第39期 A1リーグ 第10節C卓レポート

【第39期鳳凰戦A1リーグ第10節C卓 近藤が+47.1Pの1人浮き】

本日の対局者は
近藤久春
古川孝次
一井慎也
吉田直

 

 

1回戦は近藤が好調。3回アガって2人テンパイ、また3回アガって親番4本場では高めの東ロンで7,700は8,900のアガリ。
1回戦は+46.5Pの1人浮きトップを取ると

 

 

3回戦では親番で発トイトイ三暗刻が決まって本日2勝目。

 

 

+47.1Pの卓内1人浮き。まだ最下位ではあるが、残留への足掛かりを築いた。

 

 

古川は3回戦南3局、ヤミテンで高め一通の六万ロン。7,700(+1,000)のアガリで2着を取ると

 

 

4回戦では1シャンテンで手狭に受けて浮かせたドラ三万を重ねての古川らしいアガリ。

 

 

4回戦1人浮きトップでトータル▲0.6P。古川は7位キープとなった。

 

 

2回戦。近藤と競りの一井は親番で5,800のアガリ。このアガリが決め手となりトップを取るが

 

 

3・4回戦は僅かに沈んでしまい、▲17.0P。11位となった。

 

 

吉田は1回戦南3局3本場。ドラ暗刻のタンヤオで3,900オールは4,200オール(+1,000)でラス抜けに成功し、3着となる。

 

 

しかし3・4回戦の連続ラスが響いて▲29.5P。5位キープではあるが、トータルマイナス域に入ってしまった。

 

 

 

次回A1リーグ第11節A卓は
2022/10/26(水) 16:00

杉浦勘介
藤崎智
近藤久春
藤島健二郎

解説 HIRO柴田
実況 古橋崇志

(文・吾妻さおり)

第17期女流桜花Aリーグ第7節C卓レポート

第7節C卓に出場した選手は

 

100

 

二階堂亜樹・二階堂瑠美・和久津晶・伊達朱里紗の4名。

 

100

 

降級を気にせず打てるポジションにいる亜樹と瑠美は上を見ての一戦で、先に7節消化している鈴木を越えて山脇・内田・川原の結果を待ちたい状況。
和久津と伊達は全力で降級を回避したいポジションで、お互いより上位に立ちながら先に7節消化している12位菅原の一つ上の11位で終われれば残留が確定します。
12位13位で終わるとD卓仲田の結果待ちで、入れ替え戦の可能性もあり、14位以下で終わるとかなり厳しい結果待ちといった状況で始まりました。

 

100

 

1回戦でトップを取った伊達が2回戦のオーラスの親で高めの一気通貫をツモアガリ2連勝を決め、トータルで和久津に迫ると

 

100

 

3回戦、親で二筒五筒八筒待ちの先制リーチを打った和久津に対して

 

100

 

勝負手をぶつけていき、リーチ・ホンイツ・トイトイ・三暗刻の倍満直撃に成功。

この一撃を喰らい立場は逆転。
追いかける立場になった和久津でしたが

 

100

 

攻めに出たところを亜樹の仕掛けに捕まってしまい、伊達との大勢が決しました。

 

100

 

火のついた伊達の勢いは最後まで消えることなく続き、今期の女流桜花で溜まっていた鬱憤を晴らす圧巻の4連勝で残留を決めました。

伊達の猛攻に押し切られた和久津は痛恨の敗戦。
残留には翌週の仲田の結果待ちプラス入れ替え戦での勝利という、用意されているかもわからない細い道を残すのみとなりました。

 

100

 

<第7節C卓最終結果>
伊達+91.6P亜樹▲4.3P 瑠美▲33.2P 和久津▲54.1P

(文:越野智紀)

第20期プロクイーン決定戦2日目レポート

今年で20期を迎えたプロクイーン。
決勝は12半荘を3日に分けて行われる。

初決勝の蒼木が首位で終えた初日。
最下位、東城もまだまだひっくり返せる点差でスタートした2日目。

5回戦

東4局
ここまで、瑠美の2,000点、蒼木の2,000点、りんのの400・700と小場で進んでいたが、大物手が出る。
りんのがトップ目蒼木からリーチ、タンヤオ、ピンフ、ドラの8,000の出アガリ。

 

 

南2局
りんのがリーチ、ツモ、ピンフ、三色の4,000オール。
頭ひとつ抜けます。

七万八万九万五索六索七索七索八索九索五筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ九筒

南2局1本場
りんのが2着目瑠美から12,000(+300)。
蒼木から東が切られる→りんのが重ねてテンパイ→オリている瑠美が打つという流れで瑠美にとってかなり痛い放銃となった。

 

 

南2局3本場
瑠美が蒼木とのリーチ合戦を制する。
蒼木からリーチ、一発、ドラ3の8,000の出アガリ。

 

 

そのままゲーム終了。
りんのが大トップで首位浮上。

 

6回戦

東2局
りんのの勢いが続く。リーチ、一発、ツモ、タンヤオの4,000オール。
トータルでも周りを引き離すアガリ。

 

 

りんのの独走になるかと思われたが、東2局1本場
古谷のリーチ、ピンフ、ツモ、ドラ4の3,000・6,000が決め手となりこのゲームを制する。

 

 

6回戦終了時

 

7回戦
ここでもりんのを誰も止めることができなかった。

東1局
サクッと満貫ツモからのスタートからトップをとる。
リーチ、一発、ツモ、ドラ2

 

 

東城は痛恨のラスで後がなくなる。
りんのは8回戦抜け番の為、気持ちよくこの日を終える。

7回戦終了時

 

8回戦
後がない東城が2回の満貫をアガリトップに。
最終日に望みを繋いだ。

東2局
リーチ、ツモ、ピンフ、ドラ2の2,000・4,000。(ツモ牌は五索)

 

 

南4局
瑠美からリーチ、タンヤオ、ドラ2の8,000。

 

 

8回戦終了時

 

最終日は残り2回で最下位の1名が敗退になる。
東城は10回戦抜け番の為、9回戦で抜け番の瑠美を捲る必要があり、その後も2連勝条件と厳しい。

瑠美も1回抜け番がある分条件は厳しくなった。

他3名は差が開いてはいるが、直接対決なのでまだまだひっくり返る点差。

第20期のプロクイーンの栄冠を掴むのは誰か。

(文:蒼山秀佑)

第250回:プロ雀士インタビュー 木本 大介  インタビュアー:小林 正和

-2020年夏-
『そう言えばさー、最近アイツ誘っても来ないんだよ。何か聞いてたりするか。』

『えっ、そうなんですか。全然連絡取ってないので分からないです。』

定期的に開催される麻雀の練習会があった。練習会と言っても4人が集まって麻雀をする、いわゆるセットの事であって特に変わったものではない。強いて言うならば“今日のわんこ”ならぬ“今日のメンバー”という特徴があるくらい。要するに、取りまとめる人以外の3人はその日になってみないと対戦相手が分からないのである。僕らはそれを今風に“メンバーガチャ”と呼んでいた。

『コロナの影響もあるんじゃないですかね。実家にいるって聞いた事もありますし。』

新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行し、生活様式も少しずつ変わりつつあった。そして、アイツの姿もそれに比例するかのように消えていったのである。


-2021年夏-
『どうして白切らなかったんですか。小林さんだったら。』

『あれは普通に切り間違えたんだよ。ていうか先に“おめでとうございます”だろ。』

久しぶりにアイツと出くわした。場所は日本プロ麻雀連盟が配信対局の場として主に使用している夏目坂スタジオである。今日はあるタイトル戦の決勝戦で私が優勝し、アイツがその牌譜の記録員という具合だった。

『ていうか最近あんまり来ないけど麻雀打ってる?まー別に理由までは聞かないけど。』

『正直に言うと今は麻雀から少し離れてますね。でも採譜はずっと続けてますよ。』

『そうか。来年くらいには、ここで麻雀見させてくれよ。』

『分かりました!小林さん、今日はおめでとうございます。』

少し祝福の言葉が遅いとは思ったが、自身が優勝したかのような満面の笑みが今でも頭の片隅に残っている。それと同時にアイツと初めて会ったのはここであった事を思い出した。


-2018年夏-
『そこカン抜け入ってないよ。』

『あっホントですね。小林さんありがとうございます。』

採譜の勉強会に参加してから1年後くらいにアイツが入ってきた。

『僕まったく友達とかいないので麻雀打ちたくても打てないんですよ。小林さんってどれくらい麻雀打ってるんですか。』

『俺もそんなに打ってる方ではないけど。良かったら定期的に開催している勉強会来る?』

これをキッカケにアイツとは良く卓を囲った。最初の方はお世辞にも“上手い”“強い”と言った言葉は出てこなかったが、次第に違和感を覚えてきたのである。

『あれっ、何か打ち方変わった?』

『実は参考にしてる人を真似て打ち方変えてるんですよ。変ですか?』

『変ではないよ。良い意味でやりづらくなったていうか。参考にしている人って誰?』

『それは秘密です。』

『なんだよそれ。まーいいや。』

とにかく遠慮なしに、お互い駄目な所や気付いた所などを指摘し合いながら研鑽を積んでいく。そんな日々が続いた。
メンバーガチャの一員となったアイツは、それからはリーグ戦や他のタイトル戦の成績も好転し、順調にこのまま上向きに進むかと思われた。しかし麻雀という性質上、それは長くは続かなかったのである。

3期連続の鳳凰戦リーグ降級。

その頃からアイツは姿を見せなくなっていった。


-2022年夏-
過去最大参加者となった史上最激戦の新人王戦決勝が開催された。観戦レポートも兼ねてその対局を見守ったが、どこか一人見覚えのある顔が画面から垣間見えた。

“アイツ”だ。

そして、すっかり忘れていた去年の今頃に交わした会話を思い出した。

(あぁそういえば今年中には決勝の舞台に行きます!とか言ってたっけ。)

モニターにはアイツの満面の笑みが映されていた。

『僕が優勝すると思いますので、優勝者に相応しい麻雀を打ちたいと思います。』

会った時から手前味噌の発言が多かったが、今回ばかりは目をつぶって見させてもらう事にした。危なっかしい場面もあったりはしたが、常に自ら掴み取りに行く攻めの姿勢は正に優勝者に相応しい麻雀で、それをアイツは打ち切った。

そう“アイツ”とは“木本大介”であった。

【木本大介】
▪️東京出身
▪️33期後期
▪️27歳


-2022年10月某所-

 

