巣鴨本部道場 2022年9月度プロアマオープン大会成績表 9月度最終結果(※プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 じゅんじゅん 50 288.4
2 グリーンマン 58 258.3
3 クンロク 37 228.9
4 市川幹人 60 220.4
5 松村祐輔 26 214.2
6 凄悦 41 212.8
7 スロット麻雀厨 71 211.4
8 篠田拓郎 18 207.6
9 中村 79 200.4
10 岡本浩一 60 199.2
11 金山二郎 22 193
12 こしの 56 190.4
13 森 雅彦 21 167
14 らんたろう 18 158.3
15 Andy-San 40 157.2
16 かずや☆雀アカ 54 150.1
17 稲熊勝明 33 146.9
18 なしお 40 134.1
19 じゅんきち 24 133.9
20 加藤はるみ 73 130
21 ラッキースリー 74 127
22 藤原隆弘 47 125.9
23 もぐ 18 116.9
24 山田樹 25 116.7
25 佐藤正道 30 116.1
26 後藤竜司 38 109.9
27 ホズミ 17 108.5
28 宗広岳陽 26 105.2
29 とがし 16 101.7
30 山本和幸 32 95.4
31 西角健二 39 82.2
32 井出博幸 48 81.1
33 岩渕信明 35 75.9
34 宇田美有紀 20 71.8
35 一色陽子 24 71.6
36 くまっち 16 37.3
37 シマカタ 16 37.2
38 チンテンイ 23 29.7
39 藤次祐紀 72 16
40 前原由紀子 23 14.2
41 岡ちゃん 53 9.3
42 有田将之 18 1.1

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 丹野賢一 13 172.4
2 かずや☆雀アカ 17 164.8
3 井出博幸 26 154.5
4 小林泰士 10 124.8
5 門垣寛 12 103.9
6 くまっち 12 90.5
7 大町 19 81.9
8 熊谷 22 78.1
9 凄悦 19 74.3
10 極楽7 9 71.1
11 ドロンボーZ 26 70.6
12 じゅんじゅん 20 63.1
13 関光穂 29 61.6
14 藤原隆弘 16 56.8
15 市川幹人 19 53.9
16 グリーンマン 21 53.3
17 高橋大輔 8 51
18 ヒロベエ 14 50.1
19 御子柴佑梨 18 47.9
20 ラッキースリー 22 47.2
21 小平ほたる 8 42.6
22 中村 30 41.3
23 ルギア 21 40.8
24 BBQ 22 33.7
25 藤次祐紀 27 33.6
26 なーちゃん 25 31.6
27 宗形周平 13 27.8
28 早田弘之 24 20.8
29 きのぴー 10 18.9
30 ひろりん 11 17.2
31 もぐ 8 5.4
32 なーこ 10 2.2

 

 

 

道場ポイントランキング

順位 名前 7WRC 7公式 8WRC 8公式 9WRC 9公式 10~12 合計
1 じゅんじゅん 300 20.5 117 40 400 29.75 0 907.25
2 Andy-San 400 0 200 0 116 17.5 0 733.5
3 こしの 200 0 400 0 119 0 0 719
4 凄悦 250 75 115 28.5 180 37.5 0 686
5 加藤はるみ 101 21.5 300 28.75 111 18 0 580.25
6 グリーンマン 92 23 73 25.25 300 28.75 0 542
7 かずや☆雀アカ 170 19.75 120 19.5 115 75 0 519.25
8 松村祐輔 73 0 250 0 190 0 0 513
9 中村 150 47.5 101 23.25 150 25 0 496.75
10 なしお 190 0 170 0 113 0 0 473
11 市川幹人 86 28.75 93 23.75 200 29 0 460.5
12 スロット麻雀厨 93 42.5 81 47.5 170 21 0 455
13 ラッキースリー 115 29.75 119 35 101 27.75 0 427.5
14 岡本浩一 99 29.5 111 24 140 19.5 0 423
15 井出博幸 80 28.25 83 75 86 62.5 0 414.75
16 くまっち 118 40 84 28.25 82 45 0 397.25
17 稲熊勝明 79 0 190 0 114 0 0 383
18 山田樹 120 0 150 0 98 0 0 368
19 金山二郎 98 24.75 116 0 120 0 0 358.75
20 藤原隆弘 94 20.75 112 0 100 29.25 0 356
21 藤次祐紀 97 28.5 79 29.75 79 24.25 0 337.5
22 タケタケ 140 19.5 113 0 57 0 0 329.5
23 岡ちゃん 113 0 97 20.5 73 19.75 0 323.25
24 宇田美有紀 81 18.25 140 0 84 0 0 323.25
25 高橋大輔 82 21 118 0 70 28.5 0 319.5
26 クンロク 0 0 66 0 250 0 0 316
27 チン トー 100 0 114 18.25 66 17.25 0 315.5
28 なーちゃん 112 23.5 60 24.25 65 24 0 308.75
29 西角健二 114 0 100 0 87 0 0 301
30 後藤竜司 111 0 86 0 96 0 0 293
31 山本和幸 116 0 61 0 92 0 0 269
32 mei 119 27.75 72 27.75 0 20.75 0 267.25
33 チャヤまん 0 24.25 180 62.5 0 0 0 266.75
34 森 雅彦 59 0 87 0 118 0 0 264
35 チンテンイ 117 0 65 0 80 0 0 262
36 佐藤正道 0 0 160 0 97 0 0 257
37 立岩知朗 85 29 44 29 67 0 0 254
38 岩渕信明 65 0 96 0 85 0 0 246
39 篠田拓郎 0 0 82 0 160 0 0 242
40 御子柴佑梨 0 23.25 94 28 55 28 0 228.25
41 丹野賢一 0 45 53 30 0 100 0 228
42 一色陽子 95 0 48 0 83 0 0 226
43 キモト 61 0 98 0 61 0 0 220
44 ハチロー 71 28 45 0 53 21.25 0 218.25
45 BBQ 69 35 68 21.75 0 24.5 0 218.25
46 さえり 83 0 58 0 71 0 0 212
47 原佑典 96 0 56 0 56 0 0 208
48 福永雄介 66 0 78 0 64 0 0 208
49 hase 0 100 64 42.5 0 0 0 206.5
50 じゅんきち 0 0 70 0 112 20 0 202

第4期若獅子戦ベスト16A卓レポート

第4期若獅子ベスト16A卓、勝ち上がりを決めたの笠原・渡辺!!

 

 

公式ルールが採用されている秋の若獅子戦。
9月29日、ベスト16のA卓が放送となった。

 

 

1回戦は笠原がダブ東・ドラや、中発・ホンイツなどの大物手を決めリードする展開。

 

 

木原も自身の親番でトップ目の笠原から発中・トイトイのアガリを決める。

 

 

その後、渡辺は要所でアガリきり、1回戦目は田川の1人沈みで終了となった。

2回戦は東2局、全員テンパイの勝負所。
ドラ単騎の七対子2人、ホンイツテンパイの笠原、そして役なしながらもアガることができれば相手の勝負手を潰せる木原。

 

 
全員テンパイの大事な場面。
アガリきったのは親番の笠原。1,300オール。
点数以上の価値あるアガリとなった。

 

 

2回戦も笠原のペースで局が進んでいく。
東3局でも笠原はドラ3の手牌をアガリきり、ポイントをかなりリードして南入。

南入後に調子を上げてきたのは渡辺。
南1局で1,300・2,600、南2局で2,000・3,900と連続でアガリを決めると、上下が少しポイント離れて2回戦が終了した。

 

 

3回戦始まった時点でのポイントはコチラ。

 

 

笠原、渡辺はターゲットにならないように出来るだけ3回戦でポイントを稼ぎたい。
そして木原、田川の2人は少なくとも浮き。トップなどを狙いたいポイント状況なった。

そんな状況下で、木原が東1局、東1局1本場と大きな放銃が2回つづいてしまい、苦しいポイント状況で迎えた3回戦東2局。
木原にチャンス手が入る。

白を仕掛けての二万五万八万待ちテンパイ。

 

 

二万が田川から出るも、木原の選択はなんとスルー。

 

 

結果は流局となってしまったが、このスルーに解説の阿久津も「めちゃくちゃ良い判断」と木原の判断を称賛した。
この日誕生日を迎え、最後の若獅子戦挑戦となっていた木原。
この試合に対する強い意志を感じる選択だったように思う。

その後、木原は東場の自身の親番で2,600オールをツモアガると浮きへと転じることに成功した。

しかし黙っていないのが、若獅子戦予選1位通過の笠原。
2局連続でアガリを決めるとあっという間に浮きの2着目浮上。

そして木原から高めの一万でジュンチャン・ピンフ・ドラの満貫を出アガるとトータル首位へと返り咲く。

 

 

木原、田川は依然苦しい状況が続くが、ここで田川が魅せる。
田川の待ちはカン八筒。1枚切れで自身でも1枚使っているのため、最大でも山には2枚しか残っていない牌。

しかしここはポイント状況も考えてリーチの選択。
山には1枚しか残っていない八筒だったが、見事最後の1枚の八筒をツモり2,000・3,900の大きなアガリを決めた。

 

 

田川は北海道本部所属の選手。
北海道に良い報告を持ち帰るためにも、かなり価値のあるアガリを決めた。
オーラスも田川がアガリ切りこの半荘トップで終了。
最終戦に望みをつないだ。

最終戦は南1局に田川が2,000・3,900をアガると一気に通過ポジションの渡辺まで詰め寄ります。

 

 

一時は11.9ポイント差まで詰めていたものの、その後笠原への放銃が続いてしまいオーラスに。

木原、田川ともに条件は残っていましたが1回勝負のオーラスは全員ノーテンで流局となった。

以上の結果を持って若獅子戦ベスト16A卓からの勝ち上がりを決めたのは、

 

笠原拓樹・渡辺史哉の2名となりました。

 

 

次回若獅子戦はB卓を放送いたします。
そちらもお楽しみに。

10月6日(木)16:00~
梅本翔vs釜山甲太郎vs岡崎涼太vs林雅人

解説:齋藤豪
実況:襟川麻衣子

(文:松田彩花)

第39期 A1リーグ 第9節B卓レポート

【第39期鳳凰戦 A1リーグ第9節B卓 前田が+66.9Pで2位浮上】

本日の対局者

前田直哉
黒沢咲
近藤久春
藤島健二郎

 

 

1・2回戦を連勝した前田は3回戦も絶好調。東1局にヤミテンで八索ロン。タンヤオピンフ三色ドラドラ、12,000をアガると

 

 

オーラスの親番ではタンヤオドラ3のヤミテンを入れていたが、ドラの二万が4枚になり暗カンすると出アガリ跳満のリーチに踏み切る。

 

 

「ハイテイが自分なのもわかっていた」
リーチ、タンヤオ、ツモ、ハイテイ、ドラ4の8,000オールで3連勝を決める。

4回戦は3着を引いたものの、+66.9Pを叩いてトータル2位まで浮上した。

 

 

黒沢は2回戦南場の親番で三筒を暗カン。リンシャン牌でリャンカンが埋まって二索五索八索待ちリーチ。4,000オールのツモアガリで浮きの2着を取る。

 

 

4回戦はオーラスに456三色のカン五万ツモで1人浮きトップ。

 

 

4回戦の大トップでプラスに回り、7位に浮上。降級圏から距離を取る事に成功。

 

 

2回戦東1局2本場。前田が六筒九筒のピンフのヤミテン。
藤島も三筒六筒待ちで追いつく。

 

 

近藤はメンツ手と七対子の両天秤の手牌。直前まで1,500放銃だった六筒が最悪のタイミングで余る事に。
ダブロンの六筒は藤島のアガリ優先。8,000は8,600で2ラスを引いてしまう。
後半2回は2着取ったものの▲27.5P。なかなか降級圏から抜け出せず苦戦している。

 

 

藤島は仕掛けの多い打ち手。鳴きには手数を増やす目的もあるが、相手の手を止める狙いもある。
3回戦東4局1本場、藤島は3フーロしてホンイツのみのテンパイ。

牌の背牌の背牌の背牌の背  ポン九索 下向き九索 右向き九索 下向き  チー二索 左向き三索 上向き四索 上向き  ポン一索 上向き一索 上向き一索 右向き

この仕掛けを受けた前田は、タンヤオ七対子ドラドラのテンパイを入れていたが、アガリが期待出来ないソウズ待ちにしか取れない事に加え、藤島がチンイツだった場合は見合わないと考えてオリを選択。

