0 180 0 594
12 藤次祐紀 115 50 92 29.5 180 21.25 72 21.5 581.25
13 金山二郎 84 21 114 50 190 23.5 95 0 577.5
14 水野裕来 0 45 190 30 100 30 118 37.5 550.5
15 岡田充弘 0 62.5 115 29 118 27.75 160 25.25 537.5
16 市川幹人 98 29.5 111 20.5 98 35 101 40 533
17 松村祐輔 92 0 140 24.25 160 0 114 0 530.25
18 岡本浩一 101 42.5 160 21.5 120 47.5 0 0 492.5
19 加藤はるみ 99 29.25 117 0 86 37.5 97 24.5 490.25
20 江田源太郎 150 0 100 0 117 0 71 47.5 485.5
21 西角健二 140 0 97 0 112 0 119 0 468
22 丹野賢一 96 37.5 79 29.75 70 23 98 24 457.25
23 Andy-San 83 28 118 20 101 0 84 0 434
24 蛇ノ目誠司 82 0 81 0 200 0 66 0 429
25 篠田拓郎 200 25 80 37.5 0 40 0 23.5 406
26 木本一郎 116 0 101 0 82 0 93 0 392
27 塚田悠介 0 23 150 45 0 25.25 113 29 385.25
28 前原由紀子 87 23.75 0 23 84 21 111 35 384.75
29 のりさん 113 0 86 0 93 0 70 0 362
30 福永雄介 120 0 78 0 83 0 78 0 359
31 Spitz@T雷電 0 0 96 28 81 24.25 96 20.5 345.75
32 きのぴー 0 0 0 0 250 0 94 0 344
33 厚地 0 0 250 0 0 0 86 0 336
34 テツ 0 0 116 0 85 0 112 0 313
35 佐藤好子 0 20.5 71 20.25 68 20.75 85 23 308.5
36 齋藤麻衣子 86 0 69 0 71 0 81 0 307
37 葭葉 0 28.25 85 62.5 79 29.75 0 20.75 305.25
38 ドラ次郎 119 0 73 0 113 0 0 0 305
39 加藤恵美子 0 0 94 0 80 0 99 29.75 302.75
40 岡野 0 0 0 0 92 23.25 80 100 295.25
41 かずちゃん 0 0 83 0 78 21.75 69 27.75 279.5
42 西部健寛 170 40 0 47.5 0 21.5 0 0 279
43 原佑典 79 21.75 93 0 73 0 0 0 266.75
44 茶谷正人 0 0 0 0 116 0 150 0 266
45 ケンタ 0 0 84 0 97 0 83 0 264
46 マーヤン 0 0 0 0 0 0 250 0 250
47 宗形周平 0 0 0 40 0 25 115 50 230
48 青木保則 114 0 0 0 0 0 100 0 214
49 タカ 78 21.5 72 21 0 0 0 0 192.5
50 野瀬守康 0 0 99 0 0 0 79 0 178

第37期鳳凰戦A2リーグ第8節B卓レポート

【A2リーグ第8節B卓 和久津晶、超高打点打法で目指すはA1復帰】

11月3日に行われたA2リーグ第8節B卓は、昇級を目指す近藤・客野・和久津、降級ボーダーを逃れたい安村・山田によって争われた。開始前のトータルポイントは以下の通り。

 

 

5位の近藤は昇級ラインまで近く、大きく負けることなくポイントを維持していけば最後まで昇級戦線に残ることができそうだ。一方客野・和久津は昇級・降級ともに遠いため、まずは大きなプラスを目標にするだろう。
一方山田・安村はなかなか降級ゾーンを抜け出すことができないままここまで来ており、少しでもボーダー上の魚谷・前原にプレッシャーをかけたいところ。

初戦、いきなり不運に見舞われたのは和久津。山田の一人沈みで迎えたオーラスでヤミテンの3,900を客野に、8,000は8,300を山田に放銃し、まさかの一人沈みに。和久津はこの日大きく沈むことがなければ昇級を目指して大きくプラスしていきたかっただけに、この一人沈みでどう戦うかが見所となった。

