第258回:プロ雀士インタビュー 石立 岳大  インタビュアー:福光 聖雄

『石立岳大JPML WRCリーグ史上初の連覇』
前回JPML WRCリーグを優勝したときの、西川淳(A1リーグ)が執筆したインタビューがとても素敵だった。
その次に書くインタビューの荷が重いことといったら。

西川のインタビューが最上級のステーキだとしたら、僕はペラペラの赤身肉だと思う。
まず、前回のインタビューを読んで、お腹いっぱいになってきてほしい。

第246回:プロ雀士インタビュー 石立岳大  インタビュアー:西川淳

 

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(画像補足:石立の好物の浦安そば)

 

お腹いっぱいになっただろうか?
もし、まだまだ空腹な人がいたら、石立の書いたnoteをおかわりにしてもらおう。
リンクはこちら

(※注) 東1局で終わっているのが面白い点なので、読んでも読まなくてもいいです

 

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(画像補足:さらにお腹を満たすために浦安そばを投下)

 

冒頭でこう書いたが、書いている張本人もここから大ボリュームのインタビュー記事になるとは、想像もしていなかったのだ。(汗)
目次を置くので、読みたいところを読んでもらえれば幸いだ。

[目次]
・石立の麻雀IQの高さ(グランプリMAX二次予選から)
・WRC決勝戦の意気込み
・石立と僕の関係性
・マシンガン副露の誕生経緯
・石立による石立対策
・17年目のシーズン
・終わりに

 

【石立の麻雀IQの高さ(グランプリMAX二次予選から)】

石立「こないだの手、文字だと長くなるから書かなかったんだけど・・・」

から始まった。

こないだの手とは、麻雀グランプリMAX二次予選のC卓での対局の話。
ここまでドンピシャで読んでいるのかと、恐れにも似た思いだったので取り上げたい。

石立「これってインタビューで読みたい話かなぁ。戦術の系譜のコーナーじゃないの?」

と気を使っていたので、麻雀の細かい話に興味のない方は、次まですっ飛ばして問題ないです。

まずは、場面の説明から。
石立が四索を鳴いたあとに、渡辺史哉がカン二索待ちの三色同順のリーチを打った。

 

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リーチの時点での石立の手はこちら。

 

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必死にオリて、オリきれるかどうかというところだったが、
そのあと、三万を鳴き、八万を鳴き、なんとアガリきってしまった。

 

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安牌になった三万八万をポンするなんて、お気は確かでしょうか?がオブラートに包んだ感想だ。

石立「三浦(智博)くんは、『いざとなったら二索でオリれるから(実際は放銃だけど)、仕掛けていけたんですね』って解説してたけど、違うんだよね。
二索は渡辺くんにも浜上(文吾)さんにも危険だと思っていたから、よほどじゃない限り切らないよ。」

福光「え?え?」

以下に、石立のその局の深い思考を記載する。
・浜上がやる気で、ドラが2枚以上あるだろう。
渡辺のリーチは自信がありそうだった。
この卓で一番格上の前田(直哉)の親、その前田が七筒を暗カンしていて押し返してくる局面で、渡辺は(ドラが多くはないのに)堂々していた。
よい待ちと読めて、前田の現物の二索は候補のひとつ。
二索待ちの七対子が本線だった。
・浜上は、4枚目の五索が切られたときにテンションが下がった。
二索は前田の河に1枚、自分2枚、渡辺1枚(予想)と埋まらないところで、浜上に対してもかなり危険。

この思考を聞いたときの、僕の驚きをなんとかして伝えたい。
同じリーグ(B1)にこんなヤツいるのかよ…とも思ったり。

三浦も、このアガリにはかなり驚いていた。
無料で見ることができるので、ぜひご覧になっていただきたい。
(1回戦東4局、35分くらいから)

こちら

 

【WRC決勝戦の意気込み】

福光「今回のWRC決勝、連覇がかかったりとか、相手は後輩(全員37期)だったりしたけど、どういう心境だったの?これは優勝しなきゃとか思った?」

石立「寿人さんや魚谷さんがいたらもっと注目されたけど、2人とも倒しちゃったから、せめて、自分以外が勝ったときに、強い石立を破って優勝した、にさせたいとは思ったね。ベストパフォーマンスを出さなきゃな、とその点での緊張はあった。」

ところが、石立は会場入りの時間に遅刻してしまう。

福光「Twitterに偽ソーセージエッグ定食を載せてたじゃん。どうしたのよ?」

石立「電車を乗り過ごした…」

 

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イエローカードの処分だったが、ポイントのペナルティがついたら、ちゃんとした決勝戦にならないかもしれないと、申し訳ない思いだったそうだ。

石立「ポロリさん(対戦相手の仲田浩二)が心配してくれたんだよね。ペナルティにならなかったことがわかったときに、『よかった。良い決勝戦にしようぜ』と言ってもらえて、ホントに救われたよ。」

ご存知の通り、決勝戦はベストパフォーマンスの石立の独壇場。
強い石立に、3者は為す術がなかった。
僕個人としては、キッチリ若手の壁になってくれたことを、とても嬉しく思う。

 

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(画像補足:負けた仲田の明るさとは対象的に、遅刻の謝罪から入る優勝インタビュー)
【石立と僕の関係性】

閑話休題。
石立と僕の関係について触れておこう。
石立は23期生(この4月から17年目)で、僕は25期生(同15年目)。年齢は43歳と同学年。
出会いは覚えていないが、共通の知り合いが開催したセットだと思う。
ともに会社員なので、仕事終わりに都合がつくことが多く、一緒に練習するようになって長い年月が経つ。

石立と僕を語る上で欠かせないものに、『朝練部』がある。
対局が16時開始だった頃(C2~D1リーグ時代)に、リーグ戦の前にセットをするというものだが、なかなか人を集めるのに苦労した。
その中で、僕と石立はかなりの参加率だった。
※ 『朝練部』と仰々しく名前がついていますが、セットのメンツを募る内輪のグループLINEの名前です。
正確には覚えていないが、3年間くらい活動していたと思う。

今でも、麻雀の検討を一番する相手だ。
僕がTwitterで麻雀の内容を書くと、すぐにリアクションをしてくれる。
ここ最近のお気に入りはこちらである。

 

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【マシンガンフーロの誕生経緯】

石立『おれは、おれが思い入れを持っている人たちに(インタビューを)書いてもらいたい』

こう言われて指名されたら、書かざるを得なかったのだが(苦笑)、インタビューをしながら、こんなことも聞かれた。

石立「福光から見て、オレの麻雀、昔とどこが変わった(よくなった)かな?」

ちなみに昔、とは、Dリーグで燻っていたとき。
せっかくなので、石立と僕のリーグの推移を作ってみた。

 

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(画像補足:これだけ停滞していたら辞める気にもなる…西川さん、よく引き止めたな…)

 

なお、自分の麻雀ですら、そんな昔のことは覚えていない。
福光「いつから、今のよく仕掛けるスタイルになったの?」

石立「朝練を始めた頃かな。C3の1節目で鳴いてみたらめっちゃ勝って、2節目もうまくいって、ダメになるところまでやってみよう、と」

そうした結果、トントン拍子で昇級する。
元々、ポテンシャルは高いのと、仕掛ける戦術がうまくマッチしたのだろう。

石立「B2は1期で降級して。流石にBリーグになると通用しないかと、1年くらいメンゼンでやってみたんだけども…」

福光「ふむふむ」

石立「目の前に、仕掛けていればなかったはずのアガリが出まくって、それに業を煮やした。メンゼンの練習するのBリーグからに変更!ってなった。(笑)」

誤解しないでほしいのだが、この『仕掛けていればなかった』というのは、仕掛けていたら食い流れている、ではない。
例えば、このような手。

一万二万三万一筒二筒八筒八筒八筒一索二索三索発発 リーチ ツモ三筒 ドラ西

仕掛けてプレッシャーをかけていれば、リーチに踏み切れなかったかもしれないし、
スピードをあわせて、ポンテンやチーテンを取って、安くなっていたかもしれない、ということだ。

石立「鳴いている方が失点が少ない気がしてて、なんでうまくいくんだろう?って考えてたね。」

その頃から、競技麻雀が面白くなってきたそうだ。
成績が良くなったから面白くなったのか、面白くなってきたから成績がよくなったのかはわからないけども。

福光「もし仮に、自分みたいな相手と対戦したらどうする?」

 

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(画像補足:インタビュー会場に予定していた浦安そばは、悲しみの貸切営業)

 

【石立による石立対策】

(非公開です。)

冗談だ。
でも書かれないことはあっているか。
なにせ、本人も「わからない(笑)」と答えていたのだから。

しかし、1つエッセンスを聞き出せた。
真理をついていて、「これ書いていいの?」と念のため確認している。

石立「上手い人は、五分五分より分の良い勝負をしたがって、どこかで必ず、踏み込めるポイントがくるはず、と考えるけど、こっちはなるべく五分五分だと思わせるようにやってるのよ。思わせることで、踏み込まれる局は少なくなる。相手がチャンスを待っているうちに、1局平均にして数百点(石立体感)の得を積み上げる感じかな。」

なるほどねー。
石立と麻雀の話をすると、新しい視点を得られてとても面白い。

石立「こういう話、読んでいる(一般の)人、そんなに興味ないんじゃないの?」

そうかも(笑)
割とコアな麻雀ファン向けになってしまったかもしれない。ご容赦いただきたい。

 

