第1期若獅子戦予選レポート

【第1期若獅子戦がついに開幕 107名の新鋭が一堂に会する】

3/12(金)に若獅子戦が開幕した。30歳未満の若手からエースの誕生を願う、プロ連盟の期待を背負った新設タイトル戦だ。

 

 

自分のために創られたタイトルと信じて疑わない獅子達107名が集合。開始前の会場には緊迫した空気が張り詰めていた。

 

 

瀬戸熊直樹から改めて大会の趣旨やルール説明があり、現鳳凰位の佐々木寿人から激励の言葉が贈られた。

 

 

会場には審査員として、前原雄大、藤崎智、滝沢和典の姿もあった。出場選手全員の所作、発声、手組み、勝負勘などを細かくチェックし、次世代を担う優秀な打ち手を見極める重要な仕事である。若獅子戦はタイトル戦であると同時に、プロテストに合格した若者の中から特に光る選手を見つけるためのオーディションのような側面もあるのだろう。

参加者の中にはすでに放送対局に出ていたり、実績のある選手も居る。その中から数名紹介しよう。(順不同)

庄田祐生
第30期チャンピオンズリーグ優勝

 

 

渡邉浩史郎
The Legend of Dragon Youth2020優勝

 

 

藤井崇勝
第30期新人王戦優勝
鳳凰戦B2リーグ所属

 

 

安部颯斗
麻雀最強戦2020 全国アマチュア最強位決定戦優勝

 

 

木暮 智貴
第15期 北関東プロリーグ優勝
第20•22期 北関東プロアマ混合リーグ優勝
第10期両毛カップ太田リーグ優勝

 

 

鈴木誠
2019最強戦全日本プロ代表決定戦 決勝進出
The Legend of Dragon Youth2020 決勝進出

 

 

山田樹
第8期麻雀プロアマ競技会 決勝進出

 

 

岡崎涼太
第8期WRCリーグ 決勝進出

 

 

櫛田利太
第8期WRCリーグ 決勝進出

 

 

対局が始まる。熱気と静寂が共存するような空間に、牌の音だけが響く。

 

 

若獅子戦は予選から決勝まで全て一発裏ドラのあるWRCルールで行われる。
1日目で5回戦を行い、上位52名が翌日への挑戦権を得る。
2日目はポイントを持ち越してさらに5回戦。最終的に上位12名を目指す戦いだ。

 

 

スタートダッシュを決めればもちろん有利だが、全部で10回戦あり、公式ルールよりポイントの変動が激しいので、序盤が良くてもセーフティーリードとは言えない。
対局者の打牌選択を観ていた感じでは、良い順位の者は翌日も見据えた12位を目標に加点し、52位が危うい者は積極的に勝負に出る。ルールも相まって真っ直ぐな手組みからの即リーチが多く、打撃戦になる卓が多かった。2日目の後半はポイント状況が明確になって来るので、手牌以外の要素で判断する手組みや押し引きが今日より増えると思われる。

 

 

淡々と時間は進み、僅かな打牌音と発声以外の音が一切ない、静まり返った空間だが、各卓内ではいくつもの熱いドラマが繰り広げられていた。
2回戦を終えて最下位、そこから怒涛の3連勝で2日目に進出を決めた選手も居た。
4回戦を終えて初日敗退の心配はなさそうと判断し、さらなる加点を目指して四暗刻を作ってツモった選手も居た。
大事な局面で一生忘れられないほど後悔の残る一打を選んでしまった選手も居ただろう。

 

 

1日目が終了。この結果上位52名が翌日の予選に進出となった。
2日目も気合いのこもった闘牌に期待したい。

 

 

グランプリMAXベスト8B卓レポート

ベスト8の第2試合。

 

 

B卓に出場する選手は、本田朋広(前年度優勝)沢崎誠(ランキング2位)加藤晋平(地方チャンピオンシップ優勝)藤島健二郎(ランキング23位)の4名。

1回戦の南3局、ノーシードの加藤に大物手が入りました。

 

 

ラス目からピンフジュンチャン三色をアガって逆転トップ。
加藤は北海道プロリーグの雪華王として地方チャンピオンシップに出場。
そこでも優勝してグランプリMAXへの出場権を獲得しました。
この地方リーグ戦からの勝ち上がりは去年優勝した本田と同じルート。
何か持っている雰囲気を感じていましたが、加藤の快進撃に待ったをかけたのが前年度優勝をした本田。

 

 

2回戦もトップを走っていた加藤からピンフジュンチャン三色ドラ1の18,000点を直撃し、そこから本田は一気に突き抜けて決勝進出の1枠を確保しました。
本田に離され2番手をキープしていた加藤でしたが、後ろを走っていたのは沢崎。

 

 

4回戦のオーラス、沢崎は4着から1着に浮上する跳満を藤島から出アガリ。
これで藤島は後退していき、沢崎は加藤との着順勝負まで迫って最終戦に入りました。

沢崎を背に走り続けた加藤でしたが、オーラス親の沢崎から3巡目にリーチが入り

 

 

これが無常にもリーチツモ三色で3,900オール。
あと一歩で決勝進出というところまできていた加藤でしたが、最後の最後で沢崎に捕まってしまいました。

 

 

1本場で再逆転の手を作った加藤でしたが、山に残っていた待ちは沢崎と王牌に収まってしまいゲームセット。
ベスト8B卓は本田・沢崎の勝ち上がりになりました。

<最終結果>
本田+40.7P 沢崎+8.8P 加藤▲8.2P 藤島▲42.3P

(文:越野智紀)

グランプリMAXベスト8A卓レポート

【第11期麻雀グランプリMAX、A卓からは山田浩之・柴田吉和が決勝進出】

 

 

この日の対局者は以下の4名。

山田浩之
佐々木寿人
柴田吉和
伊藤優孝

全5回戦、上位2名が決勝進出となる。

1回戦の分岐は東4局。

 

 

伊藤がタンピンドラ高め三色五索八索をヤミテン。相手を自由に泳がせ、死神の鎌を振りおろすのが伊藤流。

 

 

一方山田は、1巡前に切られた待ちでもお構いなしのテンパイ即リーチ。基本はツモりに行くけど来るならどうぞが山田流。

山田の牌姿はヤミテンなら五索を引いても入れ替え可能だ。リーチを打たせてツモ切りさせられたら伊藤の戦略通りなのだが、残念ながらもう山にはない。
それでも力強く八索ツモった伊藤がリードを守り切り1回戦トップ。