100

 

小林『最後の半荘、3人の現物の七索切らないで何で五索切ったの?』

木本『あれは普通に切り間違えたんですよ。というより先に“おめでとう”じゃないですか。』

小林『そのツッコミ待ちだよ。おめでとう。それにしても最後までよく押し切ったね。特に南二索は俺には切れんわ。』

木本『最初の南切りは男と男の勝負みたいな感じでしたね。開局から自分のドラポンに対して周りが押し返してきたので。そこで火が付きました。二索切りは今まで見てきた他の決勝戦のシーンがふと降りてきたんです。ここは行かないとアガリ逃しになって逆転される気がしたんですよね。あそこでアガリきれた事で逆に優勝しなきゃなって緊張しましたけど。』

※対局内容に関してはこちら

小林『決勝戦の採譜担当しているよね。それが活きたという訳か。』

木本『実は言うと、採譜は元々する気は無かったんですよ。でもEリーグ対局後に前原さんとの面談があって、そこで勧められてやってみようかなと。今思うと、そのお声掛けが新人王戦の優勝に繋がった気がします。』

小林『俺も前原さんの一つ一つのお言葉が今の麻雀に繋がってる。研修生の時に、親番で第一打目に何気なく切った南に30分以上に渡ってレクチャーしてもらった事もあったなぁ。』

木本『小林さんもですか!自分も第一打に切った八筒に1時間以上に渡って色々と教えて頂きましたよ。』

小林『マジか!今思うとすごくありがたいよね。そう言えば実況の楠原さんが、大きな目標とするプロに前原さんとHIRO柴田さんって紹介していた下り。その中の小さな目標に客野さんと俺を挙げてたのにはビックリしたな。』

木本『セットに誘ってもらってから冗談抜きで一度も小林さんに勝てなくて。このままでは先には進めないと思ってからは真似するようになりましたね。』

小林『えっ。参考にしてる人ってまさか俺の事!?もっと他にいるだろ。』

木本『小林さんとセットしていなかったら今の自分はないですよ。』

小林『お世辞でも嬉しいよ。この際だから聞くけど、途中からセット誘われても来なくなったじゃん。何かあったの?』

木本『最初は小林さんの麻雀を真似てからは上手くいってたんですけど。更に上を目指そうといろんな意見を取り入れてたら自分でも何が正解か分からなくなったんです。』

小林『それでリセットていう訳じゃないけど、見つめ直す時間を意図的に設けたって訳だ。』

木本『そうですね。今では視界もクリアになってきて、覚醒したというか迷う事なく打ててますよ。』

確かに木本は初戴冠からの成績もすこぶる良い。鳳凰戦はもちろん、特別昇級リーグやJPML WRCリーグなどダブルスコア・トリプルスコアと首位を独走中である。

小林『一つ疑問が残るんだけど、麻雀から少し距離を置いたのに採譜は続けていたんだよね。それは何か理由とかあるの?』

木本『それはやっぱり前原さんからのアドバイスだったのが大きいですね。家族麻雀で多少なりルールは知っていたんですけど、Abema TVのRTDリーグに刺激を受けてプロを目指そうとした時は、まだ牌の扱い方や点数の払い方まで覚束なくて。たくさん練習してなんとか合格はできましたけど、前原さんには見透かされていました。とにかく打つ量と見る量を増やしなさいと。劣等生の自分に対しても熱くご指導してくれたのが今でも嬉しいんですよ。初めての放送対局でも前原さんが高い壁となって立ち塞がって頂いた経験も大きな糧ですね。感謝しかないというか、その時のお言葉を忠実に受け止めて今後も続けていきたいと思っています。』

木本はとにかく負けず嫌い。その反面、自身がミスした局や指摘された事に対しては素直に受け止める柔軟さを持ち合わせており、且つハングリーである。
優勝インタビューでの

“新人王のタイトルだけでは駄目だと思いますので、早くもう一つのタイトルが獲れるようにこれからも勉強して頑張りたいと思います。”

個人的にはこのコメントが一番嬉しかった。本当はどこか心配していたのかもしれない。ギラギラしていたあの時の情熱が薄れてしまったのではないかと。
しかし今は自信を持って言える。麻雀の灯が煌々と輝き出したと。

小林『最後に一言お願い。』

木本『モテるプロになります!』

 

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本人なりに挫折して、そこからもう一度自身を客観視する。試行錯誤しながらも今まで教えて貰った事を継続して努力してきたからこそ、決勝の舞台で力を発揮出来たのではないだろうか。

そして優勝という最高の恩返しが出来たのは、何よりも初心の頃から持ち続けてきた感謝の思いを忘れずにいたからに他ならない。

 

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第39期 A2リーグ 第8節A卓レポート

井出が連続の卓内トップ。残留へ向け前進!

11月1日(火)、第39期鳳凰戦A2リーグ第8節A卓が放送された。対局者は和久津晶、客野直、ダンプ大橋、井出康平。

 

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昇級圏を目指す和久津・ダンプ、暫定降級圏の井出・客野と、くっきりテーマが分かれた4名による対局となった。

 

★1回戦

東1局、親の和久津が中をポン。ドラと八万のシャンポンテンパイに取れるところ、なんとペン七万待ちを選択!ダンプから5,800のアガリ。

 

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続く一本場もカン二万を引き入れてピンフドラドラのリーチ!難なくツモっての4,000オールで一気に突き放し、初戦トップを獲得。

 

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和久津 +30.4

井出 +7.6

客野 ▲5.5

ダンプ ▲32.5

 

★2回戦

和久津の好調が止まらない。東1局1本場、親の客野が三色のリーチで先制するも、ドラ対子で追いついた和久津が5,200。

 

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東2局、親のダンプがドラ暗刻のリーチを井出からアガるも…

 

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流局や低打点のアガリなどで局が進行していき、オーラス時点では和久津の一人浮きの状態に。

 

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オーラスは井出が仕掛け、ジュンチャン三色の1,000・2,000で浮きに転じた。

和久津 +12.6

井出 +4.3

ダンプ ▲6.2

客野 ▲10.7

 

★3回戦

東2局1本場、ここまで苦しいダンプが南暗刻・高目三色のヤミテン。仕掛けた和久津から高目のアガリに。

 

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息を吹き返したダンプ。東4局には井出からピンフドラ1の親リーチがかかるが…

 

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現物待ちで役チャンタドラの8,000を客野から出アガリ。これがトップの決め手となった。

ダンプ +33.6

井出 +8.7

和久津 ▲15.0

客野 ▲27.3

 

★4回戦

ここまで3連続の2着と安定感を見せる井出。東2局、東ホンイツの1,300・2,600。

 

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南2局には客野の連荘により一旦逆転を許すも、3本場に高目三色のリーチが成就し再逆転。

 

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一方、ここまで3着→4着→4着と辛い展開の客野。南4局1本場、素点を伸ばすためドラ単騎のリーチを敢行!しかし、ここはドラ雀頭のダンプがチャンタの追いかけリーチ!

 

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12,000の放銃にまわり、客野としては浮き→4着の厳しい結果となった。

井出 +24.0

和久津 +6.1

ダンプ ▲11.1

客野 ▲19.0

本日終了時点のトータルは画像の通り。

 

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井出が前節に続き卓内トップ。残留ボーダー付近まで得点を回復した。また、和久津も+34.1のプラスで昇級圏へ浮上する結果となった。

次回A2リーグの放送は11月8日(火)。対局者は石渡正志、内川幸太郎、明石定家、柴田吉和。解説は三浦智博。次回も是非お楽しみに!

(文・浜野太陽)

第17期女流桜花Aリーグ第7節B卓レポート

第7節B卓に出場した選手は

 

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白銀紗希・吾妻さおり・桜川姫子・杉浦まゆの4名。

 

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降級ゾーンで始まった桜川と杉浦はお互いより上位に立ち、先に7節を消化している現在12位菅原の▲128.7Pを越えることが第一の関門。
その人事を尽くしてC卓伊達・和久津とD卓仲田の結果という天命を待つポジションまで登ることが目標。
2位白銀と7位吾妻はお互いのポイントが離れているので、それぞれがポイント持ち越しのプレーオフに向けてどこまでポイントを伸ばせるかといった自分との戦いといった状況で始まりました。

 

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ポイント上位の白銀が親で大量加点してトータル首位が見える位置までいくと

 

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吾妻も浮きに回る高打点のアガリを決めて1回戦を終了。

いきなり追い込まれる展開となった桜川と杉浦の二人の中から抜け出したのは

 

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2局連続で親の満貫をツモアガリした杉浦。
3回戦の大きなトップで目標クリアまで現実的な条件を残し迎えた最終戦オーラス

 

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親番で連荘し、満貫1回のところまで粘っていたが吾妻にアガリが出て万事休す。

一方で好スタートを切った白銀は2回戦以降で失速して3位に後退し、吾妻はポイントを伸ばすも順位は変わらず7位。

最後まで浮上の切っ掛けを掴めなかった桜川は16位で終わり、卓内トップも目標のポイントまで伸ばしきれなかった杉浦はかなり厳しい別卓の結果待ちとなりました。

 

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<第7節B卓最終結果>
杉浦まゆ+31.1P 吾妻+28.3P 白銀▲8.8P 桜川▲50.6P
(文:越野智紀)

麻雀日本シリーズ2022第6節別日対局レポート

【麻雀日本シリーズ2022第6節別日対局 河野高志・瀬戸熊直樹がポイントを伸ばす】

この日は別日対局となっていた23回戦・24回戦が行われた。

 

 

実況 梅中悠介
解説 齋藤豪
プレイヤー解説 柴田吉和

 

 

23回戦対局者は
黒沢咲
佐々木寿人
河野高志(RMU)
竹内元太(最)

 

 

竹内が高め345の三索六索待ちリーチ。
佐々木から三索ロンでリードする。

 

 

東4局。親番河野が七対子ドラドラ。ヤミテンで七筒をツモリ、4,000オールで逆転すると

 

 

南1局には一発ツモで満貫をアガってトップを取り、河野はトータル7位に浮上。

 

 

実況 梅中悠介
解説 齋藤豪
プレイヤー解説 佐々木寿人

 

 

24回戦対局者は
瀬戸熊直樹
柴田吉和
荒正義
魚谷侑未
 

 

起家瀬戸熊が親番を繋ぎ、2本場に荒から高めイーペーコーの一万ロン。裏ドラ1枚で親満のアガリ。

 

 