【17年目のシーズン】

4月から(これが公開される頃には始まっているが)新シーズンが始まる。
WRC決勝を解説していた藤島健二郎は、A2リーグへの昇級候補に石立を挙げた。

石立「いやー、厳しいなぁ。毎期そうだけど、今期も相手が強い。」

(ちなみに2軒目では、2人で5節分の卓組とにらめっこし、この日はキツイとか、ここが勝負の節とか、(中村)慎吾が昇級しそうとか、ここには書けない話で盛り上がりました。)

福光「解説やったらどうよ?」

石立「やりたいけど、口数多く話せないなぁ…(齋藤)豪くんや三浦(智博)くん、ホントにすごい。」

福光「戦術の系譜を書いてみたら?」

石立「noteが東1局で終わってしまうのに?(笑)」

どうやら書きたいことが多すぎて、大変になってしまうらしい。

能をつかんとする人「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。(以下略)」
と言ってなかったっけ?(西川のインタビュー記事を参照)
まあでも、選手や関係者に迷惑かけちゃうか。
いつかできるようになるといいね。

 

【終わりに】

石立の麻雀は発想が豊かで面白いし、その裏にしっかりと思考もあって、それを聞くのも面白い。
インタビューなのだから、もう少し麻雀以外の話をとは思ったが、任務を忘れて麻雀トークを楽しんでしまった。
そのあたりは、西川のインタビュー記事をおさらいしていただきたい。

『優勝、本当におめでとう。』とか
『今後の石立岳大の活躍に期待です。』
などでインタビューを締めくくることが多いのだけど、同じリーグだとなかなかこれは書きたくない。

いい言葉を思いついた。
この言葉で締めにして、石立に贈りたいと思う。
『僕の下家で鳴きまくるの、ちょっとは遠慮してもらえませんかね?』

 

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(文:福光聖雄)

第13期麻雀グランプリMAX 決勝初日レポート

【2022年度の集大成である麻雀グランプリMAX決勝戦初日。鳳凰位HIRO柴田が二冠に向けて王手へ。】

 

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二階堂瑠美(現麻雀グランプリMAX覇者)
HIRO柴田(現鳳凰位)
吉田直
白鳥翔

将棋棋士・羽生善治
「相手は敵であると同時に作品の共同制作者であり自分の個性を引き出してくれる。」

現鳳凰位の柴田が幸先の良いスタートを切った1回戦目。フィールドは違えど偉大なる勝負師の格言が体現された局が生まれた。

◆1回戦
東3局1本場
東家・吉田
二万二万二索二索九筒九筒九筒 ポン中中中 ポン九索 上向き九索 左向き九索 上向き ドラ四万

吉田がいつも通り高打点の手組みから中・トイトイテンパイ。それに対して柴田が受けながらもピンフ・ドラ2の押し返せるテンパイまで辿り着くと、今度は一度は嫌った三索をプッシュして親の現物である四万七万待ちへ。

 

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吉田は直前に一索の手出しを入れていたが6巡目の四索切りをみて三索よりも二索がトイツ以上の可能性が高いであろうというギリギリの読みである。
こうなると誰しもが吉田vs柴田の未来図を予想するが、突如として現れたのが“麻雀ハイブリッド”白鳥であった。

 

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吉田のスタイルから手役をトイトイ一本に絞り、一見すると危険な八万三万を切り飛ばしていく。柴田にも危険牌であったが、これまでの対戦経験から放銃しても安いパターンがあったり吉田の現物待ちの可能性が高いなど理性と感性との合わせ技が成せるものであった。それでもリーグ戦ならば攻め返す価値のない手牌なので引く選択肢の方を選びそうだが、ここは決勝戦という頂点を決める舞台というのも後押しになったのかもしれない。

解説・勝又
「白鳥くんは自分の読みを信じていく系ですからね。」

まさかの対抗馬の出走により吉田vs柴田vs白鳥となったこの局は意外な結末を迎えた。
柴田が吉田に対してど本命である役牌の白を掴みドラの四万と入れ替える。

解説・勝又
「これは瑠美さんチーですね。えっ!これチーテン取らない事ある!?うわぁ!!」

 

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瑠美は上家の柴田から打たれた四万を見送ると自力で白を暗刻にしてリーチへ。そして吉田から放たれた七万を捉え、この局のフィナーレを飾る。まさに四者がお互いの個性を引き出し合う見応えのある作品(一局)となった。

次局の東4局と南2局3本場は柴田が、南3局は瑠美が先手リーチを打つ展開へ。しかし、ここは“自分の読みを信じる系雀士”白鳥が幾度となくリーチ棒を奪っていく。

 

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特にこの3局は公式ルールならではのリスクとリターンの取り方、配給原点を考慮した押し引きについて参考になるような打ち回しであった。(倒牌してからリーチ棒を回収するまでのスピードにも注目。)

白鳥本人も対局後のインタビューでは“入りは良かった”と振り返った1回戦であったが、この半荘を制したのは現鳳凰位HIRO柴田。

南4局
東家・柴田
四万四万六万七万七万八万八万三索四索五索六筒七筒八筒 リーチ ドラ三筒 ロン六万

このアガリで沈みから一気にトップをもぎ取ると

◆2回戦
南3局
東家・柴田
三万三万四万四万四万五万五万五万八万九万 ポン発発発 ツモ七万 ドラ一筒

白鳥からリーチを受けたこの局も発を加カンした後のツモアガリ。先程の供託を返してと言わんばかりの効果的な加点で着実にポイントを伸ばしていく。

◆3回戦
東3局

 

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柴田がラスとなった3回戦、トータルラスの吉田がリーチ・ツモ・ドラ3でトップとなり一時的にポイント差がグッと縮まる瞬間もあったが

◆4回戦
東1局
西家・柴田

 

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現状トータルトップの瑠美からピンフ・タンヤオ・ドラ2の7,700を出アガリ再度トップに躍り出た柴田。

南1局1本場

 

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吉田のリーチとの勝負になったこの局もタンヤオ・ドラ3をツモアガると

南2局

 

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吉田よりホンイツ・ドラ3の満貫。

 

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南3局1本場
瑠美よりリーチ・イーペーコー・ドラ1の7,700の直撃と、4回戦は怒涛の一人舞台で初日を終えた。

 

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◆第13期麻雀グランプリMAX初日成績
柴田 +48.0
瑠美 +4.3
吉田 ▲25.3
白鳥 ▲27.0

 

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(文:小林正和)

第5期若獅子戦ベスト8Aレポート

ベスト8A卓に出場した選手は

 

 

田中祐(予選5位)
塚越達也(予選7位)
上田稜(推薦枠)
高橋大輔(推薦枠)
以上の4名。

 

 

1回戦は田中のリーチがよく決まり、

 

 

次々と満貫級のアガリをものにしてトップ目に。

 

 

追いかける上田は南4局、逆転トップを狙ったリーチをかけたが

 

 

ここまで苦しんでいた高橋がホンイツで追いつき、上田からの直撃で3着に浮上。
ツモればトップというところから、上田はまさかの4着転落という厳しいスタートになりました。

 

 

1回戦トップの田中と厳しい展開から抜け出した高橋が2回戦ではトップを争い、ここは高橋が競り勝って1・2回戦でトップを分け合う展開に。

これで苦しくなったのが上田と塚越。
田中・高橋リードで迎えた3回戦に

 

 

高橋が追いかける上田からリーチ・東・イーペーコー・ドラ3の12,000

 

 

田中は塚越からホンイツ・イーペーコーの12,000を直撃。
上位の2人が下位の2人を叩き落とし、この段階で完全に勝負あり。

 

 

最終戦で塚越が大きなトップを取るも、100ポイント以上の差をひっくり返すには時間が足りず。

ベスト8A卓からの決勝進出は

 

1位通過:高橋大輔

 

2位通過:田中祐

以上の2名に決まりました。

<最終結果>
高橋+51.5P 田中+21.2P 塚越▲24.3P 上田▲48.4P

(文:越野智紀)

第5期若獅子戦ベスト16Dレポート

ベスト16D卓に出場した選手は

 

 

岡崎涼太(予選4位)
田中祐(予選5位)
島崎涼(予選12位)
近藤廉(推薦枠)
以上の4名。

試合は第1期・第4期の若獅子戦で2位の実績がある岡崎が序盤から圧倒。

 

 

満貫級のアガリを要所で決めてリードを広げると

 

 

2回戦の親番で満貫をツモってトップを取った島崎がそれに追従。

 

 

2人が抜け出し縦長の展開になり、3回戦でリーチ・一発・ツモ・タンヤオ・ピンフ・ドラの6,000オールをアガった岡崎がベスト8への1つ目の席を確保しました。

残るもう1つの席を賭けた最終戦。
島崎を追いかける近藤・田中が微差ながら理想の並びを作ると

 

 

4本場供託2本の勝負所を田中が制し、近藤・島崎をかわして2番手に浮上。

 

南4局

 

島崎にダブ南暗刻のリーチと近藤に白三暗刻ドラという再逆転のリーチが入りましたが、どちらにもアガリが出ず流局。

1本場で岡崎がアガって決着となりました。

 

1位通過:岡崎涼太

 

2位通過:田中祐

 