 

 

好調前田の手を曲げさせ、親番を蹴り、藤島はアガるより高いテンパイ料を手に入れた。
しかしこの局以外は仕掛けが悉く裏目に出てしまい、▲63.3P。10位まで順位を落とした。

 

 

 

次回A1リーグ第9節C卓は
2022/09/28(水) 16:00

古川孝次
杉浦勘介
一井慎也
HIRO柴田

解説 藤崎智
実況 古橋崇志

(文・吾妻さおり)

第4期桜蕾戦ベスト16A卓レポート

【桜人の応援を胸に蕾を手繰り寄せたのは宮成さく・上田まみ!】

4期目を迎えた桜蕾戦、秋開催である今期は一発裏ドラのない日本プロ麻雀連盟公式ルールで行われる。厳しい茨の予選を通り抜けた若芽もいよいよ16名となった。本レポートはベスト16の初陣であるA卓の模様をお届けします。

■宮成さく(みやなり さく/38期前期・1年目)

 

100

 

『地方のプロでも上に行けるんだぞという事を証明したいと思います。頑張ります。』

■上田まみ(うえだ まみ/38期後期・1年目)

 

100

 

『たくさん練習してきたルールなので勝ちたいと思います。宜しくお願いします。』

■御子柴佑梨(みこしば ゆり/38期後期・1年目)

 

100

 

『(プロになったキッカケは麻雀に恋をしちゃったからなので)今日もいっぱい麻雀でドキドキしたいと思います。宜しくお願いします。』

■藤居冴加(ふじい さえか/37期前期・2年目)

 

100

 

『スタイルが変わっていつもと違う麻雀かもしれませんが、気持ちはいつも通り頑張って勝つだけなので。応援宜しくお願いします。』

 

100

 

解説:宮内こずえ
実況:大和

全員の打牌がスピーディーでリズムの良い入りとなった1回戦。冒頭のインタビューでは意図的に引き出しを増やしてきたと語った藤居、早速その片鱗が垣間見えた。

 

100

 

まだ序盤ではあるが場に2枚目の七万に声をかける。現状は役が確定しない純チャンの1シャンテンであり、ドラが六筒である事も踏まえると打点上昇も限られている。つまり、この局は相手のチャンスの芽を摘みながらアガリきれると判断したのだろう。そのピントは合っており実際に親の宮成と南家の御子柴の手牌は以下のような勝負形となっていた。

 

100

 

その後、直ぐに一筒も鳴けてテンパイ。

 

100

 

結局アガリには至らなかったが、思惑通り 一万は山に3枚眠っており、その最速ルートを辿る姿や淀みない摸打は彼女も憧れている魚谷侑未と重なる。

 

100

 

2年目ながら前回の桜蕾戦第3位などで評価を大きく上げ、今回も優勝候補の一人である藤居。そのまま突き抜けるかと思われたが、そこに待ったをかけたのが富山からやって来たという宮成であった。

 

100

 

1回戦南場の親番でペン三万待ちテンパイが入る。ドラ表示牌という待ちの弱さや雀頭の発を活かす為にダマテンに構えて、シャンポン変化などをみる人も多いのではないだろうか。しかし宮成は積極的にリーチに踏み切ると、それを可憐にツモりあげる。

 

100

 

普段は会社員勤めという彼女は目標のプロに佐々木寿人を挙げたが、その言葉通り攻めの姿勢が見事なアガリへと繋がった。

 

100

 

一方ここまで受ける局が続いていた上田ではあったが、らしさ溢れる局があったので紹介したいと思う。

 

100

 

この手格好から悠々と自風の西を2枚とも見送ると、ドラの三索を引き込み以下のテンパイまで育てる。

 

100

 

西は残ってはいないが八索をツモれば三暗刻もついて倍満である。一旦は五索を切ってリャンメンになったら…と考えるのが普通だろう。
しかし、上田の選択は西切りのテンパイ取らずであった。

 

100

 

彼女とは一度だけ麻雀について語らう機会があったのだが、その時はまだプロテストを受ける前だったと記憶している。

『実は来月プロテストの受験を控えているんです。不安もありますが絶対合格して最初で最後の桜蕾戦へ。そして、いつか憧れの黒沢咲さんのようなプロになりたいです。』

それから半年後、まさか観戦記者という立場で目を向けるとは思いもよらなかったが、その上田が思い描くスケールの大きい、あたかも黒沢咲がそこに座っているかのような麻雀に魅入られたのは私自身だけではないだろう。

 

100

 

また上田と同じく、なかなかアガリ番のない御子柴だったが徐々に持ち味を出していく。
過去には高校生クイズで優秀な成績を収めた経緯があり、医学系の大学に通う正に才色兼備という言葉がぴったりな彼女は宮成と同じく佐々木寿人が憧れだという。

 

100

 

藤居から先制リーチを受ける場面であったが中盤にメンホンのテンパイ。それもアガリ牌である四万は今まさに切られた所。ダマテンの選択もあったが御子柴は迷わずリーチとし牌を横に曲げる。アガリには結び付かなかったが解説席からは佐々木寿人が降臨したかのようだと本人にとっても嬉しいコメントが飛び交った。

その後もホンイツとリーチを軸に攻め立てる御子柴。

 

100

 

例え残りツモ1回でも満貫を跳満に、跳満を倍満にする強気の姿勢は今後も彼女の武器となるだろう。

 

100

 

それぞれの良さが際立った桜蕾戦ベスト16A卓も少しずつ展開が動く。まずはメンゼン高打点の手組みをベースとした上田によってその均衡は破られた。

 

100

 

1回戦目に3着を受け入れた上田、その我慢がここに来て桜花爛漫となる。2回戦目の東場で3,000・6.000、3,200オールと2局連続のツモアガリで一気に50,000点オーバーと開花。しかし、満開となったのは何も持ち点だけではなかった。

 

100

 

■上田宗太朗(うえだ そうたろう/38期前期・1年目)
同じ日本プロ麻雀連盟に所属する上田まみの旦那であり、その愛情は世界へと舞い上がる。

 

100

 

上田夫妻は二人三脚でお互いをサポートし合い、千葉にある尊敬するA1リーガー西川淳のお店で主に研鑽している。今回も千葉からの沢山の応援がSNS上のタイムラインを埋め尽くした。

 

100

 

そして上田が一歩前に出た後、次に抜け出したのは宮成であった。

 

100

 

キレイな三色を華麗に成就させリードを築いていく。

 

100

 

そして、北陸支部所属の彼女も地元からたくさんの応援が届いていた。

 

100

 

100

 

最終戦は上田・宮成が、それまでの打点ベースの戦い方からトーナメントらしく局を回す事をテーマにシフトチェンジして見事にベスト8へ。
藤居・御子柴もそれぞれ自身の良さが出た対局ではあったがアガリが遠い一日であった。また来期の活躍を期待したい。

 

100

 

■勝ち上がり
・宮成さく
・上田まみ

 

100

 

100

 

次回は第4期桜蕾戦ベスト16B卓

内田みこvs頼さくらvs廣岡璃奈vs渡部美樹

解説:和久津晶
実況:大和

現桜蕾位、廣岡璃奈が満を持して登場。
是非こちらの模様もお楽しみ下さい。

(文:小林正和)

第39期十段戦 優勝者予想

正解者の中から抽選で1名の方に、第39期十段位獲得後の直筆サインをプレゼント致します。
また、応募された方の中から抽選で2名の方に、決勝進出プロ寄せ書きサインをプレゼント致します。

応募方法:優勝すると思われるプロを記載し、こちら からご応募ください。

※1メールアドレスに対し、1応募とさせて頂きます。
※1メールアドレスより複数の応募があった場合、最後に応募されたもののみ受け付けられます。

なお当選者の発表は賞品の発送を以って代えさせて頂きます。

締め切り:2022年10月7日(金)17:00まで

番号 名前
段位
藤原 瀬戸熊 前田 藤島 佐々木 奈良 柴田 石川 渡辺 吉野
1

荒正義
九段
2

近藤久春
七段
3

魚谷侑未
六段
4

浜上文吾
六段
5

三浦智博
四段

 

 

出場者
荒正義(現十段位)
近藤久春(七段)
魚谷侑未(六段)
浜上文吾(六段)
三浦智博(四段)

予想者コメント

藤原隆弘

昨年ついに十段初裁冠。前人未到のグランドスラムを達成した荒だが、今年の決勝メンバーには私のような受け主体の守備型がいないので、荒好みのレース展開にはなりにくく、パワフルな打撃戦になると荒の連覇は苦しいと見る。
何期もA1に在籍しながらまだタイトルが無い近藤を、今度こその期待も込みで本命に推したい。
対抗は女流№1のタイトルハンター魚谷、まだ女流の十段位は誕生してないが、魚谷なら可能性は充分と見る。
十段戦とプロリーグの逆相性から見ても、今期のプロリーグで降級ラインに位置する近藤が優勝候補の筆頭。十段位になったら降級すると思うけど(笑)

◎ 近藤久春
○ 魚谷侑未

瀬戸熊直樹

難しい予想ですが、十段戦は連覇の多いタイトル戦なので荒さんを本命とします。もう1つの理由としては、リーグ戦を休場されているので、ここ一本に絞って心身ともに照準を合わせた感じがします。
対抗は近藤さん。そろそろG1タイトル取ってもおかしくない実力とキャリアだと思いますし、何より本人もこの辺りでの気持ちがいい方向に作用すると思います。
展開予想としては、荒さん、近藤さんのどちらかと、若手3人の誰かの争いで終盤までもつれると予想します。
楽しみです。

◎ 荒正義
○ 近藤久春

前田直哉

本命とす近藤はやはり自力もあるし念願の決勝、そして初タイトルへと人一倍想いは強いだろう。
三浦はとにかくバランスが良い。だがタイトル戦はバランスだけで獲るのが容易くないであろう。
去年の悔しさからどのような戦術を取ってくるのがが見もの。

◎ 近藤久春
○ 三浦智博

藤島健二郎

さすがに十段戦の決勝ともなれば誰が勝ってもおかしくないメンバーがそろっています。
昨年の雪辱を晴らしたい三浦はどうしても荒を意識せざるを得ないでしょう。
近年充実のトップ女流魚谷も近藤に苦手意識があったりします。
そこで最も自分の麻雀を貫き通す事ができそうなのが浜上。格では見劣る浜上も九州を背負う20年戦士。がむしゃらな勝利を期待します。
ノンプレッシャーの荒を対抗とします。

◎ 浜上文吾
○ 荒正義

佐々木寿人

荒さんのグランドスラム達成から早1年。その偉業に刺激を受けたのは私だけではないだろう。特に逆転で初タイトルを逃した三浦は、忘れられないほどの精神的ダメージを負ったに違いない。だがその経験は必ず生きるときがくる。同世代の壁になって欲しいという期待も込め、三浦を本命に推す。
対抗は魚谷。実力もさることながら、勝利に対する貪欲さが映像からも伝わってくる数少ない選手。タイトル戦での戦い方も熟知していて、あまり崩れるイメージがない。
私情を挟めば、そりゃあ荒さんに勝って欲しいけど、若い選手が頑張らないとね。

◎ 三浦智博
○ 魚谷侑未

奈良圭純

色んな対局を見せてもらっていますが、安定感随一。粘り強さもあり、最終日まで優勝者争いから脱落することはなさそう。
対抗は浜上文吾(六段)。毎月、リーグ戦の度に九州から通っているのには頭が下がります。久しぶりの十段戦決勝、モチベーションが高く、今決定戦へ賭ける想いの強さは誰よりも上かと思います。

◎ 魚谷侑未
○ 浜上文吾

柴田吉和

以前に頼まれた十段位決定戦の予想は、第35期の内川、第36期の伊藤と私だけ◎印予想で決着しており私の◎印は高的中です。
展開予想が難しいメンバーとなり、正直だれが勝ってもおかしくないと思うので、単純にG1初戴冠を観たい。
その中でもA1リーガー近藤の底力が勝りそう。