柴田が2番手で追う展開となるが、南3局5本場に柴田との2軒リーチを制して8,000は9,500(+1,000)の直撃。

 

 

24回戦トップを取った瀬戸熊がトータル2位に浮上した。

 

 

以上の結果により、25回戦〜28回戦の組み合わせが確定した。

 

 

麻雀日本シリーズ2022第7節は
2022/10/29(土) 14:00に行われました。

25回戦 鈴木 河野 柴田 魚谷
26回戦 佐々木 多井 白鳥 黒沢

解説 齋藤豪
実況 梅中悠介

放送は下記よりご覧いただけます。

(文・吾妻さおり)

第39期 A2リーグ 第7節D卓レポート

10月25日(火)、第39期鳳凰戦A2リーグ第7節D卓が放送された。対局者は紺野真太郎、客野直、古橋崇志、柴田吉和。

 

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±0付近の紺野・柴田と暫定降級圏の古橋・客野という卓組。紺野・柴田としては「勝ちたい」よりも「負けたくない」1日となりそうだ。

 

★1回戦

南1局、親の古橋にドラ暗刻。苦しい形ではあったものの、仕掛けてタンヤオドラ3のアガリ。

 

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続く南2局1本場、古橋にまたも高打点。ツモホンイツの2,000・4,000で大きく抜け出す。

 

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オーラスには柴田が力の入った4,000オールをツモアガるも…

 

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古橋が逃げ切り、1回戦トップ。

客野は道中メンホンチートイツのハネマンツモアガリなどもあったが、古橋・柴田による好調のあおりを受け、初戦は大きく沈む結果となった。

古橋 +28.0

柴田 +18.9

客野 ▲19.6

紺野 ▲27.3

 

★2回戦

暫定降級圏の古橋・客野によるめくり合いが連発。

東2局、親の古橋がリーチタンヤオドラ1、客野がタンヤオ三色。高打点同士のめくりあいは、客野に軍配。2,000・3,900のツモアガリとなった。

 

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南2局には親の古橋がツモり三暗刻のリーチ。北をアンカンしており迫力十分であったが、ここもタンヤオの客野が押しきり500・1,000のアガリ。

 

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2回戦は客野がライバル(ポイント上)の古橋に対しトップラスを決める格好となった。

客野 +19.5

紺野 +11.6

柴田 ▲5.0

古橋 ▲26.1

 

★3回戦

東2局1本場、柴田にドラ対子のヤミテン。中単騎テンパイの客野は終盤に掴んだ七万を止め、テンパイを崩して打六筒とするが…これが柴田への放銃に。

 

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続く東4局、柴田が中を仕掛け、対子で持っていたドラが暗刻に。カン六万を引き入れ四筒七筒待ちになると、あっさりとツモアガリ。

 

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3回戦トップは、このリードを守りきった柴田。

柴田 +24.2

古橋 +5.2

紺野 ▲11.0

客野 ▲19.4

 

★4回戦

東2局2本場、客野が發・高目ドラのリーチ。他3者も次々とテンパイを入れ4軒のめくり合いとなるが、ここは客野が高目のツモ。2,000・3,900のアガリ。

 

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東4局2本場、世にも珍しい手牌が現れる。紺野が三色同刻・三暗刻確定のテンパイ!ヤミテンに構え、柴田からのアガリ。

 

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振り込んだ柴田も、まさかの牌姿を見てこの顔。

南3局・南4局と紺野が連続でアガリを決め、浮きの2着をキープした。

客野 +16.2

紺野 +7.4

古橋 +1.4

柴田 ▲25.0

本日終了時点のトータルポイントは画像の通り。

 

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柴田が最終戦4着も、+13.1Pの卓内トップ。大物手が連発しながらも、結果としては大きな動きのないスコアとなった。

(文・浜野太陽)

第39期 A1リーグ 第10節B卓レポート

【第39期鳳凰戦A1リーグ第10節B卓 藤島が+46.4Pで3位 決定戦圏内に】

本日の対局者は
藤島健二郎
藤崎智
西川淳
HIRO柴田

 

この日の卓内トップは藤島。
西川のテンパイ打牌となったドラ白を片アガリでロン。1回戦2着を取ると

 

 

3回戦南場の親番ではイーペーコードラドラ、カン四万をヤミテンで藤崎から7,700。

 

 

トップ目に立った南2局にはリーチを打って満貫のツモアガリ。

オールプラスで+46.4P、鳳凰位決定戦圏内の3位まで浮上した。

 

 

藤崎は1回戦東3局、ピンフのみの四筒七筒をヤミテン。

理想の六索ツモで勝負手に切り替えてリーチを打ち、満貫のツモアガリ。

 

 

2回戦の親番では藤島が白をポンして高め大三元テンパイ。ドラのトイツ落としで藤崎のロン牌二万を待ち牌にされるも、2人テンパイで流局。

 

 

2連勝で+49.4Pまでポイントを伸ばすが、前述した藤島へのカン四万放銃から下降し2ラスを引かされてしまい、+2.7P。トータル8位となった。

 

 

一方西川は2ラススタートで▲56.4Pと苦しい前半戦となったが、3回戦は南3局にドラ3の手がアガれて浮きの2着。

4回戦東2局1本場には藤島のカン七索の確定三色のヤミテンが入っていたが

 

 

七索を2枚使ってのリーチで1,300・2,600は1,400・2,700のツモアガリ。
4回戦にトップを取った西川は▲19.5Pに抑えて4位に踏み止まった。

 

 

H柴田はここまで3着3回。4回戦はラス目で残り2局。まずは親番西川が先制リーチ。続いて藤崎がツモ切り追っかけリーチと一気に場が沸騰する。

H柴田もタンヤオイーペーコードラドラの勝負手だが、待ちかえした次巡に八筒を引いてしまう。

少考した末の結論は二万五万待ちの3軒リーチ。

 

 

藤崎から満貫をもぎ取りラスを回避。H柴田は▲29.6Pで首位をキープした。

 

 

 

次回A1リーグ第10節C卓は
2022/10/19(水)16:00

古川孝次
一井慎也
近藤久春
吉田直

解説 森山茂和
実況 古橋崇志

(文・吾妻さおり)

巣鴨本部道場 2022年10月度プロアマオープン大会成績表 10月度最終結果(※プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 チン トー 34 294.3
2 藤原隆弘 53 259.5
3 岡本浩一 48 254.4
4 凄悦 49 251.8
5 松村祐輔 20 243.6
6 Andy-San 38 226.8
7 加藤はるみ 58 222.7
8 後藤竜司 29 210.6
9 稲熊勝明 38 202.8
10 大友政裕 17 199.9
11 グリーンマン 42 196.2
12 前原由紀子 31 192.5
13 なしお 32 175.8
14 立岩知朗 27 174.7
15 井出博幸 33 149
16 ラッキースリー 60 144
17 ししゃも 56 140.2
18 山田樹 20 137.4
19 こしの 42 136.2
20 スロット麻雀厨 84 135.8
21 クンロク 34 131.8
22 とがし 19 130.7
23 タケタケ 36 129.4
24 mei 25 125.4
25 山部正人 16 117.5
26 キモト 30 110.8
27 中村 72 109.6
28 かずや☆雀アカ 48 107.5
29 じゅんじゅん 83 101.9
30 高橋大輔 24 90.8
31 佐藤正道 30 76.4
32 宇田美有紀 17 73.2
33 チンテンイ 19 61.5
34 さえり 22 51.7
35 岩渕信明 26 48.2
36 ハチロー 18 20.7
37 藤次祐紀 67 17.4
38 小林泰士 24 10.1
39 山本和幸 37 3.7
40 市川幹人 48 3.2
41 青木保則 18 1.7

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 ラッキースリー 20 132.1
2 グリーンマン 16 127.4
3 凄悦 17 92.7
4 加藤はるみ 17 89.9
5 極楽7 12 81.4
6 ヒロベエ 12 77.7
7 有田将之 11 77.5
8 ドロンボーZ 12 76.8
9 じゅんじゅん 15 71.3
10 宗形周平 12 67.5
11 ルギア 24 65.8
12 関光穂 14 64.6
13 西部健寛 8 60.2
14 中村 20 56.2
15 御子柴佑梨 8 52.2
16 藤次祐紀 21 51.5
17 スロット麻雀厨 22 47.2
18 チン トー 14 42.9
19 くまっち 8 40.9
20 井出博幸 18 40.7
21 mei 12 39.6
22 高橋大輔 8 39.3
23 原佑典 8 38.8
24 かずや☆雀アカ 14 31.3
25 市川幹人 16 29.3
26 じゅんきち 11 24.6
27 大町 12 16.6
28 BBQ 9 9.2

 

 

第4期若獅子戦ベスト16B卓レポート

【第4期若獅子戦ベスト16 B卓 勝ち上がりは梅本翔・岡崎涼太】

若獅子戦ベスト16B卓の対局者は
梅本翔
釜山甲太郎
岡崎涼太
林雅人

 

【1回戦】

勝負はいきなり動いた。
マンズのホンイツ狙いの林は、親番岡崎のリーチ宣言牌北をポンして、満貫確定の六万九万待ち。

 

 

しかし、真っ直ぐツモ切った四索は岡崎の高め三色のロン牌で11,600。

放銃した林は東2局も2巡目テンパイ。西単騎で先制リーチを打つが

 

 

親番釜山がドラドラ七対子で追いつき12,000(+1,000)のアガリ。

次局は梅本が一索を暗カンしてリーチ。高めの七筒ツモ。2,000・3,900は2,100・4,000。

 

 

瞬く間に箱下寸前まで追い込まれてしまった林。東場の親番で2局連続のアガリで粘るが、連荘はここまで。

 

 

梅本が手数で圧勝し、1人浮きトップを取った。

 

【2回戦】

梅本は2回戦もヤミテン、リーチ、鳴きを効果的に使い分けて軽快にアガリを積んでいた。

オーラス親番ではドラの三索を暗カンして4,000オールのアガリ。再び1人浮きトップの体制を整えるが

 

 

1本場は釜山がリーチツモ七対子のアガリ。浮きの2着に滑り込んだ。

 

 

 

【3回戦】

3回戦南3局。親番釜山が2,600オール。供託込みで11,700の加点に成功し、トップ目に立つが

 

 

オーラス親番の林からリーチが入り、現物の南を切ると梅本からロンの声。痛恨の7,700放銃で沈みの2着となってしまった。

 

【最終4回戦】

釜山と10.3P差で最終戦を迎えた岡崎。
東2局の親番で確定三色のリーチ。3,900オールで釜山をかわしてトータル2番手になると

 

 

東3局の釜山の親リーチを受けるも、仕掛けてアガリ切る。

 

 

南場の釜山の親番でも1,000・2,000のツモアガリ。

 

 

釜山に跳満直撃条件を押し付け、オーラスは全員ノーテンで流局。

第4期若獅子戦ベスト16B卓の全対局が終了。
梅本翔
岡崎涼太
この2名がベスト8進出を決めた。

 

 

第4期若獅子戦ベスト16C卓は
2022/10/20(木) 11:00

渡辺英梧
藤間大徳
高畑敬太
新大地

解説 井出康平
実況 襟川麻衣子


 

 

(文・吾妻さおり)

2023版日本プロ麻雀連盟卓上カレンダーコラム:安藤りな

皆さんこんにちは( ˙꒳˙ )!!