しかしこの後、和久津は「下は全く見ていません」というような超高打点打法を見せる。

 

 

まずは2回戦東1局。アガリ率と打点のバランスを見るなら八筒やドラの発が候補に挙がる場面。しかし和久津が選んだのは…

 

 

345のタンピン三色かドラ雀頭のテンパイしかいりません!という三筒。狙い通りに八筒を引き入れヤミテンで7,700のアガりとなった。
また4回戦南2局1本場では…

 

 

ここでも三色固定の打五筒!必ず愚形にはなるが、必ず三色のテンパイになる一打。また発をポンしての両面テンパイは取れなくなるが、この打ち方だと2枚目が出ようが涼しい顔でスルーしたのではないか。これも見事リーチにこぎつけ7,700のアガリをものにすると、4戦終了時には一人沈みからスタートしたとは思えない28.7Pの加点に成功した。

1日終了時のトータルポイントは画像の通り。

 

 

近藤が和久津と共に加点し昇級争いの中心に。客野は少しマイナスしてしまい、一旦降級回避が目標となりそうだ。安村は今期初めて30P以上プラスし、残留に向けて弾みをつけた。一方苦しいのは山田。なかなか戦いに参加することができず、満足いくテンパイが入っても放銃に回ってしまうケースが多く見られ、最下位に回ってしまった。
次回の放送は11月10日(火)。対局者は一井・麓・前原・魚谷・二階堂。トータルプラスの一井以外は降級ラインを意識して戦う卓となります。絶対に負けたくない各選手の戦いを是非ご視聴ください。

文中敬称略
文・浜野太陽

第15期女流桜花Aリーグ第7節A卓レポート

15期女流桜花Aリーグも遂に最終節が始まりました。

 

今期第3節までに大きなマイナスを抱えてしまった清水。
バランスを保つことが難しい状況での試合が続いていましたが、最後の親で意地を見せました。

 

 

一気通貫決め打ちで12,000点。
このアガリが決定打になり最終戦をトップで終えましたが、清水はトータル▲180.7Pの16位。
別卓の結果待ちですが、1期から続いた連続Aリーグ出場が来期で途切れる可能性が濃厚になりました。

15位スタートの藤井は、今節で14位赤司をかわし、10位から13位のグループに接近して別卓の結果待ちまで持ち込めれば残留が見えてくる状況。
トップ・トップ・3着で3回戦を終え、14位赤司まで21.6P差で迎えた最終戦。
オーラスで藤井は35,100点持ちのトップ目ですが、まだ目標に8.5P足りませんでした。

 

 

親の稲岡からリーチ棒が出て満貫出アガリでも目標への条件がクリアになった藤井は、タンヤオイーペーコードラ1でリーチを敢行。
そして藤井のロン牌を先制リーチの稲岡が掴みます。

 

 

藤井がロンの体勢に入るも、白銀からロンの声。
同じ牌に複数のロンが入った場合、放銃者から見てツモ番が早く回ってくる側のロンだけが有効になる上家取りのルールが発生します。
藤井のロンは無効となり、トータル▲77.7Pの15位で別卓の結果待ち。
苦しみの中で見つけたオアシスは幻に消えました。

8位稲岡・9位白銀のプレーオフを賭けた争いは、この最後の上家取りでアガった白銀が稲岡をかわして8位に浮上。
プレーオフを有利に戦うために攻めた川原は清水に放銃した一通の12,000点が響き、ポイントを伸ばせず5位のまま終了しました。

(文:越野智紀)

第19期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第5節レポート

Aリーグ5節レポート

今期プロリーグの折り返し地点となる今節。いい形で前半戦を締めくくりたいところです。

1卓
今節も花岡が大ブレイクを果たし、トータルポイント200以上となりほぼ決定戦当確の位置まで登り詰めた。
前回も花岡が主役だったが致し方ない程の強さである。勝負勘や場を読む力は素晴らしい。