◎ 近藤久春
○ 三浦智博・浜上文吾

石川遼

逆転に次ぐ逆転で決勝までたどり着いた魚谷さんを本命に推します。優勝か途中敗退か、極端な結果になる予感がします。
対抗は近藤さん。初めて近藤さんの麻雀を見た時にビビッときたので。

◎ 魚谷侑未
○ 近藤久春

渡辺史哉

若さと昨年のリベンジを果たすという点で三浦プロを本命としました。前年度の十段位決定戦を見ていても安定感があり、決勝戦というプレッシャーを感じさせない姿勢や所作と常に期待値を追い続ける打牌は三浦プロの持ち味だと思います。どんな展開になっても決着する最後の瞬間まで優勝争いに絡んでいることが想像できます。
対抗は魚谷侑未プロです。連盟チャンネルやMリーグ、どのタイトル戦、どのルールでも強いという印象があります。アガリへの嗅覚が抜群に優れている点と手牌を短くしても牌の危険度精査を怠らずに放銃をしないギリギリまで攻める姿勢が強みだと思います。

◎ 三浦智博
○ 魚谷侑未

吉野敦志

今回も素晴らしいメンバーが揃った十段位決定戦。
連覇に期待が高まるレジェンド荒。女流最多タイトルホルダーの魚谷。A1リーガーの近藤に予想が集中しそうだが、今年のタイトル戦はどちらかというとニュー・ウェーブの年ではないかと見て、本命は共に勉強会など参加しながらA2リーガーまで上り詰めた2年連続決定戦進出の三浦。
そして対抗は、十段戦の決勝は10年ぶりの九州本部の浜上とさせていただきました。
今回も「記録より記憶に残る」対局になること間違いなし。

◎ 三浦智博
○ 浜上文吾

第17期女流桜花Aリーグ第6節C卓レポート

第6節C卓に出場した選手は

 

 

白銀紗希・内田美乃里・二階堂瑠美・菅原千瑛の4名。

序盤は瑠美と内田のマッチレースといった様相を見せ、

 

 

開局から4連続で瑠美がアガってリードを広げていくも

 

 

内田が東4局から流局を1局挟んで脅威の7連続アガリで逆転。
2回戦以降も2人の猛攻が続き、1回戦と2回戦でトップ2着を分け合った内田と瑠美でしたが

 

 

3回戦ヤミテンのホンイツと

 

 

ピンフ一気通貫で助走をつけた内田が

 

 

東3局の親番で超弩級のリーチ

 

 

これをツモアガってリーチ・ツモ・ダブ東・イーペーコー・ドラ2と、この日の卓内トップを決定づけるような6,000オールで瑠美との競り合いを制しました。
苦しかったのは白銀と菅原で、目立った放銃こそないものの、内田と瑠美のツモアガリに毎局持ち点を削られる展開。

そんな中、トータル首位でスタートした白銀は高打点ツモアガリブームに4回戦で滑り込み

 

 

跳満ツモと4,000オールで被害を抑えて首位を維持。

 

 

降級ゾーンに足を踏み入れた菅原は、このままでは終われないと南4局の親番で連荘を狙いましたが

 

 

リーチ宣言牌が内田の仕掛けに捕まり、それもタンヤオ・ドラ3と被害が拡大してしまいAリーグ残留に黄信号。
アガった内田はプラス100オーバーでトータル2位と一気に浮上しました。

 

 

<第6節C卓最終結果>
内田+103.0P 瑠美+4.5P 白銀▲20.9P 菅原▲86.6P

(文:越野智紀)

第35期新人王戦 決勝レポート

【問題】
次の全体牌図は第35期新人王戦決勝、3回戦・南3局の流局シーンを示したものである。
南家Bが6巡目に2フーロ目をしてドラの二筒切りでテンパイ。そのドラを東を仕掛けている東家Aがポンして打六万で追いつきそれ以降は全てツモ切り。Bも西から全てツモ切りとなっている。これを見て以下の設問に答えよ。

 

 

1)テンパイしてからBはAに対して筋・無筋それぞれ何種類切ったでしょうか。

2)Bに該当するのは次の対局者のうち誰でしょうか。

 

■辻本一樹(36期前期3年目・D1リーグ)

『この決勝は自分にとって2回目のタイトル戦決勝です。前回は優勝した小林さんに完敗でした。めちゃくちゃ悔しくて何度も放送を見直しています。プロ3年目で2度目の決勝は十分すぎる戦績だとは思います。それでも、決勝進出という肩書きが欲しいではなく、タイトルを取るためにプロになったので。大学在学中にタイトルを取るという目標があるのですが、今年が大学生最後の1年です。この試合にかける思いは人一倍強いと思います。必ず優勝します。』

 

■浜野太陽(34期後期5年目・C2リーグ)

『公式戦の決勝は入会したて、2018年の王位戦決勝以来です。当時は決勝まで進んだこと自体が自分で信じられなくて、ハングリー精神のようなものは今に比べると少なかったように思います。今回は入会から4年経ち、いろんな方に麻雀を教わったり、仕事面でもお世話になったりして、そのおかげでここまで来られました。良い報告でお返ししたい気持ちでいっぱいです。最後まで気持ちを切らさず、精一杯戦います!』

 

■岡田舜(37期後期2年目・E2リーグ)

『今期、前期と若獅子戦ではあと一歩のところで放送対局のチャンスを逃していたので、今回初めての放送対局に出られることになってとても嬉しいです。決勝では初めての放送対局に緊張するとは思いますが、自分らしく、悔いのない麻雀が打てたら良いと思っています。頑張ります!!』

 

■木本大介(33期後期6年目・E1リーグ)

『自分が優勝すると思うので第35期新人王に相応しい麻雀を打ちたいと思います。』

 

 

 

■現役東大生は変幻自在!?

開局の辻本の手牌は四万五万七索七索八索四筒五筒七筒七筒八筒八筒北北となっていたがここから八筒をポンして北のトイツ落としへ。最終的にはドラの三索も勝負して以下のテンパイ形で親に11,600の放銃とはなるが『鳴いたらオリるな』と言わんばかりの全局参加宣言から幕を開けた。

 

 

 

 

続いて浜野から先制リーチ受けた辻本の手牌は二万四万四万二索三索四索二筒四筒四筒六筒七筒八筒九筒の牌姿。リーチ者からドラの四万がツモ切られるが微動だにしない。まるで黒沢咲を見ているような光景である。それどころかメンゼンでテンパイを入れると以下のように浜野からロンアガリとなった。

 

 

更に驚いたのは南1局のシーン。
1巡目
二万二万七万一索三索七索一筒七筒八筒九筒東東南ツモ八筒

辻本は打二万としチャンタを狙って1枚浮かせる選択へ。ともたけ雅晴や吉田直の手筋のような一打である。ところが親の木本の仕掛けと上家の浜野のドラ切りを見るや否や今度はそのドラにチーの声を掛けた。

 

 

まるで古川孝次の『サーフィン打法』を見ているかのようである。そして以下の手牌まで育てるとトップ目の木本から値千金の12,000直撃に成功する。

 

 

そしてこの半荘、辻本が見せたもう1つの顔が南2局の浜野からリーチを受けた時である。現物である一索を切れば1シャンテンキープとなるが河に放ったのは一万であった。他2者の安全牌を残してこの後の二の矢に備えた手組みはまるで前田直哉や藤崎智を彷彿とさせる。

 

 

攻守メリハリの効いた辻本が去年の初決勝の惨敗を払拭するかのように好スタートを切った。

 

 

■本当にプロ歴1年!?

1回戦は3着スタートとなった岡田の2回戦東2局の手牌が二万四万六万九万九万六索六索一筒三筒四筒八筒八筒八筒であり、ここにドラの北を持ってくる。悩ましい牌姿ではあったが岡田が選んだのはトイツの九万切り。日本プロ麻雀連盟公式ルールの場合、特別変わった選択というわけではないが焦点はその打牌スピード。あらかじめ準備していたようなノータイム判断であり現鳳凰の佐々木寿人が重なる。

 

 

また2回戦東4局、何とか上位陣に食らいついて加点したい親番の岡田であったが今度は辻本の仕掛けが入っている局面。
中盤に上家の辻本から愚形解消となるチーテンの七万が打たれるがこれをスルー。

 

 

 

人ならばリーチの威力が強いのは分かっていても場に放たれている3枚の四筒が目に入ってしまい声が出てしまう事も少なくない。
しかし岡田は迷う事なくしっかりと目の前のツモ山に手を伸ばした。こういった場面は良くベテラン選手では見られるが岡田はまだ入会1年程度の新人選手である。予選でも似たような構えはあったが周りに影響されない強い意志を持った選手なのは間違いないだろう。

 

 

■幻想を照らす太陽

この日解説を務めた藤崎智の以下のコメントが印象的であった。

『ひと昔と比べて現代では仕掛けが増えてスピードが上がってきた。その反面で打点が下がった分いかに高く見せるかが重要になってきている。』

その言葉が体現された局を紹介しよう。

2回戦南3局の浜野の配牌は二万五万七万八索八筒九筒九筒東東西北中中である。

現状では原点をキープした2着目であり残り2回戦を考慮すると1,000の加点も価値ある場面だ。しかし浜野は親の第一打の中をポンして打五万とする。その後ツモ八索で最初の分岐点を迎えた。

 

 

選んだのはドラ受け拒否の打八筒。一見すると牌効率の下がる一打ではあるが捨て牌に注目して頂きたい。五万七万とマンズのターツ払いを見せた後にドラそばの八筒手出しである。他3者にはどう見えるか皆さんもその立場になって考えてみてほしい。

1.スピードが速そう
2.ソウズのホンイツ狙い
3.チャンタ系の狙い
4.ドラが重なった
5.トイトイ狙い
…等

僅か数牌の情報だけで相手に色々な幻想を抱かせる事ができるのである。裏目のドラ七筒引きでもトイトイの種としても使えるこの秀逸な打牌を是非新人の皆さんには参考にして頂きたい。

結果的にはアガリに結びつかなかったが、場に制約をかけ時間を作り中東をポンして以下のテンパイ形となった。

 

 

 

■天才と凡才は紙一重

後半戦に入り少し縦長の展開となった3回戦南3局、冒頭に挙げた問題のシチュエーションを迎える。

少し細かく見ていくと、まず仕掛けたのは親の辻本。3巡目に西家の浜野から自風の東をポンして先手を取る。

 

 

そこに負けじと木本も4巡目に同じく西家の浜野からダブ南を晒して前に出る。

 

 

更に上家の辻本からアガリへ前進となる七筒をチーしてドラ二筒切りのテンパイ。

 

 

そして木本より打たれたその二筒を辻本が仕掛けてこちらもテンパイである。

 

 

ここまでは言葉が少し陳腐だが普通と言えば普通。
しかし次の画像を見て頂きたい。

 

 

これだけでは少し分かりにくいので補足すると、7巡目以降に木本が打牌した牌を示しており八筒三索五索七万二万三万六索となっている。
更に付け加えると親の辻本がドラポンを含む2フーロが目に見えており且つそれらの牌は親に通っていない無筋×5種類、筋×2種類であった。
あくまで数字上ではあるが、仮に辻本に11,600放銃するとその瞬間に逆転である。仮に辻本に3,900オールされてもまだ+20.0 P以上のリードが残る。仮にアガリ逃ししても辻本がアガるとは限らない。仮に…理で考えれば考えるほど選択肢は限りなく1つであろう。
その時ふとよぎった言葉。

『屈強なメンタル』

『決勝でも僕が天才と呼ばれる所以をお見せします。』

このコメントは決勝が始まる前に木本にヒアリングした意気込み等であるが、初決勝とは思えないほどの強気の姿勢が見られた。もちろん本人曰く精神力のタフさもあるだろうが何もそれだけに限ったものではない。
木本は普段、夏目坂スタジオで様々なタイトル戦の決勝戦を採譜という近い立場で目にしている。その中には通常なら考えられないような逆転劇などもあっただろう。

天才物理学者アルベルト・アインシュタインが残した言葉。

『天才とは努力する凡才である。』

特に決勝戦は馬鹿にならないといけないと知っていたのである。

 