2023年カレンダー広報担当になりました。
北海道本部の七彩の雪月華(なないろのせつげっか)りなたんこと安藤りなと申します。

今回憧れだった連盟カレンダーに、私も初登場させていただいて本当に嬉しかったです。
早く発表したくてウズウズしてました!!
2023カレンダーの素晴らしい部分をたっぷりお伝えいたしますのでよろしくお願い致します\(^o^)/

 

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結構大きめの卓上カレンダーです!

今年の日本プロ麻雀連盟カレンダーには、総勢28名の麗しい女流プロが登場。
何と初登場の女流プロも6名!!過去最高出演人数!!豪華!!!

各テーマに沿って、衣装、小道具、構図等、趣向を凝らした作品に仕上がっていますので、じっくり隅々までご覧ください(∗ ˊωˋ ∗)

 

1月担当 黒沢咲・和泉由希子

 

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2023年をお出迎えしてくれるのはこちらのお2人!
新年に相応しい上品で高貴な雰囲気漂う、綺麗な御二方を眺めながら新年を始めましょう!

 

2月担当 東城りお・岡田紗佳

 

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バレンタインデーがある2月は、手牌もお菓子も美味しく仕上げてくれそうなお2人のセクシーなツーショット!
2人ともめっちゃ可愛いよおぉ。目の保養。
手作りチョコほしーーー!!!!

 

3月担当 宮内こずえ・石田亜沙己

 

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大きめな白シャツということは、、? 彼氏の白シャツ借りちゃったシチュ?!
可愛いし超セクシー!!この姿で料理をしてもらって朝ご飯作ってほしいです(*´꒳`* )

 

4月担当 駒田真子・早川林香・一瀬由梨

 

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駒田プロ、一瀬プロ初登場です☆
袴!!レトロな雰囲気がめちゃくちゃ似合ってて世界観最高です!
お茶屋さん、、?こんなお茶屋さんがあったら毎日通っちゃいます!

 

5月担当 夏目翠・大久保朋美

 

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あわわわ、、お風呂に2人で入ってるのってセクシーさ倍増しませんか?
一緒に入るー?なんて言われたら、、キャ─(´∩ω∩`)─!!
お目目釘付けの1枚に仕上がってます!!

 

6月担当 二階堂瑠美・二階堂亜樹

 

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麻雀界最強の美人姉妹は6月に降臨です!
そして私は気付きました、共通点を。
このお2人は萌袖をしています。
はぁーたまりません、、
何を着ても美しいのは反則です、、、。

 

7月担当 杉浦まゆ・さくら美緒・安藤りな

 

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初登場の3人がいきなり水着で登場♪
黒色で統一したのですが、3人の個性がそれぞれ出てるので堪能していただければ嬉しいです!

 

8月担当 高宮まり

 

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お待たせいたしました。
このナイスバディーに悩殺された方は、手ーあげてーーー( ‘ω’)/ ハイッ!
今年も最強にえち可愛いです、、、
”才色兼備”を体現したような1枚。。

 

9月担当 蒼井ゆりか・和久津晶・手塚紗掬

 

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可愛い・かっこいい・綺麗がこんなに簡単に集まるんですか?!
可愛さとかっこよさがマッチしてて、個人的にかなり好きな写真です。
来年はこの写真を眺めて残暑を乗り切ります!!

 

10月担当 川原舞子・小笠原奈央・井上絵美子

 

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川原プロ初登場です♪
ハロウィンアーミー☆3人とも似合いすぎじゃないですか?!
迷彩柄と銃と美人って惹かれますよね、、狙われたら逃げないので仲間にしてほしいです←

 

11月担当 伊達朱里紗・魚谷侑未

 

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読書の秋の読書少女?!
清楚で知的な感じのお揃いのワンピースが可愛い〜っ
まさにお2人のイメージ通りですね☆
一緒に秋のお勉強デートも良いなぁ。

 

12月担当 菅原千瑛・松岡千晶・山脇千文美

 

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最後を飾っていただくのがこのキュートな3人です!
こんな可愛いサンタたちがプレゼントを持ってきてくれるなら、寝ないで待ってます///

いかがでしたでしょうかー?!
全部の月が良すぎて毎月お楽しみいただける内容になっております( ˘꒳˘ )☆

飾って毎日眺めるも良し!
推しプロにサインをもらうも良し!

卓上でも壁に貼っても皆様の日常を彩るカレンダーになっています!!

少しでも良いなぁと思った方はぜひご購入を!

 

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ご購入はこちらから!

KONAMI STYLE

第39期 A2リーグ 第7節C卓レポート

10月18日(火)、第39期鳳凰戦A2リーグ第7節C卓が放送された。対局者は瀬戸熊直樹、内川幸太郎、山田浩之、井出康平。

 

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瀬戸熊・内川の上位争いに山田が食い込めるか、井出が残留に向けてプラスできるかが焦点。

 

★1回戦

ここまでプラスで終えた節が1節のみ、トータル最下位と苦しんでいる井出が好調な滑り出し。

まずは東2局1本場、ドラ対子の仕掛けで発を加カン。盤石の3メンチャンは内川からの出アガリに。

 

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南2局2本場では、親の山田が北一索とポンしてホンイツへ。仕掛けが目立つ中、井出は危険な牌を切ることなくピンフイーペーコードラドラ高目三色のヤミテン。ここでも内川からのアガリに。

 

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井出 +21.0

山田 +11.5

瀬戸熊 ▲4.2

内川 ▲28.3

 

★2回戦

東2局、瀬戸熊が3副露の役役トイトイドラドラ、山田が役役ホンイツのピンズ仕掛け。終盤に危険なピンズを掴んだ瀬戸熊は、少考の末勝負。ハイテイでツモアガり3,000・6,000をもぎ取る。

 

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さらに南2局には内川の親リーチを受けながらチートイツドラ単騎をツモり2,000・4,000。

 

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ここでも好きにやらせてもらえない内川は連続の4着に沈む結果に。

瀬戸熊 +40.9

山田 +4.2

井出 ▲8.0

内川 ▲37.1

 

★3回戦

東4局1本場、親の井出がタンヤオのリーチ。ドラをポンした山田から3,900のアガリに。

南1局、親の内川が仕掛けてテンパイを入れるも、井出へホンイツ小三元の12,000。

 

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またも親番が落ちて20,000点付近に沈んでしまった内川であったが、南2局1本場には瀬戸熊の親リーチに追いついてリーチドラドラの5,200。

 

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オーラスには白トイトイの1,300・2,600で浮きの2着へ浮上。

 

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4着の場合危うくトータルマイナス圏へ突入するところ、なんとか踏みとどまった。

井出 +39.0

内川 +8.7

山田 ▲18.1

瀬戸熊 ▲29.6

 

★4回戦

小さなアガリで局が進行する中、南3局に井出の大物手。西をアンカンしてのカン二筒のメンホンを山田からアガリ、沈みからトップまで見える位置に。

 

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オーラスには、山田がツモれば浮きとなるカン七筒リーチ。仕掛けて三色テンパイの内川は放銃で沈みもある局面であったが、なんとドラを勝負!アガリきってトップを決めた。

 

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本日終了時点のトータルポイントは画像の通り。

 

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井出が+59.1Pの卓内トップ。今期2回目のプラスを持ち帰った。

(文・浜野太陽)

第249回:プロ雀士インタビュー 清水 香織  インタビュアー:西嶋 ゆかり

「モンド王座で清水さんが優勝されました」
この連絡を受けた時、控えめに言っても私は胸がときめいていた。
ナビゲーターから選手として復活し、即女流モンド優勝。そして王座優勝。
まるでドラマか漫画の主人公だ。

すぐに清水プロにお祝いのメッセージを送信する。程なくして清水プロから電話があった。
「もしもし」の次には「おめでとうございます」と言うつもりだったのに、

『ゆかりん、こないだのプロクイーンキツかったね』
『仕方ないこともどうにもならないこともあるよ、わたしだって散々あったよ』

と、清水プロから二言目に私が負けた対局の話題が振られる。清水プロが温かく力強い言葉をかけてくれるので、わたしも思わず自分の抱えていた感情を吐露してしまった。
ひとしきり話したあと、ようやくお祝いの言葉を伝える。

「モンド王座優勝おめでとうございます」

本題はこっちだ。
清水プロの気遣いに甘えてしばらくの間脱線してしまったが、それは珍しいことではない。相手の話を引き出すことも、それに耳を傾けることも、また相手を笑顔にする話術も持ち合わせている。相談事を持ち掛けたときは何時間だって付き合ってくれる。
知り合うまでは怖そう、厳しそう、近づき難そうと思っていたし、今もそういう印象を持たれている方もいるかもしれない。(怒られるかな汗)しかし実際会って話せばわかる。そういった印象とは真逆と言っていいくらい繊細な人だ。

西嶋「ついにこの日が来ました。いつか香織さんの優勝インタビュー私が書きたいって10年以上前から思ってました」

清水「そうなの?(笑)知り合ってからもうそんなに経つのかー感慨深いわ」

西嶋「そんなわけで会いに行きますのでよろしくお願いします!」

今回は久しぶりに清水プロの地元に会いに行き、王座戦のことや麻雀の話ができたのでその時のことをなるべく飾らずに書いていこうと思う。

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西嶋「王座戦、最後までドラマチックな麻雀でしたね」

清水「4回戦勝負って、抜け出せそうで抜け出せない。あの日すごい手がいいな、私今日ツイてんじゃんって思って打ってて、後で見返したらみんな手がいいし(笑)」

モンド王座戦の1回戦、最初に点棒を積み上げ好調かと見えたのは清水プロだった。

西嶋「そうなんですよ。1回戦なんて、なぜこれでトップじゃなく3着なんだって思いませんでした?」

清水「思った思った。親満親満てツモられて、自分はここぞってとこはアガれなくて、ジリ貧の3着」

西嶋「どう思いました?」

清水「何とも思わなかった」

西嶋「え?何とも?(笑)」

清水「うんまあ、あれだけ手が入って3着はきついなーとは思うけど、初戦で小さめの3着なら上出来でしょ。どうせ大体どっかでマイナスくらうんだから、これで済めばいいなぁくらいかな」