<最終結果>
岡崎+58.8P 田中▲12.3P 近藤▲19.8P 島崎▲26.7P

(文:越野智紀)

第5期若獅子戦ベスト16Cレポート

【第5期若獅子戦 ベスト16C卓は上田稜・山本祐輔が勝ち上がり】

ベスト16C卓 対局者

山本祐輔(やまもとゆうすけ)
林雅人(はやしまさと)
堂垂正裕(どだれまさひろ)
上田稜(うえだりょう)

 

 

【1回戦】

最初のアガリは堂垂。ロンした六万が裏ドラとなって3,900。

 

 

東2局には上田がドラ単騎の七対子でリーチを打ち、跳満ツモ。
このリードを活かした上田が1回戦トップ。

 

 

林が南1局の親番に南暗刻のリーチ。裏ドラを1枚乗せて7,700のアガリで2着を取る。

 

 

【2回戦】

二度の流局を経て東3局は堂垂が300・500は500・700(+3,000)で供託を回収。南場まで1人浮きを保っていたが

 

 

上田がツモり三暗刻のリーチを打ち、満貫ツモで堂垂を逆転すると

 

 

南3局には山本から親満をアガリ

 

 

オーラスにはメンゼンホンイツのツモアガリを決めて2連勝。早くも当確ポジションまで駆け上がった。

 

【3回戦】

上田以外は誰しもトップが欲しい3回戦だが、アガるのはまたしても上田。
高め純チャンの一万ツモでダメ押しの6,000オール。

 

 

東4局も上田が早々にリャンメン待ちのテンパイを入れていたが、粘って七対子ドラドラで追いついた親番の林がハイテイツモで6,000オール。

 

 

南1局に満貫ツモ、南3局1本場に8,300のアガリで上田に迫るも

 

 

オーラスは上田が役ありヤミテンで林の親番を蹴って3連勝。

 

【最終 4回戦】

現状2番手の林は起家スタート。三筒六筒のピンフで先制リーチ。

林と118.1P差をこの半荘で捲らなければならない山本が高め567の3メンチャンで追っかけリーチを打ち

 

 

五索ロン、一発が付いて跳満の直撃を決める。

怒涛のアガリで早くもマイナスを半分にした親番の山本は、2本場でもカン二索の先制リーチ。

何とか連荘を止めたい林は3メンチャンで追っかけリーチを打つが

 

 

ここも山本に軍配。親満のツモアガリとなる。

山本は南3局にドラ単騎の3,900は4,200(+1,000)をアガって、とうとう林を逆転。

 

 

最終戦オーラス

林はツモ400・700
山本から1,000
上田 堂垂から1,600

堂垂はダブル役満条件。

しかしオーラスも山本が700・1,300をアガって決着し、大逆転を達成。

 

 

以上の結果により上田稜・山本祐輔の2名が第5期若獅子戦ベスト8進出となった。

(文・吾妻さおり)

巣鴨本部道場 2023年3月度プロアマオープン大会成績表 ※3月度最終結果(プラス者のみ)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 斎藤颯汰 26 346.3
2 前原由紀子 30 337.9
3 なしお 49 284.1
4 ラッキースリー 59 256.7
5 Courtois Valentin 66 249.9
6 中村 79 228
7 藤次祐紀 77 205.9
8 市川幹人 54 184.4
9 御子柴佑梨 34 169.4
10 稲熊勝明 34 165.8
11 チン トー 46 152
12 関光穂 46 151.1
13 じゅんじゅん 39 141.4
14 かずや☆雀アカ 25 137
15 hase 26 136.2
16 キモト 30 131.2
17 なーちゃん 31 130.4
18 タケタケ 18 129.8
19 曹洪堃 26 126.9
20 福永雄介 22 112.6
21 野村S 20 111.1
22 こしの 46 104.2
23 のりさん 17 101.3
24 森 雅彦 24 100.4
25 るつお 18 100
26 加藤はるみ 75 97.3
27 さとみ 16 89.2
28 岩渕信明 41 88
29 ともや 21 82.4
30 松村祐輔 16 82.1
31 BBQ 18 78.6
32 じゅんきち 47 71.7
33 盛合麻理奈 20 71.3
34 Andy-San 17 68.3
35 佐藤正道 30 68.2
36 金山二郎 23 64.5
37 はねき 59 61.6
38 原佑典 25 61.2
39 立岩知朗 19 58.6
40 凄悦 17 41.5
41 西角健二 49 39
42 高橋大輔 21 35.1
43 井出博幸 35 30
44 かずちゃん 24 28.52
45 グリーンマン 52 27.9
46 藤原隆弘 39 24.9
47 山部正人 16 19.4
48 やすこ 52 15
49 タク 25 7.1
50 齋藤麻衣子 28 7.1
51 山本和幸 27 0.5

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 シマカタ 10 132.8
2 ラッキースリー 19 121.7
3 比屋定桜江 12 111.4
4 中村 28 99.6
5 なーちゃん 30 95.7
6 くまっち 11 94
7 じゅんじゅん 14 79.6
8 北川 12 75
9 市川幹人 27 73.2
10 こしの 8 69.5
11 ハチロー 8 63.8
12 藤原隆弘 14 61.8
13 極楽7 15 60.1
14 グリーンマン 16 58.2
15 丹野賢一 8 56.8
16 井出博幸 19 53.1
17 立花健太 8 52.3
18 ルギア 18 41.8
19 hase 19 40.9
20 関光穂 17 34.7
21 チン トー 11 33
22 加藤はるみ 21 22.6
23 藤次祐紀 30 17.9
24 mei 18 15
25 飯田記子 8 11.9
26 ともや 8 9.9
27 涼暮ルチル 12 9.2
28 早田弘之 30 7.3
29 前原由紀子 11 5.1
30 高橋大輔 10 0.8

 

 

 

道場ポイントランキング

順位 名前 1WRC 1公式 2WRC 2公式 3WRC 3公式 4~6 合計
1 くまっち 400 45 300 40 0 45 0 830
2 ラッキースリー 160 29.75 170 24.25 200 75 0 659
3 市川幹人 300 30 61 28.5 160 37.5 0 617
4 西角健二 119 0 400 0 73 0 0 592
5 加藤はるみ 140 35 200 75 96 25 0 571
6 中村 85 75 140 27.75 180 50 0 557.75
7 関光穂 116 47.5 118 23.25 119 27.75 0 451.5
8 なしお 94 0 96 0 250 0 0 440
9 藤次祐紀 120 27.75 65 28.75 170 24.75 0 436.25
10 スロット麻雀厨 100 0 250 21.75 56 0 0 427.75
11 前原由紀子 84 0 0 20.25 300 23.25 0 427.5
12 ともや 200 24.75 82 0 93 24 0 423.75
13 藤原隆弘 114 29 180 0 68 29.75 0 420.75
14 松村祐輔 250 0 72 0 92 0 0 414
15 こしの 170 0 97 0 100 35 0 402
16 斎藤颯汰 0 0 0 0 400 0 0 400
17 高橋大輔 92 23 87 100 72 23 0 397
18 井出博幸 112 37.5 99 35 71 28.75 0 383.25
19 稲熊勝明 180 0 58 0 140 0 0 378
20 チン トー 95 24.5 112 0 120 25.25 0 376.75
21 じゅんじゅん 99 20.75 68 21 118 42.5 0 369.25
22 なーちゃん 49 40 64 47.5 114 47.5 0 362
23 hase 80 23.75 66 42.5 116 28 0 356.25
24 福永雄介 190 0 54 0 111 0 0 355
25 シマカタ 97 0 92 0 57 100 0 346
26 立岩知朗 45 0 190 29.25 79 0 0 343.25
27 御子柴佑梨 0 0 117 62.5 150 0 0 329.5
28 かずや☆雀アカ 64 24.25 120 0 117 0 0 325.25
29 グリーンマン 86 25.25 83 28.25 69 29.25 0 320.75
30 佐藤正道 117 0 114 0 83 0 0 314
31 キモト 93 0 100 0 115 0 0 308
32 BBQ 96 24 52 25.25 87 20.75 0 305
33 森 雅彦 111 0 67 0 98 0 0 276
34 盛合麻理奈 0 62.5 116 0 85 0 0 263.5
35 山本和幸 81 0 119 0 61 0 0 261
36 とがし 83 0 115 0 58 0 0 256
37 ハチロー 55 28 60 20.75 60 30 0 253.75
38 岩渕信明 79 0 79 0 94 0 0 252
39 じゅんきち 56 0 73 21.25 86 0 0 236.25
40 青木保則 72 0 160 0 0 0 0 232
41 金山二郎 68 0 78 0 82 0 0 228
42 Andy-San 60 0 84 0 84 0 0 228
43 mei 47 23.5 57 23.75 52 24.5 0 227.75
44 後藤竜司 78 0 93 0 55 0 0 226
45 山部正人 58 0 101 0 67 0 0 226
46 曹洪堃 0 0 86 0 112 21.25 0 219.25
47 丹野賢一 118 42.5 0 28 0 29 0 217.5
48 はねき 48 0 81 0 81 0 0 210
49 タケタケ 0 0 94 0 113 0 0 207
50 凄悦 42 0 59 0 78 21.75 0 200.75