過去最多参加者と史上稀にみる激戦となった新人王戦もついにクライマックスを迎えていた。

 

 

トータル4着目の親の岡田が3フーロしており以下の形でテンパイしている。

 

 

そして遂に優勝に向けて誰しもが通る決断の時間が木本にもやってきた。

 

 

ドラの五索を引いてテンパイである。フラットな状況であれば当然押す一手であろう。しかし今回は優勝という二文字が現実味を帯び、大きなプレッシャーとなって木本に重くのしかかっているのだ。
勝負するならば一索切りか二索切りの2択。ちなみに岡田の最終手出しは七索であり手牌に関連した牌であるのは間違いないだろう。

ここで初めて木本の手が止まる。

 

 

きちんと局面を精査すると、岡田からは仕掛けた後に八索九索には声がかかっていない。そうなるともしドラの五索が手牌に絡んでいると仮定するとある程度の牌構成に絞られる。例えば二索三索四索五索三索四索五索五索二索二索五索五索などが挙げられるが、もし放銃となれば1人沈みとなり差はほとんど無いに等しい状況に追い込まれる。

さてどうする。

静寂の間が流れ、木本は数回頷いた後に意を決した。

 

 

二索を打ち抜き
そして、

 

 

 

岡田から放たれた五索を見事にとらえたのである。
これが決め手となり第35期新人王戦の頂点に輝いたのは東京本部所属の木本大介となった。最後までしっかりと戦い抜き、有言実行通りの新人王に相応しい麻雀を見せてくれた事は疑いの余地はないだろう。

 

 

 

■第35期新人王戦優勝
木本大介

・準優勝:辻本一樹
・第3位:浜野太陽
・第4位:岡田舜

 

 

『最後までご声援ありがとうございました。新人王のタイトルだけでは駄目だと思いますので早くもう1つタイトルが獲れるようにこれからも勉強して頑張りたいと思います。ありがとうございました。』

優勝に一喜一憂する事なく次の目標に向けて前を向く木本。今後の更なる活躍に是非ご期待ください。

(文:小林正和)

麻雀日本シリーズ2022第6節レポート

21回戦
起家から渋川、前田、瑠美、仲林

東1局
渋川がドラをポンしていた前田から12,000の出アガリ。
ホンイツ、役牌。

 

 

東2局
瑠美が3人テンパイを制する。
リーチ、ピンフ、ツモドラ3の3,000・6,000。

 

 

南3局
前田が瑠美からリーチ、一発、ピンフ、ドラの8,000の出アガリ。

 

 

東1局に親の満貫をアガった渋川がそのままトップ。
これで首位に立った。

トップから渋川、瑠美、仲林、前田。

 

 

22回戦
起家から小林、鈴木、白鳥、多井。

東2局
2件リーチにヤミテンで押し返した白鳥が、小林から8,000の出アガリ。

 

 

東3局1本場
小林がリーチ、ツモ、三色の2,000・4,000。

 

 

南3局
多井がトップ目白鳥から一発で当たり牌を捉える。
リーチ、一発、ピンフ、ドラ2の8,000。

 

 

南4局
鈴木が役役、ホンイツ、チャンタ、ドラ2の3,000・6,000をアガり2着で終了。

 

 

 

24回戦
トップから白鳥、鈴木、多井、小林。
最後のワンチャンスをものにした鈴木が上位をキープ。

 

 

この日は2回で対局終了となります。
23・24回戦は別日となりまして、10月14日金曜日12時からです。

次回もお楽しみに!

(文:蒼山秀佑)

第20期プロクイーンベスト8A卓レポート

【第20期プロクイーンベスト8 A卓からは古谷・東城が決勝進出】

現在のプロクイーンは二階堂瑠美。
WRCルールで半荘4回戦を行い、本日のA卓から勝ち上がった2名と、後日行われるB卓からの2名が瑠美への挑戦権を得る。

ベスト8 A卓の対局者は
古谷知美
東城りお
西嶋ゆかり
蔵美里(協会)

 

 

解説 齋藤豪
実況 阿久津翔太

 

【1回戦】

南3局。東城が七対子ドラドラ、中単騎でリーチを打ち、跳満のツモアガリ。

 

 

1回戦は東城、古谷、蔵、西嶋の並びで終了。

 

【2回戦】

1回戦で跳満を親被って逆転されてしまった古谷が、2回戦南場の親番で七対子ドラ単騎リーチをツモって6,000オール。

 

 

2回戦は古谷、東城、蔵、西嶋の並びで終了。

 

【3回戦】

前半戦を終えた時点では古谷が+35.0P、東城が+33.8Pとほぼ並び。
3回戦、古谷は不用意に飛び込まないし、高い手をツモるし、全く隙を見せない。

東4局。この半荘、誰よりもトップが欲しい西嶋が高め567の四万七万リーチ。安めツモながらも裏ドラを1枚乗せて満貫ツモで反撃開始。

 

 

南1局には古谷と同点まで辿り着くが

 

 

3本場で古谷に2,600は3,500の放銃。再び引き離されてしまう。

3回戦オーラス。
現状トータル3番手の蔵がリーチを打つ。親番の東城はくっつきの1シャンテン。この半荘はラス目なので勝負するかと思われたが、東城は1枚も選ばず即オリを選択。ラスを受け入れて最終戦に勝負を託した。

 

 

結果は流局。蔵はテンパイ料で2着に浮上した。

3回戦は古谷、蔵、西嶋、東城の並びで終了。

 

【4回戦(最終戦)】

古谷がほぼ安泰。
東城と蔵の差は22.8P。2着順の差をつけるのがおおよその目標となる。
東城と西嶋の差は66.2P。トップラスでも順位点は30Pしか縮まらないので、点棒も大きく稼ぐ必要がある。

最終戦南1局1本場。打点の要らない古谷が5巡目にドラの六筒を切る。

蔵は直後に七対子ドラ単騎テンパイ。すでに東城をかわしているのでヤミテンに受ける。

 

 

一方、東城は7巡目にこの手牌。東城は古谷と違い打点も欲しいので合わせ打たずにドラを残していたが、マンズにくっついてターツが足りた。ドラが通った後の蔵の手出しは1回だけ。少考の末ドラを切る。

 

 

「ロン。9,600は9,900」
この瞬間、蔵と東城の差は35.3Pまで開いた。

南3局。蔵はタンピン系の好配牌。自らアガるつもりで目一杯手を広げていたが、東城から5巡目リーチが入る。安牌は1枚もない。

 

 

二索をツモ切る。
一発がついて満貫の放銃。土壇場で東城に再逆転を許してしまった。

【オーラスの条件】

蔵は700・1,300ツモ
東城から2,000
古谷と西嶋から3,900

西嶋は役満ツモ
出アガリダブル役満

親番の東城は3.7Pのリード。
蔵の1人テンパイだと東城は敗退となるため手を組むがテンパイが入らず。

 

 

しかし蔵にもテンパイが入らず全員ノーテンで流局。

以上の結果により
古谷知美
東城りお
この2名が決勝進出を決めた。

 

 

第20期プロクイーン
ベスト8B卓は
2022/9/22(木)16:00

りんのなお(協会)
大島麻美(協会)
蒼木翔子
山脇千文美

解説 二階堂瑠美
実況 阿久津翔太

(文:吾妻さおり)

第39期 A1リーグ 第9節A卓レポート

【第39期鳳凰戦A1リーグ第9節A卓 西川が+69.9Pで3位浮上】

本日の対局者

西川淳
勝又健志
吉田直
藤崎智

 

 

前節▲78.2Pの大きくマイナスしてしまった西川だが、今節は2着トップと好調。
3回戦にはドラ暗刻の手牌を盲点となる五万単騎でアガって原点近くまで戻すと

 

 

南1局にもドラ3の満貫をアガって3回戦トップ。

 

 

4戦3トップで+69.9P。トータル3位まで浮上した。

 

 

1回戦オーラス。勝又は五索八索待ち。高め678に振りかえてからリーチを打ち、11,600を決めて1回戦トップ。

 

 

2回戦には親番西川のリーチを受け、北トイツ落としで迂回するが

 

 

残りツモ1回で七筒を勝負して、ハイテイツモ。

随所に勝又ならではのアガリを決めて+32.9P。トータル6位となった。

 

 

吉田は3回戦東場の親番でダブ東リンシャンツモ。2,600オールは
2,800オール(+2,000)を決めるが

 

 

オーラスのトップ争いで西川に11,600放銃となってしまい、沈みの3着に。
トータル2位はキープしたものの、ポイントを大きく減らしてしまった。

 

 

この日は藤崎も苦戦。
3回戦には七対子ドラ単騎をツモって一瞬浮きに回るものの

 

 

その後が続かず▲61.5P。浮きが遠い1日でトータル順位を8位まで落とした。

 

 

 

次回A1第9節B卓は
2022/9/21(水) 16:00

近藤久春
前田直哉
藤島健二郎
黒沢咲

解説 森山茂和
実況 古橋崇志

(文・吾妻さおり)

第17期女流桜花BCリーグ最終節レポート

1年の集大成となる、女流桜花B・C1・C2リーグ最終節。

[Bリーグ]
<4回戦までハイライト>

 

100

 

【1卓】
3期連続昇級で一気のAリーグ入りを目指す後藤が好調。首位スタートの井上も4回戦のトップで、自動昇級へ大きなアドバンテージを得た。
【2卓】
黒沢が連勝で昇級争いに参戦するも3回戦でラスを引き後退。北條が4回戦でトップを取り、自動昇級争いに参戦。
【3卓】
3位スタートの蒼井はポイントを伸ばして最終戦勝負に。高宮は初戦ラスも3回戦で四暗刻単騎をアガリ、4回戦もトップで自動昇級争いに加わる。
【4卓】
18位スタートの北野が3回戦に77000点1人浮きの特大トップで降級圏脱出に成功。稲岡・小笠原も残留を果たした。

そして、上位陣同士による最終戦がスタートした。

 

100

 

最初に終わったのは2卓。大野が1人浮きのトップで北條がラス。両者とも相手待ちの状況になる。
続いて3卓。オーラスに高宮が7700を、1人浮きだった天音から奪いトップも逆転。昇級を決める。
そして1卓。昇級圏の後藤と、入れ替え戦出場を目指すオーラス親番の早川の激しい勝負が繰り返された。
1本場に後藤はテンパイまで入れるも、早川のリーチに放銃し無念の後退。
代わりにこのゲームトップの早川が、入れ替え戦出場を決める6位に入った。

井上はこの日ポイントを減らすも、優勝とともに初のAリーグ入り。高宮は6年ぶり、北條は11年ぶりのAリーグ復帰を決めた。

 

100

 

蒼井は北條に0.1ポイント及ばず入れ替え戦2nd stageへ。後藤・早川は入れ替え戦1st stageから昇級を目指す。

 

100

 

[C1リーグ]
今期異次元の強さを発揮した手塚は今節もプラスで完勝し、昇級と入れ替え戦2nd stageへの切符を手にした。

 

100

 

焦点は2位争い。高橋の欠場でターゲットが明確になる中、大久保が最終戦大きなトップを奪い逆転成功。入れ替え戦1st stage出場を決めた。
高橋は3位で2期連続の昇級。
また、14位スタートの水越が1回戦に親で四暗刻をツモアガリ、その後もポイントを伸ばして1年でBリーグ復帰。
2回戦以降ポイントを伸ばした松田や、王との卓内勝負を制した波奈もBリーグ入りを果たした。

 

100

 

100

 

[C2リーグ]
初戦で大きなトップを奪った蒼木が、その後も素点をまとめて優勝。2日前にプロクイーン決定戦出場を果たした勢いを保ち、入れ替え戦に臨む。
静岡県内の大雨による影響を受けた平岡は、無罰欠場を拒否して上京し奮戦したが、優勝には届かなかった。

 

100

 

昇級争いは8位スタートの山口が大きくポイントを伸ばしてボーダーが上がり、無風かと思われた。
しかし星乃が3回戦に70700点1人浮きの特大トップ。同卓する太田との最終戦直接対決に持ち込む。
昇級をめぐる争いは南4局に平岡が親番を続ける間にも二転三転したが、最後は太田のアガリで決着し昇級圏へ。星乃は次点で涙を飲んだ。
他、さくら・内田・山口・安藤・川上がC1リーグ昇級を決めた。