その後も歯車の噛み合わず厳しい展開の山田だったが、オーラスに1人沈み回避のアガリを決めると、2回戦は最初からエンジン全開。役なしテンパイからツモり三暗刻に変化させて親満のアガリ。

 

 

次局、タンヤオテンパイの佐々木が珍しく手を止めて少考。カン五万からリャンメンに変化、そしてツモ八筒。ピンズに受ければ3メンチャンだが、伊藤がホンイツ模様でピンズは場に高く二筒切りリーチに踏み切る。

 

 

ドラドラの山田は佐々木の少考リーチを受けて強気に攻め返す。無筋を2つ勝負し追っかけリーチ、またも親満ツモで大トップ。
山田の快進撃は止まらず、2・3回戦を連勝で突き抜ける。

 

 

4回戦は柴田がカン二筒をチー。佐々木はテンパイキープには二筒三筒を切らねばならないが、どちらも柴田のアタり牌。

 

 

東3局には起死回生の高めツモ跳満リーチを打つが、山田の高めを掴んでしまう。

 

 

近年の佐々木はストップアンドゴーのタイミングが抜群で失点が極端に少ない。今日も2回戦まで2着でまとめていたが、ゴーと決めて押した局に他家に捕まってしまう。

4回戦は、その後メンタンツモイーペーコーや中ドラ3と大物手をアガった柴田がトップ。
最終戦開始前のポイントは以下となった。

山田浩之 +55.8
柴田吉和 ▲9.1
佐々木寿人 ▲19.0
伊藤優孝 ▲27.7

 

 

5回戦、まず反撃に出たのは伊藤。出て跳満、ツモなら倍満の大物手だが、ここは流局。

 

 

次局にホンイツ小三元の跳満を決め、伊藤がトータル2位に浮上。
しかしここから柴田が怒涛の攻撃を展開。

 

 

九万ロンで3,900のアガリ。伊藤を再逆転する。その後も攻め続けて伊藤の加点を一度も許さず、オーラスへ。

 

 

伊藤は跳満ツモ、柴田から7,700直撃が必要。終盤に条件を満たすテンパイ。五索リーチとするが、1人テンパイで流局した。

 

 

第11期麻雀グランプリMAX。
先に決勝進出を決めたのは
山田浩之
柴田吉和
この2名となった。

 

 

翌日にはベスト8のB卓が行われる。
本田朋広
加藤晋平
藤島健二郎
沢崎誠
この中から2名が勝ち上がり、いよいよ決勝卓メンバーが確定する。

(文:編集部)

グランプリMAXベスト16D卓レポート

【麻雀グランプリMAXベスト16D卓はベテラン勢2名の通過!】

3月5日(金)、麻雀グランプリMAXベスト16D卓が行われた。対局者はシード選手の伊藤優孝・沢崎誠に、勝ち上がりの魚谷侑未・麓征生を加えた4名。勝ち上がりで勢いのある中堅を迎え撃つレジェンド級2名といった構図のメンバーだ。

 

 

戦いは様子を見合うようなジリジリとした小競り合いからスタート。満貫以上のアガリが出ないまま、接戦の1回戦を制したのは沢崎。そしてその勢いのまま、最初に大きなアガリを決めたのもやはり沢崎であった。

 

 

引き続き小場が続く中、高目のツモアガリで抜け出すと、2・3回戦ともにトップで3連勝!ほぼ通過確定のリードを築く。
そしてこれに続いたのは麓。そつのないプレーでプラスポイントをキープし、最終戦時点では伊藤に約40、魚谷に約60のポイント差を突きつけた。

しかし「魔物が棲んでいる」かのように最終戦オーラスまでもつれてしまうのが今期のグランプリMAX。
サクサクと局を消化していきたい麓であったが、伊藤・魚谷の連荘により1人ノーテンなどジリジリと点棒を削られる。

東4局2本場、ようやくタンヤオのテンパイを入れるが…

 

 

沢崎のチンイツへの放銃で1人沈みに。さらには伊藤のドラ暗刻へ飛び込むと…

 

 

オーラスには魚谷・伊藤・麓全員に勝ち上がりの可能性がある展開に。

 

 

決着が着いたのは南4局2本場。必死に親番を繋いだ魚谷がメンタンピンのリーチ。これをツモれば一旦はトータル2位に浮上するところであったが…制したのは伊藤!

 

 

見事大逆転を決め、この表情。この場面は勝ち上がりを逃した麓・魚谷も感情を露わにしており、それぞれの思いが垣間見られるので是非タイムシフトでご覧いただきたい。

熱戦を終えてのトータルポイントとベスト8の組み合わせは画像の通り。

 

 

 

A卓は3月8日、B卓は3月9日のそれぞれ16時から放送となる。よく「ここで負けるのが一番悔しい」と言われる、決勝目前のベスト8。ますます熱気の高まる戦いに是非ご注目ください。

(文・浜野太陽)

グランプリMAXベスト16C卓レポート

ベスト16の第3試合。

C卓に出場する選手は柴田吉和(十段位)杉浦勘介(ランキング3位)瀬戸熊直樹(二次予選B卓1位)藤島健二郎(二次予選C卓2位)の4名。

1回戦で1人沈みの4着を引いた藤島でしたが、2回戦から反撃を開始します。

 

 

南1局の親で5,800点をアガった次局に中ドラ3を杉浦から出アガリ初戦の負債を返済。

逆に負債を背負わされた杉浦は、3回戦の東1局。

 

 

リーチツモ三色ドラ2の跳満が炸裂します。
このアガリが効いて3回戦は杉浦がトップ。
失点をすぐに取り返すシーソーゲームでポイントは振り出しに戻り、接戦で後半戦に入りました。

4回戦、柴田が少しリードをして迎えた南3局。

 

 

ここを勝負所と見たか瀬戸熊はピンフドラ1でリーチを選択。
トータル2番手の瀬戸熊にアガらせるわけにはいかない藤島と親の杉浦は仕掛けて必死の抵抗をします。

 

 

ペン七筒で押し切った藤島が最後の1枚をツモアガリ、チャンタ三色ドラ1の1,000・2,000で4回戦を浮きで終了。
ここまで全て浮いていた柴田がトップを取ったことで1人抜け出し、最終戦は瀬戸熊と藤島の着順勝負になりました。

 

 

南3局、中を暗カンした瀬戸熊がツモれば藤島を逆転するリーチ。
これを受けた杉浦は

 

 

一発逆転の四暗刻1シャンテンでリーチの現物の二索を切らずに五筒切りを選択します。

 

 