西嶋「積みあげたのにさらわれていったみたいな初戦に見えました」

清水「まあ、それが王座戦なんじゃない。みんな勝ち上がってきてるんだし」

清水プロがこんなことくらいで揺らぐとは思えない。ただ、ノータイムで「何とも思わなかった」と答えた時の涼しげな表情には私自身グッときた。やっぱり私の憧れてた「清水香織」だ。

西嶋「ああ香織さんだなぁって思ったのは、親の瀬戸熊さんのリーチに対してドラの中を押したところとか」

 

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清水「画面ではわからない、対局者にしかわからない間合いってあるでしょ?瀬戸熊くんほんの一瞬だけ、少しだけためらいの色が見えたように感じた。だから、絶好のリーチではないんじゃないかなと思って。ピンフのみではリーチしなかったけど、三色がついて…あの時瀬戸熊くんが点数なくて私がトップ目で状況はよかったんだよね。もう一発決めてもっと点差つけれるならと思ってリーチした。瀬戸熊くんがラス牌の三万ツモって、四索もカンできる形になってるの見て(ああ、できてるなこの人)って(笑)。それでその後の攻め具合もまた考える。自分が一番の絶好調だと思っていたけど、違うのかもしれないって」

 

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私は清水プロのこういう麻雀の話が大好きだ。麻雀が壮大な物語や映画みたいに感じられる、そんな語り口で話してくれる。現代流ではないのかもしれないけれど。

西嶋「これは一ファンとしてなんですけど、今回の決勝見て、香織さん何か変化があったのかなって思ったんですよね」

清水「1回戦のヤミテンとかもリーチいってたらもっと縦長の展開になったかもしれないし。実際終わってから、『一筒四筒はリーチだろ』って散々言われたよ」

南3局のことである。

 

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清水「魚谷さんが絶対にオリない親番。白鳥くんて、時間とってでもすごく色々考えて打つタイプじゃん。あの状況でなんで私からリーチきたの?って考えれば安いリーチは考えにくい。決め手が入ったんでしょって思う。まあまあ手が入ってない限り瀬戸熊くんもおりるでしょ。魚谷さんは100%くるじゃん。白鳥くんと瀬戸熊くんの利害が一致しちゃうじゃん。最終戦は三つ巴のはずが、東1局で魚谷さんが瀬戸熊くんから国士アガって、そこからも決め手のアガリ決まってるのほぼ魚谷さんだけなの。カン八索の三色も五索が通って押し出されるように八索で出アガリして、そのあとの3人リーチに勝ったのも魚谷さん。あの時点で魚谷さんも4,000オール6,000オールくらいでいけそうなところまで来てた。最初は放っとけばいいやだったはずが、そうはならなくなるでしょ。魚谷さん4,000オール、6,000オールとかやりそうじゃん」

西嶋「やりそうだし、やられたことあります」

清水「ヤミテンで万が一白鳥くんから直撃できたら5,200差をつけられる。ツモれば5,000点差。それはリーチしてればもっと点差作れるけど、リーチの危険と見返りが見合うかどうかの費用対効果みたいな話。ヤミテンでも5,000や5,200差つけられる可能性は大きいよ。他からの出アガリは2,600差だけど」

西嶋「いや、リーチしない人いっぱいいると思うし、たぶん私もリーチしないんです。こうやってその時の思考聞けば確かにって思うし。でも香織さんは…って思っちゃうの何なんですかね(笑)、見てる側が勝手に思い込みからイメージを作ってるのかなって」

清水「それが正しいよ。私はそういうタイプだし、そういう麻雀打ってきたもん。でも最後の最後、魚谷さんリーチ棒出るまで1,000点足らずで役満直撃条件しかなくて四暗刻逃してるじゃない。南3局で魚谷さんから2,600アガってなかったら、東1局とオーラスで役満決められて逆転されるなんてシナリオもあったかも。白鳥くんもオーラスで条件満たなくてファーストテンパイ取らなかったでしょ。結局は、2,600が最後までじわりと効いてたってことだよね。だから後々見ると、そういう勝ち運が自分に向いてて、それに沿った考えをその時できてたのかなって思った」

西嶋「すごく納得しちゃう話なんですよ」

清水「でも清水香織ならリーチだろってことだよね」

西嶋「そうです(笑)。しつこくてすみません」

清水「(笑)それは合ってるよ。ファンの人は清水香織ならリーチだろって思って見てたと思うし、あそこでリーチ打たなかったからオーラスあれだけ苦しんだんだろうって思ってると思う。でもそもそもオーラスはきつかったと思う。1回もアガれなかったもん、6本場まで」

オーラスの我慢比べは6本場までもつれ込んだ。

清水「5本場でようやくピンフテンパイした時、瀬戸熊くんにツモられたでしょ。あの時(これはやばいな)と思った。あれが6本場で遠い仕掛けをしたことに繋がる話なんですよ」

清水「去年の最強戦の決勝思い出して。瀬戸熊くん倍満ツモ条件クリアして勝ったじゃん。このまま放っとくと私もあれを食らうぞと。役満打ってるのにあそこまで競りに来られてるし。もう、ここが正念場だと思って、まず一打めにドラの発を切った。絶対行くぞと思ってたら3巡目に白鳥くんがスッと三万を切ったんだよ。あれほど手牌に慎重な白鳥くんがだよ。よっぽどこの人手がまとまってるんだなって思って、これは鳴いて速度上げてかないとサクッとアガられて終わると思った。で、その三万をポンした。ここが勝負局だって思えた」

 

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西嶋「あのポンすごかった」

清水「白鳥くんがノータイムで切ってきたからだよ。あれ鳴いてよかったな。鳴かないと白鳥くんにピンフのテンパイ入っちゃうから。リーチ打たれて自分も手が進まなくてオリちゃったかもしれない」

西嶋「麻雀見た時はいろいろ変化あったのかなって感じてたけど、こうやって話してると香織さんは変わってないと思えました」

清水「基本は変わんないんだよね。私は頭で考える麻雀よりは身体で、体感で打つ麻雀だから。そうやっていい思いも嫌な思いもしてきた中で、嫌な思いの方が印象とか心に残るっていうか、そこから学んできたつもりなんだよね。それで選択の幅っていうのは出てきたのかもしれないけど、基本的なスタンスは変わらないよね。常に一番後悔しない方を選ぶ。行かないと後悔するなら行くし、行って後悔するなら行かない方がいい。自分がこれで行くって思って打っちゃったらそれはしょうがないよね」

西嶋「だからあのタイミングで三万もポンいけるんですね」

清水「まあ今回は私っぽくないって思う人もいたと思うよ」

西嶋「私が見てきた香織さんの麻雀は、もっと火花が散ってる感じのことが多かったので(笑)」

清水「そうだよね。よく『見ててスカッとする』とか言われたから。思い切りやってる人見て発散するみたいな。そういう意味ではどういう麻雀が見たいと思われてるかわかってるつもりだけど、でも今回は絶対に勝ちたかったから貪欲に勝ちに行ったって感じかな」

 

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西嶋「大食いのYouTuberだって本当は満腹で苦しいことだってあると思うんですよね。でも美味しそうに食べてくれてるから、見てる側はなんか気持ちいいしごはんが美味しくなるんです」

清水「わかるー!私も好きでめっちゃ見るから」

西嶋「麻雀の映像対局も、自分ではなかなか出来ない道にトライしてたりするのを見て、ワクワクしたりして麻雀打ちたくなるみたいのがあるじゃないですか」

清水「だねぇ。相当無茶だけど、見ている人たちはこのターツ外してホンイツ行って欲しいんだろうなぁとか思うもん」

西嶋「じゃあ香織さんは大食いYouTuber的な側面もあるということでいいですかね」

清水「そういうことだね(笑)」

西嶋「でも基本的なスタンスはブレない」

清水「うん、そうだね、ブレない!」

過去にブログやインタビューなどで話したことがあるが、私が今連盟に所属しているのはこの清水香織という麻雀プロの存在があったからに他ならない。
十数年前、北関東リーグを見学したとき初めて生で見た清水プロは、それはそれは遠い存在に思えたものだった。テレビから飛び出してきた芸能人みたいなものだ。

久しぶりにゆっくり話せた栃木での夜の最後、清水プロはこう言った。

「ゆかりん達の先輩女流プロとして、これからも道無き道を歩き続けたい」

あの日から十数年を経て今日という日に繋がっていた。そして今日もまた何年後かのどこかの瞬間に繋がっている。麻雀プロを続けるということは何時でも通過点にいるということなのだ。

清水プロは今、キラキラ輝くモンド王座という1つの点を通過し、次の輝く点に向かい進み始める。
私はそれを追いかけていく。

 

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第39期 A1リーグ 第10節A卓レポート

【第39期鳳凰戦A1リーグ第10節A卓 黒沢が卓内トップで6位に浮上】

本日の対局者は
黒沢咲
杉浦勘介
前田直哉
勝又健志

 

+1.8Pで前半2回戦を凌いだ黒沢は、3回戦南3局にドラ六万を1枚切ってのリーチ。

 

 

ラス目からの嬉しい跳満ツモで浮きの2着。

 

4回戦は高めイーペーコーツモで満貫をアガると

 

南2局の親番では発ツモでトップを飾った。

黒沢は本日卓内トップの+25.0Pでこの笑顔。

 

 

杉浦は勝又から先制リーチをうけつつ、ドラ雀頭の六万九万待ち追っかけリーチ。ハイテイでツモって1回戦トップ。

 

 

2回戦もヤミテンの満貫ツモで2連勝。

 

 

2回戦終了時には残留枠の10位となるも、後半は失速してしまい11位キープ。

 

 

4着2着で徐々に上向きになって来た前田。3回戦の親番で九万ポンの西は2枚ともスルー。

 

 

清一色に仕上げて4,000オール。刻まず一撃の大きなアガリで3回戦トップを取り、2位をキープ。

 

 

3回戦まで▲43.8Pと今節は遅れを取ってしまった勝又。4回戦は3巡目にドラ切りリーチ。

 

 

トップ目の黒沢から5,200は5,800の直撃で600点差まで迫るも、この回も2着。8位となった。

 

 

 

次回A1リーグ第10節B卓は
2022/10/12(水) 16:00

HIRO柴田
西川淳
藤崎智
藤島健二郎

解説 吉田直
実況 古橋崇志

(文・吾妻さおり)

龍龍 若手女流大集合リアル麻雀大会レポート 千葉みほ

若手女流大集合!リアル麻雀大会!