 

100

 

100

 

10/30(月)より、女流桜花Aリーグ進出を目指す入れ替え戦がスタートする。

1st stage(10/30 16:00~)
後藤咲vs早川林香vs大久保朋美vs蒼木翔子
※半荘4回戦・最上位が2nd stageへ

解説:HIRO柴田
実況:部谷幸則

2nd stage(11/7 16:00~)
Aリーグ13位vs蒼井ゆりかvs手塚紗掬vs1st stage勝者
※半荘4回戦・最上位が来期Aリーグ所属

解説:山田浩之
実況:部谷幸則

(文:梅中悠介)

<2022 AKRacing杯決勝・白鳥翔が初出場で初優勝!>

今年で2回目のAKRacing杯も決勝。
予選を勝ち抜いた白鳥・和久津・伊達・日吉による対戦は、短期決戦ならではのぶつかり合いが多くなった。

 

100

 

1回戦、最初に大きく動いたのは東2局。日吉がチートイツ・ドラ2の白待ちをヤミテン。
役牌を2種仕掛けた伊達が三万六万待ち。
そこへ白鳥がドラ三索を切って五索八索待ちでリーチ。

 

100

 

この勝負、ツモ切り追いかけリーチをかけた日吉が赤五索を掴み、白鳥のアガリに。

 

100

 

8,000(+1,000)加点でまず先行する。

さらに東4局。和久津が ポン三筒 暗カン四筒 ポン七索でタンヤオ・トイトイ・赤の五万八万待ちテンパイ。
この時点でチートイツ1シャンテンで0メンツの白鳥だったが、終盤にドラ発が暗刻になると、チートイツを見切りマンズのホンイツへ。

 

100

 

和久津から三万西が鳴け六万九万待ちになると、
テンパイを取りに行った日吉から九万を撃ち取り12,000のアガリ。

 

100

 

白鳥の読みと技が冴えた2局。これで抜け出しにかかる。

白鳥の逃げに待ったをかけたのは伊達。南2局の親番で先制リーチをかけると、ピンフ・ドラ3の白鳥からテンパイ打牌の六万をとらえる。

 

100

 

裏ドラが2枚で12,000の直撃に成功。伊達がトップに立つ。

ただ、ここから白鳥は勝負強かった。
南3局。和久津の先制六索切りリーチに、マタギ筋の赤五索を切って追いかけると
和久津から二万で撃ち取り3,900(+1,000)。

 

100

 

南4局は伊達のアガリ競争に勝ってトップ再逆転。優勝へ最短距離の北家席を獲得する。

さて、今大会最大の注目点だった「選手・日吉辰哉」。
1回戦は出遅れたが、2回戦東1局に2,000・4,000のアガリで反撃の狼煙を上げる。

 

100

 

ただ、東4局に白鳥・和久津の2軒リーチに挟まれると、テンパイ打牌の西が和久津に捕まり8,000放銃。

 

100

 

予選で吹かせた「風」を再度起こすことはできなかった。

一方の和久津はこの8,000で戦線に復帰すると、南2局2本場には東北ドラの3,200は3,400オールで2番手に浮上し白鳥に迫る。

 

100

 

しかし、反撃はここまで。続く3本場で白鳥が和久津の親を落とすと、残る局を危なげなく消化。
白鳥がAKRacing杯初優勝を果たした。

白鳥にはテックウインド株式会社営業本部部長の木村昇様から優勝賞金50万円とAKRacing1脚の目録が進呈された。

 

100

 

自身もAKRacingを愛用し、第1回は選手として出場できなかった白鳥は「めっちゃうれしい」と今回の優勝を手放しで喜んだ。

 

100

 

スタジオの対局場や実況席にも採用され、選手にも好評のAKRacingをぜひ応援して下さい。

(文:梅中悠介)

第246回:プロ雀士インタビュー 石立岳大  インタビュアー:西川淳

2015年冬

有楽町ガード下のとある居酒屋

私はリーグ戦終わりに石立 岳大プロに呼び出され足を運んだ。

西川「で、何?話って。」

石立「ああ、まあ。実は…俺、連盟辞めようと思っているんですよね。西川さんには世話になったので言っておきたくて。」

西川「はあ!!??」

WRC覇者あいだてさんと、くすぶっている皆に捧ぐ

2022年夏

新橋のとある居酒屋

西川「あいだてさん、お待たせっ、みんな揃ってるね!」

石立「えぬかわ、遅えよ。何飲む?」

インタビュー取材の場、兼祝勝会には集った皆が楽しそうに話に花を咲かせていた。

この度、第11期JPML WRCリーグを制した石立岳大とインタビュアーを務める私、西川淳は、互いをイニシャル+苗字の二文字目の漢字の読みで呼び合う10年以上の仲です。
実際のやりとりに近い雰囲気を伝えるため、敢えてこの記事内は「あいだて(石立)」と「えぬかわ(西川)」で進めていくことをご理解いただきたいと思います。

えぬかわ「あいだてさん、改めてこの度は優勝おめでとう!初タイトルだね。」

あいだて「ありがとうございます!嬉しいです!ただ、あんまりアガれず腕前を披露できなかったのが残念です(キリッ」

えぬかわ「お、おう。まあ、初めてなので、知らない方もいるだろうから簡単に自己紹介的なのをお願いします。」

あいだて「あいだてさんですっ!氷結はレモン派です!カレーはサラサラ派、ハンバーグは良く焼く派!目玉焼きの黄身はねぇ、何っていえばいいのかな、表現が難しいんだけどさ…」

えぬかわ「あ、もうその辺で良いです。ありがとう。」

==============================
石立 岳大(いしだて たけひろ)
23期生・鳳凰位戦B1リーグ所属
千葉県浦安市出身・42歳・O型
==============================

鳴きを多用する万能タイプで、今回のWRCもベスト8戦で大三元を達成し、その放送対局中に「マシンガン副露」という通り名がつけられた。

えぬかわ「それにしても圧巻の内容だったね。4戦やってノートップでの優勝!」

あいだて「いやいや、それよりも1回も満貫以上をアガらず優勝した事を褒めてほしいなあ。あいだてさんはそんな人がいたら一生その人を尊敬しちゃうなあ。」

えぬかわ「確かに今回の決勝戦は46局中13回アガったけど、最高打点が2,600オールで満貫以上をアガっていない。平均和了点が3,200点は異色の低さだね。よく優勝できたよね。何かオススメ(の局)とかある?」

あいだて「この店のオニオンスライスは過去最高だよ!オススメ!」

えぬかわ「…おk。ひとつひとつ振り返って行こうか。」

【鳴きの話】

えぬかわ「今回さ、副露率は32.6%、これはどう?」

あいだて「まあ満足できるものではないね、特に目立ったことはできなかったな。」

と本人は振り返るが、随所で石立プロらしい切っ先の鋭い鳴きは披露している。

1回戦のオーラス

 

100

 

この形で直後の下家笠原プロの七索をポン。
確かに手広くなる形だが、変化直後の満貫も見える形からの鋭いポン反応は日ごろの修練を色濃く物語っている。しかも七索は笠原プロの下家の親、客野プロの急所の可能性が高いのでブロックしたいという意志もある。そこまで考えた上でしっかり反応できる身体能力の持ち主はそうはいないのではないだろうか。この局、待ち取りにも成功し、客野プロからアガリをもぎ取り接戦の2着を確保した。

2回戦東3局は、上家の親客野プロの「第一打」一索をチーだ。

 

100

 

単にアガリを目指しているのではなく、暫定トップの親、上家、客野プロへのプレッシャーを強く意識した戦略的な鳴きだ。
実際、客野プロは東を抱え回り、強く押しを続けていた笠原プロも白で足を止めた。
そして、太田プロのテンパイのアガリ牌を止めつつ交わして結果アガリ切る。

四索六索発発  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ポン北北北  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ツモ五索

ホンイツのみの700・1,300の手。あまり見慣れないアガリ点と形が石立オリジナルを感じさせる。

【防御の話】

えぬかわ「今回もディフェンスの安定感は光っていたね。46局中5回の振込。放銃率10.9%はさすがだけど、特筆すべきは平均放銃点が1,760点と、出色の失点の低さなんだよね。」

あいだて「おーそういう意味では、今回自分を褒めたい数少ないポイントとし2回戦の五索放銃があるな。」

えぬかわ「え、どういうこと?どれどれ…」

2回戦の東2局のこと。

 

100

 

この形から五索を切って、下家、太田プロのピンフ1,000点に放銃する。

あいだて「この五索は、ほぼほぼ当たるとおもったけどね。それをちゃんと事前に分かったうえでノータイムで打ち抜けたのが良かった。」

えぬかわ「へぇ、そういうものなの?自分の形も2シャンテンでドラの発も残ってるからオリれば良い気もするけどなあ。」

あいだて「いや、この局は1回戦大きなトップの客野プロに楽させないことが大事なんだ。自分をホンイツにみせて(上家の客野プロに)圧をかけ、自由にさせない。太田プロに打つ分には良い放銃なんだよ。」

えぬかわ「なるほどねぇ。ただ守るのではなく、他者も利用してゲームメイクで防御を考えているのか」

その上でこの放銃数の少なさ、放銃点の低さは秀逸の一言。どういうときに振り込むか、どういう時に失点が大きくなるかの総合的な理解度が高いのだろう。

【読みの話】

えぬかわ「私がすごく素敵だな、と感じたのは2回戦のオーラスなんだよね。北打ち。」

あいだて「おお!さすがえぬかわだな、そこを拾えるやつはなかなかいないぞ!」

2回戦オーラス、僅差の2着争い

 

100

 

序盤に北家、客野プロが役牌をポン。
終盤のこの局面、少し時間をかけて、打北を選択。

直後に西家の笠原プロからリーチが入り、リーチ宣言打牌の二筒を客野プロがチーして打五筒
その直後に石立プロが七索を引き入れ打一万で、ピンフ二筒五筒のテンパイを成す。
同巡、太田プロが五筒で石立プロに放銃。親番をつなぎ、この半荘も2着に滑り込む。

 

100

 

えぬかわ「実はこれ、太田プロは、オリるなら他に完全安全牌があるんだよね。それに自身がアガるにしても五筒は手元に置いておきたい。それなのに、あいだてさんが手出しだったにもかかわらず太田プロは五筒に手をかけた。その前の北切り⇒一万切りの効果が大きかったと私は思うんだよね。」

あいだて「手出しの牌が、北一万では大差だからね。一万だとオリかスライドと読んでくれる可能性が高いけど、北だともしかしたらテンパイかもって思われちゃう。」

えぬかわ「そこまで事前に考えて準備していたんだね。それにあいだてさんが気配を殺しきっていた事も大きいとおもう。」

あいだて「だいたいこうなるってわかっていたからね。客野プロは、あの状況で早くて遠い仕掛け(手出しの種類と回数から判断)なのでドラは必ずトイツ以上だとおもっていた。だから二筒は自分では引けない、という感覚が強かった。そして必ず1、2巡以内にリーチが入るとおもっていた。」

えぬかわ「へえ…そこまで読んでいるんだね。」

「神は細部に宿る」だよな。
石立プロは読みとることに極限まで集中し、一見なんでもない一打(北一万)の違いに心血を注ぎ、繊細に選び、この結果に至った。

優勝後、稽古仲間の武石絵里プロからお祝いに眼鏡クリーナーをプレゼントされたそうだ。

 

100

 

武石プロ「もしかしたら待ちが見えるようになってしまうかもしれない…」

うん。でも眼鏡クリーナーが無くてもそう感じさせるような読みの精度を各所に感じるよ。

えぬかわ「今回優勝して何が一番嬉しかった?」

あいだて「みんなが喜んでくれたことだな。増田プロが連名で、値の張るベルサーチのネクタイを贈ってくれたり、とかね。優勝してあんなにおめでとうって言ってくれるとは思っていなかった。」