この時、柴田は二索五索待ちのヤミテン。
まずは放銃を回避した杉浦でしたが

 

 

この後で引いた九万発が瀬戸熊と藤島のアタリ牌。
杉浦の天運ここで尽き、覚悟を決めて九万切り。
瀬戸熊も見逃してツモにかけ一気に逆転を狙いたいところでしたが、全員に押されてはと観念してロンを選択します。
最終局に1,300・2,600以上の条件を残した瀬戸熊でしたが。

 

 

藤島が自らアガって決着。
ベスト16C卓は柴田・藤島の勝ち上がりになりました。

<最終結果>
柴田+21.3P 藤島+20.0P 瀬戸熊+8.9P 杉浦▲50.2P

(文:越野智紀)

グランプリMAXベスト16B卓レポート

【麻雀グランプリMAXベスト16B卓は加藤・佐々木が通過】

3月2日、第11期麻雀グランプリMAXベスト16B卓が行われた。対局者は現鳳凰位の佐々木寿人に勝ち上がりの加藤晋平、勝又健志、藤崎智を加えた4名。

 

 

このメンバーは奇しくも今年の鳳凰位決定戦のメンバーに沢崎と加藤が入れ替わっただけという組み合わせになっており、勝又・藤崎のリベンジという面でも注目の対局となった。
知名度や実績では劣る加藤であったが、1回戦東3局にいきなり事件は起きた。

 

 

「俺以外の話ばかりするんじゃない」と言わんばかりの役満・国士無双のツモで、1回戦ながら2つの椅子のうち1つに半分腰掛けた格好となった。加藤の勢いは収まらず、2回戦にタンピンツモリャンペーコーの3,000・6,000や…

 

 

3回戦ではホンイツピンフイーペーコードラの18,000など鬼神のような強さを見せる。

 

 

この18,000に飛び込んだのは勝又。勝又は2回戦でも藤崎に18,000を放銃しており、不調という言葉では表現できないほどのめぐり合わせで、3回戦終了時点で▲120以上の沈みとなってしまった。
実質藤崎と佐々木の一騎打ちとなった戦いは最終戦までもつれ、沈みさえしなければOKと思われた藤崎が大きな5,800をアガって安泰かと思えば…

 

 

佐々木もメンタンピンツモドラの2,000・4,000や…

 

 

メンホン七対子の直撃で、オーラス時点ではなんと0.3P差に!

 

 

 

最後は加藤がアガリきり、軍配はわずかにリードしていた佐々木に上がった。
1日を通してのトータルポイントは画像の通り。

 

 

加藤が大金星の1位通過を決め、佐々木も現鳳凰位の貫禄を見せつけた格好となった。次回ベスト8の組み合わせは以下の通り。

 

 

まだ2名しか決まってはいないが、佐々木は山田の待つA卓へ。加藤は、前年度地方チャンピオンシップからグランプリMAX優勝という偉業を成し遂げた本田の待つB卓へ。自身も今年北海道本部のタイトル「雪華王」を取ってここまで勝ち進んできただけに、乗り越えたい相手という思いは一際強いだろう。

A卓は3月8日、B卓は3月9日のそれぞれ16時から放送予定。ぜひご視聴ください!

(文・浜野太陽)

グランプリMAXベスト16A卓レポート

ベスト16の第一試合。

 

 

A卓に出場する選手は、本田朋広(前年度優勝)前田直哉(二次予選A卓1位)白鳥翔(二次予選D卓2位)山田浩之(二次予選E卓1位)の4名。

序盤は本田がリードしていく展開になります。

 

 

1回戦でトップを取り、2回戦も好調を維持して迎えた南4局。
567の三色を狙って四筒切りのヤミテンにするも、すぐに四索をツモって1,300オールと少し嬉しくないアガリ。

 

 

本田は1本場でドラ暗刻の手が入るも、前局点数を伸ばしきれなかったことも影響して前田の仕掛けにオリを選択します。
これで2連勝スタートになった本田でしたが、先はまだ長い5回戦の勝負。
慎重になるには少し早すぎたかもしれません。

3回戦南1局4本場。

 

 

前巡ピンズのターツを払った山田だったが、即三筒を引き裏目。
調子が良い状態で現れた選択肢に対して、山田は早さより高さを優先する傾向があり、ここでの三色逃しは少し意外に見えたのですが

 

 

そんな浅はかな考えを遥かに超えていく祭り状態の山田。
ホンイツ、ツモ、ピンフ、イーペーコーで6,400オールを炸裂させます。
ここから7本場まで積んだ山田は、一撃で3回分のトップを捥ぎ取り、一人大きく抜け出しました。

4回戦は白鳥がトップで巻き返して最終戦に突入。連勝スタートの本田は前田にもかわされ、白鳥とほぼ並びの3番手まで後退していきます。

最終戦の東4局1本場。

 

 

山田無双が直撃した白鳥が脱落。
その後、局消化をしていった前田が2番手で迎えた南3局。

 

 

前年度王者の本田に三色が決まって前田を逆転して南4局へ。
2番手に浮上した本田と前田との差は1.7ポイント。
通過確定ポジションの山田は親なのでオリることが想像され、4番手の白鳥は役満条件。
最終局は本田と前田の1局勝負となりました。

 

 

双方苦しいまま進んでいき、本田は自身の最後のツモでテンパイ出来ず。
ただ前田からポンテンが取れる牌が出るかもしれません。
自己都合で考えれば2枚切れの九索を切りたい形ですが、本田は前田に九索を絞って現物の二索切りを選択してオールイン。
前田のノーテンに全てを賭けます。

 

 

これを受けた前田も最後のツモ番でテンパイ出来ず、ギリギリの勝負は本田の勝ち。
ベスト16A卓は山田、本田の勝ち上がりになりました。

<最終結果>
山田+78.2P 本田▲11.1P 前田▲12.8P 白鳥▲54.3P

(文:越野智紀)

第29期東北天翔位決定戦観戦記 岡崎 圭吾

1/27(水)、最近の中では暖かいこの日、仙台にて第29期天翔位決定戦が行われた。
この日の出場メンバーは以下の通り。
向かって左から安ヶ平浩希、櫻井勇馬、菊田政俊、菅原直哉。

 

100

 

菊田以外は初出場と、フレッシュな顔ぶれでの決定戦になる。
日本プロ麻雀連盟東北Twitterで選手紹介も是非見て欲しい。

今期の決定戦は、新型コロナウイルスの影響も鑑みて仙台市内で行われる事となった。
この観戦記を通して、少しでも激闘の様子を伝えることが出来れば幸いです。
今回記事を担当させて頂く、36期生岡崎圭吾です、宜しくお願い致します。