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第4期桜蕾戦ベスト16C卓レポート

【桜蕾戦ベスト16C卓、岡田紗佳、松田彩花の勝ち上がり】

この日の対局者は、桜蕾戦のベスト16以上の常連と言える 4選手。
早速紹介しよう。

 

松田彩花(予選1位通過)

 

過去の桜蕾戦は第2期にベスト16。
今期はプロクイーンもベスト16に残り、女流桜花ではC1リーグからBリーグに昇級と好成績をあげている。
しかし、直近のプロリーグ(D2リーグ)が2節連続で大敗と不安な心境もあるか。

 

藤田愛(予選8位通過)

 

過去の桜蕾戦は第2期に3位。
プロリーグはE1、女流桜花はC2リーグ。
同じ公式ルールで行われた第2期に決勝に残っており、そのときよりも強くなっているとのこと。
(半強制的に、実況の大和に誘導されて言わされていましたが)

 

川上玲(予選9位通過)

 

過去の桜蕾戦は第2期ベスト16、第3期ベスト8
プロリーグはD3所属、女流桜花はC2からC1に昇級した。
元々はスピード重視の雀風だが、公式ルールに合わせて手役をみたりと調整中とのこと。

 

岡田紗佳(推薦枠)

 

過去の桜蕾戦は、第2期ベスト8、第3期ベスト16
プロリーグはC3、女流桜花はC1リーグ。
「(今までの桜蕾戦を振り返って)優勝候補と言われることも多くて、ちょっと気を張りすぎたことが多かった。どのタイトル戦も勝ちたいし、しっかり麻雀に向き合いたいと思います。」
このコメントに凝縮されているように思う。
なお、前日のMリーグで今期初トップだったので、疲れはあるだろうが気分は上々だろう。

前半はダイジェストでお伝えする。

 

◇1回戦◇
東1局に川上の高打点の先制リーチに親の松田が押し返し、12,000のアガリ。

 

 

 

この後、岡田が2回の三色同順をアガリ、トップとなる。

 

 

 

◇2回戦◇
親の藤田はドラ2の好配牌だったが、先に松田のリーチを受け、手痛い7,700の放銃となってしまう。

 

 

僅差のオーラスのスピード勝負は、松田が制してトップ。
藤田は痛い1人沈みだった。
川上は、トップは取れなかったものの、岡田と松田がリードしていた中、なんとか食らいついて浮きをキープできた。

 

 

2回戦終了時
岡田+29.3P、松田+22.7P、川上▲23.7P、藤田▲28.3P

瑠美「この中で経験豊富な松田、岡田がリードしているのは、川上、藤田にとって苦しい。」
松田も、『この半荘を浮けばほぼ勝ち、岡田より上の着順ならより良い』との考えだったそうだ。
川上、藤田の立場からの視点だと、 岡田か松田を沈めて、自分が浮いてないと、最終戦が厳しいというトータルスコアだ。

 

3回戦東1局
先制リーチは 親の川上。
松田の手の内で一番安全なのは、場に1枚切れの中だった。
リーチ、中、ドラ2の12,000。
待望の反撃である。

 

 

松田「1巡前に(親の現物の)四万を残すべきだった。あーやっちゃったなー、とずっと思っていました。」とインタビューで反省していたが、守備寄りなら白を先に切ってそうなので、 勘よく中を離さないと避けられなかっただろう。
気にやむミスではない。(もちろん激痛だが。)

 

 

川上、 同1本場もダブ東、ホンイツの4,000オール。
なんと東1局で逆転してしまう。

 

 

次は藤田の反撃。

 

 

東1局2本場、 親の川上のリーチの現物待ちで、岡田から白、ホンイツ、ドラの7,700。
3回戦の暫定の順位点を加えるとこの差、2人の見事な追い上げで大混戦になっている。
岡田+13.0P、川上+7.3P、松田▲1.3P、藤田▲19.0P

勝負の分かれ目は、次の東2局だった。
親の岡田が先制リーチ、そこに藤田、松田が追いかける。
オリてくれれば出やすい九筒だが、めくり合いになると自信は持てない。
岡田は内心『リーチはやり過ぎだったか?』と思ったかもしれない。

 

 

 

 

ここを藤田が勝つようなら、全然違った展開だったが、結果は岡田のアガリ。(放銃は藤田)
リーチ棒をいれて6,800点と前局の失点をほぼ取り返せたことは、岡田は嬉しく、藤田は非常に悔しい放銃だっただろう。

3回戦は川上が大トップ、岡田が川上と並び、松田と藤田が2人を追いかける構図になって最終戦を迎えた。

 

 

最終戦東1局
岡田がリーチ、ピンフ、タンヤオ、イーペーコーの7,700を藤田からアガる。
これで岡田の通過は濃厚。余裕をもって最終戦を進められるようになった。

 

 

岡田「今日はずっと内容悪いなーと思って。反省ですね。言い訳みたいになって嫌なんですけど、ずっとボーっとしててホントダメでした。今日勝てたのは、ツイていただけです。こんなツイていることもなかなかないので、次回はしっかり戦えるように(コンディションを)整えてきたいと思います。」

 

 

ここからは、川上と松田の二番手争い。
東3局、川上がタンヤオに振り替わるのを待ってからのリーチ。
以前の川上は、振り替わる前にリーチしていたかもしれない。
「手役見るように」とのコメントの通り、学んできている成果だろう。

 

 

リーチの判断には賛否があった。
局面を見ると、ライバルの松田が自風の北を仕掛けていて、ピンズのホンイツに移行したところだったが、川上の視点ではホンイツ移行を読み取るのは困難。
北の1鳴きに、ドラが数枚あるかも?と考えるくらいではないか。

 

 

結果は松田にとってかなり価値のある満貫のアガリになった。
川上がヤミテンにしていたらどうだったか、とは思ってしまうものだが、それこそ結果論だと思う。
ヤミテンを選ぶこともアリだし、決めにいくリーチもよかったと思われる。

最後の勝負処は南3局、松田が12.3ポイントリードして迎えていた。
川上に一撃逆転の手、南白ホンイツ、ドラ3の跳満のテンパイだ。
(浮きに回って順位点が9ポイント以上増えるのでアガると一旦逆転する)

 

 

藤田がドラの南を切ってリーチ。
それを川上は大明カンをして、倍満に打点を上げる。
倍満だと岡田を抜いてトータル1位になるので、オーラスの通過率が大違いだ。
どちらにせよ、松田と岡田からの出アガリは期待できない。
大明カンの一手だ。

 

 

川上のほしい五筒八筒は山に2枚。
藤田のアガリ牌の二索五索も山に2枚。

 

 

 

しかし、残酷にも嶺上牌に眠っていたのは、二索
これは川上に運がなかった。

オーラスは松田がアガって通過を決めたが、1、2回戦が終わった時点では、岡田と松田が圧勝してもおかしくなかった。
藤田「33期、つえー(強い)っす」がインタビューの第一声だったが、先輩相手に川上と藤田はよく健闘し、最後まで白熱した試合になった。
(岡田と松田が33期、川上が37期前期、藤田が37期後期)
きっと、善戦できたという思いと、それでもまだ実力差があるという悔しさの両方を持ち帰っただろう。

川上「もっとちゃんと出来るところがあったんではないかと…早く(放送を)見返したいです。」
出てくるたびに成長してくるし、成長のスピードも早い。来期もきっとさらに強くなった姿が見られるだろう。

普段より長いレポートになってしまうのだが、最後にこれを取り上げたい。
最終戦南2局の親番の松田は、仕掛けて一気通貫の500オールをアガった。
500オールにもかかわらず、僕はこのアガリに目頭が熱くなった。

 

 

 

松田は前回第3期の桜蕾戦ベスト16、セーフティリードと思われた南4局に関口智恵に逆転を許した。
おそらく、このリードからの敗戦は相当引きずっただろう。

 

 

レポートは(こちら

南4局は関口のテンパイが早く、どうしようもなかったのだが、その前の南3局の自身の親番をあっさり落としたことが反省点だったそうだ。
戻って本日の局面、ここで1,500点でもアガリにいった意図を推察すると、
・岡田が意図して逆転を狙ってはこないが、局を消化するアガリでも逆転されてしまう差。
この半荘の順位点の4ポイントも重要なトータルスコア。
・連荘して、ここで川上を突き放しておきたい。
見た目以上に、ここでの500オールの価値は大きいことがわかっている。

瑠美は道中にこう語った。
「悔しい思いをどれだけしているかで上達度が違うと思うんですよ。出る機会がそこそこあった2人(岡田・松田)は、悔しい思いを多く経験していると思うんですよね。」
事前のインタビューで「トーナメントの練習をしてきた」と語った松田。
このアガリに――たった500オールのアガリに――前回の反省を消化し、意味のある練習をしてきた、そんな松田の姿が映ったからである。

松田「ベスト8に向けて、またいっぱい練習して臨みたいと思います。」

 

 

 

ベスト16D卓
◇OPENREC

◇ニコ生

◇YouTube(メンバーシップ)

ベスト8A卓 10/28 16時~
ベスト8B卓 11/18 16時~

(文:福光聖雄)

第248回:プロ雀士インタビュー 奈良 圭純  インタビュアー:越野 智紀

第3回リーチ麻雀世界選手権

「NARA KEIJUN!」

 

100

 

第3回リーチ麻雀世界選手権に日本代表の1人として参加していた奈良ちゃんは、上位から順番に発表されていく32人の予選通過者の30番目にその名前が呼ばれ、両手を突き上げ喜びを爆発させていました。