そんなことはない。
石立プロにはいつも周りに仲間がいる。
時間を見つけてはセットで稽古を積み、よく酒を飲む。
この日も、第何次祝勝会かわからないが、すぐにメンツが集まった。

 

100
(左から増田 隆一プロ・石立 岳大プロ・立田 祥平プロ・平野 良栄プロ)
100
第●次?祝勝会の様子
100
勉強会の様子
熱く麻雀の話もすれば、バカな話で盛り上がることもある。
ユーモアに溢れ、裏表が一切ない石立プロがいる場は常に明るく楽しい。
後輩の面倒見も良く、アドバイスをしているシーンをよく目にする。

立田プロ「ほんとに親切に教えてくれて感謝しています。特に情報をアウトプットする能力がずば抜けていて尊敬しています。」

同席した平野 良栄プロは、プロ連盟の公式戦などについてものすごいデータサイトを構築していて、興味深いデータを提示してくれた。

データサイト

そのサイトで、WRCリーグの総合ランキングを見ることができる。

 

100

 

通算得点は全参加者の中の1位で唯一の1,000ポイント超えだ。
その他、節単位浮き率なども1位となっている。
今回の優勝も「ダテ」ではないのだ。

えぬかわ「やっぱり実力が大きかったんだろうね。今期は予選の段階でかなり苦しかったけど、最終節帳尻合わせで大きくプラスして通過。」

あいだて「まさかWRC予選であんなに条件押し付けられるとはなあ。でもまあ(能力が)異次元だったので、事前の目標(LINE画像)をクリアして、なんとかなった。異次元ありがとう!」

 

100
100

 

と。
満面の笑みで調子に乗り、我が世を謳歌するかのような石立プロではあるが、ここに至るまでは色々な苦難があった。

話を冒頭に戻そう。

2015年
石立プロは、D1リーグとD2リーグを行ったり来たりで長い間、勝てずにもがいていた。

あいだて「プロ連盟を辞めようと思うんですよね。」

えぬかわ「はぁ!?」

あいだて「いや、全然結果出ないし、強くならないし、先も見えているかな、と。」

自分語りになるが、私は誰かにプロをやめようかという話をされたときに引き留めたことがなかった。
「やめようか」と感じる時点で確かに能力的にも精神的にも限界が見えているし、無理して残って報われる世界でもない。やめたほうが良い。

ただ、その時、はじめて私は石立プロのことを引き留めた。
理由は付き合いが深く情があったから、ではなく、本当に彼の能力が卓越したものだと常々感じていたからだ。

対局後に振り返りで発する言葉の数々に、非凡な観察眼・洞察力・記憶力・分析力がキラキラと光った。視野の広さ、考察の深さは目を見張るものだった。
ある時は「だって、あの時の三筒の2巡前の九索は手出しだったんだから当たり前だろ!?」と断言できる明晰さがあった。
ある時は「何切るなんだけどさ、三万四万六万七万七万八万九万…」と私が言いかけると、まだ14牌を言い切ってないのに問題の意図までを察し「九万!」と答える敏さがあった。
能力の塊だといつも嫉妬さえ交じって感心していたものだ。
加えて彼は練習も多くこなし、対局映像を良く観て勉強熱心だった。

ただ、麻雀は、だからといって結果が伴わない事もよくある。

えぬかわ「気持ちはわかったけどさ…もう少し別の角度から頑張ってみない?」

あいだて「うーん…わかりました。でもその代わり、つきあってほしいことがあるんですよね。それと最終節の自分の試合を後ろからみてほしいんです。」

私は快諾し、彼と秘密のトレーニングを始めることにした。内容は本稿では記さない。

すぐに結果は出なかった。

後ろ見する予定だった最終節はオーラス渾身のダブ南500・1,000をアガるも次点で昇級できず。
2015年の9月にはチャンピオンズリーグ決勝進出も西島一彦プロに完敗。
2017年には日本オープン決勝に進出したが、あと少しで優勝のところで渋川難波プロの逆転に屈した。

対局後のインタビューで「実力不足だと思います。今はこれが精一杯です」と溢れる涙を震える声と共にこらえた。

トレーニングが終わった後、泥酔しながら。
「俺は麻雀が弱い。生まれ変われたら次は麻雀が強い人になりたい…」とこぼすこともあった。

それでも、あいだてさんは諦めなかった。
さらに数多く練習を課し、研究を重ねた。

そして、酒を飲み干しながら、まるで夢を口にする学生のようによく語り合った。
東京駅丸の内口、新橋SL広場、門前仲町の公園…

=======================================
徒然草百五十段

能をつかんとする人「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得て、さし出でたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。
=======================================

そんな時にあいだてさんに私が教えてもらった言葉だ。

芸を身に着けようとするとき「下手なうちは外にでないで、自分で練習して上手になってから人前にでよう」とする人が多いが、それは間違いだ。そんなことでは何も成し遂げられない。という兼好法師の訓えだ。

あいだて「うまくなってから大会に出る、映像に出るとか言ってるやつ、まじでむかつくんだよな。恥かいてもいいから、泥すすってでも、とにかく何でもやって強くなるべきなんだよ!いろんなみじめなこともあって、気持ち凹むこともあるけどな。おれ、わかったんだよ。たいていのことは勝ったら解決する!」

ほとんど呂律が回ってない状態であいだてさんはよく空に向かってつぶやいた。

そしてその先に今回の戴冠があった。

彼の思想・考え方のルーツはどこにあるのだろう。

えぬかわ「あいだてさんはさ、なんか趣味とか打ち込んだことがあるものとかある?」

あいだて「無いなあ。」

えぬかわ「学生時代に部活とかもやらなかった?」

あいだて「帰宅部だったしなあ、大学まで麻雀も知らなかったし。」

えぬかわ「あ、でも前言ってなかったっけ?家に漫画が何百冊もあるって。」

あいだて「ちょっと整理したけど、一番多い時は1500冊くらいあったよ。」

えぬかわ「一番好きな漫画って何?感銘受けたものとか。」

あいだて「ドラゴンボール、とか。『強えーやつと戦いたい!』『もっと俺を強くしてくれる場に挑戦したい!』とか、考え方に影響を受けているかもね。」

えぬかわ「あーなんかわかる。麻雀の漫画とかは?」

あいだて「好きなものいっぱいあるけど、ウヒョ助(塚脇永久)さんの作品は麻雀以外でもスピリッツ連載のころから好きだよ。絵柄も好きだし。」

えぬかわ「いいよね。『鉄鳴きの麒麟児』なんかも様々な困難を経て主人公が成長し、強くなっていくストーリーだしね。」

石立プロは、王位戦予選の参加を経て、プロの世界に興味を持ち、プロ連盟に入会した。
ドラゴンボール主人公の孫悟空のように。

「どんな強いやつがいるのか?」
「ここにいればどれだけ俺を強くしてくれるんだ?」

そして数知れない挫折や屈辱を経験し、それでもそのたびに立ち上がってきた。

最後に最終戦の東4局のことを紹介したい。

 

100

 

親番でテンパイ。
そこに一筒を持ってきて、意を決して加カン。

えぬかわ「リードしている立場。鳴いている状態でカンドラを増やすのは勇気がいると思うんだよね。」

あいだて「まあ、そうだけど、勝負所だからな。それに、点棒状況から、ここで満貫とか振り込んでも、もう一度アガれば良いと冷静に考えることができていた。」

えぬかわ「カンの直後、下家の笠原プロがリーチ。その同巡、超危険牌の五筒を持ってきたのだけど、すっと音もなく切ったよね。安全牌のようにあまりにも自然に切ったので、実況でも触れられなかったけど。よく…切れたよね。」

あいだて「同じことだよ。行くべきだと判断していたし、それに委ねただけ。今回の収穫は『決勝戦だからと特別に捉えすぎずにいつも通りに打つ』と自分に課した約束を実行できたこと。結果もついてきたし自信になったなあ。」

えぬかわ「すごいなあ…結果太田プロから4,800のアガリ。個人的にはこの局が優勝を決めたと思っているし、本当に美しい打五筒だと感動したんだ。強かった!」

あいだて「いや、まだまだどうなるかわからないと思っていた。オーラスに跳満ツモで逆転される状況だったのだけど。『そうなっちゃたら仕方ないな、悪いね、応援してくれてるみんな』って思ってた。そんな条件、今まで何回もクリアされてきたし。でも、これまでは『絶対この1回で結果を出してやる!』っていう想いが強かったんだけど、今回は本当に勝とうと思ってなくて、『ちゃんとやろう』とだけ思っていたんだよね。」

えぬかわ「そうなんだね。繰り返しの話になってしまうけど、なんでこの五筒を普段通りに切れたと思う?」

あいだて「さあ…稽古かなあ。あと仲間の存在?」

えぬかわ「そうか…良かったね。正直5年前の日本オープン決勝戦とは見違えたよ。自信に満ち溢れ、落ち着いて堂々としていた。きっと経験と努力がそれを可能にしたんだね。本当におめでとう!あ、それと、これ優勝祝いのプレゼント。」

あいだて「うお…なんだ…なんで…これは。すげぇ嬉しい…」

 

100

 

大好きだという漫画家のウヒョ助さんが優勝のお祝いで色紙を描いてくれた。

 

100
インタビューの様子
えぬかわ「ウヒョ助さん、日本オープン負けた時の悔し涙をみて応援してくれていたんだよね。」

 

100

 

あいだて「これ、カラーだよ?時間かかっただろうなあ…先生、忙しい時期だって呟いてたのに…これは自慢したい!」

えぬかわ「この記事がアップされるまでは待ってね。ホント良かったね!あいだてさん。」

あいだて「うむ。麻雀勝つとだいたいのことは解決するな!」

えぬかわ「そうだね。今後の目標は?」

あいだて「そりゃ(プロリーグで)Aリーグ行かなきゃ話にならんでしょ!」

えぬかわ「うんうん、このところB1リーグで昇級争いをしているし、行けそうだな!」

あいだて「行けるかどうかはわからないけど、もう行ける準備はできている。そしてAリーグだったらどこまで自分を強くしてくれるか、それが楽しみでしかたがないんだ!」

石立プロは、優勝直後の深夜に、こんなツイートを残している。

 

100

 

うん。そうだね、きっと既にそうなっているよ。

今回の優勝はそれほど衝撃的で圧倒的だった。
技術もハートもチャンピオンに実に相応しい。
そして慕う後輩や心が通じるライバルがいる。
これをみて心を動かされた後進たちが、石立プロに挑戦しにいくはずだ。

この原稿は石立プロの優勝後、WRC世界リーチ麻雀選手権が行われたウィーンで書いている。
いうまでもなくJPML WRCリーグは、WRCルール=リーチ麻雀を世界に広めることを想定して創設された。
世界選手権で優勝した奈良圭純プロは、素晴らしい麻雀を世界に披露した。
でも、その時に私は思ったんだ。
あいだてさんの麻雀を世界に紹介したい!

能をつかんとする人の同士。
あいだてさんの新しい一歩を楽しみにしている!!