第1期四国プロリーグ 第5節成績表

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節
1 濱田 将司 162.6 10.3 19.3 101.0 23.6 8.4
2 高橋 亮輔 156.9 7.7 24.9 51.0 43.8 29.5
3 中岡 博一 151.1 81.8 24.4 ▲ 8.1 33.1 19.9
4 長尾 浩平 106.6 47.8 43.4 25.8 ▲ 8.2 ▲ 2.2
5 松本 京也 98.8 55.8 31.9 20.5 ▲ 13.6 4.2
6 福島 清子 74.4 ▲ 44.3 33.2 52.4 ▲ 21.3 54.4
7 平川 一樹 46.7 5.8 9.2 45.9 ▲ 41.0 26.8
8 西村 和貴 43.9 0.5 28.3 6.2 17.7 ▲ 8.8
9 枦山 凌 40.4 103.5 39.0 ▲ 42.8 ▲ 17.7 ▲ 41.6
10 坪内 達平 37.0 6.4 ▲ 18.5 ▲ 10.8 29.3 30.6
11 平石 洋輔 34.4 ▲ 43.2 3.1 24.8 12.1 37.6
12 西山 航瑠 21.6 33.9 21.8 ▲ 1.7 ▲ 12.0 ▲ 20.4
13 中原 進二 16.3 ▲ 45.2 11.6 63.0 17.3 ▲ 30.4
14 根越 英斗 ▲ 9.1 ▲ 23.8 38.8 ▲ 57.3 ▲ 26.6 59.8
15 山宮 雅之 ▲ 19.9 4.1 ▲ 58.1 ▲ 27.4 31.8 29.7
16 渡部 貴之 ▲ 34.1 ▲ 10.0 ▲ 52.2 4.9 2.5 20.7
17 宗雪 靖弘 ▲ 45.5 38.5 ▲ 37.3 39.6 ▲ 25.5 ▲ 60.8
18 渡邊 亮 ▲ 45.7 ▲ 21.0 31.8 ▲ 48.2 ▲ 25.4 17.1
19 本田 翔大 ▲ 55.9 ▲ 33.2 25.2 ▲ 18.5 0.4 ▲ 29.8
20 森田 健太郎 ▲ 56.6 17.5 ▲ 58.8 ▲ 40.4 36.9 ▲ 11.8
21 今井 竜馬 ▲ 58.8 ▲ 70.6 56.0 ▲ 39.5 ▲ 34.6 29.9
22 久保 隆徳 ▲ 59.8 ▲ 66.2 ▲ 22.8 26.0 41.6 ▲ 38.4
23 櫛橋 孝平 ▲ 85.8 8.8 ▲ 8.6 ▲ 65.0 15.4 ▲ 36.4
24 河野 隼人 ▲ 85.8 6.9 28.0 ▲ 99.6 5.9 ▲ 27.0
25 津野 健一 ▲ 100.0 ▲ 20.9 ▲ 69.4 33.6 ▲ 40.7 ▲ 2.6
26 楠木 一朗 ▲ 106.9 ▲ 24.5 ▲ 12.6 ▲ 31.3 ▲ 30.5 ▲ 8.0
27 小松 翔一 ▲ 107.5 7.0 ▲ 72.6 ▲ 18.8 1.1 ▲ 24.2
28 渡邉 博之 ▲ 147.3 ▲ 35.4 ▲ 59.0 13.7 ▲ 15.4 ▲ 51.2

戦術の系譜39 菊田 政俊

「対応と進化」

今月で3回目となります『戦術の系譜』を担当させていただいております、東北本部所属・菊田政俊です。

まずは簡単に自己紹介をさせてください。
・東北本部所属・32期生(2016~)
・東北プロリーグ参戦、現東北天翔位
・鳳凰戦B2所属
・41歳
・血液型不明
・生まれも育ちも宮城県
・仙台市在住
・麻雀店勤務20余年
仙台市を中心に、私設リーグやイベント運営等をおこない、競技麻雀の普及活動をしています。
ほぼ毎日牌に触れ、多い時期は年間5,000半荘ほどリアル麻雀を打ってきました。

1回目、2回目と、私が麻雀プロになる前の経験からお話しさせていただきました。3回目となる今回は、日本プロ麻雀連盟に入り、一発裏ドラのない連盟公式ルールに触れ、どう感じ、どう麻雀を変化、進化させてきたのかをお話ししたいと思います。

まず公式ルールを打つうえで、セオリーと言われている事があります。
・ピンフのみはヤミテン
・リーチのみはかけない方が良い
・速度よりも打点
・ドラを大事に
・東の扱い方
・親番維持
・3万点を超えるのが偉い
・2翻役をつくる
・テンパイ料大事

他にもあると思いますが、パッと思いついたのがこちら。

【ピンフのみはヤミテン】

これを最初に教えていただいた際の感想。

「本当に??一発裏ドラなくても、両面でリーチかけてツモった方がお得でしょう!!裏ドラ無い分ちょっとでも高くしようよ!」

そう思い、メンピンリーチを使いまくってみました。
出れば1,000点が2,000点、ツモアガると400・700が700・1,300、少しかもしれないが打点は間違いなく増えている。しかしこれが理由でメンピンのみはヤミテンと言われているのでは?と思うことが。
相手3人の動向です。それまで一発裏ドラアリの麻雀しか打ったことのなかった自分が経験してこなかった事態に、自分のリーチに真っ向勝負してくる相手の手牌が必ずと言っていいほど高打点なのです。自分はMAX2,000点、相手は5,200以上。毎度毎度こんな勝負をさせられる。なるほどなと。高い手を作ることが簡単ではないルール、ドラを複数枚持っていたり、手役があり、高打点の手牌の時は真っ直ぐ勝負される。逆に安い手牌ではなかなか勝負してこない。これではメンピンリーチは分が悪い。
同じ理由で、リーチのみも分の悪い勝負が多くなる。

 

【速度よりも打点】

ドラを大事にしなさい。手役を作りなさい。速さよりも高さだよ。
これに対しても天邪鬼な私は、
「いやいやいや、たとえ安くても先に全部アガってしまえば勝ちでしょう!」と。

◆1◆東1局 西家 ドラ九筒

一万一万一万四万五万五索七索九索二筒三筒四筒九筒南南

以前、打九筒
役ナシの手牌も形優先で、ドラを切り飛ばす。
現在、打五索or九索
どうせリーチのみはかけないので、ドラにくっつくのを待ちます。

◆2◆東1局 西家 ドラ九筒

一万三万四万四万五万六万七万八万九万二索二索四筒五筒六筒

以前、打一万
アガリやすさ優先で、両面受けに。
現在、打四万
一通確定でリーチ。ツモって2,000・3,900だ。

◆3◆東1局 西家 ドラ四索

一万二万七万九万一索一索八索九索一筒一筒四筒五筒六筒九筒

以前、打九筒
テンパイ効率で、孤立牌切ります。
現在、打四筒五筒六筒
ジュンチャン三色を狙って、1メンツ落とし。

 

【浮き沈みの順位点】

着順よりも、30,000点を基準に浮く事が大事。
そしてトップよりも素点が大事。
赤アリ、順位点30-10-▲10-▲30(トップには順位点の他に20)
このルールに馴染んでいた私は、着順を最重要視していました。トップを確定させる為には、他への振り込みも辞さない。トップ目に立ったら無理に親で連荘しなくてもいいと。

しかし公式ルールの順位点は最大でも1着で12P。
マイナスしない事が大切、ベクトルをプラスにし、積み重ねる。
ただトップを取ればいいのではなく、大きな大きなトップが必要。高打点はそう簡単には作れない、ポイントを稼ぐには親番維持が重要。と頑張るポイントが違う。

これまでリーチ至上主義、速度重視だった私は、速さ優先のテンパイ効率重視の選択をしていましたが、実体験を含め、後ろ見、配信対局や解説などをお手本とし、公式ルールのセオリーと言われる基礎が、血となり肉となりました。

ところがです。鳳凰戦A1リーグの対局を観戦していると、要所要所でセオリーに反する選択が多々見られる事に気付きました。
きっとこれは応用編。13人前後の決まった相手と年間を通して戦う。全員が百戦錬磨の猛者。お互いの癖や打ち筋を研究しての勝負。強靭な足腰があってこそ自由自在に動き回れる。基礎がちゃんとしてるからこそ、セオリー一辺倒ではない崩す選択が生まれるのだと思います。

こうして連盟公式ルールと出会い、基礎を身につけ、応用に触れた事により、Mリーグルールの麻雀でも、速度優先のテンパイ即リーチ戦法だけではなく、手役をはじめとする打点の意識を持つようになり、成績の向上につながりました。
また、何切る問題のように難しい選択をせまられた際、
公式ルールならこれ
Mリーグルールならこれ
WRCルールならこれ
と、ひとつの問題でたくさん考えを巡らせるようにしています。

今は一発裏ドラの有り無しだけじゃなく、赤あり、オカあり、4人麻雀に3人麻雀と、多種多様なルールがあります。その全てで選択が変わり、様々な麻雀に触れる事により、必ず自身の雀力向上につながります。
たくさん麻雀を打ち、先人の知恵を知り、自身を、相手を研究する。
難しい戦術のお話はできませんでしたが、このコラムが基礎を見直すきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

第5期若獅子戦ベスト16Bレポート

【第5期若獅子戦 ベスト16B卓からは朝野・塚越が勝ち上がり】

本日の対局者は
小川裕也
塚越達也
渡辺史哉
朝野叶

 