ー開局ー

1回戦は起親から櫻井、菅原、安ヶ平、菊田の並びで始まる。
東1局5巡目、菊田のリーチ。

五索六索七索一筒一筒三筒四筒五筒七筒七筒八筒九筒九筒  ドラ四筒

唯一の決定戦経験者菊田が、立ち上がりから主導権を掴みに行く。
終盤にツモり、2,000・3,900
続く東2局も菊田が2,000をアガリ。
菊田リードで迎えた東3局。
親の安ヶ平が、縦横どっちつかずの手牌を巧く七対子にまとめる。

四索単騎仮テンからの、次巡ドラ八索を引き入れリーチに踏み切る。
この八索を最終盤にツモアガリ、6,000オールと今度は安ヶ平が大きなリードを築いて行く。

四万四万五索五索八索二筒二筒五筒五筒七筒七筒東東  ツモ八索

南入して暫くは小場の展開が続くが、オーラスこれまで手が入らず我慢の展開だった菅原にドラドラの手が入る。
他家にも仕掛けが入り焦りたくなるところだが、しっかりとメンゼンで仕上げツモアガリ。

二万三万三万四万四万五万八万九万八筒八筒西西西  ツモ七万  ドラ八筒

苦しい中でもワンチャンスを物にし、巧く浮きにまわった。菊田はこのオーラスの親被りで悔しい沈みに。
安ヶ平はリードを守り切り、1回戦は

安ヶ平 +19.8P
菅原  + 4.2P
菊田  ▲ 5.7P
櫻井  ▲18.3P

―2回戦―
並びは起親から櫻井、菅原、安ヶ平、菊田と1回戦と全く同じ並びとなる。
東1局2,600をアガった菊田が、東2局も6巡目にリーチし2,000・4,000。
またも序盤は菊田がリードしていく展開に。
親を迎えた東4局も中盤にリーチと出る。

三万四万五万三索四索五索八索八索二筒四筒  暗カン牌の背七万 上向き七万 上向き牌の背  ドラ六万

これにリーチをぶつけて来たのがここまでおとなしかった櫻井。

四万四万四万六万六万六万一索二索三索六索六索一筒二筒

このカンチャン対ペンチャンの同テン三筒をドラ暗刻の櫻井がツモアガリ2,000・4,000。菊田を追いかけて行く。
オーラス南4局。
櫻井が2着目の菊田からアガリ、2回戦目は櫻井が1人浮きのトップを獲得した。
菊田はまたもオーラスでの沈みとなってしまった。
2回戦スコア
櫻井  +22.9P
菊田  ▲ 3.6P
安ヶ平 ▲ 6.7P
菅原  ▲12.6P

2回戦終了時トータル
安ヶ平 +13.1P
櫻井  + 4.6P
菅原  ▲ 8.4P
菊田  ▲ 9.3P

―3回戦―
起親から菊田、菅原、安ヶ平、櫻井の並びでスタート。
東1局1本場、親の菊田がリーチをかけるも、櫻井がピンフドラをツモアガリし、まだまだ道中とはいえ、ここにきて微差のトータルトップ目に躍り出る。
櫻井はこの後も細かい加点を重ねた。
東4局1本場は、菊田が役牌1,300は1,600で櫻井の親を流す。
南1局、今度は安ヶ平が、既にテンパイを入れていた櫻井から3,900を打ち取る。
南3局、菊田が1巡目に九索ポン、間髪入れず中ポン、南ポン。北家の櫻井が1枚目をツモる前に電光石火の3フーロ。
菊田は手牌4枚となったが何度か手出しがあり、いつテンパイしていてもおかしくない状況。
そこへ5巡目、安ヶ平からの親リーチが入る。
だが、これが痛恨のノーテンリーチ。
後に『手が震えた』とも語っていたが、初めての決勝のプレッシャーとはこうも思考を歪めてしまうものなのか。
決勝経験のない私には想像もつかない。
しかし他家は安ヶ平に何が起きたのか知る由はない。
後がない菅原、手牌4枚の菊田も、『勝負の局』と腹を括り、全面対決。
中盤、菅原も7,700のテンパイを入れ、リーチと勝負に出る。が、リーチ後に菅原が場に放た牌が菊田に捕まり、これが2,600にリーチ棒2本付きのアガリとなる。
紆余曲折あったこの局を制した菊田が、櫻井を捲りこの半荘のトップ目に立つ。
そしてオーラス南4局、1人苦しい菅原だがチャンス手が入る。

四万五万六万六万七万五索五索六索七索八索発発発  ドラ六万

現在18,500持ち。アガると3着にはなれる5,200のテンパイ。だが五万八万は既に場に3枚切られていて、山に薄い。浮きには跳満が必要。跳満を作るにはドラを3枚使える形にするか、何か手役がいる。中盤四索ツモで、逡巡したものの、残り巡目を考慮して四索ツモ切りリーチを選択した。

だがこれをアガることが出来ず。
オーラス南4局は、菅原の1人テンパイで3回戦は終局する事となった。着順は菊田、櫻井、安ケ平、菅原の並び。

3回戦スコア
菊田  +16.3P
櫻井  +10.0P
安ヶ平 ▲10.8P
菅原  ▲16.5P

3回戦終了時トータル
櫻井  +14.6P
菊田  + 7.0P
安ケ平 + 2.3P
菅原  ▲24.9P

―4回戦―
起親から菊田、安ヶ平、菅原、櫻井の並びでスタート。

東1局、序盤から五万八筒のシャンポンでテンパイしていた親の菊田が、七筒ツモで3メンチャンに手変わったところでリーチ。

二万三万四万五万五万五索六索七索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ六万

これを安めながら九筒をツモアガって1,300オール。
トータルトップの櫻井に追いすがる。
1本場は菅原がリーチツモで600・1,100。
続く東2局。親の安ヶ平にチャンスが訪れる。
7巡目
四万四万五万六万一索二索三索四索四索五索六索七索八索  ドラ六索

ここに六万を引いてきたがテンパイは取らずのツモ切りとし、その後9巡目、狙い通りド高めの九索を山から引き寄せる。
当然の打四索、安ヶ平はここでさらにリーチを選択。
ツモれば2度目の6,000オール。大きく狙う勝負に出たが、これをアガることが出来ず。東2局は安ヶ平の1人テンパイで流局となった。
東2局1本場は櫻井が1,300をアガる。
東3局は櫻井が先制リーチをかけるも親の菅原もテンパイ。