花岡の親番に南家の高谷に以下のテンパイが入っていた。

七万七万七万   九索九索 九筒九筒 東東東   ポン中

7巡目のテンパイ、ツモなら3,000・6,000確定の手で今節これまでマイナスの高谷にとっては必ずアガリにしたい手牌。しかし花岡がこの大物手を察知したのか華麗に阻止するのである。

六万七万 二索三索四索八筒八筒 白白白  ポン五筒

ポンをして高谷から八を打ち取る。鮮やかに卓上を舞いトップを手にした。
一方苦しくなったのは坂本で、今節も大きなマイナスを叩いてしまいトータルマイナス200に手が届こうかという位置まで来てしまった。

太閤位決定戦2年連続進出したことがある坂本。まだ5節あるので巻き返しに期待したい。

2卓。
卓内トップは城。4回戦ようやく調子づいた城は南場の親番でこの手を成就させる。

五万六万七万 九索九索九索 七筒九筒  ポン東  チー一万 左向き二万三万  ドラ九索

12,000。この半荘大トップを手にしてトータル4位まで上昇した。
また、この卓では稲岡の1回戦の南場の親番でのこの手に注目したい。

三万四万五万六万七万 四索五索六索七索七索 四筒五筒六筒  ドラ七索

この手はリーチかヤミテンにするのか?意見は大いにわかれるところだと思います。
ロンなら11,600。稲岡はノータイムでリーチ。女流桜花で上昇中の稲岡。
6,000オールのサイケデリックツモを狙いにきた。結局出アガリの12,000を手にしこの半荘大トップで終えた。
太閤位プロリーグの熱い戦いはまだまだ続きます。

(文:吉本卓矢)

 

Bリーグ5節レポート

外は寒くなってきましたが、Bリーグでは今日も熱い戦いが繰り広げられています。
Bリーグ1卓は3回戦が終わったところで、

音羽▲55.6P  上村+41.3P  山神+54.9P  杉田▲28.5P  長尾▲12.1P

杉田が抜け番の4回戦、オーラスを以下の点数状況で迎えました。

親:音羽 18,900
南:山神 1,600
西:長尾 54,800
北:上村 52,500

長尾と上村の壮絶な叩き合いです。
9巡目に長尾のリーチ。

一万二万三万四万五万 五筒六筒七筒 三索三索三索 北北  ドラ四万

トップ目の長尾はこのまま逃げ切りたいところですが役なしのテンパイ。小考の後、自分で勝負を決めに行ったリーチでした。
親の音羽は最後のチャンスに賭け勝負牌を切り出しましたが、ロン!三を打ち取りトップを確定させるとともにプラスに転じました。

最終結果は
音羽▲21.5P  上村+22.5P  山神▲28.4P  長尾+27.4P

長尾は上村を逆転し、音羽はマイナスを半減に抑えた。
リーグ戦も終盤へと突入します。まだまだ続く熱い戦い、見逃せません!

(文:杉田モン太)

Cリーグでは新人紹介をさしていただきます。
下記の質問に答えてもらいました。

➀氏名  ②出身地 ③自分をアピールして下さい。 ④好きな役
⑤好きな雀士(プロ、アマ問わず) ⑥プロになろうと思ったきっかけは?
⑦これからどうなれば良い、どうしていきたい?

① 黒羽 翔(くろば かける)
② 滋賀県
③ LGBT雀士です。
④ 三色同順、三暗刻
⑤ 二階堂亜樹プロ、和久津晶プロ
⑥ YouTubeで女流モンド21杯をみて、華やかなテレビ対局に憧れていつか自分もその舞台に立ちたいと思いました。
⑦ 性別や国籍、年齢の垣根を超え、多くの人とのコミュニケーションのツールとして麻雀が浸透していけばと思っています。そのためにも、自分がその架け橋となり、麻雀教室や配信を通してまずは多くの人に麻雀というゲームを知ってもらいたいです。

 

①猪鼻 拓哉(いばな たくや)
②和歌山県

④混一色
⑤山中翼プロ・山田浩之プロ
⑥競技麻雀をしていく中で、今までより上の舞台で勝負したいと思ったからです。
⑦G1タイトル獲得できるように、麻雀と向き合っていきたいと思います。