 

【1回戦】

東3局。小川がドラ暗刻の五万八万待ちリーチ。満貫のアガリでリードする。

 

 

3人浮きの接戦となった南2局1本場。
朝野がピンフリーチを打ち、ドラの二筒をロンして裏ドラも二筒

 

 

このアガリが決め手となって朝野がトップを取る。

 

【2回戦】

1回戦にラスを引いてしまった渡辺が一発ツモで満貫のアガリ。

 

 

東4局には初戦3着の塚越がドラをツモって跳満のアガリ。

 

 

オーラス。塚越がドラを暗刻の先制リーチを打ってトップをもぎ取りに行くが

 

 

朝野に1,300は2,200(+3,000)の放銃となり2着落ち。

 

【3回戦】

塚越・小川ともに一万四万待ちリーチ。

親番の塚越が引き勝ち裏ドラを1枚乗せて満貫のアガリで優位に立つ。

 

 

しかし東2局3本場にテンパイ打牌でドラの中を切ると朝野からロンの声。

 

 

塚越の勢いを止めた朝野は東3局1本場にタンヤオピンフ三色高めイーペーコーをヤミテンでアガると、一気に60,000点オーバーまで突き抜けて安泰に。

 

 

一時期3番手まで後退してしまった塚越だが、ドラ暗刻のリーチをツモって挽回。

 

【最終4回戦】

塚越と小川の競り合いとなった最終戦。
小川が満貫のアガリでこの半荘のトップ目に立つと

 

 

南3局に白ドラ3のアガリで僅かに塚越を捲ってオーラスへ。

 

 

塚越は0.9P差なのでアガれば通過。
塚越テンパイ小川ノーテンでも逆転。

渡辺はツモダブル役満
朝野 塚越からダブル役満
小川からトリプル役満

 

 

0本場は2人テンパイで流局。
次局は小川(親)が先にリーチを打つが、塚越もテンパイを入れてツモアガリで決着。

第5期若獅子戦ベスト16B卓は
朝野叶・塚越達也の2名が勝ち上がりとなった。

 

 

(文・吾妻さおり)

第5期若獅子戦ベスト16A卓レポート

【第5期若獅子戦~ベスト16A卓~高橋大輔、貝原香の勝ち上がり】

この若獅子戦と桜蕾戦が新設されたとき、内外ともに大きく盛り上がったのを覚えている。
半年に1回の開催ではあるが、あっという間に5期目を迎えた。
これに懸ける若手の熱量や、才能の片鱗を見ることができ、非常に面白く、注目度も高い。
今年も新スターが誕生するのだろうか?

 

 

昨年12月に入会、この若獅子戦が初の公式戦にも関わらず、首位で予選を通過した櫻井一樹。
29歳、今回が最初で最後の挑戦とのことだが、1回戦から非凡な才能を見せる。

 

 

 

 

高橋が白を暗カンして先制リーチした局面、自身の都合では道中に持ってきた孤立の二万を切って放銃になっておかしくなかったが、
二万五万三万六万九万のマンズ待ちが本線だったので、ピンズを全部切って回ることも視野に入れていた。」と切らずに粘り、なんとハイテイでのツモアガリ。
解説の三浦からは「テンパイでの六万切りは、六万が現物で巡目も深いので、シャンポンに受ける人もいるが、(2枚目の局面で)ここで二万を切らなかったことが素晴らしい」と大絶賛だった。

 

「普段はオリるのに、熱くなってたんでしょうね。」

櫻井が、終局後に後悔していたのはこの場面。

 

 

この半荘の櫻井と貝原の順位の上下は大きく、櫻井は是が非でも上の着順で終わりたい。
当然、貝原からは逆転できるリーチと読め、櫻井はアガリを阻止したかったが、痛恨の放銃となってしまった。

 

 

とても共感できたので、掲載したい。
この前局、ツモるとトップまでいく跳満のテンパイをかわされていたね。
(自分も15年近く経つけど、やっちゃうんだよなぁ・・・)

 

早川健太は、第3期以来の2回目の優勝を目指して、この場にやってきた。

 

 

しかし、今日は不遇の1日。
僅差の3回戦オーラス、負けている早川はアガってトップで終わりたい局面だったが、高橋のヤミテンの12,000に放銃。
高橋との運量の差が圧倒的だった。
代わりに、「ズルいよ、勘弁してよ」と僕が心の中で代弁しておきました。

 

 

100ポイント差になってしまった最終戦、それでも、あわや逆転か、と思わせるまで猛追するところに、意地と強さを垣間見た。

 

 

高橋から出アガリで18,000。

しかし、一発ツモの五索を食い取られていて、鳴きがなければ8,000オールだった。
本場も入れると、貝原との差が、33.6ポイント分詰まるところ、9.2ポイントしか詰まらず、貝原にとっては命拾いした思いだろう。

貝原香は、早川と同期。
「早川とは同じ特待生オーディションで合格したが、先に早川が若獅子を獲ったので、今度は自分が獲りたい。」と語った。

 

 

 

「リードした立場での麻雀がひどかった。」と反省していたが、積極的に局を潰そうとしていた試みが全然アガリにつながらず、3、4回戦は苦しかった。
三浦もフォローしていたが、貝原自身が感じるほどひどい内容ではなかった。
(苦しいとそう感じてしまうものですね。)

 

 

最後は必死の3フーロで決着させ、ホッとしたところだろう。

推薦枠で選ばれた高橋大輔。
審査員を担当していた白鳥から、「判断が早いのがとてもよい」との評価だったが、その判断の早さが結果にも現れた。

 

 

 

1回戦、早川の先制リーチにドラの南が暗刻になり、押し返した局面。
早川の現物の六万でアガリになったのだが、このアガリに高橋の良さが生きたと感じた人もいたと思う。
誇張した例で書くと、オリているときはとても慎重に悩んで切っている人が、全然悩まずに無筋を切ってきたら、あなたはどう感じるだろうか。(普段と違うぞ。高いテンパイをしているかもしれない)と察知するだろう。
高橋は二索は安牌でトイツ落とし、六索は中筋(ツモ切り)、一万は無筋でテンパイ打牌なのだが、どれも素早く同じテンポで切った。
無筋ではあるものの、端の一万ではあるし、普段から高橋の押しは多いので、高い手が入っているとは読み取りづらい。
櫻井は自身のテンパイを目指して粘った六万だったので、気配が出ていたら、間違いなく打たれない牌だった。

 

 

もう1つはこちら。
二万切りリーチがノータイムだった点が素晴らしかった。
三浦からも「少しでも迷ったら、二万付近の待ち取りで悩んだのかも?と読まれて、一万が止まったかもしれませんね。」とお褒めの解説をされていた。
待ち取り、リーチ判断も含めて、悩ましい手牌だと思う。
なお、放銃した親の早川は、二万が暗刻で一万はノーチャンス。不憫でならない。

 

 

「普段の2倍は疲れました。」と終局後のコメント。
楽勝ムードの最終戦をヒヤヒヤにしてしまって、高橋は反省を持ち帰っただろうが、勝ちという結果だけでなく、課題も受け取れて、1粒(試合)で2度美味しいと思っておこう。
(これは藤崎の受け売りですが)

 

 

最後に、サムネイルにしたこの七筒切り、これは推薦の期待に応えた一打だったね。

 

 

(文:福光聖雄)

第5期若獅子戦二次予選レポート

【第5期若獅子戦二次予選レポート】

 

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今期の若獅子戦はWRCルールによるトライアル形式(全10回戦)

一次予選
①4回戦 (50分+1局)を行い
プラス者+マイナス者0〜3名が通過
②1回戦 (50分+1局)を行い、上位48名がポイント持ち越しで二次予選へ

二次予選
③4回戦(50分+1局)を行い、上位24名が通過
④1回戦(60分+1局)を行い、上位12名+推薦4名がベスト16トーナメント進出

※推薦4名は過去に推薦を受けていない者から選出

 

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【審査員】

藤崎智
勝又健志
山田浩之
白鳥翔
白銀紗希

 

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4回戦終了時上位24名が5回戦進出

 

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5回戦を終えて上位12名がベスト16進出となった。

 

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【勝ち上がり者】

若獅子戦
前列右から1〜6位
後列右から7〜12位

 

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【推薦】

審査の結果、推薦は下記4名に決定。

近藤廉
上田稜
朝野叶
高橋大輔

【第5期若獅子戦 ベスト16組み合わせ】

 

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(文・吾妻さおり)

第5期桜蕾戦ベスト16D卓レポート

3/14(火)、第5期桜蕾戦ベスト16D卓が放送された。
対局者は廣岡璃奈、夏川夏未、疋野加奈子、松島桃花。

 

 

第5期桜蕾戦はWRCルールでの開催。4回戦を戦い、上位2名がベスト8へ勝ち上がりとなる。

★1回戦
東1局、第3期優勝者である廣岡がリーチピンフ一発ツモで幕開け。1,300・2,600。

 

 

東4局には松島がリーチドラ3で8,000のアガリ。これをきっかけに親番でもアガリを重ね、5万点付近のトップ目に。

 

 

一気に突き抜けたいところであったが、立ちはだかったのは廣岡。南1局2本場でダブ南ドラドラの2,000・4,000。さらに南3局1本場、ドラ1のリーチをツモると裏ドラ3枚の3,000・6,000に!