四万四万三索四索四筒四筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ドラ四筒

菅原もリーチと勝負にいくも、マンズのチンイツ1シャンテンとなっていた安ヶ平から櫻井への横移動で決着。
3者手がぶつかる展開だったが、菅原に取って激痛の横移動になった。
東4局も櫻井が2,900をアガリ。これで櫻井は3局連続のアガリとなり、トータルトップ目を奪い返す。

東4局2本場、好配牌を貰った安ヶ平。4巡目にリーチといく。

二万三万三万四万四万五万七万七万三索四索二筒三筒四筒  ドラ四索

高めならまたしてもツモって跳満の手。今度こそ決める事が出来るか。
だが、同じく手が良かった菊田が次巡、リーチを受けながらもオタ風の北をポン。

一索二索二索四索五索六索七索八索九索東東  ポン北北北

一索とし、安ケ平への放銃を回避してテンパイ。
さらに菊田は次々巡高めの東をツモアガリ、2,200・4,200。今度は菊田が櫻井のトータルトップを捲り返す。
続く南1局、5,800、2,900は3,200と菊田が連続で櫻井からアガリを決め、菊田が頭1つ抜けていく。南1局2本場は櫻井が役牌1,300は1,900を菊田からアガリ返し、菊田の親を落とすも、南2局と南3局は菊田が1,600、1,000と軽いアガリを決め局を消化すると共に櫻井を追い詰めて行く。
迎えたオーラス南4局。

櫻井配牌
三万三万五万五万七万九万九万一索三索二筒六筒八筒白発  ドラ白

マンズがやや多めの面子がない配牌。逡巡の後、櫻井はここから七対子に決め打ち、一撃を狙う勝負に出る。道中菊田もアガれば優勝のテンパイを入れるも、場にアガリ牌が切られることはなく巡目はどんどん進んでいく。
最終盤、時間はかかったが櫻井が狙い通り手牌をまとめ上げる。

三万三万五万五万七万七万九万九万東東南白白

テンパイのタイミングで暗刻落としをしていた安ヶ平の2枚目の南を見事櫻井が捕らえ、親の跳満、18,000のアガリとなった。
このアガリで櫻井はあと0.3ポイントというところまで優勝に迫った。
続く南4局1本場、菊田が中盤にテンパイを入れるも、アガリでの決着は着かず。櫻井は終盤1シャンテンからテンパイまでが遠く、終局までにテンパイをする事は叶わなかった。流局での決着。

4回戦スコア
菊田  +27.3P
櫻井  +16.5P
菅原  ▲ 6.7P
安ヶ平 ▲37.1P

4回戦終了時トータル
菊田  +34.3P
櫻井  +31.1P
菅原  ▲31.6P
安ヶ平 ▲34.8P

何度もトップが入れ替わるシーソーゲームを制し、第29期天翔位戴冠となったのは1年ぶり3回目、菊田政俊となった。
やはり菊田は強かった。終盤の勝負所をことごとく制していった。
存在感では櫻井も負けてはいなかった。
プロ2年目にしてAリーグ優勝を果たした若獅子はこの悔しさをバネにきっと来年も菊田に挑んでいくことだろう。そして初の決定戦の経験を経た菅原・安ケ平も強くなって帰ってくること間違いない。また、今年はフレッシュな顔ぶれでの決定戦であったが、今期鳳凰戦リーグで昇級を決めた皆川をはじめ、前天翔位である石井などベテラン勢もやはり決定戦争いに絡んでくるだろう。今期Aリーグへ昇級を決めた大沼も、来期この舞台に挑んでいく。
来期の東北本部の闘いにも、乞うご期待である。

いつかこの舞台に立ちたい筆者も、来期また頑張ります。

女流プロ麻雀日本シリーズ2021予選最終節レポート

【女流プロ麻雀日本シリーズ2021 プレイオフ進出者が8名が決定】

予選最終節となったこの日は今シリーズ参戦者12名全員が揃った。

 

 

本日終了時に9〜12位は敗退となるため、まずは8位以内に入る事が第一目標。
プレイオフはポイント持ち越しで2回戦。上位4名が決勝進出なので、余裕のある者はなるべくポイントを増やしておきたい所。

 

 

④二階堂亜樹 +48.3P
⑧魚谷侑未 ▲30.4P
⑨岡田紗佳 ▲35.6P
⑩黒沢咲 ▲37.3P

8位のプレイオフ進出ライン魚谷と、すぐ下位の岡田、黒沢の直接対決。3者はお互いより上の着順を目指したい所。

黒沢がリードする中、亜樹が健闘してあとひとアガリで逆転の所まで辿り着く。

 

 

しかし、南2局に黒沢がメンピン一発ツモ表、裏ドラを1枚乗せて跳満で亜樹を振り切ってトップ。

 

 

④二階堂亜樹 +62.8P
⑦日向藍子 ▲7.7P
⑨岡田紗佳 ▲49.3P
⑫伊藤奏子 ▲144.9P

2回戦は現女流最高位の伊藤が参戦。とにかく大きくプラスして一番近い岡田はかわしておきたい。同じくここから参戦の日向は、この半荘でマイナスすると敗退の危機、大事な一戦だ。

東1局。親番伊藤が確定一通のカン五筒でリーチ。

 

 

亜樹の追っかけリーチを振り切り親満ツモアガリ。5万点超えのトップを決める。

 

 

②川原舞子 +92.4P
③高宮まり +79.6P
④二階堂亜樹 +52.2P
⑨魚谷侑未 ▲61.3P

魚谷はこれが最終戦。大トップで結果待ちとしたい。川原、高宮、亜樹は決勝を見据えて加点を狙いたい。

 

 

この回は接戦だったが、南3局にトイトイ三暗刻を決めてトップ目に立った高宮がオーラスも捌いて終了。

 

 

①佐月麻理子 +120.6P
⑧山脇千文美 ▲25.4P
⑪伊藤奏子 ▲107.6P
⑫仲田加南 ▲110.7P

東3局。大きく加点したい伊藤のリーチに注目が集まっていたが、北家佐月がドラの北暗刻のヤミテン満貫をアガる。

 

 

そのまま佐月が今期4度目のトップ。

23回戦の結果により、全対局を終えた佐月、高宮、川原、亜樹まではプレイオフ進出が確定。

 

 