第17期女流桜花 Bリーグ 最終節成績表

A C1 C2

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節
1 井上 絵美子 111.7 24.7 ▲ 8.1 30.4 79.5 ▲ 14.8
2 高宮 まり 103.9 ▲ 21.8 16.6 11.1 55.5 42.5
3 北條 恵美 85.3 47.9 25.8 ▲ 24.3 27.9 8.0
4 蒼井 ゆりか 85.2 ▲ 37.2 ▲ 18.5 104.3 24.4 12.2
5 後藤 咲 74.0 36.1 ▲ 4.5 20.7 0.0 21.7
6 早川 林香 63.5 16.8 ▲ 19.9 60.0 ▲ 21.4 28.0
7 大野 彩乃 62.0 55.4 13.5 ▲ 25.5 ▲ 8.0 26.6
8 武石 絵里 39.2 5.8 ▲ 1.4 ▲ 14.7 68.8 ▲ 19.3
9 黒沢 咲 35.0 ▲ 16.8 21.5 26.0 ▲ 21.4 25.7
10 天音 まこと ▲ 5.3 10.7 ▲ 14.8 ▲ 21.2 42.1 ▲ 22.1
11 中野 妙子 ▲ 10.0 ▲ 10.1 2.4 33.7 ▲ 31.9 ▲ 4.1
12 稲岡 ミカ ▲ 10.8 ▲ 18.6 52.8 ▲ 14.9 ▲ 51.1 21.0
13 藤井 すみれ ▲ 36.2 ▲ 6.1 56.1 ▲ 30.4 0.0 ▲ 55.8
14 小笠原 奈央 ▲ 40.1 12.6 ▲ 1.1 ▲ 17.2 ▲ 23.7 ▲ 10.7
15 北野 由実 ▲ 44.9 ▲ 12.5 ▲ 4.0 ▲ 72.4 ▲ 11.3 55.3
16 一瀬 由梨 ▲ 58.7 ▲ 8.1 ▲ 4.5 ▲ 23.5 ▲ 22.6 0.0
17 楠原 遊 ▲ 65.8 ▲ 27.5 1.0 ▲ 13.5 16.2 ▲ 42.0
18 美波 智子 ▲ 74.0 2.4 ▲ 43.5 ▲ 8.4 ▲ 47.7 23.2
19 和泉 由希子 ▲ 147.1 ▲ 42.2 9.2 ▲ 19.6 ▲ 63.7 ▲ 30.8
20 西城 凛 ▲ 171.9 ▲ 12.5 ▲ 78.6 ▲ 0.6 ▲ 13.6 ▲ 66.6

第17期女流桜花 C1リーグ 最終節成績表

A B C2

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節
1 手塚 紗掬 268.9 95.3 26.5 109.3 10.8 27.0
2 大久保 朋美 92.7 4.3 ▲ 1.3 87.5 ▲ 27.8 30.0
3 高橋 慧 83.2 17.7 5.5 39.6 20.4 0.0
4 松田 彩花 68.1 ▲ 15.6 60.2 ▲ 16.6 9.2 30.9
5 水越 京子 64.9 0.0 32.7 ▲ 41.9 ▲ 12.4 86.5
6 波奈 美里 54.6 ▲ 3.9 ▲ 2.7 0.0 27.3 33.9
7 香野 蘭 46.4 38.1 ▲ 0.9 ▲ 44.3 28.1 25.4
8 王 政芳 36.3 ▲ 28.6 78.2 ▲ 9.5 11.2 ▲ 15.0
9 吉田 祥子 13.6 23.2 ▲ 12.9 ▲ 24.0 ▲ 12.1 39.4
10 加賀谷 春歌 3.1 ▲ 31.8 ▲ 20.7 0.9 34.1 20.6
11 犬飼 あやの 0.9 ▲ 17.3 25.6 0.0 ▲ 0.4 ▲ 7.0
12 ジェン ▲ 0.7 7.8 68.6 21.0 ▲ 58.7 ▲ 39.4
13 駒田 真子 ▲ 9.1 41.6 ▲ 29.3 10.2 ▲ 48.1 16.5
14 長井 梨世 ▲ 12.0 ▲ 12.0 ▲ 25.6 12.5 ▲ 14.0 27.1
15 岡田 紗佳 ▲ 19.2 2.4 31.5 ▲ 41.0 47.9 ▲ 60.0
16 藤根 梨沙 ▲ 26.0 0.0 13.5 ▲ 13.5 ▲ 7.5 ▲ 18.5
17 齋藤 麻衣子 ▲ 29.8 ▲ 24.6 ▲ 98.7 78.7 63.7 ▲ 48.9
18 石田 亜沙己 ▲ 42.7 ▲ 17.1 ▲ 59.6 34.3 11.5 ▲ 11.8
19 宮内 こずえ ▲ 83.0 9.8 ▲ 45.5 ▲ 79.6 29.7 2.6
20 東城 りお ▲ 106.7 ▲ 12.3 ▲ 54.7 0.0 ▲ 39.7 0.0
21 美晤 ▲ 114.7 0.0 ▲ 36.5 ▲ 8.8 0.0 ▲ 69.4
22 音羽 なお ▲ 114.9 ▲ 112.7 ▲ 2.2 0.0 0.0 0.0
23 大月 れみ ▲ 124.8 93.4 ▲ 89.4 ▲ 14.5 ▲ 67.6 ▲ 46.7
24 京平 遥 ▲ 144.7 ▲ 48.3 35.9 ▲ 32.3 ▲ 100.0 0.0
25 土田 小緒里 ▲ 161.4 ▲ 10.4 50.8 ▲ 148.0 ▲ 9.6 ▲ 44.2

第17期女流桜花 C2リーグ 最終節成績表

A B C1

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節
1 蒼木 翔子 182.3 52.1 40.9 ▲ 33.1 101.3 21.1
2 さくら 美緒 159.6 94.2 ▲ 26.5 28.2 0.0 63.7
3 内田 みこ 122.3 26.3 33.6 0.0 107.0 ▲ 44.6
4 山口 やよい 110.2 19.1 ▲ 24.1 9.6 18.0 87.6
5 平岡 理恵 109.8 49.3 38.4 36.5 25.8 ▲ 40.2
6 安藤 りな 76.3 ▲ 13.0 18.2 48.0 23.3 ▲ 0.2
7 太田 寛子 64.6 68.7 38.4 ▲ 12.7 ▲ 20.4 ▲ 9.4
8 川上 玲 54.9 13.3 ▲ 13.8 12.4 38.2 4.8
9 星乃 あみ 51.4 20.3 18.1 0.0 ▲ 29.0 42.0
10 町田 志織 40.2 53.7 67.5 ▲ 48.5 ▲ 55.8 23.3
11 藤居 冴加 35.6 ▲ 10.4 ▲ 61.6 40.3 30.0 37.3
12 花宮 海咲 27.1 ▲ 56.1 56.6 44.5 ▲ 31.1 13.2
13 栗島 有紀 15.1 20.4 ▲ 3.6 ▲ 1.4 4.0 ▲ 4.3
14 夏川 夏未 4.5 10.6 27.0 57.0 ▲ 77.7 ▲ 12.4
15 木下 遥 3.7 0.0 10.3 ▲ 64.3 41.9 15.8
16 松本 千鶴 ▲ 0.4 ▲ 58.5 0.0 11.6 23.6 22.9
17 小平 螢 ▲ 11.0 ▲ 49.5 0.7 29.9 14.8 ▲ 6.9
18 美里麻 ▲ 12.9 ▲ 12.8 ▲ 8.3 0.0 8.2 0.0
19 保坂 麻璃莉 ▲ 29.6 ▲ 18.6 ▲ 29.8 44.5 ▲ 18.0 ▲ 7.7
20 古川 彩乃 ▲ 35.5 14.1 ▲ 55.2 ▲ 29.2 ▲ 13.2 48.0
21 藤田 愛 ▲ 38.4 36.7 ▲ 22.4 ▲ 24.5 10.5 ▲ 38.7
22 高橋 侑希 ▲ 40.2 ▲ 59.0 53.2 0.0 14.8 ▲ 49.2
23 桜木 里咲 ▲ 41.6 20.4 ▲ 34.1 ▲ 14.1 6.6 ▲ 20.4
24 襟川 麻衣子 ▲ 52.4 ▲ 27.1 ▲ 49.0 35.7 ▲ 28.9 16.9
25 香月 佑海 ▲ 56.6 ▲ 76.0 43.7 3.0 ▲ 27.3 0.0
26 夏目 一花 ▲ 62.9 ▲ 16.4 ▲ 41.3 43.4 ▲ 20.6 ▲ 28.0
27 内山 えみ ▲ 62.9 ▲ 54.1 25.5 ▲ 2.8 45.2 ▲ 76.7
28 夏目 翠 ▲ 74.2 11.9 ▲ 12.4 ▲ 30.4 ▲ 21.6 ▲ 21.7
29 優月 みか ▲ 81.4 0.0 ▲ 13.8 ▲ 73.3 0.0 5.7
30 松島 桃花 ▲ 81.4 ▲ 25.9 ▲ 83.0 ▲ 36.4 7.3 56.6
31 菊地 美羽 ▲ 84.9 ▲ 5.3 ▲ 25.8 ▲ 18.5 ▲ 49.6 14.3
32 関口 智恵 ▲ 123.3 ▲ 13.5 19.5 ▲ 2.4 ▲ 33.3 ▲ 93.6
33 美咲 優菜 ▲ 132.4 ▲ 62.7 83.9 ▲ 20.9 ▲ 79.6 ▲ 53.1
34 頼 さくら ▲ 192.6 47.8 ▲ 71.8 ▲ 54.1 ▲ 58.4 ▲ 56.1

第39期 A2リーグ 第6節B卓レポート

9月13日、第39期鳳凰戦A2リーグ第6節B卓が放送された。

対局者は石渡正志、白鳥翔、古橋崇志、井出康平。

 

 

後半へ向けて目標を昇級に定めたい白鳥、取り敢えずは残留争いの石渡・古橋。暫定最下位でなんとか踏ん張りたい井出という4者。

 

★1回戦

井出が東1局に700・1,300、東2局に1,300オール、さらに2,000オールと3局連続のアガリ。
井出がこのまま抜け出すかと思われたが、南1局2本場、親の石渡がトイトイのドラ単騎をツモり4,000オールで逆転。

 

 

トータルポイント的にもトップを明け渡したくない井出。南2局1本場の親番では高目11,600のリーチで決めにいくが…

 

 

一旦はリーチに迂回した石渡がドラを重ね、さらにドラを掴んだ井出からまさかの7,700。

 

 

井出としては心を折られるようなアガリとなった。1回戦トップは石渡。

 

★2回戦

平たい点数状況で迎えた南2局、白鳥が4巡目に国士無双2シャンテン。チャンスと思われたが、ダブ南を仕掛けた石渡がまたしてもドラ単騎のツモアガリ!

 

 

僅差のトップ目から一気に抜け出し連勝目前かと思われたが、オーラスには井出が渾身のリーチ。

 

 

ドラの中を暗刻にした3メンチャンをツモり、沈みの3着→トップまで浮上するアガリとなった。

 

★3回戦

南1局、またも石渡と井出のめくり合い。井出が先制で高目三暗刻の3メンチャンリーチをかける。

 

 

対する石渡はトイトイドラドラ。井出が圧倒的に有利な待ちであったが、制したのはまたしても石渡。

 

 

苦しい井出であったが、南2局にはまたしても復活の大物手。リーチタンヤオピンフツモイーペーコードラの跳満で原点復帰すると

 

 

テンパイ料などの失点で逆に石渡が沈みという激しい展開に。トップは細かく加点を重ねた白鳥。

 

★4回戦

ここまで高打点の放銃とアガリを重ねながら、なんとかプラスを維持してきた井出。今期2回目のプラスを持ち帰りたいところだが…
東2局、役牌と役牌のシャンポン待ちテンパイから、白鳥へリーチ、一通の5,200。

 

 

南1局、ドラ対子で仕掛けるも古橋へリーチダブ南の6,400。

 

 

南3局には白鳥のドラ暗刻の仕掛けに飛び込み8,000。

 

 

強い存在感を発揮しながらも放銃が重み、大きな4着となった。白鳥は本日2回目のトップで、トータルプラスを維持。

対局終了時点の全体成績は画像の通り。

 

 

 

石渡が+28.5Pの卓内トップで、マイナスをほぼ返済する結果となった。

次回A2リーグの放送は9/20(火)。
対局者は瀬戸熊直樹、客野直、明石定家、猿川真寿。

解説は紺野真太郎が務めます。
次回もぜひお楽しみに!