 

 

松島を逆転し、初戦トップを獲得した。

廣岡 +39.9P
松島 +14.5P
夏川 ▲18.9P
疋野 ▲35.5P

 

★2回戦

東3局1本場、初戦4着の疋野が2フーロしてタンヤオトイトイドラドラ・高目ドラのテンパイ。安目ながら4,000オールのツモ!

 

 

夏川もピンフドラ1のリーチを松島から一発でアガるなど、劣勢だった2名が高打点を決めるも…南1局、松島が役役ホンイツドラ3の6,000オール!

 

 

4着からトップに浮上する大きなアガリに。さらに南3局、4着目の廣岡がダブ南を仕掛けてホンイツへ。2着順アップする大きな2,000・4,000のツモアガリに。

 

 

初戦連対の廣岡・松島がリードをさらに拡げる結果となった。

松島 +34.2P
廣岡 ▲0.3P
疋野 ▲11.6P
夏川 ▲22.3P

 

★3回戦

東2局、松島が2フーロして役役トイトイ。夏川のリーチにめくり勝ち、通過をかなり濃厚にする2,000・4,000。

 

 

この半荘は勝負手がぶつかりながらも流局が続き、南2局2本場では供託が3本に。この局は夏川がピンフドラ1のリーチで先制するも、終盤に追いかけた疋野がリーチのみの2,000点で計5本のリーチ棒を回収。

 

 

もどかしい夏川であったが、南3局6本場ではリーチのみのペン三筒をツモって裏1枚。2着目に浮上し、最終戦へ望みを繋いだ。

疋野 +24.0P
夏川 +6.4P
松島 ▲5.4P
廣岡 ▲25.0P

 

★4回戦

4回戦開始時点でのトータルトップは松島。夏川・疋野が廣岡を追いかける形に。
東3局、疋野が5メンチャンリーチを一発でツモり、3,000・6,000。

 

 

東場にして廣岡まで僅差に迫ると、さらにリーチピンフツモドラ1、リーチツモドラ1と親番で連続の加点に成功し、逆転に成功。
追い込まれた廣岡であったが、親番を迎えると2,600オールをアガリ返し再逆転!

 

 

トータルトップ目に立ち、最後には松島がターゲットとなる状況に。あと一歩という疋野であったが、オーラス親番ではテンパイを入れることができず無念のノーテン流局。

疋野 +38.4P
廣岡 +7.2P
夏川 ▲17.6P
松島 ▲28.0P

 

 

以上の結果から、ベスト16D卓の通過は廣岡璃奈、松島桃花の2名となった。
第5期桜蕾戦、次回ベスト8の組み合わせは画像の通り。

 

 

ベスト8A卓は3月21日(火)16時〜放送いたします。

次回も是非お楽しみに!

(文・浜野太陽)

第5期桜蕾戦ベスト16C卓レポート

【第5期桜蕾戦~ベスト16C卓~、中田花奈と御子柴佑梨の勝ち上がり】

ベスト16C卓の出場選手を紹介しよう。

 

◇御子柴佑梨◇

38期後期、東京本部所属。
前回、第4期はベスト16で敗退と涙をのんだが、今期も予選を3位で通過し、ベスト16に戻ってきた。
前回の悔しさを晴らす絶好の舞台だ。

 

◇加護優愛◇

38期後期、東京本部所属
第4期桜蕾戦では惜しくも準優勝。
所属は東京本部ではあるが、新潟から通う加護。
デビューは昨年9月、高い雀力をもつ新人と、鮮烈なデビューだった。
今期も予選を6位で通過し、今度こそ優勝をと気合いも十分だ。

 

◇夏目一花◇

38期前期、東京本部所属

桜蕾戦は、今期が初出場だったが、予選を11位で通過し、このベスト16に。
意気込みは?との問いには、一言「優勝したいです!」と回答していた。
荒正義に憧れていて、強い、と言われるプロになりたいとのこと。

 

◇中田花奈◇

37期後期、東京本部所属
第1期桜蕾戦4位以来の出場になったが、今回は推薦枠で選ばれてのベスト16進出。
「やっとスケジュールに調整がついた。また出られるか怪しいので、最後かもしれないとの思いで戦いたい」と戦前にコメントを残した。

 

1回戦、開始早々に手がぶつかった。

親の御子柴がドラの中を切ってリーチ。
加護はその中をポンして一索四索待ちのテンパイ、この待ちなら全面対決だろう。

 

 

加護は2巡後に、発をツモ切ると、御子柴の手が開かれる。

 

 

リーチ、発、トイトイ、三暗刻、裏3の24,000。

発はドラ表示牌に1枚見えていて、これは押す一手とはいえ、予想の数倍も高い放銃になってしまった。

この後の1回戦は、中田が親番で細かく連荘をして、加点する。
加護にも失点を挽回できそうな、七対子、ドラ2のテンパイが入り、待ち頃の二索単騎にしてリーチを打つも、(実際に山に3枚)

 

 

 

御子柴が押し切ってアガリ切った。
加護にとっては、この局もダメージが大きかったと思われる。

1回戦終了時
御子柴+48.2P、中田+20.8P、夏目▲13.2P、加護▲55.8P

 

2回戦、先行したのは中田だった。
東3局の親番、リーチ、ツモ、ピンフ、ドラ、裏の4,000オールに続き、

 

 

先制リーチの加護の現物の九索で、ピンフ、三色同順、ドラの12,000を御子柴から。

 

 

このアガリで、中田とトータル3番手の夏目との差は約100ポイント。
だいぶ余裕ができ、その後は危なげない試合運びだった。

中田が抜けたことで、夏目、加護が追いかける相手は御子柴になった。
南2局、この御子柴の親だけは早く終わらせたかったのだが、まずはヤミテンでの七対子2,400のアガリを皮切りに連荘が始まる。

 

 

1本場、御子柴と中田の2人テンパイ。
2本場、御子柴が先制リーチで1人テンパイ。
3本場、中田が先制リーチも、御子柴が追いかけリーチをして、中田から2,900。(リーチ、ピンフ)
そして4本場、リーチ、ドラ2を夏目からアガったのが決まり手になった。

 

 

この半荘、中田がトップ、御子柴が2着となり、試合の大勢は決した。

2回戦終了時
中田+70.4、御子柴+62.6、夏目▲55.0、加護▲78.0

3回戦終了時
中田+92.0、御子柴+39.3、夏目▲46.4、加護▲84.9

最終成績
中田+71.9、御子柴+57.0、夏目▲38.9、加護▲91.0

敗れた夏目は、2回戦に戻ってしまうが、高い守備意識を見せてくれた。

 

 

かなり加点したい状況で、巡目が深いとはいえ、1シャンテンは維持したいところ。
しかし、我慢して字牌には手をかけず、手を崩してしまうが七筒切りとした。

 

 

親の中田(上家)にちょうどドラ暗刻のヤミテンの南待ちのテンパイが入ったところだった。
この放銃回避には、実況の羽田と解説の伊達からは驚きの声があがった。
放銃を回避したものの、結局中田にはツモられてしまい、苦しい1日だった。

 

 

加護は、攻撃の手段を色々と持っているタイプだとは思うが、初戦の失点でどうしても打点寄りにせざるを得ず、手段が限られたのが痛かった。
本人も、前期の桜蕾戦よりミスは少なかったが、今日は苦しかったと、サバサバしていた。
「次はノーミスでした、と言いきれるように頑張りたい」と豊富を語った。
また来期に期待したい。

 

 

御子柴は、今日よかったところは?と聞かれ、「一番良かったのは、運ですね。」と謙虚に答えた。
戦前のインタビューから、『超攻撃型』と自分の雀風を称していたが、ガンガン攻めてくる雰囲気がとても良かったように思う。
これは御子柴の攻め続ける姿勢の一例だが、前述した通り、この親番を連荘できたことが、勝ち上がりにつながった。

 

 

 

仕掛けは遠かったが、それは他家からはわからないし、ここまでの御子柴の押しっぷりに引かされてしまったようにも感じた。
一発、裏ドラがあるルールだとリーチが強いので、おそらくここからは仕掛けない方がマジョリティだろうが、メンゼンで進めていたらこの連荘はなかっただろう。

中田は、スコアも内容でも完勝だった。
推薦枠で選ばれてSNSが大荒れしていたこともあり、その責務をしっかりと果たせてホッとした様子にも見える。

中田「恥ずかしいと思うので、急いでツイ消ししてくださいね(一同爆笑)。大盛りあがりで、やり甲斐がありました。」
とさすが大物だな、と思わせるコメントを残して締めくくった。

 

 

 

(文:福光聖雄)

第5期桜蕾戦ベスト16B卓レポート

【第5期桜蕾戦 ベスト16B卓からは内田みこ・後藤咲が勝ち上がり】

ベスト16B卓対局者は

後藤咲
内田みこ
盛合麻理奈
松田彩花

 

 

【1回戦】

東4局。内田がホンイツドラドラ、満貫のアガリでリード。

 

 

南1局は3者の手がぶつかる。

親番後藤五索六索待ち先制リーチ。

松田がメンホン七対子北単騎、ツモ切り追っかけリーチ。

内田が三筒六筒九筒3軒リーチ。

 

 

今局は後藤に軍配。ツモって裏ドラを1枚乗せ、4,000オール(+2,000)のアガリとなる。

後藤 +33.2P
内田 +8.4P
松田 ▲15.3P
盛合 ▲26.3P

 