場所は、日本から遠く離れたオーストリア・ウィーンのインターコンチネンタルホテル。
この予選通過者発表が行われた20分くらい前にロビーにて

「こっしーどう?」
「やばい。+69.0Pだからちょっと足りないかも。奈良ちゃんは?」
「最後3着で+74.6P。ボーダーの下から、ともさん(ともたけプロ)と学武(山田学武プロ)が大トップ取って越えていったから相当際どそう」

お互いのポイントや周りの状況を確認したところ、奈良ちゃんがギリギリ50%ぐらいで残れるかもぐらいの雰囲気。負けを覚悟した僕は、ロビーのちょっと良さげなソファーから動けず結果を待っていましたが…少し離れた大広間から聞こえる歓声で結果発表が始まったことを知ると、我慢できずに手元の端末で放送をチェックしていました。

立ち上がって喜ぶ奈良ちゃんの映像が飛び込んできて、良かったと思った直後に、ドサクサに紛れて僕の名前も呼ばれていたので2人仲良く予選を通過。

ロビーに戻ってきた奈良ちゃんと、ハイタッチをして翌日も試合が出来ることを喜びました。

ーーーーー帰国後、日本の焼肉屋にてーーーーー

 

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越野「この時ってどんな心境だったの?」

奈良「ほっとした。これは相手を舐めてるとかそういうわけじゃないんだけど、トーナメントまで残れれば、日本での経験を活かすチャンスがあるって思っていたから。それと負けたら裏方の仕事する約束になっていて、その面でも勝てて良かった。折角ウィーンまで来たんだから選手として長く参加していたかったよね」

越野「奈良ちゃんは狙い通り、経験の差と最後まで選手として参加したいっていうパワーでトーナメントを3つ突破し見事決勝進出。僕はトーナメントで即負けしたから裏方に回って、決勝戦はスイッチャー。奈良ちゃんの雄姿を画面越しに見ることになったんだけど、奈良ちゃんって複数回タイトルを取ってる選手の中でも断トツで決勝での勝率が高いよね?」

奈良「今回を合わせたら5分の4で優勝してるからね」

 

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奈良圭純
第3回リーチ麻雀世界選手権優勝←new!
第20期、第30期麻雀マスターズ優勝
第20回BIG1カップ優勝

学生時代はフェンシング部に所属し、その後は美容師の免許を取得。剣・ハサミから牌へと武器を持ち替えて、タイトル戦決勝では5戦4勝と無類の勝負強さを発揮する異色の打ち手。

越野「決勝での戦い方のコツっていうか、何か注意してる点みたいなものってあるの?」

奈良「一番は大きく離されないことが大事だと思ってる。多少リードされていても一気に追い抜こうと思わずに、現実的な条件を無くさないように我慢強く粘る。」

越野「今回の決勝戦は開始前に何か特別なことを考えていた?」

奈良「決勝の対戦相手になった、ウクライナのANNAさんとフランスのVALENTINさんとはトーナメントでも対戦していて、それぞれなんとなくだけど打ち方はイメージ出来てたんだよね。だからやっぱり経験豊富な藤崎さんマーク。決勝の1回戦目はANNAさんに捲られて2着になったけど、その代わりに藤崎さんがラスだったから。これはチャンスだと思ってた。」

越野「いけると思った矢先に、最終戦で藤崎さんが猛追してくるんだけど、東1局だけで逆転された時にはどう思ってたの?」

 

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奈良「いきなりホンイツ小三元で6,000オールをアガられたじゃない?藤崎さんの発の一鳴きに対して1枚押したんだけど、あの仕掛けにマンズを切るのは少し甘かったかも。わかっていたはずなのに最初のラスで少しマークを緩めてしまっていたのは良くなかった。」

越野「それでは最終戦の麻雀の内容にも触れていきますか。」

 

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越野「最終戦で気になる局が2局。まずは藤崎さん連荘中の東1局3本場でVALENTINさんと藤崎さんの2軒リーチに挟まれた局で、現物の三索を切る選択肢もあった中での七索切り。」

奈良「これ2人ともツモ切りリーチなんだけど、トータルラス目のVALENTINさんは充分形なら即リーチにきてそう。何か変化を待っていた中でのリーチだから愚形か安いか、その両方かなって思ってた。それとは逆に、藤崎さんのほうはラス目のリーチに対してツモ切りで追っかけてきたので安いわけがない。ヤミでも充分な手をリーチしてきているなと睨んでました。ここで藤崎さんに大物手を決められたら勝負が決まってしまうと思っていたから、VALENTINさんと2人で藤崎さんの親を止めようと放銃覚悟で七索は切ったんだよね。」

越野「これぞ決勝戦の戦い方って感じで、決勝戦での強さが垣間見える選択になったよね。オーラスでの藤崎さんとのポイント差を考えると、この放銃した局が勝因って言えそうなのが面白い。」

奈良「裏ドラ乗って満貫の放銃にはなったけど、全然後悔は無かった。」

越野「次局の2,600オールですぐに逆転して、そこからは抜きつ抜かれつのシーソーゲー。1,100点リードで迎えたオーラス1本場が気になるもう1局で、やっぱり八索だよね。」

 

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奈良「まず親のVALENTINさんと藤崎さんの2人ともテンパイしてるって思ってた。だから八索が通ってテンパイ取れても次局勝負になる。もし八索で藤崎さんに放銃したら即終了。VALENTINさんのタンヤオトイトイに放銃ってなれば状況は苦しくなっちゃうし、安全にテンパイ復活する可能性もあったから八索は切らなかった。」

越野「もし親がノーテンで、藤崎さんテンパイで終わると自ら優勝を手放すことになりかねないから、ここで八索を打たないのは相当怖いと思うんだけど。」

奈良「八索を押して優勝したほうがカッコいいのも分かるし、オリて負けたらカッコ悪いのかもしれないけど…打てない牌は打たない。今までこのスタイルで勝ってきたから。これ八索打たずに負けても自分の中で納得できるけど、八索放銃で負けたら一生後悔する。そういう風に思ってた。」

越野「信念を曲げない選択で、これは凄い勇気だよね。失敗した時のこと想像したら怖すぎる。結果は八索を打たずに奈良ちゃんが世界のNARAちゃんへとなったわけなんだけど、これで3年後に日本で行う第4回大会に現世界チャンピオンとして出場することが確定したわけじゃない?奈良ちゃん最大の弱点であるトークの練習はしとく必要があるよね。」

奈良「そこは黒木さんと話してなんとかしたい。」

越野「解説には興味ないの?サブ(夏目坂スタジオの裏方の部屋)で仕事をしながらする麻雀の話はめちゃ面白いんだし、3年後の世界大会では今年のともたけさんみたいに、決勝で会長の横で解説する可能性もあるんじゃないかな?」

奈良「これからは解説の仕事も沢山やっていきたいんだけど、3年後は決勝に残って選手として…」

越野「それじゃその時はまたスイッチャーとして奈良ちゃんの連覇を…」

ーーーーーここら辺で2軒目に移動ーーーーー

お酒も進み、だんだんと朧げになっていく記憶の中で「切れない牌は切れない」と「結果を出し続けるしかない」と何度も繰り返し熱く語っていた酔っ払いのNARAちゃん。

チャンピオンとして出場する次のリーチ麻雀世界選手権では、麻雀の心配は一切無さそうなので、成長予定のトーク力のほうに注目したいと思います。

第33期特別昇級リーグ 第6節成績表

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順位 名前 リーグ 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節
1 井坂彰宏 D1 178.2 9.9 20.0 72.9 11.6 41.1 22.7    
2 中津真吾 D2 167.2 ▲ 17.3 38.6 28.4 40.4 34.3 42.8    
3 外嶋諒汰 D2 162.1 74.3 ▲ 29.0 ▲ 0.9 44.0 ▲ 2.3 76.0    
4 一瀬由梨 E1 147.8 35.4 ▲ 2.5 18.2 43.2 ▲ 19.7 73.2    
5 立田祥平 C3 139.5 9.8 65.0 28.6 ▲ 23.3 57.0 2.4    
6 伊井功雅 C3 125.2 24.3 70.0 3.4 30.0 ▲ 12.7 10.2    
7 早川健太 C1 101.2 ▲ 24.6 53.5 37.0 ▲ 40.8 2.1 74.0    
8 大川裕次郎 D2 99.1 ▲ 31.5 14.7 11.9 11.2 106.0 ▲ 13.2    
9 加藤貴一 D2 98.5 33.9 64.8 ▲ 4.9 ▲ 61.6 57.2 9.1    
10 皆川侑亮 D2 91.7 ▲ 0.5 17.1 31.8 18.7 ▲ 18.2 42.8    
11 桜木里咲 E2 56.8 1.5 93.7 ▲ 28.4 19.0 ▲ 1.5 ▲ 27.5    
12 大野彩乃 D1 41.4 15.9 ▲ 21.5 41.2 41.3 13.4 ▲ 48.9    
13 木本大介 E1 38.4 45.0 57.4 17.2 ▲ 13.1 ▲ 3.2 ▲ 64.9    
14 渡辺英梧 C3 20.9 5.7 ▲ 10.8 58.1 ▲ 37.0 44.7 ▲ 39.8    
15 大庭三四郎 D3 ▲ 14.7 ▲ 6.6 30.7 16.6 2.4 ▲ 6.7 ▲ 51.1    
16 浜野太陽 C2 ▲ 82.1 14.1 ▲ 57.9 19.4 96.7 ▲ 46.6 ▲ 107.8    
17 花宮海咲 E2 25.3 ▲ 9.3 ▲ 27.1 33.8 ▲ 0.8 28.7      
18 江嵜晋之介 D1 24.8 19.0 0.4 ▲ 6.2 20.9 ▲ 9.3      
19 渡邉浩史郎 E1 11.8 54.1 ▲ 28.2 ▲ 7.8 ▲ 10.5 4.2      
20 原佑典 C3 7.8 10.7 ▲ 23.0 18.1 16.6 ▲ 14.6      
21 太田優介 C1 ▲ 20.5 ▲ 23.6 25.9 17.0 1.1 ▲ 40.9      
22 小高佑貴 D2 ▲ 24.2 ▲ 23.9 41.2 18.4 ▲ 3.7 ▲ 56.2      
23 伊達朱里紗 C3 ▲ 63.3 55.8 ▲ 40.6 21.4 ▲ 22.2 ▲ 77.7      
24 嶋田卓也 D3 ▲ 82.1 ▲ 7.8 ▲ 29.2 25.5 9.5 ▲ 80.1      
25 辻本一樹 D2 ▲ 3.5 2.6 13.4 ▲ 14.1 ▲ 5.4        
26 増田真人 D1 ▲ 9.3 24.3 ▲ 12.9 ▲ 17.4 ▲ 3.3        
27 岡田紗佳 C3 ▲ 14.9 ▲ 55.8 68.5 ▲ 48.3 20.7        
28 廣岡璃奈 E2 ▲ 19.7 11.1 ▲ 18.3 3.7 ▲ 16.2        
29 阿部謙一 D2 ▲ 21.2 59.7 ▲ 12.7 ▲ 19.3 ▲ 48.9        
30 水野孝一 E2 ▲ 31.0 34.9 ▲ 66.9 22.9 ▲ 21.9        
31 佐藤孝行 D2 ▲ 41.4 ▲ 20.4 45.7 ▲ 17.8 ▲ 48.9        
32 藤居冴加 E2 ▲ 45.0 16.7 ▲ 3.7 11.7 ▲ 69.7        
33 大和 C2 ▲ 943.8 ▲ 2.9 ▲ 40.8 ▲ 0.1          
34 清水智之 D2 ▲ 953.0 ▲ 2.6 ▲ 3.7 ▲ 46.7          
35 安藤翔 D2 ▲ 959.9 ▲ 12.9 ▲ 14.4 ▲ 32.6          
36 岡田舜 E2 ▲ 960.3 ▲ 3.8 ▲ 9.2 ▲ 47.3          
37 山本祐輔 C3 ▲ 969.2 3.5 ▲ 3.7 ▲ 69.0          
38 石亀玄樹 E1 ▲ 974.1 28.4 ▲ 43.7 ▲ 58.8          
39 今泉誠一 C2 ▲ 974.4 ▲ 37.8 33.3 ▲ 69.9          
40 曽條春成 D2 ▲ 986.7 4.3 ▲ 22.3 ▲ 68.7          
41 宮内こずえ C3 ▲ 1028.2 ▲ 47.5 19.3            
42 柴田航平 C2 ▲ 1054.9 ▲ 6.8 ▲ 48.1            
43 永川秀映 D2 ▲ 1070.6 ▲ 37.5 ▲ 33.1            
44 笠原拓樹 D3 ▲ 1071.0 ▲ 34.4 ▲ 36.6            
45 岡崎涼太 C2 ▲ 1101.4 ▲ 42.7 ▲ 58.7            
46 澤谷諒 D1 ▲ 1103.6 ▲ 90.9 ▲ 12.7            
47 坪原光 E1 ▲ 1161.7 ▲ 75.8 ▲ 85.9            