(文:浜野太陽)

第39期 B1リーグSelect 後期第1節レポート

【B1リーグSelect後期第1節 伊藤が3回トップで首位発進】

後期B1リーグ開幕戦、Select卓に選ばれたのは

伊藤優孝
石立岳大
森下剛任
滝沢和典

 

 

1回戦東1局。起家の伊藤がダブ東をポンして3,900オール。幸先良いアガリを決めてトップ。

 

 

2回戦は南2局に石立のヤミテンに捕まり19,900点持ちとなるが、次局はドラ六索暗カンのリーチをツモって跳満のアガリで2連勝。

 

 

伊藤はその後も崩れる事なくオールプラスの3トップ。+70.6Pをマークし首位に立った。

 

 

第11期JPML WRCリーグ優勝が記憶に新しい石立がSelect卓に登場。先述の通り、2回戦南2局の親番で伊藤から12,000の直撃を取るが

 

 

次局は跳満を親被りとなり、2回戦はラスを引いてしまう。しかし3回戦、今度は伊藤に競り勝ちトップを取ると

 

 

4回戦を浮きの2着にまとめて+1.8P。8位につけた。

 

 

森下は1回戦南3局の親番で高め345のリーチを打ち、三索ツモで6,000オールを決めるが

 

 

次局はドラ暗刻のテンパイがアガれず脇移動。後半の2ラスが響いて▲27.8P。13位となった。

 

 

滝沢にとって1日の分岐となったのも1回戦。南場の親番で役なしカンチャンテンパイから嬉しい六万を引きイーペーコーが完成するが

 

 

スライドした三万で伊藤のヤミテン満貫に放銃となってしまい1回戦はラス。2回戦はソウズのホンイツテンパイからツモ切ったドラ三筒が伊藤に7,700放銃と浮きが遠い1日となり、▲44.6Pの14位。

 

 

 

次回、第39期鳳凰戦B1リーグSelect後期第2節は

2022/10/1(土)13:00

ケネス徳田
二階堂亜樹
仲田加南
滝沢和典

解説:三浦智博
実況:早川林香

(文・吾妻さおり)

2022AKRacing杯予選D卓レポート

【躍動する日吉、~2022 AKRacing杯予選D卓~】

『藤崎智vs佐々木寿人vsHIRO柴田vs日吉辰哉』
当初の発表ではこの4選手だった。
日吉辰哉!?!?実況日吉辰哉の間違いではなくて?
と驚いた人も多かっただろう。

残念ながら直前に佐々木が欠場となり、その代わりに萩原聖人が出場するというサプライズ。
この豪華メンバーを見ようと、日吉の対局を一目見ようと、見ることはできないがTwitterの速報はチェックしようなど、注目度が高かったように思われる。
TwitterにいただいたRTやいいねは普段の十倍以上だった。

連盟チャンネルの実況ではおそらく100回を超えている日吉だが、意外にも対局で出演するのは初。
表情からもかなり緊張しているのが見て取れる。

 

 

なかなか緊張が解けなかった日吉だが、東4局の親番にドラ中が暗刻という好配牌を得ると、ヤミテンにしてHIRO柴田から12,000。
初アガリ、12,000の高打点と、だいぶ緊張も解けた様子。

 

 

東4局1本場

 

 

一発で発をツモり、なんと裏3!
リーチ、一発、ツモ、発、三暗刻、裏3の倍満だ。
こんな最高のアガリを得られると、日吉には感じられるナニカがあったのではなかろうか。
ここから1回戦は日吉の時間帯が続く。

4本場にて流局で親が流れて迎えた南1局5本場(供託3)

赤五万七万 上向き三筒 上向き四筒 上向き五筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き二索 上向き三索 上向き四索 上向き東東 リーチ ロン六万 上向き ドラ五筒 上向き 裏二索 上向き

HIRO柴田のリーチ宣言牌を捕らえて、リーチ、ドラ、裏、赤の8,000(+4,500)

南2局、発中、赤2の2,000・4,000。

四万 上向き赤五万四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き赤五筒 上向き六筒 上向き ツモ六万 上向き ポン中中中 ポン発発発 ドラ一索 上向き

南3局、中、赤2の1,000・2,000。

赤五万六万 上向き二索 上向き三索 上向き四索 上向き七索 上向き七索 上向き中中中 ツモ四万 上向き チー六筒 左向き四筒 上向き赤五筒 上向き ドラ三万 上向き

南4局、リーチ、赤2の7,700を満貫テンパイの入ったHIRO柴田から。

四万 上向き赤五万六万 上向き三筒 上向き三筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き赤五筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き九筒 上向き リーチ ロン四筒 上向き ドラ九万 上向き 裏八索 上向き

赤も多いし、恵まれてアガリを重ねているように思われるが、南3局の繊細なこの一手が光った。
次のキャプチャ、皆さんなら何を切るだろうか?
四筒が暗刻になっても赤五筒が出ていくので自己都合では四筒切りがセオリーだが、四筒は親の萩原の現物(次キャプチャ参照)。
日吉は五万より四筒を残す方が価値が高いと判断した。

 

 

 

 

すぐに親の萩原からリーチを受ける。
最近はMリーグの実況をはじめ引っ張りだこで、非常に忙しいからかリーグ戦は振るっていないが、日吉も20年選手。技術力は高い。
五万が残っていたら、攻め返せなかった可能性が高く、このアガリにはならなかっただろう。
解説の白鳥もこの手順を絶賛していた。

 

 

南4局1本場で萩原がアガって、日吉の一人舞台を終わらせたが、ここまでに稼いだ点数は90,100点。
圧倒的な差で最終2回戦を迎える。

1回戦終了時
日吉90,100点、藤崎30,700点、萩原20,900点、HIRO柴田▲21,700点

実況の松田「#日吉10万点を(Twitterの)トレンドにしましょう。トレンドにしてほしい。」
という盛り上がりとは裏腹に、最終戦の日吉は消極的な麻雀になってしまう。
東4局の親番ではダブ東を鳴かずにあっさり親を終わらせてしまったが、どうだったか。
失ってしまったナニカは萩原のもとにたどり着いたのか、萩原の猛追が始まる。

東2局、萩原4,000オール。

四万 上向き四万 上向き赤五筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き三索 上向き四索 上向き赤五索 上向き七索 上向き七索 上向き八索 上向き八索 上向き九索 上向き リーチ ツモ六索 上向き ドラ二万 上向き 裏六万 上向き

南1局3本場では、手堅くヤミテンにして供託5本を回収、日吉とは3万点差。

四万 上向き五万 上向き一筒 上向き二筒 上向き三筒 上向き四筒 上向き五筒 上向き六筒 上向き赤五索 上向き六索 上向き七索 上向き北北 ロン三万 上向き ドラ一筒 上向き

南2局の親番でも1,300オールと2回の1人テンパイで2万点弱まで詰めると、

三万 上向き四万 上向き二筒 上向き二筒 上向き六筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き五索 上向き六索 上向き七索 上向き七索 上向き八索 上向き九索 上向き リーチ ツモ五万 上向き ドラ二索 上向き カンドラ二索 上向き 裏二万 上向き カン裏一索 上向き

 

 

南3局はHIRO柴田、日吉もテンパイしていたが、一発でツモって2,000・4,000。
その差を7,000点にしてオーラスを迎える。
7,000点のリードなんて、赤ありの麻雀では無いようなものだ。

 

 

 

(南4局を前に天を仰ぐ日吉と、この1局と集中する萩原)

追い詰められた日吉だったが、ここで日吉を助けたのは数百回と行ってきた実況の経験だった。

脳内日吉「勝又さん、ピンフのテンパイですけどどうしますか?ヤミテンにしておいて、逆転の手が萩原に入ったときにアガるのがいいですか?」
脳内勝又「1,500点をアガっても、もう1局チャンスを与えるだけでしょ。リーチしてアガって条件を突きつけなきゃ。」
脳内は僕の想像ではあるが、こんなやり取りが思い出されたかもしれない。
5巡目ピンフのテンパイ、日吉はリーチを打って勝負を委ねた。

 

 

萩原も追いつく。
リーチのみだが直撃でもツモでも、一発か裏ドラが1枚乗れば逆転だ。

 

 

 

日吉「これで僕が放銃して、(萩原さんは)さすがのヒーローだなあ、というところまで想像(覚悟)していたんですけども、応援してくれる皆様のお陰で――」

 

 

運命の1局は日吉がツモアガリ。裏ドラ1枚を乗せた2,600オール。
これで萩原を倍満ツモ条件として、辛くも逃げ切ることになった。

2022AKRacing杯もいよいよ決勝戦。
各卓を勝ち上がった次の4選手で行われる。
白鳥翔vs和久津晶vs伊達朱里紗vs日吉辰哉
解説:滝沢和典
実況:松田彩花

ご視聴はこちらから。【無料放送】
youtube
OPENREC

(文:福光聖雄)

戦術の系譜34 森下 剛任

今回の戦術の系譜は親番での構え方(戦い方)をテーマにしました。

なぜこのテーマにしたかというと、私は親番と子の戦い方には人によってかなり個性が出ると思っているからです。
ざっくりわけると親番と子をあまり区別なく戦うスタイルと、親番と子の戦い方を変えるスタイルでしょうか。
私自身は親と子の戦い方を変えるスタイルです。

子での構え方としては、基本的に南家は親落としをメインに考え西家は自由。北家は親のツモ回数を極力増やさないように“ポン”は控えめにしています。子の場合は3人で親を落としに行くイメージです。

これらはあくまでベースで、手牌や捨て牌によっては戦い方が少し変化していくので、日々の稽古で自分なりのバランスを見つけましょう。

次に親番での構え方です。大きく意識している事は2つ。

1つ目は【リーチの使い方】です。

当然の事ですが親はアガリ点数が1.5倍なため、子は放銃したくない気持ちが強くなってしまいます。
そこを狙います!

 

100

 

100

 

現在の私の手牌は1シャンテン。ただ親番で七対子の一本化はあまりしません。テンパイできずに親落ちが最悪なパターンです。なのでここでは打北としました。

荒プロは序盤の切り出しからしても早そうな手牌。

 

100

 

終盤にホンイツをテンパイ。ヤミテンにする人も多そうだが私はリーチを選択。理由としては荒プロにテンパイが入ってそうで降ろしたい。
二筒五筒待ちがヤミテンでも出アガリ期待がそこまで変わらない。もちろんアガリたいが流局良しと考えたリーチでした。

 

100

 

結果は初牌の発でオリに回り、自分が望む結果となりました。

親のリーチは魔法の言葉と言われるように、相手に与えるプレッシャーは相当なものです。時には愚形のリーチのみですら全員を抑え込む力があるのです。

良い事ばかり並べましたが、リーチは諸刃の剣。逆にしっかり押し返され放銃になってしまう事も多々ありますが、戦況を見極め「今相手がどうされたら苦しいのか」という事を考えています。
麻雀は自分の事だけではなく、相手の心情を考えながら打つものです。

2つ目は【アクションの起こし方】
皆さんも経験があると思いますが、落としたくない親番。配牌が悪く絶望的な状況…。こんな時、皆さんはどうしますか?

・ツモに賭ける
・ほぼ諦める
・鳴きを入れて足掻く

様々な思考の方がいると思います。

 

100

 

王位戦の決勝戦。
現状の点数はトップ目ですが、この親番で優勝を決めようと思っていました。
そしてこの配牌。役牌こそトイツなものの、残った形は良くなくドラも無し。正直テンパイするかも微妙なところ。セオリー通りなら役牌をポンして、真っ直ぐ進めるのが普通ではないでしょうか。

しかし私は1巡目に小笠原プロから切られた九索をポン。これにはもちろん意志が存在します。
老頭牌のポンは相手側のケアする牌が手牌進行に不要な事が多く、役牌やトイトイ、チャンタ等の役のケアをしないといけません。
そうすることで巡目が深くなりがちで、テンパイ連荘する可能性が上がり親被りするリスクが減ります。

局途中の受け入れは最小限に抑え、字牌を打たずに場を重くします。相手からすると非常にやりにくく、堪ったものではないでしょう。
上手くいけば他家の手を完全に潰す事ができます。これが最大の狙いです!

逆に危険牌を打ち出してくる人がいる場合は、本手の可能性が高いので見落とさないように気を付けましょう。

 

100

 

この局はツモが噛み合いアガリに結び付きましたが、半分はテンパイ止まりになると思われます。
ブラフ込みの鳴きは、手出しする牌によって本物か偽物か判別されてしまうので熟練が必要です。

2つ目のアクションの起こし方は、頭ではわかっていても、いきなり実践でできるものではないと思います。
使いすぎると効力は落ちます、普段の稽古で練習して、効果がある戦況を見極め、試合で自信をもって実践できるようになれば、それがあなた自身の技になるのではないでしょうか。

3回にわたり、私の戦術の系譜を読んでいただきありがとうございます。
これからの麻雀に少しでも参考にしていただけたら幸いです。

拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。