【2回戦】

内田がリーチを打ち、一発ロンで裏ドラ2枚。親満のアガリで2回戦も好スタート。

 

 

放銃した盛合は次局に一通確定のカン二万リーチを打って素点を取り戻しに行くが

 

 

今度は松田が追っかけリーチが飛んで来て、ドラの六筒を掴んでしまう。

オーラスは内田がダブルリーチを打ち、満貫のツモアガリで2回戦トップを取る。

 

 

内田 +35.6P (+44.0P)
松田 +20.0P (+4.7P)
後藤 ▲16.5P (+16.7P)
盛合 ▲39.1P (▲65.4P)

 

【3回戦】

2ラスで後のない盛合は高め三色の二索ロンで満貫をアガると

 

 

東4局の親番では2,000オール。この半荘は何としてもトップが欲しかったが…。

南3局に内田が仮テンパイの八索で7,700は8,600(+4,000)で連荘すると

 

 

4本場にはドラ暗刻の4,400オール。
5本場には高めの中で7,700は9,200とアガって一気に3者を突き放す。

8本場には松田がドラ暗刻のリーチを打ち、高めの四万で跳満ツモ。

 

 

3回戦を終えた時点で内田が当確ラインとなり、残り一席を争う図式となった。

内田 +41.5P (+85.5P)
松田 +8.5P (+13.2P)
盛合 ▲17.2P (▲82.6P)
後藤 ▲32.8P (▲16.1P)

 

【最終 4回戦】

松田と後藤が1回ずつ大物手をアガって迎えた東3局。盛合が親満確定のシャンポンリーチ。

 

 

松田がスジを追って八索を切ると、裏ドラ3枚で痛恨の18,000放銃。

【最終戦オーラス】

 

 

0.9ポイントリードの後藤が先にテンパイ。

松田はアガリ必須条件となったが1シャンテンから進まず。後藤の1人テンパイで流局。

第5期桜蕾戦 ベスト16B卓は、内田みこ・後藤咲の2名が勝ち上がりとなった。

 

 

(文・吾妻さおり)

第5期桜蕾戦ベスト16A卓レポート

【第5期桜蕾戦 ベスト16A卓は川上玲・藤根梨沙が勝ち上がり】

桜蕾戦ベスト16A卓対局者は

藤根梨沙 (とうねりさ)
駒田真子 (こまだまこ)
鴨舞 (かもまい)
川上玲 (かわかみれい)

 

 

【1回戦】

1回戦は小場で淡々と進んでいたが、南3局に大きく動いた。

親番の藤根が六筒を暗カンし、カン二万リーチで先制。

 

 

表ドラ、カンドラ、裏ドラが1枚ずつ乗って12,000のアガリを決めて1回戦トップ。

 

 

リーチ中ドラで5,200は5,800(+1,000)をアガった駒田が2着を取る。

藤根 +24.9P
駒田 +11.6P
川上 ▲0.9P
鴨 ▲35.6P

 

【2回戦】

駒田が親番でドラ雀頭のカン三索リーチを打ち、7,700は8,000(+1,000)を鴨から。

 

 

東3局には藤根が南発東ホンイツの満貫を川上からアガリ。

 

 

ここまでは先行組がリードを広げていたが、南3局に川上が早々に強烈な3フーロ。ドラの南ポン、発を加カンでドラ7枚のマンズのホンイツテンパイ。

親番の鴨はマンズを打たずに迂回してテンパイを入れたが

 

 

川上がハイテイでツモって三倍満のアガリ。大逆転トップを取った。

川上 +29.0P (+28.8P)
駒田 +5.8P (+17.4P)
藤根 ▲9.8P (+15.1P)
鴨 ▲25.7P (▲61.3P)

 

【3回戦】

藤根が三色イーペーコー確定のカン四筒待ち。

ドラの中をポンした駒田のテンパイ打牌で満貫のアガリ。

 

 

トータル▲61.3Pと後のない鴨は打点も欲しい局面だが、ドラ単騎にせず、敢えて西単騎を選んでリーチを打ち1,600・3,200をツモると

 

 

東3局にはドラ暗刻のトイトイで満貫。
オーラスにもダブ南白ホンロウトイトイの跳満を川上からアガって大トップ。トータル3番手に浮上した。

鴨 +49.7P (▲11.6P)
藤根 +9.4P (+24.5P)
駒田 ▲13.4 P(+4.0P)
川上 ▲45.7P (▲16.9P)

 

【最終 4回戦】

最終戦は高打点のアガリ合戦に。
東3局は駒田が一発ロン、裏ドラ2枚で満貫。

 

 

東4局1本場は川上がドラ雀頭のリーチを一発ツモで跳満。

 

 

南2局1本場には鴨が高めの四索で跳満ツモ。

 

 

4者のポイント迫って藤根の敗退も見えて来たが、南3局は藤根が駒田から2,600のアガリでラス抜け。

最終戦オーラスの条件は

駒田はツモ満貫
藤根から満貫
川上から跳満
鴨からは6,400か倍満以上
(鴨から8,000や跳満はNG)

親番の鴨は連荘を狙ってリーチを打つが

 

 

川上がアガって決着。

第5期桜蕾戦 ベスト16A卓からは川上玲・藤根梨沙の2名が勝ち上がりを決めた。

 

 

(文・吾妻さおり)

女流プロ麻雀日本シリーズ2023 プレーオフ第1節レポート

【最初のプレーオフ経由ファイナル行きを決めたのは最速マーメイド魚谷侑未。】

◆予選全7節終了時の成績

 

 

◆プレーオフ第1節システム
2位〜13位の12人で各自1回戦、計3回戦を行いトータルスコア上位1名が決勝進出、下位3名が敗退。

 

⌘第1試合

 

 

仲田加南vs西嶋千春vs白銀紗希vsりんのなお

・東1局
りんの8,000アガリ(放銃は仲田)
・東2局
りんの2,000アガリ(放銃は仲田)
・東3局
仲田リーチ
→白銀300・500ツモアガリ

開局から快調にりんのがアガリを重ね、仲田は失点の局が続く。
その中でチャンス到来を静かに待っていたのは西嶋であった。

東4局1本場の親番で2枚目の九筒をスルーすると、見事なメンホン七対子テンパイに辿り着く。

 

 

しかし、この局も仲田が黙ってはいなかった。西嶋の“静”である強烈なヤミテンの中、全局参加宣言と言わんばかりのドラの西単騎で先制リーチに漕ぎ着けると

 

 

力強く山に1枚のアガリ牌を引き寄せる。そして裏ドラ表示牌には三筒が顔を出し4,000・8,000の倍満に仕上げた。

解説・藤崎
「剛腕ですね。」

西嶋とは対照的に“動”である強烈なラリアット炸裂である。

 

 

オーラスには
一索一索二索二索発発発 ロン一索 ポン中中中 ポン七万 左向き七万 上向き七万 上向き ドラ西
西嶋より発中・トイトイの満貫の出アガリで大きく加点し、上位陣にプレッシャーを掛けながらの結果待ちとなった。

◆プレーオフ1回戦結果
1着 仲田+23.4P(+60.5P)
2着 りんの+11.3P(▲12.6P)
3着 白銀▲4.0P(▲69.3P)
4着 西嶋▲30.7P(▲28.0P)

 

⌘第2試合

 

 

小宮悠vs二階堂瑠美vs和久津晶vs水崎ともみ

小場で局が進む中で最初に前に出たのは小宮。

東4局
南家・小宮
二万三万四万四索五索六索四筒四筒六筒七筒七筒八筒八筒 リーチ 一発ツモ九筒 ドラ二万 裏南

これで一歩抜け出すと南2局では

 

 

東家の仕掛けに対応しながらも、あえフリテンターツを残したり鳴きで待ち変えするなど、多様な引き出しを見せ微差ながらトップ目で南4局を迎える。しかし、この半荘を制したのは和久津。

南4局
西家・和久津
四万五万五万六万六万七万三索四索六索七索七索七索八索 リーチ ロン五索 ドラ中 裏九万

瑠美より放たれた五索を一発で捉えると、暫定ながらスコアもプラス域まで浮上しプレーオフ残留圏内とした。

 

 

◆プレーオフ2回戦結果
1着 和久津+23.7P(+8.1P)
2着 小宮+10.1P(▲17.1P)
3着 水崎▲5.5P(+56.8P)
4着 瑠美▲28.3P(▲7.8P)

 

⌘第3試合

 

 

逢川恵夢vs岡田紗佳vs魚谷侑未vs黒沢咲

黒沢と言えばメンゼン・高打点で魅了する“セレブ麻雀”

東1局
西家・黒沢
一万二万三万五万六万一索二索三索一筒二筒三筒東東 リーチ ロン七万 ドラ一索 裏七索

開局には“ごきげんよう”とばかりに華麗な三色で挨拶を交わした。しかし今日の黒沢は違った一面を見せる。

東2局1本場
三万四万五万五索七索八索九索四筒五筒六筒 ポン二索 上向き二索 上向き二索 左向き ドラ六索

東2局2本場
五万五万七万八万九万三索四索 ポン白白白 チー八索 左向き六索 上向き七索 上向き ツモ五索 ドラ南

形式テンパイに2フーロ1,000点のアガリと庶民にとってはお馴染みの光景を披露する。それでも黒沢はやっぱりセレブリティであった。

 