「~目に見えない重圧~」 佐々木 寿人

折り返し地点を迎えた。
「もう決まりですね」「連覇おめでとうございます」
色々な人と顔を合わす度、こんな声を掛けられた。
 
仮に昨年の最終戦のようなことがなかったとしても、この時点で連覇を確信するほど自身の気持ちは緩んじゃいない。
だが、ここから負けるようなことがあってはならないという思いだけは常に持っていた。

数字で言うなら、残りの2日間をプラスマイナスゼロで終えれば事は足りるんだろう。
しかしながら、実際にそこを狙って思惑通りに事が運ぶかと言われれば、決してそうではない。
気を張り続け、隙を与えず、相手のチャンスを潰し、そして自滅しない。
ここからはそれが最大のテーマとなる。

勝負事は、勝ちが見えてきたときほどすぐ背後に危険が潜んでいるものである。
もう何度も何度も経験してきた。だから何度も何度も自分に言い聞かせる。

決して気を抜くんじゃねぇぞと。
それでもミスをする。裏目も引く。きっとこの先も。
そして忘れる。その繰り返しである。

9回戦東4局、13巡目に私の手牌はこうなった。

 

100

 

四万五万六万三索四索六索六索一筒二筒三筒三筒四筒白  ツモ三万  ドラ七筒

345の三色を見るなら当然六万切りとなる場面だ。だが、私は三万をツモ切った。
河を見渡せば、三万六万の危険度にはそれほど大差がないように映る。
ただ、三万は古川さんの現物なのである。
加えてこの手牌を三色に仕上げるには、五筒五索が必要ということもポイントだ。

弱気に見えたかもしれない。しかし、気を張り続けるというのはこういうことである。
すでに巡目は深く、それでも皆私の首を狙ってくるのだ。
甘えた一打は極力避けようという意味合いでの打三万だったのである。

 

100

 

四万五万六万三索四索五索六索六索一筒二筒三筒三筒四筒  ロン五筒

結果は五索を引いた17巡目に黒沢さんからの出アガリ。
ピンフ三色でのアガリもあったと言えるが、その差2,900より相手の親を正確に蹴ることの方が今は重要である。

9回戦終了時 
佐々木+88.3P、前田▲7.0P、黒沢▲34.7P、古川▲48.6P

10回戦はこのアガリからスタートした。

 

100

 

一万一万四万五万六万六万八万一索二索三索東東東  ロン七万  ドラ八万 

仕掛けた黒沢さんが4巡目に七万を切っており、ドラのトイツ以上も想定される局面だ。

一万一万一万四万六万六万八万一索二索三索東東東  ツモ五万

私はここから一万切りとした。
アガリの可能性は高くないものの、できるだけリスクは冒したくないという一打である。
終盤、古川さんが私の切った七索にチーテンを入れた。

四万五万六万六万七万七万八万二索二索三索五索五索六索

そこまで私が前に出ているようには見えなかったのだろう。
場に四万が生牌だったこともあり、黒沢さんの現物である七万が放たれたのだった。

 

100

 

古川さんは続く東1局1本場でも、黒沢さんに5,200の放銃。

(古川さんはこれで厳しくなったな)

素直にそう思った。ここは一気に畳み掛けるチャンスである。
しかしながら、ここでしっかり踏みとどまってくるのが大ベテランのなせる業だ。

東2局11巡目、私は以下の手でリーチ。

一万二万三万四索五索五筒六筒七筒八筒八筒八筒九筒九筒  ドラ八索

このとき親の古川さんは既にヤミテンを入れていた。

五万五万六万七万八万一索二索三索六索七索八索六筒七筒

これが8巡目。私ならリーチで6,000オールを引きにいく。だが古川さんは冷静に11,600をアガリにくる。
私が直前に五筒を切ったことも大きかったのだろう。八筒だって出てくるという読みは、古川さんの中にも間違いなくあったはずである。

このヤミテンが私からの2,900直撃となる。
点数的にはどうということもないように見えるが、古川さんが先制リーチなら当然この結果もない。

嫌な放銃だな。
なんとなくそう感じたのを覚えている。

しかし、この放銃は序章に過ぎなかった。
私はこの後、ノーテン罰符や、リーチ後の放銃などで徐々に点数を減らした。
道中で1人沈みになるなど、暗雲が立ち込める展開にもなっている。
そして遂には、今決定戦最大となる失着を打ってしまう。

場面は南2局1本場、古川さんの親番だった。
この状況でペン七索の役なしリーチを打つ気はなかった。
ただそこを払うタイミングもなく、15巡目を迎えた。

 

100

 

私は前田さんの六万にチーテンを入れた。
そしてテンパイ打牌の八索が古川さんに放銃となった。これは心底悔いた。

東場で古川さんのヤミテンを喰らったばかりである。それなのにも拘わらず、警戒心ゼロの一打。
気の緩みと言われても、返す言葉もない。勝負事はこれが怖いのだ。

10回戦が終わると、それまで137Pあった古川さんとのポイント差が72Pにまで縮まった。

問題はそこだけではない。
私が大きく沈み、前田さんが堅実に浮きをキープさせたことで、こちらもグッと点差が詰まったのである。
その差は53Pだ。トップ走者が大きく沈めば、追いかける側の目つきも変わる。
15分ほどのインターバルの間、私はそれだけを考えていた。
同じことを繰り返せば、もう勝負はわからない。再度、冷静に。リードしているのはまだ自分なのだから。

10回戦終了時 
佐々木+56.8P、前田+3.1P、古川▲15.8P、黒沢▲46.1P 

11回戦東2局1本場、前回の失点を取り戻したい私は、早々と高打点のアガリをモノにした。

六万七万八万二索三索四索五索五索三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ロン二筒  ドラ三索
 
このアガリは精神的にも大きかった。これで10回戦のマイナスを引きずらずに済む。
いくら立て直しを図ろうにも、アガリが出ないことには話は始まらないのだ。

今何をすべきか。今それが必要か。あの放銃以降は、それだけがグルグルと頭の中を駆けめぐっていた。

11回戦終了時 
佐々木+68.5P、古川+9.1P、前田▲25.6P、黒沢▲54.0P
 
10、11回戦と古川さんが連勝。
ただ11回戦に前田さんが4着を引いたことで、ここからの戦い方がよりわかり易くなった。
マークを古川さんに絞り、先着させないことである。

残り5戦ということを考えれば、3勝2敗でいい。
1ゲーム消化するごとに目まぐるしく自身の意識も変化していくが、押し引きの判断にもこれまで以上に正確性が求められてくる。
この日の最終ゲームとなる12回戦、私の思いが実ったのは南2局だった。

 

100

 

中盤過ぎ、私は場に打ちにくい中を引いてテンパイ。

二万二万一索一索四索五索五索八索七筒七筒発発中  ツモ中  ドラ二万

四索として古川さんに切られたばかりの八索タンキに構える。
黒沢さんにピンズは怖いところだが、五筒七筒と押していく。
この場は、アガリをとるならピンズ以外の中張牌と明確に示してくれていた。
問題はそれをどの牌に設定させるかだった。

そして次巡、これだという牌を持ってくる。

七万だ。これなら最後まで押すことができる。そう思った矢先だった。
古川さんが七万を掴み、それがツモ切りとなったのだ。

 

100

 

この6,400の直撃は、それまでの悪い流れを払拭するには十分過ぎるほどのアガリだった。
続く親番こそ古川さんに2,000点で蹴られたが、オーラスは1,300をアガって古川さんとの浮き沈みもキープした。

10回戦で崩れ掛けた瞬間があっただけに、ここで古川さんと20ポイントの差を広げられたことは最終日に間違いなく生きてくるはずだ。
残すは4回戦。帰り道、その初戦をどう戦うかだけを考えていた。

最後の山場はおそらくそこである。
連覇を果たす上で、13回戦で躓くことだけは絶対に避けたかった。
そこを乗り切ればいよいよゴールも見えてくる。
もう一度あの大きなトロフィーを手にするため、あと一踏ん張りだ。