④りんのなお +48.1P
⑥日向藍子 ▲6.0P
⑦黒沢咲 ▲7.2P
⑩岡田紗佳 ▲78.7P

開始前8位は▲54.4P。日向、黒沢は敗退にはおよそ50ポイントの余裕があるので、出来れば上を見て戦いたい。岡田は約4万点のトップなら山脇をかわしてプレイオフに残れる。

東2局1本場。岡田が勝負リーチをかけ加点を目指すが、トップ目の黒沢が追っかけリーチ。

 

 

黒沢がリーチツモ表2裏2でダメ押しの6,000オール(+1,300)を決める。

黒沢の独壇場となりつつあったが、日向が南3局に意地を見せる。

七万七万八万三筒四筒五筒六筒七筒九筒五索六索七索白 ツモ四筒 ドラ九筒

ここで四筒ツモ切り。

七万七万八万三筒四筒五筒六筒七筒四索五索六索七索白 ツモ九万

これもツモ切り。次巡また九万が帰ってくるがツモ切り。

そしてフリテンの二索引きでメンタンピンのリーチ。

 

 

執念の満貫ツモで2着目に付けると、オーラスも5,800をアガって素点を稼ぎ、プレイオフ逆転劇への意気込みを魅せてくれた。

 

 

以上で女流プロ麻雀日本シリーズ2021の予選全対局が終了。プレイオフ進出の8名が決定した。プレイオフは3/14(日)14:00からOPENRECで生放送。こちらも是非、ご期待ください!

 

 

(文:編集部)

八局麻雀13 [DVD]

 

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発売日 : 2021/3/3
出演 : 高宮まり, 東城りお, 伊達朱里紗, 柴田英嗣, 沖ヒカル
販売元 : AMGエンタテインメント

★V☆パラダイスで放送中、大人気麻雀バラエティ「八局麻雀」第13弾がDVD化決定!
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★「八局麻雀」とは?
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【映像内容】各巻2対局をノーカットで収録! !
【vol.1】予選第1戦/予選第2戦
柴田英嗣×沖ヒカル×東城りお×伊達朱里紗
沖ヒカル×岡田紗佳×高宮まり×伊達朱里紗

【vol.2】予選第3戦/予選第4戦
柴田英嗣×岡田紗佳×高宮まり×東城りお
柴田英嗣×沖ヒカル×岡田紗佳×伊達朱里紗

【vol.3】予選第5戦/予選第6戦
柴田英嗣×沖ヒカル×高宮まり×東城りお
岡田紗佳×高宮まり×東城りお×伊達朱里紗

【vol.4】決勝第1戦/決勝第2戦
柴田英嗣×沖ヒカル×東城りお×伊達朱里紗

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グランプリMAX二次予選E卓レポート

【麻雀グランプリMAX二次予選E卓は山田・藤崎の通過!】

2月26日(金)、第11期麻雀グランプリMAX二次予選E卓が行われた。対局者は客野、内川、藤崎、山田。

 

 

解説の吉田は「守備型が集まっている中、比較的踏み込んでいく山田の出来に注目したい」というコメント。
その予想通り全体的に大物手が成就せず、玄人好みな展開となった。

まずリードしたのは客野。サクッと2,600オールをツモアガリ…

 

 

1人浮き状態で南場を迎えるも、南2局には山田の選択が光る場面が。

 

 

高目純チャン、安目がドラの一索四索待ちテンパイ。安目でもドラなのでリーチの選択もあるが、これをヤミテン。なんとトップ目の客野から直撃し、1回戦トップに。
2回戦以降は一次予選を彷彿とさせる安定感でリードをじわじわと広げる。他3名はつかず離れずの攻防が続き、客野が1フーロの小四喜をテンパイしたかと思えば…

 

 

藤崎がドラを勝負しピンフでかわすなど、激しいながらも決定打は決まらないまま最終戦へ。
そしてついに勝負が決まったのは東3局、藤崎がタンピンドラドラをツモ切りリーチ!

 

 

山にあった残り1枚を珍しく力を込めてツモアガると、オーラスも自らアガリきって山田と共に通過を決めた。
1日を終えてのトータルポイントは以下の通り。

 

 

1位通過の山田は、前年度優勝の本田朋広、勝ち上がりの前田直哉・白鳥翔の待つA卓へ。
2位通過の藤崎は、鳳凰位の佐々木寿人、勝ち上がりの加藤晋平・勝又健志の待つB卓へ。

どちらも強豪揃いだが、A卓は前年度優勝し、最強戦決勝まで進出とまさにブレイクの年となった本田がどのような戦いを見せるか。
B卓は加藤以外が今年の鳳凰位決定戦のメンバーであり、リベンジに燃える藤崎、勝又の戦い方に注目するという楽しみ方もある。
A卓の放送は3月1日16時~、B卓は3月2日16時~。
※終了後も連盟チャンネルでご視聴いただけます。

(文・浜野太陽)

グランプリMAX二次予選D卓レポート

二次予選の第4試合。

D卓に出場する選手は白鳥翔(發王位)勝又健志(ランキング7位)仲田加南(一次予選E卓1位)紺野真太郎(一次予選B卓2位)の4名。

1回戦の南1局1本場。

 

 

東場の親で2,600オールをアガって少しリードをしていた白鳥が強気に手を組んだところ、親の紺野からのリーチに安全牌がゼロ。
暗刻から打ち出した八索が捕まってしまいます。

2人勝ち抜けのトーナメントは道中2番手がマークされやすい傾向にあり、終盤一番手にいることは大きなアドバンテージになります。
序盤戦に勝負所を見つけてリスクを取り、その有利な状況を狙っていきましたが今回の白鳥は不発。

一方この山にいなかった五索八索がアガリになった紺野は、ここから連荘して大きく加点、1回戦をトップで終えます。

最初の勝負所で転んだ白鳥でしたが2回戦をトップ、3回戦で2着と差を詰めていき

 

 

4回戦のオーラス、紺野のリーチと仲田の仕掛けをかわした白鳥が1人浮きのトップ。
1回戦目の大きなマイナスを全て返済し、トータル2番手に浮上。

<4回戦終了時の成績>
勝又+20.8P 白鳥+16.6P 紺野▲0.8P 仲田▲36.3P

最終戦は勝又・白鳥がリードする展開。
南場の親が流れて苦しい状況になった紺野でしたが、勝又の親番で起死回生の一撃を決めます。

 

 

最後のツモで山に2枚残っていた五筒を引き当てて3,000・6,000。
これで40ポイント以上の差を一気に縮まり、勝又・白鳥・紺野が横一線に並びます。

 

 

突然の混戦に巻き込まれた勝又でしたが、南3局に親の白鳥のリーチをかわして自力で一つ目の席を確保。

 