 

南3局に逢川からメンホン・発12,000をアガるなど、この半荘60,000オーバーのトップを持ち帰る。

一方で、抑え目の3着でもプレーオフ勝ち上がりとなる魚谷は、細かな加点を着実に決めると、早々に決勝卓への一席を確保した。

 

 

◆プレーオフ第1節終了時の成績

 

 

予選1位の瑞原に続いて魚谷が決勝進出を決め、西嶋・白銀・逢川がここで敗退。

【女流プロ麻雀日本シリーズ2023プレーオフ第2節】
2023年3月22日(水)14:00〜

解説:藤崎智・佐々木寿人
実況:阿久津翔太

◆8人でPO各自1回戦、計2回戦を行い上位1名が決勝進出。下位3名が敗退。
◆4人でPO各自1回戦、計1回戦を行い上位1名が決勝進出。

(文:小林正和)

第13期麻雀グランプリMAXベスト8B卓レポート

第13期麻雀グランプリMAX ベスト8B卓は二階堂瑠美・HIRO柴田・魚谷侑未・西川淳の4選手による対決。現タイトルホルダー3人に、A1リーガー西川が加わり、白熱した戦いが繰り広げられた。

 

 

1回戦は瑠美・柴田・西川の三つ巴の戦い。ここから南4局1本場にホンイツ・イーペーコーの8,000(+300)を魚谷からアガった柴田が逆転でトップを奪う。

 

 

2回戦は瑠美と西川のトップ争い。南3局にドラ3のカン八筒待ちでリーチをかけた瑠美が、大物手を視野に進めた魚谷から仕留め、8,000の加点でトップに。

 

 

3回戦は南4局1本場に親の瑠美・リーチをかけた柴田に対して二索五索八索待ち3メンチャンで追いかけた西川が、柴田から2,600(+1,300)のアガリでトップ。

 

 

勝負は4回戦に大きく動いた。
まず南1局に親番の西川がピンフドラ2の二万五万待ちリーチ。
これを柴田が役牌西を仕掛け、西川から1,000(+1,000)のアガリで潰すと、

 

 

南3局には同じく先行リーチの西川に対し、今度は四筒七筒待ちで追いかけリーチをかけ、七筒をツモり、2,600オール(+1,000)。

 

 

 

西川「相手関係は考えて打っているが、柴田さんに腹をくくられた。甘くないなと・・・」
柴田「ここでめくり合いに勝てたのは大きかった」

さらに柴田は続く1本場でドラ七筒をポンし、瑠美から六万で11,600(+300)。この南場の怒涛の攻めで柴田が有利に立つ。

 

 

そして南4局。前を追う西川が魚谷のリーチに追いかけるが、二索を掴み8,000(+1,000)の放銃で痛恨のラス落ち。4回戦で大きく明暗が分かれた。

 

 

最終戦は魚谷に四暗刻テンパイが入るもののアガリまで届かず。

 

 

あとはHIRO柴田・二階堂瑠美が軽快に捌いて対局を終わらせ、決勝進出を果たした。

 

 

決勝は白鳥翔vs吉田直vsHIRO柴田vs二階堂瑠美による対戦。

3/18(土)・3/25(土)に、いずれも14時開始で行われる(4半荘×2日の8半荘制)。

初日(3/18)解説:前田直哉・勝又健志
最終日(3/25)解説:佐々木寿人・三浦智博
実況:両日とも部谷幸則

2022年度の掉尾を飾る決勝戦にご期待下さい。

(文:梅中悠介)

第5期桜蕾戦予選レポート

【第5期桜蕾戦予選レポート】

 

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今期の桜蕾戦はWRCルールによるトライアル形式(全5回戦)

①4回戦(50分+1局)を行い、上位24名が通過
②1回戦(60分+1局)を行い、上位14名+推薦2名がベスト16トーナメント進出

※推薦2名は過去に推薦を受けていない者から選出

 

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【審査員】

藤崎智
勝又健志
山田浩之
白鳥翔
白銀紗希

 

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4回戦終了時上位24名が5回戦進出

 

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5回戦を終えて上位14名がベスト16進出となった。

 

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【勝ち上がり者】

前列左から1〜6位
後列右から7〜14位

 

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【推薦】

審査の結果、推薦は下記2名に決定。

松田彩花
中田花奈

【第5期桜蕾戦 ベスト16組み合わせ】

 

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(文・吾妻さおり)

第13期麻雀グランプリMAXベスト8A卓レポート

グランプリMAXベスト8A卓に出場した選手は

 

 

奈良圭純・白鳥翔・吉田直・荒正義の4名。

1回戦の南4局1本場

 

 

吉田・荒・白鳥が3軒リーチとぶつかる展開になり

 

 

白鳥が掴んだ荒のロン牌二筒

 

 

吉田が上家取り。
2人からのリーチ棒も入って荒を逆転してトップとなりました。

好スタートを切った吉田は2回戦のオーラスに

 

 

白鳥のチンイツ・一気通貫に飛び込んでしまい三番手まで落ちるも、3回戦にV字回復。

 

 

きっかけは七対子の選択で、四索単騎のヤミテンから五万を引くと迷わずリーチをかけて3,200オールのアガリ。

オーラスの親番では

 

 

怒涛の連荘で

 

 

あっという間に7万点オーバーで1人抜け出しました。

 

奈良・白鳥の2番手争いは

 

 

吉田と同じくリーチ・ツモ・七対子で浮上した白鳥が4回戦南場の親で連荘すると

 

 

その中でリーチ・一気通貫を奈良から直撃して大勢が決しました。

最終戦は吉田が放銃しながらも白鳥と局を消化して逃げ切りで終局。

 

1位通過:白鳥翔

 

2位通過:吉田直

<最終結果>
白鳥+38.3P 吉田+15.9P 荒▲19.4P 奈良▲34.8P

(文:越野智紀)

第13期麻雀グランプリMAXベスト16D卓レポート

【第13期麻雀グランプリMAX ベスト16D卓 西川淳・奈良圭純が勝ち上がり】

本日の対局者は

奈良圭純(現世界チャンピオン)
石井良樹(現王位)
西川淳(二次予選B卓2位)
渡辺史哉(二次予選C卓1位)

 

 

【1回戦】

東2局に先制リーチを打った石井は一索で誤ツモ発声をしてしまい、▲20Pのペナルティ。

 

 

開始早々ビハインドを背負った石井だが、東3局にはドラの三索で満貫をツモると

 

 

次局もドラ3枚の2,000・3,900をアガって点棒を増やしていく。

オーラス。西川(親)がドラ暗刻のリーチを打ち、12,000直撃で石井に迫ると

 

 

1本場では6,000オールは6,100オールで大逆転。

1回戦結果

西川淳 +50.8P
石井良樹 +7.7P
渡辺史哉 ▲31.9P
奈良圭純 ▲46.6P

 

【2回戦】

2回戦は僅差でオーラスへ。
渡辺が中白ホンイツのテンパイを入れるが

 

 

石井が2,600のアガリ。接戦を制してトップを取る。

2回戦結果

石井良樹 +15.0P (+22.7P)
奈良圭純 +4.4P (▲42.2P)
西川淳 +1.0P (+51.8P)
渡辺史哉 ▲20.4P (▲52.3P)

 

【3回戦】

奈良の五索八索先制リーチ。

西川がドラ暗刻、中の片アガリで追いつく。高めのドラはカン出来たが、八索は使えずツモ切りとし、

 

 

奈良が3,900は4,500のアガリ。

3回戦結果

奈良圭純 +11.0P (▲31.2P)
西川淳 +6.2P (+55.6P)
渡辺史哉 ▲4.3P (▲56.6P)
石井良樹 ▲12.9 P(+9.8P)

 

【4回戦】

奈良が北ホンイツ。親リーチを打った渡辺から七万ロンで7,700(+1,000)をアガってリードするが

 

 

南3局に西川がダブ南ドラドラ。奈良から7,700の直撃。

 

 

オーラスは石井が西川から1,600。石井は3着確定のアガリだが、トータルポイントが近い奈良のトップを阻止して4回戦が終了。

 

 

西川淳 +16.2P (+74.2P)
奈良圭純 +12.1P (▲19.1P)
石井良樹 ▲9.0P (+0.8P)
渡辺史哉 ▲19.3P (▲75.9P)

 

【最終 5回戦】

ここまで苦戦していた渡辺が高め大三元テンパイ。
中をツモ。

役満一撃で2位との差を22.7Pまで縮めるが

 

 

奈良が東場の親番でタンヤオツモ七対子ドラドラをアガって、トータル2番手に。

 

 

最終戦オーラス。
石井はツモ跳満、奈良から跳満直撃条件だったが

 

 

全員ノーテンで流局。

ベスト16D卓からは、西川淳・奈良圭純の2名が勝ち上がりとなった。

 

 

第13期麻雀グランプリMAX
ベスト8A卓は
2023/3/6(月) 15:00

荒正義
白鳥翔
吉田直
奈良圭純

解説 藤島健二郎
実況 部谷幸則

 

 

ベスト8B卓は
2023/3/7(火) 15:00

二階堂瑠美
HIRO柴田
魚谷侑未
西川淳

解説 山田浩之
実況 松田彩花

 

 

(文・吾妻さおり)