 

白鳥・紺野が同点で迎えた南4局、紺野の一万の仕掛けを受けた白鳥は長考。
白を絞って三筒先切りします。
もし白を切っていたら勝又にポンテンが入っていましたが、絞ったことで白鳥は七筒が埋まり

 

 

ピンフツモ。
最後の選択を正解した白鳥が追いすがる紺野を振り切って生還。
二次予選D卓は勝又・白鳥の勝ち上がりになりました。

<最終結果>
勝又+24.9P 白鳥+12.1P 紺野+10.2P 仲田▲47.2P

(文:越野智紀)

グランプリMAX二次予選C卓レポート

今日の対局は一次予選を勝ち上がった藤島健二郎、麓(ふもと)征生の2名と、ポイントランキング8位の真鍋明広、現女流桜花の川原舞子という組み合わせ。

 

 

1回戦は東2局にリーチドラ3をアガった藤島がリード。川原が七対子ドラドラ、中ホンイツ1,300・2,600とアガって一度は逆転するも、藤島もアガリ返して1回戦トップ。

2回戦、真鍋の手牌。

四万六万八万八万八万五筒二索二索四索五索六索西西 ツモ五万ドラ白

西二索待ちだが、公式ルールのお手本のようなテンパイ外し。構想通りのタンヤオ三色に仕上げて2回戦トップ。

 

 

3回戦に大物手をアガったのは川原。高めタンヤオイーペーコーの六万が出て、11,600(+3,600)のアガリ。

 

 

南1局に親番麓に超大物手が入る。

二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒三索三索三索四索五索  ドラ三索

三索六索八筒の変則3メンチャンから、ピンフ高め一通の一筒四筒七筒に待ち変え。高めの一筒は山に3枚残っていた。

 

 

しかし、アガれず。藤島にタンヤオのみのカン六筒で蹴られてしまう。
麓はこのままでは勝てないと覚悟を決めたか、南3局の藤島の親リーチに無筋を連打してアガリ切ると、オーラスもアガって強引に3回戦トップをもぎ取る。

3回戦が終わって藤島、真鍋、麓がトップ1回ずつ。唯一ノートップの川原も失点少なくまとめてわずかなマイナスの3番手。

 

 

4回戦、南3局1本場。
藤島と川原の明暗が分かれた。

親番藤島は4トイツ、ドラが1枚浮いた牌姿から思い切ったホンイツに向かう。中が重なった所で打二索の1シャンテン。

 

 

その直後に川原は三色テンパイの二索待ち。悔しいが藤島に1巡間に合われてしまった。
他家の合わせ打ちがないのを確認し、発を引かされた所でツモ切りリーチに踏み切る。この発で藤島がポンテンの四万七万で追いつき、12,000(+2,300)のアガリ。藤島は4回戦1人浮きのトップで混戦を抜け出した。
最終5回戦開始前のポイントは以下。

 

 

現状では藤島、真鍋だ。
麓は真鍋とトップ3着ならほぼ逆転出来そうな条件。
川原は大トップ必須、真鍋や麓がプラスだとより点棒が必要になる。

5回戦東1局、親番の麓が2,700オールツモで真鍋を逆転し、2番手になる。
次局、仕掛けた真鍋が2回戦にも見せたテンパイ取らずで、倍満手に仕上げるも1人テンパイで流局。

 

 

東2局、親番川原が先制リーチ。待ちは三万六万

 

 

麓は自身が切っている九索で一旦迂回するが 、引き戻して再度七対子テンパイを入れた後は押し切ってツモアガリ。

真鍋と川原は懸命に手作りするが、なかなかアガリが決まらず。
オーラスも藤島がアガって全対局が終了。

 

 

1位通過の麓はベスト16のD卓へ。
2位通過の藤島はベスト16のC卓へ進出となった。

 

 

(文:編集部)

グランプリMAX二次予選B卓レポート

【二次予選B卓、壮絶な捌き合いの行方は・・・】

この二次予選から登場するのは、名誉会長灘麻太郎とポイントランキング9位の瀬戸熊直樹。
一次予選A卓から勝ち上がった魚谷侑未、D卓から勝ち上がったともたけ雅晴による対戦。

1回戦、早々に手がぶつかる。
魚谷、高め三色の先制リーチ。

 

 

 

九筒以外、チンイツのテンパイとなるともたけが、まっすぐ打ち抜き、リーチ、ピンフ、三色の7,700。
この後1回戦は、ともたけだけ加点できず、1人沈みとなってしまった。

1回戦終了時
魚谷+22.5P、瀬戸熊+11.8P、灘+7.6P、ともたけ▲41.9P

ともたけの打点力をもってすれば、残り4回戦あるので悲観する差ではないのだが、灘の存在がそうさせるのか局面が早く進む。

2回戦
東1局、灘、ピンフ、1,000点
東2局、ともたけ、ピンフ、1,000点
東3局、灘、ピンフドラ、2,000点
東4局、魚谷、ピンフ、1,000点
南1局、瀬戸熊、白ホウテイ、2,000点

3回戦
東1局、灘、タンヤオ、300・500点
東2局、瀬戸熊、東、1,300点
東3局、魚谷、ピンフ、1,000点

ともたけにとっては、非常にツラい展開。
仮の例だが、瀬戸熊が灘から高打点をアガったとすると、灘は追いつくために打点寄りにシフト。そして、決着巡目が遅くなり、ともたけの高打点が成就する。
今回は対象的に、上位3人の差が出来ないことで、相手に決め手を作らせないよう、3人がスピード寄りの手組みになってしまった。
結果、全くともたけの高打点が実らない。

3回戦、南1局

 

 

西家の灘、ここから二万をチーしてドラの四筒切り!
三万が1枚切れていることもあるだろうが、1シャンテンにもかかわらずチンイツへ。今月で84歳になるとは思えないほど、若々しい。

 

 

対する親のともたけ、スコア的にもう親番を落とせない。
私なら数巡前に西が切られているところだが、甘えることなくオリを選択。
ともたけのプライドなのか、逆転を諦めない姿勢なのか、素晴らしい一打だった。

 

 

しかし結果は無情だった。灘が西をツモって、ホンイツ、西の1,300・2,600。
この半荘で、ともたけの敗退は決定的になってしまった。

3回戦終了時
瀬戸熊+31.1P、灘+21.2P、魚谷+11.6P、ともたけ▲64.9P

4回戦終了時
魚谷+29.0P、瀬戸熊+20.0P、灘+5.5P、ともたけ▲56.5P

三つ巴で最終戦へ。
迫られる形となった瀬戸熊が腹をくくる。

 

 

東2局、競りとなっている灘の親リーチを受け、仕掛けて全面対決。
灘から東で2,000点をアガると、

 

 

次局の東3局も、親魚谷のリーチ宣言牌を仕掛けて勝負。
タンヤオ、ドラの500・1,000のツモアガリ。

 

 

それならば、と灘も瀬戸熊の親を西のみで捌き、決定打を与えない。
本日何度も見た鍔迫り合い。

僅差のままオーラスを迎え、灘の条件は、魚谷から5,200直撃か2,000・3,900のツモアガリ。

 

 

二索二索三索四索四索四索五索六索七索九索九索発発 ドラ八万

しかし、この1シャンテンまで。
瀬戸熊、魚谷の勝ち上がりとなった。

 

 

(文:福光聖雄)

巣鴨本部道場 2021年2月度プロアマオープン大会成績表 2月度最終結果(※プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 中村健二 47 265.9
2 稲熊勝明 30 236.6
3 堀浩一 16 234.2
4 丹野賢一 25 231.1
5 シマカタ 21 197.9
6 小泉忠 16 194.3
7 加藤恵美子 35 190.2
8 金山二郎 17 185.1
9 松村祐輔 17 170.1
10 中村 34 148.6
11 山田樹 16 140.3
12 きのぴー 27 123.8
13 ふじわら 20 114
14 後藤竜司 20 104.9
15 厚地 19 86.2
16 市川幹人 18 85.3
17 前原由紀子 20 61.4
18 立岩知朗 16 53.9
19 西角健二 36 48
20 とう 16 24.9
21 テツ 23 12.7
22 木本一郎 20 12.6

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 藤次祐紀 15 100.4
2 ひれろんみ 8 83
3 前原由紀子 8 81.8
4 市川幹人 9 76.2
5 藤原隆弘 10 74.5
6 宗形周平 8 54.2
7 極楽7 8 44.1
8 くまお 8 39.3
9 立岩知朗 8 28.5
10 熱田真也 15 24.9
11 丹野賢一 16 21.5
12 西部健寛 9 7.3
13 大野剛史 12 6
14 中村 12 1.8
15 グリーンマン 8 1.1

 

 
道場ポイントランキング

順位 名前 1WRC 1公式 2WRC 2公式 合計
1 中村健二 400 0 400 0 800
2 稲熊勝明 200 0 300 0 500
3 松村祐輔 300 0 150 0 450
4 丹野賢一 101 100 200 30 431
5 きのぴー 250 0 119 0 369
6 中村 170 29.5 140 29.25 368.75
7 藤次祐紀 118 45 98 100 361
8 市川幹人 115 50 115 50 330
9 後藤竜司 190 0 117 0 307
10 前原由紀子 92 35 114 62.5 303.5
11 藤原隆弘 120 29.75 96 47.5 293.25
12 小泉忠 112 0 180 0 292
13 立岩知朗 97 30 113 37.5 277.5
14 金山二郎 117 0 160 0 277
15 西角健二 160 0 112 0 272
16 加藤恵美子 81 0 170 0 251
17 堀浩一 0 0 250 0 250
18 テツ 140 0 101 0 241
19 岡ちゃん 113 0 99 28 240
20 ひれろんみ 150 0 0 75 225
21 厚地 94 0 116 0 210
22 しーら 119 0 85 0 204
23 井出博幸 116 0 86 0 202
24 大野剛史 82 0 87 29.5 198.5
25 カオリンゴ 100 0 97 0 197
26 山部正人 99 0 93 0 192
27 シマカタ 0 0 190 0 190
28 もぐ 96 0 94 0 190
29 木本一郎 86 0 100 0 186
30 くまお 71 75 0 40 186
31 大和 180 0 0 0 180
32 山田樹 0 29.25 120 28.75 178
33 齋藤麻衣子 73 0 95 0 168
34 ハチロー 72 0 84 0 156
35 ふじわら 0 0 118 0 118
36 Andy-San 114 0 0 0 114
37 茶谷正人 111 0 0 0 111
38 とう 0 0 111 0 111
39 小林泰士 98 0 0 0 98
40 岡本浩一 95 0 0 0 95
41 福永雄介 93 0 0 0 93
42 橋場美恵子 0 0 92 0 92
43 かずや☆雀アカ 87 0 0 0 87
44 有田将之 85 0 0 0 85
45 加藤はるみ 84 0 0 0 84
46 原佑典 83 0 0 0 83
47 極楽7 0 40 0 42.5 82.5
48 小泉一輝 80 0 0 0 80
49 蛇ノ目誠司 79 0 0 0 79
50 MASA 78 0 0 0 78

グランプリMAX二次予選A卓レポート

二次予選最初の試合。

A卓に出場する選手は、森山茂和(会長シード)伊賀則夫(第8期JPMLWRCリーグ優勝)加藤晋平(一次予選A卓1位)前田直哉(一次予選C卓2位)の4名。

一次予選を大逆転で通過した前田が、二次予選では抜群の安定感を見せ、3連勝で迎えた4回戦の南4局。

 

 

この四筒が今日の前田の初放銃。
仕掛けていた伊賀がタンヤオをアガリます。

前田は四筒を切る直前にドラの南に手がかかっていましたが、もうこれ以上のポイントは必要ないと発射寸前の砲身を下げて戦いを終了。
ウイニングランを開始しました。
まだ先が長い勝負ならドラを押していたかもしれません。
その場合は前田のカン六索は山に3枚残り、伊賀の3面待ちは山に2枚残りでした。
前田が攻め続けていたら連勝はまだまだ続いていたんじゃないかと、そう思わせるような圧倒的な強さ。
3連勝後の浮きの2着確保で、ベスト16進出を確実なものにしました。

<最終戦開始前>
前田+64.3P 加藤▲4.2P 伊賀▲17.3P 森山▲43.8P

2つ目の席を巡る争いは加藤と伊賀の間で熾烈を極め

 

 

南4局に2,000オールをツモった加藤が、次局ノーテンに出来るところまで差をつけ、伊賀に厳しい条件を突きつけるも

 

 

最終局、伊賀はどこからアガっても逆転のチンイツをテンパイ。
残り1巡まで目が離せない熱戦は流局で決着。
二次予選A卓は前田・加藤の勝ち上がりになりました。

<最終結果>
前田+75.9P 加藤+0.9P 伊賀▲16.0P 森山▲61.8P

(文:越野智紀)